JP7109991B2 - 流路スペーサ及びスパイラル型膜エレメント - Google Patents

流路スペーサ及びスパイラル型膜エレメント Download PDF

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Description

本開示は、流路スペーサ及びスパイラル型膜エレメントに関する。
海水の淡水化、純水の製造などの水処理には、例えば、スパイラル型膜エレメントが使用される。スパイラル型膜エレメントは、集水管と、集水管の周りに巻回された複数の分離膜とを有する。処理されるべき原水の流路を確保するために、隣り合う分離膜の間には、メッシュ構造を有する原水流路スペーサが配置されている。
特許文献1には、原水の流れ方向に沿って配置された縦糸と、原水の流れ方向に対して交差する方向に沿って配置された横糸とを備えた原水流路スペーサが記載されている。特許文献1には、横糸が縦糸よりも細いことによって、原水の流路における圧力損失を低減できることが記載されている。
特開2005-305422号公報
流路スペーサには、低い圧力損失を達成できることだけでなく、濃度分極層が形成されることを抑制する性能も要求される。濃度分極層は、分離膜を透過できないイオン、塩類などの溶質の濃度の高い層であり、溶質が分離膜の表面の近傍に蓄積することによって形成される。濃度分極層は、分離膜の表面の近傍における浸透圧を上昇させ、透過水の量を減少させる。
濃度分極層の形成されやすさは、分離膜に作用するせん断応力の大きさで表すことができる。分離膜に作用するせん断応力が大きければ大きいほど分離膜の表面の近傍から溶質が押し流されやすい。つまり、濃度分極層が形成されにくい。
ただし、せん断応力と圧力損失とは本質的にトレードオフの関係にあり、これらを両立させることは容易ではない。本開示は、せん断応力と圧力損失とのバランスに優れた流路スペーサ及びそれを用いたスパイラル型膜エレメントを提供する。
本開示は、
スパイラル型膜エレメントの集液管に巻回された分離膜間に挟まれて使用される流路スペーサであって、
前記集液管の長手方向に対して傾斜した第1方向にそれぞれ延びる複数の第1線状部と、
前記集液管の前記長手方向及び前記第1方向の両方向に対して傾斜した第2方向にそれぞれ延びる複数の第2線状部と、
を備え、
前記複数の第1線状部及び前記複数の第2線状部は、互いに交差することによって、所定方向に平行な対角線をそれぞれ有する第1開口部と第2開口部とを形成しており、
前記第2開口部の開口面積は、前記第1開口部の開口面積よりも小さく、
前記第1開口部の前記対角線の長さに対する前記第2開口部の前記対角線の長さの比率が65~85%の範囲にある、流路スペーサを提供する。
本開示によれば、せん断応力と圧力損失とのバランスに優れた流路スペーサを提供できる。
図1は、本開示の一実施形態に係るスパイラル型膜エレメントの斜視図である。 図2は、図1に示すスパイラル型膜エレメントに使用された第1流路スペーサの部分平面図である。 図3は、分離膜間に配置された第1流路スペーサの部分断面図である。 図4は、変形例1に係る第1流路スペーサの部分平面図である。 図5は、変形例2に係る第1流路スペーサの部分平面図である。 図6は、変形例3に係る第1流路スペーサの部分平面図である。 図7は、シミュレーションに用いた流路スペーサのモデルを示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されない。
図1は、本開示の一実施形態に係るスパイラル型膜エレメントを部分的に展開して示している。スパイラル型膜エレメント10(以下、単に「膜エレメント10」とも称する)は、集液管11、複数の分離膜12、第1流路スペーサ13及び第2流路スペーサ14を備えている。
本明細書において、X方向は、集液管11の長手方向(軸方向)に平行な方向を表す。Y方向及びZ方向は、集液管11の半径方向を表し、互いに直交している。
複数の分離膜12は、互いに重ね合わされ、袋状の構造を有するように3辺において封止され、集液管11に巻き付けられている。袋状の構造の外部に位置するように、分離膜12と分離膜12との間に第1流路スペーサ13が配置されている。第1流路スペーサ13は、分離膜12と分離膜12との間に原液の流路としての空間を確保している。袋状の構造の内部に位置するように、分離膜12と分離膜12との間に第2流路スペーサ14が配置されている。第2流路スペーサ14は、分離膜12と分離膜12との間に透過液の流路としての空間を確保している。透過液の流路が集液管11に連通するように、袋状の構造の開口端が集液管11に接続されている。原液の種類は特に限定されない。原液は、海水であってもよく、排水であってよく、純水の製造のための水であってもよい。
集液管11は、各分離膜12を透過した透過液を集めて膜エレメント10の外部に導く役割を担っている。集液管11は、典型的には、樹脂製の管である。集液管11には、その長手方向に沿って複数の貫通孔11hが所定間隔で設けられている。透過液は、これらの貫通孔11hを通じて集液管11の中に流入する。
分離膜12としては、逆浸透膜、ナノろ過膜、限外ろ過膜、精密ろ過膜などが挙げられる。
第1流路スペーサ13は、原液流路スペーサ又は供給側流路材とも呼ばれる。第1流路スペーサ13は、メッシュ構造を有するシートである。第2流路スペーサ14は、透過液流路スペーサ又は透過側流路材とも呼ばれる。第2流路スペーサ14もメッシュ構造を有するシートである。流路スペーサ13及び14の材料は、典型的には、樹脂である。流路スペーサ13は、押し出し成形によって製造されうる。ただし、3Dプリンティングなどの他の成形方法によって流路スペーサ13を製造することも可能である。
膜エレメント10は、例えば、筒状の圧力容器に収められて使用される。圧力容器の内部に処理されるべき原液が供給されると、原液は、膜エレメント10の一端部から原液の流路に流入する。原液は、分離膜12によってろ過されて濃縮される。これにより、濃縮された原液と透過液とが生成される。濃縮された原液は、膜エレメント10の他端部から膜エレメント10の外部へと排出される。透過液は、透過液の流路及び集液管11を通じて、膜エレメント10の外部へと排出される。膜エレメント10は、原液に含まれたイオン、塩類などの溶質が取り除かれた透過液を生成する。
膜エレメント10に使用された第1流路スペーサ13は、せん断応力と圧力損失とのバランスに優れている。圧力損失が抑制されると、原液を供給するためのポンプの動力を減らすことができるので、透過液を生成するために必要なエネルギーを減らすことができる。圧力損失を抑制することによって、膜エレメント10にテレスコープ現象が発生することも防止できる。十分なせん断応力が分離膜12に作用することによって、濃度分極層の形成が抑制される。これにより、透過液の生成量を十分に確保できる。大きいせん断応力を分離膜12に作用させることによって、バイオファウリングの発生も抑制されうる。
次に、第1流路スペーサ13の詳細な構造を説明する。図2は、図1に示すスパイラル型膜エレメント10に使用された第1流路スペーサ13の一部を平面視で示している。以下、第1流路スペーサ13を単に「スペーサ13」とも称する。
本実施形態のスペーサ13は、原液の流路に配置されるべき原液流路スペーサである。原液流路スペーサには、せん断応力と圧力損失との両方の性能が要求されるので、原液流路スペーサとして本実施形態のスペーサ13を使用すれば、より十分な利益が得られる。
図2に示すように、スペーサ13は、複数の第1線状部21及び複数の第2線状部22を有する。線状部21及び22は、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂材料によって作製された細長い部分である。線状部21及び22の断面の形状は、例えば、円形である。線状部21及び22の太さ(直径)は、例えば、0.2~1.0mmの範囲にある。線状部21及び22は、一定の太さを有していてもよく、部分的に細くなっていてもよい。スペーサ13の厚さは、線状部21の太さと線状部22の太さとの合計に概ね等しい。
複数の第1線状部21は、互いに平行に配列されている。複数の第1線状部21は、それぞれ、第1方向D1に延びている。複数の第2線状部22は、互いに平行に配列されている。複数の第2線状部22は、それぞれ、第1方向D1に対して傾斜した第2方向D2に延びている。本実施形態において、第1方向D1と第2方向D2とは、互いに直交する方向である。複数の第1線状部21と複数の第2線状部22とが互いに交差し、これにより、多数の開口部を有するメッシュ構造が形成されている。ただし、第1方向D1と第2方向D2とが直交していなくてもよい。第1線状部21と第2線状部22とが直交していることは必須ではない。
第1方向D1及び第2方向D2は、それぞれ、集液管11の長手方向(X方向)に対して傾斜した方向である。詳細には、第1方向D1は、集液管11の長手方向に対して45度傾斜している。第2方向D2は、集液管11の長手方向に対して45度傾斜している。言い換えれば、第1方向D1と集液管11の長手方向とのなす角度は、第2方向D2と集液管11の長手方向とのなす角度に等しい。このような構成によれば、分離膜12の表面の全体に均一にせん断応力を作用させやすい。
本実施形態では、スペーサ13は、第1線状部21及び第2線状部22からなっている。図3に示すように、スペーサ13の厚さ方向において、複数の第1線状部21及び複数の第2線状部22は、互いに重ね合わされており、2層構造をなしている。分離膜12と分離膜12との間隔(原液の流路の幅)は、スペーサ13の厚さに等しい。第1線状部21と第2線状部22とは、互いの交点において、接着又は融着されている。このような構成によれば、スペーサ13の厚さ方向に関して原液の流れが蛇行し、分離膜12の表面のせん断応力を作用させやすい。
ただし、複数の第1線状部21と複数の第2線状部22とが編まれていてもよい。つまり、スペーサ13の厚さ方向において、第1線状部21と第2線状部22との位置関係が交互に入れ替わってもよい。
本実施形態において、第1線状部21は、不等間隔で配列されている。スペーサ13には、第1対P1及び第2対P2が存在する。第1対P1において、互いに隣り合う第1線状部21が第1の間隔W1で配列されている。第2対P2において、互いに隣り合う第1線状部21が第1の間隔W1よりも狭い第2の間隔W2で配列されている。
本実施形態において、第2線状部22も不等間隔で配列されている。スペーサ13には、第1対Q1及び第2対Q2が存在する。第1対Q1において、互いに隣り合う第2線状部22が第1の間隔W1で配列されている。第2対Q2において、互いに隣り合う第2線状部22が第1の間隔W1よりも狭い第2の間隔W2で配列されている。第1対P1及び第2対P2のそれぞれが複数の第1線状部21に含まれ、第1対Q1及び第2対Q2のそれぞれが複数の第2線状部22に含まれている。つまり、第1対P1及び第2対のそれぞれが第1線状部21の対である。第1対Q1及び第2対Q2のそれぞれが第2線状部22の対である。
スペーサ13は、メッシュ構造を形成している開口部として、第1開口部31及び第2開口部32を含む。第1開口部31は、所定方向に平行な対角線31aを有する。第2開口部32は、所定方向に平行な対角線32aを有する。第2開口部32の開口面積は、第1開口部31の開口面積よりも小さい。第2開口部32の対角線32aは、第1開口部31の対角線31aよりも短い。対角線31aの長さに対する対角線32aの長さの比率(=100×W2/W1(%))が65~85%の範囲にある。このような構成によれば、せん断応力と圧力損失とのバランスをとることができる。対角線31aの長さに対する対角線32aの長さの比率は、70~85%の範囲にあってもよい。
「所定方向」は、例えば、集液管11の長手方向(X方向)に対して平行な方向である。所定方向が集液管11の長手方向に平行であるとき、スペーサ13による効果をより十分に得ることができる。
一例において、第1開口部31の対角線31aの長さは、5.5~6.5mmの範囲にあってもよい。第2開口部32の対角線32aの長さは、比率(=100×W2/W1(%))が65~85%の範囲に収まるように調整されうる。
本明細書において、「線状部の間隔」は、スペーサ13を平面視したときの線状部の中心線間の最短距離を意味する。「対角線の長さ」は、スペーサ13を平面視したとき、1対の第1線状部21の中心線と1対の第2線状部22の中心線とによって規定される四角形の対角線の長さを意味する。
第1開口部31は、第1の間隔W1と第1の間隔W1とによって規定された正方形の開口部である。第2開口部32は、第2の間隔W2と第2の間隔W2とによって規定された正方形の開口部である。
本実施形態において、第2方向D2における第1線状部21の配列パターンは、第1方向D1における第2線状部22の配列パターンに一致している。このような構成によれば、第1方向D1及び第2方向D2の両方向において、せん断応力と圧力損失とのバランスをとりやすい。ただし、第2方向D2における第1線状部21の配列パターンは、第1方向D1における第2線状部22の配列パターンと異なっていてもよい。
第1開口部31及び第2開口部32は、所定方向(X方向)に沿って繰り返し現れる。本実施形態では、第1開口部31、第1開口部31、第2開口部32及び第2開口部32の組が繰り返されている。ただし、所定方向において、第1開口部31及び第2開口部32が規則的に配列されていることは必須ではない。所定方向において、第1開口部31及び第2開口部32がランダムに並んでいてもよい。粗の開口部と密の開口部とが混在した構造によって、せん断応力と圧力損失とのバランスをとることができる。
本実施形態のスペーサ13は、第1開口部31及び第2開口部32に加え、開口部41をさらに有する。開口部41は、第1の間隔W1と第2の間隔W2とによって規定された矩形の開口部である。開口部41の開口面積は、第2開口部32の開口面積よりも大きく、第1開口部31の開口面積よりも小さい。4×4=16個の開口部が1つのメッシュ単位を構成していると仮定すると、このメッシュ単位が第1方向D1及び第2方向D2に沿って繰り返されている。このような構成によれば、せん断応力と圧力損失とのバランスをとることができる。
以下、いくつかの変形例に係る流路スペーサを説明する。実施形態及び各変形例に共通する要素には同じ参照符号を付し、それらの説明を省略することがある。すなわち、実施形態及び各変形例に関する説明は、技術的に矛盾しない限り、相互に適用されうる。さらに、技術的に矛盾しない限り、実施形態及び各変形例の構成は、相互に組み合わされてもよい。
図4は、変形例1に係る第1流路スペーサ53の一部を平面視で示している。スペーサ53には、第1対P1及び第2対P2に加え、第3対P3がさらに存在する。第3対P3において、互いに隣り合う第1線状部21が第2の間隔W2よりも狭い第3の間隔W3で配列されている。スペーサ53には、第1対Q1及び第2対Q2に加え、第3対Q3がさらに存在する。第3対Q3において、互いに隣り合う第2線状部22が第2の間隔W2よりも狭い第3の間隔W3で配列されている。複数の第1線状部21及び複数の第2線状部22は、第2開口部32の開口面積よりも小さい開口面積を有し、かつ、所定方向に平行な対角線33aを有する第3開口部33をさらに形成している。このような構成によっても、せん断応力と圧力損失とのバランスをとることができる。つまり、互いに異なる開口面積を有する開口部の数の上限は特に限定されない。
本変形例において、第3開口部33は、第3の間隔W3と第3の間隔W3とによって規定された正方形の開口部である。
第3開口部33の対角線33aは、第1開口部31の対角線31aよりも短く、第2開口部32の対角線32aよりも短い。対角線31aの長さに対する対角線33aの長さの比率(=100×W3/W1(%))は、例えば、65~85%の範囲にある。このような構成によれば、せん断応力と圧力損失とのバランスをとることができる。対角線31aの長さに対する対角線33aの長さの比率は、70~85%の範囲にあってもよい。
本変形例においても、第2方向D2における第1線状部21の配列パターンは、第1方向D1における第2線状部22の配列パターンに一致している。ただし、第2方向D2における第1線状部21の配列パターンは、第1方向D1における第2線状部22の配列パターンと異なっていてもよい。
第1開口部31、第2開口部32及び第3開口部33は、所定方向(X方向)に沿って繰り返し現れる。本変形例では、第1開口部31、第1開口部31、第2開口部32及び第3開口部33の組が繰り返されている。ただし、所定方向において、第1開口部31、第2開口部32及び第3開口部33が規則的に配列されていることは必須ではない。所定方向において、第1開口部31、第2開口部32及び第3開口部33がランダムに並んでいてもよい。粗の開口部と密の開口部とが混在した構造によって、せん断応力と圧力損失とのバランスをとることができる。
例えば、第2開口部32の位置と第3開口部33の位置とが入れ替わってもよい。つまり、所定方向に沿って、第1開口部31、第3開口部33及び第2開口部32がこの順番で並んでいてもよい。第1開口部31、第2開口部32及び第3開口部33の並び順は任意である。
本変形例のスペーサ53は、第1開口部31、第2開口部32及び第3開口部33に加え、開口部41~43をさらに有する。開口部41は、第1の間隔W1と第2の間隔W2とによって規定された矩形の開口部である。開口部41の開口面積は、第2開口部32の開口面積よりも大きく、第1開口部31の開口面積よりも小さい。開口部42は、第1の間隔W1と第3の間隔W3とによって規定された矩形の開口部である。開口部42の開口面積は、第3開口部33の開口面積よりも大きく、第1開口部31の開口面積よりも小さい。開口部43は、第2の間隔W2と第3の間隔W3とによって規定された矩形の開口部である。開口部43の開口面積は、第3開口部33の開口面積よりも大きく、第2開口部32の開口面積よりも小さい。4×4=16個の開口部が1つのメッシュ単位を構成していると仮定すると、このメッシュ単位が第1方向D1及び第2方向D2に沿って繰り返されている。このような構成によれば、せん断応力と圧力損失とのバランスをとることができる。
図5は、変形例2に係る第1流路スペーサ63の一部を平面視で示している。スペーサ63には、第1対P1、第2対P2及び第3対P3に加え、第4対P4がさらに存在する。第4対P4において、互いに隣り合う第1線状部21が第3の間隔W3よりも狭い第4の間隔W4で配列されている。スペーサ63には、第1対Q1、第2対Q2及び第3対Q3に加え、第4対Q4がさらに存在する。第4対Q4において、互いに隣り合う第2線状部22が第3の間隔W3よりも狭い第4の間隔W4で配列されている。複数の第1線状部21及び複数の第2線状部22は、第3開口部33の開口面積よりも小さい開口面積を有し、かつ、所定方向に平行な対角線34aを有する第4開口部34をさらに形成している。このような構成によっても、せん断応力と圧力損失とのバランスをとることができる。つまり、互いに異なる開口面積を有する開口部の数の上限は特に限定されない。
本変形例において、第4開口部34は、第4の間隔W4と第4の間隔W4とによって規定された正方形の開口部である。
第4開口部34の対角線34aは、第1開口部31の対角線31aよりも短く、第2開口部32の対角線32aよりも短く、第3開口部33の対角線33aよりも短い。対角線31aの長さに対する対角線34aの長さの比率(=100×W4/W1(%))は、例えば、65~85%の範囲にある。このような構成によれば、せん断応力と圧力損失とのバランスをとることができる。対角線31aの長さに対する対角線34aの長さの比率は、70~85%の範囲にあってもよい。
本変形例においても、第2方向D2における第1線状部21の配列パターンは、第1方向D1における第2線状部22の配列パターンに一致している。ただし、第2方向D2における第1線状部21の配列パターンは、第1方向D1における第2線状部22の配列パターンと異なっていてもよい。
第1開口部31、第2開口部32、第3開口部33及び第4開口部34は、所定方向(X方向)に沿って繰り返し現れる。本変形例では、第1開口部31、第2開口部32、第3開口部33及び第4開口部34の組が繰り返されている。ただし、所定方向において、第1開口部31、第2開口部32、第3開口部33及び第4開口部34が規則的に配列されていることは必須ではない。所定方向において、第1開口部31、第2開口部32、第3開口部33及び第4開口部34がランダムに並んでいてもよい。粗の開口部と密の開口部とが混在した構造によって、せん断応力と圧力損失とのバランスをとることができる。
例えば、第2開口部32の位置と第3開口部33の位置とが入れ替わってもよい。つまり、所定方向に沿って、第1開口部31、第3開口部33、第2開口部32及び第4開口部34がこの順番で並んでいてもよい。第1開口部31、第2開口部32、第3開口部33及び第4開口部34の並び順は任意である。
本変形例のスペーサ63は、第1開口部31、第2開口部32、第3開口部33及び第4開口部34に加え、開口部41~46をさらに有する。開口部41~43の構成は先に説明したとおりである。開口部44は、第1の間隔W1と第4の間隔W4とによって規定された矩形の開口部である。開口部45は、第2の間隔W2と第4の間隔W4とによって規定された矩形の開口部である。開口部46は、第3の間隔W3と第4の間隔W4とによって規定された矩形の開口部である。開口部44の開口面積は、開口部45の開口面積よりも大きい。開口部45の開口面積は、開口部46の開口面積よりも大きい。4×4=16個の開口部が1つのメッシュ単位を構成していると仮定すると、このメッシュ単位が第1方向D1及び第2方向D2に沿って繰り返されている。このような構成によれば、せん断応力と圧力損失とのバランスをとることができる。
図6は、変形例3に係る流路スペーサ73の一部を平面視で示している。本変形例のスペーサ73において、第1線状部21は、第1方向D1に延びている。第2線状部22は、第2方向D2に延びている。第1方向D1は、第2方向D2と直交していない。第1方向D1と第2方向D2とのなす角度が鋭角θ1と鈍角θ2とを含む。スペーサ73において、第1開口部31及び第2開口部32は、内角として鋭角θ1及び鈍角θ2を含む平行四辺形の形状を有する。本変形例では、第1方向D1は、集液管11の長手方向(X方向)に対して30度傾いた方向である。第2方向D2は、集液管11の長手方向(X方向)に対して-30度傾いた方向である。鋭角θ1は、60度である。鈍角θ2は、120度である。本変形例のスペーサ73もせん断応力と圧力損失とのバランスに優れている。本開示のスペーサにおいて、第1線状部21と第2線状部22とが直交することは必須ではない。
本変形例において、第1開口部31の対角線31aは、平行四辺形の2つの対角線のうち、長い方の対角線である。第2開口部32の対角線32aは、平行四辺形の2つの対角線のうち、長い方の対角線である。対角線31a及び32aは、所定方向(例えば、X方向)に平行である。ただし、第1開口部31の対角線31aは、平行四辺形の2つの対角線のうち、短い方の対角線であってもよい。第2開口部32の対角線32aは、平行四辺形の2つの対角線のうち、短い方の対角線であってもよい。
第1流路スペーサを用いた膜エレメントに関して、分離膜に作用するせん断応力、及び、圧力損失をコンピュータシミュレーションによって調べた。シミュレーションは、以下の条件にて行った。
流体解析ソフトウェア:アンシスジャパン社製Fluent
線状部の太さ:0.43mm
スペーサの総厚み:0.84mm(0.02mmは融着による減少分)
水の流速:11.3cm/秒
図7に示すように、シミュレーションを行ったスペーサにおいて、第1線状部21と第2線状部22とは互いに直交していた。線状部の間隔を変化させ、開口部の対角線の長さL1~L4を表1の値に調整した。第2方向D2における第1線状部21の配列パターンは、第1方向D1における第2線状部22の配列パターンに一致していた。サンプル1~6では、L1=L2>L3=L4に設定した。サンプル7では、L1=L2>L3>L4に設定した。サンプル8は、対角線の長さが5.0mmの正方形の開口部のみを有する従来のスペーサである。「平均せん断応力」は、分離膜の表面に加わるせん断応力の平均値である。圧力損失は、132mmの膜エレメントあたりの圧力損失である。
Figure 0007109991000001
表1において、カッコ内の数値は、第1開口部31の対角線31aの長さに対する第2開口部32の対角線32aの長さの比率、第1開口部31の対角線31aの長さに対する第3開口部33の対角線33aの長さの比率、又は、第1開口部31の対角線31aの長さに対する第4開口部34の対角線34aの長さの比率を表している。
サンプル4,5及び7のスペーサは、サンプル8のスペーサの圧力損失よりも小さい圧力損失を示しただけでなく、サンプル8の平均せん断応力と同等の平均せん断応力を示した。サンプル4,5及び7のスペーサは、せん断応力と圧力損失とのバランスに非常に優れていた。
サンプル1及び2のスペーサは、サンプル8のスペーサの平均せん断応力よりも高い平均せん断応力を示した。サンプル3のスペーサは、サンプル8の平均せん断応力と同等の平均せん断応力を示した。ただし、サンプル1~3のスペーサの圧力損失は、サンプル8のスペーサの圧力損失よりも高かった。
サンプル6のスペーサは、サンプル8のスペーサの圧力損失よりも低い圧力損失を示した。ただし、サンプル6のスペーサの平均せん断応力は、サンプル8のスペーサの平均せん断応力よりも低かった。
本開示の技術は、スパイラル型膜エレメントに有用である。スパイラル型膜エレメントは、海水の淡水化、純水の製造、排水処理、医薬品の製造、食品の製造、有効成分の分離などの様々な用途に使用されうる。
10 スパイラル型膜エレメント
11 集液管
11h 貫通孔
12 分離膜
13,53,63,73 第1流路スペーサ
14 第2流路スペーサ
21 第1線状部
22 第2線状部
31 第1開口部
31a 対角線
32 第2開口部
33a 対角線
33 第3開口部
33a 対角線
34 第4開口部
34a 対角線
41,42,43,44,45,46 開口部
P1,Q1 第1対
P2,Q2 第2対
P3,Q3 第3対
P4,Q4 第4対

Claims (12)

  1. スパイラル型膜エレメントの集液管に巻回された分離膜間に挟まれて使用される流路スペーサであって、
    前記集液管の長手方向に対して傾斜した第1方向にそれぞれ延びる複数の第1線状部と、
    前記集液管の前記長手方向及び前記第1方向の両方向に対して傾斜した第2方向にそれぞれ延びる複数の第2線状部と、
    を備え、
    前記複数の第1線状部及び前記複数の第2線状部は、互いに交差することによって、所定方向に平行な対角線をそれぞれ有する第1開口部と第2開口部とを形成しており、
    前記第2開口部の開口面積は、前記第1開口部の開口面積よりも小さく、
    前記第1開口部の前記対角線の長さに対する前記第2開口部の前記対角線の長さの比率が65~85%の範囲にあり、
    前記第1開口部及び前記第2開口部は、前記所定方向に沿って繰り返し現れる、流路スペーサ。
  2. 前記複数の第1線状部及び前記複数の第2線状部は、前記第2開口部の前記開口面積よりも小さい開口面積を有し、かつ、前記所定方向に平行な対角線を有する第3開口部をさらに形成している、請求項1に記載の流路スペーサ。
  3. 前記第1開口部の前記対角線の長さに対する前記第3開口部の前記対角線の長さの比率が65~85%の範囲にある、請求項2に記載の流路スペーサ。
  4. 前記複数の第1線状部及び前記複数の第2線状部は、前記第3開口部の前記開口面積よりも小さい開口面積を有し、かつ、前記所定方向に平行な対角線を有する第4開口部をさらに形成している、請求項2又は3に記載の流路スペーサ。
  5. 前記第1開口部の前記対角線の長さに対する前記第4開口部の前記対角線の長さの比率が65~85%の範囲にある、請求項4に記載の流路スペーサ。
  6. 前記所定方向は、前記集液管の前記長手方向に対して平行な方向である、請求項1~5のいずれか1項に記載の流路スペーサ。
  7. 前記第2方向における前記複数の第1線状部の配列パターンが前記第1方向における前記複数の第2線状部の配列パターンに一致している、請求項1~6のいずれか1項に記載の流路スペーサ。
  8. 前記流路スペーサの厚さ方向において、前記複数の第1線状部及び前記複数の第2線状部が2層構造をなしている、請求項1~7のいずれか1項に記載の流路スペーサ。
  9. 前記第1方向と前記第2方向とは、互いに直交する方向である、請求項1~8のいずれか1項に記載の流路スペーサ。
  10. 前記第1方向と前記第2方向とのなす角度が鋭角と鈍角とを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の流路スペーサ。
  11. 前記流路スペーサは、原液の流路に配置されるべき流路スペーサである、請求項1~10のいずれか1項に記載の流路スペーサ。
  12. 請求項1~11のいずれか1項に記載の流路スペーサを備えた、スパイラル型膜エレメント。
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