以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態に係る遊技機の主要部材の配置レイアウトを示す正面図である。図2は、本実施の形態に係る遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の前面とは、パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
(パチンコ遊技機1の構成等)
パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の下方位置には、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bが設けられている。第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bは、それぞれ、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う。第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bは、それぞれ、7セグメントのLEDなどを用いて構成される。特別図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである。以下、他の図柄の「可変表示」についても同様に、複数種類の図柄を変動可能に表示することである。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄の回動表示や回転表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大または縮小などがある。特別図柄や普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄が回動表示や回転表示される。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示ともいう)される。他の図柄の可変表示についても同様に、表示結果として所定の図柄が停止表示される。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。第1特別図柄表示器4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には回動表示装置300が設けられている。回動表示装置300は、特図ゲームにおける特図の可変表示に対応して、3つのリールユニット400、500、600がそれぞれ動作することにより、各々を識別可能な複数種類の識別情報である飾り図柄(例えば、「1」~「8」を示す数字などを表す図柄)を遊技者に対して変動可能に表示(可変表示)する。具体的には、リールユニット400、500、600それぞれは、回転するリール(回転ドラム)を備え、リールの外周面には複数種類の飾り図柄が配置されている。遊技者は、各リールユニット400、500、600の各リールのうちの遊技者側に向く面の飾り図柄を視認することができる。各リールユニット400、500、600の各リールが回動することで、視認される飾り図柄が順次変化していく。このとき、遊技者は、1つの飾り図柄が上から下へ移動して見え、複数種類の飾り図柄が順次上から下へ移動していくように見える。視認される飾り図柄が順次変化する回動表示により、飾り図柄が可変表示される。回動する各リールユニット400、500、600の各リールは、特図の可変表示の終了に対応して全て停止する。各リールの停止タイミングはそれぞれでずれてもよいし、同じであってもよい。全リールの停止により、飾り図柄の可変表示は終了し、可変表示結果としての飾り図柄が導出表示される。導出表示される飾り図柄は、可変表示の終了時に停止した各リールにおいて視認可能になっている飾り図柄である。可変表示の終了時に導出表示される飾り図柄は、確定飾り図柄ともいう。3つのリールユニット400、500、600は、左から順に、左リールユニット、中リールユニット、右リールユニットともいう。
回動表示装置300の周囲を取り囲むように、可変入賞装置200が設けられている。可変入賞装置200の中央には、回動表示装置300を視認可能とする開口が形成されている。可変入賞装置200の上部には、図5などに示すような上部大入賞口260が設けられ、可変入賞装置200の内部へと遊技球が進入可能である。上部大入賞口260に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。上部大入賞口260から進入した遊技球のうちで1個の遊技球は、図5に示すような左側のワープ流路251を通って正面のステージ上に移動する。その他の遊技球は、図5に示すような右側の排出路252を通って可変入賞装置200から排出される。可変入賞装置200には、実行が保留されている可変表示の数をLEDの点灯個数と点滅個数とによって表示する保留記憶数表示器5Uが設けられている。実行が保留されている可変表示は、遊技球が始動入賞口に進入したことに基づいて実行可能となった可変表示のうちで、未だ開始されていない可変表示である。始動入賞口は、入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口と可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口とを含む。実行が保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数あるいは第1特図保留記憶数ともいい、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数あるいは第2特図保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって第2保留記憶数を表示する。
可変入賞装置200の下方には入賞球装置6Aが設けられている。また、可変入賞装置200の左方には可変入賞球装置6Bが設けられている。入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームを実行するための条件である第1始動条件が成立可能となる。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、図2に示された普通電動役物用ソレノイド81によって遊技球が進入しやすい状態と進入しにくい状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、流下する遊技球を受け止めて第2始動入賞口に導く玉受片を有している。普通電動役物用ソレノイド81がオフ状態の場合、玉受片は引っ込んだ状態にあり、遊技球を受け止めることなくそのまま流下させる。その一方で、普通電動役物用ソレノイド81がオン状態の場合、玉受片は突出した状態にあり、遊技球を受け止めて第2始動入賞口に導く。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームを実行するための条件である第2始動条件が成立可能となる。なお、可変入賞球装置6Bは、いわゆる電動チューリップ型役物を備えるものであってもよい。可変入賞球装置6Bには、図2に示すゲートスイッチ21が設けられている。ゲートスイッチ21は、通過する遊技球を検出する。
遊技盤2の所定位置には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。図1に示す例では、遊技領域の左下領域に3箇所と右上領域に1箇所など、複数の一般入賞口10が設けられている。遊技球が一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、第1始動入賞口や第2始動入賞口といった始動口への入賞は、始動入賞ともいう。
入賞球装置6Aの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示された大入賞口用ソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備える。特別可変入賞装置7が有する大入賞口は、大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)の大入賞口用ソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口用ソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。特別可変入賞球装置7の大入賞口は、遊技球が進入すれば多くの賞球が払い出されるという点で、遊技者に有利な特典となる遊技価値を付与可能な特別領域となる。
回動表示装置300の右下方には、セグメント演出表示器510が設けられている。セグメント演出表示器510は、例えば5桁分に対応する7セグメントのLEDあるいはLCDなどを用いて構成され、複数の文字や数字といった記号を表示することによる演出その他の報知を実行可能にする。例えばセグメント演出表示器510では、特図ゲームにおける可変表示の実行中に、文字列などの記号列を表示することで、可変表示の表示結果が「当り」となる可能性を予告する予告演出を実行できればよい。また、セグメント演出表示器510では、特図ゲームにおける可変表示の表示結果が「当り」となる場合に、表示結果の導出表示に対応して、文字列などの記号列を表示することで、「当り」であることを報知する報知演出を実行できればよい。あるいは、セグメント演出表示器510では、パチンコ遊技機1にエラーが発生した場合に、文字列などの記号列を表示することで、エラーの種類などを認識可能に報知するエラー報知を実行できればよい。
遊技盤2の下方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどを用いて構成され、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。普通図柄表示器20の右方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数をLEDの点灯個数により表示する。実行が保留されている普図ゲームは、遊技球がゲートスイッチ21を通過したことに基づいて実行可能となった普図ゲームのうちで、未だ開始されていない普図ゲームである。実行が保留されている普図ゲームの数は、普図保留記憶数ともいう。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方と右方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口69a、69bが設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿90(打球供給皿)が設けられている。上皿90の下方には、上皿90の満タン時に賞球が払い出される下皿91(賞球貯留皿)が設けられている。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が可変入賞球装置6Bに設けられたゲートスイッチ21を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球がゲートスイッチ21を通過した場合(遊技球がゲートスイッチ21を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示された場合に、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示された場合に、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」の場合には、可変入賞球装置6Bに遊技球が進入しやすい状態とする制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームは、入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入したことに基づいて実行可能となる。第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームは、可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づいて実行可能となる。第1特図ゲームや第2特図ゲームといった、特図ゲームを直ちに実行できる期間では、遊技球が進入した第1始動入賞口または第2始動入賞口に対応して、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームの実行が開始される。特図ゲームの実行中の期間、あるいは、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間など、特図ゲームを直ちに実行できない期間では、遊技球が始動入賞口に進入した場合に、新たな特図ゲームの実行を直ちには開始できないので、所定の上限数(例えば4)に達するまで、特図ゲームの実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として当り図柄が停止表示された場合に、可変表示の表示結果が「当り」となる。当り図柄は、例えば「7」を示す特別図柄など、特定の特別図柄として予め定められている。特図ゲームによる可変表示の表示結果が「当り」となった後には、小当り遊技状態に制御される。小当り遊技状態では、図3や図4などに示す可変入賞装置200に形成された上部大入賞口260の開放状態と閉鎖状態とが繰り返される。例えば、小当り遊技状態では、0.15秒の開放状態と1.0秒の閉鎖状態とが繰り返される。上部大入賞口260の開放状態と閉鎖状態とが繰り返される動作は、上部大入賞口開閉ともいう。上部大入賞口開閉は、0.15秒の開放状態が10回まで繰り返されるか、上部大入賞口260に遊技球が10個入賞するかのうちで、いずれかの条件が成立することにより終了する。上部大入賞口260に入賞した遊技球のうち、1個の遊技球は、図5に示すような可変入賞装置200の左側に形成されたワープ流路251を通り、図9に示すような回動表示装置300の前方まで移動してくる。回動表示装置300の前方まで移動した遊技球は、中リールユニット500の上部に運ばれ、図12に示すような通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかに進入する。通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかに遊技球が進入したことに基づいて、大当り遊技状態に制御される。小当り遊技状態は、開放状態の上部大入賞口260に遊技球が進入すれば賞球が払い出されるという点で、遊技者にとって有利な有利状態に含まれ、特典となる遊技価値を付与可能である。小当り遊技状態にて開放状態の上部大入賞口260に遊技球が進入しなかった場合には、通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれにも遊技球が進入しないので、大当り遊技状態に制御されることなく、小当り遊技状態が終了する。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。特別可変入賞球装置7にて大入賞口が開放状態となる遊技は、ラウンド遊技ともいう。例えば、ラウンド遊技は、29秒が経過するか、大入賞口に遊技球が9個入賞するかのうちで、いずれかの条件が成立することにより1回のラウンド遊技が終了する。例えば29秒とった、1回のラウンド遊技において大入賞口が開放状態となる上限時間は、開放上限時間ともいう。大当り遊技状態では、例えば3回または16回など、所定の上限回数に達するまで、ラウンド遊技を繰り返し実行することができる。大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の上限回数は、小当り遊技状態であるときに、通常領域進入口811、813のいずれかに遊技球が進入した場合と、特定領域進入口812に遊技球が進入した場合とに応じて、異なる回数が設定される。例えば、小当り遊技状態であるときに通常領域進入口811、813のいずれかに遊技球が進入した場合には、大当り遊技状態において実行可能なラウンド遊技の上限回数が3回に設定される。小当り遊技状態であるときに特定領域進入口812に遊技球が進入した場合には、大当り遊技状態において実行可能なラウンド遊技の上限回数が16回に設定される。特定領域進入口812は、遊技球が進入すれば大当り遊技状態で多くのラウンド遊技が実行できるという点で、遊技者に有利な特典となる遊技価値を付与可能な特定領域となる。通常領域進入口811、813は、特定領域よりも遊技者の有利度は低くなるが、遊技球が進入すれば大当り遊技状態となりラウンド遊技が実行できるという点で、遊技者に有利な特典となる遊技価値を付与可能である。大当り遊技状態は、ラウンド遊技にて開放状態の大入賞口に遊技球が進入すれば賞球が払い出されるという点で、遊技者にとって有利な有利状態に含まれ、特典となる遊技価値を付与可能である。
大当り遊技状態が終了した後には、時短状態や確変状態に制御されてもよい。時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させ、あるいは普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、可変表示の表示結果が「当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことや、次回の大当り遊技状態が開始されたことなど、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となる確変状態や時短状態は、回数切り確変や回数切り時短、あるいは、これらを含めた回数切りともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態などの有利状態、時短状態、確変状態などの特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率や特図ゲームにおける可変表示の表示結果が「当り」となる確率などが、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態ともいい、確変状態は高確高ベース状態ともいい、通常状態は低確低ベース状態ともいう。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後に、大当り遊技状態に制御されない場合には、遊技状態が変更されず、特図ゲームにおける可変表示の表示結果が「当り」となる以前の遊技状態が継続するように制御される。ただし、可変表示の表示結果が「当り」となった特図ゲームが、回数切りにおける所定回数に達した特図ゲームである場合には、時短状態や確変状態が終了するなど、遊技状態が変更される。
(パチンコ遊技機1の回路構成について)
次に、パチンコ遊技機1の回路構成について説明する。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、表示制御基板50といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホール(遊技店)の管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯制御や消灯制御を行い第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯制御や消灯制御や発色制御などを行い普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。また、主基板11は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、スイッチ/センサ回路110、ソレノイド回路111、モータ回路112などが搭載されている。主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25C、遊技機の性能表示を行う表示モニタ103SG029などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11に搭載されたスイッチ/センサ回路110は、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、下部カウントスイッチ23、上部カウントスイッチ250、排出カウントスイッチ256、一般入賞口スイッチ689、アウトスイッチ690、通常領域スイッチ811a、特定領域スイッチ812a、通常領域スイッチ813a、振分部原点センサ820a、外リール原点位置センサ821a、磁気センサ064IW001からの検出信号を伝送する配線と接続されている。このように、スイッチ/センサ回路110には、各種スイッチと振分部原点センサ820a、外リール原点センサ821a、磁気センサ064IW001からの検出信号を伝送する配線が接続されている。ゲートスイッチ21は、可変入賞球装置6Bを通過した遊技球を検出する。第1始動口スイッチ22Aは、入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球を検出する。第2始動口スイッチ22Bは、可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球を検出する。下部カウントスイッチ23は、特別可変入賞球装置7に設けられた大入賞口に進入した遊技球を検出する。上部カウントスイッチ250は、可変入賞装置200に形成された上部大入賞口260に進入した遊技球を検出する。排出カウントスイッチ256は、図5に示すような上部大入賞口260に進入した後に排出路252を通って排出される遊技球を検出する。一般入賞口スイッチ689は、一般入賞口10に進入した遊技球を検出する。アウトスイッチ690は、アウト口69a、69bを通って排出される遊技球を検出する。通常領域スイッチ811aは、図9および図12に示すような中リールユニット500の上部に運ばれた後に通常領域進入口811に進入した遊技球を検出する。特定領域スイッチ812aは、図9および図12に示すような中リールユニット500の上部に運ばれた後に特定領域進入口812に進入した遊技球を検出する。通常領域スイッチ813aは、図9および図12に示すような中リールユニット500の上部に運ばれた後に通常領域進入口813に進入した遊技球を検出する。振分部原点センサ820aは、図10および図12に示すような振分部820が予め定められた振分部原点位置を通過したことを検出する。外リール原点センサ821aは、図9~図11に示すような外リール791が予め定められた外リール原点位置を通過したことを検出する。磁気センサ064IW001は、遊技機近傍に存在する磁気を検出する。
なお、この実施の形態では、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口69a、69bが設けられているとともに、アウト口69a、69bを通って排出される遊技球を検出するアウトスイッチ690が設けられている。そして、アウト球数(すなわち、遊技盤2上に打ち込まれ排出された遊技球数)は、各入賞口に対応するスイッチにより検出された遊技球数と、アウトスイッチ690により検出された遊技球数との和により求められる。なお、このような構成に限らず、例えば、各入賞口に進入した遊技球と、アウト口69a、69bを通って排出される遊技球とを検出可能にアウトスイッチが設けられ、当該アウトスイッチにより検出された遊技球数をアウト球数とするように構成してもよい。
振分部原点センサ820aから出力される検出信号は、例えば振分部820が振分部原点位置を左から右に向かって通過するといった、単一方向に沿った振分部820の通過動作を検出したときに、所定パルス幅のオン状態となるようにしてもよい。なお、単一方向に沿った振分部820の通過動作を検出可能なものに限定されず、振分部820の通過方向にかかわらず、振分部820が振分部原点位置を通過したときに、振分部原点センサ820aから出力される検出信号がオン状態となるようにしてもよい。外リール原点センサ821aから出力される検出信号は、例えば図11に示すような外リール791に取り付けられた磁性体792の位置といった、外リール基準位置が外リール原点位置を矢印Y1の方向に沿って通過するといった、単一方向に沿った外リール791の通過動作を検出したときに、所定パルス幅のオン状態となるようにしてもよい。なお、単一方向に沿った外リール791の通過動作を検出可能なものに限定されず、外リール791の通過方向にかかわらず、外リール基準位置が外リール原点位置を通過したときに、外リール原点センサ821aから出力される検出信号がオン状態となるようにしてもよい。磁気センサ064IW001から出力される検出信号は、例えば、所定の基準値を超える磁気を検出したときにオン状態となる。
主基板11に搭載されたソレノイド回路111には、普通電動役物用ソレノイド81、大入賞口用ソレノイド82、開閉蓋用ソレノイド261、及びステージ供給用ソレノイド255の動作制御をおこなうための指令信号を伝送する配線が接続されている。主基板11に搭載されたモータ回路112には、外リール用モータ793及び振分部用モータ830の動作制御をおこなうための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄となる飾り図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(Read Only Memory101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(Random Access Memory102)と、遊技制御用のプログラムを実行して遊技に関する制御処理を実行するCPU103(Central Processing Unit103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Output port105)と、を備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、回動表示装置300、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9、及び演出用LED10といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、回動表示装置300における表示動作や表示演出や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯や消灯の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を備えている。演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。演出制御用CPU120は、演出制御用のプログラムを実行して演出に関する制御処理を実行する。ROM121は、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶する。RAM122は、演出制御用のワークエリアを提供する。乱数回路124は、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う。演出制御基板12では、主基板11からの演出制御コマンドなどに含まれる情報に基づいて、演出制御用CPU120がROM121から読み出したプログラムを実行し、各種の制御信号や駆動信号を出力することにより、パチンコ遊技機1における演出を実行可能にする。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号に基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。表示制御基板50は、演出制御基板12とは別個に設けられた、回動表示装置300の制御用の制御基板である。表示制御基板50は、演出制御基板12からの信号に基づき、飾り図柄の可変表示など、回動表示装置300における表示動作を行うためのドライバ回路などが搭載されており、リールモータ401、リールモータ771、リールモータ601を制御する。また、表示制御基板50は、演出制御基板12からの信号に基づき、セグメント演出表示器510による表示を制御する。表示制御基板50には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などが搭載されている。表示制御基板50は、演出制御基板12とは別個に設けられるものに限定されず、表示制御基板50と同様の機能を有する画像処理プロセッサなどが演出制御基板12に搭載されてもよい。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯駆動や消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
(可変入賞装置200の詳細)
次に、可変入賞装置200の詳細を図を参照しながら説明する。図3は、図1中の“III”部に着目した可変入賞装置上部の斜視図である。図4は、図3に示した可変入賞装置200上部の分解斜視図である。図5は、開閉蓋が上部大入賞口を閉鎖した状態の時の遊技球の流れを説明するための説明図である。また、図6は、開閉蓋が上部大入賞口を開放した状態の時の遊技球の流れを説明するための説明図である。図7は、可変入賞装置における遊技球の流れを説明するための図であり、図7(a)は図5中の矢視VIIa‐VIIaから見た場合を示し、図7(b)は図6中の矢視VIIb-VIIbから見た場合を示している。なお、図4において、第1前面板210及び第2前面板220は、後方の構造が理解できるように反転させた状態で図示している。
可変入賞装置200は、遊技盤2の中央に設けられており、図3に示すように、遊技盤2に取り付けられたベース板230と、ベース板230に前方から取り付けられる第1前面板210及び第2前面板220と、ベース板230に設けられ可変入賞装置200の外観を概略構成する本体部240と、上部大入賞口260を開放状態と閉鎖状態とに変化させる開閉部材としての開閉蓋270とを備えている。ベース板230と、第1前面板210及び第2前面板220との間には、遊技球が流下する流路が形成されている。
第1前面板210は、図4に示すように、平板部211と、平板部211から突出し上方から移動してくる遊技球を左右に振り分ける振分部212と、中央に向けて下方に傾斜した傾斜面213a、214aを有する突出部213、214と、突出部213、214の上方に形成された突起部215、216と、突出部213、214の下方に形成された突起部217、218とを有している。可変入賞装置200に上方から流下してきて傾斜面213a、214aに到達した遊技球は、第1前面板210とベース板230との間で傾斜面213a、214a上を中央に向けて転動する。第1前面板210はベース板230にねじ止めされている。
第2前面板220は、図4に示すように、平板部221と、平板部221から突出した突出部222とを有している。突出部222は、中央に向けて下方に傾斜した3つの傾斜面222a、222b、222cと、中央に向けて転がった遊技球が落下する凹部223と、上部カウントスイッチ250を保持する保持部224とを有している。保持部224に差し込まれた上部カウントスイッチ250は、凹部223に落下した遊技球を検出する。また、第2前面板220には、平板部221と凹部223とを接続し、凹部223に落下した遊技球を後方へと誘導する湾曲した誘導片225が形成されている。第2前面板220はベース板230にねじ止めされる。
本体部240は、図1に示すように概ね円形状をなしており、その外縁は内側に遊技球が進入しないように遊技盤2から立設した壁面を形成している。本体部240の上部には、図4に示すように、中央に向けて下方に傾斜した傾斜面241a、241bと、外側に向けて下方に傾斜した傾斜面242a、242bとが形成されている。傾斜面241aと傾斜面242aとの接続箇所には段差243aが形成されている。また、傾斜面241bと傾斜面242bとの接続箇所には段差243bが形成されている。このような構成のため、段差243a、243bをよりも外側に形成された傾斜面242a、242bに到達した球技球は、外側に向けて転がる。一方、段差243a、243bよりも内側に形成された傾斜面241a、241bに到達した遊技球は、中央に向けて転がるため可変入賞装置200に進入する。本実施形態では、段差243aと段差243bとによって挟まれた領域は、可変入賞装置200に進入するための開口である上部大入賞口260に設定されている。
ベース板230には、ねじ止めされた第1前面板210の突出部213、214の上方に配置される突起部231、232と、開閉蓋270の上方に配置される複数の突起部233、234と、開閉蓋270を通すための開閉蓋用開口230aと、上部大入賞口260に進入した遊技球をベース板230の後方へと通過させるための通過口230bとが形成されている。突起部231、232と、第1前面板210に形成された突起部215、216とは、図5に示すように、傾斜面213a、214aを転がる遊技球の経路上に互いに異なる位置に配置される。また、突起部233、234と、第1前面板210に形成された突起部217、218とは、図5に示すように、開閉蓋270を転がる遊技球の経路上に沿って交互に配置される。
開閉蓋270は、図4に示すように、端部から中央に向けて上方に向かう山形状をなしている。開閉蓋270には、図4および図5に示すように、外側に向けて下方に傾斜した第1傾斜面271a、271bと、第1傾斜面271a、271bよりも中央に位置するとともに傾斜角度が大きい第2傾斜面272a、272bと、第2傾斜面272aと第2傾斜面272bとを接続し開閉蓋270の頂部を構成する曲面状の凸部面273とを有している。また、開閉蓋270には、両端部に下方に屈曲した屈曲部274が形成されているとともに、下面には図5に示すような断面が半円状の2つの突起部270aが形成されている。このように屈曲部274が形成されていることにより、開閉蓋270と傾斜面242a、242bとの隙間が小さくなっている。また、開閉蓋270は、ベース板230に形成された開閉蓋用開口230aに挿通されているが、開閉蓋270は、屈曲部274と突起部270aとで開閉蓋用開口230aと接触している。このように、開閉蓋270を複数箇所で開閉蓋用開口230aと接触させていることで、開閉蓋270が安定した状態で支持され、遊技球の衝突によるがたつきなどを抑制することができる。また、屈曲部274及び突起部270aの開閉蓋用開口230aと接触する部位であり下方に突出した部位の断面を半円状としている。これにより、開閉蓋270と開閉蓋用開口230aとの接触面積を小さくすることができ、開閉蓋270の移動をスムーズに実行することができる。
また、開閉蓋270は、図7(a)に示すように、屈曲部274近傍の幅がその他の部分の幅よりも広く形成されている。具体的には、開閉蓋270が上部大入賞口260を閉鎖する閉鎖位置にある場合、開閉蓋270の屈曲部274のベース板230からの突出量L2は遊技球の直径よりも大きい。一方、開閉蓋270の屈曲部274近傍以外の部分のベース板230からの突出量L1は、遊技球の半径以上直径未満である。このような形状に形成された開閉蓋270は、図2に示す開閉蓋用ソレノイド261のプランジャに接続されており、開閉蓋用ソレノイド261のオン状態とオフ状態とを切り替えることにより、前後方向に移動する。前方へと移動した開閉蓋270は、図7(a)に示すように、ベース板230から大きく突出した状態にあり、上部大入賞口260の上方を覆う。このとき、上部大入賞口260は閉鎖状態にある。一方、後方へと移動した開閉蓋270は、図7(b)に示すように、ベース板230から小さく突出した状態にあり、上部大入賞口260の上方を開放する。このとき、上部大入賞口260は開放状態にある。
開閉蓋270が前方に大きく突出して上部大入賞口260を閉鎖している状態にある場合に、可変入賞装置200に向かった遊技球の流れを図5を参照しながら説明する。なお、図5に示す遊技球の流れは一例であり、実際の遊技球の流れは様々である。可変入賞装置200に向かって突出部214の傾斜面214aに到達した遊技球P1は、傾斜面214aを中央に向けて転がり、やがて開閉蓋270へ落下する。開閉蓋270は上部大入賞口260を閉鎖しているために、遊技球P1は、上部大入賞口260に進入することができず、開閉蓋270の凸部面273に衝突して左右のいずれかの方向に振り分けられる。また、突出部213の傾斜面213aに到達した遊技球P2も同様に、傾斜面213aを中央に向けて転がり、やがて開閉蓋270へ落下する。その後、遊技球P2は、開閉蓋の凸部面273に衝突して左右のいずれかの方向に振り分けられる。左方向に振り分けられた遊技球P1、P2は、第1傾斜面271a上を左方へと転がり、本体部240の傾斜面242aに落下する。一方、右方向に振り分けられた遊技球P1、P2は、第1傾斜面271bを右方へと転がり、本体部240の傾斜面242bに落下する。このように、傾斜面242a、242bに落下した遊技球P1、P2は、遊技盤2に設けられた遊技領域を流下する。このように、開閉蓋270が上部大入賞口260を閉鎖している状態にある場合、可変入賞装置200に向かった遊技球は、上部大入賞口260に進入することなく遊技領域を流下していく。
開閉蓋270の第1傾斜面271aを流下する遊技球P1、P2は、図7(a)に示すように、流路に向けて交互に突出した突起部218と突起部233との隙間を縫いながら蛇行する。開閉蓋270の第1傾斜面271bを流下する遊技球P1、P2も同様に、突起部217と突起部234との隙間を縫いながら蛇行する。これにより、開閉蓋270上を流下する遊技球P1、P2の速度を遅くすることができる。なお、図5や図6に示す突出部214に形成された傾斜面214aを転がる遊技球P1も突起部216と突起部232との隙間を縫いながら蛇行する。同様に、突出部213に形成された傾斜面213aを転がる遊技球P2も、突起部215と突起部231との隙間を縫いながら蛇行する。
一方、開閉蓋270が上部大入賞口260を開放した状態にある場合に、可変入賞装置200に向かった遊技球の流れを図6を参照しながら説明する。なお、図6に示す遊技球の流れは一例である。可変入賞装置200に向かって突出部214の傾斜面214aに到達した遊技球P3は、傾斜面214aを中央に向けて転がり、やがて下方へと落下する。同様に、突出部213の傾斜面213aに到達した遊技球P4は、傾斜面213aを中央に向けて転がり、やがて下方へと落下する。なお、開閉蓋270は上部大入賞口260を開放した状態にあるため、落下した遊技球P3、P4は、上部大入賞口260に進入し、第2前面板220に形成された突出部222に落下する。突出部222に落下した遊技球P3、P4は、傾斜面222a、222b、222c上を中央に向けて転がり凹部223へと落下する。このように凹部223に落下する際に、遊技球P3、P4は上部カウントスイッチ250によって検出される。凹部223へと落下した遊技球P3、P4は、図4に示す誘導片225により後方へと導かれ、図7(b)に示すように、ベース板230に形成された通過口230bを通過する。
通過口230bの後方には、図6に示すように、左下方に向けて延びるワープ流路251と、右下方に向けて延びる排出路252とが設けられている。図8は、可変入賞装置のベース板の後方の構成を示した図であり、図6中の矢視VIII-VIIIから見た場合を示している。可変入賞装置200は、図8に示すように、略くの字状の回動片253と、オン状態とオフ状態とを切り替えることでプランジャ255aを左右方向に移動させるステージ供給用ソレノイド255とを有している。回動片253は、プランジャ255aに連結された連結突起253bを有し、ステージ供給用ソレノイド255のオン状態とオフ状態とを切り替えることにより回動軸253aを中心に回動する。
図8(a)に示すように、ステージ供給用ソレノイド255がオン状態の場合、回動片253の屈曲面253cは前方を向く。また、ワープ流路251の下面は、排出路252の下面よりも低い位置にある。そのため、通過口230bを最初に通過した遊技球P5は、図8(a)に示すように、ワープ流路251に落ちるとともに、回動片253の屈曲面253cによってその移動が制限される。これにより、遊技球P5は、回動片253により保持される。遊技球P5に続いて通過口230bを通過した遊技球P6は、図8(b)に示すように、遊技球P5のためにワープ流路251に進入することができず右側に進行方向を変える。遊技球P6は、そのまま排出路252を流下する。なお、排出路252には、排出カウントスイッチ256が設けられており、排出路252を通った遊技球は排出カウントスイッチ256により検出される。排出路252を通った遊技球は、可変入賞装置200の外部へと排出される。回動片253が遊技球5を保持した状態で、ステージ供給用ソレノイド255をオン状態からオフ状態とすると、図8(b)から図8(c)に示すように、プランジャ255aがステージ供給用ソレノイド255本体から飛び出す。これにより、回動片253が回動軸253aを中心に回動し、遊技球P5をワープ流路251に向けてはじく。ワープ流路251を流下した遊技球P5は、図9に示す回動表示装置300の前方に形成されたステージ通路280を通って、中リールユニット500に設けられた遊技球待機部797aまで移動する。
(回動表示装置300の構成)
次に、回動表示装置300の詳細を図9~図12を参照しながら説明する。回動表示装置300は、図9に示すように、左リールユニット400と、中リールユニット500と、右リールユニット600とを備えている。回動表示装置300は、可変入賞装置200の中央部に遊技者から視認できるように配置されている。図10は、中リールユニットの斜視図である。図11は、中リールユニットにおけるリール装置の分解斜視図である。また、図12は、入賞装置800に進入する遊技球の流れを説明するための図であり、図12(a)は特定領域進入口に遊技球が進入する場合を示し、図12(b)および図12(c)は通常領域進入口に遊技球が進入する場合を示している。中リールユニット500は、図10に示すように、リール装置700と、リール装置700の上部に設けられた入賞装置800とを備えている。
リール装置700は、図11に示すように、中リール本体710と遊技球搬送装置790とを有している。リール装置700では、3本の間隔保持材795、796、797が、中リール本体710のベースプレート720を、遊技球搬送装置790のベースプレート794と接続することで、中リール本体710が遊技球搬送装置790と一体化される。これによりリール装置700の骨組みが構築される。なお、間隔保持材797には、ワープ流路251を流下してきた遊技球が待機する遊技球待機部797aが設けられている。遊技球搬送装置790は、透明な材料から構成された円筒状の外リール791と、外リール791の内壁の中央に取り付けられた磁性体792と、外リール791に回転駆動を与える外リール用モータ793と、遊技球を検出する非接触式の近接センサ750とを備えている。遊技球搬送装置790は、外リール用モータ793が駆動することにより矢印Y1に示す方向に外リール791を回転させる。これにより、図9に示すように、磁性体792が遊技球待機部797aで待機する遊技球P5を吸着して、外リール791の中央部で周方向に沿って遊技球P5を搬送することができる。遊技球待機部797aの下面には近接センサ750が設けられている。近接センサ750は、図9の拡大図で示すように、遊技球待機部797aの網掛け部で示した検出範囲750aの範囲内にある遊技球を検出する。なお、中リール本体710と遊技球搬送装置790とが組み合わされた状態においては、内リール770は外リール791の内部に収容されている。外リール791は透明な材料から構成されているので、外リール791を通して内リール770を視認することが可能である。また、中リール本体710には、図2に示すリールモータ771が設けられ、内リール770を回転させることができる。
入賞装置800は、リール装置700の上方に設けられている。入賞装置800は、図10に示すように、入賞装置本体810と、入賞装置本体810に設けられた振分部820と、振分部820を駆動して左右方向に沿って往復移動させる振分部用モータ830とを有している。入賞装置本体810には、図12に示すように、通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813が左右方向に沿って配列されている。通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813は、いずれも外リール791と接する位置に設けられ、遊技球が進入可能な大きさを有する。入賞装置本体810には、通常領域進入口811から延びる第1排出路が形成され、通常領域進入口811から進入した遊技球は、第1排出路を通って入賞装置800から排出される。第1排出路には、図2に示す通常領域スイッチ811aが設けられ、通常領域進入口811に進入した遊技球を検出可能に構成されている。入賞装置本体810には、特定領域進入口812から延びる第2排出路が形成され、特定領域進入口812から進入した遊技球は、第2排出路を通って入賞装置800から排出される。第2排出路には、図2に示す特定領域スイッチ812aが設けられ、特定領域進入口812に進入した遊技球を検出可能に構成されている。入賞装置本体810には、通常領域進入口813から延びる第3排出路が形成され、通常領域進入口813から進入した遊技球は、第3排出路を通って入賞装置800から排出される。第3排出路には、図2に示す通常領域スイッチ813aが設けられ、通常領域進入口813に進入した遊技球を検出可能に構成されている。
振分部820は、通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813の前方に配置されている。振分部820には、右斜め前方を向いた右側傾斜面820aと、左斜め前方を向いた左側傾斜面820bと、遊技球が通過可能な通過口820cとが形成されている。振分部820は、振分部用モータ830により駆動され、図12(b)に示す右側に寄った右端位置と、図12(c)に示す左側に寄った左端位置との間で往復移動する。振分部820が、図12(a)に示すような入賞装置800の中央に位置する場合、外リール791の中央に吸着されて上方に搬送されてきた遊技球P7は、振分部820に形成された通過口820cを通過して特定領域進入口812に進入する。特定領域進入口812に進入した遊技球は、図2に示す特定領域スイッチ812aにより検出され、入賞装置800の外部へ排出される。振分部820が、図12(b)に示すような入賞装置800の右側に寄った右端位置にある場合、外リール791の中央に吸着されて上方に搬送されてきた遊技球P8は、振分部820に形成された左側傾斜面820bにぶつかり、傾斜方向に沿って左側に移動して、入賞装置800の左側に形成された通常領域進入口811に進入する。通常領域進入口811に進入した遊技球P8は、図2に示す通常領域スイッチ811aにより検出され、入賞装置800の外部へ排出される。振分部820が、図12(c)に示すように入賞装置800の左側に寄った左端位置にある場合、外リール791の中央に吸着されて上方に搬送されてきた遊技球P9は、振分部820に形成された右側傾斜面820aにぶつかり、傾斜方向に沿って右側に移動して、入賞装置800の右側に形成された通常領域進入口813に進入する。通常領域進入口813に進入した遊技球P9は、図2に示す通常領域スイッチ813aに検出され、入賞装置800の外部へ排出される。
図13は、経過時間に応じた振分部位置と進入期間を示している。図13(A)は、振分部820の位置である振分部位置を示している。図13(B)は、遊技球が進入する領域に応じた進入期間を示している。図13(A)に示す振分部位置では、振分部820が図12(a)に示す中央の位置P0から右側の方向へと移動し、図12(b)に示す右端の位置P3に達するまで、一定の速度で振分部位置が変化する。中央の位置P0から右端の位置P3に達するまでの所要時間は、中右移動時間(例えば480ミリ秒)として予め定められていればよい。右端の位置P3に達した振分部820は、その位置P3にて右端待機時間(例えば140ミリ秒)が経過するまで停止する。続いて、振分部820は、右端の位置P3から左側の方向へと移動し、中央の位置P0の位置に達するまで、一定の速度で振分部位置が変化する。右端の位置P3から中央の位置P0に達するまでの所要時間は、右中移動時間(例えば480ミリ秒)として予め定められていればよい。中央の位置P0に達した振分部820は、その位置P0にて中央待機時間(例えば100ミリ秒)が経過するまで停止する。次に、振分部820は、中央の位置P0から左側の方向へと移動し、左端の位置P6に達するまで、一定の速度で振分部位置が変化する。中央の位置P0から左側の位置P6に達するまでの所要時間は、中左移動時間(例えば480ミリ秒)として予め定められていればよい。左端の位置P6に達した振分部820は、その位置P6にて左端待機時間(例えば140ミリ秒)が経過するまで停止する。その後、振分部820は、左端の位置P6から右側の方向へと移動し、中央の位置P0の位置に達するまで、一定の速度で振分部位置が変化する。左端の位置P6から中央の位置P0に達するまでの所要時間は、左中移動時間(例えば480ミリ秒)として予め定められていればよい。中央の位置P0に達した振分部820は、その位置P0にて中央待機時間が経過するまで停止し、再び右側の方向へと移動する動作を繰り返す。振分部820が中央の位置P0から右側の方向へと移動する場合には、その移動を開始したときに、振分部原点センサ820aにより、振分部820が振分部原点位置に達したことが検出される。この例では、振分部820が2400ミリ秒すなわち2.4秒の周期で、位置P0~P6の区間を往復移動する。
このような振分部820の移動による位置の変化に応じて、通常領域進入口811、特定領域812、通常領域813のいずれに遊技球が進入するかも変化する。例えば振分部820が中央の位置P0から右端の位置P3に達するまで、右側の方向へと移動する場合に、中央の位置P0から右側の位置P1に達するまでの期間では、遊技球が特定領域進入口812に進入することが確定する特定進入確定期間SK1となる。位置P1よりも右側の位置P2に達するまでの期間では、遊技球が特定領域進入口812に進入するか通常領域進入口811、813に進入するかが確定しない進入口不確定期間SK3となる。位置P2から右端の位置P3に達するまでの期間では、遊技球が通常領域進入口811、813に進入することが確定する通常進入確定期間SK2となる。振分部820が右端の位置P3に停止している期間も、通常進入確定期間SK2となる。振分部820が右端の位置P3から中央の位置P0の位置に達するまで、左側の方向へと移動する場合に、右端の位置P3から位置P2に達するまでの期間では、通常進入確定期間SK2となる。位置P2から位置P1に達するまでの期間では、進入口不確定期間SK3となる。位置P1から中央の位置P0に達するまでの期間では、特定進入確定期間SK1となる。振分部820が中央の位置P0と左端の位置P6との間で移動する場合も同様に、中央の位置P0から左側の位置P4に達するまでの期間では特定進入確定期間SK1となり、位置P4よりも左側の位置P5に達するまでの期間では進入口不確定期間SK3となり、位置P5から右端の位置P6に達して停止した後で位置P5に戻るまでの期間では通常進入確定期間SK2となり、位置P5から位置P4に達するまでの期間では進入口不確定期間SK3となり、位置P4から中央の位置P0に達するまでの期間では特定進入確定期間SK1となる。
小当り遊技状態であるときに通常領域進入口811、813のいずれかに遊技球が進入した場合には、大当り遊技状態において実行可能なラウンド遊技の上限回数が3回に設定される。これに対し、小当り遊技状態であるときに特定領域進入口812に遊技球が進入した場合には、大当り遊技状態において実行可能なラウンド遊技の上限回数が16回に設定されるので、通常領域進入口811、813のいずれかに遊技球が進入した場合よりも、遊技者にとって有利な特典を付与可能となる。小当り遊技状態であるときに、通常領域進入口811、813のいずれかに遊技球が進入した場合と、特定領域進入口812に遊技球が進入した場合とでは、大当り遊技状態において実行可能なラウンド遊技の上限回数が異なるので、大当り遊技状態における遊技者にとっての有利度が異なる。振分部810の動作状態は、特定進入確定期間SK1のように遊技球が特定領域進入口812に進入することが確定する状態と、進入口不確定期間SK2のように遊技球が進入する進入口を確定できない状態と、通常進入確定期間SK3のように遊技球が通常領域進入口811、813に進入することが確定する状態とに、分けることができる。ここで、特定進入確定期間SK1では遊技球が特定領域進入口812に進入する割合は最も高くなり、進入口不確定期間SK2では遊技球が特定領域進入口812に進入する割合は特定進入確定期間SK1よりも低くなり、通常進入確定期間SK3では遊技球が特定領域進入口812に進入する割合は最も低くなる。このように、振分部820の動作状態は、遊技球が特定領域進入口812に進入する割合の異なる複数の状態に制御可能であればよい。例えば、特定進入確定期間SK1における振分部820は遊技球が特定領域進入口812に進入する割合が高い第1状態であり、進入口不確定期間SK2や通常進入確定期間SK3における振分部820は遊技球が特定領域進入口812に進入する割合が低い第2状態であればよい。
次に、本実施の形態における表示モニタ103SG029の表示について説明する。
本実施の形態では、主基板11は、第1部材と第2部材とにより開放可能に構成された基板ケースに収納された状態でパチンコ遊技機1の背面に搭載されている。また、基板ケースには、後述するベース値を表示可能な表示モニタ103SG029が配置されている。該表示モニタ103SG029は、主基板11に接続されているとともに、基板ケースの上部に配置されている。つまり、表示モニタ103SG029は、基板ケースにおける主基板11を視認する際の正面に配置されている。主基板11は、遊技機用枠3を開放していない状態では視認できないので、主基板11を視認する際の正面とは、遊技機用枠3を開放した状態における遊技盤2の裏面側を視認する際の正面であり、パチンコ遊技機1の正面とは異なる。ただし、主基板11を視認する際の正面とパチンコ遊技機1の正面とが共通するようにしてもよい。
図15(A)に示すように、表示モニタ103SG029は、第1表示部103SG029A、第2表示部103SG029B、第3表示部103SG029C、第4表示部103SG029Dを備えている。第1表示部103SG029A~第5表示部103SG29Eは、いずれも「8」の字を描く7つのセグメントによって構成される7セグメントと、7セグメントの右側方下部に配置されたドットによって構成されている。これらの第1表示部103SG029A~第5表示部103SG29Eは、それぞれ種々の色、例えば赤色、青色、緑色、黄色、白色等で点灯、点滅可能とされている。また、これらの色を極短周期で変化させながら異なる色やいわゆるレインボーで表示させることも可能である。
尚、本実施の形態の特徴部103SGにおける表示モニタ103SG029の表示制御は、パチンコ遊技機1の試験時においてROM101やRAM102の全領域における試験対象外の領域を用いて実行されるようになっている。
表示モニタ103SG029には、図15(B)及び図15(C)に示すように、全遊技状態のアウト6000球毎の通常状態(低確低ベース状態)で算出されたベース値(計測中のリアルタイム値)であるベースLと、全遊技状態における1回目のアウト6000球毎の通常状態(低確低ベース状態)で算出されたベース値であるベース1と、全遊技状態における2回目のアウト6000球毎の通常状態(低確低ベース状態)で算出されたベース値であるベース2と、全遊技状態における3回目のアウト6000球毎の通常状態(低確低ベース状態)で算出されたベース値であるベース3と、を表示可能となっている。ベースL、ベース1、ベース2、ベース3は、百分率にて表示モニタ103SG029に表示される。
実際に表示モニタ103SG029にてベースLを表示する場合は、該ベースLの略記である「bL.」を表示するために第1表示部103SG029Aに「b」、第2表示部103SG029Bに「L.」が表示されるとともに、算出した値の上位2桁(「00」~「99」の値)が第3表示部103SG029Cと第4表示部103SG029Dとにおいて表示される。また、表示モニタ103SG029にてベース1を表示する場合は、該ベースの略記である「b1.」を表示するために第1表示部103SG029Aに「b」、第2表示部103SG029Bに「1.」が表示されるとともに、算出した値の上位2桁(「00」~「99」の値)が第3表示部103SG029Cと第4表示部103SG029Dとにおいて表示される。また、表示モニタ103SG029にてベース2を表示する場合は、該ベースの略記である「b2.」を表示するために第1表示部103SG029Aに「b」、第2表示部103SG029Bに「2.」が表示されるとともに、算出した値の上位2桁(「00」~「99」の値)が第3表示部103SG029Cと第4表示部103SG029Dとにおいて表示される。また、表示モニタ103SG029にてベース3を表示する場合は、該ベースの略記である「b3.」を表示するために第1表示部103SG029Aに「b」、第2表示部103SG029Bに「3.」が表示されるとともに、算出した値の上位2桁(「00」~「99」の値)が第3表示部103SG029Cと第4表示部103SG029Dとにおいて表示される。
本実施の形態の表示モニタ103SG029では、主基板11(CPU103)の制御によってこれらベースL、ベース1、ベース2、ベース3を順次表示する制御を実行するようになっている。例えば、主基板11は、ベースL→ベース1→ベース2→ベース3の順番で表示モニタ103SG029の表示を5秒間隔で切り替える制御を実行する。
なお、遊技機が大当りの当選確率(出玉率)等が異なる複数の設定値のうちのいずれかを設定可能な構成である場合には、これら表示モニタ103SG029における各ベース値の表示は、パチンコ遊技機1に設定されている設定値に応じて表示色が異なるようになっている。具体的には、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が「1」である場合は表示モニタ103SG029における各ベース値を白色にて表示し、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が「2」である場合は表示モニタ103SG029における各ベース値を青色にて表示し、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が「3」である場合は表示モニタ103SG029における各ベース値を黄色にて表示し、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が「4」である場合は表示モニタ103SG029における各ベース値を緑色にて表示し、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が「5」である場合は表示モニタ103SG029における各ベース値を赤色にて表示し、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が「6」である場合は表示モニタ103SG029における各ベース値を紫色にて表示する。このため遊技場の店員等は、CPU103が後述する設定値変更処理を実行せずとも、表示モニタ103SG029の表示色を確認するのみでパチンコ遊技機1に設定されている設定値を特定可能となっている。
なお、本実施の形態では、ベース値を算出し、算出したベース値を表示モニタ103SG029に表示するように構成されているが、このような構成に限らず、例えば、ベース値に代えて、または加えて、連比や役比などを算出して表示モニタ103SG029に表示するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、付与された賞球数に基づく情報であるベースを算出し、算出したベース値を表示モニタ103SG029に表示するように構成されているが、このような構成に限らず、例えば、ベース値を算出せずに、表示モニタ103SG029には、付与された賞球数の履歴を表示するようにしてもよい。
(主基板11の主要な動作)
主基板11における主要な動作を説明する。主基板11では、パチンコ遊技機1の電源投入により所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。このときには、ROM101に記憶されたユーザプログラムを構成する制御コードの先頭から遊技制御の実行が開始される。ユーザプログラムの実行が開始される前に、所定のセキュリティチェックプログラムに基づくセキュリティチェック処理が実行されてもよい。なお、主基板11における各処理は、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103により実行される。CPU103による処理の実行に応じて、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御することができる。
図15は、遊技制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、電源投入時設定を行う(ステップS11)。電源投入時設定には、割込みモードの設定、スタックポインタの設定、内蔵レジスタの初期設定などが含まれていればよい。ステップS11の後には、RAM102に対するアクセスを許可する(ステップS12)。
ステップS12に続いて、復旧条件が成立したか否かを判定する(ステップS13)。復旧条件は、前回の電力供給停止時における状態に戻すための条件として、予め定められていればよい。例えば、ステップS13では、RAMクリア信号がオフであること、RAM102のチェックサムを算出した結果が正常であること、バックアップフラグがオンであることという、3つの条件がすべて満たされた場合に、復旧条件が成立したと判定すればよい。RAMクリア信号は、RAMクリアスイッチから伝送され、ホール(遊技店)の従業員などによる操作に応じてオン状態となる。RAM102のチェックサムは、特定領域における記憶データを用いて算出し、記憶されているチェックサムと比較することにより、正常か異常かを判定可能であればよい。バックアップフラグは、前回の電力供給停止時にバックアップが正常に行われた場合ことに対応して、オン状態であることを示す設定情報が記憶される。
復旧条件が成立した場合には(ステップS13;Yes)、復旧設定処理が実行され(ステップS14)、復旧設定処理が実行されたことを示す復旧フラグがセットされる(ステップS14a)。復旧設定処理を実行することにより、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部状態などを、前回の電力供給停止時における状態に戻すことができる。復旧設定処理では、停電復旧指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定が行われてもよい。
復旧条件が成立しなかった場合には(ステップS13;No)、初期化設定処理が実行され(ステップS15)、初期化設定処理が実行されたことを示す初期化フラグがセットされる(ステップS14a)。初期化設定処理を実行することにより、RAM102の初期化(クリア)や作業領域に対する初期設定などが行われる。ただし、初期化設定処理では、RAM102の記憶領域のうち図14に示すようなベース値などの性能表示用の情報を記憶する領域以外の領域がクリアされ、ベース値などの性能表示用の情報はクリアされず保持される。初期化設定処理は、例えばRAM102における作業領域の先頭から、ブロック転送により作業領域全体にわたってクリアデータをセットする処理を含んでいればよい。初期化設定処理では、初期化指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定が行われてもよい。
その後、遊技制御開始設定が行われる(ステップS16)。遊技制御開始設定として、タイマ割込みの発生間隔を指定する内部設定や乱数回路104による乱数値の生成を開始させる設定、シリアル通信回路の初期設定、割込み処理に関する初期設定(例えば優先度)などが行われてもよい。その後、割込み許可とし(ステップS17)、遊技用乱数更新処理(ステップS18)および性能表示処理(ステップS19)を繰り返し実行するループ処理に移行する。遊技用乱数更新処理では、例えばRAM102の遊技制御カウンタ設定部に設けられた遊技用ランダムカウンタなどを用いて、ソフトウェアにより遊技用乱数の一部または全部を更新する。性能表示処理では、例えば、各入賞口(例えば、上部大入賞口、大入賞口、第1始動入賞口、第2始動入賞口、一般入賞口)への遊技球の進入数の集計を行い、該集計によるベース値を算出し、算出したベース値を表示モニタ103SG029(図14参照)に表示する。
図15に示すように、この実施の形態では、性能表示処理は、遊技制御用タイマ割込み処理とは別に実行される。
図16は、遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば割込みコントローラがタイマ回路からの割込み要求を受け付けたことなどに基づき、CPU103による遊技制御用タイマ割込み処理が実行される。遊技制御用タイマ割込み処理では、スイッチ/センサ処理(ステップS31)、メイン側エラー処理(ステップS32)、情報出力処理(ステップS33)、遊技用乱数更新処理(ステップS34)、特別図柄プロセス処理(ステップS35)、普通図柄プロセス処理(ステップS36)、モータ制御処理(ステップS37)、賞球処理(ステップS38)、メイン側通信制御処理(ステップS39)が、順次に実行される。
ステップS31のスイッチ/センサ処理では、遊技球検出用の各スイッチから入力される検出信号(入賞検出信号)、あるいは、操作検出用の各スイッチから入力される検出信号(操作検出信号)、各種検出用のセンサから入力される検出信号(センサ検出信号)など、それぞれの検出信号における状態を判定し、判定結果に応じた設定を行う。スイッチ/センサ処理では、振分部原点センサ820aからの検出信号に基づいて、振分部原点検出指定コマンドを演出制御基板12に対して送信可能とする設定が行われる。例えば、スイッチ/センサ処理は、振分部820の動作状態を検出可能な振分部原点センサ820aからの検出信号がオン状態であるか否かを判定する処理を含んでいる。スイッチ/センサ処理では、振分部原点センサ820aからの検出信号がオン状態であると判定された場合に、振分部原点検出フラグをオン状態にセットする。ステップS39のメイン側通信制御処理は、振分部原点検出フラグがオンである場合に対応して、演出制御基板12に対し振分部原点検出指定コマンドを送信する制御が行われる処理を含んでいればよい。また、スイッチ/センサ処理では、外リール原点センサ821aからの検出信号に基づいて、外リール原点検出指定コマンドを演出制御基板12に対して送信可能とする設定が行われる。例えば、スイッチ/センサ処理は、外リール原点センサ821aからの検出信号がオン状態であるか否かを判定する処理を含んでいる。スイッチ/センサ処理では、外リール原点センサ821aからの検出信号がオン状態であると判定された場合に、外リール原点検出フラグをオン状態にセットする。ステップS39のメイン側通信制御処理は、外リール原点検出フラグがオン状態である場合に対応して、演出制御基板12に対し外リール原点検出指定コマンドを送信する制御が行われる処理を含んでいればよい。スイッチ/センサ処理では、通常領域スイッチ811a、特定領域スイッチ812a、通常領域スイッチ813aからの検出信号に基づいて、進入口通過指定コマンドを演出制御基板12に対して送信可能とする設定が行われる。例えば、スイッチ/センサ処理は、通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813を通過した遊技球を検出可能な通常領域スイッチ811a、特定領域スイッチ812a、通常領域スイッチ813aからの検出信号がオン状態であるか否かを判定する処理を含んでいる。スイッチ/センサ処理では、通常領域スイッチ811a、特定領域スイッチ812a、通常領域スイッチ813aからの検出信号のうちで、いずれかの検出信号がオン状態であると判定された場合に、オン状態の検出信号に応じた進入口通過検出フラグをオン状態にセットする。ステップS39のメイン側通信制御処理は、オン状態である進入口通過検出フラグに応じて、演出制御基板12に対し進入口通過指定コマンドを送信する制御が行われる処理を含んでいればよい。
ステップS32のメイン側エラー処理では、異常動作が発生したか否かを判定し、異常動作の発生を報知する設定を行う。例えば、メイン側エラー処理は、払出エラー、異常検知エラー、不正検知エラーといった、異常が発生したか否かを判定する処理を含んでいる。払出エラーは、遊技球の払出しに関するエラーであり、賞球エラー、満タンエラー、球切れエラー、払出個数異常エラーを含んでいればよい。賞球エラーは、賞球払出動作が正常に行えない異常状態となるエラーである。満タンエラーは、下皿91が満タンであることによるエラーである。球切れエラーは、払出用の遊技球が不足することによるエラーである。払出個数異常エラーは、遊技球の払出数における個数異常によるエラーである。異常検知エラーは、各種スイッチやセンサによる検出結果に関するエラーであり、不正入賞エラー、始動入賞異常エラー、モータ異常エラーを含んでいればよい。不正入賞エラーは、特定の入賞口に進入した遊技球の異常な検出結果によるエラーである。始動入賞異常エラーは、始動入賞口に進入した遊技球の異常な検出結果によるエラーである。モータ異常エラーは、モータ回路112により駆動される各種モータの異常な検出結果によるエラーである。例えば振分部820の原点通過を検出する振分部原点センサ820aからの検出信号や、外リール791の原点通過を検出する外リール原点センサ821aからの検出信号に基づいて、振分部用モータ830や外リール用モータ793の異常動作が検出されてもよい。不正検知エラーは、不正行為の検出結果によるエラーであり、振動エラー、スイッチ短絡エラー、磁石エラー、フォトセンサエラー、電波エラーを含んでいればよい。振動エラーは、パチンコ遊技機1の振動量の異常な検出結果によるエラーである。スイッチ短絡エラーは、スイッチがオン状態となる期間の異常な検出結果によるエラーである。磁石エラーは、磁気の異常な検出結果によるエラーである。フォトセンサエラーは、異常光の検出結果によるエラーである。電波エラーは、電波の異常な検出結果によるエラーである。メイン側エラー処理では、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給されるエラー情報のデータを出力するための設定が行われてもよい。エラー情報のデータは、セキュリティ信号として予め定められた外部出力信号を、所定期間が経過するまでオン状態とすることにより、ホール管理用コンピュータが検出可能に出力されてもよい。メイン側エラー処理では、発生したエラーに応じて、パチンコ遊技機1における遊技の実行を停止させる制御が行われてもよい。例えば、不正検知エラーが発生した場合には、遊技の実行を停止させる制御を行うようにしてもよい。
ステップS33の情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報、エラー情報などのデータを出力するための処理である。ステップS34の遊技用乱数更新処理は、遊技制御メイン処理のステップS18と同様に、遊技用乱数をソフトウェアによって更新する処理である。ステップS35の特別図柄プロセス処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御、可変入賞装置200における上部大入賞口260の開閉動作制御、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作制御など、特図ゲームに基づく遊技の進行を所定の手順で制御するための処理である。ステップS36の普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作の制御、可変入賞球装置6Bにおける玉受片の状態制御など、普図ゲームに基づく遊技の進行を所定の手順で制御するための処理である。
ステップS37のモータ制御処理は、モータ回路112により駆動される各種モータの動作を制御するための処理である。例えば、モータ制御処理では、振分部用モータ830の駆動制御パターンから制御データを読み出し、モータ回路112に対して、振分部用モータ830に応じた指令信号(モータ駆動信号)を出力可能にすればよい。これにより、振分部820は、図13(A)に示すような位置P0~P6の区間を、2400ミリ秒すなわち2.4秒といった特定周期で往復移動するように制御される。また、モータ制御処理では、小当り遊技状態であるときに、外リール用モータ793の駆動制御パターンから制御データを読み出し、モータ回路112に対して、外リール用モータ793に応じた指令信号(モータ駆動信号)を出力可能にすればよい。これにより、外リール791は、小当り遊技状態であるときに、1回転することによる遊技球の搬送や演出などを実行可能に制御される。
また、この実施の形態では、モータ制御処理において、可動体(本例では振分部820および外リール791)が正常に動作するかを確認するとともに、原点位置に位置させるための確認動作を実行する可動体確認動作処理が実行される。なお、詳細については後述するが、可動体の確認動作は、電源投入後に1回のみ実行される。
また、この実施の形態では、電源投入時に可動体確認動作処理を実行することによって、モータが駆動することによって動作する可動体(本例では振分部820および外リール791)の確認動作を実行するが、平行して普通電動役物用ソレノイド81や大入賞口用ソレノイド82、開閉蓋用ソレノイド261、ステージ供給用ソレノイド255について、オン状態とオフ状態との切り替えを繰り返すソレノイド用の確認動作を実行する。ソレノイド用の確認動作は、可動体(本例では振分部820および外リール791)の確認動作が終了する前(例えば、確認動作が終了し、原点位置への移動を開始した時点)に終了する。このような構成により、確認動作の終了前(すなわち、各種スイッチからの検出信号の判定を開始する前)にソレノイド用の確認動作を終了させることができ、ソレノイド用の確認動作の影響で発生する入賞を排除することができる。
ステップS38の賞球処理は、入賞検出信号の入力に応じて賞球個数の設定などを行うための処理である。ステップS39のメイン側通信制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に向けて制御コマンドを送信するための通信制御などを行う処理である。
次に、この実施の形態におけるスイッチ/センサ処理(S31)の一例について説明する。図17は、スイッチ/センサ処理の一例を示すフローチャートである。
図17に示すスイッチ/センサ処理では、CPU103は、可動体(本例では、振分部820および外リール791)の確認動作が行われたことを示す可動体確認動作済みフラグがセットされているか否かを確認する(ステップ064IWS001)。そして、可動体確認動作済みフラグがセットされていない場合には、ステップ064IWS004に移行する。
可動体確認動作済みフラグがセットされている場合には、CPU103は、各種スイッチからの検出信号の状態を判定し(ステップ064IWS002)、判定結果に基づいて対応するスイッチ検出フラグをセットする(ステップ064IWS003)。
ステップ064IWS002,S003では、例えば、通常領域スイッチ811aからの検出信号がオン状態であると判定された場合に、通常領域通過検出フラグをセットし、第1始動口スイッチ22Aからの検出信号がオン状態であると判定された場合に、第1始動口通過検出フラグをセットし、アウトスイッチ690の検出信号がオン状態であると判定された場合に、アウト口通過検出フラグをセットする。
次いで、CPU103は、各種センサからの検出信号の状態を判定し(ステップ064IWS004)、判定結果に基づいて対応するセンサ検出フラグをセットする(ステップ064IWS005)。
ステップ064IWS004,S005では、例えば、振分部原点センサ820aからの検出信号がオン状態であると判定された場合に、振分部原点検出フラグをセットし、外リール原点センサ821aからの検出信号がオン状態であると判定された場合に、外リール原点検出フラグをセットし、磁気センサ064IW001からの検出信号がオン状態であると判定された場合に、磁気検出フラグをセットする。
この実施の形態では、可動体(本例では、振分部820および外リール791)が設けられているとともに、可動体が動作しているときに進入が可能となる特定の入賞口(例えば、通常領域進入口811,813や特定領域進入口812、上部大入賞口260など)を含む複数の入賞口が設けられている。そして、電源投入後に初期化設定処理を実行すると、可動体の確認動作を実行するように構成されている。そのため、可動体の確認動作中に、遊技球が入賞口に進入してしまうケースが生じ得る。すなわち、可動体の確認動作中であって、正規の遊技の進行(例えば、小当りの発生)によって可動体を動作させているわけではないときに、遊技球が入賞口に進入してしまうことがある。
そこで、この実施の形態では、図17に示すように、可動体(本例では、振分部820および外リール791)の確認動作が完了していないとき(例えば、初期設定処理後に確認動作が開始されていないとき、または確認動作中)には、各種スイッチからの検出信号の状態を判定しないように構成されている。このような構成により、確認動作中(すなわち)に、遊技球が始動入賞口や大入賞口等に進入したことにもとづいて、賞球が払い出されることや、遊技が進行される(例えば特図ゲームが実行される)ことがないようにすることができる。
加えて、この実施の形態では、可動体(本例では振分部820および外リール791)の確認動作が実行されているときには、確認動作中であることを報知する確認動作中報知が実行されるように構成されている(例えば、後述するステップ064IWS402の処理によって実現される)。そのため、確認動作が行われていることを容易に認識させることができる。
これらの構成により、確認動作中に始動入賞口や大入賞口等に遊技球が進入しても賞球の払い出しや特図ゲームが実行されないことに違和感や不信感が生じないようにすることができる。すなわち、確認動作を行っているときに遊技者に違和感や不信感を与えてしまうことを防止することができる。
一方で、この実施の形態では、図17に示すように、確認動作中であっても、各種センサからの検出信号の状態を判定するように構成されている。このような構成により、確認動作中であっても、振分部原点センサ820aの検出結果にもとづいて振分部820の動作異常の発生を判定することや動作異常の発生を報知すること、磁気センサ064IW001の検出結果にもとづいて磁気異常の発生を判定することや磁気異常の発生を報知することなどができる。すなわち、確認動作中に遊技者に違和感や不信感を与えてしまうことを防止することができるとともに、好適に異常報知を実行することができる。
また、この実施の形態では、確認動作中には各種スイッチからの検出信号の状態を判定しないように構成されているため、判定結果にもとづいてベース値が算出されることや、算出結果が表示されること、判定結果にもとづいて始動情報等がパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに出力されることがない。よって、遊技機と遊技機外とで入賞に関する情報のずれが生じることを防止することができる。すなわち、確認動作中に遊技者に違和感や不信感を与えてしまうことを防止することができるとともに、遊技機と遊技機外とで入賞に関する情報のずれが生じることを防止することができる。
なお、この実施の形態では、可動体の確認動作中であるときには、各種スイッチからの検出信号の状態を判定しないようにすることにより、可動体の確認動作中に遊技球が始動入賞口や大入賞口等に進入したことにもとづいて、賞球が払い出されることや、遊技が進行される(例えば特図ゲームが実行される)こと、ベース値が算出されること、始動情報等がホール管理用コンピュータに出力されることがないように構成されているが、このような構成に限らず、可動体の確認動作中であるときの入賞口への遊技球の進入が結果的に無効となるように構成されていればよい。例えば、可動体の確認動作中であるときにも各種スイッチからの検出信号の状態を判定するが、確認動作中であるときには判定結果にもとづいて、賞球を払い出す処理や、遊技を進行する処理、ベース値を算出する処理、始動情報等をホール管理用コンピュータに出力する処理を実行しないように構成されていてもよい。
次に、この実施の形態におけるメイン側エラー処理(S32)の一例について説明する。図18は、メイン側エラー処理の一例を示すフローチャートである。
図18に示すメイン側エラー処理では、CPU103は、可動体確認動作済みフラグがセットされているか否かを確認する(ステップ064IWS101)。そして、可動体確認動作済みフラグがセットされてない場合には、ステップ064IWS105に移行する。
可動体確認動作済みフラグがセットされている場合には、CPU103は、不正入賞エラーや始動入賞異常エラーのような異常入賞が発生したか否かを判定する異常入賞判定処理を実行する(ステップ064IWS102)。ステップ064IWS102では、例えば、遊技球が進入できない状態の入賞口(例えば、小当り遊技状態ではなく、開放状態に制御されていない上部大入賞口260)において、遊技球が進入したことが検出された場合に、異常入賞が発生したと判定する。
そして、異常入賞判定処理により異常入賞が発生したと判定した場合(ステップ064IWS103のY)、CPU103は、異常入賞が発生したことを報知する異常入賞報知処理を実行する(ステップ064IWS104)。
次いで、CPU103は、磁気検出フラグがセットされている否かを確認し(ステップ064IWS105)、セットされている場合には、磁気異常が発生したことを報知する磁気異常報知処理を実行する(ステップ064IWS106)。
次いで、CPU103は、振分部820の動作異常が検出されたことを示す振分部動作異常フラグがセットされている否かを確認し(ステップ064IWS107)、セットされている場合には、振分部820の動作異常が発生したことを報知する振分部動作異常報知処理を実行する(ステップ064IWS108)。
次いで、CPU103は、外リール791の動作異常が検出されたことを示す外リール動作異常フラグがセットされている否かを確認し(ステップ064IWS109)、セットされている場合には、外リール791の動作異常が発生したことを報知する外リール動作異常報知処理を実行する(ステップ064IWS110)。
この実施の形態では、可動体(本例では、振分部820および外リール791)の確認動作中に、遊技球が入賞口に進入してしまうケースが生じ得る。すなわち、可動体の確認動作中であって、正規の遊技の進行(例えば、小当りの発生)によって可動体を動作させているわけではないときに、遊技球が入賞口に進入してしまうことがある。
そこで、この実施の形態では、図18に示すように、可動体(本例では、振分部820および外リール791)の確認動作が完了していないとき(例えば、初期設定処理後に確認動作が開始されていないとき、または確認動作中)には、入賞口に対する異常入賞を判定しないように構成されている。
一方で、この実施の形態では、図18に示すように、確認動作中であっても、可動体に対応するセンサからの検出結果にもとづいて可動体の動作異常の発生を判定することや動作異常の発生を報知すること、磁気センサからの検出結果にもとづいて磁気異常の発生を判定することや磁気異常の発生を報知することができる。
すなわち、確認動作中であっても、全ての異常を無視するのではなく、異常の内容に応じて判定処理を行うことによって、好適に異常報知を実行することができる。
なお、図18には図示されていないが、振動エラーやスイッチ短絡エラー、フォトセンサエラー、電波エラーなどの不正検知エラーを検知可能な構成である場合には、確認動作中であってもこれらの不正検知エラーの判定や報知を実行する。
次に、この実施の形態における性能表示処理(S19)の一例について説明する。図19は、性能表示処理の一例を示すフローチャートである。
図19に示す性能表示処理では、CPU103は、可動体確認動作済みフラグがセットされているか否かを確認する(ステップ064IWS201)。そして、可動体確認動作済みフラグがセットされていない場合には、性能表示処理を終了する。すなわち、可動体(本例では、振分部820および外リール791)の確認動作が完了していない場合には、ベース値の算出や、算出したベース値の表示を行わない。
可動体確認動作済みフラグがセットされている場合には、CPU103は、各入賞口(例えば、上部大入賞口、大入賞口、第1始動入賞口、第2始動入賞口、一般入賞口)への遊技球の進入数の集計を行い、該集計によるベース値を算出する(ステップIWS202)。そして、CPU103は、算出したベース値を表示モニタ103SG029に表示する(ステップIWS203)。
なお、図19に示す例に限らず、可動体確認動作済みフラグがセットされていない場合(例えば、可動体の確認動作中である場合)にも、ベース値を算出し、算出したベース値を表示モニタ103SG029に表示するように構成してもよい。このような構成であっても、可動体の確認動作中には、入賞口に対応する各種スイッチに加えて、アウト口に対応するアウトスイッチ690の検出信号が判定されないように構成されているため、ベース値が変化することはない。
次に、可動体確認動作処理について説明する。モータ制御処理(ステップS37)内で実行される可動体確認動作処理では、CPU103は、まず、可動体確認動作済みフラグがセットされているか否かを判定する(ステップ064IWS301)。可動体確認動作済みフラグがセットされていれば、既に可動体の確認動作を実行したとして処理を終了する。なお、この可動体確認動作済みフラグは、メイン処理におけるステップS15においてRAMクリアされるまでクリアされることはないため、可動体確認動作処理を1回実行した後は、次の電源投入時にCPU103がステップS15の初期化設定処理を実行するまで、可動体の確認動作を実行することはない。つまり、CPU103は、電源投入時にステップS14の復旧設定処理を実行する場合は、原則的に、可動体の確認動作を実行することはなく、電源投入時にCPU103がステップS15の初期化設定処理を実行した場合に、1回のみ可動体の確認動作を実行する。ただし、例外的に、可動体の確認動作中に電力供給が停止し、その後電力供給が開始されて復旧設定処理が実行される場合には、復旧設定処理の終了後に、可動体の確認動作を実行する。
ステップ064IWS301において可動体確認動作済みフラグがセットされていなければ、CPU103は、可動体の確認動作中であることを示す可動体確認動作中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップ064IWS302)。可動体確認動作中フラグがセットされていなければ、CPU103は、メイン処理のステップS15aにおいて初期化フラグがセットされているか否か、つまり、電源投入時にステップS15の初期化設定処理が実行されたか否かを判定する(ステップ064IWS303)。
ステップ064IWS303において初期化フラグがセットされていなければ、電源投入時にS14の復旧設定処理を実行したとして、可動体の確認動作を実行せずに処理を終了する。例えば、小当り遊技状態において、可動体(本例では、振分部820および外リール791)が所定の動作状態にあるときに電源断が発生した場合、電源断復旧時に小当り遊技状態を再開する際に可動体(本例では、振分部820および外リール791)を所定の動作状態にしておく必要があるため、電源投入時に復旧設定処理を実行する場合は、可動体の確認動作を実行しないようにする。
ただし、上述したように、可動体の確認動作中に電力供給が停止し、その後電力供給が開始されて復旧設定処理が実行される場合には、可動体確認動作済みフラグがセットされておらず(ステップ064IWS302のN)、可動体確認動作中フラグがセットされているため(ステップ064IWS302のY)、可動体の確認動作が実行される。
ステップ064IWS303において初期化フラグがセットされていれば、初期化フラグをクリアして(ステップ064IWS304)、可動体(本例では、振分部820および外リール791)に所定の動作を実行させた後に原点位置に位置させる確認動作制御を実行するための確認動作プロセスデータをセットし(ステップ064IWS305)、確認動作プロセスタイマにカウント値をセットしタイマカウントを開始する(ステップ064IWS306)。次いで、CPU103は、プロセスデータ1の内容(可動体制御実行データ1)に従って可動体(本例では、振分部820および外リール791)を動作するモータ(本例では、振分部用モータ830および外リール用モータ793)の制御を実行する(ステップ064IWS307)。例えば、可動体制御実行データ1に従って振分部用モータ830の駆動制御パターンを設定し、モータ回路112に対して、振分部用モータ830に応じた指令信号(モータ駆動信号)を出力可能にする。そして、可動体確認動作中フラグをセットし(ステップ064IWS308)するとともに、確認動作開始指定コマンドを送信する処理を実行し(ステップ064IWS309)、処理を終了する。
ステップ064IWS302において可動体確認動作中フラグがセットされている、つまり、可動体の確認動作中である場合は、CPU103は、メイン処理のステップS14aにおいて復旧フラグがセットされているか否か、つまり、電源投入時にステップS14の復旧設定処理が実行されたか否かを判定する(ステップ064IWS310)。
ステップ064IWS310において復旧フラグがセットされていなければ、ステップ064IWS313に移行する。
復旧フラグがセットされている場合、すなわち、可動体の確認動作中に電力供給が停止し、その後電力供給が開始されて復旧設定処理が実行された場合には、CPU103は、復旧フラグをリセットするとともに(ステップ064IWS311)、RAM102に記憶されている確認動作ステータスにもとづいて、確認動作プロセスデータおよび確認動作プロセスタイマをセットする(ステップ064IWS312)。その後、ステップ064IWS307に移行する。
この実施の形態では、可動体の確認動作中に電力供給が停止し、その後電力供給が開始されて復旧設定処理が実行される場合には、復旧設定処理の終了後に、可動体の確認動作を実行する。そして、この場合には、複数の段階から構成される可動体の確認動作のうちの電力供給が停止する前に実行された段階が省略して実行される。例えば、可動体の確認動作が第1段階、第2段階、第3段階、第4段階に区分され、各段階が順次実行される構成であれば、電力供給が停止される前に第2段階まで実行されている場合には、復旧設定処理の終了後に、第3段階から可動体の確認動作が実行される。このような制御は、例えば、可動体の確認動作がどの段階であるか(または可動体の動作状態)を特定可能な確認動作ステータス情報をRAM102に記憶し(本例では後述するステップS064IWS323の処理に相当)、復旧設定処理後に、確認動作ステータス情報にもとづいて確認動作プロセスデータおよび確認動作プロセスタイマをセットする(本例ではステップS064IWS312の処理に相当)ことによって実現される。なお、確認動作において、複数の可動体を同時に動作させる構成とする場合には、可動体(すなわちモータ)ごとに、どの段階であるか(または可動体の動作状態)を特定可能な確認動作ステータス情報を保持する。
なお、この実施の形態の例に限らず、可動体の確認動作中に電力供給が停止し、その後電力供給が開始されて復旧設定処理が実行される場合には、常に最初の段階から可動体の確認動作を実行するようにしてもよい。
ステップ064IWS313では、CPU103は、確認動作プロセスタイマを-1した後(ステップ064IWS313)、プロセスデータに基づく制御が完了したか否かを判定する(ステップ064IWS314)。プロセスデータに基づく制御が完了していなければ、可動体の確認動作がどの段階であるか(または可動体の動作状態)を特定可能な確認動作ステータス情報をRAM102に記憶し(ステップ064IWS323)、処理を終了する。
プロセスデータが完了した場合には、CPU103は、振分部原点センサ検出フラグがセットされているか否かを確認し(ステップ064IWS315)、セットされていなければ、振分部動作異常フラグをセットする(ステップ064IWS316)。すなわち、可動体(本例では、振分部820および外リール791)の確認動作を実行するための制御が完了したにも関わらず、振分部820が原点位置に位置しない場合には、振分部820の動作異常が発生したと判定する。
また、CPU103は、外リール原点センサ検出フラグがセットされているか否かを確認し(ステップ064IWS317)、セットされていなければ、外リール動作異常フラグをセットする(ステップ064IWS318)。すなわち、可動体(本例では、振分部820および外リール791)の確認動作を実行するための制御が完了したにも関わらず、外リール820が原点位置に位置しない場合には、外リール820の動作異常が発生したと判定する。
振分部原点センサ検出フラグおよび外リール原点センサ検出フラグがいずれもセットされている場合、すなわち、可動体(本例では、振分部820および外リール791)の確認動作を実行するための制御が完了し、振分部820および外リール791がいずれも原点位置に位置する場合、CPU103は、確認動作中フラグをリセットするとともに(ステップ064IWS320)、確認動作済みフラグをセットする(ステップ064IWS321)。また、確認動作終了指定コマンドを送信する処理を実行し(ステップ064IWS322)、処理を終了する。
なお、プロセスデータに基づく制御が完了し、振分部820および外リール791が原点位置に位置することが検出された後、所定期間(例えば5秒間)経過したのちに、確認動作済みフラグをセットするとともに、確認動作終了指定コマンドを送信するようにしてもよい。このように構成することにより、確認動作の影響で発生する入賞を排除することができる。
また、この実施の形態では、プロセスデータに基づく制御が完了し、振分部820および外リール791が原点位置に位置することが検出されたときに確認動作を終了するように構成されているが、このような構成に限らず、例えば、確認動作は、RAMクリアスイッチが操作される、打球操作ハンドル(操作ノブ)30が操作される、確認動作開始時点から所定期間経過する、特定の検出スイッチが遊技球を検出する等の特定条件が成立したときに終了するように構成されていてもよい。この場合には、特定条件が成立した時点で、可動体を原点位置に移動させる制御が実行される。
図21は、主基板11から演出制御基板12に対して送信される演出制御コマンドの一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ100においては、遊技の進行状況や各種制御の実行状況に応じて、各種の演出制御コマンドが演出制御基板12に向けて送信される。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はコマンドの分類を示すMODEデータであり、2バイト目はコマンドの種類を表すEXTデータである。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、演出制御コマンドその他の制御コマンドは、2バイト構成であるものに限定されず、1バイトで構成されてもよいし、3バイト以上の複数バイトで構成されてもよい。演出制御コマンドは1バイト(8ビット)のコマンドデータであるMODEデータまたはEXTデータを単位とし、演出制御INT信号に同期して出力されてもよい。あるいは、演出制御コマンドはシリアル信号形式で、主基板11から中継基板15を介して、演出制御基板12へと伝送されてもよい。
コマンド80XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動開始に対応して、特図ゲームにおける特別図柄や回動表示装置300における飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。変動パターン指定コマンドは、可変表示における変動開始を指定するための演出制御コマンドでもある。添字Hは、16進数表示であることを示している。XXHは、不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指定内容や通知内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。変動パターン指定コマンドにより指定される変動パターンに応じて、特図ゲームで特別図柄の変動(可変表示)を開始してから表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの特図変動時間も指定される。
コマンド8CXXHは、特図ゲームにおける特別図柄や回動表示装置300における飾り図柄の可変表示における表示結果を指定する表示結果指定コマンドである。表示結果指定コマンドでは、指定する表示結果などに応じて、異なるEXTデータが設定される。例えば、コマンド8C00Hは可変表示の表示結果が「ハズレ」であることを指定する第1表示結果指定コマンドであり、コマンド8C01Hは可変表示の表示結果が「当り」であることを指定する第2表示結果指定コマンドであればよい。コマンド8F00Hは、特図ゲームにおける特別図柄や回動表示装置300における飾り図柄の可変表示を終了して、表示結果となる特別図柄や飾り図柄の停止表示による確定を指定する図柄確定指定コマンドである。
コマンド9000Hは、パチンコ遊技機1の電源投入に伴う電力供給の開始に対応して、遊技制御メイン処理のステップS15にて初期化設定処理が実行されたことを指定する初期化指定コマンドである。コマンド9200Hは、パチンコ遊技機1の電源投入に伴う電力供給の開始に対応して、遊技制御メイン処理のステップS14にて復旧設定処理が実行されたことを指定する復旧指定コマンドである。コマンド9F00Hは、客待ちデモンストレーション表示を指定する客待ちデモ指定コマンドである。
コマンドA000Hは、大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンドである。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態における各回のラウンド遊技が開始される場合に対応して、特別可変入賞球装置7の大入賞口が開放開始となることを指定する大当り開放開始指定コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態における各回のラウンド遊技が終了する場合に対応して、特別可変入賞球装置7の大入賞口が開放終了となることを指定する大当り開放終了指定コマンドである。大当り開放開始指定コマンドや大当り開放終了指定コマンドでは、ラウンド遊技の実行回数に応じて、異なるEXTデータが設定される。コマンドA300Hは、大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA600Hは、小当り遊技状態において可変入賞装置200の上部大入賞口260が開閉される動作の開始を指定する小当り開閉開始指定コマンドである。コマンドA700Hは、小当り遊技状態において可変入賞装置200の上部大入賞口260が開閉される動作の終了を指定する小当り開閉終了指定コマンドである。
コマンドAA00Hは、可動体(本例では振分部820および外リール791)の確認動作を開始したことを指定する確認動作開始指定コマンドである。コマンドAB00Hは、可動体(本例では振分部820および外リール791)の確認動作を終了したことを指定する確認動作終了指定コマンドである。コマンドAC00Hは、振分部820の原点通過検出を指定する振分部原点検出指定コマンドである。例えば、振分部820は2400ミリ秒すなわち2.4秒の周期で、位置P0~P6の区間を往復移動する。この場合、2.4秒といった特定周期で、振分部原点センサ820aにより振分部820の原点通過が検出され、主基板11から演出制御基板12に対して振分部原点検出指定コマンドが送信される。コマンドAD00Hは、外リール791の原点通過検出を指定する外リール原点検出指定コマンドである。コマンドAEXXHは、通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813の各進入口における遊技球の通過検出を指定する進入口通過指定コマンドである。進入口通過指定コマンドでは、いずれの進入口を遊技球が通過したかに応じて、異なるEXTデータが設定される。例えば、コマンドAE01Hは通常領域進入口811における遊技球の通過検出を指定する第1進入口通過指定コマンドであり、コマンドAE02Hは特定領域進入口812における遊技球の通過検出を指定する第2進入口通過指定コマンドであり、コマンドAE03Hは通常領域進入口813における遊技球の通過検出を指定する第3進入口通過指定コマンドである。
コマンドB100Hは、遊技球が第1始動入賞口に進入したことによる第1始動入賞となる始動入賞を指定する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、遊技球が第2始動入賞口に進入したことによる第2始動入賞となる始動入賞を指定する第2始動口入賞指定コマンドである。コマンドC1XXHは、第1特図保留記憶数としての保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2特図保留記憶数としての保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドでは、それぞれの保留記憶数に応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンドC700Hは、大当り遊技状態において開放状態となった特別可変入賞球装置7の大入賞口に遊技球が進入したことによる入賞を指定する大入賞口入賞指定コマンドである。コマンドFFXXHは、各種エラーの発生に対応したエラー報知、またはエラー解除を指定するエラー報知/解除指定コマンドである。エラー報知/解除指定コマンドでは、エラー報知やエラー解除の内容などに応じて、異なるEXTデータが設定される。
図22は、特別図柄プロセス処理として、遊技制御用タイマ割込み処理のステップS35にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。始動入賞判定処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かが判定される。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば、入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、特図ゲームの保留記憶数である特図保留記憶数を更新するための始動入賞処理が行われる。一方、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば、可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、始動入賞処理が行われる。始動入賞処理では、特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、特図保留記憶数が上限値に達していれば、始動入賞処理を終了する。一方、特図保留記憶数が上限値未満であれば、ROM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた特図保留記憶数カウンタの格納値である特図保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、特図保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して特図ゲームの始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の所定領域(例えば特図保留記憶部)に保留データとして記憶させる。ステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)などに設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110~S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特図保留記憶部といったRAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、特別図柄表示装置による特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示における表示結果を「当り」とするか否かを、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、表示結果が「当り」に決定されたことに対応して、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた当りフラグをオン状態にセットする。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の表示結果に対応して、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄とハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの特図変動時間といった、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。当りフラグがオンである場合には、可変表示の表示結果が「当り」であることに基づく小当り遊技状態の開始を指定する演出制御コマンドとして、小当り開閉開始指定コマンドの送信設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態の開始に対応して、ステージ供給用ソレノイド255をオフ状態からオン状態に切り替えるための設定を行う処理が含まれていればよい。また、小当り開放前処理には、小当り遊技状態において可変入賞装置200の上部大入賞口260を開放状態と閉鎖状態とに繰り返し制御する上部大入賞口開閉を実行するための設定を行う処理などが含まれている。さらに、小当り開放前処理には、小当り遊技状態への制御が開始されることに基づいて、外リール用モータ793の駆動制御パターンを使用パターンに設定する処理が含まれていればよい。このとき設定された駆動制御パターンに基づいて、遊技制御用タイマ割込み処理のステップS37にてモータ制御処理が実行されることにより、モータ回路112に対して、外リール用モータ793に応じた指令信号(モータ駆動信号)を出力可能になる。こうして、例えば上部大入賞口開閉を実行する前に、外リール791を1回転させるように、外リール用モータ793が駆動される。小当り開放前処理では、小当り報知待機時間が設定され、この小当り報知待機時間が経過するまで待機した後に、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。
ステップS115の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この小当り開放中処理には、小当り開放前処理での設定に基づいて、可変入賞装置200の上部大入賞口開閉を実行する処理などが含まれている。また、小当り開放中処理には、上部大入賞口開閉の終了に対応して、ステージ供給用ソレノイド255をオン状態からオフ状態に切り替えるための設定を行う処理が含まれていればよい。加えて、小当り開放中処理には、遊技球が遊技球待機部797aに到達可能な到達待機時間が経過するまで待機した後、外リール791を1回転させるように、外リール用モータ793の駆動制御パターンを設定する処理が含まれていればよい。このとき設定された駆動制御パターンに基づいて、遊技制御用タイマ割込み処理のステップS37にてモータ制御処理が実行されることにより、モータ回路112に対して、外リール用モータ793に応じた指令信号(モータ駆動信号)を出力可能になる。こうして、例えば遊技球が遊技球待機部797aに到達した後に、外リール791を1回転させるように、外リール用モータ793が駆動される。小当り開放中処理では、遊技球が通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかを通過するまでの待機時間である遊技球進入待機時間が設定され、この遊技球進入待機時間が経過するまで待機した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態にて遊技球が通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかに進入したか否かに応じて、大当り遊技状態となるための特定遊技条件が成立したか否かを判定する処理が含まれている。そして、特定遊技条件が成立して大当り遊技状態となる場合には、進入報知待機時間が経過するまで待機した後、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。一方、特定遊技条件が成立せずに小当り遊技状態を終了する場合には、特図プロセスフラグが“0”に更新される。
ステップS117の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り開放前処理には、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して特別可変入賞球装置7の大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。ラウンド遊技の実行を開始するために、小当り遊技状態で遊技球が通常領域進入口811、813のいずれかに進入した場合と特定領域進入口812に進入した場合とに応じて、異なるラウンド遊技の上限回数が設定される。小当り遊技状態で遊技球が通常領域進入口811、813のいずれかに進入した場合には、ラウンド遊技の上限回数が3回に設定される。小当り遊技状態で遊技状態が特定領域進入口812に進入した場合には、ラウンド遊技の上限回数が16回に設定される。このように、小当り遊技状態にて遊技球が特定領域進入口812を通過した場合には、通常領域進入口811、813のいずれかを通過した場合よりも、ラウンド遊技の上限回数に応じた実行回数が多くなる。ラウンド遊技の実行回数が多い大当り遊技状態では、ラウンド遊技の実行回数が少ない大当り遊技状態よりも、遊技者が多くの賞球を獲得できる可能性が高くなる。したがって、小当り遊技状態にて遊技球が特定領域進入口812を通過した場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が多くなることで、小当り遊技状態にて遊技球が通常領域進入口811、813のいずれかを通過した場合よりも、遊技者にとって有利な特典を付与することができる。大当り開放前処理では、大当り報知待機時間が設定され、この大当り報知待機時間が経過するまで待機した後、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。
ステップS118の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この大当り開放中処理には、特別可変入賞球装置7の大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間や下部カウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この大当り開放後処理には、特別可変入賞球装置7の大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新される。
ステップS120の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応したエンディング演出待機時間を設定し、このエンディング演出待機時間が経過するまで待機する処理が含まれていればよい。また、大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を設定する処理が含まれてもよい。大当り遊技状態の終了後には、確変状態や時短状態といった、特別遊技状態に制御することができればよい。いずれの特別遊技状態に制御するか、または特別遊技状態に制御しないかは、大当り遊技状態を予め用意された複数種類のいずれとするかの決定結果に対応して決定されてもよい。あるいは、大当り遊技状態の種類にかかわらず、いずれの特別遊技状態に制御するか、または特別遊技状態に制御しないかが、所定割合で決定されてもよい。遊技状態を確変状態とする場合には、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた確変フラグをオン状態にセットする。また、遊技状態を時短状態とする場合には、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた時短フラグをオン状態にセットするとともに、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた時短回数カウンタに、時短中変動上限回数と対応して予め定められたカウント初期値(例えば「50」など)をセットすればよい。こうした大当り遊技状態の終了後における遊技状態の設定とともに、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図23は、変動パターンの一例を示す説明図である。この実施の形態では、可変表示の表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならない「非リーチ」である場合とリーチ状態になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示の表示結果が「当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。可変表示内容が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターンあるいは非リーチハズレ変動パターンともいう。可変表示内容が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターンあるいはリーチハズレ変動パターンともいう。非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示の表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示の表示結果が「当り」である場合に対応した変動パターンは、当り変動パターンともいう。当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチにおけるリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。
当り変動パターンのうち、ノーマルリーチにおけるリーチ演出が実行されてスーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されないノーマルリーチ変動パターンには、変動パターンPA3-1-1~PA3-1-5が含まれている。変動パターンPA3-1-1は、特図変動時間が17600ミリ秒に設定されている。変動パターンPA3-1-2は、特図変動時間が18200ミリ秒に設定されている。変動パターンPA3-1-3は、特図変動時間が18800ミリ秒に設定されている。変動パターンPA3-1-4は、特図変動時間が19400ミリ秒に設定されている。変動パターンPA3-1-5は、特図変動時間が20000ミリ秒すなわち20秒に設定されている。当り変動パターンのうち、ノーマルリーチにおけるリーチ演出が実行された後にスーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンには、変動パターンPA3-2-1~PA3-2-5が含まれている。変動パターンPA3-2-1は、特図変動時間が57600ミリ秒に設定されている。変動パターンPA3-2-2は、特図変動時間が58200ミリ秒に設定されている。変動パターンPA3-2-3は、特図変動時間が58800ミリ秒に設定されている。変動パターンPA3-2-4は、特図変動時間が59400ミリ秒に設定されている。変動パターンPA3-2-5は、特図変動時間が60000ミリ秒に設定されている。
このように、変動パターンPA3-1-1~PA3-1-5は、特図変動時間が17600ミリ秒から20000ミリ秒までの2400ミリ秒すなわち2.4秒の範囲に含まれるように設定されている。変動パターンPA3-2-1~PA3-2-5は、特図変動時間が57600ミリ秒から60000ミリ秒までの2400ミリ秒すなわち2.4秒の範囲に含まれるように設定されている。2400ミリ秒すなわち2.4秒は、振分部820が位置P0~P6の区間を往復移動する周期と等しい。振分部820が往復移動する周期よりも短い間隔で特図変動時間が相違する複数の変動パターンを用意することにより、小当り遊技状態にて遊技球が通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかに進入する割合が偏る可能性を低減して、公平な遊技を確保することができればよい。なお、変動パターンの決定割合により、小当り遊技状態にて遊技球が通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれに進入するかの割合を異ならせるようにしてもよい。
特別図柄プロセス処理のステップS111にて実行される変動パターン設定処理では、変動パターン決定用の乱数値を、変動パターン決定テーブルにおいて予め設定されている判定値と比較することにより、使用パターンとなる変動パターンが決定される。変動パターン決定テーブルは、可変表示の表示結果が「当り」となる場合に用いられる当り変動パターン決定テーブルと、可変表示の表示結果が「ハズレ」となる場合に用いられるハズレ変動パターン決定テーブルとを含んでいる。変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値と比較される判定値が、単一または複数の変動パターンに割り当てられていればよい。CPU103は、変動パターン決定用の乱数値を判定値と比較し、いずれの判定値の範囲に乱数値が含まれるかの判定結果に応じて、使用パターンとなる変動パターンを決定すればよい。
(演出制御基板12の主要な動作)
演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、パチンコ遊技機1の電源投入により所定の電源基板からの電力供給が開始されると、演出制御用CPU120が起動し、演出制御メイン処理となる所定の処理が実行される。演出制御基板12における各処理は、演出制御用CPU120により実行される。演出制御用CPU120による処理の実行に応じて、パチンコ遊技機1における演出の進行を制御することができる。
図24は、演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、初期化処理を実行する(ステップS51)。ステップS51の初期化処理では、例えばRAM122における記憶領域のクリアや各種初期値の設定、演出制御用のタイマ割込みを発生させるCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定などが行われる。初期化処理を実行した後には、タイマ割込みフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS52)。タイマ割込みフラグは、演出制御用のタイマ割込みが発生するとオン状態にセットされる。タイマ割込みフラグがオンであると判定された場合には(ステップS52;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS53)、コマンド解析処理(ステップS54)、サブ側エラー処理(ステップS55)、演出制御プロセス処理(ステップS56)、演出用乱数更新処理(ステップS57)とを順次に実行してから、ステップS52に戻る。ステップS54~S57にて実行される各処理は、演出制御用のタイマ割込み処理に含まれる。タイマ割込みフラグがオフであると判定された場合には(ステップS52;No)、ステップS53~S57の処理を実行せずに、ステップS52に戻って待機する。演出制御用CPU120は、演出制御用のタイマ割込み処理の他に、コマンド受信用の割込み処理を実行可能であり、主基板11から中継基板15を介して伝送される演出制御コマンドを、I/O125の入力ポートから取得できればよい。このとき取得した演出制御コマンドは、例えばRAM122の所定領域などに設けられた受信コマンドバッファに一時記憶させればよい。ステップS54のコマンド解析処理では、演出制御コマンドの受信があったか否かの判定が行われ、受信があった場合には受信コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS54のコマンド解析処理では、例えば、図25に示すように、確認動作開始指定コマンドを受信しているか否かを判定し(ステップ064IWS401)、受信している場合には、演出制御用CPU120は、可動体(本例では振分部820および外リール791)の確認動作が実行されていることを報知する確認動作中報知(例えば、スピーカ8L、8Rから確認動作中であることを示す音声を出力する)を実行する。また、確認動作終了指定コマンドを受信しているか否かを判定し(ステップ064IWS403)、受信している場合には、演出制御用CPU120は、確認動作中報知を終了する。
本実施の形態では、可動体(本例では振分部820および外リール791)の確認動作が実行されているときに確認動作中報知が実行されるため、確認動作が行われていることを容易に認識させることができる。そのため、確認動作中に始動入賞口や大入賞口等に遊技球が進入しても賞球の払い出しや特図ゲームが実行されないことに違和感や不信感が生じないようにすることができる。すなわち、確認動作を行っているときに遊技者に違和感や不信感を与えてしまうことを防止することができる。
ステップS51の初期化処理では、例えば回動表示装置300の左リールユニット400、中リールユニット500、右リールユニット600といった、演出制御基板12の側において動作を制御する可動部材について、初期動作を実行する演出用初期動作制御が行われてもよい。演出用初期動作制御は、主基板11からの初期化指定コマンドと復旧指定コマンドのいずれを受信したかにかかわらず、ステップS51の初期化処理にて実行されるようにすればよい。なお、演出制御基板12のRAM122がバックアップ電源によりバックアップされる場合には、主基板11からの初期化指定コマンドを受信した場合には演出用初期動作制御を実行する一方で、主基板11からの復旧指定コマンドを受信した場合には演出用初期動作制御を実行しなくてもよい。
なお、パチンコ遊技機1は、設定値に応じて大当りの当選確率(出玉率)が変わる構成とされていてもよい。このような構成を備えたパチンコ遊技機1では、特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理において、設定値に応じた表示結果判定テーブル(当選確率)を用いることにより、大当りの当選確率(出玉率)が変わるようになっている。設定値は1~6の6段階からなり、6が最も出玉率が高く、6、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど出玉率が低くなる。すなわち、設定値として6が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。換言すれば、設定値とは、最も大きい値である6が最も遊技場側にとって不利な値であり、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど遊技場側にとって有利な値となる。
また、このような構成を備えたパチンコ遊技機1では、電源投入後に設定値を変更可能であり、設定値の変更が行われた場合には初期設定処理(ステップS15)が実行される。そのため、設定値の変更が行われた場合には、可動体(本例では振分部820および外リール791)の確認動作が実行されることになる。
なお、この実施の形態では、モータやソレノイドによって動作する可動体(例えば、可変入賞装置200に設けられた開閉蓋270や振分部820、外リール791、可変入賞球装置6Bの玉受片、特別可変入賞装置7の大入賞口扉など)が設けられているとともに、可動体が動作しているときに遊技球が進入可能となる特定の入賞口(例えば、通常領域進入口811,813や特定領域進入口812、上部大入賞口260など)が設けられているが、このような構成に加えて、遊技球が所定の作動領域を通過したことにより、遊技球が進入可能となる入賞口が設けられていてもよい。このような構成について、変形例として図26~図30を参照して説明する。
図26は、変形例におけるパチンコ遊技機の正面図である。図26に示す変形例では、右遊技領域に入賞ユニット151SG700が設けられている。
図27に示すように、入賞ユニット151SG700は、遊技盤2に対して後方から取り付けられる後部ユニット151SG700Bと、遊技盤2に対して前方から取り付けられる前部ユニット151SG700A(図示せず)と、から主に構成されている。
図28に示すように、入賞ユニット151SG700の上端部には開口部151SG700aが形成されており、該開口部151SG700aから遊技球が入賞ユニット151SG700内に進入可能となっている。そして、入賞ユニット151SG700内には、開口部151SG700aから該入賞ユニット151SG700内に進入した遊技球が流下可能な第1遊技球流路151SG711及び第2遊技球流路151SG712が形成されている。
第1遊技球流路151SG711の上流部には、該第1遊技球流路151SG711から第1分岐路151SG711bが分岐する第1分岐部151SG711aが設けられており、第1遊技球流路151SG711の中流部には、該第1遊技球流路151SG711から第2分岐路151SG711dが分岐する第2分岐部151SG711cが設けられている。更に、第1遊技球流路151SG711の下流部には、該第1遊技球流路151SG711から第3分岐路151SG711fが分岐する第3分岐部151SG711eが設けられている。
入賞ユニット151SG700の下部には、特別可変入賞球装置151SG701が設けられている。該特別可変入賞球装置151SG701は、ソレノイド151SG082の駆動によって開閉駆動させる大入賞口扉を備え、該大入賞口によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する。大入賞口は、入賞ユニット151SG700の下部において、上向きに開放するように形成されている。尚、大入賞口扉は、ソレノイド151SG082の駆動によって大入賞口を閉鎖する閉鎖位置と、大入賞口を開放する開放位置との間で前後方向にスライド移動可能となっている。
特別可変入賞球装置151SG701では、ソレノイド151SG082がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)し易くする。その一方で、ソレノイド151SG082がオフ状態であるときに大入賞口扉が第1大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)できなくする。このように第1大入賞口は、遊技球が通過(進入)し易い遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)し難い一部開放状態を設けてもよい。
尚、前述した第1遊技球流路151SG711や第2遊技球流路151SG712を特別可変入賞球装置151SG701まで流下してきた遊技球は、大入賞口が開放状態であれば該大入賞口を通過し、大入賞口が閉鎖状態であれば大入賞口扉上を第1アウト口に向けて流下する。大入賞口を通過(進入)した遊技球は、大入賞口内に設けられた第1カウントスイッチ151SG023Aを通過することで、該第1カウントスイッチ151SG023Aによって検出される。第1カウントスイッチ023Aを通過した遊技球は、第2カウントスイッチ151SG023Bまたは第3カウントスイッチ151SG023Cにて検出された後に遊技盤2の背面側に誘導されて排出されるようになっている。
また、図28に示すように、普電入賞口の下方には、第1遊技球流路151SG711側とアウト用流路151SG714側とに連通する連通口が形成されており、第1遊技球流路151SG711を流下する遊技球の一部は、該連通口を通過してアウト用流路151SG714に向けて流下するようになっている。
尚、遊技盤2の背面側(後部ユニット151SG700B)には、後述する第1リンク機構151SG720及び第2リンク機構151SG730が設けられており、遊技盤の背面側にはアウト用流路151SG714を形成するための十分なスペースが存在しない。このため、アウト用流路151SG714は遊技盤2の前方側(前部ユニット151SG700A)に形成されている。
第1分岐部151SG711aには、後述する第1リンク機構151SG720の駆動によって第1分岐路151SG711bに遊技球が進入不能なように閉鎖する閉鎖位置と第1分岐路151SG711bに遊技球が進入可能なように開放する開放位置との間で揺動可能な第1揺動部材151SG702が設けられている。尚、第1揺動部材151SG702における閉鎖位置とは、第1遊技球流路151SG711を流下する遊技球を阻害しないよう第1遊技球流路151SG711上から退避する位置であり、第1揺動部材151SG702における開放位置とは、第1遊技球流路151SG711を流下する遊技球を受けて該遊技球を第1分岐路151SG711bに向けて誘導可能なように第1遊技球流路151SG711上に突出する位置である。
また、第2分岐部151SG711cには、後述する第2リンク機構151SG730の駆動によって第2分岐路151SG711dに遊技球が進入不能なように閉鎖する閉鎖位置と第2分岐路151SG711dに遊技球が進入可能なように開放する開放位置との間で揺動可能な第2揺動部材151SG703が設けられている。尚、第2揺動部材151SG703における閉鎖位置とは、第1遊技球流路151SG711を流下する遊技球を阻害しないよう第1遊技球流路151SG711上から退避する位置であり、第2揺動部材151SG703における開放位置とは、第1遊技球流路151SG711を流下する遊技球を受けて該遊技球を第2分岐路151SG711dに向けて誘導可能なように第1遊技球流路151SG711上に突出する位置である。
更に、第3分岐部151SG711eには、普通電動役物としてのスライド部材151SG704が設けられている。該スライド部材151SG704は、ソレノイド151SG081の駆動によって第1遊技球流路151SG711に突出することで遊技球を受けて該遊技球を第3分岐路151SG711fに誘導する突出位置と、第1遊技球流路151SG711から退避することで遊技球の第1遊技球流路151SG711での流下を阻害しない退避位置と、の間で前後方向にスライド可能に設けられている。つまり、第3分岐路151SG711fは、スライド部材151SG704が退避位置に位置しているときには遊技球が進入不能または進入困難な状態であり、スライド部材151SG704が突出位置に位置しているときには遊技球が進入可能または進入容易な状態である。
このように、第1遊技球流路151SG711を流下する遊技球は、該第1遊技球流路151SG711から第1分岐路151SG711b、第2分岐路151SG711d、第3分岐路151SG711fのいずれかに進入可能となっている。このうち第1分岐路151SG711bに進入した遊技球は、該第1分岐路151SG711bが形成する第1始動入賞口Bに入賞し、該第1分岐路151SG711bに設けられている第1始動口Bスイッチ151SG022Bにて検出される。第2分岐路151SG711dに進入した遊技球は、該第2分岐路151SG711dが形成する第2始動入賞口に入賞し、該第2分岐路151SG711dに設けられている第2始動口スイッチ151SG022Cにて検出される。
第1始動口Bスイッチ151SG022Bや第2始動口スイッチ151SG022Cにて検出された後の遊技球は、図28に示すように、入賞ユニット151SG700の右部に設けられたアウト用流路151SG714を流下する。そして、第1遊技球流路151SG711から流入してきた遊技球を含むアウト用流路151SG714を流下する遊技球は、入賞ユニット151SG700の下端部(アウト用流路151SG714の最下流部)に形成された第2アウト口に進入することで151SG041Bによって検出された後に遊技盤2の背面側に向けて排出される。尚、第2アウト口は、図28に示すように、入賞ユニット151SG700内に設けられているため、右遊技領域151SG002Rを流下する遊技球(入賞ユニット151SG700内を流下する遊技球)のみが進入可能なアウト口である。
つまり、第2アウトスイッチ151SG041Bは、第1始動入賞口Bや第2始動入賞口に入賞した後にアウト用流路151SG714を流下する遊技球を検出可能である一方で、第1始動入賞口Aに入賞した遊技球については検出不能となっている。
また、第3分岐路151SG711fに進入した遊技球は、該第3分岐路151SG711fが形成する普電入賞口に入賞し、該第3分岐路151SG711fに設けられている第4カウントスイッチ151SG023Dにて検出される。第4カウントスイッチ151SG023Dにて検出された後の遊技球は、第3分岐路151SG711fを介して遊技盤2の背面側に進入する。
尚、第3分岐路151SG711fを介して進入可能な遊技盤2の背面側には、遊技球を検出可能な第5カウントスイッチ151SG023Eと第6カウントスイッチ151SG023Fとが左右に並設されているとともに、振分部材151SG025が設けられている。振分部材151SG025は、ソレノイド151SG086の駆動によって左右に移動することによって、遊技球の第6カウントスイッチ151SG023Fへの進入(第6カウントスイッチ151SG023Fによる遊技球の検出)を規制するとともに第5カウントスイッチ151SG023Eへの進入(第5カウントスイッチ151SG023Eによる遊技球の検出)を誘導する第1誘導状態と、遊技球の第5カウントスイッチ151SG023Eへの進入(第5カウントスイッチ151SG023Eによる遊技球の検出)を規制するとともに第6カウントスイッチ151SG023Fへの進入(第6カウントスイッチ151SG023Fによる遊技球の検出)を誘導する第2誘導状態と、に変化可能となっている。
尚、第3分岐路151SG711fから第5カウントスイッチ151SG023Eに進入した(第5カウントスイッチ151SG023Eによって検出された)遊技球は、第1リンク機構151SG720(図29参照)を駆動させることによって第1揺動部材151SG702を閉鎖位置から開放位置に移動させる。尚、第1リンク機構151SG720を駆動させた後の遊技球は遊技盤2の背面側を流下することで排出され、該遊技球が流下したことにもとづいて第1リンク機構151SG720が第1揺動部材151SG702を開放位置から閉鎖位置に移動させるようになっている。
具体的には、図29(A)及び図29(B)に示すように、第1リンク機構151SG720は、後部ユニット151SG700Bに内蔵された機構であり、主に第1リンク部材151SG721、第2リンク部材151SG722、第3リンク部材151SG723、第4リンク部材151SG724、第5リンク部材151SG725から構成されている。
このうち第1リンク部材151SG721は、第5カウントスイッチ151SG023Eの下方に配置されているとともに、前方側の一端が遊技球を受け止め可能な形状に形成されており、後方側の他端が第2リンク部材151SG722の下端部に連動可能に接続されている。また、第1リンク部材151SG721は、図示しない左右方向を向く枢軸によって上下方向に揺動可能となっている。
第2リンク部材151SG722は、上下方向に長寸である棒状の部材であり、上下方向にスライド移動可能に設けられている。そして、第2リンク部材151SG722の上端部には第3リンク部材151SG723の後方側の一端が連動可能に接続されており、第3リンク部材151SG723の前方側の他端には第4リンク部材151SG724の後方側の一端、第4リンク部材151SG724の前方側の他端には第5リンク部材151SG725がそれぞれ連動可能に接続されている。
このため、図29(A)及び図29(B)に示すように第1リンク部材151SG721が一端で第5カウントスイッチ151SG023Eを通過した遊技球を受け止めることで揺動する(他端が上方に向けて移動する)ことによって第2リンク部材151SG722が上方に向けてスライド移動すると、該第2リンク部材151SG722の上方へのスライド移動に連動して第3リンク部材151SG723、第4リンク部材724、第5リンク部材151SG725が動作し、該第5リンク部材151SG725の動作によって第1揺動部材151SG702が閉鎖位置から開放位置に移動する。
尚、第1リンク部材151SG721の一端から遊技球が流下すると、後部ユニット151SG700Bと第2リンク部材151SG722間に設けられているバネ151SG726の復元力によって第2リンク部材151SG722が下方に向けてスライド移動する。このとき、該第2リンク部材151SG722の下方へのスライド移動に連動して第3リンク部材151SG723、第4リンク部材724、第5リンク部材151SG725が動作し、該第5リンク部材151SG725の動作によって第1揺動部材151SG702が開放位置から閉鎖位置に移動する。
また、第3分岐路151SG711fから第6カウントスイッチ151SG023Fに進入した(第6カウントスイッチ151SG023Fによって検出された)遊技球は、第2リンク機構151SG730を駆動させることによって第2揺動部材151SG703を閉鎖位置から開放位置に移動させる。尚、第2リンク機構151SG730を駆動させた後の遊技球は、遊技盤2の背面側を流下することで排出され、該遊技球が流下したことにもとづいて第2リンク機構151SG730が第2揺動部材151SG703を開放位置から閉鎖位置に移動させるようになっている。
具体的には、図30(A)及び図30(B)に示すように、第2リンク機構151SG730は、後部ユニット151SG700Bに内蔵された機構であり、主に第1リンク部材151SG731、第2リンク部材151SG732、第3リンク部材151SG733、第4リンク部材151SG734、第5リンク部材151SG735から構成されている。
このうち第1リンク部材151SG731は、第5カウントスイッチ151SG023Eの下方に配置されているとともに、前方側の一端が遊技球を受け止め可能な形状に形成されており、後方側の他端が第2リンク部材151SG732の下端部に連動可能に接続されている。また、第1リンク部材151SG731は、図示しない左右方向を向く枢軸によって上下方向に揺動可能となっている。
第2リンク部材151SG732は、上下方向に長寸である棒状の部材であり、上下方向にスライド移動可能に設けられている。そして、第2リンク部材151SG732の上端部には第3リンク部材151SG733の後方側の一端が連動可能に接続されており、第3リンク部材151SG733の前方側の他端には第4リンク部材151SG734の後方側の一端、第4リンク部材151SG734の前方側の他端には第5リンク部材151SG735がそれぞれ連動可能に接続されている。
このため、図29(A)及び図29(B)に示すように第1リンク部材151SG731が一端で第5カウントスイッチ151SG023Eを通過した遊技球を受け止めることで揺動する(他端が上方に向けて移動する)ことによって第2リンク部材151SG732が上方に向けてスライド移動すると、該第2リンク部材151SG732の上方へのスライド移動に連動して第3リンク部材151SG733、第4リンク部材724、第5リンク部材151SG735が動作し、該第5リンク部材151SG735の動作によって第1揺動部材151SG702が閉鎖位置から開放位置に移動する。
尚、第1リンク部材151SG731の一端から遊技球が流下すると、後部ユニット151SG700Bと第2リンク部材151SG732間に設けられているバネ151SG736の復元力によって第2リンク部材151SG732が下方に向けてスライド移動する。このとき、該第2リンク部材151SG732の下方へのスライド移動に連動して第3リンク部材151SG733、第4リンク部材734、第5リンク部材151SG735が動作し、該第5リンク部材151SG735の動作によって第1揺動部材151SG702が開放位置から閉鎖位置に移動する。
図26~図30に示す変形例では、遊技球が作動領域を通過すると入賞困難状態から入賞可能状態に変化する非電動式の可変入賞装置を備えている。具体的には、遊技球が第5カウントスイッチ151SG023Eを通過すると、入賞困難状態(第1揺動部材151SG702が閉鎖位置に位置することによって実現される)から入賞可能状態(第1揺動部材151SG702が開放位置に位置することによって実現される)に変化する第1始動入賞口Bや、遊技球が第6カウントスイッチ151SG023Fを通過すると、入賞困難状態(第2揺動部材151SG703が閉鎖位置に位置することによって実現される)から入賞可能状態(第2揺動部材151SG703が開放位置に位置することによって実現される)に変化する第2始動入賞口などを備えている。以下、このような非電動式の可変入賞装置を非電動役物ともいう。
このような変形例の構成を備えている場合には、非電動式の可変入賞装置への異常入賞の発生を報知可能な報知手段を備えるようにしてもよい。報知手段は、非電動式の可変入賞装置への入賞数が入賞許容数を超過したときに異常入賞の発生を報知する。具体的には、異常入賞の発生の報知として、エラー音を出力する制御や、エラー内容を示す画像を画像表示装置5に表示する制御が行われる。
また、非電動式の可変入賞装置への異常入賞の発生を判定するための入賞許容数は、電源投入時や遊技球が作動領域を通過したときに所定数(本例では「0」または「2」)に設定されるようにしてもよい。
また、電源投入後に可動体(本例では振分部820および外リール791)の確変動作が行われているときに遊技球が作動領域を通過した場合は、入賞許容数を設定しないようにしてもよい。例えば、確認動作中には各種スイッチからの検出信号の状態が判定されないため、判定結果にもとづいて入賞許容数が設定されないように構成される。このような構成により、可動体の確変動作中に遊技球が作動領域を通過したことを無効にして、非電動式の可変入賞装置に関しても、好適に異常の発生を報知することができる。
以上に説明したように、この実施の形態では、遊技機は、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、小当り遊技状態や大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、少なくとも有利状態に制御されているときに動作する可変手段(例えば、可変入賞装置200に設けられた開閉蓋270や振分部820、外リール791、可変入賞球装置6Bの玉受片、特別可変入賞装置7の大入賞口扉など)と、可変手段の制御を行う可変手段制御手段(例えば、CPU103がモータ制御処理(ステップS37)を実行する部分や、大当り開放中処理(ステップS118)を実行する部分など)と、遊技媒体が通過したことを検出可能な通過検出手段(例えば、通常領域スイッチ811a,813aや特定領域スイッチ812a、上部カウントスイッチ250、第2始動口スイッチ22B、下部カウントスイッチ23、第1始動口スイッチ22A、一般入賞口スイッチ689など)と、通過検出手段により通過が検出されたときに該検出にもとづいて遊技価値を付与可能な付与手段(例えば、CPU103が賞球処理(ステップS38)を実行する部分)と、通過検出手段により通過が検出されたときに該検出にもとづいて遊技の進行制御を行うことが可能な遊技制御手段(例えば、CPU103が特別図柄プロセス処理(ステップS35)を実行する部分)と、遊技機に対する電力供給が停止しても、遊技に関する制御を行う際に発生する情報を所定期間保持可能な記憶手段(例えば、RAM102)と、通過検出手段とは異なり、遊技機が特定の状態にあることを検出可能な特定検出手段(例えば、振分部原点センサ820aや外リール原点センサ821a、磁気センサ064IW001など)と、遊技機が異常状態にあることを報知可能な異常報知手段(例えば、CPU103がステップ064IWS104、S106、S108、S110を実行する部分)と、を備え、通過検出手段は、第1通過検出手段(例えば、第1始動口スイッチ22A、一般入賞口スイッチ689など)と、該第1通過検出手段とは異なり可変手段が動作することにより遊技媒体が通過しやすくなる第2通過検出手段(例えば、通常領域スイッチ811a,813aや特定領域スイッチ812a、上部カウントスイッチ250、第2始動口スイッチ22B、下部カウントスイッチ23など)と、を含み、可変手段制御手段は、少なくとも記憶手段の記憶内容が初期化されたときに、可変手段に確認動作を実行させる確認動作制御を行うことが可能であり(例えば、演出制御用CPU120がステップ064IWS402を実行する部分)、確認動作制御が行われているときに、確認動作制御が行われていることを報知可能な確認動作報知手段(例えば、CPU103がステップS37内で可動体確認動作処理を実行する部分)をさらに備え、付与手段は、確認動作制御が行われているときに通過検出手段により通過が検出された場合は、該検出にもとづいて遊技価値を付与せず(例えば、確認動作中には各種スイッチからの検出信号の状態が判定されないため(ステップ064IWS001~S003)、判定結果にもとづいて賞球が払い出されることがない)、遊技制御手段は、確認動作制御が行われているときに通過検出手段により通過が検出された場合は、該検出にもとづいて遊技の進行制御を行わず(例えば、確認動作中には各種スイッチからの検出信号の状態が判定されないため(ステップ064IWS001~S003)、判定結果にもとづいて特図ゲームが実行されることがない)、異常報知手段は、通過検出手段の検出結果にもとづいて遊技機が異常状態にあることを報知する第1異常報知(例えば、異常入賞報知など)と、特定検出手段の検出結果にもとづいて遊技機が異常状態にあることを報知する第2異常報知(例えば、磁気異常報知や振分部動作異常報知、外リール動作異常報知など)とを実行可能であり、第1異常報知は、確認動作制御が行われているときに実行されず(例えば、確認動作中には異常入賞判定処理が実行されないため(ステップ064IWS101~S104)、判定結果にもとづいて異常入賞報知が実行されることがない)、第2異常報知は、確認動作制御が行われているときに実行され得る(例えば、確認動作中にも各種センサからの検出信号の状態は判定されるため(ステップ064IWS004~S005)、判定結果にもとづいて磁気異常報知や振分部動作異常報知、外リール動作異常報知が実行され得る(ステップ064IWS105~S110))。そのため、確認動作制御を行っているときに遊技者に違和感や不信感を与えてしまうことを防止することができるとともに、好適に異常報知を実行することができる。
また、この実施の形態では、遊技機は、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、小当り遊技状態や大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、少なくとも有利状態に制御されているときに動作する可変手段(例えば、可変入賞装置200に設けられた開閉蓋270や振分部820、外リール791、可変入賞球装置6Bの玉受片、特別可変入賞装置7の大入賞口扉など)と、可変手段の制御を行う可変手段制御手段(例えば、CPU103がモータ制御処理(ステップS37)を実行する部分や、大当り開放中処理(ステップS118)を実行する部分など)と、遊技媒体が通過したことを検出可能な通過検出手段(例えば、通常領域スイッチ811a,813aや特定領域スイッチ812a、上部カウントスイッチ250、第2始動口スイッチ22B、下部カウントスイッチ23、第1始動口スイッチ22A、一般入賞口スイッチ689など)と、通過検出手段により通過が検出されたときに該検出にもとづいて遊技価値を付与可能な付与手段(例えば、CPU103が賞球処理(ステップS38)を実行する部分)と、通過検出手段により通過が検出されたときに該検出にもとづいて遊技の進行制御を行うことが可能な遊技制御手段(例えば、CPU103が特別図柄プロセス処理(ステップS35)を実行する部分)と、遊技機に対する電力供給が停止しても、遊技に関する制御を行う際に発生する情報を所定期間保持可能な記憶手段(例えば、RAM102)と、通過検出手段の検出結果にもとづいて通過に関連する所定の演算(例えば、ベース値の算出)を実行可能な演算手段(例えば、CPU103が性能表示処理(ステップS19)を実行する部分)と、演算手段の演算結果にもとづいて特定情報を表示可能な表示手段(例えば、表示モニタ103SG029)と、通過検出手段の検出結果にもとづいて通過に関する信号を遊技機外に出力可能な出力手段(例えば、CPU103が情報出力処理(ステップS33)を実行する部分)と、を備え、通過検出手段は、第1通過検出手段(例えば、第1始動口スイッチ22A、一般入賞口スイッチ689など)と、該第1通過検出手段とは異なり可変手段が動作することにより遊技媒体が通過しやすくなる第2通過検出手段(例えば、通常領域スイッチ811a,813aや特定領域スイッチ812a、上部カウントスイッチ250、第2始動口スイッチ22B、下部カウントスイッチ23など)と、を含み、可変手段制御手段は、少なくとも記憶手段の記憶内容が初期化されたときに、可変手段に確認動作を実行させる確認動作制御を行うことが可能であり(例えば、演出制御用CPU120がステップ064IWS402を実行する部分)、確認動作制御が行われているときに、確認動作制御が行われていることを報知可能な確認動作報知手段(例えば、CPU103がステップS37内で可動体確認動作処理を実行する部分)をさらに備え、付与手段は、確認動作制御が行われているときに通過検出手段により通過が検出された場合は、該検出にもとづいて遊技価値を付与せず(例えば、確認動作中には各種スイッチからの検出信号の状態が判定されないため(ステップ064IWS001~S003)、判定結果にもとづいて賞球が払い出されることがない)、遊技制御手段は、確認動作制御が行われているときに通過検出手段により通過が検出された場合は、該検出にもとづいて遊技の進行制御を行わず(例えば、確認動作中には各種スイッチからの検出信号の状態が判定されないため(ステップ064IWS001~S003)、判定結果にもとづいて特図ゲームが実行されることがない)、表示手段は、確認動作制御が行われているときに通過検出手段により通過が検出された場合は、該検出にもとづいて特定情報を表示せず(例えば、確認動作中には各種スイッチからの検出信号の状態が判定されないため(ステップ064IWS001~S003)、判定結果にもとづいてベース値が算出されることや、算出結果が表示されることがない)、出力手段は、確認動作制御が行われているときに通過検出手段により通過が検出された場合は、該検出にもとづいて信号を遊技機外に出力しない(例えば、確認動作中には各種スイッチからの検出信号の状態が判定されないため(ステップ064IWS001~S003)、判定結果にもとづいて始動情報等がパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに出力されることがない)。そのため、確認動作制御を行っているときに遊技者に違和感や不信感を与えてしまうことを防止することができるとともに、遊技機と遊技機外とで通過に関する情報のずれが生じることを防止することができる。
また、特定検出手段は、可変手段の動作状況を特定可能な特別検出手段(例えば、振分部原点センサ820aや外リール原点センサ821aなど)を含み、可変表示制御手段は、特別検出手段の検出状況に応じて確認動作制御を行い(例えば、振分部原点センサ820aや外リール原点センサ821aの検出状況に応じて振分部820や外リール791の確認動作を実行する)、異常報知手段は、特別検出手段の検出状況が特別な状況であるとき(例えば、確認動作プロセスデータにもとづく制御が終了したときに、振分部原点センサ820aや外リール原点センサ821aにより原点位置に位置することが検出されていない場合)に第2異常報知(例えば、振分部動作異常報知や外リール動作異常報知)を実行可能である。そのため、確認動作を好適に実行することができる。
また、通過検出手段に検出されなかった遊技媒体を検出可能な所定検出手段(アウトスイッチ690)を備え、演算手段は、所定検出手段の検出結果と、通過検出手段の検出結果とにもとづいて所定の演算を行い(例えば、アウト6000球毎にベース値を算出する)、確認動作制御が行われているときに所定検出手段により遊技媒体が検出された場合は、該検出にもとづいて演算を行わない(例えば、確認動作中には各種スイッチからの検出信号の状態が判定されず(ステップ064IWS001~S003)、ベース値を算出するためのアウト球数が増えることがないため)である。そのため、確認動作制御を行っているときに遊技者に違和感や不信感を与えてしまうことを防止することができるとともに、遊技機と遊技機外とで通過に関する情報のずれが生じることを防止することができる。
また、可変手段は、複数設けられ、特別検出手段は、複数の可変手段に対応して設けられ、複数の可変手段は、確認動作として、複数の可変手段に対応して設けられた特別検出手段の検出状況が特定の状況となる動作を実行する(例えば、振分部820や外リール791は、振分部原点センサ820aや外リール原点センサ821aの検出状態がオン状態となる確認動作を実行する)。そのため、複数の可変手段の動作と、複数の可変手段に対応して設けられた特別検出手段による検出が異常なく行えることを確認することができる。
また、電力供給が停止した後に電力供給を受けた際に、記憶手段の記憶内容にもとづいて電力供給が停止する前の状態に復旧する復旧処理を実行可能な復旧手段(例えば、CPU103が復旧設定処理(ステップS14)を実行する部分)を備え、記憶手段は、可変手段の動作状態を特定可能な動作状態情報(例えば、確認動作ステータス情報)を記憶可能であり、復旧手段は、復旧処理において動作状態情報にもとづいて可変手段の動作状態を復旧する(例えば、CPU103がステップ064IWS310~S312を実行する部分)。そのため、可変手段の動作と、可変手段に対応して設けられた特別検出手段による検出が異常なく行えることを確認することができる。
また、記憶手段は、確認動作制御が行われているときに電力供給が停止した場合に確認動作制御中であることを特定可能な情報(例えば、可動体確認動作中フラグ)を記憶可能であり、可変手段制御手段は、確認動作制御を行っているときに電力供給が停止した場合、電力供給が停止した後に電力供給を受けた際に、記憶手段の記憶内容が初期化されないときにも確認動作制御を行うことが可能である(例えば、初期化設定処理が実行されず、復旧設定処理が実行されたときにも、可動体確認動作中フラグがセットされていれば可動体の確認動作が実行される。図15,図20等参照)。そのため、確認動作制御を行っているときに電力供給が停止した場合にも、電力供給が停止した後に電力供給を受けた際に、好適に確認動作制御を行うことができる。
また、可変手段の確認動作は、複数の段階(例えば、第1~第4段階)から構成され、可変手段制御手段は、確認動作制御を行っているときに電力供給が停止した場合、電力供給が停止した後に電力供給を受けた際に、電力供給が停止する前と同じ段階から可変手段の確認動作を実行させる確認動作制御を行うことが可能である(例えば、CPU103がステップ064IWS310~S312を実行する部分。電力供給が停止する前に第2段階まで終了しているときには、第3段階から開始される)。そのため、確認動作制御を行っているときに電力供給が停止した場合にも、電力供給が停止した後に電力供給を受けた際に、好適に確認動作制御を行うことができる。
また、有利状態に制御される確率が異なる複数の設定値のうちのいずれかの設定値に設定可能な設定手段を備え、設定手段によって設定値が変更されたときに、記憶手段の記憶内容が初期化されるとともに、可変手段制御手段により確変動作制御が行われる(例えば、電源投入時に設定変更処理が実行された場合には設定変更処理の終了後に初期化設定処理が実行される。そして、初期化設定処理が実行された場合には可動体確認動作処理が実行される。)ようにしてもよい。このような構成により、可変手段の動作と、可変手段に対応して設けられた特別検出手段による検出が異常なく行えることを確認することができる。
また、可変手段の確認動作は、特定条件が成立したとき(例えば、RAMクリアスイッチが操作されたとき、打球操作ハンドル(操作ノブ)30が操作されたとき、確認動作開始時点から所定期間経過したとき、特定の検出スイッチが遊技球を検出したとき等)に終了するようにしてもよい。このような構成により、可変手段の確認動作を好適に終了させることができる。
また、可変手段が動作したときに遊技媒体が通過可能となる作動領域(例えば、第6カウントスイッチ151SG023F)と、遊技媒体が作動領域を通過すると遊技媒体が通過不可能な状態から通過可能な状態に変化する特別可変通過手段(例えば、第2揺動部材151SG703が開放位置に移動する第2始動入賞口)と、遊技媒体が作動領域を通過したときに通過許容数(例えば「2」)を設定可能な通過許容数設定手段と、特別可変通過手段への通過数が通過許容数を超過したときに異常通過の発生を報知する超過報知手段(例えば、非電動役物異常入賞報知を実行する部分)と、を備え、通過許容数設定手段は、確変動作制御が行われているときに遊技媒体が作動領域を通過した場合は、通過許容数を設定しない(例えば、確認動作中には各種スイッチからの検出信号の状態が判定されないため、判定結果にもとづいて入賞許容数が設定されることがない)ようにしてもよい。このような構成により、好適に異常の発生を報知することができる。