以下では、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態について詳しく説明する。図面上、同一の参照符号は同一の構成要素を指し示し、各構成要素の大きさは説明の明瞭性のために誇張されてもよい。
図1は、本発明の一実施形態による運動姿勢導出装置の使用状態を示す。
本発明の一実施形態による運動姿勢導出装置100は、図1に示すようにユーザの頭側に着用される。本実施形態による運動姿勢導出装置100は、図1に示すように頭側に着用されたバンドまたは帽子に備えられる形態からなってもよく、より小型化させてイヤホンのように耳にさす形態からなってもよいが、他の形態からなってもよいことは当業者にとって明らかなことである。
図2は、本発明の一実施形態による運動姿勢導出装置の概略図を示す。
本実施形態による運動姿勢導出装置100は、図2に示すように、センサ信号収集部110および運動姿勢導出部121を含む。本実施形態による運動姿勢導出装置100は、運動矯正生成部122および矯正情報出力部130をさらに含む。
センサ信号収集部110は、上下、左右、前後を含む3軸方向加速度センサ111、およびユーザの位置を測定する位置測定センサ112を含む。3軸方向加速度センサ111は、ジャイロスコープを内蔵する形態などのように、一般に3軸方向の加速度を測定するのに用いられるセンサのうち好適なものを選択して採用することができる。位置測定センサ112は、ユーザの絶対位置を測定するためのものであって、例えば、GPS信号を用いてユーザの位置を測定するようになってもよく、または、最近GPSより正確性の高い超精密衛星航法技術が開発されているところ、このような技術が適用されるセンサが用いられてもよい。さらに、センサ信号収集部110は、以下にてより詳細に説明する運動認識および分析過程における正確度を高めるように、図2に示すように3軸方向角速度センサ113をさらに含むことができる。
本実施形態によるセンサ信号収集部110は、図1に示すようにユーザの頭側に着用され、加速度、速度および位置などのようなユーザの動的物理量を測定する。従来には、歩行モニタリングのために直接に足で押される部分である履き物および踏み台などに備えられる圧力センサを用いた。そのため、センサの損傷が早く進行して装置耐久度および寿命が短くなるという問題があった。また、使用中の装置の損傷による歩行認識および分析正確性の低下、頻繁な装置の取替えによる便宜性および経済性の低下などの問題がある。さらに、このような装置が履き物に備えられる場合、ユーザの足大きさに応じてユーザごとに各々別の装置が必要となって、ユーザ便宜性および経済性の低下が加重され、生産者にとっては大きさ別に別途生産をしなければならず経済的な負担を生じさせるなどの問題があった。
しかし、本実施形態は、歩行認識をするにおいて足で押される圧力を用いるという概念から完全に脱して、図1に示すようにユーザの頭側で測定される加速度、速度および位置などのようなユーザの動的物理量を測定し、以下にて記述する本発明の特徴的な分析アルゴリズムを適用して歩行の認識、検知および分析を実現する。このように、本実施形態は、従来技術とは測定位置および測定物理量が互いに異なる。この時、従来技術で指摘された種々の問題点の根本的な原因は「圧力センサを足部分に配置する」という技術構成から来るものであるところ、本発明によれば、その構成だけで上述したような種々の問題を根本的に除去できる。
運動姿勢導出部121は、センサ信号収集部110から信号の伝達を受け、3軸方向加速度および位置信号を用いてユーザ質量中心の加速度、速度、位置を含む歩行または走行運動状態値を導出し、前記歩行または走行運動状態値を分析して歩行または走行姿勢を導出する役割をする。具体的には、運動姿勢導出部121は、前記歩行または走行運動状態値から圧力中心経路を推算し、前記圧力中心経路を分析して歩行または走行姿勢を導出する。前記運動姿勢導出部121で用いられる本発明の分析アルゴリズムについては後ほど詳しく説明するので、ここではその説明を省略する。
一方、運動姿勢導出部121は、様々な計算を実行できる集積回路の形態からなってセンサ信号収集部110と一つの基板上に形成されてもよく、または別途のコンピュータなどのような形態からなってもよい。この時、運動姿勢導出部121がセンサ信号収集部110とは別に形成される場合、センサ信号収集部110および運動姿勢導出部121間の信号伝達のために、図2に示すように通信部114が備えられてもよい。通信部114は、有線または無線通信からなることができる。無線通信としてはブルートゥース、ワイ・ファイおよびNFC技術を用いてもよいが、他の無線通信技術を用いてもよいことは当業者にとって明らかなことである。
運動矯正生成部122は、運動姿勢導出部121により導出された歩行姿勢と基準姿勢を比較して姿勢矯正用情報を生成する役割をする。運動姿勢導出部121は、上述したようにセンサ信号収集部110により収集された信号に基づいてユーザの歩行または走行姿勢を導出し、具体的な例を挙げれば、歩行または走行時におけるユーザの進行方向、速度などを導出することができ、それにより歩行姿勢の要素のうちの一つである歩幅を得ることができる。この場合、運動矯正生成部122は、歩行および走行速度別に最適な身長-歩幅関係データを内蔵しておき、該ユーザの歩行姿勢情報をそれと比較して、該ユーザの身長に比べて歩幅が過度に広いかまたは狭くはないかを判断し、最適範囲から脱する場合、減らしたり増やしたりしなければならない歩幅矯正量を容易に算出することができる。
矯正情報出力部130は、このように運動矯正生成部122により生成された姿勢矯正用情報を音響、図解、画像を含むユーザが認識可能な情報として変換して出力する。例えば、歩幅矯正量が算出されて歩幅を減らす必要がある場合、運動姿勢導出装置100上に備えられたスピーカを介して「歩幅を減らして下さい」のような音声が出力されるようにするか、または警告音が鳴るようにしてユーザが最適歩幅でないことを認知し歩行姿勢を変えるように誘導することができる。または、スマートフォン、コンピュータまたは専用ディスプレイなどと接続され、図解または画像として正確な矯正情報が出力されるようにすることもできるなど、様々な形態への実現が可能である。
さらに、運動姿勢導出装置100は、運動姿勢導出部121により導出された歩行姿勢を外部のデータベース140に転送して累積的に格納するようになることができる。このような歩行または走行運動分析を必要とするユーザは健康促進のために毎日散歩またはジョギングをする一般人や身体能力を向上させるために訓練する専門家などであり、このような運動分析データが累積されて時間的な変化を見ることができるようになることが当然好ましい。それのみならず、このように運動分析データが大量に累積格納されると、このようなデータがビッグ・データとして活用されて各種の統計や分析に使用できるなど、様々な活用が可能である。
本発明の一実施形態による運動姿勢導出方法は、運動姿勢導出装置100を用いて、ユーザの運動を検知し、歩行であるか走行であるかを判断するなどの分析を行う。この時、前述したように、本発明で用いられる分析アルゴリズムは、ユーザの頭側で測定される動的物理量を利用するところ、運動姿勢導出装置100は、最小限には上下、左右、前後を含む3軸方向加速度センサ111およびユーザの位置を測定する位置測定センサ112を含めばよく、運動姿勢導出部121において以下にて説明する分析アルゴリズムが実行されればよい。また、運動姿勢導出装置100は、装置の機能向上のために、前述した様々な付加構成をさらに含んでもよいことは勿論である。
図3は、本発明の一実施形態による運動姿勢導出方法のフローチャートを示す。本実施形態による運動姿勢導出方法は、図示したように、圧力中心経路推算ステップ、運動種類判断ステップおよび運動姿勢導出ステップを含む。以下では、各ステップについてより詳しく説明する。
前記圧力中心経路推算ステップにおいては、運動姿勢導出装置100により収集された3軸方向加速度(ax、ay、az)を用いて算出されたユーザ質量中心の運動状態値を用いて、質量中心位置から加速度ベクトル方向に地面にプロジェクションして圧力中心経路を推算する。
運動姿勢導出装置100において3軸方向加速度センサ111を用いて左右、前後、上下の3軸方向加速度を収集することができ、それを積分するかまたは時間当たりに位置測定センサ112を用いて収集された位置情報を用いて速度、位置などを全て求めることができる。一方、一般にある対象物の運動を分析する場合にはその対象物の質量中心の運動を基準に分析し、運動姿勢導出装置100はユーザの頭側に備えられるものであるため、そこで測定された値を質量中心の運動状態値に変換して分析することが好ましい。このようにユーザの頭側の位置で測定された値をユーザ質量中心の値に変換することは、ユーザの身長情報などのような身体情報を用いて予め求められたゲイン値を適切にかけるなどによって容易に導出することができる。
このように質量中心の運動状態値(各方向に対する時間当たりの加速度/速度/位置、周波数分析など)を導出すると、それにより圧力中心経路を推算することができる。人体は、歩行または走行時、支持する足に加えられる反作用圧力を用いて挙動する。この反作用圧力の和を地面反力(Ground reaction force;GRF)と言い、この圧力の中心を圧力中心(Center of pressure;COP)と言う。この時に発生する地面反力は、圧力中心から人体質量中心(center of mass;COM)に向かう特性を有することが明らかになっている。
図4は、本発明の一実施形態による質量中心および圧力中心間の関係図を示す。
本発明においては、直ちにこのような生体力学的特性を逆に利用して、質量中心で測定された力のベクトル方向に地面にプロジェクションして圧力中心を類推するようにしている。
図5は、本発明の一実施形態による圧力中心方向の決定および位置類推を説明する。
圧力中心方向とは、質量中心から圧力中心に向かう方向をいう。前記圧力中心経路推算ステップは、圧力中心方向を先に決定し、該方向にプロジェクションして圧力中心位置を類推するようになる。より詳しく説明すれば、先ず、圧力中心方向決定ステップにおいては、図5に示すように、上下方向加速度azおよび重力加速度gの和に対する左右方向加速度axの比率および上下方向加速度azおよび重力加速度gの和に対する前後方向加速度ayの比率で圧力中心の方向を決定する。このように圧力中心の方向が決定されると、次に圧力中心位置類推ステップにおいては、質量中心が予め測定されたユーザの身長情報に予め定められた類推用定数をかけた値で決定される高さに位置したものに仮定し、前記圧力中心方向決定ステップで決定された方向に地面にプロジェクションして圧力中心位置を類推する。ここで、類推用定数とはユーザの身長に応じた質量中心の高さを言う。一般に子供の質量中心が成人の質量中心より比率上高く、男性の質量中心が女性の質量中心より比率上高く表れることがよく知られており、その比率も知られているのは勿論である。具体的な例を挙げれば、成人男性の質量中心は平均的に身長の55.27%位置にあることが知られており、この場合、類推用定数は0.5527になる。したがって、例えば、ユーザの身長情報を入力する時、子供/成人および男性/女性の区分情報を共に入力するようにすることによって、好適な類推用定数が選択されて算出に用いられることができる。
このように求められた圧力中心位置の正確度をさらに高めるために、前記圧力中心位置類推ステップで類推された圧力中心位置に予め定められた前後および左右方向補正用定数をかけた値で補正される圧力中心位置補正ステップがさらに実行されてもよい。ここで、前後および左右方向補正用定数とは、上述したようなプロジェクション方法により求めた圧力中心位置を実際の前後および左右方向圧力中心と統計的に一致させる定数である。
前記運動種類判断ステップにおいては、上下方向加速度azグラフのパターンから歩行であるかまたは走行であるかを判断する。
図6は、推算された圧力中心経路として求められた足着地パターンの一つの例示である。図示したように、左右の足が交互に地面を支持しつつ進行されることが分かる。
一方、歩行と走行を区分するのは、歩行の場合は片足または両足が常に地面に接している反面、走行の場合は片足または両足が常に地面から浮いているということである。
図7は、歩行および走行時の時間に対する上下方向加速度グラフの例示を示す。図7(A)に示された歩行時のグラフの場合、両足が全て地面に接する瞬間にピークが発生するのを確認することができ、図7(B)に示された走行時のグラフの場合、両足が全て地面から浮いている瞬間に上下方向加速度azが最小値になる定数値区間が存在することを確認することができる。このように歩行および走行時それぞれの場合、上下方向加速度azグラフのパターンが互いに異なって表れることを用いて、現在行われているユーザの運動が歩行であるかまたは走行であるかを判断することができる。
前記運動姿勢導出ステップにおいては、圧力中心経路推算値および3軸方向加速度(ax、ay、az)に基づいて歩幅、歩間、歩角、左右非対称を含む姿勢情報を導出する。図6の圧力中心経路の例示および図7の歩行または走行時の上下方向加速度の例示を参照してより詳しく説明する。
先ず、ユーザの運動が歩行である場合と走行である場合に様相が多少異なって表れるということを上記で説明し、勿論、共通に表れる事項もある。前述したように、歩行の場合は片足または両足が常に地面に接しており、走行の場合は片足または両足が常に地面から浮いている。すなわち、歩行時および走行時、共通に片足のみで支持される区間が存在する。このようなことを考慮して、前記運動姿勢導出ステップにおいては、先ず、中間支持時点を決定する中間支持時点決定ステップと、両足支持区間、片足支持区間、空中浮遊区間を決定する区間分類決定ステップとを含んでおり、歩行および走行を区分しつつ姿勢を導出する基礎情報を形成するようになる。
さて、歩行運動を噛み砕いて描写すれば以下のとおりである。先ず、一方の足の踵が地面を踏む瞬間に他方の足の爪先も地面からまだ離れていない状態、すなわち、両足が支持されている状態から始まる。この状態で、一方の足のみで地面を支持しつつ他方の足が地面から離れ、該他方の足を空中で振って前方に進行しつつ人の胴体も前方に移動するようになる。そして、該他方の足の踵が地面を踏む瞬間に一方の足の爪先が地面からまだ離れていない状態、すなわち、両足が支持されている状態が再びなされて一歩の歩行になる。この過程で、片足のみで支持されたまま、人の胴体が前方に移動している瞬間には人の頭が上下方向に大きく揺れない反面(上下方向加速度azにおいてローカルミニマムが形成される)、足を踏む瞬間に上下方向に最も大きく揺れるようになる(上下方向加速度azにおいてピーク値が形成される)。
すなわち、歩行運動は、両足が全て地面を踏んでいる状態の区間、片足のみが地面を踏んでいる状態の区間に分けることができ、片足のみが地面を踏んでいる状態の間に上下方向への揺れが最も少ない。このような運動の様相が図7(A)によく示されており、このような例示に示されているように、中間支持時点決定ステップにおいては、ユーザの運動が歩行である場合、時間領域で測定された上下方向加速度azにおいてローカルミニマムを中間支持時点に定義する。また、区間分類決定ステップにおいては、ユーザの運動が歩行である場合、時間領域で測定された上下方向加速度azにおいてピーク値が形成される区間を両足支持区間に決定し、残りの区間を片足支持区間に決定する。
次に、走行運動を噛み砕いて描写すれば以下のとおりである。先ず、前方に出ている一方の足が地面を蹴飛ばす瞬間(この瞬間、他方の足は空中に浮いている)から始まる。この状態で、一方の足が地面を蹴飛ばして浮き上がりつつ両足が全て空中に浮いている状態のまま、人の胴体が前方に移動し、それと共に両足を空中で振りつつ前後が変わって他方の足が前方に出てくるようになる。前方に出てきた他方の足が地面に接すると同時に地面を蹴飛ばす瞬間が再びなされて一歩の走行になる。この過程で、片足で地面を蹴飛ばす瞬間には人の頭が上下方向に最も大きく揺れる反面(上下方向加速度azにおいてローカルマキシマムが形成される)、空中に浮いたまま進んでいる状態では上下方向にほぼ揺れなくなる(上下方向加速度azにおいて定数値が形成される)。
すなわち、走行運動は、両足が全て空中に浮いている状態の区間、片足のみが地面を踏んでいる状態の区間に分けることができ、両足が全て空中に浮いている状態の間に上下方向への揺れが最も少ない。このような運動の様相が図7(B)によく示されており、このような例示に示されているように、中間支持時点決定ステップにおいては、ユーザの運動が走行である場合、時間領域で測定された上下方向加速度azにおいてローカルマキシマムを中間支持時点に定義する。また、区間分類決定ステップにおいては、ユーザの運動が走行である場合、時間領域で測定された上下方向加速度azにおいて定数値で表れる区間を空中浮遊区間に決定し、残りの区間を片足支持区間に決定する。ここで、空中浮遊区間に表れる定数値は、加速度計が重力以外に他の外力が作用しない時の信号レベルの既に設定された値であって、約0に近い値に適切に決定できる。すなわち、前記定数値は現在スタンスを判別できるようにする基準値であるところ、このような意味でスタンス判別定数(stance phase constant)と呼ばれ、要約すれば、走行時に上下方向加速度がスタンス判別定数より小さければ空中浮遊区間、大きければ片足支持区間に判別する。
このように姿勢導出のための基礎情報が導出されると、始めて歩幅、歩間、歩角、左右非対称などの歩行または走行姿勢の導出が可能となる。
歩幅:先ず、ユーザの位置情報を予め定められた時間間隔ごとに測定して平均速度を算出する。次に、前記時間間隔の間の前記中間支持時点数を測定して歩行周波数を算出する。最後に、前記平均速度を前記歩行周波数で分けることによってユーザの歩幅を正確に算出することができる。
歩間:前記中間支持時点に該当する圧力中心位置値を用いて左右方向の歩間を算出することができる。すなわち、図7(A)または(B)に示される中間支持時点に該当する時間値を図6に示される圧力中心位置値に適用して、該時間値に該当する圧力中心位置を探せば、左側足が地面を踏んだ位置および右側発が地面を踏んだ位置が出てくるようになり、これらの間隔を測ってユーザの歩間を正確に算出することができる。
歩角:前記片足支持区間の開始時点に該当する圧力中心位置値および前記片足支持区間の終了時点に該当する圧力中心位置値を用いて歩角を算出することができる。噛み砕いて説明すれば、片足支持区間の開始時点には踵が地面を踏み、片足支持区間の終了時点には爪先が地面を踏むようになる。
すなわち、上述したように圧力中心位置間の角度を求めるということは、地面を踏んだ瞬間の踵の位置と爪先の位置がなす角度、すなわち、歩角を求めるということであり、このような方法によりユーザの歩角を正確に算出することができる。
左右非対称:先ず、時間領域で測定された左右方向加速度axの符号を基準に支持している足を把握する。次に、時間領域で測定された上下方向加速度azのピーク値、谷値および二つの間の差値を比較する。すなわち、左側足が支持している時と右側足が支持している時のピーク値、谷値などを比較することによって、ユーザの左右非対称を正確に算出することができる。また、同様な方式で歩行または走行の繰り返し性も算出することができる。
図8は、加速度信号測定結果の例示として、図8の一番下のグラフにおいて上下方向加速度azの左右非対称が強く表れていることが分かる。
上述したような方法で歩幅、歩間、歩角、左右非対称などの歩行または走行姿勢を導出することによって、ユーザが正しい姿勢で歩行または走行をしているか否かをリアルタイムでモニタリングすることができる。勿論、この時、最適な姿勢に該当する歩幅、歩間、歩角、左右非対称値を予め格納しておき、現在モニタリング中の現在の各姿勢値と比較して矯正量を算出することができる。それをユーザにリアルタイムで知らせるかまたは格納しておき、後ほど確認できるようにすることによって、ユーザはより正しい姿勢への歩行または走行に自身の姿勢を効果的に矯正していけるようになる。
図9は、本発明の他の実施形態による歩行および走行モニタリングのための運動認識方法のフローチャートを示す。
本実施形態による運動認識方法は大きく2ステップからなり、すなわち、3軸方向加速度(ax、ay、az)を収集および分析して歩行および走行有無を判断するデータ収集および運動認識ステップと、収集された3軸方向加速度(ax、ay、az)を用いてユーザ質量中心の運動状態値を算出する加速度に基づいた運動状態値導出ステップとを含んでいる。以下では、各ステップの細部ステップについてより詳しく説明する。
図10は、本発明の他の実施形態によるデータ収集および運動認識ステップの詳細フローチャートを示す。
図10に示すように、前記データ収集および運動認識ステップは、上下方向加速度収集ステップ、ピーク検出ステップ、運動検知ステップ、3軸方向加速度収集ステップ、フーリエ変換ステップ、および運動形態判断ステップを含む。前記データ収集および運動認識ステップは、ユーザに運動が発生しているか、また、運動が発生したとすればその運動が歩行または走行に該当するかを認識する。
図10に示すように、最初には、収集されるデータ変数が初期化されて、運動認識を実行する準備が行われる。
前記上下方向加速度収集ステップにおいては、3軸方向加速度(ax、ay、az)を全て収集するのではなく、一旦、上下方向加速度azを収集する。収集された上下方向加速度azはそのまま使用してもよいが、予め定められたバンドパスフィルタを通過させてノイズを除去するノイズ除去ステップを経るようにすることがより好ましい。この時、前記バンドパスフィルタは、例えば、一般的な人の歩行または走行周波数に該当する0.1~5Hzに形成されてもよいが、この範囲は適切に変更できることは当業者にとって明らかなことである。
前記ピーク検出ステップにおいては、このように収集された上下方向加速度azのピークを検出し、前記運動検知ステップにおいては、上下方向加速度azのピーク値が予め定められた閾値以上であるか否かを判断することによって運動が発生したか否かを判断する。前記運動検知ステップで運動が発生していないと判断されると、再び最初の準備ステップに戻って変数初期化がなされる。
さらに詳しく説明すれば、運動認識装置100において分析を実行するにおいて、常に3軸方向加速度(ax、ay、az)を収集するようになる場合、運動をしないでいる時、不要な計算負荷が発生することによって電力消耗、発熱などの問題が生じうる。一方、ユーザが静かに座っていたりもぞもぞしたりする程度に動く場合と、歩いたり走ったりする程度に動く場合において、最も大きく差が出るのは、ユーザが上下に揺れる程度、すなわち、上下方向加速度azである。したがって、運動認識装置100を着用したユーザの上下方向加速度azを先に収集して、該値がある閾値以上になればユーザが歩いたり走ったりしていると判断し、その時から本格的な運動検知を始めるようにすることによって、前述した不要な計算負荷の問題を防止することができる。
前記3軸方向加速度収集ステップにおいては、上述したように上下方向加速度azのピーク値が予め定められた閾値以上であれば、3軸方向加速度(ax、ay、az)を収集する。ここでも同様に、収集された3軸方向加速度(ax、ay、az)がそのまま使用されてもよいが、予め定められたバンドパスフィルタを通過させてノイズを除去するノイズ除去ステップを経るようにすることがより好ましい。この時のバンドパスフィルタは前述の上下方向加速度azにおけるノイズ除去に用いられたバンドパスフィルタと同一に形成されてもよく、または適切に変更設定されてもよい。
前記フーリエ変換ステップにおいては、3軸方向加速度(ax、ay、az)をフーリエ変換して周波数応答グラフを導出し、前記運動形態判断ステップにおいて始めて周波数応答グラフを予め定められた周波数応答の概形または大きさ基準と比較して歩行および走行運動であるかまたはその他の運動であるかを判断するようになる。前記運動形態判断ステップにおいて歩行および走行運動に該当する運動が発生しなかったと判断されると、再び最初の準備ステップに戻って変数初期化がなされ、そうではなく歩行および走行運動が発生したと判断されると、加速度に基づいた運動状態値導出ステップが実行されるようになる。
このように前記運動形態判断ステップにおいては、ユーザの運動が歩行および走行状態であるかを判断する。
図11は、本発明の他の実施形態による歩行時の加速度信号測定結果の例示を示す。図11の左側には、横軸が時間/縦軸が左右(x)、前後(y)、上下(z)それぞれの3軸方向加速度(ax、ay、az)である時間領域加速度グラフが示されており、右側には、上述したように、横軸が周波数、縦軸が大きさである前記フーリエ変換ステップを通じて導出された周波数応答グラフが示されている。
歩行または走行時には当然周期的に上下方向、前後方向、左右方向に揺れ、すなわち、図11の左側に示すように周期的な信号が発生する。この時、左右の足が交互に踏み出されて歩行または走行がなされるため、左右方向の周期的な信号の周波数は、上下方向および前後方向の周期的な信号の周波数の1/2の値を有し、これは、図11の右側グラフからも容易に確認することができる。一方、歩行時には常に片足または両足が地面に接し、走行時には片足または両足が地面から浮いている。すなわち、歩行や走行がなされる時には、頭側における大きい揺れが必ず周期的に発生する。
上述したようなことを考慮して、前記運動形態判断ステップは、下記の式を満たせばユーザの運動を歩行および走行状態であると判断し、そうでなければその他の運動であると判断する。すなわち、下記の関係式を容易に噛み砕いて説明すれば、上下方向および左右方向に周期的に揺れる程度があるレベル以上に大きく表れると、歩行または走行がなされていると判断する。
Mz、p/Mz、other>cz and Mx、p/Mx、other>cx
(ここで、
az:上下方向加速度、
fp:上下方向加速度azのフーリエ変換結果における最大大きさを有する周波数、
Mz、p:上下方向加速度azのフーリエ変換結果において、fpを中心周波数とし、1Hz未満の帯域幅を有する上下方向基準バンドに属する周波数成分のエネルギー総和、
Mz、other:上下方向加速度azのフーリエ変換結果において、前記上下方向基準バンドを除いた残りの周波数成分のエネルギー総和、
cz:予め定められた上下方向基準閾値、
ax:左右方向加速度、
Mx、p:左右方向加速度axのフーリエ変換結果において、fp/2を中心周波数とし、1Hz未満の帯域幅を有する左右方向基準バンドに属する周波数成分のエネルギー総和、
Mx、other:左右方向加速度axのフーリエ変換結果において、前記左右方向基準バンドを除いた残りの周波数成分のエネルギー総和、
cx:予め定められた左右方向基準閾値)
上記のような式を満たすことによってユーザの運動が歩行および走行状態であると判断された時、その次にはその運動が歩行であるか走行であるかを判断しなければならない。この時、前述したように、歩行時には常に片足または両足が地面に接し、走行時には片足または両足が地面から浮いている。ここで、走行中に両足が地面から浮いている時点では、両足は空中で振られているため、ユーザに上下方向にさらに加えられる外部の力がなく、よって、この時には、上下方向加速度azが最小の定数値として形成されるようになる。
上述したようなことを考慮して、前記運動形態判断ステップは、上下方向加速度azのフーリエ変換結果において、下記の式を満たす区間が存在すればユーザの運動を走行状態であると判断し、そうでなければ歩行状態であると判断する。
az<k
(ここで、
k:スタンス判別定数)
ここで、スタンス判別定数(stance phase constant)は、加速度計が重力以外に他の外力が作用しない時の信号レベルの既に設定された値であって、約0に近い値に適切に決定できる。
上述したような細部ステップからなる前記データ収集および運動認識ステップを通じてユーザの歩行または走行運動が検知されると、収集された変数を用いて加速度に基づいた運動状態値導出ステップが行われる。
図12は、本発明の他の実施形態による加速度に基づいた運動状態値導出ステップの詳細フローチャートを示す。
図示したように、加速度に基づいた運動状態値導出ステップは、質量中心加速度導出ステップ、および質量中心速度および位置導出ステップを含む。
前記質量中心加速度導出ステップにおいては、3軸方向加速度(ax、ay、az)それぞれの値に予め定められたゲイン値をかけてユーザ質量中心の加速度を導出する。一般に、ある対象物の運動を分析する場合、その対象物の質量中心の運動を基準に分析し、先に分析に用いられた全ての変数値はユーザの頭側で測定されたものであるため、それを質量中心の運動状態値に変換する。このようなゲイン値は定数ベクトル(γ)で示され、ユーザの身長情報などのような身体情報を用いて予め求めることができる。
前記質量中心速度および位置導出ステップにおいては、予め測定されたユーザの身長情報、ユーザの位置情報および質量中心加速度を用いてユーザ質量中心の速度および位置を導出する。すなわち、上述したように求められた質量中心加速度を積分して(積分定数値が加えられた)質量中心の速度、位置を求めることができ、または、位置測定センサにより時間的に測定されたユーザの位置情報を用いて質量中心の速度、位置を求めることもできる。この二つの計算値の間には積分定数値だけの誤差があるところ、それを適切に比較して正確な質量中心の速度、位置値を求めることができる。
上述したように、本発明によれば、ユーザの頭側で測定された加速度、位置などを用いて、ユーザが歩行または走行運動をしているかを正確に判断することができ、また、歩行または走行時にユーザの質量中心がどのように運動しているか(すなわち、質量中心の加速度、速度、位置がどのように表されるか)を正確に把握することができる。したがって、それに基づいて歩行または走行姿勢の様々な要素を導出し、姿勢の矯正に活用することができる。
図13は、本発明の他の実施形態による運動姿勢導出装置の使用状態を示す。
本実施形態による運動姿勢導出装置1300は、図13に示すように、ユーザの身体、より具体的には頭側および腰側に分けて着用される。すなわち、本実施形態による運動姿勢導出装置1300は、図13の概略図に示すように、頭側に着用される頭側センサ信号収集部1310Hはイヤホンのように耳にさす形態からなり、腰側に着用される腰側センサ信号収集部1310Wはベルトにさす形態からなる。勿論、これに本発明が限定されるものではなく、例えば、前記頭側センサ信号収集部1310Hがヘアーバンド形態、メガネ形態、別途の帽子にさして付着する形態、ヘルメット形態など、多様に変更実施できることは勿論である。
図14は、本発明の他の実施形態による運動姿勢導出装置の概略図を示す。
本発明の他の実施形態による運動姿勢導出装置1300は、図14に示すように、頭側センサ信号収集部1310H、腰側センサ信号収集部1310Wおよび運動姿勢導出部1421を含む。運動姿勢導出装置1300は、運動矯正生成部1422および矯正情報出力部1430をさらに含む。
頭側センサ信号収集部1310Hは、上下、左右、前後を含む頭側3軸方向加速度センサ1411Hを含んでおり、腰側センサ信号収集部1310Wは、上下、左右、前後を含む腰側3軸方向加速度センサ1411Wおよびユーザの位置を測定する位置測定センサ1412Wを含んでいる。
頭側および腰側3軸方向加速度センサ1411H、1411Wは、ジャイロスコープを内蔵する形態などのように、一般に3軸方向の加速度を測定するのに用いられるセンサのうち好適なものを選択して採用することができる。位置測定センサ1412Wは、ユーザの絶対位置を測定するためのものであって、例えば、GPS信号を用いてユーザの位置を測定するようになってもよく、または、最近GPSより正確性の高い超精密衛星航法技術が開発されているところ、このような技術が適用されるセンサが用いられてもよい。さらに、頭側および腰側センサ信号収集部1310H、1310Wは、以下にてより詳細に説明する運動認識および分析過程における正確度を高めるように、図14に示すように3軸方向角速度センサ1412Hをさらに含むことができる。
本実施形態による運動姿勢導出装置1300において、頭側および腰側センサ信号収集部1310H、1310Wは、図13に示すように、ユーザの頭側および腰側に着用され、加速度、速度、位置などのようなユーザの動的物理量を測定する。特に、本実施形態においては、姿勢導出のためのユーザの動的物理量の測定時、ユーザの身体の質量中心の運動と最も類似して表れる位置で測定された値を用いる。具体的に例を挙げれば、本発明においては、左右方向の加速度は頭側で測定し、前後方向の加速度および位置は腰側で測定し、上下方向の加速度は頭側または腰側で測定するようにする。上下方向の加速度の場合についてさらに詳しく説明すれば、上下方向の加速度は頭側または腰側のいずれで測定しても正確によく表れるため、頭側や腰側の二つのうちの一つで測定された値を選択的に用いてもよく、または両側で測定された値の平均値を用いてもよいなど、適切に選択することができる。
勿論、一般に、加速度センサは上下、左右、前後、すなわち、3軸方向の加速度を全て測定できるようになり、よって、頭側センサ信号収集部1310Hの単独または腰側センサ信号収集部1310Wの単独により収集された上下、左右、前後方向加速度を用いて、後ほど説明する種々の計算を実行してもよいことは勿論である。ところが、歩行および走行がなされる時、相対的に頭側における左右の動きとユーザの身体の質量中心の左右の動きがより類似して表れ、また、相対的に腰側における前後の動きとユーザの身体の質量中心の前後の動きがより類似して表れる。さらに、上下の動きは、頭側、腰側、質量中心の全てにおいて類似して表れる。一方、後ほど説明する本発明の運動認識方法において、究極的には、ユーザの身体の質量中心における動的物理量を用いて運動認識や姿勢導出などが行われる。このようなことを総合して見る時、頭側で左右方向加速度を測定し、腰側で前後方向加速度を測定し、頭側または腰側のうちから適切に所望のとおりに選択して上下方向加速度を測定するかまたは両方ともで測定して平均値を出した値として上下方向加速度を算出することによって、最終的な運動認識や姿勢導出などが遥かに正確に行われる効果を得ることができる。
運動姿勢導出部1421は、頭側および腰側センサ信号収集部1310H、1310Wから信号の伝達を受け、3軸方向加速度および位置信号を用いてユーザ質量中心の加速度、速度、位置を含む歩行または走行運動状態値を導出し、前記歩行または走行運動状態値を分析して歩行または走行姿勢を導出する役割をする。具体的には、運動姿勢導出部1421は、前記歩行または走行運動状態値から圧力中心経路を推算し、前記圧力中心経路を分析して歩行または走行姿勢を導出する。運動姿勢導出部1421で用いられる本発明の分析アルゴリズムについては、後ほどさらに詳しく説明するので、ここではその説明を省略する。
一方、運動姿勢導出部1421は、様々な計算を実行できる集積回路の形態からなって、腰側センサ信号収集部1310Wと一体として一つの基板上に形成されてもよく、または別途のコンピュータなどのような形態からなってもよい。さらに、頭側および前記腰側センサ信号収集部1310H、1310Wには、運動姿勢導出部1421との信号伝達のために、各々、頭側通信部1413Hおよび腰側通信部1413Wが備えられてもよい。腰側センサ信号収集部1310Wが運動姿勢導出部1421と一体になる場合、腰側通信部1310Wは運動姿勢導出部1421と直接接続されて信号伝達をしてもよく、または腰側通信部1413Wは頭側通信部1413Hから伝達されてくる信号を受けて前記運動姿勢導出部1421に伝達する役割をしてもよい。頭側および腰側通信部1413H、1413Wは有線からなってもよく、またはユーザ便宜性をさらに高めるようにブルートゥース、ワイ・ファイ、NFCのうちから選択される少なくとも一つの無線通信を用いて信号が伝達されてもよい。
運動矯正生成部1422は、運動姿勢導出部1421により導出された歩行姿勢と基準姿勢を比較して姿勢矯正用情報を生成する役割をする。運動姿勢導出部1421においては、上述したように頭側および腰側センサ信号収集部1310H、1310Wにより収集された信号に基づいてユーザの歩行または走行姿勢を導出し、具体的な例を挙げれば、歩行または走行時におけるユーザの進行方向、速度などを導出することができ、それにより歩行姿勢の要素のうちの一つである歩幅を得ることができる。この場合、運動矯正生成部1422においては、歩行および走行速度別に最適な身長-歩幅関係データを内蔵しておき、該ユーザの歩行姿勢情報をそれと比較して、該ユーザの身長に比べて歩幅が過度に広いかまたは狭くはないかを判断し、最適範囲から脱する場合、減らしたり増やしたりしなければならない歩幅矯正量を容易に算出することができる。
矯正情報出力部1430は、このように運動矯正生成部1422により生成された姿勢矯正用情報を音響、図解、画像を含むユーザが認識可能な情報として変換して出力する。例えば、歩幅矯正量が算出されて歩幅を減らす必要がある場合、運動姿勢導出装置1300上に備えられたスピーカを介して「歩幅を減らして下さい」のような音声が出力されるようにするか、または警告音が鳴るようにしてユーザが最適歩幅でないことを認知し歩行姿勢を変えるように誘導することができる。特に、このように構成される場合、矯正情報出力部1430は頭側センサ信号収集部1310Hと一体になることによって、ユーザの情報収集器官、すなわち、目、耳などに近く配置されて情報を伝達するようになることが好ましい。すなわち、具体的な例示として、頭側センサ信号収集部1310Hが図13に示された例示のように耳にさすイヤホンの形態からなり、出力される情報形態が音声、音響信号である場合、矯正情報伝達の効率が極大化される。または、スマートフォン、コンピュータまたは専用ディスプレイなどと接続され、図解または画像として正確な矯正情報が出力されるようにすることもできるなど、様々な形態への実現が可能である。
さらに、運動姿勢導出装置1300は、運動姿勢導出部1421により導出された歩行姿勢を外部のデータベース1440に転送して累積的に格納するようになることができる。このような歩行または走行運動分析を必要とするユーザは健康促進のために毎日散歩またはジョギングをする一般人や身体能力を向上させるために訓練する専門家などであり、このような運動分析データが累積されて時間的な変化を見ることができるようになることが当然好ましい。それのみならず、このように運動分析データが大量に累積格納されると、このようなデータがビッグ・データとして活用されて各種の統計や分析に使用できるなど、様々な活用が可能である。
上述したような本実施形態による運動姿勢導出装置1300において、運動認識から運動姿勢導出を経て矯正情報出力までなされる具体的で且つ総合的な例示を挙げれば以下のとおりである。先ず、前述したようにユーザの身体の質量中心の運動と類似するように、頭側で左右方向加速度を収集し、腰側で前後方向加速度および位置を収集し、頭側または腰側で上下方向加速度を収集する。
腰側センサ信号収集部1310Wは運動姿勢導出部1421と一体になることができ、よって、頭側センサ信号収集部1310Hにより収集された物理量は頭側通信部1413Hを介して運動姿勢導出部1421側に伝達される。この時、腰側センサ信号収集部1310Wに備えられた腰側通信部1413Wが該信号の伝達を受けて運動姿勢導出部1421に伝達すればさらに効率的である。
このように収集された加速度および位置などの物理量を用いて、運動姿勢導出部1421においては、ユーザの歩行および走行姿勢を導出する。運動矯正生成部1422においては、このように導出された実際の姿勢と理想的な基準姿勢を比較して姿勢矯正用情報を生成する。運動姿勢導出部1421および運動矯正生成部1422も一体になってもよく、すなわち、これらは腰側センサ信号収集部1310Wと一体になるようになる。
このように生成された姿勢矯正用情報がユーザに効果的に伝達されるためには、ユーザの情報収集器官である目、耳などに近い頭側から情報が伝達されるようにすることが好ましい。前述したように頭側センサ信号収集部1310Hと矯正情報出力部1430が一体になる場合、前記生成された姿勢矯正用情報が腰側通信部1413Wおよび頭側通信部1413Hを順次経て矯正情報出力部1430に伝達され、ユーザの耳に音声メッセージを伝達するなどのような形態で矯正情報の効果的な伝達が行われる。
本発明の他の実施形態による運動姿勢導出方法は、運動姿勢導出装置1300を用いて、ユーザの運動を検知し、歩行であるか走行であるかを判断するなどの分析を行う。この時、前述したように、本発明で用いられる分析アルゴリズムは、ユーザの頭側および腰側で測定される動的物理量を利用するところ、前記運動姿勢導出装置1300は、最小限には上下、左右、前後を含む頭側3軸方向加速度センサ1411H、上下、左右、前後を含む腰側3軸方向加速度センサ1411W、およびユーザの位置を測定する位置測定センサ1412Wを含めばよく、前記運動姿勢導出部1421において以下にて説明する分析アルゴリズムが実行されればよい。また、前記運動姿勢導出装置1300は、装置の機能向上のために、前述した様々な付加構成をさらに含んでもよいことは勿論である。
図15は、本発明の他の実施形態によるケガ危険性定量化装置の概略図を示す。
本実施形態によるケガ危険性定量化装置1500は、歩行または走行時に発生しうるケガ危険性をユーザに知らせる装置である。より具体的に説明すれば以下のとおりである。歩行または走行時、姿勢が誤っていたり地面が固いなどのような様々な理由で足首、膝、腰などに無理な負担がかかり、それがケガにつながる危険があるという問題がよく知られている。このような危険を避けるために、従来には衝撃吸収のような機能性スニーカーを着用するなどのような程度の対処しかなく、実際にどれほどケガ危険性が発生するかを知ることができる正確な指標がなかった実情である。本実施形態においては、このようなケガ危険性を判断指標をもって定量化し、それを用いてケガ危険性があるレベル以上に上がれば、ユーザに警報で危険程度を知らせるようにする。それにより、ユーザは、ケガが発生する前に適切に歩行または走行を止めたり、姿勢を矯正したり、スニーカーを取替えしたり、歩行または走行コースを変更したりするなどのような対処ができるようになって、窮極的には、歩行または走行時に発生するケガ危険性を大幅に低減することができる。
本実施形態によるケガ危険性定量化装置1500は、センサ信号収集部1510、制御部1520および警報部1530を含む。ケガ危険性定量化装置1500は、データベース1540をさらに含むことができる。
センサ信号収集部1510は加速度センサ1511を含み、ユーザの腕を除いた上体に着用される。センサ信号収集部1510は単一であってもよく、または複数であってもよい。センサ信号収集部1510は、2個形成されてユーザの頭側および腰側の各々に着用されてもよく、この場合、ユーザの頭側に着用されるセンサ信号収集部を頭側センサ信号収集部1510H、ユーザの腰側に着用されるセンサ信号収集部を腰側センサ信号収集部1510Wに区分することができる。着用状態の具体的な例示として、頭側に着用される頭側センサ信号収集部1510Hはイヤホンのように耳にさす形態からなり、腰側に着用される腰側センサ信号収集部1510Wはベルトにさす形態からなる。勿論、これに本発明が限定されるものではなく、例えば、前記頭側センサ信号収集部1510Hがヘアーバンド形態、メガネ形態、別途の帽子にさして付着する形態、ヘルメット形態など、多様に変更実施できることは勿論である。また、図面には示されていないが、センサ信号収集部1510はユーザの腕を除いた上体のどこにも着用でき、例えば、胸部位に着用されるようにする場合、衣服の胸ポケットに収容されるかまたはさして付着する形態、別途のチョッキやハーネスなどを用いて着用する形態などのような様々な変更実施が可能である。
センサ信号収集部1510は、上述したように加速度センサ1511を含む。加速度センサ1511は、ジャイロスコープを内蔵する形態などのように、一般に3軸方向の加速度を測定するのに用いられるセンサのうち好適なものを選択して採用することができる。一方、センサ信号収集部1510に、加速度センサ1511により収集された加速度データ信号を用いて計算を実行し制御するなどの役割をする制御部1520が直接備えられるようにすることもできる。または、制御部1520は、従来に用いられるスマートフォンにアプリの形態で実現されるようにできるなど、様々な変更実施が可能である。すなわち、このように制御部1520がセンサ信号収集部1510とは別の装置により実現される場合、加速度センサ1511により収集された加速度データ信号が制御部1520に円滑に伝達されるように、センサ信号収集部1510は通信部1512をさらに含んでもよい。このような信号伝達はワイヤリングを介した有線通信によって行われてもよく、ブルートゥース、ワイ・ファイ、NFCなどのような無線通信によって行われてもよいなど、必要な条件や要求される性能に応じて好適な形態を選択して採用することができる。
後ほど本実施形態によるケガ危険性定量化方法の説明においてさらに詳しく説明するが、本実施形態においてはケガ危険性を判断するにおいて上下方向加速度を用いる。
また、本実施形態においては、ケガ危険性を定量化するために上下方向加速度を用いる。一般に走行がなされる時、相対的に頭側における左右の動きとユーザの身体の質量中心の左右の動きがより類似して表れ、また、相対的に腰側における前後の動きとユーザの身体の質量中心の前後の動きがより類似して表れる。さらに、上下の動きは、頭部から腰部までを含む上体および質量中心の全てにおいて類似して表れる。但し、上体のうち腕部分は、質量中心の動きの他にも前後方向に揺れる別の動きをするため、腕は除外される。このようなことを考慮する時、上下方向の加速度は腕を除いた上体のうちどこで測定してもよい。さらに詳しく説明すれば、上下方向の加速度は腕を除いた上体のどこで測定しても正確によく表れるため、頭側や腰側の二つのうちの一つで測定された値を選択的に用いてもよく、または両側で測定された値の平均値を用いてもよいなど、適切に選択することができる。
制御部1520は、センサ信号収集部1510から信号の伝達を受け、上下方向加速度azに基づいて算出される少なくとも一つのケガ危険性判断指標を導出し、前記ケガ危険性判断指標を用いて警報発生有無を判断および制御する役割をする。より具体的には、制御部1520は、前記ケガ危険性判断指標として、上下方向加速度azの平均傾き、上下方向加速度azの最大傾き、最大衝撃力、衝撃量のうちから選択される少なくとも一つを導出し、それにより、ケガ危険性を定量化し、危険程度を判別するようになる。制御部1520で行われるケガ危険性判断指標の導出などについては、後ほど本実施形態によるケガ危険性定量化方法を説明しつつさらに詳しく説明する。
制御部1520の実際の実現形態は、必要や目的に応じて多様に形成されることができる。すなわち、制御部1520は、様々な計算を実行できる集積回路の形態からなって、センサ信号収集部1510と一体として一つの基板上に形成されてもよく、別途の専用装置(すなわち、ケガ危険性の定量化用途にのみ作られた独立した装置)や別途のコンピュータなどのような形態からなってもよく、または前述したように従来に用いられるスマートフォンにアプリの形態で実現されてもよい。前述したように、制御部1520がセンサ信号収集部1510と一体になっている場合には、加速度センサ1511から直接信号の伝達を受けるようになることができる。一方、制御部1520が別の装置やスマートフォンのアプリの形態からなるなどのようにセンサ信号収集部1510とは独立に形成されている場合には、加速度センサ1511から有線または無線通信によって信号の伝達を受けるようになることができる。
警報部1530は、制御部1520から警報発生制御信号を受けてユーザにケガ危険性を警報する役割をする。制御部1520においては、上下方向加速度azに基づいて算出される少なくとも一つのケガ危険性判断指標を導出し、それを用いて警報発生有無を判断し、ケガ危険性が予め定められた基準以上であると判断されれば、警報部1530が警報を発生させるように制御することによってユーザに危険を知らせる。
警報部1530は、音響、図解、画像を含むユーザが認識可能な情報として警報信号を出力する。例えば、警報部1530が音響を出力するスピーカ形態からなる場合、ケガ危険性が基準以上であれば警告音が鳴るようにすることができる。または、本実施形態による装置がグーグルグラスのような拡張現実メガネに適用される場合、警報部1530は、拡張現実メガネ上に赤色の警告用図形またはこのような図形が瞬く画像を出力するか、または「ケガ危険性が何%です」などのようなメッセージを出力するようになることができる。または、警報部1530が熱電素子により実現され、ユーザの皮膚に直間接的に接触した形態からなって、ケガ危険性が基準以上であれば、冷たくなったりまたは熱くなったりすることによってユーザに警報することもできる。他の例示として、ユーザが視覚障害者である場合のために、警報部1530が変更可能な点字形態として触覚によって認識される形態からなってもよい。このように、前記警報部は、ユーザが認識可能な情報として警報信号を出力できるものであれば、いかなる形態からなってもよい。
さらに、ケガ危険性定量化装置1500は、ケガ危険性警報発生時点および該時点におけるケガ危険性判断指標値を含むケガ危険性データを外部のデータベース1540に転送して累積的に格納するようになることができる。このような歩行または走行運動分析を必要とするユーザは健康促進のために毎日散歩またはジョギングをする一般人や身体能力を向上させるために訓練する専門家などであり、このような運動分析データが累積されて時間的な変化を見ることができるようになることが当然好ましい。それのみならず、このように運動分析データが大量に累積格納されると、このようなデータがビッグ・データとして活用されて各種の統計や分析に使用できるなど、様々な活用が可能である。
図16は、本発明の他の実施形態によるケガ危険性定量化方法のフローチャートを示す。
本実施形態によるケガ危険性定量化方法は、上述したように加速度センサ1511を含んでおり、ユーザの腕を除いた上体に着用される少なくとも一つのセンサ信号収集部1510を用いて測定された上下方向加速度azを用いてケガ危険性判断指標を導出してケガ危険性を定量化する。このために、本実施形態によるケガ危険性定量化方法は、データ収集ステップ、判断指標導出ステップ、ケガ危険性判断ステップ、およびケガ危険性警報ステップを含む。さらに、ケガ危険性判断指標導出の正確性を高めるために、ノイズ除去ステップをさらに含む。図16に示された各ステップについてさらに詳しく説明すれば以下のとおりである。
前記データ収集ステップにおいては、センサ信号収集部1510が測定された上下方向加速度azを収集する。収集された上下方向加速度azはそのまま使用してもよいが、予め定められたバンドパスフィルタを通過させてノイズを除去するノイズ除去ステップを経るようにすることがより好ましい。この時、前記バンドパスフィルタは、例えば、一般的な人の歩行または走行周波数に該当する0.1~5Hzに形成されてもよいが、この範囲は適切に変更決定されてもよいことは勿論である。
前記判断指標導出ステップにおいては、上下方向加速度azに基づいて算出される少なくとも一つのケガ危険性判断指標を導出する。この時、前記ケガ危険性判断指標は、上下方向加速度azの平均傾き、上下方向加速度azの最大傾き、最大衝撃力、衝撃量のうちから選択される少なくとも一つであってもよい。各々の判断指標については後ほどさらに詳しく説明する。
前記ケガ危険性判断ステップにおいては、前記ケガ危険性判断指標が予め定められた基準より大きいか否かを判断する。この時、前記ケガ危険性判断指標が上述したように複数であってもよく、種々の判断指標のいずれか一つだけが基準以上である時に警報を発生してもよく、全てが基準以上である時に警報を発生してもよく、または適切に優先順位をおいて段階的に警報を発生してもよい。前記ケガ危険性判断ステップにおいて、前記ケガ危険性判断指標が予め定められた基準より小さければ、警報を発生せず、再びデータ収集ステップに戻る。さらに、前記ケガ危険性判断ステップにおいては、周期的な信号で表れる上下方向加速度azデータに対して少なくとも2周期以上のデータを取り集めて算出された前記ケガ危険性判断指標を用いて判断が行われるようにすることが好ましい。
前記ケガ危険性警報ステップにおいては、前記ケガ危険性判断指標のうち少なくとも一つが各々予め定められた基準より大きい場合、ユーザにケガ危険性を警報する。ケガ危険性の警報形態は、前述したように音響、図解、画像などの様々な形態であってもよく、ユーザは、このように警報を受けることによって、能動的にケガ危険性を減らすための対処(運動終了、姿勢矯正、履き物の取替え、コース変更など)をすることで、窮極的にケガ危険性を大幅に低減することができる。
以下では、本発明で用いられるケガ危険性判断指標の種々の例示と各々を導出する過程についてより具体的に説明する。
図17は、本発明の他の実施形態による走行時における上下方向加速度グラフを示す。
図示したように、上下方向加速度azは、時間に対して周期的な形態で表れる(歩行または走行そのものが周期的な運動であるので、これは当然のことである)。走行運動を噛み砕いて描写すれば以下のとおりである。先ず、前方に出ている一方の足が地面を蹴飛ばす瞬間(この瞬間、他方の足は空中に浮いている)から始まる。この状態で、一方の足が地面を蹴飛ばして浮き上がりつつ両足が全て空中に浮いている状態のまま、人の胴体が前方に移動し、それと共に両足を空中で振りつつ前後が変わって他方の足が前方に出てくるようになる。前方に出てきた他方の足が地面に接すると同時に地面を蹴飛ばす瞬間が再びなされて一歩の走行になる。この過程で、片足で地面を蹴飛ばす瞬間には人の頭が上下方向に最も大きく揺れる反面(上下方向加速度azにおいてローカルマキシマムが形成される)、空中に浮いたまま進んでいる状態では上下方向にほぼ揺れなくなる(上下方向加速度azにおいて定数値が形成される)。
直ちにこのように足が地面を蹴飛ばす瞬間に関節に最も多い衝撃が加えられ、このような衝撃は図17のような上下方向加速度グラフにおいて一番目のピーク(peak)形態で表れる。この時の衝撃の程度に応じてケガ危険性が異なり、本発明においては、それを指標化することによって定量化された判断の根拠として用いた。このような判断指標として、本発明においては、前述したように、上下方向加速度azの平均傾き、上下方向加速度azの最大傾き、最大衝撃力、衝撃量を用いる。
図18は、本発明の他の実施形態による走行時における上下方向加速度グラフに傾きを示す。それを通じて上下方向加速度azの平均傾きおよび最大傾きを導出する過程について説明する。
先ず、前記ケガ危険性判断指標として上下方向加速度a
zの平均傾き値を選択する場合、前記ケガ危険性判断指標は下記の式を用いて算出される。
(ここで、a
z:上下方向加速度、mean:平均値算出関数、i:インデックス番号、t
i:i番目の時間、t
i-1:i-1番目の時間、t
c:衝撃開始時間、t
m:衝撃終了時間)
衝撃開始時間とは、実際的には足が地面に着地する瞬間を意味する。これは、上下方向加速度azが0以下の値から0近くの所定の基準値(例えば、0.3m/s2)を上向き突破する時点に決定することができる。ここで、衝撃開始時間を決定する基準値の具体的な値は、上述した例のように0.5m/s2以下の値の中から適切に決定できる。衝撃終了時間は一番目のピーク値が表れる時刻であり、グラフ上で直観的にも容易に確認することができる。インデックスiは衝撃開始時間から衝撃終了時間までの時間をnで分けてデジタル化した時間のインデックスであって、nは必要に応じて適切に決定すればよい。
平均傾き値は、直ちにこのように、衝撃開始時間から衝撃終了時間までをn等分した時、各々の間隔で求められたn個の傾き値の平均値である。図18はある一つの周期における上下方向加速度azグラフを示しており、このような一つの周期で上述したような平均傾き値を求めることができる。一方、図17に示すように走行中には図18のような形態のグラフが続けて繰り返され、上述したような平均傾き値は各周期ごとに(すなわち、各歩ごとに)求められることができる。この時、前記判断指標導出ステップにおいて、ユーザ質量mおよび平均傾きの積として算出される平均垂直負荷率(average vertical loading rate)がさらに算出されることができる。
一方、前記ケガ危険性判断指標として上下方向加速度a
zの最大傾き値を選択する場合、前記ケガ危険性判断指標は下記の式を用いて算出される。
i=1、2、…、n、
t
0=t
c、t
n=t
m
(ここで、a
z:上下方向加速度、max:最大値算出関数、i:インデックス番号、t
i:i番目の時間、t
i-1:i-1番目の時間、t
c:衝撃開始時間、t
m:衝撃終了時間)
前記最大傾きは、平均傾きに関する説明で記述したように、ある一つの周期(一歩)における衝撃開始時間から衝撃終了時間までの間で求められたn個の傾き値のうち最大値である。この時、前記判断指標導出ステップにおいて、ユーザ質量mおよび最大傾きの積として算出される最大垂直負荷率(instantaneous vertical loading rate)がさらに算出されることができる。
図19は、本発明の他の実施形態による走行時における上下方向加速度グラフに衝撃量を示す。それを通じて最大衝撃力および衝撃量を導出する過程について説明する。
先ず、前記ケガ危険性判断指標として最大衝撃力値を選択する場合、前記ケガ危険性判断指標は下記の式を用いて算出される。
(ここで、a
z:上下方向加速度、m:ユーザ質量、t
m:衝撃終了時間)
前述したように衝撃終了時間は一番目のピーク値が表れる時刻であるため、当然、最大衝撃力が表れる時刻は衝撃終了時間になる。図19に上下方向加速度azの一番目のピーク(1st peak)が表示されており、これにユーザ質量mをかけた値が直ちに最大衝撃力値になる。
一方、前記ケガ危険性判断指標として衝撃量値を選択する場合、前記ケガ危険性判断指標は下記の式を用いて算出される。
(ここで、a
z:上下方向加速度、m:ユーザ質量、t
c:衝撃開始時間、t
m:衝撃終了時間)
図19に衝撃開始時間から衝撃終了時間の間の上下方向加速度azグラフ面積が表示されており、この面積にユーザ質量mをかけた値が直ちに衝撃量値になる。
図20は、本発明の他の実施形態による運動認識の第1装置を示す。
本実施形態による運動認識の第1装置2000(以下、第1装置という)は、加速度センサ部2010、角速度センサ部2020、プロセシング部2040およびユーザインターフェース部2050を含む。本実施形態による第1装置2000は、ユーザの身体に着用されて加速度および角速度などのようなユーザの動的物理量を測定することによって、歩行および走行などのユーザの運動状態を分析する。図1に示された例のように、第1装置2000は、頭側および腰側に着用されたバンド、頭側および腰側にクリップの形で付着する形態、帽子に備えられる形態、ベルトにさす形態、メガネ形態、ヘルメット形態、耳に付着する形態、衣服に付着する形態、別途のチョッキやハーネスなどを用いて着用する形態からなる。具体的は、メガネ形態は、拡張現実(AR:Augmented Reality)グラス、メガネフレーム、サングラスなどの形態からなる。耳に付着する形態は、ハンズフリーイヤーピース、ヘッドホンおよびイヤホンなどの形態からなる。この他にも第1装置2000が多様に変更された形態からなってもよいことは当業者にとって明らかなことである。第1装置2000は、様々な計算を実行できる集積回路の形態からなって一つの基板上に形成されることができる。
加速度センサ部2010は、上下、左右および前後を含む3軸方向加速度値を測定する。
角速度センサ部2020は、上下、左右および前後を含む3軸方向角速度値を測定する。
プロセシング部2040は、前記3軸方向加速度値および前記3軸方向角速度値に基づいて第1運動状態値を生成する。前記第1運動状態値は、運動時間、運動歩数、分当たりの歩数、歩間、歩角、頭部角度、地面支持時間、空中浮遊時間、空中浮遊時間に対する地面支持時間の比率、最大垂直力、平均垂直力負荷率、最大垂直力負荷率、左右均衡度、左右均一度のうち少なくとも一つである。第1装置2000は、前記第1運動状態値によってユーザの運動状態を判断することができる。第1運動状態値各々の意味を見てみると、分当たりの歩数は分当たりのステップ数、歩間は脚間の間隔の平均、歩角は脚角度の平均、頭部角度は上下頭部角度の平均、地面支持時間は土地に接している支持時間、空中浮遊時間は全ての脚が土地に接していない時間の平均、最大垂直力は地面反力の最大値、平均垂直力負荷率は左側および右側地面反力の支持区間の初期傾きの平均、最大垂直力負荷率は左側および右側地面反力の支持区間の初期傾きの最大を意味する。
左右均一度(Stability)は、時間、力などにおいて、左足および右足各々の脚に一貫して運動状態が維持されるかを意味し、各々の脚の変動係数(CV:Coefficient)を用いて%で示し、下記の式によって求める。
Stability(Left)=1-std(Left indices)/mean(Left indices)
Stability(Right)=1-std(Right indices)/mean(Right indices)
評価指標であるインデックスとして用いられる値は、垂直力最大値、垂直加速度最大値、支持区間衝撃量、支持時間、浮遊時間、平均垂直力負荷率および最大垂直力負荷率を含む。
左右均衡度(Balance)は、左右不均衡度(%)を示し、下記の式によって求める。
Balance=Left index/(Left index+Right index)*100%
ユーザインターフェース部2050は、プロセシング部2040のスリープモードまたはアライブモードを制御する。ユーザインターフェース部2050は、ソフトウェアまたはハードウェアの形態により実現されてもよい。例えば、ユーザインターフェース部2050は、ソフトウェアまたはハードウェア形態であるプッシュボタンにより実現されてもよい。ユーザインターフェース部2050のユーザ入力から開始される運動認識方法のフローチャートは図22を用いて詳細に後述する。
一方、本実施形態による第1装置2000は、第1通信部2070をさらに含むことができる。第1通信部2070は、前記第1運動状態値を第2装置2100に転送する。第1通信部2070は所定の周期で前記第1運動状態値を第2装置2100に転送することができるが、様々な転送方式により実現されてもよいことは当業者にとって明らかなことである。本実施形態による第2装置2100は、コンピュータ、モバイル端末および時計などのような様々な形態の装置であってもよい。
一方、本実施形態による第1装置2000は、第2通信部2080をさらに含むことができる。第2通信部2080は、前記第1運動状態値をサーバ2200に転送する。
一方、本実施形態による第1装置2000は、位置センサ部2030をさらに含むことができる。
位置センサ部2030は、ユーザの位置値を測定する。位置センサ部2030は、GPSまたは超精密衛星航法技術などに基づいてユーザの位置値を測定するが、他の技術を利用してもよいことは当業者にとって明らかなことである。
第1装置2000が位置センサ部2030をさらに含む場合、プロセシング部2040は、前記第1運動状態値、前記ユーザの位置値およびユーザプロファイルのうち少なくとも一つの値に基づいて第2運動状態値を生成する。前記第2運動状態値は、運動距離、運動速度、カロリー消耗量、高度、歩幅のうち少なくとも一つである。第2運動状態値各々の意味を見てみれば、高度は運動時に移動した垂直高さを意味し、歩幅は地面支持区間および空中浮遊区間の間前進して移動した距離を意味する。前記ユーザプロファイルは、ユーザの身長、体重などの個人情報を含む。
また、プロセシング部2040は、選択的に、前記第1運動状態値および前記第2運動状態値のうち少なくとも一つと各々の所定の基準値を比較して姿勢矯正情報をさらに生成することができる。例えば、プロセシング部2040は、運動速度別に最適な身長-歩幅関係データを格納しておき、前記第2運動状態値のうち歩幅に基づいてユーザの身長に比べて歩幅が過度に広いかまたは狭くはないかを判断する。プロセシング部2040は、歩幅が最適範囲から脱する場合、減らしたり増やしたりしなければならない歩幅矯正量を姿勢矯正情報として生成する。
一方、本実施形態による第1装置2000は、出力部2060をさらに含むことができる。出力部2060は、前記姿勢矯正情報を音響、図解、画像および振動のうち少なくとも一つである、ユーザが認識可能な情報として変換して出力する。例えば、歩幅矯正量が算出されて歩幅を減らす必要がある場合、スピーカを介して「歩幅を減らして下さい」のような音声が出力されるようにするか、または警告音が鳴るようにしてユーザが最適歩幅でないことを認知し歩行姿勢を変えるように誘導することができる。または、第1装置2000は、モバイル端末、時計、コンピュータおよび専用ディスプレイなどの外部装置と接続され、音響、図解、画像および振動のうち少なくとも一つとして矯正情報が出力されるようにすることができる。
第1装置2000が位置センサ部2030をさらに含む場合、第1装置2000は、前記第2運動状態値をサーバ2200に転送する第3通信部をさらに含むことができる。サーバ2200は、前記第2運動状態値をデータベースに累積して格納する。サーバ2200は、データベースに格納された前記第2運動状態値に基づいた統計データを提供する。前記統計データは、所定の運動区間に対して前記第2運動状態値各々に対する最大値、最小値および平均値などを含む。運動分析が必要なユーザは、サーバ2200を介して前記統計データの提供を受け、自身の運動習慣の改善など、多様に活用することができる。運動分析が必要なユーザは、健康促進のために毎日散歩またはジョギングをする一般人や身体能力を向上させるために訓練する専門家などである。また、サーバ2200は、各々のユーザ別に前記第2運動状態値を格納して、ユーザ間に前記第2運動状態値を関係的および統計的に分析したビッグ・データサービスを提供する。
第1通信部2070、第2通信部2080および第3通信部は、ブルートゥース、ワイ・ファイおよびNFCを含む無線通信およびワイヤリングを介した有線通信のうち少なくとも一つで構成されるが、他の有無線通信技術が利用されてもよいことは当業者にとって明らかなことである。また、第1通信部2070、第2通信部2080および第3通信部は、物理的に単一インターフェースで構成されるか、または複数のインターフェースで構成されてもよい。
図21は、本発明の他の実施形態による運動認識の第2装置を示す。
本実施形態による運動認識の第2装置2100(以下、第2装置という)は、第1通信部2110、プロセシング部2150および位置センサ部2170を含む。本実施形態による第2装置2100は、コンピュータ、モバイル端末および時計などのような様々な形態の装置であってもよい。
第1通信部2110は、3軸方向加速度値および3軸方向角速度値に基づいて生成された第1運動状態値を第1装置2000から受信する。
位置センサ部2170は、ユーザの位置値を測定する。位置センサ部2030は、GPSまたは超精密衛星航法技術などに基づいてユーザの位置値を測定するが、他の技術を利用してもよいことは当業者にとって明らかなことである。
プロセシング部2150は、前記第1運動状態値、前記ユーザの位置値およびユーザプロファイルのうち少なくとも一つの値に基づいて第2運動状態値を生成する。前記第2運動状態値は、距離、速度、カロリー消耗量、高度、歩幅のうち少なくとも一つである。前記ユーザプロファイルは、ユーザの身長、体重などの個人情報を含む。
一方、本実施形態によるプロセシング部2150は、選択的に、前記第1運動状態値および前記第2運動状態値のうち少なくとも一つと各々の所定の基準値を比較して運動姿勢矯正情報をさらに生成することができる。例えば、プロセシング部2150は、運動速度別に最適な身長-歩幅関係データを格納しておき、前記第2運動状態値のうち歩幅に基づいてユーザの身長に比べて歩幅が過度に広いかまたは狭くはないかを判断する。プロセシング部2150は、歩幅が最適範囲から脱する場合、減らしたり増やしたりしなければならない歩幅矯正量を姿勢矯正情報として生成する。
一方、本実施形態による第2装置2100は、出力部2190をさらに含むことができる。出力部2190は、前記姿勢矯正情報を音響、図解、画像および振動のうち少なくとも一つである、ユーザが認識可能な情報として変換して出力する。例えば、歩幅矯正量が算出されて歩幅を減らす必要がある場合、スピーカを介して「歩幅を減らして下さい」のような音声が出力されるようにするか、または警告音が鳴るようにしてユーザが最適歩幅でないことを認知し歩行姿勢を変えるように誘導することができる。
一方、本実施形態による第2装置2100は、第2通信部2150をさらに含むことができる。第2通信部2150は、第2運動状態値をサーバ2200に転送する。サーバ2200は、前記第2運動状態値をデータベースに累積して格納する。サーバ2200は、データベースに格納された前記第2運動状態値に基づいた統計データを提供する。前記統計データは、所定の運動区間に対して前記第2運動状態値各々に対する最大値、最小値および平均値などを含む。運動分析が必要なユーザは、サーバ2200を介して前記統計データの提供を受け、自身の運動習慣の改善など、多様に活用することができる。また、サーバ2200は、各々のユーザ別に前記第2運動状態値を格納して、ユーザ間に前記第2運動状態値を関係的および統計的に分析したビッグ・データサービスを提供する。
第1通信部2110および第2通信部2130は、ブルートゥース、ワイ・ファイおよびNFCを含む無線通信およびワイヤリングを介した有線通信のうち少なくとも一つで構成されるが、他の有無線通信技術が利用されてもよいことは当業者にとって明らかなことである。また、第1通信部2110および第2通信部2130は、物理的に単一インターフェースで構成されるか、または複数のインターフェースで構成されてもよい。
図22は、本発明の他の実施形態による運動認識方法のフローチャートを示す。
ステップ2210において、第1装置2000のユーザインターフェース部2050がプロセシング部2040をアライブモードに変更する。
ステップ2220において、第1装置2000は、第1通信部2070を介して第2装置2100との接続を設定する。
第2装置2100との接続が設定された場合、ステップ2230において、第1装置2000は、ユーザインターフェース部2050または第2装置2100からの命令の入力を受ける。
ステップ2240において、第1装置2000は、前記命令に基づいて加速度センサ部2010および角速度センサ部2020を介して3軸方向加速度値および3軸方向角速度値を各々測定する。本発明の一実施形態によれば、加速度センサ部2010および角速度センサ部2020は、先入れ先出し(FIFO:First In First Out)キューに前記3軸方向加速度値および前記3軸方向角速度値を格納する。第1装置2000は、先入れ先出しキューの格納空間が所定の閾値未満である場合には、プロセシング部2040をスリープモードに変更し、先入れ先出しキューの格納空間が所定の閾値以上である場合には、プロセシング部2040をアライブモードに変更することによって、低電力で装置を駆動することができる。
ステップ2250において、第1装置2000は、前記3軸方向加速度値および前記3軸方向角速度値に基づいて第1運動状態値を生成する。前記第1運動状態値は、運動時間、運動歩数、分当たりの歩数、歩間、歩角、頭部角度、地面支持時間、空中浮遊時間、空中浮遊時間に対する地面支持時間の比率、最大垂直力、平均垂直力負荷率、最大垂直力負荷率、左右均衡度、左右均一度のうち少なくとも一つである。
ステップ2260において、第1装置2000は、前記第1運動状態値を第2装置2100に転送する。
ステップ2270において、第2装置2100は、ユーザの位置値を測定する。
ステップ2280において、第2装置2100は、前記第1運動状態値、前記ユーザの位置値およびユーザプロファイルのうち少なくとも一つの値に基づいて第2運動状態値を生成する。前記第2運動状態値は、距離、速度、カロリー消耗量、高度、歩幅のうち少なくとも一つである。前記ユーザプロファイルは、ユーザの身長、体重などの個人情報を含む。
第2装置2100は、選択的に、前記第1運動状態値および前記第2運動状態値のうち少なくとも一つと各々の所定の基準値を比較して運動姿勢矯正情報をさらに生成することができる。例えば、第2装置2100は、運動速度別に最適な身長-歩幅関係データを格納しておき、前記第2運動状態値のうち歩幅に基づいてユーザの身長に比べて歩幅が過度に広いかまたは狭くはないかを判断する。第2装置2100は、歩幅が最適範囲から脱する場合、減らしたり増やしたりしなければならない歩幅矯正量を姿勢矯正情報として生成する。第2装置2100は、前記姿勢矯正情報を音響、図解、画像および振動のうち少なくとも一つである、ユーザが認識可能な情報として変換して出力する。例えば、歩幅矯正量が算出されて歩幅を減らす必要がある場合、スピーカを介して「歩幅を減らして下さい」のような音声が出力されるようにするか、または警告音が鳴るようにしてユーザが最適歩幅でないことを認知し歩行姿勢を変えるように誘導することができる。
ステップ2290において、第2装置2100は、前記第2運動状態値をサーバ2200に転送する。サーバ2200は、前記第2運動状態値をデータベースに累積して格納する。サーバ2200は、データベースに格納された前記第2運動状態値に基づいた統計データを提供する。前記統計データは、所定の運動区間に対して前記第2運動状態値各々に対する最大値、最小値および平均値などを含む。運動分析が必要なユーザは、サーバ2200を介して前記統計データの提供を受け、自身の運動習慣の改善など、多様に活用することができる。また、サーバ2200は、各々のユーザ別に前記第2運動状態値を格納して、ユーザ間に前記第2運動状態値を関係的および統計的に分析したビッグ・データサービスを提供する。
以上、本発明の好ましい実施形態が詳細に記述されているが、本発明の範囲はそれに限定されず、様々な変形および均等な他の実施形態が可能である。よって、本発明の真の技術的保護範囲は添付された特許請求の範囲によって定められなければならない。
例えば、本発明の例示的な実施形態による装置は、図示されたような装置各々のユニットにカップリングされたバス、前記バスにカップリングされた少なくとも一つのプロセッサを含むことができ、コマンド、受信されたメッセージ、または生成されたメッセージを格納するために前記バスにカップリングされ、前述したようなコマンドを実行するための少なくとも一つのプロセッサにカップリングされたメモリを含むことができる。
また、本発明に係るシステムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体にコンピュータ読み取り可能なコードとして実現することができる。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読み取られるデータが格納される全ての記録装置を含む。前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、マグネチック格納媒体(例えば、ROM、フロッピーディスク、ハードディスクなど)、および光学的読取媒体(例えば、CD-ROM、DVDなど)を含む。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、ネットワークを介して接続されたコンピュータシステムに分散され、分散方式でコンピュータ読み取り可能なコードが格納されて実行されることができる。