本開示の態様は、Nrf2を活性化させる化合物を含む。そうした化合物は、自己免疫性および炎症性の疾患および障害、例えば乾癬や多発性硬化症などの治療において用途を見出し得る。本開示の実施形態は、これらの化合物を含む医薬組成物、種々の疾患および障害の治療におけるこれらの化合物の使用方法、これらの化合物を調製するための工程、およびこれらの工程において有用な中間体にも関する。
本発明をさらに説明する前に、本発明は、説明される特定の実施形態に限定されるものではなく、したがって、もちろん変化し得ることを理解すべきである。また、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることになるので、本明細書で使用される専門用語は特定の実施形態を説明する目的のためのみのものであり、限定しようとするものではないことも理解すべきである。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」および「1つの(the)」は、文脈による別段の明白な指示のない限り、複数形の指示対象を含むことに留意すべきである。特許請求の範囲は、どんな任意選択の要素も排除するように書き得ることにさらに留意されたい。したがって、この表記は、特許請求の範囲の要素の記述または「否定的な」限定の使用の関連において「もっぱら(solely)」、「ただ1つ(only)」などのような、そうした排他的な専門用語の使用のための先行詞(antecedent basis)としての役割を果たすことを目的とするものである。
値の範囲が示されている場合、文脈による別段の明白な指示のない限り、その範囲の上限値と下限値の間の、下限値の10分の1の単位までの各介在値、およびその記述されている範囲内の他の任意の記述値または介在値が具体的に考慮されることを理解されたい。これらのより小さい範囲の上限値および下限値は、記述されている範囲内の特に排除されている限界値に従うことを前提として、そのより小さい範囲中に独立に含まれてよく、これらもやはり本発明に包含される。記述されている範囲がその限界値の一方または両方を含む場合、それらの含まれている範囲のいずれかまたは両方を除く範囲も、本発明に含まれる。
本明細書で論じる刊行物は、本出願の出願日以前のそれらの開示についてのみ提供される。本明細書では、本発明が、先行発明のため、そうした刊行物に先行する資格を有さないことを承認するものと解釈されるべきではない。さらに、提供される出版の日付は、実際の刊行日と異なっている可能性があり、これは、独立に確認する必要があり得る。
別段の定義のない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で説明するものと類似しているまたは同等な任意の方法および材料も、本発明の実践または試験において使用することができるが、好ましい方法および材料をここで説明する。本明細書で挙げるすべての出版物を、その出版物が引用されているものに関連してその方法および/または材料を開示し説明するために、参照により本明細書に組み込む。
別途記述されている場合を除いて、本発明の実施形態の方法および技術は、一般に、当業界で周知の慣用的な方法に従って、かつ、本明細書を通して引用され論じられている様々な一般的およびより具体的な参照において記載されているように実行される。例えば、Loudon、Organic Chemistry、第4版、New York:Oxford University Press、2002年、360~361頁、1084~1085頁;SmithおよびMarch、March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure、第5版、Wiley-Interscience、2001年;またはVogel、A Textbook of Practical Organic Chemistry,Including Qualitative Organic Analysis、第4版、New York:Longman、1978年を参照されたい。
目的化合物(subject compound)を称するために本明細書で使用される命名法は、本明細書の実施例において例示されている。この命名法は、一般に、市販のAutoNomソフトウェア(MDL、San Leandro、CA.)を用いて誘導されている。
用語
以下の用語は、別段の指定のない限り、以下の意味を有する。定義されていない用語は、当業界で認められているそれらの意味を有する。
「アルキル」は、1~10個の炭素原子、好ましくは1~6個の炭素原子を有する一価の飽和脂肪族ヒドロカルビル基を指す。この用語は、例として、メチル(CH3-)、エチル(CH3CH2-)、n-プロピル(CH3CH2CH2-)、イソプロピル((CH3)2CH-)、n-ブチル(CH3CH2CH2CH2-)、イソブチル((CH3)2CHCH2-)、sec-ブチル((CH3)(CH3CH2)CH-)、t-ブチル((CH3)3C-)、n-ペンチル(CH3CH2CH2CH2CH2-)およびネオペンチル((CH3)3CCH2-)などの直鎖状および分枝状ヒドロカルビル基を含む。
「置換アルキル」という用語は、そのアルキル鎖(C1炭素原子を除く)中の1個または複数の炭素原子が任意選択で-O-、-N-、-S-、-S(O)n-(nは0~2である)、-NR-(Rは水素またはアルキルである)などのヘテロ原子で置き換えられており、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、-SO-アルキル、-SO-アリール、-SO-ヘテロアリール、-SO2-アルキル、-SO2-アリール、-SO2-ヘテロアリールおよび-NRaRb(RaおよびRbは、同じであっても異なっていてもよく、水素、任意選択で置換されたアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式環(heterocyclic)から選択される)からなる群から選択される1~5個の置換基を有する本明細書で定義されるようなアルキル基を指す。
「アルキレン」は、直鎖状かまたは分枝状であり、-O-、-NR10-、-NR10C(O)-、-C(O)NR10-などから選択される1つまたは複数の基で任意選択で中断されている、好ましくは1~6個、より好ましくは1~3個の炭素原子を有する二価脂肪族ヒドロカルビル基を指す。この用語は、例として、メチレン(-CH2-)、エチレン(-CH2CH2-)、n-プロピレン(-CH2CH2CH2-)、イソ-プロピレン(-CH2CH(CH3)-)、(-C(CH3)2CH2CH2-)、(-C(CH3)2CH2C(O)-)、(-C(CH3)2CH2C(O)NH-)、(-CH(CH3)CH2-)などを含む。
「置換アルキレン」は、以下で「置換されている(substituted)」という定義において炭素について説明されるような置換基で置き換えられている、1~3個の水素を有するアルキレン基を指す。
「アルカン」という用語は、本明細書で定義されるようなアルキル基およびアルキレン基を指す。
「アルキルアミノアルキル」、「アルキルアミノアルケニル」および「アルキルアミノアルキニル」という用語は、R’が本明細書で定義されるようなアルキル基であり、R”が本明細書で定義されるようなアルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン基である基R’NHR”を指す。
「アルカリル」または「アラルキル」という用語は、アルキレン、置換アルキレンおよびアリールが本明細書で定義されている基-アルキレン-アリールおよび-置換アルキレン-アリールを指す。
「アルコキシ」は、アルキルが本明細書で定義されるとおりである基-O-アルキルを指す。アルコキシには、例として、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、t-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペントキシなどが含まれる。「アルコキシ」という用語は、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニルおよびアルキニルが本明細書で定義されるとおりである基アルケニル-O-、シクロアルキル-O-、シクロアルケニル-O-およびアルキニル-O-も指す。
「置換アルコキシ」という用語は、置換アルキル、置換アルケニル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニルおよび置換アルキニルが本明細書で定義されるとおりである基置換アルキル-O-、置換アルケニル-O-、置換シクロアルキル-O-、置換シクロアルケニル-O-および置換アルキニル-O-を指す。
「アルコキシアミノ」という用語は、アルコキシが本明細書で定義される基-NH-アルコキシを指す。
「ハロアルコキシ」という用語は、アルキル基上の1個または複数の水素原子がハロ基で置換されており、例として、トリフルオロメトキシなどの基を含む基アルキル-O-を指す。
「ハロアルキル」という用語は、アルキル基上の1個または複数の水素原子がハロ基で置換されている上記のような置換アルキル基を指す。そうした基の例には、これらに限定されないが、フルオロアルキル基、例えばトリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロエチルなどが含まれる。
「アルキルアルコキシ」という用語は、アルキル、置換アルキル、アルキレンおよび置換アルキレンが本明細書で定義されるとおりである基-アルキレン-O-アルキル、アルキレン-O-置換アルキル、置換アルキレン-O-アルキルおよび置換アルキレン-O-置換アルキルを指す。
「アルキルチオアルコキシ」という用語は、アルキル、置換アルキル、アルキレンおよび置換アルキレンが本明細書で定義されるとおりである基-アルキレン-S-アルキル、アルキレン-S-置換アルキル、置換アルキレン-S-アルキルおよび置換アルキレン-S-置換アルキルを指す。
「アルケニル」は、2~6個の炭素原子、好ましくは2~4個の炭素原子を有し、少なくとも1つ、好ましくは1つ~2つの部位の二重結合不飽和を有する直鎖状または分枝状ヒドロカルビル基を指す。この用語は、例として、ビビニル、アリルおよびブタ-3-エン-1-イルを含む。この用語に含まれるものには、cisおよびtrans異性体またはこれらの異性体の混合物がある。
「置換アルケニル」という用語は、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、-SO-アルキル、-SO-置換アルキル、-SO-アリール、-SO-ヘテロアリール、-SO2-アルキル、-SO2-置換アルキル、-SO2-アリールおよび-SO2-ヘテロアリールから選択される1~5個の置換基または1~3個の置換基を有する本明細書で定義されるようなアルケニル基を指す。
「アルキニル」は、2~6個の炭素原子、好ましくは2~3個の炭素原子を有し、少なくとも1つ、好ましくは1つ~2つの部位の三重結合不飽和を有する直鎖状または分枝状の一価ヒドロカルビル基を指す。そうしたアルキニル基の例には、アセチレニル(-C≡CH)およびプロパルギル(-CH2C≡CH)が含まれる。
「置換アルキニル」という用語は、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、-SO-アルキル、-SO-置換アルキル、-SO-アリール、-SO-ヘテロアリール、-SO2-アルキル、-SO2-置換アルキル、-SO2-アリールおよび-SO2-ヘテロアリールから選択される1~5個の置換基または1~3個の置換基を有する本明細書で定義されるようなアルキニル基を指す。
「アルキニルオキシ」は、アルキニルが本明細書で定義されるとおりである基-O-アルキニルを指す。アルキニルオキシには、例として、エチニルオキシ、プロピニルオキシなどが含まれる。
「アシル」は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式環および置換複素環式環が本明細書で定義されるとおりである、基H-C(O)-、アルキル-C(O)-、置換アルキル-C(O)-、アルケニル-C(O)-、置換アルケニル-C(O)-、アルキニル-C(O)-、置換アルキニル-C(O)-、シクロアルキル-C(O)-、置換シクロアルキル-C(O)-、シクロアルケニル-C(O)-、置換シクロアルケニル-C(O)-、アリール-C(O)-、置換アリール-C(O)-、ヘテロアリール-C(O)-、置換ヘテロアリール-C(O)-、ヘテロシクリル-C(O)-および置換ヘテロシクリル-C(O)-を指す。例えば、アシルには、「アセチル」基CH3C(O)-が含まれる。
「アシルアミノ」は、基-NR20C(O)アルキル、-NR20C(O)置換アルキル、NR20C(O)シクロアルキル、-NR20C(O)置換シクロアルキル、-
NR20C(O)シクロアルケニル、-NR20C(O)置換シクロアルケニル、-NR20C(O)アルケニル、-NR20C(O)置換アルケニル、-NR20C(O)アルキニル、-NR20C(O)置換アルキニル、-NR20C(O)アリール、-NR20C(O)置換アリール、-NR20C(O)ヘテロアリール、-NR20C(O)置換ヘテロアリール、-NR20C(O)複素環式環および-NR20C(O)置換複素環式環を指す。ここで、R20は水素またはアルキルであり、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式環および置換複素環式環は本明細書で定義されるとおりである。
「アミノカルボニル」、または「アミノアシル」という用語は、R21およびR22が、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式環および置換複素環式環からなる群から独立に選択され、R21およびR22が、任意選択で、それらと結合している窒素と一緒になって複素環式環または置換複素環式環基を形成しており、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式環および置換複素環式環が本明細書で定義されるとおりである基-C(O)NR21R22を指す。
「アミノカルボニルアミノ」は、R21、R22およびR23が、水素、アルキル、アリールまたはシクロアルキルから独立に選択されるか、または2つのR基が一緒になってヘテロシクリル基を形成している基-NR21C(O)NR22R23を指す。
「アルコキシカルボニルアミノ」という用語は、各Rが独立に水素、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルが本明細書で定義されるとおりである基-NRC(O)ORを指す。
「アシルオキシ」という用語は、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルが本明細書で定義されるとおりである、基アルキル-C(O)O-、置換アルキル-C(O)O-、シクロアルキル-C(O)O-、置換シクロアルキル-C(O)O-、アリール-C(O)O-、ヘテロアリール-C(O)O-およびヘテロシクリル-C(O)O-を指す。
「アミノスルホニル」は、R21およびR22が水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式環、置換複素環式環からなる群から独立に選択され、R21およびR22が、任意選択で、それらと結合している窒素と一緒になって複素環式環または置換複素環式環基を形成しており、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式環および置換複素環式環が本明細書で定義されるとおりである基-SO2NR21R22を指す。
「スルホニルアミノ」は、R21およびR22が、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式環および置換複素環式環からなる群から独立に選択され、R21およびR22が、任意選択で、それらと結合している原子と一緒になって複素環式環または置換複素環式環基を形成しており、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式環および置換複素環式環が本明細書で定義されるとおりである基-NR21SO2R22を指す。
「アリール」または「Ar」は、単環(フェニル基中に存在するものなど)、あるいは、その縮合環が芳香族であっても芳香族でなくてもよく、ただし、その結合点が芳香環の原子を介している複数の縮合環(そうした芳香環系の例にはナフチル、アントリルおよびインダニルが含まれる)を有する環系を有する、6~18個の炭素原子の一価芳香族炭素環基を指す。この用語は、例として、フェニルおよびナフチルを含む。アリール置換基についての定義によって別段拘束されない限り、そうしたアリール基は、アシルオキシ、ヒドロキシ、チオール、アシル、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、置換アルキル、置換アルコキシ、置換アルケニル、置換アルキニル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アルカリル、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、アミノアシルオキシ、オキシアシルアミノ、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、-SO-アルキル、-SO-置換アルキル、-SO-アリール、-SO-ヘテロアリール、-SO2-アルキル、-SO2-置換アルキル、-SO2-アリール、-SO2-ヘテロアリールおよびトリハロメチルから選択される1~5個の置換基または1~3個の置換基で任意選択で置換されていてよい。
「アリールオキシ」は、やはり本明細書で定義されるような任意選択で置換されたアリール基を含む、例として、フェノキシ、ナフトキシなどを含む、アリールが本明細書で定義されるとおりである基-O-アリールを指す。
「アミノ」は基-NH2を指す。
「置換アミノ」という用語は、各Rが水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルからなる群から独立に選択され、ただし、少なくとも1つのRが水素ではない基-NRRを指す。
「アジド」という用語は、基-N3を指す。
「カルボキシル」、「カルボキシ」または「カルボキシレート」は-CO2Hまたはその塩を指す。
「カルボキシルエステル」もしくは「カルボキシエステル」または「カルボキシアルキル」もしくは「カルボキシルアルキル」という用語は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式環および置換複素環式環が本明細書で定義されるとおりである、基-C(O)O-アルキル、-C(O)O-置換
アルキル、-C(O)O-アルケニル、-C(O)O-置換アルケニル、-C(O)O-アルキニル、-C(O)O-置換アルキニル、-C(O)O-アリール、-C(O)O-置換アリール、-C(O)O-シクロアルキル、-C(O)O-置換シクロアルキル、-C(O)O-シクロアルケニル、-C(O)O-置換
シクロアルケニル、-C(O)O-ヘテロアリール、-C(O)O-置換ヘテロアリール、-C(O)O-複素環式環および-C(O)O-置換複素環式環を指す。
「(カルボキシルエステル)オキシ」または「カーボネート」は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式環および置換複素環式環が本明細書で定義されるとおりである、基-O-C(O)O-
アルキル、-O-C(O)O-置換アルキル、-O-C(O)O-アルケニル、-O-C(O)O-置換アルケニル、-O-C(O)O-アルキニル、-O-C(O)O-置換アルキニル、-O-C(O)O-アリール、-O-C(O)O-置換アリール、-O-C(O)O-シクロアルキル、-O-C(O)O-置換シクロアルキル、-O-C(O)O-シクロアルケニル、-O-C(O)O-置換シクロアルケニル、-O-C(O)O-ヘテロアリール、-O-C(O)O-置換ヘテロアリール、-O-C(O)O-複素環式環および-O-C(O)O-置換複素環式環を指す。
「シアノ」または「ニトリル」は基-CNを指す。
「シクロアルキル」は、単環、または縮合、橋かけおよびスピロ環系を含む複数の環状環を有する3~10個の炭素原子の環状アルキル基を指す。適切なシクロアルキル基の例には、例えば、アダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチルなどが含まれる。そうしたシクロアルキル基には、例として、単環構造、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチルなど、または複数の環構造、例えばアダマンタニルなどが含まれる。
「置換シクロアルキル」という用語は、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、-SO-アルキル、-SO-置換アルキル、-SO-アリール、-SO-ヘテロアリール、-SO2-アルキル、-SO2-置換アルキル、-SO2-アリールおよび-SO2-ヘテロアリールから選択される1~5個の置換基または1~3個の置換基を有するシクロアルキル基を指す。
「シクロアルケニル」は、単一または複数の環を有し、少なくとも1つの二重結合、好ましくは1つ~2つの二重結合を有する、3~10個の炭素原子の非芳香族環状アルキル基を指す。
「置換シクロアルケニル」という用語は、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、-SO-アルキル、-SO-置換アルキル、-SO-アリール、-SO-ヘテロアリール、-SO2-アルキル、-SO2-置換アルキル、-SO2-アリールおよび-SO2-ヘテロアリールから選択される、1~5個の置換基または1~3個の置換基を有するシクロアルケニル基を指す。
「シクロアルキニル」は、単一または複数の環を有し、少なくとも1つの三重結合を有する、5~10個の炭素原子の非芳香族シクロアルキル基を指す。
「シクロアルコキシ」は-O-シクロアルキルを指す。
「シクロアルケニルオキシ」は-O-シクロアルケニルを指す。
「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを指す。
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は基-OHを指す。
「ヘテロアリール」は、1~15個の炭素原子、例えば1~10個の炭素原子、およびその環内の酸素、窒素および硫黄からなる群から選択される1~10個のヘテロ原子の芳香族基を指す。そうしたヘテロアリール基は、単環(ピリジニル(すなわち、ピリジル)、イミダゾリルまたはフリルなど)、または環系中に複数の縮合環(例えば、インドリジニル、キノリニル、ベンゾフラン、ベンズイミダゾリルまたはベンゾチエニルなどの基中のように)を有することができる。ここで、その環系中の少なくとも1つの環は芳香族であり、その環系中の少なくとも1つの環は芳香族であり、ただし、その結合点は芳香環の原子を介しているものとする。特定の実施形態では、ヘテロアリール基の窒素および/または硫黄環原子は、任意選択で、酸化されてN-オキシド(N→O)、スルフィニルまたはスルホニル部分をもたらしていてよい。この用語は、例として、ピリジニル、ピロリル、インドリル、チオフェニルおよびフラニルを含む。ヘテロアリール置換基についての定義によって別段拘束されない限り、そうしたヘテロアリール基は、アシルオキシ、ヒドロキシ、チオール、アシル、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、置換アルキル、置換アルコキシ、置換アルケニル、置換アルキニル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アルカリル、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、アミノアシルオキシ、オキシアシルアミノ、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、-SO-アルキル、-SO-置換アルキル、-SO-アリール、-SO-ヘテロアリール、-SO2-アルキル、-SO2-置換アルキル、-SO2-アリールおよび-SO2-ヘテロアリールならびにトリハロメチルから選択される1~5個の置換基または1~3個の置換基で任意選択で置換されていてよい。
「ヘテロアラルキル」という用語は、アルキレンおよびヘテロアリールが本明細書で定義されている基-アルキレン-ヘテロアリールを指す。この用語は、例として、ピリジルメチル、ピリジルエチル、インドリルメチルなどを含む。
「ヘテロアリールオキシ」は-O-ヘテロアリールを指す。
「複素環(heterocycle)」、「複素環式環(heterocyclic)」、「ヘテロシクロアルキル」および「ヘテロシクリル」は、単環、または縮合、橋かけおよびスピロ環系を含む複数の縮合環を有し、1~10個のヘテロ原子を含む3~20個の環原子を有する飽和または不飽和基を指す。これらの環原子は窒素、硫黄または酸素からなる群から選択され、縮合環系において、その環の1つまたは複数はシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであってよく、ただし、その結合点は非芳香環を介するものとする。特定の実施形態では、複素環式環基の窒素および/または硫黄原子は、任意選択で酸化されて、N-オキシド、-S(O)-または-SO2-部分をもたらす。
複素環およびヘテロアリールの例には、これらに限定されないが、アゼチジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、ジヒドロインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチルピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソオキサゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、フタルイミド、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン、チアゾール、チアゾリジン、チオフェン、ベンゾ[b]チオフェン、モルホリニル、チオモルホリニル(チアモルホリニルとも称される)、1,1-ジオキソチオモルホリニル、ピペリジニル、ピロリジン、テトラヒドロフラニルなどが含まれる。
複素環式環置換基についての定義によって別段拘束されない限り、そうした複素環式環基は、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、-SO-アルキル、-SO-置換アルキル、-SO-アリール、-SO-ヘテロアリール、-SO2-アルキル、-SO2-置換アルキル、-SO2-アリール、-SO2-ヘテロアリールおよび縮合複素環から選択される1~5個または1~3個の置換基で任意選択で置換されていてよい。
「ヘテロシクリルオキシ」は基-O-ヘテロシクリルを指す。
「ヘテロシクリルチオ」という用語は基複素環式環-S-を指す。
「ヘテロシクレン」という用語は、本明細書で定義されるような複素環により形成されるジラジカル基を指す。
「ヒドロキシアミノ」という用語は基-NHOHを指す。
「ニトロ」は基-NO2を指す。
「オキソ」は原子(=O)を指す。
「スルホニル」は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式環および置換複素環式環が本明細書で定義されるとおりである、基-SO2-アルキル、-SO2-置換アルキル、-SO2-アルケニル、-SO2-置換アルケニル、-SO2-シクロアルキル、-SO2-置換シクロアルキル、-SO2-シクロアルケニル、-SO2-置換シクロアルケニル、-SO2-アリール、-SO2-置換アリール、-SO2-ヘテロアリール、-SO2-置換ヘテロアリール、-SO2-複素環式環および-SO2-置換複素環式環を指す。スルホニルには、例として、メチル-SO2-、フェニル-SO2-および4-メチルフェニル-SO2-が含まれる。
「スルホニルオキシ」は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式環および置換複素環式環が本明細書で定義されるとおりである、基-OSO2-アルキル、-OSO2-置換アルキル、-OSO2-アルケニル、-OSO2-置換アルケニル、-OSO2-シクロアルキル、-OSO2-置換シクロアルキル、-OSO2-シクロアルケニル、-OSO2-置換シクロアルケニル、-OSO2-アリール、-OSO2-置換アリール、-OSO2-ヘテロアリール、-OSO2-置換ヘテロアリール、-OSO2-複素環式環および-OSO2置換複素環式環を指す。
「アミノカルボニルオキシ」という用語は、各Rが独立に、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリールまたは複素環式環であり、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式環が本明細書で定義されるとおりである基-OC(O)NRRを指す。
「チオール」は基-SHを指す。
「チオキソ」または「チオケト」という用語は原子(=S)を指す。
「アルキルチオ」、または「チオアルコキシ」という用語は、アルキルが本明細書で定義されるとおりである基-S-アルキルを指す。特定の実施形態では、硫黄は酸化されて-S(O)-となっていてよい。スルホキシドは、1つまたは複数の立体異性体として存在することができる。
「置換チオアルコキシ」という用語は基-S-置換アルキルを指す。
「チオアリールオキシ」という用語は、やはり本明細書で定義される任意選択で置換されたアリール基を含む、アリール基が本明細書で定義されるとおりである基アリール-S-を指す。
「チオヘテロアリールオキシ」という用語は、やはり本明細書で定義されるような任意選択で置換されたアリール基を含む、ヘテロアリール基が本明細書で定義されるとおりである基ヘテロアリール-S-を指す。
「チオヘテロシクロオキシ」という用語は、やはり本明細書で定義されるような任意選択で置換されたヘテロシクリル基を含む、ヘテロシクリル基が本明細書で定義されるとおりである基ヘテロシクリル-S-を指す。
「トシル」という用語は基
を指す。波線は、それを介してトシル基がその分子の残りと連結されている結合を表す。
本明細書での開示に加えて、指定された基またはラジカルを修飾するために使用される場合、「置換された(substituted)」という用語は、その指定された基またはラジカルの1個または複数の水素原子が、それぞれ、互いに独立に以下で定義されるような同じかまたは異なる置換基で置き換えられていることを意味することもできる。
本明細書での個々の用語に関して開示されている基に加えて、指定された基またはラジカル中の飽和炭素原子上の1つまたは複数の水素を置換する(単一の炭素上の任意の2つの水素を=O、=NR70、=N-OR70、=N2または=Sで置き換えることができる)ための置換基は、別段の指定のない限り、-R60、ハロ、=O、-OR70、-SR70、-NR80R80、トリハロメチル、-CN、-OCN、-SCN、-NO、-NO2、=N2、-N3、-SO2R70、-SO2O-M+、-SO2OR70、-OSO2R70、-OSO2O-
M+、-OSO2OR70、-P(O)(O-)2(M+)2、-P(O)(OR70)O-M+、-P(O)(OR70)2、-C(O)R70、-C(S)R70、-C(NR70)R70、-C(O)O-
M+、-C(O)OR70、-C(S)OR70、-C(O)NR80R80、-C(NR70)NR80R80、-OC(O)R70、-OC(S)R70、-OC(O)O-M+、-OC(O)OR70、-OC(S)OR70、-NR70C(O)R70、-NR70C(S)R70、-NR70CO2
-
M+、-NR70CO2R70、-NR70C(S)OR70、-NR70C(O)NR80R80、-NR70C(NR70)R70および-NR70C(NR70)NR80R80である。ここで、R60は、任意選択で置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、各R70は独立に水素またはR60であり;各R80は独立にR70である、あるいは2つのR80は、それらと結合している窒素原子と一緒になって、O、NおよびSからなる群から選択される同じかまたは異なる1~4個の追加のヘテロ原子を任意選択で含むことができ、そのうちのNが-HまたはC1~C3アルキル置換を有していてよい5-、6-または7員ヘテロシクロアルキルを形成しており;各M+は、正味単一の正電荷を有する対イオンである。各M+は独立に、例えば、K+、Na+、Li+などのアルカリイオン;+N(R60)4などのアンモニウムイオン;または[Ca2+]0.5、[Mg2+]0.5または[Ba2+]0.5などのアルカリ土類イオンであってよい(添字0.5は、そうした二価アルカリ土類イオンに対する対イオンの一方が本発明の化合物のイオン化された形態であってよく、他方がクロリドなどの典型的な対イオンであってよい、あるいは、本明細書で開示される2つのイオン化された化合物が、そうした二価アルカリ土類イオンに対する対イオンとしての役目を果たすことができる、または、二重にイオン化された本発明の化合物がそうした二価アルカリ土類イオンに対する対イオンとしての役目を果たすことができることを意味する)。具体的な例として、-NR80R80は、-NH2、-NH-アルキル、N-ピロリジニル、N-ピペラジニル、4N-メチル-ピペラジン-1-イルおよびN-モルホリニルを含むことを意味する。
本明細書での開示に加えて、「置換された(substituted)」アルケン、アルキン、アリールおよびヘテロアリール基中の不飽和炭素原子上の水素のための置換基は、別段の指定のない限り、-R60、ハロ、-O-M+、-OR70、-SR70、-S-M+、-NR80R80、
トリハロメチル、-CF3、-CN、-OCN、-SCN、-NO、-NO2、-N3、-SO2R70、-SO3
-
M+、-SO3R70、-OSO2R70、-OSO3
-M+、-OSO3R70、-PO3
-2(M+)2、-P(O)(OR70)O-
M+、-P(O)(OR70)2、-C(O)R70、-C(S)R70、-C(NR70)R70、-CO2
-M+、-CO2R70、-C(S)OR70、-C(O)NR80R80、-C(NR70)NR80R80、-OC(O)R70、-OC(S)R70、-OCO2
-M+、-OCO2R70、-OC(S)OR70、-NR70C(O)R70、-NR70C(S)R70、-NR70CO2
-
M+、-NR70CO2R70、-NR70C(S)OR70、-NR70C(O)NR80R80、-NR70C(NR70)R70および-NR70C(NR70)NR80R80である。ここで、R60、R70、R80およびM+は上記に定義したとおりである。ただし、置換されたアルケンまたはアルキンの場合、その置換基は-O-M+、-OR70、-SR70または-S-M+ではないものとする。
本明細書での個々の用語に関して開示されている基に加えて、「置換された(substituted)」ヘテロアルキルおよびシクロヘテロアルキル基中の窒素原子上の水素のための置換基は、別段の
指定のない限り、-R60、-O-M+、-OR70、-SR70、-S-M+、-NR80R80、トリハロメチル、-CF3、-CN、-NO、-NO2、-S(O)2R70、-S(O)2O-M+、-S(O)2OR70、-OS(O)2R70、-OS(O)2O-M+、-OS(O)2OR70、-P(O)(O-)2(M+)2、-P(O)(OR70)O-M+、-P(O)(OR70)(OR70)、-C(O)R70、-C(S)R70、-C(NR70)R70、-C(O)OR70、-C(S)OR70、-C(O)NR80R80、-C(NR70)NR80R80、-OC(O)R70、-OC(S)R70、-OC(O)OR70、-OC(S)OR70、-NR70C(O)R70、-NR70C(S)R70、-NR70C(O)OR70、-NR70C(S)OR70、-NR70C(O)NR80R80、-NR70C(NR70)R70および-NR70C(NR70)NR80R80である。ここでR60、R70、R80およびM+は上記に定義したとおりである。
本明細書での開示に加えて、特定の実施形態では、置換されている基は、1、2、3もしくは4個の置換基、1、2もしくは3個の置換基、1もしくは2個の置換基または1個の置換基を有する。
上記に定義したすべての置換された基において、それら自体に対するさらなる置換基で置換基を定義することによって到達されたポリマー(例えば、置換アリール基等でさらに置換されている、それ自体が置換アリール基で置換されている置換基として置換アリール基を有する置換アリール)は、本明細書では含まれないものとすることを理解されたい。そうした場合、そうした置換の最大数は3つである。例えば、本明細書で具体的に考慮される置換アリール基の一連の置換は、置換アリール-(置換アリール)-置換アリールに限定される。
別段の指定のない限り、本明細書で明確に定義されていない置換基の命名は、結合点の方への隣接官能基が後続する官能基の末端部に名前をつけることによって達成される。例えば、置換基「アリールアルキルオキシカルボニル」は基(アリール)-(アルキル)-O-C(O)-を指す。
1つまたは複数の置換基を含む本明細書で開示される基のいずれかについて、もちろん、そうした基は、立体的に実現困難でかつ/または合成的に実行可能でない任意の置換または置換パターンを含まないことを理解されたい。さらに、目的化合物は、これらの化合物の置換に由来するすべての立体化学的異性体を含む。
「薬学的に許容される塩」という用語は、哺乳動物などの患者に投与するのに許容される塩(所与の投薬レジームについて許容される哺乳動物安全性を有する対イオンとの塩)を意味する。そうした塩は、薬学的に許容される無機または有機の塩基および薬学的に許容される無機または有機の酸から誘導することができる。「薬学的に許容される塩」は、その塩が、当業界で周知の様々な有機および無機対イオンから誘導され、例に過ぎないが、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなど;およびその分子が塩基性官能基を含む場合の有機または無機の酸の塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ギ酸塩、酒石酸塩、ベシル酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩などを含む化合物の薬学的に許容される塩を指す。
「その塩」という用語は、酸のプロトンが、カチオン、例えば金属カチオンまたは有機カチオンなどによって置き換えられる場合に形成される化合物を意味する。適切な場合には、その塩は薬学的に許容される塩であるが、これは、患者への投与を意図されていない中間化合物の塩について要求されるものではない。例として、本発明の化合物の塩には、その化合物が無機または有機の酸によってプロトン化されてカチオン(無機または有機の酸の共役塩基を、その塩のアニオン成分として)を生成するものが含まれる。
「溶媒和物」は、溶媒分子と溶質の分子またはイオンが一緒になることによって形成される複合体を指す。溶媒は、有機化合物、無機化合物または両方の混合物であってよい。溶媒のいくつかの例には、これらに限定されないが、メタノール、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシドおよび水が含まれる。溶媒が水である場合、形成される溶媒和物は水和物である。
「立体異性体」および「立体異性体(複数)」は、同じ原子連結性(atomic connectivity)を有するが、空間において異なる原子配列を有する化合物を指す。立体異性体には、cis-trans異性体、EおよびZ異性体、エナンチオマーおよびジアステレオマーが含まれる。
「互変異性体」は、原子の電子的な結合だけが、かつ/またはプロトンの位置だけが異なる交互に起きる形態の分子、例えばエノール-ケトおよびイミン-エナミン互変異性体、または、-N=C(H)-NH-環原子配列を含む互変異性形態のヘテロアリール基、例えばピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾールおよびテトラゾールを指す。当業者は、他の互変異性環原子配列が可能であることを理解されよう。
「あるいはその塩もしくは溶媒和物または立体異性体」という用語は、目的化合物の立体異性体の薬学的に許容される塩の溶媒和物などの塩、溶媒和物および立体異性体のすべての変更物を含むものとすることを理解されよう。
「薬学上有効な量」および「治療上有効な量」は、特定の障害もしくは疾患またはその症状の1つもしくは複数を治療する、かつ/またはその疾患または障害の発生を防止するのに十分な化合物の量を指す。例えば、腫瘍形成増殖性障害に関連して、薬学上または治療上有効な量は、とりわけ、腫瘍に、腫瘍の成長速度が縮減または低下するようにさせるのに十分な量を含む。
「患者」は、ヒトおよび非ヒト対象、特に哺乳動物対象を指す。
本明細書で使用されるような「治療すること(treating)」または「治療(treatment)」という用語は:(a)疾患または病状が生じるのを防止すること、例えば対象の予防的治療;(b)疾患または病状を改善すること、例えば、患者におけるその疾患または病状の排除もしくはその退縮を引き起こさせること;(c)例えば患者における疾患または病状の増悪を遅延もしくは停止させることによって、その疾患または病状を抑制すること;あるいは、(d)患者における疾患または病状の症状を緩和させることを含む、哺乳動物(特にヒト)などの患者における疾患または病状を治療することまたはその治療を意味する。
代表的な実施形態
以下の置換基および値は、種々の態様および実施形態の代表的な例を提供することを目的としている。これらの代表的な値は、そうした態様および実施形態をさらに定義し例示しようとするものであり、他の実施形態を排除しようとするかまたは本開示の範囲を限定しようとするものではない。この関連で、特定の値または置換基が好ましいという表現は、特定の指定のない限り、本開示から他の値または置換基を排除しようとするものでは全くない。
これらの化合物は、1つまたは複数のキラル中心を含むことができ、したがって、これらの実施形態は、別段の指定のない限り、ラセミ混合物;純粋な立体異性体(すなわち、エナンチオマーまたはジアステレオマー);立体異性体豊富な混合物などを対象とする。特定の立体異性体が本明細書で示されているかまたは挙げられている場合、当業者は、別段の指定のない限り、そうした他の異性体の存在によってその組成物の全体としての所望の有用性が排除されるものではないという条件で、その組成物中に少量の他の立体異性体が存在し得ることを理解されよう。
本開示の実施形態はNrf2活性化化合物を含む。「活性化すること(activating)」は、ある化合物が特定の標的の活性を選択的に増大させることを意味する。活性化化合物は「アゴニスト」とも称し得る。例えば、いくつかの実施形態では、その化合物の非存在下でのNrf2の活性と比較して、目的化合物は、Nrf2の活性を選択的に増大させる。例えば、いくつかの実施形態では、目的Nrf2活性化化合物は、Nrf2の活性を、その化合物の非存在下でのNrf2の活性と比較して、5%以上、例えば10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上または100%以上増大させる。
特定の実施形態では、Nrf2活性化化合物はα,β不飽和スルホン誘導体である。例えば、Nrf2活性化化合物は、α,β不飽和スルホニル官能基を含むことができる。
本開示の組成物は、以下に示す式の化合物を含む。本開示の医薬組成物および方法は、以下の式の化合物も使用する。
式I
本開示化合物の実施形態は、以下の式(I):
(式中、
X
1およびX
2はそれぞれ独立にNおよびCHから選択され、X
1およびX
2の少なくとも1つはNであり;
Y
1はスルホニルであり、Y
2は水素であるか、またはY
2はスルホニルであり、Y
1は水素であり;
各R
1は独立に、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールおよびR
15から選択され、R
15は連結基および式(I)の化合物を含む)
で表されるか、またはその塩もしくは立体異性体である。
特定の実施形態では、X1およびX2はそれぞれ独立にNおよびCHから選択され、X1およびX2の少なくとも1つはNである。いくつかの例では、X1はNであり、X2はNである。いくつかの例では、X1はNであり、X2はCHである。いくつかの例では、X1はCHであり、X2はNである。
特定の実施形態では、Y1はスルホニルであり、Y2は水素であるか、またはY2はスルホニルであり、Y1は水素である。いくつかの例では、Y1はスルホニルであり、Y2は水素である。いくつかの例では、Y2はスルホニルであり、Y1は水素である。
式(I)中のR1置換基の実施形態を以下でより詳細に説明する。
式(I)のいくつかの実施形態では、その化合物は、R1がR15であるダイマーである。いくつかの例では、R15は、連結基および式(I)の化合物を含む。特定の実施形態では、その化合物は対称性ダイマー(例えばそのダイマー中の式(I)の各化合物が同じ構造を有する場合)である。例えば、いくつかの例では、対称性ダイマーは、同じ構造を有する式(I)の別の化合物との連結基を介して連結された式(I)の化合物を含むことができる。他の実施形態では、その化合物は非対称性ダイマー(例えばそのダイマー中の式(I)の各化合物が異なる構造を有する場合)である。例えば、いくつかの例では、非対称性ダイマーは、異なる構造を有する式(I)の第2の化合物との連結基を介して連結された式(I)の化合物を含むことができる。
式(I)中の連結基の実施形態を以下でより詳細に説明する。
式II
特定の実施形態では、式(I)の化合物は、X1がNでありX2がNである化合物を含む。したがって、本開示の化合物は以下の式(II):
(式中、Y
1はスルホニルであり、Y
2は水素であるか、またはY
2はスルホニルであり、Y
1は水素であり;
各R
1は独立に、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールおよびR
15から選択され、R
15は連結基および式(I)の化合物を含む)
で表すことができるか、またはその塩もしくは立体異性体である。
本明細書で説明する化学式の種々の置換基の説明において、式(II)への参照は、適切な場合、本明細書で説明するような式(IIa)および式(IIb)を含むものとする。
式(II)の特定の実施形態では、Y1はスルホニルであり、Y2は水素であるか、またはY2はスルホニルであり、Y1は水素である。いくつかの例では、Y1はスルホニルであり、Y2は水素である。いくつかの例では、Y2はスルホニルであり、Y1は水素である。
式(II)中のR1置換基の実施形態を以下でより詳細に説明する。
式(II)のいくつかの実施形態では、その化合物は、R1がR15であるダイマーである。いくつかの例では、R15は、連結基および式(I)の化合物を含む。特定の実施形態では、その化合物は対称性ダイマー(例えばダイマー中の各化合物が同じ構造を有する場合)である。例えば、いくつかの例では、対称性ダイマーは、同じ構造を有する式(II)の別の化合物との連結基を介して連結されている式(II)の化合物を含むことができる。他の実施形態では、その化合物は非対称性ダイマー(例えばダイマー中の各化合物が異なる構造を有する場合)である。例えば、いくつかの例では、非対称性ダイマーは、ダイマー中で式(II)の化合物とは異なる構造を有する式(I)の化合物との連結基を介して連結されている式(II)の化合物を含むことができる。
式(II)中の連結基の実施形態を以下でより詳細に説明する。
式(IIa)および(IIb)
上記したように、式(II)のいくつかの実施形態では、Y1はスルホニルであり、Y2は水素であるか、またはY2はスルホニルであり、Y1は水素である。したがって、式(II)の化合物は、式(IIa)または式(IIb):
(式中、
X
aはスルホニルであり;
各R
1は独立に、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールおよびR
15から選択され、R
15は連結基および式(I)の化合物を含む)
で表すことができるか、またはその塩もしくは立体異性体である。
したがって、本開示の実施形態は、式(IIa)の化合物:
(式中、
X
aはスルホニルであり;
各R
1は独立に、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールおよびR
15から選択され、R
15は連結基および式(I)の化合物を含む)
またはその塩もしくは立体異性体を含む。
さらに、本開示の実施形態は、式(IIb)の化合物:
(式中、
X
aはスルホニルであり;
各R
1は独立に、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールおよびR
15から選択され、R
15は連結基および式(I)の化合物を含む)
またはその塩もしくは立体異性体を含む。
式(II)、(IIa)および(IIb)のいくつかの実施形態では、その化合物は、R1がR15であるダイマーである。いくつかの例では、R15は、連結基および式(IIa)または(IIb)の化合物を含む。特定の実施形態では、その化合物は対称性ダイマー(例えば式(IIa)または(IIb)の各化合物が同じ構造を有する場合)である。式(IIa)のいくつかの例では、R15は連結基および式(IIa)の化合物を含む。式(IIb)のいくつかの例では、R15は連結基および式(IIb)の化合物を含む。例えば、いくつかの例では、対称性ダイマーは、同じ構造を有する式(IIa)の別の化合物との連結基を介して連結された式(IIa)の化合物を含むことができる。いくつかの例では、対称性ダイマーは、同じ構造を有する式(IIb)の別の化合物との連結基を介して連結された式(IIb)の化合物を含むことができる。他の実施形態では、その化合物は非対称性ダイマー(例えばダイマー中の各化合物が異なる構造を有する場合)である。例えば、いくつかの例では、非対称性ダイマーは、ダイマー中で式(IIa)の化合物と異なる構造を有する式(I)の化合物との連結基を介して連結された式(IIa)の化合物を含むことができる。いくつかの例では、非対称性ダイマーは、ダイマー中で式(IIb)の化合物と異なる構造を有する式(I)の化合物との連結基を介して連結された式(IIb)の化合物を含むことができる。
式(IIa)および(IIb)の中のXa置換基の実施形態を以下でより詳細に説明する。
式(IIa)および(IIb)の中のR1置換基の実施形態を以下でより詳細に説明する。
式(IIa)および(IIb)の中の連結基の実施形態を以下でより詳細に説明する。
式III
特定の実施形態では、式(I)の化合物は、X1がCHでありX2がNである化合物を含む。したがって、本開示の化合物は以下の式(III):
(式中、
Y
1はスルホニルであり、Y
2は水素であるか、またはY
2はスルホニルであり、Y
1は水素であり;
各R
1は独立に、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールおよびR
15から選択され、R
15は連結基および式(I)の化合物を含む)
で表すことができる、またはその塩もしくは立体異性体である。
本明細書で説明する化学式の種々の置換基の説明において、式(III)への参照は、適切な場合、本明細書で説明するような式(IIIa)および式(IIIb)を含むものとする。
式(III)の特定の実施形態では、Y1はスルホニルであり、Y2は水素であるか、またはY2はスルホニルであり、Y1は水素である。いくつかの例では、Y1はスルホニルであり、Y2は水素である。いくつかの例では、Y2はスルホニルであり、Y1は水素である。
式(III)中のR1置換基の実施形態を以下でより詳細に説明する。
式(III)のいくつかの実施形態では、その化合物は、R1がR15であるダイマーである。いくつかの例では、R15は連結基および式(III)の化合物を含む。特定の実施形態では、その化合物は対称性ダイマー(例えばダイマー中の式(III)の各化合物が同じ構造を有する場合)である。例えば、いくつかの例では、対称性ダイマーは、同じ構造を有する式(III)の別の化合物との連結基を介して連結された式(III)の化合物を含むことができる。他の実施形態では、その化合物は非対称性ダイマー(例えばダイマー中の各化合物が異なる構造を有する場合)である。例えば、いくつかの例では、非対称性ダイマーは、ダイマー中で式(III)の化合物と異なる構造を有する式(I)の化合物との連結基を介して連結された式(III)の化合物を含むことができる。
式(III)中の連結基の実施形態を以下でより詳細に説明する。
式(IIIa)および(IIIb)
上記したように、式(III)のいくつかの実施形態では、Y1はスルホニルであり、Y2は水素であるか、またはY2はスルホニルであり、Y1は水素である。したがって、式(III)の化合物は、式(IIIa)または式(IIIb):
(式中、
X
aはスルホニルであり;
各R
1は独立に、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールおよびR
15から選択され、R
15は連結基および式(I)の化合物を含む)
で表すことができるか、またはその塩もしくは立体異性体である。
したがって、本開示の実施形態は、式(IIIa)の化合物:
(式中、
X
aはスルホニルであり;
各R
1は独立に、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールおよびR
15から選択され、R
15は連結基および式(I)の化合物を含む)
またはその塩もしくは立体異性体を含む。
さらに、本開示の実施形態は、式(IIIb)の化合物:
(式中、
X
aはスルホニルであり;
各R
1は独立に、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールおよびR
15から選択され、R
15は連結基および式(I)の化合物を含む)
またはその塩もしくは立体異性体を含む。
式(III)、(IIIa)および(IIIb)のいくつかの実施形態では、その化合物は、R1がR15であるダイマーである。いくつかの例では、R15は、連結基および式(IIIa)または(IIIb)の化合物を含む。特定の実施形態では、その化合物は対称性ダイマー(例えば式(IIIa)または(IIIb)の各化合物が同じ構造を有する場合)である。式(IIIa)のいくつかの例では、R15は、連結基および式(IIIa)の化合物を含む。式(IIIb)のいくつかの例では、R15は、連結基および式(IIIb)の化合物を含む。例えば、いくつかの例では、対称性ダイマーは、同じ構造を有する式(IIIa)の別の化合物との連結基を介して連結された式(IIIa)の化合物を含むことができる。いくつかの例では、対称性ダイマーは、同じ構造を有する式(IIIb)の別の化合物との連結基を介して連結された式(IIIb)の化合物を含むことができる。他の実施形態では、その化合物は非対称性ダイマー(例えばダイマー中の各化合物が異なる構造を有する場合)である。例えば、いくつかの例では、非対称性ダイマーは、ダイマー中で式(IIIa)の化合物と異なる構造を有する式(I)の化合物との連結基を介して連結された式(IIIa)の化合物を含むことができる。いくつかの例では、非対称性ダイマーは、ダイマー中で式(IIIb)の化合物と異なる構造を有する式(I)の化合物との連結基を介して連結された式(IIIb)の化合物を含むことができる。
式(IIIa)および(IIIb)の中のXa置換基の実施形態を以下でより詳細に説明する。
式(IIIa)および(IIIb)の中のR1置換基の実施形態を以下でより詳細に説明する。
式(IIIa)および(IIIb)の中の連結基の実施形態を以下でより詳細に説明する。
式IV
特定の実施形態では、式(I)の化合物は、X1はNであり、X2はCHである化合物を含む。したがって、本開示の化合物は以下の式(IV):
(式中、
Y
1はスルホニルであり、Y
2は水素であるか、またはY
2はスルホニルであり、Y
1は水素であり;
各R
1は独立に、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールおよびR
15から選択され、R
15は連結基および式(I)の化合物を含む)
で表すことができる、またはその塩もしくは立体異性体である。
本明細書で説明する化学式の種々の置換基の説明において、式(IV)への参照は、適切な場合、本明細書で説明するような式(IVa)および式(IVb)を含むものとする。
式(IV)の特定の実施形態では、Y1はスルホニルであり、Y2は水素であるか、またはY2はスルホニルであり、Y1は水素である。いくつかの例では、Y1はスルホニルであり、Y2は水素である。いくつかの例では、Y2はスルホニルであり、Y1は水素である。
式(IV)中のR1置換基の実施形態を以下でより詳細に説明する。
式(IV)のいくつかの実施形態では、その化合物は、R1がR15であるダイマーである。いくつかの例では、R15は、連結基および式(IV)の化合物を含む。特定の実施形態では、その化合物は対称性ダイマー(例えばダイマー中の式(IV)の各化合物が同じ構造を有する場合)である。例えば、いくつかの例では、対称性ダイマーは、同じ構造を有する式(IV)の別の化合物との連結基を介して連結された式(IV)の化合物を含むことができる。他の実施形態では、その化合物は非対称性ダイマー(例えばダイマー中の各化合物が異なる構造を有する場合)である。例えば、いくつかの例では、非対称性ダイマーは、ダイマー中で式(IV)の化合物と異なる構造を有する式(I)の化合物との連結基を介して連結された式(IV)の化合物を含むことができる。
式(IV)中の連結基の実施形態を以下でより詳細に説明する。
式(IVa)および(IVb)
上記したように、式(IV)のいくつかの実施形態では、Y1はスルホニルであり、Y2は水素であるか、またはY2はスルホニルであり、Y1は水素である。したがって、式(IV)の化合物は式(IVa)または式(IVb):
(式中、
X
aはスルホニルであり;
各R
1は独立に、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールおよびR
15から選択され、R
15は連結基および式(I)の化合物を含む)
で表すことができるか、またはその塩もしくは立体異性体である。
したがって、本開示の実施形態は式(IVa)の化合物:
(式中、
X
aはスルホニルであり;
各R
1は独立に、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールおよびR
15から選択され、R
15は連結基および式(I)の化合物を含む)
またはその塩もしくは立体異性体を含む。
さらに、本開示の実施形態は、式(IVb)の化合物:
(式中、
X
aはスルホニルであり;
各R
1は独立に、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールおよびR
15から選択され、R
15は連結基および式(I)の化合物を含む)
またはその塩もしくは立体異性体を含む。
式(IV)、(IVa)および(IVb)のいくつかの実施形態では、その化合物は、R1がR15であるダイマーである。いくつかの例では、R15は、連結基および式(IVa)または(IVb)の化合物を含む。特定の実施形態では、その化合物は、対称性ダイマー(例えば式(IVa)または(IVb)の各化合物が同じ構造を有する場合)である。式(IVa)のいくつかの例では、R15は、連結基および式(IVa)の化合物を含む。式(IVb)のいくつかの例では、R15は、連結基および式(IVb)の化合物を含む。例えば、いくつかの例では、対称性ダイマーは、同じ構造を有する式(IVa)の別の化合物との連結基を介して連結された式(IVa)の化合物を含むことができる。いくつかの例では、対称性ダイマーは、同じ構造を有する式(IVb)の別の化合物との連結基を介して連結された式(IVb)の化合物を含むことができる。他の実施形態では、その化合物は非対称性ダイマー(例えばダイマー中の各化合物が異なる構造を有する場合)である。例えば、いくつかの例では、非対称性ダイマーは、ダイマー中で式(IVa)の化合物と異なる構造を有する式(I)の化合物との連結基を介して連結された式(IVa)の化合物を含むことができる。いくつかの例では、非対称性ダイマーは、二量体中で式(IVb)の化合物と異なる構造を有する式(I)の化合物との連結基を介して連結された式(IVb)の化合物を含むことができる。
式(IVa)および(IVb)の中のXa置換基の実施形態を以下でより詳細に説明する。
式(IVa)および(IVb)の中のR1置換基の実施形態を以下でより詳細に説明する。
式(IVa)および(IVb)の中の連結基の実施形態を以下でより詳細に説明する。
目的化合物の追加的な説明
適切な場合、本節における目的化合物の説明は、式(I)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVa)および(IVb)の化合物に適合する。
特定の実施形態では、Xaはスルホニルである。例えば、Xaは、アルキル-SO2-、置換アルキル-SO2-、アルケニル-SO2-、置換アルケニル-SO2-、シクロアルキル-SO2-、置換シクロアルキル-SO2-、ヘテロシクロアルキル-SO2-、置換ヘテロシクロアルキル-SO2-、アリール-SO2-、置換アリール-SO2-、ヘテロアリール-SO2-および置換ヘテロアリール-SO2-から選択することができる。いくつかの実施形態では、Xaは、アルキル-SO2-または置換アルキル-SO2-である。いくつかの実施形態では、Xaは、アルケニル-SO2-または置換アルケニル-SO2-である。いくつかの実施形態では、Xaは、シクロアルキル-SO2-または置換シクロアルキル-SO2-である。いくつかの実施形態では、Xaは、ヘテロシクロアルキル-SO2-または置換ヘテロシクロアルキル-SO2-である。いくつかの実施形態では、Xaは、アリール-SO2-または置換アリール-SO2-である。いくつかの実施形態では、Xaは、ヘテロアリール-SO2-または置換ヘテロアリール-SO2-である。
例えば、Xaがアルキル-SO2-である実施形態では、Xaは、C1~6アルキル-SO2-またはC1~5アルキル-SO2-またはC1~4アルキル-SO2-またはC1~3アルキル-SO2-またはC1~2アルキル-SO2-であってよい。いくつかの例では、Xaはメチル-SO2-である。他の実施形態では、Xaは、置換アルキル-SO2-、例えば置換C1~6アルキル-SO2-または置換C1~5アルキル-SO2-または置換C1~4アルキル-SO2-または置換C1~3アルキル-SO2-または置換C1~2アルキル-SO2-などであってよい。
特定の実施形態では、Xaは、アリール-SO2-または置換アリール-SO2-である。例えば、Xaがアリール-SO2-である実施形態では、Xaはフェニル-SO2-であってよい。
他の実施形態では、Xaは、置換アリール-SO2-、例えば置換フェニル-SO2-などである。特定の実施形態では、置換アリール-SO2-中のアリール基上の置換基は、C1~6アルキルまたはC1~5アルキルまたはC1~4アルキルまたはC1~3アルキルまたはC1~2アルキルである。特定の実施形態では、置換アリール-SO2-中のアリール基上の置換基はメチルである。例えば、置換アリール-SO2-は、例えば置換フェニル-SO2-中のフェニル基上の置換基がC1~6アルキルまたはC1~5アルキルまたはC1~4アルキルまたはC1~3アルキルまたはC1~2アルキルである置換フェニル-SO2-であってよい。特定の実施形態では、置換フェニル-SO2-中のフェニル基上の置換基はメチルである。例えば、Xaは、2-メチルフェニル-SO2-(すなわち、o-トリルスルホニル)、3-メチルフェニル-SO2-(すなわち、m-トリルスルホニル)または4-メチルフェニル-SO2-(すなわち、トシル)であってよい。特定の実施形態では、Xaは4-メチルフェニル-SO2-(すなわち、トシル)である。
特定の実施形態では、置換アリール-SO2-中のアリール基上の置換基はハロゲンである。置換アリール-SO2-は、1個または複数のハロゲン置換基、例えば5、4、3、2または1個のハロゲン置換基を含むことができる。2個以上のハロゲン置換基を含む置換アリール-SO2-の実施形態では、各ハロゲン置換基は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードから独立に選択される。いくつかの例では、置換アリール-SO2-は1個のハロゲン置換基を含む。ハロゲン置換基は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードから選択することができる。いくつかの例では、ハロゲン置換基はフルオロである。例えば、置換アリール-SO2-は、置換フェニル-SO2-中のフェニル基上の置換基がハロゲンである置換フェニル-SO2-であってよい。上記したように、置換フェニル-SO2-は、1個または複数のハロゲン置換基、例えば5、4、3、2または1個のハロゲン置換基を含むことができる。2個以上のハロゲン置換基を含む置換フェニル-SO2-の実施形態では、各ハロゲン置換基は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードから独立に選択される。いくつかの例では、置換フェニル-SO2-は1個のハロゲン置換基を含む。ハロゲン置換基は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードから選択することができる。いくつかの例では、ハロゲン置換基はフルオロである。例えば、Xaは、2-フルオロフェニル-SO2-、3-フルオロフェニル-SO2-または4-フルオロフェニル-SO2-であってよい。特定の実施形態では、Xaは4-フルオロフェニル-SO2-である。
例えば、特定の実施形態では、式(IIa)および式(IIb)の化合物は、以下の化合物:
(式中、R
1は本明細書で定義されるとおりである)
から選択することができる。
例えば、特定の実施形態では、式(IIIa)および式(IIIb)の化合物は、以下の化合物:
(式中、R
1は本明細書で定義されるとおりである)
から選択することができる。
例えば、特定の実施形態では、式(IVa)および式(IVb)の化合物は、以下の化合物:
(式中、R
1は本明細書で定義されるとおりである)
から選択することができる。
本明細書で説明する化合物の実施形態では、R1は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールおよびR15から選択される。
特定の実施形態では、R1は水素である。特定の実施形態では、R1は、アルキルまたは置換アルキルである。特定の実施形態では、R1は、アルキル、例えばC1~6アルキルまたはC1~5アルキルまたはC1~4アルキルまたはC1~3アルキルまたはC1~2アルキルである。特定の実施形態では、R1はメチルである。特定の実施形態では、R1はエチルである。特定の実施形態では、R1は、置換アルキル、例えば置換C1~6アルキルまたは置換C1~5アルキルまたは置換C1~4アルキルまたは置換C1~3アルキルまたは置換C1~2アルキルである。特定の実施形態では、置換アルキル中のアルキル基上の置換基は、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。例えば、置換アルキル中のアルキル基上の置換基はシクロアルキルまたは置換シクロアルキルであってよい。いくつかの例では、置換アルキル中のアルキル基上の置換基は、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである。いくつかの例では、置換アルキル中のアルキル基上の置換基は、アリールまたは置換アリールである。いくつかの例では、置換アルキル中のアルキル基上の置換基は、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。例えば、置換アルキルは、そのメチル基上の置換基がシクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである置換メチル基であってよい。いくつかの例では、メチル基上の置換基は、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルである。いくつかの例では、メチル基上の置換基は、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである。いくつかの例では、メチル基上の置換基は、アリールまたは置換アリールである。例えば、メチル基上の置換基は、アリール、例えばフェニル(すなわち、R1はベンジルである)であってよい。いくつかの例では、メチル基上の置換基は、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリール、例えばピリジルまたは置換ピリジル(例えば、3-ピリジルまたは置換3-ピリジル)である。
特定の実施形態では、R1は、アルケニルまたは置換アルケニルである。特定の実施形態では、R1は、アルキニルまたは置換アルキニルである。
特定の実施形態では、R1は、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルである。特定の実施形態では、R1は、シクロヘキシルまたは置換シクロヘキシルである。特定の実施形態では、R1は、シクロペンチルまたは置換シクロペンチルである。特定の実施形態では、R1は、シクロブチルまたは置換シクロブチルである。特定の実施形態では、R1は、シクロプロピルまたは置換シクロプロピルである。特定の実施形態では、R1は、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである。特定の実施形態では、R1は、4-テトラヒドロピラニルまたは置換4-テトラヒドロピラニルである。
特定の実施形態では、R1は、アリールまたは置換アリールである。特定の実施形態では、R1は、フェニルまたは置換フェニルである。特定の実施形態では、R1は、フェニルである。特定の実施形態では、R1は、置換フェニルである。特定の実施形態では、R1は、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。特定の実施形態では、R1は、ヘテロアリールである。特定の実施形態では、R1は、置換ヘテロアリールである。特定の実施形態では、R1は、ピリジルまたは置換ピリジルである。特定の実施形態では、R1は、2-ピリジル、3-ピリジルまたは4-ピリジルである。特定の実施形態では、R1は、3-ピリジルである。特定の実施形態では、R1は、置換2-ピリジル、置換3-ピリジルまたは置換4-ピリジルである。
特定の実施形態では、R1は、置換C1~6アルキルなどの置換アルキルである。特定の実施形態では、R1は置換メチルである。特定の実施形態では、R1は置換エチルである。特定の実施形態では、R1は置換プロピルである。特定の実施形態では、R1は置換ブチルである。特定の実施形態では、R1は置換ペンチルである。特定の実施形態では、R1は置換ヘキシルである。R1上の置換基には、これらに限定されないが、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アミノ、置換アミノ、アシル、アミノアシル、アシルアミノ、チオアルコキシ、スルホニル、アミノスルホニル、スルホニルアミノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールが含まれる。例えば、R1は、ヒドロキシルで置換された置換アルキル(例えば、置換C1~6アルキル)であってよい。いくつかの例では、R1は、アルコキシまたは置換アルコキシ、例えばC1~6アルコキシまたはC1~6置換アルコキシで置換された置換アルキル(例えば、置換C1~6アルキル)である。いくつかの例では、R1は、アミノまたは置換アミノで置換された置換アルキル(例えば、置換C1~6アルキル)である。いくつかの例では、R1は、カルボキシルまたはカルボキシルエステルで置換された置換アルキル(例えば、置換C1~6アルキル)である。いくつかの例では、R1は、アミノアシルまたはアシルアミノで置換された置換アルキル(例えば、置換C1~6アルキル)である。いくつかの例では、R1は、チオアルコキシまたはスルホニルで置換された置換アルキル(例えば、置換C1~6アルキル)である。いくつかの例では、R1は、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、例えばC3~8シクロアルキルもしくはC3~8置換シクロアルキルまたはC3~6シクロアルキルもしくはC3~6置換シクロアルキルまたはC3~5シクロアルキルもしくはC3~5置換シクロアルキルまたはC3~4シクロアルキルもしくはC3~4置換シクロアルキルなどで置換された置換アルキル(例えば、置換C1~6アルキル)である。いくつかの例では、R1は、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリル、例えばC3~8ヘテロシクリルもしくはC3~8置換ヘテロシクリルまたはC3~6ヘテロシクリルもしくはC3~6置換ヘテロシクリルまたはC3~5ヘテロシクリルもしくはC3~5置換ヘテロシクリルまたはC3~4ヘテロシクリルもしくはC3~4置換ヘテロシクリルなどで置換された置換アルキル(例えば、置換C1~6アルキル)である。いくつかの例では、R1は、アリールまたは置換アリール、例えばC3~6アリールまたはC3~6置換アリールなど、例えばフェニルまたは置換フェニルで置換された置換アルキル(例えば、置換C1~6アルキル)である。いくつかの例では、R1は、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリール、例えばC3~6ヘテロアリールまたはC3~6置換ヘテロアリールなど、例えばピリジルまたは置換ピリジル(例えば、3-ピリジルまたは置換3-ピリジル)で置換された置換アルキル(例えば、置換C1~6アルキル)である。R1上の上記置換基の組合せも含まれる。本明細書で説明するR1基のいずれをも、本開示の化合物に含めることができる。
例えば、特定の実施形態では、R1は、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであり、したがって、式(IIa)の化合物は以下の:
(式中、
X
aはスルホニルであり;
各Rは、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、スルホキシおよびホスフェートから独立に選択され;
nは0、1、2、3、4または5である)
から選択される構造を有するか、またはその塩もしくは立体異性体である。
例えば、特定の実施形態では、R1は、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであり、したがって、式(IIb)の化合物は以下の:
(式中、
X
aはスルホニルであり;
各Rは、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、スルホキシおよびホスフェートから独立に選択され;
nは0、1、2、3、4または5である)
から選択される構造を有するか、またはその塩もしくは立体異性体である。
例えば、特定の実施形態では、R1は、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであり、したがって、式(IIIa)の化合物は以下の:
(式中、
X
aはスルホニルであり;
各Rは、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、スルホキシおよびホスフェートから独立に選択され;
nは0、1、2、3、4または5である)
から選択される構造を有するか、またはその塩もしくは立体異性体である。
例えば、特定の実施形態では、R1は、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであり、したがって、式(IIIb)の化合物は以下の:
(式中、
X
aはスルホニルであり;
各Rは、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、スルホキシおよびホスフェートから独立に選択され;
nは0、1、2、3、4または5である)
から選択される構造を有するか、またはその塩もしくは立体異性体である。
例えば、特定の実施形態では、R1は、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであり、したがって、式(IVa)の化合物は以下の:
(式中、
X
aはスルホニルであり;
各Rは、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、スルホキシおよびホスフェートから独立に選択され;
nは0、1、2、3、4または5である)
から選択される構造を有するか、またはその塩もしくは立体異性体である。
例えば、特定の実施形態では、R1は、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであり、したがって、式(IVb)の化合物は以下の:
(式中、
X
aはスルホニルであり;
各Rは、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、スルホキシおよびホスフェートから独立に選択され;
nは0、1、2、3、4または5である)
から選択される構造を有するか、またはその塩もしくは立体異性体である。
上記化合物の特定の実施形態では、各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから独立に選択される。特定の実施形態では、Rは水素である。特定の実施形態では、Rは、ハロゲン、例えばフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードである。特定の例では、Rはフルオロである。特定の例では、Rはクロロである。特定の例では、Rはブロモである。特定の例では、Rはヨードである。特定の実施形態では、Rは、アルキルまたは置換アルキルである。特定の実施形態では、Rは、アルキル、例えばC1~6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシル)である。特定の実施形態では、Rは、置換アルキル、例えばC1~6置換アルキル(例えば、置換メチル、置換エチル、置換プロピル、置換ブチル、置換ペンチルまたは置換ヘキシル)である。特定の実施形態では、Rは、アルケニルまたは置換アルケニルである。特定の実施形態では、Rは、アルキニルまたは置換アルキニルである。特定の実施形態では、Rは、C3~8シクロアルキルまたはC3~8置換シクロアルキル、またはC3~6シクロアルキルまたはC3~6置換シクロアルキル、またはC3~5シクロアルキルまたはC3~5置換シクロアルキルなどのシクロアルキルまたは置換シクロアルキルである。特定の実施形態では、Rは、C3~8ヘテロシクリルまたはC3~8置換ヘテロシクリル、またはC3~6ヘテロシクリルまたはC3~6置換ヘテロシクリル、またはC3~5ヘテロシクリルまたはC3~5置換ヘテロシクリルなどのヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである。特定の実施形態では、Rは、C3~8アリールまたはC3~8置換アリール、またはC3~6アリールまたはC3~6置換アリール(例えば、フェニルまたは置換フェニル)などのアリールまたは置換アリールである。特定の実施形態では、Rは、C3~8ヘテロアリールまたはC3~8置換ヘテロアリール、またはC3~6ヘテロアリールまたはC3~6置換ヘテロアリールなどのヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。特定の実施形態では、Rは、-P(O)(OH)2またはその塩である。特定の実施形態では、Rは、-S(O)2OHまたはその塩である。
上記したように、いくつかの実施形態では、目的化合物は二量体である。これらの実施形態では、R1はR15であって、そこでR15は連結基および式(I)の化合物を含む。「連結基」は、2つ以上の部分を、1つまたは複数の共有結合および原子を介して一緒に連結する部分を意味する。特定の実施形態では、その連結基は、C1~10アルキル連結基またはC1~8アルキル連結基またはC1~6アルキル連結基またはC1~3アルキル連結基などのアルキル連結基である。特定の実施形態では、連結基は、式(I)の第1の化合物を式(I)の第2の化合物と結合させる。いくつかの例では、式(I)の第1の化合物はR1位で結合している連結基の一方の端部を有しており、連結基の他方の端部は、式(I)の第2の化合物のR1位で結合している。これらの実施形態では、二量体中の式(I)の2つの化合物は、その連結基を介してそれらのそれぞれのR1位で互いに連結されている。
特定の実施形態では、その連結基は構造:-(CH2)w-Zx-(CH2)y-
を有する。ここで、
wは1~6の整数であり;
xは0または1であり;
yは0または1~6の整数であり;
Zは、O、NH、-O-P(O)(OH)-O-、S、S(O)、SO2または-O-S(O)2-O-である。
特定の実施形態では、wは、1~6の整数、例えば1、2、3、4、5または6である。
特定の実施形態では、xは、0または1である。特定の実施形態では、xは0であり、したがってZは存在しない。特定の実施形態では、xは1であり、したがってZは存在する。
特定の実施形態では、yは0または1~6の整数である。特定の実施形態では、yは0であり、したがって連結基の-(CH2)y-部分は存在しない。特定の実施形態では、yは、1~6の整数、例えば1、2、3、4、5または6である。
特定の実施形態では、Zは、O、NH、-O-P(O)(OH)-O-、S、S(O)、SO2または-O-S(O)2-O-である。特定の実施形態では、ZはOである。特定の実施形態では、ZはNHである。特定の実施形態では、Zは-O-P(O)(OH)-O-である。特定の実施形態では、ZはSである。特定の実施形態では、ZはS(O)である。特定の実施形態では、ZはSO2である。特定の実施形態では、Zは-O-S(O)2-O-である。
特定の実施形態では、wは1であり、xは0であり、yは0である。特定の実施形態では、wは2であり、xは0であり、yは0である。特定の実施形態では、wは3であり、xは0であり、yは0である。特定の実施形態では、wは4であり、xは0であり、yは0である。特定の実施形態では、wは5であり、xは0であり、yは0である。特定の実施形態では、wは6であり、xは0であり、yは0である。
特定の実施形態では、wは1であり、xは0であり、yは0である。特定の実施形態では、wは0であり、xは0であり、yは1である。特定の実施形態では、wは1であり、xは1であり、yは1であり、ZはOである。特定の実施形態では、wは2であり、xは1であり、yは2であり、ZはOである。特定の実施形態では、wは1であり、xは1であり、yは1であり、ZはNHである。特定の実施形態では、wは2であり、xは1であり、yは2であり、ZはNHである。特定の実施形態では、wは1であり、xは1であり、yは1であり、ZはSである。特定の実施形態では、wは2であり、xは1であり、yは2であり、ZはSである。特定の実施形態では、wは1であり、xは1であり、yは1であり、ZはSO2である。特定の実施形態では、wは2であり、xは1であり、yは2であり、ZはSO2である。特定の実施形態では、wは1であり、xは1であり、yは1であり、ZはS(O)である。特定の実施形態では、wは2であり、xは1であり、yは2であり、ZはS(O)である。特定の実施形態では、wは1であり、xは1であり、yは1であり、Zは-O-P(O)(OH)-O-である。特定の実施形態では、wは2であり、xは1であり、yは2であり、Zは-O-P(O)(OH)-O-である。特定の実施形態では、wは1であり、xは1であり、yは1であり、Zは-O-S(O)2-O-である。特定の実施形態では、wは2であり、xは1であり、yは2であり、Zは-O-S(O)2-O-である。
特定の実施形態では、wは1であり、xは1であり、yは1である。したがって、特定の実施形態では、その化合物は式:
(式中、
X
1およびX
2はそれぞれ独立にNおよびCHから選択され、X
1およびX
2の少なくとも1つはNであり;
X
3およびX
4はそれぞれ独立に、NおよびCHから選択され、X
3およびX
4の少なくとも1つはNであり;
X
a’およびX
a’’はそれぞれ独立に、上記のようなX
aであり;
Zは、O、NH、-O-P(O)(OH)-O-、S、S(O)、SO
2または-O-S(O)
2-O-である)
を有するか、またはその塩もしくは立体異性体である。
特定の実施形態では、wは1であり、xは1であり、yは1である。したがって、特定の実施形態では、その化合物は式:
(式中、
X
1およびX
2はそれぞれ独立にNおよびCHから選択され、X
1およびX
2の少なくとも1つはNであり;
X
3およびX
4はそれぞれ独立に、NおよびCHから選択され、X
3およびX
4の少なくとも1つはNであり;
X
a’およびX
a’’はそれぞれ独立に、上記のようなX
aであり;
Zは、O、NH、-O-P(O)(OH)-O-、S、S(O)、SO
2または-O-S(O)
2-O-である)
を有するか、またはその塩もしくは立体異性体である。
特定の実施形態では、wは1であり、xは1であり、yは1である。したがって、特定の実施形態では、その化合物は式:
(式中、
X
1およびX
2はそれぞれ独立にNおよびCHから選択され、X
1およびX
2の少なくとも1つはNであり;
X
3およびX
4はそれぞれ独立に、NおよびCHから選択され、X
3およびX
4の少なくとも1つはNであり;
X
a’およびX
a’’はそれぞれ独立に、上記のようなX
aであり;
Zは、O、NH、-O-P(O)(OH)-O-、S、S(O)、SO
2または-O-S(O)
2-O-である)
を有するか、またはその塩もしくは立体異性体である。
特定の実施形態では、wは1であり、xは1であり、yは1である。したがって、特定の実施形態では、その化合物は式:
(式中、
X
1およびX
2はそれぞれ独立にNおよびCHから選択され、X
1およびX
2の少なくとも1つはNであり;
X
3およびX
4はそれぞれ独立に、NおよびCHから選択され、X
3およびX
4の少なくとも1つはNであり;
X
a’およびX
a’’はそれぞれ独立に、上記のようなX
aであり;
Zは、O、NH、-O-P(O)(OH)-O-、S、S(O)、SO
2または-O-S(O)
2-O-である)
を有するか、またはその塩もしくは立体異性体である。
特定の実施形態では、wは2であり、xは1であり、yは2である。したがって、特定の実施形態では、その化合物は式:
(式中、
X
1およびX
2はそれぞれ独立にNおよびCHから選択され、X
1およびX
2の少なくとも1つはNであり;
X
3およびX
4はそれぞれ独立に、NおよびCHから選択され、X
3およびX
4の少なくとも1つはNであり;
X
a’およびX
a’’はそれぞれ独立に、上記のようなX
aであり;
Zは、O、NH、-O-P(O)(OH)-O-、S、S(O)、SO
2または-O-S(O)
2-O-である)
を有するか、またはその塩もしくは立体異性体である。
特定の実施形態では、wは2であり、xは1であり、yは2である。したがって、特定の実施形態では、その化合物は式:
(式中、
X
1およびX
2はそれぞれ独立にNおよびCHから選択され、X
1およびX
2の少なくとも1つはNであり;
X
3およびX
4はそれぞれ独立に、NおよびCHから選択され、X
3およびX
4の少なくとも1つはNであり;
X
a’およびX
a’’はそれぞれ独立に、上記のようなX
aであり;
Zは、O、NH、-O-P(O)(OH)-O-、S、S(O)、SO
2または-O-S(O)
2-O-である)
を有するか、またはその塩もしくは立体異性体である。
特定の実施形態では、wは2であり、xは1であり、yは2である。したがって、特定の実施形態では、その化合物は式:
(式中、
X
1およびX
2はそれぞれ独立にNおよびCHから選択され、X
1およびX
2の少なくとも1つはNであり;
X
3およびX
4はそれぞれ独立に、NおよびCHから選択され、X
3およびX
4の少なくとも1つはNであり;
X
a’およびX
a’’はそれぞれ独立に、上記のようなX
aであり;
Zは、O、NH、-O-P(O)(OH)-O-、S、S(O)、SO
2または-O-S(O)
2-O-である)
を有するか、またはその塩もしくは立体異性体である。
特定の実施形態では、wは2であり、xは1であり、yは2である。したがって、特定の実施形態では、その化合物は式:
(式中、
X
1およびX
2はそれぞれ独立にNおよびCHから選択され、X
1およびX
2の少なくとも1つはNであり;
X
3およびX
4はそれぞれ独立に、NおよびCHから選択され、X
3およびX
4の少なくとも1つはNであり;
X
a’およびX
a’’はそれぞれ独立に、上記のようなX
aであり;
Zは、O、NH、-O-P(O)(OH)-O-、S、S(O)、SO
2または-O-S(O)
2-O-である)
を有するか、またはその塩もしくは立体異性体である。
特定の実施形態では、X1およびX2はそれぞれ独立にNおよびCHから選択され、X1およびX2の少なくとも1つはNである。いくつかの例では、X1はNであり、X2はNである。いくつかの例では、X1はNであり、X2はCHである。いくつかの例では、X1はCHであり、X2はNである。
特定の実施形態では、X3およびX4はそれぞれ独立に、NおよびCHから選択され、X3およびX4の少なくとも1つはNである。いくつかの例では、X3はNであり、X4はNである。いくつかの例では、X3はNであり、X4はCHである。いくつかの例では、X3はCHであり、X4はNである。
特定の実施形態では、Xa’およびXa’’は互いに独立に、上記のようなXa(例えば、スルホニル)である。特定の実施形態では、Xa’とXa”は同じである。特定の実施形態では、Xa’とXa”は異なっている。
特定の実施形態では、Zは、O、-O-P(O)(OH)-O-、NH、S、S(O)、SO2または-O-S(O)2-O-である。特定の実施形態では、ZはOである。特定の実施形態では、ZはNHである。特定の実施形態では、Zは-O-P(O)(OH)-O-である。特定の実施形態では、ZはSである。特定の実施形態では、ZはS(O)である。特定の実施形態では、ZはSO2である。特定の実施形態では、Zは-O-S(O)2-O-である。
例えば、特定の実施形態では、式(I)の化合物は以下の化合物:
(式中、
X
1およびX
2はそれぞれ独立にNおよびCHから選択され、X
1およびX
2の少なくとも1つはNであり;
X
3およびX
4はそれぞれ独立に、NおよびCHから選択され、X
3およびX
4の少なくとも1つはNであり;
X
a’およびX
a’’は上記のとおりである)
またはその塩もしくは立体異性体から選択される二量体である。
X
a’およびX
a”は上記のとおりである、またはその塩もしくは立体異性体である。
その化合物が二量体である特定の実施形態では、化合物は二量体プロドラッグであってよい。これらの実施形態では、二量体中の式(I)の2つの化合物を連結する連結基は、切断可能な連結基であってよい。「切断可能な(cleavable)」ということは、その連結基中の1つまたは複数の共有結合が分解され得ることを意味する。いくつかの例では、二量体中の連結基の切断によって活性薬剤部分(例えば、2つの薬学的に活性な化合物)が放出される。例えば、切断可能な連結基は、二量体中の式(I)の第1の化合物と式(I)の第2の化合物を連結する連結基中の1つまたは複数の結合の加水分解によって切断し得る。いくつかの実施形態では、切断可能な連結基の切断は、インビボで、例えば胃腸管(例えば、胃、小腸、大腸等)中、またはその化合物の所望の作用部位で行うことができる。特定の場合、切断可能な連結基を含む化合物は、所望の作用部位での、または、その二量体の投与の後の所望時間量後での薬学的に活性な形態の化合物(例えば、遅延放出製剤、制御放出製剤など)の送達を容易にすることができる。
特定の実施形態では、本明細書で説明する化合物は、プロドラッグの形態で提供することができる。「プロドラッグ」は、体内などの使用条件下で変換を受けて活性化合物を放出する活性化合物(例えば、薬物)の誘導体を指す。プロドラッグは、必ずというわけではないが、活性薬物へ転換されるまで薬理学的に不活性であってよい。プロドラッグは、プロ基での活性のために一部必要と考えられる薬物中の官能基をマスキングして、特定の使用条件下で切断などの変換を受けて官能基、したがって活性薬物を放出するプロ部分を形成させることによって得ることができる。プロ部分の切断は、加水分解反応などによって自発的に進行させることができ、また、別の作用因子(agent)、例えば酵素、光、酸によって、あるいは、温度変化などの物理的もしくは環境的パラメーターの変化またはそれへの曝露によって触媒作用させるまたは誘発させることができる。この作用因子は、それにプロドラッグが投与される細胞中に存在する酵素などの使用の条件、または胃の酸性条件に対して内因性であっても、あるいは、それは外因的に供給されてもよい。特定の場合、プロ基を含む化合物は、胃腸浸透性の増大、胃腸吸収性の増大および/または化合物の溶解性の増大を容易にすることができる。特定の場合、プロ基を含む化合物は、薬学的に活性な形態の化合物のための所望の作用部位で、または、化合物(例えば、遅延放出製剤、制御放出製剤など)の投与の後の所望時間量後でのプロ基の取り外しを容易にすることができる。活性薬物中の官能基をマスキングしてプロドラッグを得るのに適した広範囲のプロ基ならびに得られるプロ部分を使用することができる。例えば、ヒドロキシル官能基は、インビボで加水分解されてヒドロキシル基を提供できるスルホネート、エステルまたはカーボネートプロ部分としてマスキングすることができる。アミノ官能基は、インビボで加水分解されてアミノ基を提供できる、アミド、カルバメート、イミン、尿素、ホスフェニル、ホスホリルまたはスルフェニルプロ部分としてマスキングすることができる。カルボキシル基は、インビボで加水分解されてカルボキシル基を提供できる、エステル(シリルエステルおよびチオエステルを含む)、アミドまたはヒドラジドプロ部分としてマスキングすることができる。適切なプロ基およびそれらのそれぞれのプロ部分の具体的な例は、当業者に明らかであろう。本開示によるプロ基の実施形態も、以下でより詳細に説明する。
式(I)の化合物の実施形態を以下の表に示す。
本明細書で開示される具体的な化合物、およびその塩もしくは溶媒和物または立体異性体には:
化合物1:(E)-1-(ピリジン-3-イル)-4-(2-トシルビニル)-1,4-ジヒドロ-5H-テトラゾール-5-オン;
化合物2:(E)-1-メチル-4-(2-トシルビニル)-1,4-ジヒドロ-5H-テトラゾール-5-オン;
化合物3:(E)-1-(2-(メチルスルホニル)ビニル)-4-(ピリジン-3-イル)-1,4-ジヒドロ-5H-テトラゾール-5-オン;
化合物16:(E)-1-エチル-4-(2-トシルビニル)-1,4-ジヒドロ-5H-テトラゾール-5-オン;
化合物17:(E)-1-ベンジル-4-(2-トシルビニル)-1,4-ジヒドロ-5H-テトラゾール-5-オン;
化合物18:(E)-1-(2-((4-フルオロフェニル)スルホニル)ビニル)-4-メチル-1,4-ジヒドロ-5H-テトラゾール-5-オン;
化合物19:(E)-1-(2-((4-フルオロフェニル)スルホニル)ビニル)-4-(ピリジン-3-イル)-1,4-ジヒドロ-5H-テトラゾール-5-オン;
化合物20:(E)-4-メチル-2-(2-トシルビニル)-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オン;
化合物21:(E)-2-メチル-4-(2-トシルビニル)-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オン;
化合物22:(E)-1-(2-(フェニルスルホニル)ビニル)-4-(ピリジン-3-イル)-1,4-ジヒドロ-5H-テトラゾール-5-オン;
化合物23:(E)-1-メチル-4-(2-(フェニルスルホニル)ビニル)-1,4-ジヒドロ-5H-テトラゾール-5-オン;
化合物24:(E)-4-メチル-2-(2-(フェニルスルホニル)ビニル)-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オン;および
化合物25:(E)-2-メチル-4-(2-(フェニルスルホニル)ビニル)-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オン
が含まれる。
特定の実施形態では、その化合物は構造:
特定の実施形態では、その化合物は構造:
特定の実施形態では、その化合物は構造:
特定の実施形態では、その化合物は構造:
特定の実施形態では、その化合物は構造:
特定の実施形態では、その化合物は構造:
特定の実施形態では、その化合物は構造:
特定の実施形態では、その化合物は構造:
特定の実施形態では、その化合物は構造:
特定の実施形態では、その化合物は構造:
特定の実施形態では、その化合物は構造:
特定の実施形態では、その化合物は構造:
特定の実施形態では、その化合物は構造:
追加的なNrf2活性化化合物
本開示の組成物(例えば、医薬組成物)および方法は、以下で論じるようなNrf2活性化化合物を含むことができる。例えば、以下で論じるように、その化合物が存在しないNrf2の活性と比較して、目的化合物は、Nrf2の活性を選択的に増大させ得る。
特定の実施形態では、Nrf2活性化化合物は、α,β不飽和スルホン誘導体である。例えば、Nrf2活性化化合物は、α,β不飽和スルホニル官能基を含むことができる。
特定の実施形態では、Nrf2活性化化合物は、以下のもの(その塩もしくは溶媒和物または立体異性体を含む):
((E)-メチル3-(4-アセトアミドフェニルスルホニル)アクリレート);
((E)-メチル3-(メチルスルホニル)アクリレート);
((Z)-メチル3-(4-フルオロフェニルスルホニル)アクリレート);
((E)-エチル3-(フェニルスルホニル)アクリレート);
((E)-メチル3-(4-ブロモフェニルスルホニル)アクリレート);
((E)-メチル3-(ナフタレン-2-イルスルホニル)アクリレート);
((E)-エチル3-(4-ブロモフェニルスルホニル)アクリレート);
((E)-メチル3-(2-ニトロフェニルスルホニル)アクリレート);
((E)-メチル3-(フェニルスルホニル)アクリレート);
((E)-メチル3-(5-メチル-2-ニトロフェニルスルホニル)アクリレート);および
((E)-3-(メチルスルホニル)アクリル酸)
から選択される構造を有する。
説明される化合物には、1個または複数の原子が通常自然界でみられる原子質量とは異なる原子質量を有する同位体で標識された化合物も含まれる。本明細書で開示される化合物中に含め得る同位体の例には、これらに限定されないが、2H、3H、11C、13C、14C、15N、18O、17O等が含まれる。したがって、開示化合物は、そうした同位体の天然存在度に対してこれらの同位体の1つまたは複数が濃縮されていてよい。例として、重水素(2H;D)は約0.015%の天然存在度を有する。したがって、自然に存在するおよそ6,500個の水素原子毎に1個の重水素原子が存在する。本明細書で特に考慮されるのは、1つまたは複数の位置で重水素が濃縮されている化合物である。したがって、本開示の重水素を含有する化合物は、1つまたは複数の位置で(場合によって)で0.015%超の豊富な重水素を有する。いくつかの実施形態では、本明細書で説明される目的化合物のいずれか1つのR1基の1個または複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7個またはそれ以上)の水素原子が重水素で置換されている。
医薬組成物
特定の実施形態では、開示化合物は、自己免疫性または炎症性の疾患または障害などの疾患または障害の治療のために有用である。したがって、少なくとも1つの開示化合物を含む医薬組成物も本明細書で説明される。例えば、本開示は、薬学的に許容される担体、および治療上有効な量の本開示の化合物あるいは薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物または立体異性体を含む医薬組成物を提供する。
目的化合物を含む医薬組成物は、患者に、単独かまたは他の補助的な活性薬剤と併用して投与することができる。例えば、本開示による1つまたは複数の化合物は、補助的活性薬剤を含むか含まないで患者に投与することができる。例として、補助的な活性薬剤には、フマル酸ジメチルおよびフマル酸モノメチル、およびその塩が含まれる。医薬組成物は、これらに限定されないが、慣用的な混合、溶解、造粒、糖衣錠化、微粒子化(levigating)、乳化、カプセル化、封入、凍結乾燥などを含む様々なプロセスのいずれかを使用して製造することができる。医薬組成物は、これらに限定されないが、滅菌液剤、懸濁剤、乳剤、噴霧乾燥された分散剤、凍結乾燥物(lyophilisate)、錠剤、微小錠剤(microtablet)、丸剤、ペレット剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤、エリキシル剤または投与に適した他の任意の剤形を含む様々な形態のいずれかとすることができる。
目的化合物は、病状または症状の所望の低減をもたらすことができる任意の好都合な手段を使用して対象に投与することができる。したがって、目的化合物を、治療的に投与のための様々な製剤中に取り込むことができる。より具体的には、目的化合物は、適切な薬学的に許容される担体または賦形剤(diluent)と一緒にすることによって医薬組成物に製剤化することができ、固体、半固体、液体またはガス状の形態で製剤化して、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、軟膏剤、液剤、坐剤、注射剤、吸入剤、エアゾール剤などの調製物(preparations)にすることができる。
医薬組成物用の製剤は、例えば、開示化合物の薬学的送達に適した製剤(およびその成分)の例を説明している、Remington’s Pharmaceutical Sciences、by E.W.Martin、Mack Publishing Co.、Easton、Pa.、第19版、1995年に記載されている。目的化合物の少なくとも1つを含む医薬組成物を、ヒトまたは獣医用医薬で使用するために製剤化することができる。開示医薬組成物の具体的な製剤は、例えば、投与方式および/または治療を受ける対象の場所に依存する可能性がある。いくつかの実施形態では、製剤は、目的化合物などの少なくとも1つの活性成分に加えて薬学的に許容される担体を含む。他の実施形態では、例えば、治療を受ける疾患または状態に対して、類似した、関連したまたは補完的な効果を有する他の医薬品または薬剤を、活性成分としてその医薬組成物中に含めることもできる。
本開示の方法および組成物に有用な薬学的に許容される担体は、用いられる具体的な投与方式に依存する可能性がある。例えば、非経口製剤は、注入可能な液体、例えば、これらに限定されないが、水、生理食塩水、平衡塩溶液(balanced salt solution)、水性デキストロース、グリセロールまたはビヒクルとしての同種のものなどの薬学的および生理学的に許容される液体を含むことができる。固体組成物(例えば、散剤、丸剤、錠剤またはカプセル剤の形態)のためには、非毒性固体担体は、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプンまたはステアリン酸マグネシウムを含むことができる。生物学的に中性な担体に加えて、投与しようとする医薬組成物は、任意選択で、少量の非毒性の補助物質(例えば、添加剤(excipient))、例えば湿潤剤または乳化剤、保存剤およびpH緩衝剤など;例えば酢酸ナトリウムまたはソルビタンモノラウレートを含むことができる。添加剤の他の例には、非イオン性可溶化剤、例えばクレモフォール(cremophor)またはタンパク質、例えばヒト血清アルブミンまたは血漿分画製剤(plasma preparations)が含まれる。
薬学的に許容される担体としての役目を果たすことができる材料のいくつかの例には:(1)糖、例えばラクトース、グルコースおよびスクロース;(2)デンプン、例えばコーンスターチおよびジャガイモデンプン;(3)セルロースおよびその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース;(4)粉末トラガカント;(5)モルト;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)添加剤、例えばココアバターおよび坐剤ワックス;(9)油、例えばピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ごま油、オリーブ油、コーンオイルおよび大豆油;(10)グリコール、例えばプロピレングリコール;(11)ポリオール、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール;(12)エステル、例えばオレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;(13)寒天;(14)緩衝剤、例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;(15)アルギン酸;(16)水(例えば、パイロジェン除去水);(17)等張食塩水;(18)リンガー溶液;(19)エチルアルコール;(20)pH緩衝液;(21)ポリエステル、ポリカーボネートおよび/またはポリ酸
無水物;ならびに(22)医薬製剤で使用される他の非毒性の適合物質が含まれる。
開示医薬組成物は、開示化合物の薬学的に許容される塩として製剤化することができる。薬学的に許容される塩の例には、所望の、遊離塩基の薬理学的活性を有する遊離塩基形態の化合物の非毒性塩が含まれる。これらの塩は、無機または有機の酸から誘導することができる。適切な無機酸の非限定的な例は、塩酸、硝酸、臭化水素酸、硫酸、ヨウ化水素酸およびリン酸である。適切な有機酸の非限定的な例は、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、メチルスルホン酸、サリチル酸、ギ酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、グルコン酸、アスパラガス酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、その組合せなどである。特定の実施形態では、薬学的に許容される塩にはギ酸が含まれる。薬学的に許容される塩の他の例には、本開示による化合物の遊離酸形態の非毒性塩が含まれる。そうした塩は無機または有機の塩基から誘導される。薬学的に許容される塩基付加塩には、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム塩、その組合せなどの無機塩基から誘導されるものが含まれる。塩の例は、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウム塩である。本明細書で開示される化合物の塩は、これらに限定されないが、第一、第二および第三アミン、天然由来の置換アミンを含む置換アミン、環状アミンおよび塩基性イオン交換樹脂、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-プロパン-1,3-ジオール(「トリス」塩)、ジシクロヘキシルアミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルコサミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジン、その組合せなどを含む薬学的に許容される有機非毒性塩基から誘導することができる。薬学的に許容される塩は、さらに、S.M.Bergeら、「Pharmaceutical Salts」、J.Pharm.Sci.、1977年;66:1~19頁およびRemington’s Pharmaceutical Sciences、第19版、Mack Publishing Company、Easton、Pa.、1995年に記載されている。
目的化合物は、単独か、あるいは錠剤、散剤、顆粒剤またはカプセル剤を作るための適切な添加物、例えば慣用的な添加物、例えばラクトース、マンニトール、コーンスターチまたはジャガイモデンプン;結合剤、例えば結晶性セルロース、セルロース誘導体、アカシア、コーンスターチまたはゼラチン;崩壊剤、例えばコーンスターチ、ジャガイモデンプンまたはカルボキシメチルセルロースナトリウム;滑沢剤、例えばタルクまたはステアリン酸マグネシウム;望むなら賦形剤、緩衝剤、湿潤剤、保存剤および香味剤と組み合わせて使用することができる。そうした調製物は、経口投与のために使用することができる。
目的化合物は、水性または非水性溶媒、例えば植物油もしくは同様の他の油、合成脂肪酸グリセリド、高級脂肪酸のエステルまたはプロピレングリコールの中にその化合物を、望むなら、可溶化剤、等張剤、懸濁化剤、乳化剤、安定剤および保存剤などの慣用的な添加物と一緒に溶解、懸濁、または乳化させることによって注射用の調製物に製剤化することができる。この調製物を乳化させるか、または活性成分をリポソームビヒクル中にカプセル化することもできる。注射に適した製剤は、硝子体内、眼球内、筋肉内、皮下、舌下、または他の投与経路、例えば歯肉組織もしくは他の口腔組織中への注射によって投与することができる。そうした製剤は局所投与にも適している。
いくつかの実施形態では、目的化合物は、連続送達系で送達することができる。「連続送達系」という用語は、本明細書では「制御送達系」と互換的に使用され、これは、カテーテル、注入デバイス、およびその様々なものが当業界で公知である同様のものと組み合わせた連続(例えば、制御)送達デバイス(例えば、ポンプ)を包含する。
目的化合物は、吸入により投与されることになるエアゾール製剤で使用することができる。目的化合物は、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素など加圧型の許容される噴射剤中に製剤化することができる。
さらに、目的化合物は、乳化用ベースまたは水溶性ベースなどの様々なベースと混合することによって坐剤にすることができる。目的化合物は、坐剤によって経直腸で投与することができる。坐剤は、体温で溶融するが室温では実質的に固体であるココアバター、カルボワックスポおよびリエチレングリコールなどのビヒクルを含むことができる。
本明細書で使用するような「単位剤形」という用語は、ヒトおよび動物対象のための単位投薬量として適している物理的に離散した単位を指し、各単位は、所望効果をもたらすのに十分な量で計算された所定量の目的化合物を、薬学的に許容される賦形剤、担体またはビヒクルと一緒に含む。目的化合物のための仕様は、使用される具体的な化合物、達成しようとする効果、および宿主中での各化合物に関係する薬力学に依存する。
開示医薬組成物の剤形は、選択される投与方式によって決定することができる。例えば、注射可能な液体に加えて、局所または経口剤形を使用することができる。局所調製物は、点眼剤、軟膏剤、噴霧剤などを含むことができる。経口製剤は液体(例えば、シロップ剤、液剤または懸濁剤)であっても、固体(例えば、散剤、丸剤、錠剤またはカプセル剤)であってもよい。そうした剤形を調製する方法は公知であるか、または当業者に明らかであろう。
目的化合物を含む医薬組成物の特定の実施形態は、正確な投薬量の個々の投与に適した単位剤形で製剤化することができる。投与される活性成分の量は、治療を受ける対象、その苦痛の重症度、投与の仕方に依存する可能性があり、これは、当業者に公知である。特定の場合、投与される製剤は、治療を受ける対象において所望の効果を達成するのに効果的な量で、本明細書で開示される化合物の量を含む。
各治療化合物は独立に、本明細書で説明するものなどの任意の剤形であってよく、やはり本明細書で説明するような様々な手段で投与することができる。例えば、これらの化合物は、併用製品として、単一の投薬単位で一緒に(すなわち、例えばカプセル剤、錠剤、散剤または液剤等の1つの形態で一緒に)製剤化し得る。あるいは、単一の投薬単位で一緒に製剤化しない場合、個々の目的化合物を、別の治療化合物と同時に、またはその任意の順番で逐次投与することができる。
開示化合物は、唯一の活性薬剤として単独で、あるいは、1つまたは複数の追加の本開示の化合物と組み合わせて、または他の薬剤と一緒に投与することができる。組合せて投与する場合、これらの治療剤を、同時かまたは異なる時点で投与される別個の組成物として製剤化することができ、あるいは、これらの治療剤を、2つ以上の治療剤を組み合わせた単一の組成物として一緒に投与することができる。したがって、本開示の化合物を含む本明細書で開示される医薬組成物は、任意選択で他の治療剤を含む。したがって、特定の実施形態は、その組成物が、当業者に公知なものとして選択された治療上有効な量の薬剤をさらに含む、そうした医薬組成物を対象とする。
投与方法
目的化合物は、自己免疫性または炎症性の疾患または障害などの対象における疾患または障害を治療するための用途が見出される。投与経路は、これらに限定されないが、治療を受ける状態、使用される製剤および/またはデバイス、治療を受ける患者などを含む様々な因子によって選択し得る。開示の方法で有用な投与経路には、これらに限定されないが、経口および非経口経路、例えば静脈内(iv)、腹腔内(ip)、経直腸、局所、眼内(ophthalmic)、経鼻および経皮が含まれる。これらの剤形用の製剤を本明細書で説明する。
目的化合物の有効量は、少なくとも、具体的な使用方法、治療を受ける対象、その苦痛の重症度、および治療組成物の投与の仕方に依存する可能性がある。組成物の「治療上有効な量」は、治療を受ける対象(例えば、患者)において所望の効果を達成するのに十分な特定の化合物の量である。例えば、これは、自己免疫性または炎症性の疾患または障害などの対象における疾患または障害を防止、抑制、軽減または緩和するのに必要な目的化合物の量であってよい。理想的には、化合物の治療上有効な量は、対象の宿主細胞に対して実質的な細胞毒性効果を引き起こすことなく、対象における疾患または障害を防止、抑制、軽減または緩和するのに十分な量である。
当業者は、適用可能な本明細書で開示される化合物のEC50と少なくとも同じ高さの局所(例えば、組織)濃度を達成するのを目的として、目的化合物または医薬組成物の治療有効用量を決定することができる。
投薬範囲の例は、単一または分割用量で、経口で0.1~200mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投薬範囲は、単一または分割用量で、経口で1.0~50mg/kg体重、1.0~25mg/kg体重、1.0~10mg/kg体重を含む1.0~100mg/kg体重である(平均体重を約70kgと仮定する;値は、平均より多いかまたは少ないその人の重量に応じて調整することができる)。経口投与のために、その組成物は、治療を受ける対象への症状による投薬量の調整のため、例えば、約10~約1000mgの活性成分、例えば25~750mgまたは50~500mg、例えば75mg、100mg、200mg、250mg、400mg、500mg、600mg、750mgまたは1000mgの活性成分を含む錠剤の形態で提供される。経口投薬レジメンの特定の実施形態では、500mg~1000mgの活性成分を含む錠剤を1回投与し(例えば、ローディング用量)、続いて、3日間またはそれ以上にわたって6~24時間毎に、1/2(すなわち、半分)投薬量錠剤(例えば250~500mg)を投与する。
特定の任意の対象に対する具体的な用量レベルおよび投薬頻度は、変えることができ、それは、目的化合物の活性、その化合物の代謝的安定性および作用の長さ、対象の年齢、体重、全体的な健康、性別および食事、投与の方式および時間、排出速度、薬物の組合せならびに治療を受ける宿主の状態の重症度を含む、様々な因子に依存する可能性がある。
本開示の実施形態は、1つまたは複数の開示化合物と、疾患または障害の治療において有用な1つまたは複数の他の薬剤または治療法の併用も含む。特定の場合、その疾患または障害は、自己免疫性または炎症性の疾患または障害である。特定の場合、その疾患または障害は、尋常性乾癬などの乾癬である。特定の場合、その疾患または障害は多発性硬化症である。例えば、1つまたは複数の開示化合物を、治療有効用量の他の医薬品および薬剤と併用して、または他の非医薬品治療、例えばホルモン(例えば、コルチコステロイド)もしくは放射線治療(例えば、光線療法)と併用して投与することができる。「併用での投与(administration in combination with)」という用語は、活性薬剤の同時投与と逐次投与の両方を指す。
治療方法
本開示において説明される化合物は、治療を必要とする対象における疾患または障害、例えば酸化的ストレス(例えば、損傷または自己免疫もしくは炎症性の疾患または障害によって引き起こされる酸化的ストレス)によって引き起こされる疾患または障害を治療するのに有用である。特定の例では、その疾患または障害は、抗酸化物質による、例えば1つまたは複数の抗酸化タンパク質による治療に適している疾患または障害である。特定の例では、その疾患または障害は、治療を必要とする対象における抗酸化タンパク質の発現の増大による治療に適している疾患または障害である。特定の例では、その疾患または障害は、治療を必要とする対象における、その抗酸化タンパク質の発現がNrf2によって調節される、抗酸化タンパク質の発現の増大による治療に適している疾患または障害である。
特定の場合、その疾患または障害は、自己免疫性または炎症性の疾患または障害である。特定の場合、その疾患または障害は尋常性乾癬などの乾癬である。特定の場合、その疾患または障害は多発性硬化症である。本明細書で開示される化合物で治療できる他の疾患には、肺動脈高血圧症(PAH)、非アルコール性およびアルコール性脂肪性肝炎、外傷性脳損傷、放射線曝露ならびにシアン化物などの毒性薬品に対する曝露が含まれる。
したがって、本開示は、炎症を治療するために、有効量のその塩もしくは溶媒和物または立体異性体を含む目的化合物を投与することによって、対象における炎症性疾患を治療する方法を提供する。例えば、本開示は、対象における炎症性疾患を治療する方法を提供する。特定の実施形態では、この方法は、対象(例えば、患者)に、本開示の化合物あるいはその塩もしくは溶媒和物または立体異性体を投与するステップを含む。
さらに、本開示は、自己免疫疾患を治療するために、有効量のその塩もしくは溶媒和物または立体異性体を含む目的化合物を対象に投与することによって、対象における自己免疫疾患を治療する方法も提供する。例えば、本開示は、対象における自己免疫疾患を治療する方法も提供する。特定の実施形態では、この方法は、対象(例えば、患者)に、本開示の化合物あるいはその塩もしくは溶媒和物または立体異性体を投与するステップを含む。
特定の実施形態では、本明細書で開示される治療の方法(例えば、自己免疫性または炎症性の疾患または障害を治療するため)において有用な化合物には、本明細書で開示される式(I)の化合物が含まれる。
特定の実施形態では、本明細書で開示される治療の方法(例えば、自己免疫性または炎症性の疾患または障害を治療するため)において有用な化合物は以下の構造の化合物:
特定の実施形態では、本明細書で開示される治療の方法(例えば、自己免疫性または炎症性の疾患または障害を治療するため)において有用な化合物は以下の構造の化合物:
特定の実施形態では、本明細書で開示される治療の方法(例えば、自己免疫性または炎症性の疾患または障害を治療するため)において有用な化合物は以下の構造の化合物:
特定の実施形態では、本明細書で開示される治療の方法(例えば、自己免疫性または炎症性の疾患または障害を治療するため)において有用な化合物には、以下で挙げるような構造を有する化合物:
((E)-メチル3-(4-アセトアミドフェニルスルホニル)アクリレート);
((E)-メチル3-(メチルスルホニル)アクリレート);
((Z)-メチル3-(4-フルオロフェニルスルホニル)アクリレート);
((E)-エチル3-(フェニルスルホニル)アクリレート);
((E)-メチル3-(4-ブロモフェニルスルホニル)アクリレート);
((E)-メチル3-(ナフタレン-2-イルスルホニル)アクリレート);
((E)-エチル3-(4-ブロモフェニルスルホニル)アクリレート);
((E)-メチル3-(2-ニトロフェニルスルホニル)アクリレート);
((E)-メチル3-(フェニルスルホニル)アクリレート);
((E)-メチル3-(5-メチル-2-ニトロフェニルスルホニル)アクリレート);または
((E)-3-(メチルスルホニル)アクリル酸)
が含まれる。
特定の実施形態では、本明細書で開示される治療の方法(例えば、自己免疫性または炎症性の疾患または障害を治療するため)において有用な化合物は以下の構造の化合物:
特定の実施形態では、本明細書で開示される治療の方法(例えば、自己免疫性または炎症性の疾患または障害を治療するため)において有用な化合物は以下の構造の化合物:
特定の実施形態では、本明細書で開示される治療の方法(例えば、自己免疫性または炎症性の疾患または障害を治療するため)において有用な化合物は以下の構造の化合物:
特定の実施形態では、本明細書で開示される治療の方法(例えば、自己免疫性または炎症性の疾患または障害を治療するため)において有用な化合物は以下の構造の化合物:
特定の実施形態では、本明細書で開示される治療の方法(例えば、自己免疫性または炎症性の疾患または障害を治療するため)において有用な化合物は以下の構造の化合物:
特定の実施形態では、本明細書で開示される治療の方法(例えば、自己免疫性または炎症性の疾患または障害を治療するため)において有用な化合物は以下の構造の化合物:
特定の実施形態では、本明細書で開示される治療の方法(例えば、自己免疫性または炎症性の疾患または障害を治療するため)において有用な化合物は以下の構造の化合物:
特定の実施形態では、本明細書で開示される治療の方法(例えば、自己免疫性または炎症性の疾患または障害を治療するため)において有用な化合物は以下の構造の化合物:
特定の実施形態では、本明細書で開示される治療の方法(例えば、自己免疫性または炎症性の疾患または障害を治療するため)において有用な化合物は以下の構造の化合物:
特定の実施形態では、本明細書で開示される治療の方法(例えば、自己免疫性または炎症性の疾患または障害を治療するため)において有用な化合物は以下の構造の化合物:
いくつかの実施形態では、目的化合物は、インビボでの分解に対して耐性がある。特定の実施形態では、目的化合物はインビボで安定である。例えば、本開示の化合物は、インビボで実質的に切断されない共有結合を介してその化合物のテトラゾロンまたはトリアゾロン環と結合しているR1基(例えば、本明細書で説明するような)を含むことができる。特定の場合、目的化合物は、インビボでの長い半減期、例えば4時間以上、例えば6時間以上、8時間以上、12時間以上、1日以上、2日以上、3日以上、4日以上、5日以上、6日以上、1週間以上、2週間以上、4週間以上、さらにはそれを超える半減期を有する。本明細書で使用するような「インビボでの半減期」という用語は、着目物質の血漿中の濃度が、その定常状態値の2分の1に達するまでにかかる時間を指す。
本開示による治療のための疾患または状態には、これらに限定されないが、乾癬、多発性硬化症、炎症性腸疾患、喘息、慢性閉塞性肺疾患および関節炎が含まれる。例えば、本開示による治療のための疾患または状態には、これらに限定されないが:乾癬、例えば尋常性乾癬;喘息;慢性閉塞性肺疾患(COPD)、例えば気管支炎、肺気腫ならびに他の肺疾患、例えば石綿肺症、塵肺症および肺新生物;リウマチ性関節炎、若年性関節リウマチ(若年性特発性関節炎)、乾癬性関節炎および関節の炎症をもたらす強直性脊椎炎を含む炎症性関節炎などの関節炎;左心室不全、心筋梗塞および狭心症を含む心不全;パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALSまたはルー・ゲーリック病)、網膜色素変性症およびミトコンドリア脳筋症などのミトコンドリア病および神経変性疾患;移植拒絶;多発性硬化症、虚血および再かん流傷害を含む自己免疫疾患、年齢によるゲノム損傷;クローン病および潰瘍性結腸炎のような炎症性腸疾患(IBD);ならびにNF-κΒ介在疾患を含む免疫学的な自己免疫性および/または炎症性疾患が含まれる。
本開示による治療のための他の疾患または状態には、これらに限定されないが、リウマチ(性)(rheumatica)、環状肉芽腫、狼瘡、自己免疫性心臓炎、湿疹、サルコイドーシス、ならびに急性散在性脳脊髄炎、アジソン病、円形脱毛症、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳疾患、水疱性類天疱瘡、ベーチェット病、セリアック病、シャーガス病、慢性閉塞性肺疾患、クローン病、皮膚筋炎、1型真性糖尿病、子宮内膜症、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本病、化膿性汗腺炎、川崎病、IgA腎症、特発性血小板減少性紫斑病、間質性膀胱炎、エリテマトーデス(lupus erythematosus)、混合性結合組織疾患、モルフェア、多発性硬化症、重症筋無力症、ナルコレプシー、神経性筋強直症、尋常性天疱瘡、悪性貧血、乾癬、乾癬性関節炎、多発性筋炎、原発性胆汁性肝硬変、関節リウマチ、統合失調症、強皮症、シェーグレン症候群、全身硬直症候群、側頭動脈炎、潰瘍性結腸炎、血管炎、白斑症およびウェゲナー肉芽腫症を含む自己免疫疾患が含まれる。
本開示による治療のための追加的な疾患または状態には、これらに限定されないが、リポイド類壊死症、環状肉芽腫、サルコイドーシス、円形脱毛症、肉芽腫性口唇炎、再発性口腔内アフタ、非感染性慢性膣炎、毛孔性紅色粃糠疹、環状弾性線維融解性巨細胞性肉芽腫(annular elastolytic giant cell granuloma)などが含まれる。本開示による治療のための疾患または状態には、ハンチントン病、マラリア、HIV、HIV関連神経変性障害、気管支喘息、心筋梗塞、慢性閉塞性肺疾患、HSV1角膜炎および臓器移植に起因する免疫抑制も含まれる。
特定の実施形態では、目的化合物は、細胞増殖性障害などの疾患または障害を治療するのに有用である。本明細書で開示される目的化合物で治療可能な細胞増殖性障害は、異常な細胞増殖を特徴とする任意の障害に関連している。これらには、良性または悪性、転移性または非転移性の様々な腫瘍およびがんが含まれる。組織侵襲性または転移などのがん特異的な特徴は、本明細書で説明される方法を用いて標的化することができる。細胞増殖性障害には、とりわけ、乳がん、結腸がん、メラノーマ、神経膠芽腫、卵巣がん、腎臓がん(renal cancer)、消化管がん、腎臓がん(kidney cancer)、膀胱がん、膵臓がん、肺扁平上皮がん腫(lung squamous carcinoma)および腺がん(adenocarcinoma)を含む様々ながんが含まれる。
本開示の化合物は、研究手段としての用途も見出すことができる。したがって、本開示は、生物学的な系または試料を試験する、あるいは対象における自己免疫性または炎症性の疾患または障害を治療するための用途を有する新規な化合物を発見するための研究手段として、本開示の化合物あるいはその塩もしくは溶媒和物または立体異性体を使用する方法も提供する。
実施形態は、治療において、または医薬品として使用するための本開示の化合物あるいはその塩もしくは溶媒和物または立体異性体も対象とする。例えば、実施形態は、医薬品の製造のため;例えば自己免疫性または炎症性の疾患または障害の治療用の医薬品の製造のための本開示の化合物あるいはその塩もしくは溶媒和物または立体異性体の使用を含む。いくつかの場合、これらの実施形態は、多発性硬化症などの自己免疫疾患の治療用の医薬品の製造のための、本開示の化合物あるいはその塩もしくは溶媒和物または立体異性体の使用も対象とする。これらの実施形態は、乾癬などの炎症性の疾患または障害の治療用の医薬品の製造のための、本開示の化合物あるいはその塩もしくは溶媒和物または立体異性体の使用も対象とする。本開示による治療のための他の疾患または状態は上記に論じられている。
機能特性の特性評価
以下は、本開示の化合物の活性を評価するのに有用なアッセイの例である。
A.インビトロ
1.グルタチオン枯渇アッセイ
1つの態様では、本発明の化合物は、反応性チオール基に対してインビボでマイケル受容体として作用することによってそれらの治療効果を発揮する。例えば、LehmannらのDimethyfumarate Induces Immunosuppression via Glutathione Depletion and Subsequent Induction of Heme Oxygenase 1、Journal of Investigative Dermatology(2007年)127巻、835~845頁を参照されたい。したがって、本発明の化合物を、以下のようにして、グルタチオンと反応させることによってインビトロで評価し得る:
d6-DMSO(1.2mL)中のフマル酸ジメチル(5.2mg、3.6mmol)と還元型グルタチオン(22.4mg、7.3mmol;2equiv.)の混合物を、ねじぶた付き(screw-top)バイアル瓶中で混合し、混合物を35℃で撹拌した(ねじぶたをしっかり閉じて)。一定分量の試料を間欠的な時間点で取り出し、1H NMR測定をした[注記:1H NMRによる分析後、試料を、加熱されたバイアル瓶に戻し、反応を続行することができる)。1H NMRは、3時間後でのグルタチオンとの大部分の反応(二重結合へのマイケル付加による)、および27時間までの完全な反応を示している。
上記反応を、d6-DMSO(3.0mL)中35℃で、フマル酸モノメチル(11.4mg、8.8mmol)および還元型グルタチオン(55.5mg、18.0mmol)を使用して繰り返した。1H NMRによる判定で、27時間までに大部分の反応が確認された。
上記反応を、d6-DMSO(1.2mL)中35℃で、メチル(E)-3-(5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-テトラゾール-1-イル)アクリレート(6.2mg、3.6mmol)および還元型グルタチオン(22.4mg、7.2mmol)を使用して繰り返した。1H NMRによる判定で、30時間までに大部分の反応が確認された。
上記反応を、d6-DMSO(1.2mL)中35℃で、メチル(E)-3-(4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-テトラゾール-1-イル)アクリレート(6.6mg、3.6mmol)および還元型グルタチオン(22.4mg、7.2mmol)を使用して繰り返した。1H NMRによる判定で、30時間までに大部分の反応が確認された。
上記の場合のすべてにおいて、出発原料からのアルケンプロトンシグナルの消失を、グルタチオンでのマイケル反応の程度を判定するために使用する。
当業者に理解されるように、上記実験は、還元型グルタチオンの当量を変化させることによって(0.5~2当量)繰り返すことができ;反応をd6-DMSOとD2Oの混合物中でも行うことができ;反応温度を室温~35℃(35℃は体温を模倣するために使用される)で変化させることもできる。本明細書で使用するような「大部分の反応」は、1H NMRで確認して、アルケンプロトンシグナルの50%超の減少を意味する。
当業者に周知の他のインビトロでのアッセイを、本発明の化合物の抗炎症効能を実証するために使用することができる。例えば、特定の化合物は、LPSで刺激されたΤΗΡ1細胞中での炎症性サイトカインIL-23の産生を阻止した。
B.インビボ
1.マウス実験による自己免疫性脳脊髄炎アッセイ
自己免疫疾患に対する化合物のインビボでの効能は、実験的な自己免疫性脳脊髄炎(EAE)のマウスモデルにおいて実証することができる。
モデルの説明:EAEは、多発性硬化症(MS)、CNS白質の免疫細胞浸潤によって引き起こされるCNSの自己免疫疾患のための有用なモデルである。炎症、および続くミエリンの破壊は、進行性の麻痺を引き起こす。ヒトの疾患のように、EAEは、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)、プロテオリピドタンパク質(PLP)またはミエリンオリゴデンドロサイトタンパク質(MOG)などのミエリンタンパク質と自己反応性であるT細胞の末梢活性化と関連している。活性化された神経抗原特異性T細胞は、血液脳関門を通過し、限局的な単核細胞の浸潤および脱髄をもたらす。EAEは、アジュバントと組み合わせたミエリン特異性タンパク質での免疫化によって、感受性マウス株において誘発させることができる。これらの試験で使用されるSJLマウスモデルにおいて、後肢および尾部の麻痺が免疫化後10日目で現れ、疾患重症度のピークを10~14日目の間に観察することができ、部分的な自然寛解、続く再発のサイクルを、35日目まで観察することができる。これらの結果は、化合物が、疾患重症度を抑制し、免疫細胞からのFcγR介在サイトカイン放出の結果であり得る疾患の症状の再発を防止する潜在性を実証することができる。
試験プロトコール:EAEのSJLマウスモデルにおいて、各マウスを、プロテオリピドタンパク質(PLP)/完全フロイントアジュバント(CFA)で感作させる(合計0.2mlの乳剤について、後方側腹の4つの部位上に、0.05mlのホモジネート中の200μg CFAを含む150μgのPLP139-151を、EAEを誘発させるために使用する)。抑制プロトコールにおいて、ビヒクルかまたは種々の用量の試験化合物を、免疫化の日(0日目)にスタートして経口強制飼養により投与する。治療プロトコールにおいて、疾患の発症時に、動物を、最初に、類似した平均臨床スコアを有する群が得られるように分離し、ビヒクル、または種々の投薬頻度の試験化合物を経口強制飼養により投与する。両方のプロトコールにおいて、臨床スコアを毎日監視し、体重を週2回測定する。
結果の判定:PLP免疫化後10日間で、それらの平均臨床スコアの増大で証明されるように、SJLマウスは、臨床的EAEを発現することができる。麻痺スコアは、ビヒクルだけで治療された動物において、免疫化の日(0日目)から徐々に増大することができ、14日目で、平均スコアは約5.1のピークに達することができる。疾患のピーク(例えば、14日目)で、日に1回かまたは日に2回治療された動物における平均臨床スコアを大幅に減少させることができる。16日目で、動物は平均臨床的重症度の部分寛解を示すことができ、これは、SJLモデルの特徴である。試験化合物で日に2回治療された動物におけるより低い臨床スコアは、30日目にその動物が屠殺されるまで、実験を通して有意で留まることができる。治療期間を通したこれらのより低いスコアは、大幅に低い累積疾患指標(CDI)および累積重量指標(CWI)の増大に反映されている。
疾患発症時(例えば、11日目)に試験化合物で治療されたSJLマウスは、CDIの有意な減少を示すことができる。さらに、ビヒクルで治療された動物における再発の数と比較して、試験化合物で治療された動物における再発の数の減少があり得る。
2.実験的な自己免疫性脳脊髄炎の動物モデル
多発性硬化症などの自己免疫疾患を治療するための化合物のインビボでの治療効能を、実験的な自己免疫性脳脊髄炎(EAE)の動物モデルで評価することができる。
動物およびEAE誘発:メスのC57BL/6マウス、8~10週齢を、完全フロイントアジュバント(CFA)(4mg/mL結核菌(Mycobacterium tuberculosis)を含む)で乳化された200μgのミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質ペプチド(MOG35-55)(1:1体積比)を用いて、側腹部および中肩甲部の皮下で免疫化する。この乳剤は、三方コックが連結された2つのガラス製ルアーロック(Luer-Lock)シリンジを用いてシリンジ押出法により調製する。マウスには、免疫化の当日および免疫化後2日目に、200ngの百日咳毒素の腹腔内注射も施す。マウスを計量し、実験的な自己免疫性脳脊髄炎(EAE)の臨床兆候について毎日観察する。餌と水を適宜与え、動物が病気の症状を示し始めたら、ケージ底部に餌を与える。
治療プロトコール:種々の濃度の試験化合物を含む液剤を、異なる治療群に、免疫化後3日目から出発して終わりまで経口強制飼養により1日2回投与する。デキサメタゾンを、1×PBS緩衝液(1mg/kg)に溶解し、これを1日1回皮下で投与する。
臨床評価:マウスを、免疫化後7日目から初めて1日1回スコア化する。臨床採点スケールは以下のとおりである:0=正常;1=尾の完全下垂(limp tail)または後肢の虚弱(歩行の際のケージ上部のバー間での足のスリップで定義される);2=尾部の完全下垂および後肢の虚弱;3=部分的な後肢麻痺(後肢に体重負荷はかけられないが、なお、一方または両方の後肢をある程度動かすことができると定義される);4=完全な後肢麻痺;5=瀕死の状態(前肢麻痺を含む)または死。いくつかの実施形態では、化合物1(メチル(E)-3-(5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-テトラゾール-1-イル)アクリレート)は、免疫化の当日に開始して60mg/kgで投与した場合、疾患麻痺の発現を著しく防止する。
3.乾癬の治療における治療効能を評価するための動物モデル
乾癬を治療するための化合物のインビボでの治療効能は、実験動物モデルで評価することができる。例えば、重症複合免疫不全(SCID)マウスモデルを、ヒトの乾癬を治療するための化合物の効能を評価するために使用することができる。
SCIDマウスを組織レシピエントとして使用する。それぞれの正常または乾癬性志願者について1つのバイオプシーを、レシピエントマウスの背面上に移植する。治療を、移植後1~2週間で開始する。ヒト皮膚移植片を有する動物を治療群に分ける。動物を1日2回、14日間治療する。治療の最後に、動物を写真撮影し、次いで安楽死させる。移植されたヒト組織を、周りのマウス皮膚と一緒に摘出し、10%ホルマリン中に固定し、顕微鏡検査用に試料を得る。表皮厚さを測定する。組織切片を、移植された組織におけるヒトTリンパ球を検出するための、増殖関連抗原Ki-67への抗体、および抗ヒトCD3+モノクローナル抗体で染色する。切片を、また、c-mycおよびβ-カテニンに対する抗体でもプローブする。治療に対する肯定応答は、乾癬性皮膚移植片の平均表皮厚さの減少に反映される。肯定応答は、ケラチノサイト中のKi-67の発現減少にも関連している。
4.多発性硬化症の治療における治療効能を評価するための動物モデル
多発性硬化症を治療するための化合物のインビボでの治療効能は、実験動物モデルで評価することができる。
実験を、4~6週齢で体重17~20gのメスのC57BL/6マウスで実施する。実験的な自己免疫性脳脊髄炎(EAE)を、≧95%純度の合成ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質ペプチド35-55(MOG35-55、MEVGWYRSPFSRVVHLYRNGK)(配列番号1)を使用して積極的に誘発させる。各マウスを麻酔し、100μLのリン酸緩衝生理食塩水中に乳化された200μgのMOGペプチド、およびキラヤ樹皮からの15μgのサポニン抽出物を各マウスに施す。25μLの用量を、4つの側腹部領域に皮下注射する。マウスには、また、200μLのPBS中の200ngの百日咳毒素も腹腔内注射する。48時間後に、百日咳毒素の2回目の同じ注射を施す。
試験化合物を、用量を変えて投与する。対照動物に25μLのDMSOを施す。毎日の治療を、免疫化後26日目から36日目まで延長する。臨床スコアを、免疫化後0日目から60日目まで毎日得る。臨床兆候を以下のプロトコールを用いてスコア化する:0、検出可能な兆候なし;0.5、遠位の尾部の下垂(limpness)、猫背の外観および静かな態度;1、尾部の完全下垂;1.5、尾部の完全下垂および後肢虚弱(不安定な歩行および後肢での弱い握り);2、一方の部分的な後肢麻痺;2.5、両方の後肢麻痺;3、完全な両方の後肢麻痺;3.5、完全な後肢麻痺および一方の前肢麻痺;4、後肢および前肢の完全麻痺。
炎症および脱髄を、EAEマウスのCNSからの切片についての組織学的検査によって評価する。マウスを30日または60日後に安楽死させ、全脊髄を取り出し、4℃で終夜0.32Mスクロース溶液中に置く。組織を用意し、薄片にする。ルクソールファストブルー染料を、脱髄の領域を観察するために使用する。ヘマトキシリンおよびエオシン染色を用いて、単核細胞の核を濃く染色することによって炎症領域を強調させる。H&Eで染色された免疫細胞を、光学顕微鏡下で盲検によりカウントする。切片を灰白質と白質に分け、各区域を手作業でカウントし、次いで一緒にして切片についての合計を得る。T細胞を、抗CD3+モノクローナル抗体で免疫標識する。洗浄した後、切片をヤギ抗ラットHRP二次抗体でインキュベートする。次いで、切片を洗浄し、メチルグリーンで対比染色する。免疫化後30日および60日でマウスから単離された脾細胞を溶解バッファーで処理して赤血球を除去する。次いで細胞をPBSに再懸濁し、カウントする。約3×106細胞/mLの密度で、細胞を、20μg/mLのMOGペプチドで終夜インキュベートする。刺激された細胞からの上澄みを、適切なマウスIFN-γイムノアッセイシステムを用いて、IFN-γタンパク質レベルについてアッセイする。
研究用途
目的化合物は、自己免疫性および炎症性の疾患および障害の治療のために用途が見出されるので、そうした化合物は、研究手段としても有用である。本開示は、これらの目的化合物を、生物学的な系または試料を試験するため、または乾癬もしくは多発性硬化症などの自己免疫性および炎症性の疾患および障害の治療に使用できる新規な化合物を発見するための研究手段として使用する方法も提供する。
本開示は、自己免疫性または炎症性の疾患または障害と関係していることが公知である生物学的な系または試料を試験する方法であって:(a)生物学的試料を本開示の化合物あるいはその塩もしくは溶媒和物または立体異性体と接触させるステップと;(b)生物学的試料の治療に対するその化合物の効能を判定するステップを含む方法を提供する。
適切な任意の生物学的試料を、インビトロかまたはインビボで実施できるそうした試験において使用することができる。そうした試験に適した代表的な生物学的試料には、これらに限定されないが、細胞、細胞抽出物、細胞膜(plasma membrane)、組織試料、摘出臓器、哺乳動物(例えばマウス、ラット、モルモット、ウサギ、イヌ、ブタ、ヒトなど)などが含まれ、哺乳動物に特に関心がもたれる。
研究手段として使用する場合、生物学的試料を一般に、薬学上有効な量の目的化合物と接触させる。生物学的試料をその化合物に曝露させた後、化合物の効果を、慣用的な手順および装置、例えば本明細書で開示されるアッセイを用いて判定する。曝露は、生物学的試料をその化合物と接触させること、または対象にその化合物を投与することを包含する。その判定ステップは、応答の測定(定量分析)を含むことができる、または、観察の実施(定性分析)を含むことができる。応答を測定することは、例えば、放射性リガンド結合アッセイなどの慣用的な手順および装置を使用して、生物学的試料に対する化合物の効果を判定するステップ、および、機能アッセイにおけるリガンド介在変化を測定するステップを含む。アッセイ結果は、活性レベル、ならびに所望の結果を達成するのに必要な化合物の量、すなわち薬学上有効な量を決定するために使用できる。
さらに、目的化合物は、他の化合物を評価するための研究手段として使用することができ、したがって、例えば、自己免疫性または炎症性の疾患または障害の治療に有用な新規な化合物を発見するためのアッセイをスクリーニングするのにも有用である。このやり方で、目的化合物を、試験化合物で得られた結果と目的化合物で得られた結果の比較ができるようにして、もしあれば、およそ同等かまたはより優れた活性を有するそれらの試験化合物を特定するためのアッセイにおける標準品として使用することができる。例えば、試験化合物または試験化合物の群についてのEC50データを目的化合物についてのEC50データと比較して、所望の特性を有するそれらの試験化合物、例えば、もしあれば、目的化合物とおよそ同等かまたはそれより優れたEC50を有する試験化合物を特定する。
この態様は、別個の実施形態として、比較データの生成(適切なアッセイを使用して)と、着目する試験化合物を特定するためのテストデータの分析の両方を含む。したがって、試験化合物は、生物学的アッセイで:(a)試験化合物で生物学的アッセイを実施して第1のアッセイ値を提供するステップと;(b)目的化合物で生物学的アッセイを実施して第2のアッセイ値を提供するステップであって;ステップ(a)をステップ(b)の前か、後かまたはそれと同時に実施するステップと;(c)ステップ(a)からの第1のアッセイ値とステップ(b)からの第2のアッセイ値を比較するステップを含む方法によって評価することができる。マウスEAEアッセイなどの比較データの生成のために使用できるアッセイは、本明細書で開示されている。
一般的合成手順
開示化合物を合成するのに有用な一般に公知の化学的な合成スキームおよび条件を提供する多くの一般的文献が入手可能である(例えば、SmithおよびMarch、March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure、第5版、Wiley- Interscience、2001年;またはVogel、A Textbook of Practical Organic Chemistry,Including Qualitative Organic Analysis、第4版、New York:Longman、1978年を参照されたい)。
本明細書で説明するような化合物は、HPLC、分取薄層クロマトグラフィー、フラッシュカラムクロマトグラフィーおよびイオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーを含む当業界で公知の任意の精製プロトコールで精製することができる。順相および逆相ならびにイオン性樹脂を含む適切な任意の固定相を使用することができる。特定の実施形態では、開示化合物は、シリカゲルおよび/またはアルミナクロマトグラフィーによって精製される。例えば、Introduction to Modern Liquid Chromatography、第2版、L.R.SnyderおよびJ.J.Kirkland、John WileyおよびSons、1979年;ならびにThin Layer Chromatography、ed E.Stahl、Springer-Verlag、New York、1969年を参照されたい。
目的化合物の調製のためのプロセスのいずれかの間に、関係する分子のいずれか上の感受性または反応性の基を保護することが必要であり、かつ/または望ましい可能性がある。これは、J.F.W.McOmie、「Protective Groups in Organic Chemistry」、Plenum Press、London and New York 1973年、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第3版、Wiley、New York 1999年、”The Peptides”;3巻(編者ら:E.GrossおよびJ.Meienhofer)、Academic Press、London and New York 1981年、「Methoden der organischen Chemie」、Houben-Weyl、第4版、15巻/1、Georg Thieme Verlag、Stuttgart 1974年、H.-D.JakubkeおよびH.Jescheit、「Aminosauren, Peptide, Proteine」、Verlag Chemie、Weinheim、Deerfield BeachおよびBasel 1982年、および/またはJochen Lehmann、「Chemie der Kohlenhydrate:Monosaccharide and Derivate」、Georg Thieme Verlag、Stuttgart 1974年などの標準的な著作物に記載されているような慣用的な保護基によって達成することができる。保護基は、当業界で公知の方法を用いて、後続の好都合な段階で取り外すことができる。
目的化合物は、市販の出発原料および/または慣用的な合成方法で調製される出発原料を使用して、様々な異なる合成経路により合成することができる。本明細書で説明する化合物(プロドラッグを含む)はすべて、これらの方法を適合させることによって調製することができる。
本明細書で開示される化合物を合成するのに使用できる合成経路の例(例えば、スキームA~D)を、以下の実施例(例えば、方法A~D)において説明する。
化合物の立体異性体は、当業者に公知の手順で単離することができる。個々の立体異性体は、例えば、分割技術またはクロマトグラフィー技術(例えば、シリカゲルクロマトグラフィー、キラルクロマトグラフィー等)によって得ることができる。
本明細書で論じる合成スキームでは保護基の使用が例示されていないかもしれないが、当業者は、いくつかの場合、特定の置換基が保護を必要とする官能基を含み得ることを理解されよう。使用される保護基の正確なアイデンティティーが、とりわけ、保護される官能基のアイデンティティーおよび具体的な合成スキームにおいて使用される反応条件に依存することになるが、それは当業者に明らかであろう。具体的な用途に適した保護基の選択、それらの取り付けおよび取り外しのためのガイダンスは、例えば上記のGreene & Wutsに見ることができる。
本明細書で説明されるようなプロドラッグは、本明細書で説明される方法のルーチン改変によって調製することができる。あるいは、そうしたプロドラッグは、適切に保護された化合物を適切なプロ基と反応させることによって調製することができる。そうした反応を実行し、生成物を脱保護して本明細書で説明されるようなプロドラッグを得るための条件は周知である。
特定の実施形態では、上記方法において、本方法は、分割技術により異性体を分離するステップをさらに含む。特定の実施形態では、上記方法において、本方法は、キラルクロマトグラフィーで異性体を分離するステップをさらに含む。特定の実施形態では、本開示は、光学的に活性な化合物を調製する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、上記方法は、本明細書で開示される化合物の塩を形成させるステップをさらに含む。実施形態は、本明細書で説明される他のプロセスを対象とし、かつ、本明細書で説明されるプロセスのいずれかによって調製される生成物を対象とする。
いくつかの例では、目的化合物は、以下で説明する合成スキームA~Dの1つにしたがって調製される。
ここで、それぞれのR’およびR”は独立に、本明細書で説明するような任意の好都合な基であってよい。いくつかのケースでは、R’は、アルキルまたは置換アルキルである。いくつかのケースでは、R”は、アルキル(例えば、メチル)、置換アルキル、ヘテロアリール(例えば、3-ピリジル)、置換ヘテロアリール、アリールまたは置換アリールである。
いくつかの例では、目的化合物は、置換アセチレンスルホンの1-置換-1H-テトラゾール-5(4H)-オンとの反応による、スキームAに示した戦略によって調製される。スキームAによる目的化合物の調製において用途が見出されるアセチレンスルホンは、米国特許公開第2011/0281177号に記載のそれらの方法を適合させることによって調製することができる。その開示を参照により本明細書に組み込む。1-置換-1H-テトラゾール-5(4H)-オンは、任意の好都合な手順を使用して調製することができる。
ここで、それぞれのR’およびR”は独立に、本明細書で説明するような任意の好都合な基であってよい。いくつかのケースでは、R’は、アルキルまたは置換アルキルである。いくつかのケースでは、R”は、アルキル(例えば、メチル)、置換アルキル、ヘテロアリール(例えば、3-ピリジル)、置換ヘテロアリール、アリールまたは置換アリールである。
いくつかの例では、目的化合物は、二量体ビニルスルホンの1-置換-1H-テトラゾール-5(4H)-オンとの反応による、スキームBに示した戦略によって調製される。スキームBによる目的化合物の調製において用途が見出される二量体ビニルスルホンは、Tieccoら(J.Org.Chem.1983年、48巻、4795~4800頁)により記載されているそれらの方法を適合させることによって調製することができる。その開示を参照により本明細書に組み込む。1-置換-1H-テトラゾール-5(4H)-オンは、任意の好都合な手順を使用して調製することができる。
ここで、Xは脱離基(例えば、ハロゲン)であり、それぞれのR’およびR”は独立に、本明細書で説明するような任意の好都合な基であってよい。いくつかのケースでは、R’は、アルキルまたは置換アルキルである。いくつかのケースでは、R”は、アルキル(例えば、メチル)、置換アルキル、ヘテロアリール(例えば、3-ピリジル)、置換ヘテロアリール、アリールまたは置換アリールである。
いくつかの例では、目的化合物は、単量体ビニルスルホンの1-置換-1H-テトラゾール-5(4H)-オンとの反応による、スキームCに示した戦略によって調製される。スキームCによる目的化合物の調製において用途が見出されるビニルスルホンは、Guanら(Synthesis 2007年、10巻、1465~70頁)により記載されているそれらの方法を適合させることによって調製することができる。その開示を参照により本明細書に組み込む。1-置換-1H-テトラゾール-5(4H)-オンは、任意の好都合な手順を使用して調製することができる。
ここで、それぞれのR’およびR”は独立に、本明細書で説明するような任意の好都合な基であってよい。いくつかのケースでは、R’は、アルキルまたは置換アルキルである。いくつかのケースでは、R”は、アルキル(例えば、メチル)、置換アルキル、ヘテロアリール(例えば、3-ピリジル)、置換ヘテロアリール、アリールまたは置換アリールである。
いくつかの例では、目的化合物は、テトラゾロン中間体へ転換され、次いで1位において任意の好都合な置換基(R”)でさらに置換されるスルホニルアクリル酸から、スキームDに示した戦略によって調製される。スキームDによる目的化合物の調製において用途が見出されるスルホニルアクリル酸出発原料(例えば、(E)-3-(メチルスルホニル)アクリル酸)は、Guanら(Synthesis 2007年、10巻、1465~70頁)により記載されているそれらの方法を適合させることによって調製することができる。その開示を参照により本明細書に組み込む。スルホニルアクリル酸は、様々な方法を用いてテトラゾロンに転換させることができる。いくつかのケースでは、スルホニルアクリル酸を活性化させ(例えば、塩化アシルまたはアシルアジドにし)、これを、アジド試薬(例えば、トリメチルシリルアジド、TMS-N3)とさらに反応して中間体1H-テトラゾール-5(4H)-オンを生成させる。例えば、スルホニルアクリル酸の転換は、試薬ジフェニルホスホリルアジドと反応させ、続いて、トリメチルシリルアジドと反応させることによって遂行することができる。あるいは、スルホニルアクリル酸の転換は、試薬塩化オキサリルと反応させ、続いて、トリメチルシリルアジドと反応させることによって遂行することができる。
次いで、様々な方法を用いて、テトラゾロン中間体を1位でさらに置換することができる。いくつかのケースでは、置換は、塩基性条件下でアルキルハライド試薬を使用して遂行することができる。いくつかのケースでは、求核性芳香族置換反応を、アリールまたはヘテロアリール置換基を1位で取り込むように実施することができる。
本明細書で説明する合成スキームA~Dのいくつかの実施形態では、R’は、アルキル(例えば、メチル)または置換アルキル(例えば、イソプロピルまたはtert-ブチル)である。
本明細書で説明するスキームA~Dは、式(I)のテトラゾロン化合物を合成するために使用することができ、式(I)のトリアゾロン化合物を合成するために使用することができる。
本明細書で開示される化合物を合成するために使用できる合成経路の追加的な例を以下の実施例で説明する。
以下の実施例は、その実施形態をいかに作製し使用するかということの完全な開示および説明を当業者に提供するために示すものであり、本発明者らがその発明とみなすものの範囲を限定しようとするものではなく、かつ、これらは、以下の実験が、実行されるすべてのまたは唯一の実験であることを表すとするものでもない。使用される数字(例えば、量、温度等)に関して正確さを期すための努力をしてきたが、いくらかの実験誤差および偏差があるはずである。有機合成および医薬品化学の技術分野の当業者によって理解されるように、以下に示される具体的な条件は、例示的なものであり、慣行的な仕方で他の試薬および製品に変更するまたは適合させることができる。別段の指定のない限り、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度はセ氏温度であり、圧力は大気圧またはその近傍である。標準的な略語を使用することができる。
(E)-1-(ピリジン-3-イル)-4-(2-トシルビニル)-1,4-ジヒドロ-5H-テトラゾール-5-オン(化合物1)の調製
MeCN(5mL)中の1,8-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(449mg、4.0mmol)を、窒素雰囲気下0℃でのMeCN(10mL)中の1-(ピリジン-3-イル)-1,4-ジヒドロ-5H-テトラゾール-5-オン塩酸塩(400mg、2.0mmol)および1-(エチニルスルホニル)-4-メチルベンゼン(TCI America;360mg、2.0mmol)の撹拌溶液に約5minかけて添加した。次いで、混合物を0℃から室温へ加温し、終夜撹拌した。次いで混合物を真空下で濃縮し、シリカゲルにドライロードした。溶離液としてヘキサン/EtOAc(1:0~2:8)を使用したシリカゲルクロマトグラフィー(40gのISCOカートリッジ)による精製によって、生成物(186mg、27%)を固体として得た。追加的な生成物を、中央画分の両側のサイド画分から回収することができる。
1H NMR (CDCl3, 400MHz): δ 9.17 (s, 1H), 8.67 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 8.21 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.97 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 7.81 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.47 (dd, J = 8.0, 4.8 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.30 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 2.44 (s, 3H)
13C NMR (CDCl3, 100MHz): δ 149.7, 146.3, 145.4, 140.9, 137.0, 130.7, 130.3, 129.7, 128.0, 126.7, 124.1, 120.5, 21.8
m/z = 344.15 [M+H]+および385.17 [M+MeCN+H]+
HRMS (EI): [M+H]+ C15H13N5O3S m/zの計算値344.0817, 実測値344.0825
HRMS (EI): [M+MeCN+H]+ C15H13N5O3S.MeCN m/zの計算値385.1083, 実測値385.106
(E)-1-メチル-4-(2-トシルビニル)-1,4-ジヒドロ-5H-テトラゾール-5-オン(化合物2)の調製
MeCN(5mL)中の1,8-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(449mg、4.0mmol)を、窒素雰囲気下0℃でのMeCN(10mL)中の1-メチル-1,4-ジヒドロ-5H-テトラゾール-5-オン(200mg、2.0mol)および1-(エチニルスルホニル)-4-メチルベンゼン(TCI America;360mg、2.0mmol)の撹拌溶液に約5minかけて添加した。次いで、混合物を0℃から室温へ加温し、終夜撹拌した。次いで混合物を真空下で濃縮し、シリカゲルにドライロードした。溶離液としてヘキサン/EtOAc(1:0~4:6)を使用したシリカゲルクロマトグラフィー(40gのISCOカートリッジ)による精製によって、生成物(356mg、63%)を固体として得た。
1H NMR (CDCl3, 400MHz): δ 7.89 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 7.78 (dd, J = 8.4 Hz, 2H), 7.34 (d, J = Hz, 2H), 7.21 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 3.63 (s, 3H), 2.44 (s, 3H)
13C NMR (CDCl3, 100MHz): δ 148.5, 145.1, 137.3, 130.2, 130.2, 127.9, 119.5, 31.7, 21.8
m/z = 281.17 [M+H]+および322.18 [M+MeCN+H]+
HRMS (EI): [M+H]+ C11H12N4O3S m/zの計算値281.0708, 実測値281.0710
HRMS (EI): [M+H]+ C11H12N4O3S. MeCN m/zの計算値322.0974, 実測値322.0985
(E)-1-(2-(メチルスルホニル)ビニル)-4-(ピリジン-3-イル)-1,4-ジヒドロ-5H-テトラゾール-5-オン(化合物3)の調製
(E)-1,2-ビス(メチルチオ)エタンの調製
(E)-1,2-ビス(メチルチオ)エタンは、溶媒として、へキサメチルホスホルアミド(HMPA)ではなく1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2-ピリミジノン(DMPU)を使用したこと以外、Tieccoら、J.Org.Chem.1983年、48巻、4795~4800頁にしたがって調製した。その開示を参照により本明細書に組み込む。
ナトリウムチオメトキシド(約90%純度、Aldrich;2.34g、30.0mmol)を、窒素雰囲気下室温でのDMPU(25mL)中のtrans-1,2-ジクロロエチレン(0.97g、10.0mmol)の撹拌溶液に一括添加した。反応は穏やかに発熱性となり、これを室温で2hr撹拌した。次いで、混合物をH2O(150mL)およびEt2O(75mL)に注加した。水層と有機層を分配させ、有機層を、H2O(1×50mL)、次いで無水(Na2SO4)で洗浄し、濾過し、その間シリカゲルにドライローディングしながら、真空下で溶媒を除去した。溶離液としてヘキサンを使用したシリカゲル(40gのISCOカラム)でのカラムクロマトグラフィーによる精製によって、生成物(890mg、74%)を油状物として得た(これは-18℃の冷凍庫中で貯蔵すると固体になった)。
1H NMR (CDCl3, 400MHz): δ 5.99 (s, 2H), 2.27 (s, 6H)
13C NMR (CDCl3, 100MHz): δ 121.4, 16.1
(E)-1-(メチルスルフィニル)-2-(メチルスルホニル)エタンの調製
(E)-1-(メチルスルフィニル)-2-(メチルスルホニル)エタンは、Tieccoら、J.Org.Chem.1983年、48巻、4795~4800頁にしたがって調製した。その開示を参照により本明細書に組み込む。しかし、混合スルホキシド/スルホンへの酸化物は以下で詳述する条件を用いて単離した。過酸化水素(H2O中に35%;5.8mL、59.2mmol)を、周囲水浴冷却を用いて、室温でのAcOH(20mL)中の(E)-1,2-ビス(メチルチオ)エタン(0.89g、7.4mmol)の撹拌溶液に15minかけて添加した(H2O2を添加すると穏やかな発熱が認められた)。混合物を室温で終夜撹拌した。LC/MSによる分析は、反応が混合スルホキシド/スルホンへ進行していることを示した。そこで、反応容積の約25%を取り出し、H2O(20mL)で希釈し、EtOAc(4×30mL)で抽出した。一緒にした有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、その間シリカゲルにドライローディングしながら、溶媒を真空下で除去した。残留物を、溶離液としてヘキサン/EtOAc(1:1~0:1)を使用したシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製して生成物(33mg)を固体として得た。
1H NMR (CDCl3, 400MHz): δ 7.72 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 7.26 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 3.06 (s, 3H), 2.77 (s, 3H)
m/z = 169.21 [M+H]+
(E)-1-(2-(メチルスルホニル)ビニル)-4-(ピリジン-3-イル)-1,4-ジヒドロ-5H-テトラゾール-5-オン(化合物3)の調製
1,8-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(44mg、0.4mmol)を、窒素雰囲気下でのMeCN(10mL)中の1-(ピリジン-3-イル)-1,4-ジヒドロ-5H-テトラゾール-5-オン塩酸塩(39mg、0.2mmol)および(E)-1-(メチルスルフィニル)-2-(メチルスルホニル)エタン(33mg、0.2mmol)の撹拌溶液に一括添加した。混合物を室温で3日間撹拌した。LC/MSによる分析は、生成物への部分変換を示した。そこで、混合物を50℃に加熱し、さらに2日間撹拌した。冷却後、混合物をシリカゲルにドライロードした。溶離液としてヘキサン/EtOAc(1:0~7:3)を使用したシリカゲル(12gのISCOカラム)でのカラムクロマトグラフィーによる精製によって、生成物(28mg、54%)を固体として得た。
1H NMR (DMSO-d6, 400MHz): δ 9.01 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.68 (dd, J = 4.8, 1.6 Hz, 1H), 8.20 (ddd, J = 8.0, 2.8, 1.6 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 14.0 Hz, 1H) 7.65 (m, 1H), 7.53 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 3.21 (s, 3H)
13C NMR (DMSO-d6, 100MHz): δ 149.5, 146.7, 141.4, 130.4, 130.2, 128.2, 124.5, 118.4, 42.9
m/z = 268.25 [M+H]+および309.28 [M+MeCN+H]+
HRMS (EI): [M+H]+ C9H9N5O3S m/zの計算値268.0504, 実測値268.0498
HRMS (EI): [M+MeCN+H]+ C19H16N6O4. MeCN m/zの計算値309.0770, 実測値309.0729
(E)-3-(メチルスルホニル)アクリル酸(化合物15)の調製
(E)-3-(メチルスルホニル)アクリル酸は、Guanら、Synthesis 2007年、1465~1470頁にしたがって調製した。その開示を参照により本明細書に組み込む。
1H NMR (DMSO-d6, 300MHz): δ 13.50 (br. s, 1H), 7.59 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 6.57 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 3.15 (s, 3H)
13C NMR (DMSO-d6, 75MHz): δ 164.7, 142.6, 131.7, 41.5
m/z = 149.07 [M-H]+
HRMS (EI): [M-H]+ C4H6O4S m/zの計算値148.9909, 実測値148.9905
(E)-1-エチル-4-(2-トシルビニル)-1,4-ジヒドロ-5h-テトラゾール-5-オン(化合物16)の調製
MeCN(3mL)中の1,8-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(224mg、2.0mmol)を、室温でのMeCN(3mL)中の1-エチル-1,4-ジヒドロ-5H-テトラゾール-5-オン(125mg、1.1mol)および1-(エチニルスルホニル)-4-メチルベンゼン(TCI America;180mg、1.0mmol)の撹拌溶液(20mLねじぶた付きバイアル)に、約5minかけて添加した。混合物を室温で終夜撹拌した。次いで混合物を真空下で濃縮し、シリカゲルにドライロードした。精製を、溶離液としてヘキサン/EtOAc(1:0~4:6)を使用したシリカゲルクロマトグラフィー(40gのISCOカートリッジ)によって実施して生成物(252mg、83%)を固体として得た。
1H NMR (CDCl3, 400MHz): δ 7.90 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 7.81 (dt, J = 8.4, 2.0 Hz, 2H), 7.34 (dd, J = 8.4, 0.8 Hz, 2H), 7.21 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 4.02 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 2.44 (s, 3H), 1.44 (t, J = 7.2 Hz, 3H)
13C NMR (CDCl3, 100MHz): δ 148.1, 145.1, 137.3, 130.2, 130.2, 127.9, 119.4, 40.7, 21.8, 13.7
m/z = 295.15 [M+H]+および336.15 [M+MeCN+H]+
HRMS (EI): [M+H]+ C12H14N4O3S m/zの計算値295.0865, 実測値295.0842
(E)-1-ベンジル-4-(2-トシルビニル)-1,4-ジヒドロ-5H-テトラゾール-5-オン(化合物17)の調製
MeCN(3mL)中の1,8-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(224mg、2.0mmol)を、室温でのMeCN(3mL)中の1-ベンジル-1,4-ジヒドロ-5H-テトラゾール-5-オン(194mg、1.1mol)および1-(エチニルスルホニル)-4-メチルベンゼン(TCI America;180mg、1.0mmol)の撹拌溶液(20mLねじぶた付きバイアル)に約1minかけて添加した。混合物を室温で終夜撹拌した。次いで混合物を真空下で濃縮し、シリカゲルにドライロードした。精製を、溶離液としてヘキサン/EtOAc(1:0~4:6)を使用したシリカゲルクロマトグラフィー(40gのISCOカートリッジ)による精製によって実施して生成物(215mg、60%)を固体として得た。
1H NMR (CDCl3, 400MHz): δ 7.90 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 7.80 (dt, J = 8.0, 2.0 Hz, 2H), 7.38-7.32 (m, 7H), 7.22 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 5.10 (s, 2H), 2.43 (s, 3H)
13C NMR (CDCl3,100MHz): δ 148.1, 145.1, 137.3, 133.4, 130.2, 130.2, 129.2, 129.1, 128.6, 127.9, 119.5, 49.2, 21.8
m/z = 357.14 [M+H]+および398.15 [M+MeCN+H]+
HRMS (EI): [M+H]+ C17H16N4O3S m/zの計算値357.1021, 実測値357.1025
(E)-1-(2-((4-フルオロフェニル)スルホニル)ビニル)-4-メチル-1,4-ジヒドロ-5H-テトラゾール-5-オン(化合物18)の調製
1-(エチニルスルホニル)-4-フルオロベンゼン(例えば、J.Org.Chem.2008年、73巻、4630~4637頁を参照されたい)、Para-フルオロベンゼンスルホニルクロリド(2.0g、10.3mmol)を、窒素下、室温でのCH2Cl2(15mL)中の塩化アルミニウム(III)(1.37g、10.3mmol)の撹拌混合物に添加した。混合物を室温で30~45min撹拌し、次いで0℃に冷却した。次いで、CH2Cl2中のビス(トリメチル)アセチレン(1.75g、10.3mmol)の溶液を加え、混合物を0℃で5~10min撹拌し、次いで、室温へ加温させ、18hr撹拌した。混合物を10%HCl溶液(30mL)の添加によってクエンチし、分配させ、水層をCH2Cl2(2×30mL)で抽出した。一緒にした有機層を脱水し(Na2SO4)、濾過し、溶媒を真空下で濃縮した。残留物をTHF(10mL)に溶解させ、K2CO3/KHCO3(7×10-3M;20mL)の水溶液を加えた。混合物を60min撹拌し、次いでEtOAc(3×30mL)で抽出した。一緒にした有機層を脱水し(Na2SO4)、濾過し、シリカゲルにドライロードした。溶離液としてヘキサン/EtOAc(1:0~9:1)を使用したシリカゲルクロマトグラフィーによる精製によって、生成物(384mg、20%)を固体として得た。
1H NMR (CDCl3, 400MHz): δ 8.06-8.01 (m, 2H), 7.30-7.24 (m, 2H), 3.52 (s, 1H)
19F NMR (CDCl3, 376MHz): δ -101.3 (m)
13C NMR (CDCl3, 100MHz): δ 166.5 (d, J = 257 Hz, ピークが167.7および165.2に出現), 136.9 (d, J = 3 Hz), 130.8 (d, J = 10 Hz), 117.0 (d, J = 23 Hz), 82.0, 80.1
MeCN(3mL+1mLリンス)中の1,8-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(121mg、1.08mmol)を、窒素下0℃でのMeCN(7mL)中の1-メチル-1,4-ジヒドロ-5H-テトラゾール-5-オン(82mg、0.81mmol)および1-(エチニルスルホニル)-4-フルオロベンゼン(100mg、054mmol)の撹拌溶液に、約1~2minかけて添加した。次いで、混合物を0℃から室温へ加温し、終夜撹拌した。次いで混合物を真空下で濃縮し、シリカゲルにドライロードした。溶離液としてヘキサン/EtOAc(1:0~1:1)を使用したシリカゲルクロマトグラフィー(40gのISCOカートリッジ)による精製によって、生成物(110mg、71%)を固体として得た。
1H NMR (CDCl3, 400MHz): δ 7.97-7.93 (m, 2H), 7.26-7.22 (m, 2H), 3.65 (s, 3H)
19F NMR (CDCl3, 376MHz): δ -102.9 (m)
13C NMR (CDCl3, 100MHz): δ 166.0 (d, J = 256 Hz, ピークが167.3および164.7に出現), 148.5, 136.3 (d, J = 3 Hz), 130.9 (d, J = 9Hz), 130.7, 119.0, 117.0 (d, J = 23 Hz), 31.7
m/z = 285.12 [M+H]+
HRMS (EI): [M+H]+ C10H9FN4O3S m/zの計算値285.0458, 実測値285.0467
(E)-1-(2-((4-フルオロフェニル)スルホニル)ビニル)-4-(ピリジン-3-イル)-1,4-ジヒドロ-5H-テトラゾール-5-オン(化合物19)の調製
MeCN(3mL+1mLリンス)中の1,8-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(121mg、1.08mmol)を、窒素下0℃でのMeCN(7mL)中の1-(ピリジン-3-イル)-1,4-ジヒドロ-5H-テトラゾール-5-オン塩酸塩(162mg、0.81mmol)と1-(エチニルスルホニル)-4-フルオロベンゼン(100mg、0.54mmol)の撹拌混合物に、約1~2minかけて添加した。次いで混合物を0℃から室温へ加温し、終夜撹拌した。次いで混合物を真空下で濃縮し、シリカゲルにドライロードした。溶離液としてヘキサン/EtOAc(1:0~1:1)を使用したシリカゲルクロマトグラフィー(40gのISCOカートリッジ)による精製によって、生成物(78mg、45%)を固体として得た。
1H NMR (CDCl3, 400MHz): δ 9.18 (dd, J = 2.8, 0.8 Hz, 1H), 8.69 (dd, J = 4.8, 1.6 Hz, 1H), 8.22 (ddd, J = 8.4, 2.4, 1.2 Hz, 1H), 8.10 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 8.00-7.95 (m, 2H), 7.48 (ddd, J = 8.4, 4.8, 0.8 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 7.29-7.23 (m, 2H)
19F NMR (CDCl3, 376MHz): δ -102.5 (m)
13C NMR (CDCl3, 100MHz): δ 166.1 (d, J = 256 Hz, ピークが167.4および164.9に出現), 149.8, 146.3, 140.9, 136.1 (d, J = 3Hz), 130.9 (d, J = 10Hz), 130.8, 130.3, 126.7, 124.1, 120.0, 117.0 (d, J = 23Hz)
m/z = 348.11 [M+H]+
HRMS (EI): [M+H]+ C14H10FN5O3S m/zの計算値348.0567, 実測値348.0555
(E)-4-メチル-2-(2-トシルビニル)-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オン(化合物20)の調製
MeCN(3mL)中の1,8-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(224mg、2.0mmol)を、室温でのMeCN(3mL)中の4-メチル-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オン(Enamineより;110mg、1.1mol)および1-(エチニルスルホニル)-4-メチルベンゼン(TCI America;180mg、1.0mmol)の撹拌溶液(20mLねじぶた付きバイアル)に、約5minかけて添加した。混合物を室温で終夜撹拌した。次いで混合物を真空下で濃縮し、シリカゲルにドライロードした。溶離液としてヘキサン/EtOAc(1:0~0:1)を使用したシリカゲルクロマトグラフィー(40gのISCOカートリッジ)による精製によって、生成物(171mg、61%)を固体として得た。
1H NMR (CDCl3, 400MHz): δ 7.91 (dd, J = 13.6, 0.8 Hz, 1H), 7.79 (m, dt, J = 8.0, 2.0 Hz, 2H), 7.53 (s, 1H), 7.33 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.76 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 3.31 (s, 3H), 2.43 (s, 3H)
13C NMR (CDCl3, 100MHz): δ 151.8, 144.4, 139.8, 138.4, 133.0, 130.0, 127.5, 114.7, 29.2, 21.7
m/z = 280.14 [M+H]+および321.14 [M+MeCN+H]+
HRMS (EI): [M+H]+ C12H13N3O3S m/zの計算値280.0756, 実測値280.0754
(E)-2-メチル-4-(2-トシルビニル)-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オン(化合物21)の調製
MeCN(5mL)中の1,8-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(224mg、2.0mmol)を、窒素下0℃でのMeCN(10mL)中の2-メチル-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オン(Enamineより;110mg、1.1mol)および1-(エチニルスルホニル)-4-メチルベンゼン(TCI America;180mg、1.0mmol)の撹拌溶液に、約1~2minかけて添加した。次いで混合物を0℃から室温へ加温し、終夜撹拌した。次いで混合物を真空下で濃縮し、シリカゲルにドライロードした。精製を、溶離液としてヘキサン/EtOAc(1:0~1:1)を使用したシリカゲルクロマトグラフィー(40gのISCOカートリッジ)によって実施して生成物(148mg、53%)を固体として得た。
1H NMR (CDCl3, 400MHz): δ 7.78 (dt, J = 8.0, 2.0 Hz, 2H), 7.63 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.32 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.19 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 3.44 (s, 3H), 2.43 (s, 3H)
13C NMR (CDCl3, 100MHz): δ 150.7, 144.9, 137.6, 132.5, 130.8, 130.2, 127.7, 118.5, 32.7, 21.8
m/z = 280.14 [M+H]+および321.14 [M+MeCN+H]+
HRMS (EI): [M+H]+ C12H13N3O3S.MeCN m/zの計算値321.1021, 実測値321.0998
(E)-1-(2-(フェニルスルホニル)ビニル)-4-(ピリジン-3-イル)-1,4-ジヒドロ-5H-テトラゾール-5-オン(化合物22)の調製
MeCN(3mL)中の1,8-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(224mg、2.0mmol)を、窒素下でのMeCN(7mL)中の1-(ピリジン-3-イル)-1,4-ジヒドロ-5H-テトラゾール-5-オン塩酸塩(300mg、1.5mmol)とtrans-1,2-ビス(フェニルスルホニル)エチレン(Sigma-Aldrichより;308mg、1.0mmol)の撹拌混合物に添加した。次いで、混合物を60℃に加熱し終夜撹拌した。冷却後、次いで混合物を真空下で濃縮し、シリカゲルにドライロードした。精製を、溶離液としてヘキサン/EtOAc(1:0~4:6)を使用したシリカゲルクロマトグラフィー(40gのISCOカートリッジ)によって実施して生成物(126mg、38%)を固体として得た。
1H NMR (CDCl3, 400MHz): δ 9.18 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.69 (dd, J = 4.8, 1.6 Hz, 1H), 8.23 (ddd, J = 8.4, 2.4, 1.6 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 7.98-7.94 (m, 2H), 7.70-7.66 (m, 1H), 7.62-7.57 (m, 2H), 7.48 (ddd, J = 8.8, 4.8, 0.8 Hz, 1H), 7.33 (d, J = 14.0 Hz, 1H)
13C NMR (CDCl3, 100MHz): δ 149.7, 146.3, 140.9, 140.0, 134.2, 130.7, 130.1, 129.7, 127.9, 126.7, 124.1, 120.1
m/z = 330.11 [M+H]+
HRMS (EI): [M+H]+ C14H11N5O3S m/zの計算値330.0661, 実測値330.0657
(E)-1-メチル-4-(2-(フェニルスルホニル)ビニル)-1,4-ジヒドロ-5H-テトラゾール-5-オン(化合物23)の調製
MeCN(3mL)中の1,8-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(224mg、2.0mmol)を、窒素下でのMeCN(7mL)中の1-メチル-1,4-ジヒドロ-5H-テトラゾール-5-オン(150mg、1.5mmol)とtrans-1,2-ビス(フェニルスルホニル)エチレン(Sigma-Aldrichより;308mg、1.0mmol)の撹拌混合物に添加した。次いで、混合物を60℃に加熱し終夜撹拌した。冷却後、次いで混合物を真空下で濃縮し、シリカゲルにドライロードした。精製を、溶離液としてヘキサン/EtOAc(1:0~4:6)を使用したシリカゲルクロマトグラフィー(40gのISCOカートリッジ)によって実施して生成物(149mg、56%)を固体として得た。
1H NMR (CDCl3, 400MHz): δ 7.97-7.93 (m, 3H), 7.66 (tt, J = 7.4, 1.2 Hz, 1H), 7.60-7.55 (m, 2H), 7.25 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 3.65 (s, 3H)
13C NMR (CDCl3, 100MHz): δ 148.5, 140.2, 134.0, 130.6, 129.6, 127.8, 119.1, 31.7
m/z = 267.12 [M+H]+
HRMS (EI): [M+H]+ C10H10N4O3S m/zの計算値267.0552, 実測値267.0546
(E)-4-メチル-2-(2-(フェニルスルホニル)ビニル)-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オン(化合物24)の調製
MeCN(3mL)中の1,8-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(224mg、2.0mmol)を、窒素下でのMeCN(7mL)中の4-メチル-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オン(Enamineより;150mg、1.5mmol)とtrans-1,2-ビス(フェニルスルホニル)エチレン(Sigma-Aldrichより;308mg、1.0mmol)の撹拌混合物に添加した。次いで、混合物を60℃に加熱し終夜撹拌した。冷却後、次いで混合物を真空下で濃縮し、シリカゲルにドライロードした。精製を、溶離液としてヘキサン/EtOAc(1:0~4:6)を使用したシリカゲルクロマトグラフィー(40gのISCOカートリッジ)によって実施して生成物(54mg、20%)を固体として得た。
1H NMR (CDCl3, 400MHz): δ 7.95-7.91 (m, 3H), 7.60 (m, 1H), 7.55-7.50 (m, 3H), 6.75 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 3.32 (s, 3H)
13C NMR (CDCl3, 100MHz): δ 151.8, 141.4, 139.7, 133.4, 133.4, 129.4, 127.6, 114.5, 29.3
m/z = 266.10 [M+H]+
HRMS (EI): [M+H]+ C11H11N3O3S m/zの計算値266.0590, 実測値266.0575
(E)-2-メチル-4-(2-(フェニルスルホニル)ビニル)-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オン(化合物25)の調製
MeCN(3mL)中の1,8-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(224mg、2.0mmol)を、窒素下でのMeCN(7mL)中の2-メチル-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オン(Enamineより;150mg、1.5mmol)とtrans-1,2-ビス(フェニルスルホニル)エチレン(Sigma-Aldrichより;308mg、1.0mmol)の撹拌混合物に添加した。次いで、混合物を60℃に加熱し終夜撹拌した。冷却後、次いで混合物を真空下で濃縮し、シリカゲルにドライロードした。精製を、溶離液としてヘキサン/EtOAc(1:0~3:7)を使用したシリカゲルクロマトグラフィー(40gのISCOカートリッジ)によって実施して生成物(182mg、69%)を固体として得た。
1H NMR (CDCl3, 400MHz): δ 7.92-7.89 (m, 2H), 7.65 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 7.65-7.62 (m, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.57-7.52 (m, 2H), 7.22 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 3.44 (s, 3H)
13C NMR (CDCl3, 100MHz): δ 150.7, 140.5, 133.8, 132.5, 131.3, 129.6, 127.7, 118.2, 32.7
m/z = 266.10 [M+H]+
HRMS (EI): [M+H]+ C11H11N3O3S.MeCN m/zの計算値307.0865, 実測値387.0865
化合物の生物学的活性
全細胞核転座アッセイでのNrF2活性化
化合物を、米国特許第8,101,373号(この開示を参照により本明細書に組み込む)に示されている方法を適合させることによって、NrF2(核因子(赤血球由来2)様2)転座アッセイでテストした。本発明の化合物によって示されたNrF2活性化はそれらの抗炎症活性を実証している。
フマル酸モノメチルおよびフマル酸ジメチルは、それぞれ約127および7.9ミクロモル(μM)のEC50値でのNrF2活性化を示した。表2に示すように、本明細書で開示される化合物は、NrF2転座アッセイで、フマル酸モノメチルおよびフマル酸ジメチルと比較して、それに匹敵する、またはそれより低いEC50値を示している。フマル酸モノメチルおよびフマル酸ジメチルに加えて、バルドキソロンメチルを陽性対照(データは示していない)として使用した。
図1~14は、それぞれ化合物1、2、3、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24および25についてのNrF2転座アッセイによるデータのグラフを示す。
本発明を、その特定の実施形態を参照して説明してきたが、本発明の真の趣旨および範囲を逸脱することなく、種々の変更を加えることができ、均等物で置き換えることができることを当業者は理解されるはずである。さらに、特定の状況、材料、組成物質(composition of matter)、プロセス、プロセスステップまたはステップ(複数)を本発明の目的、趣旨および範囲に適合させるために、多くの修正を加えることができる。そうしたすべての修正は、添付の特許請求の範囲内にあるものとする。