JP7111304B2 - メチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの製造方法 - Google Patents
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Description
反応工程は、メタクリロニトリル又はアクリロニトリルと、シアン化合物と、鎖状ポリエーテル化合物と、塩基性触媒との反応を有機溶媒の存在下で行ない、生成物としてのメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを含む反応液を得る工程である。
シアン化合物は、メタクリロニトリル又はアクリロニトリルに、ニトリル基を付加させるための原料であり、CN源(ニトリル源)と称することもある。生成物の純度及び収率を高める観点から、シアン化合物は、シアン化水素及びアセトンシアノヒドリンのうち少なくとも一つであることが好ましく、シアン化水素であることがより好ましい。
塩基性触媒は、メタクリロニトリル又はアクリロニトリルにニトリル基を付加する反応を促進させる触媒であり、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、並びにアルカリ金属アルコキシド、及びアルカリ土類金属アルコキシドが挙げられ、高い転化率及び高い純度でメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを得るという観点から、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、並びにアルカリ金属アルコキシド、及びアルカリ土類金属アルコキシドであることが好ましく、アルカリ金属塩、及びアルカリ金属アルコキシドであることがより好ましい。アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩としては、例えば、シアン化カリウム、シアン化ナトリウム、シアン化マグネシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。また、アルカリ金属アルコキシド及びアルカリ土類金属アルコキシドとしては、例えば、カリウムt-ブトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、マグネシウムt-ブトキシド等が挙げられる。その他、塩基性触媒として、例えば、アミン類を用いてもよい。
鎖状ポリエーテル化合物は、塩基性触媒の包接化合物として作用し、メチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの純度、及び転化率を高める。本願の発明者らは、(i)クラウンエーテルのような環状ポリエーテルでなく、鎖状ポリエーテル化合物であっても、包接化合物として使用することができること、及び、(ii)鎖状ポリエーテル化合物は、後の精製工程においてメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルと共沸することがなく、その結果、極めて高い純度を有するメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを製造することができることを見出し、本願発明を完成させている。
上記溶媒は、生成物の純度を高める観点から、非プロトン性極性溶媒、すなわち、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等を有していない有機溶媒であることが好ましい。非プロトン性極性溶媒としては、例えば、ニトリル系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、それらの混合溶媒等が挙げられ、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)を使用することもできる。中でも、有機溶媒は、ニトリル系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒であることが好ましく、これら有機溶媒を用いることにより、メタクリロニトリル又はアクリロニトリルが有機溶媒と反応し、副生成物が生じることを好適に防止することができる。また、有機溶媒がニトリル系溶媒であることにより、上述した効果に加え、熟成時間を短縮することができる。ニトリル系溶媒には、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、ベンゾニトリル等を挙げることができ、エーテル系溶媒には、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル等を挙げることができ、ケトン系溶媒には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等を挙げることができる。
反応工程では、限定されるものではないが、好ましくは加熱還流することにより、メチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを生成する。すなわち、上記反応液は、生成物としてメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを含む。
精製工程は、反応液に含まれる生成物であるメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを分留する工程である。一態様に係る製造方法において、精製工程は、反応液に含まれる有機溶媒を分留し、有機溶媒を分留した後の反応液からメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを分留する。これによって、メチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルから、塩基性触媒、有機溶媒、反応工程で生成した副生成物、未反応のメタクリロニトリル又はアクリロニトリル等の低沸点化合物を除去し、さらに、鎖状ポリエーテル化合物、メタクリロニトリル又はアクリロニトリルの重合物等の高沸点化合物を、メチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルから除去する。
精製工程では有機溶媒を分留する前又は分留後の反応液をろ過してもよい。上記反応液のろ過には、例えば、ろ紙、ガラスフィルター、メンンブレンフィルター等のフィルターを用いて、自然ろ過、吸引ろ過、加圧ろ過等によってろ過する方法が挙げられる。これにより、反応液からメタクリロニトリル又はアクリロニトリルの重合物等の固形物を除去することができる。その結果、純度を高めることができる。
有機溶媒を分留する前又は分留後の反応液は、水洗浄してもよい。反応液の水洗浄は、例えば、水と有機溶媒との混合溶媒を用いて反応液を水洗浄する方法が挙げられる。水洗浄を行なうことにより、反応液から水溶性の不純物である、例えば、未反応のシアン化合物、及び塩基性触媒等を首尾よく除去することができる。その結果、純度を高めることができる。有機溶媒としては、例えば、水相と分離させることができ、かつメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを溶解し、抽出することができる有機溶媒(有機相)であればよく、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、並びに、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒に加え、上述の反応工程においてすでに説明した非プロトン性有機溶媒等が挙げられる。有機溶媒による抽出操作は、収率を高める観点から、2回以上行なうことが好ましく、3回以上行なうことがより好ましい。
精製工程では、有機溶媒及びメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを含む反応液から、有機溶媒を留去する。なお、一態様に係る製造方法において、有機溶媒の分留とは、反応工程に使用した有機溶媒の分留のみならず、反応液の水洗浄(分液)を行なったときにメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを抽出した有機溶媒の分留でもあり得る。
本発明の一態様に係る製造方法は、精製工程後、有機溶媒の存在下、メタクリロニトリル又はアクリロニトリルと、シアン化合物と、塩基性触媒と、鎖状ポリエーテル化合物との反応によりメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを含む第2の反応液を得る第2の反応工程と、反応工程での反応液の残渣が存在する反応槽に、第2の反応液を供給し、当該反応液と第2の反応液との混合液を得た後、当該混合液を精製する第2の精製工程とを含んでいてもよい。第2の精製工程では、上述した精製工程と同様に、上記混合液からメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを分留することが好ましい。なお、反応液の残渣のことを釜残と称することもある。当該釜残には、1回目の製造工程において使用した、鎖状ポリエーテル化合物、塩基性触媒、留出しきれなかったメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリル、メタクリロニトリル又はアクリロニトリル由来の重合物等が含まれている。
実施例及び比較例のそれぞれで製造されたメチルスクシノニトリルの純度はガスクロマトグラフィー分析により測定した。GC単面を求める場合は、DB-WAX(アジレント・テクノロジー株式会社製)を用いて、40℃で5分保持、10℃/分で190℃まで昇温し、190℃で15分保持の温度条件で測定し、総ピーク面積に対するメチルスクシノニトリルのピークの面積の割合を算出した。内部標準法を用いた場合、内部標準物質としてクロロベンゼンを使用した。(メチルスクシノニトリル/クロロベンゼン)の重量比が、およそ0.25、0.5、1の標準液を作製し、DB-WAX(アジレント・テクノロジー株式会社製)を用いて、40℃で5分保持、10℃/分で190℃まで昇温し、190℃で15分保持の温度条件で測定し、(メチルスクシノニトリル/クロロベンゼン)のピーク面積比と(メチルスクシノニトリル/クロロベンゼン)の重量比の検量線を作成した。生成物に略同重量のクロロベンゼンを加えた測定試料を、検量線作成と同様の条件で測定し、得られた(メチルスクシノニトリル/クロロベンゼン)のピーク面積比と検量線からメチルスクシノニトリルの重量、及び純度を算出した。
実施例1及び実施例2として、反応に使用するシアン化合物の評価を行なった。
300mL四つ口フラスコに、アセトニトリル(ATN)と、シアン化カリウム(KCN)と、メタクリロニトリル(MAN)と、PEG400と、シアン化水素(HCN)とを、表1に示す量になるように加え、80℃で1.8時間加熱還流することで、生成物を含む反応液を得た(反応工程)。反応液をろ過し、ろ液を、水200mLとトルエン100mLとの混合溶媒を用いて分液した。水相にトルエン100mLを加え、分液操作はトータル3回行った。続いて、圧力5~30kPa、内温40~70℃の条件で、分液したトルエン(有機相)からトルエン及びアセトニトリル等の低沸点化合物を留去し、次いで、圧力1.2kPa、内温124℃、塔頂118℃で分留することでメチルスクシノニトリル(生成物)を得た(精製工程)。
シアン化水素の代わりにアセトンシアノヒドリン(ACH)を用い、アセトニトリル及びアセトンシアノヒドリンを表1に示す量になるように加えた以外は実施例1と同様にして生成物を得た。
〔実施例3〕
300mL四つ口フラスコに、アセトニトリル(ATN)と、シアン化カリウム(KCN)と、メタクリロニトリル(MAN)と、包接化合物としてPEG400と、シアン化合物としてシアン化水素(HCN)とを、表3に示す量になるように加え、80℃で加熱還流し、表5に示す時間熟成させることで生成物を含む反応液を得た。その後、40~70℃、5~30kPaの条件でアセトニトリル及び低沸点化合物を反応液から留去し、次いで、110~130℃、1kPaの条件で、メチルスクシノニトリル(生成物)を分留した。
包接化合物としてPEG300を用い、表5に示す時間熟成させた以外は実施例3と同様にして生成物を得た。
200mL四つ口フラスコに、アセトニトリルと、シアン化カリウムと、メタクリロニトリルと、18-crown-6と、アセトンシアノヒドリンとを、表4に示す量になるように加え、80℃で1.2時間加熱還流した。反応液をろ紙によりろ過し、ろ液を液量がおよそ1/3になるまでエバポレーターにより濃縮した。濃縮液を、水20mLとジクロロメタン(CH2Cl2)30mLとの混合溶媒を用いて分液した。分液操作は3回行った。得られたジクロロメタン溶液を、エバポレーターにより濃縮した。濃縮液を、圧力1kPa、内温139℃、塔頂112℃で減圧蒸留を行い、生成物を得た。
包接化合物としてテトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)を用い、表5に示す時間熟成させた以外は実施例3と同様にして生成物を得た。
包接化合物としてエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を用い、表5に示す時間熟成させた以外は実施例3と同様にして生成物を得た。
〔実施例5〕
100mL四つ口フラスコに、アセトニトリルと、シアン化カリウムと、メタクリロニトリルと、PEG1000と、シアン化合物としてシアン化水素とを、表6に示す量になるように加え、80℃で加熱還流し、表7に示す時間、80℃で熟成させることで生成物を含む反応液を得た。
PEG1000の代わりにPEG600を用い、表7に示す時間、80℃で熟成させた以外は実施例5と同様にして生成物を含む反応液を得た。
PEG1000の代わりにPEG400を用い、表7に示す時間、80℃で熟成させた以外は実施例5と同様にして生成物を含む反応液を得た。
300mL四つ口フラスコに、アセトニトリルと、シアン化カリウムと、メタクリロニトリルと、PEG1000と、シアン化合物としてシアン化水素とを、表6に示す量になるように加え、80℃で加熱還流し、表7に示す時間、80℃で熟成させることで生成物を含む反応液を得た。その後、40~70℃、5~30kPaの条件でアセトニトリル及び低沸点化合物を反応液から留去し、次いで、110~130℃、1kPaの条件で、メチルスクシノニトリル(生成物)を分留した。
PEG1000の代わりにPEG400を用い、表7に示す時間、80℃で熟成させた以外は実施例8と同様にして生成物を得た。
PEG1000の代わりにPEG300を用い、表7に示す時間、80℃で熟成させた以外は実施例8と同様にして生成物を得た。
PEG1000の代わりにPEG200を用い、表7に示す時間、80℃で熟成させた以外は実施例8と同様にして生成物を得た。
〔実施例12〕
100mL四つ口フラスコに、アセトニトリル(ATN)と、メタクリロニトリル(MAN)と、シアン化水素(HCN)とを表8に示す量になるように加え、PEG400と、シアン化カリウム(KCN)とを、表9に示す量になるように加え、80℃で加熱還流し、表8に示す時間、80℃で熟成させることにより生成物を含む反応液を得た。
PEG400及びシアン化カリウムの量を表8に示す量とし、表9に示す時間熟成させた以外は実施例12と同様にして生成物を含む反応液を得た。
PEG400の量を表8に示す量とし、表9に示す時間熟成させた以外は実施例12と同様にして生成物を含む反応液を得た。
PEG400を加えず、表9に示す時間熟成させた以外は実施例13と同様にして生成物を得た。
シアン化カリウムを加えず、表9に示す時間熟成させた以外は実施例12と同様にして生成物を得た。
〔実施例15〕
300mL四つ口フラスコに、アセトニトリルと、塩基性化合物としてシアン化カリウムと、メタクリロニトリルと、PEG400と、シアン化水素とを、表10に示す量になるように加え、80℃で加熱還流し、表11に示す時間、80℃で熟成させることにより生成物を含む反応液を得た。その後、40~70℃、5~30kPaの条件でアセトニトリル及び低沸点化合物を反応液から留去し、次いで、110~130℃、1kPaの条件で、メチルスクシノニトリル(生成物)を分留した。
100mL四つ口フラスコに、アセトニトリルと、塩基性化合物としてシアン化カリウムと、メタクリロニトリルと、PEG400と、シアン化水素とを、表10に示す量になるように加え、80℃で加熱還流し、表11に示す時間、80℃で熟成させることにより生成物を含む反応液を得た。
シアン化カリウムの代わりにシアン化ナトリウム(NaCN)を用いた以外は実施例16と同様にして生成物を含む反応液を得た。
シアン化カリウムの代わりに水酸化カリウム(KOH)を用いた以外は実施例16と同様にして生成物を含む反応液を得た。
シアン化カリウムの代わりにカリウムt-ブトキシド(t-BuOK)を用いた以外は実施例16と同様にして生成物を含む反応液を得た。
〔実施例20〕
300mL四つ口フラスコに、アセトン(溶媒)と、シアン化カリウムと、メタクリロニトリルと、PEG400と、シアン化水素とを、表12に示す量になるように加え、80℃で加熱還流し、表13に示す時間、80℃で熟成させることで生成物を含む反応液を得た。反応液を、40~70℃、5~30kPaの条件でアセトン及び低沸点化合物を反応液から留去し、次いで、110~130℃、1kPaの条件で、メチルスクシノニトリル(生成物)を分留した。
アセトンの代わりにテトラヒドロフラン(THF)を用い、表13に示す時間、熟成させた以外は実施例20と同様にして生成物を得た。
アセトンの代わりにアセトニトリルを用い、表13に示す時間、熟成させた以外は実施例20と同様にして生成物を得た。
300mL四つ口フラスコに、メタノール(溶媒)と、シアン化カリウムと、メタクリロニトリルと、PEG400と、シアン化水素とを、表12に示す量になるように加え、80℃で加熱還流し、表13に示す時間、還流下で熟成させることで生成物を含む反応液を得た。
300mL四つ口フラスコに、DMF(溶媒)と、シアン化カリウムと、メタクリロニトリルと、PEG400と、シアン化水素とを、表12に示す量になるように加え、80℃で加熱還流し、表13に示す時間、80℃で熟成させることで生成物を含む反応液を得た。反応液を、水100mlとメチルtert-ブチルエーテル200mlとの混合溶媒を用いて分液した。水相にメチルtert-ブチルエーテル150mlを加え、分液操作はトータル3回行った。続いて、圧力5~30kPa、内温40~70℃の条件で、分液したメチルtert-ブチルエーテル(有機相)からメチルtert-ブチルエーテル等の低沸点化合物を留去し、濃縮液を得た。
〔実施例23〕
100mL四つ口フラスコに、アセトニトリルと、シアン化カリウムと、メタクリロニトリルと、PEG400と、シアン化水素とを、表14に示す量になるように加え、80℃で加熱還流し、80℃で熟成させることにより生成物を含む反応液を得た。その後、40~70℃、5~30kPaの条件でアセトニトリル及び低沸点化合物を反応液から留去し、次いで、110~130℃、1kPaの条件で、メチルスクシノニトリル(生成物)を分留した。
100mL四つ口フラスコに、アセトニトリルと、シアン化カリウムと、メタクリロニトリルと、PEG400と、シアン化水素とを、表14に示す量になるように加え、60℃で加熱し、60℃で熟成させることにより生成物を含む反応液を得た。
加熱温度及び熟成温度を40℃とした以外は実施例24と同様にして生成物を含む反応液を得た。
〔実施例26〕
(1バッチ目)
300mL四つ口フラスコ(反応槽)に、アセトニトリルと、シアン化カリウムと、メタクリロニトリルと、PEG400と、シアン化水素とを、表16に示す量になるように加え、80℃で2.3時間加熱還流することで生成物を含む反応液を得た。反応液にPEG400を56.6gさらに加え、その後、40~70℃、5~30kPaの条件でアセトニトリル及び低沸点化合物を反応液から留去し、次いで、110~130℃、1kPaの条件で、メチルスクシノニトリル(生成物)を分留した。得られた生成物の収量は36.2g、収率は77.0mol%、純度(GC単面)は99.9%であった。
300mL四つ口フラスコ(反応槽)に、アセトニトリルと、シアン化カリウムと、メタクリロニトリルと、PEG400と、シアン化水素とを、表16に示す量になるように加え、80℃で2.3時間加熱還流することで、2バッチ目の反応液を得た。1バッチ目に使用したフラスコに釜残がある状態で、2バッチ目の反応液を加え、その後、40~70℃、5~30kPaの条件でアセトニトリル及び低沸点化合物を反応液から留去し、次いで、110~130℃、1kPaの条件で、メチルスクシノニトリル(生成物)を分留した。得られた生成物の収量は40.5g、収率は85.9mol%、純度(GC単面)は99.9%であった。
〔実施例27〕
5L四つ口フラスコに、アセトニトリルと、シアン化カリウムと、メタクリロニトリルと、PEG400と、シアン化水素とを、表17に示す量になるように加えた。還流がかかるまで加熱し、還流下2.5時間反応させた。反応時の内温は83~95℃であった。反応後のメタクリロニトリルの転化率は100%であった。
500mL四つ口フラスコに、ジメチルスルホキシド(DMSO)と、シアン化カリウムとを、表18に示す量になるように加え、100℃に加熱した。メタクリロニトリルと、シアン化水素とを、表18に示す量になるように混合し、メタクリロニトリルとシアン化水素の混合液を10分かけて滴下した。滴下後、100℃で0.8時間熟成した。
50mL四つ口フラスコに、シアン化カリウムと、メタクリロニトリルと、シアン化水素とを、表19に示す量になるように加え、40℃で1時間、70℃で24時間加熱し、生成物を含む反応液を得た。
Claims (8)
- 有機溶媒の存在下、メタクリロニトリル又はアクリロニトリルと、シアン化合物と、塩基性触媒と、平均分子量が150以上である鎖状ポリエーテル化合物との反応によりメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを含む反応液を得る反応工程と、
上記反応液を精製する精製工程と、を含み、
上記精製工程では、上記反応液から上記メチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを分留する、メチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの製造方法。 - 上記鎖状ポリエーテル化合物は、ポリエチレングリコールである、請求項1に記載のメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの製造方法。
- 上記精製工程では、上記メチルスクシノニトリル又は上記スクシノニトリルを分留する前に、上記反応液から上記有機溶媒を分留する、請求項1又は2に記載のメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの製造方法。
- 上記精製工程では、減圧条件下、100℃以上160℃以下の範囲内の温度で、上記メチルスクシノニトリル又は上記スクシノニトリルを分留する、請求項1~3のいずれか1項に記載のメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの製造方法。
- 上記精製工程後、上記有機溶媒の存在下、上記メタクリロニトリル又は上記アクリロニトリルと、上記シアン化合物と、上記塩基性触媒と、上記鎖状ポリエーテル化合物との反応により上記メチルスクシノニトリル又は上記スクシノニトリルを含む第2の反応液を得る第2の反応工程と、
上記反応液の残渣が存在する反応槽に、上記第2の反応液を供給し、上記反応液と上記第2の反応液との混合液を得た後、上記混合液を精製する第2の精製工程と、を含み、
上記第2の精製工程では、上記混合液から上記メチルスクシノニトリル又は上記スクシノニトリルを分留する、請求項1~4のいずれか1項に記載のメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの製造方法。 - 上記シアン化合物は、シアン化水素及びアセトンシアノヒドリンのうち少なくとも一つである、請求項1~5のいずれか1項に記載のメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの製造方法。
- 上記塩基性触媒は、アルカリ金属塩、又はアルカリ金属アルコキシドである、請求項1~6のいずれか1項に記載のメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの製造方法。
- 上記有機溶媒は、ニトリル、エーテル、ケトンからなる群から選択される少なくとも1つの有機溶媒である、請求項1~7のいずれか1項に記載のメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの製造方法。
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JP2005511738A (ja) | 2001-12-11 | 2005-04-28 | ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. | スクシノニトリルの製造法 |
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