以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態に係る遊技機の主要部材の配置レイアウトを示す正面図である。図2は、本実施の形態に係る遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の前面とは、パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
(パチンコ遊技機1の構成等)
パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の下方位置には、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bが設けられている。第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bは、それぞれ、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う。第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bは、それぞれ、7セグメントのLEDなどを用いて構成される。特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである。以下、他の図柄の「可変表示」についても同様に、複数種類の図柄を変動可能に表示することである。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄の回動表示や回転表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大または縮小などがある。特別図柄や普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄が回動表示や回転表示される。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示ともいう)される。他の図柄の可変表示についても同様に、表示結果として所定の図柄が停止表示される。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。第1特別図柄表示器4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には回動表示装置300が設けられている。回動表示装置300は、特図ゲームにおける特図の可変表示に対応して、3つのリールユニット400、500、600がそれぞれ動作することにより、各々を識別可能な複数種類の識別情報である飾り図柄(例えば、「1」〜「8」を示す数字などを表す図柄)を遊技者に対して変動可能に表示(可変表示)する。具体的には、リールユニット400、500、600それぞれは、回転するリール(回転ドラム)を備え、リールの外周面には複数種類の飾り図柄が配置されている。遊技者は、各リールユニット400、500、600の各リールのうちの遊技者側に向く面の飾り図柄を視認することができる。各リールユニット400、500、600の各リールが回動することで、視認される飾り図柄が順次変化していく。このとき、遊技者は、1つの飾り図柄が上から下へ移動して見え、複数種類の飾り図柄が順次上から下へ移動していくように見える。視認される飾り図柄が順次変化する回動表示により、飾り図柄が可変表示される。回動する各リールユニット400、500、600の各リールは、特図の可変表示の終了に対応して全て停止する。各リールの停止タイミングはそれぞれでずれてもよいし、同じであってもよい。全リールの停止により、飾り図柄の可変表示は終了し、可変表示結果としての飾り図柄が導出表示される。導出表示される飾り図柄は、可変表示の終了時に停止した各リールにおいて視認可能になっている飾り図柄である。可変表示の終了時に導出表示される飾り図柄は、確定飾り図柄ともいう。3つのリールユニット400、500、600は、左から順に、左リールユニット、中リールユニット、右リールユニットともいう。
回動表示装置300の周囲を取り囲むように、可変入賞装置200が設けられている。可変入賞装置200の中央には、回動表示装置300を視認可能とする開口が形成されている。可変入賞装置200の上部には、図5などに示すような上部大入賞口260が設けられ、可変入賞装置200の内部へと遊技球が進入可能である。上部大入賞口260に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。上部大入賞口260から進入した遊技球のうちで1個の遊技球は、図5に示すような左側のワープ流路251を通って正面のステージ上に移動する。その他の遊技球は、図5に示すような右側の排出路252を通って可変入賞装置200から排出される。可変入賞装置200には、実行が保留されている可変表示の数をLEDの点灯個数と点滅個数とによって表示する保留記憶数表示器5Uが設けられている。実行が保留されている可変表示は、遊技球が始動入賞口に進入したことに基づいて実行可能となった可変表示のうちで、未だ開始されていない可変表示である。始動入賞口は、入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口と可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口とを含む。実行が保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数あるいは第1特図保留記憶数ともいい、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数あるいは第2特図保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって第2保留記憶数を表示する。
可変入賞装置200の下方には入賞球装置6Aが設けられている。また、可変入賞装置200の左方には可変入賞球装置6Bが設けられている。入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームを実行するための条件である第1始動条件が成立可能となる。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、図2に示された普通電動役物用ソレノイド81によって遊技球が進入しやすい状態と進入しにくい状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、流下する遊技球を受け止めて第2始動入賞口に導く玉受片を有している。普通電動役物用ソレノイド81がオフ状態の場合、玉受片は引っ込んだ状態にあり、遊技球を受け止めることなくそのまま流下させる。その一方で、普通電動役物用ソレノイド81がオン状態の場合、玉受片は突出した状態にあり、遊技球を受け止めて第2始動入賞口に導く。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームを実行するための条件である第2始動条件が成立可能となる。なお、可変入賞球装置6Bは、いわゆる電動チューリップ型役物を備えるものであってもよい。可変入賞球装置6Bには、図2に示すゲートスイッチ21が設けられている。ゲートスイッチ21は、通過する遊技球を検出する。
遊技盤2の所定位置には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。図1に示す例では、遊技領域の左下領域に3箇所と右上領域に1箇所など、複数の一般入賞口10が設けられている。遊技球が一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、第1始動入賞口や第2始動入賞口といった始動口への入賞は、始動入賞ともいう。
入賞球装置6Aの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示された大入賞口用ソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備える。特別可変入賞装置7が有する大入賞口は、大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)の大入賞口用ソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口用ソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。特別可変入賞球装置7の大入賞口は、遊技球が進入すれば多くの賞球が払い出されるという点で、遊技者に有利な特典となる遊技価値を付与可能な特別領域となる。
回動表示装置300の右下方には、セグメント演出表示器510が設けられている。セグメント演出表示器510は、例えば5桁分に対応する7セグメントのLEDあるいはLCDなどを用いて構成され、複数の文字や数字といった記号を表示することによる演出その他の報知を実行可能にする。例えばセグメント演出表示器510では、特図ゲームにおける可変表示の実行中に、文字列などの記号列を表示することで、可変表示の表示結果が「当り」となる可能性を予告する予告演出を実行できればよい。また、セグメント演出表示器510では、特図ゲームにおける可変表示の表示結果が「当り」となる場合に、表示結果の導出表示に対応して、文字列などの記号列を表示することで、「当り」であることを報知する報知演出を実行できればよい。あるいは、セグメント演出表示器510では、パチンコ遊技機1にエラーが発生した場合に、文字列などの記号列を表示することで、エラーの種類などを認識可能に報知するエラー報知を実行できればよい。
遊技盤2の下方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどを用いて構成され、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。普通図柄表示器20の右方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数をLEDの点灯個数により表示する。実行が保留されている普図ゲームは、遊技球がゲートスイッチ21を通過したことに基づいて実行可能となった普図ゲームのうちで、未だ開始されていない普図ゲームである。実行が保留されている普図ゲームの数は、普図保留記憶数ともいう。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方と右方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口69a、69bが設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿90(打球供給皿)が設けられている。上皿90の下方には、上皿90の満タン時に賞球が払い出される下皿91(賞球貯留皿)が設けられている。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が可変入賞球装置6Bに設けられたゲートスイッチ21を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球がゲートスイッチ21を通過した場合(遊技球がゲートスイッチ21を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示された場合に、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示された場合に、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」の場合には、可変入賞球装置6Bに遊技球が進入しやすい状態とする制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームは、入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入したことに基づいて実行可能となる。第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームは、可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づいて実行可能となる。第1特図ゲームや第2特図ゲームといった、特図ゲームを直ちに実行できる期間では、遊技球が進入した第1始動入賞口または第2始動入賞口に対応して、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームの実行が開始される。特図ゲームの実行中の期間、あるいは、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間など、特図ゲームを直ちに実行できない期間では、遊技球が始動入賞口に進入した場合に、新たな特図ゲームの実行を直ちには開始できないので、所定の上限数(例えば4)に達するまで、特図ゲームの実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として当り図柄が停止表示された場合に、可変表示の表示結果が「当り」となる。当り図柄は、例えば「7」を示す特別図柄など、特定の特別図柄として予め定められている。特図ゲームによる可変表示の表示結果が「当り」となった後には、小当り遊技状態に制御される。小当り遊技状態では、図3や図4などに示す可変入賞装置200に形成された上部大入賞口260の開放状態と閉鎖状態とが繰り返される。例えば、小当り遊技状態では、0.15秒の開放状態と1.0秒の閉鎖状態とが繰り返される。上部大入賞口260の開放状態と閉鎖状態とが繰り返される動作は、上部大入賞口開閉ともいう。上部大入賞口開閉は、0.15秒の開放状態が10回まで繰り返されるか、上部大入賞口260に遊技球が10個入賞するかのうちで、いずれかの条件が成立することにより終了する。上部大入賞口260に入賞した遊技球のうち、1個の遊技球は、図5に示すような可変入賞装置200の左側に形成されたワープ流路251を通り、図9に示すような回動表示装置300の前方まで移動してくる。回動表示装置300の前方まで移動した遊技球は、中リールユニット500の上部に運ばれ、図12に示すような通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかに進入する。通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかに遊技球が進入したことに基づいて、大当り遊技状態に制御される。小当り遊技状態は、開放状態の上部大入賞口260に遊技球が進入すれば賞球が払い出されるという点で、遊技者にとって有利な有利状態に含まれ、特典となる遊技価値を付与可能である。小当り遊技状態にて開放状態の上部大入賞口260に遊技球が進入しなかった場合には、通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれにも遊技球が進入しないので、大当り遊技状態に制御されることなく、小当り遊技状態が終了する。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。特別可変入賞球装置7にて大入賞口が開放状態となる遊技は、ラウンド遊技ともいう。例えば、ラウンド遊技は、29秒が経過するか、大入賞口に遊技球が9個入賞するかのうちで、いずれかの条件が成立することにより1回のラウンド遊技が終了する。例えば29秒とった、1回のラウンド遊技において大入賞口が開放状態となる上限時間は、開放上限時間ともいう。大当り遊技状態では、例えば3回または16回など、所定の上限回数に達するまで、ラウンド遊技を繰り返し実行することができる。大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の上限回数は、小当り遊技状態であるときに、通常領域進入口811、813のいずれかに遊技球が進入した場合と、特定領域進入口812に遊技球が進入した場合とに応じて、異なる回数が設定される。例えば、小当り遊技状態であるときに通常領域進入口811、813のいずれかに遊技球が進入した場合には、大当り遊技状態において実行可能なラウンド遊技の上限回数が3回に設定される。小当り遊技状態であるときに特定領域進入口812に遊技球が進入した場合には、大当り遊技状態において実行可能なラウンド遊技の上限回数が16回に設定される。特定領域進入口812は、遊技球が進入すれば大当り遊技状態で多くのラウンド遊技が実行できるという点で、遊技者に有利な特典となる遊技価値を付与可能な特定領域となる。通常領域進入口811、813は、特定領域よりも遊技者の有利度は低くなるが、遊技球が進入すれば大当り遊技状態となりラウンド遊技が実行できるという点で、遊技者に有利な特典となる遊技価値を付与可能である。大当り遊技状態は、ラウンド遊技にて開放状態の大入賞口に遊技球が進入すれば賞球が払い出されるという点で、遊技者にとって有利な有利状態に含まれ、特典となる遊技価値を付与可能である。
大当り遊技状態が終了した後には、時短状態や確変状態に制御されてもよい。時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させ、あるいは普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、可変表示の表示結果が「当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことや、次回の大当り遊技状態が開始されたことなど、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となる確変状態や時短状態は、回数切り確変や回数切り時短、あるいは、これらを含めた回数切りともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態などの有利状態、時短状態、確変状態などの特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率や特図ゲームにおける可変表示の表示結果が「当り」となる確率などが、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態ともいい、確変状態は高確高ベース状態ともいい、通常状態は低確低ベース状態ともいう。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後に、大当り遊技状態に制御されない場合には、遊技状態が変更されず、特図ゲームにおける可変表示の表示結果が「当り」となる以前の遊技状態が継続するように制御される。ただし、可変表示の表示結果が「当り」となった特図ゲームが、回数切りにおける所定回数に達した特図ゲームである場合には、時短状態や確変状態が終了するなど、遊技状態が変更される。
(パチンコ遊技機1の回路構成について)
次に、パチンコ遊技機1の回路構成について説明する。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、表示制御基板50といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホール(遊技店)の管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯制御や消灯制御を行い第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯制御や消灯制御や発色制御などを行い普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。また、主基板11は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、スイッチ/センサ回路110、ソレノイド回路111、モータ回路112などが搭載されている。主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11に搭載されたスイッチ/センサ回路110は、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、下部カウントスイッチ23、上部カウントスイッチ250、排出カウントスイッチ256、一般入賞口スイッチ689、アウトスイッチ690、通常領域スイッチ811a、特定領域スイッチ812a、通常領域スイッチ813a、振分部原点センサ820a、外リール原点位置センサ821aからの検出信号を伝送する配線と接続されている。このように、スイッチ/センサ回路110には、各種スイッチと振分部原点センサ820a、外リール原点センサ821aからの検出信号を伝送する配線が接続されている。ゲートスイッチ21は、可変入賞球装置6Bを通過した遊技球を検出する。第1始動口スイッチ22Aは、入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球を検出する。第2始動口スイッチ22Bは、可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球を検出する。下部カウントスイッチ23は、特別可変入賞球装置7に設けられた大入賞口に進入した遊技球を検出する。上部カウントスイッチ250は、可変入賞装置200に形成された上部大入賞口260に進入した遊技球を検出する。排出カウントスイッチ256は、図5に示すような上部大入賞口260に進入した後に排出路252を通って排出される遊技球を検出する。一般入賞口スイッチ689は、一般入賞口10に進入した遊技球を検出する。アウトスイッチ690は、アウト口69a、69bを通って排出される遊技球を検出する。通常領域スイッチ811aは、図9および図12に示すような中リールユニット500の上部に運ばれた後に通常領域進入口811に進入した遊技球を検出する。特定領域スイッチ812aは、図9および図12に示すような中リールユニット500の上部に運ばれた後に特定領域進入口812に進入した遊技球を検出する。通常領域スイッチ813aは、図9および図12に示すような中リールユニット500の上部に運ばれた後に通常領域進入口813に進入した遊技球を検出する。振分部原点センサ820aは、図10および図12に示すような振分部820が予め定められた振分部原点位置を通過したことを検出する。外リール原点センサ821aは、図9〜図11に示すような外リール791が予め定められた外リール原点位置を通過したことを検出する。
振分部原点センサ820aから出力される検出信号は、例えば振分部820が振分部原点位置を左から右に向かって通過するといった、単一方向に沿った振分部820の通過動作を検出したときに、所定パルス幅のオン状態となるようにしてもよい。なお、単一方向に沿った振分部820の通過動作を検出可能なものに限定されず、振分部820の通過方向にかかわらず、振分部820が振分部原点位置を通過したときに、振分部原点センサ820aから出力される検出信号がオン状態となるようにしてもよい。外リール原点センサ821aから出力される検出信号は、例えば図11に示すような外リール791に取り付けられた磁性体792の位置といった、外リール基準位置が外リール原点位置を矢印Y1の方向に沿って通過するといった、単一方向に沿った外リール791の通過動作を検出したときに、所定パルス幅のオン状態となるようにしてもよい。なお、単一方向に沿った外リール791の通過動作を検出可能なものに限定されず、外リール791の通過方向にかかわらず、外リール基準位置が外リール原点位置を通過したときに、外リール原点センサ821aから出力される検出信号がオン状態となるようにしてもよい。
主基板11に搭載されたソレノイド回路111には、普通電動役物用ソレノイド81、大入賞口用ソレノイド82、開閉蓋用ソレノイド261、及びステージ供給用ソレノイド255の動作制御をおこなうための指令信号を伝送する配線が接続されている。主基板11に搭載されたモータ回路112には、外リール用モータ793及び振分部用モータ830の動作制御をおこなうための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄となる飾り図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(Read Only Memory101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(Random Access Memory102)と、遊技制御用のプログラムを実行して遊技に関する制御処理を実行するCPU103(Central Processing Unit103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Output port105)と、を備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、回動表示装置300、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9、及び演出用LED10といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、回動表示装置300における表示動作や表示演出や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯や消灯の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を備えている。演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。演出制御用CPU120は、演出制御用のプログラムを実行して演出に関する制御処理を実行する。ROM121は、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶する。RAM122は、演出制御用のワークエリアを提供する。乱数回路124は、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う。演出制御基板12では、主基板11からの演出制御コマンドなどに含まれる情報に基づいて、演出制御用CPU120がROM121から読み出したプログラムを実行し、各種の制御信号や駆動信号を出力することにより、パチンコ遊技機1における演出を実行可能にする。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号に基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。表示制御基板50は、演出制御基板12とは別個に設けられた、回動表示装置300の制御用の制御基板である。表示制御基板50は、演出制御基板12からの信号に基づき、飾り図柄の可変表示など、回動表示装置300における表示動作を行うためのドライバ回路などが搭載されており、リールモータ401、リールモータ771、リールモータ601を制御する。また、表示制御基板50は、演出制御基板12からの信号に基づき、セグメント演出表示器510による表示を制御する。表示制御基板50には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などが搭載されている。表示制御基板50は、演出制御基板12とは別個に設けられるものに限定されず、表示制御基板50と同様の機能を有する画像処理プロセッサなどが演出制御基板12に搭載されてもよい。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯駆動や消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
(可変入賞装置200の詳細)
次に、可変入賞装置200の詳細を図を参照しながら説明する。図3は、図1中の“III”部に着目した可変入賞装置上部の斜視図である。図4は、図3に示した可変入賞装置200上部の分解斜視図である。図5は、開閉蓋が上部大入賞口を閉鎖した状態の時の遊技球の流れを説明するための説明図である。また、図6は、開閉蓋が上部大入賞口を開放した状態の時の遊技球の流れを説明するための説明図である。図7は、可変入賞装置における遊技球の流れを説明するための図であり、図7(a)は図5中の矢視VIIa‐VIIaから見た場合を示し、図7(b)は図6中の矢視VIIb−VIIbから見た場合を示している。なお、図4において、第1前面板210及び第2前面板220は、後方の構造が理解できるように反転させた状態で図示している。
可変入賞装置200は、遊技盤2の中央に設けられており、図3に示すように、遊技盤2に取り付けられたベース板230と、ベース板230に前方から取り付けられる第1前面板210及び第2前面板220と、ベース板230に設けられ可変入賞装置200の外観を概略構成する本体部240と、上部大入賞口260を開放状態と閉鎖状態とに変化させる開閉部材としての開閉蓋270とを備えている。ベース板230と、第1前面板210及び第2前面板220との間には、遊技球が流下する流路が形成されている。
第1前面板210は、図4に示すように、平板部211と、平板部211から突出し上方から移動してくる遊技球を左右に振り分ける振分部212と、中央に向けて下方に傾斜した傾斜面213a、214aを有する突出部213、214と、突出部213、214の上方に形成された突起部215、216と、突出部213、214の下方に形成された突起部217、218とを有している。可変入賞装置200に上方から流下してきて傾斜面213a、214aに到達した遊技球は、第1前面板210とベース板230との間で傾斜面213a、214a上を中央に向けて転動する。第1前面板210はベース板230にねじ止めされている。
第2前面板220は、図4に示すように、平板部221と、平板部221から突出した突出部222とを有している。突出部222は、中央に向けて下方に傾斜した3つの傾斜面222a、222b、222cと、中央に向けて転がった遊技球が落下する凹部223と、上部カウントスイッチ250を保持する保持部224とを有している。保持部224に差し込まれた上部カウントスイッチ250は、凹部223に落下した遊技球を検出する。また、第2前面板220には、平板部221と凹部223とを接続し、凹部223に落下した遊技球を後方へと誘導する湾曲した誘導片225が形成されている。第2前面板220はベース板230にねじ止めされる。
本体部240は、図1に示すように概ね円形状をなしており、その外縁は内側に遊技球が進入しないように遊技盤2から立設した壁面を形成している。本体部240の上部には、図4に示すように、中央に向けて下方に傾斜した傾斜面241a、241bと、外側に向けて下方に傾斜した傾斜面242a、242bとが形成されている。傾斜面241aと傾斜面242aとの接続箇所には段差243aが形成されている。また、傾斜面241bと傾斜面242bとの接続箇所には段差243bが形成されている。このような構成のため、段差243a、243bをよりも外側に形成された傾斜面242a、242bに到達した球技球は、外側に向けて転がる。一方、段差243a、243bよりも内側に形成された傾斜面241a、241bに到達した遊技球は、中央に向けて転がるため可変入賞装置200に進入する。本実施形態では、段差243aと段差243bとによって挟まれた領域は、可変入賞装置200に進入するための開口である上部大入賞口260に設定されている。
ベース板230には、ねじ止めされた第1前面板210の突出部213、214の上方に配置される突起部231、232と、開閉蓋270の上方に配置される複数の突起部233、234と、開閉蓋270を通すための開閉蓋用開口230aと、上部大入賞口260に進入した遊技球をベース板230の後方へと通過させるための通過口230bとが形成されている。突起部231、232と、第1前面板210に形成された突起部215、216とは、図5に示すように、傾斜面213a、214aを転がる遊技球の経路上に互いに異なる位置に配置される。また、突起部233、234と、第1前面板210に形成された突起部217、218とは、図5に示すように、開閉蓋270を転がる遊技球の経路上に沿って交互に配置される。
開閉蓋270は、図4に示すように、端部から中央に向けて上方に向かう山形状をなしている。開閉蓋270には、図4および図5に示すように、外側に向けて下方に傾斜した第1傾斜面271a、271bと、第1傾斜面271a、271bよりも中央に位置するとともに傾斜角度が大きい第2傾斜面272a、272bと、第2傾斜面272aと第2傾斜面272bとを接続し開閉蓋270の頂部を構成する曲面状の凸部面273とを有している。また、開閉蓋270には、両端部に下方に屈曲した屈曲部274が形成されているとともに、下面には図5に示すような断面が半円状の2つの突起部270aが形成されている。このように屈曲部274が形成されていることにより、開閉蓋270と傾斜面242a、242bとの隙間が小さくなっている。また、開閉蓋270は、ベース板230に形成された開閉蓋用開口230aに挿通されているが、開閉蓋270は、屈曲部274と突起部270aとで開閉蓋用開口230aと接触している。このように、開閉蓋270を複数箇所で開閉蓋用開口230aと接触させていることで、開閉蓋270が安定した状態で支持され、遊技球の衝突によるがたつきなどを抑制することができる。また、屈曲部274及び突起部270aの開閉蓋用開口230aと接触する部位であり下方に突出した部位の断面を半円状としている。これにより、開閉蓋270と開閉蓋用開口230aとの接触面積を小さくすることができ、開閉蓋270の移動をスムーズに実行することができる。
また、開閉蓋270は、図7(a)に示すように、屈曲部274近傍の幅がその他の部分の幅よりも広く形成されている。具体的には、開閉蓋270が上部大入賞口260を閉鎖する閉鎖位置にある場合、開閉蓋270の屈曲部274のベース板230からの突出量L2は遊技球の直径よりも大きい。一方、開閉蓋270の屈曲部274近傍以外の部分のベース板230からの突出量L1は、遊技球の半径以上直径未満である。このような形状に形成された開閉蓋270は、図2に示す開閉蓋用ソレノイド261のプランジャに接続されており、開閉蓋用ソレノイド261のオン状態とオフ状態とを切り替えることにより、前後方向に移動する。前方へと移動した開閉蓋270は、図7(a)に示すように、ベース板230から大きく突出した状態にあり、上部大入賞口260の上方を覆う。このとき、上部大入賞口260は閉鎖状態にある。一方、後方へと移動した開閉蓋270は、図7(b)に示すように、ベース板230から小さく突出した状態にあり、上部大入賞口260の上方を開放する。このとき、上部大入賞口260は開放状態にある。
開閉蓋270が前方に大きく突出して上部大入賞口260を閉鎖している状態にある場合に、可変入賞装置200に向かった遊技球の流れを図5を参照しながら説明する。なお、図5に示す遊技球の流れは一例であり、実際の遊技球の流れは様々である。可変入賞装置200に向かって突出部214の傾斜面214aに到達した遊技球P1は、傾斜面214aを中央に向けて転がり、やがて開閉蓋270へ落下する。開閉蓋270は上部大入賞口260を閉鎖しているために、遊技球P1は、上部大入賞口260に進入することができず、開閉蓋270の凸部面273に衝突して左右のいずれかの方向に振り分けられる。また、突出部213の傾斜面213aに到達した遊技球P2も同様に、傾斜面213aを中央に向けて転がり、やがて開閉蓋270へ落下する。その後、遊技球P2は、開閉蓋の凸部面273に衝突して左右のいずれかの方向に振り分けられる。左方向に振り分けられた遊技球P1、P2は、第1傾斜面271a上を左方へと転がり、本体部240の傾斜面242aに落下する。一方、右方向に振り分けられた遊技球P1、P2は、第1傾斜面271bを右方へと転がり、本体部240の傾斜面242bに落下する。このように、傾斜面242a、242bに落下した遊技球P1、P2は、遊技盤2に設けられた遊技領域を流下する。このように、開閉蓋270が上部大入賞口260を閉鎖している状態にある場合、可変入賞装置200に向かった遊技球は、上部大入賞口260に進入することなく遊技領域を流下していく。
開閉蓋270の第1傾斜面271aを流下する遊技球P1、P2は、図7(a)に示すように、流路に向けて交互に突出した突起部218と突起部233との隙間を縫いながら蛇行する。開閉蓋270の第1傾斜面271bを流下する遊技球P1、P2も同様に、突起部217と突起部234との隙間を縫いながら蛇行する。これにより、開閉蓋270上を流下する遊技球P1、P2の速度を遅くすることができる。なお、図5や図6に示す突出部214に形成された傾斜面214aを転がる遊技球P1も突起部216と突起部232との隙間を縫いながら蛇行する。同様に、突出部213に形成された傾斜面213aを転がる遊技球P2も、突起部215と突起部231との隙間を縫いながら蛇行する。
一方、開閉蓋270が上部大入賞口260を開放した状態にある場合に、可変入賞装置200に向かった遊技球の流れを図6を参照しながら説明する。なお、図6に示す遊技球の流れは一例である。可変入賞装置200に向かって突出部214の傾斜面214aに到達した遊技球P3は、傾斜面214aを中央に向けて転がり、やがて下方へと落下する。同様に、突出部213の傾斜面213aに到達した遊技球P4は、傾斜面213aを中央に向けて転がり、やがて下方へと落下する。なお、開閉蓋270は上部大入賞口260を開放した状態にあるため、落下した遊技球P3、P4は、上部大入賞口260に進入し、第2前面板220に形成された突出部222に落下する。突出部222に落下した遊技球P3、P4は、傾斜面222a、222b、222c上を中央に向けて転がり凹部223へと落下する。このように凹部223に落下する際に、遊技球P3、P4は上部カウントスイッチ250によって検出される。凹部223へと落下した遊技球P3、P4は、図4に示す誘導片225により後方へと導かれ、図7(b)に示すように、ベース板230に形成された通過口230bを通過する。
通過口230bの後方には、図6に示すように、左下方に向けて延びるワープ流路251と、右下方に向けて延びる排出路252とが設けられている。図8は、可変入賞装置のベース板の後方の構成を示した図であり、図6中の矢視VIII−VIIIから見た場合を示している。可変入賞装置200は、図8に示すように、略くの字状の回動片253と、オン状態とオフ状態とを切り替えることでプランジャ255aを左右方向に移動させるステージ供給用ソレノイド255とを有している。回動片253は、プランジャ255aに連結された連結突起253bを有し、ステージ供給用ソレノイド255のオン状態とオフ状態とを切り替えることにより回動軸253aを中心に回動する。
図8(a)に示すように、ステージ供給用ソレノイド255がオン状態の場合、回動片253の屈曲面253cは前方を向く。また、ワープ流路251の下面は、排出路252の下面よりも低い位置にある。そのため、通過口230bを最初に通過した遊技球P5は、図8(a)に示すように、ワープ流路251に落ちるとともに、回動片253の屈曲面253cによってその移動が制限される。これにより、遊技球P5は、回動片253により保持される。遊技球P5に続いて通過口230bを通過した遊技球P6は、図8(b)に示すように、遊技球P5のためにワープ流路251に進入することができず右側に進行方向を変える。遊技球P6は、そのまま排出路252を流下する。なお、排出路252には、排出カウントスイッチ256が設けられており、排出路252を通った遊技球は排出カウントスイッチ256により検出される。排出路252を通った遊技球は、可変入賞装置200の外部へと排出される。回動片253が遊技球5を保持した状態で、ステージ供給用ソレノイド255をオン状態からオフ状態とすると、図8(b)から図8(c)に示すように、プランジャ255aがステージ供給用ソレノイド255本体から飛び出す。これにより、回動片253が回動軸253aを中心に回動し、遊技球P5をワープ流路251に向けてはじく。ワープ流路251を流下した遊技球P5は、図9に示す回動表示装置300の前方に形成されたステージ通路280を通って、中リールユニット500に設けられた遊技球待機部797aまで移動する。
(回動表示装置300の構成)
次に、回動表示装置300の詳細を図9〜図12を参照しながら説明する。回動表示装置300は、図9に示すように、左リールユニット400と、中リールユニット500と、右リールユニット600とを備えている。回動表示装置300は、可変入賞装置200の中央部に遊技者から視認できるように配置されている。図10は、中リールユニットの斜視図である。図11は、中リールユニットにおけるリール装置の分解斜視図である。また、図12は、入賞装置800に進入する遊技球の流れを説明するための図であり、図12(a)は特定領域進入口に遊技球が進入する場合を示し、図12(b)および図12(c)は通常領域進入口に遊技球が進入する場合を示している。中リールユニット500は、図10に示すように、リール装置700と、リール装置700の上部に設けられた入賞装置800とを備えている。
リール装置700は、図11に示すように、中リール本体710と遊技球搬送装置790とを有している。リール装置700では、3本の間隔保持材795、796、797が、中リール本体710のベースプレート720を、遊技球搬送装置790のベースプレート794と接続することで、中リール本体710が遊技球搬送装置790と一体化される。これによりリール装置700の骨組みが構築される。なお、間隔保持材797には、ワープ流路251を流下してきた遊技球が待機する遊技球待機部797aが設けられている。遊技球搬送装置790は、透明な材料から構成された円筒状の外リール791と、外リール791の内壁の中央に取り付けられた磁性体792と、外リール791に回転駆動を与える外リール用モータ793と、遊技球を検出する非接触式の近接センサ750とを備えている。遊技球搬送装置790は、外リール用モータ793が駆動することにより矢印Y1に示す方向に外リール791を回転させる。これにより、図9に示すように、磁性体792が遊技球待機部797aで待機する遊技球P5を吸着して、外リール791の中央部で周方向に沿って遊技球P5を搬送することができる。遊技球待機部797aの下面には近接センサ750が設けられている。近接センサ750は、図9の拡大図で示すように、遊技球待機部797aの網掛け部で示した検出範囲750aの範囲内にある遊技球を検出する。なお、中リール本体710と遊技球搬送装置790とが組み合わされた状態においては、内リール770は外リール791の内部に収容されている。外リール791は透明な材料から構成されているので、外リール791を通して内リール770を視認することが可能である。また、中リール本体710には、図2に示すリールモータ771が設けられ、内リール770を回転させることができる。
入賞装置800は、リール装置700の上方に設けられている。入賞装置800は、図10に示すように、入賞装置本体810と、入賞装置本体810に設けられた振分部820と、振分部820を駆動して左右方向に沿って往復移動させる振分部用モータ830とを有している。入賞装置本体810には、図12に示すように、通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813が左右方向に沿って配列されている。通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813は、いずれも外リール791と接する位置に設けられ、遊技球が進入可能な大きさを有する。入賞装置本体810には、通常領域進入口811から延びる第1排出路が形成され、通常領域進入口811から進入した遊技球は、第1排出路を通って入賞装置800から排出される。第1排出路には、図2に示す通常領域スイッチ811aが設けられ、通常領域進入口811に進入した遊技球を検出可能に構成されている。入賞装置本体810には、特定領域進入口812から延びる第2排出路が形成され、特定領域進入口812から進入した遊技球は、第2排出路を通って入賞装置800から排出される。第2排出路には、図2に示す特定領域スイッチ812aが設けられ、特定領域進入口812に進入した遊技球を検出可能に構成されている。入賞装置本体810には、通常領域進入口813から延びる第3排出路が形成され、通常領域進入口813から進入した遊技球は、第3排出路を通って入賞装置800から排出される。第3排出路には、図2に示す通常領域スイッチ813aが設けられ、通常領域進入口813に進入した遊技球を検出可能に構成されている。
振分部820は、通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813の前方に配置されている。振分部820には、右斜め前方を向いた右側傾斜面820aと、左斜め前方を向いた左側傾斜面820bと、遊技球が通過可能な通過口820cとが形成されている。振分部820は、振分部用モータ830により駆動され、図12(b)に示す右側に寄った右端位置と、図12(c)に示す左側に寄った左端位置との間で往復移動する。振分部820が、図12(a)に示すような入賞装置800の中央に位置する場合、外リール791の中央に吸着されて上方に搬送されてきた遊技球P7は、振分部820に形成された通過口820cを通過して特定領域進入口812に進入する。特定領域進入口812に進入した遊技球は、図2に示す特定領域スイッチ812aにより検出され、入賞装置800の外部へ排出される。振分部820が、図12(b)に示すような入賞装置800の右側に寄った右端位置にある場合、外リール791の中央に吸着されて上方に搬送されてきた遊技球P8は、振分部820に形成された左側傾斜面820bにぶつかり、傾斜方向に沿って左側に移動して、入賞装置800の左側に形成された通常領域進入口811に進入する。通常領域進入口811に進入した遊技球P8は、図2に示す通常領域スイッチ811aにより検出され、入賞装置800の外部へ排出される。振分部820が、図12(c)に示すように入賞装置800の左側に寄った左端位置にある場合、外リール791の中央に吸着されて上方に搬送されてきた遊技球P9は、振分部820に形成された右側傾斜面820aにぶつかり、傾斜方向に沿って右側に移動して、入賞装置800の右側に形成された通常領域進入口813に進入する。通常領域進入口813に進入した遊技球P9は、図2に示す通常領域スイッチ813aに検出され、入賞装置800の外部へ排出される。
図13は、経過時間に応じた振分部位置と進入期間を示している。図13(A)は、振分部820の位置である振分部位置を示している。図13(B)は、遊技球が進入する領域に応じた進入期間を示している。図13(A)に示す振分部位置では、振分部820が図12(a)に示す中央の位置P0から右側の方向へと移動し、図12(b)に示す右端の位置P3に達するまで、一定の速度で振分部位置が変化する。中央の位置P0から右端の位置P3に達するまでの所要時間は、中右移動時間(例えば480ミリ秒)として予め定められていればよい。右端の位置P3に達した振分部820は、その位置P3にて右端待機時間(例えば140ミリ秒)が経過するまで停止する。続いて、振分部820は、右端の位置P3から左側の方向へと移動し、中央の位置P0の位置に達するまで、一定の速度で振分部位置が変化する。右端の位置P3から中央の位置P0に達するまでの所要時間は、右中移動時間(例えば480ミリ秒)として予め定められていればよい。中央の位置P0に達した振分部820は、その位置P0にて中央待機時間(例えば100ミリ秒)が経過するまで停止する。次に、振分部820は、中央の位置P0から左側の方向へと移動し、左端の位置P6に達するまで、一定の速度で振分部位置が変化する。中央の位置P0から左側の位置P6に達するまでの所要時間は、中左移動時間(例えば480ミリ秒)として予め定められていればよい。左端の位置P6に達した振分部820は、その位置P6にて左端待機時間(例えば140ミリ秒)が経過するまで停止する。その後、振分部820は、左端の位置P6から右側の方向へと移動し、中央の位置P0の位置に達するまで、一定の速度で振分部位置が変化する。左端の位置P6から中央の位置P0に達するまでの所要時間は、左中移動時間(例えば480ミリ秒)として予め定められていればよい。中央の位置P0に達した振分部820は、その位置P0にて中央待機時間が経過するまで停止し、再び右側の方向へと移動する動作を繰り返す。振分部820が中央の位置P0から右側の方向へと移動する場合には、その移動を開始したときに、振分部原点センサ820aにより、振分部820が振分部原点位置に達したことが検出される。この例では、振分部820が2400ミリ秒すなわち2.4秒の周期で、位置P0〜P6の区間を往復移動する。
このような振分部820の移動による位置の変化に応じて、通常領域進入口811、特定領域812、通常領域813のいずれに遊技球が進入するかも変化する。例えば振分部820が中央の位置P0から右端の位置P3に達するまで、右側の方向へと移動する場合に、中央の位置P0から右側の位置P1に達するまでの期間では、遊技球が特定領域進入口812に進入することが確定する特定進入確定期間SK1となる。位置P1よりも右側の位置P2に達するまでの期間では、遊技球が特定領域進入口812に進入するか通常領域進入口811、813に進入するかが確定しない進入口不確定期間SK3となる。位置P2から右端の位置P3に達するまでの期間では、遊技球が通常領域進入口811、813に進入することが確定する通常進入確定期間SK2となる。振分部820が右端の位置P3に停止している期間も、通常進入確定期間SK2となる。振分部820が右端の位置P3から中央の位置P0の位置に達するまで、左側の方向へと移動する場合に、右端の位置P3から位置P2に達するまでの期間では、通常進入確定期間SK2となる。位置P2から位置P1に達するまでの期間では、進入口不確定期間SK3となる。位置P1から中央の位置P0に達するまでの期間では、特定進入確定期間SK1となる。振分部820が中央の位置P0と左端の位置P6との間で移動する場合も同様に、中央の位置P0から左側の位置P4に達するまでの期間では特定進入確定期間SK1となり、位置P4よりも左側の位置P5に達するまでの期間では進入口不確定期間SK3となり、位置P5から右端の位置P6に達して停止した後で位置P5に戻るまでの期間では通常進入確定期間SK2となり、位置P5から位置P4に達するまでの期間では進入口不確定期間SK3となり、位置P4から中央の位置P0に達するまでの期間では特定進入確定期間SK1となる。
小当り遊技状態であるときに通常領域進入口811、813のいずれかに遊技球が進入した場合には、大当り遊技状態において実行可能なラウンド遊技の上限回数が3回に設定される。これに対し、小当り遊技状態であるときに特定領域進入口812に遊技球が進入した場合には、大当り遊技状態において実行可能なラウンド遊技の上限回数が16回に設定されるので、通常領域進入口811、813のいずれかに遊技球が進入した場合よりも、遊技者にとって有利な特典を付与可能となる。小当り遊技状態であるときに、通常領域進入口811、813のいずれかに遊技球が進入した場合と、特定領域進入口812に遊技球が進入した場合とでは、大当り遊技状態において実行可能なラウンド遊技の上限回数が異なるので、大当り遊技状態における遊技者にとっての有利度が異なる。振分部810の動作状態は、特定進入確定期間SK1のように遊技球が特定領域進入口812に進入することが確定する状態と、進入口不確定期間SK2のように遊技球が進入する進入口を確定できない状態と、通常進入確定期間SK3のように遊技球が通常領域進入口811、813に進入することが確定する状態とに、分けることができる。ここで、特定進入確定期間SK1では遊技球が特定領域進入口812に進入する割合は最も高くなり、進入口不確定期間SK2では遊技球が特定領域進入口812に進入する割合は特定進入確定期間SK1よりも低くなり、通常進入確定期間SK3では遊技球が特定領域進入口812に進入する割合は最も低くなる。このように、振分部820の動作状態は、遊技球が特定領域進入口812に進入する割合の異なる複数の状態に制御可能であればよい。例えば、特定進入確定期間SK1における振分部820は遊技球が特定領域進入口812に進入する割合が高い第1状態であり、進入口不確定期間SK2や通常進入確定期間SK3における振分部820は遊技球が特定領域進入口812に進入する割合が低い第2状態であればよい。
(主基板11の主要な動作)
主基板11における主要な動作を説明する。主基板11では、パチンコ遊技機1の電源投入により所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。このときには、ROM101に記憶されたユーザプログラムを構成する制御コードの先頭から遊技制御の実行が開始される。ユーザプログラムの実行が開始される前に、所定のセキュリティチェックプログラムに基づくセキュリティチェック処理が実行されてもよい。なお、主基板11における各処理は、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103により実行される。CPU103による処理の実行に応じて、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御することができる。
図14は、遊技制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、電源投入時設定を行う(ステップS11)。電源投入時設定には、割込みモードの設定、スタックポインタの設定、内蔵レジスタの初期設定などが含まれていればよい。ステップS11の後には、RAM102に対するアクセスを許可する(ステップS12)。
ステップS12に続いて、復旧条件が成立したか否かを判定する(ステップS13)。復旧条件は、前回の電力供給停止時における状態に戻すための条件として、予め定められていればよい。例えば、ステップS13では、RAMクリア信号がオフであること、RAM102のチェックサムを算出した結果が正常であること、バックアップフラグがオンであることという、3つの条件がすべて満たされた場合に、復旧条件が成立したと判定すればよい。RAMクリア信号は、RAMクリアスイッチから伝送され、ホール(遊技店)の従業員などによる操作に応じてオン状態となる。RAM102のチェックサムは、特定領域における記憶データを用いて算出し、記憶されているチェックサムと比較することにより、正常か異常かを判定可能であればよい。バックアップフラグは、前回の電力供給停止時にバックアップが正常に行われた場合ことに対応して、オン状態であることを示す設定情報が記憶される。
復旧条件が成立した場合には(ステップS13;Yes)、復旧設定処理が実行される(ステップS14)。復旧設定処理を実行することにより、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部状態などを、前回の電力供給停止時における状態に戻すことができる。復旧設定処理では、停電復旧指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定が行われてもよい。復旧条件が成立しなかった場合には(ステップS13;No)、初期化設定処理が実行される(ステップS15)。初期化設定処理を実行することにより、RAM102の初期化(クリア)や作業領域に対する初期設定などが行われる。初期化設定処理は、例えばRAM102における作業領域の先頭から、ブロック転送により作業領域全体にわたってクリアデータをセットする処理を含んでいればよい。初期化設定処理では、初期化指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定が行われてもよい。初期化設定処理では、例えば外リール791や振分部820といった、主基板11の側において動作を制御する可動部材について、初期動作を実行する制御が行われてもよい。これに対し、ステップS14の復旧設定処理では、初期動作を実行する制御が行われないようにしてもよい。
その後、遊技制御開始設定が行われる(ステップS16)。遊技制御開始設定として、タイマ割込みの発生間隔を指定する内部設定や乱数回路104による乱数値の生成を開始させる設定、シリアル通信回路の初期設定、割込み処理に関する初期設定(例えば優先度)などが行われてもよい。遊技制御開始設定は、振分部用モータ830の駆動を開始させる制御を行うための振分動作開始設定を含んでいる。例えば、振分動作開始設定では、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたことに基づいて、振分部用モータ830の駆動制御パターンを使用パターンに設定し、モータ回路112に対して、振分部用モータ830に応じた指令信号(モータ駆動信号)を出力可能にする。その後、割込み許可とし(ステップS17)、遊技用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行するループ処理に移行する。遊技用乱数更新処理では、例えばRAM102の遊技制御カウンタ設定部に設けられた遊技用ランダムカウンタなどを用いて、ソフトウェアにより遊技用乱数の一部または全部を更新する。
図15は、遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば割込みコントローラがタイマ回路からの割込み要求を受け付けたことなどに基づき、CPU103による遊技制御用タイマ割込み処理が実行される。遊技制御用タイマ割込み処理では、スイッチ/センサ処理(ステップS31)、メイン側エラー処理(ステップS32)、情報出力処理(ステップS33)、遊技用乱数更新処理(ステップS34)、特別図柄プロセス処理(ステップS35)、普通図柄プロセス処理(ステップS36)、モータ制御処理(ステップS37)、賞球処理(ステップS38)、メイン側通信制御処理(ステップS39)が、順次に実行される。
ステップS31のスイッチ/センサ処理では、遊技球検出用の各スイッチから入力される検出信号(入賞検出信号)、あるいは、操作検出用の各スイッチから入力される検出信号(操作検出信号)、各種検出用のセンサから入力される検出信号(センサ検出信号)など、それぞれの検出信号における状態を判定し、判定結果に応じた設定を行う。スイッチ/センサ処理では、振分部原点センサ820aからの検出信号に基づいて、振分部原点検出指定コマンドを演出制御基板12に対して送信可能とする設定が行われる。例えば、スイッチ/センサ処理は、振分部820の動作状態を検出可能な振分部原点センサ820aからの検出信号がオン状態であるか否かを判定する処理を含んでいる。スイッチ/センサ処理では、振分部原点センサ820aからの検出信号がオン状態であると判定された場合に、振分部原点検出フラグをオン状態にセットする。ステップS39のメイン側通信制御処理は、振分部原点検出フラグがオンである場合に対応して、演出制御基板12に対し振分部原点検出指定コマンドを送信する制御が行われる処理を含んでいればよい。また、スイッチ/センサ処理では、外リール原点センサ821aからの検出信号に基づいて、外リール原点検出指定コマンドを演出制御基板12に対して送信可能とする設定が行われる。例えば、スイッチ/センサ処理は、外リール原点センサ821aからの検出信号がオン状態であるか否かを判定する処理を含んでいる。スイッチ/センサ処理では、外リール原点センサ821aからの検出信号がオン状態であると判定された場合に、外リール原点検出フラグをオン状態にセットする。ステップS39のメイン側通信制御処理は、外リール原点検出フラグがオン状態である場合に対応して、演出制御基板12に対し外リール原点検出指定コマンドを送信する制御が行われる処理を含んでいればよい。スイッチ/センサ処理では、通常領域スイッチ811a、特定領域スイッチ812a、通常領域スイッチ813aからの検出信号に基づいて、進入口通過指定コマンドを演出制御基板12に対して送信可能とする設定が行われる。例えば、スイッチ/センサ処理は、通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813を通過した遊技球を検出可能な通常領域スイッチ811a、特定領域スイッチ812a、通常領域スイッチ813aからの検出信号がオン状態であるか否かを判定する処理を含んでいる。スイッチ/センサ処理では、通常領域スイッチ811a、特定領域スイッチ812a、通常領域スイッチ813aからの検出信号のうちで、いずれかの検出信号がオン状態であると判定された場合に、オン状態の検出信号に応じた進入口通過フラグをオン状態にセットする。ステップS39のメイン側通信制御処理は、オン状態である進入口通過フラグに応じて、演出制御基板12に対し進入口通過指定コマンドを送信する制御が行われる処理を含んでいればよい。
ステップS32のメイン側エラー処理では、異常動作が発生したか否かを判定し、異常動作の発生を報知する設定を行う。例えば、メイン側エラー処理は、払出エラー、異常検知エラー、不正検知エラーといった、異常が発生したか否かを判定する処理を含んでいる。払出エラーは、遊技球の払出しに関するエラーであり、賞球エラー、満タンエラー、球切れエラー、払出個数異常エラーを含んでいればよい。賞球エラーは、賞球払出動作が正常に行えない異常状態となるエラーである。満タンエラーは、下皿91が満タンであることによるエラーである。球切れエラーは、払出用の遊技球が不足することによるエラーである。払出個数異常エラーは、遊技球の払出数における個数異常によるエラーである。異常検知エラーは、各種スイッチやセンサによる検出結果に関するエラーであり、不正入賞エラー、始動入賞異常エラー、モータ異常エラーを含んでいればよい。不正入賞エラーは、特定の入賞口に進入した遊技球の異常な検出結果によるエラーである。始動入賞異常エラーは、始動入賞口に進入した遊技球の異常な検出結果によるエラーである。モータ異常エラーは、モータ回路112により駆動される各種モータの異常な検出結果によるエラーである。例えば振分部820の原点通過を検出する振分部原点センサ820aからの検出信号や、外リール791の原点通過を検出する外リール原点センサ821aからの検出信号に基づいて、振分部用モータ830や外リール用モータ793の異常動作が検出されてもよい。不正検知エラーは、不正行為の検出結果によるエラーであり、振動エラー、スイッチ短絡エラー、磁石エラー、フォトセンサエラー、電波エラーを含んでいればよい。振動エラーは、パチンコ遊技機1の振動量の異常な検出結果によるエラーである。スイッチ短絡エラーは、スイッチがオン状態となる期間の異常な検出結果によるエラーである。磁石エラーは、磁気の異常な検出結果によるエラーである。フォトセンサエラーは、異常光の検出結果によるエラーである。電波エラーは、電波の異常な検出結果によるエラーである。メイン側エラー処理では、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給されるエラー情報のデータを出力するための設定が行われてもよい。エラー情報のデータは、セキュリティ信号として予め定められた外部出力信号を、所定期間が経過するまでオン状態とすることにより、ホール管理用コンピュータが検出可能に出力されてもよい。メイン側エラー処理では、発生したエラーに応じて、パチンコ遊技機1における遊技の実行を停止させる制御が行われてもよい。例えば、不正検知エラーが発生した場合には、遊技の実行を停止させる制御を行うようにしてもよい。
ステップS33の情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報、エラー情報などのデータを出力するための処理である。ステップS34の遊技用乱数更新処理は、遊技制御メイン処理のステップS18と同様に、遊技用乱数をソフトウェアによって更新する処理である。ステップS35の特別図柄プロセス処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御、可変入賞装置200における上部大入賞口260の開閉動作制御、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作制御など、特図ゲームに基づく遊技の進行を所定の手順で制御するための処理である。ステップS36の普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作の制御、可変入賞球装置6Bにおける玉受片の状態制御など、普図ゲームに基づく遊技の進行を所定の手順で制御するための処理である。
ステップS37のモータ制御処理は、モータ回路112により駆動される各種モータの動作を制御するための処理である。例えば、モータ制御処理では、振分部用モータ830の駆動制御パターンから制御データを読み出し、モータ回路112に対して、振分部用モータ830に応じた指令信号(モータ駆動信号)を出力可能にすればよい。これにより、振分部820は、図13(A)に示すような位置P0〜P6の区間を、2400ミリ秒すなわち2.4秒といった特定周期で往復移動するように制御される。また、モータ制御処理では、小当り遊技状態であるときに、外リール用モータ793の駆動制御パターンから制御データを読み出し、モータ回路112に対して、外リール用モータ793に応じた指令信号(モータ駆動信号)を出力可能にすればよい。これにより、外リール791は、小当り遊技状態であるときに、1回転することによる遊技球の搬送や演出などを実行可能に制御される。ステップS38の賞球処理は、入賞検出信号の入力に応じて賞球個数の設定などを行うための処理である。ステップS39のメイン側通信制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に向けて制御コマンドを送信するための通信制御などを行う処理である。
図16は、主基板11から演出制御基板12に対して送信される演出制御コマンドの一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ100においては、遊技の進行状況や各種制御の実行状況に応じて、各種の演出制御コマンドが演出制御基板12に向けて送信される。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はコマンドの分類を示すMODEデータであり、2バイト目はコマンドの種類を表すEXTデータである。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、演出制御コマンドその他の制御コマンドは、2バイト構成であるものに限定されず、1バイトで構成されてもよいし、3バイト以上の複数バイトで構成されてもよい。演出制御コマンドは1バイト(8ビット)のコマンドデータであるMODEデータまたはEXTデータを単位とし、演出制御INT信号に同期して出力されてもよい。あるいは、演出制御コマンドはシリアル信号形式で、主基板11から中継基板15を介して、演出制御基板12へと伝送されてもよい。
コマンド80XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動開始に対応して、特図ゲームにおける特別図柄や回動表示装置300における飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。変動パターン指定コマンドは、可変表示における変動開始を指定するための演出制御コマンドでもある。添字Hは、16進数表示であることを示している。XXHは、不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指定内容や通知内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。変動パターン指定コマンドにより指定される変動パターンに応じて、特図ゲームで特別図柄の変動(可変表示)を開始してから表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの特図変動時間も指定される。
コマンド8CXXHは、特図ゲームにおける特別図柄や回動表示装置300における飾り図柄の可変表示における表示結果を指定する表示結果指定コマンドである。表示結果指定コマンドでは、指定する表示結果などに応じて、異なるEXTデータが設定される。例えば、コマンド8C00Hは可変表示の表示結果が「ハズレ」であることを指定する第1表示結果指定コマンドであり、コマンド8C01Hは可変表示の表示結果が「当り」であることを指定する第2表示結果指定コマンドであればい。コマンド8F00Hは、特図ゲームにおける特別図柄や回動表示装置300における飾り図柄の可変表示を終了して、表示結果となる特別図柄や飾り図柄の停止表示による確定を指定する図柄確定指定コマンドである。
コマンド9000Hは、パチンコ遊技機1の電源投入に伴う電力供給の開始に対応して、遊技制御メイン処理のステップS15にて初期化設定処理が実行されたことを指定する初期化指定コマンドである。コマンド9200Hは、パチンコ遊技機1の電源投入に伴う電力供給の開始に対応して、遊技制御メイン処理のステップS14にて復旧設定処理が実行されたことを指定する復旧指定コマンドである。コマンド9F00Hは、客待ちデモンストレーション表示を指定する客待ちデモ指定コマンドである。
コマンドA000Hは、大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンドである。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態における各回のラウンド遊技が開始される場合に対応して、特別可変入賞球装置7の大入賞口が開放開始となることを指定する大当り開放開始指定コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態における各回のラウンド遊技が終了する場合に対応して、特別可変入賞球装置7の大入賞口が開放終了となることを指定する大当り開放終了指定コマンドである。大当り開放開始指定コマンドや大当り開放終了指定コマンドでは、ラウンド遊技の実行回数に応じて、異なるEXTデータが設定される。コマンドA300Hは、大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA600Hは、小当り遊技状態において可変入賞装置200の上部大入賞口260が開閉される動作の開始を指定する小当り開閉開始指定コマンドである。コマンドA700Hは、小当り遊技状態において可変入賞装置200の上部大入賞口260が開閉される動作の終了を指定する小当り開閉終了指定コマンドである。コマンドAC00Hは、振分部820の原点通過検出を指定する振分部原点検出指定コマンドである。例えば、振分部820は2400ミリ秒すなわち2.4秒の周期で、位置P0〜P6の区間を往復移動する。この場合、2.4秒といった特定周期で、振分部原点センサ820aにより振分部820の原点通過が検出され、主基板11から演出制御基板12に対して振分部原点検出指定コマンドが送信される。コマンドAD00Hは、外リール791の原点通過検出を指定する外リール原点検出指定コマンドである。コマンドAEXXHは、通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813の各進入口における遊技球の通過検出を指定する進入口通過指定コマンドである。進入口通過指定コマンドでは、いずれの進入口を遊技球が通過したかに応じて、異なるEXTデータが設定される。例えば、コマンドAE01Hは通常領域進入口811における遊技球の通過検出を指定する第1進入口通過指定コマンドであり、コマンドAE02Hは特定領域進入口812における遊技球の通過検出を指定する第2進入口通過指定コマンドであり、コマンドAE03Hは通常領域進入口813における遊技球の通過検出を指定する第3進入口通過指定コマンドである。
コマンドB100Hは、遊技球が第1始動入賞口に進入したことによる第1始動入賞となる始動入賞を指定する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、遊技球が第2始動入賞口に進入したことによる第2始動入賞となる始動入賞を指定する第2始動口入賞指定コマンドである。コマンドC1XXHは、第1特図保留記憶数としての保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2特図保留記憶数としての保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドでは、それぞれの保留記憶数に応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンドC700Hは、大当り遊技状態において開放状態となった特別可変入賞球装置7の大入賞口に遊技球が進入したことによる入賞を指定する大入賞口入賞指定コマンドである。コマンドFFXXHは、各種エラーの発生に対応したエラー報知、またはエラー解除を指定するエラー報知/解除指定コマンドである。エラー報知/解除指定コマンドでは、エラー報知やエラー解除の内容などに応じて、異なるEXTデータが設定される。
図17は、特別図柄プロセス処理として、遊技制御用タイマ割込み処理のステップS35にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。始動入賞判定処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かが判定される。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば、入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、特図ゲームの保留記憶数である特図保留記憶数を更新するための始動入賞処理が行われる。一方、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば、可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、始動入賞処理が行われる。始動入賞処理では、特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、特図保留記憶数が上限値に達していれば、始動入賞処理を終了する。一方、特図保留記憶数が上限値未満であれば、ROM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた特図保留記憶数カウンタの格納値である特図保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、特図保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して特図ゲームの始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の所定領域(例えば特図保留記憶部)に保留データとして記憶させる。ステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)などに設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特図保留記憶部といったRAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、特別図柄表示装置による特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示における表示結果を「当り」とするか否かを、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、表示結果が「当り」に決定されたことに対応して、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた当りフラグをオン状態にセットする。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の表示結果に対応して、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄とハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの特図変動時間といった、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。当りフラグがオンである場合には、可変表示の表示結果が「当り」であることに基づく小当り遊技状態の開始を指定する演出制御コマンドとして、小当り開閉開始指定コマンドの送信設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態の開始に対応して、ステージ供給用ソレノイド255をオフ状態からオン状態に切り替えるための設定を行う処理が含まれていればよい。また、小当り開放前処理には、小当り遊技状態において可変入賞装置200の上部大入賞口260を開放状態と閉鎖状態とに繰り返し制御する上部大入賞口開閉を実行するための設定を行う処理などが含まれている。さらに、小当り開放前処理には、小当り遊技状態への制御が開始されることに基づいて、外リール用モータ793の駆動制御パターンを使用パターンに設定する処理が含まれていればよい。このとき設定された駆動制御パターンに基づいて、遊技制御用タイマ割込み処理のステップS37にてモータ制御処理が実行されることにより、モータ回路112に対して、外リール用モータ793に応じた指令信号(モータ駆動信号)を出力可能になる。こうして、例えば上部大入賞口開閉を実行する前に、外リール791を1回転させるように、外リール用モータ793が駆動される。小当り開放前処理では、小当り報知待機時間が設定され、この小当り報知待機時間が経過するまで待機した後に、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。
ステップS115の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この小当り開放中処理には、小当り開放前処理での設定に基づいて、可変入賞装置200の上部大入賞口開閉を実行する処理などが含まれている。また、小当り開放中処理には、上部大入賞口開閉の終了に対応して、ステージ供給用ソレノイド255をオン状態からオフ状態に切り替えるための設定を行う処理が含まれていればよい。加えて、小当り開放中処理には、遊技球が遊技球待機部797aに到達可能な到達待機時間が経過するまで待機した後、外リール791を1回転させるように、外リール用モータ793の駆動制御パターンを設定する処理が含まれていればよい。このとき設定された駆動制御パターンに基づいて、遊技制御用タイマ割込み処理のステップS37にてモータ制御処理が実行されることにより、モータ回路112に対して、外リール用モータ793に応じた指令信号(モータ駆動信号)を出力可能になる。こうして、例えば遊技球が遊技球待機部797aに到達した後に、外リール791を1回転させるように、外リール用モータ793が駆動される。小当り開放中処理では、遊技球が通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかを通過するまでの待機時間である遊技球進入待機時間が設定され、この遊技球進入待機時間が経過するまで待機した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態にて遊技球が通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかに進入したか否かに応じて、大当り遊技状態となるための特定遊技条件が成立したか否かを判定する処理が含まれている。そして、特定遊技条件が成立して大当り遊技状態となる場合には、進入報知待機時間が経過するまで待機した後、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。一方、特定遊技条件が成立せずに小当り遊技状態を終了する場合には、特図プロセスフラグが“0”に更新される。
ステップS117の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り開放前処理には、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して特別可変入賞球装置7の大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。ラウンド遊技の実行を開始するために、小当り遊技状態で遊技球が通常領域進入口811、813のいずれかに進入した場合と特定領域進入口812に進入した場合とに応じて、異なるラウンド遊技の上限回数が設定される。小当り遊技状態で遊技球が通常領域進入口811、813のいずれかに進入した場合には、ラウンド遊技の上限回数が3回に設定される。小当り遊技状態で遊技状態が特定領域進入口812に進入した場合には、ラウンド遊技の上限回数が16回に設定される。このように、小当り遊技状態にて遊技球が特定領域進入口812を通過した場合には、通常領域進入口811、813のいずれかを通過した場合よりも、ラウンド遊技の上限回数に応じた実行回数が多くなる。ラウンド遊技の実行回数が多い大当り遊技状態では、ラウンド遊技の実行回数が少ない大当り遊技状態よりも、遊技者が多くの賞球を獲得できる可能性が高くなる。したがって、小当り遊技状態にて遊技球が特定領域進入口812を通過した場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が多くなることで、小当り遊技状態にて遊技球が通常領域進入口811、813のいずれかを通過した場合よりも、遊技者にとって有利な特典を付与することができる。大当り開放前処理では、大当り報知待機時間が設定され、この大当り報知待機時間が経過するまで待機した後、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。
ステップS118の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この大当り開放中処理には、特別可変入賞球装置7の大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間や下部カウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この大当り開放後処理には、特別可変入賞球装置7の大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新される。
ステップS120の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応したエンディング演出待機時間を設定し、このエンディング演出待機時間が経過するまで待機する処理が含まれていればよい。また、大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を設定する処理が含まれてもよい。大当り遊技状態の終了後には、確変状態や時短状態といった、特別遊技状態に制御することができればよい。いずれの特別遊技状態に制御するか、または特別遊技状態に制御しないかは、大当り遊技状態を予め用意された複数種類のいずれとするかの決定結果に対応して決定されてもよい。あるいは、大当り遊技状態の種類にかかわらず、いずれの特別遊技状態に制御するか、または特別遊技状態に制御しないかが、所定割合で決定されてもよい。遊技状態を確変状態とする場合には、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた確変フラグをオン状態にセットする。また、遊技状態を時短状態とする場合には、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた時短フラグをオン状態にセットするとともに、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた時短回数カウンタに、時短中変動上限回数と対応して予め定められたカウント初期値(例えば「50」など)をセットすればよい。こうした大当り遊技状態の終了後における遊技状態の設定とともに、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図18は、変動パターンの一例を示す説明図である。この実施の形態では、可変表示の表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならない「非リーチ」である場合とリーチ状態になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示の表示結果が「当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。可変表示内容が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターンあるいは非リーチハズレ変動パターンともいう。可変表示内容が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターンあるいはリーチハズレ変動パターンともいう。非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示の表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示の表示結果が「当り」である場合に対応した変動パターンは、当り変動パターンともいう。当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチにおけるリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。
当り変動パターンのうち、ノーマルリーチにおけるリーチ演出が実行されてスーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されないノーマルリーチ変動パターンには、変動パターンPA3−1−1〜PA3−1−5が含まれている。変動パターンPA3−1−1は、特図変動時間が17600ミリ秒に設定されている。変動パターンPA3−1−2は、特図変動時間が18200ミリ秒に設定されている。変動パターンPA3−1−3は、特図変動時間が18800ミリ秒に設定されている。変動パターンPA3−1−4は、特図変動時間が19400ミリ秒に設定されている。変動パターンPA3−1−5は、特図変動時間が20000ミリ秒すなわち20秒に設定されている。当り変動パターンのうち、ノーマルリーチにおけるリーチ演出が実行された後にスーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンには、変動パターンPA3−2−1〜PA3−2−5が含まれている。変動パターンPA3−2−1は、特図変動時間が57600ミリ秒に設定されている。変動パターンPA3−2−2は、特図変動時間が58200ミリ秒に設定されている。変動パターンPA3−2−3は、特図変動時間が58800ミリ秒に設定されている。変動パターンPA3−2−4は、特図変動時間が59400ミリ秒に設定されている。変動パターンPA3−2−5は、特図変動時間が60000ミリ秒に設定されている。
このように、変動パターンPA3−1−1〜PA3−1−5は、特図変動時間が17600ミリ秒から20000ミリ秒までの2400ミリ秒すなわち2.4秒の範囲に含まれるように設定されている。変動パターンPA3−2−1〜PA3−2−5は、特図変動時間が57600ミリ秒から60000ミリ秒までの2400ミリ秒すなわち2.4秒の範囲に含まれるように設定されている。2400ミリ秒すなわち2.4秒は、振分部820が位置P0〜P6の区間を往復移動する周期と等しい。振分部820が往復移動する周期よりも短い間隔で特図変動時間が相違する複数の変動パターンを用意することにより、小当り遊技状態にて遊技球が通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかに進入する割合が偏る可能性を低減して、公平な遊技を確保することができればよい。なお、変動パターンの決定割合により、小当り遊技状態にて遊技球が通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれに進入するかの割合を異ならせるようにしてもよい。
特別図柄プロセス処理のステップS111にて実行される変動パターン設定処理では、変動パターン決定用の乱数値を、変動パターン決定テーブルにおいて予め設定されている判定値と比較することにより、使用パターンとなる変動パターンが決定される。変動パターン決定テーブルは、可変表示の表示結果が「当り」となる場合に用いられる当り変動パターン決定テーブルと、可変表示の表示結果が「ハズレ」となる場合に用いられるハズレ変動パターン決定テーブルとを含んでいる。変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値と比較される判定値が、単一または複数の変動パターンに割り当てられていればよい。CPU103は、変動パターン決定用の乱数値を判定値と比較し、いずれの判定値の範囲に乱数値が含まれるかの判定結果に応じて、使用パターンとなる変動パターンを決定すればよい。
(演出制御基板12の主要な動作)
演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、パチンコ遊技機1の電源投入により所定の電源基板からの電力供給が開始されると、演出制御用CPU120が起動し、演出制御メイン処理となる所定の処理が実行される。演出制御基板12における各処理は、演出制御用CPU120により実行される。演出制御用CPU120による処理の実行に応じて、パチンコ遊技機1における演出の進行を制御することができる。
図19は、演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、初期化処理を実行する(ステップS51)。ステップS51の初期化処理では、例えばRAM122における記憶領域のクリアや各種初期値の設定、演出制御用のタイマ割込みを発生させるCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定などが行われる。初期化処理を実行した後には、タイマ割込みフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS52)。タイマ割込みフラグは、演出制御用のタイマ割込みが発生するとオン状態にセットされる。タイマ割込みフラグがオンであると判定された場合には(ステップS52;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS53)、コマンド解析処理(ステップS54)、サブ側エラー処理(ステップS55)、演出制御プロセス処理(ステップS56)、演出用乱数更新処理(ステップS57)とを順次に実行してから、ステップS52に戻る。ステップS54〜S57にて実行される各処理は、演出制御用のタイマ割込み処理に含まれる。タイマ割込みフラグがオフであると判定された場合には(ステップS52;No)、ステップS53〜S57の処理を実行せずに、ステップS52に戻って待機する。演出制御用CPU120は、演出制御用のタイマ割込み処理の他に、コマンド受信用の割込み処理を実行可能であり、主基板11から中継基板15を介して伝送される演出制御コマンドを、I/O125の入力ポートから取得できればよい。このとき取得した演出制御コマンドは、例えばRAM122の所定領域などに設けられた受信コマンドバッファに一時記憶させればよい。ステップS54のコマンド解析処理では、演出制御コマンドの受信があったか否かの判定が行われ、受信があった場合には受信コマンドに対応した設定や制御などが行われる。ステップS51の初期化処理では、例えば回動表示装置300の左リールユニット400、中リールユニット500、右リールユニット600といった、演出制御基板12の側において動作を制御する可動部材について、初期動作を実行する演出用初期動作制御が行われてもよい。演出用初期動作制御は、主基板11からの初期化指定コマンドと復旧指定コマンドのいずれを受信したかにかかわらず、ステップS51の初期化処理にて実行されるようにすればよい。なお、演出制御基板12のRAM122がバックアップ電源によりバックアップされる場合には、主基板11からの初期化指定コマンドを受信した場合には演出用初期動作制御を実行する一方で、主基板11からの復旧指定コマンドを受信した場合には演出用初期動作制御を実行しなくてもよい。
図20は、サブ側エラー処理として、演出制御メイン処理のステップS55にて実行可能な処理の一例を示すフローチャートである。サブ側エラー処理では、振分部原点検出の有無を判定する(ステップS201)。ステップS201では、主基板11からの演出制御コマンドとして、振分部原点検出指定コマンドの受信があった場合に「振分部原点検出あり」と判定し、受信がない場合には「振分部原点検出なし」と判定すればよい。「振分部原点検出あり」と判定された場合には(ステップS201;Yes)、原点検出タイマによる計測値である原点検出タイマ値が、予め定められた正常範囲の範囲内であるか否かを判定する(ステップS202)。例えば、振分部820は2400ミリ秒すなわち2.4秒の周期で、位置P0〜P6の区間を往復移動する。この場合、2.4秒といった特定周期で、振分部原点センサ820aにより振分部820の原点通過が検出され、主基板11から演出制御基板12に対して振分部原点検出指定コマンドが送信される。そこで、例えば2.3秒から2.5秒までに対応する原点検出タイマ値の範囲などを、正常範囲として予め設定しておく。ステップS202では、原点検出タイマ値がこのような正常範囲の範囲内である場合に「正常範囲内」と判定し、正常範囲の範囲外である場合に「正常範囲外」と判定すればよい。サブ側エラー処理にて「振分部原点検出なし」と判定された場合には(ステップS201;No)、原点検出タイマのタイムアウトが発生したか否かを判定する(ステップS204)。例えば、ステップS204では、原点検出タイマ値が2.5秒に対応するタイムアウト判定値に達した場合に「タイムアウト発生あり」と判定し、タイムアウト判定値に達していない場合に「タイムアウト発生なし」と判定すればよい。
ステップS202にて「正常範囲内」と判定された場合には(ステップS202;Yes)、原点検出タイマ再スタート設定を行う(ステップS203)。原点検出タイマ再スタート設定は、原点検出タイマをクリアしてタイマ初期値とし、原点検出タイマによる経過時間の計測を再び開始させる設定であればよい。ステップS202にて「正常範囲外」と判定された場合や(ステップS202;No)、ステップS204にて「タイムアウト発生あり」と判定された場合には(ステップS204;Yes)、原点検出エラー設定を行う(ステップS205)。ステップS205の原点検出エラー設定は、振分部原点検出エラーフラグをオン状態とする設定を含んでいればよい。振分部原点検出エラーフラグは、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)などに設けられ、振分部820の原点通過が正常に検出できなかったことを、演出制御基板12の側において特定可能に示すものであればよい。また、原点検出エラー設定は、遊技効果ランプ9の全点灯または全点滅を行うための設定、原点検出エラーに対応するエラーコードを示す文字や数字その他の記号、または、これらの組合せを含む文字列や記号列を、セグメント演出表示器510の表示により報知するための設定、スピーカ8L、8Rから警報音を出力するための設定のうち、一部または全部の設定を含んでいてもよい。
ステップS203、S205のいずれかにて設定を行った後や、ステップS204にて「タイムアウト発生なし」と判定された場合には(ステップS204;No)、進入口通過の有無を判定する(ステップS206)。ステップS206では、主基板11からの演出制御コマンドとして、進入口通過指定コマンドの受信があった場合に「進入口通過あり」と判定し、受信がない場合には「進入口通過なし」と判定すればよい。「進入口通過あり」と判定された場合には(ステップS206;Yes)、進入口通過指定コマンドの受信タイミングに基づいて、予め定められた正常通過の範囲内であるか否かを判定する(ステップS207)。例えば、可変入賞装置200において、遊技球が通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかを通過可能になるのは、小当り遊技状態のときである。ステップS207では、小当り遊技状態である場合に「正常通過」と判定し、小当り遊技状態ではない場合に「異常通過」と判定すればよい。あるいは、小当り遊技状態のうちでも、遊技球が通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかを通過可能になる期間を、正常通過期間として予め設定してもよい。この場合、ステップS207では、正常通過期間である場合に「正常通過」と判定し、正常通過期間ではない場合に「異常通過」と判定すればよい。
ステップS206にて「進入口通過なし」と判定された場合には(ステップS206;No)、小当り時通過エラー条件成立の有無を判定する(ステップS208)。ステップS208では、小当り遊技状態にて上部大入賞口260に進入した遊技球が検出された後に、遊技球が通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれも通過することなく小当り遊技状態が終了するときに「小当り時通過エラー条件成立あり」と判定すればよい。ステップS207にて「異常通過」と判定された場合や(ステップS207;No)、ステップS208にて「小当り時通過エラー条件成立あり」と判定された場合には(ステップS208;Yes)、進入口通過エラー設定を行う(ステップS209)。ステップS209の進入口通過エラー設定は、進入口通過エラーフラグをオン状態とする設定を含んでいればよい。進入口通過エラーフラグは、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)などに設けられ、通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかにて遊技球の異常通過が検出されたことを、演出制御基板12の側において特定可能に示すものであればよい。また、進入口通過エラー設定は、遊技効果ランプ9の全点灯または全点滅を行うための設定、進入口通過エラーに対応するエラーコードを示す文字や数字その他の記号、または、これらの組合せを含む文字列や記号列を、セグメント演出表示器510の表示により報知するための設定、スピーカ8L、8Rから警報音を出力するための設定のうち、一部または全部の設定を含んでいてもよい。
ステップS207にて「正常通過」と判定された場合や(ステップS207;Yes)、ステップS208にて「小当り時通過エラー条件成立なし」と判定された場合(ステップS208;No)、あるいは、ステップS209にて設定を行った後には、残留球監視処理を実行する(ステップS210)。また、その他のサブ側エラー判定と設定を行う(ステップS211)。サブ側エラー判定は、主基板11から送信されたエラー報知/解除指定コマンドに基づいて、各種エラーの有無やエラー内容などを判定できればよい。サブ側エラー設定は、発生したエラーに対応するエラーコードの表示による報知や、遊技効果ランプ9の点灯または点滅による報知、スピーカ8L、8Rによる警報音の出力による報知、あるいは、これらの一部または全部の組合せにより、発生したエラーを認識可能に報知するための設定を含んでいればよい。
ステップS211にて判定や設定を行った後には、エラー解除条件成立の有無を判定する(ステップS212)。ステップS212では、例えば発生したエラーの解除を指定するエラー報知/解除指定コマンドを受信した場合に、「エラー解除条件成立あり」と判定すればよい。あるいは、パチンコ遊技機1の電源遮断により電力供給が停止された後、再度の電源投入である電源再投入により電力供給が開始されたときに、主基板11から初期化指定コマンドを受信した場合に、「エラー解除条件成立あり」と判定してもよい。「エラー解除条件成立なし」と判定された場合には(ステップS212;No)、サブ側エラー処理を終了する。「エラー解除条件成立あり」と判定された場合には(ステップS212;Yes)、エラー解除設定を行ってから(ステップS213)、サブ側エラー処理を終了する。ステップS213のエラー解除設定は、エラー報知/解除指定コマンドにより解除が指定されたエラーに対応するエラーフラグをクリアして、オフ状態とする設定を含んでいればよい。また、エラー解除設定は、解除が指定されたエラーに対応するエラー報知を終了するための設定を含んでいてもよい。なお、演出制御基板12のRAM122がバックアップ電源によりバックアップされない場合には、パチンコ遊技機1の電源再投入によりRAM122の記憶内容が消去されることで、主基板11から送信された演出制御コマンドにかかわらず、エラー状態が解除されてもよい。原点検出エラーと進入口通過エラーの一方または双方は、パチンコ遊技機1への電力供給が停止した後に電力供給が再開され、遊技制御メイン処理にてステップS15の初期化設定処理が実行されず、主基板11から送信される初期化指定コマンドを受信しなかった場合に、エラー状態が解除されてもよい。あるいは、原点検出エラーと進入口通過エラーの一方または双方は、パチンコ遊技機1への電力供給が停止した後に電力供給が再開され、遊技制御メイン処理にてステップS15の初期化設定処理が実行されたことに対応して、主基板11から送信された初期化指定コマンドを受信した場合に、エラー状態が解除されてもよい。原点検出エラーのエラー状態が解除された場合には、振分部原点検出エラーフラグをクリアしてオフ状態とすればよい。進入口通過エラーのエラー状態が解除された場合には、進入口通過エラーフラグをクリアしてオフ状態とすればよい。
図21は、残留球監視処理として、サブ側エラー処理のステップS210にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。残留球監視処理は、可変入賞装置200の内部に残っているはずのない遊技球である残留球を検出しエラーを報知するための処理である。演出制御基板12では、残留球を監視するための残留球監視モードと、残留球を監視しない残留球非監視モードとのうち、いずれかに設定される。残留球監視モードでは、近接センサ750により遊技球が検出された場合に、残留球エラーが発生する。残留球非監視モードでは、近接センサ750により遊技球が検出されても、残留球エラーが発生しない。
残留球監視処理では、現在の設定が残留球監視モードであるか否かを判定する(ステップS301)。ステップS301では、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)などに設けられた監視モードフラグに応じて、残留球監視モードであるか残留球非監視モードであるかを判定すればよい。残留球監視モードではなく残留球非監視モードと判定された場合には(ステップS301;No)、近接センサ750によって遊技球待機部797aで待機する遊技球を検出したか否かを判定する(ステップS302)。この残留球非監視モードである場合には、近接センサ750が遊技球を検出したか(ステップS302;Yes)、あるいは近接センサ750が遊技球を検出しなかったかにかかわらず(ステップS302;No)、残留球監視開始条件成立の有無を判定する(ステップS303)。残留球監視開始条件は、主基板11から送信された特定の演出制御コマンドに基づいて、成立可能であればよい。例えば、客待ちデモ指定コマンドを受信した場合に、残留球監視開始条件が成立すればよい。あるいは、大当り開始指定コマンドを受信した場合に、残留球監視開始条件が成立すればよい。あるいは、変動パターン指定コマンドを受信した場合に、残留球監視開始条件が成立すればよい。こうして、小当り遊技状態の終了に対応して、残留球監視開始条件が成立することにより、残留球監視モードを開始できればよい。なお、残留球監視モードの開始を指定する専用の演出制御コマンドを用いて、残留球監視開始条件を成立可能にしてもよい。残留球監視開始条件の成立がない場合には(ステップS303;No)、残留球監視処理を終了する。これに対し、残留球監視開始条件の成立があった場合には(ステップS303;Yes)、残留球監視モード開始設定を行い(ステップS304)、残留球監視処理を終了する。ステップS304の残留球監視モード開始設定は、監視モードフラグの値を、残留球監視モードに対応する値に更新する設定を含んでいればよい。
ステップS301にて残留球監視モードであると判定された場合には(ステップS301;Yes)、近接センサ750によって遊技球待機部797aで待機する遊技球を検出したか否かを判定する(ステップS305)。残留球監視モードであるときに、近接センサ750が遊技球を検出したと判定された場合には(ステップS305;Yes)、残留球エラー設定が行われる(ステップS306)。ステップS306の残留球エラー設定は、残留球エラーフラグをオン状態とする設定を含んでいればよい。残留球エラーフラグは、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)などに設けられ、近接センサ750による遊技球の異常検出があったことを、演出制御基板12の側において特定可能に示すものであればよい。また、残留球エラー設定は、遊技効果ランプ9の全点灯または全点滅を行うための設定、残留球エラーに対応するエラーコードを示す文字や数字その他の記号、または、これらの組合せを含む文字列や記号列を、セグメント演出表示器510の表示により報知するための設定、スピーカ8L、8Rから警報音を出力するための設定のうち、一部または全部の設定を含んでいてもよい。さらに、残留球エラー設定は、パチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給されるエラー情報のデータを出力するための設定を含んでいてもよい。
ステップS305にて近接センサ750が遊技球を検出しなかったと判定された場合や(ステップS305;No)、ステップS306にて設定を行った後には、残留球監視終了条件成立の有無を判定する(ステップS307)。残留球監視終了条件は、主基板11から送信された特定の演出制御コマンドに基づいて、成立可能であればよい。例えば、小当り開閉終了指定コマンドを受信した場合に、残留球監視終了条件が成立すればよい。このように、小当り遊技状態にて上部大入賞口260の開閉動作である上部大入賞口開閉が開始されることに対応して、残留球監視終了条件が成立することにより、残留球監視モードを終了して残留球非監視モードを開始できればよい。なお、残留球監視モードの終了を指定する専用の演出制御コマンドを用いて、残留球監視終了条件を成立可能にしてもよい。残留球監視終了条件の成立がない場合には(ステップS307;No)、残留球監視処理を終了する。これに対し、残留球監視終了条件の成立があった場合には(ステップS307;Yes)、残留球非監視モード開始設定を行い(ステップS308)、残留球監視処理を終了する。ステップS308の残留球非監視モード開始設定は、監視モードフラグの値を、残留球非監視モードに対応する値に更新する設定を含んでいればよい。
図22は、演出制御プロセス処理として、演出制御メイン処理のステップS56にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。演出制御メイン処理では、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、ステップS170〜S178の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。可変表示開始待ち処理は、主基板11から送信される変動パターン指定コマンドなどを受信したか否かに基づき、回動表示装置300における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理を含んでいればよい。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。可変表示開始設定処理は、特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、回動表示装置300における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、変動パターンや表示結果に応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理を含んでいればよい。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。可変表示中演出処理は、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理を含んでいればよい。また、可変表示中演出処理には、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれていればよい。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。特図当り待ち処理は、表示結果通知コマンドにより通知された可変表示の表示結果やなどに基づいて、小当り遊技状態に制御されるか否かを判定する処理を含んでいればよい。そして、可変表示の表示結果が「当り」に対応して小当り遊技状態に制御される場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、可変表示の表示結果が「ハズレ」に対応して小当り遊技状態に制御されない場合には、演出プロセスフラグがクリアされ、その値が“0”に初期化される。
ステップS174の小当り報知演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。小当り報知演出処理は、小当り遊技状態の開始時における各種の演出制御を行うための処理を含んでいればよい。例えば、小当り遊技状態の開始時における演出内容に対応した演出制御パターンを設定し、その演出制御パターンから読み出した各種の制御データに基づいて、表示制御基板50に対する指令(セグメント表示信号)の出力によりセグメント演出表示器510の表示を更新させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9を点灯または消灯または点滅させることなどにより、小当り報知演出の演出制御を実行可能にすればよい。小当り報知演出の演出制御を行った後に、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175の小当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。小当り中演出処理は、小当り遊技状態の制御中における各種の演出制御を行うための処理を含んでいればよい。例えば、小当り遊技状態の制御中における演出内容に対応した演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、小当り中演出の演出制御を実行可能にすればよい。そして、主基板11から送信される大当り開始指定コマンドに対応して大当り遊技状態に制御される場合には、演出プロセスフラグの値が“6”に更新される一方で、大当り開始指定コマンドを受信せずに小当り遊技状態が終了する場合には、演出プロセスフラグがクリアされ、その値が“0”に初期化される。
ステップS176の大当り報知演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。大当り報知演出処理は、大当り遊技状態の開始時における各種の演出制御を行うための処理を含んでいればよい。例えば、大当り遊技状態の開始時における演出内容に対応した演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、大当り報知演出の演出制御を実行可能にすればよい。大当り報知演出の演出制御を行った後に、演出プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS177の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。大当り中演出処理は、大当り遊技状態の制御中における各種の演出制御を行うための処理を含んでいればよい。例えば、大当り遊技状態の制御中における演出内容に対応した演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、大当り中演出の演出制御を実行可能にすればよい。そして、主基板11から送信される大当り終了指定コマンドに対応して大当り遊技状態が終了する場合には、演出プロセスフラグの値が“8”に更新される。
ステップS178のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“8”のときに実行される処理である。エンディング演出処理は、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を行うための処理を含んでいればよい。例えば、大当り遊技状態の終了時における演出内容に対応した演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、大当り終了演出となるエンディング演出の演出制御を実行可能にすればよい。エンディング演出の演出制御を行った後には、演出プロセスフラグがクリアされ、その値が“0”に初期化される。
図23は、可変表示の表示結果が「当り」となった場合に、小当り遊技状態の制御に対応した演出制御の実行例を示すタイミング図である。特別図柄の可変表示が停止し、時刻t1で可変表示の表示結果が「当り」に対応する当り表示結果が表示されると、演出制御プロセス処理にてステップS174の小当り報知演出処理が実行され、時刻t1からt2までの期間Iで小当り報知演出における小当り用ファンファーレを実行する。小当り用ファンファーレでは、例えば、小当りしたことをスピーカ8L、8Rで報知したり、打ち出す遊技球の狙い位置を可変入賞装置200の上部とすべきであることをスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等で知らせる。ステージ供給用ソレノイド255は、時刻t1でオフ状態からオン状態へと変化する。これにより、回動片253は、屈曲面253cで1個の遊技球を保持できる方向に向けられ、上部大入賞口260に進入した1個の遊技球を保持可能となる。小当り報知演出の実行中には、外リール用モータ793をオフ状態からオン状態へと変化させる。期間Iでは通常、可変入賞装置200の内部に遊技球は存在しない。しかしながら、何らかの理由で遊技球が残っている場合に備えて、開閉蓋270が開閉し始める時刻t2になる前までに、外リール791を1回転させればよい。また、外リール791の外周面には小当り報知用の絵柄が描かれていてもよい。外リール791が1回転することで、遊技者は小当り報知用の絵柄を視認できればよい。このように、小当り報知演出の実行中に外リール791を1回転させることで、可変入賞装置200の内部に残留する遊技球を除去可能にするとともに、小当り報知演出に含まれる絵柄の回転演出を実行できればよい。小当り報知演出の実行中における外リール791の回転動作は、可変入賞装置200の内部に残った遊技球を排除するための動作なので、この期間に遊技球が通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかに進入したとしても大当り遊技状態に移行することはない。
小当り報知演出の終了に対応して、時刻t2から時刻t3までの期間IIでは、可変入賞装置200に形成された上部大入賞口260を開放状態と閉鎖状態とに繰り返し変化させる上部大入賞口開閉が実行される。具体的には、開閉蓋用ソレノイド261のオン状態とオフ状態とを交互に繰り返すことで、開閉蓋270が大きく突出した閉鎖位置と、開閉蓋270を引っ込めた開放位置との間で移動させる。例えば、小当り遊技状態では、0.15秒の開放状態と1.0秒の閉鎖状態とが繰り返される。この繰り返しは、0.15秒の開放状態が10回実現されるか、上部大入賞口260に遊技球が10個入賞するかのうち、いずれか早いタイミングまで継続される。なお、上部大入賞口260に入賞した遊技球の個数は、上部カウントスイッチ250からの検出信号に基づいてカウントすることができる。上部大入賞口260の1回当たりの開放時間は0.15秒間という短期間である。しかしながら、このような短期間の開放時間であっても、上部大入賞口260に遊技球を進入させる構成を可変入賞装置200は有している。可変入賞装置200にて開閉蓋270上を転がる遊技球は、ベース板230に形成された突起部233、234と、第1前面板210に形成された突起部217、218との隙間を縫いながら蛇行する。そのため、遊技球が開閉蓋270上から転がり落ちるまでに多くの時間を要し、開閉蓋270を開放する際により多くの遊技球を開閉蓋270上に留まらせておくことができる。また、閉鎖位置にある開閉蓋270の突出量L1を遊技球の直径未満としている。これにより、開閉蓋270を閉鎖位置から開放位置まで移動させる際の移動量を小さくすることができ、素早く上部大入賞口260を開放状態とすることができる。したがって、上部大入賞口260の開放時間が短かったとしても、遊技球を上部大入賞口260へ進入させやすい。
上部大入賞口開閉の終了に対応して、時刻t3からt4までの期間IIIでは、遊技球進入待ちの状態となる。遊技球進入待ちの状態は、上部大入賞口260から可変入賞装置200の内部へと進入した遊技球が、通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかに進入することを待機する状態である。期間IIIが開始される時刻t3では、上部大入賞口開閉の終了に対応して、ステージ供給用ソレノイド255がオン状態からオフ状態に移行する。その後、外リール用モータ793がオフ状態からオン状態に移行する。ステージ供給用ソレノイド255がオフ状態となることにより、回動片253が回動軸253aを中心に回動し、屈曲面253cで保持していた1個の遊技球がワープ流路251へと誘導される。ワープ流路251を流下した遊技球は、遊技球待機部797aに到達することで、近接センサ750がオン状態になる。こうして、小当り遊技状態にて開放状態となった上部大入賞口260に進入した1個の遊技球を、遊技球待機部797aへと誘導することができる。例えば、残留球監視処理のステップS307では、小当り開閉終了指定コマンドを受信した場合に、残留球監視終了条件が成立したと判定する。この場合には、期間IIIの開始に対応する時刻t3にて、残留球監視モードを終了してオン状態からオフ状態へと移行させ、残留球非監視モードを開始させる。これにより、小当り遊技状態における上部大入賞口開閉にて開放状態となった上部大入賞口260に進入した遊技球が遊技球待機部797aへと誘導された場合に、近接センサ750が正常な遊技球を検出したことに対応して、残留球エラーが発生しないように制御できる。残留球監視モードのオフ状態に対応する残留球非監視モードは、小当り遊技状態が終了するまで継続すればよい。
期間IIIでは、ステージ供給用ソレノイド255をオン状態からオフ状態へと移行させた後、予め定められたリール駆動待機時間が経過するまで待機してから、外リール用モータ793を駆動してオフ状態からオン状態に移行させればよい。これにより、ワープ流路251を流下した遊技球が確実に遊技球待機部797aへと到達してから、外リール791を回転させ、磁性体792の吸着により、外リール791の周方向に沿って上方に搬送することができる。遊技球が遊技球待機部797aから上方へと搬送されることにより、近接センサ750との距離が離れて、近接センサ750はオフ状態となる。時刻t4では、外リール791により搬送された遊技球が、通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかに進入して、通常領域スイッチ811a、特定領域スイッチ812a、通常領域スイッチ813aのいずれかで検出される進入検出となる。外リール791は、1回転して外リール原点センサ821aにより原点通過が検出されるまでオン状態となり、1回転するとオン状態からオフ状態に移行させればよい。時刻t4での進入検出に対応して、時刻t5までの期間IVでは、小当り中演出における進入報知を実行する。進入報知では、例えば、いずれかの進入口を遊技球が通過したことをセグメント演出表示器510やスピーカ8L、8Rで報知したり、遊技効果ランプ9の一部または全部を点灯させたり点滅させたりすればよい。時刻t5において、進入報知の終了とともに小当り中演出が終了し、大当り遊技状態への移行に対応して、大当り報知演出などが開始される。
可変入賞装置200から遊技球が排出されたか否かの判断は、次のようにして行われる。可変入賞装置200に進入した遊技球の個数は、上部カウントスイッチ250によってカウントされる。そして、可変入賞装置200に進入した遊技球のうち、回動片253によって保持された1個の遊技球を除いた全ての遊技球は、右側の排出路252を流下し排出カウントスイッチ256によりカウントされる。すなわち、排出カウントスイッチ256でカウントされる遊技球の数は、上部カウントスイッチ250でカウントされた遊技球の数よりも1少ない。このため、排出カウントスイッチ256が、上部カウントスイッチ250での遊技球のカウント数よりも1少ない数の遊技球をカウントしたことが、可変入賞装置200から遊技球が排出されたことの1つの条件になる。さらに、回動片253で保持された遊技球は、ワープ流路251を通り、やがて外リール791の周方向に沿って上方へと搬送される。このように上方へと搬送された遊技球は、通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかに進入して検出スイッチにて検出される。このように、入賞装置800に入賞したことが検出されることが、可変入賞装置200から遊技球が排出されたことのもう1つの条件になる。これら2つの条件を満たすことにより、可変入賞装置200からの遊技球の排出が完了したと判断する。
図24は、可変表示の表示結果が「当り」となる場合に、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始される変動開始から、小当り遊技状態が終了するまでの期間にて、可変表示や各種演出の実行期間などを示している。スーパーリーチにおけるリーチ演出を伴う変動パターンに対応して、時刻t0では、特別図柄や飾り図柄の可変表示(全図柄変動)が開始され、その後、リーチ成立により飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる。続いて、ノーマルリーチにおけるリーチ演出が実行されてから、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行され、時刻t1では、特別図柄や飾り図柄の可変表示における表示結果が導出表示され、変動終了となる。時刻t1にて可変表示の表示結果が「当り」となり、図23で示したように、期間I〜期間IVでは、小当り遊技状態の制御に対応した演出制御が実行される。変動終了の時刻t1から進入検出の時刻t4までの期間TI10は、小当り遊技状態における制御に伴い、特図変動時間や可変表示の表示結果にかかわらず、一定の時間に対応している。変動開始の時刻t0から変動終了の時刻t1までの期間TI11は、変動パターンに応じた特図変動時間に対応している。
進入検出の時刻t4は、特定進入確定期間SK1、通常進入確定期間SK2、進入口不確定期間SK3のいずれに含まれるかに応じて、遊技球が特定領域進入口812に進入する割合が異なる。遊技球が特定領域進入口812に進入した場合には、大当り遊技状態において実行可能なラウンド遊技の上限回数が16回に設定される。これに対し、遊技球が通常領域進入口811、813のいずれかに進入した場合には、大当り遊技状態において実行可能なラウンドの上限回数が3回に設定される。したがって、遊技球が特定領域進入口812を通過した場合には、遊技球が通常領域進入口811、813のいずれかを通過した場合よりも、大当り遊技状態における遊技者にとっての有利度が高くなる。期間TI10は一定の時間に対応しているので、変動開始の時刻t0では、振分部原点検出指定コマンドを受信してからの経過時間と、変動パターンに対応する特図変動時間とにより、進入検出の時刻t4が特定進入確定期間SK1に含まれるか否かを判定することができる。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターンに対応した特図変動時間により、変動開始の時刻t0から変動終了の時刻t1までの期間TI11を特定する。この期間T11に、変動終了の時刻t1から進入検出の時刻t4までの一定の期間TI10を加算することで、変動開始の時刻t0から進入検出の時刻t4までの期間TI20を特定する。期間TI20を特定できれば、振分部原点検出指定コマンドの受信タイミングからの経過時間に応じて、進入検出の時刻t4が特定進入確定期間SK1に含まれるか否かを判定することができる。ただし、演出制御コマンドの送受信にタイミングの誤差が生じることなどにより、実際に特定進入期間SK1となる期間と、演出制御基板12において特定進入確定期間SK1になると推測される期間とが相違する場合がある。そこで、演出制御基板12では、演出制御用CPU120が演出制御プロセス処理のステップS171にて可変表示開始設定処理を実行したときに、主基板11から送信された振分部原点検出指定コマンドの受信タイミングからの経過時間に応じて、タイミングの誤差も考慮しつつ、時刻t4が特定進入確定期間SK1に含まれるか否かに対応して、特定進入確定の有無が判定されればよい。例えば、演出制御用CPU120は、実際の特定進入確定期間SK1よりも短い期間として予め定められた特定進入判定期間にて、特定進入確定ありと判定すればよい。
図25は、変動パターンPA3−2−1〜PA3−2−5に対応して、特定進入確定の有無を判定する場合の制御例などを示すタイミング図である。この制御例において、変動開始の時刻t0は、変動パターンPA3−2−1〜PA3−2−5のいずれに対しても同一の時刻となる。図18に示したように、変動パターンPA3−2−1〜PA3−2−5は、特図変動時間が600ミリ秒ずつ相違するように設定されている。振分部820は、2400ミリ秒すなわち2.4秒の周期で、位置P0〜P6の区間を往復移動する。したがって、振分部原点検出指定コマンドは、およそ2400ミリ秒すなわち2.4秒の周期で、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPA3−2−1〜PA3−2−5のいずれかが指定された場合に、指定された変動パターンに対応する特図変動時間に応じて、変動開始の時刻t0から変動終了の時刻t1までの期間TI11と、変動終了の時刻t1から進入検出の時刻t4までの期間TI10とを含めて、時刻t0から時刻t4までの期間TI20を特定する。また、振分部原点検出コマンドの受信タイミングからの経過時間に応じて、時刻t4が特定進入判定期間に含まれるか否かを判定する。この制御例では、変動パターンPA3−2−1に対応して時刻t41が進入検出の時刻t4となり、変動パターンPA3−2−2に対応して時刻t42が進入検出の時刻t4となり、変動パターンPA3−2−3に対応して時刻t43が進入検出の時刻t4となり、変動パターンPA3−2−4に対応して時刻t44が進入検出の時刻t4となり、変動パターンPA3−2−5に対応して実行t45が進入検出の時刻t4となる。
図25(B1)に示す変動パターンPA3−2−1に対応した時刻t41、図25(B3)に示す変動パターンPA3−2−3に対応した時刻t43、図25(B5)に示す変動パターンPA3−2−5に対応した時刻t45は、特定進入判定期間に含まれない。したがって、これらの場合には、特定進入確定なしと判定される。図25(B2)に示す変動パターンPA3−2−2に対応した時刻t42、図25(B4)に示す変動パターンPA3−2−4に対応した時刻t44は、特定進入判定期間に含まれる。したがって、これらの場合には、特定進入判定ありと判定される。このように、変動パターンに対応する特図変動時間と、振分部原点検出指定コマンドを受信したタイミングからの経過時間とに応じて、特定進入確定の有無を判定すればよい。飾り図柄の可変表示が開始されるときには、特定進入確定の有無を判定した結果に基づいて、リーチ演出内容や確定飾り図柄などを決定することができる。
図26は、可変表示開始設定処理として、演出制御プロセス処理のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理では、可変表示の表示結果が「当り」であるか否かを判定する(ステップS231)。ステップS231では、主基板11から送信された表示結果指定コマンドに基づいて、可変表示の表示結果が「当り」か「ハズレ」かを判定すればよい。可変表示の表示結果が「ハズレ」であり「当り」ではないと判定された場合には(ステップS231;No)、ハズレ可変表示演出を決定する(ステップS232)。ステップS232では、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに応じて、可変表示中の演出内容や確定飾り図柄を決定すればよい。
可変表示の表示結果が「当り」であると判定された場合には(ステップS231;Yes)、原点検出エラーの有無を判定する(ステップS233)。ステップS233では、振分部原点検出エラーフラグの状態に応じて、原点検出エラーの有無を判定すればよい。例えば、振分部原点検出エラーフラグがオンである場合には原点検出エラーありと判定し、振分部原点検出エラーフラグがオフである場合には原点検出エラーなしと判定すればよい。原点検出エラーなしと判定された場合には(ステップS233;No)、進入口通過エラーの有無を判定する(ステップS234)。ステップS234では、進入口通過エラーフラグの状態に応じて、進入口通過エラーの有無を判定すればよい。例えば、進入口通過エラーフラグがオンである場合には進入口通過エラーありと判定し、進入口通過エラーフラグがオフである場合には進入口通過エラーなしと判定すればよい。進入口通過エラーなしと判定された場合には(ステップS234;No)、特定進入確定の有無を判定し(ステップS235)、正常時の当り可変表示演出を決定する(ステップS236)。ステップS235にて特定進入確定の有無を判定する場合には、図24および図25に示したように、変動パターンに対応した特図変動時間や、振分部原点検出指定コマンドの受信タイミングなどに応じて、進入検出の時刻t4が特定進入確定期間SK1に含まれるか否かを判定すればよい。なお、進入検出の時刻t4が特定進入確定期間SK1と同一の期間に含まれる場合に、特定進入確定ありと判定してもよい。あるいは、各種コマンドの受信タイミングなどによる誤差を考慮して、特定進入確定期間SK1よりも短い特定進入判定期間を予め設定しておき、進入検出の時刻t4が特定進入判定期間に含まれる場合に、特定進入確定ありと判定してもよい。原点検出エラーありと判定された場合や(ステップS233;Yes)、進入口通過エラーありと判定された場合には(ステップS234;Yes)、エラー時の当り可変表示演出を決定する(ステップS237)。ステップS236、S237では、当り可変表示演出として、リーチ演出内容や確定飾り図柄を決定すればよい。
ステップS232、S236、S237のいずれかによる演出決定に続いて、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS238)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとして設定する。また、演出制御用CPU120は、ステップS232、S236、S237にて決定された可変表示演出の内容となる演出態様に対応して、複数用意された演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとして設定してもよい。なお、特図変動時演出制御パターンとは別個の演出制御パターンを決定するものに限定されず、各演出の実行設定の組合せに対応した1の演出制御パターンを決定するものであってもよい。
ステップS238により演出制御パターンが決定されると、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS239)。そして、回動表示装置300における3つのリールユニット400、500、600を回転させることにより、飾り図柄の変動となる可変表示を開始させるための設定を行う(ステップS240)。このときには、例えばステップS238にて決定された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)に含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御基板50のVDPに対して伝送させることなどにより、回動表示装置300のリールモータ401、リールモータ771、リールモータ601をオフ状態からオン状態へと変化させ、飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS241)、可変表示開始設定処理を終了する。
回動表示装置300では、飾り図柄の可変表示において表示結果が停止表示される有効ラインとして、いわゆる「5ライン」となる5つの有効ラインが設けられている。例えば、第1有効ラインは、左リールユニット400、中リールユニット500、右リールユニット600における中段のみからなる水平方向の有効ラインである。第2有効ラインは、左リールユニット400、中リールユニット500、右リールユニット600における上段のみからなる水平方向の有効ラインである。第3有効ラインは、左リールユニット400、中リールユニット500、右リールユニット600における下段のみからなる水平方向の有効ラインである。第4有効ラインは、左リールユニット400における下段と、中リールユニット500における中段と、右リールユニット600における上段とからなる斜め方向の有効ラインである。第5有効ラインは、左リールユニット400における上段と、中リールユニット500における中段と、右リールユニット600における下段とからなる斜め方向の有効ラインである。
可変表示の表示結果が「当り」となる場合に対応して表示可能な確定飾り図柄は、青7シングル、青7ダブル、赤7シングル、赤7ダブル、赤7オールを含んでいればよい。青7シングルは、1つの有効ライン上に、青色の数字「7」を示す飾り図柄が揃って停止表示される場合の確定飾り図柄である。青7ダブルは、2つの有効ライン上に、青色の数字「7」を示す飾り図柄が揃って停止表示される場合の確定飾り図柄である。赤7シングルは、1つの有効ライン上に、赤色の数字「7」を示す飾り図柄が揃って停止表示される場合の確定飾り図柄である。赤7ダブルは、2つの有効ライン上に、赤色の数字「7」を示す飾り図柄が揃って停止表示される場合の確定飾り図柄である。赤7オールは、5つの有効ライン上すべてに、赤色の数字「7」を示す飾り図柄が揃って停止表示される場合の確定飾り図柄である。
図27は、可変表示開始設定処理のステップS236にて正常時の当り可変表示演出を決定する場合の決定例を示している。図27(A)は、当り可変表示演出のうち、リーチ演出内容を決定する場合の決定割合を示している。図27(B)は、当り可変表示演出のうち、確定飾り図柄を決定する場合の決定割合を示している。
リーチ演出内容は、変動パターン内容や特定進入確定の有無に応じて、リーチ演出決定テーブルのテーブルデータなどで設定された決定割合により決定される。変動パターン内容は、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに応じて、「ノーマルのみ」と「スーパー含む」とがあればよい。変動パターン内容が「ノーマルのみ」の場合は、ノーマルリーチにおけるリーチ演出が実行されてスーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されない。変動パターン内容が「スーパー含む」の場合は、ノーマルリーチにおけるリーチ演出が実行された後にスーパーリーチにおけるリーチ演出が実行される。変動パターン内容が「ノーマルのみ」である場合には、特定進入確定の有無にかかわらず、リーチ演出内容が「ノーマル」に決定される。変動パターン内容が「スーパー含む」である場合には、特定進入確定の有無に応じて異なる割合により、リーチ演出内容が「スーパーA」、「スーパーB」、「スーパーC」のいずれかに決定される。リーチ演出決定テーブルでは、リーチ演出決定用の乱数値と比較される判定値が、変動パターン内容および特定進入確定の有無に応じて、リーチ演出内容の決定結果に割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、リーチ演出決定用の乱数値を抽出して判定値と比較し、いずれの判定値の範囲に乱数値が含まれるかの判定結果に応じて、リーチ演出内容を決定すればよい。
図27(A)に示す決定例において、変動パターン内容が「スーパー含む」で特定進入確定なしの場合には、「スーパーA」の決定割合が最も高くなり、「スーパーB」、「スーパーC」の順に決定割合が低くなる。変動パターン内容が「スーパー含む」で特定進入確定ありの場合には、「スーパーC」の決定割合が最も高くなり、「スーパーB」、「スーパーC」の順に決定割合が低くなる。このような決定割合の設定により、リーチ演出内容が「スーパーC」となるリーチ演出が実行された場合には、遊技球が特定領域進入口812に進入する割合が最も高くなる。リーチ演出内容が「スーパーB」となるリーチ演出が実行された場合には、遊技球が特定領域進入口812に進入する割合が「スーパーC」の場合よりも低くなる。リーチ演出内容が「スーパーA」となるリーチ演出が実行された場合には、遊技球が特定領域進入口812に進入する割合が最も低くなる。このように、リーチ演出内容に応じて、遊技球が特定領域進入口812に進入する割合を異ならせることにより、遊技者にとって有利な特典が付与される期待感を異ならせることができる。
確定飾り図柄は、特定進入確定の有無に応じて、確定図柄決定テーブルのテーブルデータなどで設定された決定割合により決定される。確定図柄決定テーブルでは、確定図柄決定用の乱数値と比較される判定値が、特定進入確定の有無に応じて、確定飾り図柄の決定結果に割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、確定図柄決定用の乱数値を抽出して判定値と比較し、いずれの判定値の範囲に乱数値が含まれるかの判定結果に応じて、確定飾り図柄を決定すればよい。
図27(B)に示す決定例において、特定進入確定なしの場合には、青7シングルや赤7シングルの決定割合が、青7ダブルや赤7ダブルの決定割合よりも高くなる。また、特定進入確定なしの場合には、赤7オールの決定割合が0であり、赤7オールには決定されない。特定進入確定ありの場合には、青7ダブルや赤7ダブルの決定割合が、青7シングルや赤7シングルの決定割合よりも高くなる。また、特定進入確定ありの場合には、赤7オールの決定割合が20/100であり、赤7オールに決定可能となる。このような決定割合の設定により、確定飾り図柄が青7ダブルや赤7ダブルとなった場合には、確定飾り図柄が青7シングルや赤7シングルとなった場合よりも、遊技球が特定領域進入口812に進入する割合が高くなる。また、確定飾り図柄が赤7オールとなった場合には、遊技球が特定領域進入口812に進入することが確定する。このように、確定飾り図柄に応じて、遊技球が特定領域進入口812に進入する割合を異ならせることにより、遊技者にとって有利な特典が付与される期待感を異ならせることができる。
回動表示装置300による飾り図柄の可変表示において、確定飾り図柄として赤7オールが導出表示された場合には、特定進入確定ありに対応して、進入検出の時刻t4が特定進入確定期間SK1に含まれる。このように、回動表示装置300において、確定飾り図柄として赤7オールが導出表示される飾り図柄の可変表示は、小当り遊技状態において開放状態となった上部大入賞口260から可変入賞装置200の内部に進入した1個の遊技球が特定領域進入口812を通過することを報知する報知演出となる。回動表示装置300による飾り図柄の可変表示において、確定飾り図柄として青7ダブルや赤7ダブルが導出表示された場合には、青7シングルや赤7シングルが導出表示された場合よりも高い割合で、特定進入確定ありとなって、進入検出の時刻t4が特定進入確定期間SK1に含まれる。この場合に、回動表示装置300において、確定飾り図柄として青7ダブルや赤7ダブルが導出表示される飾り図柄の可変表示は、確定飾り図柄として青7ダブルや赤7ダブルが導出表示される飾り図柄の可変表示よりも、小当り遊技状態において遊技球が特定領域進入口812を通過する可能性が高いことを示唆する示唆演出となる。また、回動表示装置300による飾り図柄の可変表示において、「スーパーC」のリーチ演出内容となるスーパーリーチにおけるリーチ演出が実行された場合には、「スーパーB」や「スーパーA」のリーチ演出内容となるスーパーリーチにおけるリーチ演出が実行された場合よりも高い割合で、特定進入確定ありとなって、進入検出の時刻t4が特定進入確定期間SK1に含まれる。したがって、回動表示装置300において、「スーパーC」のリーチ演出内容となるスーパーリーチにおけるリーチ演出を伴う飾り図柄の可変表示は、「スーパーB」や「スーパーA」のリーチ演出内容となるスーパーリーチにおけるリーチ演出を伴う飾り図柄の可変表示よりも、小当り遊技状態において遊技球が特定領域進入口812を通過する可能性が高いことを示唆する示唆演出となる。報知演出が実行される場合を除いて、示唆演出が実行された場合には、示唆演出が実行されない場合よりも、遊技球が特定領域進入口812を通過する割合が高い。
特定進入確定の有無は、可変表示開始設定処理のステップS235にて、変動パターンに対応する特図変動時間と、振分部原点検出指定コマンドを受信したタイミングからの経過時間とに応じて、判定することができる。これに対し、可変表示開始設定処理のステップS233にて原点検出エラーありと判定された場合には、振分部原点検出指定コマンドの受信に異常が発生しているので、特定進入確定の有無を正確に判定することができない。そのため、ステップS233にて原点検出エラーありと判定された場合には、ステップS235による特定進入確定の有無を判定することなく、ステップS237に進み、エラー時の当り可変表示演出が決定される。また、可変表示開始設定処理のステップS234にて進入口通過エラーありと判定された場合にも、通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813を含めた入賞装置本体810や振分部820といった、入賞装置800の一部または全部に異常が発生している可能性が高いので、たとえ振分部原点検出指定コマンドは正常に受信できていたとしても、特定進入確定の有無を正確に判定できないおそれがある。そこで、ステップS234にて進入口通過エラーありと判定された場合にも、ステップS235による特定進入確定の有無を判定することなく、ステップS237に進み、エラー時の当り可変表示演出が決定される。
図28は、可変表示開始設定処理のステップS237にてエラー時の当り可変表示演出を決定する場合の決定例を示している。図28(A)は、当り可変表示演出のうち、リーチ演出内容を決定する場合の決定割合を示している。図28(B)は、当り可変表示演出のうち、確定飾り図柄を決定する場合の決定割合を示している。
図28(A)に示す決定例において、変動パターン内容が「スーパー含む」の場合には、特定進入確定の有無にかかわらず、図27(A)に示す決定例で特定進入確定なしの場合と同様の割合により、リーチ演出内容が「スーパーA」、「スーパーB」、「スーパーC」のいずれかに決定される。例えば、可変表示開始設定処理のステップS233にて原点検出エラーありと判定された場合には、振分部820の原点検出に異常が発生しているので、振分部820が原点位置を通過するタイミングは正確に特定することができない。この場合、小当り遊技状態にて開放状態となった上部大入賞口260から可変入賞装置200の内部に進入した遊技球は、特定領域進入口812に進入するか否かを、可変表示の開始時には正確に判定することが不可能あるいは困難になる。また、可変表示開始設定処理のステップS234にて進入口通過エラーありと判定された場合には、入賞装置800の一部または全部に異常が発生しているおそれがあるので、小当り遊技状態にて遊技球が特定領域進入口812を通過するか否かを、可変表示の開始時には正確に判定することが不可能あるいは困難になる。そこで、可変表示開始設定処理のステップS237では、リーチ演出内容の決定割合を図28(A)に示すような決定割合とすることにより、遊技球が特定領域進入口812に進入することに対する遊技者の期待感が不適切に高められてしまうことを防止する。
図28(B)に示す決定例において、確定飾り図柄は、赤7オールや赤7ダブルに決定されないように、決定割合が設定されている。確定飾り図柄として赤7オールが導出表示される飾り図柄の可変表示は、小当り遊技状態において遊技球が特定領域進入口812を通過することを報知する報知演出である。原点検出エラーや進入口通過エラーが発生した場合には、小当り遊技状態にて遊技球が特定領域進入口812を通過するか否かを、可変表示の開始時には正確に判定することが不可能あるいは困難になる。そこで、可変表示開始設定処理のステップS237では、確定飾り図柄が赤7オールや赤7ダブルに決定されないような決定割合とすることにより、遊技球が特定領域進入口812に進入することに対する遊技者の期待感が不適切に高められてしまうことを防止する。確定飾り図柄として赤7オールが導出表示される飾り図柄の可変表示は、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生していない場合に、特定進入確定ありの判定結果に基づいて、図27(B)に示された20/100の割合で決定可能となる。その一方で、確定飾り図柄として赤7オールが導出表示される飾り図柄の可変表示は、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生した場合という範囲や限界を定めて、決定割合が0となることで、実行されないように制限が設けられている。確定飾り図柄として赤7ダブルが導出表示される飾り図柄の可変表示は、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生していない場合に、図27(B)に示された特定進入確定なしの判定結果に基づいて5/100の割合で決定可能となり、特定進入確定ありの判定結果に基づいて35/100の割合で決定可能となる。他方において、確定飾り図柄として赤7ダブルが導出表示される飾り図柄の可変表示は、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生した場合という範囲や限界を定めて、決定割合が0となることで、実行されないように制限が設けられている。
確定飾り図柄として赤7オールが導出表示される飾り図柄の可変表示は、小当り遊技状態において遊技球が特定領域進入口812を通過することを報知する報知演出となる。図28(B)に示すような決定割合でエラー時の当り可変表示演出に含まれる確定飾り図柄が決定されることにより、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生した場合という範囲や限界を定めて、報知演出が実行されないという制限を設けることができる。確定飾り図柄として赤7ダブルが導出表示される飾り図柄の可変表示は、確定飾り図柄として青7ダブルが導出表示される飾り図柄の可変表示とともに、小当り遊技状態において遊技球が特定領域進入口812を通過する割合が、青7シングルや赤7シングルの確定飾り図柄となる場合よりも高いことを示唆する示唆演出に含まれる。図28(B)に示すような決定割合でエラー時の当り可変表示演出に含まれる確定飾り図柄が決定されることにより、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生した場合という範囲や限界を定めて、示唆演出の一部が実行されないという制限を設けることができる。
演出制御メイン処理のステップS55にて実行されるサブ側エラー処理では、ステップS212にてエラー解除条件が成立したと判定された場合に、ステップS213によるエラー解除設定が行われる。演出制御基板12のRAM122がバックアップ電源によりバックアップされない場合には、パチンコ遊技機1の電源再投入によりRAM122の記憶内容が消去されることで、エラー状態が解除されてもよい。原点検出エラーと進入口通過エラーの一方または双方は、パチンコ遊技機1への電力供給が停止した後に電力供給が再開され、遊技制御メイン処理にてステップS15の初期化設定処理が実行されず、主基板11から送信される初期化指定コマンドを受信しなかった場合に、エラー状態が解除されてもよい。この場合には、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生すると、例えば一旦はパチンコ遊技機1の電源を遮断した後に、入賞装置本体810や振分部820といった入賞装置800の内部で、異物の除去などにより異常の原因を解消してから、再びパチンコ遊技機1の電源を投入すれば、原点検出エラーや進入口通過エラーを解除できる。原点検出エラーや進入口通過エラーを解除すれば、可変表示開始設定処理のステップS236にて正常時の当り可変表示演出を決定でき、報知演出を実行しないようにした制限も解除することができる。こうして、異常の原因が解消された場合には、報知演出の制限を確実に解除可能にして、報知演出の実行による遊技興趣を向上させることができる。
あるいは、原点検出エラーと進入口通過エラーの一方または双方は、パチンコ遊技機1への電力供給が停止した後に電力供給が再開され、遊技制御メイン処理にてステップS15の初期化設定処理が実行されたことに対応して、主基板11から送信された初期化指定コマンドを受信した場合に、エラー状態が解除されてもよい。原点検出エラーに対応する振分部820の動作異常や、進入口通過エラーに対応する外リール791の動作異常などは、振分部用モータ830や外リール用モータ793といったモータの動作異常や、入賞装置800を含めた可変入賞装置200や回動表示装置300の配置誤差といった、パチンコ遊技機1の構成が原因となって発生する場合がある。このような場合には、パチンコ遊技機1の電源再投入だけでは、異常の原因が解消されない状況となることもある。そこで、遊技制御メイン処理にてステップS15の初期化設定処理が実行されたことを条件に、原点検出エラーや進入口通過エラーを解除可能とする。こうして、異常の原因が確実に解消されるまでは、報知演出の実行を制限して、不適切な報知演出の実行による遊技興趣の低下を防止することができる。
(効果等について)
以上説明したように、パチンコ遊技機1では、可変表示開始設定処理のステップS233にて原点検出エラーありと判定された場合に、ステップS237にてエラー時の当り可変表示演出を決定することで、確定飾り図柄として赤7オールが導出表示される飾り図柄の可変表示といった、報知演出の実行を制限する。これにより、遊技球が特定領域進入口812を通過することが確定する特定進入確定の有無を判定できない場合に、報知演出が不適切に実行されてしまわないように制限されるので、適切な演出を実行することで遊技興趣を向上させることができる。
また、パチンコ遊技機1では、可変表示開始設定処理のステップS234にて進入口通過エラーありと判定された場合に、ステップS237にてエラー時の当り可変表示演出を決定することで、確定飾り図柄として赤7オールが導出表示される飾り図柄の可変表示といった、報知演出の実行を制限する。これにより、遊技球が特定領域進入口812を通過することが確定する特定進入確定の有無を判定することが不可能または困難な場合に、報知演出が不適切に実行されてしまわないように制限されるので、適切な演出を実行することで遊技興趣を向上させることができる。
原点検出エラーや進入口通過エラーは、パチンコ遊技機1への電力供給が停止した後に電力供給が再開され、遊技制御メイン処理にてステップS15の初期化設定処理が実行されず、主基板11から送信される初期化指定コマンドを受信しなかった場合に、エラー状態が解除されてもよい。このような電源遮断からの復旧により原点検出エラーや進入口通過エラーが解除されることで、可変表示開始設定処理のステップS236にて正常時の当り可変表示演出を決定して報知演出を実行可能とするための復帰条件が成立する。報知演出の実行を制限しているときにパチンコ遊技機1への電力供給が停止した後に電力供給が再開され、少なくとも初期化設定処理が実行されなかった場合に復帰条件が成立するので、異常の原因を解消すれば確実に制限を解除して、報知演出を適切に実行でき、報知演出の実行による遊技興趣を向上させることができる。
あるいは、原点検出エラーや進入口通過エラーは、パチンコ遊技機1への電力供給が停止した後に電力供給が再開され、遊技制御メイン処理にてステップS15の初期化設定処理が実行されたことに対応して、主基板11から送信された初期化指定コマンドを受信した場合に、エラー状態が解除されてもよい。このような初期化設定処理の実行に基づいて原点検出エラーや進入口通過エラーが解除されることで、可変表示開始設定処理のステップS236にて正常時の当り可変表示演出を決定して報知演出を実行可能とするための復帰条件が成立する。報知演出の実行を制限しているときにパチンコ遊技機1への電力供給が停止した後に電力供給が再開され、初期化設定処理が実行された場合に復帰条件が成立するので、異常の原因が確実に解消されてから、報知演出を適切に実行でき、報知演出の実行による遊技興趣を向上させることができる。
パチンコ遊技機1では、例えば外リール791と振分部820といった、複数の可動部材の動作状態を制御可能であり、サブ側エラー処理のステップS205では、振分部820に異常が発生したことに基づいて原点検出エラー設定が行われる。その後、可変表示開始設定処理のステップS233にて原点検出エラーありと判定された場合に、ステップS237にてエラー時の当り可変表示演出を決定することで、報知演出の実行を制限する。これにより、複数の可動部材のうちでも、特に報知演出の実行と関連性が高い振分部820の異常が発生した場合に、報知演出の実行を制限するので、報知演出が不適切に実行されることを防止して、適切な演出を実行することで遊技興趣を向上させることができる。
パチンコ遊技機1では、例えば回動表示装置300といった、可動演出装置の動作により報知演出を実行可能である。これにより、報知演出を適切に実行でき、報知演出の実行による遊技興趣を向上させることができる。
(変形および応用等について)
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変更および応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
上記実施の形態では、小当り遊技状態であるときに、通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかに遊技球が進入したことに基づいて、大当り遊技状態に制御されるものとして説明した。これに対し、特定領域進入口812に遊技球が進入した場合には大当り遊技状態に制御可能となる一方で、通常領域進入口811、813のいずれかに遊技球が進入した場合には、大当り遊技状態に制御されずに、小当り遊技状態が終了してもよい。この場合、遊技球が特定領域進入口812を通過した場合には、大当り遊技状態に制御されてラウンド遊技が実行可能になることで、遊技者にとって有利な特典が付与される。また、遊技球が通常領域進入口811、813を通過した場合には大当り遊技状態に制御されずに小当り遊技状態が終了するのに対し、特定領域進入口812を通過した場合には大当り遊技状態に制御されるので、遊技者にとっての有利度が高くなる。
可変表示の表示結果が「当り」となる場合には、表示結果が「大当り」になる場合と、表示結果が「小当り」になる場合とが含まれてもよい。可変表示の表示結果が「大当り」となった場合には、上記実施の形態における大当り遊技状態に制御されるのに対し、可変表示の表示結果が「小当り」となった場合には、上記実施の形態における小当り遊技状態に制御されてもよい。この場合に、遊技盤2の裏面に設けられた設定キーと設定切替スイッチを用いて、パチンコ遊技機1における大当りの当選確率(出玉率)に関する設定値を切替可能にしてもよい。例えば、設定値は1〜3の3段階からなり、1が最も出玉率が低く、1、2、3の順に値が大きくなるに従って出玉率が高くなる。このような出玉率の相違により、設定値として1が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が低く、2、3の順に値が大きくなるに従って有利度が段階的に高くなる。設定値が1である場合に対応する表示結果判定テーブルを用いるときには、設定値が2、3である場合よりも低い確率(非確変時は1/320、確変時は1/32)で大当りに当選する。設定値が2である場合に対応する表示結果判定テーブルを用いるときには、設定値が1である場合よりも高く設定値が3である場合よりも低い確率(非確変時は1/300、確変時は1/30)で大当りに当選する。設定値が3である場合に対応する表示結果判定テーブルを用いるときには、設定値が1、2である場合よりも高い確率(非確変時は1/280、確変時は1/28)で大当りに当選する。あるいは、確変状態に制御された後、可変表示の実行回数が確変終了回数に達するまで確変状態に制御されるパチンコ遊技機1の場合に、同じ確変終了回数であれば、設定値が1の場合に最も確変継続率(連チャン率)が低く、1、2、3の順に値が大きくなるに従って確変継続率(連チャン率)が高くなるものであってもよい。
あるいは、遊技盤2の裏面に設けられた設定キーと設定切替スイッチを用いて、上記実施の形態における可変表示の表示結果が「当り」となる当選確率に関する設定値を切替可能にしてもよい。この場合に、設定値が1であれば可変表示の表示結果が「当り」となる当選確率が最も低く、1、2、3の順に値が大きくなるに従って当選確率が高くなるものであってもよい。設定値に応じて、上部大入賞口開閉における開閉パターンの有利度が異なるものであってもよい。設定値に応じて、可変入賞装置200の内部に設けられた可動部材(例えば外リール791、振分部820など)による動作パターンの有利度が異なるものであってもよい。設定値に応じて、例えば確定飾り図柄として赤7オールが導出表示される飾り図柄の可変表示といった、遊技球が特定領域進入口812を通過することを報知する報知演出の実行割合が異なるものであってもよい。設定値が1である場合には、大当りに当選する確率が最も低くなる一方で報知演出の実行割合が最も高くなり、1、2、3の順に設定値が大きくなるに従って、大当りに当選する確率が高くなる一方で報知演出の実行割合が低くなるようにしてもよい。遊技者にとっての有利度を変更可能な複数の遊技要素や演出要素がある場合に、設定値に応じた有利度の相違は、複数の遊技要素や演出要素に応じて任意の組合せとなるものであればよい。
原点検出エラーは振分部原点検出指定コマンドを正常に受信できなかった場合に発生するものに限定されず、外リール原点検出指定コマンドを正常に受信できなかった場合にも発生するものとしてもよい。その他、例えば開閉蓋270あるいは回動片253といった、可変入賞装置200の内部または外部に設けられた任意の可動部材について原点位置の通過検出を可能とし、対応する原点検出指定コマンドを正常に受信できなかった場合に、原点検出エラーが発生するものとしてもよい。このように、原点検出エラーを発生させる可動部材は、振分部820や外リール791に限定されず、回動片253その他の可変入賞装置200の内部に設けられて遊技球の誘導や搬送、振分などを可能にする任意の可動部材であればよい。振分部820は位置P0〜P6の区間を往復移動するものに限定されず、例えば回転や回動の動作により遊技球の振分を可能にするものであってもよい。
上記実施の形態では、確定飾り図柄として赤7オールが導出表示される飾り図柄の可変表示は、遊技球が特定領域進入口812を通過することを報知する報知演出となるものとして説明した。これに対し、報知演出は、飾り図柄の可変表示により実行されるものに限定されず、例えばセグメント演出表示器510による表示、スピーカ8L、8Rによる音声、遊技効果ランプ9の点灯、演出用可動部材の動作、あるいは、これらの一部または全部の組合せにより、各種の演出装置を用いて実行可能な演出であってもよい。
遊技効果ランプ9は、回動表示装置300の周囲に配置された演出用報知ランプを含んでいてもよい。演出用報知ランプは、例えば遊技球待機部797aで待機する遊技球が近接センサ750により検出されたときに、特定進入確定の有無に応じた割合で決定された発光色で、点灯するものであればよい。演出用報知ランプの発光色は、例えば図27(B)や図28(B)に示した確定飾り図柄の場合と同様に、特定進入確定の有無に応じて異なる割合で決定すればよい。より具体的に、図27(B)や図28(B)に示す青7シングルを白色の発光色に置換し、青7ダブルを青色の発光色に置換し、赤7シングルを緑色の発光色に置換し、赤7ダブルを黄色の発光色に置換し、赤7オールを赤色の発光色に置換した発光色決定テーブルを用意すればよい。可変表示開始設定処理のステップS236、S237では、当り可変表示演出として、あるいは、当り可変表示演出とは異なる演出として、演出用報知ランプの発光色を決定すればよい。なお、可変表示開始設定処理のステップS236、S237にて演出用報知ランプの発光色を決定するものに限定されず、例えば演出制御プロセス処理のステップS175にて実行される小当り中演出処理は、特定進入確定の有無などに応じて演出用報知ランプの発光色を決定する処理を含んでいてもよい。このような演出用報知ランプの発光色が赤色となる演出は、小当り遊技状態において遊技球が特定領域進入口812を通過することを報知する報知演出となる。この場合にも、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生した場合という範囲や限界を定めて、演出用報知ランプの発光色が赤色となる報知演出が実行されないという制限を設けることができる。演出用報知ランプの発光色が黄色となる演出は、演出用報知ランプの発光色が緑色となる演出とともに、小当り遊技状態において遊技球が特定領域進入口812を通過する割合が、演出用報知ランプを白色や青色で発光させる場合よりも高いことを示唆する示唆演出に含まれる。この場合にも、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生したことにより、演出用報知ランプの発光色が黄色となる演出の決定割合を0とすることで、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生した場合という範囲や限界を定めて、示唆演出の一部が実行されないという制限を設けることができる。
回動表示装置300に代えて、あるいは、回動表示装置300とともに、演出用可動部材の動作により、大当り遊技状態に制御されることを報知可能にしてもよい。演出用可動部材は、例えば遊技球待機部797aで待機する遊技球が近接センサ750により検出されたときに、特定進入確定の有無に応じた割合で決定された動作パターンに従って、動作するものであればよい。演出用可動部材の動作パターンは、例えば図27(B)や図28(B)に示した確定飾り図柄の場合と同様に、特定進入確定の有無に応じて異なる割合で決定すればよい。このような演出用可動部材の動作パターンは、小当り遊技状態において遊技球が特定領域進入口812を通過することを報知する報知演出に対応した特定動作パターンを含んでいてもよい。この場合にも、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生した場合という範囲や限界を定めて、演出用可動部材が特定動作パターンに従って動作する報知演出が実行されないという制限を設けることができればよい。また、演出用可動部材の動作パターンは、第1動作パターンや第2動作パターンとなる場合に、小当り遊技状態において遊技球が特定領域進入口812を通過する割合が、第3動作パターンや第4動作パターンとなる場合よりも高いことを示唆する示唆演出に対応した動作パターンを含んでいてもよい。この場合にも、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生したことにより、第1動作パターンの決定割合を0とすることで、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生した場合という範囲や限界を定めて、示唆演出の一部が実行されないという制限を設けることができればよい。
上記実施の形態では、図20に示されたサブ側エラー処理において、ステップS201〜S205により原点検出エラーを設定可能とし、ステップS206〜S209により進入口通過エラーを設定可能にするものとして説明した。これに対し、ステップS201〜S205により原点検出エラーを設定可能とする処理や、ステップS206〜S209により進入口通過エラーを設定可能とする処理は、一方または双方が、図15に示された遊技制御用タイマ割込み処理のステップS32にて実行されるメイン側エラー処理に含まれてもよい。例えば、ステップS201〜S205により原点検出エラーを設定可能とする処理がメイン側エラー処理に含まれる場合に、ステップS205の原点検出エラー設定は、主基板11から演出制御基板12に対して、原点検出エラーに対応したエラー報知/解除指定コマンドを送信するためのコマンド送信設定を含んでいればよい。また、ステップS206〜S209により進入口通過エラーを設定可能とする処理がメイン側エラー処理に含まれる場合に、ステップS209の進入口通過エラー設定は、主基板11から演出制御基板12に対して、進入口通過エラーに対応したエラー報知/解除指定コマンドを送信するためのコマンド送信設定を含んでいればよい。演出制御基板12の側では、原点検出エラーに対応したエラー報知/解除指定コマンドを受信した場合に、原点検出エラーフラグをオン状態に設定するといった、原点検出エラーの発生に対応した設定ができればよい。また、演出制御基板12の側では、進入口通過エラーに対応したエラー報知/解除指定コマンドを受信した場合に、進入口通過エラーフラグをオン状態に設定するといった、進入口通過エラーの発生に対応した設定ができればよい。
原点検出エラーや進入口検出エラーの解除により報知演出を実行可能にする復帰条件について、原点検出エラーや進入口検出エラーが発生した後には、いかなる場合にも復帰条件を成立させず、報知演出の実行を制限した状態が継続されてもよい。あるいは、演出リセット用のスイッチを設け、この演出リセット用のスイッチが操作された場合に、復帰条件が成立して、報知演出を実行可能となるようにしてもよい。複数の可動部材に応じて、異なる復帰条件が設定されてもよい。例えば原点検出エラーが発生した後には、パチンコ遊技機1の電源再投入によりエラー状態が解除されて、復帰条件が成立可能であるのに対し、進入口検出エラーが発生した後には、演出リセット用スイッチの操作によりエラー状態が解除されて、復帰条件が成立可能であってもよい。
上記実施の形態では、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生した場合に、報知演出を実行しない制限を設けたり、示唆演出の一部を実行しない制限を設けるものとして説明した。これに対し、報知演出や示唆演出の制限は、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生した場合という範囲や限界に対応して、任意の制限が設けられるものであってもよい。例えば、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生した場合には、これらのエラーが発生していない場合よりも、報知演出や示唆演出の実行割合が低くなる制限を設けてもよい。あるいは、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生した場合には、これらのエラーが発生していない場合よりも、報知演出や示唆演出を認識困難になる制限を設けてもよい。具体的な一例として、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生した場合には、回動表示装置300の内部に設けられたリールランプを消灯したり、リールランプの点灯量(輝度)を低下させたりすることで、飾り図柄の可変表示において導出表示される確定飾り図柄を視認しにくくする制限が設けられてもよい。その他、スピーカ8L、8Rから出力される音声の音量を低下させること、遊技効果ランプ9の点灯量(輝度)を低下させること、演出用可動部材の動作量を低下させること、あるいは、これらの一部または全部の組合せにより、報知演出や示唆演出を認識困難になる制限を設けてもよい。
上記実施の形態では、凸部面273を開閉蓋270の中央に設けていた。しかしながら、凸部面273の開閉蓋における位置は、任意とすることができる。凸部面の形成位置が開閉蓋の中央に位置しない遊技機について、図29を参照しながら説明する。なお、本実施形態に係る遊技機の構成の大部分は、上記実施の形態の遊技機の構成と同様である。そのため、両実施形態で異なる構成を中心に説明するものとし、同一の構成あるいは自明の構成については説明を省略する。図29は、凸部面の形成位置が開閉蓋を示し、図29(a)は正面図、図29(b)は上方からみた図である。
この構成例において、遊技機の開閉蓋370は、図29(a)に示すように、凸部面373の形成位置が開閉蓋370の中央ではなく右側に寄っている。そのため、第1傾斜面371aは、第1傾斜面371bより長い。また、開閉蓋370は、傾斜角度が大きい第2傾斜面372a、372bと、第2傾斜面372aと第2傾斜面372bとを接続し開閉蓋370の頂部を構成する曲面状の凸部面373とを有している。
図29(b)に示すように、凸部面373によって左側に振り分けられた遊技球P10は、流路に向けて交互に突出したベース板330に形成された突起部333と第1前面板310に形成された突起部318との隙間を縫いながら蛇行する。また、右側に振り分けられた遊技球P10も、流路に向けて交互に突出したベース板330に形成された突起部334と第1前面板310に形成された突起部317との隙間を縫いながら蛇行する。なお、第1傾斜面371aは第1傾斜面371bよりも長いため、対応する突起部もより多く配置されている。
このような可変入賞装置は、例えば、遊技盤2の右側に配置し、左側に振り分けられて遊技盤の中央に戻る遊技球は入賞口に進入する可能性を残させ、右側に振り分けられた遊技球はアウト口に進入するように構成してもよい。これにより、可変入賞装置で左右どちらに遊技球が振り分けられるかについて遊技者に注目させることができる。
上記実施の形態では、上部大入賞口260を有する可変入賞装置200を遊技領域の上部中央に設ける場合について説明した。しかしながら、可変入賞装置200は任意の位置に配置することができる。例えば図30に示すように、可変入賞装置900を、入賞球装置6Aの下方に設け、大入賞口を有する特別可変入賞球装置として用いている。可変入賞装置900は、大当り遊技状態で図示しない開閉蓋を開放位置にして大入賞口を開放状態とする。開放状態は、所定期間(例えば29秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続する。可変入賞装置900は、大当たり遊技状態以外では、開閉蓋を閉鎖位置にして大入賞口を閉鎖状態とする。なお可変入賞装置900においては、図4に示す通過口230a以降のワープ流路251、排出路252の構成は不要であり、通過口を通過した遊技球をそのまま回収するようにすればよい。また、開放状態の期間は、例えば29秒間と上記実施の形態よりも長いため、開閉蓋上に多くの遊技球を留めておくための突起部217、218、233、234は設けなくてもよい。
また、可変入賞装置は、遊技球が所定のゲートを通過したことにより開閉蓋を開放する入賞球装置として遊技盤に配置してもよい。このような可変入賞装置を遊技領域の下部に設けることで、何れの入賞口に進入せずにアウト口に取り込まれてしまうと思われた遊技球が、突然開放状態となった可変入賞装置に進入させることができる。これにより、最後まで遊技領域を流下する遊技球の動きに注目させることができる。
開閉蓋270は、傾斜角度の小さな第1傾斜面271a、271bと、傾斜角度の大きな第2傾斜面272a、272bとを有し、傾斜角度の異なる傾斜面271a、271b、272a、272bを隣接させていた。しかしながら、開閉蓋の傾斜面を中央に向けて徐々に傾斜角度が大きくなるように構成して、遊技球の逆流を防止するようにしてもよい。開閉蓋270の両端部に形成された屈曲部274の下方に突出した部位の断面形状は半円状であるとしたが、開閉蓋用開口230aとの接触範囲を小さくできるのであれば、その断面形状は限定されない。例えば、三角形状として、その頂点で開閉蓋用開口230aと接触するようにしてもよい。開閉蓋270の頂部を構成する凸部面273は曲面状であるとしたが、遊技球が衝突することにより局所的に高い力が作用しない形状であればよく、例えば平面状であってもよい。開閉蓋270の両端に屈曲部274を形成することで、開閉蓋270端部の補強と、可変入賞装置200に対する不正の抑制とを実現していたが、その他の方法で実現するようにしてもよい。例えば、両端に向かうにつれて開閉蓋270の厚みを厚くするようにして、開閉蓋270端部の補強と、可変入賞装置200に対する不正の抑制とを実現してもよい。
上記実施の形態では、遊技者にとって有利な特典が付与される有利状態として、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が3回よりも多い16回になるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、大当り遊技状態などの特定遊技状態に制御されることで特典が付与される有利状態となってもよいし、確変状態などの特別遊技状態に制御されることで特典が付与される有利状態となってもよい。あるいは、複数の時短状態のうちで実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となる時短状態に制御されることで特典が付与される有利状態となってもよいし、複数の確変状態のうち大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となる確変状態に制御されることで特典が付与される有利状態となってもよい。その他、遊技者にとって有利な任意の遊技状態に制御されることで特典が付与される有利状態となるものであればよい。
特別図柄や飾り図柄は、複数種類の識別情報として可変表示されるものに限定されない。例えば第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bは、複数のLEDを用いて構成され、特別図柄の可変表示中には、複数のLEDのうちで特定(単一)のLEDのみが点灯と消灯とを繰り返し、他のLEDは消灯された状態を維持する。そして、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、点灯と消灯とを繰り返したLEDが所定の発光色で発光(点灯)した状態を維持すること、あるいは消灯した状態を維持することで、特別図柄を停止表示する。このとき、他のLEDは消灯された状態を維持する。これに対し、可変表示結果が「大当り」となる場合には、複数のLEDのうちで一部または全部のLEDが点灯する所定の点灯パターンとなることで、特別図柄を停止表示する。このように、特別図柄や飾り図柄の可変表示中には、特定(単一)の図柄が表示と非表示とに切り替えられる一方、他の図柄は非表示の状態が維持されるようにしてもよい。そして、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄(確定特別図柄や確定飾り図柄)として、複数種類の図柄のいずれかが導出表示(停止表示)されるものであってもよい。また、例えば第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bは、7セグメントLEDを用いて構成され、特別図柄の可変表示中には、「−」を示す記号の表示(点灯)と非表示(消灯)とを繰り返し、他の数字や記号は表示されないようにしてもよい。そして、特別図柄の可変表示結果としては、「−」を示す記号が停止表示されることはなく、「1」〜「9」を示す数字や、その他の記号などを含む所定の点灯パターンとなることで、特別図柄を停止表示する。すなわち、特別図柄や飾り図柄の可変表示中には、可変表示結果としては停止表示されない図柄が表示と非表示とに切り替えられる一方、他の図柄は非表示の状態が維持されるようにしてもよい。その他にも、本願発明は、任意の可変表示を行う遊技機にも適用することができる。
パチンコ遊技機1としては、特別図柄や飾り図柄の可変表示を行わないものであってもよい。一例として、遊技領域に設けられた始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出されたことに基づいて、遊技領域に設けられた可変入賞装置を閉鎖状態(第2状態)から開放状態(第1状態)へと変化させ、可変入賞装置の内部に進入した遊技球が複数の領域のうちの特定領域(V入賞口)に進入したときに、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御されるように構成されたものであってもよい。このような構成において、振分部820と同様の可動部材を移動可能とし、可動部材の動作異常と判定された場合に、復帰条件が成立するまで報知演出の実行を制限してもよい。
上記実施の形態において、各種の決定が行われる「割合」や「確率」は、例えば70:30といった、各決定結果となる可能性が0%(決定されることがない)や100%(必ず決定される)にはならないように設定されてもよいし、少なくともいずれかの決定結果となる可能性が0%(決定されることがない)や100%(必ず決定される)となるように設定されてもよい。例えば、各種の決定を行う場合において、複数の決定結果のうちいずれか1の決定結果とする割合が、他の決定結果とする割合よりも高くなることには、1の決定結果とする割合が100%となることが含まれてもよいし、他の決定結果とする割合が0%となることが含まれてもよい。1の決定結果とする割合が100%となるときには、他の決定結果とする割合が0%となる。また、他の決定結果とする割合が0%となるときには、1の決定結果とする割合が100%以外でも0%でない所定割合であれば、1の決定結果とする割合が、他の決定結果とする割合よりも高くなる。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプおよび装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明は、パチンコ遊技機1に限らずスロットマシンなどにも適用できる。スロットマシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的に、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、スロットマシンの前面側に設けられた演出可動機構を含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することにより、上記実施の形態で示されたパチンコ遊技機1が有する特徴の全部または一部を備えるように構成されていればよい。例えば、内部抽選により所定の役に内部当選したことに基づく可変表示が、内部当選していない場合の可変表示よりも遊技者にとって有利度の高い有利遊技となるものにおいて、内部当選に関連する可動部材の動作異常と判定された場合に、復帰条件が成立するまで報知演出の実行を制限してもよい。
あるいは、複数種類の特別役のうちに、入賞の発生に基づいて移行した遊技状態を終了させる条件の1つとなる遊技媒体(例えばメダルなど)の付与数量が第1数量(例えば「200」)となる第1特別役(例えば青7が揃うことによるビッグボーナス)と、第1数量よりも多い第2数量(例えば「300」)となる第2特別役(例えば赤7が揃うことによるビッグボーナス)とがあり、第2特別役に内部当選してから入賞が発生するまでの可変表示が、第1特別役に内部当選してから入賞が発生するまでの可変表示よりも遊技者にとって有利度の高い有利遊技となるものにおいて、第2特別役の内部当選に関連する可動部材の動作異常と判定された場合に、復帰条件が成立するまで報知演出の実行を制限してもよい。
あるいは、可変表示を実行可能な上限回数が第1回数(例えば「50」)となる第1ARTと、その上限回数が第1回数よりも多い第2回数(例えば「150」)となる第2ARTのいずれかに制御可能とし、第2ARTに制御すると決定されたことに基づく可変表示が、第1ARTに制御すると決定されたことに基づく可変表示よりも遊技者にとって有利度の高い有利遊技となるものにおいて、第2ARTへの制御に関連する可動部材の動作異常と判定された場合に、復帰条件が成立するまで報知演出の実行を制限してもよい。
あるいは、ART中における所定当選役(例えば再遊技役)などに基づく継続抽選確率が第1確率(例えば50%)となる第1ARTと、その継続抽選確率が第1確率よりも高い第2確率(例えば80%)となる第2ARTのいずれかに制御可能とし、第2ARTに制御すると決定されたことに基づく可変表示が、第1ARTに制御すると決定されたことに基づく可変表示よりも遊技者にとって有利度の高い有利遊技となるものにおいて、第2ARTへの制御に関連する可動部材の動作異常と判定された場合に、復帰条件が成立するまで報知演出の実行を制限してもよい。
あるいは、ART中において情報報知が可能になる可変表示のセット数(例えば1セットは50ゲームや150ゲームなどから抽選)を示す貯留数(ストック数)が第1貯留数(例えば「5」)である場合と、第1貯留数よりも多い第2貯留数(例えば「10」)である場合とがあり、第2貯留数に決定されたことに基づく可変表示が、第1貯留数に決定されたことに基づく可変表示よりも遊技者にとって有利度の高い有利遊技となるものにおいて、第2貯留数の決定に関連する可動部材の動作異常と判定された場合に、復帰条件が成立するまで報知演出の実行を制限してもよい。
スロットマシンは、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものに限定されず、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、例えば賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。パチンコ遊技機1やスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちのいずれか一種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えばメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。例えばスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えばパチンコ遊技機1やスロットマシンといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(課題解決手段等について)
遊技を実行可能な、例えばパチンコ遊技機1などの遊技機であって、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100など、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、例えば演出制御用CPU120など、遊技制御手段からの情報に基づいて演出を実行可能な演出制御手段とを備え、遊技制御手段は、遊技媒体が例えば特定領域進入口812などの特定領域を通過したことに基づいて、遊技者にとって有利な特典を付与可能な、例えば特別図柄プロセス処理のステップS117〜S120を実行する遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103などの特典付与手段と、例えば振分部820などの可動部材の動作状態として、遊技媒体が特定領域を通過する割合の異なる第1状態と第2状態とに制御可能な、例えば遊技制御用タイマ割込み処理のステップS37にてモータ制御処理を実行するCPU103などの可動部材制御手段と、例えば振分部原点センサ820aなど、可動部材の動作状態を検出可能な検出手段と、検出手段の検出結果に基づく検出情報を送信する、例えば遊技制御用タイマ割込み処理のステップS31にてスイッチ/センサ処理を実行しステップS39にてメイン側通信制御処理を実行するCPU103などの送信手段とを含み、演出制御手段は、検出情報に基づいて、遊技媒体が特定領域を通過することを報知する報知演出を実行可能な、例えば演出制御プロセス処理のステップS172にて可変表示中演出処理を実行する演出制御用CPU120などの報知演出手段と、検出情報に基づいて、可動部材の動作異常を判定可能な、例えばサブ側エラー処理のステップS202、S204を実行する演出制御用CPU120などの異常判定手段と、異常判定手段により動作異常と判定された場合に、復帰条件が成立するまで報知演出の実行を制限する、例えば可変表示開始設定処理のステップS233に続いてステップS237を実行する演出制御用CPU120などの演出制限手段とを含む。これにより、適切な演出を実行することで遊技興趣を向上させることができる。
遊技を実行可能な、例えばパチンコ遊技機1などの遊技機であって、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100など、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、例えば演出制御用CPU120など、遊技制御手段からの情報に基づいて演出を実行可能な演出制御手段とを備え、遊技制御手段は、遊技媒体が例えば通常領域進入口811、813、特定領域進入口812などの特定領域を通過したことに基づいて、遊技者にとって有利な特典を付与可能な、、例えば特別図柄プロセス処理のステップS117〜S120を実行する遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103などの特典付与手段と、例えば振分部820などの可動部材の動作状態として、遊技媒体が特定領域を通過する割合の異なる第1状態と第2状態とに制御可能な、例えば遊技制御用タイマ割込み処理のステップS37にてモータ制御処理を実行するCPU103などの可動部材制御手段と、例えば振分部原点センサ820aなど、可動部材の動作状態を検出可能な第1検出手段と、例えば通常領域スイッチ811a、813a、特定領域スイッチ812aなど、遊技媒体が特定領域を通過したことを検出可能な第2検出手段と、第1検出手段の検出結果に基づく第1検出情報と、第2検出手段の検出結果に基づく第2検出情報とを送信する、例えば遊技制御用タイマ割込み処理のステップS31にてスイッチ/センサ処理を実行しステップS39にてメイン側通信制御処理を実行するCPU103などの送信手段とを含み、演出制御手段は、第1検出情報に基づいて、遊技媒体が特定領域を通過することを報知する報知演出を実行可能な、例えば演出制御プロセス処理のステップS172にて可変表示中演出処理を実行する演出制御用CPU120などの演出実行手段と、第2検出情報に基づいて、特定領域の通過異常を判定可能な、例えばサブ側エラー処理のステップS207、S208を実行する演出制御用CPU120などの異常判定手段と、異常判定手段により通過異常と判定された場合に、復帰条件が成立するまで報知演出の実行を制限する、例えば可変表示開始設定処理のステップS234に続いてステップS237を実行する演出制御用CPU120などの演出制限手段とを含む。これにより、適切な演出を実行することで遊技興趣を向上させることができる。
遊技制御手段は、遊技機への電力供給が開始されたときに、所定条件の成立に基づいて初期化処理を実行する、例えば遊技制御メイン処理のステップS15にて初期化設定処理を実行するCPU103などの初期化手段を含み、例えばサブ側エラー処理のステップS213を実行した後に可変表示開始設定処理のステップS236を実行することなど、報知演出の実行を制限しているときに遊技機への電力供給が停止した後に電力供給が再開され、少なくとも初期化手段によって初期化処理が実行されなかった場合には、復帰条件が成立してもよい。これにより、報知演出を適切に実行することができる。
遊技制御手段は、遊技機への電力供給が開始されたときに、所定条件の成立に基づいて初期化処理を実行する、例えば遊技制御メイン処理のステップS15にて初期化設定処理を実行するCPU103などの初期化手段を含み、例えばサブ側エラー処理のステップS213を実行した後に可変表示開始設定処理のステップS236を実行することなど、報知演出の実行を制限しているときに遊技機への電力供給が停止した後に電力供給が再開され、初期化手段によって初期化処理が実行された場合には、復帰条件が成立してもよい。これにより、報知演出を適切に実行することができる。
可動部材制御手段は、例えば外リール791と振分部820など、複数の可動部材の動作状態を制御可能であり、演出制限手段は、例えばサブ側エラー処理のステップS205を実行した後に可変表示開始設定処理のステップS237を実行することなど、複数の可動部材のうち少なくとも1の可動部材に動作異常が発生した場合に、報知演出の実行を制限してもよい。これにより、適切な演出を実行することで遊技興趣を向上させることができる。
演出実行手段は、例えば回動表示装置300など、可動演出装置の動作により前記報知演出を実行可能であってもよい。これにより、報知演出を適切に実行することができる。