JP7104191B2 - 火災感知器 - Google Patents
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Description
しかしながら、火災感知器の中央には煙導入部やサーミスタ等からなる熱感知部が下方に突出して設けられるため、確認灯が火災感知器の外周面の一カ所に設けられていたのでは、下方から見上げたときにも煙導入部や熱感知部によって確認灯が隠れ、視認性が悪いという問題を有していた。
特許文献2、3に開示の確認灯は、火災感知器の下方から見ることを前提として、ただ、下方から見たときに煙導入部や熱感知部があっても点灯を確認できるようにすることを主な目的としていた。
火災感知器が発報すると、火災受信機が設置されている管理室に通知されるので、管理人が発報した火災感知器のある部屋に確認に行く。このとき、非火災報の場合、火炎や煙は生じていないため、部屋に到着した管理人は火災ではないとすぐに判るが、どの火災感知器が発報したのかについては、確認灯の点灯によって確認する必要がある。
特許文献3のものはリング状の光ガイドを用いているため全周方向から視認ができるが、あくまでも火災感知器の真下から見ることが前提であり、光ガイドの光放出面も下方を向いている。発光素子の数を増やすか、発光素子の発光強度を高めれば、確認灯を真下近くでなくても容易に視認できるが、火災感知器の消費電流には限りがあるためそれはできない。その結果、光ガイドは、火災感知器から例えば10m程度離れた斜め下方からでも一見して確認灯の点灯が判るとまでは言えない。
この点について図11に基づいてさらに詳しく説明する。
火災感知器51、55の中央には煙導入部5が設けられており、天井面の近くを天井面に沿って流れる煙は、図11に示すように、筐体50、53の外周面を伝わって煙導入部5に導入される。そのため、図11(a)のように、筐体外周面の傾斜角度が急傾斜になっていると煙の流れが下方に向けて方向を変えられるため、流れが悪くなって煙導入部5へ導入されにくくなる。これに対して、図11(b)のように、筐体外周面の傾斜角度が緩い場合には、煙の流れが変えられないので、スムーズに煙導入部5に導入される。このように、筐体外周面の傾斜角度は煙導入の観点からは緩やかな方が好ましい。
なお、上記は煙感知器を例にして説明したが熱感知器でも同様であり、筐体外周面の傾斜角度が緩やかな方が、熱気流が熱感知部に当たりやすいため好ましい。
この点、特許文献3のものは、リング状の光ガイドが筐体の外周面に沿うように設けられており、筐体の外周面部の傾斜と光ガイドの傾斜とが同じで緩やかな傾斜角度になっている。
このため、光ガイドは真下からは見やすいが火災感知器に対して距離のある斜め下方からでは、一見して確認灯の点灯が判るとまでは言えない。
発報時に点灯する発光素子と、前記発光素子の光を導入して光る光ガイドと、前記筐体の外周面部に凹陥して設けられて前記光ガイドを取り付ける光ガイド取付部とを有し、
前記光ガイドは、前記発光素子の光を導入する光導入部と、該光導入部と交差部で交差して前記筐体の周方向に延びると共に前記光導入部から導入された光を放出する光放出部とを有し、該光放出部における光を放出する放出面部の傾斜角度が、前記筐体の外周面の傾斜角度よりも急傾斜となるように設置されていることを特徴とするものである。
本実施の形態の火災感知器1は、例えば煙感知器であり、図1、図2に示すように、筐体3の下面の中央には煙導入部5が設けられ、煙導入部5を挟んで対称となる位置に配置される確認灯7が2個設けられている。確認灯7は、火災感知器1の発報時に点灯するものである。
確認灯7は、筐体3の外周面部に形成された光ガイド取付部9に装着された光ガイド11によって構成されている。
以下、光ガイド11と光ガイド取付部9について詳細に説明する。
発光素子(図示なし)の光をガイドして外部に放出するものであって、透明の樹脂によって形成されている。本発明の光ガイド11は、発光素子の光を意図した方向、すなわち確認灯7を天井面に設置された火災感知器1の真下から離れた斜め下方から見たときにも視認性が向上する方向に積極的に放出するように構成されている。
以下、光ガイド11の形状及び機能を具体的に説明する。
また、光導入部13の上端部には、光ガイド11を筐体3に装着する際に筐体3に係止して光ガイド11を保持する係止部19が設けられている。
光放出部15は、光導入部13から導入された光を光導入部13との交差部において光放出部15の厚み方向前面側から背面側に誘導する誘導面部としての第1傾斜面部21と、誘導面部によって誘導された光を入射方向に対して鋭角となる方向に反射する反射面部としての第2傾斜面部23と、第2傾斜面部23によって反射された光を外方に放出する放出面部25とを備えている。
放出面部25は、図3(a)(c)に示すように、光放出部15の前面側から背面側に向かって下方に傾斜するように設けられている。
光ガイド取付部9は、図2、図4に示すように、筐体3の外周面部において、煙導入部5を挟んで対称位置に2箇所設けられている。光ガイド取付部9は筐体3の周方向に延びる横長の溝形状部27と、溝形状部27の中央に筐体3の内部方向に延びる筒形状部29と、筒形状部29と溝形状部27の交差部において光ガイド11の嵌合凸部17が嵌合する嵌合孔部31とを備えている。筒形状部29は、筐体3の径方向外側に1つの溝部29aがあり、筐体3の円周方向に1対の溝部29bがある。溝部29aは筒形状部29の高さの半分程度の深さの溝であり、溝部29bは筒形状部29の高さと同じ深さの溝である。
なお、光導入部13は係止部19を有さず円柱形状から形成されていても良く、その場合は光導入部13の径と筒形状部29の内径を同等もしくは若干光導入部13の径を大きくする。これにより、1対の溝部29bにより筒形状部29が撓み、圧入により固定することができる。
前述したように、筐体外周面の傾斜角度が緩やかな場合には、煙の流れが変えられないでスムーズに煙導入部5に導入される。他方、筐体外周面の傾斜角度を緩やかにして光ガイド11の放出面部25を筐体外周面の傾斜に合わせると、放出面部25の向きが真下方向に向くことになり、斜め下方からの光ガイド11の視認性が悪くなる。
そこで、本実施の形態の火災感知器1では、光ガイド11の放出面部25を筐体外周面の傾斜よりも急傾斜に設定することで、煙導入部5への煙の導入をスムーズにすると共に光ガイド11の放出面部25の視認性を向上している。
なお、上記は煙感知器を例にして説明したが熱感知器でも同様であり、光ガイド11の放出面部25を筐体外周面の傾斜よりも急傾斜に設定することで、熱感知部への熱気流の流れをスムーズにすると共に光ガイド11の放出面部25の視認性を向上できる。
光導入部13に導入された発光素子の光は光放出部15側に進み、第1傾斜面部21において反射されて両側の第2傾斜面部23側にそれぞれ誘導される。誘導された光は、図6に示すように、主として第2傾斜面部23によって第2傾斜面部23側に向かう光路に対して鋭角となる向きに反射され、放出面部25から内側方向へ光を放出するが、筐体3の溝形状部27(図2参照)によって、図7に示すように、放出面部25に対して直交する方向にも反射される。
なお、本実施の形態では、光ガイド11が筐体3の外周面部の円周上に2個設けられ、光ガイド11の光放出部15が同一円周上に配置されているものを示しているが、視認性を向上する観点から、光ガイド11の数は2個以上で全ての光放出部15が同一円周上に配置されることが好ましい。
図9(a)に示すように、天井高さ2600mm(一般的なオフィスの天井高さ)の部屋で、15000mm(15m)離れた位置から天井面に設置された火災感知器の確認灯7を見た時の角度は約4.2度(目の高さ1500mm)となる。煙感知器(2種)の感知面積(監視する面積)は天井高さが4m未満の場合150m2のため、15m×10mの部屋を想定し、人の位置を15m離れた位置とした。
また、第2傾斜面部23を2個設けたものを示したが、第2傾斜面部23は単数であってもよいし、同一円周上に3個以上配置しても良い。
また、本発明の確認灯7は、煙を感知する火災感知器1だけではなく、熱を感知する熱感知器や、炎の波長を感知する炎感知器にも適用できることは言うまでもない。さらに、火災を感知して鳴動する火災警報器やガスを感知するガス警報器など、異常を感知した際に点灯する確認灯が必要な機器には適用可能である。
3 筐体
5 煙導入部
7 確認灯
9 光ガイド取付部
11 光ガイド
13 光導入部
15 光放出部
17 嵌合凸部
19 係止部
20 凹部
21 第1傾斜面部
23 第2傾斜面部
25 放出面部
27 溝形状部
29 筒形状部
29a 溝部
29b 溝部
31 嵌合孔部
33 傾斜面部
50、53 筐体
51、55 火災感知器
Claims (4)
- 確認灯を筐体の外周面部に備えた火災感知器であって、
発報時に点灯する発光素子と、前記発光素子の光を導入して光る光ガイドとを有し、
前記光ガイドは、全体形状がT字状をしており、前記発光素子の光を導入するT字の縦辺に相当する光導入部と、前記光導入部と交差部で交差して両側に延出して導入された光を放出するT字の横辺に相当する光放出部とを有し、該T字の横辺に相当する光放出部が前記筐体の外周面部にその全長が露出した状態で設けられていることを特徴とする火災感知器。 - 前記外周面部に設けられて前記光ガイドを取り付ける光ガイド取付部をさらに有し、
前記光ガイド取付部は、前記光放出部を収容する溝形状部を有し、該溝形状部が下方に向かって傾斜することで、開口面積を広くしたことを特徴とする請求項1に記載の火災感知器。 - 前記光放出部は前記光導入部から導入された光を放出する放出面部を有し、該放出面部は前記筐体の外周面に沿った状態で設けた場合よりも高さ方向の長さを長くしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の火災感知器。
- 前記光放出部は前記光導入部から導入された光を放出する放出面部を有し、該放出面部の傾斜角度が前記筐体の外周面部の傾斜角度よりも急傾斜となるように設置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の火災感知器。
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