JP7112284B2 - アクティブノイズコントロールシステム - Google Patents

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Description

特許法第30条第2項適用 平成30年度土木学会全国大会第73回年次学術講演会(平成30年8月)の土木学会認定CPDプログラムのDVD-ROM,第7部門 VII-026 第51頁~第52頁,公益社団法人土木学会
本発明は、騒音等に含まれる複数の卓越周波数の音圧を一挙に低減することが可能なアクティブノイズコントロールシステムに関する。
アクティブノイズコントロールに関する先行技術として、特許文献1及び2が知られている。特許文献1の「並列適応フィルター構成を用いるアクティブノイズコントロールのためのシステム」は、アクティブノイズコントロールシステムであって、該システムは、複数の適応フィルターを備え、該複数の適応フィルターは、それぞれ望ましくない音響を表す同じ入力信号を受け取り、かつ、それぞれの更新信号を受け取るように構成され、該複数の適応フィルターは、該同じ入力信号に基づいてそれぞれの複数の出力信号を生成するように構成され、該それぞれの複数の出力信号の各々は、該それぞれの更新信号に基づいて独立に調整され、該それぞれの複数の出力信号のうちの少なくとも一つは、該望ましくない音響と相殺的に干渉するためにスピーカーを駆動して音波を作るように構成されたアンチノイズ信号である、システムとされている。
特許文献2の「アクティブノイズコントロールシステム及びアクティブノイズコントロール方法」は、騒音を計測する計測用マイクと、騒音を低減するための制御音を作成し出力する制御コントローラと、制御音を放出する制御用スピーカーとを備え、制御コントローラは、騒音中の、制御対象周波数帯域の周波数成分のみを透過させるバンドパスフィルタと、バンドパスフィルタを透過した周波数成分から制御対象卓越周波数を推定する適応フィルタと、予め計測された制御コントローラの周波数毎の位相遅れに基づき、制御対象卓越周波数に対する位相遅れについて時間制御で位相補正を行い、さらにその逆位相の制御音を作成する制御信号演算部とを備えて構成されている。
特開2010-161770号公報 特開2015-225130号公報
アクティブノイズコントロールシステム(以下、ANCと称する)は、バックホウやクレーン車などのエンジン音の騒音対策として、建設現場での適用実績が増えてきている。上記エンジン音は、単一の周波数の音圧が卓越し、周囲へ大きな影響を与える。これまでに知られているANCは、単一の卓越周波数のみを消音の対象としており、効果も確認されている。
しかし、建設機械には、単一ではなく、複数の卓越周波数を持つエンジン音を発するものも多い。また、当該建設機械の動作によって、卓越周波数は変動し、その変動幅や音圧は、建設機械個々によって大きく異なる。従来のANCでは、単一の卓越周波数を対象としていた。このため、卓越周波数が複数存在する騒音に対して、対象とする単一の卓越周波数以外の卓越周波数の音圧を低減できず、効果が十分に得られない可能性があった。
対象とする周波数が異なる複数のANCを用いることは可能であるが、それぞれにスピーカを設けた場合、音が干渉してしまうことがある。各ANCからの音を合成することも考えられるが、複数のANCを完全に同期させなければならない。
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、騒音等に含まれる複数の卓越周波数の音圧を一挙に低減することが可能なアクティブノイズコントロールシステムを提供することを目的とする。
本発明にかかるアクティブノイズコントロールシステムは、音源から発せられるN個の所定の卓越周波数を含む制御対象音を観測するマイクと、該マイクで観測された制御対象音を低減するための制御音を作成し出力するコントローラと、該コントローラから入力される上記制御音を放出するスピーカとを有し、上記コントローラは、並列に設けられ、上記マイクから入力される制御対象音に含まれるN個の所定の卓越周波数を個別に透過させるN個のバンドバスフィルタと、これらN個のバンドパスフィルタそれぞれを透過したN個の所定の卓越周波数が個別に入力され、N個の所定の卓越周波数それぞれに対して、逆位相の制御音信号を個別に作成するN個の制御音信号作成手段と、これらN個の制御音信号作成手段から入力されるN個の逆位相の上記制御音信号を重ね合わせて上記制御音を作成し出力する重ね合わせ手段とを備え、かつ、N個の前記各バンドパスフィルタそれぞれに対し個別に設定される、透過させる周波数の範囲は、卓越周波数の変動幅の変動最大周波数及び変動最小周波数それぞれに対して、一定のバッファゾーンが設けられ、前記バッファゾーンが設けられた前記周波数の範囲は、卓越周波数の変動幅の変動最大周波数及び変動最小周波数と、変動幅内の中央の中央周波数を用い、上記最大周波数と上記最小周波数の差の1/2の1.1倍を上記中央周波数に加えてフィルタ最大周波数とされ、上記最大周波数と上記最小周波数の差の1/2の1.1倍を上記中央周波数から差し引いてフィルタ最小周波数とされ、該重ね合わせ手段から入力される上記制御音が上記スピーカから放出されることを特徴とする。
前記コントローラは、1台の演算装置からなることを特徴とする。
制御対象音に含まれるN個の所定の卓越周波数は、個数及び各卓越周波数とその変動幅が事前の調査で取得され、取得された調査結果に応じて、N個の前記各バンドパスフィルタそれぞれに対し、前記バッファゾーンが設けられた前記周波数の範囲が個別に設定されることを特徴とする。
本発明にかかるアクティブノイズコントロールシステムにあっては、騒音等に含まれる複数の卓越周波数の音圧を一挙に低減することができる。
本発明に係るアクティブノイズコントロールシステムが対象とする制御対象音の卓越周波数の変動特性の一例を説明する説明図である。 本発明に係るアクティブノイズコントロールシステムの好適な一実施形態を説明する説明図である。 本発明に係るアクティブノイズコントロールシステムに適用される、単一の卓越周波数に対する処理プロセスを説明するフローチャート図である。 図2に示したアクティブノイズコントロールシステムの適用例として、音源の排気筒近傍における騒音(エンジン音)の周波数特性を示すグラフ図である。 適用例における確認用マイクの配置を示す概略図である。 適用例におけるエンジン音とスピーカ音の位相状況を示すグラフ図である。 適用例におけるアクティブノイズコントロールシステムの効果を説明するグラフ図である。
以下に、本発明にかかるアクティブノイズコントロールシステムの好適な一実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
複数の卓越周波数について、卓越周波数自体が変化する第1の場合と、卓越周波数の変化はほとんどないが大きな音圧変化がある第2の場合とがあり、本発明に係るANCは、第2の場合を対象とするシステムである。
第2の場合は、コンクリートミキサー車のような騒音で、図1に示すように、複数の各卓越周波数a,b,cの変化(卓越する音の高さの変化、言い換えれば、音圧の大きい周波数が変化する幅)は少なく、各卓越周波数a~cの音圧が大きく変化する。すなわち、騒音中の、聞こえてくる複数の「音の高さ」は同じであるが、各高さの音の「音の大きさ」が大きく変化する。
建設機械のエンジン音の卓越周波数a~cは、エンジンの回転数で決まる。水平な道路であったり、スロープであったりするなど、走行場所によって、エンジン音の複数の卓越周波数a~cについて、各卓越周波数a~cの音圧が短い時間に大きく変化する可能性がある。このため、逆位相の音の計算時間が極力短いことが好ましい。
図2には、本発明に係るANCの好適な一実施形態を説明する説明図が示されている。図2中のブロック図で示されているように、本実施形態に係るANCは、主に、音源(騒音源)1から発せられるN個(3個)の所定の卓越周波数a,b,cを含む制御対象音(騒音)Sを観測するマイク2と、マイク2で観測された制御対象音Sを低減するための制御音(逆位相の音)ASを作成し出力するコントローラ3と、コントローラ3から入力される制御音ASを放出するスピーカ4とを有し、コントローラ3は、並列に設けられ、マイク2から入力される制御対象音Sに含まれるN個(3個)の所定の卓越周波数a,b,cを個別に透過させるN個(3個)のバンドバスフィルタ5a,5b,5cと;これらN個(3個)のバンドパスフィルタ5a~5cそれぞれを透過したN個(3個)の所定の卓越周波数a,b,cが個別に入力され、N個(3個)の所定の卓越周波数a,b,cそれぞれに対して、逆位相の制御音信号sa,sb,scを個別に作成するN個(3個)の制御音信号作成手段6a,6b,6cと;これらN個(3個)の制御音信号作成手段6a~6cから入力されるN個(3個)の逆位相の制御音信号sa~scを重ね合わせて制御音ASを作成し出力する重ね合わせ手段7とを備え、重ね合わせ手段7から入力される制御音ASがスピーカ4から放出されるように構成される。
コントローラ3は、演算装置を備えるパソコン等で構成され、1台で構成することが望ましい。これは、複数のコントローラ3(パソコン等)を用いた場合、すべてを完全に同期させることが困難だからである。コントローラ3は、マイク2から入力される制御対象音Sのアナログ信号をデジタル化して処理し、重ね合わせ手段7から出力する制御音ASのデジタル信号をアナログ化してスピーカ4に出力する。
本実施形態に係るANCでは、複数の卓越周波数a~cについて、逆位相の信号sa~scを並列して同時に計算するシステムであり、制御音ASの計算時間が、単一の卓越周波数を対象とする従来のANCと同等となる。
マイク2には、N個の所定の卓越周波数a~cに対応するN個のバンドパスフィルタ5a~5cが並列にパラレル接続される。
これらバンドパスフィルタ5a~5cは、N個の所定の卓越周波数a~cを個別に透過させる異なる帯域幅で設定される。
N個の各バンドパスフィルタ5a~5cにはそれぞれ、各バンドパスフィルタ5a~5cに対して専用の制御音信号作成手段6a~6cが直列にシリーズ接続される。従って、制御音信号作成手段6a~6cは、N個の所定の卓越周波数a~cに対応させて、N個が並列に設けられる。これらN個の制御音信号作成手段6a~6cは、個々個別に、N個の制御音信号sa~scを作成する。
これらN個の制御音信号作成手段6a~6cは、単一の重ね合わせ手段7に並列にパラレル接続される。制御音信号sa~scを重ね合わせて単一の制御音ASを作成する重ね合わせ手段7は、スピーカ4に接続される。
本実施形態に係るANCは、要約すると、バンドパスフィルタ5a~5cを通して、卓越周波数a~cを取り出し、並列に処理することで、従来のANCと同程度の処理時間で処理するようにしている。
本実施形態に係るANCは、複数の卓越周波数a~cを対象とし、単一の卓越周波数に対する処理モジュール(バンドパスフィルタ5a~5c及び制御音信号作成手段6a~6c)を複数組み合わせて構成される。単一の卓越周波数を対象とした処理モジュールによる処理を、図3を参照して略述する。
卓越周波数を推定する際、推定範囲を限定し、推定にかかる時間を短縮するために、マイク(制御用マイク)で観測され取得される制御対象音(入力信号)は(ステップ1)、卓越周波数の推定範囲を限定するためのバンドパスフィルタを通過する(ステップ2)。これにより、マイクから入力される制御対象音から、当該制御対象音に含まれる所定の卓越周波数が透過される。
制御対象音に含まれるN個の「所定」の卓越周波数は、建設現場等で予め実施される調査で事前に取得され、個数及び音圧の高い周波数とその周波数が変動する範囲とが把握された卓越周波数であって、本実施形態に係るANCにおける逆位相の制御音信号によって減殺する対象となる卓越周波数を言う。卓越周波数は、変動する範囲(幅)が小さいほど、コントローラ3で制御音ASを作成するのに要する負荷が軽減され、処理時間は短縮される。
バンドパスフィルタを通過した信号に、周知のLMSアルゴリズムを使用して、時間領域で(時間軸に沿って)卓越周波数を推定する(ステップ3)。
バンドパスフィルタを通過した信号(卓越周波数の信号)は、マイクで観測した入力信号に含まれる卓越周波数の信号に対して、振幅や位相が変化しており、減殺対象である実際の騒音中の(マイクで観測した)卓越周波数の音と同振幅・逆位相とならず、音圧を適切に低減することができない。
このため、使用するANCについて、卓越周波数個々に補正値(マイク2やコントローラ3、スピーカ4等の装置による位相のずれとバンドパスフィルタ5a~5cやLMSアルゴリズム等の電子的な処理によって生じる位相のずれ)を予め計測して取得しておき(ステップ4)、この計測した補正値を用いてバンドパスフィルタを通過した信号を補正することとし(ステップ5)、この補正した信号をスピーカ(制御用スピーカ)へ出力して(ステップ6)、減殺対象の卓越周波数の音とスピーカから放出する制御音とが同振幅・逆位相となるようにする。
卓越周波数の推定にかかる時間は、LMSアルゴリズムにおけるステップサイズパラメータの値によって変わるが、制御対象音の変動の速さに適したパラメータ値を選択することで、1秒以内に30Hz、20dBで音圧変化する場合でも、十分に追従することができる。
図2に戻って、本実施形態に係るANCについて、さらに詳述する。図示例では、制御対象音Sの卓越周波数a~cが3つの場合を示している。制御対象音Sの卓越周波数a~cは、3つの場合に限らず、2つ以上いくつであってもよい。
本実施形態に係るANCは、各卓越周波数a~cの変化が少なく、音圧の変化が大きな場合に対応したものである。異なる周波数帯域を対象とした複数のバンドパスフィルタ5a~5cが並列に接続されて構成される。
マイク2から入力される制御対象音Sは、所定の卓越周波数a~cを3つ含んでいる。これら3つの所定の卓越周波数a~cは、3つのバンドパスフィルタ(帯域制限フィルタ)5a~5cにそれぞれ同時に入力される。
バンドパスフィルタ5a~5cについては、上述した事前調査で取得された調査結果に応じて、N個の各バンドパスフィルタ5a~5cそれぞれに対し、透過させる周波数の範囲が個別に設定される。
各バンドパスフィルタに個別に設定される周波数の範囲は、卓越周波数の変動幅の変動最大周波数及び変動最小周波数と、変動幅内の中央の中央周波数を用い;最大周波数と最小周波数の差の1/2の1.1倍を中央周波数に加えてフィルタ最大周波数とされ;最大周波数と最小周波数の差の1/2の1.1倍を中央周波数から差し引いてフィルタ最小周波数とされる。具体的には、事前調査において、前後の周波数の音圧よりも音圧レベルが、例えば10dB以上大きい周波数を、「音圧の高い周波数(卓越周波数)」として特定し、その音圧レベルの周波数がどの程度の変動幅(周波数範囲)で変化するかを確認して、その変動幅の最大周波数と最小周波数それぞれに対し、一定程度(最大周波数と最小周波数の差の1/2の1.1倍程度)のバッファゾーンを設けるようにして、バンドパスフィルタ5a~5cを設定することが望ましい。一例としては、中央周波数が100Hzであって、90~110Hzの変動幅がある場合、バンドパスフィルタに設定される周波数の範囲は、89~111Hzとされる。
各バンドパスフィルタ5a~5cを透過した各所定の卓越周波数a~cそれぞれに関し、制御音信号作成手段6a~6cが逆位相の制御音信号sa~scを計算・作成する。
重ね合わせ手段7は、3つの制御音信号作成手段6a~6cから入力される3つの逆位相の制御音信号sa~scを合算して重ね合わせて、1つの制御音ASを作成する。
重ね合わせ手段7は、この1つの制御音ASをスピーカ4へ出力し、スピーカ4は、入力された制御音ASを放出する。
以上説明した本実施形態に係るANCにあっては、騒音等の制御対象音Sに含まれる複数の所定の卓越周波数a~cを対象として、これら卓越周波数a~cの音圧が個々に変化する場合であっても、並列接続したバンドパスフィルタ5a~5c及び制御音信号作成手段6a~6cによるパラレル処理により、すべての所定の卓越周波数a~cに対する複数の制御音信号sa~scを短時間に合理的に作成し、これら制御音信号sa~scを重ね合わせた制御音ASを出力できるので、複数の所定の卓越周波数a~cの音圧を効果的に低減することができる。
制御音信号sa~scを重ね合わせる際には、動作を完全に同期させる必要があるため、1台の演算装置(コントローラ3)を使用することが望ましい。このようにすると、演算装置には大きな負荷が掛かるが、バンドパスフィルタ5a~5cを透過させる周波数の範囲(幅)を狭めることで、負荷の軽減が図れ、処理速度を速めることができる。
本実施形態に係るANCは、各卓越周波数a~cに対する逆位相の制御音信号sa~scを同時に計算するため、処理時間は、単一の卓越周波数を対象とする場合の処理時間とほとんど変わらない。本実施形態に係るANCは、対象とする所定の卓越周波数a~cに対応させてバンドパスフィルタ5a~5cの対象周波数帯域を狭くするため、コンクリートミキサー車などのように、音圧は大きく変化しても、卓越周波数a~cがほぼ一定である騒音に対して用いることが好ましい。
《適用例と効果》
本実施形態に係るANCを、音圧変動の大きなコンクリートミキサー車の騒音に対して適用した例について、以下説明する。コンクリートミキサー車のエンジン音の音源は、排気筒であり、この排気筒の近傍に、マイク及びスピーカを配置した。
図4には、所定の卓越周波数を決定するために、排気筒近傍で事前に計測したコンクリートミキサー車の騒音(音圧)の周波数特性が示されている。制御対象音であるエンジン音は、70~130Hzにおいて、110~120dB程度の音圧をもつ、複数の卓越周波数を含んでいることがわかる。
図5には、ANCによる消音効果を確認するための確認用マイク8の位置が示されている。排気筒9から水平距離で2m離して、高さ1.2mのところに、確認用マイク8を設けた。コンクリートミキサー車10を停車状態とし、実際の走行時と同程度のエンジン回転数となるようにエンジンを、約1500~2500rpmで運転し、確認用マイク8で音圧を計測した。
計測結果が図6及び図7に示されている。図6は、ANCを作動させたときの排気筒近傍におけるエンジン音(制御対象音)Sと、スピーカ近傍における出力音(制御音)ASの関係を示している(エンジン回転数2500rpm程度)。図中、卓越周波数よりも高い周波数の音は、フィルタにより除いて示している。
エンジン音Sに対し、スピーカの制御音(出力音)ASはほぼ逆位相となっている。図示しないけれども、スペクトログラムによる分析によれば、本実施形態のANCにより、86Hz付近及び108Hz付近において、卓越周波数の音圧が低減していた。
図7は、ANCの有無による確認用マイク8位置における音圧が示されている。所定の卓越周波数を含む帯域である80Hz帯域(71Hz、86Hz)、100Hz帯域(108Hz)、125Hz(130Hz)帯域において、それぞれ約6dB,5dB,8dB低減することができた。
1 音源
2 マイク
3 コントローラ
4 スピーカ
5a~5c バンドバスフィルタ
6a~6c 制御音信号作成手段
7 重ね合わせ手段
AS 制御音
S 制御対象音
a~c 所定の卓越周波数
sa~sc 逆位相の制御音信号

Claims (3)

  1. 音源から発せられるN個の所定の卓越周波数を含む制御対象音を観測するマイクと、
    該マイクで観測された制御対象音を低減するための制御音を作成し出力するコントローラと、
    該コントローラから入力される上記制御音を放出するスピーカとを有し、
    上記コントローラは、
    並列に設けられ、上記マイクから入力される制御対象音に含まれるN個の所定の卓越周波数を個別に透過させるN個のバンドバスフィルタと、
    これらN個のバンドパスフィルタそれぞれを透過したN個の所定の卓越周波数が個別に入力され、N個の所定の卓越周波数それぞれに対して、逆位相の制御音信号を個別に作成するN個の制御音信号作成手段と、
    これらN個の制御音信号作成手段から入力されるN個の逆位相の上記制御音信号を重ね合わせて上記制御音を作成し出力する重ね合わせ手段とを備え、かつ、
    N個の前記各バンドパスフィルタそれぞれに対し個別に設定される、透過させる周波数の範囲は、卓越周波数の変動幅の変動最大周波数及び変動最小周波数それぞれに対して、一定のバッファゾーンが設けられ、
    前記バッファゾーンが設けられた前記周波数の範囲は、卓越周波数の変動幅の変動最大周波数及び変動最小周波数と、変動幅内の中央の中央周波数を用い、
    上記最大周波数と上記最小周波数の差の1/2の1.1倍を上記中央周波数に加えてフィルタ最大周波数とされ、
    上記最大周波数と上記最小周波数の差の1/2の1.1倍を上記中央周波数から差し引いてフィルタ最小周波数とされ、
    該重ね合わせ手段から入力される上記制御音が上記スピーカから放出されることを特徴とするアクティブノイズコントロールシステム。
  2. 前記コントローラは、1台の演算装置からなることを特徴とする請求項1に記載のアクティブノイズコントロールシステム。
  3. 制御対象音に含まれるN個の所定の卓越周波数は、個数及び各卓越周波数とその変動幅が事前の調査で取得され、取得された調査結果に応じて、N個の前記各バンドパスフィルタそれぞれに対し、前記バッファゾーンが設けられた前記周波数の範囲が個別に設定されることを特徴とする請求項1または2に記載のアクティブノイズコントロールシステム。
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