JP7107690B2 - 強度、導電性、耐食性、およびろう付性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材および熱交換器 - Google Patents

強度、導電性、耐食性、およびろう付性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材および熱交換器 Download PDF

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Description

本発明は、強度、導電性、耐食性、およびろう付性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材および熱交換器に関する。
自動車用の熱交換器用アルミニウム合金フィン材では、車載時の繰り返しの振動に耐えうる強度のほか、高い熱伝導性や耐食性が要求される。さらに、ろう付接合時においてフィン材の座屈によって接合不良が生じないろう付性が求められている。そこで、強度、導電性、耐食性、およびろう付性に優れる熱交換器用フィン材の研究が進められている。
例えば、特許文献1では、Fe含有量が0.5%以上の組成においても、低コストで、しかも優れたろう付け性と耐サグ性を実現することを目的として、質量%で、Si:0.6~1.6%、Fe:0.5~1.2%、Mn:1.2~2.6%、Zn:0.4~3.0%、Cu:0.2%未満を含み、残部不可避的不純物とAlからなり、不純物としてのMgを0.05%未満に限定し、ろう付け加熱前の抗張力が160~260MPaであり、ろう付け加熱前の抗張力と0.2%耐力との差が10~50MPaであることを特徴とするフィン材が提案されている。
特許文献2では、Si:0.5~1.5質量%、Fe:1.0質量パーセントを越え2.0質量%以下、Mn:0.4~1.0質量%、Zn:0.4~1.0質量%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなり、ろう付加熱前の金属組織として第2層粒子の大きさと分布密度を規定し、ろう付加熱前の引張強さとろう付加熱後の引張強さ、フィン材の板厚を規定したコルゲート成形性およびろう付加熱後の強度に優れた熱交換器用アルミニウム合金フィン材が提案されている。
特許文献3では、Si:0.7~1.4wt%、Fe:0.5~1.4wt%、Mn:0.7~1.4wt%、Zn:0.5~2.5wt%を含み、さらに不純物としてのMgを0.05wt%以下に限定し、残部不可避的不純物とAlからなる組成を有し、ろう付後の抗張力と耐力、ろう付け後の再結晶粒径、且つろう付け後の導電率を規定した、高強度、伝熱特性、耐エロージョン性、耐サグ性、犠牲陽極効果および自己耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金フィン材が提案されている。
特許文献4では、強度、導電性、ろう付性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材として、質量%で、Mn:1.2~2.0%、Cu:0.05~0.20%、Si:0.5~1.30%、Fe:0.05~0.5%、Zn:1.0~3.0%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有するアルミニウム合金からなり、ろう付加熱後において、引張強さが140MPa以上、耐力が50MPa以上、導電率が42%IACS以上、平均結晶粒径が150μm以上700μm未満、電位が-800mV以上-720mV以下であるフィン材が記載されている。
特開2015-218343号公報 特開2015-14034号公報 特開2012-211393号公報 特開2016-121393号公報
しかし、生産性の向上のために、さらに、ろう付時間を短縮すると、Al‐Siろうが熱交換器全体に行きわたり難いことやフィンが他部材からの熱膨張に伴う変形を受けて形状を維持できなくなるなどの理由でフィンと各部材間で接合不良の割合が多くなる。また、熱交換器の軽量化を行った場合でも必要な剛性を得るためには、ろう付後のフィン材の強度が必要で、放熱性能を十分に発揮するためには、フィンの腐食による穴あきや脱落が無い様にするための自己耐食性も求められる。
本発明は上記課題を背景としてなされたものであり、強度、導電性、耐食性、およびろう付性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材および熱交換器を提供することを目的とする。
本願発明では、合金組成と、ろう付途中の軟化過程での温度と強度に注目することで、従来よりも接合不良が少なく高いろう付性を持つフィンを得ることができる。
すなわち、本発明の強度、導電性、耐食性、およびろう付性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材のうち、第1の形態は、質量%で、Mn:1.2~2.0%、Si:0.5~1.3%、Cu:0.001~0.05%未満、Fe:0.1~0.5%、Zn:0.5~2.5%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有するアルミニウム合金からなり、
ろう付加熱後において、常温で、引張強さが140MPa以上、0.2%耐力が50MPa以上、導電率が42%IACS以上、電位が-800mV以上-710mV以下、中性塩水噴霧試験で16週間後の腐食減量が120mg/dm以下であり、
前記ろう付が、室温から600℃まで平均昇温速度50℃/分で昇温し、600℃で3分間保持後、100℃/分の降温速度で降温冷却する条件で行われるものであり、
前記電位が、25℃の5%NaCl溶液(酢酸にてpH3に調整)に60分浸漬後、参照電極として銀‐塩化銀電極(Ag/AgCl)を使用して測定するものであることを特徴とする。
他の形態の強度、導電性、耐食性、およびろう付性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材の発明は、前記形態において、前記アルミニウム合金が、さらに、質量%で、Ti:0.01~0.20%、Cr:0.01~0.20%、Mg:0.01~0.20%、Zr:0.01~0.20%のうち、1種または2種以上を含有することを特徴とする。
他の形態の強度、導電性、耐食性、およびろう付性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材の発明は、前記形態において、前記アルミニウム合金が、関係式(i)… 2.1≦[Mn含有量(質量%)]+[Si含有量(質量%)]+7.5*[Cu含有量(質量%)]≦3.4、かつ、関係式(ii)… [Zn含有量(質量%)]-18.8*[Cu含有量(質量%)]≧0.2を満たす組成を有することを特徴とする。
他の形態の強度、導電性、耐食性、およびろう付性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材の発明は、前記形態において、前記ろう付加熱後の平均結晶粒径が100μm以上2000μm以下であることを特徴とする。
他の形態の強度、導電性、耐食性、およびろう付性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材の発明は、前記形態において、400~550℃の範囲における各温度で0.2%耐力が15~40MPaの範囲内であることを特徴とする。
他の形態の強度、導電性、耐食性、およびろう付性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材の発明は、前記形態において、ろう付加熱前において、円相当径で0.01~0.10μmのAl-Mn系、Al-Mn-Si系、Al-Fe-Si系の第二相粒子の個数密度が1.0×10個/mm以上であり、金属組織が、結晶粒の平均縦横比が7.0以上である繊維状な結晶粒組織であることを特徴とする。
他の形態の強度、導電性、耐食性、およびろう付性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材の発明は、前記形態において、前記ろう付加熱後において、円相当径が0.01~0.10μmのAl-Mn系、Al-Mn-Si系およびAl-Fe-Si系の第二相粒子が合計量で1.0×10個/mm以上、円相当径で1.0μm以上のAl-Fe系の晶出物の個数密度が1.0×10 個/mm 以下、円相当径で0.05μm以上のAl-Cu系の第二相粒子が1.0×10個/mm以下で存在することを特徴とする。
他の形態の強度、導電性、耐食性、およびろう付性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材の発明は、前記形態において、板厚が100μm以下であることを特徴とする。
他の形態の強度、導電性、耐食性、およびろう付性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材の発明は、前記形態において、腐食電流密度が0.05mA/cm以下であることを特徴とする。
他の形態の強度、導電性、耐食性、およびろう付性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材の発明は、前記形態において、ろう付加熱前において、常温の引張強さが250MPa以下、常温の0.2%耐力が230MPa以下であることを特徴とする。
他の形態の強度、導電性、耐食性、およびろう付性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材の発明は、前記形態において、ろう付前において、再結晶完了温度が450℃以下であることを特徴とする。
本発明の熱交換器のうち、第1の形態は、本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材を備えることを特徴とする。
以下、本発明における化学組成や機械的特性等の限定理由について説明する。なお、化学組成はいずれも質量%である。
・Mn:1.2~2.0%
MnはAl-Mn-Si系金属間化合物を析出させ、分散強化によるろう付後の強度を得るために添加する。Mnが1.2%未満ではAl-Mn-Si系化合物による分散強化の効果が小さく、所望のろう付後強度を得られない。また、Mnが2.0%を超えて添加されると、鋳塊の鋳造時にAl-Mn系の巨大金属間化合物が晶出し、圧延時破断に至る懸念がある。また、マトリクスへの固溶度が大きくなり固相線温度(融点)が低下し、ろう付時にフィンが溶融してしまう場合があり、好ましくない。このため、Mnの含有量を上記範囲とする。
なお、同様の理由で、Mn含有量の下限を1.4%、上限を1.8%とするのが好ましい。
・Si:0.5~1.3%
Siは、Al-Mn-Si系金属間化合物を析出させ、分散強化によってろう付後の強度を得るために添加する。Si添加が0.5%未満ではAl-Mn-Si系化合物による分散強化の効果が小さく、所望のろう付後強度が得られない。また、1.3%を超えてSiを添加すると、マトリクスへの固溶度が大きくなり、固相線温度(融点)が低下し、ろう付時にフィンが溶融してしまう場合があり、好ましくない。このため、Siの含有量を上記範囲とする。
なお、同様の理由で、Si含有量の下限を0.7%、上限を1.2%とするのが望ましい。
・Cu:0.001~0.05%未満
Cuは、Alマトリクスへ固溶するか、Al-Cu系化合物を生成して存在する。Cuが0.001%未満であると、固溶強化によるろう付後の強度への寄与が小さい。一方、Cuが0.05%以上では、マトリクスよりも電位が貴なθ-CuAl安定相やθ'-CuAl準安定相が化合物として存在し、腐食の起点となり耐食性を低下させるため好ましくない。このため、Cuの含有量を上記範囲とする。
なお、同様の理由で、Cu含有量の下限を0.003%、上限を0.045%とするのが望ましい。
・Fe:0.1~0.5%
Feは、Al-Fe系およびAl-Fe-Si系金属間化合物を晶出、析出し、分散強化によるろう付後の強度を得るために添加する。Feが0.1%未満ではその効果が小さく、所望のろう付後強度が得られない。また高純度地金の使用に限定されるためコストアップとなるため好ましくない。一方、Feが0.5%超では、Al-Fe系、Al-Fe-Si系化合物が腐食の起点として作用し耐食性が低下するため、好ましくない。このため、Feの含有量を上記範囲とする。
なお、同様の理由で、Fe含有量の下限を0.15%、上限を0.4%とするのが望ましい。
・Zn:0.5~2.5%
Znは、Alマトリクス中に固溶して電位を卑にさせる作用があり、フィンの犠牲陽極効果を得るために添加する。ただし、0.5%未満では電位を卑にさせる作用が小さく、所望の犠牲陽極効果を得られず、組み合わされるチューブの侵食深さが大きくなる。一方、2.5%を超えると電位が過剰に卑となり、フィンの自己耐食性が低下するため好ましくない。このため、Znの含有量を上記範囲とする。
なお、同様の理由で、Zn含有量の下限を0.7%、上限を2.2%とするのが望ましい。
・Ti:0.01~0.20%、Cr:0.01~0.20%、Mg:0.01~0.20%、Zr:0.01~0.20%のうち、1種または2種以上
Ti、Cr、Mg、Zrはアルミニウムと金属間化合物を形成し、分散強化および固溶強化により強度を向上させるので、所望により1種以上を含有する。ただし、それぞれの含有量が下限未満であると、分散強化および固溶強化への影響が小さく、強度が向上する効果が小さい。Ti、Cr、Zrがそれぞれの上限を超えると鋳塊の鋳造時に巨大金属間化合物が晶出し、圧延時破断に至る懸念がある。また、Mgは、上限を超えるとろう付性が低下する。したがって、各元素の含有量が上記範囲であることが望ましい。
なお、同様の理由で、Ti、Cr、Mg、Zrは、下限0.03%、上限0.15%とするのがさらに望ましい。
・ろう付加熱後の常温引張強さ:140MPa以上
熱交換器の軽量化の要望に合わせて、フィン材においても薄肉、高強度材が求められている。フィンのろう付後強度が低いと、車載時に熱交換器に負荷される繰返しの振動や冷却水の膨張、圧縮を抑制することができず、チューブは太鼓状に膨張し、早期の破断、つまり内部冷却水の漏れにつながる。このため、フィンの厚さを100μm以下とした場合、140MPa以上の引張強さを有していることが望ましい。
・ろう付加熱後の常温0.2%耐力:50MPa以上
0.2%耐力はフィンの弾性限度を示しており、ろう付後の耐力が低い場合、車搭載時の繰返し振動により、フィン破断に至らなくても塑性変形を生じて原形を留めることができず熱交換器コアが変形してしまう。フィンの板厚が100μm以下であってもろう付後の耐力が50MPa以上であれば、上記変形を防ぐことができるため、ろう付加熱後の0.2%耐力が50MPa以上であることが望ましい。
・ろう付加熱後の導電率:42%IACS以上
熱交換器として用いられた場合の熱伝導性を確保するため、ろう付後の導電率が42%IACS以上とすることが望ましい。
・ろう付加熱後の電位:-800mV以上-710mV以下(vs Ag/AgCl)
フィンの電位が-800mV未満の場合、接合される他部材に対して電位が過度に卑(低い)なため、ガルバニック腐食により、フィンの腐食が加速してしまう。フィンの電位が-710mV超の場合、接合される他部材を対象として、電位差を十分に得ることができず犠牲陽極効果が得られない。この場合、例えばチューブの腐食が加速してしまう。より好ましくは、-720mV以下とすることである。
このため、フィン材の電位が上記範囲内であることが望ましい。
・ろう付加熱後の中性塩水噴霧試験における16週間後の腐食減量:120mg/dm以下
フィン材の自己耐食性を確保するため、JIS Z2371(2015年)準拠の方法の中性塩水噴霧試験により測定したフィン材の16週間後の腐食減量が120mg/dm以下であることが望ましい。16週間後の腐食減量が120mg/dm以下であれば、実際の使用環境であってもフィン自体の腐食による性能劣化や部分的な脱落を抑制できるので、熱交換器としての特性を維持することができる。
・関係式(i)
2.1≦[Mn含有量(質量%)]+[Si含有量(質量%)]+7.5*[Cu含有量(質量%)]≦3.4
・関係式(ii)
[Zn含有量(質量%)]-18.8*[Cu含有量(質量%)]≧0.2
上記、関係式(i)、(ii)を満たすことで、強度、導電性、耐食性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材を得ることができる。
関係式(i)は、Cu量に対するMn、Si量の関係で、フィン材の材料強度を表す。関係式(i)の結果が2.1未満の場合は、ろう付途中の高温での0.2%耐力、常温での引張強さと0.2%耐力が低く、フィン接合率が低下する傾向にあった。関係式(i)の結果が3.4を超える場合は、ろう付前の引張強さ、0.2%耐力が高く、フィンの成形が困難になる場合や、固相線温度が低い、腐食減量が多いフィンが多かった。
関係式(ii)は、Cu量に対するZn量の関係で、電位を表す式である。Cuはアルミニウムの電位を貴にする元素、Znは電位を卑にする元素であり、それぞれ電位に対する寄与度が大きい。その割合を制御することで電位を狙いの範囲に調整することができるが、その関係は線形ではなく上記関係式を満たす必要があることが分かった。
関係式(ii)の結果が0.2以上のものは、チューブに対して必要十分な電位差を有し所望の犠牲陽極効果を得ることができる。
・ろう付加熱後の平均結晶粒径:100μm以上2000μm未満
ろう付後の平均結晶粒径が100μm未満と細かいと、結晶粒界を経路としたろう侵食(エロージョン)が起こりやすくフィンの座屈を生じやすくなる。一方で、ろう付後の結晶粒が粗大で2000μm以上の場合、Hall-Petch則(結晶粒径が耐力値に及ぼす関係式)で表されるとおりフィンの強度が低下する。特に薄肉フィンの場合、ろう付性と高強度化とを考慮した結晶粒径の範囲に制御する必要がある。
このため、ろう付加熱後の結晶粒径が上記範囲であることが望ましい。
・400~550℃における0.2%耐力:15~40MPa
ろう付加熱中の高温400~550℃における0.2%耐力値が15MPa以上であると、ろう付中の際に他部材の熱膨張に伴い発生する応力に対してもフィンは成形後の形状を維持できるので、ろう付中のフィン材の変形を防ぐことができる。一方、400~550℃の範囲で40MPaを超える0.2%耐力を有している場合、ろう付中に回復・再結晶してO材調質となる過程で大きく強度が低下するので、外圧に対しての変形量が大きく、チューブとフィンの間に隙間が生じて接合不良に至り易いことを検証の結果突き止めた。このため、400~550℃における0.2%耐力は上記範囲内であることが望ましい。
・ろう付加熱前において、
・円相当径で0.01~0.10μmのAl-Mn系、Al-Mn-Si系、Al-Fe-Si系の第二相粒子の個数密度:1.0×10個/mm以上
・金属組織:繊維状の結晶粒組織
ろう付前の金属間化合物の分散状態と金属組織は、主にろう付中の再結晶挙動に大きな影響を及ぼす。0.01~0.10μmの微細な第二相粒子は、ろう付の初期に回復に伴う転位セルを形成する妨げとなるほか、亜結晶粒界の移動を妨げる作用で再結晶温度は相対的に高温となるので、結晶粒径の粗大化に寄与する効果がある。また、ろう付前の圧延率が高く塑性ひずみが蓄積して金属組織が繊維状の結晶組織(本発明では、観察視野内で結晶粒の平均縦横比が7.0以上であるものを繊維状の結晶組織を有すると定義した)であると、ろう付中の低い温度で再結晶する。本発明では、繊維状の結晶粒組織で再結晶温度を低下させる効果と、0.01~0.10μmの第二相粒子の分布状態をバランスさせることで、ろう付加熱中の再結晶温度と材料強度を制御している。
・ろう付加熱後において、円相当径が0.01~0.10μmのAl-Mn系、Al-Mn-Si系およびAl-Fe-Si系の第二相粒子が1.0×10個/mm以上
ろう付加熱後の金属間化合物の状態は、分散強化として寄与するフィンの材料強度に影響を及ぼす。Al-Mn系、Al-Mn-Si系およびAl-Fe-Si系の第二相粒子が1.0×10個/mm以上で存在する組織では、ろう付後に高い材料強度を得ることができる。
・ろう付後において、円相当径で1.0μm以上のAl-Fe系の晶出物の個数密度が1.0×10個/mm以下で、0.05μm以上のAl-Cu系の第二相粒子が1.0×10個/mm以下
Al-Fe系の晶出物、Al-Cu系の第二相粒子はマトリクスよりも電位が貴で、腐食の起点として作用するため、フィンの自己耐食性を低下させる原因となる。このため、1.0μm以上のAl-Fe系晶出物が1.0×10個/mm以下、0.05μm以上のAl-Cu系の第二相粒子の含有量を1.0×10個/mm以下に制御することが望ましい。
・板厚:100μm以下
熱交換器コアの軽量化を達成するため、フィンの板厚は100μm以下であることが望ましく、強度向上の効果が顕著になる。なお、下限は30μmとすることが望ましい。
・腐食電流密度:0.05mA/cm以下
腐食電流密度が、0.05mA/cmを超えると腐食速度が大きく、腐食電流密度が0.05mA/cm以下であると、フィンの腐食速度が小さく自己耐食性に優れている。このため、腐食電流密度が0.05mA/cm以下であることが望ましい。
・ろう付加熱前において、常温の引張強さ:250MPa以下、常温の0.2%耐力:230MPa以下
フィンはコイル状あるいはそれを多条スリットした後、金型成形、例えば、コルゲート状に成形される。成形フィン材を熱交換器用の他部材と組み合わせてろう付する。この時、ろう付加熱前において、常温の引張強さが250MPa以上、0.2%耐力が230MPa以上であると、曲げ変形が容易でなく、正しい形状のフィンを得ることが困難である。
・フィン材の固相線温度は高いほどろう付が容易である。通常のろう付方法の場合、615℃以上あれば、フィンが溶融することなくろう付が可能である。
・ろう付加熱途中の450℃以下で再結晶が完了
ろう付前の金属間化合物の分布を規定し、かつ金属組織を繊維状の結晶組織とすることで、ろう付加熱中のフィンを450℃以下で軟化させることができる。フィンが450℃以下で再結晶するような条件では、400~550℃の各温度で0.2%耐力が15~40MPaの範囲にできるため、ろう付時の接合不良を低下させることができる。
本発明によれば、従来よりも接合不良が少なく高いろう付性を持つ熱交換器用アルミニウム合金フィン材および熱交換器を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態における熱交換器の一部を示す斜視図である。 実施例No.22、33と比較例No.19、21における顕微鏡写真を示す図面代用写真である。 実施例および比較例における関係式(i)に関連した成分分布を示すグラフである。 実施例および比較例における関係式(ii)に関連した成分分布を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
まず、アルミニウム合金フィン材の製法について説明する。
アルミニウム合金フィン材は、例えば溶湯を半連続鋳造(DC法)し、鋳塊を均質化処理、熱間圧延、冷間圧延して製造してもよく、あるいは双ロール鋳造機等の連続鋳造圧延(CC法)を用いて鋳造し、鋳造板を均質化処理、冷間圧延して製造することもできる。
質量%で、Mn:1.2~2.0%、Si:0.5~1.3%、Cu:0.001~0.05%未満、Fe:0.1~0.5%、Zn:0.5~2.5%を含有させ、所望により、さらに、質量%で、Ti:0.01~0.20%、Cr:0.01~0.20%、Mg:0.01~0.20%、Zr:0.01~0.20%のうち、1種または2種以上を含有させたアルミニウム合金の溶湯を作製し、DC(Direct chill Casting)法、CC(Continuous Casting)法等の常法によってアルミニウム合金の鋳塊あるいは鋳造板を得る。
なお、成分組成においては、Cu、Mn、Si、Znの含有量に関して、
関係式(i)… 2.1≦[Mn含有量(質量%)]+[Si含有量(質量%)]+7.5*[Cu含有量(質量%)]≦3.4、かつ、関係式(ii)… [Zn含有量(質量%)]-18.8*[Cu含有量(質量%)]≧0.2を満たしていることが望ましい。
得られたアルミニウム合金の鋳塊あるいは鋳造板に対しては適切な条件で均質化処理を行う必要がある。均質化処理は、例えば、昇温速度を25~75℃/時、保持温度を350~480℃、保持時間を1~10時間、冷却速度を20~50℃/時とした熱処理条件によって行う。関係式(i)に示すMn、Si、Cuの組成範囲とし、均質化処理をこの範囲で実施することによって、分散強化と固溶強化がバランスよく両立し、ろう付前、ろう付中、およびろう付後に所望するフィンの強度を得ることができる。
その後、得られたアルミニウム合金に対して、DC法では熱間圧延および冷間圧延を、CC法では、冷間圧延を行う。DC法で熱間圧延を行う場合は、均質化処理の温度以下で実施し、分散強化と固溶強化のバランスを維持する必要がある。冷間圧延の途中では、圧延率が60%以上となった後に中間焼鈍を行う。中間焼鈍は、温度を200~300℃、保持時間を6時間として行い、中間焼鈍後に圧延率10~25%で冷間圧延を行うことで、ろう付加熱前に繊維状の結晶組織を有し、所望の厚さのアルミニウム合金フィン材を得る。なお、板厚は、30~100μmとすることが望ましい。
上記工程により、熱交換器用のフィン材を得ることができる。
得られたフィン材は、強度、導電性、耐食性、およびろう付性に優れており、熱交換器用フィン材として好適である。
特に、フィン材はろう付中の軟化過程において、400~550℃の各温度において、0.2%耐力が15~40MPaの範囲内となっていることから、ろう付中に他の部材の熱膨張に伴い発生する応力に対してもフィン材は成形後の形状を維持できるので、ろう付中の変形を防ぐことができる。
さらに、ろう付加熱に供された場合、ろう付加熱後のフィン材は、常温で、引張強さが140MPa以上、0.2%耐力が50MPa以上、導電率が42%IACS以上、電位が-800mV以上-710mV以下、中性塩水噴霧試験で16週間後の腐食減量が120mg/dm以下、腐食電流密度が0.05mA/cm以下、ろう付加熱後の平均結晶粒径が100μm以上2000μm未満となっており、強度、導電性、および耐食性に優れている。
また、得られたフィン材にコルゲート加工してフィンとし、ヘッダー、チューブ、サイドプレート等の熱交換器用の部材と組み合わせてろう付接合を行うことで、熱交換器を製造することができる。本発明としてはろう付の熱処理条件や方法(ろう付温度、雰囲気、フラックスの有無、ろう材の種類等)は特に限定されず、所望の方法によってろう付を行うことができる。
得られた熱交換器は本実施形態のフィン材を備えているため、ろう付接合が良好で、かつ強度、導電性、および耐食性に優れたものとなっている。
図1は、本実施形態のフィン4にチューブ3、ヘッダー2、サイドプレート5を組み付けてろう付けにより製造された熱交換器1を示している。
本実施形態によれば、強度、導電性、耐食性、およびろう付性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材および熱交換器を得ることができる。
以下に本発明の実施例について説明する。
表1に示す成分(残部Alと不可避不純物)となるように調整した溶湯からアルミニウム合金鋳塊あるいは鋳造板を作製した。得られた鋳塊あるいは鋳造板に対して、表2に示すように、昇温速度を25~75℃/時、保持温度を350~480℃、保持時間を1~10時間、冷却速度を20~50℃/時とした均質化処理を行い、その後、DC法では熱間圧延、冷間圧延の順に、CC法では、冷間圧延を行った。
冷間圧延の途中では、圧延率が60%以上となった後に中間焼鈍を行った。中間焼鈍およびその後の冷間圧延については、実施例1~45、比較例1~17、20、22、24~37では、繊維状結晶組織を得るために200~300℃で6時間保持する中間焼鈍を行い、その後、表2に示す圧延率(10~25%)で冷間圧延を行った。比較例18、19、21、23では、再結晶組織を得るために350℃で6時間保持する中間焼鈍を行った後に、表2に示す圧延率(25~40%)で冷間圧延を行った。これにより、表3に示す板厚のH14調質のフィン材を作製した。
得られたフィン材に対し、以下の測定を行った。結果を表3、4に示す。また、一部の供試材では、顕微鏡写真を図2に示した。
1.ろう付加熱前
得られたフィン材の供試材に対し、固相線温度、常温での引張強さ、常温での0.2%耐力、円相当径が0.01~0.10μmの第二相粒子の個数密度、結晶組織を測定した。測定方法は以下の通りである。なお、測定結果は表3に示した。
(固相線温度)
示差熱分析装置(DTA)を用いて、フィン材の固相線温度を測定した。
(ろう付前の常温強度)
圧延方向と平行にサンプルを切り出してJIS13B形状の試験片を作製し、引張速度5mm/分の条件で、常温で引張試験を実施し、試験片の引張強さおよび0.2%耐力を測定した。
(金属間化合物の分布状態)
フィン材の供試材について、第二相粒子(円相当径が0.01~0.10μm)の個数密度(個/mm)を透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定した。測定方法は、ろう付前は素材に400℃×15秒のソルトバス焼鈍を行って変形ひずみを除去して化合物を観察しやすくした後、通常の方法で機械研磨、および電解研磨を行って薄膜を作製し、透過型電子顕微鏡を用いて、50000倍で写真を撮影した。写真撮影は各5視野について行い、写真の画像解析によって第二相粒子のサイズおよび個数密度を計測した。
2.ろう付加熱中
ろう付加熱中のフィン材の強度を想定して、400~550℃における0.2%耐力を測定した。また、フィン材の再結晶温度の測定も行った。測定方法は以下の通りである。なお、測定結果は表3に示した。
(ろう付加熱中の0.2%耐力)
ろう付前のフィン材から圧延方向と平行にサンプルを切り出し、JIS5号形状に機械加工して試験片を作製し、予備加熱をした恒温槽内に試験片を投入した後、試験片が400℃、450℃、および550℃の各温度に達した直後から高温引張試験を実施した。高温引張試験の引張速度は1mm/分とし、高温における0.2%耐力を測定した。
(再結晶温度)
ろう付加熱を想定して常温から600℃まで一定の速度(100℃/分)で昇温し、所定の各温度に到達後、常温まで冷却した。冷却後にサンプル表面を観察し、表面積300mmのフィン材表面の80%以上が再結晶する温度を再結晶温度とした。
3.ろう付後
フィン材に対してろう付相当の熱処理を行い、加熱後のフィン材について、常温で、引張強さ、0.2%耐力、導電率、平均結晶粒径、電位、腐食減量、腐食電流密度、円相当径が1.0μm以上のAl-Fe系晶出物の個数密度、円相当径が0.01~0.10μmの第二相粒子の個数密度、円相当径が0.05μm以上のAl-Cu系第二相粒子の個数密度を算出した。
さらに、ろう付性の評価を行うために、フィン材をコルゲート成形して他の部材と組み合わせてろう付熱処理を行い、接合箇所を観察してフィン接合率を算出した。ろう付熱処理条件および各項目の測定方法・評価方法は以下の通りである。なお、測定結果は表4に示した。
(ろう付熱処理条件)
室温から600℃まで平均昇温速度50℃/分で昇温し、600℃で3分間保持後、100℃/分の降温速度で降温冷却する熱処理の条件にて、ろう付相当熱処理を行った。
(ろう付後の引張強さ、0.2%耐力)
ろう付相当の熱処理をした試料から圧延方向と平行にサンプルを切り出し、JIS13B形状の試験片を作製した。試験片に対して常温で引張試験を実施し、引張強さおよび0.2%耐力を測定した。引張速度は5mm/分とした。
(導電率)
JIS H0505記載の導電率測定方法により、ダブルブリッジ導電率計にて導電率の測定を行った。
(平均結晶粒径)
ろう付相当熱処理を施した供試材に対して、塩酸、フッ酸、硝酸の混合液にてサンプル表面をエッチングして結晶粒を露出させ、表面の写真を撮影し、撮影された表面結晶粒組織写真を用いて、直線切断法により平均結晶粒径を測定した。
(電 位)
上記のろう付相当熱処理を施したフィン材から電位測定用のサンプルを切り出し、サンプルを、50℃に加熱した5%NaOH溶液に30秒浸漬し、その後、30%HNO溶液中に60秒浸漬し、さらに、水道水、イオン交換水で洗浄し、乾燥させずにそのまま25℃の5%NaCl溶液(酢酸にてpH3に調整)に60分浸漬後の電位を測定した。参照電極には、銀‐塩化銀電極(Ag/AgCl)を使用した。
(腐食減量)
JIS Z2371準拠の方法で中性塩水噴霧試験(NNS:neutral salt spray test)を実施した。フィン材から、120mm×40mmのサンプルを切出し、1条件につき3本のサンプルを腐食環境中へ投入し、試験前後の重量差から腐食減量を求めた。試験液は5%NaCl、試験液のpHは6.5-7.2の範囲とし、試験槽温度は35±2℃で行った。
(腐食電流密度)
ろう付相当熱処理を施した供試材に対して、15mm×60mmの試験片を作製した。作製した試験片について、測定面積の1cmを暴露し、それ以外はマスキングで保護し、電位測定と同様の前処理(50℃に加熱した5%NaOH溶液に30秒浸漬し、その後、30%HNO3溶液中に60秒浸漬し、さらに、水道水、イオン交換水で洗浄)を行った後、分極測定を実施した。分極測定は、25℃の5%NaCl溶液(酢酸にてpH3に調整)中に試験片を5分浸漬し自然電位が安定した後、掃引速度0.5mV/sで電位を上昇させてアノード分極測定を実施し、アノード分極曲線を得た。
また、自然電位から電位を同掃引速度で下降させてカソード分極測定を実施し、カソード分極曲線を得た。アノード分極曲線およびカソード分極曲線の交点における電流密度を腐食電流密度とした。
(金属間化合物の分布状態)
ろう付相当熱処理を施した供試材に対して、Al-Fe系晶出物(円相当径が1.0μm以上)、Al-Cu系の第二相粒子(円相当径が0.05μm以上)、Al-Mn系、Al-Mn-Si系およびAl-Fe-Si系の第二相粒子(円相当径が0.01~0.10μm)の個数密度(個/mm)を透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定した。測定方法は、通常の方法で機械研磨、および電解研磨を行って薄膜を作製し、透過型電子顕微鏡を用いて、Al-Fe系晶出物については3000倍、Al-Cu系、Al-Mn系、Al-Mn-Si系およびAl-Fe-Si系の第二相粒子については50000倍でそれぞれ写真を撮影した。写真撮影は各5視野について行い、写真の画像解析によって金属間化合物のサイズおよび個数密度を計測した。
(フィン接合率)
作製したフィン材をコルゲート成形し、他部材(ヘッダープレート、チューブ、サイドプレート)と組み合わせて型組み後、フラックスを塗布してろう付して縦50cm×横50cmの熱交換器を作製した。その後、熱交換器のフィンとチューブとの接合箇所を観察し、不良接合箇所の数を求め、良好なフィンの接合率として、(1-(不良接合箇所/全接合箇所))×100(%)を算出した。接合率95%以上を○(良好な接合状態)、90~95%を△(必要十分な接合状態)、90%以下を×(接合不良)として評価した。
Figure 0007107690000001
Figure 0007107690000002
Figure 0007107690000003

Figure 0007107690000004
表1~表4に示すように、本発明で規定する成分組成および特性を有する実施例1~45はいずれも強度、導電性、耐食性、およびろう付性(フィン接合率)において優れていたのに対し、本発明の規定のいずれか一つ以上を満たしていない比較例1~37では、強度、導電性、耐食性、ろう付性等のいずれか一つ以上において良い結果が得られなかった。
上記実施例および比較例について、関係式(i)について各成分に応じた分布を図3に示し、関係式(ii)について各成分に応じた分布を図4に示した。
関係式(i)については、実施例6、17、24、27、29、30、35、36と比較例の一部が算出値が2.1未満であり、表3、4に示すように、ろう付途中の高温での0.2%耐力、常温での引張強さと0.2%耐力が低く、フィン接合率が低下する傾向にあった。また、実施例3、15、18、21、31と比較例の一部は、同じく関係式(i)の算出値が3.4を超えており、ろう付前の引張強さ、0.2%耐力が高く、フィンの成形が困難になる場合や、固相線温度が低い、腐食減量が多いフィン材であった。
関係式(ii)については、実施例3、4、17、18、20、33、42、45と比較例の一部が、算出値が0.2未満であり、表3、4に示すように、フィン材の電位がより好ましい範囲にはなかった。
1 熱交換器
2 ヘッダー
3 チューブ
4 フィン
5 サイドプレート

Claims (12)

  1. 質量%で、Mn:1.2~2.0%、Si:0.5~1.3%、Cu:0.001~0.05%未満、Fe:0.1~0.5%、Zn:0.5~2.5%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有するアルミニウム合金からなり、
    ろう付加熱後において、常温で、引張強さが140MPa以上、0.2%耐力が50MPa以上、導電率が42%IACS以上、電位が-800mV以上-710mV以下、中性塩水噴霧試験で16週間後の腐食減量が120mg/dm以下であり、
    前記ろう付が、室温から600℃まで平均昇温速度50℃/分で昇温し、600℃で3分間保持後、100℃/分の降温速度で降温冷却する条件で行われるものであり、
    前記電位が、25℃の5%NaCl溶液(酢酸にてpH3に調整)に60分浸漬後、参照電極として銀‐塩化銀電極(Ag/AgCl)を使用して測定するものであることを特徴とする強度、導電性、耐食性、およびろう付特性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材。
  2. 前記アルミニウム合金が、さらに、質量%で、Ti:0.01~0.20%、Cr:0.01~0.20%、Mg:0.01~0.20%、Zr:0.01~0.20%のうち、1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の強度、導電性、耐食性、およびろう付特性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材。
  3. 前記アルミニウム合金が、関係式(i)… 2.1≦[Mn含有量(質量%)]+[Si含有量(質量%)]+7.5*[Cu含有量(質量%)]≦3.4、かつ、関係式(ii)… [Zn含有量(質量%)]-18.8*[Cu含有量(質量%)]≧0.2を満たす組成を有することを特徴とする請求項1または2に記載の強度、導電率、耐食性、およびろう付特性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材。
  4. 前記ろう付加熱後の平均結晶粒径が100μm以上2000μm未満であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の強度、導電性、耐食性、およびろう付特性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材。
  5. 400~550℃の範囲における各温度で0.2%耐力が15~40MPaの範囲内であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の強度、導電性、耐食性、およびろう付特性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材。
  6. ろう付加熱前において、円相当径で0.01~0.10μmのAl-Mn系、Al-Mn-Si系、Al-Fe-Si系の第二相粒子の個数密度が1.0×10個/mm以上であり、金属組織が、結晶粒の平均縦横比が7.0以上である繊維状の結晶粒組織であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の強度、導電性、耐食性、およびろう付特性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材。
  7. 前記ろう付加熱後において、円相当径が0.01~0.10μmのAl-Mn系、Al-Mn-Si系およびAl-Fe-Si系の第二相粒子が合計量で1.0×10個/mm以上、円相当径で1.0μm以上のAl-Fe系の晶出物の個数密度が1.0×10個/mm以下、円相当径で0.05μm以上のAl-Cu系の第二相粒子が1.0×10個/mm以下で存在することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の強度、導電性、耐食性、およびろう付特性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材。
  8. 板厚が100μm以下であることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の強度、導電性、耐食性、およびろう付特性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材。
  9. 腐食電流密度が0.05mA/cm以下であることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の強度、導電性、耐食性、およびろう付特性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材。
  10. ろう付加熱前において、常温の引張強さが250MPa以下、常温の0.2%耐力が230MPa以下であることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の強度、導電性、耐食性、およびろう付特性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材。
  11. ろう付加熱前において、再結晶完了温度が450℃以下であることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の強度、導電性、耐食性、およびろう付特性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材。
  12. 請求項1~11のいずれか1項に記載の熱交換器用アルミニウム合金フィン材を備えることを特徴とする熱交換器。
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