以下、本発明の理解を助けるためにより詳しく説明する。
本発明は、下記化学式1で表される化合物を提供する。
本明細書において、
は、他の置換基に連結される結合を意味する。
本明細書において、「置換または非置換の」という用語は、重水素;ハロゲン基;ニトリル基;ニトロ基;ヒドロキシ基;カルボニル基;エステル基;イミド基;アミノ基;ホスフィンオキシド基;アルコキシ基;アリールオキシ基;アルキルチオキシ基;アリールチオキシ基;アルキルスルホキシ基;アリールスルホキシ基;シリル基;ホウ素基;アルキル基;シクロアルキル基;アルケニル基;アリール基;アラルキル基;アラルケニル基;アルキルアリール基;アルキルアミン基;アラルキルアミン基;ヘテロアリールアミン基;アリールアミン基;アリールホスフィン基;またはN、OおよびS原子のうちの1個以上を含むヘテロ環基からなる群から選択される1個以上の置換基で置換または非置換されるか、前記例示された置換基のうちの2以上の置換基が連結された置換または非置換されることを意味する。例えば、「2以上の置換基が連結された置換基」は、ビフェニル基であってもよい。すなわち、ビフェニル基は、アリール基であってもよく、2個のフェニル基が連結された置換基と解釈されてもよい。
本明細書において、カルボニル基の炭素数は特に限定されないが、炭素数1~40であることが好ましい。具体的には、下記のような構造の化合物であってもよいが、これに限定されるものではない。
本明細書において、エステル基は、エステル基の酸素が、炭素数1~25の直鎖、分枝鎖もしくは環鎖アルキル基、または炭素数6~25のアリール基で置換されていてもよい。具体的には、下記構造式の化合物であってもよいが、これに限定されるものではない。
本明細書において、イミド基の炭素数は特に限定されないが、炭素数1~25であることが好ましい。具体的には、下記のような構造の化合物であってもよいが、これに限定されるものではない。
本明細書において、シリル基は、具体的には、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基、ビニルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジフェニルシリル基、フェニルシリル基などがあるが、これらに限定されるものではない。
本明細書において、ホウ素基は、具体的には、トリメチルホウ素基、トリエチルホウ素基、t-ブチルジメチルホウ素基、トリフェニルホウ素基、フェニルホウ素基などがあるが、これらに限定されるものではない。
本明細書において、ハロゲン基の例としては、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素がある。
本明細書において、前記アルキル基は、直鎖もしくは分枝鎖であってもよく、炭素数は特に限定されないが、1~40であることが好ましい。一実施形態によれば、前記アルキル基の炭素数は1~20である。また一つの実施形態によれば、前記アルキル基の炭素数は1~10である。また一つの実施形態によれば、前記アルキル基の炭素数は1~6である。アルキル基の具体的な例としては、メチル、エチル、プロピル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、1-メチルブチル、1-エチルブチル、ペンチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、ヘキシル、n-ヘキシル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、4-メチル-2-ペンチル、3,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、ヘプチル、n-ヘプチル、1-メチルヘキシル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、オクチル、n-オクチル、tert-オクチル、1-メチルヘプチル、2-エチルヘキシル、2-プロピルペンチル、n-ノニル、2,2-ジメチルヘプチル、1-エチルプロピル、1,1-ジメチルプロピル、イソヘキシル、2-メチルペンチル、4-メチルヘキシル、5-メチルヘキシルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
本明細書において、前記アルケニル基は、直鎖もしくは分枝鎖であってもよく、炭素数は特に限定されないが、2~40であることが好ましい。一実施形態によれば、前記アルケニル基の炭素数は2~20である。また一つの実施形態によれば、前記アルケニル基の炭素数は2~10である。また一つの実施形態によれば、前記アルケニル基の炭素数は2~6である。具体的な例としては、ビニル、1-プロペニル、イソプロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、3-メチル-1-ブテニル、1,3-ブタジエニル、アリル、1-フェニルビニル-1-イル、2-フェニルビニル-1-イル、2,2-ジフェニルビニル-1-イル、2-フェニル-2-(ナフチル-1-イル)ビニル-1-イル、2,2-ビス(ジフェニル-1-イル)ビニル-1-イル、スチルベニル基、スチレニル基などがあるが、これらに限定されるものではない。
本明細書において、シクロアルキル基は特に限定されないが、炭素数3~60であることが好ましく、一実施形態によれば、前記シクロアルキル基の炭素数は3~30である。また一つの実施形態によれば、前記シクロアルキル基の炭素数は3~20である。また一つの実施形態によれば、前記シクロアルキル基の炭素数は3~6である。具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、3-メチルシクロペンチル、2,3-ジメチルシクロペンチル、シクロヘキシル、3-メチルシクロヘキシル、4-メチルシクロヘキシル、2,3-ジメチルシクロヘキシル、3,4,5-トリメチルシクロヘキシル、4-tert-ブチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
本明細書において、アリール基は特に限定されないが、炭素数6~60であることが好ましく、単環式アリール基または多環式アリール基であってもよい。一実施形態によれば、前記アリール基の炭素数は6~30である。一実施形態によれば、前記アリール基の炭素数は6~20である。前記単環式アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などであってもよいが、これらに限定されるものではない。前記多環式アリール基としては、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、ピレニル基、ペリレニル基、クリセニル基、フルオレニル基などであってもよいが、これらに限定されるものではない。
本明細書において、フルオレニル基は置換されていてもよく、置換基2個が互いに結合してスピロ構造を形成してもよい。前記フルオレニル基が置換される場合、
などであってもよい。ただし、これらに限定されるものではない。
本明細書において、ヘテロ環基は、異種元素としてO、N、SiおよびSのうちの1個以上を含むヘテロ環基であって、炭素数は特に限定されないが、炭素数2~60であることが好ましい。ヘテロ環基の例としては、チオフェン基、フラニル基、ピロール基、イミダゾール基、チアゾール基、オキサゾール基、オキサジアゾール基、トリアゾル基、ピリジル基、ビピリジル基、ピリミジル基、トリアジニル基、アクリジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、キノリニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、フタラジニル基、ピリドピリミジニル基、ピリドピラジニル基、ピラジノピラジニル基、イソキノリル基、インドール基、カルバゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾイミダゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾカルバゾール基、ベンゾチオフェン基、ジベンゾチオフェン基、ベンゾフラニル基、フェナントロリン基(phenanthroline)、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、フェノチアジニル基、およびジベンゾフラニル基などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
本明細書において、アラルキル基、アラルケニル基、アルキルアリール基、アリールアミン基中のアリール基は、上述したアリール基に関する説明が適用可能である。本明細書において、アラルキル基、アルキルアリール基、アルキルアミン基中のアルキル基は、上述したアルキル基に関する説明が適用可能である。本明細書において、ヘテロアリールアミン中のヘテロアリールは、上述したヘテロ環基に関する説明が適用可能である。本明細書において、アラルケニル基中のアルケニル基は、上述したアルケニル基に関する説明が適用可能である。本明細書において、アリーレンは、2価の基であることを除けば、上述したアリール基に関する説明が適用可能である。本明細書において、ヘテロアリーレンは、2価の基であることを除けば、上述したヘテロ環基に関する説明が適用可能である。本明細書において、炭化水素環は1価の基ではなく、2個の置換基が結合して形成したことを除けば、上述したアリール基またはシクロアルキル基に関する説明が適用可能である。本明細書において、ヘテロ環は1価の基ではなく、2個の置換基が結合して形成したことを除けば、上述したヘテロ環基に関する説明が適用可能である。
好ましくは、上記化学式1は、下記化学式2~5のいずれか一つで表される:
上記化学式2~5中、
X1~X3、Y1、Y2、L、Ar1、R1およびnは上記化学式1で定義した通りである。
より好ましくは、上記化学式1は、下記化学式2-1~化学式5-4のいずれか一つで表される:
上記化学式2-1~5-4中、
X1~X3、Y1、Y2、L、Ar1、R1およびnは上記化学式1で定義した通りである。
好ましくは、X1~X3は全てNであり得る。
好ましくは、Lは単結合;置換または非置換の炭素数6~20のアリーレン;または置換または非置換のN、OおよびSで構成される群から選択されるいずれか一つ以上を含む炭素数6~20のヘテロアリーレンであり得、
より好ましくは、Lは単結合、フェニレン、ビフェニレン、ナフチレン、カルバゾリレン、ジベンゾフラニレン、またはジベンゾチオフェニレンであり得、
最も好ましくは、Lは単結合であり得る。
Ar1は、少なくとも一つの重水素で置換された炭素数6~20のアリールであり、
より好ましくは、Ar1は、5個の重水素で置換されたフェニルであり得る。
好ましくは、R
1はそれぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン;シアノ;ニトロ;アミノ;置換または非置換の炭素数1~10のアルキル;置換または非置換の炭素数3~20のシクロアルキル;置換または非置換の炭素数2~10のアルケニル;置換または非置換の炭素数6~20のアリール;または置換または非置換のN、OおよびSで構成される群から選択されるいずれか一つ以上のヘテロ原子を含む炭素数6~20のヘテロアリールであるか、または隣接した2個のR
1が互いに結合して炭素数6~20の芳香族環、またはN、OおよびSで構成される群から選択されるいずれか一つ以上のヘテロ原子を含む炭素数2~20のヘテロ芳香族環を形成することができ、
より好ましくは、R
1はそれぞれ独立して、水素またはフェニルであるか、または隣接した2個のR
1が互いに結合して下記の群から選択されるいずれか一つの環を形成することができ;
最も好ましくは、R
1はそれぞれ独立して、水素またはフェニルであるか、または隣接した2個のR1が互いに結合して
を形成することができる。
好ましくは、nは0~2の整数である。
好ましくは、上記化学式1は、下記化学式1-1または化学式1-2のいずれか一つで表される:
上記化学式1-1または化学式1-2中、
X1~X3、Y1、Y2、L、Ar1およびR1は上記化学式1で定義した通りである。
上記化学式1で表される化合物の代表的な例は次の通りである:
上記化学式1で表される化合物は、一例として下記反応式1のような製造方法で製造することができ、その他残りの化合物も同様にして製造することができる。
[反応式1]
上記反応式1中のX1~X3、Y1、Y2、L、Ar1、R1およびnは上記化学式1で定義した通りであり、Z1およびZ2はそれぞれ独立してハロゲンであり、好ましくは、Z1およびZ2はそれぞれ独立して、クロロまたはブロモである。
上記反応式1の段階1は鈴木カップリング反応であって、パラジウム触媒と塩基の存在下で行うことが好ましく、鈴木カップリング反応のための反応基は当業界で公知のものによって変更可能である。また、上記反応式1の段階2はアミン置換反応であって、パラジウム触媒と塩基の存在下で行うことが好ましく、アミン置換反応のための反応基は当業界で公知のものによって変更可能である。前記製造方法は、後述する製造例でより具体化され得る。
また、本発明は、前記化学式1で表される化合物を含む有機発光素子を提供する。一例として、本発明は、第1電極と、前記第1電極に対向して備えられた第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に備えられた1層以上の有機物層と、を含む有機発光素子であって、前記有機物層のうちの1層以上は、前記化学式1で表される化合物を含む、有機発光素子を提供する。
本発明の有機発光素子の有機物層は、単層構造からなってもよいが、2層以上の有機物層が積層された多層構造からなってもよい。例えば、本発明の有機発光素子は、有機物層として正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などを含む構造を有し得る。しかし、有機発光素子の構造はこれに限定されず、より少数の有機物層を含んでもよい。
また、前記有機物層は発光層を含み、前記発光層は、前記化学式1で表される化合物を含む。特に、本発明に係る化合物は、発光層のホストとして使用することができる。
また、前記有機物層は、電子輸送層または電子注入層を含み、前記電子輸送層または電子注入層は、前記化学式1で表される化合物を含む。
また、前記電子輸送層、電子注入層、または電子注入および電子輸送を同時に行う層は、前記化学式1で表される化合物を含む。
また、前記有機物層は発光層および電子輸送層を含み、前記電子輸送層は、前記化学式1で表される化合物を含み得る。
また、本発明に係る有機発光素子は、基板上に、正極、1層以上の有機物層、および負極が順次に積層された構造(normal type)の有機発光素子であり得る。また、本発明に係る有機発光素子は、基板上に、負極、1層以上の有機物層、および正極が順次に積層された逆方向構造(inverted type)の有機発光素子であり得る。例えば、本発明の一実施形態による有機発光素子の構造は、図1および2に例示されている。
図1は、基板1、正極2、発光層3、負極4からなる有機発光素子の構造が例示されている。この構造において、前記化学式1で表される化合物は、前記発光層に含まれ得る。
図2は、基板1、正極2、正孔注入層5、正孔輸送層6、電子遮断層7、発光層3、電子輸送層8、電子注入層9および負極4からなる有機発光素子の構造が例示されている。この構造において、前記化学式1で表される化合物は、前記正孔注入層、正孔輸送層、電子遮断層、発光層、電子輸送層および電子注入層のうちの1層以上に含まれ得る。
本発明に係る有機発光素子は、前記有機物層のうちの1層以上が前記化学式1で表される化合物を含むことを除けば、当該技術分野で知られている材料および方法で製造され得る。また、前記有機発光素子が複数の有機物層を含む場合、前記有機物層は、同一の物質または異なる物質で形成され得る。
例えば、本発明に係る有機発光素子は、基板上に、第1電極、有機物層、および第2電極を順次に積層させて製造することができる。この時、スパッタリング法(sputtering)や電子ビーム蒸発法(e-beam evaporation)などのPVD(physical Vapor Deposition)方法を用いて、基板上に金属または導電性を有する金属酸化物またはこれらの合金を蒸着させて正極を形成し、その上に正孔注入層、正孔輸送層、発光層、および電子輸送層を含む有機物層を形成した後、その上に負極として用いられる物質を蒸着させて製造することができる。この方法以外にも、基板上に、負極物質から有機物層、正極物質を順に蒸着させて有機発光素子を作ることができる。
また、前記化学式1で表される化合物は、有機発光素子の製造時、真空蒸着法のみならず、溶液塗布法によって有機物層に形成され得る。ここで、溶液塗布法とは、スピンコーティング、ディップコーティング、ドクターブレーディング、インクジェットプリンティング、スクリーンプリンティング、スプレー法、ロールコーティングなどを意味するが、これらにのみ限定されるものではない。
この方法以外にも、基板上に、負極物質から有機物層、正極物質を順に蒸着させて有機発光素子を製造することができる(WO2003/012890)。ただし、製造方法がこれに限定されるものではない。
一例として、前記第1電極は正極であり、前記第2電極は負極であるか、または、前記第1電極は負極であり、前記第2電極は正極である。
前記正極物質としては、通常有機物層への正孔注入が円滑となるように仕事関数の大きい物質が好ましい。前記正極物質の具体的な例としては、バナジウム、クロム、銅、亜鉛、金などの金属、またはこれらの合金;亜鉛酸化物、インジウム酸化物、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)などの金属酸化物;ZnO:AlまたはSNO2:Sbなどの金属と酸化物との組み合わせ;ポリ(3-メチルチオフェン)、ポリ[3,4-(エチレン-1,2-ジオキシ)チオフェン](PEDOT)、ポリピロールおよびポリアニリンなどの導電性高分子などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
前記負極物質としては、通常有機物層への電子注入が容易となるように仕事関数の小さい物質であることが好ましい。前記負極物質の具体的な例としては、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタニウム、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、スズおよび鉛などの金属、またはこれらの合金;LiF/AlまたはLiO2/Alなどの多層構造物質などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
前記正孔注入層は電極から正孔を注入する層であって、正孔注入物質としては、正孔を輸送する能力を有し、正極からの正孔注入効果、発光層または発光材料に対して優れた正孔注入効果を有し、発光層で生成された励起子の電子注入層または電子注入材料への移動を防止し、また、薄膜形成能力の優れた化合物が好ましい。正孔注入物質のHOMO(highest occupied molecular orbital)が正極物質の仕事関数と周辺有機物層のHOMOとの間であることが好ましい。正孔注入物質の具体的な例としては、金属ポルフィリン(porphyrin)、オリゴチオフェン、アリールアミン系の有機物、ヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン系の有機物、キナクリドン(quinacridone)系の有機物、ペリレン(perylene)系の有機物、アントラキノンおよびポリアニリンとポリチオフェン系の導電性高分子などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
前記正孔輸送層は、正孔注入層から正孔を受け取って発光層まで正孔を輸送する層であって、正孔輸送物質としては、正極や正孔注入層から正孔輸送を受けて発光層に移し得る物質で、正孔に対する移動性の大きい物質が好適である。具体的な例としては、アリールアミン系の有機物、導電性高分子、および共役部分と非共役部分が共にいるブロック共重合体などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
前記電子遮断層は、負極から注入された電子が発光層で再結合されず、正孔輸送層に移ることを防止するために正孔輸送層と発光層との間に置く層であって、電子抑制層または電子阻止層ともいわれる。電子遮断層としては、電子輸送層よりも電子親和力の小さい物質が好ましい。
前記発光物質としては、正孔輸送層と電子輸送層から正孔および電子の輸送をそれぞれ受けて結合させることにより可視光線領域の光を発し得る物質で、蛍光や燐光に対する量子効率の良い物質が好ましい。具体的な例としては、8-ヒドロキシ-キノリンアルミニウム錯体(Alq3);カルバゾール系化合物;二量体化スチリル(dimerized styryl)化合物;BAlq;10-ヒドロキシベンゾキノリン-金属化合物;ベンゾキサゾール、ベンズチアゾールおよびベンズイミダゾール系の化合物;ポリ(p-フェニレンビニレン)(PPV)系の高分子;スピロ(spiro)化合物;ポリフルオレン、ルブレンなどがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
前記発光層は、ホスト材料およびドーパント材料を含むことができる。ホスト材料は、縮合芳香族環誘導体またはヘテロ環含有化合物などがある。具体的には、縮合芳香族環誘導体としては、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、ナフタレン誘導体、ペンタセン誘導体、フェナントレン化合物、フルオランテン化合物などがあり、ヘテロ環含有化合物としては、カルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ラダー型フラン化合物、ピリミジン誘導体などがあるが、これらに限定されない。好ましくは、前記化学式1で表される化合物を発光層のホスト材料として含み得る。
ドーパント材料としては、芳香族アミン誘導体、スチリルアミン化合物、ホウ素錯体、フルオランテン化合物、金属錯体などがある。具体的には、芳香族アミン誘導体としては、置換または非置換のアリールアミノ基を有する縮合芳香族環誘導体で、アリールアミノ基を有するピレン、アントラセン、クリセン、ペリフランテンなどがあり、スチリルアミン化合物としては、置換または非置換のアリールアミンに少なくとも1個のアリールビニル基が置換されている化合物で、アリール基、シリル基、アルキル基、シクロアルキル基、およびアリールアミノ基からなる群より1または2以上選択される置換基が置換または非置換される。具体的には、スチリルアミン、スチリルジアミン、スチリルトリアミン、スチリルテトラアミンなどがあるが、これらに限定されない。また、金属錯体としては、イリジウム錯体、白金錯体などがあるが、これらに限定されない。
前記電子輸送層は、電子注入層から電子を受け取って発光層まで電子を輸送する層で、電子輸送物質としては、負極から電子注入をよく受けて発光層に移し得る物質で、電子に対する移動性の大きい物質が好適である。具体的な例としては、8-ヒドロキシキノリンのAl錯体;Alq3を含む錯体;有機ラジカル化合物;ヒドロキシフラボン-金属錯体などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。電子輸送層は、従来技術により使用されているような、任意の所望するカソード物質と共に使用可能である。特に、適切なカソード物質の例は、低い仕事関数を有し、アルミニウム層またはシルバー層が後に続く通常の物質である。具体的には、セシウム、バリウム、カルシウム、イッテルビウム、およびサマリウムであり、各場合、アルミニウム層またはシルバー層が後に続く。
前記電子注入層は電極から電子を注入する層で、電子を輸送する能力を有し、負極からの電子注入効果、発光層または発光材料に対して優れた電子注入効果を有し、発光層で生成された励起子の正孔注入層への移動を防止し、また、薄膜形成能力の優れた化合物が好ましい。具体的には、フルオレノン、アントラキノジメタン、ジフェノキノン、チオピランジオキシド、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、ペリレンテトラカルボン酸、フルオレニリデンメタン、アントロンなどとそれらの誘導体、金属錯体化合物、および含窒素5員環誘導体などがあるが、これらに限定されない。
前記金属錯体化合物としては、8-ヒドロキシキノリナトリチウム、ビス(8-ヒドロキシキノリナト)亜鉛、ビス(8-ヒドロキシキノリナト)銅、ビス(8-ヒドロキシキノリナト)マンガン、トリス(8-ヒドロキシキノリナト)アルミニウム、トリス(2-メチル-8-ヒドロキシキノリナト)アルミニウム、トリス(8-ヒドロキシキノリナト)ガリウム、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)亜鉛、ビス(2-メチル-8-キノリナト)クロロガリウム、ビス(2-メチル-8-キノリナト)(o-クレゾラート)ガリウム、ビス(2-メチル-8-キノリナト)(1-ナフトラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリナト)(2-ナフトラート)ガリウムなどがあるが、これらに限定されない。
本発明に係る有機発光素子は、使用される材料によって、前面発光型、後面発光型、または両面発光型であり得る。
また、前記化学式1で表される化合物は、有機発光素子以外にも、有機太陽電池または有機トランジスターに含まれ得る。
以下、本発明の理解を助けるためにより詳細に説明する。ただし、下記の実施例は本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲がこれらによって限定されるものではない。
[製造例]
製造例1:化合物P-4の製造
ブロモ-3-フルオロ-2-ヨードベンゼン(1-bromo-3-fluoro-2-iodobenzene)(100g、333.5mmol)、5-クロロ-2-メトキシフェニルボロン酸((5-chloro-2-methoxyphenyl)boronic acid)(62.2g、333.5mmol)をテトラヒドロフラン(THF)800mlに溶かした。そこに炭酸ナトリウム(Na2CO3)2M溶液(500mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)[Pd(PPh3)4](7.7g、6.7mmol)を入れて、12時間還流させた。反応が終わった後、常温で冷却させ、生成された混合物を水とトルエンで3回抽出した。トルエン層を分離した後、硫酸マグネシウム(magnesium sulfate)で乾燥してろ過した濾液を減圧蒸留して得られた混合物をクロロホルム、エタノールを用いて3回再結晶して、化合物P-1(53.7g、収率51%;MS:[M+H]+=314)を得た。
化合物P-1(50.0g、158.5mmol)をジクロロメタン(Dichlorometahne)(600ml)に溶かした後、0℃で冷却させた。三臭化ホウ素(boron tribromide)(15.8ml、166.4mmol)をゆっくり滴下した後、12時間攪拌した。反応が終了した後、水で3回洗浄し、硫酸マグネシウム(magnesium sulfate)で乾燥してろ過した濾液を減圧蒸留し、カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物P-2(47.4g、収率99%;MS:[M+H]+=300)を得た。
化合物P-2(40.0g、132.7mmol)を蒸留されたジメチルホルムアミド(DMF)(400ml)に溶かした。これを0℃で冷却させ、そこに水酸化ナトリウム(sodium hydride)(3.5g、145.9mmol)をゆっくり滴下した。20分間攪拌した後、100℃で1時間攪拌した。反応が終了した後、常温で冷却し、エタノール(Ethanol)100mlをゆっくりと入れた。前記混合物を減圧蒸留して得られた混合物をクロロホルム、酢酸エチルで再結晶して、化合物P-3(30.3g、収率81%;MS:[M+H]+=280)を得た。
化合物P-3(30.0g、106.6mmol)をテトラヒドロフラン(300ml)に溶かした後、-78℃に温度を下げ、1.7M tert-ブチルリチウム(t-BuLi)(62.7ml、106.6mmol)をゆっくりと加えた。同一温度で一時間攪拌した後、ホウ酸トリイソプロピル(B(OiPr)3)(28.3ml、213.1mmol)を加え、常温で温度を徐々に上げながら3時間攪拌した。反応混合物に2N塩酸水溶液(200ml)を加え、1.5時間常温で攪拌した。生成された沈殿物をろ過し、水とエチルエーテル(ethyl ether)で順次洗浄した後、真空乾燥した。乾燥後、エチルエーテルに分散させて2時間攪拌した後、ろ過し乾燥して、化合物P-4(24.4g、収率93%;MS:[M+H]+=247)を製造した。
製造例2:化合物Q-4の製造
ブロモ-3-フルオロ-4-ヨードベンゼン(1-bromo-3-fluoro-4-iodobenzene)(50g、166.6mmol)、5-クロロ-2-メトキシフェニルボロン酸((5-chloro-2-methoxyphenyl)boronic acid)(31.1g、166.6mmol)をテトラヒドロフラン(THF)800mlに溶かした。そこに炭酸ナトリウム(Na2CO3)2M溶液(250mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)[Pd(PPh3)4](3.8g、3mol%)を入れて、12時間還流させた。反応が終わった後、常温で冷却させ、生成された混合物を水とトルエンで3回抽出した。トルエン層を分離した後、硫酸マグネシウム(magnesium sulfate)で乾燥してろ過した濾液を減圧蒸留して得られた混合物をクロロホルム、エタノールを用いて3回再結晶して、化合物Q-1(27.5g、収率51%;MS:[M+H]+=314)を得た。
化合物Q-1(25.0g、150mmol)をジクロロメタン(Dichlorometahne)(300ml)に溶かした後、0℃で冷却させた。三臭化ホウ素(boron tribromide)(7.9ml、83.2mmol)をゆっくり滴下した後、12時間攪拌した。反応が終了した後、水で3回洗浄し、硫酸マグネシウム(magnesium sulfate)で乾燥してろ過した濾液を減圧蒸留し、カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物Q-2(23.7g、収率99%;MS:[M+H]+=300)を得た。
化合物Q-2(20.0g、66.4mmol)を蒸留されたジメチルホルムアミド(DMF)(200ml)に溶かした。これを0℃で冷却させ、そこに水酸化ナトリウム(sodium hydride)(1.8g、72.9mmol)をゆっくり滴下した。20分間攪拌した後、100℃で1時間攪拌した。反応が終了した後、常温で冷却し、エタノール(Ethanol)100mlをゆっくりと入れた。前記混合物を減圧蒸留して得られた混合物をクロロホルム、酢酸エチルで再結晶して、化合物Q-3(15.2g、収率81%;MS:[M+H]+=280)を得た。
化合物Q-3(15.0g、53.3mmol)をテトラヒドロフラン(150ml)に溶かした後、-78℃に温度を下げ、1.7M tert-ブチルリチウム(t-BuLi)(31.8ml、53.3mmol)をゆっくりと加えた。同一温度で一時間攪拌した後、ホウ酸トリイソプロピル(B(OiPr)3)(14.2ml、107.0mmol)を加え、常温で温度を徐々に上げながら3時間攪拌した。反応混合物に2N塩酸水溶液(100ml)を加え、1.5時間常温で攪拌した。生成された沈殿物をろ過し、水とエチルエーテル(ethyl ether)で順次洗浄した後、真空乾燥した。乾燥後、エチルエーテルに分散させて2時間攪拌した後、ろ過し乾燥して、化合物Q-4(12.2g、収率93%;MS:[M+H]+=247)を製造した。
製造例3:化合物R-4の製造
ブロモ-3-フルオロ-4-ヨードベンゼン(1-bromo-3-fluoro-4-iodobenzene)(50g、166.6mmol)、(4-chloro-2-methoxyphenyl)boronic(31.1g、166.6mmol)をテトラヒドロフラン(THF)800mlに溶かした。そこに炭酸ナトリウム(Na2CO3)2M溶液(250mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)[Pd(PPh3)4](3.8g、3mol%)を入れて、12時間還流させた。反応が終わった後、常温で冷却させ、生成された混合物を水とトルエンで3回抽出した。トルエン層を分離した後、硫酸マグネシウム(magnesium sulfate)で乾燥してろ過した濾液を減圧蒸留して得られた混合物をクロロホルム、エタノールを用いて3回再結晶して、化合物R-1(27.5g、収率51%;MS:[M+H]+=314)を得た。
化合物R-1(25.0g、150mmol)をジクロロメタン(Dichlorometahne)(300ml)に溶かした後、0℃で冷却させた。三臭化ホウ素(boron tribromide)(7.9ml、83.2mmol)をゆっくり滴下した後、12時間攪拌した。反応が終了した後、水で3回洗浄し、硫酸マグネシウム(magnesium sulfate)で乾燥してろ過した濾液を減圧蒸留し、カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物R-2(23.7g、収率99%;MS:[M+H]+=300)を得た。
化合物R-2(20.0g、66.4mmol)を蒸留されたジメチルホルムアミド(DMF)(200ml)に溶かした。これを0℃で冷却させ、そこに水酸化ナトリウム(sodium hydride)(1.8g、72.9mmol)をゆっくり滴下した。20分間攪拌した後、100℃で1時間攪拌した。反応が終了した後、常温で冷却し、エタノール(Ethanol)100mlをゆっくりと入れた。前記混合物を減圧蒸留して得られた混合物をクロロホルム、酢酸エチルで再結晶して、化合物R-3(15.2g、収率81%;MS:[M+H]+=280)を得た。
化合物R-3(15.0g、53.3mmol)をテトラヒドロフラン(150ml)に溶かした後、-78℃に温度を下げ、1.7M tert-ブチルリチウム(t-BuLi)(31.8ml、53.3mmol)をゆっくりと加えた。同一温度で一時間攪拌した後、ホウ酸トリイソプロピル(B(OiPr)3)(14.2ml、107.0mmol)を加え、常温で温度を徐々に上げながら3時間攪拌した。反応混合物に2N塩酸水溶液(100ml)を加え、1.5時間常温で攪拌した。生成された沈殿物をろ過し、水とエチルエーテル(ethyl ether)で順次洗浄した後、真空乾燥した。乾燥後、エチルエーテルに分散させて2時間攪拌した後、ろ過し乾燥して、化合物R-4(12.2g、収率93%;MS:[M+H]+=247)を製造した。
製造例4:化合物T-4の製造
5-クロロ-2-メトキシフェニルボロン酸((5-chloro-2-methoxyphenyl)boronic acid)(62.2g、333.5mmol)の代わりに4-クロロ-2-メトキシフェニルボロン酸((4-chloro-2-methoxyphenyl)boronic acid)(62.2g、333.5mmol)を使用したことを除いては、製造例1のP-1の製造と同様の方法で、化合物T-1(65.3g、収率62%;MS:[M+H]+=314)を製造した。
化合物P-1(50.0g、158.5mmol)の代わりに化合物T-1(50.0g、158.5mmol)を使用したことを除いては、製造例1のP-2の製造と同様の方法で、化合物T-2(43.0g、収率90%;MS:[M+H]+=300)を製造した。
化合物P-2(40.0g、132.7mmol)の代わりに化合物T-2(40.0g、132.7mmol)を使用したことを除いては、製造例1のP-3の製造と同様の方法で、化合物T-3(30.6g、収率82%;MS:[M+H]+=280)を製造した。
化合物P-3(30.0g、106.6mmol)の代わりに化合物T-3(30.0g、106.6mmol)を使用したことを除いては、製造例1のP-4の製造と同様の方法で、化合物T-4(25.0g、収率95%;MS:[M+H]+=247)を製造した。
製造例5:化合物A1、A2、A4およびA5の製造
1)化合物A1の製造
2,4-dichloro-6-(dibenzo[b,d]furan-4-yl)-1,3,5-triazine(50.0g、158.7mmol)と(phenyl-d5)boronic acid(20.2g、158.7mmol)をテトラヒドロフラン(500ml)に分散させた後、2M炭酸カリウム水溶液(aq.K2CO3)(238ml、476.2mmol)を添加し、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム[Pd(PPh3)4](5.5g、3mol%)を入れた後、5時間攪拌還流した。常温で温度を下げ、生成された固体をろ過した。ろ過された固体をクロロホルムと酢酸エチルで再結晶しろ過した後、乾燥して、化合物A1(39.1g、収率68%;MS:[M+H]+=363)を製造した。
2)化合物A2の製造
2,4-dichloro-6-(dibenzo[b,d]furan-3-yl)-1,3,5-triazine(50.0g、158.7mmol)と(phenyl-d5)boronic acid(20.2g、158.7mmol)をテトラヒドロフラン(500ml)に分散させた後、2M炭酸カリウム水溶液(aq.K2CO3)(238ml、476.2mmol)を添加し、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム[Pd(PPh3)4](5.5g、3mol%)を入れた後、5時間攪拌還流した。常温で温度を下げ、生成された固体をろ過した。ろ過された固体をクロロホルムと酢酸エチルで再結晶しろ過した後、乾燥して、化合物A2(42.5g、収率74%;MS:[M+H]+=363)を製造した。
3)化合物A4の製造
2,4-dichloro-6-(dibenzo[b,d]furan-1-yl)-1,3,5-triazine(50.0g、158.7mmol)と(phenyl-d5)boronic acid(20.2g、158.7mmol)をテトラヒドロフラン(500ml)に分散させた後、2M炭酸カリウム水溶液(aq.K2CO3)(238ml、476.2mmol)を添加し、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム[Pd(PPh3)4](5.5g、3mol%)を入れた後、5時間攪拌還流した。常温で温度を下げ、生成された固体をろ過した。ろ過された固体をクロロホルムと酢酸エチルで再結晶しろ過した後、乾燥して、化合物A4(33.9g、収率59%;MS:[M+H]+=363)を製造した。
4)化合物A5の製造
2,4-dichloro-6-(dibenzo[b,d]thiophen-4-yl)-1,3,5-triazine(50.0g、151.1mmol)と(phenyl-d5)boronic acid(19.2g、151.1mmol)をテトラヒドロフラン(500ml)に分散させた後、2M炭酸カリウム水溶液(aq.K2CO3)(226ml、453.2mmol)を添加し、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム[Pd(PPh3)4](5.2g、3mol%)を入れた後、5時間攪拌還流した。常温で温度を下げ、生成された固体をろ過した。ろ過された固体をクロロホルムと酢酸エチルで再結晶しろ過した後、乾燥して、化合物A5(42.8g、収率75%;MS:[M+H]+=379)を製造した。
製造例6:化合物sub1~sub16の製造
1)化合物sub1の製造
化合物P-4(20.0g、81.3mmol)と化合物A2(29.4g、81.3mmol)をテトラヒドロフラン(200ml)に分散させた後、2M炭酸カリウム水溶液(aq.K2CO3)(122ml、243.9mmol)を添加し、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム[Pd(PPh3)4](2.8g、3mol%)を入れた後、5時間攪拌還流した。常温で温度を下げ、生成された固体をろ過した。ろ過された固体をクロロホルムと酢酸エチルで再結晶しろ過した後、乾燥して、化合物sub1(21.9g、収率51%;MS:[M+H]+=529)を製造した。
2)化合物sub2の製造
化合物Q-4(20.0g、81.3mmol)と化合物A2(29.4g、81.3mmol)をテトラヒドロフラン(200ml)に分散させた後、2M炭酸カリウム水溶液(aq.K2CO3)(122ml、243.9mmol)を添加し、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム[Pd(PPh3)4](2.8g、3mol%)を入れた後、5時間攪拌還流した。常温で温度を下げ、生成された固体をろ過した。ろ過された固体をクロロホルムと酢酸エチルで再結晶しろ過した後、乾燥して、化合物sub2(28.3g、収率66%;MS:[M+H]+=529)を製造した。
3)化合物sub3の製造
化合物R-4(20.0g、81.3mmol)と化合物A2(29.4g、81.3mmol)をテトラヒドロフラン(200ml)に分散させた後、2M炭酸カリウム水溶液(aq.K2CO3)(122ml、243.9mmol)を添加し、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム[Pd(PPh3)4](2.8g、3mol%)を入れた後、5時間攪拌還流した。常温で温度を下げ、生成された固体をろ過した。ろ過された固体をクロロホルムと酢酸エチルで再結晶しろ過した後、乾燥して、化合物sub3(28.3g、収率66%;MS:[M+H]+=529)を製造した。
4)化合物sub4の製造
化合物T-4(20.0g、81.3mmol)と化合物A2(29.4g、81.3mmol)をテトラヒドロフラン(200ml)に分散させた後、2M炭酸カリウム水溶液(aq.K2CO3)(122ml、243.9mmol)を添加し、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム[Pd(PPh3)4](2.8g、3mol%)を入れた後、5時間攪拌還流した。常温で温度を下げ、生成された固体をろ過した。ろ過された固体をクロロホルムと酢酸エチルで再結晶しろ過した後、乾燥して、化合物sub4(21.5g、収率50%;MS:[M+H]+=529)を製造した。
5)化合物sub5の製造
化合物P-4(20.0g、81.3mmol)と化合物A1(29.4g、81.3mmol)をテトラヒドロフラン(200ml)に分散させた後、2M炭酸カリウム水溶液(aq.K2CO3)(122ml、243.9mmol)を添加し、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム[Pd(PPh3)4](2.8g、3mol%)を入れた後、5時間攪拌還流した。常温で温度を下げ、生成された固体をろ過した。ろ過された固体をクロロホルムと酢酸エチルで再結晶しろ過した後、乾燥して、化合物sub5(25.8g、収率60%;MS:[M+H]+=529)を製造した。
6)化合物sub6の製造
化合物Q-4(20.0g、81.3mmol)と化合物A1(29.4g、81.3mmol)をテトラヒドロフラン(200ml)に分散させた後、2M炭酸カリウム水溶液(aq.K2CO3)(122ml、243.9mmol)を添加し、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム[Pd(PPh3)4](2.8g、3mol%)を入れた後、5時間攪拌還流した。常温で温度を下げ、生成された固体をろ過した。ろ過された固体をクロロホルムと酢酸エチルで再結晶しろ過した後、乾燥して、化合物sub6(24.5g、収率57%;MS:[M+H]+=529)を製造した。
7)化合物sub7の製造
化合物R-4(20.0g、81.3mmol)と化合物A1(29.4g、81.3mmol)をテトラヒドロフラン(200ml)に分散させた後、2M炭酸カリウム水溶液(aq.K2CO3)(122ml、243.9mmol)を添加し、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム[Pd(PPh3)4](2.8g、3mol%)を入れた後、5時間攪拌還流した。常温で温度を下げ、生成された固体をろ過した。ろ過された固体をクロロホルムと酢酸エチルで再結晶しろ過した後、乾燥して、化合物sub7(32.2g、収率75%;MS:[M+H]+=529)を製造した。
8)化合物sub8の製造
化合物T-4(20.0g、81.3mmol)と化合物A1(29.4g、81.3mmol)をテトラヒドロフラン(200ml)に分散させた後、2M炭酸カリウム水溶液(aq.K2CO3)(122ml、243.9mmol)を添加し、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム[Pd(PPh3)4](2.8g、3mol%)を入れた後、5時間攪拌還流した。常温で温度を下げ、生成された固体をろ過した。ろ過された固体をクロロホルムと酢酸エチルで再結晶しろ過した後、乾燥して、化合物sub8(27.9g、収率65%;MS:[M+H]+=529)を製造した。
9)化合物sub9の製造
化合物P-4(20.0g、81.3mmol)と化合物A5(30.7g、81.3mmol)をテトラヒドロフラン(200ml)に分散させた後、2M炭酸カリウム水溶液(aq.K2CO3)(122ml、243.9mmol)を添加し、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム[Pd(PPh3)4](2.8g、3mol%)を入れた後、5時間攪拌還流した。常温で温度を下げ、生成された固体をろ過した。ろ過された固体をクロロホルムと酢酸エチルで再結晶しろ過した後、乾燥して、化合物sub9(24.8g、収率56%;MS:[M+H]+=545)を製造した。
10)化合物sub10の製造
化合物Q-4(20.0g、81.3mmol)と化合物A5(30.7g、81.3mmol)をテトラヒドロフラン(200ml)に分散させた後、2M炭酸カリウム水溶液(aq.K2CO3)(122ml、243.9mmol)を添加し、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム[Pd(PPh3)4](2.8g、3mol%)を入れた後、5時間攪拌還流した。常温で温度を下げ、生成された固体をろ過した。ろ過された固体をクロロホルムと酢酸エチルで再結晶しろ過した後、乾燥して、化合物sub10(26.5g、収率60%;MS:[M+H]+=545)を製造した。
11)化合物sub11の製造
化合物R-4(20.0g、81.3mmol)と化合物A5(30.7g、81.3mmol)をテトラヒドロフラン(200ml)に分散させた後、2M炭酸カリウム水溶液(aq.K2CO3)(122ml、243.9mmol)を添加し、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム[Pd(PPh3)4](2.8g、3mol%)を入れた後、5時間攪拌還流した。常温で温度を下げ、生成された固体をろ過した。ろ過された固体をクロロホルムと酢酸エチルで再結晶しろ過した後、乾燥して、化合物sub11(31.0g、収率70%;MS:[M+H]+=545)を製造した。
12)化合物sub12の製造
化合物T-4(20.0g、81.3mmol)と化合物A5(30.7g、81.3mmol)をテトラヒドロフラン(200ml)に分散させた後、2M炭酸カリウム水溶液(aq.K2CO3)(122ml、243.9mmol)を添加し、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム[Pd(PPh3)4](2.8g、3mol%)を入れた後、5時間攪拌還流した。常温で温度を下げ、生成された固体をろ過した。ろ過された固体をクロロホルムと酢酸エチルで再結晶しろ過した後、乾燥して、化合物sub12(29.2g、収率66%;MS:[M+H]+=545)を製造した。
13)化合物sub13の製造
化合物P-4(20.0g、81.3mmol)と化合物A4(29.4g、81.3mmol)をテトラヒドロフラン(200ml)に分散させた後、2M炭酸カリウム水溶液(aq.K2CO3)(122ml、243.9mmol)を添加し、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム[Pd(PPh3)4](2.8g、3mol%)を入れた後、5時間攪拌還流した。常温で温度を下げ、生成された固体をろ過した。ろ過された固体をクロロホルムと酢酸エチルで再結晶しろ過した後、乾燥して、化合物sub13(27.0g、収率63%;MS:[M+H]+=529)を製造した。
14)化合物sub14の製造
化合物Q-4(20.0g、81.3mmol)と化合物A4(29.4g、81.3mmol)をテトラヒドロフラン(200ml)に分散させた後、2M炭酸カリウム水溶液(aq.K2CO3)(122ml、243.9mmol)を添加し、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム[Pd(PPh3)4](2.8g、3mol%)を入れた後、5時間攪拌還流した。常温で温度を下げ、生成された固体をろ過した。ろ過された固体をクロロホルムと酢酸エチルで再結晶しろ過した後、乾燥して、化合物sub14(26.6g、収率62%;MS:[M+H]+=529)を製造した。
15)化合物sub15の製造
化合物R-4(20.0g、81.3mmol)と化合物A4(29.4g、81.3mmol)をテトラヒドロフラン(200ml)に分散させた後、2M炭酸カリウム水溶液(aq.K2CO3)(122ml、243.9mmol)を添加し、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム[Pd(PPh3)4](2.8g、3mol%)を入れた後、5時間攪拌還流した。常温で温度を下げ、生成された固体をろ過した。ろ過された固体をクロロホルムと酢酸エチルで再結晶しろ過した後、乾燥して、化合物sub15(30.9g、収率72%;MS:[M+H]+=529)を製造した。
16)化合物sub16の製造
化合物T-4(20.0g、81.3mmol)と化合物A4(29.4g、81.3mmol)をテトラヒドロフラン(200ml)に分散させた後、2M炭酸カリウム水溶液(aq.K2CO3)(122ml、243.9mmol)を添加し、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム[Pd(PPh3)4](2.8g、3mol%)を入れた後、5時間攪拌還流した。常温で温度を下げ、生成された固体をろ過した。ろ過された固体をクロロホルムと酢酸エチルで再結晶しろ過した後、乾燥して、化合物sub16(23.2g、収率54%;MS:[M+H]+=529)を製造した。
製造例7:化合物1~16の製造
1)化合物1の製造
窒素雰囲気下で化合物sub1(20.0g、37.9mmol)と9-カルバゾール(6.3g、37.9mmol)をキシレン200mLに投入して溶かし、ナトリウムtert-ブトキシド(7.3g、75.7mmol)を添加して加温した。ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0.6g、3mol%)を投入して12時間還流攪拌させた。反応が完了すると常温まで温度を下げた後、生成された固体をろ過した。固体をクロロホルム1,000mLに溶かし、水で2回洗浄した後、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムを入れて攪拌した後、ろ過して濾液を減圧蒸留した。濃縮した化合物をクロロホルムと酢酸エチルを用いてシリカカラムにより精製して、黄色の固体化合物1(13.5g、収率54%)を製造した。
MS:[M+H]+=660
2)化合物2の製造
窒素雰囲気下で化合物sub2(20.0g、37.9mmol)と9-カルバゾール(6.3g、37.9mmol)をキシレン200mLに投入して溶かし、ナトリウムtert-ブトキシド(7.3g、75.7mmol)を添加して加温した。ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0.6g、3mol%)を投入して12時間還流攪拌させた。反応が完了すると常温まで温度を下げた後、生成された固体をろ過した。固体をクロロホルム1,000mLに溶かし、水で2回洗浄した後、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムを入れて攪拌した後、ろ過して濾液を減圧蒸留した。濃縮した化合物をクロロホルムと酢酸エチルを用いてシリカカラムにより精製して、緑色の固体化合物2(9.0g、収率36%)を製造した。
MS:[M+H]+=660
3)化合物3の製造
窒素雰囲気下で化合物sub3(20.0g、37.9mmol)と9-カルバゾール(6.3g、37.9mmol)をキシレン200mLに投入して溶かし、ナトリウムtert-ブトキシド(7.3g、75.7mmol)を添加して加温した。ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0.6g、3mol%)を投入して12時間還流攪拌させた。反応が完了すると常温まで温度を下げた後、生成された固体をろ過した。固体をクロロホルム1,000mLに溶かし、水で2回洗浄した後、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムを入れて攪拌した後、ろ過して濾液を減圧蒸留した。濃縮した化合物をクロロホルムと酢酸エチルを用いてシリカカラムにより精製して、緑色の固体化合物3(13.5g、収率54%)を製造した。
MS:[M+H]+=660
4)化合物4の製造
窒素雰囲気下で化合物sub4(20.0g、37.9mmol)と9-カルバゾール(6.3g、37.9mmol)をキシレン200mLに投入して溶かし、ナトリウムtert-ブトキシド(7.3g、75.7mmol)を添加して加温した。ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0.6g、3mol%)を投入して12時間還流攪拌させた。反応が完了すると常温まで温度を下げた後、生成された固体をろ過した。固体をクロロホルム1,000mLに溶かし、水で2回洗浄した後、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムを入れて攪拌した後、ろ過して濾液を減圧蒸留した。濃縮した化合物をクロロホルムと酢酸エチルを用いてシリカカラムにより精製して、黄色の固体化合物4(9.0g、収率36%)を製造した。
MS:[M+H]+=660
5)化合物5の製造
窒素雰囲気下で化合物sub5(20.0g、37.9mmol)と9-カルバゾール(6.3g、37.9mmol)をキシレン200mLに投入して溶かし、ナトリウムtert-ブトキシド(7.3g、75.7mmol)を添加して加温した。ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0.6g、3mol%)を投入して12時間還流攪拌させた。反応が完了すると常温まで温度を下げた後、生成された固体をろ過した。固体をクロロホルム1,000mLに溶かし、水で2回洗浄した後、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムを入れて攪拌した後、ろ過して濾液を減圧蒸留した。濃縮した化合物をクロロホルムと酢酸エチルを用いてシリカカラムにより精製して、黄色の固体化合物5(16.7g、収率67%)を製造した。
MS:[M+H]+=660
6)化合物6の製造
窒素雰囲気下で化合物sub6(20.0g、37.9mmol)と9-カルバゾール(6.3g、37.9mmol)をキシレン200mLに投入して溶かし、ナトリウムtert-ブトキシド(7.3g、75.7mmol)を添加して加温した。ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0.6g、3mol%)を投入して12時間還流攪拌させた。反応が完了すると常温まで温度を下げた後、生成された固体をろ過した。固体をクロロホルム1,000mLに溶かし、水で2回洗浄した後、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムを入れて攪拌した後、ろ過して濾液を減圧蒸留した。濃縮した化合物をクロロホルムと酢酸エチルを用いてシリカカラムにより精製して、黄色の固体化合物6(10.0g、収率40%)を製造した。
MS:[M+H]+=660
7)化合物7の製造
窒素雰囲気下で化合物sub7(20.0g、37.9mmol)と9-カルバゾール(6.3g、37.9mmol)をキシレン200mLに投入して溶かし、ナトリウムtert-ブトキシド(7.3g、75.7mmol)を添加して加温した。ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0.6g、3mol%)を投入して12時間還流攪拌させた。反応が完了すると常温まで温度を下げた後、生成された固体をろ過した。固体をクロロホルム1,000mLに溶かし、水で2回洗浄した後、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムを入れて攪拌した後、ろ過して濾液を減圧蒸留した。濃縮した化合物をクロロホルムと酢酸エチルを用いてシリカカラムにより精製して、緑色の固体化合物7(10.2g、収率41%)を製造した。
MS:[M+H]+=660
8)化合物8の製造
窒素雰囲気下で化合物sub8(20.0g、37.9mmol)と9-カルバゾール(6.3g、37.9mmol)をキシレン200mLに投入して溶かし、ナトリウムtert-ブトキシド(7.3g、75.7mmol)を添加して加温した。ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0.6g、3mol%)を投入して12時間還流攪拌させた。反応が完了すると常温まで温度を下げた後、生成された固体をろ過した。固体をクロロホルム1,000mLに溶かし、水で2回洗浄した後、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムを入れて攪拌した後、ろ過して濾液を減圧蒸留した。濃縮した化合物をクロロホルムと酢酸エチルを用いてシリカカラムにより精製して、緑色の固体化合物8(18.5g、収率74%)を製造した。
MS:[M+H]+=660
9)化合物9の製造
窒素雰囲気下で化合物sub9(20.0g、36.8mmol)と9-カルバゾール(6.1g、36.8mmol)をキシレン200mLに投入して溶かし、ナトリウムtert-ブトキシド(7.1g、73.5mmol)を添加して加温した。ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0.6g、3mol%)を投入して12時間還流攪拌させた。反応が完了すると常温まで温度を下げた後、生成された固体をろ過した。固体をクロロホルム1,000mLに溶かし、水で2回洗浄した後、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムを入れて攪拌した後、ろ過して濾液を減圧蒸留した。濃縮した化合物をクロロホルムと酢酸エチルを用いてシリカカラムにより精製して、黄色の固体化合物9(9.7g、収率39%)を製造した。
MS:[M+H]+=676
10)化合物10の製造
窒素雰囲気下で化合物sub10(20.0g、36.8mmol)と9-カルバゾール(6.1g、36.8mmol)をキシレン200mLに投入して溶かし、ナトリウムtert-ブトキシド(7.1g、73.5mmol)を添加して加温した。ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0.6g、3mol%)を投入して12時間還流攪拌させた。反応が完了すると常温まで温度を下げた後、生成された固体をろ過した。固体をクロロホルム1,000mLに溶かし、水で2回洗浄した後、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムを入れて攪拌した後、ろ過して濾液を減圧蒸留した。濃縮した化合物をクロロホルムと酢酸エチルを用いてシリカカラムにより精製して、緑色の固体化合物10(13.9g、収率56%)を製造した。
MS:[M+H]+=676
11)化合物11の製造
窒素雰囲気下で化合物sub11(20.0g、36.8mmol)と9-カルバゾール(6.1g、36.8mmol)をキシレン200mLに投入して溶かし、ナトリウムtert-ブトキシド(7.1g、73.5mmol)を添加して加温した。ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0.6g、3mol%)を投入して12時間還流攪拌させた。反応が完了すると常温まで温度を下げた後、生成された固体をろ過した。固体をクロロホルム1,000mLに溶かし、水で2回洗浄した後、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムを入れて攪拌した後、ろ過して濾液を減圧蒸留した。濃縮した化合物をクロロホルムと酢酸エチルを用いてシリカカラムにより精製して、緑色の固体化合物11(14.4g、収率58%)を製造した。
MS:[M+H]+=676
12)化合物12の製造
窒素雰囲気下で化合物sub12(20.0g、36.8mmol)と9-カルバゾール(6.1g、36.8mmol)をキシレン200mLに投入して溶かし、ナトリウムtert-ブトキシド(7.1g、73.5mmol)を添加して加温した。ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0.6g、3mol%)を投入して12時間還流攪拌させた。反応が完了すると常温まで温度を下げた後、生成された固体をろ過した。固体をクロロホルム1,000mLに溶かし、水で2回洗浄した後、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムを入れて攪拌した後、ろ過して濾液を減圧蒸留した。濃縮した化合物をクロロホルムと酢酸エチルを用いてシリカカラムにより精製して、緑色の固体化合物12(11.2g、収率45%)を製造した。
MS:[M+H]+=676
13)化合物13の製造
窒素雰囲気下で化合物sub13(20.0g、37.9mmol)と9-カルバゾール(6.3g、37.9mmol)をキシレン200mLに投入して溶かし、ナトリウムtert-ブトキシド(7.3g、75.7mmol)を添加して加温した。ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0.6g、3mol%)を投入して12時間還流攪拌させた。反応が完了すると常温まで温度を下げた後、生成された固体をろ過した。固体をクロロホルム1,000mLに溶かし、水で2回洗浄した後、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムを入れて攪拌した後、ろ過して濾液を減圧蒸留した。濃縮した化合物をクロロホルムと酢酸エチルを用いてシリカカラムにより精製して、黄色の固体化合物13(13.7g、収率55%)を製造した。
MS:[M+H]+=660
14)化合物14の製造
窒素雰囲気下で化合物sub14(20.0g、37.9mmol)と9-カルバゾール(6.3g、37.9mmol)をキシレン200mLに投入して溶かし、ナトリウムtert-ブトキシド(7.3g、75.7mmol)を添加して加温した。ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0.6g、3mol%)を投入して12時間還流攪拌させた。反応が完了すると常温まで温度を下げた後、生成された固体をろ過した。固体をクロロホルム1,000mLに溶かし、水で2回洗浄した後、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムを入れて攪拌した後、ろ過して濾液を減圧蒸留した。濃縮した化合物をクロロホルムと酢酸エチルを用いてシリカカラムにより精製して、緑色の固体化合物14(12.0g、収率48%)を製造した。
MS:[M+H]+=660
15)化合物15の製造
窒素雰囲気下で化合物sub15(20.0g、37.9mmol)と9-カルバゾール(6.3g、37.9mmol)をキシレン200mLに投入して溶かし、ナトリウムtert-ブトキシド(7.3g、75.7mmol)を添加して加温した。ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0.6g、3mol%)を投入して12時間還流攪拌させた。反応が完了すると常温まで温度を下げた後、生成された固体をろ過した。固体をクロロホルム1,000mLに溶かし、水で2回洗浄した後、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムを入れて攪拌した後、ろ過して濾液を減圧蒸留した。濃縮した化合物をクロロホルムと酢酸エチルを用いてシリカカラムにより精製して、緑色の固体化合物15(15.5g、収率62%)を製造した。
MS:[M+H]+=660
16)化合物16の製造
窒素雰囲気下で化合物sub16(20.0g、37.9mmol)と9-カルバゾール(6.3g、37.9mmol)をキシレン200mLに投入して溶かし、ナトリウムtert-ブトキシド(7.3g、75.7mmol)を添加して加温した。ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0.6g、3mol%)を投入して12時間還流攪拌させた。反応が完了すると常温まで温度を下げた後、生成された固体をろ過した。固体をクロロホルム1,000mLに溶かし、水で2回洗浄した後、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムを入れて攪拌した後、ろ過して濾液を減圧蒸留した。濃縮した化合物をクロロホルムと酢酸エチルを用いてシリカカラムにより精製して、黄色の固体化合物16(15.0g、収率60%)を製造した。
MS:[M+H]+=660
[実施例]
実施例1
ITO(indium tin oxide)が1,300Åの厚さに薄膜コーティングされたガラス基板を洗剤を溶かした蒸留水に入れて超音波洗浄した。この時、洗剤としてはフィッシャー社(Fischer Co.)製品を使用し、蒸留水としてはミリポア社(Millipore Co.)製品のフィルタ(Filter)で2次ろ過した蒸留水を使用した。ITOを30分間洗浄した後、蒸留水で2回繰り返し超音波洗浄を10分間進行した。蒸留水洗浄が終わった後、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノールの溶剤で超音波洗浄をし乾燥させた後、プラズマ洗浄機に輸送させた。また、酸素プラズマを用いて前記基板を5分間洗浄した後、真空蒸着機に基板を輸送させた。
こうして準備されたITO透明電極上に、下記化合物HI-1を50Åの厚さに熱真空蒸着して、正孔注入層を形成した。前記正孔注入層上に、下記化合物HT-1を250Åの厚さに熱真空蒸着して正孔輸送層を形成し、HT-1蒸着膜上に下記化合物HT-2を50Åの厚さに真空蒸着して電子遮断層を形成した。前記HT-2蒸着膜上に発光層として、前記製造例7で製造した化合物1、下記化合物YGH-1および燐光ドーパントYGD-1を44:44:12の重量比で共蒸着して、400Å厚さの発光層を形成した。前記発光層上に、下記ET-1化合物を250Åの厚さに真空蒸着して電子輸送層を形成し、前記電子輸送層上に、下記ET-2化合物とLiを98:2の重量比で真空蒸着して、100Å厚さの電子注入層を形成した。前記電子注入層上に、1,000Åの厚さにアルミニウムを蒸着して負極を形成した。
前記過程で、有機物の蒸着速度は0.4~0.7Å/secを維持し、アルミニウムは2Å/secの蒸着速度を維持し、蒸着時の真空度は1×10-7~5×10-8torrを維持した。
実施例2~実施例16
前記実施例1で製造例7の化合物1の代わりに下記表1に記載された化合物を使用したことを除いては、前記実施例1と同様の方法で有機発光素子を製造した。
比較例1~比較例4
前記実施例1で製造例7の化合物1の代わりに下記表1に記載された化合物を使用したことを除いては、前記実施例1と同様の方法で有機発光素子を製造した。下記表1のCE1~CE4の化合物は以下の通りである。
実験例
前記実施例および比較例で有機発光素子を10mA/cm2の電流密度から電圧および効率を測定し、50mA/cm2の電流密度から寿命を測定して、その結果を下記表1に示す。このとき、LT95は、初期輝度に対して95%となるまでの時間を意味する。
上記表1に示すように、本発明の化合物を発光層物質として使用する場合、比較例に比べて効率および寿命に優れた特性を示すことを確認することができた。これは、トリアジン基に、ジベンゾフラン基またはジベンゾチオフェン基と重水素が置換されたフェニルが置換されることによって電気安定性が増加したことに起因する。