JP2000312724A - マスク - Google Patents

マスク

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JP2000312724A
JP2000312724A JP11125338A JP12533899A JP2000312724A JP 2000312724 A JP2000312724 A JP 2000312724A JP 11125338 A JP11125338 A JP 11125338A JP 12533899 A JP12533899 A JP 12533899A JP 2000312724 A JP2000312724 A JP 2000312724A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マスク着用時の息苦しさを低減させ、しかも
だ液や鼻水などの付着によるマスク本体の汚れを防ぐマ
スクを提供する。 【解決手段】 マスク本体11で口および鼻を覆うと、
人中パッド13により鼻孔下に鼻下空間aが確保され
る。このため、呼吸を繰り返しても、口や鼻を覆うマス
ク本体11の中央部分にへたりにくい。その結果、この
部分で口および鼻をふさぎ、呼吸がしにくくなるのが低
減される。また、マスク着用時には、この鼻下空間aの
確保によりマスク本体11が口および鼻に密着されにく
い。よって、使用者の唾液や鼻水により、マスク本体1
1の汚れを抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はマスク、詳しくは
マスク着用中の息苦しさ、だ液や鼻水によるマスク本体
の汚れ、マスク着用時のマスク本体のずれ落ちなどを抑
えるマスクに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に市販されているガーゼマス
クは、長方形にカットされたガーゼ(布帛)を複数枚重
ね合わせたマスク本体と、このマスク本体の長さ方向の
両端部にそれぞれ取り付けられた紐またはゴム紐(支持
体)と、により構成されている。このマスクの着用時に
は、一対の紐またはゴム紐を両耳に引っかけ、マスク本
体で使用者の口や鼻を覆うようになっている。なお、ガ
ーゼマスクは柔軟性に優れ、変形がしやすい。そのた
め、口や鼻を通して外気を吸い込む際の肺の吸気力、お
よび、口や鼻から湿ったあたたかな息を吐く際の肺の排
気力などにより、使用中のマスク本体の口や鼻を覆う箇
所にへたりが生じやすい。これにより、マスク本体の中
央部が口や鼻に密着しやすくなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のガー
ゼマスクにあっては、以下の問題点があった。すなわ
ち、(1)ガーゼマスクは柔らかくて変形しやすい。よっ
て、マスク着用時にマスク本体の口や鼻を覆った中央部
分にへたりが生じやすく、このへたり部分が口および鼻
をふさいで息苦しくなるという問題点があった。 (2)また、一般的なマスクの大きさは、顔の下半分だけ
を覆う大きさである。したがって、柔らかくて軽いガー
ゼマスクは、使用者の口や顎の動きおよび頭の動きなど
で、下方にずり落ちやすい。このため、しばしば手でマ
スクを上方に引き上げる動作を行わなければならなかっ
た。
【0004】なお、このマスク本体のずれ落ちを防ぐの
は、主に、両耳にかけられる紐またはゴム紐である。そ
こで、紐を耳にきつくしばったり、ゴムの弾性力を高め
てこのずれ落ちを防ぐことが考えられる。しかしなが
ら、ずれ落ちを完全に阻止するには、かなり短めの紐を
使用したり、かなり高い弾性力のゴム紐を使用する必要
がある。ところが、このようにすれば、マスク着用中に
耳が痛くなるといった弊害が生じ、着用感が低下するな
どの別の課題が発生することになる。 (3)さらに、従来のガーゼマスクでは、このようにマス
ク本体が外方から口および鼻に密着されるので、例えば
使用者が花粉症または風邪などを引いていた場合には、
流れ出る唾液や鼻水などにより、マスク本体が汚れやす
いという問題点があった。
【0005】
【発明の目的】そこで、この発明は、マスク着用時の息
苦しさを低減させることができ、しかもだ液や鼻水など
の付着によるマスク本体の汚れを防止することができる
マスクを提供することを、その目的としている。また、
この発明は、マスク着用中のマスク本体のずれ落ちを防
ぐことができるマスクを提供することを、その目的とし
ている。さらに、この発明は、製造が簡単でコスト低下
も図ることができるマスクを提供することを、その目的
としている。
【0006】さらにまた、この発明は、比較的大きな鼻
下空間を確保することができるマスクを提供すること
を、その目的としている。この発明は、空間保持部の一
部が鼻孔下の人中を横断していても、比較的呼吸がしや
すいマスク提供することを、その目的としている。この
発明は、マスク着用中のマスク本体のずれ落ち防止の効
果を高めることができると同時に、比較的大きな鼻下空
間を確保することができるマスクを提供することを、そ
の目的としている。この発明は、空間保持部と顔面との
接触を避けながら、比較的大きな鼻下空間を確保するこ
とができるマスクを提供することを、その目的としてい
る。この発明は、顔面と接するマスク内面の肌触りがよ
く、高い防寒性を有するマスクを提供することを、その
目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、口および鼻を覆う布帛製のマスク本体と、該マスク
本体を顔面上で支持する支持体とを備えたマスクにおい
て、前記マスク本体に、呼吸が楽になる鼻下空間を鼻孔
下に確保する空間保持部を設けたマスクである。マスク
本体は、変形自在または変形可能な程度の硬さを有する
布帛製であれば限定されない。布帛とはガーゼなどの織
布,不織布,編布のことである。この布帛を構成する繊
維としては、例えば各種の天然繊維(綿,麻,絹な
ど),各種の合成繊維(ポリエステル繊維,合成高分子
ポリアミド繊維など)が挙げられる。マスク本体の大き
さ、形状は限定されない。通常は口と鼻を覆える大き
さ、形状であればよい。マスク本体の厚さも限定されな
い。また、マスクに特定の付加価値を与える付加価値部
材を、このマスク本体に設けてもよい。付加価値部材に
よりマスクに与えられる付加価値は限定されない。この
付加価値部材としては例えば呼吸中の空気をろ過するろ
過部材、ハーブなどの心地よい香りを放つ芳香部材など
が挙げられる。
【0008】支持体の素材、大きさ、形状なども限定さ
れない。例えば耳に引っかける環状の紐またはゴム紐で
もよいし、頭にしばりつけられる紐でもよいし、耳の上
部にかける眼鏡のツル状のものでもよい。空間保持部の
具体的な素材、大きさ、形状、形成個数などは限定され
ない。要は、鼻孔下に鼻下空間を確保するができるもの
であればよい。例えば形状においては、請求項2の突起
スペーサでもよいし、請求項8の顔当て箱型スペーサで
もよいし、請求項9の線状スペーサでもよいし、請求項
10の植毛スペーサでもよい。また、空間保持部の設置
位置も限定されない。例えばマスク本体の裏面の人中被
覆部分でもよいし、マスク本体の裏面の頬被覆部分でも
よいし、マスク本体の裏面の唇と下顎の間にある窪み被
覆部分でもよし、マスク本体の裏面の鼻周りの被覆部分
でもよいし、マスク本体の裏面の鼻周りと口元の両側部
を被覆する部分でもよいし、マスク本体の裏面の略全域
でもよいし、マスク本体の鼻柱被覆部分から下顎被覆部
分までを覆う部分でもよい。なお、この空間保持部をマ
スク本体に着脱自在にしてもよい。
【0009】請求項2に記載の発明は、前記空間保持部
が、前記マスク本体の裏面に設けられて、先端が顔面に
当てがわれる突起スペーサを備えている請求項1に記載
のマスクである。突起スペーサの素材、大きさ、形状、
突起高さ、形成個数などは限定されない。具体的な突起
スペーサの素材としては、マスク本体と同じ布帛の他、
各種のプラスチック(軟質,硬質または発泡性のプラス
チックなど),木材,各種のセラミックス,各種の金
属,紙などが挙げられる。
【0010】また、突起スペーサの設置位置も限定され
ない。この突起スペーサはマスク本体と一体的に設けて
もよいし、別体で設けてもよい。別体にすれば既製のマ
スクに後付けすることができる。なお、一体で設ける場
合には、次のように作製することができる。すなわち、
例えばマスク本体の一部を所定の突起スペーサの形状に
プレス成形する。または、さらにこのプレス成形物を樹
脂固めする。別体の場合には、例えば接着剤によりマス
ク本体に接着したり、熱融着したりする方法を採用して
もよい。なお、この突起スペーサは、マスクのフィルタ
リングを高めるために、空気をフィルタリングするろ過
部材により作製してもよい。また、突起スペーサには、
唇と下顎の間にある窪みに当てがって、顔長さ方向に移
動可能な下顎パッドを採用してもよい。このように構成
すれば、使用者の顔の長さに合わせて、比較的大きな鼻
下空間を確保することができる。
【0011】また、突起スペーサを、マスク本体に固着
されたベース突起に着脱可能に装着するようにしてもよ
い。これにより、突起スペーサの交換が簡便になる。な
お、ベース突起が固着されるマスク本体の面は限定され
ない。マスク本体の表面でも裏面でもよい。ただし、表
面の場合は、ベース突起の着脱部分をマスク本体を貫通
し、裏面側に配置させなければならない。ベース突起の
着脱構造は限定されない。例えば、凹凸の嵌合構造、面
ファスナなどの各種の掛合構造などが採用できる。
【0012】請求項3に記載の発明は、前記突起スペー
サが、鼻と口との間の人中に当てがわれる人中パッドを
有している請求項2に記載のマスクである。人中パッド
の突起長さは限定されない。ただし使用者の鼻の高さと
略同等もしくは若干高いくらいが好ましい。また、人中
パッドの太さも限定されない。
【0013】請求項4に記載の発明は、前記突起スペー
サが、頬に当てがわれる頬パッドを有している請求項2
または請求項3に記載のマスクである。頬パッドは通常
両頬に当てがわれるが、片頬だけでもよい。また、頬パ
ッドの厚さは、マスク着用時にマスク本体の外周縁が頬
に接したままの厚さでもよい。また、この外周縁が頬か
ら若干浮き上がる厚さでもよい。すなわち、このマスク
本体の外周縁と頬との間にわずかに隙間ができること
で、呼吸をさらに楽にすることができる。なお、この頬
パッドの形状を、人中を通って両頬に当てがわれる横長
な頬パッドとしてもよい。頬パッドの人中当て部分に
は、鼻で呼吸がしやすいように通気孔を設けた方がよ
い。
【0014】請求項5に記載の発明は、前記突起スペー
サが、鼻の周りに当てがわれる鼻周りパッドを有してい
る請求項2〜請求項4のうち、何れか1項に記載のマス
クである。鼻周りパッドの形状、大きさなどは限定され
ない。例えばこのパッド形状は、鼻翼の両側方に配置さ
れる2本の線状のものでもよいし、鼻柱、左右の鼻翼、
人中を囲むような正面視して略三角形状でもよい。その
他、おのおの正面視した形状で円形、楕円形、四角形以
上の多角形でもよい。なお、鼻周りパッドをろ過部材で
作製して、マスクの通気性をよくすることもできる。こ
のように、鼻周りパッドを採用することで、マスク着用
時に口の周りと鼻の周りとを区画することができる。よ
って、マスク設計時に、口呼吸が楽なようにマスク本体
の口被覆部分だけを、通気性の良い素材または構造にす
ることが容易となる。
【0015】請求項6に記載の発明は、前記鼻周りパッ
ドが人中を横断する形状のパッドであり、その人中当て
部分に通気孔が形成されている請求項5に記載のマスク
である。この鼻周りパッドの人中当て部分には、息苦し
くないように通気孔を形成しておいた方がよい。なお、
この鼻周りパッドを弾性体にしてもよい。弾性体とする
方法には、例えばこのパッド全体をゴムまたはスポンジ
で作製したり、または、スポンジなどの軟性素材からな
る鼻周りパッドの内部に、プラスチックばねまたは金属
ばねなどの弾性芯材を埋設したものでもよい。また、前
記通気孔の形成個数は1個、2個または3個以上でもよ
い。
【0016】請求項7に記載の発明は、前記突起スペー
サが、鼻の周りと口元の両側方に当てがわれる口鼻周り
パッドを有している請求項2〜請求項4のうち、何れか
1項に記載のマスクである。口鼻周りパッドは、鼻の周
りに当てがわれる部分と、口元の両側方に当てがわれる
部分とが一体化したものでもよいし、別体のものでもよ
い。その形状は、例えば何れも正面視した形状でH形、
円形、楕円形、四角形以上の多角形でもよい。この口鼻
周りパッドの人中当て部分には、息苦しさを緩和するた
めに通気孔を形成した方が好ましい。
【0017】請求項8に記載の発明は、前記空間保持部
が、前記マスク本体の裏面に設けられて、該マスク本体
との間に口および鼻の収納空間が区画形成される立体的
な顔当て箱型スペーサを備え、該顔当て箱型スペーサの
顔面側の面板には、前記収納空間内に口および鼻を収納
する開口部が形成されている請求項1〜請求項7のう
ち、何れか1項に記載のマスクである。顔当て箱型スペ
ーサの素材、大きさ、形状などは限定されない。ただ
し、口および鼻の収納空間を確保することができる強度
を有していなければならない。顔当て箱型スペーサの形
成範囲は、マスク本体の裏面全域でもよいし、この裏面
の一部でもよい。また、この顔当て箱型スペーサの収納
空間に、ろ過部材や芳香部材など充填物を充填してもよ
い。開口部の大きさおよび形状は、口と鼻とが1箇所で
収められる大きさや形状でもよいし、口と鼻とが別々に
収められる大きさ、形状のものでもよい。
【0018】請求項9に記載の発明は、前記空間保持部
が、前記マスク本体を外方に湾曲保持することで、前記
鼻下空間を確保可能な線状スペーサを備えている請求項
1〜請求項8のうち、何れか1項に記載のマスクであ
る。線状スペーサの素材、大きさ、形状、使用本数、マ
スク本体での形成位置などは限定されない。例えば、素
材として針金,ピアノ線,プラスチック細棒などが挙げ
られる。なお、線状スペーサの形状を、マスク本体の鼻
柱被覆部分から下顎被覆部分までを、鼻筋に沿って外方
に湾曲保持する形状としてもよい。
【0019】請求項10に記載の発明は、前記空間保持
部が、前記マスク本体の裏面に植毛されて、毛先が顔面
に当てがわれる植毛スペーサを備えている請求項1〜請
求項9のうち、何れか1項に記載のマスクである。植毛
スペーサの素材としては、天然毛,人工毛の何れでもよ
い。天然毛には例えば各種の動物の毛を採用することが
できる。人工毛としては、各種の合成樹脂繊維などを採
用することができる。植毛された毛の本数は限定されな
い。また、マスク本体の裏面における植毛スペーサの植
毛範囲や植毛密度も限定されない。毛の長さも限定され
ない。
【0020】
【作用】この発明によれば、マスク本体で口および鼻を
覆うと、空間保持部により鼻孔下に鼻下空間が確保され
る。このため、呼吸を繰り返しても、口や鼻を覆うマス
ク本体の中央部分にへたりにくい。その結果、この部分
で口および鼻をふさぎ、呼吸がしにくくなるのが低減さ
れる。また、マスク着用時には、この鼻下空間の確保に
よりマスク本体が口および鼻に密着されにくい。よっ
て、使用者の唾液や鼻水により、マスク本体の汚れを抑
えることができる。
【0021】特に、請求項2に記載の発明によれば、マ
スク着用時に、突起スペーサの先端が顔面に当てがわれ
て鼻下空間が確保される。この際、突起スペーサがマス
ク本体のずれ落ちを防止する支持部の役割もになう。よ
って、従来品のようにずれ落ちたマスクを上方に引き上
げるわずらわしさが解消される。
【0022】請求項3に記載の発明によれば、突起スペ
ーサが人中パッドであるために、製造が簡単でコスト低
下も図ることができる。
【0023】請求項4,請求項5,請求項7に記載の発
明によれば、マスク着用時に、頬パッドが頬に当てがわ
れたり(請求項4)、鼻周りパッドが鼻の周りに当てが
われたり(請求項5)、口鼻周りパッドが鼻の周りと口
元の両側方に当てがわれたり(請求項7)するので、例
えば請求項3のような人中パッドに比べて、比較的大き
な鼻下空間を確保することができる。
【0024】請求項6に記載の発明によれば、マスクを
着用した際、鼻周りパッドの人中当て部分の通気孔を通
しても鼻呼吸を行うことができる。これにより、空間保
持部の一部が人中を横断するマスクであっても、比較的
呼吸がしやすくなる。
【0025】請求項8に記載の発明によれば、マスクを
着用する際に、口および鼻を開口部から顔当て箱型スペ
ーサ内の収納空間に挿入してマスクを着用する。この
際、顔当て箱型スペーサはその顔面側の面板が顔面に当
てがわれ、口および鼻は面板の開口部を通してスペーサ
の内部に収められる。これにより、マスク着用中のマス
ク本体のずれ落ちを防ぐ効果が高められる。しかも、こ
の口および鼻の収納空間が鼻下空間を兼務するので、同
時に比較的大きな鼻下空間を確保することができる。
【0026】請求項9に記載の発明によれば、マスクを
着用すると、線状スペーサにより、マスク本体を外方に
湾曲保持して鼻孔下に鼻下空間が確保される。これによ
り、空間保持部と顔面との接触を避けながら、比較的大
きな鼻下空間を確保することができる。
【0027】請求項10に記載の発明によれば、マスク
を着用すると、マスク本体の裏面に植毛された植毛スペ
ーサの毛先が顔面に当てがわれる。これにより、顔面と
接するマスク内面の肌触りがよくなる。しかも、植毛さ
れているので、高い防寒性が得られる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、この発明
の実施例に係るマスクを説明する。まず、第1の実施例
を説明する。図1は、この発明の第1の実施例に係るマ
スクの使用状態の側面図である。図2は、この発明の第
1の実施例に係るマスクの縦断面図である。図3は、こ
の発明の別の形態のマスクの縦断面図である。図4は、
この発明のさらに別の形態のマスクの縦断面図である。
図1および図2において、10はマスクであり、このマ
スク10は口および鼻を覆うガーゼ(布帛)製のマスク
本体11と、マスク本体11の両端部にそれぞれ連結さ
れて、このマスク本体11を顔面上に支持する一対の環
状のゴム紐(支持体)12とを備えている。マスク本体
11は、一辺を10cmとする菱形のガーゼを複数枚重
ね合わせて作製されている。ガーゼ製であるので、柔軟
性に優れ、容易に変形する。一対のゴム紐12は、マス
ク本体11の対向する両角部に取り付けられている。
【0029】このマスク10の特長は、マスク本体11
の中央部の裏面に、鼻孔下に鼻下空間aを確保するため
の円柱状をした突起スペーサである人中パッド(空間保
持部)13を設けた点にある。この人中パッド13は、
使用者の鼻と口との間にある人中に当てがわれる。ま
た、この人中パッド13はマスク本体11と一体的に設
けられる。具体的な人中パッド13の形成方法は、例え
ばガーゼの中央部を金型により円柱状にプレス成形し、
その後、この中間製造された円柱物に溶けた合成樹脂を
含浸させて樹脂固めする方法などを採用することができ
る。なお、図3に示すマスク10Aのように、プラスチ
ック製の別体の人中パッド13Aを、マスク本体11の
裏面に接着剤を用いて固着してもよい。人中パッド13
Aは、パッド径を大きくしている。また、図4のマスク
10Bのように、スペーサ装着片13aに人中パッド1
3Bを一体形成し、このスペーサ装着片13aを、マス
ク本体11の裏面に接着してもよい。
【0030】次に、この第1の実施例に係るマスク10
の使用方法を説明する。図1に示すように、2本のゴム
紐12を左右の耳に引っかけ、マスク本体11で口およ
び鼻を覆う。この際、人中パッド13の先端が口と鼻の
間の人中に押し当てられる。その結果、ちょうどテント
を張るように、この人中パッド13を中心として、鼻孔
下に鼻下空間aが確保される。人中パッド13という支
持部材によりこの鼻下空間aが堅固に確保されるため、
仮にジョギングなどのスポーツ時の使用により激しい呼
吸を繰り返しても、口や鼻を覆うマスク本体11の中央
部分がへたりにくい。この結果、その部分で口および鼻
をふさぎ、呼吸がしにくくなるのを解消することができ
る。また、マスク着用時には、この鼻下空間aの確保に
よりマスク本体11が口や鼻に密着されにくい。よっ
て、使用者が花粉症だったり、風邪を引いたりしていた
場合でも、唾液や鼻水がマスク本体11に付着するおそ
れが少ない。したがって、マスク本体11の体液による
汚れを抑えることができる。
【0031】さらに、マスク着用時には、人中パッド1
3の先端が顔面に当てがわれてマスク本体11を支持す
る。そのため、人中パッド13によりマスク本体11の
ずれ落ちを防ぐことができる。これにより、従来のマス
クのようにずれ落ちたマスク10をいちいち引き上げる
面倒な作業を行わずにすむ。また、突起スペーサが単純
な構造の人中パッド13であるので、製造が簡単でコス
ト低下も図ることができる。
【0032】次に、図5〜図7に基づいて、この発明の
第2の実施例に係るマスク20を説明する。図5は、こ
の発明の第2の実施例に係るマスクの使用状態の側面図
である。図6は、この発明の第2の実施例に係るマスク
の縦断面図である。図7は、この発明の第2の実施例に
係るマスクの使用状態における横断面図である。図5お
よび図6に示すように、この第2の実施例に係るマスク
20の特長は、マスク本体11のゴム紐12側の両端部
付近に、それぞれ互いに離間された頬パッド(突起スペ
ーサ)21を2個ずつ配設して、比較的大きな鼻下空間
aを確保した点である。各頬パッド21は、4個のう
ち、2個の頬パッド21が左右の鼻翼の外側方に配置さ
れ、残った2個の頬パッド21が口元の両外側方に配置
される。これらの頬パッド21の取り付けは接着によ
る。
【0033】マスク着用時には、第1の実施例の場合の
ように、ゴム紐12を両耳にかけ、マスク本体11によ
り外方から口や鼻を覆う。その際、左右2個ずつの頬パ
ッド21の先端が使用者の頬に押し当てられる。各頬パ
ッド21は比較的厚めのパッドである。そのため、着用
時にマスク本体11の外周部に隙間ができる(図7参
照)。使用者は、この隙間を介して、多量の外気を胸に
吸い込むことができる。これにより、例えば冬季に屋外
でジョギングなどのスポーツをしたり、肉体労働をする
際に、適度に冷気を遮断しながら、多くの酸素を取り入
れることができる。その他の構成、作用および効果は第
1の実施例と同様であるので説明を省略する。
【0034】次に、図8〜図10に基づいて、この発明
の第3の実施例に係るマスク30を説明する。図8は、
この発明の第3の実施例に係るマスクの使用状態の側面
図である。図9は、この発明の第3の実施例に使用され
る鼻周りパッドの拡大正面図である。図10は、この発
明の第3の実施例に使用される鼻周りパッドの拡大底面
図である。図8に示すように、この第3の実施例に係る
マスク30の特長は、正面視して長方形のガーゼ製のマ
スク本体31を用い、また突起スペーサとして、人中を
横断して鼻の周りに当てがわれる鼻周りパッド32を採
用した点にある。なお、この鼻周りパッド32の人中当
て部分32aには、幅方向に沿って大小の通気孔32
b,32cが、合計3個穿孔されている。
【0035】鼻周りパッド32は、正面視して略三角形
のパッドである。すなわち、人中当て部分32aを下辺
とすると、その両端に、傾斜した一対の頬当て部分32
dが一体的に設けられた形状を有している。なお、鼻柱
の両側に配置される頬当て部分32dの先端は、鼻柱を
両側から挟めるように、互いに連結されていない。人中
当て部分32aは底面視して山形状を有しており(図1
0参照)、その頂上部付近に大径な通気孔32bが穿設
されている。また、その両麓部付近には小径な通気孔3
2cが穿設されている。
【0036】このマスク30を着用すると、鼻周りパッ
ド32が鼻の周りに押し当てられる。しかもこの際、人
中当て部分32aの通気孔32b,32cを通して鼻呼
吸することができる。よって、このような空間保持部の
一部が人中を横断するマスク30であっても、比較的呼
吸がしやすいという効果がある。また、鼻の周りに配置
される大型の鼻周りパッド32を採用することで、比較
的大きな鼻下空間aを確保することもできる。その他の
構成、作用および効果は第1の実施例と同様であるので
説明を省略する。
【0037】次に、図11〜図13に基づいて、この発
明の第4の実施例に係るマスク40を説明する。図11
は、この発明の第4の実施例に係るマスクの使用状態の
側面図である。図12は、この発明の第4の実施例に係
るマスクの一部破断部分を含む裏面図である。図13
は、この発明の第4の実施例に係るマスクの縦断面図で
ある。図11に示すように、この第4の実施例に係るマ
スク40の特長は、突起スペーサとして、鼻の周りと口
元の両側方に当てがわれる口鼻周りパッド41を採用し
た点にある。
【0038】口鼻周りパッド41は、人中に当てがわれ
る人中当て部分41aを中心にし、この両端に、鼻柱の
両側方付近から下顎付近まで延びた一対の頬顎当て部分
41bを一体的に設けたものである。このように、口鼻
周りパッド41は突出幅が比較的大きいので、マスク着
用時に、マスク本体31と下顎との間に空間ができる。
よって、この空間から大量の空気を口呼吸することがで
きる。よって、呼吸がさらに楽になる。また、人中当て
部分41aを仕切り部材として、このマスク本体31の
中央部が、鼻側の空気ろ過部分と、口側の空気ろ過部分
とに分けられる。これにより、マスクの性質上、比較的
通気性が良好であった方が好都合の口側の空気ろ過部分
を、通気性の良好なガーゼに部分的に変更することもで
きる。その他の構成、作用および効果は第1の実施例と
同様であるので説明を省略する。
【0039】次に、図14〜図15に基づいて、この発
明の第5の実施例に係るマスク50を説明する。図14
は、この発明の第5の実施例に係るマスクの使用状態の
側面図である。図15は、この発明の第5の実施例に係
るマスクの横断面図である。図14に示すように、この
第5の実施例に係るマスク50の特長は、突起スペーサ
として、顔を横断するように、人中を通って両頬まで延
びる横紐状パッド51を採用した点にある。
【0040】横紐状パッド51は平面視して略三日月形
のパッドである。すなわち、人中に当てがわれる人中被
覆部分51aを中心にして、この両端に、両頬からマス
ク本体11のゴム紐取り付け側の両角部付近まで延びる
一対の頬当て部分51bが一体的に設けられている。こ
れらの頬当て部分51bは、人中被覆部分51aに向か
うにつれて徐々に肉厚化している。一方、この人中被覆
部分51aは薄い。このため、マスク着用時、人中被覆
部分51aと人中との間に、鼻呼吸を楽にするための通
気孔51cが形成される。このような形状の横紐状パッ
ド51を採用しているので、比較的大きな鼻下空間aを
確保することができる。また、第4の実施例の場合と同
様に、人中被覆部分51aを中心にマスク本体11の中
央部を、鼻側の空気ろ過部分と、口側の空気ろ過部分と
に分けることが可能であるため、この口側の空気ろ過部
分を、通気性の良いガーゼに部分的に置換することもで
きる。その他の構成、作用および効果は第1の実施例と
同様であるので説明を省略する。
【0041】次に、図16〜図18に基づいて、この発
明の第6の実施例に係るマスク60を説明する。図16
は、この発明の第6の実施例に係るマスクの使用状態の
側面図である。図17は、この発明の第6の実施例に係
るマスクの正面図である。図18は、この発明の第6の
実施例に係るマスクの縦断面図である。図16〜図18
に示すように、この第6の実施例に係るマスク60の特
長は、空間保持部として、マスク本体61の裏面に設け
られて、マスク本体61との間に口および鼻の収納空間
bが区画形成される立体的な顔当て箱型スペーサ62を
備え、この顔当て箱型スペーサ62の顔面側の面板63
には、収納空間(鼻下空間)b内に口を差し込むための
開口部64と、鼻を差し込むための開口部65とが形成
された点である。顔当て箱型スペーサ62は、正面視し
て略菱形をした、正面が開放された可撓性を有する箱型
のスペーサである。その厚さは、弾力をもって折り曲げ
ることができる適宜厚さである。なお、収納空間bの厚
さ方向の長さは一般成人男性の鼻を納めることが可能な
長さである。
【0042】マスク着用時には、口および鼻を開口部6
4,65から収納空間bに挿入してマスクを着用する。
この際、顔当て箱型スペーサ62はその顔面側の面板6
3が顔面に当てがわれる。よって、この面板63により
マスク60の密閉性が高まる。そして、口および鼻が開
口部64,65を通して収納空間bに収められる。これ
により、マスク着用中のマスク本体61のずれ落ちを防
ぐ効果が高められる。しかも、この収納空間bが鼻下空
間aを兼務するので、同時に比較的大きな鼻下空間aを
確保することもできる。なお、呼吸は顔当て箱型スペー
サ62の正面に貼られたマスク本体61を通して行われ
る。その他の構成、作用および効果は第1の実施例と同
様であるので説明を省略する。
【0043】次に、図19〜図21に基づき、この発明
の第7の実施例に係るマスク70を説明する。図19
は、この発明の第7の実施例に係るマスクの使用状態の
側面図である。図20は、この発明の第7の実施例に係
るマスクの正面図である。図21は、この発明の第7の
実施例に係るマスクの縦断面図である。図19〜図21
に示すように、この第7の実施例に係るマスク70の特
長は、空間保持部として、人中パッド13と、顔当て箱
型スペーサ71とを備え、この顔当て箱型スペーサ71
の顔面側の面板72には、収納空間(鼻下空間)b内
に、口および鼻が同時に収納される開口部73が形成さ
れた点である。マスク着用時には、口および鼻を開口部
73から収納空間bに挿入して着用する。この際、人中
パッド13の先端が使用者の人中に押し当てられる。こ
れにより、より確実に鼻下空間が確保される。その他の
構成、作用および効果は第6の実施例と同様であるので
説明を省略する。
【0044】次に、図22〜図24に基づいて、この発
明の第8の実施例に係るマスク80を説明する。図22
は、この発明の第8の実施例に係るマスクの使用状態の
側面図である。図23は、この発明の第8の実施例に係
るマスクの一部破断部分を含む正面図である。図24
は、この発明の第8の実施例に係るマスクの使用状態を
示す縦断面図である。図22〜図24に示すように、こ
の第8の実施例に係るマスク80の特長は、空間保持部
として、正面視して横長な四角形のガーゼ体であるマス
ク本体81と、このマスク本体81を外方に湾曲保持す
ることで、鼻下空間aを確保可能な線状スペーサ82と
を備えた点である。
【0045】線状スペーサ82は、弾性力を有するピア
ノ線を所定形状に湾曲した部材である。この線状スペー
サ82の構成は、マスク本体81の長さ方向の中間位置
を縦断するように、マスク本体81の裏面に配置された
縦断湾曲部分82aと、マスク本体81の表面に配置さ
れて、縦断湾曲部分82aの鼻柱側の端部から鼻背の両
側方、両頬に沿って両口元まで延びる一対のマスク外押
さえ部分82bとからなる。なお、縦断湾曲部分82a
の下顎側の端部には、マスク本体81が外れにくいよう
に、マスク本体81の表面側へ折れ曲がったフック部8
2cが屈曲形成されている。2本のゴム紐12は、各マ
スク外押さえ部分82bの中間部付近に取り付けられて
いる。マスク着用時、各ゴム紐12を両耳にかけてマス
ク80を着用すると、2つのマスク外押さえ部分82b
により、外方からマスク本体81の両側部が顔面に押し
付けられる。この際、両マスク外押さえ部分82bが、
鼻背の両側方から両頬に沿った両口元までの範囲を覆
う。これにより、マスク80の密閉性が高まり、花粉な
どの吸い込みを防ぐことができる。また、このマスク着
用時には、弓状に曲がった縦断湾曲部分82aによっ
て、鼻孔下に比較的大きな鼻下空間aが、空間保持部と
顔面との接触を避けながら確保される。その他の構成、
作用および効果は第1の実施例と同様であるので説明を
省略する。
【0046】次に、図25〜図27に基づいて、この発
明の第9の実施例に係るマスク90を説明する。図25
は、この発明の第9の実施例に係るマスクの斜視図であ
る。図26は、この発明の第9の実施例に係るマスクの
使用状態の側面図である。図27は、この発明の第9の
実施例に係るマスクの使用状態の背面図である。図25
〜図27に示すように、この第9の実施例に係るマスク
90の特長は、空間保持部として、バンダナ(マスク本
体/支持体を兼務)91などの布類にも後付けすること
ができる線状スペーサ92を備えた点である。線状スペ
ーサ92は、湾曲した2本のピアノ線の中間部を溶接し
た部材であり、バンダナ91の長さ方向の中間部の裏面
に配置される。線状スペーサ92の鼻柱側の端部には、
バンダナ91の表側に折れ曲げられて、鼻柱とバンダナ
91の中央上部とを挟持する二股フック部92aが屈曲
形成されている。また、線状スペーサ92の下顎側の端
部には、同じくバンダナ91の表側に折り曲げられて、
このバンダナ91の中央下部を挟持するフック部92b
が屈曲形成されている。なお、図27に示すように、こ
のバンダナ91は使用者の後頭部で結び止められる。そ
の他の構成、作用および効果は第8の実施例と同様であ
るので説明を省略する。
【0047】次に、図28〜図30に基づいて、この発
明の第10の実施例に係るマスク100を説明する。図
28は、この発明の第10の実施例に係るマスクの使用
状態の側面図である。図29は、この発明の第10の実
施例に係るマスクの裏面図である。図30は、この発明
の第10の実施例に係るマスクの縦断面図である。図2
8〜図30に示すように、この第10の実施例に係るマ
スク100の特長は、空間保持部として、前記人中パッ
ド13と、マスク本体101の裏面に植毛されて、その
毛先が顔面に当てがわれる多数本の植毛スペーサ102
とを備えた点である。植毛スペーサ102は合成樹脂繊
維製であり、マスク本体101の裏面の外縁部、口被覆
部分および鼻被覆部分を除く全域に植毛されている。な
お、人中部分にも植毛されている。この人中部分への植
毛により、人中パッド13を省略することも可能であ
る。マスク100を着用すると、マスク本体101の裏
面の植毛スペーサ102の毛先が顔面に当てがわれ、人
中パッド13も人中に当てがわれる。これにより、鼻下
空間aが確保され、しかも顔面と接するマスク内面の肌
触りがよくなる。さらに、植毛されているので、高い防
寒性が得られる。その他の構成、作用および効果は第1
の実施例と同様であるので説明を省略する。
【0048】次に、図31〜図33に基づいて、この発
明の第11の実施例に係るマスク110を説明する。図
31は、この発明の第11の実施例に係るマスクの使用
状態の側面図である。図32は、この発明の第11の実
施例に係るマスクの断面図である。図33は、この発明
の第11の実施例に係るマスクの正面図である。図31
〜図33に示すように、この第11の実施例に係るマス
ク110の特長は、正面視して楕円形のマスク本体11
1の外周部を伸縮自在な蛇腹構造とし、この部分に楕円
形のワイヤ112を外着し、さらにこのワイヤ112の
両端に両耳上部に掛止される一対のつる12A(支持
体)の元部を連結した点にある。また、このマスク本体
111の中央裏面には人中パッド13Cが設けられて、
鼻下空間aが確保されており、しかもマスク本体111
の蛇腹部内には、呼吸中、空気をろ過するろ過シート
(付加価値部材)113が展張されている。このろ過シ
ート113は、マスク本体11布帛に比べて目が細かい
ろ過材をシート化したもので、このろ過シート113を
通して呼吸することで、従来マスクに比べて人体にとっ
て害となる花粉や細菌などを吸い込むおそれが減少す
る。また、このようにマスク本体111を蛇腹式とした
ので、マスク本体111による口鼻の周りの密閉性が高
い。その他の構成、作用および効果は第1の実施例と同
様であるので説明を省略する。
【0049】次に、図34,図35に基づいて、この発
明の第12の実施例に係るマスク120を説明する。図
34は、この発明の第12の実施例に係るマスクの正面
図である。図35は、この発明の第12の実施例に係る
マスクの断面図である。図34,図35に示すように、
この第12の実施例に係るマスク120の特長は、正面
視して菱形のマスク本体121の裏面に、鼻を差し込む
開口部122aが形成された顔当て箱型スペーサ122
が設けられ、またこの顔当て箱型スペーサ122の収納
空間bに、綿,スポンジ,海綿体などからなるろ過部材
123が充填された点にある。マスク着用時、ろ過部材
123を通して呼吸することで、従来のマスクに比べて
花粉や細菌などを吸い込むおそれが減少する。なお、こ
のろ過部材123の表面には第11の実施例のろ過シー
ト113と同じ素材からなるろ過シート124が積層さ
れている。その他の構成、作用および効果は第1の実施
例と同様であるので説明を省略する。
【0050】次に、図36,図37に基づいて、この発
明の第13の実施例に係るマスク130を説明する。図
36は、この発明の第13の実施例に係るマスクの正面
図である。図37は、この発明の第13の実施例に係る
マスクの断面図である。図36,図37に示すように、
この第13の実施例に係るマスク130の特長は、前記
第12の実施例におけるろ過シート124付きのろ過部
材123に代えて、マスク本体131の裏面に設けられ
る顔当て箱型スペーサ132の内部に、例えばハーブの
香りの芳香剤をシート化した芳香剤シート(付加価値部
材)133を収納させた点である。これにより、マスク
130を着用している間中、この芳香剤シート133か
らの香りを楽しむことができる。なお、図37におい
て、132aは鼻を顔当て箱型スペーサ132内に差し
込むための開口部である。その他の構成、作用および効
果は第1の実施例と同様であるので説明を省略する。
【0051】
【発明の効果】この発明によれば、マスク本体に空間保
持部を設けたので、呼吸を繰り返しても、マスク本体の
中央部分が口および鼻に密着しにくくい。その結果、常
に楽に呼吸することができる。しかも、使用者の唾液や
鼻水がマスク本体に付着しにくくなるという効果も得ら
れる。
【0052】特に、請求項2に記載の発明によれば、空
間保持部を突起スペーサとしたので、請求項1の効果に
加えて、マスク本体のずれ落ちを防ぐことができる。
【0053】請求項3に記載の発明によれば、突起スペ
ーサを人中パッドとしたので、請求項2の効果に加え
て、製造が簡単でコスト低下を図ることができる。
【0054】請求項4,請求項5,請求項7に記載の発
明によれば、突起スペーサとして、頬パッド(請求項
4)、鼻周りパッド(請求項5)、口鼻周りパッド(請
求項7)を採用したので、それぞれ前提とする請求項の
効果に加えて、比較的大きな鼻下空間を確保することが
できる。
【0055】請求項6に記載の発明によれば、突起スペ
ーサとして、人中当て部分に通気孔が形成された鼻周り
パッドを採用したので、請求項5の効果に加えて、この
ように空間保持部の一部が人中を横断するマスクであっ
ても、比較的呼吸がしやすい。
【0056】請求項8に記載の発明によれば、空間保持
部として顔当て箱型スペーサを採用したので、請求項1
〜請求項7の効果に加えて、マスク着用中におけるマス
ク本体のずれ落ちを防ぐ効果をさらに高めることができ
る。しかも、この口および鼻の収納空間が鼻下空間を兼
務するようにしたので、同時に比較的大きな鼻下空間を
確保することができる。
【0057】請求項9に記載の発明によれば、空間保持
部として線状スペーサを採用したので、請求項1〜請求
項8の効果に加えて、空間保持部と顔面との接触を避け
ながら、比較的大きな鼻下空間を確保することができ
る。
【0058】請求項10に記載の発明によれば、空間保
持部として植毛スペーサを採用したので、請求項1〜請
求項9の効果に加えて、顔面と接するマスク内面の肌触
りがよい。しかも、植毛されていることで、高い防寒性
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例に係るマスクの使用状
態の側面図である。
【図2】この発明の第1の実施例に係るマスクの縦断面
図である。
【図3】この発明の別の形態のマスクの縦断面図であ
る。
【図4】この発明のさらに別の形態のマスクの縦断面図
である。
【図5】この発明の第2の実施例に係るマスクの使用状
態の側面図である。
【図6】この発明の第2の実施例に係るマスクの縦断面
図である。
【図7】この発明の第2の実施例に係るマスクの使用状
態における横断面図である。
【図8】この発明の第3の実施例に係るマスクの使用状
態の側面図である。
【図9】この発明の第3の実施例に使用される鼻周りパ
ッドの拡大正面図である。
【図10】この発明の第3の実施例に使用される鼻周り
パッドの拡大底面図である。
【図11】この発明の第4の実施例に係るマスクの使用
状態の側面図である。
【図12】この発明の第4の実施例に係るマスクの一部
破断部分を含む裏面図である。
【図13】この発明の第4の実施例に係るマスクの縦断
面図である。
【図14】この発明の第5の実施例に係るマスクの使用
状態の側面図である。
【図15】この発明の第5の実施例に係るマスクの横断
面図である。
【図16】この発明の第6の実施例に係るマスクの使用
状態の側面図である。
【図17】この発明の第6の実施例に係るマスクの正面
図である。
【図18】この発明の第6の実施例に係るマスクの縦断
面図である。
【図19】この発明の第7の実施例に係るマスクの使用
状態の側面図である。
【図20】この発明の第7の実施例に係るマスクの正面
図である。
【図21】この発明の第7の実施例に係るマスクの縦断
面図である。
【図22】この発明の第8の実施例に係るマスクの使用
状態の側面図である。
【図23】この発明の第8の実施例に係るマスクの一部
破断部分を含む正面図である。
【図24】この発明の第8の実施例に係るマスクの使用
状態を示す縦断面図である。
【図25】この発明の第9の実施例に係るマスクの斜視
図である。
【図26】この発明の第9の実施例に係るマスクの使用
状態の側面図である。
【図27】この発明の第9の実施例に係るマスクの使用
状態の背面図である。
【図28】この発明の第10の実施例に係るマスクの使
用状態の側面図である。
【図29】この発明の第10の実施例に係るマスクの裏
面図である。
【図30】この発明の第10の実施例に係るマスクの縦
断面図である。
【図31】この発明の第11の実施例に係るマスクの使
用状態の側面図である。
【図32】この発明の第11の実施例に係るマスクの断
面図である。
【図33】この発明の第11の実施例に係るマスクの正
面図である。
【図34】この発明の第12の実施例に係るマスクの正
面図である。
【図35】この発明の第12の実施例に係るマスクの断
面図である。
【図36】この発明の第13の実施例に係るマスクの正
面図である。
【図37】この発明の第13の実施例に係るマスクの断
面図である。
【符号の説明】
10,10A,10B,20,30,40,50 マス
ク、60,70,80,90,100,110,12
0,130 マスク、11,31,61,81,10
1,111,121,131 マスク本体、12 ゴム
紐(支持体)、12A つる(支持体)、13,13
A,13B,13C 人中パッド(空間保持部/突起ス
ペーサ)、22 頬パッド(空間保持部/突起スペー
サ)、32 鼻周りパッド(空間保持部/突起スペー
サ)、32a 人中当て部分、32b,32c 通気
孔、41 口鼻周りパッド(空間保持部/突起スペー
サ)、51 横紐状パッド(空間保持部/突起スペー
サ)、62,122,132 顔当て箱型スペーサ、6
3 面板、64,65,122a,132a 開口部、
82,92 線状スペーサ、91 バンダナ(マスク本
体)、102 植毛スペーサ、a 鼻下空間、b 収納
空間。
【手続補正書】
【提出日】平成12年1月17日(2000.1.1
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 マスク
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はマスク、詳しくは
マスク着用中の息苦しさ、だ液や鼻水によるマスク本体
の汚れ、マスク着用時のマスク本体のずれ落ちなどを抑
えるマスクに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に市販されているガーゼマス
クは、長方形にカットされたガーゼ(布帛)を複数枚重
ね合わせたマスク本体と、このマスク本体の長さ方向の
両端部にそれぞれ取り付けられた紐またはゴム紐(支持
体)と、により構成されている。このマスクの着用時に
は、一対の紐またはゴム紐を両耳に引っかけ、マスク本
体で使用者の口や鼻を覆うようになっている。なお、ガ
ーゼマスクは柔軟性に優れ、変形がしやすい。そのた
め、口や鼻を通して外気を吸い込む際の肺の吸気力、お
よび、口や鼻から湿ったあたたかな息を吐く際の肺の排
気力などにより、使用中のマスク本体の口や鼻を覆う箇
所にへたりが生じやすい。これにより、マスク本体の中
央部が口や鼻に密着しやすくなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のガー
ゼマスクにあっては、以下の問題点があった。すなわ
ち、(1) ガーゼマスクは柔らかくて変形しやすい。よっ
て、マスク着用時にマスク本体の口や鼻を覆った中央部
分にへたりが生じやすく、このへたり部分が口および鼻
をふさいで息苦しくなるという問題点があった。 (2) また、一般的なマスクの大きさは、顔の下半分だけ
を覆う大きさである。したがって、柔らかくて軽いガー
ゼマスクは、使用者の口や顎の動きおよび頭の動きなど
で、下方にずり落ちやすい。このため、しばしば手でマ
スクを上方に引き上げる動作を行わなければならなかっ
た。
【0004】なお、このマスク本体のずれ落ちを防ぐの
は、主に、両耳にかけられる紐またはゴム紐である。そ
こで、紐を耳にきつくしばったり、ゴムの弾性力を高め
てこのずれ落ちを防ぐことが考えられる。しかしなが
ら、ずれ落ちを完全に阻止するには、かなり短めの紐を
使用したり、かなり高い弾性力のゴム紐を使用する必要
がある。ところが、このようにすれば、マスク着用中に
耳が痛くなるといった弊害が生じ、着用感が低下するな
どの別の課題が発生することになる。 (3) さらに、従来のガーゼマスクでは、このようにマス
ク本体が外方から口および鼻に密着されるので、例えば
使用者が花粉症または風邪などを引いていた場合には、
流れ出る唾液や鼻水などにより、マスク本体が汚れやす
いという問題点があった。
【0005】
【発明の目的】そこで、この発明は、マスク着用時の息
苦しさを低減させることができ、しかもだ液や鼻水など
の付着によるマスク本体の汚れを防止することができる
マスクを提供することを、その目的としている。また、
この発明は、マスク着用中のマスク本体のずれ落ちを防
ぐことができるマスクを提供することを、その目的とし
ている。さらに、この発明は、製造が簡単でコスト低下
も図ることができるマスクを提供することを、その目的
としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、口および鼻を覆う布帛製のマスク本体と、該マスク
本体を顔面上で支持する支持体と、上記マスク本体に設
けられて、呼吸が楽になる鼻下空間を鼻孔下に確保する
空間保持部とを備えたマスクにおいて、上記空間保持部
が、上記マスク本体の裏面に設けられて、先端が鼻と口
との間の人中に当てがわれる人中パッドであるマスクで
ある。マスク本体は、変形自在または変形可能な程度の
硬さを有する布帛製であれば限定されない。布帛とはガ
ーゼなどの織布,不織布,編布のことである。この布帛
を構成する繊維としては、例えば各種の天然繊維(綿,
麻,絹など),各種の合成繊維(ポリエステル繊維,合
成高分子ポリアミド繊維など)が挙げられる。マスク本
体の大きさ、形状は限定されない。通常は口と鼻を覆え
る大きさ、形状であればよい。マスク本体の厚さも限定
されない。また、マスクに特定の付加価値を与える付加
価値部材を、このマスク本体に設けてもよい。付加価値
部材によりマスクに与えられる付加価値は限定されな
い。この付加価値部材としては例えば呼吸中の空気をろ
過するろ過部材、ハーブなどの心地よい香りを放つ芳香
部材などが挙げられる。
【0007】支持体の素材、大きさ、形状なども限定さ
れない。例えば耳に引っかける環状の紐またはゴム紐で
もよいし、頭にしばりつけられる紐でもよいし、耳の上
部にかける眼鏡のツル状のものでもよい。空間保持部の
具体的な素材、大きさ、形状、形成個数などは限定され
ない。要は、鼻孔下に鼻下空間を確保するができるもの
であればよい。例えば形状においては、突起スペーサで
もよいし、箱型スペーサでもよいし、線状スペーサでも
よいし、植毛スペーサでもよい。また、空間保持部の設
置位置も限定されない。例えばマスク本体の裏面の人中
被覆部分でもよいし、マスク本体の裏面の頬被覆部分で
もよいし、マスク本体の裏面の唇と下顎の間にある窪み
被覆部分でもよし、マスク本体の裏面の鼻周りの被覆部
分でもよいし、マスク本体の裏面の鼻周りと口元の両側
部を被覆する部分でもよいし、マスク本体の裏面の略全
域でもよいし、マスク本体の鼻柱被覆部分から下顎被覆
部分までを覆う部分でもよい。なお、この空間保持部を
マスク本体に着脱自在にしてもよい。これらの事項は、
請求項2にも該当する。
【0008】人中パッドの素材、大きさ、形状、突起高
さ、形成個数などは限定されない。具体的な人中パッド
の素材としては、マスク本体と同じ布帛の他、各種のプ
ラスチック(軟質,硬質または発泡性のプラスチックな
ど),木材,各種のセラミックス,各種の金属,紙など
が挙げられる。また、人中パッドはマスク本体と一体的
に設けてもよいし、別体で設けてもよい。別体にすれば
既製のマスクに後付けすることができる。なお、一体で
設ける場合には、次のように作製することができる。す
なわち、例えばマスク本体の一部を所定の人中パッドの
形状にプレス成形する。または、さらにこのプレス成形
物を樹脂固めする。別体の場合には、例えば接着剤によ
りマスク本体に接着したり、熱融着したりする方法を採
用してもよい。
【0009】なお、この人中パッドは、マスクのフィル
タリングを高めるために、空気をフィルタリングするろ
過部材により作製してもよい。また、人中パッドを、マ
スク本体に固着されたベース突起に着脱可能に装着する
ようにしてもよい。これにより、人中パッドの交換が簡
便になる。なお、ベース突起が固着されるマスク本体の
面は限定されない。マスク本体の表面でも裏面でもよ
い。ただし、表面の場合は、ベース突起の着脱部分をマ
スク本体を貫通し、裏面側に配置させなければならな
い。ベース突起の着脱構造は限定されない。例えば、凹
凸の嵌合構造、面ファスナなどの各種の掛合構造などが
採用できる。人中パッドの突起長さは限定されない。た
だし使用者の鼻の高さと略同等もしくは若干高いくらい
が好ましい。また、人中パッドの太さも限定されない。
【0010】請求項2に記載の発明は、口および鼻を覆
う布帛製のマスク本体と、該マスク本体を顔面上で支持
する支持体と、上記マスク本体に設けられて、呼吸が楽
になる鼻下空間を鼻孔下に確保する空間保持部とを備
え、上記空間保持部が、上記マスク本体の裏面に設けら
れて、先端が顔面に当てがわれる突起スペーサであるマ
スクにおいて、上記突起スペーサが、上記マスク本体と
の間に口および鼻の収納空間が区画形成される立体的な
顔当て箱型スペーサで、該顔当て箱型スペーサの顔面側
の面板には、上記収納空間内に口および鼻を収納する開
口部が形成されたマスクである。顔当て箱型スペーサの
素材、大きさ、形状などは限定されない。ただし、口お
よび鼻の収納空間を確保することができる強度を有して
いなければならない。顔当て箱型スペーサの形成範囲
は、マスク本体の裏面全域でもよいし、この裏面の一部
でもよい。また、この顔当て箱型スペーサの収納空間
に、ろ過部材や芳香部材など充填物を充填してもよい。
開口部の大きさおよび形状は、口と鼻とが1箇所で収め
られる大きさや形状でもよいし、口と鼻とが別々に収め
られる大きさ、形状のものでもよい。
【0011】請求項3に記載の発明は、上記マスク本体
の裏面に、先端が鼻と口との間の人中に当てがわれる人
中パッドが設けられた請求項2に記載のマスクである。
【0012】
【作用】これらの請求項1の発明によれば、マスク本体
で口および鼻を覆うと、人中パッドが人中に当てがわれ
て鼻孔下に鼻下空間が確保される。このため、呼吸を繰
り返しても、口や鼻を覆うマスク本体の中央部分にへた
りが生じにくい。その結果、この部分で口および鼻をふ
さぎ、呼吸がしにくくなるのが低減される。また、マス
ク着用時には、鼻下空間の確保によって、マスク本体が
口および鼻に密着されにくい。よって、使用者の唾液や
鼻水によって、このマスク本体が汚れてしまうのを抑え
ることができる。さらに、マスク着用時には、人中パッ
ドがマスク本体のずれ落ちを防ぐ支持部の役割も果た
す。したがって、従来品の場合のように、着用中にずれ
落ちたマスクを、上方に引き上げるわずらわしさが解消
される。また、空間保持部が人中パッドであるため、製
造が簡単で低コストにもなる。
【0013】次いで、請求項2の発明によれば、マスク
を着用する際、口および鼻を、その開口部から顔当て箱
型スペーサの収納空間に挿入した状態でマスクを着用す
る。この際、顔当て箱型スペーサはその顔面側の面板が
顔面に当てがわれ、口および鼻は面板の開口部を通して
スペーサの内部に収められることになる。これによっ
て、マスク着用時のマスク本体のずれ落ちを防ぐ効果が
高められる。しかも、この収納空間が鼻下空間を兼務す
るので、同時に、比較的大きな鼻下空間を確保すること
ができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、この発明
の実施例に係るマスクを説明する。まず、第1の実施例
を説明する。図1は、この発明の第1の実施例に係るマ
スクの使用状態の側面図である。図2は、この発明の第
1の実施例に係るマスクの縦断面図である。図3は、こ
の発明の別の形態のマスクの縦断面図である。図4は、
この発明のさらに別の形態のマスクの縦断面図である。
図1および図2において、10はマスクであり、このマ
スク10は口および鼻を覆うガーゼ(布帛)製のマスク
本体11と、マスク本体11の両端部にそれぞれ連結さ
れて、このマスク本体11を顔面上に支持する一対の環
状のゴム紐(支持体)12とを備えている。マスク本体
11は、一辺を10cmとする菱形のガーゼを複数枚重
ね合わせて作製されている。ガーゼ製であるので、柔軟
性に優れ、容易に変形する。一対のゴム紐12は、マス
ク本体11の対向する両角部に取り付けられている。
【0015】このマスク10の特長は、マスク本体11
の中央部の裏面に、鼻孔下に鼻下空間aを確保するため
の円柱状をした突起スペーサである人中パッド(空間保
持部)13を設けた点にある。この人中パッド13は、
使用者の鼻と口との間にある人中に当てがわれる。ま
た、この人中パッド13はマスク本体11と一体的に設
けられる。具体的な人中パッド13の形成方法は、例え
ばガーゼの中央部を金型により円柱状にプレス成形し、
その後、この中間製造された円柱物に溶けた合成樹脂を
含浸させて樹脂固めする方法などを採用することができ
る。なお、図3に示すマスク10Aのように、プラスチ
ック製の別体の人中パッド13Aを、マスク本体11の
裏面に接着剤を用いて固着してもよい。人中パッド13
Aは、パッド径を大きくしている。また、図4のマスク
10Bのように、スペーサ装着片13aに人中パッド1
3Bを一体形成し、このスペーサ装着片13aを、マス
ク本体11の裏面に接着してもよい。
【0016】次に、この第1の実施例に係るマスク10
の使用方法を説明する。図1に示すように、2本のゴム
紐12を左右の耳に引っかけ、マスク本体11で口およ
び鼻を覆う。この際、人中パッド13の先端が口と鼻の
間の人中に押し当てられる。その結果、ちょうどテント
を張るように、この人中パッド13を中心として、鼻孔
下に鼻下空間aが確保される。人中パッド13という支
持部材によりこの鼻下空間aが堅固に確保されるため、
仮にジョギングなどのスポーツ時の使用により激しい呼
吸を繰り返しても、口や鼻を覆うマスク本体11の中央
部分がへたりにくい。この結果、その部分で口および鼻
をふさぎ、呼吸がしにくくなるのを解消することができ
る。また、マスク着用時には、この鼻下空間aの確保に
よりマスク本体11が口や鼻に密着されにくい。よっ
て、使用者が花粉症だったり、風邪を引いたりしていた
場合でも、唾液や鼻水がマスク本体11に付着するおそ
れが少ない。したがって、マスク本体11の体液による
汚れを抑えることができる。
【0017】さらに、マスク着用時には、人中パッド1
3の先端が顔面に当てがわれてマスク本体11を支持す
る。そのため、人中パッド13によりマスク本体11の
ずれ落ちを防ぐことができる。これにより、従来のマス
クのようにずれ落ちたマスク10をいちいち引き上げる
面倒な作業を行わずにすむ。また、突起スペーサが単純
な構造の人中パッド13であるので、製造が簡単でコス
ト低下も図ることができる。
【0018】次に、図5〜図7に基づいて、この発明の
第2の実施例に係るマスク20を説明する。 図5は、
この発明の第2の実施例に係るマスクの使用状態の側面
図である。図6は、この発明の第2の実施例に係るマス
クの縦断面図である。図7は、この発明の第2の実施例
に係るマスクの使用状態における横断面図である。図5
および図6に示すように、この第2の実施例に係るマス
ク20の特長は、マスク本体11のゴム紐12側の両端
部付近に、それぞれ互いに離間された頬パッド(突起ス
ペーサ)21を2個ずつ配設して、比較的大きな鼻下空
間aを確保した点である。各頬パッド21は、4個のう
ち、2個の頬パッド21が左右の鼻翼の外側方に配置さ
れ、残った2個の頬パッド21が口元の両外側方に配置
される。これらの頬パッド21の取り付けは接着によ
る。
【0019】マスク着用時には、第1の実施例の場合の
ように、ゴム紐12を両耳にかけ、マスク本体11によ
り外方から口や鼻を覆う。その際、左右2個ずつの頬パ
ッド21の先端が使用者の頬に押し当てられる。各頬パ
ッド21は比較的厚めのパッドである。そのため、着用
時にマスク本体11の外周部に隙間ができる(図7参
照)。使用者は、この隙間を介して、多量の外気を胸に
吸い込むことができる。これにより、例えば冬季に屋外
でジョギングなどのスポーツをしたり、肉体労働をする
際に、適度に冷気を遮断しながら、多くの酸素を取り入
れることができる。その他の構成、作用および効果は第
1の実施例と同様であるので説明を省略する。
【0020】次に、図8〜図11に基づいて、この発明
の第3の実施例に係るマスク60を説明する。図8は、
この発明の第3の実施例に係るマスクの使用状態の側面
図である。図9は、この発明の第3の実施例に係るマス
クの正面図である。図10は、この発明の第3の実施例
に係るマスクの縦断面図である。図8〜図10に示すよ
うに、この第3の実施例に係るマスク60の特長は、空
間保持部として、マスク本体61の裏面に設けられて、
マスク本体61との間に口および鼻の収納空間bが区画
形成される立体的な顔当て箱型スペーサ62を備え、こ
の顔当て箱型スペーサ62の顔面側の面板63には、収
納空間(鼻下空間)b内に口を差し込むための開口部6
4と、鼻を差し込むための開口部65とが形成された点
である。顔当て箱型スペーサ62は、正面視して略菱形
をした、正面が開放された可撓性を有する箱型のスペー
サである。その厚さは、弾力をもって折り曲げることが
できる適宜厚さである。なお、収納空間bの厚さ方向の
長さは一般成人男性の鼻を納めることが可能な長さであ
る。
【0021】マスク着用時には、口および鼻を開口部6
4,65から収納空間bに挿入してマスクを着用する。
この際、顔当て箱型スペーサ62はその顔面側の面板6
3が顔面に当てがわれる。よって、この面板63により
マスク60の密閉性が高まる。そして、口および鼻が開
口部64,65を通して収納空間bに収められる。これ
により、マスク着用中のマスク本体61のずれ落ちを防
ぐ効果が高められる。しかも、この収納空間bが鼻下空
間aを兼務するので、同時に比較的大きな鼻下空間aを
確保することもできる。なお、呼吸は顔当て箱型スペー
サ62の正面に貼られたマスク本体61を通して行われ
る。その他の構成、作用および効果は第1の実施例と同
様であるので説明を省略する。
【0022】次に、図11〜図13に基づき、この発明
の第4の実施例に係るマスク70を説明する。図11
は、この発明の第4の実施例に係るマスクの使用状態の
側面図である。図12は、この発明の第4の実施例に係
るマスクの正面図である。図13は、この発明の第4の
実施例に係るマスクの縦断面図である。図11〜図13
に示すように、この第4の実施例に係るマスク70の特
長は、空間保持部として、人中パッド13と、顔当て箱
型スペーサ71とを備え、この顔当て箱型スペーサ71
の顔面側の面板72には、収納空間(鼻下空間)b内
に、口および鼻が同時に収納される開口部73が形成さ
れた点である。マスク着用時には、口および鼻を開口部
73から収納空間bに挿入して着用する。この際、人中
パッド13の先端が使用者の人中に押し当てられる。こ
れにより、より確実に鼻下空間が確保される。その他の
構成、作用および効果は第3の実施例と同様であるので
説明を省略する。
【0023】次に、図14〜図16に基づいて、この発
明の第5の実施例に係るマスク90を説明する。図14
は、この発明の第5の実施例に係るマスクの斜視図であ
る。図15は、この発明の第5の実施例に係るマスクの
使用状態の側面図である。図16は、この発明の第5の
実施例に係るマスクの使用状態の背面図である。図14
〜図16に示すように、この第5の実施例に係るマスク
90の特長は、空間保持部として、バンダナ(マスク本
体/支持体を兼務)91などの布類にも後付けすること
ができる円弧状に湾曲された線状スペーサ92を備えた
点である。
【0024】線状スペーサ92は、湾曲した2本のピア
ノ線の中間部を溶接した部材であり、バンダナ91の長
さ方向の中間部の裏面に配置される。線状スペーサ92
の鼻柱側の端部には、バンダナ91の表側に折れ曲げら
れて、鼻柱とバンダナ91の中央上部とを挟持する二股
フック部92aが屈曲形成されている。また、線状スペ
ーサ92の下顎側の端部には、同じくバンダナ91の表
側に折り曲げられて、このバンダナ91の中央下部を挟
持するフック部92bが屈曲形成されている。さらに、
線状スペーサ92の長さ方向の中間部には、この線状ス
ペーサ92を湾曲方向内側へ屈曲させて設けられた人中
パッド13Aが一体形成されている。なお、図13に示
すように、このバンダナ91は使用者の後頭部で結び止
められる。その他の構成、作用および効果は第1の実施
例と同様であるので説明を省略する。
【0025】次に、図17〜図19に基づいて、この発
明の第6の実施例に係るマスク100を説明する。図1
7は、この発明の第6の実施例に係るマスクの使用状態
の側面図である。図18は、この発明の第6の実施例に
係るマスクの裏面図である。図19は、この発明の第6
の実施例に係るマスクの縦断面図である。図17〜図1
9に示すように、この第6の実施例に係るマスク100
の特長は、空間保持部として、上記人中パッド13と、
マスク本体101の裏面に植毛されて、その毛先が顔面
に当てがわれる多数本の植毛スペーサ102とを備えた
点である。植毛スペーサ102は合成樹脂繊維製であ
り、マスク本体101の裏面の外縁部、口被覆部分およ
び鼻被覆部分を除く全域に植毛されている。なお、人中
部分にも植毛されている。この人中部分への植毛によ
り、人中パッド13を省略することも可能である。マス
ク100を着用すると、マスク本体101の裏面の植毛
スペーサ102の毛先が顔面に当てがわれ、人中パッド
13も人中に当てがわれる。これにより、鼻下空間aが
確保され、しかも顔面と接するマスク内面の肌触りがよ
くなる。さらに、植毛されているので、高い防寒性が得
られる。その他の構成、作用および効果は第1の実施例
と同様であるので説明を省略する。
【0026】次に、図20〜図22に基づいて、この発
明の第7の実施例に係るマスク110を説明する。図2
0は、この発明の第7の実施例に係るマスクの使用状態
の側面図である。図21は、この発明の第7の実施例に
係るマスクの断面図である。図22は、この発明の第7
の実施例に係るマスクの正面図である。図20〜図22
に示すように、この第7の実施例に係るマスク110の
特長は、正面視して楕円形のマスク本体111の外周部
を伸縮自在な蛇腹構造とし、この部分に楕円形のワイヤ
112を外着し、さらにこのワイヤ112の両端に両耳
上部に掛止される一対のつる12A(支持体)の元部を
連結した点にある。また、このマスク本体111の中央
裏面には人中パッド13Cが設けられて、鼻下空間aが
確保されており、しかもマスク本体111の蛇腹部内に
は、呼吸中、空気をろ過するろ過シート(付加価値部
材)113が展張されている。このろ過シート113
は、マスク本体11布帛に比べて目が細かいろ過材をシ
ート化したもので、このろ過シート113を通して呼吸
することで、従来マスクに比べて人体にとって害となる
花粉や細菌などを吸い込むおそれが減少する。また、こ
のようにマスク本体111を蛇腹式としたので、マスク
本体111による口鼻の周りの密閉性が高い。その他の
構成、作用および効果は第1の実施例と同様であるので
説明を省略する。
【0027】次に、図23,図24に基づいて、この発
明の第8の実施例に係るマスク120を説明する。図2
3は、この発明の第8の実施例に係るマスクの正面図で
ある。図24は、この発明の第8の実施例に係るマスク
の断面図である。図23,図24に示すように、この第
8の実施例に係るマスク120の特長は、正面視して菱
形のマスク本体121の裏面に、鼻を差し込む開口部1
22aが形成された顔当て箱型スペーサ122が設けら
れ、またこの顔当て箱型スペーサ122の収納空間b
に、綿,スポンジ,海綿体などからなるろ過部材123
が充填された点にある。マスク着用時、ろ過部材123
を通して呼吸することで、従来のマスクに比べて花粉や
細菌などを吸い込むおそれが減少する。なお、このろ過
部材123の表面には第11の実施例のろ過シート11
3と同じ素材からなるろ過シート124が積層されてい
る。その他の構成、作用および効果は第1の実施例と同
様であるので説明を省略する。
【0028】次に、図25,図26に基づいて、この発
明の第9の実施例に係るマスク130を説明する。図2
5は、この発明の第9の実施例に係るマスクの正面図で
ある。図26は、この発明の第9の実施例に係るマスク
の断面図である。図25,図26に示すように、この第
9の実施例に係るマスク130の特長は、上記第9の実
施例におけるろ過シート124付きのろ過部材123に
代えて、マスク本体131の裏面に設けられる顔当て箱
型スペーサ132の内部に、例えばハーブの香りの芳香
剤をシート化した芳香剤シート(付加価値部材)133
を収納させた点である。これにより、マスク130を着
用している間中、この芳香剤シート133からの香りを
楽しむことができる。なお、図26において、132a
は鼻を顔当て箱型スペーサ132内に差し込むための開
口部である。その他の構成、作用および効果は第1の実
施例と同様であるので説明を省略する。
【0029】
【発明の効果】この発明によれば、マスク本体に人中パ
ッドを設けたので、呼吸を繰り返しても、マスク本体の
中央部分が口および鼻に密着しにくくい。その結果、常
に楽に呼吸することができる。しかも、使用者の唾液や
鼻水がマスク本体に付着しにくくなるという効果も得ら
れる。また、マスク本体のずれ落ちを防ぐことができる
とともに、製造が簡単でコスト低下を図ることができ
る。
【0030】特に、請求項2に記載の発明によれば、空
間保持部として顔当て箱型スペーサを採用したので、請
求項1の効果に加えて、マスク着用中におけるマスク本
体のずれ落ちを防ぐ効果をさらに高めることができる。
しかも、この口および鼻の収納空間が鼻下空間を兼務す
るようにしたので、同時に比較的大きな鼻下空間を確保
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例に係るマスクの使用状
態の側面図である。
【図2】この発明の第1の実施例に係るマスクの縦断面
図である。
【図3】この発明の別の形態のマスクの縦断面図であ
る。
【図4】この発明のさらに別の形態のマスクの縦断面図
である。
【図5】この発明の第2の実施例に係るマスクの使用状
態の側面図である。
【図6】この発明の第2の実施例に係るマスクの縦断面
図である。
【図7】この発明の第2の実施例に係るマスクの使用状
態における横断面図である。
【図8】この発明の第3の実施例に係るマスクの使用状
態の側面図である。
【図9】この発明の第3の実施例に係るマスクの正面図
である。
【図10】この発明の第3の実施例に係るマスクの縦断
面図である。
【図11】この発明の第4の実施例に係るマスクの使用
状態の側面図である。
【図12】この発明の第4の実施例に係るマスクの正面
図である。
【図13】この発明の第4の実施例に係るマスクの縦断
面図である。
【図14】この発明の第5の実施例に係るマスクの斜視
図である。
【図15】この発明の第5の実施例に係るマスクの使用
状態の側面図である。
【図16】この発明の第5の実施例に係るマスクの使用
状態の背面図である。
【図17】この発明の第6の実施例に係るマスクの使用
状態の側面図である。
【図18】この発明の第6の実施例に係るマスクの裏面
図である。
【図19】この発明の第6の実施例に係るマスクの縦断
面図である。
【図20】この発明の第7の実施例に係るマスクの使用
状態の側面図である。
【図21】この発明の第7の実施例に係るマスクの断面
図である。
【図22】この発明の第7の実施例に係るマスクの正面
図である。
【図23】この発明の第8の実施例に係るマスクの正面
図である。
【図24】この発明の第8の実施例に係るマスクの断面
図である。
【図25】この発明の第9の実施例に係るマスクの正面
図である。
【図26】この発明の第9の実施例に係るマスクの断面
図である。
【符号の説明】 10,10A,10B,20 マスク、60,70,9
0,100,110,120,130 マスク、11,
61,101,111,121,131 マスク本体、
12 ゴム紐(支持体)、12A つる(支持体)、1
3,13A,13B,13C 人中パッド(空間保持部
/突起スペーサ)、62,122,132 顔当て箱型
スペーサ、63 面板、64,65,122a,132
a 開口部、91 バンダナ(マスク本体)、a 鼻下
空間、b 収納空間。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図16】
【図24】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図25】
【図26】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年5月12日(2000.5.1
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 マスク
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はマスク、詳しくは
マスク着用中の息苦しさ、だ液や鼻水によるマスク本体
の汚れ、マスク着用時のマスク本体のずれ落ちなどを抑
えるマスクに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に市販されているガーゼマス
クは、長方形にカットされたガーゼ(布帛)を複数枚重
ね合わせたマスク本体と、このマスク本体の長さ方向の
両端部にそれぞれ取り付けられた紐またはゴム紐(支持
体)と、により構成されている。このマスクの着用時に
は、一対の紐またはゴム紐を両耳に引っかけ、マスク本
体で使用者の口や鼻を覆うようになっている。なお、ガ
ーゼマスクは柔軟性に優れ、変形がしやすい。そのた
め、口や鼻を通して外気を吸い込む際の肺の吸気力、お
よび、口や鼻から湿ったあたたかな息を吐く際の肺の排
気力などにより、使用中のマスク本体の口や鼻を覆う箇
所にへたりが生じやすい。これにより、マスク本体の中
央部が口や鼻に密着しやすくなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のガー
ゼマスクにあっては、以下の問題点があった。すなわ
ち、 (1) ガーゼマスクは柔らかくて変形しやすい。よ
って、マスク着用時にマスク本体の口や鼻を覆った中央
部分にへたりが生じやすく、このへたり部分が口および
鼻をふさいで息苦しくなるという問題点があった。 (2) また、一般的なマスクの大きさは、顔の下半分だけ
を覆う大きさである。したがって、柔らかくて軽いガー
ゼマスクは、使用者の口や顎の動きおよび頭の動きなど
で、下方にずり落ちやすい。このため、しばしば手でマ
スクを上方に引き上げる動作を行わなければならなかっ
た。
【0004】なお、このマスク本体のずれ落ちを防ぐの
は、主に、両耳にかけられる紐またはゴム紐である。そ
こで、紐を耳にきつくしばったり、ゴムの弾性力を高め
てこのずれ落ちを防ぐことが考えられる。しかしなが
ら、ずれ落ちを完全に阻止するには、かなり短めの紐を
使用したり、かなり高い弾性力のゴム紐を使用する必要
がある。ところが、このようにすれば、マスク着用中に
耳が痛くなるといった弊害が生じ、着用感が低下するな
どの別の課題が発生することになる。 (3) さらに、従来のガーゼマスクでは、このようにマス
ク本体が外方から口および鼻に密着されるので、例えば
使用者が花粉症または風邪などを引いていた場合には、
流れ出る唾液や鼻水などにより、マスク本体が汚れやす
いという問題点があった。
【0005】
【発明の目的】そこで、この発明は、マスク着用時の息
苦しさを低減させることができ、しかも唾液や鼻水など
の付着によるマスク本体の汚れを防止することができる
マスクを提供することを、その目的としている。そし
て、この発明は、マスク着用中のマスク本体のずれ落ち
を防ぐことができるマスクを提供することを、その目的
としている。また、この発明は、製造が簡単でコスト低
下も図ることができるマスクを提供することを、その目
的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、口および鼻を覆う布帛製のマスク本体と、該マスク
本体を顔面上で支持する支持体と、上記マスク本体に設
けられて、呼吸が楽になる鼻下空間を鼻孔下に確保する
空間保持部とを備えたマスクにおいて、上記空間保持部
が、上記マスク本体の裏面に設けられて、先端が鼻と口
との間の人中に当てがわれる人中パッドであるマスクで
ある。マスク本体は、変形自在または変形可能な程度の
硬さを有する布帛製であれば限定されない。布帛とはガ
ーゼなどの織布,不織布,編布のことである。この布帛
を構成する繊維としては、例えば各種の天然繊維(綿,
麻,絹など),各種の合成繊維(ポリエステル繊維,合
成高分子ポリアミド繊維など)が挙げられる。マスク本
体の大きさ、形状は限定されない。通常は口と鼻を覆え
る大きさ、形状であればよい。マスク本体の厚さも限定
されない。また、マスクに特定の付加価値を与える付加
価値部材を、このマスク本体に設けてもよい。付加価値
部材によりマスクに与えられる付加価値は限定されな
い。この付加価値部材としては例えば呼吸中の空気をろ
過するろ過部材、ハーブなどの心地よい香りを放つ芳香
部材などが挙げられる。
【0007】支持体の素材、大きさ、形状なども限定さ
れない。例えば耳に引っかける環状の紐またはゴム紐で
もよいし、頭にしばりつけられる紐でもよいし、耳の上
部にかける眼鏡のツル状のものでもよい。空間保持部の
具体的な素材、大きさ、形状、形成個数などは限定され
ない。要は、鼻孔下に鼻下空間を確保することができる
ものであればよい。例えば形状においては、突起スペー
サでもよいし、箱型スペーサでもよいし、線状スペーサ
でもよいし、植毛スペーサでもよい。また、空間保持部
の設置位置も限定されない。例えばマスク本体の裏面の
人中被覆部分でもよいし、マスク本体の裏面の頬被覆部
分でもよいし、マスク本体の裏面の唇と下顎の間にある
窪み被覆部分でもよし、マスク本体の裏面の鼻周りの被
覆部分でもよいし、マスク本体の裏面の鼻周りと口元の
両側部を被覆する部分でもよいし、マスク本体の裏面の
略全域でもよいし、マスク本体の鼻柱被覆部分から下顎
被覆部分までを覆う部分でもよい。なお、この空間保持
部をマスク本体に着脱自在にしてもよい。これらの事項
は、請求項2にも該当する。
【0008】人中パッドの素材、大きさ、形状、突起高
さ、形成個数などは限定されない。具体的な人中パッド
の素材としては、マスク本体と同じ布帛の他、各種のプ
ラスチック(軟質,硬質または発泡性のプラスチックな
ど),木材,各種のセラミックス,各種の金属,紙など
が挙げられる。また、人中パッドはマスク本体と一体的
に設けてもよいし、別体で設けてもよい。別体にすれば
既製のマスクに後付けすることができる。なお、一体で
設ける場合には、次のように作製することができる。す
なわち、例えばマスク本体の一部を所定の人中パッドの
形状にプレス成形する。または、さらにこのプレス成形
物を樹脂固めする。別体の場合には、例えば接着剤によ
りマスク本体に接着したり、熱融着したりする方法を採
用してもよい。
【0009】なお、この人中パッドは、マスクのフィル
タリングを高めるために、空気をフィルタリングするろ
過部材により作製してもよい。また、人中パッドを、マ
スク本体に固着されたベース突起に着脱可能に装着する
ようにしてもよい。これにより、人中パッドの交換が簡
便になる。なお、ベース突起が固着されるマスク本体の
面は限定されない。マスク本体の表面でも裏面でもよ
い。ただし、表面の場合は、ベース突起の着脱部分をマ
スク本体を貫通し、裏面側に配置させなければならな
い。ベース突起の着脱構造は限定されない。例えば、凹
凸の嵌合構造、面ファスナなどの各種の掛合構造などが
採用できる。人中パッドの突起長さは限定されない。た
だし使用者の鼻の高さと略同等もしくは若干高いくらい
が好ましい。また、人中パッドの太さも限定されない。
【0010】請求項2に記載の発明は、口および鼻を覆
う布帛製のマスク本体と、該マスク本体を顔面上で支持
する支持体と、上記マスク本体に設けられて、呼吸が楽
になる鼻下空間を鼻孔下に確保する空間保持部とを備
え、上記空間保持部が、上記マスク本体の裏面に設けら
れて、先端が顔面に当てがわれる突起スペーサであるマ
スクにおいて、上記突起スペーサが、上記マスク本体と
の間に口および鼻の収納空間が区画形成される立体的な
顔当て箱型スペーサで、該顔当て箱型スペーサの顔面側
の面板には、上記収納空間内に口および鼻を収納する開
口部が形成され、上記マスク本体の裏面に、先端が鼻と
口との間の人中に当てがわれる人中パッドが設けられた
マスクである。顔当て箱型スペーサの素材、大きさ、形
状などは限定されない。ただし、口および鼻の収納空間
を確保することができる強度を有していなければならな
い。顔当て箱型スペーサの形成範囲は、マスク本体の裏
面全域でもよいし、この裏面の一部でもよい。また、こ
の顔当て箱型スペーサの収納空間に、ろ過部材や芳香部
材など充填物を充填してもよい。開口部の大きさおよび
形状は、口と鼻とが1箇所で収められる大きさや形状で
もよいし、口と鼻とが別々に収められる大きさ、形状の
ものでもよい。
【0011】
【作用】これらの発明によれば、マスク本体で口および
鼻を覆うと、人中パッドが人中に当てがわれて鼻孔下に
鼻下空間が確保される。このため、呼吸を繰り返して
も、口や鼻を覆うマスク本体の中央部分にへたりが生じ
にくい。その結果、この部分で口および鼻をふさぎ、呼
吸がしにくくなるのが低減される。また、マスク着用時
には、鼻下空間の確保によって、マスク本体が口および
鼻に密着されにくい。よって、使用者の唾液や鼻水によ
って、このマスク本体が汚れてしまうのを抑えることが
できる。さらに、マスク着用時には、人中パッドがマス
ク本体のずれ落ちを防ぐ支持部の役割も果たす。したが
って、従来品の場合のように、着用中にずれ落ちたマス
クを、上方に引き上げるわずらわしさが解消される。ま
た、空間保持部が人中パッドであるため、製造が簡単で
低コストにもなる。
【0012】特に、請求項2の発明によれば、マスクを
着用する際、口および鼻を、その開口部から顔当て箱型
スペーサの収納空間に挿入した状態でマスクを着用す
る。この際、顔当て箱型スペーサはその顔面側の面板が
顔面に当てがわれ、口および鼻は面板の開口部を通して
スペーサの内部に収められることになる。これによっ
て、マスク着用時において、請求項1の人中パッドの効
果の他に、この収納空間が鼻下空間を兼務するので、同
時に、比較的大きな鼻下空間を確保することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、この発明
の実施例に係るマスクを説明する。まず、第1の実施例
を説明する。図1は、この発明の第1の実施例に係るマ
スクの使用状態の側面図である。図2は、この発明の第
1の実施例に係るマスクの縦断面図である。図3は、こ
の発明の別の形態のマスクの縦断面図である。図4は、
この発明のさらに別の形態のマスクの縦断面図である。
図1および図2において、10はマスクであり、このマ
スク10は口および鼻を覆うガーゼ(布帛)製のマスク
本体11と、マスク本体11の両端部にそれぞれ連結さ
れて、このマスク本体11を顔面上に支持する一対の環
状のゴム紐(支持体)12とを備えている。マスク本体
11は、一辺を10cmとする菱形のガーゼを複数枚重
ね合わせて作製されている。ガーゼ製であるので、柔軟
性に優れ、容易に変形する。一対のゴム紐12は、マス
ク本体11の対向する両角部に取り付けられている。
【0014】このマスク10の特長は、マスク本体11
の中央部の裏面に、鼻孔下に鼻下空間aを確保するため
の円柱状をした人中パッド(空間保持部)13を設けた
点にある。この人中パッド13は、使用者の鼻と口との
間にある人中に当てがわれる。また、この人中パッド1
3はマスク本体11と一体的に設けられる。具体的な人
中パッド13の形成方法は、例えばガーゼの中央部を金
型により円柱状にプレス成形し、その後、この中間製造
された円柱物に溶けた合成樹脂を含浸させて樹脂固めす
る方法などを採用することができる。なお、図3に示す
マスク10Aのように、プラスチック製の別体の人中パ
ッド13Aを、マスク本体11の裏面に接着剤を用いて
固着してもよい。人中パッド13Aは、パッド径を大き
くしている。また、図4のマスク10Bのように、スペ
ーサ装着片13aに人中パッド13Bを一体形成し、こ
のスペーサ装着片13aを、マスク本体11の裏面に接
着してもよい。
【0015】次に、この第1の実施例に係るマスク10
の使用方法を説明する。図1に示すように、2本のゴム
紐12を左右の耳に引っかけ、マスク本体11で口およ
び鼻を覆う。この際、人中パッド13の先端が口と鼻の
間の人中に押し当てられる。その結果、ちょうどテント
を張るように、この人中パッド13を中心として、鼻孔
下に鼻下空間aが確保される。人中パッド13という支
持部材によりこの鼻下空間aが堅固に確保されるため、
仮にジョギングなどのスポーツ時の使用により激しい呼
吸を繰り返しても、口や鼻を覆うマスク本体11の中央
部分がへたりにくい。この結果、その部分で口および鼻
をふさぎ、呼吸がしにくくなるのを解消することができ
る。また、マスク着用時には、この鼻下空間aの確保に
よりマスク本体11が口や鼻に密着されにくい。よっ
て、使用者が花粉症だったり、風邪を引いたりしていた
場合でも、唾液や鼻水がマスク本体11に付着するおそ
れが少ない。したがって、マスク本体11の体液による
汚れを抑えることができる。
【0016】さらに、マスク着用時には、人中パッド1
3の先端が顔面に当てがわれてマスク本体11を支持す
る。そのため、人中パッド13によりマスク本体11の
ずれ落ちを防ぐことができる。これにより、従来のマス
クのようにずれ落ちたマスク10をいちいち引き上げる
面倒な作業を行わずにすむ。また、突起スペーサが単純
な構造の人中パッド13であるので、製造が簡単でコス
ト低下も図ることができる。
【0017】次に、図5〜図7に基づいて、この発明の
第2の実施例に係るマスク20を説明する。図5は、こ
の発明の第2の実施例に係るマスクの使用状態の側面図
である。図6は、この発明の第2の実施例に係るマスク
の縦断面図である。図7は、この発明の第2の実施例に
係るマスクの使用状態における横断面図である。図5お
よび図6に示すように、この第2の実施例に係るマスク
20の特長は、マスク本体11のゴム紐12側の両端部
付近に、それぞれ互いに離間された頬パッド(突起スペ
ーサ)21を2個ずつ配設して、比較的大きな鼻下空間
aを確保した点である。各頬パッド21は、4個のう
ち、2個の頬パッド21が左右の鼻翼の外側方に配置さ
れ、残った2個の頬パッド21が口元の両外側方に配置
される。これらの頬パッド21の取り付けは接着によ
る。
【0018】マスク着用時には、第1の実施例の場合の
ように、ゴム紐12を両耳にかけ、マスク本体11によ
り外方から口や鼻を覆う。その際、左右2個ずつの頬パ
ッド21の先端が使用者の頬に押し当てられる。各頬パ
ッド21は比較的厚めのパッドである。そのため、着用
時にマスク本体11の外周部に隙間ができる(図7参
照)。使用者は、この隙間を介して、多量の外気を胸に
吸い込むことができる。これにより、例えば冬季に屋外
でジョギングなどのスポーツをしたり、肉体労働をする
際に、適度に冷気を遮断しながら、多くの酸素を取り入
れることができる。その他の構成、作用および効果は第
1の実施例と同様であるので説明を省略する。
【0019】次に、図8〜図10に基づき、この発明の
第3の実施例に係るマスク70を説明する。図8は、こ
の発明の第3の実施例に係るマスクの使用状態の側面図
である。図9は、この発明の第3の実施例に係るマスク
の正面図である。図10は、この発明の第3の実施例に
係るマスクの縦断面図である。図8〜図10に示すよう
に、この第3の実施例に係るマスク70の特長は、空間
保持部として、人中パッド13のほかに、マスク本体1
1の裏面に設けられて、このマスク本体11との間に口
および鼻の収納空間bが区画形成される顔当て箱型スペ
ーサ71とを備え、この顔当て箱型スペーサ71の顔面
側の面板72には、収納空間(鼻下空間)b内に、口お
よび鼻が同時に収納される開口部73が形成された点で
ある。顔当て箱型スペーサ71は、正面視して略菱形を
した、正面が開放された可撓性を有する箱型のスペーサ
である。その厚さは、弾力をもって折り曲げることがで
きる適宜厚さである。なお、収納空間bの厚さ方向の長
さは一般成人男性の鼻を納めることが可能な長さであ
る。
【0020】マスク着用時には、口および鼻を開口部7
3から収納空間bに挿入してマスクを着用する。この
際、顔当て箱型スペーサ71はその顔面側の面板72が
顔面に当てがわれる。この際、人中パッド13の先端が
使用者の人中に押し当てられる。これにより、より確実
に鼻下空間が確保される。しかも、この面板72により
マスク70の密閉性が高まる。そして、口および鼻が開
口部73を通して収納空間bに収められる。これによ
り、マスク着用中のマスク本体11のずれ落ちを防ぐ効
果が高められる。しかも、この収納空間bが鼻下空間a
を兼務するので、同時に比較的大きな鼻下空間aを確保
することもできる。なお、呼吸は顔当て箱型スペーサ7
1の正面に貼られたマスク本体11を通して行われる。
その他の構成、作用および効果は第1の実施例と同様で
あるので説明を省略する。
【0021】次に、図11〜図13に基づいて、この発
明の第4の実施例に係るマスク90を説明する。図11
は、この発明の第4の実施例に係るマスクの斜視図であ
る。図12は、この発明の第4の実施例に係るマスクの
使用状態の側面図である。図13は、この発明の第4の
実施例に係るマスクの使用状態の背面図である。図11
〜図13に示すように、この第4の実施例に係るマスク
90の特長は、空間保持部として、バンダナ(マスク本
体/支持体を兼務)91などの布類にも後付けすること
ができる円弧状に湾曲された線状スペーサ92を備えた
点である。
【0022】線状スペーサ92は、湾曲した2本のピア
ノ線の中間部を溶接した部材であり、バンダナ91の長
さ方向の中間部の裏面に配置される。線状スペーサ92
の鼻柱側の端部には、バンダナ91の表側に折れ曲げら
れて、鼻柱とバンダナ91の中央上部とを挟持する二股
フック部92aが屈曲形成されている。また、線状スペ
ーサ92の下顎側の端部には、同じくバンダナ91の表
側に折り曲げられて、このバンダナ91の中央下部を挟
持するフック部92bが屈曲形成されている。さらに、
線状スペーサ92の長さ方向の中間部には、この線状ス
ペーサ92を湾曲方向内側へ屈曲させて設けられた人中
パッド13Dが一体形成されている。なお、図13に示
すように、このバンダナ91は使用者の後頭部で結び止
められる。その他の構成、作用および効果は第1の実施
例と同様であるので説明を省略する。
【0023】次に、図14〜図16に基づいて、この発
明の第5の実施例に係るマスク100を説明する。図1
4は、この発明の第5の実施例に係るマスクの使用状態
の側面図である。図15は、この発明の第5の実施例に
係るマスクの裏面図である。図16は、この発明の第5
の実施例に係るマスクの縦断面図である。図14〜図1
6に示すように、この第5の実施例に係るマスク100
の特長は、空間保持部として、上記人中パッド13と、
マスク本体101の裏面に植毛されて、その毛先が顔面
に当てがわれる多数本の植毛スペーサ102とを備えた
点である。植毛スペーサ102は合成樹脂繊維製であ
り、マスク本体101の裏面の外縁部、口被覆部分およ
び鼻被覆部分を除く全域に植毛されている。なお、人中
部分にも植毛されている。マスク100を着用すると、
マスク本体101の裏面の植毛スペーサ102の毛先が
顔面に当てがわれ、人中パッド13も人中に当てがわれ
る。これにより、鼻下空間aが確保され、しかも顔面と
接するマスク内面の肌触りがよくなる。さらに、植毛さ
れているので、高い防寒性が得られる。その他の構成、
作用および効果は第1の実施例と同様であるので説明を
省略する。
【0024】次に、図17〜図19に基づいて、この発
明の第6の実施例に係るマスク110を説明する。図1
7は、この発明の第6の実施例に係るマスクの使用状態
の側面図である。図18は、この発明の第6の実施例に
係るマスクの横断面図である。図19は、この発明の第
6の実施例に係るマスクの正面図である。図17〜図1
9に示すように、この第6の実施例に係るマスク110
の特長は、正面視して楕円形のマスク本体111の外周
部を伸縮自在な蛇腹構造とし、この部分に楕円形のワイ
ヤ112を外着し、さらにこのワイヤ112の両端に両
耳上部に掛止される一対のつる12A(支持体)の元部
を連結した点にある。また、このマスク本体111の中
央裏面には人中パッド13Cが設けられて、鼻下空間a
が確保されており、しかもマスク本体111の蛇腹部内
には、呼吸中、空気をろ過するろ過シート(付加価値部
材)113が展張されている。このろ過シート113
は、マスク本体11布帛に比べて目が細かいろ過材をシ
ート化したもので、このろ過シート113を通して呼吸
することで、従来マスクに比べて人体にとって害となる
花粉や細菌などを吸い込むおそれが減少する。また、こ
のようにマスク本体111を蛇腹式としたので、マスク
本体111による口鼻の周りの密閉性が高い。その他の
構成、作用および効果は第1の実施例と同様であるので
説明を省略する。
【0025】
【発明の効果】この発明によれば、マスク本体に人中パ
ッドを設けたので、呼吸を繰り返しても、マスク本体の
中央部分が口および鼻に密着しにくい。その結果、常に
楽に呼吸することができる。しかも、使用者の唾液や鼻
水がマスク本体に付着しにくくなるという効果も得られ
る。また、マスク本体のずれ落ちを防ぐことができると
ともに、製造が簡単でコスト低下を図ることができる。
【0026】特に、請求項2に記載の発明によれば、空
間保持部として人中パッドと顔当て箱型スペーサを採用
したので、請求項1の効果に加えて、マスク着用中に、
口および鼻の収納空間が鼻下空間を兼務することとな
り、比較的大きな鼻下空間を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例に係るマスクの使用状
態の側面図である。
【図2】この発明の第1の実施例に係るマスクの縦断面
図である。
【図3】この発明の別の形態のマスクの縦断面図であ
る。
【図4】この発明のさらに別の形態のマスクの縦断面図
である。
【図5】この発明の第2の実施例に係るマスクの使用状
態の側面図である。
【図6】この発明の第2の実施例に係るマスクの縦断面
図である。
【図7】この発明の第2の実施例に係るマスクの使用状
態における横断面図である。
【図8】この発明の第3の実施例に係るマスクの使用状
態の側面図である。
【図9】この発明の第3の実施例に係るマスクの正面図
である。
【図10】この発明の第3の実施例に係るマスクの縦断
面図である。
【図11】この発明の第4の実施例に係るマスクの斜視
図である。
【図12】この発明の第4の実施例に係るマスクの使用
状態の側面図である。
【図13】この発明の第4の実施例に係るマスクの使用
状態の背面図である。
【図14】この発明の第5の実施例に係るマスクの使用
状態の側面図である。
【図15】この発明の第5の実施例に係るマスクの裏面
図である。
【図16】この発明の第5の実施例に係るマスクの縦断
面図である。
【図17】この発明の第6の実施例に係るマスクの使用
状態の側面図である。
【図18】この発明の第6の実施例に係るマスクの横断
面図である。
【図19】この発明の第6の実施例に係るマスクの正面
図である。
【符号の説明】 10,10A,10B,20 マスク、70,90,1
00,110 マスク、11,101,111 マスク
本体、12 ゴム紐(支持体)、12A つる(支持
体)、13,13A,13B,13C,13D 人中パ
ッド(空間保持部/突起スペーサ)、71 顔当て箱型
スペーサ、72 面板、73 開口部、91 バンダナ
(マスク本体)、a 鼻下空間、b 収納空間。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図16】
【図18】
【図15】
【図17】
【図19】

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 口および鼻を覆う布帛製のマスク本体
    と、 該マスク本体を顔面上で支持する支持体とを備えたマス
    クにおいて、 前記マスク本体に、呼吸が楽になる鼻下空間を鼻孔下に
    確保する空間保持部を設けたマスク。
  2. 【請求項2】 前記空間保持部が、前記マスク本体の裏
    面に設けられて、先端が顔面に当てがわれる突起スペー
    サを備えている請求項1に記載のマスク。
  3. 【請求項3】 前記突起スペーサが、鼻と口との間の人
    中に当てがわれる人中パッドを有している請求項2に記
    載のマスク。
  4. 【請求項4】 前記突起スペーサが、頬に当てがわれる
    頬パッドを有している請求項2または請求項3に記載の
    マスク。
  5. 【請求項5】 前記突起スペーサが、鼻の周りに当てが
    われる鼻周りパッドを有している請求項2〜請求項4の
    うち、何れか1項に記載のマスク。
  6. 【請求項6】 前記鼻周りパッドが人中を横断する形状
    のパッドであり、その人中当て部分に通気孔が形成され
    ている請求項5に記載のマスク。
  7. 【請求項7】 前記突起スペーサが、鼻の周りと口元の
    両側方に当てがわれる口鼻周りパッドを有している請求
    項2〜請求項4のうち、何れか1項に記載のマスク。
  8. 【請求項8】 前記空間保持部が、前記マスク本体の裏
    面に設けられて、該マスク本体との間に口および鼻の収
    納空間が区画形成される立体的な顔当て箱型スペーサを
    備え、 該顔当て箱型スペーサの顔面側の面板には、前記収納空
    間内に口および鼻を収納する開口部が形成されている請
    求項1〜請求項7のうち、何れか1項に記載のマスク。
  9. 【請求項9】 前記空間保持部が、前記マスク本体を外
    方に湾曲保持することで、前記鼻下空間を確保可能な線
    状スペーサを備えている請求項1〜請求項8のうち、何
    れか1項に記載のマスク。
  10. 【請求項10】 前記空間保持部が、前記マスク本体の
    裏面に植毛されて、毛先が顔面に当てがわれる植毛スペ
    ーサを備えている請求項1〜請求項9のうち、何れか1
    項に記載のマスク。
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