JP7106153B2 - マスク - Google Patents
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Description
同文献に記載のマスクにおいては、使用者の口、鼻およびこれらの周辺部を覆うためのマスク本体部の裏面側に、吸水部材を重ね、かつこの吸水部材には、使用者の鼻下部に対向配置させるための突起部が設けられている。
マスクの使用者に花粉症などのアレルギ性鼻炎の症状がある場合、使用者の鼻孔(外鼻孔)から鼻水が垂れる場合が多いが、前記したマスクによれば、鼻孔から垂れた鼻水を吸水部材に吸水させることが可能である。したがって、使用者はマスクを外して鼻をかむ必要がなくなり、便利である。また、マスク本体部の裏面側に設けられている突起部を、使用者の鼻下部に対向させて、鼻孔の下側に配置させておけば、この突起部上に鼻水が垂れることとなり、この突起部を利用して多くの鼻水を吸水部材に吸収させることが可能である。
これに対し、口、鼻およびこれらの周辺部がマスクによって覆われた状態において、このマスクの使用者が呼吸を行なった場合、口から吐き出された温かい息の多くは、鼻に吸い込まれる。このため、鼻腔や副鼻腔は、温められ易くなる。
その結果、特許文献1においては、マスクの使用者の口から吐き出された息の多くは、前記した隙間Saを通過して鼻に吸い込まれ、この息によって鼻腔や副鼻腔が温まる虞がある。これでは、使用者に花粉症などのアレルギ性鼻炎の症状がある場合に、この症状を適切に緩和することは難しくなる。
すなわち、使用者が前記マスクを用いて口、鼻およびこれらの周辺部を覆う場合、マスク本体部は、横幅方向の中央寄り領域が両端寄り領域よりも前方に位置する前側凸状に屈曲または湾曲し、かつ中央寄り領域の裏面側に凹状空間部が形成される曲げ形状とされるが、この状態において、補助部材の後側縁部を使用者の鼻下部に当接または接近させることにより、マスク本体部の裏面側の凹状空間部を上下に仕切ることができる。ここで、凹状空間部のうち、補助部材(突起部)よりも上側の領域に使用者の鼻が存在し、かつその下側の領域に使用者の口が存在する。このため、使用者の口から吐き出された息が、鼻孔に吸い込まれることは、前記補助部材により阻止される。特許文献1とは異なり、本発明においては、補助部材(突起部)の左右両側に大きな隙間は生じておらず、口から吐き出された息が前記隙間を通過して鼻孔に吸い込まれることはない。このようなことから、本発明によれば、使用者の口から吐き出された息によって鼻腔や副鼻腔が温められることを適切に防止することが可能となり、花粉症などのアレルギ性鼻炎の症状を効果的に緩和するのに役立つ。
また、本発明によれば、マスクの使用者が、自分の口臭を気にならなくなる効果も得られる。さらに、マスク本体部の口の周辺部などを通過した微粒子が、鼻に吸い込まれることも適切に抑制される。
その他、本発明によれば、口から吐き出された息が、補助部材(突起部)よりも上方に上昇し難くなるため、マスクの使用者が着用しているメガネが、前記の息によって曇り難くなる効果も得られる。
詳細については、図9および図10を参照して後述するが、補助部材3によりマスク本体部1の裏面側からマスクMの使用者(以下、マスク使用者と適宜簡略)の鼻下部に対向させるための突起部Pが構成されている。マスク本体部1の中央寄り領域の裏面側には、凹状の空間部Sが形成されているが、この空間部Sは、突起部Pとしての補助部材3によって上下に仕切られている。
すなわち、図3および図4によく表れているように、マスク本体部1は、自然状態において、マスク本体部1の左右横幅方向の中央寄り領域が、両端寄り領域よりも前方に位置する前側凸状に屈曲または湾曲した曲げ形状に形成されている。このことにより、マスク本体部1の裏面側には、空間部Sが形成されている。ただし、マスク本体部1は、可撓性を有する素材により形成されており、その形状を適宜変更させることができる。
ここで、「形状保持材」とは、マスク使用者が所望の部位を適当な角度で曲げ、かつその後に手を離してもその曲げた形状が保持される部材であり、その具体的な材質は限定されない。この点は、後述する他の形状保持材4B~4Fについても同様である。形状保持材としては、たとえば衣服類や服飾品における芯材として用いられるボーンと称される部材を用いることも可能である。
第1の形状保持材4Aは、既述したように、その長手方向の各部をマスクMの前後方向に任意に曲げることが可能であり、このことにより、マスク本体部1の上縁部を、マスク使用者の鼻の外面に対応した形状に設定し、フィットさせることができる。これは、メガネの曇り防止にも役立つ。
ここで、前側の起立片部32aとマスク本体部1との相互間には、第3の形状保持材4Cが挟み込まれている。この第3の形状保持材4Cは、補助部材3の前側縁部30に沿って延びる芯材であり、本発明でいう「形状保持材」の一例に相当する。第3の形状保持材4Cは、既述した第1および第2の形状保持材4A,4Bと同様に、たとえば金属製の帯板またはワイヤなどの形状保持材である。
図4においては、後側縁部31が横幅方向に直線状に延びている状態に示されているが、補助部材3は可撓性・柔軟性を有するシート材からなるため、後側縁部31、およびこれに繋がった後側の起立片部32bは、使用者の鼻下部の表面に沿わせるように湾曲した形状に設定することが可能である。このように、形状に融通性をもたせることができる点は、補助部材3の他の部位も同様である。
また、口臭が気にならないようにする効果、およびマスク本体部1の裏面側の口の周辺部などに外部から進入した微粒子が、その後鼻に吸い込まれることを抑制する効果なども得られる。
明は省略する。
これらの形状保持材4D,4Eは、本発明でいう「追加の形状保持材」の具体例に相当し、既述した形状保持材4A~4Cと同様に、金属製の帯板あるいはワイヤなどからなり、マスク本体部1とこれに接合された押さえ部材5D,5Eとの間に挟み込まれている。好ましくは、形状保持材4Dは、マスク本体部1の下縁部に沿って延びている。また、左右一対の形状保持材4Eは、マスク本体部1の側縁部(開口部20の前側縁部に相当)に沿って延びている。
形状保持材4D,4Eは、前記したように通気用の隙間C1,C2を形成するのに利用されるだけではなく、たとえばマスク本体部1の下縁部や左右両側縁部を、前記した場合とは反対に、マスク使用者の顔面にフィットさせるのにも利用することができる。
的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。
マスク本体部は、シート状部材により構成されていればよく、その具体的な材質は、樹脂製、不織布製、布製などの種類を問わない。また、マスク本体部を構成するシートが単層、複数層のいずれであるかも問わない。
P 突起部
1 マスク本体部
3 補助部材
30 前側縁部
30b 後端部(前側縁部の)
31 後側縁部
32b 後側の起立片部(起立片部)
4C 第3の形状保持材(形状保持材)
4D,4E 形状保持材(追加の形状保持材)
Claims (3)
- シート状部材を用いて構成され、かつ左右横幅方向の中央寄り領域が両端寄り領域よりも前方に位置するように屈曲または湾曲した曲げ状態に形成されており、または形成可能であり、使用者の口、鼻およびこれらの周辺部を覆うのに用いられるマスク本体部と、
このマスク本体部の裏面側に設けられた突起部と、
を備えている、マスクであって、
前記突起部を構成する部材として、前側縁部および後側縁部を有し、かつ前記マスク本体部に接続されており、前記マスク本体部を構成する前記シート状部材とは別体の可撓性を有するシート状部材を用いて構成された補助部材を、備えており、
この補助部材は、前記前側縁部が前記マスク本体部の裏面部に接続され、前記マスク本体部が前記曲げ状態にあるときに、前記前側縁部は、前記マスク本体部の裏面に接した平面視略ヘ字状または略円弧状となり、前記前側縁部の後端部として、前記マスク本体部の横幅方向中心を挟んで前記横幅方向に離間した左右一対の後端部が形成されており、
前記後側縁部には、前記補助部材の一部が上下高さ方向に起立するように屈曲し、かつ前記前側縁部の前記一対の後端部間に橋渡し接続された状態で前記横幅方向に延びる起立片部が設けられ、
この起立片部を、前記使用者の鼻下部に当接させることにより、前記マスク本体部の裏面側領域を、前記使用者の鼻を覆う領域と口を覆う領域とに仕切ることが可能とされていることを特徴とする、マスク。 - 請求項1に記載のマスクであって、
前記マスク本体部は、可撓性を有しており、
前記マスク本体部のうち、前記補助部材の前記前側縁部が接続された箇所、またはその近傍には、前記前側縁部に沿って延び、かつ曲げ変形が可能な形状保持材が取付けられている、マスク。 - 請求項1または2に記載のマスクであって、
前記マスク本体部の下縁部、および/または左右両側縁部には、曲げ変形が可能な追加の形状保持材が取付けられており、
この追加の形状保持材を利用することにより、前記マスクの使用時において、前記マスク本体部の下縁部、および/または左右両側縁部の裏面側に形成される空間部領域を外部に連通させる隙間を形成することが可能とされている、マスク。
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