JP7108414B2 - 保持装置 - Google Patents

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Description

本発明は、大きさの異なる被加工物を吸引保持できる保持装置に関する。
研削装置等に備えられ、例えば8インチウェーハまたは12インチウェーハのいずれかのウェーハを保持面で吸引保持する保持テーブルは、中央保持面と、中央保持面の外側の環状保持面とを備えることで、複数のサイズのウェーハに対応し保持テーブル自体を交換することなくウェーハを適切に吸引保持することが可能となっている(例えば、特許文献1参照)。
このような保持テーブル(所謂、ユニバーサルチャックテーブル)で8インチウェーハを吸引保持するときは、中央保持面だけを吸引源に連通させ、12インチウェーハを吸引保持するときは、中央保持面と環状保持面とを吸引源に連通させる。即ち、保持テーブルは、中央保持面を吸引源に連通させる第1の吸引路内に第1のバルブを備え、環状保持面を吸引源に連通する第2の吸引路内に第2のバルブを備え、8インチウェーハを保持する時は第1のバルブだけを開き、12インチウェーハを保持する時は第1のバルブと第2のバルブとを開いて保持面積を切り換えている。
特開2001-038556号公報
研削装置は、研削加工を開始する前に予め8インチウェーハを加工するか又は12インチウェーハを加工するかを設定されているので、そのウェーハサイズ設定に応じて第1のバルブと第2のバルブとを動作させている。マニュアルタイプの研削装置では、作業者がウェーハサイズを設定している。その一方で、フルオートの研削装置では、例えば、ウェーハが複数枚収容されたカセットがカセットステージに載置されることで、カセットサイズの情報から研削装置に搬入されたウェーハのサイズが認識される。
したがって、研削装置に予め設定されたウェーハサイズと実際に研削装置に搬入されこれから加工されるウェーハのサイズとに違いが有る場合、保持テーブルがウェーハを適切に吸引保持できなくなるという問題がある。
よって、異なったサイズの各種のウェーハに研削加工等を施す場合には、ウェーハサイズを加工装置に設定しなくとも、保持テーブルの保持面がウェーハサイズに応じた保持面積に自動的に切り換わるようにして、適切な面積の保持面でウェーハを確実に吸引保持できるようにするという課題がある。
上記課題を解決するための本発明は、吸引領域を切り換えて、大きさの異なる被加工物を吸引保持できる保持装置であって、中央吸引領域と該中央吸引領域を囲繞する外周吸引領域とを有するテーブルと、該中央吸引領域に第一の連通管を介して連通される吸引源と、該外周吸引領域に第二の連通管を介して連結され該外周吸引領域と該吸引源とを選択的に連通するバルブ機構とを備え、該バルブ機構は、第一の部屋と、該第一の部屋に隣接し連通口を介して連通する第二の部屋と、該連通口を選択的に開閉する開閉手段と、を含み、該開閉手段は、該第一の部屋に配設され該連通口に接近又は離間する方向に移動可能な板状の上蓋を有する第三の部屋と、該上蓋を該連通口と接近する方向に移動させる力を備え該上蓋に一体的に連結し蛇腹状の筒体であり該上蓋の下面と筒内周面とで該第三の部屋を形成する弾性部材と、該上蓋に連結し該連通口に貫入するシャフトと、該シャフトの先端に装着され該第二の部屋内に位置づけられ該連通口に離間又は接近し該連通口を選択的に開閉する弁と、から構成され、該第二の部屋内には、該弁が該連通口を閉じているか否かを検出するセンサを備え、該第二の部屋は第三の連通管を介して該吸引源に連結され、該第三の部屋は第四の連通管を介して該吸引源に連結され、該外周吸引領域に連通する該第二の連通管は該第一の部屋に連結され、該中央吸引領域を覆い被加工物が載置されると、被加工物は該中央吸引領域に吸引保持され、該第一の部屋は該外周吸引領域を通して外気に開放され、該吸引源に連通された該第三の部屋は減圧されて容積が減少して該シャフトを介して該弾性部材側に向かって引っ張られた該弁で該連通口を閉塞して該外周吸引領域から該第二の部屋への外気の進入を防止し、該中央吸引領域と該外周吸引領域とを覆い被加工物が載置されると、被加工物は該中央吸引領域に吸引保持されると共に該外周吸引領域は該第二の連通管と該第一の部屋と該連通口と該第二の部屋と該第三の連通管とを介して該吸引源に連結し吸引保持され、さらに、該センサにより該外周吸引領域が被加工物を吸引保持しているか否かを判断できる保持装置である。
前記連通口と前記シャフトとの間の隙間の断面積をAとし、前記蓋の面積から該シャフトの断面積を除いた面積をBとし、前記第一の部屋の気圧をHとし、前記弾性部材の該蓋を該連通口と接近する方向に移動させる力をWとした場合、B×H>A×H+Wとなる。
前記第三の連通管内の断面積は、前記第四の連通管内の断面積より小さいと好ましい。
前記外周吸引領域を囲繞する第二の外周吸引領域を更に有する場合に、該第二の外周吸引領域に前記バルブ機構が独立して連結されてもよい。
本発明に係る保持装置は、吸引領域を切り換えて、大きさの異なる被加工物を吸引保持できる保持装置であって、中央吸引領域と中央吸引領域を囲繞する外周吸引領域とを有するテーブルと、中央吸引領域に第一の連通管を介して連通される吸引源と、外周吸引領域に第二の連通管を介して連結され外周吸引領域と吸引源とを選択的に連通するバルブ機構とを備え、バルブ機構は、第一の部屋と、第一の部屋に隣接し連通口を介して連通する第二の部屋と、連通口を選択的に開閉する開閉手段と、を含み、開閉手段は、第一の部屋に配設され連通口に接近又は離間する方向に移動可能な板状の上蓋を有する第三の部屋と、上蓋を連通口と接近する方向に移動させる力を備え上蓋に一体的に連結し蛇腹状の筒体であり上蓋の下面と筒内周面とで該第三の部屋を形成する弾性部材と、蓋に連結し連通口に貫入するシャフトと、シャフトの先端に装着され第二の部屋内に位置づけられ連通口に離間又は接近し連通口を選択的に開閉する弁と、から構成され、第二の部屋内には、弁が連通口を閉じているか否かを検出するセンサを備え、第二の部屋は第三の連通管を介して吸引源に連結され、第三の部屋は第四の連通管を介して吸引源に連結され、外周吸引領域に連通する第二の連通管は第一の部屋に連結されているため、中央吸引領域を覆い被加工物(例えば、8インチウェーハ)が載置されると、被加工物は中央吸引領域に吸引保持され、第一の部屋は外周吸引領域を通して外気に開放され、吸引源に連通された第三の部屋は減圧されて容積が減少してシャフトを介して弾性部材側に向かって引っ張られた弁で連通口を閉塞して外周吸引領域から第二の部屋への外気の進入を防止することができ、テーブルの上面から吸引力がリークすることが無くなる。また、テーブルの中央吸引領域と外周吸引領域とを覆い被加工物(例えば、12インチウェーハ)が載置されると、被加工物は、中央吸引領域に吸引保持されると共に、第二の連通管と第一の部屋と連通口と第二の部屋と第三の連通管とを介して吸引源に連結した外周吸引領域に吸引保持される。即ち、ウェーハサイズを保持装置を備える加工装置に設定しなくとも、テーブルの保持面がウェーハサイズに応じた保持面積に自動的に切り換わり、適切な面積の保持面で被加工物を確実に吸引保持できるようになる。特に、弾性部材を、上蓋を連通口と接近する方向に移動させる力を備え上蓋に一体的に連結し蛇腹状の筒体であり上蓋の下面と筒内周面とで第三の部屋を形成する構成としたことで、弁を第三の部屋内の気圧変化によって伸縮する弾性部材によって連通口に対してぶれたり傾いた状態で接近させたりすることが無いようにできるため、弁によって連通口をエア漏れなく確実に閉じることが可能となり、また、弁の開閉を従来よりも低コストでかつ複雑でない構成で実現可能となる。さらに、第二の部屋内には、弁が連通口を閉じているか否かを検出するセンサを備えることで、上記のように連通口に対してぶれたり傾いた状態で接近又は離間したりすることがない弁の位置から、センサによってテーブルの外周吸引領域が被加工物を吸引保持しているか否かを判断できる。
また、吸引領域を切り換えて、大きさの異なる被加工物を吸引保持できる本発明に係る保持装置は、中央吸引領域と中央吸引領域を囲繞する外周吸引領域とを有するテーブルと、中央吸引領域に第一の連通管を介して連通される吸引源と、外周吸引領域に第二の連通管を介して連結され外周吸引領域と吸引源とを選択的に連通するバルブ機構とを備え、バルブ機構は、第一の部屋と、第一の部屋に隣接し連通口を介して連通する第二の部屋と、連通口を選択的に開閉する開閉手段と、を含み、開閉手段は、第一の部屋に配設され連通口に対向して形成される開口を有する第三の部屋と、開口を閉塞し連通口と接近又は離間する方向に移動しつつ第三の部屋内の容積を可変する上蓋と、上蓋を連通口と接近する方向に移動させる力を備える弾性部材と、上蓋に連結し連通口に貫入するシャフトと、シャフトの先端に装着され第二の部屋内に位置づけられ連通口に離間又は接近し連通口を選択的に開閉する弁と、から構成され、第二の部屋内には、弁が連通口を閉じているか否かを検出するセンサを備え、第二の部屋は第三の連通管を介して吸引源に連結され、第三の部屋は第四の連通管を介して吸引源に連結され、外周吸引領域に連通する第二の連通管は第一の部屋に連結されているため、中央吸引領域を覆い被加工物(例えば、8インチウェーハ)が載置されると、被加工物は中央吸引領域に吸引保持され、第一の部屋は外周吸引領域を通して外気に開放され、吸引源に連通された第三の部屋は減圧されて容積が減少してシャフトを介して開口に向かって引っ張られた弁で連通口を閉塞して外周吸引領域から第二の部屋への外気の進入を防止することができ、テーブルの上面から吸引力がリークすることが無くなる。また、テーブルの中央吸引領域と外周吸引領域とを覆い被加工物(例えば、12インチウェーハ)が載置されると、被加工物は、中央吸引領域に吸引保持されると共に、第二の連通管と第一の部屋と連通口と第二の部屋と第三の連通管とを介して吸引源に連結した外周吸引領域に吸引保持される。即ち、ウェーハサイズを保持装置を備える加工装置に設定しなくとも、テーブルの保持面がウェーハサイズに応じた保持面積に自動的に切り換わり、適切な面積の保持面で被加工物を確実に吸引保持できるようになる。さらに、第二の部屋内には、弁が連通口を閉じているか否かを検出するセンサを備えることで、弁の位置から、センサによってテーブルの外周吸引領域が被加工物を吸引保持しているか否かを判断できるようになる。
第三の連通管内の断面積は、第四の連通管内の断面積より小さいものとすることで、中央吸引領域を覆い被加工物(例えば、8インチウェーハ)が載置された場合に、開閉手段を連通口が弁によって閉塞された状態により早く到達させることができる。
テーブルが外周吸引領域を囲繞する第二の外周吸引領域を更に有する場合に、第二の外周吸引領域にバルブ機構が独立して配設されるものとすることで、中央吸引領域及び外周吸引領域のみで被加工物を吸引保持する際に、第二の外周吸引領域のバキュームリークを防止してテーブルの保持面を適切な保持面積とすることができる。
研削装置の一例を示す斜視図である。 研削手段及び保持装置の一例を示す断面図である。 図3(A)は、バルブ機構において、連通口が開かれた状態を近接センサが検出する場合を説明する断面図である。図3(B)は、バルブ機構において、連通口が弁によって閉じられた状態を近接センサが検出する場合を説明する断面図である。 図4(A)は、バルブ機構において、連通口が開かれた状態を透過型光センサが検出する場合を説明する断面図である。図4(B)は、バルブ機構において、連通口が弁によって閉じられた状態を透過型光センサが検出する場合を説明する断面図である。 テーブルの中央吸引領域を覆い8インチウェーハが載置された状態で吸引源が作動した状態を示す断面図である。 テーブルの中央吸引領域を覆い8インチウェーハが載置された状態で吸引源が作動した後、シャフトを介して弁が引っ張られ連通口が閉塞されて外周吸引領域から第二の部屋への外気の進入が防止された状態を示す断面図である。 テーブルの中央吸引領域と外周吸引領域とを覆い12インチウェーハが載置された状態で吸引源が作動し、12インチウェーハが中央吸引領域と外周吸引領域とで吸引保持された状態を示す断面図である。 テーブルの中央吸引領域を覆い8インチウェーハが載置された状態で吸引源が作動した状態を示す断面図である。 テーブルの中央吸引領域を覆い8インチウェーハが載置された状態で吸引源が作動した後、シャフトを介して弁が引っ張られ連通口が閉塞されて外周吸引領域から第二の部屋への外気の進入が防止された状態を示す断面図である。 テーブルの中央吸引領域と外周吸引領域とを覆い12インチウェーハが載置された状態で吸引源が作動し、12インチウェーハが中央吸引領域と外周吸引領域とで吸引保持された状態を示す断面図である。 テーブルが外周吸引領域を囲繞する第二の外周吸引領域を更に有する場合に、第二の外周吸引領域にバルブ機構が独立して配設されている状態を示す説明図である。
図1に示す研削装置1は、大きさの異なる被加工物(例えば、8インチウェーハW1又は12インチウェーハW2)を吸引保持できる本発明に係る保持装置3と、保持装置3が保持した被加工物を研削する研削ホイール64を装着した研削手段6と、を備えている。
8インチウェーハW1及び12インチウェーハW2は、例えば、シリコンを母材とする外形が円形板状の半導体ウェーハであり、図1における下面(被保持面)は、分割予定ラインによって格子状に区画された各領域にデバイスがそれぞれ形成されており、図示しない保護テープが貼着され保護されている。
研削装置1のベース10上の後方側(+X方向側)には、コラム17が立設しており、その前面には、研削手段6をZ軸方向(鉛直方向)に研削送りする研削送り手段7が配設されている。研削送り手段7は、Z軸方向の軸心を有するボールネジ70と、ボールネジ70と平行に配設された一対のガイドレール71と、ボールネジ70に連結しボールネジ70を回動させるモータ72と、内部のナットがボールネジ70に螺合し側部がガイドレール71に摺接する昇降板73と、昇降板73に連結され研削手段6を保持するホルダ74とから構成され、モータ72がボールネジ70を回動させると、これに伴い昇降板73がガイドレール71にガイドされてZ軸方向に往復移動し、ホルダ74に支持された研削手段6もZ軸方向に往復移動する。
研削手段6は、軸方向がZ軸方向である回転軸60と、回転軸60を回転可能に支持するハウジング61と、回転軸60を回転駆動するモータ62と、回転軸60の下端に取り付けられたマウント63と、マウント63に着脱可能に接続された研削ホイール64とを備える。研削ホイール64は、ホイール基台640と、略直方体形状の外形を備えホイール基台640の下面に複数環状に配設された研削砥石641とを備えている。研削砥石641は、適宜のボンド剤でダイヤモンド砥粒等が固着されて成形されている。
研削手段6の近傍には研削水噴射ノズル18が配設されている。研削水噴射ノズル18は、研削水供給源19から供給された研削水を図2に示す回転する研削ホイール64と被加工物(12インチウェーハW2)との接触部位に向かって噴射し、接触部位を冷却しかつ研削により生じた研削屑を除去する。
研削装置1のベース10上に配設された保持装置3は、カバー16によって周囲から囲まれており、カバー16及びカバー16に連結されX軸方向に伸縮する蛇腹カバー15の下に配設された図示しないX軸方向移動手段によって、ベース10上をX軸方向に往復移動可能となっている。
保持装置3は、中央吸引領域300aと中央吸引領域300aを囲繞する外周吸引領域300bとを有するテーブル30と、中央吸引領域300aに第一の連通管31を介して連通される吸引源39と、外周吸引領域300bに第二の連通管32を介して連結され外周吸引領域300bと吸引源39とを選択的に連通するバルブ機構4とを備えている。
テーブル30は、例えば外形が円形状であり、ポーラス材等からなり被加工物を吸着する吸着部300と、吸着部300を支持する枠体301とを備える。テーブル30は、テーブル30の下方に配設された図示しない回転手段によりZ軸方向の軸心周りに回転可能となっている。
吸着部300は、非通気性の材質からなりテーブル30の中心を中心とした同心円状に配設された仕切り部302によって、バームクーヘン状に中央吸引領域300aと中央吸引領域300aを囲繞する外周吸引領域300bとに区分けされている。
吸着部300の露出面は、被加工物の各サイズに応じて面積を変更可能な保持面となる。即ち、中央吸引領域300aの上面(露出面)は、8インチウェーハW1の直径に対応する直径を備えており、テーブル30が8インチウェーハW1を吸引保持する際の吸引保持面となる。外周吸引領域300bの上面の外径は、12インチウェーハW2の直径に対応する大きさとなっており、テーブル30が12インチウェーハW2を吸引保持する際には、図2に示すように中央吸引領域300aの上面及び外周吸引領域300bの上面が吸引保持面となる。
図2に示すように、吸着部300の露出面(中央吸引領域300aの上面及び外周吸引領域300bの上面)は、テーブル30の回転中心を頂点とする極めて緩やか傾斜を備える円錐面に形成されている。そして、テーブル30の下方には、カップリング等を介してテーブル30に接続される図示しない傾き調節機構が配設されている。傾き調節機構は、吸着部300の露出面の研削砥石641の研削面に対する傾きを調節して、例えば、図2に示すように両面が平行な状態することができる。
図2に示すように、金属配管又は可撓性を有する樹脂チューブ等からなる第一の連通管31は、その一端31a側がテーブル30の枠体301を上下方向に貫通して中央吸引領域300aに連通している。第一の連通管31の他端31b側は開閉弁390を介してバキュームポンプやエジェクタなどの真空発生装置からなる吸引源39に連通している。開閉弁390は、吸引源39とテーブル30とが連通している状態と連通していない状態とを切り替える。
バルブ機構4は、例えば、内部が空洞の円柱状の外形を備えるケーシング40を備えており、ケーシング40の内周面の所定の高さ位置には円環板状の仕切り板400が配設されている。そして、ケーシング40内部は、仕切り板400により、ケーシング40内部の下方側となる第一の部屋41と、第一の部屋41に隣接し仕切り板400の中央に形成された連通口401を介して連通する第二の部屋42(ケーシング40内部の上方側)とに分けられる。また、ケーシング40の内部には、連通口401を選択的に開閉する開閉手段49が配設されている。
なお、ケーシング40が横を向いた状態となっており、第一の部屋41が-X方向側となっており、第二の部屋42が+X方向側となっていてもよい。
第一の部屋41には、第二の連通管32の他端32b側が連通しており、第二の連通管32の一端32a側はテーブル30の外周吸引領域300bに連通している。
第二の部屋42には、第三の連通管33の一端側が連通しており、第三の連通管33の他端側は、例えば、第一の連通管31に合流して吸引源39に連通している。
開閉手段49は、第一の部屋41に配設され連通口401にZ軸方向において対向して形成される開口430を有する第三の部屋43と、開口430を閉塞し連通口401と接近又は離間する方向に移動しつつ第三の部屋43内の容積を可変する蓋44と、蓋44を連通口401と接近する方向に移動させる力を備える弾性部材45と、蓋44に連結し連通口401に貫入するシャフト46と、シャフト46の先端に装着され第二の部屋42内に位置づけられ連通口401を選択的に開閉する弁47と、から構成されている。
第三の部屋43は、第一の部屋41内においてZ軸方向に立設する円筒壁412によって形成される部屋(蓋44の下面と円筒壁412の内周面とで囲まれる空間)であり、円筒壁412の上部側の開口が蓋44で閉塞される円形の開口430となっている。第三の部屋43には第四の連通管34の一端が接続されており、第四の連通管34の他端側は、例えば、第一の連通管31に合流して吸引源39に連通している。
例えば、第三の連通管33内の断面積は、第四の連通管34内の断面積より小さくなっている。
蓋44を連通口401と接近する方向に押し上げる力を備える弾性部材45は、図2に示す例においては、自然長より短く収縮して蓄えた付勢力により自然長に戻ろうとする圧縮コイルバネであり、該付勢力は蓋44を押し上げる力となる。弾性部材45は、第三の部屋43内の中央に配設されており、その下端がケーシング40の下面に固定され、その上端が蓋44の下面に固定されている。
開口430を閉塞する蓋44は、例えば、円形平板状の外形を備えており、その直径が円筒壁412の内径よりも僅かに小さくなっている。蓋44は、その外周縁が円筒壁412の内周面に当接しており、開口430を閉塞した状態で弾性部材45によってZ軸方向に摺動可能に支持されている。蓋44が、第三の部屋43の上端まで上昇すると第三の部屋43の容積は最大となり、第三の部屋43の下端まで下降すると第三の部屋43の容積は最小となる。
蓋44の上面には柱状のシャフト46の下端側が固定されている。シャフト46は連通口401を貫き通った状態になっており、シャフト46の上端側は弁47の下面に固定されている。
弁47は、例えば、円形平板状の外形を備えており、その直径が連通口401よりも大径となっており、その下面が仕切り板400の上面に着座することで連通口401を閉じた状態とする。
弾性部材45は、図2に示す例のように第三の部屋43内配設される例に限定されるものではない。弾性部材は、例えば、引っ張りバネであり、第二の部屋42内の中央に配設されており、その上端がケーシング40の天壁に固定されており、その下端が弁47の上面に固定されていてもよい。この場合には、弾性部材である引っ張りバネが自然長より長く伸長した後に自然長に戻ろうとする付勢力が、蓋44を連通口401と接近する方向に移動させる(引き上げる)力となる。
バルブ機構4は、例えば、弁47が連通口401を閉じた状態にあるか、又は開いた状態にあるかを検出する機能(センサ)を備えていてもよい。該センサによって、弁47による連通口401の開閉状態を検出することで、図2に示す外周吸引領域300bが外気に開放されているか否かが分かり、したがって、テーブル30が中央吸引領域300aでのみ吸引保持を行っているか、又は、中央吸引領域300aと外周吸引領域300bとで吸引保持を行っているかを判断可能となる。
該センサの一例として、例えば、図3(A)、(B)に示すように、第二の部屋42内の所定の高さ位置には、静電容量型等の近接センサ406が配設されている。近接センサ406は、例えば、ケーシング40の天壁の中央に固定されており、弁47とZ軸方向において対向している。図3(A)に示すように、弁47が下降しておらず第二の部屋42内の所定の高さ位置に位置していることで、近接センサ406の反応部406aに弁47が近接しており、近接センサ406は連通口401が弁47で閉じられていないことを検出する。一方で、図3(B)に示すように、弁47が下降して連通口401を閉じている状態の高さ位置に至ることで、反応部406aと弁47とが離れて近接センサ406内部の導体電極の静電容量が減少するため、近接センサ406は該静電容量の変化に基づいて連通口401が弁47で閉じられていることを検出する。
なお、近接センサは、例えば、弁47の下面に該下面が面一になるように埋設するものとしてもよい。この場合には、近接センサは弁47が下降して仕切り板400が近接することで弁47が閉じられていることを検出する。また、近接センサ406は、例えば、誘導型の近接センサ等であってもよい。
近接センサ406ではなく、例えば、図4(A)、(B)に示すように、第二の部屋42内の所定の高さ位置には、ケーシング40の内周面に取り付けられた発光部408(-X方向側)とケーシング40の内周面に取り付けられた受光部409(+X方向側)とを備える透過型の光センサが配設されていてもよい。発光部408から検査光が受光部409に向かって投光される。そして、図4(A)に示すように、発光部408と受光部409との間の検査光が弁47により遮られることで、光センサは連通口401が弁47で閉じられていないことを検出する。一方、光センサは、図4(B)に示すように、発光部408と受光部409との間の検査光が弁47により遮られていないことで、連通口401が下降した弁47で閉じられていることを検出する。
以下に、図1に示す保持装置3で円形板状の8インチウェーハW1を吸引保持する場合の保持装置3の各構成の動作について説明する。
まず、図5に示すように、8インチウェーハW1が、テーブル30の保持面となる中央吸引領域300aの上面の中心と8インチウェーハW1の中心とが略合致するようにして、中央吸引領域300aの上面上を覆い載置される。吸引源39が作動していない状態においては、弾性部材45は例えば自然長となっており、連通口401は弁47で閉じられていない状態になっている。
図5に示す開閉弁390が開かれた状態になると共に、吸引源39が作動する。吸引源39が生み出す吸引力が、第一の連通管31を通り中央吸引領域300aの上面に伝達されることにより、テーブル30が中央吸引領域300a上で8インチウェーハW1を吸引保持する。外周吸引領域300bの上面は8インチウェーハW1で塞がれていないため、外周吸引領域300bの上面からは吸引力がリークし、第一の部屋41はテーブル30の外周吸引領域300b及び第二の連通管32を通して外気に開放された状態になる。
バルブ機構4は、例えば、連通口401とシャフト46との間の隙間の断面(本実施形態においては環状断面)の面積をAとし、蓋44の上面の面積からシャフト46の断面積を除いた面積をBとし、第一の部屋41の気圧をHとし、弾性部材45の蓋44を連通口401と接近する方向に移動させる力、即ち、本実施形態においては、蓋44を上側に押し上げる圧縮バネの付勢力をWとした場合、
B×H>A×H+W・・・・・・・・・・・・(式1)
を満たすように、連通口401の直径、シャフト46の直径、及び蓋44の直径が定められている。
吸引源39が吸引を行うことで、第三の連通管33を介して第二の部屋42内部からエアが吸引され、第四の連通管34を介して第三の部屋43内部からエアが吸引される。ここで、第一の部屋41及び第二の部屋42には、外周吸引領域300bから外気の吸引が行われ新たなエアが第二の連通管32を通じて流れ込むのに対して、第三の部屋43内は、蓋44が開口430を閉塞した状態となっており第四の連通管34からエアが吸引されていくのみであるため、第三の部屋43は減圧されていく(より負圧が強くなる)。したがって、蓋44が開口430を閉塞した状態を保ちつつ、連通口401と離間する-Z方向に弾性部材45に抗して円筒壁412の内周面上を摺動していき、第三の部屋43内の容積が減少していく。
したがって、蓋44の上記-Z方向への移動に伴って、蓋44が接続されたシャフト46を介して弁47が開口430に向かう-Z方向に引っ張られていき、図6に示すように、弁47の下面が仕切り板400の上面に着座して連通口401が弁47により閉塞された状態になる。その結果、外周吸引領域300bから第二の部屋42への外気の進入が防止される。さらに、第二の部屋42に新たなエアが流れ込まずに第二の部屋42内のエアが吸引されていくため、第二の部屋42は減圧されていく(より負圧が強くなる)。
このように、第三の部屋43及び第二の部屋42が減圧されて、第三の部屋43及び第四の連通管34内、第二の部屋42及び第三の連通管33内、並びに第一の連通管31内のエア流量が、例えば、0(L/分)又は0(L/分)より僅かに大きな値程度となる。そして、第一の部屋41の気圧Hが大気圧となる。また、(式1)は満たされた状態になっている、即ち、B×Hの力(図8において、蓋44が気圧により-Z方向に押される力)>A×H(図8において、弁47が気圧により+Z方向に押される力)+W(図8において、蓋44に対して弾性部材45が加える+Z方向の付勢力)は保たれているため、バルブ機構4内の各力は平衡状態になっており、吸引源39が停止するまでは、テーブル30は、外周吸引領域300bからのバキュームリークを発生させることなく、中央吸引領域300aで8インチウェーハW1を確実に吸引保持し続けることができる。
本実施形態のように、第三の連通管33内の断面積は、第四の連通管34内の断面積より小さいものとすることで、中央吸引領域300aを覆い8インチウェーハW1が載置された場合に、第三の部屋43が他の部屋よりもより早く減圧されるようにすることができるため、開閉手段49を連通口401が弁47によって閉塞された状態により早く到達させることができる。
以下に、図1に示す保持装置3で円形板状の12インチウェーハW2を吸引保持する場合の保持装置3の各構成の動作について説明する。
まず、図7に示すように、12インチウェーハW2が、テーブル30の中央吸引領域300aの上面の中心と12インチウェーハW2の中心とが略合致するようにして、中央吸引領域300aの上面と外周吸引領域300bの上面とに載置される。
なお、吸引源39が作動していない状態においては、弾性部材45は自然長となっており、連通口401は弁47で閉じられていない状態になっている。
図7に示す開閉弁390が開かれた状態になると共に、吸引源39が作動する。吸引源39が生み出す吸引力により、第一の連通管31内を吸引源39へと向かう方向のエアの流れが発生して、テーブル30が中央吸引領域300a上で12インチウェーハW2を吸引保持する。並行して、吸引源39が生み出す吸引力により、第二の連通管32、第一の部屋41、開かれた状態の連通口401、第二の部屋42、及び第三の連通管33を吸引源39へと向かう方向のエアの流れが発生して、テーブル30は外周吸引領域300b上でも12インチウェーハW2を吸引保持する。
なお、吸引源39が作動する前の状態において、弾性部材45は自然長となっており、連通口401は弁47で閉じられていないため、吸引源39が作動すると、第二の連通管32~第三の連通管33よりなる吸引路が直ぐに形成され、テーブル30の中央吸引領域300a及び外周吸引領域300b上で12インチウェーハW2が吸引保持される。即ち、第四の連通管34を介して第三の部屋43内も吸引されているが、同時に第二の連通管32~第三の連通管33よりなる吸引路も吸引されているので、バルブ機構4内及び各連通管内は弁47の下降が起きること無く真空に近い状態となる。よって、各部屋の内圧も平衡状態となるため、弁47がそれ以降下降して連通口401が閉じられてしまうことは無いため、テーブル30は中央吸引領域300a及び外周吸引領域300bで12インチウェーハW2を確実に吸引保持することができる。
上記のように、本発明に係る保持装置3は、中央吸引領域300aと中央吸引領域300aを囲繞する外周吸引領域300bとを有するテーブル30と、中央吸引領域300aに第一の連通管31を介して連通される吸引源39と、外周吸引領域300bに第二の連通管32を介して連結され外周吸引領域300bと吸引源39とを選択的に連通するバルブ機構4とを備え、バルブ機構4は、第一の部屋41と、第一の部屋41に隣接し連通口401を介して連通する第二の部屋42と、連通口401を選択的に開閉する開閉手段49と、を含み、開閉手段49は、第一の部屋41に配設され連通口401に対向して形成される開口430を有する第三の部屋43と、開口430を閉塞し連通口401と接近又は離間する方向に移動しつつ第三の部屋43内の容積を可変する蓋44と、蓋44を連通口401と接近する方向に移動させる力を備える弾性部材45と、蓋44に連結し連通口401に貫入するシャフト46と、シャフト46の先端に装着され第二の部屋42内に位置づけられ連通口401を選択的に開閉する弁47と、から構成され、第二の部屋42は第三の連通管33を介して吸引源39に連結され、第三の部屋43は第四の連通管34を介して吸引源39に連結され、外周吸引領域300bに連通する第二の連通管32は第一の部屋41に連結されているため、中央吸引領域300aを覆い被加工物(例えば、8インチウェーハ)が載置されると、被加工物は中央吸引領域300aに吸引保持され、第一の部屋41は外周吸引領域300bを通して外気に開放され、吸引源39に連通された第三の部屋43は減圧されて容積が減少してシャフト46を介して開口430に向かって引っ張られた弁47で連通口401を閉塞して外周吸引領域300bから第二の部屋42への外気の進入を防止することができ、テーブル30の上面から吸引力がリークすることが無くなる。また、テーブル30の中央吸引領域300aと外周吸引領域300bとに被加工物(例えば、12インチウェーハ)が位置づけられると、被加工物は、中央吸引領域300aに吸引保持されると共に、第二の連通管32と第一の部屋41と連通口401と第二の部屋42と第三の連通管33とを介して吸引源39に連結した外周吸引領域300bに吸引保持される。
このように、ウェーハサイズを保持装置3を備える研削装置1に設定しなくとも、テーブル30の保持面がウェーハサイズに応じた保持面積に自動的に切り換わり、適切な面積の保持面で被加工物を確実に吸引保持できるようになる。
なお、本発明に係る保持装置は上記の例に限定されるものではなく、また、添付図面に図示されている保持装置3及び研削装置1の各構成の形状等についても、これに限定されず、本発明の効果を発揮できる範囲内で適宜変更可能である。
例えば、図8に示す保持装置3の開閉手段49Dは、図2に示す開閉手段49の構成要素の一部を変更したものである。開閉手段49Dは、第一の部屋41に配設され連通口401に対向して形成される開口434を有する第三の部屋43Dと、開口434を閉塞し連通口401と接近又は離間する方向に移動しつつ第三の部屋43D内の容積を可変する蓋44Dと、蓋44Dを連通口401と接近する方向に移動させる力を備える弾性部材45Dとを備えており、その他の構成は図2に示す開閉手段49と同様となっている。
第三の部屋43Dは、第一の部屋41内に配設された弾性部材45Dによって形成される部屋(蓋44Dの下面と弾性部材45Dの内周面とで囲まれる空間)である。弾性部材45Dは、所定のゴム、プラスチック、又は金属等からなる蛇腹状の筒体であり、ケーシング40の底面に下端側が固定されてZ軸方向に伸縮可能となっている。第三の部屋43Dの上部側の開口が円形平板状の蓋44Dで閉塞される円形の開口434となっている。なお、本実施形態においては、蓋44Dと弾性部材45Dとは一体となっており、開口434は閉塞されている。第三の部屋43Dには第四の連通管34の一端が接続されており、第四の連通管34の他端側は、例えば、第一の連通管31に合流して吸引源39に連通している。
以下に、開閉手段49Dを備える保持装置3で円形板状の8インチウェーハW1を吸引保持する場合の保持装置3の各構成の動作について説明する。
まず、図8に示すように、8インチウェーハW1が、中央吸引領域300aの上面上を覆い載置される。吸引源39が作動していない状態においては、弾性部材45Dは例えば自然長となっており、連通口401は弁47で閉じられていない状態になっている。
図8に示す開閉弁390が開かれた状態になると共に、吸引源39が作動し、テーブル30が中央吸引領域300a上で8インチウェーハW1を吸引保持する。外周吸引領域300bの上面からは吸引力がリークし、第一の部屋41はテーブル30の外周吸引領域300b及び第二の連通管32を通して外気に開放された状態になる。
バルブ機構4は、連通口401とシャフト46との間の隙間の環状断面の面積をAとし、蓋44Dの上面の面積からシャフト46の断面積を除いた面積をBとし、第一の部屋41の気圧をHとし、弾性部材45Dの蓋44Dを連通口401と接近する方向に移動させる力、即ち、本実施形態においては、畳まれた状態において蓋44Dを上側に押し上げる蛇腹の反発力をWとした場合、
B×H>A×H+W・・・・・・・・・・・・(式1)
を満たすように、連通口401の直径、シャフト46の直径、及び蓋44Dの直径が定められている。
吸引源39が吸引を行うことで、第二の部屋42からエアが吸引され、第三の部屋43からエアが吸引される。ここで、第一の部屋41及び第二の部屋42には、新たなエアが第二の連通管32を通じて流れ込むのに対して、第三の部屋43内はエアが吸引されていくのみであるため、第三の部屋43は減圧されていく。したがって、連通口401と離間する-Z方向に弾性部材45Dに抗して蓋44Dは下降していき、第三の部屋43内の容積が減少していく(弾性部材45Dが畳まれていく)。
したがって、蓋44Dの下降に伴い、シャフト46を介して弁47が開口434に向かって下方に引っ張られていき、図9に示すように、連通口401が弁47により閉塞された状態になる。その結果、外周吸引領域300bから第二の部屋42への外気の進入が防止され、第二の部屋42は、新たなエアが流れ込まずに吸引されていくため減圧されていく。
このように、第三の部屋43及び第二の部屋42が減圧されて、第三の部屋43及び第四の連通管34内、第二の部屋42及び第三の連通管33内、並びに第一の連通管31内のエア流量が、例えば、0(L/分)又は0(L/分)より僅かに大きな値程度となる。そして、第一の部屋41の気圧Hが大気圧となる。また、(式1)は満たされた状態になっている、即ち、B×Hの力(図9において、蓋44Dが気圧により-Z方向に押される力)>A×H(図9において、弁47が気圧により+Z方向に押される力)+W(図8において、蓋44Dに対して弾性部材45Dが加える+Z方向の反発力)は保たれているため、バルブ機構4内の各力は平衡状態になっており、吸引源39が停止するまでは、テーブル30は、外周吸引領域300bからのバキュームリークを発生させることなく、中央吸引領域300aで8インチウェーハW1を確実に吸引保持し続けることができる。
以下に、開閉手段49Dを備える保持装置3で図10に示す円形板状の12インチウェーハW2を吸引保持する場合の保持装置3の各構成の動作について説明する。
まず、12インチウェーハW2が、テーブル30の中央吸引領域300aの上面と外周吸引領域300bの上面とに載置される。吸引源39が作動していない状態においては、弾性部材45Dは自然長となっており、連通口401は弁47で閉じられていない状態になっている。
図10に示す開閉弁390が開かれ吸引源39が作動する。吸引源39が生み出す吸引力により、第一の連通路31内を吸引源39へと向かうエアの流れが発生して、テーブル30が中央吸引領域300a上で12インチウェーハW2を吸引保持する。また、吸引源39が生み出す吸引力により、第二の連通管32、第一の部屋41、開かれた状態の連通口401、第二の部屋42、及び第三の連通管33を吸引源39へと向かうエアの流れが発生して、テーブル30は外周吸引領域300b上でも12インチウェーハW2を吸引保持する。
なお、吸引源39が作動する前の状態において、弾性部材45Dは自然長となっており、連通口401は弁47で閉じられていないため、吸引源39が作動すると、第二の連通管32~第三の連通管33よりなる吸引路が直ぐに形成され、バキュームリークが無く、テーブル30の中央吸引領域300a及び外周吸引領域300b上で12インチウェーハW2が吸引保持される。即ち、第四の連通管34を介して第三の部屋43内も吸引されているが、同時に第二の連通管32~第三の連通管33よりなる吸引路も吸引されているので、バルブ機構4内及び第一の連通管31~第四の連通管34内は弁47の下降が起きること無く真空に近い状態となる。よって、各部屋の内圧も平衡状態となるため、弁47がそれ以降下降して連通口401が閉じられてしまうことは無いため、テーブル30は中央吸引領域300a及び外周吸引領域300bで12インチウェーハW2を確実に吸引保持することができる。
例えば、テーブル30が、図11に示すように、非通気性の材質からなる仕切部303を挟んで外周吸引領域300bを囲繞する第二の外周吸引領域300c(12インチウェーハW2よりも更に大きな被加工物を吸引保持する際の領域)を更に有する場合、第二の外周吸引領域300cにバルブ機構4Aが独立して連結される。バルブ機構4Aはバルブ機構4と同様に構成されている。バルブ機構4Aの、第二の連通管32は第二の外周吸引領域300cに連通しており、第三の連通管33は、第一の連通管31に合流して吸引源39に連通し、第四の連通管34は第一の連通管31に合流して吸引源39に連通している。
図11に示すように、中央吸引領域300aと外周吸引領域300bとを覆い被加工物(例えば、12インチウェーハW2)をテーブル30上に載置して吸引保持する際においては、吸引源39が作動することで、先に図7を用いて説明した場合と同様に、第一の連通管31を介して吸引力が中央吸引領域300aに伝達され、また、バルブ機構4の弁47が下降して連通口401が閉じられてしまうこと無く各部屋の内圧が平衡状態となり、吸引力が外周吸引領域300bに伝達され続ける状態になる。そして、第二の外周吸引領域300cからのバキュームリークは、バルブ機構4Aによって防がれる。即ち、バルブ機構4Aの第三の部屋43は、新しいエアが流れ込まずに減圧されていく(より負圧が強くなる)ため、下降する蓋44に接続されたシャフト46を介して弁47が-Z方向に引っ張られていき、連通口401が弁47により閉塞された状態になる。その結果、第二の外周吸引領域300cから第二の部屋42への外気の進入が防止され、第二の部屋42は減圧されていく(より負圧が強くなる)。
このように、第三の部屋43及び第二の部屋42が減圧されていくことで、先に説明した(式1)が満たされバルブ機構4A内の各力は平衡状態になり、吸引源39が停止するまでは、テーブル30は、第二の外周吸引領域300cからのバキュームリークを発生させることなく、中央吸引領域300aと外周吸引領域300bとで12インチウェーハW2を確実に吸引保持し続けることができる。
中央吸引領域300aと外周吸引領域300bと第二の外周吸引領域300cとを覆い12インチウェーハW2よりも大径の被加工物をテーブル30上に載置して吸引保持する際においては、吸引源39が作動することで中央吸引領域300a、外周吸引領域300b、及び第二の外周吸引領域300cに吸引力が伝達された後、バルブ機構4及びバルブ機構4Aは各弁47の下降が起きること無く各部屋の内圧が平衡状態となる。したがって、各弁47が下降して連通口401が閉じられてしまうことは無くなり、テーブル30は中央吸引領域300a、外周吸引領域300b、及び第二の外周吸引領域300cで12インチウェーハW2よりも大径の被加工物を確実に吸引保持し続けることができる。
1:研削装置 10:ベース 17:コラム 18:研削水噴射ノズル 19:研削水供給源
6:研削手段 7:研削送り手段
3:保持装置
30:テーブル 300:吸着部 300a:中央吸引領域 300b:外周吸引領域
301:枠体 302:仕切部 31:第一の連通管 32:第二の連通管 33:第三の連通管 34:第四の連通管 39:吸引源 390:開閉弁
4:バルブ機構 40:ケーシング 400:仕切り板 401:連通口
41:第一の部屋 412:円筒壁
42:第二の部屋 49:開閉手段
43:第三の部屋 430:開口 44:蓋 45:弾性部材 46:シャフト 47:弁 49D:開閉手段
W1:8インチウェーハ W2:12インチウェーハ

Claims (5)

  1. 吸引領域を切り換えて、大きさの異なる被加工物を吸引保持できる保持装置であって、
    中央吸引領域と該中央吸引領域を囲繞する外周吸引領域とを有するテーブルと、該中央吸引領域に第一の連通管を介して連通される吸引源と、該外周吸引領域に第二の連通管を介して連結され該外周吸引領域と該吸引源とを選択的に連通するバルブ機構とを備え、
    該バルブ機構は、
    第一の部屋と、該第一の部屋に隣接し連通口を介して連通する第二の部屋と、該連通口を選択的に開閉する開閉手段と、を含み、
    該開閉手段は、
    該第一の部屋に配設され該連通口に接近又は離間する方向に移動可能な板状の上蓋を有する第三の部屋と、該蓋を該連通口と接近する方向に移動させる力を備え該上蓋に一体的に連結し蛇腹状の筒体であり該上蓋の下面と筒内周面とで該第三の部屋を形成する弾性部材と、該上蓋に連結し該連通口に貫入するシャフトと、該シャフトの先端に装着され該第二の部屋内に位置づけられ該連通口に離間又は接近し該連通口を選択的に開閉する弁と、から構成され、
    該第二の部屋内には、該弁が該連通口を閉じているか否かを検出するセンサを備え、
    該第二の部屋は第三の連通管を介して該吸引源に連結され、該第三の部屋は第四の連通管を介して該吸引源に連結され、該外周吸引領域に連通する該第二の連通管は該第一の部屋に連結され、
    該中央吸引領域を覆い被加工物が載置されると、被加工物は該中央吸引領域に吸引保持され、該第一の部屋は該外周吸引領域を通して外気に開放され、該吸引源に連通された該第三の部屋は減圧されて容積が減少して該シャフトを介して該弾性部材側に向かって引っ張られた該弁で該連通口を閉塞して該外周吸引領域から該第二の部屋への外気の進入を防止し、該中央吸引領域と該外周吸引領域とを覆い被加工物が載置されると、被加工物は該中央吸引領域に吸引保持されると共に該外周吸引領域は該第二の連通管と該第一の部屋と該連通口と該第二の部屋と該第三の連通管とを介して該吸引源に連結し吸引保持され、
    さらに、該センサにより該外周吸引領域が被加工物を吸引保持しているか否かを判断できる保持装置。
  2. 吸引領域を切り換えて、大きさの異なる被加工物を吸引保持できる保持装置であって、
    中央吸引領域と該中央吸引領域を囲繞する外周吸引領域とを有するテーブルと、該中央吸引領域に第一の連通管を介して連通される吸引源と、該外周吸引領域に第二の連通管を介して連結され該外周吸引領域と該吸引源とを選択的に連通するバルブ機構とを備え、
    該バルブ機構は、
    第一の部屋と、該第一の部屋に隣接し連通口を介して連通する第二の部屋と、該連通口を選択的に開閉する開閉手段と、を含み、
    該開閉手段は、
    該第一の部屋に配設され該連通口に対向して形成される開口を有する第三の部屋と、該開口を閉塞し該連通口と接近又は離間する方向に移動しつつ該第三の部屋内の容積を可変する上蓋と、該上蓋を該連通口と接近する方向に移動させる力を備える弾性部材と、該上蓋に連結し該連通口に貫入するシャフトと、該シャフトの先端に装着され該第二の部屋内に位置づけられ該連通口に離間又は接近し該連通口を選択的に開閉する弁と、から構成され、
    該第二の部屋内には、該弁が該連通口を閉じているか否かを検出するセンサを備え、
    該第二の部屋は第三の連通管を介して該吸引源に連結され、該第三の部屋は第四の連通管を介して該吸引源に連結され、該外周吸引領域に連通する該第二の連通管は該第一の部屋に連結され、
    該中央吸引領域を覆い被加工物が載置されると、被加工物は該中央吸引領域に吸引保持され、該第一の部屋は該外周吸引領域を通して外気に開放され、該吸引源に連通された該第三の部屋は減圧されて容積が減少して該シャフトを介して該開口に向かって引っ張られた該弁で該連通口を閉塞して該外周吸引領域から該第二の部屋への外気の進入を防止し、該中央吸引領域と該外周吸引領域とを覆い被加工物が載置されると、被加工物は該中央吸引領域に吸引保持されると共に該外周吸引領域は該第二の連通管と該第一の部屋と該連通口と該第二の部屋と該第三の連通管とを介して該吸引源に連結し吸引保持され、
    さらに、該センサにより該外周吸引領域が被加工物を吸引保持しているか否かを判断できる保持装置。
  3. 前記連通口と前記シャフトとの間の隙間の断面積をAとし、前記上蓋の面積から該シャフトの断面積を除いた面積をBとし、前記第一の部屋の気圧をHとし、前記弾性部材の該上蓋を該連通口と接近する方向に移動させる力をWとした場合、
    B×H>A×H+Wとなる請求項1又は2記載の保持装置。
  4. 前記第三の連通管内の断面積は、前記第四の連通管内の断面積より小さい請求項1、2又は3記載の保持装置。
  5. 前記外周吸引領域を囲繞する第二の外周吸引領域を更に有する場合に、該第二の外周吸引領域に前記バルブ機構が独立して連結される請求項1、2、3又は4記載の保持装置。
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