JP7109971B2 - ケラチン繊維を染色するための組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも1種の直接染料を用いてケラチン繊維を染色するための、特にケラチン繊維を染色するための組成物、並びにそれを使用する方法に関する。
酸化塩基と一般に呼ばれる酸化着色前駆体、例えばオルト-又はパラ-フェニレンジアミン類、オルト-又はパラ-アミノフェノール類及び複素環式化合物を含有する染色組成物で、ケラチン繊維、特にヒト毛髪を染色することが知られている。これらの酸化塩基は、一般にカップラーと組み合わされる。これらの塩基及びこれらのカップラーは、無色又は薄い着色のある化合物であり、酸化剤製品と組み合わされて、酸化縮合プロセスを介して着色化合物をもたらすことができる。
酸化によるこのタイプの着色は、非常に高い視認性、白髪を被覆する能力、及び多様な色調を伴う色を得ることを可能にするが、酸化剤及びアルカリ剤の使用に起因して(特に、反復した適用によって又は他の毛髪処理との組合せによって)、ケラチン繊維に損傷をもたらす。
他方、直接染料を含有する染色組成物でケラチン繊維、特にヒト毛髪を染色することもまた知られている。従来の直接染料は、特に、硝酸ベンゼン、アントラキノン、ニトロピリジン、アゾ、キサンチン、アクリジン、アジン及びトリアリールメタンのタイプ又は天然着色料である。
例えば、特開2008-195663号公報では、直接染料を含む、毛髪を染色するための組成物が開示されている。
直接染料を使用する毛髪着色は、酸化染料を使用する毛髪着色よりも有利である。すなわち、直接染料を使用する毛髪着色は、アレルギーの問題を起こすことがほとんどなく、毛髪に対する損傷を引き起こすことがなく、鮮明な色の視認性を付与する。
しかしながら、皮膚汚着は、直接染料を使用する毛髪着色の不可避の欠点であった。
特開2008-195663号公報 特許出願WO 95/01772 FR 2 285 851 FR-2 140 205 EP 1 378 544 EP 1 674 073 仏国特許出願公開第2 830 189号 米国特許第5236986号 米国特許第5412004号 米国特許第5,837,793号 米国特許第5,811,487号 WO-A-2004/024798
Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry、2004年出版、第7版、「Fluorescent Dyes」章 Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry (2002年)、「Optical Brighteners」 Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology (1995年):「Fluorescent Whitening Agents」 「Industrial Dyes, Chemistry, Properties, Application」、Klaus Hunger編 Wiley-VCH Verlag GmbH & Co KGaA、Weinheim 2003年 Ullman's Encyclopedia of Industrial Chemistry」、Azo Dyes、2005年、Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA、Weinheim 10.1002/14356007.a03 245、point 3.2 「Ullman's Encyclopedia of Industrial Chemistry」、Textile Auxiliaries、2002年 Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA、Weinheim 10.1002/14356007.a26 227 「Ashford's Dictionary of Industrial Chemicals」、第2版、14頁~39頁、2001年
本発明の目的は、直接染料を使用するが、頭皮等の皮膚への直接染料による皮膚汚着を防止又は低減することができ、一方で、優れた美容効果、例えば良好な(又は少なくとも許容可能な)着色特性をケラチン繊維に付与する、ケラチン繊維を染色するための組成物を提供することである。
上記の目的は、ケラチン繊維、好ましくは毛髪を染色するための、好ましくはW/Oエマルションの形態の組成物であって、
(a)少なくとも1種の直接染料;
(b)少なくとも1種の脂肪物質;
(c)少なくとも1種の乳化性シリコーンエラストマー;及び
(d)水
を含む組成物によって達成することができる。
(a)直接染料は、酸性直接染料、塩基性直接染料及び中性直接染料からなる群、好ましくは酸性直接染料から選択してもよい。
(a)直接染料は、後に示す化学式(II)及び(II')、(III)及び(III')、並びに(IV)による化合物から選択してもよい。
本発明による組成物中の(a)直接染料の量は、組成物の総質量に対して、0.001質量%~5質量%、好ましくは0.01質量%~3質量%、より好ましくは0.05質量%~2質量%の範囲であってもよい。
(b)脂肪物質は、油、好ましくは非極性油、より好ましくはシリコーン油、炭化水素油、例えば鉱油、並びにこれらの混合物から選択してもよい。
(b)脂肪物質の量は、組成物の総質量に対して、1質量%~35質量%、好ましくは2質量%~30質量%、より好ましくは3質量%~25質量%の範囲であってもよい。
(c)乳化性シリコーンエラストマーは、少なくとも1つの親水性部分を有する少なくとも1種の架橋シリコーンポリマーを含んでいてもよい。親水性部分は、少なくとも1つのポリオキシアルキレン鎖及び/又は少なくとも1つのポリグリセリン鎖を含むことが好ましい。
(c)乳化性シリコーンエラストマーは、少なくとも1つの疎水性部分を含んでいてもよい。
(c)乳化性シリコーンエラストマーの量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~15質量%、好ましくは0.1質量%~10質量%、より好ましくは1質量%~5質量%の範囲であってもよい。
(d)水の量は、組成物の総質量に対して、50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上であってもよい。
本発明による組成物は、(e)少なくとも1種の増粘剤を更に含んでいてもよい。
本発明はまた、ケラチン繊維、好ましくは毛髪を染色するための方法であって、本発明による組成物をケラチン繊維に適用する工程を含む方法に関する。
本発明はまた、ケラチン繊維を染色するための、好ましくはW/Oエマルションの形態の組成物であって、
(a)少なくとも1種の直接染料;
(b)少なくとも1種の脂肪物質;及び
(d)水
を含む組成物における、
組成物で染色されたケラチン繊維の着色強度を強化し、同時に組成物による皮膚汚着を軽減するための、(c)少なくとも1種の乳化性シリコーンエラストマーの使用に関する。
鋭意検討の結果、本発明者等は、直接染料を含むが、頭皮等の皮膚への直接染料による皮膚汚着を防止又は低減することができ、一方で、優れた美容効果、例えば良好な(又は少なくとも許容可能な)着色特性をケラチン繊維に付与する、ケラチン繊維、好ましくは毛髪を染色するための、好ましくはW/Oエマルションの形態の組成物を提供することが可能であることを発見した。
したがって、好ましくはW/Oエマルションの形態の本発明による組成物は、ケラチン繊維、好ましくは毛髪を染色することを意図したものであり、
(a)少なくとも1種の直接染料;
(b)少なくとも1種の脂肪物質;
(c)少なくとも1種の乳化性シリコーンエラストマー;及び
(d)水
を含む。
本発明による組成物は、ケラチン繊維、好ましくは毛髪を染色するために使用することができる。本発明による組成物は、高度な色強度を有する毛髪を提供することができ、同時に皮膚汚着を軽減する。言い換えれば、本発明による組成物は、ケラチン繊維が強力な色強度を示すことができ、同時に頭皮等の皮膚上の汚着を軽減するように、ケラチン繊維を染色することができる。特に、本発明による組成物は、灰色毛髪を適度にカバーする利点を提供することができ、同時に汚着がわずかであるという利点をもたらす。
一般に、直接染料を含む毛髪を染色するための組成物は、組成物の毛髪着色効果を高めるために、ベンジルアルコールを含み得る。
しかしながら、ベンジルアルコールはまた、組成物による皮膚着色又は皮膚汚着を高め得る。
したがって、一般に、直接染料を含む毛髪を染色するための組成物は、限定又は低減された量のベンジルアルコールを含むことが好ましい。しかし、限定又は低減された量のベンジルアルコールは、組成物の毛髪着色効果を低下させる場合がある。
他方で、本発明による組成物は、組成物が(限定又は低減された量のベンジルアルコールを含む場合でも、良好な(又は少なくとも許容可能な)着色効果を付与することができ、一方で、頭皮等の皮膚への直接染料による皮膚汚着を防止又は低減することができる。
以下で、本発明による組成物を詳細に説明することになる。
[直接染料]
本発明による組成物は、(a)少なくとも1種の直接染料を含む。2種以上の直接染料を組み合わせて使用することができる。したがって、単一のタイプの直接染料、又は異なるタイプの直接染料の組合せを使用することができる。
直接染料は、その色を顕色するために酸化剤の使用を必要としない着色物質を意味する。
直接染料は、天然の直接染料であっても合成の直接染料であってもよい。
「天然直接染料」という表現は、天然に生じ、任意選択で天然化合物、例えば灰又はアンモニアの存在下で、植物基質又は昆虫等の動物からの抽出(任意選択で精製)により製造される、任意の染料又は染料前駆体を意味するものと理解される。
天然の直接染料として、キノン染料(例えばローソン及びユグロン)、アリザリン、プルプリン、ラッカイン酸、カルミン酸、ケルメス酸、プルプロガリン、プロトカテクアルデヒド、インジゴ等のインジゴイド、モロコシ、イサチン、ベタニン、クルクミノイド(例えばクルクミン)、スピヌロシン、種々のタイプの葉緑素及びクロロフィリン、ヘマトキシリン、ヘマテイン、ブラジレイン、ブラジリン、ベニバナ染料(例えばカルタミン)、フラボノイド(例えばルチン、クエルセチン、カテキン、エピカテキン、モリン、アピゲニジン及びビャクダン)、アントシアン(例えばアピゲニニジン及びアピゲニン)、カロテノイド、タンニン、オルセイン、サンタリン及びコチニールカルミンを挙げることができる。
天然直接染料を含有する抽出物又は浸出物、特にヘンナベース抽出物、ウコン(curcuma longa)抽出物、ソルガム葉鞘抽出物、アカミノキ(haematoxylon campechianum)抽出物、緑茶抽出物、マツ樹皮抽出物、ココア抽出物、及びロッグウッド抽出物を使用することも可能である。
天然の直接染料が、クルクミノイド、サンタリン、クロロフィリン、ヘマトキシリン、ヘマテイン、ブラジレイン、ブラジリン、モロコシ、ラッカイン酸、ローソン、ユグロン、アリザリン、プルプリン、カルミン酸、ケルメス酸、プルプロガリン、プロトカテクアルデヒド、インジゴイド、イサチン、スピヌロシン、アピゲニン、オルセイン、ベタニン、フラボノイド、アントシアン、及びこれらの化合物を含有する抽出物又は浸出物からなる群から選択されることが好ましい。
或いは、天然の直接染料は、好ましくは、例えば、水酸化キノン、インジゴイド、ヒドロキシフラボン、サンタリンA及びB、イサチン及びその誘導体、並びにブラジリン及びその水酸化誘導体から選択できる。
水酸化キノンは、好ましくは、ベンゾキノン、ナフトキノン、及びモノ又はポリヒドロキシル化アントラキノンであり、これらは、アルキル、アルコキシ、アルケニル、クロロ、フェニル、ヒドロキシアルキル及びカルボキシル等の基で任意選択で置換されている。
ナフトキノンは、好ましくは、ローソン、ユグロン、フラビオリン、ナフタザリン、ナフトプルプリン、ラパコール、プルムバジン、クロロプルムバジン、ドロセロン、シコニン、2-ヒドロキシ-3-メチル-1,4-ナフトキノン、3,5-ジヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、2,5-ジヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、2-メトキシ-5-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン及び3-メトキシ-5-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノンである。
ベンゾキノンは、好ましくは、スピヌロシン、アトロメンチン、オーレンチオグリオクラジン(aurentioglyocladin)、2,5-ジヒドロキシ-6-メチルベンゾキノン、2-ヒドロキシ-3-メチル-6-メトキシベンゾキノン、2,5-ジヒドロキシ-3,6-ジフェニルベンゾキノン、2,3-ジメチル-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾキノン及び2,5-ジヒドロキシ-6-イソプロピルベンゾキノンである。
アントラキノンは、好ましくは、アリザリン、キニザリン、プルプリン、カルミン酸、クリソファノール、ケルメス酸、レイン、アロエエモジン、シュードプルプリン(pseudopurpurin)、キニザリンカルボン酸、フラングラエモジン、2-メチルキニザリン、1-ヒドロキシアントラキノン及び2-ヒドロキシアントラキノンである。
インジゴイドは、好ましくは、インジゴ、インジルビン、イソインジゴ及びチリアンパープルである。
ヒドロキシフラボンは、好ましくは、クエルセチン及びモリンである。
「合成直接染料」という表現は、化学合成によって製造される、任意の染料又は染料前駆体を意味すると理解される。
直接染料は、酸性(アニオン性)直接染料、塩基性(カチオン性)直接染料、及び中性(非イオン性)直接染料からなる群から選択できる。
合成染料の非限定的な例としては、単独の又は混合物としての、(非イオン性)中性、アニオン性(酸性)、及びカチオン性(塩基性)染料、例えばアゾ、メチン、カルボニル、アジン、ニトロ(ヘテロ)アリールタイプ又はトリ(ヘテロ)アリールメタン直接染料、ポルフィリン及びフタロシアニンがある。
より特定すると、アゾ染料は-N=N-官能基を含み、この官能基の2個の窒素原子は、環の中に同時に含まれることはない。しかしながら、-N=N-配列の2個の窒素原子の一方が環に含まれることは排除されない。
メチンファミリーの染料は、より特定すると、>C=C<及び-N=C<から選択される少なくとも1つの配列を含む化合物であり、これらの配列の2個の原子は、環の中に同時に含まれることはない。しかしながら、これらの配列の窒素原子又は炭素原子の一方が環の中に含まれ得ると規定される。より特定すると、このファミリーの染料は、以下のタイプの化合物から生じる:純粋なメチン(1つ又は複数の上述の-C=C-配列を含む);アゾメチン(少なくとも1つ又は複数の-C=N-配列を含む)、例えば、アザカルボシアニン及びそれらの異性体、ジアザカルボシアニン及びそれらの異性体、テトラアザカルボシアニン;モノ-及びジアリールメタン;インドアミン(又はジフェニルアミン);インドフェノール;インドアニリン。
カルボニルファミリーの染料に関しては、例えば、アクリドン、ベンゾキノン、アントラキノン、ナフトキノン、ベンゾアントロン、アントラントロン、ピラントロン、ピラゾールアントロン、ピリミジノアントロン、フラバントロン、インダントロン、フラボン、(イソ)ビオラントロン、イソインドリノン、ベンゾイミダゾロン、イソキノリノン、アントラピリドン、ピラゾロキナゾロン、ペリノン、キナクリドン、キノフタロン、ナフタルイミド、アントラピリミジン、ジケトピロロピロール又はクマリン染料から選択される合成染料が挙げられる。
環式アジンファミリーの染料に関して、特に、アジン、キサンテン、チオキサンテン、フルオリンジン、アクリジン、(ジ)オキサジン、(ジ)チアジン及びピロニンの染料を挙げることができる。
ニトロ(ヘテロ)芳香族染料は、より特定すると、ニトロベンゼン又はニトロピリジン直接染料である。
ポルフィリン又はフタロシアニンのタイプの染料に関して、1種又は複数種の金属又は金属イオン、例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属、亜鉛及びケイ素を任意選択で含む、カチオン性又は非カチオン性の化合物を使用してもよい。
特に好適である合成の直接染料の例として、単独で又は混合物として、ニトロベンゼン染料、アゾ、アゾメチン又はメチン直接染料、アザカルボシアニン、例えばテトラアザカルボシアニン(テトラアザペンタメチン)、キノン、特にアントラキノン、ナフトキノン若しくはベンゾキノン直接染料、又はアジン、キサンテン、トリアリールメタン、インドアミン、フタロシアニン及びポルフィリンの直接染料を挙げることができる。より一層好ましくは、これらの合成直接染料は、単独で又は混合物として、ニトロベンゼン染料、アゾ、アゾメチン又はメチン直接染料及びテトラアザカルボシアニン(テトラアザペンタメチン)から選択される。
本発明に従って使用できるアゾ、アゾメチン、メチン、又はテトラアザペンタメチン直接染料の中でも、特許出願WO 95/15144、特許出願WO 95/01772並びにEP 714 954、FR 2 189 006、FR 2 285 851、FR-2 140 205、EP 1 378 544及びEP 1 674 073に記載のカチオン性染料が挙げられる。
したがって、以下の式に相当するカチオン性直接染料が極めて特に挙げられる:
Figure 0007109971000001
(式中、
Dは、窒素原子又は-CH基を表し、
R1及びR2は、同一であるか、異なっており、水素原子;-CN、-OH又は-NH2基で置換することができるC1~C4アルキル基を表すか、ベンゼン環の炭素原子と一緒になって、任意選択で酸素を含み若しくは窒素を含み、1つ又は複数のC1~C4アルキルラジカルで置換されていてもよい複素環;又は4'-アミノフェニル基を形成することができ、
R3及びR'3は、同一であるか、異なっており、水素原子、塩素、臭素、ヨウ素及びフッ素から選択されるハロゲン原子、シアノ基、C1~C4アルキル基、C1~C4アルコキシ基又はアセチルオキシ基を表し、
X-は、塩化物イオン、メチル硫酸イオン及びメチル酢酸イオンから好ましくは選択されるアニオンを表し、
Aは、以下の構造から選択される基を表す:
Figure 0007109971000002
(式中、R4は、ヒドロキシル基で置換され得るC1~C4アルキル基を表す;
Figure 0007109971000003
(式中、
R5は、水素原子、C1~C4アルコキシ基又はハロゲン原子、例えば、臭素、塩素、ヨウ素若しくはフッ素を表し、
R6は、水素原子又はC1~C4アルキル基を表すか、ベンゼン環中の炭素原子と一緒になって、酸素を任意選択で含み且つ/又は1つ又は複数のC1~C4アルキル基で任意選択で置換されている複素環を形成し、
R7は、水素原子、又はハロゲン原子、例えば、臭素、塩素、ヨウ素若しくはフッ素を表し、
D1及びD2は、同一であるか、異なっており、窒素原子又は-CH基を表し、
m=0又は1であり、
X-は、塩化物イオン、メチル硫酸イオン及びメチル酢酸イオンから好ましくは選択される、化粧品として許容されるアニオンを表し、
Eは、以下の構造から選択される基を表し:
Figure 0007109971000004
(式中、R'はC1~C4アルキル基を表す)、
m=0であり、D1が窒素原子を表すときは、Eはまた、以下の構造を有する基を示すこともできる:
Figure 0007109971000005
(式中、R'はC1~C4アルキル基を表す))))。
合成直接染料は、蛍光染料から選択できる。2種以上のタイプの蛍光染料を組み合わせて使用してもよい。
いくつかの蛍光染料の使用は、暗色の毛髪に、従来の親水性又は疎水性の直接染料による色よりも視認性の高い色を得ることを可能にする。更に、これらの蛍光染料はまた、暗色の毛髪に適用された場合、損傷を与えることなく毛髪を明色化することを可能にし得る。
本明細書で使用する「蛍光染料」という用語は、蛍光化合物及び光学的光沢剤を意味すると理解される。少なくとも1つの実施形態において、蛍光染料は、組成物の媒体中で可溶性である。
蛍光染料は、可視光線、例えば400から800nmの範囲の波長を吸収し、より高い波長の可視領域において光を再放出することができる蛍光化合物である。
1つの実施形態によれば、本発明に有用な蛍光染料は、オレンジ色の蛍光を再放出する。それらは、例えば、500から700nmの範囲の最大再発光波長を示す。
蛍光染料の非限定的な例としては、当技術分野で既知の化合物、例えば、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry、2004年出版、第7版、「Fluorescent Dyes」章に記載されているものがある。
本開示の光学的光沢剤はまた、「光沢剤」、又は「蛍光光沢剤(fluorescent brightener)」、又は「蛍光光沢剤(fluorescent brightening agent)」又は「FWA」、又は「蛍光増白剤(fluorescent whitening agents)」、又は「増白剤」、又は「蛍光増白剤(fluorescent whitener)」の名称で知られている、無色透明の化合物である。なぜならそれらは、可視光を吸収せず、紫外線(200から400ナノメートルの範囲の波長)のみを吸収し、吸収されたエネルギーを、スペクトルの可視部分、一般に青色及び/又は緑色、すなわち400から550ナノメートルの範囲の波長で放出されるより高い波長の蛍光に変換するからである。
光学的光沢剤は当技術分野において知られており、例えば、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry (2002年)、「Optical Brighteners」及びKirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology (1995年):「Fluorescent Whitening Agents」に記載されている。
本開示の組成物において使用できる蛍光染料としては、当技術分野から知られている化合物、例えば、仏国特許出願公開第2 830 189号に記載のものがある。
特に挙げることができる可溶性蛍光化合物としては、ナフタルイミド、クマリン、キサンテン、具体的にはキサンテノジキノリジン及びアザキサンテン;ナフトラクタム;アズラクトン;オキサジン;チアジン;ジオキサジン;アゾ化合物;アゾメチン;メチン;ピラジン;スチルベン;ケトピロール;及びピレンのファミリーに属するものがある。
存在する場合には、蛍光染料は、より特定すると、オレンジ色の蛍光を再放出するものが好ましい。
イオン性の観点から、(a)直接染料は、酸性直接染料、塩基性直接染料及び中性直接染料からなる群から選択されてもよく、これはあらゆるタイプの直接染料、例えば、いわゆるニトロ染料及びHC染料を包含する。酸性直接染料は、その化学構造中に、アニオン性部分を有する。塩基性直接染料は、その化学構造中に、カチオン性部分を有する。中性直接染料は、非イオン性である。
ある実施形態によれば、(a)直接染料は酸性直接染料から選択されることが好ましい。
アニオン性直接染料は、それらのアルカリ性物質との親和性のため、一般に、「酸性直接染料」として知られている(例えば、「Industrial Dyes, Chemistry, Properties, Application」、Klaus Hunger編 Wiley-VCH Verlag GmbH & Co KGaA、Weinheim 2003年を参照のこと)。アニオン性又は酸性染料は、文献において知られている(例えば、「Ullman's Encyclopedia of Industrial Chemistry」、Azo Dyes、2005年、Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA、Weinheim 10.1002/14356007.a03 245、point 3.2;「Ullman's Encyclopedia of Industrial Chemistry」、Textile Auxiliaries、2002年 Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA、Weinheim 10.1002/14356007.a26 227及び「Ashford's Dictionary of Industrial Chemicals」、第2版、14頁~39頁、2001年を参照のこと)。アニオン性又は酸性染料は、他の直接染料と比較して、皮膚刺激を引き起こすことが少ない。
「アニオン性直接染料」という用語は、その構造中に、少なくとも1つのスルホネート基SO3 -及び/又は少なくとも1つのカルボキシレート基C(O)O-及び/又は少なくとも1つのホスホネート基P(=O)O-O-及び任意選択で1つ又は複数のアニオン性基G-(式中、G-は、同一であっても異なっていてもよく、アルコキシドO-、チオアルコキシドS-、ホスホネート、カルボキシレート及びチオカルボキシレート:C(Q)Q'-(式中、Q及びQ'は、同一であっても異なっていてもよく、酸素又は硫黄原子を表す)から選択されるアニオン性基を表し、好ましくはG-はカルボキシレートを表し、すなわちQ及びQ'は酸素原子を表す)を含む、任意の直接染料を意味する。
本発明の配合物の好ましいアニオン性染料は、酸性ニトロ直接染料、酸性アゾ染料、酸性アジン染料、酸性トリアリールメタン染料、酸性インドアミン染料、酸性アントラキノン染料、アニオン性スチリル染料、及びインジゴイド並びに酸性天然染料から選択され;これらの染料のそれぞれが、カチオン性対イオンX+を有する少なくとも1種のスルホネート、ホスホネート又はカルボキシレート基を含み、ここで、X+は、好ましくはアルカリ及びアルカリ土類金属から選択される有機又は無機カチオン性対イオン、例えばNa+及びK+を表す。
好ましい酸染料は、以下のものから選択してもよい:
a)式(II)又は(II')のジアリールアニオン性アゾ染料:
Figure 0007109971000006
Figure 0007109971000007
(式(II)及び(II')中、
- R7、R8、R9、R10、R'7、R'8、R'9及びR'10は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は
- アルキル;
- アルコキシ、アルキルチオ;
- ヒドロキシル、メルカプト;
- ニトロ;
- R°-C(X)-X'-、R°-X'-C(X)-、R°-X'-C(X)-X''-(式中、R°は、水素原子又はアルキル基若しくはアリール基を表し;X、X'及びX''は、同一であっても異なっていてもよく、酸素原子若しくは硫黄原子、又はNR(式中、Rは、水素原子又はアルキル基を表す)を表す);
- 先で定義された(O)2S(O-)-, X+;
- 先で定義された(O)CO--, X+;
- 先で定義された(O)P(O2 -)-, 2X+
- R''-S(O)2-(式中、R''は、水素原子又はアルキル、アリール、(ジ)(アルキル)アミノ若しくはアリール(アルキル)アミノ基;好ましくはフェニルアミノ又はフェニル基を表す);
- R'''-S(O)2-X'-(式中、R'''は、アルキル又は任意選択で置換されているアリール基を表し、X'は先で定義された通りである);
- (ジ)(アルキル)アミノ;
- i)ニトロ、ii)ニトロソ、iii)(O)2S(O-)-, X+、及びiv)X+を有するアルコキシから選択される1つ又は複数の基で任意選択で置換されているアリール(アルキル)アミノ;
- 任意選択で置換されているヘテロアリール;好ましくはベンゾチアゾリル基;
- シクロアルキル;特にシクロヘキシル、
- Ar-N=N-(式中、Arは、任意選択で置換されているアリール基、好ましくは、1つ又は複数のアルキル、(O)2S(O-)-, X+又はフェニルアミノ基で任意選択で置換されているフェニルを表す);
から選択される基を表し;
- 或いは、2個の隣接する基であるR7とR8又はR8とR9又はR9とR10は一緒になって、縮合ベンゾ基A'を形成し;R'7とR'8又はR'8とR'9又はR'9とR'10は一緒になって、縮合ベンゾ基B'を形成し;A'及びB'は、i)ニトロ;ii)ニトロソ;iii)(O)2S(O-)-,X+;iv)ヒドロキシル;v)メルカプト;vi)(ジ)(アルキル)アミノ;vii)R°-C(X)-X'-;viii)R°-X'-C(X)-;ix)R°-X'-C(X)-X''-;x)Ar-N=N-及びxi)任意選択で置換されているアリール(アルキル)アミノから選択される1つ又は複数の基で任意選択で置換されており;ここで、X+、R°、X、X'、X''及びArは、先に定義された通りであり;
- Wは、シグマ結合σ、酸素若しくは硫黄原子、又は二価の基i)-NR-(式中、Rは先に定義された通りである)、若しくはii)メチレン-C(Ra)(Rb)-(式中、Ra及びRbは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はアリール基を表す、或いはRa及びRbは、それらを有する炭素原子と一緒になって、スピロシクロアルキルを形成する)を表し;好ましくはWが硫黄原子を表すか、Ra及びRbが一緒になってシクロヘキシルを形成する);
式(II)及び(II')は、少なくとも1つのスルホネート(O)2S(O-)-,X+又はホスホネート(O)P(O2 -)2X+又はカルボキシレート(O)C(O-)-,X+基を、環A、A'、B、B'又はCのうちの1つに含むことが理解され、ここでX+は先に定義された通りであり;
式(II)の染料の例として、Acid Red 1、Acid Red 4、Acid Red 13、Acid Red 14、Acid Red 18、Acid Red 27、Acid Red 32、Acid Red 33、Acid Red 35、Acid Red 37、Acid Red 40、Acid Red 41、Acid Red 42、Acid Red 44、Acid Red 68、Acid Red 73、Acid Red 135、Acid Red 138、Acid Red 184、Food Red 1、Food Red 13、Food Red 17、Acid Orange 6、Acid Orange 7、Acid Orange 10、Acid Orange 19、Acid Orange 20、Acid Orange 24、Acid Yellow 9、Acid Yellow 36、Acid Yellow 199、Food Yellow 3; Acid Violet 7、Acid Violet 14、Acid Blue 113、Acid Blue 117、Acid Black 1、Acid Brown 4、Acid Brown 20、Acid Black 26、Acid Black 52、Food Black 1、Food Black 2、Pigment Red 57が挙げられてもよく;
式(II')の染料の例として、Acid Red 111、Acid Red 134、Acid yellow 38を挙げることができる;
b)式(III)及び(III')のアントラキノン染料:
Figure 0007109971000008
(式(III)及び(III')中、
- R22、R23、R24、R25、R26及びR27は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子若しくはハロゲン原子又は
- アルキル;
- ヒドロキシル、メルカプト;
- アルコキシ、アルキルチオ;
- 任意選択で置換されている、好ましくはアルキル及び(O)2S(O-)-,X+(式中、X+は先に定義された通りである)から選択される1つ又は複数の基で置換されているアリールオキシ又はアリールチオ;
- アルキル及び(O)2S(O-)-,X+(式中、X+は先に定義された通りである)から選択される1つ又は複数の基で任意選択で置換されているアリール(アルキル)アミノ;
- (ジ)(アルキル)アミノ;
- (ジ)(ヒドロキシアルキル)アミノ;
- (O)2S(O-)-,X+(式中、X+は先に定義された通りである);
から選択される基を表し;
- Z'は、水素原子又はNR28R29基を表し、R28及びR29は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は
- アルキル;
- ポリヒドロキシアルキル、例えばヒドロキシエチル;
- 1つ又は複数の基、特にi)アルキル、例えばメチル、n-ドデシル、n-ブチル;ii)(O)2S(O-)-,X+(式中、X+は先に定義された通りである);iii)R°-C(X)-X'-、R°-X'-C(X)-、R°-X'-C(X)-X''-(式中、R°、X、X'及びX''は先に定義された通りであり、好ましくは、R°はアルキル基を表す)で任意選択で置換されているアリール;
- シクロアルキル、特にシクロヘキシル
から選択される基を表し;
- Zは、ヒドロキシル及びNR'28R'29(式中、R'28及びR'29は、同一であっても異なっていてもよく、先に定義されたようにR28及びR29と同じ原子又は基を表す)から選択される基を表す);
式(III)及び(III')は、少なくとも1つのスルホネート基(O)2S(O-)-, X+(式中、X+は、先で定義された通りである)を含むことが理解され;
式(III)の染料の例として、Acid Blue 25、Acid Blue 43、Acid Blue 62、Acid Blue 78、Acid Blue 129、Acid Blue 138、Acid Blue 140、Acid Blue 251、Acid Green 25、Acid Green 41、Acid Violet 42、Acid Violet 43、Mordant Red 3、EXT Violet 2を挙げることができ、
式(III')の染料の例として、Acid Black 48を挙げることができる;
並びに
g)式(IV)のキノリンベース染料:
Figure 0007109971000009
(式(IV)中:
- R61は、水素若しくはハロゲン原子又はアルキル基を表し;
- R62、R63及びR64は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は(O)2S(O-)-, X+基(式中、X+は前に定義したとおりである)を表し、
- 或いは、R61とR62、又はR61とR64は、一緒になって、(O)2S(O-)-,X+基(式中、X+は先に定義された通りである)のうちの1つ又は複数で任意選択で置換されているベンゾ基を形成し;
- Gは、酸素若しくは硫黄原子又はNRe基(式中、Reは、水素原子又はアルキル基を表す)を表し;特にGは酸素原子を表す);
式(VI)は、少なくとも1つのスルホネート基(O)2S(O-)-, X+(式中、X+は、先で定義された通りである)を含むことが理解され;
式(IV)の染料の例として、Acid Yellow 2、Acid Yellow 3及びAcid Yellow 5を挙げることができる。
酸性直接染料は、Acid Orange 7、Acid Violet 43及びAcid Black 1からなる群から選択されることが好ましい。
(a)直接染料の量は、本発明による組成物の総質量に対して、5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下であってよく、ただし、(a)直接染料の量は、0ではないことを条件とする。(a)直接染料の量は、組成物の総質量に対して、0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上であってもよい。
本発明による組成物は、(a)直接染料を、組成物の総質量に対して、0.001質量%~5質量%、好ましくは0.01質量%~3質量%、より好ましくは0.05質量%~2質量%の量で含有していてもよい。
[脂肪物質]
本発明による組成物は、(b)少なくとも1種の脂肪物質を含む。2種以上の脂肪物質を組み合わせて使用してもよい。したがって、単一のタイプの脂肪物質、又は異なるタイプの脂肪物質の組合せを使用することができる。
「脂肪物質」という用語は、常温(25℃)及び大気圧(760mmHg)で水に不溶性(溶解度5%未満、好ましくは1%、なおより優先的には0.1%)である有機化合物を意味する。脂肪物質は、その構造の中に、連続した少なくとも2個のシロキサン基、又は少なくとも6個の炭素原子を含む少なくとも1つの炭化水素系鎖を含むことができる。更に、脂肪性物質は、同じ温度及び圧力条件下で、有機溶媒、例えば、クロロホルム、エタノール、ベンゼン又はデカメチルシクロペンタシロキサンに可溶性であってもよい。
本発明の範囲では、脂肪物質は、C2~C3オキシアルキレン単位も、グリセロール化単位も、一切含まないことに留意されたい。
(b)脂肪物質は、液体又は固体の形態であってよい。本明細書において、「液体」及び「固体」は、脂肪物質が、大気圧(760mmHg又は105Pa)下、室温(25℃)で、それぞれ液体若しくはペースト(非固体)又は固体の形態であることを意味する。(b)脂肪物質は、室温及び大気圧下で、液体又はペーストの形態、好ましくは液体の形態の少なくとも1種の脂肪物質を含むことが好ましい。室温、大気圧下で液体形態の(b)脂肪物質は、「油」と称することができる。脂肪物質は、油から選択されることが好ましい。
(b)脂肪物質は、極性油、非極性油、及びこれらの混合物から選択してもよい。(b)脂肪物質は非極性油から選択されることが好ましい。
(b)脂肪物質は、動物又は植物起源の油、鉱油、合成グリセリド、動物又は植物油及び合成グリセリド以外の脂肪族アルコール及び/又は脂肪酸のエステル、脂肪族アルコール、脂肪酸、シリコーン油、並びに脂肪族炭化水素からなる群から選択することができる。これらの脂肪物質は、揮発性であっても不揮発性であってもよい。好ましくは、(b)脂肪物質は、動物又は植物起源の油、合成グリセリド、動物又は植物油及び合成グリセリド以外の脂肪エステル、脂肪族アルコール、脂肪酸、シリコーン油、並びに脂肪族炭化水素からなる群から選択される。より好ましくは、(b)脂肪物質は、シリコーン油、脂肪族炭化水素又は炭化水素油、好ましくは鉱油、及びこれらの混合物から選択される。
脂肪族炭化水素の例としては、例えば、直鎖状又は分枝状の炭化水素、例えば鉱油(例えば、流動パラフィン)、パラフィン、ワセリン又はペトロラタム、ナフタレン等;水添ポリイソブテン、イソエイコサン、ポリデセン、水添ポリイソブテン、例えばParleam、及びデセン/ブテンコポリマー;並びにこれらの混合物を挙げることができる。
他の脂肪族炭化水素の例として、直鎖状若しくは分枝状、又は場合により環状C6~C16低級アルカンも挙げることができる。挙げることができる例としては、ヘキサン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、並びにイソパラフィン、例えばイソヘキサデカン及びイソデカンがある。
合成グリセリドの例として、例えば、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例としてStearineries Dubois社によって販売されているもの又はDynamit Nobel社によってMiglyol(登録商標)810、812及び818の名称で販売されているものを挙げることができる。
シリコーン油の例として、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の直鎖状オルガノポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状オルガノポリシロキサン;及びこれらの混合物を挙げることができる。
植物油の例としては、例えば、アマニ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、ヒマワリ油、アプリコット油、ダイズ油、アララ油、ヘーゼルナッツ油、コーン油、ミンク油、オリーブ油、アボカド油、サザンカ油、ヒマシ油、サフラワー油、ホホバ油、アーモンド油、ブドウ種子油、ゴマ油、ピーナッツ油、及びそれらの混合物を挙げることができる。
動物油の例として、例えば、スクワレン、ペルヒドロスクワレン及びスクワランを挙げることができる。
有利には上述の動物又は植物油及び合成グリセリドとは異なる、脂肪酸及び/又は脂肪族アルコールのエステルの例として、とりわけ、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC1~C26脂肪族一酸又は多酸と、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC1~C26脂肪族モノ-又はポリアルコールとのエステルであって、総炭素数が10以上であるエステルを挙げることができる。
モノエステルの中では、ベヘン酸ジヒドロアビエチル;ベヘン酸オクチルドデシル;ベヘン酸イソセチル;乳酸セチル;C12~C15乳酸アルキル;乳酸イソステアリル;乳酸ラウリル;乳酸リノレイル;乳酸オレイル;オクタン酸(イソ)ステアリル;オクタン酸イソセチル;オクタン酸オクチル;オクタン酸セチル;オレイン酸デシル;イソステアリン酸イソセチル;ラウリン酸イソセチル;ステアリン酸イソセチル;オクタン酸イソデシル;オレイン酸イソデシル;イソノナン酸イソノニル;パルミチン酸イソステアリル;リシノール酸メチルアセチル;ステアリン酸ミリスチル;イソノナン酸オクチル;イソノナン酸2-エチルヘキシル;パルミチン酸オクチル;ペラルゴン酸オクチル;ステアリン酸オクチル;エルカ酸オクチルドデシル;エルカ酸オレイル;パルミチン酸エチル及びパルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-オクチルデシル、ミリスチン酸アルキル、例えばミリスチン酸イソプロピル、ブチル、セチル、2-オクチルドデシル、ミリスチル又はステアリル等、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソブチル;リンゴ酸ジオクチル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸2-ヘキシルデシルを挙げることができる。
更にこの変形形態のコンテキスト内で、C4~C22のジカルボン酸又はトリカルボン酸及びC1~C22アルコールのエステル、並びにモノ、ジ又はトリカルボン酸及びC2~C26のジ、トリ、テトラ又はペンタヒドロキシアルコールのエステルも使用することができる。
特に、次のものを挙げることができる。セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジ-n-プロピル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソステアリル、マレイン酸ジオクチル、ウンデシレン酸グリセリル、ステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシル、モノリシノール酸ペンタエリスリチル、テトライソノナン酸ペンタエリスリチル、テトラペラルゴン酸ペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、エルカ酸トリデシル、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリイソステアリル、三乳酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、クエン酸トリオクチルドデシル、クエン酸トリオレイル、ジオクタン酸プロピレングリコール、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、ジイソノナン酸ジエチレングリコール、及びジステアリン酸ポリエチレングリコール。
上記のエステルの中では、以下を使用することが好ましい。パルミチン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチル又はパルミチン酸ステアリル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-オクチルデシル、ミリスチン酸アルキル、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸セチル若しくはミリスチン酸2-オクチルドデシル等、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソブチル、リンゴ酸ジオクチル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸2-ヘキシルデシル、イソノナン酸イソノニル又はオクタン酸セチル。
組成物は、脂肪エステルとして、C6~C30、好ましくはC12~C22脂肪酸の糖エステル及びジエステルも含むことができる。「糖」という用語は、アルデヒド又はケトン官能の有無にかかわらず、いくつかのアルコール官能を含み、少なくとも4個の炭素原子を含む、酸素含有炭化水素系化合物を意味する。これらの糖は、単糖、オリゴ糖又は多糖であってよい。
挙げることができる好適な糖の例としては、スクロース(又はサッカロース)、グルコース、ガラクトース、リボース、フルクトース、マルトース、マンノース、アラビノース、キシロース及びラクトース、並びにこれらの誘導体、特に、メチル誘導体等のアルキル誘導体、例えばメチルグルコースがある。
脂肪酸の糖エステルは、とりわけ、先に記載した糖と、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のC6~C30、好ましくはC12~C22脂肪酸とのエステル又はエステル混合物を含む群から選択することができる。脂肪酸が不飽和の場合、これらの化合物は1~3個の共役又は非共役の炭素-炭素二重結合を含むことができる。
この変形形態によるエステルは、モノ、ジ、トリ、テトラエステル及びポリエステル、並びにこれらの混合物から選択することもできる。
これらのエステルは、例えば、オレイン酸エステル、ラウリン酸エステル、パルミチン酸エステル、ミリスチン酸エステル、ベヘン酸エステル、ヤシ脂肪酸エステル、ステアリン酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステル、カプリン酸エステル及びアラキドン酸エステル、又はこれらの混合物、例えば、特に、オレオ-パルミチン酸、オレオ-ステアリン酸及びパルミト-ステアリン酸混合エステルから選択することができる。
モノエステル及びジエステル、特に、スクロース、グルコース又はメチルグルコースのモノ-又はジオレイン酸エステル、ステアリン酸エステル、ベヘン酸エステル、オレオパルミチン酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステル及びオレオステアリン酸エステルを使用することが更に特に好ましい。
挙げることができる例は、Amerchol社によりGlucate(登録商標)DOの名称で販売されている製品であり、これはジオレイン酸メチルグルコースである。
また、挙げることができる糖と脂肪酸とのエステル又はエステル混合物の例としては、以下のものがある:
- Crodesta社によってF160、F140、F110、F90、F70及びSL40の名称で販売されている、それぞれ73%モノエステル及び27%ジエステル及びトリエステル、61%モノエステル及び39%ジエステル、トリエステル及びテトラエステル、52%モノエステル及び48%ジエステル、トリエステル及びテトラエステル、45%モノエステル及び55%ジエステル、トリエステル及びテトラエステル、39%モノエステル及び61%ジエステル、トリエステル及びテトラエステルから形成されるパルミトステアリン酸スクロース、並びにモノラウリン酸スクロースを示す製品;
- 例えばB370で参照され、20%モノエステル及び80%ジ-トリエステル-ポリエステルから形成されるベヘン酸スクロースに相当する、Ryoto Sugar Estersの名称で販売されている製品;
- Goldschmidt社によってTegosoft(登録商標)PSEの名称で販売されているモノ-ジパルミト-ステアリン酸スクロース。
脂肪物質は少なくとも1種の脂肪酸とすることができ、2種以上の脂肪酸を使用することができる。脂肪酸は、酸性形態(即ち、石けんを回避するため、塩化されていない)であるべきであり、飽和でも不飽和でもよく、6~30個の炭素原子、特に9~30個の炭素原子を含有し、特に1つ又は複数(特に1~4個)のヒドロキシル基で任意選択で置換されている。脂肪酸が不飽和の場合、これらの化合物は1~3個の共役又は非共役の炭素-炭素二重結合を含むことができる。脂肪酸は、より特定すると、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸及びイソステアリン酸から選択される。好ましくは、脂肪物質は脂肪酸ではない。
脂肪物質は、少なくとも1種の脂肪族アルコールとすることができ、2種以上の脂肪族アルコールを使用することができる。
「脂肪族アルコール」という用語は、本明細書において、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状の、任意のC8~C30脂肪族アルコールを意味し、これは、特に1つ又は複数(特に1~4個)のヒドロキシル基で任意選択で置換されている。脂肪族アルコールが不飽和の場合、これらの化合物は1~3個の共役又は非共役の炭素-炭素二重結合を含むことができる。
C8~C30脂肪族アルコールの中では、例えば、C12~C22脂肪族アルコールが使用される。これらのうち、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、リノレイルアルコール、ウンデシレニルアルコール、パルミトレイルアルコール、リノレニルアルコール、ミリスチルアルコール、アラキドニルアルコール及びエルシルアルコール並びにそれらの混合物を挙げることができる。1つの実施形態において、セチルアルコール、ステアリルアルコール又はこれらの混合物(例えばセテアリルアルコール)、及びミリスチルアルコールを、固体状脂肪物質として使用することができる。別の実施形態において、イソステアリルアルコールを、液状脂肪物質として使用することができる。
脂肪物質はワックスとすることができる。本明細書において「ワックス」は、脂肪物質が室温(25℃)において大気圧(760mmHg)下で実質的に固体形態であり、一般に35℃以上の融点を有するものを意味する。ワックス状脂肪物質として、一般に化粧品に使用されるワックスを、単独で、又はこれらを組み合わせて使用することができる。
例えば、ワックスは、カルナウバワックス、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライト、水添ホホバ油、ポリエチレンワックス、例えばNew Phase Technologies社によって「Performalene 400 Polyethylene」の名称で販売されているワックス、シリコーンワックス、例としてポリ(C24~C28)アルキルメチルジメチルシロキサン、例えばGoldschmidt社によって「Abil Wax 9810」の名称で販売されている製品、パーム脂、Kester Keunen社によって「Kester Wax K82H」の名称で販売されているステアリン酸アルキル(C20~C40)、安息香酸ステアリル、セラックワックス、及びそれらの混合物から選択することができる。例えば、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、オゾケライト、水添ホホバ油及びポリエチレンワックスから選択されるワックスを使用することができる。少なくとも1つの実施形態において、ワックスは、好ましくは、キャンデリラロウ及びオゾケライト並びにこれらの混合物から選択される。
(b)脂肪物質は、少なくとも1種の揮発性炭化水素油、例えばイソドデカンを含んでいてもよい。
(b)脂肪物質の量は、本発明による組成物の総質量に対して、35質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下であってもよい。
(b)脂肪物質の量は、組成物の総質量に対して、1質量%以上、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上であってもよい。
本発明による組成物における(b)脂肪物質の量は、組成物の総質量に対して、1質量%~35質量%、好ましくは2質量%~30質量%、より好ましくは3質量%~25質量%の範囲であってもよい。
本発明による組成物によって付与される着色強度を強化するために、(b)脂肪物質の量は、20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更により好ましくは10質量%以下であることが好ましい場合がある。
したがって、本発明による組成物によって付与される着色強度を強化するために、本発明による組成物における(b)脂肪物質の量は、組成物の総質量に対して、1質量%~20質量%、好ましくは2質量%~15質量%、より好ましくは3質量%~10質量%の範囲であることが好ましい場合がある。
本発明による組成物によって引き起こされる皮膚汚着を軽減するために、(b)脂肪物質の量は、4質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更により好ましくは6質量%以上であることが好ましい場合がある。
したがって、本発明による組成物によって引き起こされる皮膚汚着を軽減するために、本発明による組成物における(b)脂肪物質の量は、組成物の総質量に対して、4質量%~35質量%、好ましくは5質量%~30質量%、より好ましくは6質量%~25質量%の範囲であることが好ましい場合がある。
[乳化性シリコーンエラストマー]
本発明による組成物は、(c)少なくとも1種の乳化性シリコーンエラストマーを含む。2種以上の乳化性シリコーンエラストマーを組み合わせて使用してもよい。したがって、単一のタイプの乳化性シリコーンエラストマー又は異なるタイプの乳化性シリコーンエラストマーの組合せを使用してもよい。
「シリコーンエラストマー」という用語は、粘弾性を有する柔軟で変形可能な物質である、部分的に又は完全に架橋されたオルガノポリシロキサンを意味することが意図される。その弾性係数は、この材料が変形に耐え、且つ限定的な伸長及び収縮能力を有するようなものである。この物質は、伸縮後にその原形に戻ることができる。
「乳化性シリコーンエラストマー」の「乳化性」という用語は、シリコーンエラストマーが乳化可能であること、又は乳化剤として機能することを意味する。したがって、乳化性シリコーンエラストマーは、架橋シリコーン乳化剤であってもよい。
(c)乳化性シリコーンエラストマーは、一般に、本発明による組成物の脂肪相(例えば油相)中に導入されて、この脂肪相の一部となり得る。
(c)乳化性シリコーンエラストマーは、少なくとも1つの疎水性部分、例えば少なくとも1種の炭化水素基、好ましくは少なくとも1種のアルキル基、より好ましくは少なくとも1種のC10~C20アルキル基、特にC10~C15アルキル基を含むことが好ましい場合がある。
本発明による(c)乳化性シリコーンエラストマーは、少なくとも1つの親水性鎖を含む架橋エラストマーオルガノポリシロキサンであってよく、この鎖が、特にオキシアルキレン化又はグリセリル化されることが可能である。したがって、(c)乳化性シリコーンエラストマーは、少なくとも1つのオキシアルキレン化鎖及び/又は1つのグリセリル化鎖を含むシリコーンエラストマーから選択することができる。
(c)乳化性シリコーンエラストマーが、少なくとも1つの親水性部分を有する少なくとも1種の架橋シリコーンポリマーを含むことが好ましい。親水性部分は、少なくとも1つのポリオキシアルキレン鎖及び/又は少なくとも1つのポリグリセリル鎖を含んでいてもよい。
少なくとも1つのオキシアルキレン化鎖を含む乳化性シリコーンエラストマーは、例えば米国特許第5236986号及び米国特許第5412004号に記載の通り、具体的には、ケイ素にそれぞれ結合された少なくとも2つの水素を含有するジオルガノポリシロキサン(A1)と、少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有するポリオキシアルキレン(B1)との、特に触媒(C1)、特に白金触媒の存在下での付加反応及び架橋によって得ることができる。
化合物(A1)は、エラストマーオルガノポリシロキサンの形成のためのベース化合物であり、架橋は、化合物(A1)と化合物(B1)との、触媒(C1)の存在下での付加反応を介して生じる。
化合物(B1)は、有利には、化合物(A1)のSi-H結合と反応することになる少なくとも2つのビニル基をシリコーン鎖のα~ω位に含有するオキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化合物である。化合物(B1)は、特に、ジメチルビニルシロキシ末端基を含有するポリオキシアルキレン(特にポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレン)とすることができる。
化合物(A1)のケイ素原子に結合される有機基は、1~18個の炭素原子を含有するアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、デシル、ドデシル(又はラウリル)、ミリスチル、セチル又はステアリル;置換アルキル基、例えば2-フェニルエチル、2-フェニルプロピル又は3,3,3-トリフルオロプロピル;アリール基、例えばフェニル、トリル又はキシリル;置換アリール基、例えばフェニルエチル;及び置換一価炭化水素系基、例えばエポキシ基、カルボン酸エステル基又はメルカプト基であってもよい。
したがって、化合物(A1)は、トリメチルシロキシ末端基を含有するメチルヒドロゲノポリシロキサン、トリメチルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン-メチルヒドロゲノシロキサンコポリマー、環状ジメチルシロキサン-メチルヒドロゲノシロキサンコポリマー及びトリメチルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン-メチルヒドロゲノシロキサンラウリルメチル-シロキサンコポリマーから選択することができる。
化合物(C1)は架橋反応触媒であり、特に、担体上の、クロロ白金酸、クロロ白金酸-オレフィン錯体、クロロ白金酸-アルケニルシロキサン錯体、クロロ白金酸-ジケトン錯体、白金黒及び白金から選択される。
触媒(C1)は、好ましくは、清浄白金金属として、1000質量部の化合物(A1)及び(B1)の総量当たり、0.1~1000質量部、より一層良好には1~100質量部の量で添加される。
詳細には、少なくとも1つのオキシアルキレン化鎖を含む乳化性シリコーンエラストマーは、白金触媒の存在下で、ジメチルビニルシロキシ末端基を含有するポリオキシアルキレン(特にポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレン)と、トリメチルシロキシ末端基を含有するメチルヒドロゲノポリシロキサンとの反応により得ることができる。
本発明に従って使用してもよい少なくとも1種のオキシアルキル化鎖を含む乳化性シリコーンエラストマーは、好ましくは、少なくとも1種のオキシエチレン化鎖を含むシリコーンエラストマーである。
加えて、少なくとも1つのオキシアルキレン化鎖を含む乳化性シリコーンエラストマーは、好ましくは、少なくとも1種の炭化水素系油及び/又は少なくとも1種のシリコーン油中のゲルの形態で担持される。(c)乳化性シリコーンエラストマーは、ゲルの形態とすることができる。これらのゲル中で、少なくとも1つのオキシアルキレン化鎖を含むエラストマーは、通常、非球状粒子の形態である。
ポリオキシアルキル化乳化性シリコーンエラストマーは、文献米国特許第5,236,986号、米国特許第5,412,004号、米国特許第5,837,793号及び米国特許第5,811,487号に特に記載されており、これらの文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
少なくとも1種のオキシエチレン化鎖を含む乳化性シリコーンエラストマーとして、信越化学工業株式会社によりジメチコン/PEG-10ジメチコンビニルジメチコンクロスポリマーの名称で販売されているもの、例えばKSG-21(活性材料は27wt%)の名称で販売されているもの、
PEG-10ジメチコンクロスポリマー、例えばKSG-20の名称で販売されているもの(活性物質は100wt%)、
ジメチコン/PEG-10/15クロスポリマー、例えばKSG-210の名称で販売されているもの(シリコーン油中、シリコーンエラストマーの活性物質は25wt%)、
シクロペンタシロキサン(及び)ジメチコン/PEG-10/15クロスポリマー、例えばKSG-240の名称で販売されているもの、
鉱油(及び)PEG-15/ラウリルジメチコンクロスポリマー、例えばKSG-310の名称で販売されているもの、
イソドデカン(及び)PEG-15/ラウリルジメチコンクロスポリマー、例えばKSG-320の名称で販売されているもの(活性物質は25wt%)、
イソドデカン(及び)PEG-15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコンクロスポリマー、例えばKSG-320Zの名称で販売されているもの(活性物質は20~30wt%)、
シクロペンタシロキサン(及び)PEG-15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコンクロスポリマー、例えばKSG-350Zの名称で販売されているもの(活性物質は20~30wt%)、
ジメチコン(及び)PEG-15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコンクロスポリマー、例えばKSG-360Z及びKSG-380Zの名称で販売されているもの(シリコーン油中、シリコーンエラストマーの活性物質は25~45wt%)、
又は
Dow Corning社によって以下の名称で販売されているもの
PEG-12ジメチコンクロスポリマー、例えばDC9010の名称で販売されているもの(活性物質は11wt%)、及び
シクロペンタシロキサン(及び)PEG-12ジメチコンクロスポリマー、例えばDC9011の名称で販売されているもの(活性物質は91wt%)
を特に使用してもよい。
これらの製品は、一般に、乳化性シリコーンエラストマーの粒子を含有する油性ゲルの形態である。
好ましくは、ジメチコン/PEG-10/15クロスポリマー、例えばKSG-210の名称で販売されているもの、PEG/15/ラウリルジメチコンクロスポリマー、例えばKSG-320の名称で販売されているもの、及びPEG-15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコンクロスポリマー、例えばKSG-380Zの名称で販売されているものが使用される。
(c)乳化性シリコーンエラストマーはまた、少なくとも1つのグリセリル化鎖を含むシリコーンエラストマーからも選択することができる。
少なくとも1つのグリセリル化鎖を含む乳化性シリコーンエラストマーは、特に、ケイ素に結合された少なくとも1つの水素を含有するジオルガノポリシロキサン(A2)と、エチレン性不飽和基を有するポリグリセリル化合物(B2)との、特に触媒(C2)、特に白金触媒の存在下での付加反応及び架橋により得ることができる。
詳細には、オルガノポリシロキサンは、白金触媒の存在下で、ジメチルビニルシロキシ末端基を含有するポリグリセリル化合物と、トリメチルシロキシ末端基を含有するメチルヒドロゲノポリシロキサンとの反応により得ることができる。
化合物(A2)は、エラストマーオルガノポリシロキサンの形成のためのベース化合物であり、架橋は、化合物(A)と化合物(B2)との、触媒(C2)の存在下での付加反応を介して生じる。
化合物(A2)は、特に、各分子の別個のケイ素原子に結合する少なくとも2つの水素原子を有するオルガノポリシロキサンである。化合物(A2)は、特に化合物(B2)と容易に混和するように、25℃で1~50000センチストークの範囲の粘度を有してよい。
化合物(A2)のケイ素原子に結合される有機基は、1~18個の炭素原子を含有するアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、デシル、ドデシル(又はラウリル)、ミリスチル、セチル又はステアリル;置換アルキル基、例えば2-フェニルエチル、2-フェニルプロピル又は3,3,3-トリフルオロプロピル;アリール基、例えばフェニル、トリル又はキシリル;置換アリール基、例えばフェニルエチル;及び置換一価炭化水素系基、例えばエポキシ基、カルボン酸エステル基又はメルカプト基であってもよい。好ましくは、前記有機基は、メチル、フェニル及びラウリル基から選択される。
したがって、化合物(A2)は、トリメチルシロキシ末端基を含有するメチルヒドロゲノポリシロキサン、トリメチルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン-メチルヒドロゲノシロキサンコポリマー、環状ジメチルシロキサン-メチルヒドロゲノシロキサンコポリマー、及びトリメチルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン-メチルヒドロゲノシロキサン-ラウリルメチル-シロキサンコポリマーから選択することができる。
化合物(B2)は、以下の式(B'2)に相当するポリグリセリル化合物であってもよい:
CmH2m-1-O-[Gly]n-CmH2m-1 (B'2)
(式中、mは、2~6の範囲の整数であり、nは、2~200の範囲、好ましくは、2~100、優先的には2~50の範囲、より一層良好には2~20の範囲、なおより一層良好には2~10の範囲、更になおより一層良好には2~5の範囲の整数であり、特に、nは3に等しく、Glyは:
-CH2-CH(OH)-CH2-O-又は-CH2-CH(CH2OH)-O-
を示す)。
有利には、化合物(B2)の1分子当たりのエチレン性基の数と、化合物(A2)の1分子当たりのケイ素原子に結合された水素原子の数との総和は、少なくとも4である。
化合物(A2)におけるケイ素原子に結合された水素原子の総量の、化合物(B2)における全てのエチレン性不飽和基の総量に対する分子比が、1/1~20/1の範囲内になる量で、化合物(A2)を添加するのが有利である。
化合物(C2)は、架橋反応触媒であり、特に、担体上の、クロロ白金酸、クロロ白金酸-オレフィン錯体、クロロ白金酸-アルケニルシロキサン錯体、クロロ白金酸-ジケトン錯体、白金黒及び白金から選択される。
触媒(C2)は、好ましくは、清浄白金金属として、1000質量部の化合物(A2)及び(B2)の総量当たり、0.1~1000質量部、より一層良好には1~100質量部の量で添加される。
本発明による、少なくとも1つのグリセリル化鎖を含む乳化性シリコーンエラストマーは、一般に、少なくとも1種の炭化水素系油及び/又は少なくとも1種のシリコーン油との混合物としてのゲルの形態である。これらのゲル中で、少なくとも1つのグリセリル化鎖を含むエラストマーは、通常、非球状粒子の形態である。
このようなエラストマーは、文献WO-A-2004/024798に特に記載されている。
少なくとも1つのグリセリル化鎖を含むシリコーンエラストマーとして、信越化学工業株式会社によりジメチコン/ポリグリセリン-3クロスポリマーの名称で販売されているもの、例えばKSG-710の名称で販売されているもの(25wt%の活性物質を含む)、
鉱油(及び)ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3クロスポリマー、例えばKSG-810の名称で販売されているもの、
イソドデカン(及び)ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3クロスポリマー、例えばKSG-820の名称で販売されているもの、
トリエチルヘキサノイン(及び)ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3クロスポリマー、例えばKSG-830の名称で販売されているもの、並びに
スクアラン(及び)ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3クロスポリマー、例えばKSG-840の名称で販売されているもの
を使用してもよい。
本発明による組成物における(c)乳化性シリコーンエラストマーの量は、活性材料に関しては、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上であってもよい。
他方、本発明による組成物における(c)乳化性シリコーンエラストマー(s)の量は、活性材料に関しては、組成物の総質量に対して、15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であってもよい。
本発明による組成物における(c)乳化性シリコーンエラストマーの量は、活性材料に関しては、組成物の総質量に対して、0.01質量%~15質量%、好ましくは0.1質量%~10質量%、より好ましくは1質量%~5質量%であってもよい。
[水]
本発明による組成物は、(d)水を含む。
(d)水の量は、組成物の総質量に対して、50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上であってもよい。
本発明による組成物における(d)水の量は、組成物の総質量に対して、50質量%~94質量%、好ましくは70質量%~92質量%、より好ましくは80~90質量%の範囲であってもよい。
[増粘剤]
本発明による組成物は、(e)少なくとも1種の増粘剤を更に含んでいてもよい。2種以上の増粘剤を組み合わせて使用してもよい。したがって、単一のタイプの増粘剤又は異なるタイプの増粘剤の組合せを使用してもよい。
(e)増粘剤(thickener)又は増粘剤(thickening agent)は、親水性増粘剤から選択してもよい。親水性増粘剤は水性相を増粘化することができ、且つ本発明による組成物の安定性を強化することができる。
(e)増粘剤は、有機及び無機増粘剤から選択してもよい。
有機増粘剤は、以下のもののうちの少なくとも1つから選択してもよい:
(i)会合性増粘剤;
(ii)架橋アクリル酸ホモポリマー;
(iii)(メタ)アクリル酸と(C1~C6)アルキルアクリレートとの架橋コポリマー;
(iv)非イオン性ホモポリマー、並びにエチレン性不飽和エステルモノマー及びエチレン性不飽和アミドモノマーのうちの少なくとも1種を含むコポリマー;
(v)アクリル酸アンモニウムのホモポリマー、及びアクリル酸アンモニウムとアクリルアミドとのコポリマー;
(vi)多糖類;並びに
(vii)C12~C30脂肪族アルコール。
(e)増粘剤は、好ましくは、会合性増粘剤並びに多糖、例えばデンプン及びキサンタンガムから選択されてもよい。
本明細書において使用する「会合性増粘剤」という表現は、親水性単位及び疎水性単位の両方を含む、例えば、少なくとも1つのC8~C30脂肪鎖及び少なくとも1つの親水性単位を含む、両親媒性増粘剤を意味する。
本発明による組成物の粘度は特に限定されない。粘度は、25℃で、粘度計又はレオメーターで、好ましくは円錐平板型ジオメトリーで測定することができる。好ましくは、本発明による組成物の粘度は、例えば、25℃及び1s-1において、1~2000Pa.s、好ましくは1~1000Pa.sの範囲となり得る。
増粘剤は、組成物の総質量に対して、0.001質量%~10質量%、好ましくは0.01質量%~5質量%、例えば0.1質量%~1質量%の範囲の量で存在していてよい。
[他の材料]
本発明による組成物のpHは、ケラチン繊維の染色において一般に使用される酸性化剤又は塩基性化剤を使用して、或いは従来の緩衝系を使用して、所望の値に調整してもよい。
本発明による組成物の水相は、好ましくは酸性である。したがって、組成物の水相のpHは、1~6、より好ましくは2~5、更により好ましくは2~4であることが好ましい。
酸性化剤の中でも、例として、無機又は有機酸、例えば、塩酸、オルトリン酸、硫酸、カルボン酸、例えば酢酸、酒石酸、クエン酸及び乳酸、並びにスルホン酸を挙げることができる。
塩基性化剤の中でも、例として、水酸化アンモニウム、アルカリ金属炭酸塩、アルカノールアミン、例えばモノ-、ジ-及びトリエタノールアミン並びにそれらの誘導体、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム並びに以下の式の化合物を挙げることができる:
Figure 0007109971000010
(式中、
Wは、ヒドロキシル又はC1~C4アルキル基で任意選択で置換されているプロピレン等のアルキレンを示し、Ra、Rb、Rc及びRdは、独立して、水素原子、アルキル基又はC1~C4ヒドロキシアルキル基を示し、これは、1,3-プロパンジアミン及びその誘導体により例示することができる)。
酸性化又は塩基性化剤は、組成物の総質量に対して、0.001質量%~15質量%、好ましくは0.01質量%~10質量%、より好ましくは0.1質量%~5質量%の範囲の量で使用してもよい。
本発明による組成物は、ベンジルアルコールを含んでいてもよい。ベンジルアルコールは、組成物の総質量に対して、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは4質量%以下の量で使用してもよい。
ベンジルアルコールは、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上の量で使用してもよい。
ベンジルアルコールは、組成物の総質量に対して、0.01質量%~10質量%、好ましくは0.1質量%~5質量%、より好ましくは1質量%~4質量%の量で使用してもよい。
1つの実施形態において、本発明による組成物は、ベンジルアルコールを含まない。
本発明による組成物はまた、毛髪を染色するための組成物において従来から使用されているさまざまな補助剤、例えばアニオン性、非イオン性、カチオン性、及び両性又は双性イオン性ポリマー、抗酸化剤、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両性界面活性剤、封鎖剤、香料、分散剤、コンディショニング剤、被膜形成剤、セラミド、保存料及び乳白剤を含んでいてもよい。
[調製]
本発明による組成物は、上に説明したように、必須成分としての成分(a)から(d)と、必要に応じて任意選択の成分とを、混合することによって調製することができる。
上記の必須成分と任意選択の成分とを混合する方法及び手段は、限定されない。任意の従来の方法及び手段を、上記の必須成分及び任意選択の成分を混合して本発明の組成物を調製するために、使用することができる。
[形態]
本発明による組成物の形態は、特に限定されず、エマルション(O/W又はW/O形態)等のさまざまな形態をとることができる。
本発明による組成物はW/Oエマルションの形態であることが好ましい。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、外部連続油相が、内部水性相に存在する直接染料に皮膚が直接的に接触するのを阻止することができ、したがって皮膚染色を阻止又は軽減することができると仮定される。一方、内部水性相は、ケラチン繊維を染色するときに、例えば、櫛を使用して、W/O型を破壊することによって、直接染料をケラチン繊維上に放出することができ、こうして本発明による組成物はケラチン繊維を染色することができる。
[化粧用途及び方法]
本発明による組成物は、ケラチン繊維を染色するための組成物であり、好ましくは、ケラチン繊維を染色するための化粧用組成物である。「ケラチン繊維」は、本明細書において、少なくとも1種のケラチン物質を含む繊維を意味する。ケラチン繊維の表面の少なくとも一部がケラチン繊維で形成されていることが好ましい。ケラチン繊維の例としては、毛髪、眉毛、睫毛等がある。本発明による組成物は毛髪を染色するために使用されることが好ましい。
本発明はまた、ケラチン繊維を染色するための方法であって、本発明による組成物をケラチン繊維に適用する工程を含む方法に関する。
本発明による組成物をケラチン繊維に適用する工程は、従来の適用器具、例えばブラシにより、又は手によっても実施することができる。
本発明による組成物が適用されたケラチン繊維は、ケラチン繊維を処理するのに必要とされる適切な時間にわたって放置し得る。処理のための時間の長さは限定されないが、1分間~1時間、好ましくは1分間~30分間、より好ましくは1分間~15分間とすることができる。例えば、ケラチン繊維を染色するための時間は、1~20分間、好ましくは5~15分間とすることができる。
ケラチン繊維は、室温で処理されてもよい。或いは、ケラチン繊維は、本発明による組成物をケラチン繊維に適用する工程、及び/又は、本発明による組成物が適用されたケラチン繊維を放置する工程中に、25℃~65℃、好ましくは30℃~60℃、より好ましくは35℃~55℃、更により好ましくは40℃~50℃で加熱することができる。
本発明による組成物をケラチン繊維に適用する工程後、及び/又は本発明による組成物が適用されたケラチン繊維を放置する工程後に、ケラチン繊維をすすいでもよい。
本発明はまた、毛髪等のケラチン繊維を染色するための本発明による組成物の使用に関し得る。
更に、本発明はまた、ケラチン繊維を染色するための、好ましくはW/Oエマルションの形態の組成物であって、
(a)少なくとも1種の直接染料;
(b)少なくとも1種の脂肪物質;及び
(d)水
を含む組成物における、
組成物で染色されたケラチン繊維の着色強度を強化し、同時に組成物による皮膚汚着を軽減するための、(c)少なくとも1種の乳化性シリコーンエラストマーの使用に関する。
本発明を、実施例によって、より詳細に説明することにする。しかしながら、これらの実施例が本発明の範囲を限定するものと解釈すべきでない。
(実施例1~3及び比較例1~4)
[調製]
例1~3及び比較例1~4に従って毛髪を染色するための化粧用組成物のそれぞれを、表1に示す成分を室温で混合することによって調製した。組成物のpHはpH2.2に調整した。成分量に関する数値は全て、活性原料の「質量%」に対するものである。
表1における略語は、以下のものを意味する。
E:乳化剤
O:油
W:水
[W/Oエマルション]
高内相W/Oエマルションの形成は、顕微鏡観察及び各組成物の伝導率によって判定した。伝導率は、伝導率メーター(COND Meter ES-71、Horiba社)を用いて測定した。測定された伝導率を、以下に示す評価基準に従って評価した。
あり:伝導率は0~10μS/cmである
なし:伝導率は10μS/cm超である
[毛髪色強度]
例1~3及び比較例1~4による各組成物(4g)を、白人の100%白色毛髪見本1g上に均一に適用した。毛髪見本を40℃で15分間放置し、続いて毛髪見本を、水で洗浄し、シャンプーで洗い、1度すすぎ、乾燥させた。上記染色方法の前後の毛髪見本の色差を、Konica Minolta分光光度計CM-3600dを使用することによって測定した。ΔE*(CIE1976に基づいた、未染色の元の毛髪見本の色と染色された毛髪見本の色との間のもの)を計算した。ΔE*が大きくなるほど、染色は良好である。測定されたΔE*を、下記に示す評価基準に従って評価した。
高い:ΔE*が32超である。
中程度:ΔE*が30以上32以下である。
低い:ΔE*が30未満である。
結果を表1に示す。
[汚着強度]
例1~3及び比較例1~4による各組成物(0.1ml)を、適用領域が直径1cmの円を形成するように人工皮膚の表面上に適用した。適用された表面を40℃で10分間放置し、続いて組成物を水でよく洗浄し、表面を乾燥させた。上記の適用方法前後の表面の色差を、Konica Minolta分光測色計CM-3600dを使用することによって測定した。ΔE*(CIE1976に基づいた、適用前の表面の色と適用後の表面の色との間のもの)を計算した。ΔE*が小さいほど、汚着は少ない。測定されたΔE*を、下記に示す評価基準に従って評価した。
低い:ΔE*が3.0未満である。
中程度:ΔE*が3.0以上3.5以下である。
高い:ΔE*が3.5超である。
結果を表1に示す。
Figure 0007109971000011
例1~3による組成物は、本発明に相当する。例1~3より、本発明による組成物は、毛髪に高度な色強度及び低度の汚着を与られることを認めラウリン酸れる。例1及び2の例3との比較より、少量の油が色強度を強化できる点も認められる。
比較例1による組成物はゲルであり、且つ油又は乳化剤を一切含まない。比較例1より、ゲルタイプの配合物は、毛髪に高度な色強度だけではなく、高度な汚着も与える場合があることが認められる。
比較例2~4による組成物は、本発明に相当せず、このことは、使用された乳化剤の、架橋していないという性質に起因する。比較例2~4より、低濃度(5wt%)の油は、大量の水と共にW/Oエマルションを形成できず、高濃度(10wt%)の油は、大量の水と共にW/Oエマルションを形成できる点を認めることができる。しかし、比較例4による組成物は、毛髪に高度な色強度及び低度の汚着を与えることができない。例1~3と比較例4との間の比較の結果として、架橋シリコーン乳化剤を使用すると、大量の水と共にW/Oエマルションを形成することが可能になり、且つ非架橋シリコーン乳化剤を使用するよりも、高い強度の色及び低い皮膚汚着を毛髪に与えることができる点は明らかである。

Claims (10)

  1. ケラチン繊維を染色するための組成物であって、
    (a)少なくとも1種の酸性直接染料;
    (b)少なくとも1種の脂肪物質;
    (c)少なくとも1種の乳化性シリコーンエラストマー;及び
    (d)水
    を含み、
    (a)酸性直接染料の量が、組成物の総質量に対して、0.001質量%~5質量%の範囲であり、
    (c)乳化性シリコーンエラストマーが、少なくとも1つのポリオキシアルキレン鎖を含む少なくとも1つの親水性部分及び少なくとも1つのアルキル基を含む少なくとも1つの疎水性部分を有する少なくとも1種の架橋シリコーンポリマーを含み、
    (c)乳化性シリコーンエラストマーの量が、組成物の総質量に対して、0.01質量%~15質量%である、組成物。
  2. (a)酸性直接染料が、
    式(II)又は(II'):
    Figure 0007109971000012
    (式(II)及び(II')中、
    - R7、R8、R9、R10、R'7、R'8、R'9及びR'10は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は
    - アルキル;
    - アルコキシ、アルキルチオ;
    - ヒドロキシル、メルカプト;
    - ニトロ;
    - R°-C(X)-X'-、R°-X'-C(X)-、R°-X'-C(X)-X''-(式中、R°は、水素原子又はアルキル基若しくはアリール基を表し;X、X'及びX''は、同一であっても異なっていてもよく、酸素原子若しくは硫黄原子、又はNR(式中、Rは、水素原子又はアルキル基を表す)を表す);
    - (O)2S(O-)-, X+(式中、X+は、有機又は無機のカチオン性対イオンを表す);
    - (O)CO--, X+;
    - (O)P(O2 -)-, 2X+;
    - R''-S(O)2-(式中、R''は、水素原子又はアルキル、アリール、(ジ)(アルキル)アミノ若しくはアリール(アルキル)アミノ基を表す);
    - R'''-S(O)2-X'-(式中、R'''は、アルキル又は置換若しくは非置換のアリール基を表す);
    - (ジ)(アルキル)アミノ;
    - i)ニトロ、ii)ニトロソ、iii)(O)2S(O-)-, X+、及びiv)X+を有するアルコキシから選択される1つ又は複数の基で置換若しくは非置換のアリール(アルキル)アミノ;
    - 置換若しくは非置換のヘテロアリール;
    - シクロアルキル、
    - Ar-N=N-(式中、Arは、置換若しくは非置換のアリール基;
    から選択される基を表し;
    - 或いは、2個の隣接する基であるR7とR8又はR8とR9又はR9とR10は一緒になって、縮合ベンゾ基A'を形成し;R'7とR'8又はR'8とR'9又はR'9とR'10は一緒になって、縮合ベンゾ基B'を形成し、A'及びB'は、i)ニトロ;ii)ニトロソ;iii)(O)2S(O-)-, X+;iv)ヒドロキシル;v)メルカプト;vi)(ジ)(アルキル)アミノ;vii)R°-C(X)-X'-;viii)R°-X'-C(X)-;ix)R°-X'-C(X)-X''-;x)Ar-N=N-及びxi)置換若しくは非置換のアリール(アルキル)アミノから選択される1つ又は複数の基で置換若しくは非置換であり;
    - Wは、シグマ結合σ、酸素若しくは硫黄原子、又は二価の基i)-NR-若しくはii)メチレン-C(Ra)(Rb)-(式中、Ra及びRbは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子若しくはアリール基を表す、或いはRa及びRbは、それらを有する炭素原子と一緒になって、スピロシクロアルキルを形成する)を表し)ジアリールアニオン性アゾ染料であって、
    式(II)及び(II')は、少なくとも1つのスルホネート(O)2S(O-)-,X+又はホスホネート(O)P(O2 -)2X+又はカルボキシレート(O)C(O-)-, X+基を、環A、A'、B、B'又はCのうちの1つに含む、ジアリールアニオン性アゾ染料;
    式(III)及び(III'):
    Figure 0007109971000013
    (式(III)及び(III')中、
    - R22、R23、R24、R25、R26及びR27は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子若しくはハロゲン原子又は
    - アルキル;
    - ヒドロキシル、メルカプト;
    - アルコキシ、アルキルチオ;
    - 置換若しくは非置換のアリールオキシ又はアリールチオ;
    - アルキル及び(O)2S(O-)-, X+ (式中、X + は、有機又は無機のカチオン性対イオンを表す)から選択される1つ又は複数の基で置換若しくは非置換のアリール(アルキル)アミノ;
    - (ジ)(アルキル)アミノ;
    - (ジ)(ヒドロキシアルキル)アミノ;
    - (O)2S(O-)-, X+;
    から選択される基を表し;
    - Z'は、水素原子又はNR28R29基を表し、R28及びR29は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は
    - アルキル;
    - ポリヒドロキシアルキル;
    - 1つ又は複数の基で置換若しくは非置換のアリール;
    - シクロアルキル
    から選択される基を表し;
    - Zは、ヒドロキシル及びNR'28R'29(式中、R'28及びR'29は、同一であっても異なっていてもよく、R28及びR29と同じ原子又は基を表す)から選択される基を表す)のアントラキノン染料であって;
    式(III)及び(III')は、少なくとも1つのスルホネート基(O)2S(O-)-, X+を含む、アントラキノン染料;
    並びに
    式(IV):
    Figure 0007109971000014
    (式(IV)中:
    - R61は、水素若しくはハロゲン原子又はアルキル基を表し;
    - R62、R63及びR64は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は(O)2S(O-)-, X+基(式中、X+は有機又は無機カチオン性対イオンを表す)を表し;
    - 或いは、R61とR62、又はR61とR64は、一緒になって、1つ又は複数の(O)2S(O-)-, X+基で置換若しくは非置換のベンゾ基を形成し;
    - Gは、酸素若しくは硫黄原子又はNRe基(式中、Reは、水素原子又はアルキル基を表す)を表す)のキノリンベース染料;
    式(IV)は、少なくとも1つのスルホン酸基(O)2S(O-)-, X+を含む、キノリンベース染料
    からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  3. (a)酸性直接染料の量が、組成物の総質量に対し0.01質量%~3質量%範囲である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. (b)脂肪物質が、油ら選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. (b)脂肪物質の量が、組成物の総質量に対して、1質量%~35質量%範囲である、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. (c)乳化性シリコーンエラストマーの量が、組成物の総質量に対し0.1質量%~10質量%範囲である、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. (d)水の量が、組成物の総質量に対して、50質量%以上ある、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. (e)少なくとも1種の増粘剤を更に含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. ケラチン繊維染色するための方法であって、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物をケラチン繊維に適用する工程を含む方法。
  10. (a)少なくとも1種の酸性直接染料;
    (b)少なくとも1種の脂肪物質;及び
    (d)水
    を含み、
    (a)酸性直接染料の量が、組成物の総質量に対して、0.001質量%~5質量%の範囲である、
    ケラチン繊維を染色するための組成物における、組成物で染色されたケラチン繊維の着色強度を強化し、同時に組成物による皮膚汚着を軽減するための、(c)少なくとも1種の乳化性シリコーンエラストマーの使用であって、
    (c)乳化性シリコーンエラストマーが、少なくとも1つのポリオキシアルキレン鎖を含む少なくとも1つの親水性部分及び少なくとも1つのアルキル基を含む少なくとも1つの疎水性部分を有する少なくとも1種の架橋シリコーンポリマーを含み、
    (c)乳化性シリコーンエラストマーの量が、組成物の総質量に対して、0.01質量%~15質量%である、使用
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