JP7110586B2 - ポリウレタンインテグラルスキンフォーム及びその製造方法 - Google Patents

ポリウレタンインテグラルスキンフォーム及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリウレタンインテグラルスキンフォーム(以下、「ISF」と称する場合がある。)及び当該ISFの製造方法に関する。さらに詳しくは、高い反発弾性を有しつつ、機械的強度に優れたISFの製造方法に関する。
ISFは、その生産性の良さ、機械的強度、感触の良さ等から、靴底用素材やステアリングホイールをはじめとする自動車の内装部品として広く使用されているが、高性能な靴底等に好適な高い反発弾性率を有しつつ、良好な機械的強度を有するISFの技術はこれまで知られていなかった。
特許文献1には、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下「MDI」と称する場合がある。)を使用した比較的高い密度を有する高弾性軟質ポリウレタンフォームが提案されている。
しかしながら、当該ポリウレタンフォームは架橋剤を使用し、化学的架橋量を増やすことで高い弾性率を実現しているものであり、靴底用樹脂等として十分な伸び率や引き裂き強度等の機械的強度を得られない恐れがある。
また、特許文献2には、靴底部材としての低密度ポリウレタン成形物を与える方法が記載されているが複雑な工程であり、さらに開示されている弾性率では十分なものではなかった。
特開2003-342343号公報 特表2015-507513号公報
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、高反発弾性率を有し、機械的強度や生産性に優れるISFの提供、及びISFの製造方法を提供することである。
本発明者らは鋭意検討研究を重ねた結果、特定のMDI成分と、特定分子量範囲のポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、「PTMEG」と称する場合がある。)とから得られる、特定のイソシアネート基含有率を有する有機ポリイソシアネート組成物を使用することで、これらの課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は,以下の(1)~(5)の実施形態を含む。
(1)有機ポリイソシアネート組成物(A)、ポリオール成分(B)、触媒(C)、発泡剤(D)から得られるポリウレタンインテグラルスキンフォームであって、有機ポリイソシアネート組成物(A)が、MDIを含むイソシアネート成分と数平均分子量1,250~3,500のPTMEGとから得られるイソシアネート基末端プレポリマーを含むものであり、該MDIを含むイソシアネート成分中の4,4’―MDIと2,2’―MDIと2,4’―MDIの合計含有率が80質量%以上であり、かつ該MDIを含むイソシアネート成分中のMDIに占める2,2’―MDIと2,4’―MDIの合計含有率が15質量%未満であること、及び有機ポリイソシアネート組成物(A)のイソシアネート基含有率が15~25質量%であることを特徴とする、ポリウレタンインテグラルスキンフォーム。
(2)ポリオール成分(B)が、数平均分子量600~3,500のPTMEG(b1)を含有することを特徴とする、上記(1)に記載のポリウレタンインテグラルスキンフォーム。
(3)フォーム密度が200~400kg/mであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のポリウレタンインテグラルスキンフォーム。
(4)反発弾性率が55%以上であり、引裂強さが80N/cm以上であり、かつSplit Tear Strengthが1.50kg/cm以上であることを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のポリウレタンインテグラルスキンフォーム。
(5)有機ポリイソシアネート組成物(A)と、ポリオール成分(B)とを、触媒(C)、及び発泡剤(D)の存在下、反応、発泡させて得られる、上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のポリウレタンインテグラルスキンフォームの製造方法。
本発明によれば、ISFにおいて高い反発弾性を有しつつ、機械的強度を顕著に向上させることができる。また、本発明により得られたISFは、靴底用樹脂等高い弾性性能が必要な素材に広く利用でき非常に有用である。さらに、ISF製造の際、一般的な発泡装置で高い生産安定性を実現することができる。
本発明をさらに詳細に説明する。
本発明のポリウレタンインテグラルスキンフォームは、有機ポリイソシアネート組成物(A)、ポリオール成分(B)、触媒(C)、及び発泡剤(D)から得られるポリウレタンインテグラルスキンフォームであって、有機ポリイソシアネート組成物(A)は、MDIと数平均分子量1,000~3,500のPTMEGとのイソシアネート基末端プレポリマーを含むものである。
このイソシアネート基末端プレポリマーを得る際に用いるMDIを含むイソシアネート成分は、該イソシアネート成分中にMDI(4,4’―MDI、2,2’―MDI、2,4’―MDIを含む)を合計で80質量%以上含み、かつ該MDI中の2,2’―MDIと2,4’―MDIの合計含有量(以後、MDIアイソマー含有量とも言う。)が15質量%未満であることを特徴とする。
本発明におけるMDIを含むイソシアネート成分中のMDI含有率は80質量%以上であり、90質量%以上であることが好ましい。MDI含有率が80質量%未満の場合は、イソシアネート官能基数増大によるISFの機械的強度低下が生じる。
また、MDI中のMDIアイソマー含有比率は15質量%未満であり、10質量%未満であることが好ましい。MDIアイソマー含有比率が15質量%以上の場合は、反応性低下による生産性の悪化等が生じる。
本発明で使用する有機ポリイソシアネート組成物(A)のイソシアネート基含有率は、15~25質量%であり、18~22質量%であることが好ましい。イソシアネート基含有率が15質量%を下回る場合、有機ポリイソシアネートの粘度が非常に高くなり、発泡装置への導入が困難になると共に、一般的な発泡装置のイソシアネートやポリオール類の混合能力では十分均一に混合されない。一方25質量%以上のイソシアネート基含有率では、イソシアネートとポリオール、発泡剤としての水との反応がランダムとなり、特にイソシアネートと水との反応によって生じるウレア結合繰り返し単位の巨大化が原因として推定される機械的強度の顕著な低下が見られる。
本発明で使用する有機ポリイソシアネート組成物(A)を得る際に用いるPTMEGは、数平均分子量1,250~3,500であり、好ましくは数平均分子量1,500~3,500である。数平均分子量が下限を下回ると、PTMEG鎖がソフトセグメントとして十分機能しなくなるために反発弾性率目標値の達成が困難となる。一方で、上限値以上の分子量では靴底等の用途に好適なISFとしての硬さが得られなくなると共に、PTMEG鎖の結晶性が高まり、有機ポリイソシアネートの粘度が高くなりすぎるという問題がある。
有機ポリイソシアネート組成物(A)を得る際に用いるPTMEGは、テトラヒドロフランのみを開環重合したものであることが好ましく、また、2官能であることが好ましい。このようなPTMEGを用いることで、反発弾性率、伸び率、引裂き強度を中心とした良好な機械物性を得ることができるため好ましい。
また、PTMEGを重合する前の原料モノマー成分として10モル%までであれば、テトラヒドロフラン以外のエーテル単位を分子内に導入しても本発明の効果を大きく損なうことは無い。一般的にはPTMEGの常温液状化を目的とした1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール等の導入が可能である。
また、有機ポリイソシアネート組成物(A)に用いるMDIは、類似構造体のポリフェニレンポリメチルポリイソシアネート(ポリメリックMDI、以後p-MDIとも言う。)を含むことも可能であるが、イソシアネート官能基数増大によるISFの伸び率低下、p-MDI由来のISF着色等が生じる恐れがあるため、有機ポリイソシアネート組成物(A)に使用されるMDIに対し、p-MDIの含有率は10質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましく、p-MDIを用いないことが最も好ましい。
有機ポリイソシアネート組成物(A)は、上記したウレタン変性体を含むものであるが、MDIと常温において液状であるMDI(以下、「液状MDI」と称する。)を併用し、これをPTMEGにてウレタン変性したイソシアネート基末端プレポリマーを含む有機ポリイソシアネート組成物も好適に用いることができる。
有機ポリイソシアネート組成物(A)に用いることができる液状MDIは、公知の手法で得られるものを挙げることができ、例えば、
(1)MDIを200℃以上で反応させる、
(2)MDIにトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート等を触媒として添加した上で、170℃以上で反応させる、又は、
(3)MDIに3-メチル-1-フェニル-2-ホスホレン-1-オキシド等のホスホレン化合物を触媒として添加した上で、70℃以上で反応させ、所定の反応率で反応停止剤を添加する、
等の方法で得られる、MDIの部分カルボジイミド変性物、及び部分ウレトンイミン変性物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有するものである。
また、上記反応が終了し、反応停止剤を添加した後、得られた液状MDIを50℃以下の温度で24時間以上保管し、カルボジイミド結合の大部分をウレトンイミン結合へ変換した状態において、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー等、ウレトンイミン結合を分解しない方法で測定される液状MDI中のカルボジイミド変性MDI及びウレトンイミン変性MDIの含有率の合計は、5~40質量%が好ましく、更に好ましくは10~35質量%である。カルボジイミド変性MDI及びウレトンイミン変性MDI含有率の合計が前記範囲内であることにより好適なイソシアネート官能基数とすることが可能となり、使用に際しての粘度も適切にすることができる。さらにISFとした場合にも強度や反発弾性率を満足することができる。
この液状MDIは、カルボジイミド変性前又はウレトンイミン変性前のMDIとして、2,2’-MDI、2,4’-MDIの含有率合計は、60質量%以下が好ましい。60質量%を超えるアイソマー含有率の場合、反応性低下による生産性の悪化等が生じる恐れがある。
さらに有機ポリイソシアネート(A)に用いることができる液状MDIは、カルボジイミド変性前又はウレトンイミン変性前のMDIに少量のp-MDIを含むことが可能である。
しかし、液状MDIに比較しp-MDIは高いイソシアネート平均官能基数を有しており、カルボジイミド変性前又はウレトンイミン変性前のMDIとして、最大5質量%、さらに好ましくは3質量%以下に留める必要があり、含まないことが最も好ましい。
本発明におけるPTMEG(b1)としては、数平均分子量600~3,500が好ましく、さらに好ましくは1,000~3,500である。また、ポリオール成分(B)中の(b1)含有量は80質量%以上が好ましく、さらに好ましくは90質量%以上である。下限以下では、得られるISFの反発弾性率が十分高くならず、引裂き強度等の機械物性が低下する恐れがある。
本発明に使用するポリオール成分(B)として、官能基数2~4の架橋剤(b2)を用いることができる。具体的には、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、テトラメチレンエーテルグリコール、シクロヘキサンジエタノール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等を用いることができる。これらのうち特に反応性が高いアミン系アルコールが好ましい。
また、ポリオール成分(B)として、その他ポリオール(b3)を、上記反発弾性率を低下させない範囲で添加することができる。その他ポリオールとしては、ウレタン樹脂に一般的に使用されるポリプロピレンエーテルポリオール(略称PPG)、ポリエステルポリオール、ひまし油等の天然由来ポリオール、ポリブタジエンポリオール、ダイマー酸エステルポリオールなどが挙げられる。
触媒(C)としては、当該分野において公知である各種ウレタン化触媒が使用できる。例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N-メチルモルフォリン、N-エチルモルフォリン、ジメチルベンジルアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N”N”-ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス-(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、トリエチレンジアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7、1,2-ジメチルイミダゾール、1-ブチル-2-メチルイミダゾール等の3級アミン及びこれらの有機酸塩、ジメチルエタノールアミン、N-トリオキシエチレン-N,N-ジメチルアミン、N,N-ジメチル-N-ヘキサノールアミン等のアミノアルコール類、及びこれらの有機酸塩、スタナスオクトエート、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ナフテン酸亜鉛等の有機金属化合物類等が挙げられる。これら触媒は、必要に応じて2種類以上を混合して使用することができる。また、これら触媒を低粘度化、液状化、成形機械の計量精度向上のための増容、等の理由で各種溶媒、ポリオール、可塑剤、等に溶解して使用することも可能である。
本発明に使用される発泡剤(D)としては水が望ましいが、必要に応じて地球環境等に重大な影響を及ぼすことが少ない公知のものも使用することができる。この公知の発泡剤には不活性低沸点溶剤と反応性発泡剤の二種があり、前者としてはジクロルメタン、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロオレフィン、アセトン、蟻酸メチル、ヘキサン、ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン等、さらに窒素ガス、炭酸ガスや空気等を挙げることができる。後者の例としては、室温より高い温度等により分解して気体を発生する、例えばアゾ化合物や炭酸水素ナトリウム等を挙げることができる。
本発明において、必要に応じて助剤を使用してもよい。このような助剤としては、例えば、整泡剤、減粘剤、顔料又は染料、マイカ、ガラス繊維等の補強材又は充填剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、防カビ剤、抗菌剤、VOCキャッチャー剤等が挙げられ、必要に応じて使用することができる。
整泡剤としては、一般にポリウレタンフォーム製造に使用されている公知のものを挙げることができる。例えば、ポリジメチルシロキサン-ポリアルキレンオキシドブロックポリマー、ビニルシラン-ポリアルキレンポリオール重合体等を挙げる事ができる。
本発明に使用することができる粘度低減剤としては、一般に高粘度液体の粘度低減に使用される液状物質の内、イソシアネート基と反応する活性水素基、カルボジイミド基、ホルミル基などを含有しないもの等を挙げることができる。このようなものとしては、粘度低減効果の面から25℃における粘度が100mPa・s以下、取扱いの面から融点が0℃以下、安全性の面からJIS K2265の方法で計測される引火点が70℃以上、毒性、環境汚染性等が低いものであることが好ましい。具体的には、例えばフタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、フタル酸ジブチル、フタル酸系ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジプロピル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリスβクロロプロピル、アセチルクエン酸トリブチル、ジベンジルエーテル等が上げられる。
粘度低減剤の添加量は有機ポリイソシアネート組成物(A)、ポリオール成分(B)、触媒(C)、発泡剤(D)の合計量に対して10質量%以下が好ましい。10質量%を上回ると、ISF成形物の成形性悪化や反発弾性率及び引裂き強度等の機械物性低下が見られる場合がある。
本発明によるISFは、例えば、有機ポリイソシアネート組成物(A)とポリオール成分(B)とを、触媒(C)、発泡剤(D)、及び必要に応じて助剤の存在下、攪拌混合後、金型内に注入して得られるモールドフォーム、又は上下左右に壁面を有するコンベアーに注入することで得られる連続シート状フォーム等として製造される。両製造方法とも、有機ポリイソシアネート組成物(A)以外の成分をあらかじめ混合してポリオールプレミックスを準備し、これと有機ポリイソシアネート組成物(A)との2成分を混合発泡させる方法、一部又は全ての成分を別々に攪拌混合機の混合ヘッドに導入し、発泡する方法が可能である。
本発明の有機ポリイソシアネート組成物中の全イソシアネート基と、水を含むイソシアネート反応性化合物中の全イソシアネート反応性基のモル比(イソシアネート基/NCO反応性基)としては、0.4~1.2(イソシアネートインデックス(NCO INDEX)=40~120)であることが好ましく、0.5~1.1(NCO INDEX=50~110)であることがより好ましい。
なお、本発明によるISFの密度は、200~400kg/mであることが好ましい。特に経済性や生産性を考慮すると350kg/m以下に調整することが好ましい。
触媒(C)の種類や配合量にもよるが、水のみを発泡剤として使用する場合、この密度帯域を達成するために必要な水の添加部数は、ポリオール成分(B)100質量部に対し0.3~2.5質量部であることが好ましい。
以上のように、本発明のISFは、その用途を特に限定するものではないが、反発弾性率が55%以上、引裂強さが80N/cm以上、Split Tear strengthが1.60kg/cm以上というように、高反発弾性率、高機械的強度を有するため、従来の靴底、靴底の一部、靴の中敷等に用いられる発泡樹脂やISFを、本発明によるISFに置き換えることで、非常に優れた使用感、強度、耐久性を得ることができる。
以下、さらに本発明の具体的実施例について述べるが、本実施例のみによって本発明が限定されることはない。なお実施例において、すべての部及び%は特に断りの無い限り質量基準である。
[有機ポリイソシアネート組成物 合成例I-1]
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容量1Lの反応器に、低アイソマー比率MDIを456g、液状MDIを214g仕込み、75℃まで昇温した後、数平均分子量2000のPTMEG(PTG-2000SN:保土谷化学工業社製)を331g仕込み、温度を維持したまま攪拌羽根で均一に混合しながら4時間ウレタン化反応を行った。室温まで冷却して有機ポリイソシアネート組成物「I-1」(MDI含有比率90%、MDIアイソマー比率1%、NCO基含有率20.0%、粘度350mPa・s at 25℃)を得た。
[有機ポリイソシアネート組成物 合成例I-2]
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容量1Lの反応器に、低アイソマー比率MDIを445g、液状MDIを209g仕込み、75℃まで昇温した後、数平均分子量3000のPTMEG(PTG-3000SN:保土谷化学工業社製)を346g仕込み、温度を維持したまま攪拌羽根で均一に混合しながら4時間ウレタン化反応を行った。室温まで冷却して有機ポリイソシアネート組成物「I-2」(MDI含有比率90%、MDIアイソマー比率1%、NCO基含有率20.0%、粘度560mPa・s at 25℃)を得た。
[イソシアネート合成例I-3~I-14]
表1~表2に示した原料を用い、I-1、I-2と同様の操作を行うことで有機ポリイソシアネート組成物I-3~I-14を得た。表中の原料配合は、質量部にて示した。
Figure 0007110586000001
Figure 0007110586000002
[ポリオール成分の調製]
表3に示す割合で原料を均一に混合し、ポリオールプレミックスとして、ポリオール成分P-1~P-4を調製した。なお、原料配合は質量部にて示した。
Figure 0007110586000003
表1~表3で使用した原料は以下の通り。
・低アイソマー比率MDI:MDI含有比率100%、MDIアイソマー比率1%、NCO基含有率33.5%。
・高アイソマー比率MDI:MDI含有比率100%、MDIアイソマー比率55%、NCO基含有率33.5%。
・液状MDI:MDI含有比率70%、MDIアイソマー比率1%、NCO基含有率29.0%のカルボジイミド変性及びウレトンイミン変性MDI
・PTG-3000SN:保土谷化学工業社製PTMEG、数平均分子量=3000
・PTG-2000SN:保土谷化学工業社製PTMEG、数平均分子量=2000
・PTG-1000SN:保土谷化学工業社製PTMEG、数平均分子量=1000
・PTMEG2000:INVISTA社製PTMEG、数平均分子量=2000
・DABCO NCIM:1-イソブチル-2-メチルイミダゾール
・SRX-280A:東レ・ダウコーニング社製シリコーン整泡剤。
[ISFの作製]
有機ポリイソシアネート組成物としてI-1~I-14、ポリオールプレミックスP-1~P-4を用いISFを作製した。
即ち、表4~5に示す割合で温度40℃に温調した各有機ポリイソシアネート組成物とポリオールプレミックスを7000r.p.m.の回転数で卓上ミキサーにより混合撹拌した。60℃に加熱し、離型剤塗布後、乾燥した200mm×200mm×10mmサイズの金属モールドにこの混合物を注入した後、蓋をして7分間硬化させた。硬化後、金型から取り出し、ISFのテストピース(以下TPと略す)を得た。得られたTPについては、密度、硬さ、機械物性等の評価を実施した。
<物性測定>
・密度:JIS K7222に準じて測定を行った。
・硬さ(アスカーC、スキン付き表面硬度):JIS K7312準じて測定を行った。
・反発弾性率:JIS K6400-3に準じて測定を行った。
・TR(引裂き強度、B型ダンベル使用):JIS K6400-5に準じて測定を行った。
・Split Tear StrengthはISO20875に準じて測定を行った。
<総合評価>
以下の3項目すべての物性項目において基準値を超えたものを良好と判断した。
・反発弾性率:55%以上
・TR:80N/cm以上
・Split Tear Strength:1.50kg/cm以上。
作製したISFの評価結果を表4~表5に記載する。
Figure 0007110586000004
Figure 0007110586000005
表4~5から明らかなように、本願発明により得られるISFは、高い反発弾性率、優れた機械的強度を有する。
本発明による従来市場に無い高い反発弾性率と良好な機械的物性を有するポリウレタンインテグラルスキンフォームは、靴底、靴のインソール、産業用機械の部品、玩具、楽器等に、使用感の向上、軽量化等の優れた効果をもたらす。

Claims (5)

  1. 有機ポリイソシアネート組成物(A)、ポリオール成分(B)、触媒(C)、発泡剤(D)から得られるポリウレタンインテグラルスキンフォームであって、
    ポリオール成分(B)が、数平均分子量1,000~3,500のPTMEG(b1)を含有し、
    有機ポリイソシアネート組成物(A)が、MDIを含むイソシアネート成分と数平均分子量1,250~3,500のPTMEGとから得られるイソシアネート基末端プレポリマーを含むものであり、
    前記ポリオール成分(B)中の(b1)の含有量が、80質量%以上であり、
    有機ポリイソシアネート組成物(A)中のMDIに対するポリフェニレンポリメチルポリイソシアネートの含有率が、5質量%以下であり、
    該MDIを含むイソシアネート成分中の4,4’-MDIと2,2’-MDIと2,4’-MDIの合計含有率が80質量%以上であり、かつ該MDIを含むイソシアネート成分中のMDIに占める2,2’-MDIと2,4’-MDIの合計含有率が15質量%未満であること、及び
    有機ポリイソシアネート組成物(A)のイソシアネート基含有率が15~25質量%であることを特徴とする、ポリウレタンインテグラルスキンフォーム。
  2. 有機ポリイソシアネート組成物(A)が、常温において液状であるMDIを含有することを特徴とする、請求項1に記載のポリウレタンインテグラルスキンフォーム。
  3. フォーム密度が200~400kg/mであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリウレタンインテグラルスキンフォーム。
  4. 反発弾性率が55%以上であり、
    引裂強さが80N/cm以上であり、かつ
    Split Tear Strengthが1.50kg/cm以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のポリウレタンインテグラルスキンフォーム。
  5. 有機ポリイソシアネート組成物(A)と、ポリオール成分(B)とを、触媒(C)、及び発泡剤(D)の存在下、反応、発泡させて得られる、請求項1乃至4のいずれかに記載のポリウレタンインテグラルスキンフォームの製造方法。
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