JP7104158B2 - マルチスペクトルx線検出器 - Google Patents

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Description

本発明は、一般に、マルチスペクトルX線検出器、X線イメージングシステム、及びマルチスペクトルX線検出器を製造するための方法に関する。
従来のマルチスペクトルX線検出器では、2つのX線変換層が重なり合って設けられている。検出信号は別々に読み出される。X線源に最も近い上部X線変換層は、一般に、X線の低エネルギー成分を吸収する。X線源からより遠くに配置された底部X線変換層は、一般に、X線源から放出されたX線スペクトルのより高エネルギー成分を吸収する。
高エネルギーX線スペクトルと低エネルギーX線スペクトルとの分離を改善しようとする以前の試みは、単一層X線検出器の前に配置された構造化フィルタを使用している。そのようなフィルタにより、ピクセルのサブセットは異なるX線スペクトルを受け取ることができ、それに基づいて、エネルギー分離された画像を計算することができる。この手法は、米国特許出願公開第2014/0321616A1号に記載されている。そのようなX線検出器はさらに改善することができる。
それゆえに、改善されたマルチスペクトルX線検出器を提供する必要がある。
本発明の目的は、独立請求項の主題によって解決される。さらなる実施形態が従属請求項に組み込まれる。
マルチスペクトルX線検出器は、
入射X線放射線を受け取るように構成された第1のX線検出器と、
第1のX線検出器から伝搬する中間X線放射線を受け取るように構成された構造化スペクトルフィルタと、
第1のX線検出器及び構造化スペクトルフィルタと軸方向に位置合わせされ、構造化スペクトルフィルタから伝搬するフィルタ処理済み中間X線放射線を受け取るように構成された第2のX線検出器と
を含む。
第1のX線検出器は、スーパーピクセルを形成する連続した複数のピクセルを含む。
第2のX線検出器は、第1の複数のピクセル及び第2の複数のピクセルを含み、各々はスーパーピクセルを通過したフィルタ処理済み中間X線放射線の一部分を受け取るように位置合わせされる。
構造化スペクトルフィルタは、スーパーピクセルのピクセルと位置合わせされ、第2のX線検出器の第1の複数のピクセルと位置合わせされた第1の領域及び第2のX線検出器の第2の複数のピクセルと位置合わせされた第2の領域を含むフィルタ構造を含み、第1の領域は、第2のX線検出器の第1の複数のピクセルに入射する中間X線放射線のスペクトルを変更して、フィルタ処理済み中間X線放射線を形成するように構成される。
第1のX線検出器のスーパーピクセルを形成する連続した複数のピクセルは、第2のX線検出器の少なくとも第1及び第2の複数のピクセルと位置合わせされている。
その結果、入射X線スペクトルの2つを超える部分を区別することができる多層検出器が提供される。従来の多層(マルチスペクトル)X線検出器は、一般に、X線源に最も近い第1の(前部)検出器層を使用して低エネルギーX線を検出し、第1の検出器層の背後の第2の(後部)検出器層を使用して高エネルギーX線を検出する。第1のX線検出器のシンチレータ材料及び基板は、入射X線が第1のX線検出器を通過するとき、入射X線のスペクトルをフィルタ処理するように作用する。
第1の態様によれば、第1の検出器層のピクセルは、第1のX線スペクトルを検出する。第2のX線層の第1及び第2のグループのピクセルは、それぞれ、第2及び第3のX線スペクトルを検出し、第1の検出器層のスーパーピクセルと位置合わせされている。第1の検出器層のすべてのスーパーピクセルに対して、第2の検出器の少なくとも2つのグループのピクセルがある。第1のグループのピクセルは、フィルタ処理済みの第1のX線スペクトル(第1の検出器層の後部から出て来る)にさらされ、第2のグループのピクセルは、構造化フィルタの要素によってさらにフィルタ処理されたフィルタ処理済みの第1のX線スペクトルにさらされる。したがって、多層検出器で利用可能なスペクトル情報は、第1のX線スペクトル情報(第1の検出器で検出される)、フィルタ処理済みの第1のX線スペクトル(第2のX線検出器の第1のグループのピクセルで検出され、少なくとも第1のX線検出器によってフィルタ処理されている)、及びさらなるフィルタ処理済みの第1のX線スペクトル(第2の検出器の第2のグループのピクセルで検出され、構造化フィルタによってフィルタ処理されている)である。
さらに、スーパーピクセル(第1の検出器の)当たり少なくとも3つのX線スペクトルが、多層検出器の前にあるフィルタの使用を避けるやり方で多層検出器から供給される。多層検出器の前にあるフィルタの使用は、多層検出器に入るすべてのX線放射線の強度を全体的に減少させる。第1の態様によれば、構造化スペクトルフィルタと組み合わされた第2のX線検出器が第1のX線検出器の各スーパーピクセルを空間的にサンプリングするので、前置検出器フィルタは必要とされない。
オプションとして、構造化スペクトルフィルタの第2の領域は、第2のX線検出器の第2の複数のピクセルの方に誘導される中間X線放射線のスペクトルを、構造化スペクトルフィルタの第1の領域によって行われた中間X線への変更とは異なる仕方で変更するように構成される。
その結果、第2のX線検出器の第2の領域のピクセルによって受け取られるX線放射線のスペクトルに対するより精細な制御が行われ、それにより、画像化サンプル又は画像取得プロトコル内の様々な材料タイプに多層X線検出器をより良く一致させることができる。
オプションとして、第2のX線検出器の第1の複数のピクセル及び第2のX線検出器の第2の複数のピクセルは共面である。
オプションとして、構造化スペクトルフィルタは、構造化スペクトルフィルタに入射した中間X線放射線のスペクトルを、構造化スペクトルフィルタの第1及び第2の領域によって行われた変更とは異なる仕方で変更するように構成された複数の第3のフィルタ領域を含む。
その結果、第1のX線検出器のスーパーピクセルごとに、4つの異なるX線スペクトルが分解可能であり、それらは、(i)第1のX線検出器のスーパーピクセルに到着した入射X線スペクトル、(ii)第1のフィルタ領域によってフィルタ処理された中間X線放射線、(iii)第2のフィルタ領域によってフィルタ処理された中間X線放射線、及び(iv)第3のフィルタ領域によってフィルタ処理された中間X線放射線である。これは、異なる周波数応答を有するより多くのチャネルがサンプルとX線検出器との間に確立されるので、画像化サンプルの材料特性のより正確な計算を可能にする。
オプションとして、第1のX線検出器のスーパーピクセルのピクセルは、一次X線スペクトルを検出するように構成される。第2のX線検出器の第1の複数のピクセルは、構造化スペクトルフィルタの第1の領域と位置合わせされた第2のX線検出器のピクセルを使用して第2のX線スペクトルを検出し、構造化スペクトルフィルタの第2の領域と位置合わせされた第2のX線検出器のピクセルを使用して第3のX線スペクトルを検出するように構成される。
オプションとして、構造化スペクトルフィルタの第1の領域は、構造化スペクトルフィルタの第2の領域の厚さとは異なる厚さを有する。
その結果、第1の領域を通って伝搬するX線は、第2の領域を通って伝搬するX線と比較して、それらの厚さの差のゆえに、異なる程度に摂動を与えられる。スペクトルフィルタ材料の様々な厚さを設けるのは、異なるX線スペクトルを提供するオプションのやり方である。
オプションとして、構造化スペクトルフィルタの第1の領域の厚さは、0.05mmから0.7mmの範囲にあり、構造化スペクトルフィルタの第2の領域の厚さは、0.2mmから2mmの範囲にある。
オプションとして、構造化スペクトルフィルタは、構造化スペクトルフィルタの外側厚さを等しくするために、構造化スペクトルフィルタの第1及び第2の領域と比べて低いX線吸収を有する平坦化領域をさらに含む。
したがって、構造化スペクトルフィルタの高さの差は、X線吸収が低い構造化スペクトルフィルタに充填材料を付けることによって補償され、検出器内への構造化スペクトルフィルタの装着を容易にする。
オプションとして、平坦化領域はポリマーを含む。
オプションとして、構造化スペクトルフィルタの第1の領域は、構造化スペクトルフィルタの第2の領域を構成する材料とは異なる質量吸収係数を有する材料を含む。
その結果、異なるX線スペクトル透過特性を有する異なる材料が、構造化スペクトルフィルタに設けられる。
オプションとして、第1及び/又は第2の領域の材料は、銅、銀、アルミニウム、若しくは錫、又はそれらの合金を含む。
オプションとして、構造化スペクトルフィルタは、(i)第1のX線検出器の背面に製作され、又は(ii)構造化スペクトルフィルタは、第2のX線検出器の前面に製作される。
その結果、構造化スペクトルフィルタが積層化検出器の一方の面又は他方の面に一体化された多層検出器を製造すると、部品表及びアセンブリの複雑さが低減される。
オプションとして、第1の領域は第1のX線検出器の背面に製作され、第2の領域は第2のX線検出器の前面に製作される。
その結果、第1及び第2の検出器が組み立てられるときにスーパーピクセルのサブサンプリングを可能にするパターンで、第1の検出器を第1の材料で処置し、第2の検出器を第2の材料で処置することを要求することによって、製造プロセスを簡単にすることが可能である。
第2の態様によれば、X線イメージングシステムが提供され、X線イメージングシステムは、
関心領域の方にX線放射線を放出するように構成されたX線源と、
関心領域を通過したX線放射線を受け取るように構成された、第1の態様によるマルチスペクトルX線検出器と、
X線システム制御ユニットと
を含む。
X線システム制御ユニットは、X線源を起動し、第1のX線検出器からの第1のX線信号及び第2のX線検出器からの第2のX線信号を受け取り、関心領域のマルチスペクトル画像を発生するように構成される。
その結果、X線検査下のサンプルに関するより詳細なマルチエネルギーX線情報を提供することができるX線システムが提供される。
第3の態様によれば、マルチスペクトルX線検出器を製造するための方法が提供され、この方法は、
入射X線放射線を受け取るように構成された第1のX線検出器を設けるステップであって、第1のX線検出器が、スーパーピクセルを形成する連続した複数のピクセルを含む、設けるステップと、
第1のX線検出器から伝搬する中間X線放射線を受け取るように構成された構造化スペクトルフィルタを設けるステップと、
第1のX線検出器及び構造化スペクトルフィルタと軸方向に位置合わせされ、構造化スペクトルフィルタから伝搬するフィルタ処理済み中間X線放射線を受け取るように構成された第2のX線検出器を設けるステップと
を有し、
第2のX線検出器は、第1の複数のピクセル及び第2の複数のピクセルを含み、両方はスーパーピクセルを通過したフィルタ処理済み中間X線放射線の一部分を受け取るように位置合わせされ、
構造化スペクトルフィルタは、スーパーピクセルのピクセルと位置合わせされ、第2のX線検出器の第1の複数のピクセルと位置合わせされた第1の領域及び第2のX線検出器の第2の複数のピクセルと位置合わせされた第2の領域を含むフィルタ構造を含み、第1の領域は、第2のX線検出器の第1の複数のピクセルに入射する中間X線放射線のスペクトルを変更して、フィルタ処理済み中間X線放射線を形成するように構成され、
第1のX線検出器のスーパーピクセルを形成する連続した複数のピクセルは、第2のX線検出器の少なくとも第1及び第2の複数のピクセルと位置合わせされている。
その結果、X線検査下のサンプルに関するより詳細なマルチエネルギーX線情報を提供することができる検出器をより効率的に製造することが可能である。
オプションとして、マルチスペクトルX線検出器が提供され、マルチスペクトルX線検出器は、
入射X線放射線を受け取るように構成された第1のX線検出器と、
第1のX線検出器から伝搬する中間X線放射線を受け取るように構成された構造化スペクトルフィルタと、
第1のX線検出器及び構造化スペクトルフィルタと軸方向に位置合わせされ、構造化スペクトルフィルタから伝搬するフィルタ処理済み中間X線放射線を受け取るように構成された第2のX線検出器と
を含む。
第1のX線検出器は、スーパーピクセルを形成する連続した複数のピクセルを含む。
第2のX線検出器は、第1の複数のピクセル及び第2の複数のピクセルを含み、各々はスーパーピクセルを通過したフィルタ処理済み中間X線放射線の一部分を受け取るように位置合わせされる。
構造化スペクトルフィルタは、スーパーピクセルのピクセルと位置合わせされ、第2のX線検出器の第1の複数のピクセルと位置合わせされた第1の領域及び第2のX線検出器の第2の複数のピクセルと位置合わせされた第2の領域を含むフィルタ構造を含む。第1の領域は、第2のX線検出器の第1の複数のピクセルに入射する中間X線放射線のスペクトルを変更して、フィルタ処理済み中間X線放射線を形成するように構成される。
以下の本文において、「X線検出器」という用語は、一般に、入射X線放射線を、X線放射線が通過した物体の内部構造に関する情報を提供することができる信号(電気信号、データ)に変換するように機能するデバイスを参照する。一般に、マルチスペクトルイメージング用途では、X線検出器は、「直接変換」又は「間接変換」タイプのものとすることができる。典型的な「直接変換」検出器は、X線を電荷に直接変換するためにアモルファスセレンなどのX線光伝導体を使用する。典型的な「間接変換」X線検出器は、シンチレータと、基板、例えばシリコン基板に製作されたフォトダイオードアレイとを含む。特定のシンチレータセルにぶつかるX線は、可視光線の閃光に変換され、それは、可視光線がシリコンフォトダイオードアレイに衝突するときに電荷に変換される。本出願で論じられる構造化スペクトルフィルタは、「直接変換」又は「間接変換」タイプ検出器の両方により使用される。
以下の本文において、「入射X線放射線」という用語は、例えば回転陽極X線によって発生されたX線放射線のビームを意味し、X線放射線のビームは、医療又はセキュリティスキャナ内の患者又は別の関心対象を通過し、第1のX線検出器に到着することができる。「中間X線放射線」という用語は、第1のX線検出器を通過し摂動を与えられた(例えば、スペクトル的に)、及び/又は第1のX線検出器によって減衰されたX線放射線のビームを意味する。「フィルタ処理済み中間X線放射線」という用語は、第1のX線検出器及び構造化スペクトルフィルタを通過した放射のビームを意味する。フィルタ処理済み中間X線放射線は、第2のX線検出器に入射する。
以下の本文において、「連続した」という用語は、共通の境界を共有していること、又は接触していることを意味する。
以下の本文において、「スペクトルを変更するように構成された」という用語は、入射X線ビームの周波数(エネルギー)スペクトルを調節する材料又はアセンブリを意味する。そのような材料は、高周波(エネルギー)X線を比較的小さい減衰で伝搬させるが、低周波(エネルギー)X線を強く減衰させる、又はその逆であるように機能する。材料及び/又は材料の組合せは、「バンドパス」及び/又は「バンドストップ」X線エネルギー(周波数)特性を発生するように設けることもできる。
それゆえに、2つのX線変換層の中間に構造化スペクトルフィルタを使用することが提案される。構造化スペクトルフィルタは、各スーパーピクセルをピクセルに分割し、ピクセルは、構造化スペクトルフィルタの異なる領域によって異なるスペクトルフィルタ作用を受け、別々に読み出される。それゆえに、X線スペクトルの2つを超える部分が、構造化スペクトルフィルタに設けられたスーパーピクセル当たりの領域の数に基づいてマルチスペクトル検出器によって区別される。例えば、構造化フィルタは、ピクセルごとに異なる材料で構成されるか、又は同じ材料の異なる高さで構成される。単一のシンチレータ層と組み合わせた前置検出器フィルタとは対照的に、少なくとも2つのシンチレータ層の中間に構造化フィルタを設けると、同様のスペクトル分離を達成するのに、必要な吸収材料の量が少なくなる。その結果、本出願で論じられる技法は、先行技術の前置フィルタ解決策と比較して、線量効率が大きく改善される。
本態様は医療X線用途を参照して論じられるが、この技法は、手荷物スキャニング又は非破壊材料分析に使用されるX線検出器などの多くのタイプのX線イメージングに広く適用可能であることが理解されよう。
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施形態から明らかになり、それを参照して解明される。
本発明の例示的な実施形態が以下の概略図に記載されている。概略図は原寸に比例して提示されていない。
第1の態様によるマルチスペクトルX線検出器の概略側面図である。 第1の態様によるマルチスペクトルX線検出器の内部の様々な段階で得られる4つのスペクトル特性のセットの一例を示す図である。 第1の態様の一実施形態によるマルチスペクトルX線検出器の概略側面図である。 第1の態様の一実施形態によるマルチスペクトルX線検出器の概略側面図である。 5つの異なるマルチスペクトル検出器構成の概略側面図である。 オプションのピクセル及びスーパーピクセルの位置合わせを概略的に示す図である。 第2の態様によるX線システムの概略図である。 第3の態様によるマルチスペクトルX線検出器を製造する方法の概略図である。 本明細書で論じられる技法のシミュレーション結果を示す図である。
X線イメージングのX線エネルギーを区別するために、2つの重なり合ったX線変換層を使用し、両方の層の信号を別々に読み出すことが一般的である。X線源に面する上層は、低エネルギーX線を吸収することが好ましい。底層は、主として、X線スペクトルの高エネルギー部分を吸収する。変換層は、シンチレータ(間接変換検出器の場合)又は半導体(いわゆる直接変換検出器の場合)のいずれかである。2つの層は、同じ材料で製作されてもよく、又は異なる材料で製作されてもよい。従来、スペクトル分離(第1の検出器の通過の前後でX線スペクトルの吸収部分がどれほど異なるか)は、中間材料(スペクトルフィルタ)を設けることによって向上する。一例として、スペクトルフィルタは、薄い金属シートで構成される。
二層検出器の欠点は、X線スペクトルの2つの部分しか区別できないことである。所与の分離が、すべてのあり得る用途及び患者にとって理想的というわけではない。従来の金属前置検出器フィルタの欠点は、良好なスペクトル分離を生じるために衝突するX線量子のかなりの部分を吸収する必要があることである。異なるピクセルに対して異なる特性を有する前置検出器フィルタ(金属グリッドのような)では、空間分解能対スペクトル分解能のトレードオフがある。
図1は、第1の態様によるマルチスペクトルX線検出器の側面概略図を示す。
図1のマルチスペクトルX線検出器10aは、
入射X線放射線Xを受け取るように構成された第1のX線検出器12と、
第1のX線検出器12から伝搬する中間X線放射線XF1を受け取るように構成された構造化スペクトルフィルタ14と、
第1のX線検出器及び構造化スペクトルフィルタ14と軸方向に位置合わせされ、構造化スペクトルフィルタ14から伝搬するフィルタ処理済み中間X線放射線XF2を受け取るように構成された第2のX線検出器16と
を含む。第1のX線検出器12は、スーパーピクセルSPを形成する連続した複数のピクセルSP11、SP12を含む。第2のX線検出器16は、第1の複数のピクセルP11及び第2の複数のピクセルP12を含み、各々はスーパーピクセルを通過したフィルタ処理済み中間X線放射線の一部分を受け取るように位置合わせされる。
構造化スペクトルフィルタは、スーパーピクセルのピクセルと位置合わせされ、第2のX線検出器の第1の複数のピクセルと位置合わせされた第1の領域14a及び第2のX線検出器の第2の複数のピクセルと位置合わせされた第2の領域14bを含むフィルタ構造14を含む。第1の領域は、第2のX線検出器16の第1の複数のピクセルP11、P12に入射する中間X線放射線XF1のスペクトルを変更して、フィルタ処理済み中間X線放射線XF2を形成するように構成される。
図示のバージョンは、検出器ピクセル(例えば、フォトダイオード又は光トランジスタ)12b、16bのそれぞれのアレイと一致するシンチレータセル12a、16aのアレイを有する「間接変換」検出器を示しているが、図示の構成は、一般性を失うことのなしに「直接変換検出器」にも当てはまる。当然、フォトダイオードを配置することによってピクセルが境界を定められる連続的なシンチレータ材料を使用する検出器は、別のオプションの実施態様である。
スーパーピクセルSP、SP、SP、及びSPは、複数の連続的なピクセルSP11、SP12、SP21、SP22、SP31、SP32、SP41、SP42を含む。オプションとして、各スーパーピクセルは、患者をイメージングするときの空間(解剖学的)分解能の最小単位を表す。したがって、外部読出し回路は、SP11、SP12から受け取った信号を組み合わせて(蓄積して)、SP読出し信号を形成する。第1のX線検出器12は、ピクセルSP11、SP12、SP21、SP22、SP31、SP32、SP41、SP42に衝突するX線放射線Xに同じスペクトル調節(シンチレータセル12aのスペクトル吸収特性及び同様のサイズに基づく)を適用する。その結果、ピクセル12bからの読出し信号は、第1のX線フィルタ特性を有するX線信号を表す。
構造化スペクトルフィルタ14は、第1のX線検出器12と軸方向に位置合わせされる。構造化スペクトルフィルタ14は、第1のX線検出器12の後部から出て来る中間X線放射線XFIを受け取る。図1において、構造化スペクトルフィルタ14は、異なるX線フィルタ特性を持つ第1の領域14a及び第2の領域14bを有するフィルタ構造を含む。異なる特性は、異なる材料として、異なる厚さをもつ同じ材料として、又は領域の一方に材料がない区域(切り込み)として第1の14a及び第2の14b領域を設けることから生じる。その結果、構造化スペクトルフィルタ14に衝突する中間X線放射線XFIは、第1の領域14aを通過した第1の部分と、第2の領域14bを通過した第2の部分とに分割される。
したがって、中間X線放射線XFIは、構造化スペクトルフィルタ14の第1の14a領域及び第2の14b領域によって空間的にサンプリングされる。オプションとして、空間サンプリングパターンは「スーパーピクセル」単位で繰り返す。
したがって、フィルタ処理済み中間X線放射線は、各スーパーピクセル内で異なるやり方でフィルタ処理された部分に構造化される。フィルタ処理済み中間X線放射線XF2は、第2のX線検出器16に向かって前方に伝搬する。第2のX線検出器16は、「間接変換」検出器として示されているが、「直接変換検出器」として設けることもできる。さらに、オプションの実施形態では、「間接変換」検出器及び「直接変換」検出器が、それぞれ、第1のX線検出器及び第2のX線検出器として、又は逆として設けられてもよい。
第2のX線検出器16は、構造化スペクトルフィルタの第1の領域14aの繰り返しパターンと位置合わせされた第1の複数のピクセルP11、P21、P31、P41を含む。さらに、第2のX線検出器16は、構造化スペクトルフィルタの第2の領域14bの繰り返しパターンと位置合わせされた第2の複数のピクセルP12、P22、P32、P42を含む。第1の複数のピクセルP11、P21、P31、P41は、構造化スペクトルフィルタの第1の領域14aから伝搬したフィルタ処理済み中間X線放射線を受け取る。第2の複数のピクセルP12、P22、P32、P42は、構造化スペクトルフィルタの第2の領域14bから伝搬したフィルタ処理済み中間X線放射線を受け取る。
構造化スペクトルフィルタ14の第1の領域14aは、衝突する中間X線放射線XFIに第2のX線フィルタ処理特性を適用する。構造化スペクトルフィルタ14の第2の領域14bは、衝突する中間X線放射線XFIに第3のX線フィルタ処理特性を適用する。しかしながら、構造化スペクトルフィルタ14に衝突する中間X線放射線XFIは、第1のX線検出器12の第1のX線フィルタ処理特性によって既にフィルタ処理されているので、構造化スペクトルフィルタ14の第1の領域14aを通過したフィルタ処理済み中間X線放射線XF2の第1の部分は、第1のX線フィルタ処理特性と第2のX線フィルタ処理特性の組合せのスペクトル特性を有する。同様に、構造化スペクトルフィルタ14の第2の領域14bを通過したフィルタ処理済み中間X線放射線XF2の第2の部分は、第1のX線フィルタ処理特性と第3のX線フィルタ処理特性の組合せのスペクトル特性を有する。
動作中、入射X線ビームは、マルチスペクトルX線検出器10aに適用される。第1のX線検出器12bのピクセル及び第2のX線検出器16bのピクセルからの読出し信号が、スーパーピクセル当たり少なくとも3つのX線エネルギーに対応して供給される。SP(SP11、SP12)の読出しピクセル信号は、オプションとして、共通の第1の読出しスーパーピクセル信号に組み合わされる。代替として、第1のX線検出器12のスーパーピクセルアレイが第2のX線検出器16のピクセルと同じサイズを有するピクセルを含むことは必須ではない。例えば、スーパーピクセルSPは、第2のX線検出器16のピクセルP11よりも非常に大きい面積をもつ単一のピクセルとして設けられてもよい。
その結果、第1のX線検出器12のピクセルアレイ12bからの読出し信号は、同じ第1のX線フィルタ処理特性に従ってフィルタ処理された入射X線ビームXを表す。第2の複数の読出し信号が、第2のX線検出器16の第1の複数のピクセルP11、P21、P31、P41から供給され、構造化スペクトルフィルタの第1の領域14aの第2のX線特性と組み合わされた第1のX線検出器の第1のX線特性の関数に従ってフィルタ処理されている。第3の複数の読出し信号が、第2のX線検出器16の第2の複数のピクセルP12、P22、P32、P42から供給され、構造化スペクトルフィルタの第2の領域14bの第3のX線特性と組み合わされた第1のX線検出器の第1のX線特性の関数に従ってフィルタ処理されている。それゆえ、第2のX線フィルタ16の読出し信号は、第1及び第2のX線エネルギーでのスーパーピクセルSPの空間サブサンプリングを表す。
本議論は、一般性を失うことなしに任意のサイズのX線検出器に拡張できることが理解されよう。
上述の構成は、線量の影響を非常に低くして、第1のX線検出器12のスーパーピクセルごとに少なくとも3つの別個のスペクトルエネルギー測定を行うことができる。当然、第2のX線検出器16aのピクセルは、図示のように等しいサイズのものである必要はない。オプションとして、フィルタ処理量が大きい構造化スペクトルフィルタ14の領域からのフィルタ処理済み中間X線放射線XF2を受け取るピクセルは、例えば、信号対雑音比を等しくするために、フィルタ処理量が小さい構造化スペクトルフィルタ14の領域からのフィルタ処理済み中間X線放射線XF2を受け取るピクセルよりも面積が1.5、2、又は2.5倍大きくなるように大きさを合わされてもよい。
その結果、第2のX線検出器16のピクセルの第1のP11、P21、P31、P41セット及び第2のP12、P22、P32、P42セットからの信号は、別々に読み出され、異なる材料(骨及び水など)を区別するために使用される。
加えて、第1のX線検出器12と第2のX線検出器16との中間に構造化スペクトルフィルタ14を配置しているために、衝突するX線放射線Xの事前フィルタ処理は必要とされず、必要とされる入射X線放射線Xの全線量はより低い。オプションとして、前置フィルタ(例えば、金属の)が、第1のX線検出器の前に設けられてもよい。
オプションとして、第1のX線検出器12は、実質的に、入射X線放射線Xの低エネルギー部分を吸収する。オプションとして、第2のX線検出器16は、実質的に、入射X線放射線Xの高エネルギー部分を吸収する。
オプションとして、第2のX線検出器16は、第1のX線検出器12の材料と実質的に同じ材料を含む。
図1は、第2のX線検出器16の各ピクセルP11、P12が構造化スペクトルフィルタの対応するセクション14a、14b及び第1のX線検出器のスーパーピクセルSPの対応するピクセルSP11、SP12と同じサイズを有していることを概略的に示している。しかしながら、本明細書で論じられる手法では、構造化スペクトルフィルタの第1及び第2の領域のサイズは、この場合に限定されない。
例えば、構造化スペクトルフィルタ14の第1の領域14aは、第2のX線検出器16の複数のピクセルをカバーするように大きさを合わされてもよい。例えば、スペクトルフィルタの第1の領域14aは、第2のX線検出器の9、16、25、36、49、又は64ピクセルまでカバーすることができる。一例として、一般に、X線検出器ピクセルは、0.143mmのピッチを有する。この場合、約49ピクセルをカバーする構造化スペクトルフィルタの第1の領域14aは、1平方ミリメートルの面積を有する。
オプションとして、構造化スペクトルフィルタの第1の領域14a及び/又は第2の領域14bのピッチは、それぞれ、第2のX線検出器の第1のピクセルP11及び/又は第2のピクセルP12のピッチに等しい。オプションとして、構造化スペクトルフィルタの第1の領域14a及び/又は第2の領域14bのピッチは、それぞれ、第2のX線検出器16の第1のピクセルP11及び/又は第2のピクセルP12のピッチの1、2、3、4、5、6、又は7倍である。
当然、構造化スペクトルフィルタの第1の領域14a及び第2の領域14bは、異なるピッチを有することができる。これは、構造化スペクトルフィルタ14の第1の領域14aが、切り抜き(フィルタなし)であるか又は非常に低い吸収を有する第2のフィルタ領域14bと比較して、比較的高い吸収の材料を含んでいる状況で役立つ。
それゆえに、オプションとして、構造化スペクトルフィルタの第1の領域14aは、構造化スペクトルフィルタの第2の領域とピッチが等しくてもよく、又は構造化スペクトルフィルタの第2の領域14bと比較して、サイズが1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、4倍、6倍、若しくは10倍大きくてもよい。
オプションとして、第2のX線検出器16はまた、「ビニングモード」で実行されてもよく、3×3グリッドなどの第2のX線検出器16の複数のピクセルからの信号が蓄積されて、第2のX線検出器16のそのピクセル「グループ」の読出し信号が形成される。その場合、構造化スペクトルフィルタの第1の領域14aは、第2のX線検出器のピクセルの「ビニングされた」3×3グリッドをカバーするように大きさを合わされる。
図2は、第1の態様によるマルチスペクトルX線検出器の内部の様々な段階で得られる4つのスペクトル特性のセットの一例を示す。図示のプロットは、各々、マルチスペクトルX線フィルタを通過する間の様々な段階におけるX線信号のスペクトル分離のイメージを与える。
図2a)は、患者を通過した、標準の医療X線放射線としての入射X線放射線Xのスペクトル特性18を示す。
図2b)は、第1のX線検出器12の後の中間X線放射線XF1を示す。e keV未満のX線エネルギーは第1のフィルタ処理特性に従って実質的に除去されたことが分かる。
図2c)は、第1のX線検出器12の後のフィルタ処理済み中間X線放射線XFIの第1の部分を示す。e keVに中心があるより高いX線エネルギーが、第1のフィルタ処理特性と第2のフィルタ処理特性の組合せに基づいて、構造化スペクトルフィルタの第1の部分14aを通過したことが分かる。
図2d)は、第1のX線検出器12の後のフィルタ処理済み中間X線放射線XFIの第2の部分を示す。e keVに中心があるより低いX線エネルギーが、第1のフィルタ処理特性と第3のフィルタ処理特性の組合せに基づいて、構造化スペクトルフィルタの第2の部分14bを通過したことが分かる。
その結果、3組のスペクトル情報が同じ検出器から得られる。
構造化スペクトルフィルタ14の構造を参照すると、スーパーピクセルの空間サンプリングを行うために、多くの技法及び材料が利用される。
オプションとして、構造化スペクトルフィルタ14は、第2の領域14bと異なる材料で製作された第1の領域14aを含むことができる。例えば、銅、銀、アルミニウム、錫、又はこれらの合金などの異なる材料が、少なくとも2つの領域に設けられる。
オプションとして、第1の領域は銀(Ag)を含み、第2の領域はアルミニウム(Al)を含み、第3及び第4のX線スペクトルの区別が行われる。
オプションとして、異なる高さの第1及び第2の領域を有する構造化スペクトルフィルタ14の場合、例えばPTFE又は別のポリマーを含む平坦化層が、構造化スペクトルフィルタ14の装着を容易にするために設けられてもよい。
オプションとして、構造化スペクトルフィルタ14とは異なるフィルタ作用を有する第2の検出器16の隣接ピクセルは、異なる吸収スペクトルからの情報を1つの画像に組み合わせるために、第1のX線検出器12のスーパーピクセルに対応するようにグループ化される。しかしながら、所与のスーパーピクセルに対して、ピクセルと構造化スペクトルフィルタ領域の多くのパターンが存在する。
オプションとして、各スーパーピクセルに割り当てられるピクセルの数は、2個から9個の範囲にある。
図3は、2つの異なる材料から構成された構造化スペクトルフィルタ14を含むマルチスペクトルX線検出器10bの概略側面図を示す。構造化スペクトルフィルタ14の第1の領域14cは、第1の材料で構成される。構造化スペクトルフィルタ14の第2の領域14dは、第2の材料で構成される(反対のクロスハッチングパターンで示されている)。
それにより、構造化スペクトルフィルタ14に衝突する中間X線放射線XF1は、構造化スペクトルフィルタ14を横切って同じ直線距離を横断する。しかしながら、第1の領域14cに含まれる第1の材料は、所与の周波数で、第2の領域14dに含まれる第2の材料よりも大きい単位長さX線吸収係数を有するので、フィルタ処理済み中間X線放射線XFIは、空間的にサンプリングされる。
当然、構造化スペクトルフィルタ14に含まれる材料の数には制限がなく、各スーパーピクセルSP、SP、SP、及びSPは、第2のX線検出器16のピクセルの適切な再分割と組み合わせて、構造化スペクトルフィルタ14によって2倍、3倍、4倍、5倍、又はそれ以上で空間的にサンプリングされる。
図4は、マルチスペクトルX線検出器10cの概略側面図を示し、第2及び第3のスペクトルのフィルタ処理特性が、異なる高さを有する構造化スペクトルフィルタ14の第1の14e領域及び第2の14f領域を設けることによって提供される。
オプションとして、構造化により、第1の14e領域及び第2の14f領域は同じ材料として設けられ、各々は異なる高さを有する(この場合、第1の領域14eの第2のスペクトル特性及び第2の領域14fの第3のスペクトル特性は、同じ形状を有するが、スペクトルドメインにおいて異なる線形Yシフトを有する)。
オプションとして、構造化により、第1の14e領域及び第2の14f領域は異なる材料として設けられ、各々は異なる高さを有する(この場合、第1の領域14eの第2のスペクトル特性及び第2の領域の第3のスペクトル特性は、異なる形状を有し、スペクトルドメインにおいて材料特性に依存した異なる線形Yシフトを有する)。
その結果、このオプションによる構造化スペクトルフィルタ14は、0.7mmから2mmの範囲の最大外側厚さをもつ第1の領域と、0.2mmから0.05mmの範囲の最小外側厚さをもつ第2の領域14fとを有するが、この原理は使用する材料及び所望の性能に依存して他の範囲まで拡大してもよいことを当業者は理解されよう。
構造化スペクトルフィルタ14は第1のX線検出器12と第2のX線検出器16の中間に配列されるが、これを達成するために、様々な異なる構造技法が使用されてもよいことが理解されよう。例えば図1に示されるように、構造化スペクトルフィルタ14は、第1のX線検出器12と第2のX線検出器16の中間に配置するように別個の挿入物として設けられてもよい。
オプションとして、構造化スペクトルフィルタ14は、第1のX線検出器12の背面(背面という用語は、入射X線放射線が衝突する面に対して検出器スラブの反対の面を意味する)、又は第2のX線検出器16の前面(前面という用語は、第1のX線検出器12の背面に面する第2のX線検出器16の面を意味する)に製作される。X線検出器スラブの一方の表面又は他方の表面にフィルタを製作すると、製造プロセスと、完成した検出器の部品表とが簡単化され、機械的な位置合わせの問題が低減される。
オプションとして、構造化スペクトルフィルタ14の第1の領域14aは第1のX線検出器12の背面に設けられ、構造化スペクトルフィルタの第2の領域14bは第2のX線フィルタ16の前面に設けられ、又はその逆であり、それにより、当業者に知られている技法によるX線ビームの光学的発散(例えば、X線管の焦点スポットからの検出器の距離に起因する)が可能になる。
図5は、構造化スペクトルフィルタ14の代替構成の一連の概略側面図を示す。
図5aは、第1のX線検出器12及び第2のX線検出器16を有するマルチスペクトルフィルタ32の側面図を示し、構造化フィルタは、第1のX線検出器12の背面上に直接製作される。この場合、構造化フィルタアセンブリは、第2の領域34bよりも大きい厚さを有する第1の領域34aとして設けられる。第2のX線フィルタには、構造化X線フィルタ14の要素はない。
図5bは、第1のX線検出器12及び第2のX線検出器16を有するマルチスペクトルフィルタ42の側面図を示し、構造化フィルタは、第2のX線検出器16の前面上に直接製作される。この場合、構造化フィルタアセンブリは、第2の領域44bよりも大きい厚さを有する第1の領域44aとして設けられる。第1のX線フィルタ12には、構造化X線フィルタ14の要素はない。
図5cは、第1のX線検出器12及び第2のX線検出器16を有するマルチスペクトルフィルタ36の側面図を示し、構造化フィルタは、第1の材料の第1の領域36aとして第1のX線検出器12の背面上に直接製作される。第1の材料とは異なる質量吸収係数をもつ第2の材料の第2の領域36bが、第2のX線検出器16の前面上に製作される。
図5dは、第1のX線検出器12及び第2のX線検出器16を有するマルチスペクトルフィルタ46の側面図を示し、構造化フィルタは、第1の材料の第1の領域48aとして第2のX線検出器16の前面上に直接製作される。第1の材料とは異なる質量吸収係数をもつ第2の材料の第2の領域48bが、第2のX線検出器16の前面上に製作される。
図5eは、第1のX線検出器12及び第2のX線検出器16を有するマルチスペクトルフィルタ38の側面図を示し、構造化フィルタは、第1の材料の第1の領域40aとして第1のX線検出器12の背面上に直接製作される。第1の材料とは異なる質量吸収係数をもつ第2の材料の第2の領域40bが、第1のX線検出器12の背面上に製作される。
スーパーピクセルごとに、異なるスペクトル特性を有する領域(第1の領域、第2の領域など)が、スーパーピクセル内の異なるパターンに従って分散されてもよい。
図6aは、4つのピクセルで構成された(太い線によって画定された)1つのスーパーピクセルを示す。各ピクセルは、4つの異なる材料、例えば、異なる材料の3つの金属フィルタ及び1つのポリマー「フィルタなし」領域を有する。
図6bは、空間スペクトルサンプリングが2つの材料(又は厚さA、B)のパターンに基づいているスーパーピクセルの一例を提供する。図6cは、空間スペクトルサンプリングが3つの材料(又は厚さA、B,C)のパターンを使用しているスーパーピクセルの一例を提供する。
実用的な例として、マルチスペクトルX線検出器のコンピュータシミュレーションが実行された。ベースラインの2エネルギーモデルが、管に2.5mm厚さのAlフィルタ作用を有する120kVp管と20cm直径水ターゲットとしてモデル化された入力スペクトルを用いて提供された。
図9は、この技法のコンピュータシミュレーションの結果を示す。
図9a)及び図9b)に示された2エネルギーシナリオの第1及び第2の例では、2.5mmアルミニウムフィルタ及び20cm水モデルを通過した120kVpのシミュレートされた入力X線スペクトルが、それぞれ、図9a)及び図9b)に示された構造に適用されている。図9a)及び図9b)に示された構造は、従来の二層マルチスペクトル検出器に対応する。添付の表は、図示の従来の二層マルチスペクトル検出器の横方向の異なる領域での平均全吸収を示す。
本出願で論じられている構造化スペクトルフィルタをもつ検出器に基づく3エネルギーシナリオの第3及び第4の例が、図9c)及び図9d)に示された。
図9a)及び図9b)は、異なるフィルタ作用(S1:フィルタ処理されない、S2:フィルタ処理される)を受けるX線ビームの2つの部分(S1、S2)を概略的に示す。図9aは、前置検出器フィルタを示し、図9bは、従来の二層検出器の2つの部分の間の中間(非構造化)フィルタを示す。
「スペクトル分離」、すなわち、吸収X線ビームS1及びS2の平均エネルギーの差を、例として、約10keVに固定して設定すると、第1のバージョン(図9a)では、0.2mm厚のAgフィルタが必要である。第2のバージョンでは、0.04mmの材料しか必要でないが、検出器区域全体にわたる必要がある。第1のバージョンの平均全X吸収は、第2の場合の68%とは対照的に、54%であり、したがって、第2の場合の線量ははるかに効率的である。
図9c)及び図9d)は、前置検出器フィルタと構造化中間フィルタの比較に同じ原理を適用し、後者は本出願で論じられているようなものである。この例では、構造化フィルタは、銀(Ag)金属層をもつ第1の領域と、金属が存在しない第2の領域とで構成される。
例として、銀金属層の厚さは、第1のX線ビームS1と第2のX線ビームS2との間のエネルギー分離が8.1keVであり、S1とS3の分離が16.1keVとなるように計算されている。前置検出器フィルタの場合には、0.17mm及び0.45mmの金属厚さが必要であるが、中間フィルタとして0.22mmしか必要でない。その結果、前置検出器フィルタを有する例での平均X線吸収は、入来エネルギーの41%のみであり、一方、中間構造化フィルタによるオプションによれば、平均X線吸収は61%である。これは、同じ信号対雑音比を達成するのに、前置検出器フィルタでは、50%多いX線線量が必要であることを意味する。
図7は、第2の態様によるX線イメージングシステム50の概略図を示す。システムは、
関心領域54の方にX線放射線を放出するように構成されたX線源52と、
関心領域54を通過したX線放射線を受け取るように構成された、第1の態様又はそのオプションの実施形態によるマルチスペクトルX線検出器56と、
X線システム制御ユニット58と
を含む。
X線システム制御ユニット58は、X線源52、52a、52bを起動し、第1のX線検出器からの第1のX線信号60及び第2のX線検出器からの第2のX線信号を受け取り、関心領域のマルチスペクトル画像を発生するように構成される。
オプションとして、X線イメージングシステム50は、X線空港手荷物スキャナ又はX線材料分析システムである。
図8は、第3の態様によるマルチスペクトルX線検出器を製造する方法を示し、この方法は、
入射X線放射線を受け取るように構成された第1のX線検出器を設けるステップであり、第1のX線検出器が、スーパーピクセルを形成する連続した複数のピクセルを含む、設けるステップと、
第1のX線検出器から伝搬する中間X線放射線を受け取るように構成された構造化スペクトルフィルタを設けるステップと、
第1のX線検出器及び構造化スペクトルフィルタと軸方向に位置合わせされ、構造化スペクトルフィルタから伝搬するフィルタ処理済み中間X線放射線を受け取るように構成された第2のX線検出器を設けるステップと
を有し、
第2のX線検出器は、第1の複数のピクセル及び第2の複数のピクセルを含み、両方はスーパーピクセルを通過したフィルタ処理済み中間X線放射線の一部分を受け取るように位置合わせされ、
構造化スペクトルフィルタは、スーパーピクセルのピクセルと位置合わせされ、第2のX線検出器の第1の複数のピクセルと位置合わせされた第1の領域及び第2のX線検出器の第2の複数のピクセルと位置合わせされた第2の領域を含むフィルタ構造を含み、第1の領域は、第2のX線検出器の第1の複数のピクセルに入射する中間X線放射線のスペクトルを変更して、フィルタ処理済み中間X線放射線を形成するように構成される。
第1及び第2のX線検出器を設けることには、前もって製造されたX線検出器ユニット(間接又は直接変換タイプ)を配列するという問題がある。構造化スペクトルフィルタは、例えば、第1のX線検出器と第2のX線検出器の中間に別個の部分として設けられる。オプションとして、構造化スペクトルフィルタは、マイクロマシニング、3Dプリンティング、又は金属シートのエッチングによって製作される。オプションとして、シートは、ポリマーで平坦化される。代替として、構造化スペクトルフィルタは、異なる材料の第1及び第2の領域のマトリクスとして用意され、焼結によって一緒に結合される。第1及び第2の材料は、例えば、プラズマ気相堆積又は化学気相堆積を使用して基板上に堆積される。同様のプロセスが、第1のX線検出器の背面又は第2のX線検出器の前面への構造化スペクトルフィルタの形成に適用される。
本発明の実施形態が異なる主題を参照して説明されていることに留意されたい。特に、ある実施形態は、方法タイプの請求項を参照して説明されているが、他の実施形態は、デバイスタイプの請求項を参照して説明されている。しかしながら、当業者は、特に通知がない限り、1つのタイプの主題に属する特徴の任意の組合せに加えて、異なる主題に関連する特徴間の任意の組合せも、本出願により開示されていると見なされることが上述及び以下の説明から分かるであろう。しかしながら、すべての特徴を組み合わせて、特徴の単純な和を超える相乗効果を提供することができる。
本発明が図面及び前述の説明において詳細に図示及び説明されたが、そのような図示及び説明は、例証又は例示であり、限定でないと見なされるべきである。本発明は、開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態に対する他の変形は、請求される発明を実践する際に、図面、開示、及び従属請求項の検討から当業者によって理解され達成される。
特許請求の範囲において、「備える、含む、有する」という単語は、他の要素又はステップを排除せず、単数形は複数を排除しない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲に列挙されるいくつかのアイテムの機能を果たすことができる。特定の手段が互いに異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組合せを有利に使用できないことを示していない。特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も範囲を限定するものと解釈されるべきでない。

Claims (18)

  1. X線放射線を受け取る第1のX線検出器と、
    前記第1のX線検出器から伝搬するX線放射線を受け取る構造化スペクトルフィルタと、
    前記第1のX線検出器及び前記構造化スペクトルフィルタと軸方向に位置合わせされ、前記構造化スペクトルフィルタから伝搬するフィルタ処理済みX線放射線を受け取る第2のX線検出器と
    を含む、マルチスペクトルX線検出器であって、
    前記第1のX線検出器は、スーパーピクセルを形成する連続した複数のピクセルを含み、
    前記第2のX線検出器は、第1の複数のピクセル及び第2の複数のピクセルを含み、各々が前記スーパーピクセルを通過したフィルタ処理済みX線放射線の一部分を受け取るように位置合わせされ、
    前記構造化スペクトルフィルタは、前記スーパーピクセルのピクセルと位置合わせされ、前記第2のX線検出器の前記第1の複数のピクセルと位置合わせされた第1の領域及び前記第2のX線検出器の前記第2の複数のピクセルと位置合わせされた第2の領域を含むフィルタ構造を含み、前記第1の領域は、前記第2のX線検出器の前記第1の複数のピクセルに入射するX線放射線のスペクトルを変更して、フィルタ処理済みX線放射線を形成し、
    前記マルチスペクトルX線検出器の使用中に、スーパーピクセル当たり少なくとも3つのX線スペクトルが供給されるように、前記第1のX線検出器の前記スーパーピクセルを形成する連続した複数のピクセルは、前記第2のX線検出器の少なくとも前記第1の複数のピクセル及び前記第2の複数のピクセルと位置合わせされている、
    マルチスペクトルX線検出器。
  2. 前記構造化スペクトルフィルタの前記第2の領域は、前記第2のX線検出器の前記第2の複数のピクセルの方に誘導されるX線放射線のスペクトルを、前記構造化スペクトルフィルタの前記第1の領域によって行われたX線放射線への変更とは異なる仕方で変更する、請求項1に記載のマルチスペクトルX線検出器。
  3. 前記第2のX線検出器の前記第1の複数のピクセルと、前記第2のX線検出器の前記第2の複数のピクセルとは共面である、請求項1に記載のマルチスペクトルX線検出器。
  4. 前記構造化スペクトルフィルタは、前記構造化スペクトルフィルタに入射したX線放射線のスペクトルを、前記構造化スペクトルフィルタの前記第1の領域及び前記第2の領域によって行われた変更とは異なる仕方で変更する複数の第3のフィルタ領域を含む、請求項1に記載のマルチスペクトルX線検出器。
  5. 前記第1のX線検出器の前記スーパーピクセルのピクセルは、一次X線スペクトルを検出し、前記第2のX線検出器の前記第1の複数のピクセルは、前記構造化スペクトルフィルタの前記第1の領域と位置合わせされた前記第2のX線検出器のピクセルを使用して第2のX線スペクトルを検出し、前記構造化スペクトルフィルタの前記第2の領域と位置合わせされた前記第2のX線検出器のピクセルを使用して第3のX線スペクトルを検出する、請求項1に記載のマルチスペクトルX線検出器。
  6. 前記構造化スペクトルフィルタの前記第1の領域は、前記構造化スペクトルフィルタの前記第2の領域とは異なる厚さを有する、請求項1に記載のマルチスペクトルX線検出器。
  7. 前記構造化スペクトルフィルタの前記第1の領域の厚さは、0.05mmから0.7mmの間であり、前記構造化スペクトルフィルタの前記第2の領域の厚さは、0.2mmから2mmの間である、請求項1に記載のマルチスペクトルX線検出器。
  8. 前記構造化スペクトルフィルタは、前記構造化スペクトルフィルタの外側厚さを等しくするために、前記構造化スペクトルフィルタの前記第1の領域及び前記第2の領域と比べて低いX線吸収を有する平坦化領域をさらに含む、請求項1に記載のマルチスペクトルX線検出器。
  9. 前記平坦化領域はポリマーを含む、請求項8に記載のマルチスペクトルX線検出器。
  10. 前記構造化スペクトルフィルタの前記第1の領域は、前記構造化スペクトルフィルタの前記第2の領域を構成する材料とは異なる質量吸収係数を有する材料を含む、請求項1に記載のマルチスペクトルX線検出器。
  11. 前記第1の領域及び/又は前記第2の領域の材料は、銅、銀、アルミニウム、錫及びそれらの合金を含む、請求項1に記載のマルチスペクトルX線検出器。
  12. 前記構造化スペクトルフィルタは、前記第1のX線検出器の背面に、又は、前記第2のX線検出器の前面に製作される、請求項1に記載のマルチスペクトルX線検出器。
  13. 前記第1の領域は前記第1のX線検出器の背面に製作され、前記第2の領域は前記第2のX線検出器の前面に製作される、請求項1に記載のマルチスペクトルX線検出器。
  14. 関心領域の方にX線放射線を放出するX線源と、
    マルチスペクトルX線検出器と、
    X線システム制御回路
    を含む、X線イメージングシステムであって
    前記マルチスペクトルX線検出器は、
    X線放射線を受け取る第1のX線検出器と、
    前記第1のX線検出器から伝搬するX線放射線を受け取る構造化スペクトルフィルタと、
    前記第1のX線検出器及び前記構造化スペクトルフィルタと軸方向に位置合わせされ、前記構造化スペクトルフィルタから伝搬するフィルタ処理済みX線放射線を受け取る第2のX線検出器と
    を含み、
    前記第1のX線検出器は、スーパーピクセルを形成する連続した複数のピクセルを含み、
    前記第2のX線検出器は、第1の複数のピクセル及び第2の複数のピクセルを含み、各々が前記スーパーピクセルを通過したフィルタ処理済みX線放射線の一部分を受け取るように位置合わせされ、
    前記構造化スペクトルフィルタは、前記スーパーピクセルのピクセルと位置合わせされ、前記第2のX線検出器の前記第1の複数のピクセルと位置合わせされた第1の領域及び前記第2のX線検出器の前記第2の複数のピクセルと位置合わせされた第2の領域を含むフィルタ構造を含み、前記第1の領域は、前記第2のX線検出器の前記第1の複数のピクセルに入射するX線放射線のスペクトルを変更して、フィルタ処理済みX線放射線を形成し、
    前記マルチスペクトルX線検出器の使用中に、スーパーピクセル当たり少なくとも3つのX線スペクトルが供給されるように、前記第1のX線検出器の前記スーパーピクセルを形成する連続した複数のピクセルは、前記第2のX線検出器の少なくとも前記第1の複数のピクセル及び前記第2の複数のピクセルと位置合わせされており、
    前記X線システム制御回路は、前記X線源を起動し、前記第1のX線検出器からの第1のX線信号及び前記第2のX線検出器からの第2のX線信号を受け取、前記関心領域のマルチスペクトル画像を発生する、X線イメージングシステム。
  15. マルチスペクトルX線検出器を製造するための方法であって、前記方法は、
    X線放射線を受け取る第1のX線検出器を設けるステップであって、前記第1のX線検出器が、スーパーピクセルを形成する連続した複数のピクセルを含む、設けるステップと、
    前記第1のX線検出器から伝搬するX線放射線を受け取る構造化スペクトルフィルタを設けるステップと、
    前記第1のX線検出器及び前記構造化スペクトルフィルタと軸方向に位置合わせされ、前記構造化スペクトルフィルタから伝搬するフィルタ処理済みX線放射線を受け取る第2のX線検出器を設けるステップと
    を有し、
    前記第2のX線検出器は、前記スーパーピクセルを通過したフィルタ処理済みX線放射線の一部分を受け取るように位置合わせされた第1の複数のピクセル及び第2の複数のピクセルを含み、
    前記構造化スペクトルフィルタは、前記スーパーピクセルのピクセルと位置合わせされ、前記第2のX線検出器の前記第1の複数のピクセルと位置合わせされた第1の領域及び前記第2のX線検出器の前記第2の複数のピクセルと位置合わせされた第2の領域を含むフィルタ構造を含み、前記第1の領域は、前記第2のX線検出器の前記第1の複数のピクセルに入射するX線放射線のスペクトルを変更して、フィルタ処理済みX線放射線を形成し、
    前記マルチスペクトルX線検出器の使用中に、スーパーピクセル当たり少なくとも3つのX線スペクトルが供給されるように、前記第1のX線検出器の前記スーパーピクセルを形成する連続した複数のピクセルは、前記第2のX線検出器の少なくとも前記第1の複数のピクセル及び前記第2の複数のピクセルと位置合わせされる、方法。
  16. 前記構造化スペクトルフィルタの前記第2の領域は、前記第2のX線検出器の前記第2の複数のピクセルの方に誘導されるX線放射線のスペクトルを、前記構造化スペクトルフィルタの前記第1の領域によって行われたX線放射線への変更とは異なる仕方で変更する、請求項14に記載のX線イメージングシステム。
  17. 前記第2のX線検出器の前記第1の複数のピクセルと、前記第2のX線検出器の前記第2の複数のピクセルとは共面である、請求項14に記載のX線イメージングシステム。
  18. 前記構造化スペクトルフィルタは、前記構造化スペクトルフィルタに入射したX線放射線のスペクトルを、前記構造化スペクトルフィルタの前記第1の領域及び前記第2の領域によって行われた変更とは異なる仕方で変更する複数の第3のフィルタ領域を含む、請求項14に記載のX線イメージングシステム。
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