JP7109869B2 - 増幅装置および棟内共聴装置 - Google Patents
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Description
棟内共聴装置にCATV(ケーブルテレビジョン)を導入する場合の一例の構成を図16に示す。
図16に示す棟内共聴装置1100は、棟内に設置され、CATV信号伝送ライン中に挿入されている双方向分岐増幅装置1101により分岐された下り方向のCATV信号が、タップオフ(TAP OFF )1102および保安器SBを介して棟内に引き込まれ、双方向増幅装置1105の第1入力端子に入力されると共に、BS/CSアンテナ1103よりのBS-IFあるいはCS-IF信号が、双方向増幅装置1105の第2入力端子に入力される。これらの第1入力端子および第2入力端子に入力された3種類の信号は、それぞれ双方向増幅装置1105により増幅されて出力端子から混合されて出力される。
この直列ユニット1110~1115は宅内の各部屋等に設けられており、この直列ユニット1110~1115にはテレビジョン受像機等に接続されるケーブルが接続される。
また、棟内共聴装置1100において、CATV信号を棟内共聴装置1100に導入することに替えて、FM放送を受信するFMアンテナおよび地上デジタル放送を受信するUHFアンテナを設ける。そして、FMアンテナで受信したFM放送信号と、UHFアンテナで受信した地上デジタル放送信号と、BS/CSアンテナ1103よりのBS・CS-IF信号とを混合して双方向増幅装置1105に入力してもよい。
また、上記した本発明の棟内共聴装置において、前記制御ユニットは前記伝送線路から受信した前記通信信号の出力レベルが所定の出力レベルになるようレベル調整して、前記作成した通信信号と共に前記ゲートウェイに向けて前記伝送線路に送出し、前記ゲートウェイは、前記伝送線路から受信した通信信号における前記パラメータの情報と前記モニタ信号とを特定のサーバに向けて公衆通信網に送信できるようにされている。
さらに、上記した本発明の棟内共聴装置において、前記ゲートウェイから送信された前記パラメータの情報と前記モニタ信号とを受信したサーバは、前記モニタ信号における前記動作データの情報から、前記複数の増幅装置の各増幅装置における前記複数の増幅ユニットの動作をそれぞれ監視することができるようにされている。
本発明の棟内共聴装置は、通信手段を有する制御ユニットと、複数の増幅ユニットとを備える増幅装置が伝送線路に接続されている。ゲートウェイから伝送線路に送出された増幅ユニットにレベルを調整できるパラメータの情報が乗った通信信号を通信手段が受信すると、自機向けのパラメータの情報が取り込まれて、制御ユニットは取り込んだパラメータの情報を増幅ユニットに設定している。また、受信した通信信号の出力レベルが所定の出力レベルになるようレベル調整して伝送線路に送出しており、次段以降の増幅ユニットにおいてレベル調整することができるようになる。これにより、測定器を用いることなく増幅装置の出力レベルが所定の出力レベルになるよう調整することができる。
本発明の増幅装置を備える第1実施例の棟内共聴装置の構成を図1に示す。
図1に示す本発明の第1実施例の棟内共聴装置1は、屋上などに設置されたBS・CSアンテナ10と混合器12とゲートウェイ13とを備え、混合器15と双方向増幅装置17と分岐・分配器18と双方向増幅装置19と分岐・分配器20とが縦続接続された伝送線路と、双方向増幅装置22と分岐・分配器23とが縦続接続された第1系統と、双方向増幅装置24と分岐・分配器25とが縦続接続された第2系統とから構成されている。伝送線路で伝送される伝送信号は、伝送線路損失や分配や分岐されることで減衰され、この減衰を補償するために、本発明の増幅装置とされる双方向増幅装置17,19,22,24が設けられている。
棟内共聴装置1には、CATV局1010から幹線に設置されている増幅装置や分岐・分配装置などの幹線機器1011を介してCATV信号の伝送路に挿入されている分岐・分配装置などにより分岐されたCATV信号の下り信号(以下、「CATV下り信号」という)がタップオフ(TAP OFF )1012および保安器1013を介して棟内に引き込まれている。そして、保安器1013までのメンテナンスはCATV局1010が行うが、保安器1013以降のメンテナンスは加入者が行うこととされている。
本発明の増幅装置を備える第2実施例の棟内共聴装置5の構成を図2に示す。
図2に示す本発明の第2実施例の棟内共聴装置5は、BS・CSアンテナ10とFMアンテナ11aとUHFアンテナ11bと混合器11と混合器12とゲートウェイ13とを備え、混合器15と双方向増幅装置17と分岐・分配器18と双方向増幅装置19と分岐・分配器20とが縦続接続された伝送線路と、双方向増幅装置22と分岐・分配器23とが縦続接続された第1系統と、双方向増幅装置24と分岐・分配器25とが縦続接続された第2系統とから構成されている。伝送線路で伝送される伝送信号は、伝送線路損失や分配や分岐されることで減衰され、この減衰を補償するために、本発明の増幅装置とされる双方向増幅装置17,19,22,24が設けられている。BS・CS放送を受信してBS・CS-IF信号を出力するBS・CSアンテナ10と、FM放送を受信するFMアンテナ11aと、地上波デジタル放送を受信するUHFアンテナ11bとは、棟内共聴装置5が設置された棟の屋上などに設置されている。
本発明の増幅装置の実施例とされる双方向増幅装置17,19,22,24は、それぞれ制御ユニットと複数の増幅ユニットとを備え、制御ユニットと複数の増幅ユニットとの間が相互に接続されている。そこで、本発明にかかる双方向増幅装置17,19,22,24において、制御ユニットと複数の増幅ユニットとの接続状態を示す機能ブロック図を図3に示す。ここで、本発明にかかる双方向増幅装置が適用される第1実施例の棟内共聴装置1では、共聴信号は、CATV下り信号とCATV上り信号およびBS・CS-IF信号から構成され、第2実施例の棟内共聴装置5では、共聴信号は、FM放送信号と地上デジタル放送信号とBS・CS-IF信号との混合信号から構成される。このように、増幅する周波数帯域が異なっているが双方向増幅装置17,19,22,24における制御ユニットと複数の増幅ユニットとの接続状態は同様とされている。また、双方向増幅装置19,22,24は双方向増幅装置17と同じ構成とされているため、双方向増幅装置17を代表として制御ユニットと複数の増幅ユニットとの接続状態を示す機能ブロック図を図3に示している。
図3に示す本発明の増幅装置の実施例とされる双方向増幅装置17は、制御ユニット51と、CATV上り信号あるいはFM放送信号を増幅する第1増幅ユニット52と、CATV下り信号あるいは地上デジタル放送信号を増幅する第2増幅ユニット53と、BS・CS-IF信号を増幅する第3増幅ユニット54とを備えている。そして、制御ユニット51と第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54とは通信バス17-1により相互に接続されている。
制御ユニット51の通信I/F105はMCU100の制御の基で、制御ユニット51に取り込んだ第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54の入力レベル調整部および出力レベル調整部に設定されていたパラメータにIDを付加したパラメータの情報と、前記したモニタ信号とをパケット化して、共聴信号では使用されていない周波数帯域(例えば、920MHz)のキャリアをパケットでFSK変調した通信信号にしてゲートウェイ13に送出している。また、I/F104aはUART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)のインタフェースとされ、パーソナルコンピュータ等とされた設定用端末を接続することができる。設定用端末を接続すると、設定用端末からI/F104aを介して第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54の初期設定を行うことができると共に、所定のパラメータを入力レベル調整部および出力レベル調整部に設定することができる。
双方向増幅装置19,22,24においても、上記したとおりの機能を有している。
次に、本発明の増幅装置とされる双方向増幅装置が備えている制御ユニット51の構成を示す機能ブロック図を図4に示す。
図4に示す制御ユニット51は、MCU100と通信I/F105と測定部106とアナログ-デジタル変換器(A/D)107とを備え、通信I/F105と測定部106とA/D107とはMCU100のバス108に接続されている。MCU100はマイクロコントローラーであり、MCU100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、I/O104を備え、これらをバス108で接続して構成されている。CPU101は、ROM102に記憶された制御処理プログラムを実行することにより、制御ユニット51が上記した処理を行うようにMCU100が動作する。この場合、制御ユニット51に取り込まれた増幅ユニットの入力レベル調整部および出力レベル調整部に設定されたパラメータやモニタ信号はRAM103の領域に設定されテンポラリメモリに格納される。また、電源投入時には、CPU101がROM102に格納されている初期設定プログラムを実行して初期状態とする。通信I/F105はMCU100の制御の基で、各増幅ユニットからのモニタ信号および入力レベル調整部および出力レベル調整部に設定されているパラメータとのパケットでFSK変調した通信信号をゲートウェイ13に向けて送り出している。モニタ信号およびパラメータには自機のIDが付加されている。また、通信I/F105は通信信号を受信しており、通信信号を受信した際にMCU100の制御の基で、自機のIDが付加されたパラメータの通信信号が取り込まれるようになる。取り込まれたパラメータは、制御ユニット51により対応する増幅ユニットの入力レベル調整部と出力レベル調整部に設定される。さらに、MCU100のI/O104に含まれているRS485ポートを介して通信バス17-1に接続されている。そして、通信バス17-1に接続された第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54の入力レベル調整部および出力レベル調整部設定されているパラメータが取り込まれて、テンポラリメモリ領域に格納される。I/O104におけるI/F104aには設定用端末を接続することができ、設定用端末を接続すると、設定用端末からI/F104aを介して上記したように第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54の初期設定を行うことができると共に、所定のパラメータを入力レベル調整部および出力レベル調整部に設定することができる。
次に、本発明の増幅装置とされる双方向増幅装置の増幅ユニットの構成を示す機能ブロック図を図5に示す。この増幅ユニットは、ここでは、第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54の機能ブロック図が同じ構成とされることから、代表として第1増幅ユニット52の機能ブロック図を図5に示している。
図5に示す第1増幅ユニット52は、MCU130と複数のセンサー52-2を備える増幅部52-1とを備えている。MCU130はマイクロコントローラーであり、MCU130は、CPU131、ROM132、RAM133、I/O134を備え、これらをバス137で接続して構成されている。CPU131は、ROM132に記憶された増幅処理プログラムを実行することにより、第1増幅ユニット52が上記した増幅処理を行うようにMCU130が動作する。この場合、増幅部52-1に設定されるパラメータはRAM133の領域に設定されたテンポラリメモリに格納される。また、電源投入時には、CPU131がROM132に格納されている初期設定プログラムを実行して第1増幅ユニット52を初期化する。増幅部52-1における少なくとも入力の分岐信号は第1増幅ユニット52から制御ユニット51に送られる。また、第1増幅ユニット52における電圧、電流、温度等の複数のセンサー52-2からのセンサー信号は制御ユニット51に送られる。I/O134は、RS485インタフェースを備え通信バス17-1に接続される。これにより、制御ユニット51は第1増幅ユニット52に、入力されたRF信号を所定レベルで出力するように入力レベル調整部および出力レベル調整部に設定するパラメータを送れると共に第1増幅ユニット52の入力レベル調整部および出力レベル調整部に設定されているパラメータおよび第1増幅ユニット52の動作データを取り込むことができる。通信バス17-1およびI/O134を介して送られたパラメータは、CPU131の制御の基で増幅部52-1の入力レベル調整部および出力レベル調整部に設定される。
以上説明した構成とされた増幅ユニットを備える増幅装置は、本発明の第1実施例の棟内共聴装置1および本発明の第2実施例の棟内共聴装置5のいずれにも適用することができる。
次に、インターネット14に接続される遠隔制御部2の構成を示す機能ブロック図を図6に示す。遠隔制御部2は、本発明の増幅装置を備える第1実施例の棟内共聴装置1および第2実施例の棟内共聴装置5において同じ構成とされている。
図6に示す遠隔制御部2は、MCU140と入力装置145と表示器146と広域通信I/F147とを備え、入力装置145はI/O144に接続され、表示器146と広域通信I/F147はMCU140のバス148に接続されている。広域通信I/F147は、インターネット14などの公衆通信網に接続可能な通信インタフェースである。MCU140はマイクロコントローラーであり、MCU140は、CPU141、ROM142、RAM143、I/O144を備え、これらをバス148で接続して構成されている。CPU141は、ROM142に記憶された遠隔制御プログラムを実行することにより、クラウド3にアクセスする。これにより、クラウド3上のアプリケーションにより双方向増幅装置17,19,22,24のそれぞれにおいてID別にグラフ化されたモニタ信号が表示器176に表示され、表示内容を視認することで双方向増幅装置17,19,22,24のそれぞれにおける第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54を監視できる。また、クラウド3上のアプリケーションによりモニタ信号が解析されて、モニタ信号に異常があった際には、CPU141の制御の基で双方向増幅装置17,19,22,24のそれぞれにおいて異常情報を表示器176上に表示して監視することができる。異常情報により、双方向増幅装置17,19,22,24のそれぞれにおいて、いずれかの増幅ユニットに不具合が生じる予兆がCPU141の制御の基で見られた場合は、その旨を棟内共聴装置の管理者にメール送信したり、当該増幅ユニットを有している棟内共聴装置1が設置されているビルやマンションに要員を派遣して事前に当該増幅ユニットを交換することができ、障害の発生を予防することができるようになる。これにより、遠隔制御部2は、棟内共聴装置1における双方向増幅装置17,19,22,24の第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54を周期的に監視することができる。
遠隔制御部2では、CPU141の制御の基で表示器146に表示された双方向増幅装置17,19,22,24における第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54の動作状態を確認することができる。これにより、双方向増幅装置17,19,22,24の出力レベル等が環境変化などにより変化した際にレベル調整を遠隔制御部2から行うことができる。レベル調整を行う際には、ID別に表示器146上に表示されたグラフ化されたモニタ信号と、第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54の入力レベル調整部と出力レベル調整部に設定されているパラメータを確認しながら、I/O144に接続されたキーボード等の入力装置145を用いて、任意の増幅ユニットの入力レベル調整部および出力レベル調整部に設定されているパラメータを変更する。変更されたパラメータは、CPU141の制御の基でインターネット14およびゲートウェイ13を介して棟内共聴装置1あるいは棟内共聴装置5に送られる。棟内共聴装置1あるいは棟内共聴装置5では、変更されたパラメータの情報に付加されているIDにより定められる増幅ユニットを備える双方向増幅装置が受け取って、IDに応じた増幅ユニットの入力レベル調整部および出力レベル調整部に変更されたパラメータが設定される。このように、遠隔制御部2では、双方向増幅装置17,19,22,24における第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54の入力レベル調整部および出力レベル調整部に設定されているパラメータを遠隔制御で調整することができる。また、インターネット14に接続可能な遠隔制御プログラムがインストールされているタブレットやスマートフォンでも、クラウド3にアクセスすることにより、双方向増幅装置17,19,22,24における第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54の監視を行えると共に、双方向増幅装置17,19,22,24における第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54の入力レベル調整部および出力レベル調整部に設定されているパラメータを遠隔制御で調整することができる。
次に、本発明の増幅装置を備える第1実施例の棟内共聴装置1および第2実施例の棟内共聴装置5におけるゲートウェイ13の構成を示す機能ブロック図を図7に示す。
図7に示すゲートウェイ13は、MCU170と入力装置175と表示器176と広域通信I/F177と通信I/F178とを備え、入力装置175はI/O174に接続され、表示器176と広域通信I/F177と通信I/F178はMCU170のバス179に接続されている。広域通信I/F177は、インターネット14などの公衆通信網に接続可能な通信インタフェースである。MCU170はマイクロコントローラーであり、MCU170は、CPU171、ROM172、RAM173、I/O174を備え、これらをバス179で接続して構成されている。CPU171は、ROM172に記憶されたゲートウェイ処理プログラムを実行することにより、以下に説明するゲートウェイ処理を実行する。
ゲートウェイ13では、通信信号で用いている通信規格 (プロトコル)と、インターネット14上のクラウド3に接続するプロトコル(HTTPSあるいはTCP)との相互変換を行っている。双方向増幅装置17,19,22,24における制御ユニット51からゲートウェイ13に送られた通信信号は、CPU171の制御の基でID付きのモニタ信号やID付きのパラメータに復調されてRAM173のテンポラリメモリ領域に格納される。CPU171の制御の基で所定時間毎にID付きのモニタ信号およびID付きのパラメータがRAM173から読み出されて所定のプロトコルの書式に変更されてパケット化され、インターネット14上のクラウド3に送出される。
次に、本発明の棟内共聴装置1に適用される本発明の第1実施例の増幅装置である双方向増幅装置の詳細構成を示す機能ブロック図を図8、図9に示す。ここでは、双方向増幅装置17と双方向増幅装置19,22,24の構成が同じ構成とされることから、代表として第1実施例にかかる双方向増幅装置17の詳細構成を示す機能ブロック図を図8に、図8では示されていない第1実施例にかかる双方向増幅装置17の増幅ユニットの構成を示す機能ブロック図を図9に示している。
図8、図9に示すように第1実施例にかかる双方向増幅装置17は、制御ユニット51と第1増幅ユニット52と第2増幅ユニット53と第3増幅ユニット54とを備えている。制御ユニット51ではCPU101が制御処理プログラムを実行することにより実現される設定部51-1と、I/F104aを含むI/O104と通信I/F105と測定部106とA/D107とが示されている。また、図9においては第1増幅ユニット52の増幅部52-1と第2増幅ユニット53の増幅部53-1と第3増幅ユニット54の増幅部54-1の構成だけが示され、他の構成は省略されている。
図8、図9に示す双方向増幅装置17においては、図3に示すように制御ユニット51と第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54とが通信バス17-1により相互に接続されている。
なお、入力レベル調整部211,213,215および出力レベル調整部212,214,216はアッテネータ、イコライザ、ゲインコントロール回路、チルト回路などのレベルや周波数特性を調整可能な回路を組み合わせて構成することができ、いずれの回路にもパラメータが設定されており、このパラメータを上記したように電子制御により調整可能とされている。
次に、本発明の第2実施例の棟内共聴装置5に適用される本発明の第2実施例の増幅装置である双方向増幅装置の詳細構成を示す機能ブロック図を図10、図11に示す。ここでは、双方向増幅装置17と双方向増幅装置19,22,24の構成が同じ構成とされることから、代表として第2実施例にかかる双方向増幅装置17の詳細構成を示す機能ブロック図を図10に、図10では示されていない第2実施例にかかる双方向増幅装置17の増幅ユニットの構成を示す機能ブロック図を図11に示している。
図10、図11に示すように第2実施例にかかる双方向増幅装置17は、制御ユニット51と第1増幅ユニット55と第2増幅ユニット56と第3増幅ユニット54とを備えている。制御ユニット51ではCPU101が制御処理プログラムを実行することにより実現される設定部51-1と、I/F104aを含むI/O104と通信I/F105と測定部106とA/D107とが示されている。また、図10においては第1増幅ユニット55の増幅部55-1と第2増幅ユニット56の増幅部56-1と第3増幅ユニット54の増幅部54-1の構成だけが示され、他の構成は省略されている。
図10,図11に示す双方向増幅装置17においては、図3と同様に制御ユニット51と第1増幅ユニット55,第2増幅ユニット56,第3増幅ユニット54が通信バス17-1により相互に接続されている。
なお、入力レベル調整部241,243,215および出力レベル調整部242,244,216はアッテネータ、イコライザ、ゲインコントロール回路、チルト回路などのレベルや周波数特性を調整可能な回路を組み合わせて構成することができ、いずれの回路にもパラメータが設定されており、このパラメータを上記したように電子制御により調整可能とされている。
ところで、本発明の増幅装置を備える第1実施例の棟内共聴装置1においては、通信信号はゲートウェイ13から双方向増幅装置17,19,22,24に向けて発信されたり、双方向増幅装置17,19,22,24の制御ユニット51のそれぞれから発信されてゲートウェイ13まで上っていくが、棟内共聴装置1の伝送線路に送出された通信信号は双方向増幅装置17,19を通過するようになる。しかしながら、双方向増幅装置17,19においては共聴信号では使用されていない周波数帯域(例えば、920MHz)のキャリアを用いた通信信号が増幅される経路がない(図8参照)ことから減衰してしまうため、双方向増幅装置19,22,24あるいはゲートウェイ13まで届かない恐れがある。そこで、本発明の増幅装置を備える第1実施例の棟内共聴装置1においては、通信信号をマルチホップ通信により双方向増幅装置17,19において減衰を補うために増幅中継するようにしている。なお、共聴信号では使用されていない周波数帯域(例えば、920MHz)のキャリアをFSK変調した通信信号は非同期通信で通信されており、双方向増幅装置17,19,22,24は非同期で通信信号の送受を行っている。
双方向増幅装置17,19におけるマルチホップ通信を行うための構成を示す機能ブロック図を図12(a)に、マルチホップ通信の経路の概略を図12(b)に示す。図12(a)では、図8に示す双方向増幅装置17の構成を省略して示している。
図12(b)に示すマルチホップ通信の経路において、ゲートウェイ13から双方向増幅装置17,19,22,24に向けて伝送線路に送出された通信信号は、双方向増幅装置17に到達して自機向けの宛先情報とされたパケットが取り込まれ、取り込まれなかった通信信号は所定の出力レベルになるようレベル調整されて双方向増幅装置19,22,24に向けて伝送線路に送出される。また、双方向増幅装置19に到達した通信信号は自機向けの宛先情報のパケットが取り込まれ、取り込まれなかった通信信号は所定の出力レベルになるようレベル調整されて双方向増幅装置22,24に向けて伝送線路に送出される。さらに、双方向増幅装置22(24)に到達した通信信号は自機向けの宛先情報のパケットが取り込まれる。
また、図12(b)に示すマルチホップ通信の経路において、ゲートウェイ13に向けて双方向増幅装置17,19,22,24から伝送線路に送出された通信信号は、所定の出力レベルになるようレベル調整されて次段の双方向増幅装置に向けて伝送線路に送出されると共に、到達した双方向増幅装置において送信元情報が自機のパケットからなる通信信号が自機から非同期でかつ所定の出力レベルで次段の双方向増幅装置に向けて伝送線路に送出される。これにより、伝送線路に送出された通信信号はゲートウェイ13に確実に到達するようになる。
ゲートウェイ13に向けて双方向増幅装置17,19,22,24から伝送線路に送出された通信信号の場合も同様であり、シングルホップ通信の場合は、上り方向の次段の双方増幅装置までは届くもののゲートウェイ13までは届かないようになる。これに対して、マルチホップ通信の場合は、双方向増幅装置17,19において通信信号がレベル調整されて中継されることから、ゲートウェイ13まで確実に届くようになる。
図12(a)に示すA点は、図10に示す入力切換スイッチ240とFil13との接続点であるA点に接続され、B点は、図10に示すFil12とFil14との接続点であるB点に接続される。
ゲートウェイ13から送出された通信信号は、図10に示す端子232に入力され、Fil13を通過してA点に至り、通信信号抽出フィルタ221により通信信号のみが抽出されて制御ユニット51の通信I/F105に供給される。通信I/F105ではMCU100の制御の基で、通信信号を受信した双方向増幅装置に向けた宛先情報のパケットが取り込まれると共に、供給された通信信号のレベルが所定の出力レベルになるようレベル調整されて通信I/F105から次段の双方向増幅装置に向けて送出される。送出された通信信号は通信信号抽出フィルタ221を通過してB点に至る。そして、Fil14を通過しSp15を介して端子233から所定の出力レベルで出力される。
このように、本発明の増幅装置を備える第1実施例の棟内共聴装置1および本発明の増幅装置を備える第2実施例の棟内共聴装置5においては、マルチホップ通信を行うことにより通信信号の減衰を補うことができ、通信信号は最終段の双方向増幅装置あるいはゲートウェイ13まで確実に到達するようになる。
次に、本発明の第1実施例の棟内共聴装置1の使用例を説明する。この使用例を説明するための構成のみを図13に示す。図13に示す構成は、分岐・分配器23で分配された分配信号が供給される宅内300の構成のみとされており、この構成は図1に示す第1実施例の棟内共聴装置1の分岐・分配器23の使用例の構成とされて、他の構成は省略して示している。
図13に示す使用例において、分岐・分配器23で分配された共聴信号が宅内300の分配器311に供給され、分配器311で複数に分配された共聴信号が、直列ユニットにおけるそれぞれ同軸端子とされた複数のテレビ端子312に供給されている。テレビ端子312の一つにはテレビ受像機(TV)320が接続され、他のテレビ端子312にはCATVモデム321が接続されている。そして、テレビ端子312の一つに測定ユニット322が接続されている。テレビ端子312の一つに測定ユニット322が接続されると、本発明の第1実施例の棟内共聴装置1が備える本発明の増幅装置の出力レベルが以下に説明するように自動的にレベル調整されるようになる。
なお、以上の説明では分岐・分配器23からの分配信号を使用するようにしたが、分岐・分配器18,20,25からの分配信号を引き込んだ宅内において、テレビ端子の一つに測定ユニット322を装着した場合も、上記したように本発明の第1実施例の棟内共聴装置が備える全てのテレビ端子から出力される共聴信号であるCATV上り信号、CATV下り信号およびCS・BS-IF信号の出力レベルが所定の出力レベルとなるよう自動的にレベル調整されるようになる。
次に、本発明の第2実施例の棟内共聴装置5の使用例を説明する。この使用例を説明するための構成のみを図14に示す。図14に示す構成は、分岐・分配器23で分配された分配信号が供給される宅内300の構成のみとされており、この構成は図2に示す第2実施例の棟内共聴装置5の分岐・分配器23の使用例の構成とされて、他の構成は省略して示している。
図14に示す使用例において、分岐・分配器23で分配された共聴信号が宅内300の分配器311に供給され、分配器311で複数に分配された共聴信号が、直列ユニットにおけるそれぞれ同軸端子とされたテレビ端子312に供給されている。テレビ端子312の一つにはテレビ受像機(TV)320が接続され、他のテレビ端子312にはFM受信機323が接続されている。そして、テレビ端子312の一つに測定ユニット322が接続されている。テレビ端子312の一つに測定ユニット322が接続されると、本発明の第2実施例の棟内共聴装置5が備える本発明の増幅装置の出力レベルが以下に説明するように自動的にレベル調整されるようになる。
なお、以上の説明では分岐・分配器23からの分配信号を使用するようにしたが、分岐・分配器18,20,25からの分配信号を引き込んだ宅内において、テレビ端子の一つに測定ユニット322を装着した場合も、上記したように本発明の第2実施例の棟内共聴装置が備える全てのテレビ端子から出力される共聴信号であるFM放送信号と地上デジタル放送信号およびCS・BS-IF信号の出力レベルが所定の出力レベルとなるよう自動的にレベル調整されるようになる。
また、本発明の実施例の増幅装置である双方向増幅装置における通信バスはRS485と説明したが、これに限ることはなく2線の平衡伝送路を用いてシリアル接続される通信バスとされていればよい。
さらに、通信信号はCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)を採用した非同期通信で通信することができる。
本発明にかかる増幅装置を備える本発明にかかる「棟内共聴装置」には、ビルや集合住宅,共同住宅などの建物に設置する共聴装置、および、戸建の建物に設置する共聴装置などの棟内に設置される共聴装置が含まれているが、双方向増幅装置や分岐・分配器の数は上記説明した数に限らず、棟内の規模や設備等に応じた任意の数とすることができる。
Claims (5)
- 所定の周波数帯域の信号を増幅する増幅ユニットと、
前記増幅ユニットと接続されて、少なくとも前記増幅ユニットにレベルを調整できるパラメータの情報を設定することができると共に、通信信号の送受信を行える通信手段と、前記通信信号の出力レベルをレベル調整するレベル調整手段とを有する制御ユニットとを備え、
前記通信信号は、増幅ユニットでは増幅されない周波数帯域を用いており、前記パラメータの情報が乗った前記通信信号を前記通信手段が受信すると、自機向けの前記パラメータの情報が取り込まれて、前記制御ユニットは取り込んだパラメータの情報を前記増幅ユニットに設定して、前記増幅ユニットのレベルを調整すると共に、受信した前記通信信号の出力レベルが所定の出力レベルになるよう前記制御ユニットの前記レベル調整手段でレベル調整して送出することを特徴とする増幅装置。 - 異なる周波数帯域とされている複数の放送信号を少なくとも含む共聴信号を伝送する棟内における伝送線路に、共聴信号を増幅する複数の増幅装置が設けられ、公衆通信網に接続するゲートウェイを備えている棟内共聴装置において、
前記増幅装置は、
前記共聴信号を構成する複数の周波数帯域の信号を、周波数帯域別にそれぞれ増幅する複数の増幅ユニットと、
前記複数の増幅ユニットと接続されて、少なくとも前記複数の増幅ユニットにレベルを調整できるパラメータの情報を設定することができると共に、通信信号の送受信を行える通信手段を有する制御ユニットとを備え、
前記通信信号は前記共聴信号において使用されていない周波数帯域を用いており、前記ゲートウェイは、公衆通信網を介して受け取った前記パラメータの情報を前記通信信号に乗せて前記複数の増幅装置に向けて前記伝送線路に送出し、前記複数の増幅装置における各増幅装置の前記通信手段が、前記伝送線路から前記通信信号を受信すると、自機向けの前記パラメータの情報が取り込まれて、前記制御ユニットは取り込んだパラメータの情報を前記複数の増幅ユニットに設定して、前記増幅ユニットのレベルを調整すると共に、受信した前記通信信号の出力レベルが所定の出力レベルになるようレベル調整して前記伝送線路に送出することを特徴とする棟内共聴装置。 - 前記制御ユニットは、前記複数の増幅ユニットに設定されたパラメータの情報を取り込むと共に、前記増幅ユニットの動作状態を示す動作データからなるモニタ信号を、前記複数の増幅ユニットから取り込んで、前記パラメータの情報と前記モニタ信号とを乗せた通信信号を作成して、前記通信手段から送出することを特徴とする請求項2に記載の棟内共聴装置。
- 前記制御ユニットは、前記伝送線路から受信した前記通信信号の出力レベルが所定の出力レベルになるようレベル調整して、前記作成した通信信号と共に前記ゲートウェイに向けて前記伝送線路に送出し、前記ゲートウェイは、前記伝送線路から受信した通信信号における前記パラメータの情報と前記モニタ信号とを特定のサーバに向けて公衆通信網に送信できることを特徴とする請求項3に記載の棟内共聴装置。
- 前記ゲートウェイから送信された前記パラメータの情報と前記モニタ信号とを受信したサーバは、前記モニタ信号における前記動作データの情報から、前記複数の増幅装置の各増幅装置における前記複数の増幅ユニットの動作をそれぞれ監視することができることを特徴とする請求項4に記載の棟内共聴装置。
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