JP2020169122A - ケラチン繊維を着色するための方法及びキット - Google Patents

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Abstract

【課題】直接染料を使用して改善された色持続性をケラチン繊維に付与することができる、毛髪等のケラチン繊維を着色するための新規方法を提供すること。【解決手段】本発明は、(i)(a)蛍光ジスルフィド、チオール及び保護チオール染料を除く、少なくとも1種の直接染料を含む少なくとも1種の染料組成物を、(b)少なくとも1種の還元剤を含む少なくとも1種の還元組成物と混合して、第1の組成物を調製する工程と、(ii)第1の組成物をケラチン繊維上に塗布する工程と、(iii)ケラチン繊維をすすぐ工程と、(iv)少なくとも1種の酸化剤を含む第2の組成物をケラチン繊維上に塗布する工程と、(v)任意選択で、ケラチン繊維をすすぎ、乾燥させる工程とを含む、ケラチン繊維、好ましくは毛髪を着色するための方法に関する。本発明は、優れた色持続性をケラチン繊維に付与することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、毛髪等のケラチン繊維のための方法、特に着色方法、及び該方法に使用されるキットに関する。
酸化ベースと一般に呼ばれる酸化着色前駆体、例えばオルト-又はパラ-フェニレンジアミン、オルト-又はパラ-アミノフェノール及び複素環式化合物を含有する染色組成物によりケラチン繊維、特にヒト毛髪を染色することは公知である。これらの酸化ベースは、一般にカップラーと組み合わされる。これらのベース及びこれらのカップラーは、無色又は薄く着色された化合物であり、酸化性製品と組み合わされて、酸化縮合プロセスを介して着色化合物を生じることができる。
酸化によるこのタイプの着色は、非常に高い視認性、及び白髪を被覆する能力を有する多様な色調の色を得ることを可能にするが、これは、酸化剤及びアルカリ剤の使用に起因して(特に、反復した塗布によって又は他の毛髪処理との組合せによって)、ケラチン繊維に損傷をもたらす。
他方で、直接染料を含有する染色組成物によりケラチン繊維、特にヒト毛髪を染色することも公知である。従来の直接染料は、特に以下のものである:硝酸ベンゼン、アントラキノン、ニトロピリジン、アゾ、キサンチン、アクリジン、アジン、及びトリアリールメタンタイプ又は天然着色料。直接染料を使用する毛髪着色は、酸化染料を使用する毛髪着色に対して、アレルギーの問題をほとんど生じず、毛髪に引き起こす損傷が少なく、鮮明な色の視認性を与えるという利点を有するが、シャンプーに対する色持続性が低いという欠点を有する。
例えば、WO 2018/229295、WO 2018/229296、及びWO 2012/113724は、直接染料を含む、毛髪を染色するための組成物を開示している。
WO 2018/229295 WO 2018/229296 WO 2012/113724 WO 95/15144 WO 95/01772 EP 714 954 FR 2 189 006 FR 2 285 851 FR-2 140 205 EP 1 378 544 EP 1 674 073 欧州特許出願第0 354 835号 欧州特許出願第0 368 763号 欧州特許出願第0 432 000号 欧州特許出願第0 514 282号 仏国特許出願第2 679 448号 FR-A-2814948 FR-A-2870119
「Protective Groups in Organic Synthesis」、T.W. Greene、John Wiley & Sons社編、NY、1981年、193頁〜217頁 「Protecting Groups」、P. Kocienski、Thieme社、第3版、2005年、第5章 Ullmann's Encyclopedia、「Peptide Synthesis」、4頁〜5頁、2005年 Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA社、Weinheim 10.1002/14356007.a19 157 Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry、2004年出版、第7版、「Fluorescent Dyes」章 Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry (2002年)、「Optical Brighteners」 Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology (1995年):「Fluorescent Whitening Agents」 「Industrial Dyes, Chemistry, Properties, Application」、Klaus Hunger編 Wiley-VCH Verlag GmbH & Co KGaA社、Weinheim 2003年 「Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry」、Azo Dyes、2005年、Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA社、Weinheim 10.1002/14356007.a03 245、point 3.2 「Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry」、Textile Auxiliaries、2002年、Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA社、Weinheim 10.1002/14356007.a26 227 「Ashford's Dictionary of Industrial Chemicals」、第2版、14頁〜39頁、2001年
本発明の目的は、直接染料を使用して改善された色持続性をケラチン繊維に付与することができる、毛髪等のケラチン繊維を着色するための新規方法を提供することである。
本発明の上記の目的は、
(i)(a)蛍光ジスルフィド/チオール染料を除く少なくとも1種の直接染料を含む少なくとも1種の染料組成物及び(b)少なくとも1種の還元組成物を混合して、第1の組成物を調製する工程と、
(ii)第1の組成物をケラチン繊維上に塗布する工程と、
(iii)ケラチン繊維をすすぐ工程と、
(iv)少なくとも1種の酸化剤を含む第2の組成物をケラチン繊維上に塗布する工程と、
(v)任意選択で、ケラチン繊維をすすぎ、乾燥させる工程と
を含む、ケラチン繊維、好ましくは毛髪を着色するための方法によって達成することができる。
本方法は、工程(ii)と(iii)との間に、第1の組成物をケラチン繊維上に10秒から2時間、好ましくは1分から1時間、より好ましくは5分から50分、特に10分から40分の範囲の一定の時間放置する追加の工程を更に含んでもよい。
本方法は、工程(iv)と(v)との間に、第2の組成物をケラチン繊維上に10秒から30分、好ましくは1分から20分、より好ましくは2分から10分の範囲の一定の時間放置する追加の工程を更に含んでもよい。
還元剤は、チオール還元剤、例えばチオグリコール酸、チオ乳酸、モノチオグリコール酸グリセリル、システアミン、N-アセチルシステアミン、N-プロピオニルシステアミン、システイン、N-アセチルシステイン、チオリンゴ酸、パンテテイン、2,3-ジメルカプトコハク酸、N-(メルカプトアルキル)-ω-ヒドロキシアルキルアミド、N-モノ-又はN,N-ジアルキルメルカプト4-ブチルアミド、アミノメルカプトアルキルアミド、N-(メルカプトアルキル)スクシンアミド酸誘導体、N-(メルカプトアルキル)コハク酸誘導体、N-(メルカプトアルキル)スクシンイミド酸誘導体、アルキルアミノメルカプトアルキルアミド、チオグリコール酸2-ヒドロキシプロピルとチオグリコール酸(2-ヒドロキシ-1-メチル)エチルとの共沸混合物、メルカプトアルキルアミノアミド、N-メルカプトアルキルアルカンジアミド、ホルムアミジンスルフィン酸誘導体、並びにそれらの塩、特にアンモニウム塩、例えばチオグリコール酸アンモニウム及びチオ乳酸アンモニウムから選択することができる。
還元組成物は、好ましくは無機アンモニウム塩、例えば炭酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、炭酸水素アンモニウム;及び水酸化アルキルアンモニウムから選択される、少なくとも1種のアルカリ剤を含んでもよい。
酸化剤は、過酸化水素及びブロメート誘導体から選択することができる。
直接染料は、酸性、塩基性又は中性の合成直接染料、例えば酸性、塩基性又は中性のアントラキノン、ニトロピリジン、アゾ、キサンテン、アクリジン、アジン又はトリアリールメタン直接染料から選択することができる。
染料組成物は、少なくとも1種の脂肪物質を含んでもよい。
好ましい一実施形態では、本方法は、第1の組成物又は第2の組成物をケラチン繊維上に保持する間にケラチン繊維を加熱する工程を含まない。
第1の組成物のpHは、7.0から11.0、好ましくは8.0から10.0、より好ましくは8.5から9.5の範囲であってもよい。
第2の組成物のpHは、2.0から6.0、好ましくは2.0から5.0、より好ましくは2.5から4.0の範囲であってもよい。
(a)染料組成物及び(b)還元組成物は、49:1から1:1、好ましくは24:1から2:1、より好ましくは19:1から3:1、特に14:1から4:1である染料組成物対還元組成物の質量比で混合することができる。
本発明はまた、
蛍光ジスルフィド、チオール及び保護チオール直接染料を除く、少なくとも1種の直接染料を含む染料組成物を含む第1の区画と、
少なくとも1種の還元剤を含む還元組成物を含む第2の区画と、
少なくとも1種の酸化剤を含む第2の組成物を含む第3の区画と
を含む、毛髪等のケラチン繊維を着色するためのキットに関する。
第1の区画及び第2の区画は、第1の区画中の染料組成物及び第2の区画中の還元組成物がキット内で混合されて第1の組成物を調製するように設けられてもよい。
第1の区画及び第2の区画は、互いに近接して設けられてもよく、第3の区画は、第1の区画及び第2の区画と一緒に又は別個に設けられてもよい。
本発明による方法及び組成物は、ケラチン繊維、好ましくは毛髪を着色するために使用することができ、ケラチン繊維をシャンプーした後でも、改善された色持続性をケラチン繊維に付与することができる。
鋭意検討の結果、本発明者等は、驚くべきことに、本発明による方法が繊維の色持続性を向上させることができることを見出した。
したがって、本発明の一態様は、
(i)(a)蛍光ジスルフィド、チオール及び保護チオール直接染料を除く、少なくとも1種の直接染料を含む少なくとも1種の染料組成物を、(b)少なくとも1種の還元剤を含む少なくとも1種の還元組成物と混合して、第1の組成物を調製する工程と、
(ii)第1の組成物をケラチン繊維上に塗布する工程と、
(iii)ケラチン繊維をすすぐ工程と、
(iv)少なくとも1種の酸化剤を含む第2の組成物をケラチン繊維上に塗布する工程と、
(v)任意選択で、ケラチン繊維をすすぎ、乾燥させる工程と
を含む、ケラチン繊維、好ましくは毛髪を着色するための方法である。
本発明の別の態様は、上記の本発明の方法に使用することができるキットである。
以下、本発明による方法及びキットを各々詳細に説明する。
[方法]
本発明による方法は、
(i)(a)蛍光ジスルフィド、チオール及び保護チオール直接染料を除く、少なくとも1種の直接染料を含む少なくとも1種の染料組成物を、(b)少なくとも1種の還元剤を含む少なくとも1種の還元組成物と混合して、第1の組成物を調製する工程と、
(ii)第1の組成物をケラチン繊維上に塗布する工程と、
(iii)ケラチン繊維をすすぐ工程と、
(iv)少なくとも1種の酸化剤を含む第2の組成物をケラチン繊維上に塗布する工程と、
(v)任意選択で、ケラチン繊維をすすぎ、乾燥させる工程と
を含む、ケラチン繊維、好ましくは毛髪を着色するための方法である。
本発明による方法は、直接染料により毛髪等のケラチン繊維を着色することを目的とする。
本発明による方法では、2つの異なるタイプの組成物のみがケラチン繊維上に塗布され、すなわち第1の組成物及び第2の組成物である。本方法は、3つ以上のタイプの組成物を使用する他の方法がケラチン繊維に適用されるようにプロセス時間を短縮することができるという点で利益を有する。
好ましくは、本方法は、任意選択の工程(v)における乾燥工程以外に、ケラチン繊維を加熱する工程を含まない。したがって、本発明による方法における工程(i)から(iv)は、好ましくは、ケラチン繊維を、例えば、70℃以上に、好ましくは60℃以上に、より好ましくは50℃以上に加熱する工程を含まない。換言すれば、本発明による方法は、第1の組成物又は第2の組成物をケラチン繊維上に保持する間にケラチン繊維を加熱する工程を含まない。
{工程(i)}
工程(i)は、(a)少なくとも1種の染料組成物及び(b)少なくとも1種の還元組成物を混合することによって、第1の組成物を調製する工程である。
染料組成物と還元組成物との混合比は、特に限定されない。一般に、染料組成物対還元組成物の質量比は、49:1から1:1、好ましくは24:1から2:1、より好ましくは19:1から3:1、特に14:1から4:1であってもよい。第1の組成物は、還元組成物よりも多量の染料組成物を含んでもよい。
第1の組成物のpHは、所望の値に調整することができる。本発明の第1の組成物のpHは、7.0から11.0、好ましくは8.0から10.0、より好ましくは8.5から9.5であることが好ましい。
工程(i)の前に、本発明による方法は、ケラチン繊維の前処理工程を更に含んでもよい。この追加の工程では、少なくとも1種の還元剤を含む組成物でケラチン繊維を処理することができる。還元剤は下記で説明する。したがって、本発明による方法は、工程(i)の前に、本発明の還元剤を含む組成物を毛髪等のケラチン繊維に塗布する追加の工程を含んでもよい。
好ましくは、工程(i)は、工程(ii)の1秒前から20分前に、より優先的には工程(ii)の10秒前から5分前の間に行われる。
染料組成物及び還元組成物を各々下記で詳細に説明する。
(a)染料組成物
本発明の(a)染料組成物は、少なくとも1種の直接染料を含む。
染料組成物のpHは、好ましくは、3.0から7.0、好ましくは4.0から6.5、より好ましくは4.5から6.0であってもよい。
染料組成物は、エマルション(O/W若しくはW/O型)、水性ゲル、水溶液、ローション、乳液、クリーム、フォーム、ペースト、セラム等の形態で提供することができる。
(直接染料)
本発明の(a)染料組成物は、蛍光ジスルフィド、チオール及び保護チオール直接染料を除く少なくとも1種の直接染料を含む。蛍光ジスルフィド、チオール及び保護チオール直接染料を除く2種以上の直接染料を組み合わせて使用してもよい。したがって、単一のタイプの直接染料、又は異なるタイプの直接染料の組合せを使用することができる。
直接染料は、その色を顕色するために酸化剤の使用を必要としない着色物質を意味する。
本発明において使用される直接染料は、蛍光ジスルフィド、チオール及び保護チオール直接染料を含まない。したがって、本発明の第1の組成物もまた、蛍光ジスルフィド、チオール及び保護チオール直接染料を含まない。
「蛍光ジスルフィド直接染料」という用語は、本明細書において、少なくとも1つの蛍光発色団と、染料の発色団に間接的に結合する2個の炭素原子の間の少なくとも1つのジスルフィド結合:-S-S-とを含む蛍光直接染料を意味する。
「蛍光チオール直接染料」という用語は、本明細書において、少なくとも1つの発色団と、少なくとも1つのチオール官能基-SY[式中、Yは、i)水素原子;ii)アルカリ金属;iii)アルカリ土類金属;iv)アンモニウム基:N+RaRbRgRd又はホスホニウム基:P+RaRbRgRd(Ra、Rb、Rg及びRdは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は(C1〜C4)アルキル基を表す)である]とを含む蛍光直接染料を意味し、そのチオール官能基-SYは、染料の発色団に直接又は間接的に結合する。
「蛍光保護チオール直接染料」という用語は、本明細書において、少なくとも1つの発色団と、少なくとも1つの保護チオール官能基-SY[式中、Yは、当業者に公知の保護基、例として、刊行物「Protective Groups in Organic Synthesis」、T.W. Greene、John Wiley & Sons社編、NY、1981年、193頁〜217頁;「Protecting Groups」、P. Kocienski、Thieme社、第3版、2005年、第5章;及びUllmann's Encyclopedia、「Peptide Synthesis」、4頁〜5頁、2005年 Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA社、Weinheim 10.1002/14356007.a19 157に記載されているものである]とを含む蛍光直接染料を意味し、前記保護チオール官能基は、染料の発色団に直接又は間接的に結合する。
「直接染料」という用語は、可視スペクトルの色を吸収する、すなわち、視覚的に着色されているように見える、酸化染料以外の、化粧用媒体に可溶性である天然及び/又は合成の染料を意味し、それらは、ケラチン繊維上で表面的に拡散する染料である。
「天然直接染料」という表現は、天然に存在し、任意選択で天然化合物、例えば灰又はアンモニアの存在下で、植物基質又は昆虫等の動物からの抽出(及び任意選択で精製)によって生成される、任意の染料又は染料前駆体を意味すると理解される。
天然直接染料として、キノン染料(例えばローソン及びユグロン)、アリザリン、プルプリン、ラッカイン酸、カルミン酸、ケルメス酸、プルプロガリン、プロトカテクアルデヒド、インジゴイド、例えばインジゴ、ソルガム、イサチン、ベタニン、クルクミノイド(例えばクルクミン)、スピヌロシン、種々のタイプのクロロフィル及びクロロフィリン、ヘマトキシリン、ヘマテイン、ブラジレイン、ブラジリン、サフラワー染料(例えばカルタミン)、フラボノイド(例えばルチン、クエルセチン、カテキン、エピカテキン、モリン、アピゲニジン、及びビャクダン)、アントシアン(例えばアピゲニニジン及びアピゲニン)、カロテノイド、タンニン、オルセイン、サンタリン並びにコチニールカルミンを挙げることができる。
天然直接染料を含有する抽出物又は浸出物、特にヘンナベース抽出物、ウコン(curcuma longa)抽出物、ソルガム葉鞘抽出物、アカミノキ(haematoxylon campechianum)抽出物、緑茶抽出物、マツ樹皮抽出物、カカオ抽出物、及びログウッド抽出物を使用することも可能である。
天然直接染料は、クルクミノイド、サンタリン、クロロフィリン、ヘマトキシリン、ヘマテイン、ブラジレイン、ブラジリン、ソルガム、ラッカイン酸、ローソン、ユグロン、アリザリン、プルプリン、カルミン酸、ケルメス酸、プルプロガリン、プロトカテクアルデヒド、インジゴイド、イサチン、スピヌロシン、アピゲニン、オルセイン、ベタニン、フラボノイド、アントシアン、及びこれらの化合物を含有する抽出物又は浸出物からなる群から選択されることが好ましい。
或いは、天然直接染料は、好ましくは、例えば、ヒドロキシル化キノン、インジゴイド、ヒドロキシフラボン、サンタリンA及びB、イサチン及びその誘導体、並びにブラジリン及びそのヒドロキシル化誘導体から選択することができる。
ヒドロキシル化キノンは、好ましくは、ベンゾキノン、ナフトキノン、及びモノ-又はポリヒドロキシル化アントラキノンであり、これらは、アルキル、アルコキシ、アルケニル、クロロ、フェニル、ヒドロキシアルキル及びカルボキシル等の基で任意選択で置換されている。
ナフトキノンは、好ましくは、ローソン、ユグロン、フラビオリン、ナフタザリン、ナフトプルプリン、ラパコール、プルンバギン、クロロプルンバギン、ドロセロン、シコニン、2-ヒドロキシ-3-メチル-1,4-ナフトキノン、3,5-ジヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、2,5-ジヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、2-メトキシ-5-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン及び3-メトキシ-5-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノンである。
ベンゾキノンは、好ましくは、スピヌロシン、アトロメンチン、オーレンチオグリオクラジン(aurentioglyocladin)、2,5-ジヒドロキシ-6-メチルベンゾキノン、2-ヒドロキシ-3-メチル-6-メトキシベンゾキノン、2,5-ジヒドロキシ-3,6-ジフェニルベンゾキノン、2,3-ジメチル-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾキノン及び2,5-ジヒドロキシ-6-イソプロピルベンゾキノンである。
アントラキノンは、好ましくは、アリザリン、キニザリン、プルプリン、カルミン酸、クリソファノール、ケルメス酸、レイン、アロエエモジン、プソイドプルプリン、キニザリンカルボン酸、フラングラエモジン、2-メチルキニザリン、1-ヒドロキシアントラキノン及び2-ヒドロキシアントラキノンである。
インジゴイドは、好ましくは、インジゴ、インジルビン、イソインジゴ及びチリアンパープルである。
ヒドロキシフラボンは、好ましくは、クエルセチン及びモリンである。
「合成直接染料」という表現は、化学合成によって生成される、任意の染料又は染料前駆体を意味すると理解される。
直接染料は、酸性(アニオン性)直接染料、塩基性(カチオン性)直接染料、及び中性(非イオン性)直接染料からなる群から選択することができる。
合成染料の非限定的な例は、単独の又は混合物としての、(非イオン性)中性、アニオン性(酸性)、及びカチオン性(塩基性)染料、例えばアゾ、メチン、カルボニル、アジン、ニトロ(ヘテロ)アリールタイプ又はトリ(ヘテロ)アリールメタン直接染料、ポルフィリン及びフタロシアニンを含む。
より特定すると、アゾ染料は、-N=N-官能基を含み、この官能基の2個の窒素原子は、環に同時に関与することはない。しかしながら、-N=N-配列の2個の窒素原子の一方が環に関与することは排除されない。
メチンファミリーの染料は、より特定すると、>C=C<及び-N=C<から選択される少なくとも1つの配列を含む化合物であり、これらの配列の2個の原子は、環に同時に関与することはない。しかしながら、これらの配列の窒素又は炭素原子の一方が環に関与しうることが規定される。より特定すると、このファミリーの染料は、以下のタイプの化合物から生じる:純粋なメチン(1つ又は複数の上述の-C=C-配列を含む);アゾメチン(少なくとも1つ又は複数の-C=N-配列を含む)、例えば、アザカルボシアニン及びそれらの異性体、ジアザカルボシアニン及びそれらの異性体、テトラアザカルボシアニン;モノ-及びジアリールメタン;インドアミン(又はジフェニルアミン);インドフェノール;インドアニリン。
カルボニルファミリーの染料に関しては、例えば、アクリドン、ベンゾキノン、アントラキノン、ナフトキノン、ベンズアントロン、アントラントロン、ピラントロン、ピラゾールアントロン、ピリミジノアントロン、フラバントロン、インダントロン、フラボン、(イソ)ビオラントロン、イソインドリノン、ベンゾイミダゾロン、イソキノリノン、アントラピリドン、ピラゾロキナゾリン、ペリノン、キナクリドン、キノフタロン、ナフタルイミド、アントラピリミジン、ジケトピロロピロール又はクマリン染料から選択される合成染料を挙げることができる。
環状アジンファミリーの染料に関しては、特に、アジン、キサンテン、チオキサンテン、フルオリンジン、アクリジン、(ジ)オキサジン、(ジ)チアジン又はピロニン染料を挙げることができる。
ニトロ(ヘテロ)芳香族染料は、より特定すると、ニトロベンゼン又はニトロピリジン直接染料である。
ポルフィリン又はフタロシアニンタイプの染料に関しては、1種又は複数の金属又は金属イオン、例えば、アルカリ及びアルカリ土類金属、亜鉛並びにケイ素等を任意選択で含む、カチオン性又は非カチオン性化合物を使用することができる。
特に好適な合成直接染料の例として、単独の又は混合物としての、ニトロベンゼン染料、アゾ、アゾメチン若しくはメチン直接染料、アザカルボシアニン、例えばテトラアザカルボシアニン(テトラアザペンタメチン)、キノン、特にアントラキノン、ナフトキノン若しくはベンゾキノン直接染料、又はアジン、キサンテン、トリアリールメタン、インドアミン、フタロシアニン及びポルフィリン直接染料を挙げることができる。なおより好ましくは、これらの合成直接染料は、単独の又は混合物としての、ニトロベンゼン染料、アゾ、アゾメチン又はメチン直接染料及びテトラアザカルボシアニン(テトラアザペンタメチン)から選択される。
本発明に従って使用することができるアゾ、アゾメチン、メチン又はテトラアザペンタメチン直接染料の中では、特許出願WO 95/15144、WO 95/01772及びEP 714 954; FR 2 189 006、FR 2 285 851、FR-2 140 205、EP 1 378 544及びEP 1 674 073に記載されているカチオン性染料を挙げることができる。
したがって、特に、以下の式に対応するカチオン性直接染料を挙げることができる:
Figure 2020169122
[式中、
Dは、窒素原子又は-CH基を表し、
R1及びR2は、同一であるか又は異なり、水素原子;-CN、-OH若しくは-NH2基で置換することができるC1〜C4アルキル基を表すか、又はベンゼン環の炭素原子と共に、1つ若しくは複数のC1〜C4アルキル基で置換することができる任意選択で酸素を含む若しくは窒素を含む複素環;又は4'-アミノフェニル基を形成することができ、
R3及びR'3は、同一であるか又は異なり、水素原子、塩素、臭素、ヨウ素及びフッ素から選択されるハロゲン原子、シアノ基、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基又はアセチルオキシ基を表し、
X-は、好ましくは塩化物イオン、メチル硫酸イオン及び酢酸イオンから選択されるアニオンを表し、
Aは、以下の構造:
Figure 2020169122
(式中、R4は、ヒドロキシル基で置換することができるC1〜C4アルキル基を表す)
から選択される基を表す];
Figure 2020169122
[式中、
R5は、水素原子、C1〜C4アルコキシ基又はハロゲン原子、例えば臭素、塩素、ヨウ素若しくはフッ素を表し、
R6は、水素原子若しくはC1〜C4アルキル基を表すか、又はベンゼン環中の炭素原子と共に、酸素を任意選択で含む及び/若しくは1つ若しくは複数のC1〜C4アルキル基で任意選択で置換されている複素環を形成し、
R7は、水素原子又はハロゲン原子、例えば臭素、塩素、ヨウ素若しくはフッ素を表し、
D1及びD2は、同一であるか又は異なり、窒素原子又は-CH基を表し、
m=0又は1であり、
X-は、好ましくは塩化物イオン、メチル硫酸イオン及び酢酸イオンから選択される化粧品として許容されるアニオンを表し、
Eは、以下の構造:
Figure 2020169122
(式中、R'は、C1〜C4アルキル基を表す)
から選択される基を表し、
m=0であり、D1が窒素原子を表すとき、Eはまた、以下の構造:
Figure 2020169122
(式中、R'は、C1〜C4アルキル基を表す)
を有する基を示すことができる]。
合成直接染料は、蛍光染料から選択することができる。2つ以上のタイプの蛍光染料を組み合わせて使用してもよい。
本発明による蛍光染料は、1つ又は複数の着色及び蛍光発色団を含有する。
いくつかの蛍光染料の使用は、暗色の毛髪上に、従来の親水性又は疎水性の直接染料によるよりも視認性の高い色を得ることを可能にしうる。更に、これらの蛍光染料は、暗色の毛髪に塗布されたとき、毛髪を損傷することなく毛髪を明色化することも可能にしうる。
本明細書で使用する場合、「蛍光染料」という用語は、蛍光化合物及び光学的光沢剤を意味すると理解される。少なくとも1つの実施形態では、蛍光染料は、組成物の媒体に可溶性である。
蛍光染料は、可視放射、例えば400から800nmの範囲の波長を吸収し、より高い波長の可視領域で光を再放出することができる蛍光化合物である。
一実施形態によれば、本発明に有用な蛍光染料は、オレンジ色の蛍光を再放出する。それらは、例として、500から700nmの範囲の最大再放出波長を示す。
蛍光染料の非限定的な例は、当技術分野で公知の化合物、例えば、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry、2004年出版、第7版、「Fluorescent Dyes」章に記載されているものを含む。
本開示の光学的光沢剤は、「光沢剤」、若しくは「蛍光光沢剤」、若しくは「蛍光光沢物質」又は「FWA」、若しくは「蛍光増白物質」、若しくは「増白剤」、若しくは「蛍光増白剤」の名称でも知られており、無色透明の化合物であり、その理由は、可視光を吸収せず、紫外線(200から400ナノメートルの範囲の波長)のみを吸収し、吸収されたエネルギーを、スペクトルの可視部分、一般に青色及び/又は緑色、すなわち400から550ナノメートルの範囲の波長で放出されるより高い波長の蛍光に変換するからである。
光学的光沢剤は、当技術分野で公知であり、例えば、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry (2002年)、「Optical Brighteners」及びKirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology (1995年):「Fluorescent Whitening Agents」に記載されている。
とりわけ挙げることができる可溶性蛍光化合物は、以下のファミリーに属するものを含む:ナフタルイミド、クマリン、キサンテン、特にキサンテノジキノリジン及びアザキサンテン;ナフトラクタム;アズラクトン;オキサジン;チアジン;ジオキサジン;アゾ化合物;アゾメチン;メチン;ピラジン;スチルベン;ケトピロール;並びにピレン。
イオン性質の観点から、直接染料は、酸性直接染料、塩基性直接染料及び中性直接染料からなる群から選択することができ、これは、可能なすべてのタイプの直接染料、例えばいわゆるニトロ染料及びHC染料を包含する。酸性直接染料は、その化学構造中に、アニオン性部分を有する。塩基性直接染料は、その化学構造中に、カチオン性部分を有する。中性直接染料は、非イオン性である。
一実施形態によれば、直接染料は、少なくとも1種の酸性直接染料を含むことが好ましい。
アニオン性直接染料は、それらのアルカリ性物質との親和性のため、「酸性直接染料」として一般的に知られている(例えば、「Industrial Dyes, Chemistry, Properties, Application」、Klaus Hunger編 Wiley-VCH Verlag GmbH & Co KGaA社、Weinheim 2003年を参照されたい)。アニオン性又は酸性染料は、文献で公知である(例えば、「Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry」、Azo Dyes、2005年、Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA社、Weinheim 10.1002/14356007.a03 245、point 3.2;「Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry」、Textile Auxiliaries、2002年、Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA社、Weinheim 10.1002/14356007.a26 227及び「Ashford's Dictionary of Industrial Chemicals」、第2版、14頁〜39頁、2001年を参照されたい)。
「アニオン性直接染料」という用語は、その構造中に、少なくとも1つのスルホネート基SO3 -及び/又は少なくとも1つのカルボキシレート基C(O)O-及び/又は少なくとも1つのホスホネート基P(=O)O-O-及び任意選択で1つ又は複数のアニオン性基G-[G-は、同一であっても異なっていてもよく、アルコキシドO-、チオアルコキシドS-、ホスホネート、カルボキシレート及びチオカルボキシレート:C(Q)Q'-(Q及びQ'は、同一であっても異なっていてもよく、酸素又は硫黄原子を表す)から選択されるアニオン性基を表し、好ましくは、G-は、カルボキシレートを表し、すなわちQ及びQ'は、酸素原子を表す]を含む、任意の直接染料を意味する。
本発明の配合物の好ましいアニオン性染料は、酸性ニトロ直接染料、酸性アゾ染料、酸性アジン染料、酸性トリアリールメタン染料、酸性インドアミン染料、酸性アントラキノン染料、アニオン性スチリル染料及びインジゴイド並びに酸性天然染料から選択され、これらの染料の各々は、カチオン性対イオンX+を保持する少なくとも1つのスルホネート、ホスホネート又はカルボキシレート基を含有し、ここで、X+は、好ましくはアルカリ及びアルカリ土類金属から選択される有機又は無機のカチオン性対イオン、例えばNa+及びK+を表す。
好ましい酸性染料は、以下から選択することができる:
a)式(II)又は(II')のジアリールアニオン性アゾ染料:
Figure 2020169122
[式(II)及び(II')中、
・R7、R8、R9、R10、R'7、R'8、R'9及びR'10は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は
- アルキル;
- アルコキシ、アルキルチオ;
- ヒドロキシル、メルカプト;
- ニトロ;
- R°-C(X)-X'-、R°-X'-C(X)-、R°-X'-C(X)-X''-{R°は、水素原子又はアルキル若しくはアリール基を表し、X、X'及びX''は、同一であっても異なっていてもよく、酸素若しくは硫黄原子、又はNR(Rは、水素原子又はアルキル基を表す)を表す};
- 先に定義した(O)2S(O-)-, X+;
- 先に定義した(O)CO--, X+;
- 先に定義した(O)P(O2 -)-, 2X+;
- R''-S(O)2-(R''は、水素原子又はアルキル、アリール、(ジ)(アルキル)アミノ若しくはアリール(アルキル)アミノ基、好ましくはフェニルアミノ又はフェニル基を表す);
- R'''-S(O)2-X'-(R'''は、アルキル又は任意選択で置換されているアリール基を表し、X'は、先に定義した通りである);
- (ジ)(アルキル)アミノ;
- i)ニトロ、ii)ニトロソ、iii)(O)2S(O-)-, X+、及びiv)X+を伴うアルコキシから選択される1つ又は複数の基で任意選択で置換されているアリール(アルキル)アミノ;
- 任意選択で置換されているヘテロアリール、好ましくはベンゾチアゾリル基;
- シクロアルキル、とりわけシクロヘキシル;
- Ar-N=N-(Arは、任意選択で置換されているアリール基、好ましくは1つ又は複数のアルキル、(O)2S(O-)-, X+又はフェニルアミノ基で任意選択で置換されているフェニルを表す)
から選択される基を表すか、
- 或いは、2つの隣接する基R7とR8、又はR8とR9、又はR9とR10は、一緒になって、縮合ベンゾ基A'を形成し、R'7とR'8、又はR'8とR'9、又はR'9とR'10は、一緒になって、縮合ベンゾ基B'を形成し、A'及びB'は、i)ニトロ、ii)ニトロソ、iii)(O)2S(O-)-, X+、iv)ヒドロキシル、v)メルカプト、vi)(ジ)(アルキル)アミノ、vii)R°-C(X)-X'-、viii)R°-X'-C(X)-、ix)R°-X'-C(X)-X''-、x)Ar-N=N-及びxi)任意選択で置換されているアリール(アルキル)アミノから選択される1つ又は複数の基で任意選択で置換されており、X+、R°、X、X'、X''及びArは、先に定義した通りであり、
・Wは、シグマ結合σ、酸素若しくは硫黄原子、又は二価基i)-NR-(Rは、先に定義した通りである)、若しくはii)メチレン-C(Ra)(Rb)-を表し、Ra及びRbは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子若しくはアリール基を表すか、或いは、Ra及びRbは、それらを保持する炭素原子と一緒になって、スピロシクロアルキルを形成し、好ましくは、Wは、硫黄原子を表すか、又はRa及びRbは、一緒になって、シクロヘキシルを形成し、
式(II)及び(II')は、少なくとも1つのスルホネート(O)2S(O-)-, X+又はホスホネート(O)P(O2 -) 2X+又はカルボキシレート(O)C(O-)-, X+基を、環A、A'、B、B'又はCの1つに含み、X+は、先に定義した通りであることが理解され、
式(II)の染料の例として、Acid Red 1、Acid Red 4、Acid Red 13、Acid Red 14、Acid Red 18、Acid Red 27、Acid Red 32、Acid Red 33、Acid Red 35、Acid Red 37、Acid Red 40、Acid Red 41、Acid Red 42、Acid Red 44、Acid Red 68、Acid Red 73、Acid Red 135、Acid Red 138、Acid Red 184、Food Red 1、Food Red 13、Food Red 17、Acid Orange 6、Acid Orange 7、Acid Orange 10、Acid Orange 19、Acid Orange 20、Acid Orange 24、Acid Yellow 9、Acid Yellow 36、Acid Yellow 199、Food Yellow 3、Acid Violet 7、Acid Violet 14、Acid Blue 113、Acid Blue 117、Acid Black 1、Acid Brown 4、Acid Brown 20、Acid Black 26、Acid Black 52、Food Black 1、Food Black 2、Pigment Red 57を挙げることができ、
式(II')の染料の例として、Acid Red 111、Acid Red 134、及びAcid Yellow 38を挙げることができる];
b)式(III)及び(III')のアントラキノン染料:
Figure 2020169122
[式(III)及び(III')中、
・R22、R23、R24、R25、R26及びR27は、同一であっても異なっていてもよく、水素若しくはハロゲン原子又は
- アルキル;
- ヒドロキシル、メルカプト;
- アルコキシ、アルキルチオ;
- 任意選択で置換されている、好ましくはアルキル及び(O)2S(O-)-, X+(X+は、先に定義した通りである)から選択される1つ又は複数の基で置換されているアリールオキシ又はアリールチオ;
- アルキル及び(O)2S(O-)-, X+(X+は、先に定義した通りである)から選択される1つ又は複数の基で任意選択で置換されているアリール(アルキル)アミノ;
- (ジ)(アルキル)アミノ;
- (ジ)(ヒドロキシアルキル)アミノ;
- (O)2S(O-)-, X+(X+は、先に定義した通りである)
から選択される基を表し、
・Z'は、水素原子又はNR28R29基を表し、R28及びR29は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は
- アルキル;
- ポリヒドロキシアルキル、例えばヒドロキシエチル;
- 1つ又は複数の基、特にi)アルキル、例えばメチル、n-ドデシル、n-ブチル、ii)(O)2S(O-)-, X+(X+は、先に定義した通りである)、iii)R°-C(X)-X'-、R°-X'-C(X)-、R°-X'-C(X)-X''-(R°、X、X'及びX''は、先に定義した通りであり、好ましくは、R°は、アルキル基を表す)で任意選択で置換されているアリール;
- シクロアルキル、とりわけシクロヘキシル
から選択される基を表し、
・Zは、ヒドロキシル及びNR'28R'29から選択される基を表し、R'28及びR'29は、同一であっても異なっていてもよく、先に定義したR28及びR29と同じ原子又は基を表し、
式(III)及び(III')は、少なくとも1つのスルホネート基(O)2S(O-)-, X+を含み、X+は、先に定義した通りであることが理解され、
式(III)の染料の例として、Acid Blue 25、Acid Blue 43、Acid Blue 62、Acid Blue 78、Acid Blue 129、Acid Blue 138、Acid Blue 140、Acid Blue 251、HC Blue 16(これはカチオン性アントラキノン染料である)、Acid Green 25、Acid Green 41、Acid Violet 42、Acid Violet 43、Mordant Red 3、及びEXT Violet 2を挙げることができ、
式(III')の染料の例として、Acid Black 48を挙げることができる];
並びに
c)式(IV)のキノリンベース染料:
Figure 2020169122
[式(IV)中、
・R61は、水素若しくはハロゲン原子又はアルキル基を表し、
・R62、R63及びR64は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は(O)2S(O-)-, X+基を表し、X+は、先に定義した通りであるか、
・或いは、R61とR62、又はR61とR64は、一緒になって、1つ又は複数の(O)2S(O-)-, X+基で任意選択で置換されているベンゾ基を形成し、X+は、先に定義した通りであり、
・Gは、酸素若しくは硫黄原子又はNRe基を表し、Reは、水素原子又はアルキル基を表し、特に、Gは、酸素原子を表し、
式(IV)は、少なくとも1つのスルホネート基(O)2S(O-)-, X+を含み、X+は、先に定義した通りであることが理解され、
式(IV)の染料の例として、Acid Yellow 2、Acid Yellow 3及びAcid Yellow 5を挙げることができる];
d)式(Va)又は(V'a)のトリアリールメタン染料
本発明によるトリアリールメタン直接染料は、下記の式(Va)及び(V'a)のカチオン性染料:
Figure 2020169122
並びに更にその有機又は無機の酸又は塩基付加塩、その幾何異性体、光学異性体及び互変異性体、及びそのメソメリー型、及びその溶媒和物、例えば水和物であり、
下記の式(Va)及び(V'a)中、
R1、R2、R3及びR4は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は以下の基:好ましくはヒドロキシル基で任意選択で置換されている(C1〜C6)アルキル;アリール、例えばフェニル、アリール(C1〜C4)アルキル、例えばベンジル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1〜C4)アルキルの1つを表すか、或いは、同じ窒素原子によって保持されている2つの基R1及びR2、並びに/又はR3及びR4は、それらを保持する窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されているヘテロシクロアルキル基、例えばモルホリノ、ピペラジノ又はピペリジノを形成し、好ましくは、R1、R2、R3及びR4は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は(C1〜C4)アルキル基を表し、
R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、及びR16は、同一であっても異なっていてもよく、水素若しくはハロゲン原子、又はi)ヒドロキシル、ii)チオール、iii)アミノ、iv)(ジ)(C1〜C4)(アルキル)アミノ、v)(ジ)アリールアミノ、例えば(ジ)フェニルアミノ、vi)ニトロ、vii)アシルアミノ(-NR-C(O)R')(式中、R基は、水素原子、少なくとも1つのヒドロキシル基を任意選択で保持するC1〜C4アルキル基であり、R'基は、C1〜C2アルキル基である);viii)カルバモイル((R)2N-C(O)-)(式中、R基は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は少なくとも1つのヒドロキシル基を任意選択で保持するC1〜C4アルキル基を表す);ix)カルボン酸又はカルボン酸エステル、(-O-C(O)R')又は(-C(O)OR')(式中、R'基は、水素原子又は少なくとも1つのヒドロキシル基を任意選択で保持するC1〜C4アルキル基であり、R'基は、C1〜C2アルキル基である);x)特にヒドロキシル基で任意選択で置換されているアルキル;xi)アルキルスルホニルアミノ(R'SO2-NR-)(式中、R基は、水素原子又は少なくとも1つのヒドロキシル基を任意選択で保持するC1〜C4アルキル基を表し、R'基は、C1〜C4アルキル基、フェニル基を表す);xii)アミノスルホニル((R)2N-SO2-)(式中、R基は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は少なくとも1つのヒドロキシル基を任意選択で保持するC1〜C4アルキル基を表す);xiii)(C1〜C4)アルコキシ;及びxiv)(C1〜C4)アルキルチオから選択される基を表すか、
或いは、2つの隣接する炭素原子によって保持されている2つの基R5及びR6並びに/又はR7及びR8並びに/又はR9及びR10並びに/又はR11及びR12並びに/又はR13及びR14並びに/又はR15及びR16は、それらを保持する炭素原子と一緒になって、アリール又はヘテロアリール、好ましくはベンゾ、6員縮合環を形成し、前記環はまた、場合により任意選択で置換されており、好ましくは非置換のベンゾ環であり、
Q-は、分子の電子中性を達成するための、好ましくはハロゲン化物イオン、例えば塩化物イオン又は臭化物イオン、及びリン酸イオンから選択される先に定義したアニオン性対イオンを表し、
カチオン性染料が1つ又は複数のアニオン性置換基、例えばCOOR又はSO3R(Rは、水素又はカチオンを示す)を含むとき、トリアリールメタン構造の全体としての得られる電荷がカチオン性になり、Q-によって釣り合いが取られるように、アニオン性置換基よりも多くのカチオン性置換基が存在することが理解される。
更により好ましくは、本発明の直接染料a)は、式(Va)及び(V'a)から、例えばHC Blue 15(これは中性トリアリールメタン直接染料である)、
Figure 2020169122
から選択される。
好ましい一実施形態によれば、直接染料a)は、式(Va)又は(V'a)のトリアリールメタン染料から選択され、式中、単独で又は別個に、
R1、R2、R3及びR4は、水素原子又は(C1〜C4)アルキル基、例えばメチル又はエチルを表し、
R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、及びR16は、水素原子、ハロゲン原子、例えば塩素、又は(C1〜C4)アルキル基、例えばメチル若しくはエチル、アミノ基、(ジ)(C1〜C4)(アルキル)アミノ基を表し、好ましくは、R9、R10、R11又はR12基の少なくとも1つは、水素原子、ハロゲン原子(Cl)、又はアミノ基、又は(C1〜C4)(アルキル)アミノ若しくは(ジ)(C1〜C4)(アルキル)アミノ基を表し、好ましくはフェニル基に対してパラ位にある。
好ましくは、トリアリールメタン構造の直接染料は、Basic Violet 1、Basic Violet 2、Basic Violet 3、Basic Violet 4、Basic Violet 14、Basic Blue 1、Basic Blue 7、Basic Blue 26、Basic Green 1、Basic Blue 77(HC Blue 15とも呼ばれる)、及びそれらの混合物から選択される。
酸性直接染料は、Yellow 5、Orange 4、EXT. Violet 2、Acid Black 1及びAcid Violet 43(CI 60730)からなる群から選択されることが好ましい。
一実施形態によれば、直接染料は、少なくとも1種の塩基性直接染料を含むことが好ましい。
本発明において使用することができる塩基性直接染料は、Basic Blue 3、Basic Blue 6、Basic Blue 7、Basic Blue 9、Basic Blue 26、Basic Blue 41、Basic Blue 99、Basic Brown 4、Basic Brown 16、Basic Brown 17、Basic Green 1、Basic Green 4、Basic Orange 1、Basic Orange 2、Basic Red 1、Basic Red 2、Basic Red 22、Basic Red 46、Basic Red 76、Basic Red 118、Basic Violet 1、Basic Violet 3、Basic Violet 4、Basic Violet 10、Basic Violet 11、Basic Violet 14、Basic Violet 16、Basic Yellow 11、Basic Yellow 28、及びBasic Yellow 57を含むことができるが、これらに限定されない。
一実施形態によれば、直接染料は、少なくとも1種の中性(非イオン性)直接染料を含むことが好ましい。
本発明において使用することができる中性(非イオン性)直接染料は、ニトロ染料、例えば4-アミノ-3-ニトロフェノール、2-アミノ-5-ニトロフェノール、2-ニトロ-5-グリセリルメチルアニリン、3-メチルアミノ-4-ニトロフェノキシエタノール、4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール、HC染料、例えばHC Yellow 2、HC Yellow 4、HC Yellow 5、HC Yellow 9、Yellow 10、HC Red 1、HC Red 3、HC Red 7、HC Red 10、HC Red 7、HC Red 11、HC Blue 2、HC Blue 12、HC Blue 14、HC Orange 1、HC Orange 2、HC Violet 1、HC Violet 2、及び分散染料を含むことができるが、これらに限定されない。
分散染料の例は、Disperse Black 9、Disperse Blue 1、Disperse Blue 3、Disperse Blue 7、Disperse Brown 4、Disperse Orange 3、Disperse Red 11、Disperse Red 15、Disperse Red 17、Disperse Violet 1、Disperse Violet 4、及びDisperse Violet 15を含みうるが、これらに限定されない。
本発明の好ましい一実施形態では、直接染料は、酸性、塩基性又は中性の合成直接染料、例えば酸性、塩基性又は中性のアントラキノン、ニトロピリジン、アゾ、キサンテン、アクリジン、アジン又はトリアリールメタン直接染料から選択される。
直接染料は、本発明の染料組成物中に、組成物の総質量に対して、0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上;10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下の量で含まれてもよい。
直接染料は、本発明の第1の組成物中に、組成物の総質量に対して、0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上;10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下の量で含まれてもよい。
(脂肪物質)
本発明の染料組成物は、少なくとも1種の脂肪物質を含むことができる。2種以上の脂肪物質を組み合わせて使用してもよい。したがって、単一のタイプの脂肪物質、又は異なるタイプの脂肪物質の組合せを使用することができる。
「脂肪物質」という用語は、常温(25℃)及び大気圧(760mmHg)で水に不溶性(溶解度5%未満、好ましくは1%、更により優先的には0.1%)である有機化合物を意味する。
脂肪物質は、液体又は固体の形態であってよい。本明細書において、「液体」及び「固体」は、脂肪物質が、大気圧(760mmHg又は105Pa)下室温(25℃)で、それぞれ液体若しくはペースト(非固体)又は固体の形態であることを意味する。脂肪物質は、室温及び大気圧下で、ペースト又は固体の形態、好ましくは固体の形態の少なくとも1種の脂肪物質を含むことが好ましい。
脂肪物質は、動物又は植物起源の油、鉱油、合成グリセリド、動物又は植物油及び合成グリセリド以外の脂肪アルコール及び/又は脂肪酸のエステル、脂肪アルコール、脂肪酸、シリコーン油、並びに脂肪族炭化水素からなる群から選択することができる。これらの脂肪物質は、揮発性であっても不揮発性であってもよい。好ましくは、脂肪物質は、動物又は植物起源の油、合成グリセリド、動物又は植物油及び合成グリセリド以外の脂肪エステル、脂肪アルコール、脂肪酸、シリコーン油、並びに脂肪族炭化水素からなる群から選択される。より好ましくは、(b)脂肪物質は、脂肪アルコール、脂肪族炭化水素、好ましくは鉱油、及びそれらの混合物から選択される。
脂肪族炭化水素の例として、例えば、直鎖状又は分枝状の炭化水素、例えば鉱油(例えば、流動パラフィン)、パラフィン、ワセリン又はペトロラタム、ナフタレン等;水添ポリイソブテン、イソエイコサン、ポリデセン、水添ポリイソブテン、例えばParleam、及びデセン/ブテンコポリマー;並びにそれらの混合物を挙げることができる。
他の脂肪族炭化水素の例として、直鎖状若しくは分枝状、又は場合により環状のC6〜C16低級アルカンも挙げることができる。挙げることができる例は、ヘキサン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン並びにイソパラフィン、例えばイソヘキサデカン、イソデカン、及びC13〜C14イソパラフィンを含む。
合成グリセリドの例として、例えば、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例としてStearineries Dubois社によって販売されているもの又はDynamit Nobel社によってMiglyol(登録商標)810、812及び818の名称で販売されているものを挙げることができる。
シリコーン油の例として、例えば、直鎖状オルガノポリシロキサン、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等;環状オルガノポリシロキサン、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等;及びそれらの混合物を挙げることができる。
植物油の例として、例えば、アマニ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、ヒマワリ油、アプリコット油、ダイズ油、アララ油(arara oil)、ヘーゼルナッツ油、コーン油、ミンク油、オリーブ油、アボカド油、サザンカ油、ヒマシ油、サフラワー油、ホホバ油、アーモンド油、ブドウ種子油、ゴマ油、ピーナッツ油、及びそれらの混合物を挙げることができる。動物油の例として、例えば、スクアレン、ペルヒドロスクアレン及びスクアランを挙げることができる。
有利には上述の動物又は植物油及び合成グリセリドとは異なる、脂肪酸及び/又は脂肪アルコールのエステルの例として、とりわけ、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC1〜C26脂肪族一酸又は多酸と、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC1〜C26脂肪族モノ-又はポリアルコールとのエステルを挙げることができ、エステルの総炭素数は、10以上である。
モノエステルの中では、ベヘン酸ジヒドロアビエチル;ベヘン酸オクチルドデシル;ベヘン酸イソセチル;乳酸セチル;乳酸アルキル(C12〜C15);乳酸イソステアリル;乳酸ラウリル;乳酸リノレイル;乳酸オレイル;オクタン酸(イソ)ステアリル;オクタン酸イソセチル;オクタン酸オクチル;オクタン酸セチル;オレイン酸デシル;イソステアリン酸イソセチル;ラウリン酸イソセチル;ステアリン酸イソセチル;オクタン酸イソデシル;オレイン酸イソデシル;イソノナン酸イソノニル;パルミチン酸イソステアリル;アセチルリシノレイン酸メチル;ステアリン酸ミリスチル;イソノナン酸オクチル;イソノナン酸2-エチルヘキシル;パルミチン酸オクチル;ペラルゴン酸オクチル;ステアリン酸オクチル;エルカ酸オクチルドデシル;エルカ酸オレイル;パルミチン酸エチル及びイソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-オクチルデシル、ミリスチン酸アルキル、例えばミリスチン酸イソプロピル、ブチル、セチル、2-オクチルドデシル、ミリスチル又はステアリル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソブチル;リンゴ酸ジオクチル、ラウリン酸ヘキシル、及びラウリン酸2-ヘキシルデシルを挙げることができる。
本組成物はまた、脂肪エステルとして、C6〜C30、好ましくはC12〜C22脂肪酸の糖エステル及びジエステルを含んでもよい。「糖」という用語は、アルデヒド又はケトン官能基の有無にかかわらず、いくつかのアルコール官能基を含有し、少なくとも4個の炭素原子を含有する、酸素保持炭化水素系化合物を意味する。これらの糖は、単糖、オリゴ糖又は多糖であってよい。
挙げることができる好適な糖の例は、スクロース(又はサッカロース)、グルコース、ガラクトース、リボース、フルクトース、マルトース、マンノース、アラビノース、キシロース及びラクトース、並びにそれらの誘導体、とりわけ、アルキル誘導体、例えばメチル誘導体、例としてメチルグルコースを含む。
脂肪酸の糖エステルは、とりわけ、先に記載した糖と、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のC6〜C30、好ましくはC12〜C22脂肪酸とのエステル又はエステル混合物を含む群から選択することができる。それらが不飽和である場合、これらの化合物は、1から3つの共役又は非共役の炭素-炭素二重結合を含むことができる。
これらのエステルは、例えば、オレイン酸エステル、ラウリン酸エステル、パルミチン酸エステル、ミリスチン酸エステル、ベヘン酸エステル、ヤシ脂肪酸エステル、ステアリン酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステル、カプリン酸エステル及びアラキドン酸エステル、又はそれらの混合物、例えば、とりわけオレオ-パルミチン酸、オレオ-ステアリン酸及びパルミト-ステアリン酸の混合エステルから選択することができる。
脂肪物質は、少なくとも1種の脂肪アルコールを含んでもよく、2種以上の脂肪アルコールを使用してもよい。
「脂肪アルコール」という用語は、本明細書において、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状の、任意のC8〜C30脂肪アルコールを意味し、これは、特に1つ又は複数のヒドロキシル基(特に1から4つ)で任意選択で置換されている。それらが不飽和である場合、これらの化合物は、1から3つの共役又は非共役の炭素-炭素二重結合を含むことができる。
C8〜C30脂肪アルコールの中では、例えば、C12〜C22脂肪アルコールが使用される。これらの中では、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、リノレイルアルコール、ウンデシレニルアルコール、パルミトレイルアルコール、リノレニルアルコール、ミリスチルアルコール、アラキドニルアルコール及びエルシルアルコール、並びにそれらの混合物を挙げることができる。一実施形態では、セチルアルコール、ステアリルアルコール又はそれらの混合物(例えば、セテアリルアルコール)、及びミリスチルアルコールを、固体脂肪物質として使用することができる。別の実施形態では、イソステアリルアルコールを、液体脂肪物質として使用することができる。
脂肪物質は、ワックスであってもよい。本明細書において、「ワックス」は、脂肪物質が、大気圧(760mmHg)下室温(25℃)で実質的に固体の形態であり、一般に35℃以上の融点を有することを意味する。ワックス状脂肪物質として、化粧品において一般に使用されるワックスを、単独で又はそれらを組み合わせて使用することができる。
脂肪物質は、本発明の染料組成物中に、組成物の総質量に対して、1質量%以上、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更により好ましくは4質量%以上;20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下の量で含まれてもよい。
脂肪物質は、本発明の第1の組成物中に、組成物の総質量に対して、1質量%以上、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更により好ましくは4質量%以上;20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下の量で含まれてもよい。
(他の成分)
本発明の染料組成物はまた、少なくとも1種の追加の成分を含んでもよい。
追加の成分は、水;有機溶媒、特に水溶性有機溶媒;カチオン性、アニオン性、非イオン性又は両性界面活性剤;増粘剤;カチオン性、アニオン性、非イオン性又は両性ポリマー;浸透剤;脱毛に対抗するための薬剤;抗フケ剤;会合型又は非会合型で天然又は合成の、脂肪物質のための増粘剤;懸濁化剤;キレート又は封鎖剤;乳白剤;直接染料以外の染料;香料;保存剤、例えばジグルコン酸クロルヘキシジン及びフェノキシエタノール;安定剤;並びにそれらの混合物からなる群から選択することができる。
本発明の染料組成物は、典型的には、水を含む。
染料組成物中の水の量は、組成物の総質量に対して、50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更により好ましくは80質量%以上;99質量%以下、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下であってもよい。
本発明の染料組成物は、アニオン性、カチオン性、両性又は非イオン性の会合性又は非会合性ポリマー、例えば糖、特にセルロース系ポリマー、例えばヒドロキシエチルセルロース;及び会合性ポリウレタン、例えばポリウレタン-39でありうる1種又は2種以上の増粘剤を含んでもよい。
染料組成物中の増粘剤の量は、組成物の総質量に対して、0.01から20質量%、好ましくは0.1から15質量%、より好ましくは0.5から10質量%であってもよい。
本発明の染料組成物は、1種又は2種以上のカチオン性、アニオン性、非イオン性又は両性界面活性剤を含んでもよい。カチオン性界面活性剤は、第四級アンモニウム及び二アンモニウム塩、例えばセトリモニウムクロリドから選択することができる。非イオン性界面活性剤は、ポリエトキシル化脂肪アルコール又はポリグリセロール化脂肪アルコール、例えばステアリルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ2から20個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名としては、ステアレス-2からステアレス-20)から選択することができる。
染料組成物中の界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、0.1から20質量%、好ましくは0.2から15質量%、より好ましくは0.5から10質量%であってもよい。
(b)還元組成物
本発明の(b)還元組成物は、少なくとも1種の還元剤を含む。加えて、好ましくは、(b)還元組成物は、そのpHを調整するための少なくとも1種のアルカリ剤を含む。
還元組成物のpHは、化粧品の分野において一般的に使用されるアルカリ剤及び/又は酸性剤を使用して、所望の値に調整することができる。
本発明の還元組成物のpHは、8.0から12.0、好ましくは8.5から11.0、より好ましくは9.0から10.0であることが好ましい。
還元組成物は、エマルション(O/W若しくはW/O型)、水性ゲル、水溶液、ローション、乳液、クリーム、フォーム、ペースト、セラム等の形態で提供することができる。エマルション形態は、好ましくは、匂いを低減するためのものである。
(還元剤)
第2の組成物は、少なくとも1種の還元剤を含む。単一のタイプの還元剤を使用してもよく、又は2つ以上の異なるタイプの還元剤を組み合わせて使用してもよい。
還元剤として、化粧品の分野における任意の従来の還元剤を使用することができる。
還元剤は、チオール還元剤及び非チオール還元剤から選択することができる。
- チオール還元剤
「チオール還元剤」は、本明細書において、少なくとも1つのチオール基を有する還元剤を意味する。
チオール還元剤は、好ましくは、チオグリコール酸及びその誘導体、特にそのエステル、例えばモノチオグリコール酸グリセロール又はグリコール;チオ乳酸及びその誘導体、特にそのエステル、例えばモノチオ乳酸グリセロール;3-メルカプトプロピオン酸及びその誘導体、特にそのエステル、例えば3-メルカプトプロピオン酸グリセロール及び3-メルカプトプロピオン酸エチレングリコール;システアミン及びその誘導体、特にそのC1〜4アシル誘導体、例えばN-アセチルシステアミン及びN-プロピオニルシステアミン;モノ-チオグリセロール及びその誘導体、特にエステル;システイン及びその誘導体、特にエステル、例えばN-アセチルシステイン、N-アルカノイルシステイン及びシステインアルキルエステル;チオグリセリン及びその誘導体、特にs-アルキル誘導体、並びにそれらの塩;メルカプトコハク酸及びその誘導体、例えば2,3-ジメルカプトコハク酸、N-(メルカプトアルキル)スクシンアミド酸誘導体、N-(メルカプトアルキル)スクシンイミド酸誘導体、及びN-(メルカプトアルキル)スクシンアミド酸誘導体;N-メルカプトアルキルアルカンジアミド;ホルムアミジンスルフィン酸及びその誘導体;並びにそれらの塩からなる群から選択することができる。
上記の塩として、例えば、アンモニウム塩;第一級、第二級又は第三級アミン塩;アルカリ金属塩、例えばナトリウム及びカリウム塩;並びに、アルカリ土類金属塩、例えばマグネシウム及びカルシウム塩、アミン塩及びアミノアルコール塩を挙げることができる。第一級、第二級又は第三級アミンとして、例えば、それぞれ、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン又はトリエタノールアミンを挙げることができる。
本発明のための化粧用組成物において使用することができるチオール還元剤の他の好適な例は、糖N-メルカプトアルキルアミド、例えばN-(メルカプト-2-エチル)グルコンアミド、β-メルカプトプロピオン酸及びそれらの誘導体;チオリンゴ酸;パンテテイン;N-(メルカプトアルキル)ω-ヒドロキシアルキルアミド、例えば欧州特許出願第0 354 835号に記載されているもの及びN-モノ-又はN,N-ジアルキルメルカプト4-ブチルアミド、例えば欧州特許出願第0 368 763号に記載されているもの;アミノメルカプトアルキルアミド、例えば欧州特許出願第0 432 000号に記載されているもの及びアルキルアミノメルカプトアルキルアミド、例えば欧州特許出願第0 514 282号に記載されているもの;(2/3)ヒドロキシ-2プロピルチオグリコレート;仏国特許出願第2 679 448号に記載されているヒドロキシ-2メチル-1エチルチオグリコレート系混合物(67/33);並びにチオグリコール酸2-ヒドロキシプロピルとチオグリコール酸(2-ヒドロキシ-1-メチル)エチルとの共沸混合物を含むが、これらに限定されない。
還元剤は、チオグリコール酸、チオ乳酸、モノチオグリコール酸グリセリル、システアミン、N-アセチルシステアミン、N-プロピオニルシステアミン、システイン、N-アセチルシステイン、チオリンゴ酸、パンテテイン、2,3-ジメルカプトコハク酸、N-(メルカプトアルキル)-ω-ヒドロキシアルキルアミド、N-モノ-又はN,N-ジアルキルメルカプト4-ブチルアミド、アミノメルカプトアルキルアミド、N-(メルカプトアルキル)スクシンアミド酸誘導体、N-(メルカプトアルキル)コハク酸誘導体、N-(メルカプトアルキル)スクシンイミド酸誘導体、アルキルアミノメルカプトアルキルアミド、チオグリコール酸2-ヒドロキシプロピルとチオグリコール酸(2-ヒドロキシ-1-メチル)エチルとの共沸混合物、メルカプトアルキルアミノアミド、N-メルカプトアルキルアルカンジアミド、ホルムアミジンスルフィン酸誘導体、並びにそれらの塩、特にアンモニウム塩、例えばチオグリコール酸アンモニウム及びチオ乳酸アンモニウムからなる群から選択されることが好ましい。
- 非チオール還元剤
「非チオール還元剤」は、本明細書において、チオール基を有さない還元剤を意味する。
非チオール還元剤は、好ましくは、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、スルフィネート、ホスフィン、糖、レダクトン及び水素化物からなる群から選択することができる。より好ましくは、非チオール還元剤は、アンモニウムの亜硫酸塩及び亜硫酸水素塩、並びに金属の亜硫酸塩及び亜硫酸水素塩、より好ましくはアルカリ金属又はアルカリ土類金属の亜硫酸塩及び亜硫酸水素塩、より好ましくは亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウムから選択することができる。
スルフィネートとして、スルフィン酸塩及びベンゼンスルフィン酸塩、例えばそれらのナトリウム塩を挙げることができる。FR-A-2814948に記載されているスルフィン酸誘導体を使用することもできる。好ましいスルフィネート化合物は、2-ヒドロキシ-2-スルフィナト酢酸、二ナトリウム塩である。
ホスフィンとして、FR-A-2870119に記載されているモノホスフィン及びジホスフィンを挙げることができる。本発明の特定の一実施形態によれば、ホスフィンは、下記の式(I)の化合物:
Figure 2020169122
[式中、
Lは、共有結合又は酸素原子、硫黄原子、窒素原子及びケイ素原子から選択される1個若しくは複数のヘテロ原子を任意選択で含む二価炭化水素系基を表すリンカーであり、
mは、0又は1に等しい整数であり、
qは、1又は2に等しい整数であり、
pは、0又は1に等しい整数であり、
R31、R32及びR33は、同一であっても異なっていてもよく、
水素原子;
ハロゲン原子;
ヒドロキシル基;
カルボキシル基;
一価炭化水素系基であって、硫黄原子、酸素原子、窒素原子、リン原子及びケイ素原子から選択される1個又は複数のヘテロ原子を任意選択で含み、以下:
ハロゲン原子、
ヒドロキシル基、
アルコキシ基、
ハロアルキル基、
アミノ基、
カルボキシル基、
アルコキシカルボニル基、
アミド基、
アルキルアミノカルボニル基、
アシルアミノ基、
モノ-又はジ(アルキル)アミノ基、
モノ-又はジ(ヒドロキシアルキル)アミノ基、
N-アリール-N-アルキルアミノ基、
非置換の、又はハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基及びモノ-若しくはジ(アルキル)アミノ基から選択される1つ若しくは複数の基で置換されている芳香族又はヘテロ芳香族環、
シアノ基、
ホスフィンの水への溶解性を高める基、例えばスルホネート、スルフィネート、ホスホネート又はカルボキシレート基、
置換又は非置換の芳香族又は非芳香族複素環基;
置換又は非置換のアリール基;
置換又は非置換のアリールアルキル基;
アリールアルキルオキシ基;
置換又は非置換の芳香族又は非芳香族複素環基;
シリル基
から選択される1つ又は複数の基で任意選択で置換されている、一価炭化水素系基
を表し、
q=1であるとき、m=0、且つp=1であり、
q=2であるとき、m=1、且つp=0又は1であり、この場合、
p=0であるとき、リンカーLは、リン原子に付着しており、
p=1であるとき、リンカーLは、R31、R32及びR33基の1つに付着している
ことが理解される]
及びその酸付加塩から選択することができる。
上記の定義すべてにおいて、基が置換されているとき、置換基は、ハロ、ヒドロキシル、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アミノ、モノ-又はジアルキルアミノ、モノ-又はジヒドロキシアルキルアミノ及びカルボキシルから選択される。例えば、p-メトキシフェニル基は、置換アリール基である。
好ましくは、R31、R32及びR33基は、同時に水素原子を表すことはない。
有利には、但し任意選択で、R31、R32及びR33基の少なくとも1つは、炭化水素系基として、任意選択で置換されているアルキル基を示す。
本発明に関連して有用であるホスフィンは、強鉱酸、例としてHCl、HBr、H2SO4若しくはHBF4、又は有機酸、例として酢酸、乳酸、酒石酸、クエン酸若しくはコハク酸で任意選択で塩化されていてもよい。
本発明の特定の一実施形態によれば、本発明に関連して有用であるホスフィンは、モノホスフィンから選択される。例えば、ホスフィンが式(I)のものであるとき、qは、好ましくは1に等しい。
本発明の別の特定の実施形態によれば、本発明に関連して有用であるホスフィンは、ジホスフィンである。ホスフィンが式(I)のものであるとき、qは、好ましくは2に等しい。
好ましくは、pは、0に等しく、リンカーLは、共有結合又はビナフチレン基;メチレン基;エチレン基;プロピレン基;ブチレン基;ペンチレン基;へキシレン基;フェニレン基;メタ-ジメチレンベンゼン基;N-メチル-N'-メチルヒドラゾ基;ビニレン基;及びジエチレンオキシ基から選択される二価基である。
好ましい非チオール系還元剤は、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩及びホスフィンから選択される。
還元剤は、本発明の還元組成物中に、組成物の総質量に対して、1質量%以上、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上;30質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下の量で含まれてもよい。
還元剤は、本発明の第1の組成物中に、組成物の総質量に対して、0.1質量%以上、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上;10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下の量で含まれてもよい。
(アルカリ剤)
本発明の還元組成物は、少なくとも1種のアルカリ剤を更に含んでもよい。2種以上のアルカリ剤を組み合わせて使用してもよい。したがって、単一のタイプのアルカリ剤、又は異なるタイプのアルカリ剤の組合せを使用することができる。
アルカリ剤は、無機アルカリ剤であってもよい。無機アルカリ剤は、アンモニア;アルカリ金属水酸化物;アルカリ土類金属水酸化物;アルカリ金属リン酸塩及びリン酸一水素塩(monohydrogenophosphate)、例えばリン酸ナトリウム又はリン酸一水素ナトリウムからなる群から選択されることが可能でありうる。しかしながら、(c)アルカリ剤は、その臭気のためにアンモニアでないことが好ましい。したがって、無機アルカリ剤は、無機アンモニウム塩、例えば炭酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、及び炭酸水素アンモニウム;並びに水酸化アルキルアンモニウム、例えば水酸化テトラメチルアンモニウムから選択されることが好ましい。
無機アルカリ金属水酸化物の例として、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムを挙げることができる。アルカリ土類金属水酸化物の例として、水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムを挙げることができる。無機アルカリ剤として、水酸化ナトリウムが好ましい。
アルカリ剤は、有機アルカリ剤であってもよい。有機アルカリ剤は、モノアミン及びその誘導体;ジアミン及びその誘導体;ポリアミン及びその誘導体;塩基性アミノ酸及びその誘導体;塩基性アミノ酸のオリゴマー及びその誘導体;塩基性アミノ酸のポリマー及びその誘導体;尿素及びその誘導体;並びにグアニジン及びその誘導体からなる群から選択されることが好ましい。
有機アルカリ剤の例として、アルカノールアミン、例えばモノ-、ジ-及びトリエタノールアミン、及びイソプロパノールアミン;尿素、グアニジン及びそれらの誘導体;塩基性アミノ酸、例えばリジン、オルニチン又はアルギニン;並びにジアミン、例えば下記の構造:
Figure 2020169122
[式中、Rは、ヒドロキシル又はC1〜C4アルキル基で任意選択で置換されているプロピレン等のアルキレンを示し、R1、R2、R3及びR4は、独立して、水素原子、アルキル基又はC1〜C4ヒドロキシアルキル基を示す]
に記載されているものを挙げることができ、これは、1,3-プロパンジアミン及びその誘導体によって例示することができる。アルギニン、尿素及びモノエタノールアミンが好ましい。
アルカリ剤は、還元組成物のpHが、8.0から12.0、好ましくは8.5から11.0、より好ましくは9.0から10.0の範囲となりうるように含めることができる。
優先的には、還元組成物は、互いに異なる少なくとも2種のアルカリ剤を含み、特に、アルカリ剤の1種は、炭酸水素塩、より特定すると炭酸水素アンモニウムであり、もう1種は、水酸化物、より特定すると水酸化アンモニウムである。
(他の成分)
本発明の還元組成物はまた、少なくとも1種の追加の成分を含んでもよい。
追加の成分は、水;有機溶媒、特に水溶性有機溶媒;脂肪物質;カチオン性、アニオン性、非イオン性又は両性界面活性剤;増粘剤;カチオン性、アニオン性、非イオン性又は両性ポリマー;浸透剤;脱毛に対抗するための薬剤;抗フケ剤;会合型又は非会合型で天然又は合成の、脂肪物質のための増粘剤;懸濁化剤;キレート又は封鎖剤、例えばEDTA;乳白剤;直接染料以外の染料;香料;保存剤、例えばジグルコン酸クロルヘキシジン及びフェノキシエタノール;安定剤;並びにそれらの混合物からなる群から選択することができる。
本発明の還元組成物は、典型的には、水を含む。
還元組成物中の水の量は、組成物の総質量に対して、40質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは55質量%以上;90質量%以下、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下であってもよい。
本発明の還元組成物は、1種又は2種以上のカチオン性、アニオン性、非イオン性又は両性界面活性剤を含んでもよい。非イオン性界面活性剤は、ポリエトキシル化脂肪アルコール又はポリグリセロール化脂肪アルコール、例えばオレイルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ10から30個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名としては、オレス-10からオレス-30、例えばオレス-20)から選択することができる。
還元組成物中の界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、0.1から15質量%、好ましくは1から10質量%、より好ましくは2から5質量%であってもよい。
{工程(ii)}
工程(ii)は、工程(i)において得られた第1の組成物をケラチン繊維上に塗布する工程である。
第1の組成物の塗布は、ブラシ及び櫛等の任意の手段によって実施することができる。
{工程(iii)}
工程(iii)は、第1の組成物をケラチン繊維から除去するために、ケラチン繊維をすすぐ工程である。
ケラチン繊維のすすぎは、任意の手段、例えば、ケラチン繊維を流水で洗浄することによって実施することができる。
すすぎのための水の温度は、特に限定されず、例えば、水の温度は、10℃から50℃の間である。
第1の組成物のケラチン繊維中への浸透を促進し、所望の色変化を達成するために、工程(ii)と(iii)との間に、第1の組成物をケラチン繊維上に一定の時間放置する追加の工程が存在してもよい。
したがって、好ましくは、本発明による方法は、工程(ii)と(iii)との間に、第1の組成物をケラチン繊維上に一定の時間放置する追加の工程を更に含む。第1の組成物をケラチン繊維上に放置する時間は、10秒から2時間、好ましくは1分から1時間、より好ましくは5分から50分、特に10分から40分であってもよい。
第1の組成物をケラチン繊維上に放置する任意選択の工程中に、ケラチン繊維を包むことも好ましい。例えば、ケラチン繊維は、アルミニウム箔で包むことができる。したがって、本発明による方法は、第1の組成物をケラチン繊維上に塗布した後に、ケラチン繊維を例えばアルミニウム箔で包む追加の工程を含むことができる。
また、工程(iii)において、ケラチン繊維をすすいだ後に、ケラチン繊維を乾燥させる追加の工程が存在してもよい。ケラチン繊維の乾燥は、ヘアドライヤー等の従来の乾燥手段で実施することができる。好ましくは、工程(iii)は、ケラチン繊維をすすいだ後にケラチン繊維を乾燥させる工程を含まない。
{工程(iv)}
工程(iv)は、少なくとも1種の酸化剤を含む第2の組成物をケラチン繊維上に塗布する工程である。
第2の組成物の塗布は、ブラシ及び櫛等の任意の手段によって実施することができる。
本発明の好ましい一実施形態では、第2の組成物は、濡れた毛髪等の濡れたケラチン繊維上に塗布される。
本発明による第2の組成物のpHは、2.0から6.0、好ましくは2.0から5.0、より好ましくは2.5から4.0であることが好ましい。
第2の組成物は、エマルション(O/W若しくはW/O型)、水性ゲル、水溶液、ローション、乳液、クリーム、フォーム、ペースト、セラム等の形態で提供することができる。
(酸化剤)
本発明の第2の組成物は、少なくとも1種の酸化剤を含む。単一のタイプの酸化剤を使用してもよく、又は2つ以上の異なるタイプの酸化剤を組み合わせて使用してもよい。
酸化剤は、過酸化水素、過酸化塩(peroxygenated salt)、及び加水分解によって過酸化水素を生成することができる化合物、すなわち過酸化水素発生系から選択することができる。例えば、酸化剤は、過酸化水素水溶液、過酸化尿素、アルカリ金属臭素酸塩及びフェリシアン化物、並びに過酸塩、例えば過ホウ酸塩、過硫酸塩、過酸、並びにアルカリ金属又はアルカリ土類金属の過炭酸塩から選択することができる。例えば、ラッカーゼ、ペルオキシダーゼ及び2電子オキシドレダクターゼ、例えばウリカーゼから選択される少なくとも1種のオキシダーゼ酵素も、それらのそれぞれの供与体又は補助因子の存在下で適切な場合、酸化剤として使用することができる。
本発明の好ましい一実施形態では、酸化剤は、過酸化水素、例えば過酸化水素水溶液である。
過酸化水素の濃度は、酸化剤の総質量に対して、0.15質量%から12質量%、例えば0.6質量%から9質量%の範囲であってもよい。加水分解によって過酸化水素を形成することができる化合物の濃度は、酸化剤の総質量に対して、0.1質量%から25質量%の範囲であってもよい。
一実施形態では、酸化剤が過酸化水素水溶液であるとき、水溶液は、少なくとも1種の過酸化水素安定剤を含んでもよく、これは、例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のピロリン酸塩、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のスズ酸塩、フェナセチン、並びに酸とオキシキノリンとの塩、例えば硫酸オキシキノリンから選択することができる。別の実施形態では、少なくとも1種のピロリン酸塩と任意選択で組み合わせた少なくとも1種のスズ酸塩が使用される。
サリチル酸及びその塩、ピリジンジカルボン酸及びその塩、並びにパラセタモールを使用することも可能である。
過酸化水素水溶液の形態の酸化剤中で、過酸化水素安定剤の濃度は、酸化剤の総質量に対して、0.0001質量%から5質量%、例えば0.01質量%から2質量%の範囲であってもよい。
過酸化水素水溶液の形態の酸化剤中で、過酸化水素の、可能な少なくとも1種の安定剤に対する濃度比は、0.05:1から1,000:1、例えば0.1:1から500:1、更に例えば1:1から200:1の範囲であってもよい。
酸化剤は、本発明の第2の組成物中に、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上;5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下の量で含まれてもよい。
(他の成分)
本発明の第2の組成物はまた、少なくとも1種の追加の成分を含んでもよい。
追加の成分は、水;有機溶媒、特に水溶性有機溶媒;脂肪物質;カチオン性、アニオン性、非イオン性又は両性界面活性剤;増粘剤;カチオン性、アニオン性、非イオン性又は両性ポリマー;浸透剤;脱毛に対抗するための薬剤;抗フケ剤;会合型又は非会合型で天然又は合成の、脂肪物質のための増粘剤;懸濁化剤;キレート又は封鎖剤、例えばエチドロン酸四ナトリウム及びピロリン酸四ナトリウム;緩衝液、例えばサリチル酸ナトリウム;乳白剤;直接染料以外の染料;香料;アルカリ剤又は酸性剤のpH調整剤;抗酸化又は保存剤;安定剤;並びにそれらの混合物からなる群から選択することができる。
本発明の第2の組成物は、典型的には、水を含む。
第2の組成物中の水の量は、組成物の総質量に対して、60質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更により好ましくは90質量%以上;99質量%以下、好ましくは97質量%以下、より好ましくは95質量%以下であってもよい。
第2の組成物のpHは、化粧品の分野において一般的に使用されるアルカリ剤及び/又は酸性剤を使用して、所望の値に調整することができる。
本発明の第2の組成物のpHは、酸性剤を使用して、2.0から6.0、好ましくは2.0から5.0、より好ましくは2.5から4.0であることが好ましい。酸性剤として、化粧料において一般的に使用される任意の無機又は有機酸、例えばクエン酸、乳酸、リン酸又は塩酸(HCl)を挙げることができる。
本発明の第2の組成物は、1種又は2種以上のカチオン性、アニオン性、非イオン性又は両性ポリマーを含んでもよい。好ましくは、第2の組成物は、カチオン性ポリマー、特にポリマー第四級アンモニウム塩を含む。ポリマー第四級アンモニウム塩として、特に、ポリクオタニウム製品(CTFA名)、例えばポリクオタニウム-6、例えばBASF社によって販売されている製品Salcare SC 30及びNalco社によって販売されている製品Merquat 100;並びに非会合性カチオン性ポリマー、例えばメタクリロイルエチルトリメチルアンモニウムクロリドホモポリマー、INCI名:ポリクオタニウム-37を挙げることができる。
第2の組成物中のポリマーの量は、組成物の総質量に対して、0.1から20質量%、好ましくは1から15質量%、より好ましくは3から10質量%であってもよい。
{工程(v)}
工程(v)は、第2の組成物をケラチン繊維から除去するために、ケラチン繊維をすすぐ任意選択の工程である。
工程(v)では、ケラチン繊維を好ましくは水ですすぎ、次いで、乾燥させてもよい。ケラチン繊維の乾燥は、ヘアドライヤー等の従来の乾燥手段で実施することができる。
第2の組成物のケラチン繊維中への浸透を促進するために、工程(iv)と(v)との間に、第2の組成物をケラチン繊維上に一定の時間放置する追加の工程が存在してもよい。
したがって、好ましくは、本発明による方法は、第2の組成物をケラチン繊維上に一定の時間放置する追加の工程を更に含む。第2の組成物をケラチン繊維上に放置する時間は、10秒から30分、好ましくは1分から20分、より好ましくは2分から10分であってもよい。
[キット]
本発明はまた、本発明による着色方法を行うために使用されることを目的としたキットに関する。
したがって、本発明によるキットは、
蛍光ジスルフィド、チオール及び保護チオール直接染料を除く、少なくとも1種の直接染料を含む染料組成物を含む第1の区画と、
少なくとも1種の還元剤を含む還元組成物を含む第2の区画と、
少なくとも1種の酸化剤を含む第2の組成物を含む第3の区画と
を含む、ケラチン繊維、好ましくは毛髪を着色するためのキットに関する。
キットにおいて使用される染料組成物、還元組成物、及び第2の組成物は、上記の方法についての記載において説明したものと同じである。
本発明によるキットにおいて、第1の区画及び第2の区画は、第1の区画中の染料組成物及び第2の区画中の還元組成物がキット内で混合されて上記で説明した本発明の第1の組成物を調製するように設けられてもよい。例えば、第1の区画及び第2の区画は、染料組成物及び還元組成物を混合して本発明の第1の組成物を調製するために、キット内で互いに接続可能であるように設けられる。
例えば、第1の組成物を調製するために、第1の区画及び第2の区画を接続して、染料組成物及び還元組成物を混合し、次いで、キットから第1の組成物を分注又は吐出し、続いて、第1の組成物を毛髪等のケラチン繊維上に塗布することによって、本発明による方法の工程(i)及び(ii)を行うためにキットを使用することが可能である。
例えば、第3の区画から第2の組成物を分注又は吐出し、続いて、第2の組成物を毛髪等のケラチン繊維上に塗布することによって、本発明による方法の工程(iv)を行うためにキットを使用することも可能である。
第1の区画及び第2の区画は、第1の組成物を調製するために、それらを容易に接続して、染料組成物及び還元組成物を混合することができるように、互いに近接して設けられてもよい。
第3の区画は、第1の区画及び第2の区画と一緒に又は別個に設けることができる。
本発明を、実施例によって、より詳細に説明する。しかしながら、これらの実施例は、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
[調製]
{染料組成物}
染料組成物1から3を、以下のプロトコールによって調製した。最初に、ヒドロキシエチルセルロースを60℃の温脱イオン水に10分間溶解し、次いで、ポリウレタン-39を撹拌しながら添加し、混合物を10分間放置して、水相を調製した。別のビーカーにおいて、セテアリルアルコール、ステアレス-20及びセトリモニウムクロリドを添加し、75℃の温度に加熱した。これらの成分が十分に溶融した後に、それらを先に調製した水相に添加し、混合物を10分間撹拌することによって乳化を実施した。次いで、混合物を40℃に到達するまで冷却した。ジグルコン酸クロルヘキシジン、フェノキシエタノール、香料、及び染料(染料組成物1及び3についてはHC Blue 15、染料組成物2についてはHC Blue 16)を、残りの水と共に添加した。混合物を、温度が室温に到達するまで撹拌しながら維持した。
染料組成物3については、少量のモノエタノールアミンを添加することによって、8.8のpHに到達するようにpHを調整した。
染料組成物1から3の配合を下記のTable 1(表1)にまとめる。Table 1(表1)に示す成分の量についての数値はすべて、有効成分原料としての「質量%」に基づく。
Figure 2020169122
{還元組成物}
還元組成物1から3を、以下のプロトコールによって調製した。最初に、ビーカーにおいて、EDTA及び脱イオン水を磁気撹拌下で添加した。均質化の後に、水酸化アンモニウムを添加し、次いで、還元剤(還元組成物1についてはチオグリコール酸アンモニウム、還元組成物2についてはチオ乳酸アンモニウム、還元組成物3についてはシステアミン)及び炭酸水素アンモニウムを添加した。別のビーカーにおいて、オレス-20及び香料を溶融させた。この混合物を最初の混合物になお磁気撹拌下で添加した。混合物が十分に均質になった後に、水酸化アンモニウムを添加することによってpHを9.2に調整した。
還元組成物1から3の配合を下記のTable 2(表2)にまとめる。Table 2(表2)に示す成分の量についての数値はすべて、有効成分原料としての「質量%」に基づく。
Figure 2020169122
{第2の組成物}
第2の組成物を、以下のプロトコールによって調製した。エチドロン酸四ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、及びピロリン酸四ナトリウムを脱イオン水中に添加し、室温で混合した。これらの成分のすべてが十分に均質化した後に、2種のポリマー(ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-37(及び)鉱油(及び)PPG-1トリデセス-6)をそれぞれ添加した。均質化の後に、過酸化水素を添加し、リン酸の添加によってpHを2.8±0.2に調整した。
第2の組成物の組成を下記のTable 3(表3)にまとめる。Table 3(表3)に示す成分の量についての数値はすべて、有効成分原料としての「質量%」に基づく。
Figure 2020169122
(実施例1から4及び比較例1から4)
(実施例1)
100%の中国人白色毛髪見本(1g、20cm)を従来のシャンプーで洗浄し、40℃の水道流水ですすぎ、次いで、乾燥させた。染料組成物1を、還元組成物1と、9:1の混合質量比を順守して、塗布の直前に混合して、第1の組成物を調製した。第1の組成物が十分に均質化した後に、これは、8.8のpHを有すると測定された。3gの第1の組成物を乾燥した見本にブラシで塗布し、見本を加熱なしに室温で約30分間静置した。15分時点で、見本をプレート上で裏側に向けた。次いで、これを40℃の水道流水ですすぎ、2gの第2の組成物を濡れた見本にブラシで塗布した。見本を5分間静置した。次いで、見本を40℃の水道流水ですすぎ、乾燥させた。
(実施例2)
着色方法を、還元組成物1の代わりに還元組成物2を使用することを除き、実施例1と同様に実行した。第1の組成物のpHは、実施例1のpHと同じ(8.8)であった。
(実施例3)
着色方法を、還元組成物1の代わりに還元組成物3を使用することを除き、実施例1と同様に実行した。第1の組成物のpHは、実施例1のpHと同じ(8.8)であった。
(実施例4)
着色方法を、染料組成物1の代わりに染料組成物2を使用することを除き、実施例1と同様に実行した。第1の組成物のpHは、実施例1のpHと同じ(8.8)であった。
{比較例1}
この比較例では、実施例1による着色方法にいかなる還元組成物も使用せず、いかなる第2の組成物も使用しなかった。これは、3gの染料組成物1を毛髪見本にブラシで直接塗布したことを意味する。
{比較例2}
この比較例では、実施例1による着色方法にいかなる第2の組成物も使用しなかった。
{比較例3}
この比較例では、染料組成物1の代わりに染料組成物3を使用し、実施例1による着色方法にいかなる還元組成物も使用しなかった。したがって、この例では、染料組成物3を見本に直接塗布した。比較のため、染料組成物3のpHは、実施例1から4による第1の組成物のpHと同じ(8.8)になるように調整した。
{比較例4}
この比較例では、染料組成物及び還元組成物を逐次的に塗布した。最初に、いかなる染料も含まないベースクリーム組成物を、還元組成物1と、9:1の混合質量比を維持して、塗布の直前に混合した。ベースクリーム組成物の配合を以下のTable 4(表4)に示す。混合物が十分に均質化した後に、3gの混合物を乾燥した見本にブラシで塗布し、加熱なしに室温で30分間静置した。15分時点で、見本をプレート上で裏返した。次いで、見本を40℃の水道流水ですすぎ、3gの染料組成物1を濡れた見本にブラシで塗布した。見本を加熱なしに室温で30分間プレート上に静置した。15分時点で、見本をプレート上で裏返した。次いで、見本を40℃の水道流水ですすぎ、2gの第2の組成物を濡れた見本にブラシで塗布した。見本を5分間静置した。次いで、見本を40℃の水道流水ですすぎ、乾燥させた。
Figure 2020169122
[評価]
(着色特性)
実施例1から4及び比較例1から4による着色された中国人の100%白色毛髪見本の各々を40℃の水道流水で40回すすぎ、櫛でとかしながら穏やかに乾燥させた。Konica Minolta社分光測色計CM-3600Aを使用して測色値(L*、a*、b*、明度/緑-赤/青-黄)を測定することによって、着色方法前後の着色された見本の色差を測定した。ΔE*(ΔL*a*b系に基づく着色方法の処理前後の見本の間の)を算出した。ΔE*が大きいほど、色特性が良好である。
(色持続性)
実施例1から4及び比較例1から4による着色された中国人の100%白色毛髪見本の各々を40℃の水道流水で40回すすぎ、次いで、20回シャンプーした。シャンプー組成物は、1gの毛髪見本につき0.4mL当たり9mol%のベタイン及び15mol%のSLSを含有していた。次いで、見本を40℃の水道流水で30回すすぎ、櫛でとかしながら穏やかに乾燥させた。このプロセスを更に29サイクル繰り返した。Konica Minolta社分光測色計CM-3600Aを使用して測色値(L*(明度)、a*(緑-赤)、b*(青-黄)、及びh(色相角))を測定することによって、30サイクルのシャンプー前後の着色された見本の色差を測定した。ΔE*及びΔh(ΔL*a*b系に基づく着色された見本の色とシャンプーされた見本の色との間の)を算出した。ΔE*の表示が小さいほど、色持続性が良好である。Δhの表示が小さいほど、色のシフトが少ない。
例及び結果をTable 5(表5)にまとめる。この表中、「染料組成物」及び「還元組成物」は、これらの組成物の番号を表す。
Figure 2020169122
Table 5(表5)に示す通り、実施例1から4の各々による着色方法は、比較例1から4の各々による着色方法とほぼ同じ着色特性を示したが、実施例1から4の各々による着色方法は、色持続性特性の大幅な改善を実現した。
したがって、本発明による方法は、ケラチン繊維への着色の長期持続性を著しく改善できると結論付けることができる。

Claims (15)

  1. (i)(a)蛍光ジスルフィド、チオール及び保護チオール直接染料を除く、少なくとも1種の直接染料を含む少なくとも1種の染料組成物を、(b)少なくとも1種の還元剤を含む少なくとも1種の還元組成物と混合して、第1の組成物を調製する工程と、
    (ii)第1の組成物をケラチン繊維上に塗布する工程と、
    (iii)ケラチン繊維をすすぐ工程と、
    (iv)少なくとも1種の酸化剤を含む第2の組成物をケラチン繊維上に塗布する工程と、
    (v)任意選択で、ケラチン繊維をすすぎ、乾燥させる工程と
    を含む、ケラチン繊維、好ましくは毛髪を着色するための方法。
  2. 工程(ii)と(iii)との間に、第1の組成物をケラチン繊維上に10秒から2時間、好ましくは1分から1時間、より好ましくは5分から50分、特に10分から40分の範囲の一定の時間放置する追加の工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(iv)と(v)との間に、第2の組成物をケラチン繊維上に10秒から30分、好ましくは1分から20分、より好ましくは2分から10分の範囲の一定の時間放置する追加の工程を更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 還元剤が、チオール還元剤、例えばチオグリコール酸、チオ乳酸、モノチオグリコール酸グリセリル、システアミン、N-アセチルシステアミン、N-プロピオニルシステアミン、システイン、N-アセチルシステイン、チオリンゴ酸、パンテテイン、2,3-ジメルカプトコハク酸、N-(メルカプトアルキル)-ω-ヒドロキシアルキルアミド、N-モノ-又はN,N-ジアルキルメルカプト4-ブチルアミド、アミノメルカプトアルキルアミド、N-(メルカプトアルキル)スクシンアミド酸誘導体、N-(メルカプトアルキル)コハク酸誘導体、N-(メルカプトアルキル)スクシンイミド酸誘導体、アルキルアミノメルカプトアルキルアミド、チオグリコール酸2-ヒドロキシプロピルとチオグリコール酸(2-ヒドロキシ-1-メチル)エチルとの共沸混合物、メルカプトアルキルアミノアミド、N-メルカプトアルキルアルカンジアミド、ホルムアミジンスルフィン酸誘導体、並びにそれらの塩、特にアンモニウム塩、例えばチオグリコール酸アンモニウム及びチオ乳酸アンモニウムから選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 酸化剤が、過酸化水素及びブロメート誘導体から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 直接染料が、酸性、塩基性又は中性の合成直接染料、例えば酸性、塩基性又は中性のアントラキノン、ニトロピリジン、アゾ、キサンテン、アクリジン、アジン又はトリアリールメタン直接染料から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 染料組成物が、少なくとも1種の脂肪物質を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 還元組成物が、好ましくは無機アンモニウム塩、例えば炭酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、炭酸水素アンモニウム;及び水酸化アルキルアンモニウムから選択される、少なくとも1種のアルカリ剤を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 第1の組成物又は第2の組成物をケラチン繊維上に保持する間にケラチン繊維を加熱する工程を含まない、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 第1の組成物のpHが、7.0から11.0、好ましくは8.0から10.0、より好ましくは8.5から9.5の範囲である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 第2の組成物のpHが、2.0から6.0、好ましくは2.0から5.0、より好ましくは2.5から4.0の範囲である、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. (a)染料組成物及び(b)還元組成物が、49:1から1:1、好ましくは24:1から2:1、より好ましくは19:1から3:1、特に14:1から4:1である染料組成物対還元組成物の質量比で混合される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 蛍光ジスルフィド、チオール及び保護チオール直接染料を除く、少なくとも1種の直接染料を含む染料組成物を含む第1の区画と、
    少なくとも1種の還元剤を含む還元組成物を含む第2の区画と、
    少なくとも1種の酸化剤を含む第2の組成物を含む第3の区画と
    を含む、毛髪等のケラチン繊維を着色するためのキット。
  14. 第1の区画及び第2の区画が、第1の区画中の染料組成物及び第2の区画中の還元組成物がキット内で混合されて第1の組成物を調製するように設けられている、請求項13に記載のキット。
  15. 第1の区画及び第2の区画が、互いに近接して設けられ、第3の区画が、第1の区画及び第2の区画と一緒に又は別個に設けられている、請求項13又は14に記載のキット。
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