JP7110845B2 - 情報処理装置及び情報処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は情報処理装置及び情報処理方法に関する。
所定動作を行う可動装置の動作を監視することで当該可動装置の異常の有無を検出する装置が使用されている。特許文献1の引抜装置では、鋳片の、引抜き設定ストロークと引き抜き検出ストロークとの偏差の複数サイクル分の平均値及び標準偏差を求めて引抜装置の異常の有無を検出している。
特開平6‐226405号公報
速度制御で動作させる際の可動装置に入力する速度の指示値(目標値)と、実際に可動装置の可動部が可動した際の速度との間にはずれが生じる。特に、可動部の動作開始直後、及び、動作終了直前に、当該ずれは大きくなる。
このため可動装置に入力する指示値と、可動装置が実際に動作したときの出力値との比較に基づいて当該可動装置の異常の有無を検出すると、わずかな可動装置の異常に伴う変動に気付かない場合がある。本発明の一態様は、精度よく、可動装置の異常を検出することを目的とする。
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
すなわち、本発明の一側面に係る情報処理装置は、可動装置に所定動作をさせるモータを、入力された指示値に基づいてドライバが回転させたときの当該モータの回転に伴う指標を経時的に取得する取得部と、前記取得部が取得した前記指標と、前記指示値に基づく前記モータの回転に伴う指標の予想値との差分を経時的に演算する差分演算部と、前記差分の所定期間における特徴量を演算する特徴量演算部と、前記特徴量と閾値とを比較することで、前記可動装置の異常を検出する異常検出部とを備えている。このため、前記指示値と前記指標との差分に基づいて前記可動装置の異常を検出する場合と比べて、より小さな前記指標の変動を検出することができる。この結果、精度よく、前記可動装置の異常を検出することができる。
前記指示値に基づく前記モータの回転に伴う指標に対応する予想値を予め記憶している記憶部を備えてもよい。
前記特徴量は、前記所定期間における、前記差分の絶対値の平均値であってもよい。これによれば、所定期間に渡って差分が累積されるため、予想値に対する小さなずれも検出することができる。それゆえ、精度よく、早期に前記可動装置の異常を検出することができる。
前記特徴量は、前記所定期間における前記差分の最大値と最小値との差分、又は、前記所定期間における前記差分の分散であってもよい。
前記モータの回転に伴う指標は、前記モータのトルクであってもよい。
前記モータの回転に伴う指標は、前記モータが回転する速度であってもよい。トルク及び速度は、可動装置が動いているときの指標であるので、可動装置の異常が値に反映されやすい。それゆえ、前記可動装置の異常の有無を早期に検出することができる。
本発明の一側面に係る情報処理方法は、可動装置に所定動作をさせるモータをドライバが指示値に基づいて回転させたときの当該モータの回転に伴う指標を経時的に取得する取得ステップと、前記取得ステップにて取得された前記指標と、前記指示値に基づく前記モータの回転に伴う指標の予想値との差分を経時的に演算する差分演算ステップと、前記差分の所定期間における特徴量を演算する特徴量演算ステップと、前記特徴量と閾値とを比較することで、前記可動装置の異常を検出する異常検出ステップとを有する。
本発明の一態様によれば、精度よく、可動装置の異常を検出することができる。
実施形態1に係るPLCの機能ブロックの一例を示す図である。 実施形態1に係るPLCの適用場面の一例を模式的に表す図である。 実施形態1に係る、指示値、理想波形、計測値それぞれの波形を表す図である。 実施形態1に係る差分演算部が演算した、モータの回転に伴う出力値と、予想値との差分を表す波形である。 実施形態1に係るPLCの処理の流れを表す図である。
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。
§1 適用例
図2を用いて、本発明が適用される場面の一例について説明する。図2は、実施形態1に係るPLC(programmable logic controller)50の適用場面の一例を模式的に表す図である。本実施形態に係るPLC50は、モータ30の回転によって所定動作をする可動機構(可動部13、ボールネジ12)を含む可動装置10の異常をリアルタイムで検出する、本発明の情報処理装置の一例である。
可動システム1は、可動装置10と、モータ30と、モータ30の駆動を制御するドライバ40と、PLC50とを備えている。可動システム1は、例えば、製品の製造工場において用いられる生産設備である。可動装置10は、例えば、カップリング20を介して接続されているモータ30の回転が伝達されることによって、所定動作を行う装置である。可動装置10は、モータ30の回転が伝達されることで所定動作をする装置であればよく、例えば、製造工場において用いられる搬送装置等の各種装置であってもよいし、製造工場以外で用いられている各種のロボット等の装置であってもよい。
PLC50は、モータ30の回転に伴う指標を経時的に取得し、当該指標の予想値と当該取得した指標との差分に基づいて可動装置10の異常を検出する。予測値は、指示値(制御目標値)に基づいて予測されるものであり、指示値(制御目標値)とは異なる。予測値は、正常な可動装置10における指標の計測値を表すもの(例えば平均値)である。なお、PLC50は、指標の予想値と当該指標との差分に基づいて可動装置10の異常を検出する情報処理装置であればよく、当該情報処理装置としては、例えば、サーバ等であってもよい。指標の具体例は後述する。
§2 構成例
図2を用いて、実施形態1に係る可動システム1の構成例について説明する。可動装置10は、例えば、リニアガイドを有するベース11と、ボールネジ12と、可動部13とを備えている。ボールネジ12は、ベース11の長軸方向に平行となるようにベース11に搭載されている。可動部13は、ボールネジ12に搭載されている。ボールネジ12の一方の端部は、カップリング20を介してモータ30の出力軸と接続されている。
モータ30の出力軸の回転(単に、モータ30の回転と称する)によってボールネジ12が回転する。そして、可動部13は、ボールネジ12の回転に伴い、ボールネジ12上であって、矢印A1に示すように、ボールネジ12に沿って動作する(すなわち移動する)。
可動装置10は、例えば、可動部13が、ボールネジ12の一方の端部(モータ30に近い側の端部)近傍から、他方の端部(モータ30から遠い側の端部)近傍方向(往路方向)へ1サイクルの動作として移動したり、逆に、可動部13が、ボールネジ12の他方の端部近傍から、一方の端部近傍方向(復路方向)へ1サイクルの動作として移動したりする。この可動装置10における所定動作とは、前記1サイクルの動作であってもよいし、前記1サイクルの動作を複数回含む複数サイクルの動作であってもよい。
本実施形態では、モータ30はエンコーダ35を備えているものとして説明する。エンコーダ35は、モータ30の回転方向及び回転角度を示す情報をパルス信号としてドライバ40へ経時的に出力する。
なお、エンコーダ35は、モータ30とは別に設けられた外付けであってもよい。エンコーダ35がモータ30とは別に設けられている場合、例えば、当該エンコーダ35は、ボールネジ12の他方の端部(モータ30から遠い側の端部)にカップリングを介して取り付けられる。そして、当該エンコーダ35は、ボールネジ12の回転方向及び回転角度を示す情報をパルス信号としてPLC50へ経時的に出力する。
なお、モータ30に内蔵されているエンコーダ35又はモータ30とは別に設けられた外付けのエンコーダ35は、回転部分と、当該回転部分の回転方向及び回転角度をセンシングするセンシング部分と、が接触している接触式のエンコーダであってもよいし、回転部分とセンシング部分とが非接触である非接触式のエンコーダであってもよい。
例えば、ドライバ40は、PLC50からの指示値(制御目標値)に基づいて、モータ30の単位時間あたりの回転数が指示値(制御目標値)となるように、適切な値の電流及び電圧を生成し、当該生成した電流及び電圧をモータ30に出力する。これにより、ドライバ40は、モータ30の回転を制御する。例えば、ドライバ40は、モータ30へ出力した電流及び電圧それぞれの電流値及び電圧値に基づいて、モータ30の回転に伴う出力値であるトルク値を経時的に演算し、逐次、PLC50へ出力する。
ドライバ40に入力されるPLC50からの指示値(制御目標値)、ドライバ40からモータ30へ出力する電流値及び電圧値及び、当該電流値及び電圧値から演算されるトルク値は、モータ30の回転に伴う指標のうち、モータ30を制御するための制御値の一例である。
また、ドライバ40は、モータ30が備えるエンコーダ35から取得するパルス信号に基づいて、モータ30の回転に伴う出力値(計測値)である角速度値(換言するとモータ30の回転の速度)を経時的に演算して、逐次、PLC50へ出力してもよい。
なお、例えば、可動部13に加速度センサを取り付けておき、モータ30の回転に伴って移動する可動部13の加速度データを加速度センサが経時的に取得し、当該加速度センサが、加速度値を示す加速度データを、モータ30の回転に伴う出力値として、逐次、PLC50へ出力するようにしてもよい。
なお、例えば、可動部13に加速度センサを取り付けておき、モータ30の回転に伴って移動する可動部13の加速度データを加速度センサが経時的に取得し、当該加速度センサが、加速度値を示す加速度データを、モータ30の回転に伴う出力値として、逐次、PLC50へ出力するようにしてもよい。また、例えば、可動部13に位置センサを取り付けておき、モータ30の回転に伴って移動する可動部13の位置データを位置センサが経時的に取得し、当該位置センサが、可動部13の位置を示す位置データを、モータ30の回転に伴う出力値として、逐次、PLC50へ出力するようにしてもよい。
上述したような、モータ30からドライバ40へ出力されるパルス信号から演算されるモータ30の回転の速度、又は別途設けられたセンサから得られる、加速度値、及び位置等は、モータ30の回転に伴う指標のうち、モータ30の回転に伴う出力値(計測値)の一例である。なお、モータ30の回転に伴う出力値(計測値)は、モータ30の回転に伴って計測して得られる値であればよい。
図1は、実施形態1に係るPLC50の機能ブロックの一例を示す図である。PLC50は、指示部51と、予想値演算部52と、記憶部53と、取得部54と、差分演算部55と、特徴量演算部56と、異常検出部57を備えている。以下、PLC50が備える各部について説明する。
図3は、実施形態1に係る、指示値、理想波形、計測値1・2それぞれの波形を表す図である。
指示部51は、図3に示す指示値を、ドライバ40に出力する。指示部51がドライバ40に出力する指示値とは、モータ30の回転に伴う指標の目標値である。
モータ30の回転に伴う指標は、ドライバ40が指示値に基づいて生成する電流値及び電圧値(制御値)、当該電流値及び電圧値から演算されるトルク値(制御値)、モータ30の回転に伴う出力値(計測値)を挙げることができる。モータ30の回転に伴う出力値(計測値)は、例えば、エンコーダ35から出力されるパルス信号が演算されるモータ30の回転の速度、又は別途設けられたセンサから得られる、加速度値、位置等を挙げることができる。特に、トルク及び速度は、可動装置10が動いているときの指標であるので、可動装置10の異常が値に反映されやすい。それゆえ、可動装置10の異常の有無を早期に検出することができる。
指示値がトルクの制御目標値の場合、ドライバ40は、指示部51から当該指示値を取得すると、モータ30のトルクが当該指示値となるような値の電流及び電圧を生成し、当該生成した電流及び電圧によってモータ30を回転させる。これにより、モータ30は、トルクが当該指示値となるように回転する。また、指示値がモータ30の回転する速度の目標値の場合、ドライバ40は、指示部51から当該指示値を取得すると、モータ30の回転する速度が当該指示値となるような値の電流及び電圧を生成し、当該生成した電流及び電圧によってモータ30を回転させる。これにより、モータ30は、速度が当該指示値となるように回転する。また、指示値が可動部13の速度の目標値の場合、ドライバ40は、指示部51から当該指示値を取得すると、可動部13の速度が当該指示値となるような値の電流及び電圧を生成し、当該生成した電流及び電圧によってモータ30を回転させる。これにより、モータ30は、可動部13の速度が当該指示値となるように回転する。
図3に示す例では、指示部51がドライバ40へ出力する指示値の波形は、モータ30の回転する速度の目標値である場合の例を表している。また、図3に示す例では、指示値の波形は、加速時・等速時・減速時それぞれの切り換えがなだらかな波形ではなく、矩形形状の例を表している。また、図3に示す例では、可動部13が1サイクル動作する際の指示値の波形を示している。
なお、本発明に係る情報処理装置がPLCではなく、サーバである場合は、指示部51を省略し、別途設けられるPLCから指示値を取得するようにしてもよい。
予想値演算部52は、指示部51がドライバ40へ出力する指示値に基づく、モータ30の回転に伴う指標の予想値を生成し、当該予想値を記憶部53に予め記憶しておく。予想値演算部52は、指示部51が出力する指示値と、当該指示値に対するモータ30の回転に伴う指標との対応関係を表すデータベースを予め作成しておき、当該データベースを記憶部53に記憶しておけばよい。また、予想値演算部52は、指示部51が出力する指示値と、当該指示値に対するモータ30の回転に伴う指標との対応関係を表す伝達関数を予め作成しておき、当該伝達関数を記憶部53に記憶しておいてもよい。
図3に示す例では、指示部51が出力する指示値の波形に対応する予想値の波形である理想波形を表している。
図3に示すように、モータ30の回転に伴う指標は、指示部51が出力する指示値の波形に追従するような波形となるが、指示部51が出力する指示値の波形と全く同じにはならず、多少のズレが生じる。特に、理想波形は、指示部51が出力する指示値の波形の立ち上がり直後(すなわちモータ30の停止状態から回転を開始した直後)、及び、指示部51が出力する指示値の波形の立ち下がりから停止まで(すなわちモータ30の減速状態から回転の停止まで)において、指示値の波形とのズレが大きくなる。
記憶部53は、上述のように、指示値に対するモータ30の回転に伴う指標の予想値を得るためのデータベース又は伝達関数が記憶されている。指示値の波形に対するモータ30の回転に伴う出力値の予想値が波形として記憶部53に記憶されていてもよい。なお、記憶部53は、PLC50の外部に設けられてもよいし、PLC50に外付けで接続されてもよい。
取得部54は、ドライバ40が指示値に基づいて回転させたときのモータ30の回転に伴う指標を、ドライバ40から経時的に取得する。図3に示す例では、モータ30の回転に伴う指標として、計測値1・計測値2に示すように、ドライバ40から、モータ30の回転する速度の計測値を2回取得している例を表している。モータ30の回転する速度の計測値とは、例えば、ドライバ40がエンコーダ35から得たモータ30の回転の速度である。図3の計測値1・計測値2に示すように、モータ30の回転する速度の計測値の波形は、指示値の波形との差は大きいが、理想波形との差は小さく、理想波形に沿った形状をしている。
差分演算部55は、指示部51から取得した指示値に基づいて、当該指示値に基づくモータ30の回転に伴う出力値の予想値を経時的に記憶部53から取得する。そして、差分演算部55は、取得部54が取得したモータ30の回転に伴う指標と、記憶部53から取得した予想値との差分を経時的に演算する。
図4は、実施形態1に係る差分演算部55が演算した、モータ30の回転に伴う指標と、予想値との差分を表す波形である。図4では、図3に示した理想波形と計測値1との差分を差分1として表し、理想波形と計測値2との差分を差分2としてそれぞれ波形で表している。すなわち、差分1は、図3に示した理想波形に対する計測値1のズレを表しており、差分2は、図3に示した理想波形に対する計測値2のズレを表している。換言すると、差分1・差分2は、モータ30の回転に伴う出力値の予想値に対する、実際のモータ30の回転に伴う出力値とのズレを表している。なお、差分1・差分2のように、予想値に対する計測値の差分を乱れ成分と称する場合がある。
特徴量演算部56は、モータ30の回転に伴う出力値の予想値と、実際のモータ30の回転に伴う指標との差分(乱れ成分)の所定期間における特徴量を演算する。例えば、特徴量演算部56は、図4に示した1サイクルにおける差分1の特徴量、及び/または、図4に示した1サイクルにおける差分2の特徴量を演算する。この特徴量演算部56が演算する特徴量とは、所定期間における差分の絶対値の平均値、所定期間における差分の最大値と最小値との差分、又は、所定期間における前記差分の分散等、所定期間における指標のバラツキ量である。
特に、特徴量として、所定期間における、差分1・2の絶対値の平均値を演算することで、所定期間に渡って差分が累積されるため、予測値に対する小さなずれも検出することができる。それゆえ、精度よく、早期に可動装置10の異常を検出することができる。
なお所定期間とは、可動装置10の整数倍サイクル(1又は複数サイクル)の期間であればよい。
異常検出部57は、特徴量演算部56が演算した特徴量を、閾値とを比較する。そして当該特徴量が閾値以上になると、異常検出部57は、可動装置10に異常が発生していることを検出する。そして、異常検出部57は、可動装置10に異常が発生していることを検出すると、ユーザに通知する処理を行う。
このようにPLC50によると、差分演算部55は、取得部54が取得した指標と、記憶部53が記憶する指示値に基づく予想値との差分とを経時的に演算する。そして、特徴量演算部56は、当該差分の所定期間における特徴量を演算する。そして、異常検出部57は、特徴量と閾値とを比較することで、可動装置10の異常を検出する。このため、指示値と指標との差分に基づいて可動装置10の異常を検出する場合と比べて、より小さな指標の変動を検出することができる。この結果、精度よく、可動装置10の異常を検出することができる。
なお、ユーザに通知する処理とは、ユーザに通知するための種々の方法を含む。このユーザに通知する処理の例としては、可動システム1がディスプレイを備える場合は、ユーザに通知する画面をディスプレイに表示させたり、可動システム1がスピーカを備える場合は、ユーザに通知する音声をスピーカに出力させたりする処理を挙げることができる。または、このユーザに通知する処理として、例えば、ユーザが指定するアドレスにメールを送信することでユーザに通知したり、可動システム1がランプを備える場合は、当該ランプを点灯又は点滅させたりする処理等を挙げることもできる。
図5は、実施形態1に係るPLC50の処理の流れを表す図である。まず、予想値演算部52は、指示部51がドライバ40へ出力する指示値に基づく、モータ30の回転に伴う指標の予想値を演算し、当該予想値の波形(理想波形)を記憶部53に記憶する(ステップS11)。次いで、指示部51は、モータ30の回転の速度が目標とする指示値を演算し、当該指示値をドライバ40へ出力する(ステップS12)。そして、ドライバ40は、指示部51が取得した指示値となるように、電圧及び電流を設定し(すなわちトルクを設定し)、モータ30を回転させる。そして、取得部54は、ドライバ40からモータ30の回転の速度(指標)を経時的に取得する(ステップS13)。次いで、差分演算部55は、記憶部53を参照して指示部51から得た指示値に基づく予想値(すなわち理想波形を取得し、取得部54が取得したモータ30の回転の速度(指標)との差分を経時的に演算する(ステップS14)。そして、特徴量演算部56は、差分演算部55が演算する差分の所定時間毎の特徴量を演算する(ステップS15)。次いで、異常検出部57は、特徴量演算部56が演算する特徴量を閾値と比較していき(ステップS16)、閾値以上になると(ステップS16のYESの場合)、ユーザへの通知処理を行う(ステップS17)。
〔ソフトウェアによる実現例〕
PLC50の制御ブロック(特に指示部51、予想値演算部52、取得部54、差分演算部55、特徴量演算部56及び異常検出部57)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、PLC50は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 可動システム
10 可動装置
11 ベース
12 ボールネジ
13 可動部
20 カップリング
30 モータ
35 エンコーダ
40 ドライバ
50 PLC
51 指示部
52 予想値演算部
53 記憶部
54 取得部
55 差分演算部
56 特徴量演算部
57 異常検出部

Claims (6)

  1. 可動装置に所定動作をさせるモータを、入力された指示値に基づいてドライバが回転させたときの当該モータの回転に伴う指標を経時的に取得する取得部と、
    前記取得部が取得した前記指標と、前記指示値に基づく前記モータの回転に伴う指標の予想値との差分を経時的に演算する差分演算部と、
    前記差分の所定期間における特徴量を演算する特徴量演算部と、
    前記特徴量と閾値とを比較することで、前記可動装置の異常を検出する異常検出部と
    前記指示値に基づく前記モータの回転に伴う、前記指示値に対応する前記指標の前記予想値を得るための伝達関数を予め記憶している記憶部と、を備えている情報処理装置。
  2. 前記特徴量は、前記所定期間における、前記差分の絶対値の平均値である請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記特徴量は、前記所定期間における前記差分の最大値と最小値との差分、又は、前記所定期間における前記差分の分散である請求項1に記載の情報処理装置。
  4. 前記モータの回転に伴う指標は、前記モータのトルクであることを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の情報処理装置。
  5. 前記モータの回転に伴う指標は、前記モータが回転する速度であることを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の情報処理装置。
  6. 可動装置に所定動作をさせるモータをドライバが指示値に基づいて回転させたときの当該モータの回転に伴う指標を経時的に取得する取得ステップと、
    伝達関数を用いて、前記指示値から、前記指示値に基づく前記モータの回転に伴う指標の予想値を得るステップと、
    前記取得ステップにて取得された前記指標と、前記指示値に基づく前記モータの回転に伴う指標の前記予想値との差分を経時的に演算する差分演算ステップと、
    前記差分の所定期間における特徴量を演算する特徴量演算ステップと、
    前記特徴量と閾値とを比較することで、前記可動装置の異常を検出する異常検出ステップとを有する情報処理方法。
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