JP7109024B2 - モード間損失差補償デバイス - Google Patents

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Description

本開示は、2モード光ファイバを利用するモード多重伝送システムにおいて、LP01モード又はLP11モードを対象とし、LP01及びLP11モードの損失差を制御するデバイスに関する。
光ファイバ通信システムでは、光ファイバ中で発生する非線形効果やファイバヒューズが問題となり、伝送の大容量化が制限されている。これらの制限を緩和するためには、光ファイバに導波する光の密度を低減する必要があり、非特許文献1に示すように大コアファイバが検討されている。
しかし、曲げ損失低減、単一モード動作領域の拡大、実効断面積の拡大は互いにトレードオフの関係にあり、所定の条件下における実効断面積の拡大量には限界があるという課題があった。そこで、伝送ファイバにマルチモードファイバを用い、伝搬する複数のモードを用いて並列伝送を行うモード多重伝送システムが、飛躍的な大容量化を実現する技術として検討されている(例えば、非特許文献2参照。)。
モード多重伝送システムにおいては、送信機から発せられる複数の信号を別々のモードとして光ファイバ中を伝搬させるため、モード合分波器が提案されている(例えば非特許文献3,4参照。)。
一方で、上記のモード多重伝送システムにおいては、伝送ファイバ中やモード合分波器において生じるモード間の損失差によって、伝送品質が劣化してしまうという課題があった。本課題を解決するために、モード依存損失(MDL)補償デバイスが検討されている(例えば非特許文献5、6参照。)。
しかしながら、これまで検討されているMDL補償デバイスは、例えば非特許文献5に記載のものは空間光学系を用いており、内挿する空間フィルタによりモード間損失差補償量が固定値に限定され、空間光学系であるためにデバイスのサイズが大きくなってしまうという課題があった。また、空間フィルタにおいては、モードの電界分布の形状差を利用して基本モードに対してより高い損失を与えるものであるが、フィルタ自身が損失媒体であるため、高次モードであるLP11モードに対しても損失を与えてしまうことが課題であった。
非特許文献6に記載の方法では、モード間損失差を補償するために、伝送路途中でモード合分波器を挿入し、モードを交換することでモード間(チャネル間)の損失差を補償する。モード合分波器は、特定のモードに損失を与える機能は備えていないため、1個のデバイス挿入でモード間損失差を補償することができない。このため、モード合分波器といった追加のデバイスが必要であり、デバイスの増加に伴うLP11モードに対する挿入損失の増加が課題であった。
T. Matsui, et al., "Applicability of Photonic Crystal Fiber With Uniform Air-Hole Structure to High-Speed and Wide-Band Transmission Over Conventional Telecommunication Bands," J. Lightwave Technol. 27, 5410-5416, 2009. N. Hanzawa et al., "Demonstration of mode-division multiplexing transmission over 10 km two-mode fiber with mode coupler," OFC2011, paper OWA4 (2011) N.Hanzawa et al.,"Asymmetric parallel waveguide with mode conversion for mode and wavelength division multiplexing transmission," OFC2012、OTu1l.4. N. Hanzawa et al., "Mode multi/demultiplexing with parallel waveguide for mode division multiplexed transmission," Opt. Express vol.22, pp. 29321-29330 (2014) T. Mizuno et al., "Mode dependent loss equaliser and impact of MDL on PDM-16QAM few-mode fibre transmission," ECOC2015, P5.9 (2015) K. Shibahara et al., "DMD-Unmanaged Long-Haul SDM Transmission Over 2500-km 12-core × 3-mode MC-FMF and 6300-km 3-mode FMF Employing Intermodal Interference Cancelling Technique," OFC2018, paper Th4C.6 (2018)
本開示は、LP11モードにはほとんど損失を与えず、LP01モードに対する損失を設定可能にする、モード間損失差補償デバイスの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本開示のモード間損失差補償デバイスは、
LP01モード及びLP11モードを第1の導波路の第1ポートから入射し、
LP01モードを結合部において第2の導波路に結合させ、
LP01モード及びLP11モードを第1の導波路の第3ポートから出射するモード間損失差補償デバイスにおいて、
2つの前記結合部と、
2つの前記結合部の間に配置されている第1及び第2の導波路に導波路長差ΔLを生じさせる遅延部と、を設ける。
本開示では、結合部の平行導波路長Lcを調整することで、前記第1の導波路を伝搬するLP11モードの前記第2の導波路への移行を防ぐ。
また本開示では、遅延部で発生する前記第1の導波路と前記第2の導波路の導波路間でのLP01モードの導波路間位相差Δθを調整することで、第3ポートから出射されるLP01モードのパワーを減衰させる。
これにより、本開示は、LP01モードとLP11モードとのモード間損失差を補償する。
具体的には、本開示のモード間損失差補償デバイスは、
LP01モード、LP11aモード及びLP11bモードを伝搬可能な第1及び第2の導波路と、
前記第1の導波路及び前記第2の導波路が近接した平行導波路構造を有し、前記第1の導波路を伝搬するLP01モードと前記第2の導波路を伝搬するLP01モードとが結合する2つの結合部と、
を備え、
前記2つの結合部における前記第1の導波路及び前記第2の導波路の構造は同一であり、
前記2つの結合部は、前記第1の導波路を伝搬するLP11aモード及びLP11bモードの前記第2の導波路への移行を防ぐ平行導波路長を有し、
前記2つの結合部の間に、前記第1の導波路と前記第2の導波路とが導波路長差を有する遅延部を備え、
前記遅延部は、LP01モードに対し、前記第1の導波路と前記第2の導波路の導波路との間に、0超π未満の導波路間位相差を生じさせる。
本開示のモード間損失差補償デバイスでは、前記結合部におけるLP01モード、LP11aモード及びLP11bモードの結合長が、それぞれL(LP01)、L(LP11a)、L(LP11b)である場合、l、mを正の偶数、nを自然数として、前記平行導波路長Lcが数1の関係を満たしてもよい。
ここで、m=2、l=6、n=1を含む。
本開示のモード間損失差補償デバイスでは、前記遅延部は、前記第1の導波路の伝搬定数が前記第2の導波路の伝搬定数よりも小さい形態を含む。
本開示のモード間損失差補償デバイスでは、前記遅延部における前記第1の導波路又は前記第2の導波路の少なくとも一方の屈折率を変化させ、LP01モードの前記第1の導波路と前記第2の導波路との導波路間位相差を0超π未満の範囲で可変とする屈折率制御部をさらに備える形態を含む。
ここで、前記屈折率制御部は、導波路に熱を付与し、LP01モードの減衰量を制御してもよい。
なお、上記各開示は、可能な限り組み合わせることができる。
本技術によれば、LP11モードにはほとんど損失を与えず、LP01モードに対する損失を設定可能にする、モード間損失差補償デバイスを提供することができる。
平行導波路を有する2モード合分波器の構成例である。 2つの導波路の実効屈折率の一例である。 LP01モードに損失を与えるための平行導波路構造の例である。 導波路幅と各モードの実効屈折率の変化の計算例である。 各モードの電界分布の例である。 本開示に係るモード間損失差補償デバイスのLP01モードの移行例である。 本開示に係るモード間損失差補償デバイスのLP11aモードの移行例である。 V値と導波路幅及び高さの比に対して、モード間損失差補償デバイスの条件を満たす構造例である。 本実施形態において用いたパラメータである。 各モードの透過特性の計算例であり、(a)はLP01モードを示し、(b)はLP11aモードを示し、(c)はLP11bモードを示す。 導波路長Lmに対するLP01モードの透過特性の変化の計算例である。 遅延部において導波路幅を変化させた構造例である。 各モードの透過特性の計算例であり、(a)はLP01モードを示し、(b)はLP11aモードを示し、(c)はLP11bモードを示す。 実施形態2に係るモード間損失差補償デバイスの構成例である。 実施形態2に係るモード間損失差補償デバイスの第2の構成例である。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本開示は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。これらの実施の例は例示に過ぎず、本開示は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
(実施形態1)
本開示の第1の実施例について説明する。本開示は、平面導波路を用いたモード間損失差補償デバイスであり、既存のPLC(Planar Lightwave Circuit)技術を用いることで、量産性の高いコンパクトなデバイスを実現することができる。PLCを用いたモード制御としては、図1に示す非対称平行導波路型が用いられている。本図では、平行導波路を用いた2モード合分波器の構成を示している。
導波路101は、LP01及びLP11モードが伝搬する導波路であって、導波路102は、LP01モードが伝搬する導波路である。2つの導波路101及び102は、一部平行に近接している領域(結合部)があり、その部分が結合部203として機能する。結合部203では、図2に示すように、導波路101を伝搬するLP11モードの実効屈折率(neff)と導波路102を伝搬するLP01モードを伝搬する実効屈折率が一致するよう導波路幅w,w及び比屈折率差が調整されている。実効屈折率が一致することで、導波路が近接している領域でモード変換が発生し、導波路102を伝搬してきた光は導波路101に周期的にパワーが移行する。
ここで、結合部203の平行導波路長Lcを導波路101にパワーが完全に移行するよう調整すると、第2ポートより入射したLP01モードは、導波路101のLP11モードとして第3ポートへ出射される。一般に、異なるLPモード間で実効屈折率を一致させるためには、導波路の構造が同一でない非対称平行導波路構造が必要となる。一方で、第1ポートから入射されたLP01モードは、基本モードとして導波路101を伝搬し、導波路101のLP01モードと導波路102のLP01モードの実効屈折率が一致していないことから、結合部にてモード変換が発生せず、LP01モードとして第3ポートへ出射される。結果、第1ポート及び第2ポートに信号を入射することで、第3ポートにおいてLP01及びLP11モードの2モードが多重された信号を得ることができ、モード合波器としての機能を実現することができる(詳しい設計手法については非特許文献3を参照のこと)。
また、モード多重されたLP01及びLP11モードの光を、第3ポートから入射することで、LP11モードを導波路102に分離し、LP01モードを第1ポート及び第2ポートから出射することができる。これにより、本開示は、モード合波器と同構造で、モード分波器として利用することができる。
本構造でモード間損失差補償を実現しようとすると、例えば結合部203の平行導波路長Lcや導波路間隔gを制御することで、第1ポートから入射されたLP11モードが第4ポートにLP01モードとして結合するため、第3ポートに出射されるLP11モードのパワーを制御することができ、第1ポートから入射されたLP01モードに関しては、結合せずに第3ポートに出射されるため、結合部203の結合効率を制御することで、任意のモード間損失差を付与することができる。
しかしながら、一般的には伝送ファイバ中やコンポーネントにおいては、基本モードより高次モードの方が損失が高く、モード間損失差補償デバイスとしては、それらの特性とは逆の、基本モードの方が高次モードよりも損失が高くなることが求められるため、本構成は好ましくない。
図3に、基本モードの損失を制御する構成例を示す。本構成では、第1ポート-第3ポートを接続する導波路101がLP01、LP11a、LP11bモードの3モードを伝搬する導波路であって、第2ポート-第4ポートを接続する導波路102がLP01、LP11a、LP11bモードの3モード以上を伝搬する導波路である。結合部204において、導波路101のLP01モードの実効屈折率と、導波路102のLP11モードの実効屈折率と一致するよう導波路構造を調整し、平行導波路長Lc及び平行導波路間隔gを適切に調整することで、導波路101を伝搬してきたLP01モードを導波路102のLP11モードに結合させ、第3ポートに出射されるLP01モードのパワーを制御することができる。
しかしながら、本構成においても、基本モードのみに損失を付与することは難しい。図4に、導波路101及び102の比屈折率Δを1%、導波路高さhを10μmとした時の、導波路幅wに対する各モードの実効屈折率neffの変化を示す。LP01モードの実効屈折率とLP11aモードの実効屈折率を一致させようとすると、LP11bモードがLP21aモードと結合してしまい、LP11モードに対しても損失が生じてしまう。なお、モードと対応する電界分布の対応を図5に示す。
本開示の導波路構造概要を図6及び図7に示す。本構造では、2つの導波路(導波路101及び導波路102)の構造は同一であり、結合部103、104においては、導波路101のLP01モードが、導波路102のLP01モードへ、導波路101のLP11a/LP11bモードが、導波路102のLP11a/LP11bモードへ結合する。これは、各導波路において、各モードの実効屈折率が同一であるからである。
ここで、一方の導波路から他方の導波路へ光パワーが完全に移行するために必要な平行導波路の結合長Lに関しては、導波路コア部からクラッド部への電界の染みだし量によって決まり、一般に結合長Lは、LP01、LP11b、LP11aモードの順で短くなる。
本開示では、2つの結合部103、104を有し、結合部103、104間の区間で、導波路101及び導波路102を伝搬する遅延量が異なるよう遅延部201を有している。ここで、遅延部201によって生じる導波路101及び導波路102間の遅延量に相当する導波路長差をΔLとする。
ここで、各結合部103、104において、LP01モードが1:1で分岐され、LP11aおよび、LP11bモードは、導波してきた導波路から他方の導波路へ光パワーの移行が無いよう、結合部103、104の平行導波路長Lcを調整するものとする。
この時、LP01、LP11a、LP11bモードに対する結合長を、L(LP01)、L(LP11a)、L(LP11b)とすると、結合部103の平行導波路長Lcは、
(数1)
Lc=L(LP11a)×l
=L(LP11b)×m
=L(LP01)×(n+0.5) (1)
であればよいことになる。
ここで、l、mは正の偶数、nは0以上の整数である。なお、結合部103においては、周期的に導波路間で光パワーが移行され、他方の導波路に光パワーが完全に移行する平行導波路長を結合長Lとしている。結合部104についても同様である。
Lcは、大きいと波長依存性が大きくなることから、できる限り小さい方が良い。よって、結合長Lが最も長いLP01モードに対して、設計可能な最小の次数となるn=1とする、及び、LP11aモードの結合長よりLP11bモードの結合長が長いことから、m=2とすることで結合部103、104の平行導波路長Lcを最小化することができる。なお、次数nの最小値は0であるが、設計解が無いため、n=1が現実的に設定可能な最小の次数である。
m=2とし、導波路幅wを10μm、平行導波路間隔gを3μmとした時の、伝搬モードのV値と、導波路高さhと導波路幅wの比率に対して、数1を満たす条件を計算したものを図8に示す。ここで、2本の線は、一方を2L(LP11b)とL(LP11a)の比率が6となる構造及びV値の組み合わせ、他方を2L(LP11b)とL(LP01)の比率が1.5となる構造及びV値の組み合わせを示す。つまり、l=6、n=1となる条件を示している。結果より、v=0.98で、h/wを0.9とすることで、数1の条件を満たす導波路を実現することができる。
なお、V値は
Figure 0007109024000001
で定義され、λは波長、wは導波路幅、ncoはコアの屈折率、nclはクラッドの屈折率を示している。
上記の設計に基づき、モード間損失差補償デバイスの設計を行う。設計パラメータは図9に記載の通りであり、数1を満たすLcとして、5480μmとしている。また、本構造とすることで、波長1.53~1.57μmに対してV値はおよそ0.98となり、h/wは0.9となっており、図8の条件を満たしている。
本設計における第1ポートからLP01、LP11a、LP11bモードを入射した場合の第3ポートへの透過特性を計算したものを図10に示す。なお、遅延部201の導波路102の直線部分(長さLmの導波路区間)に熱を付与して、屈折率を変化させた時の特性についても記載している。LP11aモード及びLP11bモードは、ほとんど導波路102に光パワーが移行せず、第3ポートへ出射されていることがわかる。LP01モードに関しては、結合部103、104において1:1の比率で導波路101と導波路102にパワーが分岐されて、2つの結合部103、104を介した干渉計構造及び遅延部201における熱の付与により、入射パワーに対して90%~100%の範囲で第3ポートへの出射パワーの制御が可能となっている。
先に示したLP01モードの透過特性に関しては、干渉計構造の特性から、遅延部201の遅延差によって特性が大きく変化する。先の構造において、Lmを3000~15000μmまで変化させ、遅延部201の導波路102の直線部分(長さLmの導波路区間)に熱(+40℃)を付与した時のLP01モードの透過特性を図11に示す。Lmが変化することで、LP01モードの第3ポートへの出射パワーが変化することがわかる。なお、Lmを変化させても、各結合部103、104においてLP11モードは他方の導波路へ光パワーが移行しないため、LP11a及びLP11bモードに関しては、Lmの変化に対して透過特性は変化せず、図10のLP11a及びLP11bモードの特性から変化しない。
よって、本開示の構造を用いることで、LP11モードに損失を与えず、LP01モードにのみ損失を付与することができ、伝送路中で発生するモード間損失差を補償することができる。
ここで、Lmの変化によって、導波路101に入射されたLP01モードが第3ポートから全く出射されない場合は、遅延部201におけるLP01モードの導波路間位相差Δθが0+(2π×j)(jは整数)となる時であり、全ての入射パワーが第3ポートに出射される場合は、導波路間位相差Δθがπ+(2π×k)(kは整数)であり、その間の透過特性を実現する為には、遅延部201において0+(2π×h)~π+(2π×h)(hは整数)の導波路間位相差Δθとすればよい。
ここで、Lmと導波路間位相差Δθの関係は、遅延部201の導波路102の直線部分(長さLmの導波路区間)に熱などを付与して屈折率を変化させた場合、当該導波路区間における導波路101及び102間の導波路の屈折率差がΔn、伝搬定数差がΔβとなったとすると、
Figure 0007109024000002
で求められる。
なお、Δδは、熱を付与しない場合において、導波路101及び102の間で生じる導波路間位相差であり、導波路101及び102が同一構造である場合は、直線導波区間以外の曲げ部Ldなどによって生じる導波路長差によって生じる位相差である。
導波路101及び導波路102の構造が同一である場合は、Δn=0であるので、Lmを変化させても透過特性は変化しないが、導波路構造が異なる場合や、片方の導波路のみ、熱などにより屈折率を変化させることで、Lmの変化により導波路間位相差Δθが生じることとなる。ここで、本開示では、結合部103及び104を備える平行導波路構造を有し、遅延部201が曲げ部Ldを備える。このため、本開示は、導波路101と102が同一構造であっても、遅延部201において導波路間位相差Δθは生じる(式3のΔδに相当)。また、熱を付与する部分が曲げ部Ldを包含するように設けられる場合は、Lm以外にLdの形状に依存した導波路間位相差Δθを生じさせることができる。
なお、遅延部201における導波路幅は、結合部103、104及び入出射部の導波路の幅と一致する必要は無く、例えば、図12に示すように、導波路101の遅延部201における導波路幅を減少させ、導波路102の遅延部201における導波路幅を増加させることで、遅延部201の各導波路101、102における伝搬定数を変化させることにより、単位長さあたりで発生する導波路間遅延量を増加させることで、LP01モードに損失を与えるために必要なLmが小さくなる、又はLP01モードの損失を変化させるために必要なLm変化量を低減することができ、デバイスのコンパクト化に有効である。
また、材質の屈折率変化には、異なる材料からなる導波路(シリコン導波路など)を遅延部における導波路101又は102に挿入することでも導波路間位相差Δθを生じさせることもでき、また、曲げなどにより導波路長を変化させることでも導波路間位相差Δθを生じさせることができる。
(実施形態2)
図12の導波路構造における各モードの透過特性を計算したものを図13に示す。図10の結果では、遅延部201の導波路102の部分への熱の付与によるLP01モードの透過特性変化は小さいものであったが、図13の結果では遅延部201の導波路102の部分への0~40°Cの変化の範囲においてもLP01モードの透過特性の変化が生じていることがわかる。
そこで、本実施形態に係るモード間損失差補償デバイスは、図14に示すように、導波路102の少なくとも一部を加熱して屈折率を可変する屈折率制御部105を備える。
例えば、屈折率制御部105が導波路102を20℃に加熱することで、図12に示すように、LP01モードの入射パワーに対して第3ポートへの出射パワーを90%にすることができる。屈折率制御部105が導波路102を40℃に加熱することで、図12に示すように、LP01モードの入射パワーに対して第3ポートへの出射パワーを略70%にすることができる。
ここで、遅延部201における導波路長差ΔLを設ける本質的な意味は、2つの導波路101及び102を伝搬する光波に所望の導波路間位相差Δθを与えることであり、例えば、同一構造であっても、遅延部201に屈折率制御部105を設けることで遅延部201における屈折率を変化させ、実効的な光路長差を変化させることでLP01モードの透過特性を可変とすることができるようになる。そのため、屈折率制御部105は、導波路102を加熱するヒータに限らず、電界の印加などの屈折率を変化させうる任意の手段を用いることができる。
なお、本実施形態では、導波路102に屈折率制御部105が備わる例を示したが、図15に示すように、本開示は導波路101に屈折率制御部106をさらに備える構成を含む。このように、導波路101に屈折率制御部106をさらに備えることで、LP01モードの透過特性をさらに変化させることができる。
なお、本開示においてはガラス系材料を用いた平面光波回路に関する実施例を記載したが、その材料は当然ほかのものであってもかまわない。たとえば、Si系やInGaAsPなどの半導体、またポリマーなどの有機物を用いた平面光波回路であっても、本明細書記載の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、使用する波長帯に関しても、本明細書記載の実施形態では1.53~1.57μm程度としているが、より波長の長い中赤外領域(2μm以上)や可視光帯であっても構わない。
本開示は、平面導波路デバイスによりモード間の損失差を補償するデバイスである。
101、102:導波路
103、104、203、204:結合部
105、106:屈折率制御部
201:遅延部

Claims (6)

  1. LP01モード、LP11aモード及びLP11bモードを伝搬可能な第1及び第2の導波路と、
    前記第1の導波路及び前記第2の導波路が近接した平行導波路構造を有し、前記第1の導波路を伝搬するLP01モードと前記第2の導波路を伝搬するLP01モードとが結合する2つの結合部と、
    を備え、
    前記2つの結合部における前記第1の導波路及び前記第2の導波路の構造は同一であり、
    前記2つの結合部は、前記第1の導波路を伝搬するLP11aモード及びLP11bモードの前記第2の導波路への移行を防ぐ平行導波路長を有し、
    前記2つの結合部の間に、前記第1の導波路と前記第2の導波路とが導波路長差を有する遅延部を備え、
    前記遅延部は、LP01モードに対し、前記第1の導波路と前記第2の導波路の導波路との間に、0超π未満の導波路間位相差を生じさせる、
    モード間損失差補償デバイス。
  2. 前記結合部におけるLP01モード、LP11aモード及びLP11bモードの結合長が、それぞれL(LP01)、L(LP11a)、L(LP11b)である場合、l、mを正の偶数、nを自然数として、前記平行導波路長Lcが
    (数C1)
    Lc=L(LP11a)×l
    =L(LP11b)×m
    =L(LP01)×(n+0.5) (C1)
    の関係を満たす、
    請求項1に記載のモード間損失差補償デバイス。
  3. m=2、l=6、n=1である、
    請求項2に記載のモード間損失差補償デバイス。
  4. 前記遅延部は、前記第1の導波路の伝搬定数が前記第2の導波路の伝搬定数よりも小さい、
    請求項1から3のいずれかに記載のモード間損失差補償デバイス。
  5. 前記遅延部における前記第1の導波路又は前記第2の導波路の少なくとも一方の屈折率を変化させ、LP01モードの前記第1の導波路と前記第2の導波路との導波路間位相差を0超π未満の範囲で可変とする屈折率制御部をさらに備える、
    請求項1から4のいずれかに記載のモード間損失差補償デバイス。
  6. 前記屈折率制御部は、導波路に熱を付与し、LP01モードの減衰量を制御する、
    請求項5に記載のモード間損失差補償デバイス。
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