JP7103087B2 - 揚水装置 - Google Patents

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Description

本発明は、揚水装置に関する。
従来、井戸から地下水を揚水する際、主に地下水を使用する使用者側の都合(要求)によって揚水量が決定される場合が多かった。しかし、井戸に流入する地下水の流入量は有限であり、流入量を超えて地下水を揚水し続けるとやがて井戸が枯れてしまう虞がある。そこで、井戸を枯らさないための揚水可能量を求め、求めた揚水可能量に応じて揚水を行なう技術(例えば特許文献1)がある。特許文献1では、揚水する揚水井戸の周囲に複数の観測井戸を設ける。そして、降雨量や揚水井戸の水位、観測井戸での水位、揚水井戸周辺における漏水量等を変数として重回帰式を求め、揚水井戸における揚水可能量を求めている。
特開2006-249764号公報
しかしながら、特許文献1に示す技術では、上述したように重回帰式を求めるための変数を得るため揚水井戸の周辺に複数の観測井戸、及び周辺地域の降雨量を観測する施設等を設ける必要があり、大掛かりな観測装置が必要となってコストが高くなる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、低コストでありながら、揚水井戸における地下水の揚水可能量を精度よく求め、求めた揚水可能量に基づき地下水を揚水する揚水装置を提供することを目的とする。
本発明に係る揚水装置は、井戸から水を汲み上げる揚水ポンプと、前記井戸における前記水の水位低下量を計測する水位計測装置と、前記揚水ポンプが汲み上げた前記水の揚水量を計測する揚水量計測装置と、前記揚水ポンプの作動を制御する制御装置と、を備える。前記制御装置は、所定の第一期間において、汲み上げた前記水の揚水量に対応する適正水位低下量を所定の基準式に基づき算出する第一算出部と、前記所定の第一期間において、前記水位計測装置が計測した実際水位低下量と前記第一算出部が算出した前記適正水位低下量との差分に基づき、前記所定の第一期間に前記井戸内に流入した前記差分に対応する前記水の流入量を算出する第二算出部と、前記第二算出部で算出した前記差分に対応する前記水の前記流入量に基づき、前記所定の第一期間以降における所定の第二期間において前記井戸から汲み上げ可能な第一揚水量を設定する第一揚水量設定部と、前記所定の第二期間において前記水の揚水量が前記第一揚水量を超えないよう、前記揚水ポンプの前記作動を制御するポンプ作動制御部とを備える。
このように、第一揚水量設定部が、所定の第一期間における実際水位低下量と適正水位低下量との差分に基づき演算される差分に対応する水の流入量に基づいて、所定の第二期間における最大揚水量である第一揚水量を設定する。そして、所定の第二期間では、設定された第一揚水量を超えないよう、ポンプ作動制御部が、揚水ポンプの作動を制御する。従って、所定の第二期間における井戸内への水の流入量が、所定の第一期間における井戸内への水の流入量に対して大きく変動しない限り、所定の第二期間において、井戸内の水を揚水しすぎる(過揚水)虞はない。このように、非常に簡素で低コストな構成にもかかわらず、所定の第二期間以前の所定の第一期間における井戸内への水の流入量を実測し、実測した流入量に基づき、所定の第二期間における揚水量を設定するので、井戸内の水の水位を、適正水位近傍に精度よく制御できる。
実施形態に係る揚水装置及び井戸の概要図である。 揚水量-水位低下量グラフである。 井戸内に流入する水の流入量を説明するグラフである。 揚水装置の作動を説明するフローチャートである。 第二実施形態に係る揚水装置の概要図である。 第二実施形態の変形例1に係る揚水装置の概要図である。
<1.第一実施形態>
(1-1.概要)
まず、本発明の第一実施形態に係る揚水装置10が設けられる揚水井戸100(以後、井戸100とのみ称す)について簡単に説明する。図1は、揚水井戸100及び揚水井戸100が掘削された地盤の断面を模式的に表したものである。井戸100は、井戸水W(地下水)の汲み上げ(以下、揚水と称す)を行なうために掘削された通常の井戸である。井戸100は、直径2Rの孔101が深さLまで掘削されて形成される。深さLは、孔101が掘削された地表面102から井戸100の底面103までの深さをいう。
井戸100の下方は、地盤の中の帯水層104に浸入している。これにより、井戸100内には、比較的低速で流れる帯水層104から地下水が、井戸100の内周面を透過して漏出し井戸水Wとして滞留される。このため、井戸水Wの水面Wsの水位は、若干ではあるが、日々、変動する。また、水面Wsの水位は季節毎で見ると大きく変動する場合がある。このように、井戸水Wの水面Wsの水位は変動するため、毎回、井戸水Wの揚水を開始する際には、揚水開始の時点における水面の水位を基準水位H0とする。基準水位H0は、以降の説明において使用する。
(1-2.揚水装置)
揚水装置10は、図1に示すように井戸100に配置される。揚水装置10は、揚水ポンプ20と、水位計測装置30と、揚水量計測装置40と、制御装置50と、を備える。揚水ポンプ20は、井戸100の底面103近傍に配置され、井戸水Wを揚水する水中ポンプである。揚水ポンプ20は、少なくとも吸入口20aが常に井戸水W内に浸っているのであれば、大半が常に井戸水W内に浸かっていなくてもよい。
なお、上記において、揚水ポンプ20は、どのような方式のポンプであってもよい。例えば、公知の水中カスケードポンプ、水中渦巻きポンプ、水中タービンポンプ及び水中斜流ポンプ等であってもよい。揚水ポンプ20は、図略の電源及び制御装置50に電気的に接続される。揚水ポンプ20の吐出口(図略)には、例えば鉄等の金属で形成された配管21の一端が接続される。配管21は、揚水ポンプ20の吐出口から重力方向上方に延在し、井戸100の上端を越えたあたりで直角に屈曲している。配管21の形状は、以降で説明する外部配管22が接続され吐出可能であればどのような形状でもよい。
配管21の他端には、金属、ゴム、又はビニール等で形成された上述の外部配管22の一端が接続される。外部配管22の他端は、揚水ポンプ20が揚水した井戸水を容器60内に吐出可能に配置される。なお、容器60は、器状であれば、どのようなものでもよい。例えば、容器60は、タンク、魚の養殖池又はプール等であってもよい。また、容器60は、水田や池等であってもよい。また、容器60は、上記態様のような器状のものに限らず、流れのある川又は用水等であってもよい。即ち、容器60は、使用者が所望する用途に基づき、揚水ポンプ20が揚水した水を外部配管22の他端から吐出可能であれば、どのような形態のものでもよい。
水位計測装置30(水位センサ)は、井戸100内における井戸水W(水)の水位、延いては水位低下量Hdを計測する。上述したように、水位低下量Hdとは、毎回、井戸水Wの揚水を開始する時点での水面の水位を基準水位H0とした場合における基準水位H0からの変化量(低下量)である。なお、本実施形態においては、水位計測装置30は、水圧に基づいて水位を計測する公知の水中投げ込み式水位センサである。
ただし、この態様に限らず水位計測装置30は、どのような方式の水位センサを適用してもよい。例えば、水位計測装置30は、フロート式、ディスプレーサー式、ガイドパルス式、光式、レーザ式などの公知の水位センサであってもよい。水位計測装置30は、図略の電源及び制御装置50に電気的に接続される。
揚水量計測装置40は、揚水ポンプ20が揚水した(汲み上げた)井戸水の揚水量Qを実際に計測する装置である。図1に示すように、揚水量計測装置40は、配管21の他端に配置される液体用の流量計である。具体的には、揚水量計測装置40は、例えば公知の電磁流量計、又は超音波流量計等によって構成される。ただし、上記の態様に限らず、揚水量Qの測定が可能であれば、揚水量計測装置40としてどのような方式の流量計を用いてもよい。揚水ポンプ20は、図略の電源及び制御装置50に電気的に接続される。また、揚水量計測装置40は、揚水ポンプ20の揚水量Qを計測することが目的である。このため、揚水ポンプ20の単位時間当たりの揚水量が分かっている場合は、揚水ポンプ20の稼動時間をカウントする時間カウンタを設ければ、単位時間当たりの揚水量に時間カウンタでカウントした稼動時間を掛け算して揚水量Qを求めることができる。つまり、時間カウンタと掛け算器で揚水量計測装置40を構成してもよい。
(1-3.制御装置)
制御装置50は、主に揚水ポンプ20の作動を制御するために、第一算出部51と、第二算出部52と、第一揚水量設定部53と、第二揚水量設定部54と、単位時間揚水量算出部55と、ポンプ作動制御部56と、各種計測データ及びプログラム等を記憶する記憶部57とを備える。制御装置50は、揚水ポンプ20と分離されていても問題ない。
第一算出部51は、例えば、前日の一日間(所定の第一期間に相当する)において、井戸100から汲み上げた井戸水Wの揚水量Q1に対応する適正水位低下量Hd1を、図2に示す回帰式A(所定の基準式に相当する)に基づき算出する。ここでいう適正水位低下量Hd1とは、所定量の井戸水を井戸から揚水した際、当該井戸水を枯らすことがなく、且つ周辺の井戸にも悪影響を及ぼさない水位の許容低下量の最大値をいう。適正水位低下量Hd1は、公知の概念であり、よって、これ以上の詳細な説明については省略する。
なお、上記における「前日の一日間」は、どのように設定しても良いが、一日間を8時間と読み替えてもよいし、12時間、又は24時間と読み替えてもよい。また、以降の説明においては、「前日の一日間」を「前日」とのみ記載する。
上述した回帰式Aは、公的な機関である東北農政局が既存の複数の井戸に対して行なった揚水試験に基づく揚水量と適正な水位低下量との関係を示すグラフである。つまり、通常、揚水量と、揚水量に対応する水位低下量との関係が回帰式Aのグラフ上にあれば、「過揚水状態」ではない、即ち、井戸水を汲み過ぎ、例えば井戸枯れや、周辺の井戸や地盤沈下等に影響を及ぼす虞がないと判断できる。なお、揚水試験は、公知であるので詳細な説明については省略する。
回帰式Aは公知の式であり、二次曲線(y=10-52+(5×10-3x)、(R2=0.9997))で近似される。ただし、今回、上記で説明した二次曲線の式を回帰式Aとして採用したが、この態様には限らない。使用者が、実際に使用する井戸100を用いて揚水試験を行ない、得た揚水試験結果に基づき回帰式を導出し、導出した回帰式を回帰式Aとして採用してもよい。
第二算出部52は、前日(所定の第一期間)において、水位計測装置30が計測した実際の水位低下量である実際水位低下量Hd2と、第一算出部51が算出した適正水位低下量Hd1との差分(図2参照)に基づき、差分に対応して前日に井戸100内に流入した井戸水の流入量qを算出する。
例えば、前日における、揚水量Q1に対する実際の水位低下量である実際水位低下量が図2に示すとおりHd2であったとする。この場合、実際水位低下量Hd2は、適正水位低下量Hd1より大きな値となっている。つまり、前日に井戸水Wを揚水量Q1で揚水した場合、本来、水位は適正水位低下量Hd1になるはずであるが、実際には、適正水位低下量Hd1に対して適正水位低下量Hd1と実際水位低下量Hd2との差分(Hd1-Hd2)だけ水位が相対的に低下している。
これは、揚水量Q1で井戸水Wを揚水し、且つ水位が適正水位低下量Hd1になる場合(基準時)における井戸100内への井戸水Wの流入量q1に対して、前日における井戸100内への井戸水Wの流入量q2が、所定の流入量q3だけ少なかったためである(図3参照)。そこで、第二算出部52では、所定の流入量q3を、上述した水位の差分(Hd1-Hd2)、及び井戸100の内周面の直径(内径)2Rに基づき、下記式(1)にて演算する。
q3=πR2×(Hd1-Hd2)・・・・・(1)
なお、本実施形態において、所定の流入量q3は、負の値である。
第一揚水量設定部53は、第二算出部52で算出した前日における水位の差分(Hd1-Hd2)に対応する井戸水の流入量q3に基づき、前日以降における翌日の一日間(所定の第二期間)において井戸100から揚水(汲み上げ)可能な第一揚水量Qmaxを設定する。具体的には、第一揚水量Qmaxは、前日に揚水した揚水量Q1に流入量q3を加算して求める。ただし、本実施形態では、流入量q3は、上述したように負の値である。従って、第一揚水量Qmaxは、揚水量Q1から、流入量q3の絶対値|q3|を減算した値となる(Qmax=Q1-|q3|)(図2参照)。
なお、上記における「翌日の一日間」は、「前日の一日間」と同様、どのように設定しても良いが、一日間を8時間と読み替えてもよいし、12時間、又は24時間と読み替えてもよい。ただし、「前日の一日間」と「翌日の一日間」とは同じ時間の長さであるものとする。また、以降の説明においては、「翌日の一日間」を「翌日」とのみ記載する。
第二揚水量設定部54は、第一揚水量Qmax以下で、且つ翌日において使用者が必要とする必要水量Qn(≦Qmax)に基づき、井戸100から揚水する第二揚水量Qsを設定する。このとき、使用者が必要とする必要水量Qnとは、例えば、翌日一日間で水田に供給する水の水量(流量)や、プールに供給する水の水量(流量)である。そして、本実施形態において、第二揚水量Qsは、必要水量Qnと等しい(Qs=Qn)。ただし、この態様には限らない。第二揚水量Qsは、例えば、必要水量Qnの80%で設定してもよいし、80%未満で設定してもよい。また、必要水量Qnの80%を超える割合で設定してもよい。
単位時間揚水量算出部55は、第二揚水量設定部54で設定された第二揚水量Qsに対し、翌日(所定の第二期間)における単位時間当たりの揚水量Qs1/minを算出する。つまり、第二揚水量Qsを翌日における作動時間(例えば8時間)で除算して単位時間当たりの揚水量Qs1/minを算出する。
ポンプ作動制御部56は、翌日(所定の第二期間)において、揚水する井戸水Wの揚水量Qが第一揚水量Qmaxを超えないように、且つ算出された翌日(所定の第二期間)における単位時間当たりの揚水量Qs1/minが一定で推移するよう揚水ポンプ20の作動を制御する。
(1-4.作動)
次に、制御装置50が制御する揚水装置10の作動について、フローチャートに基づき簡単に説明する。なお、説明を行なう前提として、揚水装置10は、前日(所定の第一期間)の一日間(例えば8時間)において、井戸水Wを揚水量Q1だけ揚水したものとする。そして、揚水量Q1だけ揚水した結果、揚水を開始した時点を起点として、水面の水位が、実際水位低下量Hd2(図2参照)だけ低下したものとする。
その後、制御装置50が備える記憶部57に、揚水量計測装置40が計測した揚水量Q1及び水位計測装置30が計測した実際水位低下量Hd2が、対応する一対のデータとして記憶される。そこで、揚水量Q1及び実際水位低下量Hd2が、記憶部57に記憶される処理をステップS10とする。ステップS10は、前日(所定の第一期間)に実行される処理である。
翌日に処理されるステップS12では、第一算出部51が、記憶部57に記憶された揚水量Q1を取得する。そして、ステップS14において、第一算出部51は、揚水量Q1を上述の回帰式A(所定の基準式)に代入して揚水量Q1に対応する「適正水位低下量Hd1」を算出する。適正水位低下量Hd1及び回帰式Aについては上記で説明した通りである。回帰式Aは、上述したように、二次曲線(y=10-52+(5×10-3x)、(R2=0.9997))で近似される式である。
ステップS16では、第二算出部52が、第一算出部51で算出した適正水位低下量Hd1と記憶部57から取得した実際水位低下量Hd2との差分(Hd1-Hd2)に基づき、差分に対応して前日に井戸100内に流入した井戸水の流入量q3を上記式(1)によって算出する。
ステップS18では、第一揚水量設定部53が、第二算出部52で算出された井戸水の流入量q3に基づき、翌日の一日間(所定の第二期間)において、井戸100から揚水(汲み上げ)可能な第一揚水量Qmaxを設定する。具体的には、第一揚水量Qmaxは、揚水量Q1から、流入量q3の絶対値|q3|を減算した値とする(Qmax=Q1-|q3|)(図2参照)。
つまり、前日においては、流入量q3の分だけ余分に揚水したため適正水位低下量Hd1よりも実際水位低下量Hd2のほうが差分(Hd1-Hd2)だけ大きくなる。そこで、翌日においては、揚水量を前日の揚水量Q1よりも水位低下量の差分(Hd1-Hd2)に対応する流入量q3分だけ少ない揚水量(Q1-|q3|)とすることで、水位低下量Hdを適正水位低下量Hd1近傍の値とすることができる。
ステップS20では、第二揚水量設定部54が、第二揚水量Qsを設定する。第二揚水量Qsとは、第一揚水量Qmax以下であり、且つ翌日において使用者が必要とする必要水量Qn(≦Qmax)に基づき設定される揚水量である。第二揚水量Qsは、事前に記憶部57が記憶するデータを使用してもよいし、使用者が任意の値を入力して設定してもよい。
ステップS22では、単位時間揚水量算出部55が、第二揚水量Qsに対し、翌日(所定の第二期間)における単位時間当たりの揚水量Qs1/minを算出する。単位時間当たりの揚水量Qs1/minは、取得した第二揚水量Qsを翌日における作動時間(例えば8時間)で除算して算出する。
ステップS24では、ポンプ作動制御部56が、翌日(所定の第二期間)において、揚水する井戸水Wの揚水量Qが第一揚水量Qmaxを超えないように、且つ単位時間当たりの揚水量Qs1/minが一定で推移するよう揚水ポンプ20の作動を制御する。
これにより、翌日(所定の第二期間)において、揚水ポンプ20により揚水される井戸水Wの揚水量Qに対応する実際水位低下量Hd2は、図1における、回帰式Aのグラフの線上近傍に位置する。即ち、翌日(所定の第二期間)における揚水量Qに対応する実際水位低下量Hd2は、適正水位低下量Hd1に近づくことになり過揚水の虞が確実に減少する。また、翌日においては、単位時間当たりの揚水量Qs1/minが一定で推移するよう揚水ポンプ20の作動を制御されるので、揚水ポンプ20を駆動するモータの消費電力を著しく低減させることができる。
なお、上記実施形態においては、所定の第一期間及び所定の第二期間をそれぞれ「一日」として説明したが、この態様には、限らない。所定の第一期間及び所定の第二期間は、揚水装置10の使用者によって任意に設定可能である。所定の第一期間及び所定の第二期間は、それぞれ、例えば、10分、30分、1時間、1週間等であってもよい。これらによっても相応の効果は期待出来る。また、所定の第一期間及び所定の第二期間は同じ長さの期間ではなく、異なる長さの期間であってもよい。これによっても相応の効果が期待出来る。
(1-5.第一実施形態による効果)
上記第一実施形態によれば、揚水装置10が備える制御装置50は、前日(所定の第一期間)において、揚水した(汲み上げた)井戸水W(水)の揚水量Qに対応する適正水位低下量Hd1を、回帰式A(所定の基準式)に基づき算出する第一算出部51と、前日において、水位計測装置30が計測した実際水位低下量Hd2と第一算出部51が算出した適正水位低下量Hd1との差分(Hd1-Hd2)に基づき、前日に井戸100内に流入した差分(Hd1-Hd2)に対応する井戸水Wの流入量q3を算出する第二算出部52と、第二算出部52で算出した差分(Hd1-Hd2)に対応する井戸水Wの流入量qに基づき、前日以降における翌日(所定の第二期間)において井戸100から揚水(汲み上げ)可能な第一揚水量Qmaxを設定する第一揚水量設定部53と、翌日(所定の第二期間)において井戸水(水)の揚水量Qが第一揚水量Qmaxを超えないよう、揚水ポンプ20の作動を制御するポンプ作動制御部56と、を備える。
このように、第一揚水量設定部53が、前日の一日(所定の第一期間)における実際水位低下量Hd2と適正水位低下量Hd1との差分(Hd1-Hd2)に基づき演算される差分(Hd1-Hd2)に対応する井戸水の流入量q3に基づいて、翌日の一日(所定の第二期間)における最大揚水量である第一揚水量Qmaxを設定する。
そして、翌日には、設定された第一揚水量Qmaxを超えないよう、ポンプ作動制御部56が、揚水ポンプ20の作動を制御する。従って、翌日における井戸内への井戸水(水)の流入量qが、前日における井戸内への井戸水の流入量qに対して大きく変動しない限り、翌日において、井戸内の水を揚水しすぎる虞(過揚水の虞)は低い。このように、非常に簡素で低コストな構成にもかかわらず、翌日以前の前日における井戸内への水の流入量を実測し、実測した流入量に基づき、翌日における揚水量を設定するので、井戸内の水の水位低下量を、適正水位低下量Hd1近傍に精度よく制御でき、井戸水の過揚水は良好に防止される。
また、上記第一実施形態によれば、制御装置50は、第一揚水量Qmax以下で、且つ翌日(所定の第二期間)において使用者が必要とする必要水量Qnに基づき井戸100から揚水する第二揚水量Qsを設定する第二揚水量設定部54を備える。そして、ポンプ作動制御部56は、翌日(所定の第二期間)において揚水量Qが第二揚水量Qsを超えないよう、揚水ポンプ20の作動を制御する。
これにより、翌日(所定の第二期間)においては、第一揚水量Qmaxではなく、第一揚水量Qmaxより揚水量が少ない必要水量Qnに基づき設定された第二揚水量Qsを超えないよう、揚水ポンプ20の作動が制御される。このように、揚水可能な最大揚水量である第一揚水量Qmaxよりも揚水量が少ない必要水量Qnを超えないよう井戸水が揚水されるので、過揚水はさらに確実に防止される。
また、上記第一実施形態によれば、制御装置50は、設定された第二揚水量Qsに対し、翌日(所定の第二期間)における単位時間当たりの揚水量Qs1/minを算出する単位時間揚水量算出部55を備える。そして、ポンプ作動制御部56は、算出された単位時間当たりの揚水量Qs1/minが一定で推移するよう揚水ポンプ20の作動を制御する。このように、翌日においては、単位時間当たりの揚水量Qs1/minが一定で推移するよう揚水ポンプ20の作動が制御されるので、揚水ポンプ20を駆動するモータ(図略)の消費電力を著しく低減させることができ低コスト化を図ることができる。
また、上記実施形態によれば、前日(所定の第一期間)及び翌日(所定の第二期間)は、一日(例えば8時間、12時間又は24時間等)である。このように、比較的長い時間を所定の第一期間及び所定の第二期間として設定するので、井戸100内への水の流入量qの平均化が図れる。従って、翌日(所定の第二期間)において、揚水ポンプ20が井戸水Wを揚水する際、精度よく過揚水の防止が図れる。
<2.第二実施形態>
上記第一実施形態では、揚水装置10の制御装置50が、第二揚水量設定部54を備える。しかし、この態様には限らず、図5に示すように、第二実施形態として、揚水装置110の制御装置150が、第二揚水量設定部54及び単位時間揚水量算出部55を備えていなくてもよい。この場合、制御装置150は、揚水量設定部として第一揚水量設定部53のみを備えている。そして、ポンプ作動制御部56が翌日(所定の第二期間)において揚水量が第一揚水量Qmaxを超えないよう、揚水ポンプ20の作動を制御すればよい。これによっても上記第一実施形態に対して相応の効果は得られる。ただし、この態様に限らず、ポンプ作動制御部56が、翌日(所定の第二期間)において、揚水ポンプ20の作動を制御する際、第一揚水量Qmaxに所定の比率(例えば80%)を乗じた値を超えないよう制御しても良い。
(2-1.変形例1)
また、第二実施形態の変形例1として、図6に示すように揚水装置110の制御装置150が、設定された第一揚水量Qmaxに対し、翌日(所定の第二期間)における単位時間当たりの揚水量Qs2/minを算出する単位時間揚水量算出部155を備えていてもよい。このとき、ポンプ作動制御部156は、算出された単位時間当たりの揚水量Qs2/minが一定で推移するよう揚水ポンプ20の作動を制御する。これによっても上記実施形態に対して相応の効果は得られる。
10,110;揚水装置、 20;揚水ポンプ、 30;水位計測装置、 40;揚水量計測装置、 50、150;制御装置、 51;第一算出部、 52;第二算出部、 53;第一揚水量設定部、 54;第二揚水量設定部、 55,155;単位時間揚水量算出部、 56,156;ポンプ作動制御部、 100;揚水井戸(井戸)、 H;水位、 Hd1;適正水位低下量、 Hd2;実際水位低下量、 Q;揚水量、 q;流入量、 Qmax;第一揚水量、 Qn;必要水量、 Qs;第二揚水量。

Claims (5)

  1. 井戸から水を汲み上げる揚水ポンプと、
    前記井戸における前記水の水位低下量を計測する水位計測装置と、
    前記揚水ポンプが汲み上げた前記水の揚水量を計測する揚水量計測装置と、
    前記揚水ポンプの作動を制御する制御装置と、を備える揚水装置であって、
    前記制御装置は、
    所定の第一期間において、汲み上げた前記水の揚水量に対応する適正水位低下量を所定の基準式に基づき算出する第一算出部と、
    前記所定の第一期間において、前記水位計測装置が計測した実際水位低下量と前記第一算出部が算出した前記適正水位低下量との差分に基づき、前記所定の第一期間に前記井戸内に流入した前記差分に対応する前記水の流入量を算出する第二算出部と、
    前記第二算出部で算出した前記差分に対応する前記水の前記流入量に基づき、前記所定の第一期間以降における所定の第二期間において前記井戸から揚水可能な第一揚水量を設定する第一揚水量設定部と、
    前記所定の第二期間において前記揚水量が前記第一揚水量を超えないよう、前記揚水ポンプの前記作動を制御するポンプ作動制御部と、を備える揚水装置。
  2. 前記制御装置は、
    前記第一揚水量以下で、且つ前記所定の第二期間において使用者が必要とする必要水量に基づき前記井戸から揚水する第二揚水量を設定する第二揚水量設定部を備え、
    前記ポンプ作動制御部は、前記所定の第二期間において前記揚水量が前記第二揚水量を超えないよう、前記揚水ポンプの前記作動を制御する、請求項1に記載の揚水装置。
  3. 前記制御装置は、
    設定された前記第一揚水量に対し、前記所定の第二期間における単位時間当たりの揚水量を算出する単位時間揚水量算出部を備え、
    前記ポンプ作動制御部は、算出された前記単位時間当たりの揚水量が一定で推移するよう前記揚水ポンプの前記作動を制御する、請求項1に記載の揚水装置。
  4. 前記制御装置は、
    設定された前記第二揚水量に対し、前記所定の第二期間における単位時間当たりの揚水量を算出する単位時間揚水量算出部を備え、
    前記ポンプ作動制御部は、算出された前記単位時間当たりの揚水量が一定で推移するよう前記揚水ポンプの前記作動を制御する、請求項2に記載の揚水装置。
  5. 前記所定の第一期間及び前記所定の第二期間は、一日である、請求項1-4の何れか1項に記載の揚水装置。
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