JP7105630B2 - 構造物の変位計測システムおよび構造物の変位計測方法 - Google Patents

構造物の変位計測システムおよび構造物の変位計測方法 Download PDF

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Description

本発明は、構造物の変位を計測する構造物の変位計測システムおよび構造物の変位計測方法に関する。
従来、免震装置が設置された構造物等において、地震発生時における構造物の変位量の計測が行われている。計測された変位量は、免震装置や構造物が受けたダメージの推定に用いられる。
振動発生時における構造物の変位を計測する技術として、オービター(ケガキ装置)や画像処理を用いた方法が提案されている。
例えば下記特許文献1はオービターに関する発明であり、免震構造物を支えている地盤、又はその免震構造物に固定して設けられている記録板と、前記免震構造物、又はその免震構造物を支えている地盤に固定して設けられ、前記記録板に、常時、当接するように付勢されている記録針とからなる。
また、下記特許文献2は画像処理を用いた発明であり、基礎構造体の如き第一の構造体と建築構造体の如き第二の構造体との一方に被撮像部材を配設し、他方に被撮像部材を撮像するための撮像手段を配設する。そして、画像処理手段によって撮像手段が撮像する画像を適宜に処理して、第一の構造体に対する第二の構造体の相対的変位を検出する。
特開平11-142135号公報 特開2016-90474号公報
しかしながら、上述した従来技術では、上部構造体と下部構造体との水平方向の相対変位を計測することはできるものの、鉛直方向の相対変位や傾きを計測することはできないという課題がある。また、特許文献1については、振動発生時における変位量の最大値は計測できるものの、経路、総量および変位速度は計測できないという課題がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、振動発生時における構造物の変位を精度よく計測することにある。
上述の目的を達成するため、発明にかかる構造物の変位計測システムは、下部構造体と、前記下部構造体上で免震装置を介して免震支持された上部構造体との相対変位量を計測する変位計測システムであって、前記上部構造体または前記下部構造体のうち一方の構造体に取着され、所定の形状を有する3つ以上のマーカからなる第1のマーカ群と、前記上部構造体または前記下部構造体のうち他方の構造体に設置され、前記第1のマーカ群の全てを撮影範囲に含むカメラと、前記カメラで連続的に撮影された各時刻の画像に基づいて、前記上部構造体と前記下部構造体との間の3次元変位量を継時的に算出する変位量算出部とを備え、前記3次元変位量は、前記上部構造体と前記下部構造体との間のX軸方向の変位量、Y軸方向の変位量、Z軸方向の変位量、ピッチングの変位量、ローリングの変位量、ヨーイングの変位量を含む、ことを特徴とする。
また、本発明にかかる構造物の変位計測システムは、それぞれの前記マーカは、前記一方の構造体の表面から垂直方向に立設された支持部材の先端に配置される、ことを特徴とする。
また、本発明にかかる構造物の変位計測システムは、前記一方の構造体の表面から垂直方向に立設された壁状部材と、前記壁状部材に取着され、所定の形状を有する3つ以上のマーカからなる第2のマーカ群と、を備え、前記カメラは、前記第1のマーカ群の全てとともに前記第2のマーカ群の全てを撮影範囲に含み、前記変位量算出部は、前記第1のマーカ群の各時刻の画像に基づいて前記上部構造体と前記下部構造体との間の水平方向の相対変位量を算出し、前記第2のマーカ群の各時刻の画像に基づいて前記上部構造体と前記下部構造体との間の鉛直方向の相対変位量を算出する、ことを特徴とする。
また、本発明にかかる構造物の変位計測システムは、前記カメラのレンズ前方にハーフミラーまたはピンホールミラーを配置し、前記カメラの撮影範囲に前記第1のマーカ群および前記第2のマーカ群の全てが含まれるよう構成した、ことを特徴とする。
また、本発明にかかる構造物の変位計測システムは、複数の前記マーカは、形状または色の少なくともいずれか一方がそれぞれ異なる、ことを特徴とする。
また、本発明にかかる構造物の変位計測システムは、振動を検知する振動検知部を更に備え、前記カメラは前記振動検知部により振動が検知された場合に起動し、前記画像の撮影を所定時間行う、ことを特徴とする。
また、本発明にかかる構造物の変位計測方法は、下部構造体と、前記下部構造体上で免震装置を介して免震支持された上部構造体との相対変位量を計測する変位計測方法であって、前記上部構造体または前記下部構造体のうち一方の構造体に所定の形状を有する3つ以上からなる第1のマーカ群を固定し、前記上部構造体または前記下部構造体のうち他方の構造体に設置されたカメラで前記第1のマーカ群の全てを連続的に撮影する撮影工程と、前記カメラで撮影された各時刻の画像に基づいて、前記上部構造体と前記下部構造体との間の3次元変位量を継時的に算出する変位量算出工程とを含み、前記3次元変位量は、前記上部構造体と前記下部構造体との間のX軸方向の変位量、Y軸方向の変位量、Z軸方向の変位量、ピッチングの変位量、ローリングの変位量、ヨーイングの変位量を含む、ことを特徴とする。
また、本発明にかかる構造物の変位計測方法は、それぞれの前記マーカは、前記一方の構造体の表面から垂直方向に立設された支持部材の先端に配置される、ことを特徴とする。
また、本発明にかかる構造物の変位計測方法は、前記撮影工程では、前記第1のマーカ群の全てとともに、前記一方の構造体の表面から垂直方向に立設された壁状部材に固定された所定の形状を有する3つ以上のマーカからなる第2のマーカ群の全てを撮影し、前記変位量算出工程では、前記第1のマーカ群の各時刻の画像に基づいて前記上部構造体と前記下部構造体との間の水平方向の相対変位量を算出し、前記第2のマーカ群の各時刻の画像に基づいて前記上部構造体と前記下部構造体との間の鉛直方向の相対変位量を算出する、ことを特徴とする。
また、本発明にかかる構造物の変位計測方法は、前記カメラのレンズ前方にハーフミラーまたはピンホールミラーを配置し、前記カメラの撮影範囲に前記第1のマーカ群および前記第2のマーカ群の全てが含まれるよう構成した、ことを特徴とする。
また、本発明にかかる構造物の変位計測方法は、複数の前記マーカは、形状または色の少なくともいずれか一方がそれぞれ異なる、ことを特徴とする。
また、本発明にかかる構造物の変位計測方法は、構造物の振動を検知する振動検知工程を更に含み、前記撮影工程は、前記振動検知工程により振動が検知された場合に開始され、前記画像の撮影を所定時間行う、ことを特徴とする。
発明によれば、複数のマーカを連続して撮影した画像に基づいて、上部構造体と下部構造体との間の3次元変位量を継時的に算出するので、振動発生時における変位量の最大値のみならず、変位の時間的変化を把握することができる。また、水平方向の変位のみならず、上下方向の変位も算出するので、より変位による構造物への影響を正確に推定する上で有利となる。また、構造物にはカメラおよびマーカを配置するのみでよく、高価な地震計などを設置するのと比較して簡便な構成で構造物の変位を計測することができる。
また、本発明によれば、垂直方向に立設された支持部材の先端にマーカが配置されているので、上下方向の変位を精度よく計測する上で有利となる。
また、本発明によれば、第1のマーカ群の画像に基づいて水平方向の相対変位量を、第2のマーカ群の画像に基づいて鉛直方向の相対変位量を、それぞれ算出するので、より精度よく上部構造体と下部構造体との間の3次元変位量を算出することができる。
また、本発明によれば、1台のカメラで第1、第2のマーカ群を撮影することができ、コストを低減することができる。
また、本発明によれば、複数のマーカの形状または色の少なくともいずれか一方がそれぞれ異なるので、それぞれのマーカを精度よく識別する上で有利となる。
また、本発明によれば、振動発生時以外にはカメラでの撮影を行わないので、カメラの消費電力および処理負荷を低減する上で有利となる。
また、本発明によれば、振動発生時における免震装置周辺の変位量を計測することができ、振動が免震装置に与えた損傷を精度よく推定する上で有利となる。
実施の形態にかかる変位計測システム10の構成を示すブロック図である。 マーカ12およびカメラ14の設置状態を模式的に示す説明図である。 マーカ12の拡大斜視図である。 変位計測システム10の処理を示すフローチャートである。 変位計測システム10の他の構成例を示す説明図である。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる構造物の変位計測システムおよび構造物の変位計測方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
図1は、実施の形態にかかる構造物の変位計測システム10の構成を示すブロック図である。また、図2は、マーカ12およびカメラ14の設置状態を模式的に示す説明図である。また、図3は、マーカ12の拡大斜視図である。
本実施の形態では、変位計測システム10は、上部構造体40と下部構造体42とを有する構造物の変位量を計測する。
図2に示すように、上部構造体40と下部構造体42との間の空間Sには免震装置30が設置されている。上部構造体40は例えば建物であり、下部構造体42は例えば建物の基礎である。なお、図1では図示を省略しているが、免震装置30は、空間S内に間隔をおいて複数設置されている。
免震装置30は、上部構造体40に取り付けられる鋼材製の上部フランジ32と、下部構造体42に取り付けられる鋼材製の下部フランジ34と、上部フランジ32と下部フランジ34に挟まれた積層ゴム36とを備える。
積層ゴム36は、下部構造体42の上で上部構造体40の水平方向の変位を許容しつつ上部構造体40からの垂直荷重を支えるものであり、複数枚のゴムシートと複数枚の鋼板とが交互に積層されて構成され、その外側がゴムで被覆されている。上部フランジ32は積層ゴム36の上面に接合され、下部フランジ34は積層ゴム36の下面に接合されている。積層ゴム36の中央部には、エネルギ吸収手段として鉛プラグが配置されているものもある。なお、免震装置30の構造は、上述したものに限らず、従来公知の様々な構造が適用可能である。免震装置とは、転がり支承、滑り支承、鉛入り積層ゴム、積層ゴム、湾曲ばね構造式等を総称する。
例えば、地震が発生した場合、積層ゴム36の変形により下部構造体42と上部構造体40との間の水平方向の相対変位が許容され、積層ゴム36の変形に伴ってエネルギ吸収手段により振動エネルギが吸収される。
一方で、免震装置30は変形時に加わった荷重により、損傷が生じる場合がある。振動時における構造体の変位量を計測することによって、免震装置30に加わった荷重等を推定することができ、免震装置30の損傷度合い等を推定することができる。また、その後の余震の状況も知ることができる。
図1に示すように、構造物の変位計測システム10は、3つ以上の複数のマーカ12からなるマーカ群11(第1のマーカ群)、カメラ14、通信部16、コンピュータ18、変位量算出部20、加速度センサ24(振動検知部)を備える。なお、構造物の変位計測システム10の最低限のシステムとしては、マーカ群11とカメラ14の構成でよい。
マーカ群11は、上部構造体40または下部構造体42のうち一方の構造体に固定され、所定の形状を有する3つ以上のマーカ12からなる。
本実施の形態では、円形(正円)の3つのマーカ12によりマーカ群11が構成される。また、各マーカ12は上面視した際に三角形となる位置において、下部構造体42に固定されている。なお、「構造体に固定された」とは、地震等の振動を受けても、構造体に対する相対的な位置が変化しないことを意味する。
本実施の形態では、マーカ12は、図2および図3に示すように、下部構造体42の表面から垂直方向に立設された支持部材13の先端に配置される。支持部材13は、地震等の振動を受けても下部構造体42に対する位置および角度を維持する強度で設置されている。マーカ12を構造体表面から離れた位置(構造体間の空間S上)に設けることによって、水平方向の変位のみならず、鉛直方向(上下方向)の変位が計測しやすくなる。また、浸水や塵埃の堆積からマーカ12を保護することもできる。
また、マーカ12とカメラ14との距離が短くなるため、カメラ14の画角が小さくても全てのマーカ12を撮影範囲A内に収めることができる。
マーカ12を構造体(上部構造体40または下部構造体42)に固定する他の方法として、例えば構造体表面にマーカ12の形状を描画する、マーカ12の形状のシール等を貼付する、などの方法を採ることができる。特に、上部構造体40と下部構造体42の距離が短い場合には、マーカ12を下部構造体42上に設置して支持部材13を不要にしてもよい。
上述のように本実施の形態では、マーカ12を円形(正円)に形成しているが、これに限らず、三角形以上の多角形や正円以外の円形(楕円など)、その他任意の形状であってもよい。なお、「所定の形状を有する」とは、マーカ12が点のような面積がほぼないものではなく、一定の面積を有するものであることを示す。これにより、ねじれのように鉛直方向の成分を含む変位が生じた場合、マーカ12の形状が変化して視認される。
また、本実施の形態では、3つのマーカ12を設置しているが、マーカ12の形状や寸法が既知であれば原理的には1つのマーカ12のみでよく、その1つのマーカは、円、楕円、多角形の板状のもの、あるいは球体、多面体などの立体物でもよい。
一方で、変位計測の精度を向上させるためには複数のマーカ12を設置するのが好ましい。
一般に、構造体間の空間Sは人が常駐する領域ではないため、照明がない、または照明があっても最小限の数しか設置されていない場合がある。また、マーカ12は長期間設置されるため、埃等の汚れにより視認性が低下する場合がある。
このため、例えばマーカ12を、円形に形成された樹脂等の薄板の表面に反射テープを貼付することにより形成し、カメラ14側から赤外線やレーザ等の光を照射して視認性を高めてもよい。また、例えばマーカ12を、薄板の表面に蛍光塗料(または蛍光テープ)を塗布して形成してもよい。更に、マーカ12側に電源を設け、マーカ12自体を発光させる、またはマーカ12の近傍に照明を設けてもよい。
また、図2および図3では、複数のマーカ12を同一の形状としているが、これに限らず、複数のマーカ12の形状または色の少なくともいずれか一方をそれぞれ異ならせてもよい。これにより、後述する変位量算出部20において、複数のマーカ12を識別しやすくなり、変位計測の精度を向上させることができる。
カメラ14は、上部構造体40または下部構造体42のうち、マーカ12が設置されていない他方の構造体に設置される。本実施の形態では、図2に示すようにカメラ14は上部構造体40に設置されている。カメラ14は、その光軸方向に対向して設置された複数のマーカ12を撮影範囲Aに含んでいる。
カメラ14は、撮影機能と画像の記録機能を有している。例えば動画撮影用のCCDカメラである。カメラ14は、図示しない電源(直流電源および常用電源)に接続されており、これら電源から電力の供給を受けて稼働する。地震などの停電で常用電源からの供給電源が断絶しても直流電源で必要な撮影時間に必要な電源は保有しているものとする。なお、本実施の形態では、記録した画像をカメラ14に接続した通信部16を経由してコンピュータ18に送信するが、コンピュータ18が直接カメラ14内の記憶装置から直接コピーして吸い上げても良い。
カメラ14での撮影は常時行ってもよいが、例えば通常時はカメラ14をスリープ状態にしておき、加速度センサ24(振動検知部)により所定値以上の加速度、すなわち主に地震による振動を検知した場合にカメラ14を起動して画像の撮影を所定時間行った後、再度スリープ状態に戻るようにしてもよい。これにより、カメラ14の消費電力を低減することができる。
以下、本実施の形態では、カメラ14は加速度センサ24により振動が検知された場合に撮影を開始するものとする。
なお、例えばカメラ14で常時画像の撮影を行い、カメラ14の記憶容量分の画像を保存しつつ、古い画像から順に上書きしていくようにしてもよい。また、例えばカメラ14で常時画像の撮影を行うが保存はせず、加速度センサ24で振動を検知した場合に画像の保存を開始するようにしてもよい。
図2に示すようなマーカ12とカメラ14との対は、上部構造体40と下部構造体42との間の空間Sに複数設けられていてもよい。
通信部16は、カメラ14で撮影した画像をコンピュータ18に送信する。画像の送信は、カメラ14での撮影中に逐次行ってもよいし、振動が停止してからなど、画像の撮影後所定時間経過後に行ってもよい。なお、カメラ14からデータを直接吸い上げる場合には通信部16は無くてもよい。
通信部16によるコンピュータ18との通信は、有線/無線のいずれで行ってもよい。
コンピュータ18は、カメラ14等が設置された空間Sから離れた場所に設けられている。コンピュータ18は、CPU、制御プログラムなどを格納・記憶するROM、制御プログラムの作動領域としてのRAM、各種データを書き換え可能に保持するEEPROM、周辺回路等とのインターフェースをとるインターフェース部、モニタ、キーボードなどを含んで構成される。なお、コンピュータ18は常設されていなくてもよく、建物内になくても良い。例えば画像データの吸い上げ時にコンピュータ18をカメラ14の近傍に持ってきてもよい。
コンピュータ18は、上記CPUが上記制御プログラムを実行することにより、変位量算出部20として機能する。
変位量算出部20は、カメラ14で撮影された画像に基づいて、上部構造体40と下部構造体42との間の3次元変位量を算出する。
より詳細には、変位量算出部20は、3つのマーカ12の各中心位置およびカメラ14のレンズ中心からなる三角錐の頂点を画像解析により算出し、三角関数解析や連立3元2次方程式を非線形解析して、各時刻(連続して撮影された各画像)における3次元6値(位置姿勢=X,Y,Z、ピッチング、ローリング、ヨーイング)を算出する。
また、各時刻における位置姿勢に基づいて、ガル、カイン、加速方向などの速度成分を含んだパラメータについても算出することができる。
すなわち、変位量算出部20によって各種パラメータを算出することによって、建物と地盤との相対変位(水平方向および鉛直方向)を時間的に評価することが可能となる。
なお、図1では水平方向に配置されたマーカ群11(第1のマーカ群)のみを設けているが、これに限らず例えば図5のように鉛直方向に配置されたマーカ群51(第2のマーカ群)を設けてもよい。
図5に示すマーカ群51は、下部構造体42の表面(カメラ14が設けられていない側の構造体)から上方(垂直方向)に立設された壁状部材50に取着され、所定の形状を有する3つ以上のマーカ52からなる。マーカ52の形状や配置の制限は、マーカ12と同様である。例えば図5ではマーカ52が支持部材53の先端に配置されているが、マーカ52を壁状部材50の表面に直接配置してもよい。
カメラ14は、水平方向に配置されるマーカ群11とともに鉛直方向に配置されるマーカ群51を撮影範囲に含むようにする。図5の例では、マーカ群11を撮影する第1のカメラ14Aと、マーカ群51を撮影する第2のカメラ14Bとを備えるように構成した。
なお、図5のように2台のカメラを設けるのではなく、例えば図1のように1台のカメラ14のみを配置し、カメラ14のレンズの前方にハーフミラーやピンホールミラーを付置し、マーカ群11とマーカ群51とを同時に撮影するようにしてもよい。
図5のように鉛直方向にもマーカ群51を配置した場合、変位量算出部20は、マーカ群11の画像に基づいて上部構造体40と下部構造体42との間の水平方向の相対変位量を算出し、マーカ群51の画像に基づいて上部構造体40と下部構造体42との間の鉛直方向の相対変位量を算出する。
上述のように、上部構造体40と下部構造体42との間の3次元変位量は、マーカ群11またはマーカ群51のいずれか一方のみでも算出可能である。しかし、水平方向と鉛直方向にそれぞれマーカ群を配置することで、より精度の高い3次元変位量を算出することが可能となる。
図4は、変位計測システム10の処理を示すフローチャートである。
初期状態においては、変位計測システム10はスリープ状態である(ステップS400)。加速度センサ24で振動を検知するまで(ステップS401:Noのループ)、変位計測システム10はスリープ状態を継続する。
加速度センサ24で振動を検知すると(ステップS401:Yes、振動検知工程)、カメラ14が起動し(ステップS402)、マーカ12の撮影を開始し(ステップS404、撮影工程)、撮影した画像を内部メモリに記録する(ステップS406)。
振動を検知してから所定時間が経過、または振動の停止を検知してから所定時間が経過するまでは(ステップS408:Noのループ)、ステップS404に戻り、カメラ14での画像撮影・記録を継続する。
所定時間が経過すると(ステップS408:Yes)、カメラ14は画像の撮影を停止し、スリープ状態に移行する(ステップS410)。
カメラ14内に記録された画像は、通信部16によりコンピュータ18に送信される(ステップS411)。なお、通信部16を用いずにコンピュータ18がカメラ14から直接画像データを吸い上げてもよい。
コンピュータ18の変位量算出部20は、カメラ14から送信された画像に基づいて上部構造体40と下部構造体42との間の3次元変位量を算出する(ステップS412、変位算出工程)。
以上説明したように、実施の形態にかかる変位計測システム10は、複数のマーカ12を連続して撮影した画像に基づいて、上部構造体40と下部構造体42との間の3次元変位量を継時的に算出するので、振動発生時における変位量の最大値のみならず、変位の経路、総量および時間的変化を把握することができる。また、水平方向の変位のみならず、上下方向の変位、回転方向の変位も算出するので、より変位による構造物への影響を正確に推定する上で有利となる。また、構造物にはカメラ14およびマーカ12を配置するのみでよく、高価な地震計などを設置するのと比較して簡便な構成で構造物の変位を計測することができる。
また、変位計測システム10において、垂直方向に立設された支持部材13の先端にマーカ12が配置すれば上下方向の変位を精度よく計測する上で有利となる。
また、変位計測システム10において、複数のマーカ12の形状または色の少なくともいずれか一方をそれぞれ異なるようにすれば、それぞれのマーカ12を精度よく識別する上で有利となる。
また、変位計測システム10において、振動発生時以外にはカメラ14での撮影を行わないようにすれば、カメラ14の消費電力および処理負荷を低減する上で有利となる。
また、変位計測システム10を用いることにより、振動発生時における免震装置30周辺の変位量を計測することができ、振動が免震装置30に与えた損傷を精度よく推定する上で有利となる。
本実施の形態では、上部構造体40と下部構造体42とが免震装置30によって結合されている場合について説明したが、本発明が適用可能な上部構造体40と下部構造体42との結合態様はこれに限らず、従来公知の様々な態様に適用可能である。
10 変位計測システム
11,51 マーカ群
12,52 マーカ
14 カメラ
16 通信部
18 コンピュータ
20 変位量算出部
24 加速度センサ
30 免震装置
40 上部構造体
42 下部構造体
A 撮影範囲
S 空間

Claims (12)

  1. 下部構造体と、前記下部構造体上で免震装置を介して免震支持された上部構造体と の相対変位量を計測する変位計測システムであって、
    前記上部構造体または前記下部構造体のうち一方の構造体に取着され、所定の形状を有する3つ以上のマーカからなる第1のマーカ群と、
    前記上部構造体または前記下部構造体のうち他方の構造体に設置され、前記第1のマーカ群の全てを撮影範囲に含むカメラと、
    前記カメラで連続的に撮影された各時刻の画像に基づいて、前記上部構造体と前記下部構造体との間の3次元変位量を継時的に算出する変位量算出部と を備え、
    前記3次元変位量は、前記上部構造体と前記下部構造体との間のX軸方向の変位量、Y軸方向の変位量、Z軸方向の変位量、ピッチングの変位量、ローリングの変位量、ヨーイングの変位量を含む、
    ことを特徴とする構造物の変位計測システム。
  2. それぞれの前記マーカは、前記一方の構造体の表面から垂直方向に立設された支持部材の先端に配置される、
    ことを特徴とする請求項1記載の構造物の変位計測システム。
  3. 前記一方の構造体の表面から垂直方向に立設された壁状部材と、
    前記壁状部材に取着され、所定の形状を有する3つ以上のマーカからなる第2のマーカ群と、を備え、
    前記カメラは、前記第1のマーカ群の全てとともに前記第2のマーカ群の全てを撮影範囲に含み、
    前記変位量算出部は、前記第1のマーカ群の各時刻の画像に基づいて前記上部構造体と前記下部構造体との間の水平方向の相対変位量を算出し、前記第2のマーカ群の各時刻の画像に基づいて前記上部構造体と前記下部構造体との間の鉛直方向の相対変位量を算出する、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の構造物の変位計測システム。
  4. 前記カメラのレンズ前方にハーフミラーまたはピンホールミラーを配置し、前記カメラの撮影範囲に前記第1のマーカ群および前記第2のマーカ群の全てが含まれるよう構成した、
    ことを特徴とする請求項3記載の構造物の変位計測システム。
  5. 前記マーカは、形状または色の少なくともいずれか一方がそれぞれ異なる、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の構造物の変位計測システム。
  6. 振動を検知する振動検知部を更に備え、
    前記カメラは前記振動検知部により振動が検知された場合に起動し、前記画像の撮影を所定時間行う、
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の構造物の変位計測システム。
  7. 下部構造体と、前記下部構造体上で免震装置を介して免震支持された上部構造体と の相対変位量を計測する変位計測方法であって、
    前記上部構造体または前記下部構造体のうち一方の構造体に所定の形状を有する3つ以上からなる第1のマーカ群を固定し、前記上部構造体または前記下部構造体のうち他方の構造体に設置されたカメラで前記第1のマーカ群の全てを連続的に撮影する撮影工程と、
    前記カメラで撮影された各時刻の画像に基づいて、前記上部構造体と前記下部構造体との間の3次元変位量を継時的に算出する変位量算出工程と を含み、
    前記3次元変位量は、前記上部構造体と前記下部構造体との間のX軸方向の変位量、Y軸方向の変位量、Z軸方向の変位量、ピッチングの変位量、ローリングの変位量、ヨーイングの変位量を含む、
    ことを特徴とする構造物の変位計測方法。
  8. それぞれの前記マーカは、前記一方の構造体の表面から垂直方向に立設された支持部材の先端に配置される、
    ことを特徴とする請求項記載の構造物の変位計測方法。
  9. 前記撮影工程では、前記第1のマーカ群の全てとともに、前記一方の構造体の表面から垂直方向に立設された壁状部材に固定された所定の形状を有する3つ以上のマーカからなる第2のマーカ群の全てを撮影し、
    前記変位量算出工程では、前記第1のマーカ群の各時刻の画像に基づいて前記上部構造体と前記下部構造体との間の水平方向の相対変位量を算出し、前記第2のマーカ群の各時刻の画像に基づいて前記上部構造体と前記下部構造体との間の鉛直方向の相対変位量を算出する、
    ことを特徴とする請求項7または8記載の構造物の変位計測方法。
  10. 前記カメラのレンズ前方にハーフミラーまたはピンホールミラーを配置し、前記カメラの撮影範囲に前記第1のマーカ群および前記第2のマーカ群の全てが含まれるよう構成した、
    ことを特徴とする請求項記載の構造物の変位計測方法。
  11. 前記マーカは、形状または色の少なくともいずれか一方がそれぞれ異なる、
    ことを特徴とする請求項7から10のいずれか1項記載の構造物の変位計測方法。
  12. 構造物の振動を検知する振動検知工程を更に含み、
    前記撮影工程は、前記振動検知工程により振動が検知された場合に開始され、前記画像の撮影を所定時間行う、
    ことを特徴とする請求項7から11のいずれか1項記載の構造物の変位計測方法。
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