以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
本明細書においては、絶対圧センサユニットの深さ方向と平行な方向における一方の側を「上」、他方の側を「下」と称する。絶対圧センサユニットの2つの主面のうち、一方の面を上面、他方の面を下面と称する。「上」、「下」の方向は重力方向に限定されない。
本明細書では、X軸、Y軸およびZ軸の直交座標軸を用いて技術的事項を説明する場合がある。本明細書では、絶対圧センサユニットの上面と平行な面をXY面とし、絶対圧センサユニットの深さ方向をZ軸とする。
図1aは、本実施形態に係る圧力センサ装置100の上面の一例を示す図である。圧力センサ装置100は、絶対圧センサユニット30および絶対圧センサユニット30を収容するセンサケース10を備える。絶対圧センサとは、ダイヤフラムの下面側に配置された密閉空間における圧力と、ダイヤフラムの上面側の被測定空間における圧力との差圧を測定するセンサである。密閉空間における圧力は、一例として真空である。
絶対圧センサユニット30は、被測定空間からの圧力を検出する。絶対圧センサユニット30は、一例として、印加される圧力に応じた電圧を生成する圧電素子を有する。圧電素子は、シリコン等の半導体基板に形成されたピエゾ素子であってよい。
センサケース10は、一例として樹脂で形成される。本例のセンサケース10は、絶対圧センサユニット30を収容する凹部16を有する。図1aに示す凹部16の上面視における形状は四角形であるが、凹部16の形状はこれに限定されない。絶対圧センサユニット30は、凹部16の底面に接着剤50で固定されている。接着剤50は、凹部16の底面に充填される。なお、凹部16の底面とは、絶対圧センサユニット30が載置される領域において、絶対圧センサユニット30と対向する面を指す。
センサケース10は、一例として、凹部16が設けられたベース部12と、ベース部12の上面において凹部16を囲むように設けられた壁部14とを有する。ベース部12および壁部14は、一例として樹脂で形成される。壁部14は、ベース部12と一体に設けられてよい。壁部14は、一例として筒形状を有する。筒形状の上部は、被測定空間と接続される開放端になっている。
センサケース10の凹部16の底面には、突起20が設けられる。本例の圧力センサ装置100は、一例として突起20が4つ設けられる。本例においては、4つの突起20は、4つの突起20がXY平面内において正方形を形成するように設けられるが、長方形状等、他の形状に設けられてもよい。
絶対圧センサユニット30の下方においては、上面視で、接着剤50が空間40の外側に設けられる。ここで、接着剤50が空間40の外側に設けられるとは、上面視で、絶対圧センサユニット30のXY平面内における中央側に空間40が設けられ、当該空間40よりも外側に接着剤50が設けられることをいう。
本例においては、凹部16の底面において、絶対圧センサユニット30の下方の領域であって、4つの突起20のXY平面内の内側には、接着剤50が存在しない空間40が、4つの突起20に接して設けられる。なお、突起20が3つ以上存在する場合には、接着剤50が存在しない空間40は、必ず全ての突起20の内側に設けられる必要はない。即ち、接着剤50が存在しない空間40は、当該3つ以上の突起20のうち、少なくとも1つの突起20の外側に設けられてよく、残りの複数の突起20の内側に、接着剤50が存在しない空間40が設けられてよい。また、本例においては、突起20の切欠部22の縁24は、開口60の縁62と上面視で重なる。
センサケース10の底面は、XY平面内において絶対圧センサユニット30と重なる位置に開口60を有する。本例においては、開口60は、XY平面内において円状に設けられるが、四角形状等、他の形状に設けられてもよい。圧力を検知するダイヤフラムは、絶対圧センサユニット30のXY平面内における中心側に存在する。このため、接着剤50は、絶対圧センサユニット30のXY平面内における中心部に存在せず、周辺部に存在することが好ましい。
センサケース10は、上面15に受圧開口部26を有する。上面15とは、壁部14の上面を指す。即ち、本例において、受圧開口部26は、上面視で壁部14の内側、即ち壁部14に囲まれた領域を指す。本例においては、上面視で壁部14が円状に設けられ、受圧開口部26は円状に設けられているが、四角形状等、他の形状に設けられていてもよい。
隣り合う突起20のXY平面内における中心間の距離Dtは、突起20の直径Trの1.5倍以上2.5倍以下であってよい。開口60の直径Ddは、開口60が4つの突起20の内側になるよう、設定されてよい。直径Ddは、一例として、距離Dtの0.8倍以上1.2倍以下であってよい。
直径Trは、一例として0.8mmであってよい。距離Dtは、一例として1.6mmであってよい。突起20が形成するXY平面内の正方形の対角線の距離Dttは、一例として2.26mmであってよい。また、直径Ddは、一例として1.8mmであってよい。直径Ddは、0.3mm以上であってよい。また、直径Ddは、距離Dtt以下であってよい。
図1bは、図1aにおける領域Aの拡大図である。図1bに示す通り、突起20は、XY平面内において切欠部22を有する。本例の突起20は、XY平面内において円形を有しており、円の外周の一部が内側に窪むことで切欠部22が設けられている。なお突起20のXY平面における形状は円に限定されない。XY平面における切欠部22の縁24と開口60の縁62とは、上面視で重なる。開口60がテーパー形状を有する場合、開口60の縁62とは、凹部16の底面における縁を指す。同様に、切欠部22の縁24は、凹部16の底面における縁を指してよい。
図1cは、図1aにおけるa-a'断面の一例を示す図である。図1cは、センサケース10の断面の一例を模式的に示している。壁部14は、ベース部12上に凹部16を囲むように設けられる。壁部14は、ベース部12からZ軸方向に突出して設けられてよい。
本例の絶対圧センサユニット30は、ガラス等の絶縁材料で形成された支持基板34と、支持基板34に固定され、シリコン等の半導体材料で形成された半導体基板35とを有する。半導体基板35の上面側には、ダイヤフラム36が設けられている。ダイヤフラム36は、当該a-a'断面において、2つの突起20の内側に設けられてよい。また、ダイヤフラム36は、図1aの上面視において、4つの突起20の内側に設けられてよい。
半導体基板35には、ダイヤフラム36の下方に密閉空間37が設けられる。本例の密閉空間37は、半導体基板35と支持基板34により密閉されている。ダイヤフラム36にはピエゾ素子等が配置されており、密閉空間37の圧力と、被測定空間38の圧力との差圧を検出する。
センサケース10の凹部16は、底面18を有する。底面18とは、絶対圧センサユニット30の底面と対向する、凹部16の底を指す。底面18には、突起20が設けられる。突起20は、センサケース10に凹部16を設けた後、底面18に設けてもよいし、底面18に一体成型してもよい。突起20は、接着剤50のZ軸方向の厚さを一定化する機能を有する。突起20の高さ即ちZ軸方向の厚さは、一例として60μm以上200μm以下であってよい。本例においては、突起20はXY平面内において円状であるが、四角形状等、他の形状であってもよい。
絶対圧センサユニット30の上面32は、凹部16の上端よりも高い位置に配置されてよく、低い位置に配置されてよく、同一の高さ位置に配置されてもよい。即ち、底面18から絶対圧センサユニット30の上面32までの高さは、底面18から凹部16の上端までの高さhより大きくてよく、小さくてよく、同一であってもよい。図1cは、底面18から上面32までの高さが、底面18から凹部16の上端までの高さhと一致する一例を示している。
絶対圧センサユニット30は、接着剤50により底面18に固定される。絶対圧センサユニット30は、上面32からの圧力を感知するので、絶対圧センサユニット30の下面は底面18に固定されていればよい。接着剤50は、一例としてフッ素系であるが、これに限定されない。フッ素系の接着剤50としては、PEPE(パーフルオロポリエーテル)等を用いることができる。底面18に突起20を設けることにより、接着剤50のZ軸方向の厚さを確保し、且つ接着剤50の厚さを一定化することができる。接着剤50のZ軸方向の厚さが大きいほど、ベース部12から絶対圧センサユニット30への応力が直接的に伝搬しにくくなるので、ベース部12から絶対圧センサユニット30にかかる応力は低減する。
絶対圧センサユニット30を、自動車に用いられるエンジン吸気圧測定用の圧力検出装置へ適用する場合は、絶対圧センサユニット30が自動車の燃料等の有害環境に曝されることとなる。このため、当該圧力検出装置へ適用する場合は、自動車の燃料等に曝されても、シリコン系よりも膨張しにくく、且つ耐性の高いフッ素系の接着剤50を用いることが好ましい。
本例の圧力センサ装置100は、図1cに示す通り、絶対圧センサユニット30の下方の一部に、接着剤50が存在しない空間40を有する。また、底面18に開口60を有する。開口60は、絶対圧センサユニット30よりもZ軸方向負側に、絶対圧センサユニット30と重なる領域に設けられる。また、底面18よりも開口60のZ軸方向正側には、接着剤50が存在しない。底面18よりも開口60のZ軸方向負側は、図1cに示す通り、テーパー形状を有してよい。ダイヤフラム36は、a-a'断面における2つの突起20のY軸方向内側、且つa-a'断面と垂直なX軸方向における2つの突起20のX軸方向内側に設けられてよい。
図1cに示すように、開口60よりもY軸方向負側の接着剤50は、a-a'断面における2つの側壁42のうちY軸方向負側の側壁42に接する端部Err1、および開口60側の端部Erl1を有する。また、開口60よりもY軸方向正側の接着剤50は、a-a'断面における2つの側壁42のうちY軸方向正側の側壁42に接する端部Ell1、および開口60側に端部Elr1を有する。
切欠部22の縁24と開口60の縁62は、図1aの上面視で重なる。このため、端部Erl1と開口60の縁62も重なる。同様に、端部Elr1と開口60の縁62も重なる。縁24および縁62が重なる構成は、底面18に突起20を設けた後、切欠部22が設けられるように、突起20とベース部12とを合わせて開口60を打ち抜くことにより、作製されてよい。
本例の圧力センサ装置100は、開口60が打ち抜かれたセンサケース10の底面18に、底面18から突起20の頂点TまでのZ軸方向の高さと略同一高さまで接着剤50を充填し、接着剤50が充填された凹部16に絶対圧センサユニット30を載置することにより、作製される。このため、突起20の頂点Tと絶対圧センサユニット30の底面との間には接着剤50が存在し、頂点Tと絶対圧センサユニット30の底面とは接触しない。本例の圧力センサ装置100は、突起20の頂点Tと絶対圧センサユニット30の底面とが接触しないので、ベース部12からの応力が絶対圧センサユニット30の底面に直接的に伝搬しない。このため、圧力センサ装置100の出力変動を抑制することができる。
絶対圧センサユニット30の底面に生じる応力は、絶対圧センサユニット30を凹部16に載置後、一旦オフセット調整される。圧力センサ装置100周囲の温度等の外部環境が変化すると、センサケース10と接着剤50との界面Sにおいて、センサケース10の底面と接着剤50の熱膨張率の相違に起因して、応力が生じる。この応力が解放されるプロセスにおいて、絶対圧センサユニット30の底面に歪がもたらされる。この歪が、絶対圧センサユニット30の出力変動をもたらす。
本例の圧力センサ装置100は、端部Erl1と縁62とがXY平面内において重なるので、開口60よりもY軸方向負側の突起20においては、図1cにおいてa-a'断面よりもX軸方向正側に存在する頂点Tから端部Erl1までの距離を、極めて小さくすることができる。このため、開口60よりもY軸方向負側の突起20においては、頂点Tから縁24へのY軸方向正側への引っ張り応力Far1を極めて小さくすることができる。
同様に、本例の圧力センサ装置100は、端部Elr1と縁62とがXY平面内において重なるので、開口60よりもY軸方向正側の突起20においては、図1cにおいてa-a'断面よりもX軸方向正側に存在する頂点Tから端部Elr1までの距離を、極めて小さくすることができる。このため、開口60よりもY軸方向正側の突起20においては、頂点Tから縁24へのY軸方向負側への引っ張り応力Fal1を極めて小さくすることができる。
本例の圧力センサ装置100は、X軸方向においても、頂点Tから接着剤50のX軸方向の端部までの距離を短くすることができる。このため、図1cにおけるX軸方向負側への引っ張り応力も、小さくすることができる。
本例の圧力センサ装置100は、上記の通り、突起20の頂点Tからダイヤフラム36の下方へ向かう、Y軸方向の引っ張り応力Far1およびFal1を極めて小さくすることができる。底面18のY軸方向両端側に存在する接着剤50には、圧縮応力Far2およびFal2がそれぞれ発生するが、圧力センサ装置100の出力変動に、より影響の大きいダイヤフラム36の下方においては、開口60が設けられ、接着剤50が設けられないので、接着剤50の存在に起因する引っ張り応力も抑制することができる。このため、絶対圧センサユニット30の開口60上に位置する底部に発生する歪を抑制することができる。このため、絶対圧センサユニット30の出力変動を抑制することができる。
また、本例の圧力センサ装置100においては、接着剤50が底面18に充填されるので、接着剤50は凹部16の側壁42と接する。即ち、本例の圧力センサ装置100は、接着剤50と側壁42との間に空間40が存在しない。このため、接着剤50に気泡が侵入しにくい。このため、界面Sにおいて当該気泡に基づく応力を生じにくい。
なお、本実施形態では、接着剤50に、突起20を起点に発生する応力を引っ張り応力とし、突起20と側壁42との間の接着剤50に発生する応力を圧縮応力としているが、引っ張り応力および圧縮応力の関係は、加熱または冷却により反転し得る。このため、図中の引っ張り応力、圧縮応力を示す矢印は便宜的なものである。
図1dは、図1aにおける圧力センサ装置100の斜視の一例を示す図である。図1dは、センサケース10の一例を、より具体的に示している。図1dにおいては、図1aにおける絶対圧センサユニット30および接着剤50を省略して示している。図1dに示すように、本例の圧力センサ装置100は、ベース部12に、凹部16を囲むように設けられた壁部14を有する。凹部16の底面18には、一例として突起20が4つ設けられる。4つの突起20は、上面視で、一例として正方形状に設けられる。また、底面18は開口60を有する。開口60は、上面視で、一例として4つの突起20の内側に設けられる。
本例においては、突起20には、円の外周の一部が内側に窪むことで、切欠部22が設けられている。切欠部22の縁24と開口60の縁62は、上面視で重なってよい。縁24と縁62が重なる構成は、突起20とベース部12とを合わせて開口60を打ち抜くことにより、形成されてよい。
図2aは、比較例1の圧力センサ装置150の上面図である。比較例1の圧力センサ装置150は、図2aに示す通り、凹部16の底面18において開口60を有さない。4つの突起20は、XY平面内において図1aと同じ位置に設けられる。凹部16の底面18と絶対圧センサユニット30の底面との間には、接着剤50が充填されている。
図2bは、図2aにおけるaa-aa'断面図である。比較例1の圧力センサ装置150は、図2bに示す通り、絶対圧センサユニット30とセンサケース10との間において、絶対圧センサユニット30の下方全体に接着剤50が充填され、空間40および開口60が設けられない。接着剤50は、aa-aa'断面における2つの側壁42のうちY軸方向負側の側壁42に接する端部Er1および当該2つの側壁42のうちY軸方向正側の側壁42に接する端部El1を有する。
比較例1の圧力センサ装置150は、図1cの圧力センサ装置100と比較して、aa-aa'断面における2つの突起20のうちY軸方向負側の突起20においては、頂点TからY軸方向正側、即ち底面18の中央側への引っ張り応力Fr1が緩和されない。同様に、aa-aa'断面における2つの突起20のうちY軸方向正側の突起20においては、頂点TからY軸方向負側、即ち底面18の中央側への引っ張り応力Fl1が緩和されない。底面18のY軸方向両端側に存在する接着剤50には、圧縮応力Fr2およびFl2がそれぞれ発生するが、圧力センサ装置100の出力変動に、より影響の大きいダイヤフラム36の下方において図2bにおける2つの突起20の間に接着剤50が充填されているので、当該接着剤50に圧縮応力Fm2が発生する。同様に、図2bにおける突起20と、aa-aa'断面に垂直なX軸方向正側に存在する突起20との間にも接着剤50が充填されているので、当該接着剤50にも圧縮応力が生じる。このため、この応力が解放されるプロセスにおいて、絶対圧センサユニット30の底面に歪がもたらされる。このため、絶対圧センサユニット30の出力変動を抑制することができない。
図3aは、本実施形態に係る圧力センサ装置100の上面の他の一例を示す図である。本例の圧力センサ装置100は、図1aに示す圧力センサ装置100において、突起20の切欠部22の縁24が、突起20の頂点Tを通り、頂点Tが開口60の縁62と上面視で重なる点で、図1aに示す圧力センサ装置100と異なる。
図3bは、図3aにおけるb-b'断面の一例を示す図である。図3bは、センサケース10の断面の一例を模式的に示している。図3bに示す通り、本例の圧力センサ装置100は、突起20が切欠部22を有し、突起20の頂点Tと切欠部22の縁24とがXY平面内において重なる。また、切欠部22の縁24と開口60の縁62とがXY平面内において重なる。即ち、図1aにおける直径Ddと距離Dttが等しい場合である。ダイヤフラム36は、Y軸方向における2つの突起20のY軸方向内側、且つX軸方向における2つの突起20のX軸方向内側に設けられてよい。
図3bに示すように、開口60よりもY軸方向負側の接着剤50は、b-b'断面における2つの側壁42のうちY軸方向負側の側壁42に接する端部Err2、および開口60側の端部Erl2を有する。また、開口60よりもY軸方向正側の接着剤50は、b-b'断面における2つの側壁42のうちY軸方向正側の側壁42に接する端部Ell2、および開口60側に端部Elr2を有する。端部Erl2は、XY平面内において、b-b'断面における2つの縁24のうちY軸方向負側の縁24と重なってよい。また、端部Erl2は、b-b'断面における2つの縁62のうちY軸方向負側の縁62と重なってよい。同様に、端部Elr2は、XY平面内において、b-b'断面における2つの縁24のうちY軸方向正側の縁24と重なってよい。また、端部Elr2は、b-b'断面における2つの縁62のうちY軸方向正側の縁62と重なってよい。
本例の圧力センサ装置100は、突起20の頂点Tと切欠部22の縁24とがXY平面内において重なるので、b-b'断面において、Y軸方向負側の突起20のY軸方向正側に、接着剤50が存在しない。このため、当該突起20を起点としてY軸方向正側、即ち開口60の側に、引っ張り応力Fbr1が発生しない。同様に、b-b'断面において、Y軸方向正側の突起20のY軸方向負側にも、接着剤50が存在しない。このため、当該突起20を起点としてY軸方向負側、即ち開口60の側に、引っ張り応力Fbl1が発生しない。
図3cは、図3bにおける領域Bの拡大図である。図3cに示す通り、本例の圧力センサ装置100は、突起20が切欠部22を有し、突起20の頂点Tと切欠部22の縁24とがXY平面内において重なる。また、切欠部22の縁24と開口60の縁62とがXY平面内において重なる。また、突起20の上方に、突起20と接して接着剤50が設けられ、接着剤50の上方に、接着剤50と接して絶対圧センサユニット30の支持基板34が設けられる。端部Elr2は、XY平面内において、Y軸方向正側の縁24およびY軸方向正側の縁62と重なってよい。突起20の頂点Tと支持基板34の底面とは、接触しない。
接着剤50の底面18からの高さhaは、突起20の高さhtの1.1倍以上1.5倍以下であってよい。突起20の頂点Tから支持基板34の底面までの高さhtaは、高さhaの0.3倍以上0.5倍以下であってよい。突起20の高さhtは、一例として60μm以上200μm以下であってよい。高さhtaは、一例として10μm以上50μm以下であってよい。また、高さhaは、70μm以上250μm以下であってよい。
本例においても、図1bの圧力センサ装置100と同様に、底面18のY軸方向両端側に存在する接着剤50には圧縮応力Fbr2およびFbl2がそれぞれ発生するが、圧力センサ装置100の出力変動に、より影響の大きいダイヤフラム36の下方において、接着剤50が存在しないので、接着剤50の存在に起因する引っ張り応力が発生しない。このため、図1bの例よりも、絶対圧センサユニット30の開口60上に位置する底部に発生する歪を、より効果的に抑制することができる。このため、図1bの例よりも、絶対圧センサユニット30の出力変動を、より抑制することができる。
図4aは、本実施形態に係る圧力センサ装置100の上面の他の一例を示す図である。本例の圧力センサ装置100は、図1aに示す圧力センサ装置100において、開口60が設けられず、XY平面内において、空間40内に、3つの突起20が正三角形を形成するように設けられる点で、図1aに示す圧力センサ装置100と異なる。3つの突起20は、本例においては正三角形を形成するように設けられているが、他の三角形を形成するように設けられてもよい。
図4bは、図4aにおけるc-c'断面の一例を示す図である。図4bは、センサケース10の断面の一例を模式的に示している。c-c'断面は、3つの突起20のうち、Y軸方向に平行な2つの突起20の頂点Tを通る断面である。図4bに示す通り、本例の圧力センサ装置100は、底面18のY軸方向両端側に接着剤50を有する。突起20は、接着剤50よりも、底面18のY軸方向における中央側に設けられる。突起20と接着剤50との間および突起20相互の間には接着剤50が設けられず、空間40が設けられる。XY平面内においても、突起20の周囲には接着剤50が設けられず、空間40が設けられる。すなわち、絶対圧センサユニット30の下方の領域の内側であって、3つの突起20の周囲(XY平面内の内側及び外側)には、接着剤50が存在しない空間40が設けられる。
図4bに示すように、空間40よりもY軸方向負側の接着剤50は、c-c'断面における2つの側壁42のうちY軸方向負側の側壁42に接する端部Err3、および開口60側の端部Erl3を有する。また、空間40よりもY軸方向正側の接着剤50は、c-c'断面における2つの側壁42のうちY軸方向正側の側壁42に接する端部Ell3、および開口60側に端部Elr3を有する。
本例の圧力センサ装置100は、突起20のXY平面内における周囲に接着剤50が充填されない。すなわち、XY平面内において突起20相互の間に接着剤50が存在しない。このため、突起20相互の間において、接着剤50の存在に起因する圧縮応力が発生しない。空間40よりもY軸方向負側に存在する接着剤50には圧縮応力Fcr2が、空間40よりもY軸方向正側に存在する接着剤50にはFcl2が、それぞれ発生するが、圧力センサ装置100の出力変動に、より影響の大きいダイヤフラム36の下方において、接着剤50の存在に起因する引っ張り応力および圧縮応力を低減することができる。これより、絶対圧センサユニット30の底部のXY平面内における中央部に発生する歪を抑制することができ、絶対圧センサユニット30の出力変動を抑制することができる。
なお、本例においては、XY平面内において、空間40内に3つの突起20が設けられる一例を示したが、突起20は1つであってもよい。即ち、1つの突起20のXY平面内における周囲に空間40が設けられ、当該突起20と接着剤50が接触しない構成であってもよい。この構成によっても、上記と同様に、絶対圧センサユニット30の底部に発生する歪を抑制することができ、絶対圧センサユニット30の出力変動を抑制することができる。
図5aは、本実施形態に係る圧力センサ装置100の上面の他の一例を示す図である。本例の圧力センサ装置100は、開口60が設けられない。また、絶対圧センサユニット30の下方においては、上面視で、接着剤50が空間40の内側に設けられる。ここで、接着剤50が空間40の内側に設けられるとは、上面視で、絶対圧センサユニット30のXY平面内における中央側に接着剤50が設けられ、当該接着剤50よりも外側に空間40が設けられることをいう。
本例においては、絶対圧センサユニット30の下方の領域であって、3つの突起20の外側に、接着剤50が存在しない空間40が3つの突起20に接して設けられる。なお、3つの突起20の内側にも接着剤50が存在しない空間40が設けられるように、空間40を拡大することで応力低減効果をより奏するようにしてもよい。
図5bは、図5aにおけるd-d'断面の一例を示す図である。図5bは、センサケース10の断面の一例を模式的に示している。d-d'断面は、3つの突起20のうち、Y軸方向に平行な2つの突起20の頂点Tを通る断面である。
本例の圧力センサ装置100は、図5bに示す通り、底面18のY軸方向中央側に接着剤50を有し、底面18のY軸方向両端側且つ絶対圧センサユニット30のY軸方向両端側の下方に空間40を有する。即ち、接着剤50の端部Err4は、d-d'断面における2つの側壁42のうちY軸方向負側の側壁42に接触しない。また、接着剤50の端部Ell4は、d-d'断面における2つの側壁42のうちY軸方向正側の側壁42に接触しない。
接着剤50は、d-d'断面における2つの突起20のうちY軸方向負側の突起20の頂点TよりもY軸方向負側まで設けられ、d-d'断面における2つの突起20のうちY軸方向正側の突起20の頂点TよりもY軸方向正側まで設けられる。このため、突起20の頂点Tと絶対圧センサユニット30の底面とは、接触しない。
突起20の一部は、空間40と接する。なお、図3bの切欠部22の構成と同様に、d-d'断面における2つの突起20のうちY軸方向負側の突起20の頂点Tと接着剤50の端部Err4とが、XY平面内において重なってもよい。同様に、d-d'断面における2つの突起20のうちY軸方向正側の突起20の頂点Tと接着剤50の端部Ell4とが、XY平面内において重なってもよい。
接着剤50には、底面18のY軸方向中央側において、圧縮応力Fdm2が生じる。また、接着剤50には、d-d'断面における2つの突起20のうちY軸方向負側の突起20の頂点TからY軸方向正側および負側に、引っ張り応力Fdr1が生じる。また、接着剤50には、d-d'断面における2つの突起20のうちY軸方向正側の突起20の頂点TからY軸方向正側および負側に、引っ張り応力Fdl1が生じる。
本例の圧力センサ装置100は、XY平面内において接着剤50の外周かつ絶対圧センサユニット30の下方に空間40が設けられるので、接着剤50の空間40との近傍において、ベース部12から絶対圧センサユニット30へ、接着剤50を通じて、Z軸方向の応力Fvが伝搬する。このため、絶対圧センサユニット30の底面にY軸方向の応力が生じにくい。このため、絶対圧センサユニット30の出力変動を抑制することができる。
図6aは、比較例2の圧力センサ装置160の上面図である。比較例2の圧力センサ装置160は、図5aの圧力センサ装置100において、絶対圧センサユニット30の下方全体に接着剤50が充填されている点で、図5aに示す圧力センサ装置100と異なる。
図6bは、図6aにおけるdd-dd'断面の一例を示す図である。dd-dd'断面は、3つの突起20のうち、Y軸方向に平行な2つの突起20の頂点Tを通る断面である。図6bに示す通り、比較例2の圧力センサ装置160は、絶対圧センサユニット30の下方前面に接着剤50が充填される。接着剤50は、底面18に対して斜め方向の端部Er2およびEl2を有する。また、端部Er2と側壁42との間および端部El2と側壁42との間には、それぞれ空間40が存在する。
接着剤50には、底面18のY軸方向中央側において、圧縮応力Fm2'が生じる。また、接着剤50には、dd-dd'断面における2つの突起20のうちY軸方向負側の突起20の頂点TからY軸方向正側および負側に、引っ張り応力Fr1'が生じる。また、接着剤50には、dd-dd'断面における2つの突起20のうちY軸方向正側の突起20の頂点TからY軸方向正側および負側に、引っ張り応力Fl1'が生じる。さらに、当該2つの突起20のうちY軸方向負側の突起20よりもY軸方向負側の接着剤50には、圧縮応力Fr2'が生じる。また、当該2つの突起20のうちY軸方向正側の突起20よりもY軸方向正側の接着剤50には、圧縮応力Fl2'が生じる。
比較例2の圧力センサ装置160は、絶対圧センサユニット30の下方に接着剤50が充填され、接着剤50のY軸方向両端側に、それぞれ空間40が存在するので、ベース部12から絶対圧センサユニット30へ、接着剤50を通じて、Z軸方向の応力Fvに加え、底面18に対して斜め方向の応力Fhvも伝搬する。斜め方向の応力FhvはX軸方向及びY軸方向にゲージ抵抗の変形を起こすため、応力が解放されるプロセスにおいてもX軸方向及びY軸方向に出力変動をもたらす。このため、図5bの構成によれば、図6bの構成に比べて、斜め方向の応力Fhvによる出力変動を抑制できる効果を奏する。
図7aは、本実施形態に係る圧力センサ装置100の上面の他の一例を示す図である。本例の圧力センサ装置100は、図4aの圧力センサ装置100において、空間40内に突起20が設けられず、突起20が接着剤50に接し且つ空間40に接しないように設けられる点で、図4aに示す圧力センサ装置100と異なる。すなわち、絶対圧センサユニット30の下方の領域のY軸方向中央側に接着剤50が存在しない空間40が設けられ、4つの突起20の周囲は接着剤50で充填される。また、突起20の数は、本例では4つであるが、4つに限られない。4つの突起20は、本例においては4つの突起20が正方形を形成するように設けられているが、台形等、他の四角形を形成するように設けられていてもよい。また、本例では、センサケース10は開口60を有さないが、開口60を有するようにしてもよい。
図7bは、図7aにおけるe-e'断面の一例を示す図である。図7bは、センサケース10の断面の一例を模式的に示している。e-e'断面は、4つの突起20のうち、Y軸方向に平行な対角線上に位置する2つの突起20の頂点Tを通る断面である。
本例の圧力センサ装置100は、図7bに示す通り、底面18のY軸方向両端側に、それぞれ接着剤50を有する。接着剤50の端部Err5は、e-e' 断面における2つの側壁42のうちY軸方向負側の側壁42と接し、端部Erl5は空間40と接する。また、接着剤50の端部Ell5は、e-e' 断面における2つの側壁42のうちY軸方向正側の側壁42と接し、端部Elr5は空間40と接する。接着剤50には、e-e'断面において、突起20の頂点TからY軸方向正側および負側に、引っ張り応力Fer1、Fel1が生じる。
突起20は、接着剤50に接し且つ空間40に接しないように設けられる。本例においては、突起20のXY平面内における周囲に接着剤50が設けられるので、突起20の頂点Tと絶対圧センサユニット30の底面とは接触しない。
本例の圧力センサ装置100は、底面18のY軸方向両端側に存在する接着剤50に、圧縮応力Fer2およびFel2が、それぞれ発生するが、圧力センサ装置100の出力変動に、より影響の大きいダイヤフラム36の下方において空間40が存在するので、空間40よりもY軸方向負側の突起20においては、頂点Tから端部Erl5までの距離を小さくすることができる。また、空間40よりもY軸方向正側の突起20においては、頂点Tから端部Elr5までの距離を小さくすることができる。このため、e-e'断面における2つの突起20のうちY軸方向負側の突起20よりもY軸方向正側、即ち空間40の側に存在する接着剤50に生じる圧縮応力Fer2を、絶対圧センサユニット30の下方全体に接着剤50が充填されている場合に比べて、小さくすることができる。また、e-e'断面における2つの突起20のうちY軸方向正側の突起20よりもY軸方向負側、即ち空間40の側に存在する接着剤50に生じる圧縮応力Fel2を、絶対圧センサユニット30の下方全体に接着剤50が充填されている場合に比べて、小さくすることができる。このため、絶対圧センサユニット30の底面のXY平面内中央に発生する歪を抑制することができる。このため、絶対圧センサユニット30の出力変動を抑制することができる。
図8aは、本実施形態に係る圧力センサ装置100の上面の他の一例を示す図である。本例の圧力センサ装置100は、図1aに示す圧力センサ装置100において、絶対圧センサユニット30の上面32を覆うように保護剤80が充填されている。絶対圧センサユニット30の上面32には電極パッド70が設けられる。電極パッド70は、ボンディングワイヤ72によりリード端子74と電気的に接続される。なお、図8aにおいては、図1aにおいて示していた接着剤50のハッチングを削除して示している。
図8bは、図8aにおけるf-f'断面の一例を示す図である。図8bは、センサケース10の断面の一例を模式的に示している。図8bに示す通り、本例の圧力センサ装置100は、センサケース10の内部に、絶対圧センサユニット30を覆うように保護剤80が充填されている。保護剤80は、絶対圧センサユニット30の上面32に設けられた電極パッド70とリード端子74を、ボンディングワイヤ72でワイヤボンディングした後、充填される。保護剤80は、接着剤50を構成する材料と同種の材料から構成されてよい。本実施形態において、同種の材料とは、構成する成分の主鎖が同じ材料であることをいう。保護剤80および接着剤50は、一例として共にフッ素系の材料から構成されてよい。フッ素系の材料としては、PEPE(パーフルオロポリエーテル)等を用いることができる。
保護剤80は、フリーオイルを含むゲルからなる。本実施形態においては、保護剤80と接着剤50とのフリーオイル濃度差は、可能な限り小さく設定するのが望ましい。フリーオイル濃度差が小さいほど、保護剤80に含まれるフリーオイルが接着剤50へ拡散することを防ぐことができる。このため、接着剤50が当該拡散したフリーオイルを吸収して膨潤することを防ぐことができる。このため、絶対圧センサユニット30とベース部12等の周辺部材間との応力バランスの変化を防ぐことができる。
図9aは、-40℃即ち低温の環境下における、図1aの圧力センサ装置100の出力変動の経時変化を示す図である。図9aにおいては、図2aおよび図2bに示した比較例1の圧力センサ装置150の出力変動の経時変化を併せて示している。図9aにおいて、出力変動は、比較例1における最大値を100%として規格化して示している。
図9aから分かるように、-40℃の低温環境下において、本例および比較例1の圧力センサ装置100は、測定開始から約30時間経過時で出力変動が最大となる。開口60を有する圧力センサ装置100の出力変動の最大値は、比較例1の出力変動の最大値と比較して、約1/8に抑制することができる。
図9bは、25℃即ち常温の環境下における、図1aの圧力センサ装置100の出力の経時変化を示す図である。図9bから分かるように、+25℃の常温環境下において、本例および比較例1の圧力センサ装置100は、測定開始から約60時間経過時で出力変動が最大となる。開口60を有する圧力センサ装置100の出力変動の最大値は、比較例1の出力変動の最大値と比較して、約3/5に抑制することができる。
図9cは、150℃即ち高温の環境下における、図1aの圧力センサ装置100の出力の経時変化を示す図である。図9cから分かるように、150℃の高温環境下において、本例および比較例1の圧力センサ装置100は、時間の経過に伴い徐々に出力変動が飽和する。測定開始から約100時間経過時において、開口60を有する圧力センサ装置100の出力変動は、比較例1の出力変動と比較して、約1/2に抑制することができる。
図10aは、第2の実施形態に係る圧力センサ装置200の上面の一例を示す図である。本例の圧力センサ装置200は、絶対圧センサユニット30、および、絶対圧センサユニット30を収容するセンサケース10を備える。センサケース10は、上面15に受圧開口部26を有する。センサケース10は、底面18に受圧開口部26よりも小さい底面開口部90を有する。詳細には、底面開口部90は、接着剤50側またはその反対側(裏面側)の表面積が受圧開口部26の表面積よりも小さいものとしてよい。
本例において、上面15は、壁部14の上面を指す。また、本例において、受圧開口部26は、上面視で壁部14の内側、即ち壁部14に囲まれた領域を指す。本例においては、上面視で壁部14が円状に設けられ、受圧開口部26が円状に設けられているが、四角形状等、他の形状に設けられていてもよい。
Z軸方向において、絶対圧センサユニット30とセンサケース10との間には、絶対圧センサユニット30とセンサケース10とを固定する接着剤50が設けられる。接着剤50は、底面開口部90の上方に設けられてよい。即ち、上面視で、接着剤50は底面開口部90と重なるように設けられてよい。本例においては、接着剤50は、底面開口部90の上方に設けられるが、底面開口部90の上方に設けられなくてもよい。
底面開口部90は、上面視で、壁部14で囲まれるベース部12の中心に設けられてよい。底面開口部90は、上面視で絶対圧センサユニット30と重なって設けられてよく、重ならずに設けられてもよい。本例においては、底面開口部90は、上面視で絶対圧センサユニット30と重なって設けられる。底面開口部90は、上面視で円状に設けられてよい。即ち、底面開口部90の縁92は、上面視で円周状であってよい。底面開口部90は、上面視で四角形状等、他の形状に設けられてもよい。
直径Dd'は、底面開口部90の直径である。幅Ddfは、ダイヤフラム36のY軸方向の幅である。幅Ddfは、上面視におけるダイヤフラム36の直径であってもよい。直径Dd'は、0.5mm以上2.0mm以下であってよく、1.0mm以上1.5mm以下であってもよい。直径Dd'は、幅Ddfよりも小さくてよい。
図10bは、図10aにおけるg-g'断面の一例を示す図である。g-g'断面は、リード端子74、壁部14、保護剤80を通るYZ面である。
センサケース10は、絶対圧センサユニット30を収容するための凹部16を有してよい。センサケース10は、凹部16の底面18に底面開口部90を有してよい。底面18とは、絶対圧センサユニット30の底面と対向する、凹部16の底を指す。底面開口部90は、Y軸方向において、凹部16の底面18の中央に設けられてよい。また、センサケース10は、上面15に受圧開口部26を有する。受圧開口部26は、g-g'断面において2つの壁部14の間の領域である。
本例の圧力センサ装置200は、Z軸方向において、絶対圧センサユニット30とセンサケース10との間に接着剤50を備えてよい。接着剤50は、底面開口部90の上方に設けられてよいが、設けられなくてもよい。底面開口部90の上方とは、底面開口部90よりもZ軸方向正側、且つ、Y軸方向において底面開口部90の2つの縁92よりも内側の領域を指す。本例においては、接着剤50が底面開口部90の上方に設けられる。接着剤50は、底面開口部90のY軸方向正側から底面開口部90の上方を通り、底面開口部90のY軸負側まで、連続して設けられてよい。
底面開口部90の上方において、接着剤50の底面は、底面18と同一のXY平面上に設けられてよく、底面18よりもZ軸方向負側、即ち、YZ平面内における底面開口部90の2つの縁92の間に、突出して設けられていてもよい。本例においては、接着剤50の底面は、底面18と同一のXY平面上に設けられる。
Y軸方向において、接着剤50の幅は、絶対圧センサユニット30の幅よりも大きくてよい。即ち、絶対圧センサユニット30の底面全体が、接着剤50と接してよい。
圧力を検出するダイヤフラム36は、絶対圧センサユニット30の上面側に設けられてよい。本例においては、ダイヤフラム36が絶対圧センサユニット30の上面に接して設けられるが、ダイヤフラム36は、絶対圧センサユニット30の上面に接しないで設けられてもよい。即ち、ダイヤフラム36は、絶対圧センサユニットのZ軸方向における中央と上面との間に設けられてもよい。
ダイヤフラム36は、絶対圧センサユニット30の下面側、即ち、底面開口部90側に設けられてもよい。底面開口部90側に設けられたダイヤフラム36によって、Z軸方向負側から底面開口部90を通して絶対圧センサユニット30に印加される圧力を検出してもよい。
接着剤50とセンサケース10との界面、即ち底面18には、底面18が曝される雰囲気の湿度に由来する水分が存在し得る。絶対圧センサユニット30をセンサケース10に装着する工程において、接着剤50を底面18に塗布すると、接着剤50と底面18との間に、当該水分に起因する気泡を巻き込む場合がある。基板実装工程におけるリフローによりセンサケース10を急加熱した場合、当該水分が突沸して水蒸気となり、急激に体積膨張し得る。
本例の圧力センサ装置200は、接着剤50が底面開口部90の上方に設けられるので、リフローにより突沸した水蒸気は、底面開口部90によりセンサケース10の外部へ排出され易い。このため、突沸した水蒸気の急激な体積膨張を抑制しやすくなる。このため、この体積膨張により、ベース部12と接着剤50との界面(即ち底面18)において、絶対圧センサユニット30をZ軸方向の正側に押し上げる圧力がかかりにくいので、接着剤50の底面18からの剥離を抑制しやすくなる。このため、接着剤50が底面18から剥離することにより発生し得る、応力バランスの変化による絶対圧センサユニット30の特性の変化、保護剤80の損傷およびボンディングワイヤ72の断線を抑制しやすくなる。
また、本例の圧力センサ装置200は、リフローにより突沸した水蒸気の急激な体積膨張を抑制しやすくなるので、接着剤50による絶対圧センサユニット30とベース部12との接着力を、この体積膨張による圧力以上の接着力で接着する必要が無い。このため、絶対圧センサユニット30とベース部12との接着力を増加させる工程が不要となる。このため、当該工程の増加による製造コストの増加を抑制しやすくなる。このため、絶対圧センサユニット30とベース部12との接着強度を増加させることなく、安定した品質の圧力センサ装置200を供給することができる。
図11aは、比較例3の圧力センサ装置250の上面を示す図である。比較例3の圧力センサ装置250は、図10aに示す本例の圧力センサ装置200において、センサケース10の底面18に底面開口部90を有さない点で、図10aに示す圧力センサ装置200と異なる。
図11bは、図11aのz-z'断面を示す図である。z-z'断面は、リード端子74、壁部14、保護剤80を通るYZ面である。図11bに示す通り、比較例3の圧力センサ装置250は、底面18に底面開口部90を有さない。
図11cは、図11aのz-z'断面において、センサケース10を加熱した場合における断面を示す図である。比較例3の圧力センサ装置250は、底面18に底面開口部90を有さないので、基板実装工程におけるリフローによりセンサケース10を急加熱した場合、リフローにより突沸した水蒸気54が、センサケース10の外部へ排出されにくい。このため、図11cに示す通り、突沸した水蒸気54が急激に体積膨張し易い。このため、この体積膨張により、ベース部12と接着剤50との界面(即ち底面18)において、絶対圧センサユニット30をZ軸方向の正側に押し上げる圧力がかかるので、接着剤50が底面18から剥離し易い。このため、接着剤50が底面18から剥離することにより発生し得る、応力バランスの変化による絶対圧センサユニット30の特性の変化、保護剤80の損傷およびボンディングワイヤ72の断線を抑制することが困難である。
また、比較例3の圧力センサ装置250は、リフローにより突沸した水蒸気54の急激な体積膨張を抑制することが困難なので、接着剤50による絶対圧センサユニット30とベース部12との接着力を、この体積膨張による圧力以上の接着力で接着する必要がある。このため、絶対圧センサユニット30とベース部12との接着力を増加させる工程が必要となる。このため、当該工程の増加により製造コストが増加し易い。このため、絶対圧センサユニット30とベース部12との接着強度を増加させることなく、安定した品質の圧力センサ装置200を供給することが困難である。
図12aは、第2の実施形態に係る圧力センサ装置200の上面の他の一例を示す図である。本例の圧力センサ装置200は、図10aに示す圧力センサ装置200において、底面開口部90の上方に接着剤50が設けられない点で、図10aに示す圧力センサ装置200と異なる。即ち、本例の圧力センサ装置200は、上面視で接着剤50が底面開口部90以外の領域に設けられる。言い換えると、接着剤50と底面開口部90とは、上面視で重ならない。上面視において、底面開口部90の縁92と、接着剤50の縁52とは、一致してよい。
図12bは、図12aにおけるh-h'断面の一例を示す図である。h-h'断面は、リード端子74、壁部14、保護剤80を通るYZ面である。図12bに示す通り、本例の圧力センサ装置200は、底面開口部90の上方に接着剤50が設けられない。
縁52は、接着剤50の縁である。縁52は、接着剤50のうち、Y軸方向において底面開口部90を通じて流入する外気と接する部分を指してよい。Y軸方向において、接着剤50の縁52の位置は、底面開口部90の縁92の位置と一致してよい。
縁52は、Y軸方向において、底面開口部90の内側に配置されてもよい。即ち、縁52は、Y軸方向において縁92よりも底面開口部90側に突出していてもよい。縁52は、Y軸方向において、底面開口部90の外側に配置されてもよい。即ち、Y軸方向正側の縁52は、Y軸方向正側の縁92よりもY軸方向正側に配置されてもよく、Y軸方向負側の縁52は、Y軸方向負側の縁92よりもY軸方向負側に配置されてもよい。
本例の圧力センサ装置200は、上面視で接着剤50が底面開口部90の上方に設けられないので、基板実装工程におけるリフローによりセンサケース10を急加熱した場合、リフローにより突沸した水蒸気54は、縁52から底面開口部90を通り、センサケース10の外部へ排出される。このため、突沸した水蒸気54の急激な体積膨張を抑制しやすくなる。このため、この体積膨張による圧力により、ベース部12と接着剤50との界面(即ち底面18)において、接着剤50の底面18からの剥離を抑制しやすくなる。このため、接着剤50が底面18から剥離することにより発生し得る、応力バランスの変化による絶対圧センサユニット30の特性の変化、保護剤80の損傷およびボンディングワイヤ72の断線を抑制しやすくなる。
また、本例の圧力センサ装置200は、リフローにより突沸した水蒸気54の急激な体積膨張を抑制しやすくなるので、接着剤50による絶対圧センサユニット30とベース部12との接着力を、この体積膨張による圧力以上の接着力で接着する必要が無い。このため、絶対圧センサユニット30とベース部12との接着力を増加させる工程が不要となる。このため、当該工程の増加による製造コストの増加を抑制しやすくなる。このため、絶対圧センサユニット30とベース部12との接着強度を増加させることなく、安定した品質の圧力センサ装置200を供給することができる。
図13aは、第2の実施形態に係る圧力センサ装置200の上面の他の一例を示す図である。本例の圧力センサ装置200は、図10aに示す圧力センサ装置200において、底面開口部90を複数有する点で、図10aに示す圧力センサ装置200と異なる。本例において、底面開口部90は4つ設けられるが、2つ設けられてもよく、3つ設けられてもよく、5つ以上設けられてもよい。
本例において、4つの底面開口部90は、それぞれの中心を結ぶと、上面視で正方形を形成するように設けられているが、台形を形成するように設けられてもよく、他の四角形を形成するように設けられてもよい。本例において、正方形の対角線に配置される2つの底面開口部90は、X軸方向に配置されてよく、他の2つの底面開口部90は、Y軸方向に配置されてよい。
本例において、4つの底面開口部90のそれぞれは、上面視で直径Dd'の円状に設けられるが、4つの底面開口部90のうちの一部の底面開口部90の直径が、直径Dd'よりも小さくてもよく、大きくてもよい。4つの底面開口部90の直径が、全て相互に異なっていてもよい。
本例において、4つの底面開口部90のそれぞれは、上面視で円状に設けられるが、四角形状等、他の形状に設けられてもよい。4つの開口のうちの2つの底面開口部90が、上面視で円状に設けられ、他の2つの底面開口部90が、上面視で四角形状に設けられてもよい。底面開口部90の上面視における形状は、特に限定されない。
図13bは、図13aにおけるi-i'断面の一例を示す図である。i-i'断面は、リード端子74、壁部14、保護剤80を通るYZ面である。図13bに示す通り、本例の圧力センサ装置200は、i-i'断面において底面開口部90が2つ設けられる。底面開口部90の上方には、接着剤50が設けられる。
本例の圧力センサ装置200は、底面開口部90が複数設けられるので、基板実装工程におけるリフローによりセンサケース10を急加熱した場合、リフローにより突沸した水蒸気54が、図10bに示す圧力センサ装置200よりも、さらにセンサケース10の外部へ排出され易い。このため、図10bに示す圧力センサ装置200よりも、突沸した水蒸気54の急激な体積膨張をさらに抑制しやすくなる。このため、図10bに示す圧力センサ装置200よりも、この体積膨張による圧力により、ベース部12と接着剤50との界面(即ち底面18)において、接着剤50の底面18からの剥離を、さらに抑制しやすくなる。このため、図10bに示す圧力センサ装置200よりも、接着剤50が底面18から剥離することにより発生し得る、応力バランスの変化による絶対圧センサユニット30の特性の変化、保護剤80の損傷およびボンディングワイヤ72の断線を、さらに抑制しやすくなる。
また、本例の圧力センサ装置200は、リフローにより突沸した水蒸気54の急激な体積膨張を抑制しやすくなるので、図10bに示す圧力センサ装置200と同様に、絶対圧センサユニット30とベース部12との接着力を増加させる工程が不要となる。このため、当該工程の増加による製造コストの増加を抑制しやすくなる。このため、絶対圧センサユニット30とベース部12との接着強度を増加させることなく、安定した品質の圧力センサ装置200を供給することができる。
図14aは、第2の実施形態に係る圧力センサ装置200の上面の他の一例を示す図である。本例の圧力センサ装置200は、図13aに示す圧力センサ装置200において、接着剤50の上方に底面開口部90が設けられない点で、図10aに示す圧力センサ装置200と異なる。即ち、本例の圧力センサ装置200は、上面視で接着剤50と底面開口部90とが重ならない。上面視において、底面開口部90の縁92と、接着剤50の縁52とは、一致してよい。なお、図14aにおいては、図面の視認性のため、底面開口部90の直径Dd'の図示を省略している。
図14bは、図14aにおけるj-j'断面の一例を示す図である。j-j'断面は、リード端子74、壁部14、保護剤80を通るYZ面である。図14bに示す通り、本例の圧力センサ装置200は、2つの底面開口部90のそれぞれの上方に接着剤50が設けられない。
Y軸方向において、接着剤50の縁52の位置は、底面開口部90の縁92の位置と一致してよい。縁52は、Y軸方向において、底面開口部90の内側に配置されてもよく、底面開口部90の外側に配置されてもよい。
本例の圧力センサ装置200は、底面開口部90が複数設けられるので、基板実装工程におけるリフローによりセンサケース10を急加熱した場合、リフローにより突沸した水蒸気54が、図12bに示す圧力センサ装置200よりも、さらにセンサケース10の外部へ排出され易い。このため、図12bに示す圧力センサ装置200よりも、突沸した水蒸気54の急激な体積膨張をさらに抑制しやすくなる。このため、図12bに示す圧力センサ装置200よりも、この体積膨張による圧力により、ベース部12と接着剤50との界面(即ち底面18)において、接着剤50の底面18からの剥離を、さらに抑制しやすくなる。このため、図12bに示す圧力センサ装置200よりも、接着剤50が底面18から剥離することにより発生し得る、応力バランスの変化による絶対圧センサユニット30の特性の変化、保護剤80の損傷およびボンディングワイヤ72の断線を、さらに抑制しやすくなる。
また、本例の圧力センサ装置200は、リフローにより突沸した水蒸気54の急激な体積膨張を抑制しやすくなるので、図12bに示す圧力センサ装置200と同様に、絶対圧センサユニット30とベース部12との接着力を増加させる工程が不要となる。このため、当該工程の増加による製造コストの増加を抑制しやすくなる。このため、絶対圧センサユニット30とベース部12との接着強度を増加させることなく、安定した品質の圧力センサ装置200を供給することができる。
図15aは、第2の実施形態に係る圧力センサ装置200の上面の他の一例を示す図である。本例の圧力センサ装置200は、図5aに示す圧力センサ装置100において、センサケース10の底面18に底面開口部90が設けられる点で、図5aに示す圧力センサ装置100と異なる。本例において、突起20は底面開口部90と異なる領域に設けられる。即ち、突起20は底面開口部90の上方に設けられない。突起20は、上面視で底面開口部90と重ならないように設けられる。
Z軸方向において、絶対圧センサユニット30とセンサケース10との間には、絶対圧センサユニット30とセンサケース10とを固定する接着剤50が設けられる。本例において、接着剤50は、底面開口部90の上方に設けられるが、接着剤50は、底面開口部90の上方に設けられなくてもよい。
本例において、底面開口部90は3つ設けられるが、1つ設けられてもよく、2つ設けられてもよく、4つ以上設けられてもよい。本例において、3つの底面開口部90は、上面視で正三角形を形成するように設けられているが、他の三角形を形成するように設けられてもよい。
本例において、3つの底面開口部90のそれぞれは、上面視で直径Dd'の円状に設けられるが、3つの底面開口部90のうちの一部の底面開口部90の直径が、直径Dd'よりも小さくてもよく、大きくてもよい。3つの底面開口部90の直径が、全て相互に異なっていてもよい。
本例において、3つの底面開口部90のそれぞれは、上面視で円状に設けられるが、四角形状等、他の形状に設けられてもよい。3つの開口のうちの2つの底面開口部90が、上面視で円状に設けられ、他の1つの底面開口部90が、上面視で四角形状に設けられてもよい。底面開口部90の上面視における形状は、特に限定されない。
図15bは、図15aにおけるk-k'断面の一例を示す図である。k-k'断面は、リード端子74、壁部14、保護剤80を通るYZ面である。また、k-k'断面は、3つの突起20のうち、Y軸方向に平行な2つの突起20の頂点T、および、当該2つの突起20の間に設けられる1つの底面開口部90を通る断面である。
本例の圧力センサ装置200は、底面18のY軸方向中央側に接着剤50を有する。接着剤50は、底面開口部90の上方にも設けられてよい。即ち、接着剤50は、底面開口部90のY軸方向正側から底面開口部90の上方を通り、底面開口部90のY軸負側まで、連続して設けられてよい。
また、本例の圧力センサ装置200は、底面18のY軸方向両端側且つ絶対圧センサユニット30のY軸方向両端側の下方に空間40を有する。接着剤50は、k-k'断面における2つの突起20のうち、Y軸方向負側の突起20の頂点TよりもY軸方向負側まで設けられる。接着剤50は、k-k'断面における2つの突起20のうち、Y軸方向正側の突起20の頂点TよりもY軸方向正側まで設けられる。このため、2つの突起20の頂点Tと絶対圧センサユニット30の底面とは接触しない。突起20の一部は、空間40と接する。
本例の圧力センサ装置200は、k-k'断面において、ベース部12のY軸方向中央に底面開口部90を有する。突起20は、底面開口部90の上方に設けられなくてよい。即ち、突起20と底面開口部90とは、Y軸方向において異なる位置に設けられてよい。突起20と底面開口部90とは、Z軸方向において重なる部分を有さなくてよい。即ち、突起20の底面全体が、底面18と接してよい。
本例の圧力センサ装置200は、接着剤50が底面開口部90の上方に設けられるので、リフローにより突沸した水蒸気54は、底面開口部90によりセンサケース10の外部へ排出され易い。このため、突沸した水蒸気54の急激な体積膨張を抑制しやすくなる。このため、この体積膨張による圧力により、ベース部12と接着剤50との界面(即ち底面18)において、接着剤50の底面18からの剥離を抑制しやすくなる。このため、接着剤50が底面18から剥離することにより発生し得る、応力バランスの変化による絶対圧センサユニット30の特性の変化、保護剤80の損傷およびボンディングワイヤ72の断線を抑制しやすくなる。
また、本例の圧力センサ装置200は、リフローにより突沸した水蒸気54の急激な体積膨張を抑制しやすくなるので、接着剤50による絶対圧センサユニット30とベース部12との接着力を、この体積膨張による圧力以上の接着力で接着する必要が無い。このため、絶対圧センサユニット30とベース部12との接着力を増加させる工程が不要となる。このため、当該工程の増加による製造コストの増加を抑制しやすくなる。このため、絶対圧センサユニット30とベース部12との接着強度を増加させることなく、安定した品質の圧力センサ装置200を供給することができる。
また、本例の圧力センサ装置200は、突起20が底面開口部90の上方に設けられないので、突起20が底面開口部90の上方に設けられる場合よりも、絶対圧センサユニット30が突起20の上方に安定して配置される。このため、絶対圧センサユニット30の圧力検出特性を安定化することができる。
なお、第2の実施形態にかかる圧力センサ装置200においても、接着剤50が存在しない空間を設けることで、応力や歪を効果的に抑制し、絶対圧センサユニット30の出力変動を、より抑制することができる。
図16aは、第3の実施形態に係る圧力センサ装置300の上面の一例を示す図である。本例の圧力センサ装置300は、センサケース10の底面18の端部に溝部64が設けられている点で、図8aに示す圧力センサ装置100と異なる。本例の溝部64は、底面18から深さ方向(―Z軸方向)に設けられる。溝部64は、深さ方向において、底面18とセンサケース10のベース部12の底面との間で終端している。即ち、溝部64は、ベース部12の底面まで貫通していない。
溝部64は、上面視で絶対圧センサユニット30を囲うように設けられてよい。即ち、溝部64は、底面18のY軸正側の端部およびY軸負側の端部、並びにX軸正側の端部およびX軸負側の端部に設けられてよい。
溝部64は、上面視で絶対圧センサユニット30と重ならない位置に設けられてよい。即ち、溝部64は、上面視で絶対圧センサユニット30の周囲の外側に、絶対圧センサユニット30を囲うように設けられてよい。
図16bは、図16aにおけるm-m'断面の一例を示す図である。m-m'断面は、リード端子74、壁部14、保護剤80を通るYZ面である。図16bに示す通り、本例の圧力センサ装置300は、センサケース10の底面18に溝部64が設けられる。溝部64は、底面18のY軸正側および負側の端部に設けられてよい。
本例において、位置P1は絶対圧センサユニット30のY軸負側の側面66のY軸方向における位置である。位置P2は、Y軸負側の側面42のY軸方向における位置である。位置P1'は、絶対圧センサユニット30のY軸正側の側面66のY軸方向における位置である。位置P2'は、Y軸正側の側面42のY軸方向における位置である。
本例において、位置S1はY軸負側の溝部64における、Y軸正側(開口60側)の側壁46のY軸方向における位置である。位置S2は、当該溝部64における、Y軸負側の側壁44のY軸方向における位置である。位置S1'は、Y軸正側の溝部64における、Y軸負側(開口60側)の側壁46のY軸方向における位置である。位置S2は、当該溝部64における、Y軸正側の側壁44のY軸方向における位置である。
幅Wgは、位置S1と位置S2との間のY軸方向における幅である。幅Wg'は、位置S1'と位置S2'との間のY軸方向における幅である。幅Wgは、幅Wg'と等しくてよく、異なっていてもよい。
位置S1は、位置P1と一致していてよい。位置S1'は、位置P1'と一致していてよい。即ち、溝部64の開口60側の側壁46は、上面視で絶対圧センサ30の側面66と同じ位置に配置されてよい。溝部64は、上面視で絶対圧センサユニット30と重ならない位置に設けられてよい。
位置S1は、位置P1よりもY軸正側(開口60側)に配置されてもよい。位置S1が位置P1よりもY軸正側に配置されることで、位置S1が位置P1と一致する場合よりも、溝部64は、より多くの接着剤50を収容することができる。また、位置S1'は、位置P1'よりもY軸負側(開口60側)に配置されてもよい。位置S1'が位置P1'よりもY軸負側に配置されることで、位置S1'が位置P1'と一致する場合よりも、溝部64は、より多くの接着剤50を収容することができる。
位置S2は、位置P2と一致していてよい。位置S2'は、位置P2'と一致していてよい。即ち、溝部64の側壁44は、側壁42と同じXZ平面内にあってよい。
本例において、位置Uは、絶対圧センサユニット30の底面のZ軸方向における位置である。位置Vは、接着剤50の上面のZ軸方向における位置である。本例においては、位置Vは位置Uと一致している。位置Vは、位置UよりもZ軸負側に配置されてもよい。即ち、接着剤の上面の位置は、絶対圧センサユニット30の底面の位置よりも下方に配置されてもよい。
本例において、深さDgは底面18から溝部64の底面までの深さである。深さDpは、底面18からベース部12の底面までの深さである。深さDgは、深さDpの1/2よりも小さくてよい。深さDgを深さDpの1/2よりも小さくすることで、接着剤50と底面18の熱膨張率の相違に起因した応力が生じた場合に、接着剤50の下方のベース部12に、当該応力に起因した歪が生じにくくなる。深さDgは、50μm以上150μm以下であってよい。深さDgは、例えば100μmである。
本例の圧力センサ装置300は、センサユニット10の底面18の端部に溝部64が設けられる。このため、圧力センサ装置300の組立工程において、絶対圧センサユニット30をセンサユニット10へ、底面18に配置された接着剤50を押し付けて搭載した場合に、開口60側から側面42側に広がった接着剤50が溝部64に流れ落ちて収容される。このため、接着剤50が絶対圧センサユニット30の底面の位置Uよりも上方に這い上がりにくい。このため、接着剤50が側面66に接しにくい。このため、側面66と接着剤50の熱膨張率の相違に起因した応力が生じにくい。このため、側面66に当該応力に起因した歪が生じにくい。このため、圧力センサ装置300の出力変動を抑制することができる。
溝部64の深さDgは、溝部64の幅Wgよりも大きくてよい。深さDgが幅Wgよりも大きいことで、センサユニット10を小型化しつつ接着剤50を溝部64に収容することができる。このため、センサユニット10を小型化しつつ、圧力センサ装置300の出力変動を抑制することができる。
図17aは、比較例4の圧力センサ装置350の上面を示す図である。比較例4の圧力センサ装置350は、センサケース10の底面18の端部に溝部64が設けられない点で、図16aに示す圧力センサ装置300と異なる。
図17bは、図17aにおけるn-n'断面を示す図である。n-n'断面は、リード端子74、壁部14、保護剤80を通るYZ面である。図17bに示す通り、比較例4の圧力センサ装置350は、センサケース10の底面18に溝部64が設けられない。このため、圧力センサ装置350の組立工程において、絶対圧センサユニット30をセンサユニット10へ、底面18に配置された接着剤50を押し付けて搭載した場合に、開口60側から側面42側に広がった接着剤50が、絶対圧センサユニット30の底面の位置Uよりも上方に這い上がりやすい。即ち、接着剤50の上面のZ軸方向における位置Vは、位置Uよりも、上方(Z軸正側)に配置されやすい。このため、側面66と接着剤50の熱膨張率の相違に起因した応力が生じやすい。このため、側面66に当該応力に起因した歪が生じやすい。このため、圧力センサ装置350の出力変動が生じやすい。
図18aは、第3の実施形態に係る圧力センサ装置300の上面の他の一例を示す図である。本例の圧力センサ装置300は、センサケース10の底面18の端部に溝部64が設けられている点で、図10aに示す圧力センサ装置200と異なる。本例の溝部64は、底面18から深さ方向(―Z軸方向)に設けられる。溝部64は、深さ方向において、底面18とセンサケース10のベース部12の底面との間で終端している。即ち、溝部64は、ベース部12の底面まで貫通していない。
溝部64は、上面視で絶対圧センサユニット30を囲うように設けられてよい。即ち、溝部64は、底面18のY軸正側の端部およびY軸負側の端部、並びにX軸正側の端部およびX軸負側の端部に設けられてよい。
溝部64は、上面視で絶対圧センサユニット30と重ならない位置に設けられてよい。即ち、溝部64は、上面視で絶対圧センサユニット30の周囲の外側に、絶対圧センサユニット30を囲うように設けられてよい。
図18bは、図18aにおけるp-p'断面の一例を示す図である。p-p'断面は、リード端子74、壁部14、保護剤80を通るYZ面である。図18bに示す通り、本例の圧力センサ装置300は、センサケース10の底面18に溝部64が設けられる。溝部64は、底面18のY軸正側および負側の端部に設けられてよい。
本例の圧力センサ装置300は、センサユニット10の底面18の端部に溝部64が設けられる。このため、圧力センサ装置300の組立工程において、絶対圧センサユニット30をセンサユニット10へ、底面18に配置された接着剤50を押し付けて搭載した場合に、開口60側から側面42側に広がった接着剤50が溝部64に流れ落ちて収容される。このため、接着剤50が絶対圧センサユニット30の底面の位置Uよりも上方に這い上がりにくい。このため、接着剤50が側面66に接しにくい。このため、側面66と接着剤50の熱膨張率の相違に起因した応力が生じにくい。このため、側面66に当該応力に起因した歪が生じにくい。このため、圧力センサ装置300の出力変動を抑制することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。