JP7110050B2 - 積層シート及びパウチ容器 - Google Patents

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Description

本発明は、積層シート及びパウチ容器に関する。
食品などを貯蔵、運搬するための包装には、内面にシーラント層を有する積層体フィルムの周縁部を熱融着した可撓性の包装容器が使用されている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1には、樹脂シート層と、前記樹脂シート層に形成された着色層と、前記着色層に形成された表面被覆層とを有する包装容器が開示されている。
特許第3017399号公報
特許文献1によれば、色相5B~5P、彩度0、明度6~7であるグレーインキ層を設けることにより、褪色等の光劣化させずに内容物を保存することができるとしている。しかし、遮光性を高めるため、インキ層の厚みを厚くすると、インキ割れ、膜強度の低下などが懸念される。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、金属層を用いなくても遮光性が高い積層シート及びパウチ容器を提供することを課題とする。
本発明の一態様は、シーラント層と、接着剤層と、印刷層と、基材層とを有し、前記印刷層は、マンセル値の彩度が0以上1.0未満で、明度が0以上1.0未満である黒色印刷層を含むことを特徴とする積層シートである。
前記黒色印刷層は、カーボンブラックを1~50質量%含有し、前記黒色印刷層の厚さをTとし、前記接着剤層側の前記黒色印刷層の接合界面から0.1×Tの深さにおける前記黒色印刷層中のイソシアネート基の含有量をAとし、前記基材層側の前記黒色印刷層の接合界面から0.1×Tの深さにおける前記黒色印刷層中のイソシアネート基の含有量をBとするとき、前記Aが前記Bの1.1倍以上であることが好ましい。
前記黒色印刷層は、平均粒径が0.01~0.05μmのカーボンブラックを1~50質量%含有することが好ましい。
本発明の一態様は、少なくとも一つの面が、前記積層シートから形成されていることを特徴とするパウチ容器である。
前記パウチ容器がスタンディングパウチであって、一対の胴部シートの両側縁を相互に接合してなる胴部と、底部シートが前記胴部の下縁に接合されて前記胴部内に折り畳まれた底部とを有し、前記底部シートが、前記積層シートから形成されていてもよい。
前記パウチ容器が、詰替え用パウチ容器またはレトルトパウチ容器であってもよい。
本発明によれば、金属層を用いなくても遮光性に優れた積層シート及びパウチ容器を提供することができる。
積層シートの一実施形態を示す断面図である。 パウチ容器の一実施形態を示す断面図である。 上部に先細り状の注出口を有するパウチ容器の一例を示す正面図である。 略矩形状のパウチ容器の一例を示す正面図である。
以下、好適な実施形態に基づいて、本発明を説明する。
図1は、本実施形態の積層シートの一実施形態を模式的に示す断面図である。積層シート10は、シーラント層11と、接着剤層12と、印刷層13と、基材層14とを、この順で有する。
シーラント層11は、積層シート10のヒートシールに用いられる層である。例えば、積層シート10を折り重ね、または2枚以上を向かい合わせ、シーラント層11を内側に向け、シーラント層11同士を融着することにより、積層シート10がヒートシール(接合)される。積層シート10から構成される包装体においては、シーラント層11を最内層としてもよい。
シーラント層11としては、例えば、未延伸ポリプロピレン(CPP)樹脂フィルム、未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、環状オレフィン樹脂フィルム等のポリオレフィン樹脂フィルム等が使用できる。シーラント層11は単層に限られず、2層以上の樹脂フィルムが積層された構成でもよい。シーラント層11の厚みとしては、例えば10~100μmが挙げられる。
また、シーラント層11の樹脂フィルムにはバイオマス由来の樹脂を使用することができ好ましい。
接着剤層12としては、印刷層13を有する基材層14と、シーラント層11とを接着する構成が挙げられる。接着剤層12に用いられる接着剤としては、特に限定はなく、例えばウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤等の硬化性接着剤、カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂等の接着性樹脂など、被着物の材質などに応じて適宜選択して用いることができる。接着剤層12の厚みとしては、例えば0.5~5μmが挙げられる。
基材層14としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム、ポリアミド(PA)樹脂フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂フィルム、ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリイミド(PI)樹脂フィルム、ポリオレフィン樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム(PET、PENに限られない)などの熱可塑性樹脂フィルムが使用できる。基材層14は単層に限られず、2層以上の樹脂フィルムが積層された構成でもよい。基材層14を構成する樹脂フィルムの厚みとしては、例えば5~50μmが挙げられる。樹脂フィルムは、着色してもよく、無色透明としてもよい。樹脂フィルムの光透過性は特に限定されず、透明でも不透明でもよく、遮光性でも透光性でもよい。
基材層14を構成する樹脂フィルムは、蒸着層を有する樹脂フィルムを含んでもよい。蒸着層は、酸素、水蒸気等のガスが積層シート10を透過するのを妨げるガスバリア性を有する。蒸着層を有する積層シート10は、ガス透過を阻止できるため、内容物の保存性を高めることができる。蒸着層としては、酸化ケイ素(例えばシリカ)、酸化アルミニウム等の無機物の蒸着層が挙げられる。アルミニウム等の金属(導体)を含まない非金属材料からなる蒸着層を用いる場合は、金属層を含まない積層シート10を構成できるため、金属探知機による検査に対応できる。また、積層シート10の廃棄処理も容易である。蒸着層の好ましい厚みは、例えば10~500nmである。
基材層14を構成する樹脂フィルムは、補強層の機能を有する樹脂フィルムを含んでもよい。補強層としては、ナイロン(6-ナイロン、6,6-ナイロンなど)等の脂肪族ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹脂、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン樹脂などが使用できる。これらの中でも、2軸延伸ナイロン(O-Ny)、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(O-PET)、2軸延伸ポリプロピレン(OPP)等の延伸樹脂フィルムが好ましい。
また、基材層14の樹脂フィルムにはバイオマス由来の樹脂を使用することができる。
基材層14が複数の樹脂フィルムから構成される場合、それぞれの樹脂フィルムの間に接着剤層を設けてもよい。基材層14を構成する樹脂フィルム間の接着剤層に用いられる接着剤としては、特に限定はなく、例えばウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤等の硬化性接着剤、カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂等の接着性樹脂など、被着物の材質などに応じて適宜選択して用いることができる。基材層14を構成する樹脂フィルム間の接着剤層の厚みとしては、例えば0.5~5μmが挙げられる。
印刷層13は、黒色印刷層、白色印刷層、グレー色印刷層、有彩色印刷層などの1種または2種以上から構成することができる。印刷層13は、基材層14とシーラント層11との間に設けられてもよく、基材層14を構成する樹脂フィルムの間に設けられてもよい。印刷層13を構成する各層は、積層シート10の全面に形成されてもよく、面の一部に形成されてもよい。遮光性を目的として設けられる層は、積層シート10の全面に形成されることが好ましい。意匠性や情報表示等を目的として設けられる層は、面上で文字、図形、画像、模様などを構成するようにパターン化されてもよい。
白色印刷層は、例えば白色顔料とバインダーとを含む白インキから構成することができる。白色顔料としては、例えば酸化チタン、亜鉛華、炭酸カルシウム、カオリンなどが挙げられる。特に、酸化チタンが好ましい。酸化チタンとしては、ルチル型、アナターゼ型、ブルカイト型等があり、特に、ルチル型が好ましい。白色印刷層の好ましい厚みは、例えば0.1~10μmである。厚みの下限値は好ましくは0.5μm以上であり、2.0μm以上がさらに好ましく、3.0μm以上が最も好ましい。厚みの上限値は8μm以下が好ましく、5μm以下が好ましい。バインダーとしては、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂などを使用できる。酸化チタン等の白色顔料の平均粒径は、0.3μm以下でもよく、0.3μmを超えてもよく、具体例として、1μm以下、あるいは0.1~0.3μmが挙げられる。
白色印刷層の可視光の透過率は、可視光の全波長範囲(波長380~750nm)において例えば60%以下であることが好ましく、50%以下がさらに好ましい。これによって、内容物の保存性を高めることができる。2層以上の白色印刷層を有する複層構造(2層構造)とすることにより、単層構造に比べて可視光透過率を低くし、白色度が高められる。例えば文字、図形、画像、模様などを着色によって表示する場合には、背景とのコントラストが大きくなり、表示を視認しやすくすることができる。
グレー色印刷層は、粒子状の酸化チタン等の白色顔料と、粒子状のカーボンブラック等の黒色顔料と、バインダーとを含むグレーインキから構成することができる。グレー色印刷層を設ける場合の厚みは、例えば0.1~10μmであり、好ましくは0.5~5μmである。グレーインキに含まれる酸化チタンの平均粒径は、0.1~0.3μmが好ましく、0.1~0.14μmがより好ましい。酸化チタンの平均粒径を0.1μm以上とすることによって、グレー色印刷層の可視光透過率を低くすることができる。酸化チタンの平均粒径を0.3μm以下とすることによって、グレー色印刷層を設けた積層シート10における外観変化を起こりにくくすることができる。
黒色印刷層は、粒子状のカーボンブラック等の黒色顔料と、バインダーとを含むブラックインキから構成することができる。黒色印刷層の厚みは、例えば0.1~10μmであり、好ましくは0.5~5μmである。印刷層13は、マンセル値の彩度が0以上1.0未満で、明度が0以上1.0未満である黒色印刷層を含むことが好ましい。これにより、遮光性に優れた印刷層13を構成することができる。黒色印刷層の彩度は、より好ましくは0.9以下、0.7以下等であり、黒色印刷層の明度は、より好ましくは0.9以下、0.7以下等である。黒色印刷層は、カーボンブラック等の黒色顔料を1~50質量%含有することが好ましく、具体例として、1~15質量%が挙げられる。
平均粒径は、例えばレーザー回折散乱法に基づく粒度分布測定装置によって測定することができる。平均粒径としては、例えば50%累積粒子径(質量基準または体積基準)、最頻粒子径などを採用できる。粒度分布測定装置としては、例えば株式会社島津製作所製のSALD-7000などが使用できる。平均粒径は、粒子を観察した画像に基づく十分な数(例えば100以上)の粒子についての測定値の平均値を採用してもよい。粒子の画像は、例えば光学顕微鏡、電子顕微鏡その他の装置を用いて得られた観察画像である。非球形の粒子の粒径としては、例えば観察画像における最長径と最短径の平均値を採用してよい。
カーボンブラックとしては、特に限定されないが、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が使用できる。カーボンブラックの平均粒径は、例えば0.01μm以上、0.05μm以下が好ましい。カーボンブラックの平均粒径は、0.01μm以上、0.02μm以下がさらに好ましい。平均粒径が前記範囲にあるカーボンブラックを使用することによって、遮光性に優れ、かつ割れまたは剥離が生じにくい遮光層2が得られる。カーボンブラックの平均粒径が前記範囲にあると、印刷層13における割れまたは剥離が生じにくくなる理由は明確ではないが、カーボンブラックの平均粒径が前記範囲にあると、カーボンブラックを起点とする割れまたは剥離が起こりにくくなる可能性があると考えられる。
カーボンブラックのDBP吸収量(JIS K6221準拠)は、例えば50~100cm/100gとすることができる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(JIS K6217準拠)は、例えば50~150m/gとすることができる。
有彩色印刷層は、色に応じて、赤色、青色、黄色、緑色、橙色、紫色、中間色など各種の顔料を1種または2種以上と、バインダーとを含む着色インキから構成することができる。着色インキは、色に応じて、白色顔料、黒色顔料等の無彩色顔料を含んでもよい。
印刷層を構成するインキのバインダーとしては、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂などを使用できる。特に、ポリウレタン樹脂が好ましい。バインダーとしてのポリウレタン樹脂に用いられるポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール類、低分子ポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、ポリブタジエングリコール類、グリコール類、アクリルポリオールなどが挙げられる。ポリウレタン樹脂に用いられるジイソシアネート化合物としては、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。
印刷層13の各層を構成する際に用いられるインキは、顔料を溶媒中に分散した溶剤型塗料が好ましい。溶媒としては、トルエン、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、1-メトキシ-2-プロパノール等が挙げられる。溶剤型塗料から構成される印刷層は、溶剤型塗料を塗布・乾燥させて薄膜硬化層を形成することができる。印刷法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などが挙げられる。
印刷層13を遮光層として用いる場合の構成としては、積層シート10の厚み方向における黒色印刷層の片側または両側に、白色印刷層またはグレー色印刷層を1層または2層以上積層することが好ましい。積層シート10を包装材として用いる場合は、黒色印刷層の少なくとも外側に、白色印刷層またはグレー色印刷層を少なくとも1層以上設けると、積層シート10における外観変化が起こりにくくなり、好ましい。ここで、外側とは、内容物が収容される側(内側)の反対側である。
黒色印刷層が黒色顔料のカーボンブラックまたはバインダーのウレタン樹脂等を含む場合、理由は必ずしも明らかではないが、隣接または近接する接着剤層に含まれる接着剤に由来する成分と反応または吸着等することにより、印刷層と接着剤層との接着強度を高めるように構成することができる。例えば接着剤層がウレタン系接着剤などのイソシアネート基を有する成分を含む場合、黒色印刷層のうち接着剤層側の部分におけるイソシアネート基の含有量Aが、基材層側の部分におけるイソシアネート基の含有量Bよりも大きいことで、印刷層が割れにくい構成とすることができる。ここで、黒色印刷層の厚さをTとするとき、接着剤層側の部分の含有量Aは、接着剤層側の黒色印刷層の接合界面から0.1×Tの深さにおける黒色印刷層中のイソシアネート基の含有量をAとしてもよい。また、基材層側の部分における含有量Bは、基材層側の黒色印刷層の接合界面から0.1×Tの深さにおける黒色印刷層中のイソシアネート基の含有量をBとしてもよい。接着剤層側の部分の含有量Aが、基材層側の部分における含有量Bの1.1倍以上であることにより、より印刷層を割れにくい構成とすることができ、好ましい。含有量Aに対する含有量Bの割合は1.1倍以上であることが好ましく、1.2倍以上であることがさらに好ましく、1.3倍以上とすることもできる。含有量Aに対する含有量Bの割合は2.0以下とすることができ、1.5以下とすることもできる。イソシアネート基の含有量は、接着剤層に由来する含有量と、バインダーに由来する含有量との合計値であってもよい。
積層シート10の可視光(波長380~750nm)の透過率は、可視光の全波長範囲において例えば20%以下であることが好ましい。可視光透過率を20%以下とすることによって、内容物の保存性を高めることができる。遮光性の観点で、より好ましい可視光透過率は例えば5%以下である。
積層シートの製造方法は、特に限定されないが、例えば、基材層を構成する樹脂フィルムの少なくとも1層に印刷層を設ける工程と、基材層を構成する樹脂フィルムおよびシーラント層を、接着剤層を介して積層する工程とを有することができる。積層方法としては、生産性の観点からドライラミネートが好ましい。
図2は、パウチ容器の一実施形態を示す断面図である。本実施形態のパウチ容器20は、一対の胴部シート21の両側縁を相互に接合してなる胴部と、底部シート22が胴部シート21の下縁に接合されて胴部シート21間に折り畳まれた底部とを有するスタンディングパウチである。シート間の接合部は、各シートの最内層に設けられたシーラント層同士のヒートシールにより構成することができる。
底部シート22は、折線22aを上向きにして折り畳まれている。底部シート22の下縁22bと胴部シート21の下縁21bとが接合されて下縁接合部を構成している。胴部シート21は、上縁21aから下縁21bまでの長さが、底部シート22の折線22aから下縁21bまでの長さより大きくされている。底部シート22上の胴部シート21間には、内容物の収容部23が構成されている。また、収容部23の上方には、内容物を出し入れするための開口部24を形成することができる。
図3および図4は、それぞれ図2のパウチ容器20の異なる具体例を示す正面図である。図3に示すパウチ容器20Aは、上部に先細り状の注出口26を有する。図4に示すパウチ容器20Bは、胴部シート21の上縁21aが下縁21bと略平行で、全体的には略矩形状である。胴部シート21の両側縁は、側縁接合部21sにより接合されている。開口部24は、胴部シート21の上縁21aの間を接合した上縁接合部25により密閉することができる。
側縁接合部21s、上縁接合部25、注出口26等の近傍には、パウチ容器20、20A,20Bの開封を容易にするため、ノッチを設けてもよい。ノッチの形状は特に限定されないが、V字状、U字状、I字状などが挙げられる。パウチ容器を再封可能にする場合は、例えば胴部シート21間にスパウト等の閉鎖具を設けてもよい。スパウトは、内容物が通過可能な筒部を有し、筒部の先端はキャップ、栓などにより閉鎖することができる。
上述の積層シート10は、パウチ容器を構成する少なくとも一つの面の形成に用いることができる。上述のパウチ容器20、20A,20Bにおいては、底部シート22に積層シート10を使用することができる。上述の積層シート10は、印刷層の遮光性が高いため、厚みを厚くしなくても十分な遮光性が得られる。また、上述の積層シート10は、印刷層と接着剤層との接合強度が向上するため、インキ割れ、膜強度の低下などが起こりにくい。このため、上述の積層シート10を底部シート22に用いた場合は、折線22aにおける印刷層の劣化を抑制することができる。
パウチ容器20、20A,20Bに内容物を包装する際には、例えば開口部24から収容部23に内容物を充填した後、開口部24をシールする方法を採用することができる。内容物を充填したパウチ容器20、20A,20Bは、レトルト殺菌、ボイル殺菌等の高温殺菌処理を行うことができる。レトルト殺菌とは、100℃を超える温度、例えば110~140℃の蒸気または熱水を用いて、大気圧を超える圧力下で加熱を行う殺菌法をいう。加熱時間は特に限定されないが、例えば1~90分が挙げられる。内容物の性質によっては、高温殺菌処理を行うことなく充填することも可能である。また、充填前のパウチ容器20、20A,20Bを殺菌した後、クリーン環境において内容物を充填することにより、高温殺菌処理を行うことなく、無菌の包装体を得ることもできる。
パウチ容器の用途は特に限定されないが、詰替え用パウチ容器、レトルトパウチ容器等が挙げられる。詰替え用パウチ容器とは、他の容器(例えばボトル容器)等に詰め替えるための内容物を充填した(または充填する用途の)パウチ容器である。レトルトパウチ容器とは、充填後にレトルト殺菌処理を施した(または施す用途の)パウチ容器である。パウチ容器の内容物としては、液体、粉体、粒体、小片物、塊状物、成形体など特に限定されず、例えば、食品、飲料、調味料、化粧品、洗剤、漂白剤、ワックス、ヘアケア用品(シャンプー、リンス、コンディショナーなど)、電子部品、医療用部品、医療用機器部品、精密機械部品などであってもよい。
以上、本発明を好適な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
本実施形態の積層シートは、遮光性に優れるため、カップ容器やボトル容器の蓋材シート等、パウチ容器以外の包装材料のほか、遮光シート、意匠シート、化粧シート等に用いることができる。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。
印刷層の実施例として、ナイロンからなる樹脂フィルム上に黒色印刷層を含む印刷層を形成した。実施例1、3及び比較例1、2では、基材層/白色印刷層/黒色印刷層の構成とした。実施例2では、基材層/黒色印刷層の構成とした。比較例3、4では、基材層/白色印刷層/グレー印刷層の構成とした。次の測定条件により、各サンプルの印刷面を測定した。その結果を表1に示す。
測定機:日本電色工業株式会社製分光式色彩計SE-2000
測定値:マンセル値(色相H、明度V、彩度C)
光源:C光源、2度
測定面:印刷面
Figure 0007110050000001
表1に示すように、実施例1~3は、明度Vおよび彩度Cが低い、高品質の黒色印刷層を有していた。なお、色相のPBは青紫(Purple Blue)を意味するが、彩度Cが低いため、実際には無彩色Nである。黒色印刷層の下に白色印刷層を設けた場合は、黒色印刷層のすぐ下が樹脂フィルムである場合に比べて、彩度Cがより低い傾向となった。なお、これらの黒色印刷層の側に接着剤層を介してポリエチレンシーラントを積層したサンプルについて光線透過率を測定したところ、波長400nmでほぼ0.0%、波長450nmで約0.2%、波長500nmで約0.4%、波長600nmで約1%、波長700nmで約1.5%、波長800nmで約3%であった。
A/Bは、黒色印刷層の厚さをTとし、接着剤層側の黒色印刷層の接合界面から0.1×Tの深さにおける黒色印刷層中のイソシアネート基の含有量をAとし、基材層側の黒色印刷層の接合界面から0.1×Tの深さにおける黒色印刷層中のイソシアネート基の含有量をBとするときの、AとBとの比である。
遮光性については、分光光度計(日本分光株式会社、分光光度計V-670)を用いて、積層体の可視光(波長380~750nm)透過率を測定した。可視光透過率が15%以下であるとき「○」と評価し、可視光透過率が15%を超え、20%以下であるとき「△」と評価し、可視光透過率が20%を超えたとき「×」と評価した。
印刷層の割れについては、積層体の折り曲げ箇所上で、折り曲げ箇所の全長にわたって円柱状の押圧ローラを3往復分、転動させることによって折り曲げ箇所に折り曲げ方向(圧縮方向)の力(約2kgf。なお、1kgf=約9.80Nである。)を加え、折り返し部分を本体部分に固定金具で固定した状態で、積層体に、90℃、30分の加熱処理を行った後、折り曲げ箇所を開いて折り曲げ箇所の内面側の外観を評価した。詳しくは、10サンプルについて試験を行い、折り曲げ箇所の内面側の外観を評価し、10サンプル中、折り曲げ箇所の外観変化(変色)が見られるサンプルが2以下のとき「○」、3~8のとき「△」、9以上のとき「×」と評価した。
接着強度は、基材に積層された印刷層の側に、接着剤層を介してポリエチレンシーラントを積層し、基材とポリエチレンシーラントとの間の接着部を引き剥がし、印刷層を介した層間の接着強度を測定した。23℃50%環境下で、5mm/分で90°方向に剥がして最大荷重(N)を測定し、接着部の幅25.4mmから接着強度(N/25.4mm)を算出した。接着強度が5N/25.4mm以上のとき「○」、3N/25.4mm以上の5N/25.4mm未満のとき「△」、3N/25.4mm未満のとき「×」とした。
上述の実施例による印刷層を、詰替え用途またはレトルト用途の積層シートに適用した。詰替え用途の積層シートの構成例として、ナイロン15μm/ポリエチレン120μmの2層構成、ポリエチレンテレフタレート12μm/ナイロン15μm/ポリエチレン100μmの3層構成、ナイロン15μm/蒸着ポリエチレンテレフタレート12μm/ポリエチレン100μmの3層構成などが挙げられる。また、レトルト用途の積層シートの構成例として、ポリエチレンテレフタレート12μm/蒸着ポリエチレンテレフタレート12μm/ナイロン15μm/無延伸ポリプロピレン60μmの4層構成、蒸着ポリエチレンテレフタレート12μm/ナイロン15μm/無延伸ポリプロピレン80μmの3層構成などが挙げられる。これらの構成例による積層シートは、いずれも樹脂フィルムの層間に、ウレタン系などの接着剤層が設けられる。また、いずれか1又は2以上の層間のうち、いずれかの樹脂フィルム上に印刷層が設けられる。
白色印刷層を構成するための白インキとしては、ルチル型の酸化チタン(IV)(白色顔料)40重量部、ウレタン樹脂バインダー15重量部、シリカ粒子0.5重量部を、混合溶媒に混合、分散したものが挙げられる。混合溶媒は、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、酢酸プロピルを70:20:10の割合(重量基準)で混合した溶媒である。酸化チタンの平均粒径は0.10μmであった。白色印刷層の厚さは約1.0μmで、これを2層以上積層してもよい。
黒色印刷層を構成するための黒インキとしては、カーボンブラック10重量部、ウレタン樹脂バインダー15重量部、シリカ粒子0.5重量部を混合溶媒に混合、分散させたものが挙げられる。混合溶媒は、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-プロパノールを60:20:15:5の割合(重量基準)で混合した溶媒である。カーボンブラックの平均粒径は0.02μmであった。この場合、乾燥後の黒色印刷層におけるカーボンブラックの含有量が約40%となるが、これを約5%、約10%、約15%、約25%等としてもよい。
比較例3、4で用いたグレーインキは、白インキの酸化チタン100重量部に対して黒インキのカーボンブラックが2重量部となるように白インキと黒インキとを混合して得た。
10…積層シート、11…シーラント層、12…接着剤層、13…印刷層、14…基材層、20、20A,20B…パウチ容器、21…胴部シート、21a…胴部シートの上縁、21b…胴部シートの下縁、21s…胴部シートの側縁接合部、22…底部シート、22a…底部シートの折線、22b…底部シートの下縁、23…収容部、24…開口部、25…上縁接合部、26…注出口。

Claims (5)

  1. シーラント層と、接着剤層と、印刷層と、基材層とを有し、
    前記印刷層は、マンセル値の彩度が0以上1.0未満で、明度が0以上1.0未満である黒色印刷層を含み、
    前記黒色印刷層は、カーボンブラックを1~50質量%含有し、
    前記黒色印刷層の厚さをTとし、前記接着剤層側の前記黒色印刷層の接合界面から0.1×Tの深さにおける前記黒色印刷層中のイソシアネート基の含有量をAとし、前記基材層側の前記黒色印刷層の接合界面から0.1×Tの深さにおける前記黒色印刷層中のイソシアネート基の含有量をBとするとき、前記Aが前記Bの1.1倍以上であることを特徴とする積層シート。
  2. 前記黒色印刷層は、平均粒径が0.01~0.05μmのカーボンブラックを1~50質量%含有することを特徴とする請求項に記載の積層シート。
  3. 少なくとも一つの面が、請求項1または2に記載の積層シートから形成されていることを特徴とするパウチ容器。
  4. 前記パウチ容器がスタンディングパウチであって、一対の胴部シートの両側縁を相互に接合してなる胴部と、底部シートが前記胴部の下縁に接合されて前記胴部内に折り畳まれた底部とを有し、
    前記底部シートが、前記積層シートから形成されていることを特徴とする請求項に記載のパウチ容器。
  5. 前記パウチ容器が、詰替え用パウチ容器またはレトルトパウチ容器であることを特徴とする請求項またはに記載のパウチ容器。
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