JP7110574B2 - 発光パネル - Google Patents
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Description
室内照明においては、電気的な効率のみならず、心理・生理的に望ましい効果を与える演出的発光が求められている。この演出的発光においては、発光器具の存在を意識させないことが望ましく、そのために光が出る部分と、光が出ない部分との境界において明るさの変化が少ないことが望まれる。
まず、第1の実施の形態に係る発光パネル10を、図1の概略斜視図を参照して説明する。
図1に示すように、この発光パネル10は、一例として、本体部20、光源部30、及び出光面40を有する。本実施形態に係る発光パネル1は、例えば、ベース照明(図示せず)とは別に空間演出用の照明として用いられる。そのため、発光パネル10の明るさはベース照明の明るさよりも低く設定されていてもよい。
本体部20は、左側板21、右側板22、後部側板23、及び底板24を備える。左側板21及び右側板22は、光源部30の発光部から射出される光の進行方向に沿うように配置されている。後部側板23は、光源部30の発光部の照明光の進行方向において、光源部30の発光部に対面するように配置されている。左側板21、右側板22、後部側板23、及び底板24のうち、少なくとも底板24は、光源部30の発光部から射出される光を所定値以上の反射率(例えば98%)で反射させる反射面を有する。これにより、出光面40からの光取出し効率を高めることができる。反射角度特性は、鏡面反射、拡散反射、あるいは両者の混合のいずれでもよい。左側板21、右側板22、後部側板23の反射率は、任意の値とすることができる。ただし、後部側板23の反射率は、出光面40の光源部30とは反対側の端部の輝度を低く抑えるため、底板24の反射率よりも低い値、例えば5%程度に設定してもよい。
この開口部Apが出光面40において占める面積の割合(開口率)は、後述するように、出光面40の位置によって異なる。この第1の実施の形態においては、開口部Apの開口率は、出光面40の単位面積当たりで開口部Apが占める割合により表現され得る。開口率が大きくなると、出光面40における光の透過率はこれに比例して大きくなる。すなわち、開口率を調整することは、光の透過率を調整することと同義であり、この第1の実施の形態は、開口率を場所によって異ならせることで、出光面40における透過率を場所によって異ならせるものである。ここで、「透過率」とは、出光面40の裏面の単位面積当たりに到達する光のうち、出光面40を通過して本体部20の外部に照射される光の割合である。透過率は、日本分光(株)社製の紫外可視近赤外分光光度計V-670を用い、垂直入射の条件において、380nm~780nmの波長域における分光透過率を複数回測定し、それらの平均を算出した。
図2は、出光面40の平面図の一例である。前述のように、出光面40は、少なくとも底板24と対向する面において、光源部30から射出させる光を所定値以上の反射率で反射させる反射面を有する。
中間領域Rmにおいても光源部30から離れるに従って輝度は減少する。また、第2領域R2においては、開口率は光源部30から離れるに従って減少するため、その輝度も、光源から離れるに従ってより減少し、第2領域R2の光源部30とは反対側の端部付近では、輝度はゼロに近づく(グラフの横軸に漸近する)。図3に、中間領域Rm以降において開口率の減少のない比較例2を示す。図4に示すように、この比較例2では、第2領域R2の光源部30とは反対側の端部付近でも、輝度はゼロとならない。このように、第2領域R2において、開口率を光源部30から離れるに従って減少させる構成は、出光面40での輝度を自然に減少させ、発光器具の存在を意識させない演出的発光を実現することができるという効果を与える。
従来、このような発光パネルを例えば室内照明の光源として使用する場合、発光パネルの出光面の輝度を出光面全体に亘り均一にすることが一般に求められていた(例えば、上記特許文献1参照)。しかし、そのような輝度が出光面全体に亘り均一である発光パネルは、照明の下にいる人間にとって、必要以上に意識させ、心理的又は精神的なストレスとなることがあり得る。
図5は、第1領域R1及び中間領域Rmでは開口率を略一定(図5では50%)とし、第2領域R2において開口率が端部に向かうに従って減少し、最後にはゼロとなる例を示している。第2領域R2において開口率が光源部30から離れるに従って減少する点は図3の例と同一であるが、第1領域R1においても開口率が略一定とされている点で、図3の例とは異なっている。
中間領域Rmでも同様に、開口率が中間領域Rmの全体に亘って光源部30から離れるに従って増加する構成とされているため、中間領域Rmにおける輝度も、その低下の程度(傾き)は、図5の例に比べ緩やかにされている。中間領域Rmと第2領域R2との境界付近での輝度が高くされているため、第2領域R2の輝度も、図5の例に比べ高い。
図3及び図5の例と同様に、第2領域R2で開口率が徐々に低下するため、出光面40の輝度は、第2領域R2において徐々にゼロに近い値に近づいていく。このため、この図6の例は、図3の例と同様に、発光器具の存在を意識させない演出的発光を提供することができる。
なお、図8の例において、開口率の変化曲線の縦軸との切片の値をゼロにすることも可能である。
次に、第2の実施の形態の発光パネルについて、図11を参照して説明する。この第2の実施の形態は、出光面40の構成が第1の実施の形態とは異なっており、その他の構成は第1の実施の形態と同一である。
第2の実施の形態の出光面40は、図11に示すように、開口部Apの代わりに、Y軸方向に延びる多数のスリットSLを備える。そして、このスリットSLの幅や配列ピッチを配置位置によって異ならせることにより、スリットSLの開口率を変化させ、これにより出光面40の透過率が、少なくとも第2領域R2において徐々に減少するようにしている。この構成によれば、第1の実施の形態と同等の効果を得ることができる。
次に、第3の実施の形態の発光パネルについて、図12を参照して説明する。この第3の実施の形態は、出光面40の構成が第1の実施の形態とは異なっており、その他の構成は第1の実施の形態と同一である。
この第3の実施の形態の出光面40は、前述の実施の形態とは異なり、透明な基板、例えばガラス基板41を備え、そのガラス基板41上に、多数の遮光部Shを備えている。遮光部Shは、その裏面(内側の面)において、所定値以上の反射率を有する。
そして、単位面積当たりの遮光部Shの占有面積を変化させることにより、出光面40の透過率を変化させている。この図では非遮光部の中に遮光部Shが島状に並べられているが、逆に遮光部の中に非遮光部が島状に並べられていてもよく、両者の混合であってもよい。
例えば、上記の実施の形態では、矩形状のケースの上板のみを、開口部を有する出光面とする例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、出光面は複数面に設けることも可能である。
以上、本体部が中空の場合を説明したが、本体部の内側にアクリル樹脂などの透明体が設けられていてもよい。出光面は、この透明体から離して設けられていてもよく、また表面に直接設けられていてもよい。
出光面は、非遮光部と遮光部の組み合わせで説明したが、透過率の異なる二種類以上の領域の組合せでもよい。たとえば、透過率が20%と80%の膜をパターニングしてもよい。また、一種類の材料による膜の厚みを変えることにより透過率を変えてもよい。例えばグレイのインクを厚みを変えて印刷してもよい。
Claims (2)
- 照明光を透過させる出光面を備えた本体部と、
前記本体部の側面から照明光を照射する光源部と、
を備え、
前記出光面は、
前記光源部に近接する第1領域と、
前記第1領域よりも前記光源部から遠い位置にある第2領域と、
前記第1領域と前記第2領域との間に位置する中間領域と
を備え、
前記出光面の透過率は、少なくとも前記第2領域において、前記光源部から離れるに従って減少し、
前記出光面は、前記照明光を透過させる透過部と、前記照明光を反射させる第1反射部とを備え、
前記本体部は、前記出光面と対向して配置され前記照明光を反射させる第2反射部を更に備え、
前記本体部は、前記照明光の進行方向に配置される後部側板を更に備え、前記後部側板の反射率は前記第2反射部の反射率よりも小さく、
前記第1領域での前記出光面の透過率は、前記光源部から離れるに従って増加し、
前記中間領域での前記出光面の透過率は、前記光源部から離れるに従って増加し、
前記第2領域での前記出光面の透過率は、前記光源部から離れるに従って減少する
ことを特徴とする発光パネル。 - 前記出光面の透過率は、前記第1領域の前記光源部の側の端部においてゼロよりも大きい値である、請求項1記載の発光パネル。
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- 2017-09-29 JP JP2017189607A patent/JP7110574B2/ja active Active
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