JP7108250B2 - 電気抵抗溶接電極および部品検知方法 - Google Patents

電気抵抗溶接電極および部品検知方法 Download PDF

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Description

この発明は、軸部、フランジおよび溶着用突起を有するプロジェクションボルトなどの軸状部品を電極に供給するのに際し、軸状部品の有無を適確で効率的に検出する、電気抵抗溶接電極および部品検知方法に関している。
国際公開番号WO2004/009280号公報には、電極の受入孔に軸状部品が挿入されているかどうかを、電極が進出して鋼板部品を加圧した時点で検知することが記載されている。
国際公開番号WO2004/009280号公報
上記特許文献1に記載されている技術は、電極が進出して鋼板部品を加圧する段階で、軸状部品が電極の受入孔に挿入されているかどうかが、検知されるようになっている。電極に軸状部品が正常に挿入されているときには、軸状部品を鋼板部品に加圧して溶接電流を通電するので、とくに問題はない。しかし、何等かの原因で電極に軸状部品が挿入されていない場合には、軸状部品が不存在の状態で電極が鋼板部品に向かって進出ストロークをすることになるので、電極は無駄な空ストロークすることになる。そして、電極を元の位置に復帰させて再び軸状部品を挿入しなければならない。このような動作は、無駄な動きであり、効率性の面で改善が必要となる。
本発明は、上記の問題点を解決するために提供されたもので、電極の進出前に軸状部品の有無を検知するとともに、確実な検知動作を確保することができる電気抵抗溶接電極および部品検知方法の提供を目的とする。
請求項1記載の発明は、電気抵抗溶接電極に関するものであり、
軸部と、軸部に一体化されたフランジと、軸部とは反対側のフランジ面に溶着用突起を有する軸状部品を電気抵抗溶接の対象とし、
金属製の円筒状とされた電極本体に、絶縁材料製のガイド筒が挿入され、
電極本体の端部に固定された蓋部材に、軸状部品の軸部が挿入される受入孔が形成され、
前記受入孔の内面と軸部を絶縁する絶縁筒が、受入孔に設けられ、
前記ガイド筒に設けた貫通孔に、磁石を収容する容器と磁石吸引力を軸状部品に作用させるガイド部からなるストッパ部材が、摺動可能な状態で挿入され、
前記受入孔に挿入された軸部の端部が、前記ガイド部に突き当たるように前記貫通孔と受入孔が同軸状態で配置され、
前記軸部を受入孔に挿入するとともに、前記フランジに挿入加圧力としての空気噴射を行う供給機構が設けられ、
前記受入孔に挿入された軸状部品のフランジと、前記蓋部材の端面との間に絶縁隙間が形成されるように、受入孔の長さが設定され、
ストッパ部材の待機位置を設定する圧縮コイルスプリングが、電極本体の凹孔に配置した座金と前記ストッパ部材の間に設けられ、
前記座金と電極本体に検知導線が結線され、
前記圧縮コイルスプリングの張力が、軸部が受入孔に挿入されるときの空気噴射による挿入加圧力よりも小さく設定され、
空気噴射による前記挿入加圧力によって絶縁隙間が消滅して、前記フランジと蓋部材の端面との導通接触が成立するように構成したことを特徴としている。
供給ロッドなどの進出で移送されてきた軸状部品の軸部は、蓋部材の受入孔と同軸状態になった位置で停止し、その後、軸部が受入孔に挿入され、軸部の端部がストッパ部材のガイド部に突き当たり、ガイド部を経て軸部に作用する磁石の吸引力によって、軸部がガイド部に吸着されて静止状態になる。この静止状態になっているときには、軸状部品のフランジと、蓋部材の端面との間に絶縁隙間が形成されている。検知導線から、座金、圧縮コイルスプリング、ストッパ部材、軸状部品までは導通可能な状態になっているが、軸状部品のフランジと、蓋部材の端面との間に絶縁隙間が形成されているので、検知電流は蓋部材へは流れない。
絶縁隙間を形成している軸状部品に対して、空気噴射などによる挿入加圧力が作用すると、圧縮コイルスプリングの張力が挿入加圧力よりも小さく設定されているので、圧縮コイルスプリングを縮めながらストッパ部材を後退させて絶縁隙間が消滅し、フランジと蓋部材の端面との導通接触が成立する。この絶縁隙間の消滅によって、検知電流が蓋部材から電極本体を経て他方の検知導線に流れる。検知電流の通電経路中に、軸状部品と絶縁隙間が介在しているので、軸状部品を電極に供給した段階で、すなわち電極が鋼板部品に向かって進出する前に、受入孔への軸状部品の正常な挿入が検知できる。このような検知通電は、受入孔の内面と軸部を絶縁する絶縁筒が、受入孔に設けられているので、検知電流は絶縁隙間の開閉だけで断続されている。
絶縁隙間を微小な空隙とすることによって、軸状部品に付与した挿入加圧力によって、絶縁隙間が確実に消滅し、フランジから蓋部材への導通が確実にえられて、信頼性の高い部品検知が可能となる。絶縁隙間の間に微小な不純物が介在していても、蓋部材端面に対するフランジの加圧力を高めることができるので、絶縁隙間消去に伴う両者間の導通性は確実にえられる。
軸部が受入孔に挿入されてから絶縁隙間が形成される。そしてその後、狭い空間とされた絶縁隙間を消去するものであるから、この消去が確実になされる。そして、絶縁隙間は狭い空隙なので、この隙間を瞬間的に閉じて部品が存在することを、パルス信号のようにして検知することができる。したがって、確実に発信された一瞬の信号で精度が高く信頼性の高い検知がえられる。
何等かの原因で軸状部品が受入孔に挿入されていないときには、軸状部品が導通媒介部材として機能しないので、一方の検知導線から他方の検知導線への検知電流の通電が行われず、軸状部品が不存在であることが、電極の進出前に検知される。部品不存在の検知方法としては、例えば、挿入加圧力をえるために空気噴射やプッシュロッドの突出などを行って、その時点から所定時間経過しても、一方の検知導線から他方の検知導線への検知電流の通電がないときには、この通電がないことをトリガーにして軸状部品の不存在を検知する。
受入孔の内面と軸部を絶縁する絶縁筒が、受入孔に設けられているので、検知電流の通電を断続するのは、絶縁隙間の開閉だけで行われ、検知構造の簡素化が図れる。
絶縁隙間を消滅させるための挿入加圧力を所定の値もしくはそれ以上の値にすることによって、フランジを蓋部材の端面に対して強く押し付けることができ、フランジと蓋部材の導通性が確実にえられて、良好な検知動作が確保できる。
絶縁隙間が閉じて通電可能となる時間は、部品存在を判定するための一瞬の通電時間で十分であるから、挿入加圧力を噴射空気に求めるような場合、噴射空気の噴射を一瞬の噴射にして、噴射空気量を少なくして経済性を追求することができる。また、部品存在の検知後には、圧縮コイルスプリングの張力で絶縁隙間が再生されるので、不必要な通電や、それに関する制御回路の簡素化が図れる。
請求項2記載の発明は、電気抵抗溶接電極における部品検知方法に関するものであり、
軸部と、軸部に一体化されたフランジと、軸部とは反対側のフランジ面に溶着用突起を有する軸状部品を電気抵抗溶接の対象とし、
金属製の円筒状とされた電極本体に、絶縁材料製のガイド筒が挿入され、
電極本体の端部に固定された蓋部材に、軸状部品の軸部が挿入される受入孔が形成され、
前記受入孔の内面と軸部を絶縁する絶縁筒が、受入孔に設けられ、
前記ガイド筒に設けた貫通孔に、磁石を収容する容器と磁石吸引力を軸状部品に作用させるガイド部からなるストッパ部材が、摺動可能な状態で挿入され、
前記受入孔に挿入された軸部の端部が、前記ガイド部に突き当たるように前記貫通孔と受入孔が同軸状態で配置され、
前記軸部を受入孔に挿入するとともに、前記フランジに挿入加圧力とし ての空気噴射を行う供給機構が設けられ、
前記受入孔に挿入された軸状部品のフランジと、前記蓋部材の端面との間に絶縁隙間が形成されるように、受入孔の長さが設定され、
ストッパ部材の待機位置を設定する圧縮コイルスプリングが、電極本体の凹孔に配置した座金と前記ストッパ部材の間に設けられ、
前記座金と電極本体に検知導線が結線され、
前記圧縮コイルスプリングの張力が、軸部が受入孔に挿入されるときの空気噴射による挿入加圧力よりも小さく設定されている電気抵抗溶接電極を準備し、
空気噴射による前記挿入加圧力によって圧縮コイルスプリングを縮めながらストッパ部材を後退させて、前記フランジと前記蓋部材の端面との導通接触を成立させることを特徴としている。
この部品検知方法の発明の効果は、上記の電気抵抗溶接電極の発明の効果と同じである。
電極の断面図である。 他の供給機構を示す断面図である。 制御系統図である。
つぎに、本発明の電気抵抗溶接電極および部品検知方法を実施するための形態を説明する。
図1~図3は、本発明の実施例1を示す。
最初に、軸状部品について説明する。
軸状部品1は鉄製であり、ここではプロジェクションボルト1であって、雄ねじが切られた軸部2と、軸部2に一体化されたフランジ3と、軸部2とは反対側のフランジ面に溶着用突起4を有している。溶着用突起4は、軸状部品2とは反対側のフランジ面に、中心部がピークとなった円形のテーパ形状となった突起によって構成されている。溶着用突起を複数個の疣(イボ)状の突起にしてもよい。ここでは、軸部2の長さは21mm、フランジの直径は14mm、溶着用突起の直径は9.5mmである。
つぎに、電気抵抗溶接電極の全体構造を説明する。
電極本体5は、クロム銅のような導電性金属材料で作られており、断面円形で筒状の形状とされている。この電極本体5は、可動電極であり、エアシリンダ56(図3参照)などの進退駆動手段で進退するようになっている。
電極本体5は、結合部材6に結合されている円筒型の基部材7と、円筒型の接続筒8がねじ部9で一体化されて構成されている。電極本体5に、合成樹脂製絶縁材料で構成されたガイド筒10がはめ込んである。ガイド筒10には、貫通孔12が設けられ、これは大径孔13と小径孔14によって構成され、両孔13、14は電極軸線O-Oと同軸状態で配置してある。ガイド筒10の構成材料は、耐熱性、絶縁性および耐摩耗性に優れた材料であればよく、ポリテトラフルオロエチレン(商品名テフロン・登録商標)を使用するのが望ましい。別の材料として、ポリアミド樹脂の中から、耐熱性、絶縁性および耐摩耗性に優れた合成樹脂を採用することも可能である。
電極本体5の端部に、分厚い銅合金製のブロック材に機械加工を施して形成した蓋部材15が、ねじ部16を介して接続筒8に一体化してある。蓋部材15に軸部2が挿入される受入孔17が開けられ、受入孔17の内面と軸部2を絶縁する絶縁筒18が、受入孔17に設けられている。つまり、受入孔17の内面は絶縁されているので、絶縁筒18の内面が受入孔17の内面ということになる。図1(A)に示すように、受入孔17の下側には、下向きに大径化しているテーパ孔19が連続して設けてあるので、このテーパ部19の空隙によって導通性が阻止されている。
この電極は水冷式であり、ガイド筒10に環状の冷却通路20が円周方向に形成され、入口管21から入った冷却水は冷却通路20を通過して出口管22から出て行き、溶接熱の冷却を行う。
符号52は、プロジェクションボルト1が溶接される鋼板部品であり、符号53は、鋼板部品52が載置される固定電極である。
つぎに、ストッパ部材について説明する。
ストッパ部材23は、断面円形であり、磁石(永久磁石)24を収容する容器25に、磁石24の吸引力を軸部2に作用させるガイド部26が溶接してある。ガイド部26は容器25よりも小径で、小径孔14内に摺動可能な状態で挿入され、容器25は大径孔13内に摺動可能な状態で挿入してある。ガイド部26は鉄製とされ、磁石24が密着して軸部2により強い吸引磁力を作用させる。
受入孔17に挿入された軸部2の端部が、ガイド部26の平坦な下端面27に突き当たるように、貫通孔12と受入孔17が同軸で両孔が連通した状態になっている。つまり、電極軸線O-O上に、小径孔14と受入孔17が配列され、小径孔14と受入孔17は連通している
つぎに、絶縁隙間について説明する。
溶着用突起4とは反対側の平坦なフランジ面28と、蓋部材15の平坦な端面29は、鉛直方向に配置された電極軸線O-Oが垂直に交差する仮想平面上に存在させてあり、フランジ面28と蓋部材15の端面29との間に、絶縁隙間Cが形成してある。この絶縁隙間Cは、蓋部材15の受入孔17の長さを調節して設定される。ここでの絶縁隙間Cは、0.4mmである。0.4mmであると、挿入加圧力によって直ちに絶縁隙間Cが消去されて応答時間の節約が行われるとともに、鉄屑などの不純物が入りにくくなる。このような利点は、0.4mmから1mmまでは期待できるが、0.4mm未満になると、端面29に付着した導通性のある不純物が噛み込んで、挿入加圧力を作用させる前に勝手にボルト有りの信号が発せられて正常なシーケンス動作が保てなくなる。1mmをこえると、絶縁隙間Cに鉄屑やスパッタのような不純物が侵入して誤導通が発生したりする。
つぎに、圧縮コイルスプリングについて説明する。
電極本体5の基部材7の中央部に貫通孔12に連通する凹部31が形成してあり、その奥に絶縁材料製の絶縁カップ32が押し込まれ、この絶縁カップ32の中に、銅板などでできた円形の平板状の座金33がはめこんである。座金33に検知導線34が結線してあり、他方の検知導線35は電極本体5の外側面に結線してある。
圧縮コイルスプリング36は、座金33とストッパ部材23の間に挿入され、ストッパ部材23の待機停止位置を設定している。図1(C)に示すように、大径孔13と小径孔14の境界部に静止端面37が形成され、他方、容器25とガイド部26の境界部に可動端面38が形成されている。
両端面37、38は電極軸線O-Oが垂直に交わる仮想平面上に存在している。
圧縮コイルスプリング36の張力によって、ストッパ部材23の可動端面38がガイド筒10の静止端面37に押し付けられて、ストッパ部材23の待機停止位置が設定される。
つぎに、軸状部品の供給機構を説明する。
供給機構は、他の箇所から軸状部品1を受入孔17に挿入するための構造物であればよく、水平方向と鉛直方向に進退する供給ロッドや、斜め方向と鉛直方向に進退する供給ロッドなど、種々なものが採用できる。
ここでは、水平方向の進退と鉛直方向の進退を組み合わせた方式のものであり、図1(A)に示してある。この供給機構40は、供給ロッド41が矢線42で示す水平方向と、矢線43で示す鉛直方向に進退するもので、供給ロッド41の先端部にソケット部材44が溶接してある。ソケット部材44にはフランジ3と溶着用突起4を受け入れる2段型の凹孔45が設けてある。凹孔45の中央の底面に空気噴射口46が開口している。空気噴射口46は空気管47を経て空気制御弁100(図3参照)に接続され、空気噴射口46から高圧空気が噴射されるようになっている。また、軸状部品1の揺れ止めを行うための永久磁石48がソケット部材44に埋設してある。上記水平方向と鉛直方向の動作は、図3に示したエアシリンダ49と50によって行う。
つぎに、他の供給機構について説明する。
図2は、他の供給機構を示す。図1に示した供給機構40は、鉛直方向の移動が供給ロッド41自体の上昇動作で行われているが、図2に示したものは、この上昇動作が昇降エアシリンダ54で行われる。供給ロッドの下側に昇降エアシリンダ54が固定され、そのピストンロッド55によってソケット部材44が昇降する。それ以外の構成は、図示されていない部分も含めて図1の実例と同じであり、同様な機能の部材には同一の符号が記載してある。
つぎに、通電経路について説明する。
検知導線34からの検知電流は、座金33、圧縮コイルスプリング36、ストッパ部材23、軸状部品1までは通電できる状態になっているが、絶縁隙間Cがあるので、蓋部材15、電極本体5、他方の検知導線35には通電されない。フランジ3が蓋部材15の端面29に密着すると、検知導線34から、座金33、圧縮コイルスプリング36、ストッパ部材23、軸状部品1、蓋部材15、電極本体5、検知導線35への通電回路が成立し、部品が存在していることが、電極の進出前に確認される。上記の構成は、検知導線34がプラス側であるが、これをマイナス側にすることも可能である。
つぎに、挿入加圧力について説明する。
挿入加圧力は、空気噴射口46からの空気噴射によってえられる。供給ロッド41が水平方向に移動して軸部2が受入孔17と同軸になった位置で停止する。ついで、供給ロッド41が鉛直方向に上昇して軸部2の先端が4~5mmの長さにわたって受入孔17に入ったところで上昇が停止する。この停止と同時に、空気噴射口46から空気が噴射されて、軸部2の先端がガイド部26の下端面27に突き当たり、絶縁隙間Cが形成される。絶縁隙間Cの形成に連続して空気噴射を継続することによって、フランジ3が蓋部材15の端面29に押し付けられて、絶縁隙間Cが消滅する。
空気噴射による挿入加圧力は上記のようにして確保される。そのために、圧縮コイルスプリング36の張力は、挿入加圧力よりも小さく設定してある。このように圧縮コイルスプリング36の張力と、挿入加圧力の大小関係が設定されているので、蓋部材15の端面29に対するフランジ3の密着が確実に行われる。
プロジェクションボルト1が正常に供給されている場合において、絶縁隙間Cが形成された段階で挿入加圧力の加圧を一旦停止し、その後、高圧化された空気を改めて噴射することもできる。
つぎに、軸状部品が供給されていない場合について説明する。
何等かの原因で、軸状部品1が受入孔17に差し込まれていない場合には、検知導線34からの検知電流はガイド部26までは通電可能であるが、軸状部品1が不存在なので、蓋部材15側への通電ができないこととなる。この不通電の検知は、供給機構40からえられる信号、すなわち空気噴射口46からの空気噴射をさせるための噴射開始信号の発信を利用する。噴射開始信号の発信から所定時間が経過したことと、検知導線34から検知導線35への通電がなされていないことをアンド条件にして、部品不存在を検知する。なお、符号51は、検知導線34、35が結線された検知装置である。
上記アンド条件の方式に換えて、噴射開始信号の発信から所定時間が経過したことだけをトリガーにしてもよい。
つぎに、制御系統について説明する。
上述の供給ロッドの進退動作や空気噴射などの動作は、一般的に採用されている制御手法で容易に行うことが可能である。簡単なコンピュータ装置で構成された制御装置からの信号で動作する空気切換弁や、エアシリンダの所定位置で信号を発して前記制御装置に信号を送信するセンサー等を組み合わせることによって、所定の動作を確保することができる。
図3は、制御系統の一例を示す。同図において、矢線は信号伝達線であり、それ以外は主に動作空気の給排を行う空気管である。制御装置200からの信号で空気切換弁100が動作して各エアシリンダやソケット部材に作動空気が給排される。図3は、軸状部品1がソケット部材44に保持されて、制御装置200からの指令信号でエアシリンダ49が進出し、プロジェクションボルト1が電極軸線O-Oと同軸になって停止している状態を示す。ついで、制御装置200からの指令信号でエアシリンダ50のピストンロッドが上昇して軸部2の先端部が4~5mmの長さにわたって受入孔17に入ったところで上昇が停止する。この停止と同時またはこの停止よりもわずかに早い時点で、制御装置200からの指令信号により、空気噴射口46から空気が噴射されて、軸部2の先端がガイド部26の下端面27に突き当たって絶縁隙間Cが形成される。絶縁隙間Cの形成に連続して空気噴射を継続することによって、フランジ3が蓋部材15の端面29に押し付けられて、絶縁隙間Cが消滅する。
絶縁隙間Cの消滅、すなわち検知導線34、35間の検知電流の通電にともなって検知装置51から制御装置200に信号が伝えられて、エアシリンダ49や50の復帰動作が行われ、その後、制御装置200からの指令信号で電極エアシリンダ56の動作がなされて、プロジェクションボルト1が鋼板部品52に加圧され、溶接電流が通電されて溶接が完了する。
つぎに、軸状部品が不存在の場合の動作を説明する。
ソケット部材44にプロジェクションボルト1が支持されずに空の状態で供給ロッド41が進出してきて電極軸線O-O上で停止する。この停止とほぼ同時に、制御装置200からの指令信号で空気管47と空気噴射口46から空気噴射がなされる。この噴射開始を示す信号が制御装置200内の計時装置58に入力され、計時が開始される。これと同時に、検知装置51から不通電の信号が制御装置200に伝達される。この計時装置58から発せられる所定時間経過の信号と、検知装置51からの部品不存在の信号がアンド処理をされて、制御装置200から電極エアシリンダ56を動作させない指令信号が空気制御弁100に伝えられる。以上に説明した動作によって、電極進出前に部品不存在を検知し、同時に電極の進出を禁止する。
上記動作においては、空気噴射開始信号で動作を開始する計時装置58の計時信号を活用して、部品不存在時の電極進出を禁止しているが、他の手法として、ソケット部材44が電極軸線O-O上で停止したときに発せられる信号で計時装置58の動作を開始してもよい。あるいは、部品不存在による両検知導線34、35間の不通電信号だけを検知装置51から計時装置58に伝達して、計時動作を開始してもよい。
なお、上記各種のエアシリンダに換えて、進退出力をする電動モータを採用することもできる。また、上記各種の永久磁石を電磁石に置き換えることも可能である。
以上に説明した実施例1の作用効果は、つぎのとおりである。
供給ロッド41などの進出で移送されてきた軸状部品1の軸部2は、蓋部材15の受入孔17と同軸状態になった位置で停止し、その後、軸部2が受入孔17に挿入され、軸部2の端部がストッパ部材23のガイド部26に突き当たり、ガイド部26を経て軸部2に作用する磁石24の吸引力によって、軸部2がガイド部26に吸着されて静止状態になる。この静止状態になっているときには、軸状部品1のフランジ3と、蓋部材15の端面29との間に絶縁隙間Cが形成されている。検知導線34から、座金33、圧縮コイルスプリング36、ストッパ部材23、軸状部品1までは導通可能な状態になっているが、軸状部品1のフランジ3と、蓋部材15の端面29との間に絶縁隙間Cが形成されているので、検知電流は蓋部材15へは流れない。
絶縁隙間Cを形成している軸状部品1に対して、空気噴射などによる挿入加圧力が作用すると、圧縮コイルスプリング36の張力が挿入加圧力よりも小さく設定されているので、圧縮コイルスプリング36を縮めながらストッパ部材23を後退させて絶縁隙間Cが消滅し、フランジ3と蓋部材15の端面29との導通接触が成立する。この絶縁隙間Cの消滅によって、検知電流が蓋部材15から電極本体5を経て他方の検知導線35に流れる。検知電流の通電経路中に、軸状部品1と絶縁隙間Cが介在しているので、軸状部品1を電極に供給した段階で、すなわち電極が鋼板部品52に向かって進出する前に、受入孔17への軸状部品1の正常な挿入が検知できる。このような検知通電は、受入孔17の内面と軸部2を絶縁する絶縁筒18が、受入孔17に設けられているので、検知電流は絶縁隙間Cの開閉だけで断続されている。
絶縁隙間Cを微小な空隙とすることによって、プロジェクションボルト1に付与した挿入加圧力によって、絶縁隙間Cが確実に消滅し、フランジ3から蓋部材15への導通が確実にえられて、信頼性の高い部品検知が可能となる。絶縁隙間Cの間に微小な不純物が介在していても、蓋部材端面29に対するフランジ3の加圧力を高めることができるので、絶縁隙間消去に伴う両者間の導通性は確実にえられる。
軸部2が受入孔17に挿入されてから絶縁隙間Cが形成される。そしてその後、狭い空間とされた絶縁隙間Cを消去するものであるから、この消去が確実になされる。そして、絶縁隙間Cは狭い空隙なので、この隙間を瞬間的に閉じて部品が存在することを、パルス信号のようにして検知することができる。したがって、確実に発信された一瞬の信号で精度が高く信頼性の高い検知がえられる。
何等かの原因で軸状部品1が受入孔17に挿入されていないときには、軸状部品1が導通媒介部材として機能しないので、一方の検知導線34から他方の検知導線35への検知電流の通電が行われず、軸状部品1が不存在であることが、電極の進出前に検知される。部品不存在の検知方法としては、例えば、挿入加圧力をえるために空気噴射やプッシュロッドの突出などを行って、その時点から所定時間経過しても、一方の検知導線34から他方の検知導線35への検知電流の通電がないときには、この通電がないことをトリガーにして軸状部品1の不存在を検知する。
受入孔17の内面と軸部2を絶縁する絶縁筒18が、受入孔17に設けられているので、検知電流の通電を断続するのは、絶縁隙間Cの開閉だけで行われ、検知構造の簡素化が図れる。
絶縁隙間Cを消滅させるための挿入加圧力を所定の値もしくはそれ以上の値にすることによって、フランジ3を蓋部材15の端面29に対して強く押し付けることができ、フランジ3と蓋部材15の導通性が確実にえられて、良好な検知動作が確保できる。
絶縁隙間Cが閉じて通電可能となる時間は、部品存在を判定するための一瞬の通電時間で十分であるから、挿入加圧力を噴射空気に求めるような場合、噴射空気の噴射を一瞬の噴射にして、噴射空気量を少なくして経済性を追求することができる。また、部品存在の検知後には、圧縮コイルスプリング36の張力で絶縁隙間Cが再生されるので、不必要な通電や、それに関する制御回路の簡素化が図れる。
電気抵抗溶接電極における部品検知方法の実施例については、電気抵抗溶接電極の実施例の効果と同じである。
上述のように、本発明の装置によれば、電極の進出前に軸状部品の有無を検知するとともに、確実な検知動作を確保することができる。したがって、自動車の車体溶接工程や、家庭電化製品の板金溶接工程などの広い産業分野で利用できる。
1 軸状部品、プロジェクションボルト
2 軸部
3 フランジ
4 溶着用突起
5 電極本体
10 ガイド筒
12 貫通孔
15 蓋部材
17 受入孔
18 絶縁筒
23 ストッパ部材
24 磁石
25 容器
26 ガイド部
28 フランジ面
29 端面
33 座金
34 検知導線
35 検知導線
36 圧縮コイルスプリング
40 供給機構
44 ソケット部材
46 空気噴射口
51 検知装置
52 鋼板部品
100 空気制御弁
200 制御装置
C 絶縁隙間
O-O 電極軸線

Claims (2)

  1. 軸部と、軸部に一体化されたフランジと、軸部とは反対側のフランジ面に溶着用突起を有する軸状部品を電気抵抗溶接の対象とし、
    金属製の円筒状とされた電極本体に、絶縁材料製のガイド筒が挿入され、
    電極本体の端部に固定された蓋部材に、軸状部品の軸部が挿入される受入孔が形成され、
    前記受入孔の内面と軸部を絶縁する絶縁筒が、受入孔に設けられ、
    前記ガイド筒に設けた貫通孔に、磁石を収容する容器と磁石吸引力を軸状部品に作用させるガイド部からなるストッパ部材が、摺動可能な状態で挿入され、
    前記受入孔に挿入された軸部の端部が、前記ガイド部に突き当たるように前記貫通孔と受入孔が同軸状態で配置され、
    前記軸部を受入孔に挿入するとともに、前記フランジに挿入加圧力とし ての空気噴射を行う供給機構が設けられ、
    前記受入孔に挿入された軸状部品のフランジと、前記蓋部材の端面との間に絶縁隙間が形成されるように、受入孔の長さが設定され、
    ストッパ部材の待機位置を設定する圧縮コイルスプリングが、電極本体の凹孔に配置した座金と前記ストッパ部材の間に設けられ、
    前記座金と電極本体に検知導線が結線され、
    前記圧縮コイルスプリングの張力が、軸部が受入孔に挿入されるときの空気噴射による挿入加圧力よりも小さく設定され、
    空気噴射による前記挿入加圧力によって絶縁隙間が消滅して、前記フランジと蓋部材の端面との導通接触が成立するように構成したことを特徴とする電気抵抗溶接電極。
  2. 軸部と、軸部に一体化されたフランジと、軸部とは反対側のフランジ面に溶着用突起を有する軸状部品を電気抵抗溶接の対象とし、
    金属製の円筒状とされた電極本体に、絶縁材料製のガイド筒が挿入され、
    電極本体の端部に固定された蓋部材に、軸状部品の軸部が挿入される受入孔が形成され、
    前記受入孔の内面と軸部を絶縁する絶縁筒が、受入孔に設けられ、
    前記ガイド筒に設けた貫通孔に、磁石を収容する容器と磁石吸引力を軸状部品に作用させるガイド部からなるストッパ部材が、摺動可能な状態で挿入され、
    前記受入孔に挿入された軸部の端部が、前記ガイド部に突き当たるように前記貫通孔と受入孔が同軸状態で配置され、
    前記軸部を受入孔に挿入するとともに、前記フランジに挿入加圧力としての空気噴射を行う供給機構が設けられ、
    前記受入孔に挿入された軸状部品のフランジと、前記蓋部材の端面との間に絶縁隙間が形成されるように、受入孔の長さが設定され、
    ストッパ部材の待機位置を設定する圧縮コイルスプリングが、電極本体の凹孔に配置した座金と前記ストッパ部材の間に設けられ、
    前記座金と電極本体に検知導線が結線され、
    前記圧縮コイルスプリングの張力が、軸部が受入孔に挿入されるときの空気噴射による挿入加圧力よりも小さく設定されている電気抵抗溶接電極を準備し、
    空気噴射による前記挿入加圧力によって圧縮コイルスプリングを縮めながらストッパ部材を後退させて、前記フランジと前記蓋部材の端面との導通接触を成立させることを特徴とする電気抵抗溶接電極における部品検知方法。
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