JP7111304B2 - メチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの製造方法 - Google Patents

メチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、メチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの製造方法に関する。
特許文献1、2には、メタクリロニトリルと、シアン化水素と、シアン化カリウムとを原料とし、DMSOを反応溶媒とするメチルスクシノニトリルの製造方法が記載されている。
非特許文献1には、メタクリロニトリルと、アセトンシアノヒドリンと、シアン化カリウムとを原料とし、18-crown-6をカリウムの包接剤として使用するメチルスクシノニトリルの製造方法が記載されている。
米国特許第3644467号明細書 特公昭45-35286号公報
Fred L. Cook et. al.,J. Org. Chem., Vol.39, No.23, p.3416-3418,1974
しかしながら、特許文献1、2に記載の方法では、メチルスクシノニトリルの収率が著しく低いという問題がある。また、非特許文献1に記載の方法では、特許文献1、2に記載の方法よりもメチルスクシノニトリルの収率は高いものの、メチルスクシノニトリルから18-crown-6を除去しきれず、その結果純度が低くなるという問題がある。
本発明の一態様は、高い純度を有するメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを製造する方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの製造方法は、有機溶媒の存在下、メタクリロニトリル又はアクリロニトリルと、シアン化合物と、塩基性触媒と、鎖状ポリエーテル化合物との反応によりメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを含む反応液を得る反応工程と、上記反応液を精製する精製工程と、を含み、上記精製工程では、上記反応液から上記メチルスクシノニトリル又は上記スクシノニトリルを分留する。
本発明の一態様によれば、高い純度を有するメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを製造する方法を提供することができる。
本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上B以下」を意図する。
本発明の一態様に係るメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの製造方法は、有機溶媒の存在下、メタクリロニトリル(MAN)又はアクリロニトリル(AN)と、シアン化合物と、塩基性触媒と、鎖状ポリエーテル化合物との反応により、メチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを含む反応液を得る反応工程と、上記反応液を精製する精製工程と、を含み、上記精製工程では、上記反応液から上記メチルスクシノニトリル又は上記スクシノニトリルを分留する。
本明細書において、「純度が高い」とは、ガスクロマトグラフにおいて、総ピーク面積に対するメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルのピークの面積の割合(GC単面)が、99面積%以上であることを意図する。
〔反応工程〕
反応工程は、メタクリロニトリル又はアクリロニトリルと、シアン化合物と、鎖状ポリエーテル化合物と、塩基性触媒との反応を有機溶媒の存在下で行ない、生成物としてのメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを含む反応液を得る工程である。
(シアン化合物)
シアン化合物は、メタクリロニトリル又はアクリロニトリルに、ニトリル基を付加させるための原料であり、CN源(ニトリル源)と称することもある。生成物の純度及び収率を高める観点から、シアン化合物は、シアン化水素及びアセトンシアノヒドリンのうち少なくとも一つであることが好ましく、シアン化水素であることがより好ましい。
シアン化合物の量は、メタクリロニトリル又はアクリロニトリルの転化率を高める観点から、メタクリロニトリル又はアクリロニトリル1モルに対して、0.5~2.0モルであることが好ましく、0.9~1.5モルであることがより好ましく、1.0~1.2モルであることがさらに好ましい。
(塩基性触媒)
塩基性触媒は、メタクリロニトリル又はアクリロニトリルにニトリル基を付加する反応を促進させる触媒であり、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、並びにアルカリ金属アルコキシド、及びアルカリ土類金属アルコキシドが挙げられ、高い転化率及び高い純度でメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを得るという観点から、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、並びにアルカリ金属アルコキシド、及びアルカリ土類金属アルコキシドであることが好ましく、アルカリ金属塩、及びアルカリ金属アルコキシドであることがより好ましい。アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩としては、例えば、シアン化カリウム、シアン化ナトリウム、シアン化マグネシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。また、アルカリ金属アルコキシド及びアルカリ土類金属アルコキシドとしては、例えば、カリウムt-ブトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、マグネシウムt-ブトキシド等が挙げられる。その他、塩基性触媒として、例えば、アミン類を用いてもよい。
上記塩基性触媒の量は、反応効率を高める観点から、メタクリロニトリル又はアクリロニトリル1モルに対して、0.001~0.3モルであることが好ましく、0.005~0.2モルであることがより好ましく、0.01~0.1モルであることがさらに好ましい。
(鎖状ポリエーテル化合物)
鎖状ポリエーテル化合物は、塩基性触媒の包接化合物として作用し、メチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの純度、及び転化率を高める。本願の発明者らは、(i)クラウンエーテルのような環状ポリエーテルでなく、鎖状ポリエーテル化合物であっても、包接化合物として使用することができること、及び、(ii)鎖状ポリエーテル化合物は、後の精製工程においてメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルと共沸することがなく、その結果、極めて高い純度を有するメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを製造することができることを見出し、本願発明を完成させている。
鎖状ポリエーテル化合物の平均分子量は、150以上であることが好ましく、180以上であることがより好ましく、200以上であることがさらに好ましい。ポリエーテル化合物の平均分子量がこれらの範囲であることにより、ポリエーテル化合物の沸点とメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの沸点との差が大きくすることができ、精製工程でメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを単離し易くなる。その結果、生成物の純度を高めることができる。なお、ポリエーテルの平均分子量は、限定されるものではないが、数平均分子量であり得る。
また、鎖状ポリエーテル化合物の平均分子量は、2000以下であることが好ましく、1500以下であることがより好ましく、1000以下であることがさらに好ましい。ポリエーテル化合物の分子量がこれらの範囲であることにより、粘性が高くなることを防ぐことができるため、取り出しでロスが生じることを防ぐことができる。その結果、収率を高めることができる。
鎖状ポリエーテル化合物の沸点は、メチルスクシノニトリル(沸点:252~256℃)又はスクシノニトリル(沸点:265~267℃)よりも20℃以上高いことが好ましく、30℃以上高いことがより好ましく、40℃以上高いことがさらに好ましい。ポリエーテル化合物の沸点とメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの沸点との差が当該範囲であることにより、精製工程における分留でメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを単離し易くなる。その結果、生成物の純度を高めることができる。
鎖状ポリエーテル化合物は、直鎖状ポリエーテル化合物であってもよく、分岐状ポリエーテル化合物であってもよい。直鎖状ポリエーテル化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、及び、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールからなる群から選択されるジオールの共重合体等のポリアルキレングリコール等が挙げられる。また、分岐状ポリエーテル化合物としては、上記直鎖状ポリエーテル化合物が、グリセリン、テトラメチロールプロパン、ソルビトール、キリシトール等の多価アルコールとのエーテル結合によって分枝したポリエーテル化合物であり得る。中でも、鎖状ポリエーテル化合物は、ポリエチレングリコールであることが好ましい。これらの鎖状ポリエーテル化合物であることにより、生成物の純度を高めることができる。
鎖状ポリエーテル化合物の量は、反応効率を高める観点から、メタクリロニトリル又はアクリロニトリル1モルに対して、0.001~5モルであることが好ましく、0.005~2モルであることがより好ましく、0.01~1モルであることがさらに好ましい。
(有機溶媒)
上記溶媒は、生成物の純度を高める観点から、非プロトン性極性溶媒、すなわち、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等を有していない有機溶媒であることが好ましい。非プロトン性極性溶媒としては、例えば、ニトリル系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、それらの混合溶媒等が挙げられ、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)を使用することもできる。中でも、有機溶媒は、ニトリル系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒であることが好ましく、これら有機溶媒を用いることにより、メタクリロニトリル又はアクリロニトリルが有機溶媒と反応し、副生成物が生じることを好適に防止することができる。また、有機溶媒がニトリル系溶媒であることにより、上述した効果に加え、熟成時間を短縮することができる。ニトリル系溶媒には、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、ベンゾニトリル等を挙げることができ、エーテル系溶媒には、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル等を挙げることができ、ケトン系溶媒には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等を挙げることができる。
有機溶媒の量は、反応効率を高める観点から、原料であるメタクリロニトリル又はアクリロニトリルの濃度が、1~10モル/L程度の範囲内になるように調整すればよい。
(反応条件)
反応工程では、限定されるものではないが、好ましくは加熱還流することにより、メチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを生成する。すなわち、上記反応液は、生成物としてメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを含む。
反応工程における加熱温度は40~120℃であることが好ましく、50~110℃であることがより好ましく、60~100℃であることがさらに好ましい。加熱温度がこれらの範囲であることにより、メタクリロニトリル又はアクリロニトリルの転化率を高めることができ、かつ、熟成時間を短縮することができる。
また、反応時間は、原料の種類及び量比、並びに加熱温度にもよるが、24時間以下であることが好ましく、16時間以下であることがより好ましく、8時間以下であることがさらに好ましい。
〔精製工程〕
精製工程は、反応液に含まれる生成物であるメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを分留する工程である。一態様に係る製造方法において、精製工程は、反応液に含まれる有機溶媒を分留し、有機溶媒を分留した後の反応液からメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを分留する。これによって、メチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルから、塩基性触媒、有機溶媒、反応工程で生成した副生成物、未反応のメタクリロニトリル又はアクリロニトリル等の低沸点化合物を除去し、さらに、鎖状ポリエーテル化合物、メタクリロニトリル又はアクリロニトリルの重合物等の高沸点化合物を、メチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルから除去する。
また、本発明の一態様に係る製造方法が包含している精製工程では、有機溶媒を分留する前又は分留した後の反応液をろ過してもよく、有機溶媒を分留する前又は分留後の反応液を水洗浄(分液)してもよい。
(反応液のろ過)
精製工程では有機溶媒を分留する前又は分留後の反応液をろ過してもよい。上記反応液のろ過には、例えば、ろ紙、ガラスフィルター、メンンブレンフィルター等のフィルターを用いて、自然ろ過、吸引ろ過、加圧ろ過等によってろ過する方法が挙げられる。これにより、反応液からメタクリロニトリル又はアクリロニトリルの重合物等の固形物を除去することができる。その結果、純度を高めることができる。
(反応液の水洗浄(分液))
有機溶媒を分留する前又は分留後の反応液は、水洗浄してもよい。反応液の水洗浄は、例えば、水と有機溶媒との混合溶媒を用いて反応液を水洗浄する方法が挙げられる。水洗浄を行なうことにより、反応液から水溶性の不純物である、例えば、未反応のシアン化合物、及び塩基性触媒等を首尾よく除去することができる。その結果、純度を高めることができる。有機溶媒としては、例えば、水相と分離させることができ、かつメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを溶解し、抽出することができる有機溶媒(有機相)であればよく、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、並びに、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒に加え、上述の反応工程においてすでに説明した非プロトン性有機溶媒等が挙げられる。有機溶媒による抽出操作は、収率を高める観点から、2回以上行なうことが好ましく、3回以上行なうことがより好ましい。
(有機溶媒の分留)
精製工程では、有機溶媒及びメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを含む反応液から、有機溶媒を留去する。なお、一態様に係る製造方法において、有機溶媒の分留とは、反応工程に使用した有機溶媒の分留のみならず、反応液の水洗浄(分液)を行なったときにメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを抽出した有機溶媒の分留でもあり得る。
有機溶媒の分留は、反応及び/又は抽出に使用された有機溶媒の沸点、蒸気圧等に応じて設計すればよいが、収率を高め、上記反応液から有機溶媒、及び低沸点化合物を十分に除去するという観点から、減圧条件下で行うことが好ましく、有機溶媒の分留における減圧条件は、0.5~100kPaであることが好ましく、0.5~50kPaであることがより好ましく、0.5~30kPaであることがさらに好ましい。また、有機溶媒を分留するときの温度は、40~120℃であることが好ましく、50~110℃であることがより好ましく、60~100℃であることがさらに好ましい。
精製工程では、有機溶媒、及び当該有機溶媒に含まれる低沸点化合物を留去した上記反応液を、分留して生成物であるメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを単離する。メチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの分留は、減圧条件下で行うことが好ましく、メチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの分留における減圧条件は、0.1~15kPaであることが好ましく、0.1~10kPaであることがより好ましく、0.1~5kPaであることがさらに好ましい。メチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの分留の加熱温度は、100~160℃であることが好ましく、110~150℃であることがより好ましく、120~140℃であることがさらに好ましい。メチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの分留を、減圧条件下、100~160℃の範囲内の温度で行うことにより、メチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルと高沸点化合物である鎖状ポリエーテル化合物との共沸を回避することができ、その結果、単離されるメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの純度を高めることができる。
なお、精製工程における分留方法は、製造すべきメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルのスケールに応じ、適宜選択すればよく、回分蒸留法であってもよく、連続蒸留法であってもよい。
(第2の反応工程、第2の精製工程)
本発明の一態様に係る製造方法は、精製工程後、有機溶媒の存在下、メタクリロニトリル又はアクリロニトリルと、シアン化合物と、塩基性触媒と、鎖状ポリエーテル化合物との反応によりメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを含む第2の反応液を得る第2の反応工程と、反応工程での反応液の残渣が存在する反応槽に、第2の反応液を供給し、当該反応液と第2の反応液との混合液を得た後、当該混合液を精製する第2の精製工程とを含んでいてもよい。第2の精製工程では、上述した精製工程と同様に、上記混合液からメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを分留することが好ましい。なお、反応液の残渣のことを釜残と称することもある。当該釜残には、1回目の製造工程において使用した、鎖状ポリエーテル化合物、塩基性触媒、留出しきれなかったメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリル、メタクリロニトリル又はアクリロニトリル由来の重合物等が含まれている。
当該構成により、バッチ毎に反応槽を洗浄する必要がないのみならず、高い収率でメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを製造することができる。なお、第2の反応工程の条件は、1バッチ目の反応工程と同じであり、釜残が存在する反応槽において行なう第2の精製工程の条件は、釜残が存在する以外、上述した精製工程と同じであるためその説明を省略する。
さらに別の態様に係る製造方法では、釜残は、2回目の精製工程後に反応槽に残る釜残であってもよい。すなわち、一態様に係る製造方法によれば、反応槽を洗浄することなく、繰り返して、メチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを製造する回数は制限されない。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
<重量及び純度の評価方法>
実施例及び比較例のそれぞれで製造されたメチルスクシノニトリルの純度はガスクロマトグラフィー分析により測定した。GC単面を求める場合は、DB-WAX(アジレント・テクノロジー株式会社製)を用いて、40℃で5分保持、10℃/分で190℃まで昇温し、190℃で15分保持の温度条件で測定し、総ピーク面積に対するメチルスクシノニトリルのピークの面積の割合を算出した。内部標準法を用いた場合、内部標準物質としてクロロベンゼンを使用した。(メチルスクシノニトリル/クロロベンゼン)の重量比が、およそ0.25、0.5、1の標準液を作製し、DB-WAX(アジレント・テクノロジー株式会社製)を用いて、40℃で5分保持、10℃/分で190℃まで昇温し、190℃で15分保持の温度条件で測定し、(メチルスクシノニトリル/クロロベンゼン)のピーク面積比と(メチルスクシノニトリル/クロロベンゼン)の重量比の検量線を作成した。生成物に略同重量のクロロベンゼンを加えた測定試料を、検量線作成と同様の条件で測定し、得られた(メチルスクシノニトリル/クロロベンゼン)のピーク面積比と検量線からメチルスクシノニトリルの重量、及び純度を算出した。
<シアン化合物の評価>
実施例1及び実施例2として、反応に使用するシアン化合物の評価を行なった。
〔実施例1〕
300mL四つ口フラスコに、アセトニトリル(ATN)と、シアン化カリウム(KCN)と、メタクリロニトリル(MAN)と、PEG400と、シアン化水素(HCN)とを、表1に示す量になるように加え、80℃で1.8時間加熱還流することで、生成物を含む反応液を得た(反応工程)。反応液をろ過し、ろ液を、水200mLとトルエン100mLとの混合溶媒を用いて分液した。水相にトルエン100mLを加え、分液操作はトータル3回行った。続いて、圧力5~30kPa、内温40~70℃の条件で、分液したトルエン(有機相)からトルエン及びアセトニトリル等の低沸点化合物を留去し、次いで、圧力1.2kPa、内温124℃、塔頂118℃で分留することでメチルスクシノニトリル(生成物)を得た(精製工程)。
〔実施例2〕
シアン化水素の代わりにアセトンシアノヒドリン(ACH)を用い、アセトニトリル及びアセトンシアノヒドリンを表1に示す量になるように加えた以外は実施例1と同様にして生成物を得た。
Figure 0007111304000001
実施例1及び2の製造方法によって得られたメチルスクシノニトリルの収量、収率、及び純度(GC単面)を、表2に示す。
Figure 0007111304000002
<包接化合物の検討>
〔実施例3〕
300mL四つ口フラスコに、アセトニトリル(ATN)と、シアン化カリウム(KCN)と、メタクリロニトリル(MAN)と、包接化合物としてPEG400と、シアン化合物としてシアン化水素(HCN)とを、表3に示す量になるように加え、80℃で加熱還流し、表5に示す時間熟成させることで生成物を含む反応液を得た。その後、40~70℃、5~30kPaの条件でアセトニトリル及び低沸点化合物を反応液から留去し、次いで、110~130℃、1kPaの条件で、メチルスクシノニトリル(生成物)を分留した。
〔実施例4〕
包接化合物としてPEG300を用い、表5に示す時間熟成させた以外は実施例3と同様にして生成物を得た。
〔比較例1〕
200mL四つ口フラスコに、アセトニトリルと、シアン化カリウムと、メタクリロニトリルと、18-crown-6と、アセトンシアノヒドリンとを、表4に示す量になるように加え、80℃で1.2時間加熱還流した。反応液をろ紙によりろ過し、ろ液を液量がおよそ1/3になるまでエバポレーターにより濃縮した。濃縮液を、水20mLとジクロロメタン(CHCl)30mLとの混合溶媒を用いて分液した。分液操作は3回行った。得られたジクロロメタン溶液を、エバポレーターにより濃縮した。濃縮液を、圧力1kPa、内温139℃、塔頂112℃で減圧蒸留を行い、生成物を得た。
〔比較例2〕
包接化合物としてテトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)を用い、表5に示す時間熟成させた以外は実施例3と同様にして生成物を得た。
〔比較例3〕
包接化合物としてエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を用い、表5に示す時間熟成させた以外は実施例3と同様にして生成物を得た。
Figure 0007111304000003
Figure 0007111304000004
実施例3、4、及び比較例1~3の製造方法における熟成時間、並びにメチルスクシノニトリルの転化率、収率、及び純度(GC単面)を、表5に示す。なお、比較例2、3に関しては、転化率が低かったため、精製工程は行なわなかった。比較例2に関しては、有機溶媒分留後の反応液で収率及び純度を確認した。また、比較例3に関しては、転化率が比較例2よりもさらに低かったため、収率及び純度の確認を行なわなかった。
Figure 0007111304000005
表5に示すように、実施例3及び4の製造方法で得られたメチルスクシノニトリルは、比較例1~3の製造方法で得られたメチルスクシノニトリルよりも純度が高いことを確認した。
<PEGの分子量の検討>
〔実施例5〕
100mL四つ口フラスコに、アセトニトリルと、シアン化カリウムと、メタクリロニトリルと、PEG1000と、シアン化合物としてシアン化水素とを、表6に示す量になるように加え、80℃で加熱還流し、表7に示す時間、80℃で熟成させることで生成物を含む反応液を得た。
〔実施例6〕
PEG1000の代わりにPEG600を用い、表7に示す時間、80℃で熟成させた以外は実施例5と同様にして生成物を含む反応液を得た。
〔実施例7〕
PEG1000の代わりにPEG400を用い、表7に示す時間、80℃で熟成させた以外は実施例5と同様にして生成物を含む反応液を得た。
〔実施例8〕
300mL四つ口フラスコに、アセトニトリルと、シアン化カリウムと、メタクリロニトリルと、PEG1000と、シアン化合物としてシアン化水素とを、表6に示す量になるように加え、80℃で加熱還流し、表7に示す時間、80℃で熟成させることで生成物を含む反応液を得た。その後、40~70℃、5~30kPaの条件でアセトニトリル及び低沸点化合物を反応液から留去し、次いで、110~130℃、1kPaの条件で、メチルスクシノニトリル(生成物)を分留した。
〔実施例9〕
PEG1000の代わりにPEG400を用い、表7に示す時間、80℃で熟成させた以外は実施例8と同様にして生成物を得た。
〔実施例10〕
PEG1000の代わりにPEG300を用い、表7に示す時間、80℃で熟成させた以外は実施例8と同様にして生成物を得た。
〔実施例11〕
PEG1000の代わりにPEG200を用い、表7に示す時間、80℃で熟成させた以外は実施例8と同様にして生成物を得た。
Figure 0007111304000006
実施例5~11の製造方法における熟成時間、並びにメチルスクシノニトリルの転化率、収量、収率、及び純度を、表7に示す。
Figure 0007111304000007
なお、実施例5~7に記載の「反応液」の収量は、反応液としての収量であり、純度は反応液をガスクロマトグラフィーの内部標準法によって求めた。また、実施例5~7は精製工程を行なっていないが、高い転化率、および高い収率を達成しており、実施例8~11と同様の精製工程を行なえば、高い純度のメチルスクシノニトリルが得ることができると期待することができる。
<PEG400及びKCNの量の検討>
〔実施例12〕
100mL四つ口フラスコに、アセトニトリル(ATN)と、メタクリロニトリル(MAN)と、シアン化水素(HCN)とを表8に示す量になるように加え、PEG400と、シアン化カリウム(KCN)とを、表9に示す量になるように加え、80℃で加熱還流し、表8に示す時間、80℃で熟成させることにより生成物を含む反応液を得た。
〔実施例13〕
PEG400及びシアン化カリウムの量を表8に示す量とし、表9に示す時間熟成させた以外は実施例12と同様にして生成物を含む反応液を得た。
〔実施例14〕
PEG400の量を表8に示す量とし、表9に示す時間熟成させた以外は実施例12と同様にして生成物を含む反応液を得た。
〔比較例4〕
PEG400を加えず、表9に示す時間熟成させた以外は実施例13と同様にして生成物を得た。
〔比較例5〕
シアン化カリウムを加えず、表9に示す時間熟成させた以外は実施例12と同様にして生成物を得た。
Figure 0007111304000008
実施例12~14、並びに比較例4、5の製造方法により得られたメチルスクシノニトリルの転化率を、表9に示す。
Figure 0007111304000009
<塩基性物質の検討>
〔実施例15〕
300mL四つ口フラスコに、アセトニトリルと、塩基性化合物としてシアン化カリウムと、メタクリロニトリルと、PEG400と、シアン化水素とを、表10に示す量になるように加え、80℃で加熱還流し、表11に示す時間、80℃で熟成させることにより生成物を含む反応液を得た。その後、40~70℃、5~30kPaの条件でアセトニトリル及び低沸点化合物を反応液から留去し、次いで、110~130℃、1kPaの条件で、メチルスクシノニトリル(生成物)を分留した。
〔実施例16〕
100mL四つ口フラスコに、アセトニトリルと、塩基性化合物としてシアン化カリウムと、メタクリロニトリルと、PEG400と、シアン化水素とを、表10に示す量になるように加え、80℃で加熱還流し、表11に示す時間、80℃で熟成させることにより生成物を含む反応液を得た。
〔実施例17〕
シアン化カリウムの代わりにシアン化ナトリウム(NaCN)を用いた以外は実施例16と同様にして生成物を含む反応液を得た。
〔実施例18〕
シアン化カリウムの代わりに水酸化カリウム(KOH)を用いた以外は実施例16と同様にして生成物を含む反応液を得た。
〔実施例19〕
シアン化カリウムの代わりにカリウムt-ブトキシド(t-BuOK)を用いた以外は実施例16と同様にして生成物を含む反応液を得た。
Figure 0007111304000010
実施例15~19の製造方法により得られたメチルスクシノニトリルの転化率、収量、収率、及び純度を、表11に示す。
Figure 0007111304000011
なお、実施例16~19に記載の「反応液」の収量は、反応液としての収量であり、純度は反応液をガスクロマトグラフィーの内部標準法によって求めた。また、実施例16~19は精製工程を行なっていないが、高い転化率、および高い収率を達成しており、実施例15と同様の精製工程を行なえば、高い純度のメチルスクシノニトリルが得ることができると期待することができる。
<溶媒の検討>
〔実施例20〕
300mL四つ口フラスコに、アセトン(溶媒)と、シアン化カリウムと、メタクリロニトリルと、PEG400と、シアン化水素とを、表12に示す量になるように加え、80℃で加熱還流し、表13に示す時間、80℃で熟成させることで生成物を含む反応液を得た。反応液を、40~70℃、5~30kPaの条件でアセトン及び低沸点化合物を反応液から留去し、次いで、110~130℃、1kPaの条件で、メチルスクシノニトリル(生成物)を分留した。
〔実施例21〕
アセトンの代わりにテトラヒドロフラン(THF)を用い、表13に示す時間、熟成させた以外は実施例20と同様にして生成物を得た。
〔実施例22〕
アセトンの代わりにアセトニトリルを用い、表13に示す時間、熟成させた以外は実施例20と同様にして生成物を得た。
〔比較例6〕
300mL四つ口フラスコに、メタノール(溶媒)と、シアン化カリウムと、メタクリロニトリルと、PEG400と、シアン化水素とを、表12に示す量になるように加え、80℃で加熱還流し、表13に示す時間、還流下で熟成させることで生成物を含む反応液を得た。
〔参考例7〕
300mL四つ口フラスコに、DMF(溶媒)と、シアン化カリウムと、メタクリロニトリルと、PEG400と、シアン化水素とを、表12に示す量になるように加え、80℃で加熱還流し、表13に示す時間、80℃で熟成させることで生成物を含む反応液を得た。反応液を、水100mlとメチルtert-ブチルエーテル200mlとの混合溶媒を用いて分液した。水相にメチルtert-ブチルエーテル150mlを加え、分液操作はトータル3回行った。続いて、圧力5~30kPa、内温40~70℃の条件で、分液したメチルtert-ブチルエーテル(有機相)からメチルtert-ブチルエーテル等の低沸点化合物を留去し、濃縮液を得た。
Figure 0007111304000012
実施例20~22、比較例6、参考例7の製造方法によって得られたメチルスクシノニトリルの転化率、収率、及び純度(GC単面)を、表13に示す。なお、参考例7に関しては、有機溶媒分留後の反応液で収率及び純度を確認した。
Figure 0007111304000013
比較例6の製造方法では、MeO付加体が得られた。これは溶媒としてのメタノールが反応することにより生成したものと判断される。
<反応温度の検討>
〔実施例23〕
100mL四つ口フラスコに、アセトニトリルと、シアン化カリウムと、メタクリロニトリルと、PEG400と、シアン化水素とを、表14に示す量になるように加え、80℃で加熱還流し、80℃で熟成させることにより生成物を含む反応液を得た。その後、40~70℃、5~30kPaの条件でアセトニトリル及び低沸点化合物を反応液から留去し、次いで、110~130℃、1kPaの条件で、メチルスクシノニトリル(生成物)を分留した。
〔実施例24〕
100mL四つ口フラスコに、アセトニトリルと、シアン化カリウムと、メタクリロニトリルと、PEG400と、シアン化水素とを、表14に示す量になるように加え、60℃で加熱し、60℃で熟成させることにより生成物を含む反応液を得た。
〔実施例25〕
加熱温度及び熟成温度を40℃とした以外は実施例24と同様にして生成物を含む反応液を得た。
Figure 0007111304000014
実施例23~25の製造方法で得られたメチルスクシノニトリルの転化率を、表15に示す。実施例23の製造方法で得られたメチルスクシノニトリルは、純度(GC単面)も測定した。
Figure 0007111304000015
実施例24は、熟成時間4時間で転化率84mol%であった。また、表14に示すように熟成時間24時間では転化率91.6mol%であり、24時間以降は転化率が変化しなかった。
<釜残繰り返しの検討>
〔実施例26〕
(1バッチ目)
300mL四つ口フラスコ(反応槽)に、アセトニトリルと、シアン化カリウムと、メタクリロニトリルと、PEG400と、シアン化水素とを、表16に示す量になるように加え、80℃で2.3時間加熱還流することで生成物を含む反応液を得た。反応液にPEG400を56.6gさらに加え、その後、40~70℃、5~30kPaの条件でアセトニトリル及び低沸点化合物を反応液から留去し、次いで、110~130℃、1kPaの条件で、メチルスクシノニトリル(生成物)を分留した。得られた生成物の収量は36.2g、収率は77.0mol%、純度(GC単面)は99.9%であった。
(2バッチ目)
300mL四つ口フラスコ(反応槽)に、アセトニトリルと、シアン化カリウムと、メタクリロニトリルと、PEG400と、シアン化水素とを、表16に示す量になるように加え、80℃で2.3時間加熱還流することで、2バッチ目の反応液を得た。1バッチ目に使用したフラスコに釜残がある状態で、2バッチ目の反応液を加え、その後、40~70℃、5~30kPaの条件でアセトニトリル及び低沸点化合物を反応液から留去し、次いで、110~130℃、1kPaの条件で、メチルスクシノニトリル(生成物)を分留した。得られた生成物の収量は40.5g、収率は85.9mol%、純度(GC単面)は99.9%であった。
Figure 0007111304000016
釜残を繰り越すことにより、収率が向上した。
<ラージスケールでの検討>
〔実施例27〕
5L四つ口フラスコに、アセトニトリルと、シアン化カリウムと、メタクリロニトリルと、PEG400と、シアン化水素とを、表17に示す量になるように加えた。還流がかかるまで加熱し、還流下2.5時間反応させた。反応時の内温は83~95℃であった。反応後のメタクリロニトリルの転化率は100%であった。
30℃まで冷却後、内温40~75℃、減圧度1~20kPaになるように調節しながら、メチルスクシノニトリルよりも低沸点の成分とアセトニトリルとを、70℃、1kPaで留出が無くなるまで留去した。
続けて、減圧度1~2kPaで内温を130~140℃に加熱して分留することにより、メチルスクシノニトリル1159gを得た。仕込みメタクリロニトリルに対するメチルスクシノニトリルの収率は77.0mol%であり、純度は99.8面積%であった。
Figure 0007111304000017
〔比較例8〕
500mL四つ口フラスコに、ジメチルスルホキシド(DMSO)と、シアン化カリウムとを、表18に示す量になるように加え、100℃に加熱した。メタクリロニトリルと、シアン化水素とを、表18に示す量になるように混合し、メタクリロニトリルとシアン化水素の混合液を10分かけて滴下した。滴下後、100℃で0.8時間熟成した。
Figure 0007111304000018
主にメタクリロニトリルの重合物が得られた。
〔比較例9〕
50mL四つ口フラスコに、シアン化カリウムと、メタクリロニトリルと、シアン化水素とを、表19に示す量になるように加え、40℃で1時間、70℃で24時間加熱し、生成物を含む反応液を得た。
Figure 0007111304000019
転化率は8.4mol%であった。
本発明は、メチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの製造に利用することができ、特に極めて高い純度が求められる、例えば、リチウム電池用の添加剤や、ポリアミド用の原料として利用することができる。

Claims (8)

  1. 有機溶媒の存在下、メタクリロニトリル又はアクリロニトリルと、シアン化合物と、塩基性触媒と、平均分子量が150以上である鎖状ポリエーテル化合物との反応によりメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを含む反応液を得る反応工程と、
    上記反応液を精製する精製工程と、を含み、
    上記精製工程では、上記反応液から上記メチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルを分留する、メチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの製造方法。
  2. 上記鎖状ポリエーテル化合物は、ポリエチレングリコールである、請求項1に記載のメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの製造方法。
  3. 上記精製工程では、上記メチルスクシノニトリル又は上記スクシノニトリルを分留する前に、上記反応液から上記有機溶媒を分留する、請求項1又は2に記載のメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの製造方法。
  4. 上記精製工程では、減圧条件下、100℃以上160℃以下の範囲内の温度で、上記メチルスクシノニトリル又は上記スクシノニトリルを分留する、請求項1~いずれか1項に記載のメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの製造方法。
  5. 上記精製工程後、上記有機溶媒の存在下、上記メタクリロニトリル又は上記アクリロニトリルと、上記シアン化合物と、上記塩基性触媒と、上記鎖状ポリエーテル化合物との反応により上記メチルスクシノニトリル又は上記スクシノニトリルを含む第2の反応液を得る第2の反応工程と、
    上記反応液の残渣が存在する反応槽に、上記第2の反応液を供給し、上記反応液と上記第2の反応液との混合液を得た後、上記混合液を精製する第2の精製工程と、を含み、
    上記第2の精製工程では、上記混合液から上記メチルスクシノニトリル又は上記スクシノニトリルを分留する、請求項1~いずれか1項に記載のメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの製造方法。
  6. 上記シアン化合物は、シアン化水素及びアセトンシアノヒドリンのうち少なくとも一つである、請求項1~のいずれか1項に記載のメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの製造方法。
  7. 上記塩基性触媒は、アルカリ金属塩、又はアルカリ金属アルコキシドである、請求項1~のいずれか1項に記載のメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの製造方法。
  8. 上記有機溶媒は、ニトリル、エーテル、ケトンからなる群から選択される少なくとも1つの有機溶媒である、請求項1~のいずれか1項に記載のメチルスクシノニトリル又はスクシノニトリルの製造方法。
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