JP2016034480A - 報知装置、運動解析システム、報知方法、報知プログラム、運動支援方法及び運動支援装置 - Google Patents

報知装置、運動解析システム、報知方法、報知プログラム、運動支援方法及び運動支援装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016034480A
JP2016034480A JP2015115211A JP2015115211A JP2016034480A JP 2016034480 A JP2016034480 A JP 2016034480A JP 2015115211 A JP2015115211 A JP 2015115211A JP 2015115211 A JP2015115211 A JP 2015115211A JP 2016034480 A JP2016034480 A JP 2016034480A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
user
unit
notification
exercise
index
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015115211A
Other languages
English (en)
Inventor
内田 周志
Chikashi Uchida
周志 内田
英生 笹原
Hideo Sasahara
英生 笹原
松本 一実
Kazumi Matsumoto
一実 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2015115211A priority Critical patent/JP2016034480A/ja
Priority to US14/814,498 priority patent/US9875400B2/en
Priority to CN201510465062.4A priority patent/CN105311816A/zh
Publication of JP2016034480A publication Critical patent/JP2016034480A/ja
Priority to US15/842,031 priority patent/US10740599B2/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G09EDUCATION; CRYPTOGRAPHY; DISPLAY; ADVERTISING; SEALS
    • G09BEDUCATIONAL OR DEMONSTRATION APPLIANCES; APPLIANCES FOR TEACHING, OR COMMUNICATING WITH, THE BLIND, DEAF OR MUTE; MODELS; PLANETARIA; GLOBES; MAPS; DIAGRAMS
    • G09B19/00Teaching not covered by other main groups of this subclass
    • G09B19/003Repetitive work cycles; Sequence of movements
    • G09B19/0038Sports
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06VIMAGE OR VIDEO RECOGNITION OR UNDERSTANDING
    • G06V40/00Recognition of biometric, human-related or animal-related patterns in image or video data
    • G06V40/20Movements or behaviour, e.g. gesture recognition
    • G06V40/23Recognition of whole body movements, e.g. for sport training

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Business, Economics & Management (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Entrepreneurship & Innovation (AREA)
  • Educational Administration (AREA)
  • Educational Technology (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Computer Vision & Pattern Recognition (AREA)
  • Psychiatry (AREA)
  • Social Psychology (AREA)
  • Human Computer Interaction (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
  • Physical Education & Sports Medicine (AREA)

Abstract

【課題】ユーザーの運動中に、運動能力に関する複数の指標のうち、各々の目標値を基準として一部の指標を報知することが可能な報知装置、運動解析システム、報知方法及び報知プログラムを提供すること。
【解決手段】慣性センサーによりユーザーの運動を解析して算出された前記ユーザーの運動能力に関係する複数の指標の各々指標値と、前記複数の指標の各々に設定された目標値との差分を計算する差分計算部と、前記複数の指標の各々についての前記差分に基づき、前記複数の指標のうちの一部の指標を選択する指標選択部と、選択された前記一部の指標を出力する出力部と、を含む、報知装置。
【選択図】図21

Description

本発明は、報知装置、運動解析システム、報知方法、報知プログラム、運動支援方法及び運動支援装置に関する。
特許文献1には、走行時のXYZの各軸方向の加速度とZ軸回りの角速度を検出し、検出した測定値から走者の各軸方向の並進加速度及び角速度を算出し、記憶手段に記録されている目標値と比較し、測定値が目標値を超過している場合には警報伝達手段を介してそれを一歩毎に走者に知らせる走法習得装置が記載されている。また、この走法習得装置は、走者が予め目標値を決定するのを支援する支援手段を具備し、走者によって選択された警報の種類に限って目標値超過判定を行う。具体的には、走者は、ステレオイヤホンの左耳に1種類の警報を割り付け、ステレオイヤホンの右耳に1種類の警報を割り付け、合計2種類の警報を選択することができる。この走法習得装置では、目標値超過判定を行った警報の種類については、一歩毎に、目標値を超過した場合に警報発報が行われるため、走者は、改善したい事項についてだけ具体的且つきめ細かい修正ができる。
また、特許文献2には、センサーの出力を用いてユーザーの運動ピッチを計算し、計算された運動ピッチ(歩くペース(歩速)、腕を振るペース等)に基づいて、ユーザーが識別可能なリズムを発生させる健康増進システムが記載されている。このシステムによれば、楽に、かつ自然に、好ましい運動ピッチにユーザーを誘導することができる。
また、ランニングやマラソン等の運動を行うユーザーの胴体部や腕に装着して使用される携帯型の電子機器が普及している。このような携帯型電子機器として、加速度センサーやジャイロセンサーといった各種のセンサーを内蔵し、内蔵センサーの検出値を用いて、位置や走行速度、心拍数や歩数、走行ペースといった各種の運動データを算出する機能を備えたものが開発されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2006−110046号公報 特開2002−336376号公報 特開2013−140158号公報
しかしながら、特許文献1に記載の走法習得装置では、走者がどこに気をつけて走るかを予め決めて2種類の警報を選択して警報割付を行う必要があるため、走者が気をつけていない事項については、その良し悪しを知ることはできない。また、選択した2種類の警報のいずれについても、目標値を超過した場合には必ず警報発報が行われるため、走者は、どちらがより悪いのか(優先して改善しなければいけないか)といったことがわからない。従って、特許文献1に記載の走法習得装置では、運動能力に関する多くの指標のうち、目標値に対してどの指標が相対的に悪いのか又は良いのかを知ることができず、走者が効率的に運動能力を向上させることができない場合もある。
また、特許文献2に記載のシステムでは、ユーザーの歩くペース(歩速)や腕を振るペースをガイダンスする機能を有するが、1歩毎の足の着地や離地のタイミングをガイダン
スする機能を提供することはできない。1歩毎の足の着地や離地のタイミング、すなわち、片足が接地している時間(接地時間)や両足が離地している時間(滞空時間)は、効率的な走行を実現するために非常な重要な指標であるが、これまでに、ユーザーの運動中に目標となる接地時間や滞空時間にタイミングを報知する装置は提案されていない。
また、ランニングを含む各種の運動では、運動の継続によって筋肉中に乳酸が蓄積すると、この乳酸によって筋力が低下し、運動パフォーマンスの低下に繋がることが知られている。そこで、運動中に、乳酸の蓄積を把握することができれば便利である。乳酸が蓄積されているかどうかは、血中の乳酸値(乳酸濃度)の計測によって知ることができる。血中乳酸値の計測方法としては、血液や呼気を採取して計測する方法が一般的である。しかしながら、これらの従来の方法は、血液や呼気を採取する必要があるため、運動中に行うことは難しい。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、ユーザーの運動中に、運動能力に関する複数の指標のうち、各々の目標値を基準として一部の指標を報知することが可能な報知装置、運動解析システム、報知方法及び報知プログラムを提供することができる。
また、本発明のいくつかの態様によれば、ユーザーの運動中に、目標となる接地時間又は滞空時間のタイミングを報知することが可能な報知装置、運動解析システム、報知方法及び報知プログラムを提供することができる。
また、本発明のいくつかの態様によれば、血液や呼気を採取することなく、運動中に乳酸が蓄積された状態を推定することのできる運動支援方法及び運動支援装置を提供することができる。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例に係る報知装置は、慣性センサーによりユーザーの運動を解析して算出された前記ユーザーの運動能力に関係する複数の指標の各々の指標値と、前記複数の指標の各々に設定された目標値との差分を計算する差分計算部と、前記複数の指標の各々についての前記差分に基づき、前記複数の指標のうちの一部の指標を選択する指標選択部と、選択された前記一部の指標を出力する出力部と、を含む。
運動能力は、例えば、技術力であってもよいし、持久力であってもよい。
本適用例に係る報知装置によれば、ユーザーの運動能力に関係する複数の指標の各々の値と各々の目標値との差分に基づいて一部の指標を選択して出力することにより、ユーザーの運動中に、当該複数の指標のうち、各々の目標値を基準として一部の指標を報知することができる。
[適用例2]
上記適用例に係る報知装置において、前記指標選択部は、前記一部の指標として他の指標よりも前記差分の大きい指標を選択してもよい。
本適用例に係る報知装置によれば、ユーザーの運動中に、複数の指標のうち、各々の目標値を基準として相対的に悪い指標を報知することができる。従って、ユーザーは、悪い指標を認識しながら運動することができる。
[適用例3]
上記適用例に係る報知装置において、前記指標選択部は、前記一部の指標として他の指標よりも前記差分が小さい指標を選択してもよい。
本適用例に係る報知装置によれば、ユーザーの運動中に、複数の指標のうち、各々の目標値を基準として相対的に良い指標を報知することができる。従って、ユーザーは、良い指標を認識しながら運動することができる。
[適用例4]
上記適用例に係る報知装置は、前記複数の指標の各々についての前記差分を正規化する正規化部を含み、前記指標選択部は、前記複数の指標の各々についての正規化された前記差分に基づき、前記一部の指標を選択してもよい。
本適用例に係る報知装置によれば、ユーザーの運動中に、複数の指標のうちの一部の指標を平等な条件のもとで選択し、報知することができる。従って、ユーザーの運動状態に関係なく特定の指標が頻繁に報知されやすくなるおそれを低減させることができる。
[適用例5]
上記適用例に係る報知装置において、前記指標選択部は、前記正規化された前記差分が大きい方から所定数の指標を選択してもよい。
本適用例に係る報知装置によれば、ユーザーの運動中に、複数の指標のうち、目標値との差が大きい所定数の指標を平等な条件のもとで選択し、報知することができる。従って、ユーザーは、目標値との差が大きい、悪い指標を認識しながら運動することができる。
[適用例6]
上記適用例に係る報知装置において、前記指標選択部は、前記正規化された前記差分のすべてが閾値よりも小さい場合には、いずれの指標も選択しなくてもよい。
本適用例に係る報知装置によれば、ユーザーは、いずれの指標も報知されなければ、運動状態が良いと判断することができる。
[適用例7]
上記適用例に係る報知装置において、前記指標選択部は、前記正規化された前記差分が小さい方から所定数の指標を選択してもよい。
本適用例に係る報知装置によれば、ユーザーの運動中に、複数の指標のうち、目標値との差が小さい所定数の指標を平等な条件のもとで選択し、報知することができる。従って、ユーザーは、目標値との差が小さい、良い指標を認識しながら運動することができる。
[適用例8]
上記適用例に係る報知装置において、前記指標選択部は、前記正規化された前記差分のすべてが閾値よりも大きい場合には、いずれの指標も選択しなくてもよい。
本適用例に係る報知装置によれば、ユーザーは、いずれの指標も報知されなければ、運動状態が悪いと判断することができる。
[適用例9]
上記適用例に係る報知装置は、前記ユーザーの速度と前記複数の指標の各々の目標値と
の対応情報を用いて、前記複数の指標の各々について、前記ユーザーの速度に対応する目標値を設定する目標値設定部を含んでもよい。
本適用例に係る報知装置によれば、ユーザーの運動速度に応じて目標値を変えながら、一部の指標を選択し、報知することができる。
[適用例10]
上記適用例に係る報知装置において、前記指標は、真下着地、推進効率、脚の流れ、走行ピッチ、着地衝撃の少なくとも1つであってもよい。
[適用例11]
上記適用例に係る報知装置において、前記出力部は、選択された前記一部の指標を互いに異なる音又は振動として出力してもよい。
本適用例に係る報知装置によれば、ユーザーは、音や振動の種類によって、どの指標が報知されたかを認識することができる。
[適用例12]
本適用例に係る運動解析システムは、上記のいずれかの報知装置と、前記慣性センサーの検出結果を用いて前記ユーザーの運動を解析し、前記複数の指標の値を算出する運動解析装置と、を含む。
本適用例に係る運動解析システムによれば、運動解析装置が、慣性センサーの検出結果を用いてユーザー―の運動能力に関する複数の指標の値を算出し、報知装置が、当該複数の指標の各々の値と各々の目標値との差分に基づいて一部の指標を選択することにより、ユーザーの運動中に、当該複数の指標のうち、各々の目標値を基準として一部の指標を報知することができる。
[適用例13]
本適用例に係る報知方法は、ユーザーの運動能力に関係する複数の指標の各々について、慣性センサーの検出結果を用いて前記ユーザーの運動を解析して算出された値と目標値との差分を計算することと、前記複数の指標の各々についての前記差分に基づき、前記複数の指標のうちの一部の指標を選択することと、選択した前記一部の指標を報知することと、を含む。
本適用例に係る報知方法によれば、ユーザーの運動能力に関係する複数の指標の各々の値と各々の目標値との差分に基づいて一部の指標を選択することにより、ユーザーの運動中に、当該複数の指標のうち、各々の目標値を基準として一部の指標を報知することができる。
[適用例14]
本適用例に係る報知プログラムは、ユーザーの運動能力に関係する複数の指標の各々について、慣性センサーの検出結果を用いて前記ユーザーの運動を解析して算出された値と目標値との差分を計算することと、前記複数の指標の各々についての前記差分に基づき、前記複数の指標のうちの一部の指標を選択することと、選択した前記一部の指標を報知するための制御を行うことと、をコンピューターに実行させる。
本適用例に係る報知プログラムによれば、ユーザーの運動能力に関係する複数の指標の各々の値と各々の目標値との差分に基づいて一部の指標を選択することにより、ユーザーの運動中に、当該複数の指標のうち、各々の目標値を基準として一部の指標を報知するこ
とができる。
[適用例15]
本適用例に係る報知装置は、ユーザーの運動中に、前記ユーザーの足の接地時間の目標値に対応する第1期間及び前記ユーザーの足の滞空時間の目標値に対応する第2期間の少なくとも一方を周期的に報知する出力部を含む。
本適用例に係る報知装置によれば、ユーザーの運動中に第1期間を周期的に報知する場合は、目標となる接地時間のタイミングを報知することができる。また、本適用例に係る報知装置によれば、ユーザーの運動中に第2期間を周期的に報知する場合は、目標となる滞空時間のタイミングを報知することができる。また、本適用例に係る報知装置によれば、ユーザーの運動中に第1期間と第2期間を周期的に報知する場合は、目標となる接地時間のタイミングと目標となる滞空時間のタイミングを報知することができる。
[適用例16]
上記適用例に係る報知装置において、前記出力部は、音又は振動によって報知してもよい。
本適用例に係る報知装置によれば、ユーザーは、運動中に、視覚によらずに目標となる接地時間のタイミングや目標となる滞空時間のタイミングを認識することができる。
[適用例17]
上記適用例に係る報知装置において、前記出力部は、前記第1期間を第1の報知手段によって報知し、前記第2期間を前記第1の報知手段とは異なる第2の報知手段によって報知してもよい。
例えば、第1の報知手段は、第1の音又は第1の振動であり、第2の報知手段は、第1の音とは異なる第2の音又は第1の振動とは異なる第2の振動であってもよい。
本適用例に係る報知装置によれば、ユーザーは、報知手段の違いによって、目標となる接地時間のタイミングと目標となる滞空時間のタイミングのどちらが報知されているかを識別することができる。
[適用例18]
上記適用例に係る報知装置は、前記第2期間を報知せずに前記第1期間を報知する第1モード又は前記第1期間を報知せずに前記第2期間を報知する第2モードを選択可能な報知モード選択部を含んでもよい。
本適用例に係る報知装置によれば、例えば、ユーザーの好みに応じて、目標となる接地時間のタイミングと目標となる滞空時間のタイミングのどちらか一方のみを選択して報知することができる。
[適用例19]
上記適用例に係る報知装置において、前記報知モード選択部は、前記第1期間と前記第2期間の両方を報知する第3モードを選択可能であってもよい。
本適用例に係る報知装置によれば、例えば、ユーザーの好みに応じて、目標となる接地時間のタイミングと目標となる滞空時間のタイミングのどちらか一方のみ又は両方を選択して報知することができる。
[適用例20]
上記適用例に係る報知装置は、前記ユーザーの運動における所定の情報に基づいて、前記接地時間の目標値及び前記滞空時間の目標値を設定する目標値設定部を含んでもよい。
本適用例に係る報知装置によれば、ユーザーの運動状態に応じて、目標となる接地時間や目標となる滞空時間を変えながら、これらのタイミングを報知することができる。
[適用例21]
上記適用例に係る報知装置において、前記所定の情報は、接地時間の情報であってもよい。
本適用例に係る報知装置によれば、ユーザーの運動における接地時間に応じて、目標となる接地時間や目標となる滞空時間を変えながら、これらのタイミングを報知することができる。
[適用例22]
上記適用例に係る報知装置において、前記所定の情報は、走行ピッチの情報であってもよい。
本適用例に係る報知装置によれば、ユーザーの運動における走行ピッチに応じて、目標となる接地時間や目標となる滞空時間を変えながら、これらのタイミングを報知することができる。
[適用例23]
上記適用例に係る報知装置において、前記所定の情報は、走行速度の情報であってもよい。
本適用例に係る報知装置によれば、ユーザーの運動における走行速度に応じて、目標となる接地時間や目標となる滞空時間を変えながら、これらのタイミングを報知することができる。
[適用例24]
上記適用例に係る報知装置において、前記所定の情報は、慣性センサーの検出結果を用いて算出された情報であってもよい。
慣性センサーは、装着されたユーザーの部位の細かい動きを検出可能であるため、慣性センサーの検出結果を用いてユーザーの運動に関する情報を精度よく算出することができる。従って、本適用例に係る報知装置によれば、目標となる接地時間のタイミングや目標となる滞空時間のタイミングをより正確に報知することができる。
[適用例25]
本適用例に係る運動解析システムは、上記のいずれかの報知装置と、前記慣性センサーの検出結果を用いて前記所定の情報を算出する運動解析装置と、を含む。
本適用例に係る運動解析システムによれば、報知装置は、運動解析装置が慣性センサーの検出結果を用いて精度よく算出するユーザーの運動に関する情報に応じて、目標となる接地時間のタイミングや目標となる滞空時間のタイミングを変えながら、これらのタイミングをより正確に報知することができる。
[適用例26]
本適用例に係る報知方法は、ユーザーの運動中に、前記ユーザーの足の接地時間の目標値に対応する第1期間及び前記ユーザーの足の滞空時間の目標値に対応する第2期間の少なくとも一方を周期的に報知することを含む。
本適用例に係る報知方法によれば、ユーザーの運動中に第1期間を周期的に報知する場合は、目標となる接地時間のタイミングを報知することができる。また、本適用例に係る報知方法によれば、ユーザーの運動中に第2期間を周期的に報知する場合は、目標となる滞空時間のタイミングを報知することができる。また、本適用例に係る報知方法によれば、ユーザーの運動中に第1期間と第2期間を周期的に報知する場合は、目標となる接地時間のタイミングと目標となる滞空時間のタイミングを報知することができる。
[適用例27]
本適用例に係る報知プログラムは、ユーザーの運動中に、前記ユーザーの足の接地時間の目標値に対応する第1期間及び前記ユーザーの足の滞空時間の目標値に対応する第2期間の少なくとも一方を周期的に報知するための制御を行うことをコンピューターに実行させる。
本適用例に係る報知プログラムによれば、ユーザーの運動中に第1期間を周期的に報知するための制御を行う場合は、目標となる接地時間のタイミングを報知させることができる。また、本適用例に係る報知方法によれば、ユーザーの運動中に第2期間を周期的に報知するための制御を行う場合は、目標となる滞空時間のタイミングを報知させることができる。また、本適用例に係る報知方法によれば、ユーザーの運動中に第1期間と第2期間を周期的に報知するための制御を行う場合は、目標となる接地時間のタイミングと目標となる滞空時間のタイミングを報知させることができる。
[適用例28]
本適用例に係る運動支援方法は、走行中のユーザーの鉛直方向に沿った振動振幅値が閾値を超えた場合には走行のフォームが不安定状態であることを報知すること、を含む。
本適用例に係る運動支援方法によれば、走行中のユーザーの鉛直方向に沿った振動振幅値が閾値を超えた場合には走行のフォームが不安定状態であることを報知することができる。鉛直方向の振動振幅は、ユーザーの身体の鉛直方向のぶれをあらわす。このため、例えば、振幅振動が大きい場合に走行時のフォームが不安定状態であると判定することができる。また、ある部位に乳酸が蓄積すると、その部位の筋力が低下することによって走行のフォームが不安定となる。これにより、ユーザーの走行のフォームが不安定状態となったことから、乳酸が蓄積していることを推定的に判定することができる。
[適用例29]
上記適用例に係る運動支援方法は、前記振動振幅値を用いて前記ユーザーのフォームを推定することを更に含み、前記報知は、前記不安定状態である場合に、前記推定されたフォームとは異なるフォームを推奨することを含むようにしても良い。
本適用例に係る運動支援方法によれば、走行中のユーザーの鉛直方向に沿った振動振幅値を用いてユーザーのフォームを推定し、走行のフォームが不安定状態である場合に、推定したフォームとは異なるフォームを推奨することができる。走行のフォームを変えることによって、乳酸が蓄積し易い筋肉部分を変えることができる場合がある。このため、走行のフォームが不安定状態、すなわち乳酸が蓄積していると判定した場合に、異なるフォームで走行するように推奨することで、特定部分の筋肉中に蓄積した乳酸を除去或いは緩和させるといったことが可能となる。
[適用例30]
上記適用例に係る運動支援方法は、前記推定されたフォームの継続時間を算出することを更に含み、前記推奨することは、前記不安定状態であると判定され、且つ、前記継続時間が所定条件を満たした場合に、前記推奨を行うようにしても良い。
本適用例に係る運動支援方法によれば、走行のフォームが不安定状態であると判定され、且つ、フォームの継続時間が所定条件を満たした場合に、異なるフォームを推奨することができる。同一のフォームでの走行を継続すると、乳酸が蓄積し易くなる。このため、同一のフォームでの走行を継続している場合に、異なるフォームの推奨を行うと、より効果的である。
[適用例31]
本適用例に係る運動支援装置は、走行中のユーザーの鉛直方向に沿った振動振幅値が閾値を超えた場合に走行のフォームが不安定状態であると判定する判定部を備え、前記不安定状態であると判定された場合に所定の報知を行う。
本適用例に係る運動支援装置によれば、走行中のユーザーの鉛直方向に沿った振動振幅値が閾値を超えた場合には走行のフォームが不安定状態であることを報知することができる。鉛直方向の振動振幅は、ユーザーの身体の鉛直方向のぶれをあらわす。このため、例えば、振幅振動が大きい場合に走行時のフォームが不安定状態であると判定することができる。また、ある部位に乳酸が蓄積すると、その部位の筋力が低下することによって走行のフォームが不安定となる。これにより、ユーザーの走行のフォームが不安定状態となったことから、乳酸が蓄積していることを推定的に判定することができる。
本実施形態の運動解析システムの構成例を示す図。 本実施形態の運動解析システムの概要についての説明図。 運動解析装置の構成例を示す機能ブロック図。 センシングデータテーブルの構成例を示す図。 GPSデータテーブルの構成例を示す図。 地磁気データテーブルの構成例を示す図。 算出データテーブルの構成例を示す図。 運動解析装置の処理部の構成例を示す機能ブロック図。 慣性航法演算部の構成例を示す機能ブロック図。 ユーザーの走行時の姿勢についての説明図。 ユーザーの走行時のヨー角についての説明図。 ユーザーの走行時の3軸加速度の一例を示す図。 運動解析部の構成例を示す機能ブロック図。 運動解析処理の手順の一例を示すフローチャート図。 慣性航法演算処理の手順の一例を示すフローチャート図。 走行検出処理の手順の一例を示すフローチャート図。 運動解析情報生成処理の手順の一例を示すフローチャート図。 報知装置の構成例を示す機能ブロック図。 第1実施形態における報知制御テーブルの構成例を示す図。 第1実施形態における速度−目標値テーブルの構成例を示す図。 第1実施形態における報知装置の処理部の構成例を示す機能ブロック図。 第1実施形態における報知装置の表示部に表示される情報の一例を示す図。 第1実施形態における報知処理の手順の一例を示すフローチャート図。 第2実施形態における報知制御テーブルの構成例を示す図。 第2実施形態における速度−目標値テーブルの構成例を示す図。 第2実施形態における報知装置の処理部の構成例を示す機能ブロック図。 目標接地時間及び目標滞空時間の報知方法についての説明図。 第2実施形態における報知装置の表示部に表示される情報の一例を示す図。 第2実施形態における報知処理の手順の一例を示すフローチャート図。 目標接地時間及び目標滞空時間の報知処理の手順の一例を示すフローチャート図。 目標接地時間及び目標滞空時間の報知処理の手順の他の一例を示すフローチャート図。 目標接地時間及び目標滞空時間の報知処理の手順の他の一例を示すフローチャート図。 目標接地時間及び目標滞空時間の報知処理の手順の他の一例を示すフローチャート図。 第3実施形態における携帯型電子機器の構成例。 携帯型電子機器の機能構成図。 乳酸蓄積状態設定テーブルのデータ構成例。 走行フォーム設定データのデータ構成例。 運動支援処理のフローチャート。
本実施の形態に係る報知装置は、ユーザーの運動能力に関係する複数の指標の各々について、慣性センサーにより前記ユーザーの運動を解析して算出された指標値と目標値との差分を計算する差分計算部と、前記複数の指標の各々についての前記差分に基づき、前記複数の指標のうちの一部の指標を選択する指標選択部と、選択された前記一部の指標を報知する出力部と、を含む。
運動能力は、例えば、技術力であってもよいし、持久力であってもよい。
本実施の形態に係る報知装置によれば、ユーザーの運動能力に関係する複数の指標の各々の値と各々の目標値との差分に基づいて一部の指標を選択することにより、ユーザーの運動中に、当該複数の指標のうち、各々の目標値を基準として一部の指標を報知することができる。
上記実施の形態に係る報知装置において、前記指標選択部は、前記一部の指標として他の指標よりも前記差分の大きい指標を選択してもよい。
本実施の形態に係る報知装置によれば、ユーザーの運動中に、複数の指標のうち、各々の目標値を基準として相対的に悪い指標を報知することができる。従って、ユーザーは、悪い指標を認識しながら運動することができる。
上記実施の形態に係る報知装置において、前記指標選択部は、前記一部の指標として他の指標よりも前記差分が小さい指標を選択してもよい。
本実施の形態に係る報知装置によれば、ユーザーの運動中に、複数の指標のうち、各々の目標値を基準として相対的に良い指標を報知することができる。従って、ユーザーは、良い指標を認識しながら運動することができる。
上記実施の形態に係る報知装置は、前記複数の指標の各々についての前記差分を正規化する正規化部を含み、前記指標選択部は、前記複数の指標の各々についての正規化された
前記差分に基づき、前記一部の指標を選択してもよい。
本実施の形態に係る報知装置によれば、ユーザーの運動中に、複数の指標のうちの一部の指標を平等な条件のもとで選択し、報知することができる。従って、ユーザーの運動状態に関係なく特定の指標が頻繁に報知されやすくなるおそれを低減させることができる。
上記実施の形態に係る報知装置において、前記指標選択部は、前記正規化された前記差分が大きい方から所定数の指標を選択してもよい。
本実施の形態に係る報知装置によれば、ユーザーの運動中に、複数の指標のうち、目標値との差が大きい所定数の指標を平等な条件のもとで選択し、報知することができる。従って、ユーザーは、目標値との差が大きい、悪い指標を認識しながら運動することができる。
上記実施の形態に係る報知装置において、前記指標選択部は、前記正規化された前記差分のすべてが閾値よりも小さい場合には、いずれの指標も選択しなくてもよい。
本実施の形態に係る報知装置によれば、ユーザーは、いずれの指標も報知されなければ、運動状態が良いと判断することができる。
上記実施の形態に係る報知装置において、前記指標選択部は、前記正規化された前記差分が小さい方から所定数の指標を選択してもよい。
本実施の形態に係る報知装置によれば、ユーザーの運動中に、複数の指標のうち、目標値との差が小さい所定数の指標を平等な条件のもとで選択し、報知することができる。従って、ユーザーは、目標値との差が小さい、良い指標を認識しながら運動することができる。
上記実施の形態に係る報知装置において、前記指標選択部は、前記正規化された前記差分のすべてが閾値よりも大きい場合には、いずれの指標も選択しなくてもよい。
本実施の形態に係る報知装置によれば、ユーザーは、いずれの指標も報知されなければ、運動状態が悪いと判断することができる。
上記実施の形態に係る報知装置は、前記ユーザーの速度と前記複数の指標の各々の目標値との対応情報を用いて、前記複数の指標の各々について、前記ユーザーの速度に対応する目標値を設定する目標値設定部を含んでもよい。
本実施の形態に係る報知装置によれば、ユーザーの運動速度に応じて目標値を変えながら、一部の指標を選択し、報知することができる。
上記実施の形態に係る報知装置において、前記指標は、真下着地、推進効率、脚の流れ、走行ピッチ、着地衝撃の少なくとも1つであってもよい。
上記実施の形態に係る報知装置において、前記出力部は、選択された前記一部の指標を互いに異なる音又は振動として報知してもよい。
本実施の形態に係る報知装置によれば、ユーザーは、音や振動の種類によって、どの指標が報知されたかを認識することができる。
本実施の形態に係る運動解析システムは、上記のいずれかの報知装置と、前記慣性センサーの検出結果を用いて前記ユーザーの運動を解析し、前記複数の指標の値を算出する運動解析装置と、を含む。
本実施の形態に係る運動解析システムによれば、運動解析装置が、慣性センサーの検出結果を用いてユーザー―の運動能力に関する複数の指標の値を算出し、報知装置が、当該複数の指標の各々の値と各々の目標値との差分に基づいて一部の指標を選択することにより、ユーザーの運動中に、当該複数の指標のうち、各々の目標値を基準として一部の指標を報知することができる。
本実施の形態に係る報知方法は、ユーザーの運動能力に関係する複数の指標の各々について、慣性センサーの検出結果を用いて前記ユーザーの運動を解析して算出された値と目標値との差分を計算することと、前記複数の指標の各々についての前記差分に基づき、前記複数の指標のうちの一部の指標を選択することと、選択した前記一部の指標を報知することと、を含む。
本実施の形態に係る報知方法によれば、ユーザーの運動能力に関係する複数の指標の各々の値と各々の目標値との差分に基づいて一部の指標を選択することにより、ユーザーの運動中に、当該複数の指標のうち、各々の目標値を基準として一部の指標を報知することができる。
本実施の形態に係るプログラムは、ユーザーの運動能力に関係する複数の指標の各々について、慣性センサーの検出結果を用いて前記ユーザーの運動を解析して算出された値と目標値との差分を計算することと、前記複数の指標の各々についての前記差分に基づき、前記複数の指標のうちの一部の指標を選択することと、選択した前記一部の指標を報知するための制御を行うことと、をコンピューターに実行させる。
本実施の形態に係るプログラムによれば、ユーザーの運動能力に関係する複数の指標の各々の値と各々の目標値との差分に基づいて一部の指標を選択することにより、ユーザーの運動中に、当該複数の指標のうち、各々の目標値を基準として一部の指標を報知することができる。
本実施の形態に係る報知装置は、ユーザーの運動中に、前記ユーザーの足の着地の接地時間の目標値に対応する第1期間及び滞空時間の目標値に対応する第2期間の少なくとも一方を周期的に報知する出力部を含む。
本実施の形態に係る報知装置によれば、ユーザーの運動中に第1期間を周期的に報知する場合は、目標となる接地時間のタイミングを報知することができる。また、本実施の形態に係る報知装置によれば、ユーザーの運動中に第2期間を周期的に報知する場合は、目標となる滞空時間のタイミングを報知することができる。また、本実施の形態に係る報知装置によれば、ユーザーの運動中に第1期間と第2期間を周期的に報知する場合は、目標となる接地時間のタイミングと目標となる滞空時間のタイミングを報知することができる。
上記実施の形態に係る報知装置において、前記出力部は、前記第1期間及び前記第2期間の少なくとも一方を音又は振動によって報知してもよい。
本実施の形態に係る報知装置によれば、ユーザーは、運動中に、視覚によらずに目標となる接地時間のタイミングや目標となる滞空時間のタイミングを認識することができる。
上記実施の形態に係る報知装置において、前記出力部は、前記第1期間を第1の音又は第1の振動によって報知し、前記第2期間を前記第1の音とは異なる第2の音又は前記第1の振動とは異なる第2の振動によって報知してもよい。
本実施の形態に係る報知装置によれば、ユーザーは、音や振動の種類によって、目標となる接地時間のタイミングと目標となる滞空時間のタイミングのどちらが報知されているかを識別することができる。
上記実施の形態に係る報知装置は、情報制御部からの制御情報に基づき、前記第2期間を報知せずに前記第1期間を報知する第1モード又は前記第1期間を報知せずに前記第2期間を報知する第2モードを選択可能な報知モード選択部を含んでもよい。
本実施の形態に係る報知装置によれば、例えば、ユーザーの好みに応じて、目標となる接地時間のタイミングと目標となる滞空時間のタイミングのどちらか一方のみを選択して報知することができる。
上記実施の形態に係る報知装置において、前記報知モード選択部は、前記制御情報に基づき、さらに、前記第1期間と前記第2期間の両方を報知する第3モードを選択可能であってもよい。
本実施の形態に係る報知装置によれば、例えば、ユーザーの好みに応じて、目標となる接地時間のタイミングと目標となる滞空時間のタイミングのどちらか一方のみ又は両方を選択して報知することができる。
上記実施の形態に係る報知装置は、前記ユーザーの運動における所定の情報に基づいて、前記接地時間の目標値及び前記滞空時間の目標値を設定する目標値設定部を含んでもよい。
本実施の形態に係る報知装置によれば、ユーザーの運動状態に応じて、目標となる接地時間や目標となる滞空時間を変えながら、これらのタイミングを報知することができる。
上記実施の形態に係る報知装置において、前記所定の情報は、接地時間の情報であってもよい。
本実施の形態に係る報知装置によれば、ユーザーの運動における接地時間に応じて、目標となる接地時間や目標となる滞空時間を変えながら、これらのタイミングを報知することができる。
上記実施の形態に係る報知装置において、前記所定の情報は、走行ピッチの情報であってもよい。
本実施の形態に係る報知装置によれば、ユーザーの運動における走行ピッチに応じて、目標となる接地時間や目標となる滞空時間を変えながら、これらのタイミングを報知することができる。
上記実施の形態に係る報知装置において、前記所定の情報は、走行速度の情報であってもよい。
本実施の形態に係る報知装置によれば、ユーザーの運動における走行速度に応じて、目標となる接地時間や目標となる滞空時間を変えながら、これらのタイミングを報知するこ
とができる。
上記実施の形態に係る報知装置において、前記所定の情報は、慣性センサーの検出結果を用いて算出された情報であってもよい。
慣性センサーは、装着されたユーザーの部位の細かい動きを検出可能であるため、慣性センサーの検出結果を用いてユーザーの運動に関する情報を精度よく算出することができる。従って、本実施の形態に係る報知装置によれば、目標となる接地時間のタイミングや目標となる滞空時間のタイミングをより正確に報知することができる。
本実施の形態に係る運動解析システムは、上記のいずれかの報知装置と、前記慣性センサーの検出結果を用いて前記所定の情報を算出する運動解析装置と、を含む。
本実施の形態に係る運動解析システムによれば、報知装置は、運動解析装置が慣性センサーの検出結果を用いて精度よく算出するユーザーの運動に関する情報に応じて、目標となる接地時間のタイミングや目標となる滞空時間のタイミングを変えながら、これらのタイミングをより正確に報知することができる。
本実施の形態に係る報知方法は、ユーザーの運動中に、前記ユーザーの足の着地の接地時間の目標値に対応する第1期間及び滞空時間の目標値に対応する第2期間の少なくとも一方を周期的に報知することを含む。
本実施の形態に係る報知方法によれば、ユーザーの運動中に第1期間を周期的に報知する場合は、目標となる接地時間のタイミングを報知することができる。また、本実施の形態に係る報知方法によれば、ユーザーの運動中に第2期間を周期的に報知する場合は、目標となる滞空時間のタイミングを報知することができる。また、本実施の形態に係る報知方法によれば、ユーザーの運動中に第1期間と第2期間を周期的に報知する場合は、目標となる接地時間のタイミングと目標となる滞空時間のタイミングを報知することができる。
本実施の形態に係るプログラムは、ユーザーの運動中に、接地時間の目標値に対応する第1期間及び滞空時間の目標値に対応する第2期間の少なくとも一方を周期的に報知するための制御を行うことをコンピューターに実行させる。
本実施の形態に係るプログラムによれば、ユーザーの運動中に第1期間を周期的に報知するための制御を行う場合は、目標となる接地時間のタイミングを報知させることができる。また、本実施の形態に係る報知方法によれば、ユーザーの運動中に第2期間を周期的に報知するための制御を行う場合は、目標となる滞空時間のタイミングを報知させることができる。また、本実施の形態に係る報知方法によれば、ユーザーの運動中に第1期間と第2期間を周期的に報知するための制御を行う場合は、目標となる接地時間のタイミングと目標となる滞空時間のタイミングを報知させることができる。
本実施の形態に係る運動支援方法は、ユーザーの胴体部に装着された体動検出用センサー部の検出値が閾値を超えた場合は走行のフォームが不安定状態であることを報知制御すること、を含む。
また、他の実施の形態として、ユーザーの胴体部に装着された体動検出用センサー部の検出値を用いて、前記検出値が閾値を超えた場合に走行のフォームが不安定状態であると判定する判定部と、前記不安定状態であると判定された場合に所定の報知制御を行う報知制御部と、を備えた運動支援装置を構成してもよい。
本実施の形態に係る運動支援方法等によれば、ユーザーの胴体部に装着された体動検出用センサー部の検出値が閾値を超えた場合には走行のフォームが不安定状態であることを報知することができる。ある部位に乳酸が蓄積すると、その部位の筋力が低下することによって走行のフォームが不安定となる。これにより、ユーザーの走行のフォームが不安定状態となったことから、乳酸が蓄積していることを推定的に判定する。
上記実施の形態に係る運動支援方法は、前記検出値を用いて前記ユーザーの鉛直方向の振動振幅を算出することを更に含み、前記振動振幅に基づいて前記報知制御を行うことを含んでもよい。
本実施の形態に係る運動支援方法によれば、体動検出用センサーの検出値を用いてユーザーの鉛直方向の振動振幅を算出し、算出した振幅振動に基づいて、走行のフォームが不安定状態であることを報知できる。鉛直方向の振動振幅は、ユーザーの身体の鉛直方向のぶれをあらわす。このため、例えば、振幅振動が大きい場合に走行時のフォームが不安定状態であると判定することができる。
上記実施の形態に係る運動支援方法は、前記検出値を用いて前記ユーザーのフォームを推定することを更に含み、前記報知制御は、前記不安定状態である場合に、前記推定されたフォームとは異なるフォームを推奨することを含んでもよい。
本実施の形態に係る運動支援方法によれば、体動検出用センサーの検出値を用いてユーザーのフォームを推定し、走行のフォームが不安定状態である場合に、推定したフォームとは異なるフォームを推奨することができる。走行のフォームを変えることによって、乳酸が蓄積し易い筋肉部分を変えることができる場合がある。このため、走行のフォームが不安定状態、すなわち乳酸が蓄積していると判定した場合に、異なるフォームで走行するように推奨することで、特定部分の筋肉中に蓄積した乳酸を除去或いは緩和させるといったことが可能となる。
上記実施の形態に係る運動支援方法は、前記推定されたフォームが同一である継続時間を算出することを更に含み、前記推奨することは、前記不安定状態であると判定され、且つ、前記継続時間が所定条件を満たした場合に、前記推奨を行ってもよい。
本実施の形態に係る運動支援方法によれば、走行のフォームが不安定状態であると判定され、且つ、フォームが同一である継続時間が所定条件を満たした場合に、異なるフォームを推奨することができる。同一のフォームでの走行を継続すると、乳酸が蓄積し易くなる。このため、同一のフォームでの走行を継続している場合に、異なるフォームの推奨を行うと、より効果的である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.第1実施形態
1−1.運動解析システムの構成
以下では、ユーザーの走行(歩行も含む)における運動を解析する運動解析システムを例に挙げて説明するが、第1実施形態の運動解析システムは、走行以外の運動を解析する運動解析システムにも、同様に適用することができる。図1は、第1実施形態の運動解析システム1の構成例を示す図である。図1に示すように、第1実施形態の運動解析システム1は、運動解析装置2及び報知装置3を含んで構成されている。運動解析装置2は、ユ
ーザーの走行中の運動を解析する装置であり、報知装置3は、ユーザーの走行中の運動の状態や走行結果の情報をユーザーに通知する装置である。本実施形態では、図2に示すように、運動解析装置2は、慣性計測ユニット(IMU:Inertial Measurement Unit)10を内蔵し、ユーザーが静止している状態で、慣性計測ユニット(IMU)10の1つの検出軸(以下ではz軸とする)が重力加速度方向(鉛直下向き)とほぼ一致するように、ユーザーの胴体部分(例えば、右腰、左腰、又は腰の中央部)に装着される。また、報知装置3は、リスト型(腕時計型)の携帯情報機器であり、ユーザーの手首等に装着される。ただし、報知装置3は、ヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mount Display)やスマートフォン等の携帯情報機器であってもよい。
ユーザーは、走行開始時に報知装置3を操作して運動解析装置2による計測(後述する慣性航法演算処理及び運動解析処理)の開始を指示し、走行終了時に報知装置3を操作して運動解析装置2による計測の終了を指示する。報知装置3は、ユーザーの操作に応じて、計測の開始や終了を指示するコマンドを運動解析装置2に送信する。
運動解析装置2は、計測開始のコマンドを受信すると、慣性計測ユニット(IMU)10による計測を開始し、計測結果を用いて、ユーザーの走行能力(運動能力の一例)に関係する指標である各種の運動指標の値を計算し、ユーザーの走行運動の解析結果の情報として、各種の運動指標の値を含む運動解析情報を生成する。運動解析装置2は、生成した運動解析情報を用いて、ユーザーの走行中に出力する情報(走行中出力情報)を生成し、報知装置3に送信する。報知装置3は、運動解析装置2から走行中出力情報を受信し、走行中出力情報に含まれる各種の運動指標の値と事前に設定された各目標値との差分を計算し、各運動指標についての差分に基づき、各種の運動指標のうちの一部の運動指標を選択し、選択した運動指標を音や振動によりユーザーに報知する。これにより、ユーザーは、どの運動指標が悪いのか(あるいは良いのか)を認識しながら走行することができる。
また、運動解析装置2は、計測終了のコマンドを受信すると、慣性計測ユニット(IMU)10による計測を終了し、ユーザーの走行結果の情報(走行結果情報:走行距離、走行速度)を生成し、報知装置3に送信する。報知装置3は、運動解析装置2から走行結果情報を受信し、走行結果の情報を文字や画像としてユーザーに報知する。これにより、ユーザーは、走行終了後すぐに走行結果の情報を認識することができる。もしくは、報知装置3は、走行中出力情報をもとに走行結果情報を生成し、文字や画像としてユーザーに報知してもよい。
なお、運動解析装置2と報知装置3との間のデータ通信は、無線通信でもよいし、有線通信でもよい。
1−2.座標系
以下の説明において必要となる座標系を定義する。
・eフレーム(Earth Centerd Earth Fixed Frame):地球の中心を原点とし、自転軸に平行にz軸をとった右手系の三次元直交座標
・nフレーム(Navigation Frame):移動体(ユーザー)を原点とし、x軸を北、y軸を東、z軸を重力方向とした三次元直交座標系
・bフレーム(Body Frame):センサー(慣性計測ユニット(IMU)10)を基準とする三次元直交座標系
・mフレーム(Moving Frame):移動体(ユーザー)を原点とし、移動体(ユーザー)の進行方向をx軸とした右手系の三次元直交座標系
1−3.運動解析装置
1−3−1.運動解析装置の構成
図3は、運動解析装置2の構成例を示す機能ブロック図である。図3に示すように、運動解析装置2は、慣性計測ユニット(IMU)10、処理部20、記憶部30、通信部40、GPS(Global Positioning System)ユニット50及び地磁気センサー60を含んで構成されている。ただし、本実施形態の運動解析装置2は、これらの構成要素の一部を削除又は変更し、あるいは、他の構成要素を追加した構成であってもよい。
慣性計測ユニット10(慣性センサーの一例)は、加速度センサー12、角速度センサー14及び信号処理部16を含んで構成されている。
加速度センサー12は、互いに交差する(理想的には直交する)3軸方向の各々の加速度を検出し、検出した3軸加速度の大きさ及び向きに応じたデジタル信号(加速度データ)を出力する。
角速度センサー14は、互いに交差する(理想的には直交する)3軸方向の各々の角速度を検出し、計測した3軸角速度の大きさ及び向きに応じたデジタル信号(角速度データ)を出力する。
信号処理部16は、加速度センサー12及び角速度センサー14から、それぞれ加速度データと角速度データを受け取って時刻情報を付して不図示の記憶部に記憶し、記憶した加速度データ、角速度データ及び時刻情報を所定のフォーマットに合わせたセンシングデータを生成し、処理部20に出力する。
加速度センサー12及び角速度センサー14は、それぞれ3軸が、慣性計測ユニット10を基準とするセンサー座標系(bフレーム)の3軸と一致するように取り付けられるのが理想的だが、実際には取り付け角の誤差が生じる。そこで、信号処理部16は、取り付け角誤差に応じてあらかじめ算出された補正パラメーターを用いて、加速度データ及び角速度データをセンサー座標系(bフレーム)のデータに変換する処理を行う。なお、信号処理部16の代わりに後述する処理部20が当該変換処理を行ってもよい。
さらに、信号処理部16は、加速度センサー12及び角速度センサー14の温度補正処理を行ってもよい。なお、信号処理部16の代わりに後述する処理部20が当該温度補正処理を行ってもよいし、加速度センサー12及び角速度センサー14に温度補正の機能が組み込まれていてもよい。
加速度センサー12と角速度センサー14は、アナログ信号を出力するものであってもよく、この場合は、信号処理部16が、加速度センサー12の出力信号と角速度センサー14の出力信号をそれぞれA/D変換してセンシングデータを生成すればよい。
GPSユニット50は、測位用衛星の一種であるGPS衛星から送信されるGPS衛星信号を受信し、当該GPS衛星信号を利用して測位計算を行ってnフレームにおけるユーザーの位置及び速度(大きさと向きを含むベクトル)を算出し、これらに時刻情報や測位精度情報を付したGPSデータを処理部20に出力する。なお、GPSを利用して、位置や速度を算出する方法や時刻情報を生成する方法については公知であるため、詳細な説明を省略する。
地磁気センサー60は、互いに交差する(理想的には直交する)3軸方向の各々の地磁気を検出し、検出した3軸地磁気の大きさ及び向きに応じたデジタル信号(地磁気データ)を出力する。ただし、地磁気センサー60は、アナログ信号を出力するものであってもよく、この場合は、処理部20が、地磁気センサー60の出力信号をA/D変換して地磁気データを生成してもよい。
通信部40は、報知装置3の通信部140(図18参照)との間でデータ通信を行うものであり、報知装置3の通信部140から送信されたコマンド(計測開始/計測終了のコマンド等)を受信して処理部20に送る処理、処理部20が生成した走行中出力情報や走行結果情報を受け取って報知装置3の通信部140に送信する処理等を行う。
処理部20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等により構成され、記憶部30(記録媒体)に記憶されている各種プログラムに従って、各種の演算処理や制御処理を行う。特に、処理部20は、通信部40を介して報知装置3から計測開始のコマンドを受け取ると、計測終了のコマンドを受け取るまで、慣性計測ユニット10、GPSユニット50及び地磁気センサー60からそれぞれセンシングデータ、GPSデータ及び地磁気データを受け取り、これらのデータを用いてユーザーの速度や位置、胴体の姿勢角等を算出する。また、処理部20は、算出したこれらの情報を用いて各種の演算処理を行ってユーザーの運動を解析して後述する各種の運動解析情報を生成し、記憶部30に記憶させる。また、処理部20は、生成した運動解析情報を用いて走行中出力情報や走行結果情報を生成し、通信部40に送る処理を行う。
記憶部30は、例えば、ROM(Read Only Memory)やフラッシュROM、ハードディスクやメモリーカード等のプログラムやデータを記憶する記録媒体や、処理部20の作業領域となるRAM(Random Access Memory)等により構成される。記憶部30(いずれかの記録媒体)には、処理部20によって読み出され、運動解析処理(図14参照)を実行するための運動解析プログラム300が記憶されている。運動解析プログラム300は、慣性航法演算処理(図15参照)を実行するための慣性航法演算プログラム302、運動解析情報生成処理(図17参照)を実行するための運動解析情報生成プログラム304をサブルーチンとして含む。
また、記憶部30には、センシングデータテーブル310、GPSデータテーブル320、地磁気データテーブル330、算出データテーブル340及び運動解析情報350等が記憶される。
センシングデータテーブル310は、処理部20が慣性計測ユニット10から受け取ったセンシングデータ(慣性計測ユニット10の検出結果)を時系列に記憶するデータテーブルである。図4は、センシングデータテーブル310の構成例を示す図である。図4に示すように、センシングデータテーブル310は、慣性計測ユニット10の検出時刻311、加速度センサー12により検出された加速度312及び角速度センサー14により検出された角速度313が対応付けられたセンシングデータが時系列に並べられて構成される。処理部20は、計測を開始すると、サンプリング周期Δt(例えば、20msまたは10ms)の経過毎に、センシングデータテーブル310に新たなセンシングデータを付加する。さらに、処理部20は、拡張カルマンフィルターを用いた誤差推定(後述)により推定された加速度バイアス及び角速度バイアスを用いて加速度及び角速度を補正し、補正後の加速度及び角速度を上書きしてセンシングデータテーブル310を更新する。
GPSデータテーブル320は、処理部20がGPSユニット50から受け取ったGPSデータ(GPSユニット(GPSセンサー)50の検出結果)を時系列に記憶するデータテーブルである。図5は、GPSデータテーブル320の構成例を示す図である。図5に示すように、GPSデータテーブル320は、GPSユニット50が測位計算を行った時刻321、測位計算により算出した位置322、測位計算により算出した速度323、測位精度(DOP(Dilution of Precision))324、受信したGPS衛星信号の信号強度325等が対応付けられたGPSデータが時系列に並べられて構成される。処理部2
0は、計測を開始すると、GPSデータを取得する毎に(例えば1秒毎に、センシングデータの取得タイミングとは非同期に)、新たなGPSデータを付加してGPSデータテーブル320を更新する。
地磁気データテーブル330は、処理部20が地磁気センサー60から受け取った地磁気データ(地磁気センサーの検出結果)を時系列に記憶するデータテーブルである。図6は、地磁気データテーブル330の構成例を示す図である。図6に示すように、地磁気データテーブル330は、地磁気センサー60の検出時刻331と地磁気センサー60により検出された地磁気332とが対応付けられた地磁気データが時系列に並べられて構成される。処理部20は、計測を開始すると、サンプリング周期Δt(例えば、10ms)の経過毎に、地磁気データテーブル330に新たな地磁気データを付加する。
算出データテーブル340は、処理部20がセンシングデータを用いて算出した速度、位置及び姿勢角を時系列に記憶するデータテーブルである。図7は、算出データテーブル340の構成例を示す図である。図7に示すように、算出データテーブル340は、処理部20が計算した時刻341、速度342、位置343及び姿勢角344が対応付けられた算出データが時系列に並べられて構成される。処理部20は、計測を開始すると、新たにセンシングデータを取得する毎に、すなわち、サンプリング周期Δtの経過毎に、速度、位置及び姿勢角を算出し、算出データテーブル340に新たな算出データを付加する。さらに、処理部20は、拡張カルマンフィルターを用いた誤差推定により推定された速度誤差、位置誤差及び姿勢角誤差を用いて、速度、位置及び姿勢角を補正し、補正後の速度、位置及び姿勢角を上書きして算出データテーブル340を更新する。
運動解析情報350は、ユーザーの運動に関する各種情報であり、処理部20が生成した、入力情報351の各項目、基本情報352の各項目、第1解析情報353の各項目、第2解析情報354の各項目、左右差率355の各項目等を含む。これら各種の情報の詳細については後述する。
1−3−2.処理部の機能構成
図8は、運動解析装置2の処理部20の構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態では、処理部20は、記憶部30に記憶されている運動解析プログラム300を実行することにより、慣性航法演算部22及び運動解析部24として機能する。ただし、処理部20は、ネットワーク等を介して、任意の記憶装置(記録媒体)に記憶されている運動解析プログラム300を受信して実行してもよい。
慣性航法演算部22は、センシングデータ(慣性計測ユニット10の検出結果)、GPSデータ(GPSユニット50の検出結果)及び地磁気データ(地磁気センサー60の検出結果)を用いて、慣性航法演算を行い、加速度、角速度、速度、位置、姿勢角、距離、ストライド及び走行ピッチを算出し、これらの算出結果を含む演算データを出力する。慣性航法演算部22が出力する演算データは時刻順に記憶部30に記憶される。慣性航法演算部22の詳細については後述する。
運動解析部24は、慣性航法演算部22が出力する演算データ(記憶部30に記憶されている演算データ)を用いて、ユーザーの走行中の運動を解析し、解析結果の情報である運動解析情報(後述する、入力情報、基本情報、第1解析情報、第2解析情報、左右差率等)を生成する。運動解析部24が生成した運動解析情報は、ユーザーの走行中に、時刻順に記憶部30に記憶される。
また、運動解析部24は、生成した運動解析情報を用いて、ユーザーの走行中(具体的には慣性計測ユニット10が計測を開始してから終了するまでの間)に出力する情報であ
る走行中出力情報を生成する。運動解析部24が生成した走行中出力情報は、通信部40を介して報知装置3に送信される。
また、運動解析部24は、走行中に生成した運動解析情報を用いて、ユーザーの走行終了時(具体的には慣性計測ユニット10の計測終了時)に、走行結果の情報である走行結果情報を生成する。運動解析部24が生成した走行結果情報は、通信部40を介して報知装置3に送信される。
1−3−3.慣性航法演算部の機能構成
図9は、慣性航法演算部22の構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態では、慣性航法演算部22は、バイアス除去部210、積分処理部220、誤差推定部230、走行処理部240及び座標変換部250を含む。ただし、本実施形態の慣性航法演算部22は、これらの構成要素の一部を削除又は変更し、あるいは、他の構成要素を追加した構成であってもよい。
バイアス除去部210は、新たに取得したセンシングデータに含まれる3軸加速度及び3軸角速度から、それぞれ、誤差推定部230が推定した加速度バイアスb及び角速度バイアスbωを減算し、3軸加速度及び3軸角速度を補正する処理を行う。なお、計測開始直後の初期状態では加速度バイアスb及び角速度バイアスbωの推定値が存在しないため、バイアス除去部210は、ユーザーの初期状態は静止状態であるものとして、慣性計測ユニットからのセンシングデータを用いて、初期バイアスを計算する。
積分処理部220は、バイアス除去部210が補正した加速度及び角速度からeフレームの速度v、位置p及び姿勢角(ロール角φbe、ピッチ角θbe、ヨー角ψbe)を算出する処理を行う。具体的には、積分処理部220は、まず、ユーザーの初期状態は静止状態であるものとして、初期速度をゼロとし、あるいは、GPSデータに含まれる速度から初期速度を算出し、さらに、GPSデータに含まれる位置から初期位置を算出する。また、積分処理部220は、バイアス除去部210が補正したbフレームの3軸加速度から重力加速度の向きを特定してロール角φbeとピッチ角θbeの初期値を算出するとともに、GPSデータに含まれる速度からヨー角ψbeの初期値を算出し、eフレームの初期姿勢角とする。GPSデータが得られない場合はヨー角ψbeの初期値を例えばゼロとする。そして、積分処理部220は、算出した初期姿勢角から式(1)で表されるbフレームからeフレームへの座標変換行列(回転行列)C の初期値を算出する。
その後は、積分処理部220は、バイアス除去部210が補正した3軸角速度を積算(回転演算)して座標変換行列C を算出し、式(2)より姿勢角を算出する。
また、積分処理部220は、座標変換行列C を用いて、バイアス除去部210が補正したbフレームの3軸加速度をeフレームの3軸加速度に変換し、重力加速度成分を除去して積算することでeフレームの速度vを算出する。また、積分処理部220は、eフレームの速度vを積算してeフレームの位置pを算出する。
また、積分処理部220は、誤差推定部230が推定した速度誤差δv、位置誤差δp及び姿勢角誤差εを用いて、速度v、位置p及び姿勢角を補正する処理及び補正した速度vを積分して距離を計算する処理も行う。
さらに、積分処理部220は、bフレームからmフレームへの座標変換行列C 、eフレームからmフレームへの座標変換行列C 及びeフレームからnフレームへの座標変換行列C も算出する。これらの座標変換行列は座標変換情報として後述する座標変換部250の座標変換処理に用いられる。
誤差推定部230は、積分処理部220が算出した速度・位置、姿勢角、バイアス除去部210が補正した加速度や角速度、GPSデータ、地磁気データ等を用いて、ユーザーの状態を表す指標の誤差を推定する。本実施形態では、誤差推定部230は、拡張カルマンフィルターを用いて、速度、姿勢角、加速度、角速度及び位置の誤差を推定する。すなわち、誤差推定部230は、積分処理部220が算出した速度vの誤差(速度誤差)δv、積分処理部220が算出した姿勢角の誤差(姿勢角誤差)ε、加速度バイアスb、角速度バイアスbω及び積分処理部220が算出した位置pの誤差(位置誤差)δpを拡張カルマンフィルターの状態変数とし、状態ベクトルXを式(3)のように定義する。
誤差推定部230は、拡張カルマンフィルターの予測式を用いて、状態ベクトルXに含まれる状態変数を予測する。拡張カルマンフィルターの予測式は、式(4)のように表される。式(4)において、行列Φは、前回の状態ベクトルXと今回の状態ベクトルXを関連付ける行列であり、その要素の一部は姿勢角や位置等を反映しながら時々刻々変化するように設計される。また、Qはプロセスノイズを表す行列であり、その各要素はあらかじ
め適切な値に設定される。また、Pは状態変数の誤差共分散行列である。
また、誤差推定部230は、拡張カルマンフィルターの更新式を用いて、予測した状態変数を更新(補正)する。拡張カルマンフィルターの更新式は、式(5)のように表される。Z及びHはそれぞれ観測ベクトル及び観測行列であり、更新式(5)は、実際の観測ベクトルZと状態ベクトルXから予測されるベクトルHXとの差を用いて、状態ベクトルXを補正することを表している。Rは、観測誤差の共分散行列であり、あらかじめ決められた一定値であってもよいし、動的に変更してもよい。Kはカルマンゲインであり、Rが小さいほどKが大きくなる。式(5)より、Kが大きい(Rが小さい)ほど、状態ベクトルXの補正量が大きくなり、その分、Pが小さくなる。
誤差推定の方法(状態ベクトルXの推定方法)としては、例えば、以下のようなものが挙げられる。
姿勢角誤差に基づく補正による誤差推定方法:
図10は、運動解析装置2を右腰に装着したユーザーが走行動作(直進)をする場合のユーザーの移動を俯瞰した図である。また、図11は、ユーザーが走行動作(直進)をする場合に慣性計測ユニット10の検出結果から算出したヨー角(方位角)の一例を示す図であり、横軸は時間、縦軸はヨー角(方位角)である。
ユーザーの走行動作に伴い、ユーザーに対する慣性計測ユニット10の姿勢が随時変化する。ユーザーが左足を踏み出した状態では、図10中の(1)や(3)に示すように、慣性計測ユニット10は進行方向(mフレームのx軸)に対して左側に傾いた姿勢となる。それに対して、ユーザーが右足を踏み出した状態では、図10中の(2)や(4)に示すように、慣性計測ユニット10は進行方向(mフレームのx軸)に対して右側に傾いた姿勢となる。つまり、慣性計測ユニット10の姿勢は、ユーザーの走行動作に伴い、左右1歩ずつの2歩毎に周期的に変化することになる。図11では、例えば、右足を踏み出した状態でヨー角が極大となり(図11中の○)、左足を踏み出した状態でヨー角が極小となっている(図11中の●)。そこで、前回(2歩前)の姿勢角と今回の姿勢角は等しく、かつ、前回の姿勢角は真の姿勢であるものとして誤差を推定することができる。この方法では、式(5)の観測ベクトルZは積分処理部220が算出した前回の姿勢角と今回の姿勢角との差であり、更新式(5)により、姿勢角誤差εと観測値との差に基づいて状態ベクトルXを補正し、誤差を推定する。
角速度バイアスに基づく補正による誤差推定方法:
前回(2歩前)の姿勢角と今回の姿勢角は等しいが、前回の姿勢角は真の姿勢である必
要はないものとして誤差を推定する方法である。この方法では、式(5)の観測ベクトルZは積分処理部220が算出した前回の姿勢角及び今回の姿勢角から算出される角速度バイアスであり、更新式(5)により、角速度バイアスbωと観測値との差に基づいて状態ベクトルXを補正し、誤差を推定する。
方位角誤差に基づく補正による誤差推定方法:
前回(2歩前)のヨー角(方位角)と今回のヨー角(方位角)は等しく、かつ、前回のヨー角(方位角)は真のヨー角(方位角)であるものとして誤差を推定する方法である。この方法では、観測ベクトルZは積分処理部220が算出した前回のヨー角と今回のヨー角の差であり、更新式(5)により、方位角誤差ε と観測値との差に基づいて状態ベクトルXを補正し、誤差を推定する。
停止に基づく補正による誤差推定方法:
停止時は速度がゼロであるものとして誤差を推定する方法である。この方法では、観測ベクトルZは積分処理部220が算出した速度vとゼロとの差であり、更新式(5)により、速度誤差δvに基づいて状態ベクトルXを補正し、誤差を推定する。
静止に基づく補正による誤差推定方法:
静止時は速度がゼロであり、かつ、姿勢変化がゼロであるものとして誤差を推定する方法である。この方法では、観測ベクトルZは積分処理部220が算出した速度vの誤差及び積分処理部220が算出した前回の姿勢角と今回の姿勢角との差であり、更新式(5)により、速度誤差δv及び姿勢角誤差εに基づいて状態ベクトルXを補正し、誤差を推定する。
GPSの観測値に基づく補正による誤差推定方法:
積分処理部220が算出した速度v、位置pあるいはヨー角ψbeとGPSデータから算出される速度、位置あるいは方位角(eフレームに変換後の速度、位置、方位角)は等しいものとして誤差を推定する方法である。この方法では、観測ベクトルZは積分処理部220が算出した速度、位置あるいはヨー角とGPSデータから算出される速度、位置速度あるいは方位角との差であり、更新式(5)により、速度誤差δv、位置誤差δpあるいは方位角誤差ε と観測値との差に基づいて状態ベクトルXを補正し、誤差を推定する。
地磁気センサーの観測値に基づく補正による誤差推定方法:
積分処理部220が算出したヨー角ψbeと地磁気センサーから算出される方位角(eフレームに変換後の方位角)は等しいものとして誤差を推定する方法である。この方法では、観測ベクトルZは積分処理部220が算出したヨー角と地磁気データから算出される方位角との差であり、更新式(5)により、方位角誤差ε と観測値との差に基づいて状態ベクトルXを補正し、誤差を推定する。
図9に戻り、走行処理部240は、走行検出部242、歩幅算出部244及びピッチ算出部246を含む。走行検出部242は、慣性計測ユニット10の検出結果(具体的には、バイアス除去部210が補正したセンシングデータ)を用いて、ユーザーの走行周期(走行タイミング)を検出する処理を行う。図10及び図11で説明したように、ユーザーの走行時にはユーザーの姿勢が周期的に(2歩(左右1歩ずつ)毎に)変化するため、慣性計測ユニット10が検出する加速度も周期的に変化する。図12は、ユーザーの走行時に慣性計測ユニット10が検出した3軸加速度の一例を示す図である。図12において、横軸は時間であり、縦軸は加速度値である。図12に示すように、3軸加速度は周期的に変化しており、特にz軸(重力方向の軸)加速度は、周期性をもって規則的に変化していることがわかる。このz軸加速度は、ユーザーの上下動の加速度を反映しており、z軸加
速度が所定の閾値以上の極大値となる時から次に閾値以上の極大値となるまでの期間が1歩の期間に相当する。
そこで、本実施形態では、走行検出部242は、慣性計測ユニット10が検出するz軸加速度(ユーザーの上下動の加速度に相当する)が所定の閾値以上の極大値となる毎に、走行周期を検出する。すなわち、走行検出部242は、z軸加速度が所定の閾値以上の極大値となる毎に、走行周期を検出したことを示すタイミング信号を出力する。実際には、慣性計測ユニット10が検出する3軸加速度には高周波のノイズ成分が含まれるため、走行検出部242は、ローパスフィルターを通過させてノイズが除去されたz軸加速度を用いて走行周期を検出する。
また、走行検出部242は、検出した走行周期が左右いずれの走行周期かを判定し、左右いずれの走行周期かを示す左右足フラグ(例えば、右足の時にオン、左足の時にオフ)を出力する。例えば、図11に示したように、右足を踏み出した状態ではヨー角が極大となり(図11中の○)、左足を踏み出した状態ではヨー角が極小となる(図11中の●)ので、走行検出部242は、積分処理部220が算出する姿勢角(特にヨー角)を用いて、左右いずれの走行周期かを判定することができる。また、図10に示したように、ユーザーの頭上から見て、慣性計測ユニット10は、ユーザーが左足を踏み出した状態(図10中の(1)や(3)の状態)から右足を踏み出した状態(図10中の(2)や(4)の状態)に至るまでに時計まわりに回転し、逆に、右足を踏み出した状態から左足を踏み出した状態に至るまでに反時計まわりに回転する。従って、例えば、走行検出部242は、z軸角速度の極性から左右いずれの走行周期かを判定することもできる。この場合、実際には、慣性計測ユニット10が検出する3軸角速度には高周波のノイズ成分が含まれるため、走行検出部242は、ローパスフィルターを通過させてノイズが除去されたz軸角速度を用いて左右いずれの走行周期かを判定する。
歩幅算出部244は、走行検出部242が出力する走行周期のタイミング信号及び左右足フラグと、積分処理部220が算出する速度あるいは位置とを用いて、左右毎の歩幅を算出し、左右毎のストライドとして出力する処理を行う。すなわち、歩幅算出部244は、走行周期の開始から次の走行周期の開始までの期間、サンプリング周期Δt毎に速度を積分して(あるいは、走行周期の開始時の位置と次の走行周期の開始時の位置との差を計算して)歩幅を算出し、当該歩幅をストライドとして出力する。
ピッチ算出部246は、走行検出部242が出力する走行周期のタイミング信号を用いて、1分間の歩数を算出し、走行ピッチとして出力する処理を行う。すなわち、ピッチ算出部246は、例えば、走行周期の逆数をとって1秒当たりの歩数を計算し、これに60を掛けて1分間の歩数(走行ピッチ)を算出する。
座標変換部250は、積分処理部220が算出したbフレームからmフレームへの座標変換情報(座標変換行列C )を用いて、バイアス除去部210が補正したbフレームの3軸加速度及び3軸角速度をそれぞれmフレームの3軸加速度及び3軸角速度に変換する座標変換処理を行う。また、座標変換部250は、積分処理部220が算出したeフレームからmフレームへの座標変換情報(座標変換行列C )を用いて、積分処理部220が算出したeフレームの3軸方向の速度、3軸回りの姿勢角及び3軸方向の距離をそれぞれmフレームの3軸方向の速度、3軸回りの姿勢角及び3軸方向の距離に変換する座標変換処理を行う。また、座標変換部250は、積分処理部220が算出したeフレームからnフレームへの座標変換情報(座標変換行列C )を用いて、積分処理部220が算出したeフレームの位置をnフレームの位置に変換する座標変換処理を行う。
そして、慣性航法演算部22は、座標変換部250が座標変換した後の加速度、角速度
、速度、位置、姿勢角及び距離、走行処理部240が算出したストライド、走行ピッチ及び左右足フラグの各情報を含む演算データを出力する(記憶部30に記憶する)。
1−3−4.運動解析部の機能構成
図13は、運動解析部24の構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態では、運動解析部24は、特徴点検出部260、接地時間・衝撃時間算出部262、基本情報生成部272、第1解析情報生成部274、第2解析情報生成部276及び左右差率算出部278及び出力情報生成部280を含む。ただし、本実施形態の運動解析部24は、これらの構成要素の一部を削除又は変更し、あるいは、他の構成要素を追加した構成であってもよい。
特徴点検出部260は、演算データを用いて、ユーザーの走行運動における特徴点を検出する処理を行う。ユーザーの走行運動における特徴点は、例えば、着地(足裏の一部が地面に着いた時、足の裏全体が地面に着いた時、足のかかとから着いてつま先が離れる間の任意の時点、足のつま先から着いてかかとが離れる間の任意の時点、足の裏全体が着いている間など、適宜設定して良い)、踏込(足に最も体重がかかっている状態)、離地(蹴り出しともいう、地面から足の裏の一部が離れた時、足の裏全体が地面から離れた時、足のかかとから着いてつま先が離れる間の任意の時点、足のつま先から着いてから離れる間の任意の時点など、適宜設定してよい)等である。具体的には、特徴点検出部260は、演算データに含まれる左右足フラグを用いて、右足の走行周期における特徴点と左足の走行周期における特徴点とを別々に検出する。例えば、特徴点検出部260は、上下方向加速度(加速度センサーのz軸の検出値)が正値から負値に変化するタイミングで着地を検出し、着地の後、上下方向加速度が負の方向にピークとなった以降に進行方向加速度がピークになる時点で踏込を検出し、上下方向加速度が負値から正値に変化した時点で離地(蹴り出し)を検出することができる。
接地時間・衝撃時間算出部262は、演算データを用いて、特徴点検出部260が特徴点を検出したタイミングを基準として、接地時間及び衝撃時間の各値を算出する処理を行う。具体的には、接地時間・衝撃時間算出部262は、演算データに含まれる左右足フラグから現在の演算データが右足の走行周期と左足の走行周期のいずれの演算データであるかを判定し、特徴点検出部260が特徴点を検出した時点を基準として、接地時間及び衝撃時間の各値を、右足の走行周期と左足の走行周期に分けて算出する。接地時間及び衝撃時間の定義及び算出方法等の詳細については後述する。
基本情報生成部272は、演算データに含まれる加速度、速度、位置、ストライド、走行ピッチの情報を用いて、ユーザーの運動に関する基本情報を生成する処理を行う。ここで、基本情報は、走行ピッチ、ストライド、走行速度、標高、走行距離及び走行時間(ラップタイム)の各項目を含む。具体的には、基本情報生成部272は、演算データに含まれる走行ピッチ及びストライドをそれぞれ基本情報の走行ピッチ及びストライドとして出力する。また、基本情報生成部272は、演算データに含まれる加速度、速度、位置、走行ピッチ及びストライドの一部又は全部を用いて、走行速度、標高、走行距離、走行時間(ラップタイム)の現在の値や走行中の平均値等を算出する。
第1解析情報生成部274は、入力情報を用いて、特徴点検出部260が特徴点を検出したタイミングを基準としてユーザーの運動を解析し、第1解析情報を生成する処理を行う。
ここで、入力情報は、進行方向加速度、進行方向速度、進行方向距離、上下方向加速度、上下方向速度、上下方向距離、左右方向加速度、左右方向速度、左右方向距離、姿勢角(ロール角、ピッチ角、ヨー角)、角速度(ロール方向、ピッチ方向、ヨー方向)、走行
ピッチ、ストライド、接地時間、衝撃時間及び体重の各項目を含む。体重はユーザーによって入力され、接地時間及び衝撃時間は接地時間・衝撃時間算出部262が算出し、その他の項目は演算データに含まれる。
また、第1解析情報は、着地時ブレーキ量(着地時ブレーキ量1、着地時ブレーキ量2)、真下着地率(真下着地率1、真下着地率2、真下着地率3)、推進力(推進力1、推進力2)、推進効率(推進効率1、推進効率2、推進効率3、推進効率4)、エネルギー消費量、着地衝撃、ランニング能力、前傾角、タイミング一致度及び脚の流れの各項目を含む。第1解析情報の各項目は、ユーザーの走行状態を表す項目である。第1解析情報の各項目の定義及び計算方法の詳細については後述する。
また、第1解析情報生成部274は、第1解析情報の各項目の値を、ユーザーの体の左右にわけて算出する。具体的には、第1解析情報生成部274は、特徴点検出部260が右足の走行周期における特徴点を検出したか左足の走行周期における特徴点を検出したかに応じて、第1解析情報に含まれる各項目を、右足の走行周期と左足の走行周期に分けて算出する。また、第1解析情報生成部274は、第1解析情報に含まれる各項目について、左右の平均値あるいは合計値も算出する。
第2解析情報生成部276は、第1解析情報生成部274が生成した第1解析情報を用いて、第2解析情報を生成する処理を行う。ここで、第2解析情報は、エネルギー損失、エネルギー効率及び体への負担の各項目を含む。第2解析情報の各項目の定義及び計算方法の詳細については後述する。第2解析情報生成部276は、第2解析情報の各項目の値を、右足の走行周期と左足の走行周期に分けて算出する。また、第2解析情報生成部276は、第2解析情報に含まれる各項目について、左右の平均値あるいは合計値も算出する。
左右差率算出部278は、入力情報に含まれる走行ピッチ、ストライド、接地時間及び衝撃時間、第1解析情報の全ての項目及び第2解析情報の全ての項目について、それぞれ右足の走行周期における値と左足の走行周期における値とを用いて、ユーザーの体の左右のバランスを示す指標である左右差率を算出する処理を行う。左右差率の定義及び計算方法の詳細については後述する。
出力情報生成部280は、基本情報、入力情報、第1解析情報、第2解析情報、左右差率等を用いて、ユーザーの走行中に出力する情報である走行中出力情報を生成する処理を行う。入力情報に含まれる「走行ピッチ」、「ストライド」、「接地時間」及び「衝撃時間」、第1解析情報のすべての項目、第2解析情報のすべての項目、及び、左右差率は、ユーザーの走行技術の評価に用いられる運動指標であり、走行中出力情報は、これらの運動指標の一部又は全部の値の情報を含む。走行中出力情報に含まれる運動指標は、予め決められていてもよいし、ユーザーが報知装置3を操作して選択可能にしても良い。また、走行中出力情報は、基本情報に含まれる走行速度、標高、走行距離及び走行時間(ラップタイム)の一部又は全部を含んでもよい。
また、出力情報生成部280は、基本情報、入力情報、第1解析情報、第2解析情報、左右差率等を用いて、ユーザーの走行結果の情報である走行結果情報を生成する。例えば、出力情報生成部280は、ユーザーの走行中(慣性計測ユニット10の計測中)における各運動指標の平均値の情報等を含む走行結果情報を生成してもよい。また、走行結果情報は、走行速度、標高、走行距離及び走行時間(ラップタイム)の一部又は全部を含んでもよい。
出力情報生成部280は、通信部40を介して、ユーザーの走行中に、走行中出力情報
を報知装置3に送信し、ユーザーの走行終了時に、走行結果情報を報知装置3に送信する。
1−3−5.入力情報
以下に、入力情報の各項目の詳細について説明する。
[進行方向加速度、上下方向加速度、左右方向加速度]
「進行方向」とはユーザーの進行方向(mフレームのx軸方向)であり、「上下方向」とは鉛直方向(mフレームのz軸方向)であり、「左右方向」とは進行方向と上下方向にともに直交する方向(mフレームのy軸方向)である。進行方向加速度、上下方向加速度及び左右方向加速度は、それぞれ、mフレームのx軸方向の加速度、z軸方向の加速度及びy軸方向の加速度であり、座標変換部250により算出される。
[進行方向速度、上下方向速度、左右方向速度]
進行方向速度、上下方向速度及び左右方向速度は、それぞれ、mフレームのx軸方向の速度、z軸方向の速度及びy軸方向の速度であり、座標変換部250により算出される。あるいは、進行方向加速度、上下方向加速度及び左右方向加速度をそれぞれ積分することにより、進行方向速度、上下方向速度及び左右方向速度をそれぞれ算出することもできる。
[角速度(ロール方向、ピッチ方向、ヨー方向)]
ロール方向の角速度、ピッチ方向の角速度及びヨー方向の角速度は、それぞれ、mフレームのx軸回りの角速度、y軸回りの角速度及びz軸回りの角速度であり、座標変換部250により算出される。
[姿勢角(ロール角、ピッチ角、ヨー角)]
ロール角、ピッチ角及びヨー角は、それぞれ、座標変換部250が出力するmフレームのx軸回りの姿勢角、y軸回りの姿勢角及びz軸回りの姿勢角であり、座標変換部250により算出される。あるいは、ロール方向の角速度、ピッチ方向の角速度及びヨー方向の角速度を積分(回転演算)することにより、ロール角、ピッチ角及びヨー角を算出することもできる。
[進行方向距離、上下方向距離、左右方向距離]
進行方向距離、上下方向距離及び左右方向距離は、それぞれ、所望の位置(例えば、ユーザーの走行開始直前の位置)からの、mフレームのx軸方向の移動距離、z軸方向の移動距離及びy軸方向の移動距離であり、座標変換部250により算出される。
[走行ピッチ]
走行ピッチは、1分間あたりの歩数として定義される運動指標であり、ピッチ算出部246により算出される。あるいは、1分間の進行方向距離をストライドで除算することにより、走行ピッチを算出することもできる。
[ストライド]
ストライドは、1歩の歩幅として定義される運動指標であり、歩幅算出部244により算出される。あるいは、1分間の進行方向距離を走行ピッチで除算することにより、ストライドを算出することもできる。
[接地時間]
接地時間は、着地から離地(蹴り出し)までにかかった時間として定義される運動指標であり、接地時間・衝撃時間算出部262により算出される。離地(蹴り出し)とは、つ
ま先が地面から離れる時である。なお、接地時間は、走行スピードと相関が高いため、第1解析情報のランニング能力として使用することもできる。
[衝撃時間]
衝撃時間は、着地により発生する衝撃が体にかかっている時間として定義される運動指標であり、接地時間・衝撃時間算出部262により算出される。衝撃時間=(1歩中の進行方向加速度が最小となる時刻−着地の時刻)で計算できる。
[体重]
体重は、ユーザーの体重であり、走行前にユーザーが操作部150(図18参照)を操作することによりその数値が入力される。
1−3−6.第1解析情報
以下に、第1解析情報生成部274により算出される第1解析情報の各項目の詳細について説明する。
[着地時ブレーキ量1]
着地時ブレーキ量1は、着地により低下した速度量として定義される運動指標であり、着地時ブレーキ量1=(着地前の進行方向速度−着地後の進行方向最低速度)で計算できる。着地により進行方向の速度は低下し、1歩の中で着地後の進行方向速度の最下点が進行方向最低速度である。
[着地時ブレーキ量2]
着地時ブレーキ量2は、着地により発生した進行方向マイナスの最低加速度量として定義される運動指標であり、1歩における着地後の進行方向最低加速度と一致する。1歩の中で着地後の進行方向加速度の最下点が進行方向最低加速度である。
[真下着地率1]
真下着地率1は、体の真下で着地できているかを表現する運動指標である。体の真下で着地できるようになると、着地時のブレーキ量が少なくなり効率的な走りができるようになる。通常ブレーキ量は速度に応じて大きくなるため、ブレーキ量だけでは指標として不十分であるが、真下着地率1は率で表せる指標であるため、真下着地率1によれば速度が変わっても同じ評価ができる。着地時の進行方向加速度(マイナスの加速度)と上下方向加速度を用いて、α=arctan(着地時の進行方向加速度/着地時の上下方向加速度)とすると、真下着地率1=cosα×100(%)で計算できる。あるいは、走行の速い複数人のデータを用いて理想的な角度α’を算出し、真下着地率1={1−|(α’−α)/α’|}×100(%)で計算することもできる。
[真下着地率2]
真下着地率2は、体の真下で着地できているかを着地時の速度低下度合で表現する運動指標であり、真下着地率2=(着地後の進行方向最低速度/着地直前の進行方向速度)×100(%)で計算される。
[真下着地率3]
真下着地率3は、体の真下で着地できているかを着地から体の真下に足が来るまでの距離又は時間で表現する運動指標である。真下着地率3=(体の真下に足が来る時の進行方向距離−着地時の進行方向距離)、あるいは、真下着地率3=(体の真下に足が来る時の時刻−着地時の時刻)で計算できる。着地(上下方向加速度が正値から負値に変化する点)の後、上下方向加速度が負の方向にピークとなるタイミングがあり、このタイミングを体の真下に足が来るタイミング(時刻)と判定することができる。
なお、これ以外にも、真下着地率3=arctan(着地から体の真下に足が来るまでの距離/腰の高さ)と定義してもよい。あるいは、真下着地率3=(1−着地から体の真下に足が来るまでの距離/着地から蹴り上げまでに移動した距離)×100(%)(足が接地している間に移動した距離の中で着地から体の真下に足が来るまでの距離が占める割合)として定義してもよい。あるいは、真下着地率3=(1−着地から体の真下に足が来るまでの時間/着地から蹴り上げまでに移動した時間)×100(%)(足が接地している間に移動した時間の中で着地から体の真下に足が来るまでの時間が占める割合)と定義してもよい。
[推進力1]
推進力1は、地面を蹴ることにより進行方向へ増加した速度量として定義される運動指標であり、推進力1=(蹴り出し後の進行方向最高速度−蹴り出し前の進行方向最低速度)で計算できる。
[推進力2]
推進力2は、蹴り出しにより発生した進行方向プラスの最大加速度として定義される運動指標であり、1歩における蹴り出し後の進行方向最大加速度と一致する。
[推進効率1]
推進効率1は、蹴り出しの力が効率よく推進力になっているかを表す運動指標である。無駄な上下動、無駄な左右動がなくなると効率のよい走りができるようになる。通常上下動、左右動は速度に応じて大きくなるため、上下動、左右動だけでは運動指標として不十分であるが、推進効率力1は率で表せる運動指標であるため、推進効率力1によれば速度が変わっても同じ評価ができる。推進効率力1は、上下方向と左右方向についてそれぞれ計算される。蹴り出し時の上下方向加速度と進行方向加速度を用いて、γ=arctan(蹴り出し時の上下方向加速度/蹴り出し時の進行方向加速度)とすると、上下方向の推進効率1=cosγ×100(%)で計算できる。あるいは、走行の速い複数人のデータを用いて理想的な角度γ’を算出し、上下方向の推進効率1={1−|(γ’−γ)/γ’|}×100(%)で計算することもできる。同様に、蹴り出し時の左右方向加速度と進行方向加速度を用いて、δ=arctan(蹴り出し時の左右方向加速度/蹴り出し時の進行方向加速度)とすると、左右方向の推進効率1=cosδ×100(%)で計算できる。あるいは、走行の速い複数人のデータを用いて理想的な角度δ’を算出し、左右方向の推進効率1={1−|(δ’−δ)/δ’|}×100(%)で計算することもできる。
なお、これ以外にも、γをarctan(蹴り出し時の上下方向の速度/蹴り出し時の進行方向の速度)に置き換えて上下方向の推進効率1を算出することもできる。同様に、δをarctan(蹴り出し時の左右方向の速度/蹴り出し時の進行方向の速度)に置き換えて左右方向の推進効率1を算出することもできる。
[推進効率2]
推進効率2は、蹴り出しの力が効率よく推進力になっているかを踏込時の加速度の角度を用いて表す運動指標である。上下方向の推進効率2は、踏込時の上下方向加速度と進行方向加速度を用いて、ξ=arctan(踏込時の上下方向加速度/踏込時の進行方向加速度)とすると、上下方向の推進効率2=cosξ×100(%)で計算できる。あるいは、走行の速い複数人のデータを用いて理想的な角度ξ’を算出し、上下方向の推進効率2={1−|(ξ’−ξ)/ξ’|}×100(%)で計算することもできる。同様に、踏込時の左右方向加速度と進行方向加速度を用いて、η=arctan(踏込時の左右方向加速度/踏込時の進行方向加速度)とすると、左右方向の推進効率2=cosη×10
0(%)で計算できる。あるいは、走行の速い複数人のデータを用いて理想的な角度η’を算出し、左右方向の推進効率2={1−|(η’−η)/η’|}×100(%)で計算することもできる。
なお、これ以外にも、ξをarctan(踏込時の上下方向の速度/踏込時の進行方向の速度)に置き換えて上下方向の推進効率2を算出することもできる。同様に、ηをarctan(踏込時の左右方向の速度/踏込時の進行方向の速度)に置き換えて左右方向の推進効率2を算出することもできる。
[推進効率3]
推進効率3は、蹴り出しの力が効率よく推進力になっているかを飛び出しの角度を用いて表す運動指標である。1歩における上下方向の最高到達点(上下方向距離の振幅の1/2)をH、蹴り出しから着地までの進行方向距離をXとすると、推進効率3は、式(6)で計算できる。
[推進効率4]
推進効率4は、蹴り出しの力が効率よく推進力になっているかを、1歩の中で発生した全エネルギーに対する進行方向に進むために使われたエネルギーの比率で表す運動指標であり、推進効率4=(進行方向に進むために使用したエネルギー/1歩に使用したエネルギー)×100(%)で計算される。このエネルギーは、位置エネルギーと運動エネルギーの和である。
[エネルギー消費量]
エネルギー消費量は、1歩進むのに消費するエネルギー量として定義される運動指標であり、1歩進むのに消費するエネルギー量を走行期間積算したものも表す。エネルギー消費量=(上下方向のエネルギー消費量+進行方向のエネルギー消費量+左右方向のエネルギー消費量)で計算される。ここで、上下方向のエネルギー消費量=(体重×重力×上下方向距離)で計算される。また、進行方向のエネルギー消費量=[体重×{(蹴り出し後の進行方向最高速度)−(着地後の進行方向最低速度)}/2]で計算される。また、左右方向のエネルギー消費量=[体重×{(蹴り出し後の左右方向最高速度)−(着地後の左右方向最低速度)}/2]で計算される。
[着地衝撃]
着地衝撃は、着地によりどれくらいの衝撃が体にかかっているかを表す運動指標であり、着地衝撃=(上下方向の衝撃力+進行方向の衝撃力+左右方向の衝撃力)で計算される。ここで、上下方向の衝撃力=(体重×着地時の上下方向速度/衝撃時間)で計算される。また、進行方向の衝撃力={体重×(着地前の進行方向速度−着地後の進行方向最低速度)/衝撃時間}で計算される。また、左右方向の衝撃力={体重×(着地前の左右方向速度−着地後の左右方向最低速度)/衝撃時間}で計算される。
[ランニング能力]
ランニング能力は、ユーザーのランニングの力を表す運動指標である。例えば、ストライドと接地時間との比と、ランニングの記録(タイム)との間には相関関係があることが
知られており(「100m走レース中の接地時間、離地時間について」、Journal of Research and Development for Future Athletics.3(1):1-4, 2004.)、ランニング能力=(ストライド/接地時間)で計算される。
[前傾角]
前傾角は、ユーザーの胴体が地面に対してどの程度傾いているかを表す運動指標である。ユーザーが地面に対して垂直に立っている状態の時の前傾角を0度とし、前かがみの時の前傾角は正の値であり、のけぞっている場合の前傾角は負の値である。前傾角は、mフレームのピッチ角を上記の様な仕様となるように変換することで得られる。運動解析装置2(慣性計測ユニット10)をユーザーに装着した時に、既に傾きがある可能性があるので、静止時を左の図の0度と仮定し、そこからの変化量で前傾角を計算してもよい。
[タイミング一致度]
タイミング一致度は、ユーザーの特徴点のタイミングが良いタイミングにどれだけ近いかを表す運動指標である。例えば、腰回転のタイミングが蹴り出しのタイミングにどれだけ近いかを表す運動指標が考えられる。脚が流れている走り方では、片脚を着いた時に逆脚はまだ身体の後ろに残っているので、蹴り出し後に腰の回転タイミングが来る場合は脚が流れている走り方と判断できる。腰の回転タイミングが蹴り出しのタイミングとほぼ一致していれば良い走り方と言える。一方、腰の回転タイミングが蹴り出しのタイミングよりも遅れている場合は、脚が流れている走り方と言える。
[脚の流れ]
脚の流れは、蹴りだした脚が次に着地した時点でその脚がどの程度後方にあるかを表す運動指標である。脚の流れは、例えば、着地時の後ろ脚の大腿骨の角度として計算される。例えば、脚の流れと相関のある指標を計算し、この指標から着地時の後ろ脚の大腿骨の角度を、予め求められた相関式を用いて推定することができる。
脚の流れと相関のある指標は、例えば、(腰がヨー方向に最大限に回った時の時間−着地時の時間)で計算される。「腰がヨー方向に最大限に回った時」とは、次の1歩の動作の開始時である。着地から次の動作までの時間が長い場合、脚を引き戻すのに時間がかかっていると言え、脚が流れている現象が発生している。
あるいは、脚の流れと相関のある指標は、(腰がヨー方向に最大限に回った時のヨー角−着地時のヨー角)で計算される。着地から次の動作までにヨー角の変化が大きい場合、着地後に脚を引き戻す動作があり、それがヨー角の変化に現れる。そのため、脚が流れている現象が発生している。
あるいは、着地時のピッチ角を脚の流れと相関のある指標としてもよい。脚が後方に高くある場合、体(腰)が前傾する。そのため、腰につけたセンサーのピッチ角が大きくなる。着地時にピッチ角が大きい時は脚が流れている現象が発生している。
1−3−7.第2解析情報
以下に、第2解析情報生成部276により算出される第2解析情報の各項目の詳細について説明する。
[エネルギー損失]
エネルギー損失は、1歩進むのに消費するエネルギー量の中で無駄に使われたエネルギー量を表す運動指標であり、1歩進むのに消費するエネルギー量の中で無駄に使われたエネルギー量を走行期間積算したものも表す。エネルギー損失={エネルギー消費量×(100−真下着地率)×(100−推進効率)}で計算される。ここで、真下着地率は真下
着地率1〜3のいずれかであり、推進効率は推進効率1〜4のいずれかである。
[エネルギー効率]
エネルギー効率は、1歩進むのに消費したエネルギーが進行方向へ進むエネルギーに効率よく使われているかを表す運動指標であり、それを走行期間積算したものも表す。エネルギー効率={(エネルギー消費量−エネルギー損失)/エネルギー消費量}で計算される。
[体への負担]
体への負担は、着地衝撃を累積し、体にどれくらいの衝撃がたまっているかを表す運動指標である。怪我は衝撃の蓄積により起こるので、体への負担を評価することにより、怪我のしやすさも判断できる。体への負担=(右脚の負担+左脚の負担)で計算される。右脚の負担は、右脚の着地衝撃を積算することで計算できる。左脚の負担は、左脚の着地衝撃を積算することで計算できる。ここで、積算は走行中の積算と過去からの積算の両方を行う。
1−3−8.左右差率(左右バランス)
左右差率は、走行ピッチ、ストライド、接地時間、衝撃時間、第1解析情報の各項目及び第2解析情報の各項目について、体の左右でどれくらい差がみられるかを表す運動指標であり、左脚が右脚に対してどれくらい違うかを表すものとする。左右差率=(左脚の数値/右脚の数値×100)(%)で計算され、数値は、走行ピッチ、ストライド、接地時間、衝撃時間、ブレーキ量、推進力、真下着地率、推進効率、速度、加速度、移動距離、前傾角、脚の流れ、腰の回転角、腰の回転角速度、左右への傾き量、衝撃時間、ランニング能力、エネルギー消費量、エネルギー損失、エネルギー効率、着地衝撃、体への負担の各数値である。また、左右差率は、各数値の平均値や分散も含む。
1−3−9.処理の手順
図14は、処理部20が行う運動解析処理の手順の一例を示すフローチャート図である。処理部20は、記憶部30に記憶されている運動解析プログラム300を実行することにより、例えば図14のフローチャートの手順で運動解析処理を実行する。
図14に示すように、処理部20は、計測開始のコマンドを受信するまで待機し(S10のN)、計測開始のコマンドを受信した場合(S10のY)、まず、ユーザーが静止しているものとして、慣性計測ユニット10が計測したセンシングデータ、及び、GPSデータを用いて、初期姿勢、初期位置、初期バイアスを計算する(S20)。
次に、処理部20は、慣性計測ユニット10からセンシングデータを取得し、取得したセンシングデータをセンシングデータテーブル310に付加する(S30)。
次に、処理部20は、慣性航法演算処理を行い、各種の情報を含む演算データを生成する(S40)。この慣性航法演算処理の手順の一例は後述する。
次に、処理部20は、S40で生成した演算データを用いて運動解析情報生成処理を行って運動解析情報を生成する(S50)。この運動解析情報生成処理の手順の一例は後述する。
次に、処理部20は、S40で生成した運動解析情報を用いて走行中出力情報を生成して報知装置3に送信する(S60)。
そして、処理部20は、計測終了のコマンドを受信するまで(S70のN及びS80の
N)、前回センシングデータを取得してからサンプリング周期Δtが経過する毎に(S70のY)、S30以降の処理を繰り返す。
処理部20は、計測終了のコマンドを受信すると(S80のY)、S50で生成した運動解析情報を用いて走行結果情報を生成して報知装置3に送信し(S90)、運動解析処理を終了する。
図15は、慣性航法演算処理(図14のS40の処理)の手順の一例を示すフローチャート図である。処理部20(慣性航法演算部22)は、記憶部30に記憶されている慣性航法演算プログラム302を実行することにより、例えば図15のフローチャートの手順で慣性航法演算処理を実行する。
図15に示すように、まず、処理部20は、図14のS20で算出した初期バイアスを用いて(後述のS150で加速度バイアスb及び角速度バイアスbωを推定した後は、加速度バイアスb及び角速度バイアスbωを用いて)、図14のS30で取得したセンシングデータに含まれる加速度と角速度からバイアスを除去して補正し、補正した加速度と角速度によりセンシングデータテーブル310を更新する(S100)。
次に、処理部20は、S100で補正したセンシングデータを積分して速度、位置及び姿勢角を計算し、計算した速度、位置及び姿勢角を含む算出データを算出データテーブル340に付加する(S110)。
次に、処理部20は、走行検出処理を行う(S120)。この走行検出処理の手順の一例は後述する。
次に、処理部20は、走行検出処理(S120)により走行周期を検出した場合(S130のY)、走行ピッチ及びストライドを計算する(S140)。また、処理部20は、走行周期を検出しなかった場合は(S130のN)、S140の処理を行わない。
次に、処理部20は、誤差推定処理を行い、速度誤差δv、姿勢角誤差ε、加速度バイアスb、角速度バイアスbω及び位置誤差δpを推定する(S150)。
次に、処理部20は、S150で推定した速度誤差δv、姿勢角誤差ε及び位置誤差δpを用いて、速度、位置及び姿勢角をそれぞれ補正し、補正した速度、位置及び姿勢角により算出データテーブル340を更新する(S160)。また、処理部20は、S160で補正した速度を積分し、eフレームの距離を計算する(S170)。
次に、処理部20は、センシングデータテーブル310に記憶されているセンシングデータ(bフレームの加速度及び角速度)、算出データテーブル340に記憶されている算出データ(eフレームの速度、位置及び姿勢角)及びS170で算出したeフレームの距離を、それぞれ、mフレームの加速度、角速度、速度、位置、姿勢角及び距離に座標変換する(S180)。
そして、処理部20は、S180で座標変換した後のmフレームの加速度、角速度、速度、位置、姿勢角及び距離、S140で算出したストライド及び走行ピッチを含む演算データを生成する(S190)。処理部20は、図14のS30でセンシングデータを取得する毎に、この慣性航法演算処理(S100〜S190の処理)を行う。
図16は、走行検出処理(図15のS120の処理)の手順の一例を示すフローチャート図である。処理部20(走行検出部242)は、例えば図16のフローチャートの手順
で走行検出処理を実行する。
図16に示すように、処理部20は、図15のS100で補正した加速度に含まれるz軸加速度をローパスフィルター処理し(S200)、ノイズを除去する。
次に、処理部20は、S200でローパスフィルター処理したz軸加速度が閾値以上かつ極大値の場合(S210のY)、このタイミングで走行周期を検出する(S220)。
次に、処理部20は、S220で検出した走行周期が左右いずれの走行周期かを判定し、左右足フラグを設定し(S230)、走行検出処理を終了する。処理部20は、z軸加速度が閾値未満か極大値でなければ(S210のN)、S220以降の処理を行わずに走行検出処理を終了する。
図17は、運動解析情報生成処理(図14のS50の処理)の手順の一例を示すフローチャート図である。処理部20(運動解析部24)は、記憶部30に記憶されている運動解析情報生成プログラム304を実行することにより、例えば図17のフローチャートの手順で運動解析情報生成処理を実行する。
図17に示すように、まず、処理部20は、図14のS40の慣性航法演算処理で生成した演算データを用いて、基本情報の各項目を算出する(S300)。
次に、処理部20は、演算データを用いて、ユーザーの走行運動における特徴点(着地、踏込、離地等)の検出処理を行う(S310)。
処理部20は、S310の処理で特徴点を検出した場合(S320のY)、特徴点を検出したタイミングに基づき、接地時間及び衝撃時間を算出する(S330)。また、処理部20は、演算データの一部及びS330で生成した接地時間及び衝撃時間を入力情報として、特徴点を検出したタイミングに基づき、第1解析情報の一部の項目(算出に特徴点の情報が必要な項目)を算出する(S340)。処理部20は、S310の処理で特徴点を検出しなかった場合は(S320のN)、S330及びS340の処理を行わない。
次に、処理部20は、入力情報を用いて、第1解析情報の他の項目(算出に特徴点の情報が不要な項目)を算出する(S350)。
次に、処理部20は、第1解析情報を用いて、第2解析情報の各項目を算出する(S360)。
次に、処理部20は、入力情報の各項目、第1解析情報の各項目及び第2解析情報の各項目に対して左右差率を算出する(S370)。
処理部20は、S300〜S370で算出した各情報に現在の計測時刻を付加して記憶部30に記憶し(S380)、運動解析情報生成処理を終了する。
1−4.報知装置
1−4−1.報知装置の構成
図18は、報知装置3の構成例を示す機能ブロック図である。図18に示すように、報知装置3は、GPSユニット110、処理部120、記憶部130、通信部140、操作部150、計時部160、表示部170、音出力部180及び振動部190を含んで構成されている。ただし、本実施形態の報知装置3は、これらの構成要素の一部を削除又は変更し、あるいは、他の構成要素を追加した構成であってもよい。
GPSユニット110は、測位用衛星の一種であるGPS衛星から送信されるGPS衛星信号を受信し、当該GPS衛星信号を利用して測位計算を行ってnフレームにおけるユーザーの位置及び速度(大きさと向きを含むベクトル)を算出し、これらに時刻情報や測位精度情報を付したGPSデータを処理部120に出力する。なお、GPSを利用して、位置や速度を算出する方法や時刻情報を生成する方法については公知であるため、詳細な説明を省略する。
通信部140は、運動解析装置2の通信部40(図3参照)との間でデータ通信を行うものであり、処理部120から操作データに応じたコマンド(計測開始/計測終了のコマンド等)を受け取って運動解析装置2の通信部40に送信する処理、運動解析装置2の通信部40から送信された走行中出力情報や走行結果情報を受信して処理部120に送る処理等を行う。
操作部150は、ユーザーからの操作データ(計測開始/計測終了の操作データ、各運動指標の目標値を入力する操作データ、報知対象の運動指標を選択する操作データ等)を取得し、処理部120に送る処理を行う。操作部150は、例えば、タッチパネル型ディスプレイ、ボタン、キー、マイクなどであってもよい。
計時部160は、年、月、日、時、分、秒等の時刻情報を生成する処理を行う。計時部160は、例えば、リアルタイムクロック(RTC:Real Time Clock)ICなどで実現される。
表示部170(出力部の一例)は、処理部120から送られてきた画像データやテキストデータを、文字、グラフ、表、アニメーション、その他の画像として出力し、表示するものである。表示部170は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ、EPD(Electrophoretic Display)等のディスプレイで実現され、タッチパネル型ディスプレイであってもよい。なお、1つのタッチパネル型ディスプレイで操作部150と表示部170の機能を実現するようにしてもよい。
音出力部180(出力部の一例)は、処理部120から送られてきた音データを、音声やブザー音等の音として出力するものである。音出力部180は、例えば、スピーカーやブザーなどで実現される。
振動部190(出力部の一例)は、処理部120から送られてきた振動データに応じて振動する。この振動が報知装置3に伝わり、報知装置3を装着したユーザーが振動を感じることができる。振動部190は、例えば、振動モーターなどで実現される。
記憶部130は、例えば、ROMやフラッシュROM、ハードディスクやメモリーカード等のプログラムやデータを記憶する記録媒体や、処理部120の作業領域となるRAM等により構成される。記憶部130(いずれかの記録媒体)には、処理部120によって読み出され、報知処理(図23参照)を実行するための報知プログラム132が記憶されている。
また、記憶部30には、報知制御テーブル134が記憶されている。報知制御テーブル134は、各運動指標について、運動解析装置2による計算値と報知装置3において設定された目標値との差分の最大値や報知パターンを定義する情報である。図19は、第1実施形態における報知制御テーブル134の構成例を示す図である。図19の例では、真下着地については、計算値と目標値との差分の最大値が「50cm」、報知パターンが「音1」及び「振動1」に定義されている。また、推進効率については、計算値と目標値との
差分の最大値が「5度」、報知パターンが「音2」及び「振動2」に定義されている。また、接地時間については、計算値と目標値との差分の最大値が「100msec」、報知パターンが「音3」及び「振動3」に定義されている。また、前傾角について、計算値と目標値との差分の最大値が「5度」、報知パターンが「音4」及び「振動4」に定義されている。
「音1」、「音2」、「音3」、「音4」、・・・は、音出力部180が出力する、ユーザーが判別可能な互いに異なる音である。例えば、「音1」は音階が「ド」の音、「音2」は音階が「ミ」の音、「音3」は音階が「ソ」の音、「音4」は音階が「シ」の音のように、互いに異なる音階の音であってもよい。また、例えば、「音1」はメロディー1、「音2」はメロディー2、「音3」はメロディー3、「音4」はメロディー4のように、互いに異なるメロディーであってもよい。また、例えば、「音1」は「ピッ」などの音を1回、「音2」は「ピッ」などの音を2回、「音3」は「ピッ」などの音を3回、「音4」は「ピッ」のように、音の出力回数が互いに異なっていてもよい。また、例えば、「音1」は音声パターン1、「音2」は音声パターン2、「音3」は音声パターン3、「音4」は音声パターン4のように、互いに異なる音声パターンであってもよい。
同様に、「振動1」、「振動2」、「振動3」、「振動4」、・・・は、振動部190が発生させて出力する、ユーザーが判別可能な互いに異なる振動である。例えば、「振動1」、「振動2」、「振動3」、「振動4」は、周波数あるいは長さが互いに異なる振動パターンであってもよい。また、例えば、「振動1」は短い振動を1回、「振動2」は短い振動を2回、「振動3」は短い振動を3回、「振動4」は短い振動を4回のように、振動の発生回数が互いに異なっていてもよい。
また、記憶部30には、速度−目標値テーブル136が記憶されていてもよい。速度−目標値テーブル136は、ユーザーの走行速度と各運動指標の目標値との対応関係を定義する情報(事前に決められたユーザーの速度と複数の指標の各々の目標値との対応情報の一例)である。図20は、第1実施形態における速度−目標値テーブル136の構成例を示す図である。図20の例では、走行速度が5m/sの時は、真下着地の目標値が35cm、推進効率の目標値が10度、接地時間の目標値が100msec、前傾角の目標値が8度、・・・に定義されている。また、走行速度が4m/sの時は、真下着地の目標値が30cm、推進効率の目標値が11度、接地時間の目標値が150msec、前傾角の目標値が7度、・・・に定義されている。また、走行速度が3m/sの時は、真下着地の目標値が25cm、推進効率の目標値が12度、接地時間の目標値が200msec、前傾角の目標値が6度、・・・に定義されている。また、走行速度が2m/sの時は、真下着地の目標値が20cm、推進効率の目標値が13度、接地時間の目標値が250msec、前傾角の目標値が5度、・・・に定義されている。すなわち、図20の例では、ユーザーの走行速度が速いほど、真下着地の目標値と前傾角の目標値は高くなり、推進効率の目標値と接地時間の目標値は低くなるといったように、各運動指標について走行速度毎に適切な目標値が定義されている。
処理部120は、例えば、CPU、DSP、ASIC等により構成され、記憶部130(記録媒体)に記憶されているプログラムを実行することにより、各種の演算処理や制御処理を行う。例えば、処理部120は、操作部150から受け取った操作データに応じた各種処理(計測開始/計測終了のコマンドを通信部140に送る処理、操作データに応じた各運動指標の目標値の設定処理や報知対象の運動指標の選択処理等)、通信部140から走行中出力情報を受け取り、各運動指標の値(計算値)に対して各種の演算処理を行って音データや振動データ等の報知情報を生成し、それぞれ音出力部180や振動部190に送る処理を行う。また、処理部120は、通信部140から走行結果情報を受け取り、走行結果情報に応じたテキストデータ等の報知情報を生成し、表示部170に送る処理を
行う。また、処理部120は、計時部160から受け取った時刻情報に応じた時刻画像データを生成して表示部170に送る処理等を行う。
1−4−2.処理部の機能構成
図21は、第1実施形態における報知装置3の処理部120の構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態では、処理部120は、記憶部130に記憶されている報知プログラム132を実行することにより、目標値設定部400、差分計算制御部410、差分計算部420、正規化部430、指標選択部440及び報知制御部450として機能する。ただし、処理部120は、ネットワーク等を介して、任意の記憶装置(記録媒体)に記憶されている報知プログラム132を受信して実行してもよい。
目標値設定部400は、各運動指標の目標値を設定する処理を行う。目標値設定部400は、例えば、操作データに含まれる各運動指標の目標値を取得して設定してもよい。例えば、ユーザーが、操作部150を操作して、自分の過去の走行における各運動指標の値を基準に目標値を設定してもよいし、同じ走行チームに所属する他のメンバーの各運動指標の平均値などを基準に目標値を設定してもよいし、憧れのランナーや目標とするランナーの各運動指標の値を目標値に設定してもよいし、目標のタイムをクリアした他のユーザーの各運動指標の値を目標値に設定してもよい。
あるいは、目標値設定部400は、速度−目標値テーブル136を用いて、複数の指標の各々について、ユーザーの走行速度に対応する目標値を設定してもよい。目標値設定部400は、ユーザーの走行速度として、例えば、GPSユニット110が算出したGPSデータに含まれる速度を用いてもよいし、走行中出力情報に含まれる走行速度を用いてもよい。目標値設定部400は、例えば、図20に示した速度−目標値テーブル136を使用する場合、ユーザーの走行速度が4m/sであれば、真下着地の目標値を30cm、推進効率の目標値を11度、接地時間の目標値を150msec、前傾角の目標値を7度に設定する。また、目標値設定部400は、ユーザーの走行速度が3.5m/sであれば、例えば、3m/sの時の目標値と4m/sの時の目標値とを用いて線形補完等を行い、真下着地の目標値を27.5cm、推進効率の目標値を11.5度、接地時間の目標値を175msec、前傾角の目標値を6.5度に設定する。
差分計算制御部410は、差分計算部420による各運動指標の値(計算値)と目標値との差分の計算を実行するか否か(オン又はオフ)を個別に制御する。例えば、ユーザーが操作部150を操作して差分計算を行う(あるいは行わない)運動指標を選択し、差分計算制御部410がこの操作による操作―データを取得し、操作データに応じて各運動指標の値と目標値との差分計算のオン/オフを制御してもよい。
差分計算部420は、慣性計測ユニット10によりユーザーの運動を解析して算出された複数の運動指標の各々の指標値と、当該複数の運動指標の各々に設定された目標値との差分を計算する処理を行う。本実施形態では、差分計算部420は、複数の運動指標の各々について、走行中出力情報に含まれる計算値(運動解析装置2が慣性計測ユニット10の計測データを用いてユーザーの運動を解析して算出した値)と目標値設定部400が設定した目標値との差分を計算する処理を行う。具体的には、差分計算部420は、真下着地差分計算部421、推進効率差分計算部422、接地時間差分計算部423、前傾角差分計算部424、・・・のように、各運動指標について計算値と目標値との差分を計算する複数の差分計算部を含んで構成され、各差分計算部は、差分計算制御部410の制御のもと、オンの時は計算値と目標値との差分(計算値―目標値)を出力し、オフの時は差分計算を行わずに差分計算を行わなかったことを示す特別な値(例えば、現実的にあり得ない大きな値)を出力する。
正規化部430は、差分計算部420が出力する複数の運動指標の各々についての差分を正規化する処理を行う。具体的には、正規化部430は、真下着地正規化部431、推進効率正規化部432、接地時間正規化部433、前傾角正規化部434、・・・のように、各運動指標について差分の計算値を正規化する複数の正規化部を含んで構成され、各正規化部は、各運動指標についての差分の計算値が0以下であれば0に、差分の計算値が報知制御テーブル134で定義されている最大値以上であれば1に、差分の計算値が0と最大値の間の値であれば(差分の計算値)/(差分の最大値)にして0〜1の値に正規化して出力する。また、各正規化部は、各差分計算部が差分計算を行わなかったことを示す特別な値を出力している場合は、負の値又は1よりも大きな値を出力する。
指標選択部440は、複数の指標の各々についての差分に基づき、複数の運動指標のうちの一部の運動指標を選択する処理を行う。具体的には、指標選択部440は、正規化部430が出力する、複数の運動指標の各々についての正規化された計算値と目標値との差分の値に基づき、一部の運動指標を選択する。
例えば、指標選択部440は、一部の運動指標として他の運動指標よりも目標値との差分の大きい運動指標を選択してもよい。指標選択部440は、例えば、正規化された差分の値が0〜1の間にある複数の運動指標のうち、正規化された差分の値が大きい方から所定数の運動指標を選択してもよい。また、指標選択部440は、例えば、正規化された差分の値が最も1に近い運動指標のみ(最も悪い1つの運動指標のみ)を選択してもよいし、正規化された差分の値が1に近い上位2つあるいは3つの運動指標(最も悪い2つあるいは3つの運動指標)を選択してもよい。さらに、指標選択部440は、0〜1に正規化された差分の値のすべてが閾値(例えば0.3)よりも小さい場合(相対的に悪い運動指標がない場合)には、いずれの運動指標も選択しないようにしてもよい。
また、例えば、指標選択部440は、一部の運動指標として他の運動指標よりも目標値との差分が小さい運動指標を選択してもよい。指標選択部440は、例えば、正規化された差分の値が0〜1の間にある複数の運動指標のうち、正規化された差分の値が小さい方から所定数の運動指標を選択してもよい。また、指標選択部440は、例えば、正規化された差分の値が最も0に近い運動指標のみ(最も良い1つの運動指標のみ)を選択してもよいし、正規化された差分の値が0に近い上位2つあるいは3つの運動指標(最も良い2つあるいは3つの運動指標)を選択してもよい。さらに、指標選択部440は、0〜1に正規化された差分の値のすべてが閾値(例えば0.7)よりも大きい場合(相対的に良い運動指標がない場合)には、いずれの運動指標も選択しないようにしてもよい。
報知制御部450は、指標選択部440が選択した一部の運動指標を報知するための制御を行う。具体的には、報知制御部450は、選択された各運動指標に対して報知制御テーブル134で定義されている音や振動を発生させるための報知情報を生成し、音出力部180や振動部190に送信する。ユーザーは、音や振動のパターンからどの運動指標が選択されたか(どの運動指標が悪いか(あるいは良いか))を認識しながら走行することができる。ただし、指標選択部440が複数の運動指標を選択した場合、現実的には、運動指標毎に異なる複数の振動を同時に発生させてもユーザーは判別することができないので、運動指標毎に異なる複数の音を同時に出力するのがよい。また、同時に出力する音の数が多すぎてもユーザーは判別することができないので、指標選択部440は、2つか3つ程度の運動指標を上限として選択するのがよい。
また、ユーザーが操作部150を介して報知周期の設定(例えば、1分毎に5秒間音や振動を発生させる等の設定)を行い、報知制御部450は、設定された報知周期毎に音や振動を発生させるための報知情報を生成してもよい。
また、報知制御部450は、走行結果情報を受け取ると、走行結果情報を表示させるための報知情報(テキストデータ等)を生成し、表示部170に送信する。例えば、図22に示すように、第1実施形態における報知制御部450は、走行結果情報に含まれる、ユーザーの走行中における各運動指標の平均値を表示部170に表示させる。ユーザーは、走行終了後(計測終了操作を行った後)に、表示部170を見れば、各運動指標の良し悪しをすぐに認識することができる。
1−4−3.処理の手順
図23は、第1実施形態における報知装置3の処理部120が行う報知処理の手順の一例を示すフローチャート図である。報知装置3(コンピューターの一例)の処理部120は、記憶部130に記憶されている報知プログラム132を実行することにより、例えば図23のフローチャートの手順で報知処理を実行する。
図23に示すように、処理部120は、まず、操作部150からの操作データに基づき、各運動指標の目標値を設定する(S400)。
次に、処理部120は、操作部150から計測開始の操作データを取得するまで待機し(S410のN)、計測開始の操作データを取得した場合(S410のY)、通信部140を介して、計測開始のコマンドを運動解析装置2に送信する(S420)。
次に、処理部120は、操作部150から計測終了の操作データを取得するまでは(S470のN)、通信部140を介して、運動解析装置2から走行中出力情報を取得する毎に(S430のY)、取得した走行中出力情報に含まれる各運動指標の値(計算値)とS400で設定した各目標値との差分を計算する(S440)。
次に、処理部120は、S440で計算した各運動指標の差分値を0〜1に正規化する(S450)。
次に、処理部120は、各運動指標に対する正規化後の差分値を用いて、報知対象の運動指標を選択し(S460)、選択した運動指標を報知するための報知情報を生成して音出力部180や振動部190を介して報知する(S470)。
そして、処理部120は、操作部150から計測終了の操作データを取得すると(S480のY)、通信部140を介して、運動解析装置2から走行結果情報を取得して表示部170に表示させ(S490)、報知処理を終了する。
このように、ユーザーは、S470で報知される情報に基づき、走行状態を認識しながら走行することができる。また、ユーザーは、S490で表示される情報に基づき、走行終了後、直ちに走行結果を認識することができる。
なお、図23のフローチャートでは、処理部120は、S400において、操作部150からの操作データに基づき、各運動指標の目標値を設定するので、ユーザーの走行中に各運動指標の目標値を変更する必要がない場合(例えば、ユーザーがほぼ一定の速度で走行するような場合)に適している。一方、ユーザーの走行速度が大きく変化する場合(例えば、アップダウンの激しい道路を走行するような場合)は、上述したように、処理部120は、ユーザーの走行速度を取得し、速度−目標値テーブル136を用いて走行速度に応じた目標値を設定するように、図23のフローチャートを変形してもよい。
1−5.効果
第1実施形態では、慣性計測ユニット10は、3軸の加速度センサー12と3軸の角速
度センサー14によりユーザーの細かい動きを検出可能であるため、運動解析装置2は、ユーザーの走行中に、慣性計測ユニット10の検出結果を用いて慣性航法演算を行い、当該慣性航法演算の結果を用いて、走行能力に関係する各種の運動指標の値を精度よく計算することができる。そして、報知装置3は、運動解析装置2が算出した各種の運動指標の値と各々の目標値との差分に基づいて、相対的に悪い(又は良い)一部の運動指標を選択して報知する。従って、第1実施形態によれば、ユーザーは、相対的に悪い(又は良い)運動指標を認識しながら走行することができるので、効率的に走行能力を向上させることができる。
特に、第1実施形態では、報知装置3は、各種の運動指標の値と各々の目標値との差分を正規化し、正規化した差分の値が大きい方(又は小さい方)から所定数の運動指標を選択して報知する。すなわち、第1実施形態によれば、報知装置は、平等な条件のもとで、相対的に悪い(又は良い)所定数の運動指標を選択して報知することができるので、ユーザーの走行状態に関係なく特定の運動指標が頻繁に報知されやすくなるおそれを低減させることができる。
また、第1実施形態では、報知装置3は、各運動指標についての正規化した差分がすべて閾値よりも小さい(又は大きい)場合にはいずれの運動指標も報知しない。従って、第1実施形態によれば、ユーザーは、いずれの運動指標も報知されない時は、走行状態が良い(又は悪い)と判断することができ、良い走行状態(又は悪い走行状態)を体感することができる。
また、第1実施形態では、報知装置3は、選択した運動指標を、運動指標毎に異なる音又は振動により報知する。従って、第1実施形態によれば、ユーザーは、視線を前方に保って走行に集中しながら、相対的に悪い(又は良い)運動指標を認識することができるので、効率的に走行能力を向上させることができる。
また、第1実施形態によれば、報知装置3は、ユーザーの走行終了後(ユーザーが計測終了操作を行った後)、走行中における各運動指標の平均値等の情報を表示するので、ユーザーは、走行中に意識していた運動指標がどの程度改善されたか、あるいは、意識していなかったが平均して悪い(又は良い)運動指標の有無などをすぐに認識することができる。
2.第2実施形態
第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成には同じ符号を付してその説明を省略又は簡略し、第1実施形態と異なる内容について詳細に説明する。
2−1.運動解析システムの構成
以下では、ユーザーの走行(歩行も含む)における運動を解析する運動解析システムを例に挙げて説明するが、第2実施形態の運動解析システムは、走行以外の運動を解析する運動解析システムにも、同様に適用することができる。第2実施形態の運動解析システム1の構成例は、第1実施形態(図1)と同様であるため、その図示を省略する。第2実施形態の運動解析システム1も、第1実施形態(図1)と同様、運動解析装置2及び報知装置3を含んで構成されている。第1実施形態と同様、運動解析装置2は、ユーザーの走行中の運動を解析する装置であり、報知装置3は、ユーザーに走行中の運動の状態や走行結果の情報をユーザーに通知する装置である。第2実施形態でも、第1実施形態と同様、図2に示した^ように、運動解析装置2は、慣性計測ユニット(IMU)10を内蔵し、ユーザーが静止している状態で、慣性計測ユニット(IMU)10の1つの検出軸(以下ではz軸とする)が重力加速度方向(鉛直下向き)とほぼ一致するように、ユーザーの胴体部分(例えば、右腰、左腰、又は腰の中央部)に装着される。また、第1実施形態と同様
、報知装置3は、リスト型(腕時計型)の携帯情報機器であり、ユーザーの手首等に装着される。ただし、報知装置3は、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)やスマートフォン等の携帯情報機器であってもよい。
第1実施形態と同様、ユーザーは、走行開始時に報知装置3を操作して運動解析装置2による計測(慣性航法演算処理及び運動解析処理)の開始を指示し、走行終了時に報知装置3を操作して運動解析装置2による計測の終了を指示する。報知装置3は、ユーザーの操作に応じて、計測の開始や終了を指示するコマンドを運動解析装置2に送信する。
第1実施形態と同様、運動解析装置2は、計測開始のコマンドを受信すると、慣性計測ユニット(IMU)10による計測を開始し、計測結果を用いて、ユーザーの走行能力(運動能力の一例)に関係する指標である各種の運動指標の値を計算し、ユーザーの走行運動の解析結果の情報として、各種の運動指標の値を含む運動解析情報を生成する。運動解析装置2は、生成した運動解析情報を用いて、ユーザーの走行中に出力する情報(走行中出力情報)を生成し、報知装置3に送信する。また、第2実施形態では、報知装置3は、運動解析装置2から走行中出力情報を受信し、走行中出力情報に含まれる各種の運動指標の値を事前に設定された各目標値と比較し、各運動指標の良し悪しの情報を表示する。これにより、ユーザーは、各運動指標の良し悪しを認識しながら走行することができる。
さらに、第2実施形態では、報知装置3は、ユーザーの走行中に、片足が接地している時間(着地してから離地するまでの時間)や両足が離地している時間(滞空時間)の目標値に合わせて、特定の種類の音又は振動を周期的に出力する。ユーザーは、音又は振動に合わせて左右の足の着地と離地を繰り返すことで、理想的な接地時間や滞空時間となるような走行を実現することができる。
また、第1実施形態と同様、運動解析装置2は、計測終了のコマンドを受信すると、慣性計測ユニット(IMU)10による計測を終了し、ユーザーの走行結果の情報(走行結果情報:走行距離、走行速度)を生成し、報知装置3に送信する。報知装置3は、運動解析装置2から走行結果情報を受信し、走行結果の情報を文字や画像としてユーザーに報知する。これにより、ユーザーは、走行終了後すぐに走行結果の情報を認識することができる。もしくは、報知装置3は、走行中出力情報をもとに走行結果情報を生成し、文字や画像としてユーザーに報知してもよい。
なお、運動解析装置2と報知装置3との間のデータ通信は、無線通信でもよいし、有線通信でもよい。
2−2.座標系
以下の説明において必要となる座標系を、第1実施形態の「1−2.座標系」と同様に定義する。
2−3.運動解析装置
2−3−1.運動解析装置の構成
第2実施形態における運動解析装置2の構成例は、第1実施形態(図3)と同様であるため、その図示を省略する。第2実施形態における運動解析装置2において、慣性計測ユニット(IMU)10、処理部20、記憶部30、通信部40、GPSユニット50及び地磁気センサー60の各機能は第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
2−3−2.処理部の機能構成
第2実施形態における運動解析装置2の処理部20の構成例は、第1実施形態(図8)と同様であるため、その図示を省略する。第2実施形態でも、第1実施形態と同様、処理
部20は、記憶部30に記憶されている運動解析プログラム300を実行することにより、慣性航法演算部22及び運動解析部24として機能する。慣性航法演算部22及び運動解析部24の各機能は、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
2−3−3.慣性航法演算部の機能構成
第2実施形態における慣性航法演算部22の構成例は、第1実施形態(図9)と同様であるため、その図示を省略する。第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、慣性航法演算部22は、バイアス除去部210、積分処理部220、誤差推定部230、走行処理部240及び座標変換部250を含み、これらの各機能は第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
2−3−4.運動解析部の機能構成
第2実施形態における運動解析部24の構成例は、第1実施形態(図13)と同様であるため、その図示を省略する。第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、運動解析部24は、特徴点検出部260、接地時間・衝撃時間算出部262、基本情報生成部272、第1解析情報生成部274、第2解析情報生成部276及び左右差率算出部278及び出力情報生成部280を含み、これらの各機能は、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
2−3−5.入力情報
入力情報の各項目の詳細については、第1実施形態の「1−3−5.入力情報」で説明したため、ここでは説明を省略する。
2−3−6.第2解析情報
第2解析情報生成部276により算出される第2解析情報の各項目の詳細については、第1実施形態の「1−3−7.第2解析情報」で説明したため、ここでは説明を省略する。
2−3−7.左右差率(左右バランス)
左右差率算出部278により算出される左右差率の詳細については、第1実施形態の「1−3−8.左右差率(左右バランス)」で説明したため、ここでは説明を省略する。
2−3−8.処理の手順
第2実施形態における処理部20が行う運動解析処理の手順の一例を示すフローチャートは、第1実施形態(図14)と同様であるため、その図示及び説明を省略する。
また、第2実施形態における慣性航法演算処理(図14のS40の処理)の手順の一例を示すフローチャートも、第1実施形態(図15)と同様であるため、その図示及び説明を省略する。
また、第2実施形態における走行検出処理(図15のS120の処理)の手順の一例を示すフローチャート図も、第1実施形態(図16)と同様であるため、その図示及び説明を省略する。
また、第2実施形態における運動解析情報生成処理(図14のS50の処理)の手順の一例を示すフローチャート図も、第1実施形態(図17)と同様であるため、その図示及び説明を省略する。
2−4.報知装置
2−4−1.報知装置の構成
第2実施形態における報知装置3の構成例は、第1実施形態(図18)と同様であるため、その図示を省略する。第2実施形態における報知装置3において、GPSユニット110、通信部140、操作部150及び計時部160の各機能は第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
表示部170(出力部の一例)は、処理部120から送られてきた画像データやテキストデータを、文字、グラフ、表、アニメーション、その他の画像として出力し、表示するものである。表示部170は、例えば、LCD、有機ELディスプレイ、EPD等のディスプレイで実現され、タッチパネル型ディスプレイであってもよい。なお、1つのタッチパネル型ディスプレイで操作部150と表示部170の機能を実現するようにしてもよい。
音出力部180(出力部の一例)は、処理部120から送られてきた音情報(音データ)を、音声やブザー音等の音として出力するものである。音出力部180は、例えば、スピーカーやブザーなどで実現される。
振動部190(出力部の一例)は、処理部120から送られてきた振動情報(振動データ)に応じて振動する。この振動が報知装置3に伝わり、報知装置3を装着したユーザーが振動を感じることができる。振動部190は、例えば、振動モーターなどで実現される。
記憶部130は、例えば、ROMやフラッシュROM、ハードディスクやメモリーカード等のプログラムやデータを記憶する記録媒体や、処理部120の作業領域となるRAM等により構成される。記憶部130(いずれかの記録媒体)には、処理部120によって読み出され、報知処理(図29参照)を実行するための報知プログラム132が記憶されている。
また、記憶部30には、報知制御テーブル134が記憶されている。第2実施形態における報知制御テーブル134は、接地時間(ユーザーの片足が接地している時間)の目標値に対応する時間である目標接地時間(第1期間)と滞空時間(ユーザーの両足が離地している時間)の目標値に対応する時間である目標滞空時間(第2期間)をユーザーに報知するための方法を定義する情報である。図24は、第2実施形態における報知制御テーブル134の構成例を示す図である。本実施形態では、ユーザーが4つの報知モード(モード1、モード2、モード3、モード4)のいずれか1つを選択可能であり、図24の例では、報知制御テーブル134において、モード1では、目標接地時間を「音1」又は「振動1」(第1の報知手段)で報知し、目標滞空時間を報知しないことが定義されている。また、モード2では、目標滞空時間を「音2」又は「振動2」(第2の報知手段)で報知し、目標接地時間を報知しないことが定義されている。また、モード3では、目標接地時間を「音1」又は「振動1」(第1の報知手段)で報知し、目標滞空時間を「音2」又は「振動2」(第2の報知手段)で報知することが定義されている。また、モード4では、目標接地時間と目標滞空時間のいずれも報知しないことが定義されている。
「音1」(第1の音)と「音2」(第2の音)は、音出力部180が出力する、ユーザーが判別可能な互いに異なる音である。例えば、「音1」は「バシッ」、「音2」は「ビョーン」のように、それぞれ、接地状態や滞空状態をイメージしやすい音であってもよい。また、「音1」は低い周波数の音、「音2」は高い周波数の音のように、互いに異なる周波数の音であってもよい。また、「音1」は音階が「ド」の音、「音2」は音階が「ミ」の音のように、互いに異なる音階の音であってもよい。
同様に、「振動1」(第1の振動)と「振動2」(第2の振動)は、振動部190が発
生させる、ユーザーが判別可能な互いに異なる振動である。例えば、「振動1」と「振動2」は、互いに異なる周波数の振動であってもよい。
また、記憶部30には、速度−目標値テーブル136が記憶されていてもよい。第2実施形態における速度−目標値テーブル136は、ユーザーの走行速度と目標接地時間及び目標滞空時間との対応関係を定義する情報である。図25は、第2実施形態における速度−目標値テーブル136の構成例を示す図である。図25の例では、走行速度が4m/sの時は、目標接地時間が170msec、目標滞空時間が110msecに定義されている。また、走行速度が3m/sの時は、目標接地時間が190msec、滞空目標時間が100msecに定義されている。また、走行速度が2m/sの時は、目標接地時間が210msec、目標滞空時間が90msecに定義されている。すなわち、図25の例では、ユーザーの走行速度が速いほど、目標接地時間が短くなり、目標滞空時間が長くなるといったように、走行速度毎に適切な目標接地時間及び目標滞空時間が定義されている。
処理部120は、例えば、CPU、DSP、ASIC等により構成され、記憶部130(記録媒体)に記憶されているプログラムを実行することにより、各種の演算処理や制御処理を行う。例えば、処理部120は、操作部150から受け取った操作データに応じた各種処理(計測開始/計測終了のコマンドを通信部140に送る処理、操作データに応じた各運動指標の目標値の設定処理や報知モードの選択処理等)、通信部140から走行中出力情報を受け取り、各種の運動指標の値と目標値との比較結果に応じた表示情報(テキストデータ)を生成して表示部170に送る処理、目標接地時間や目標滞空時間に応じた音情報(音データ)又は振動情報(振動データ)を生成して音出力部180又は振動部190に送る処理を行う。また、処理部120は、計時部160から受け取った時刻情報に応じた時刻画像データを生成して表示部170に送る処理等を行う。
2−4−2.処理部の機能構成
図26は、第2実施形態における報知装置3の処理部120の構成例を示す機能ブロック図である。第2実施形態では、処理部120は、記憶部130に記憶されている報知プログラム132を実行することにより、目標値設定部400、報知モード選択部460及び報知制御部450として機能する。ただし、処理部120は、ネットワーク等を介して、任意の記憶装置(記録媒体)に記憶されている報知プログラム132を受信して実行してもよい。
目標値設定部400は、各運動指標の目標値を設定する処理を行う。目標値設定部400は、例えば、操作データに含まれる各運動指標の目標値を取得して設定してもよい。例えば、ユーザーが、操作部150を操作して、自分の過去の走行における各運動指標の値を基準に目標値を設定してもよいし、同じ走行チームに所属する他のメンバーの各運動指標の平均値などを基準に目標値を設定してもよいし、憧れのランナーや目標とするランナーの各運動指標の値を目標値に設定してもよいし、目標のタイムをクリアした他のユーザーの各運動指標の値を目標値に設定してもよい。
また、目標値設定部400は、ユーザーの走行における所定の情報に基づいて、目標接地時間(接地時間の目標値)及び目標滞空時間(滞空時間の目標値)を設定する処理を行う。例えば、当該所定の情報は、接地時間や走行ピッチの情報(慣性計測ユニットの計測データを用いて算出された接地時間や走行ピッチの値(走行中出力情報に含まれる計算値))であってもよい。また、例えば、当該所定の情報は、走行速度の情報(GPSユニット110が算出した走行速度の値、あるいは慣性計測ユニットの計測データを用いて算出された走行速度の値(走行中出力情報に含まれる計算値))であってもよい。
報知モード選択部460は、制御情報(例えば、操作部150(情報制御部の一例)か
らの操作データ)に基づき、報知モードを選択する処理を行い、選択した報知モードの情報を出力する。報知モード選択部460は、報知モードとして、目標滞空時間を報知せずに目標接地時間を報知するモード1(第1モード)又は目標接地時間を報知せずに目標滞空時間を報知するモード2(第2モード)を選択することができる。報知モード選択部460は、さらに、報知モードとして、目標接地時間と目標滞空時間の両方を報知するモード3(第3モード)を選択することもできる。報知モード選択部460は、さらに、報知モードとして、目標接地時間と目標滞空時間の両方を報知しないモード4(第4モード)を選択することもできる。
報知制御部450は、音・振動制御部452と表示制御部454とを含む。
音・振動制御部452は、報知モード選択部460が選択した報知モードに応じて、ユーザーの走行中に、目標接地時間及び目標滞空時間の少なくとも一方を音又は振動により周期的に報知するための制御を行う。
具体的には、音・振動制御部452は、選択された報知モードに対して、目標接地時間や目標滞空時間において、報知制御テーブル134で定義されている音や振動を発生させるための音情報(音データ)や振動情報(振動データ)を生成し、音出力部180や振動部190に送信する。
モード1が選択された場合、図27(A)に示すように、音1又は振動1が出力される目標接地時間Tの期間と、音も振動も出力されない目標滞空時間Tの期間が繰り返される。従って、ユーザーは、音又は振動が出力されている目標接地時間Tの期間に合わせて右足又は左足を接地させ、音も振動も出力されていない目標滞空時間Tの期間に合わせて両足を離地させるように走行を行う。
モード2が選択された場合、図27(B)に示すように、音も振動も出力されない目標接地時間Tの期間と、音2又は振動2が出力される目標滞空時間Tの期間が繰り返される。従って、ユーザーは、音も振動も出力されていない目標接地時間Tの期間に合わせて右足又は左足を接地させ、音又は振動が出力されている目標滞空時間Tの期間に合わせて両足を離地させるように走行を行う。
モード3が選択された場合、図27(C)に示すように、音1又は振動1が出力される目標接地時間Tの期間と、音2又は振動2が出力される目標滞空時間Tの期間が繰り返される。従って、ユーザーは、音1又は振動1が出力されている目標接地時間Tの期間に合わせて右足又は左足を接地させ、音2又は振動2が出力されている目標滞空時間Tの期間に合わせて両足を離地させるように走行を行う。
モード4が選択された場合、図27(D)に示すように、目標接地時間Tの期間と目標滞空時間Tの期間のいずれにおいても、音も振動も出力されない。
ユーザーは、モード1、モード2又はモード3を選択し、音や振動をガイダンスとして走行することで、目標通りの理想的な接地時間や滞空時間での走行を体感しながら練習することができる。その後、ユーザーは、モード4を選択し、モード1、モード2又はモード3で体感した走行を意識しながら、音や振動に頼ることなく走行練習を行うことができる。
表示制御部454は、ユーザーの走行中や走行終了後に、走行状態を表示により報知するための制御を行う。
具体的には、表示制御部454は、ユーザーの走行中に、走行中出力情報を取得し、走行中出力情報に含まれる各運動指標の値を目標値設定部400が設定した各目標値と比較し、目標値よりも悪い運動指標に関する表示情報(テキストデータ等)を生成して表示部170に送信し、表示部170に表示させる。表示制御部454は、例えば、図28(A)に示すように、目標値よりも悪いすべての運動指標の値と目標値の情報を表示部170に表示させてもよい。ユーザーは、表示部170に表示される情報を見れば、目標値よりも悪いすべての運動指標の値と当該目標値との差を正確に認識することもできる。
また、表示制御部454は、ユーザーの走行終了後に、走行結果情報を取得し、ユーザーの走行結果に関する表示情報(テキストデータ等)を生成して表示部170に送信し、表示部170に表示させる。表示制御部454は、例えば、図28(B)に示すように、走行結果情報に含まれる、ユーザーの走行中における各運動指標の平均値を表示部170に表示させてもよい。ユーザーは、走行終了後(計測終了操作を行った後)に、表示部170を見れば、各運動指標の良し悪しをすぐに認識することができる。
2−4−3.処理の手順
図29は、第2実施形態における報知装置3の処理部120が行う報知処理の手順の一例を示すフローチャート図である。報知装置3(コンピューターの一例)の処理部120は、記憶部130に記憶されている報知プログラム132を実行することにより、例えば図29のフローチャートの手順で報知処理を実行する。
図29に示すように、処理部120は、まず、操作部150からの操作データに基づき、各運動指標の目標値を設定する(S400)。処理部120は、S400において、操作データに基づき、目標接地時間及び目標滞空時間を静的に設定してもよいし、後述するS470の処理において、目標接地時間及び目標滞空時間を動的に設定してもよい。
次に、処理部120は、操作部150から計測開始の操作データを取得するまで待機し(S410のN)、計測開始の操作データを取得した場合(S410のY)、通信部140を介して、計測開始のコマンドを運動解析装置2に送信する(S420)。
次に、処理部120は、操作部150から計測終了の操作データを取得するまでは(S480のN)、通信部140を介して、運動解析装置2から走行中出力情報を取得する毎に(S430のY)、取得した走行中出力情報に含まれる各運動指標の値(計算値)をS400で設定した各目標値と比較する(S440)。
目標値よりも悪い運動指標が存在する場合(S450のY)、処理部120は、目標値よりも悪い運動指標の情報を生成し、表示部170を介して文字等によりユーザーに報知する(S460)。
一方、目標値よりも悪い運動指標が存在しない場合(S450のN)、処理部120は、S460の処理を行わない。
次に、処理部120は、目標接地時間及び目標滞空時間の報知処理を行う(S470)。この目標接地時間及び目標滞空時間の報知処理の手順の一例は後述する。
そして、処理部120は、操作部150から計測終了の操作データを取得すると(S480のY)、通信部140を介して、運動解析装置2から走行結果情報を取得して表示部170に表示させ(S490)、報知処理を終了する。
このように、ユーザーは、S450で報知される情報に基づき、走行状態を認識しなが
ら走行することができる。また、ユーザーは、S480で表示される情報に基づき、走行終了後、直ちに走行結果を認識することができる。
このように、ユーザーは、S460で報知される情報に基づき、走行状態を認識しながら走行することができる。また、ユーザーは、S470で報知される情報に基づき、音又は振動による接地時間や滞空時間のガイダンスに合わせて走行することができる。さらに、ユーザーは、S490で表示される情報に基づき、走行終了後、直ちに走行結果を認識することができる。
図30は、目標接地時間及び目標滞空時間の報知処理(図29のS470の処理)の手順の一例を示すフローチャート図である。処理部120は、例えば図30のフローチャートの手順で目標接地時間及び目標滞空時間の報知処理を実行する。
まず、処理部120は、図29のS430で取得した走行中出力情報を用いて、ユーザーが1歩前進したか否かを判定し、1歩前進した場合(S500のY)、走行中出力情報に含まれる接地時間と走行ピッチ(1分間あたりの歩数)の計算値を取得する(S502)。
次に、処理部120は、所定歩数(例えば100歩)(又は所定時間(例えば1分))分の接地時間と走行ピッチの計算値を取得する毎に(S504のY)、目標接地時間T=所定歩数(又は所定時間)分の接地時間の平均値(平均接地時間)×α(α<1)に設定する(S506)。また、処理部120は、目標滞空時間T=所定歩数(又は所定時間)分の走行ピッチの平均値の逆数(1歩の平均時間)−Tに設定する(S508)。例えば、平均接地時間を0.2秒、1歩の平均時間を0.3秒とすると、処理部120は、例えばα=0.9として、目標接地時間T=0.2秒×0.9=0.18秒、目標滞空時間T=0.3秒−0.18秒=0.12秒に設定する。
処理部120は、ユーザーが1歩前進していない場合は(S500のN)、S500〜S508の処理を行わない。
次に、処理部120は、目標接地時間Tの期間中であれば(S510のY)、モード1又はモード3が選択されている場合は(S512のY)、報知制御テーブル134で定義されている音1又は振動1の情報を生成し、音出力部180又は振動部190に、目標接地時間Tの期間中であることを音又は振動により報知させる(S514)。
処理部120は、モード1とモード3のいずれも選択されていない場合は(S512のN)、S514の処理を行わない。また、処理部120は、目標接地時間Tの期間中でなければ(S510のN)、S512及びS514の処理を行わない。
次に、処理部120は、目標滞空時間Tの期間中であれば(S516のY)、モード2又はモード3が選択されている場合は(S518のY)、報知制御テーブル134で定義されている音2又は振動2の情報を生成し、音出力部180又は振動部190に、目標滞空時間Tの期間中であることを音又は振動により報知させ(S520)、処理を終了する。
処理部120は、モード2とモード3のいずれも選択されていない場合は(S518のN)、S5520の処理を行わない。また、処理部120は、目標滞空時間Tの期間中でなければ(S516N)、S518及びS520の処理を行わずに、処理を終了する。
図31は、目標接地時間及び目標滞空時間の報知処理(図29のS470の処理)の手
順の他の一例を示すフローチャート図である。処理部120は、例えば図31のフローチャートの手順で目標接地時間及び目標滞空時間の報知処理を実行してもよい。
まず、処理部120は、図29のS430で取得した走行中出力情報を用いて、ユーザーが1歩前進したか否かを判定し、1歩前進した場合(S600のY)、走行中出力情報に含まれる走行ピッチ(1分間あたりの歩数)の計算値を取得する(S602)。
次に、処理部120は、所定歩数(又は所定時間)分の走行ピッチの計算値を取得する毎に(S604のY)、目標接地時間T=所定歩数(又は所定時間)分の走行ピッチの平均値の逆数(1歩の平均時間)×α(α<1)に設定する(S606)。また、処理部120は、目標滞空時間T=1歩の平均時間−Tに設定する(S608)。例えば、1歩の平均時間を0.3秒とすると、処理部120は、例えばα=0.6として、目標接地時間T=0.3秒×0.6=0.18秒、目標滞空時間T=0.3秒−0.18秒=0.12秒に設定する。
処理部120は、S606及びS608において、1歩の時間と目標接地時間及び目標滞空時間との対応関係を定義したテーブル情報を用いて、目標接地時間T及び目標滞空時間Tを設定してもよい。
処理部120は、ユーザーが1歩前進していない場合は(S600のN)、S600〜S608の処理を行わない。
以降は、処理部120は、図30のS510〜S520と同じく、S610〜S620の処理を行う。
図32は、目標接地時間及び目標滞空時間の報知処理(図29のS470の処理)の手順の他の一例を示すフローチャート図である。処理部120は、例えば図32のフローチャートの手順で目標接地時間及び目標滞空時間の報知処理を実行してもよい。
まず、処理部120は、GPSユニット110が算出するGPSデータが更新されたか否かを判定し、更新された場合(S700のY)、GPSデータに含まれる走行速度の計算値を取得する(S702)。処理部120は、このS700及びS702の処理に代えて、例えば、ユーザーが1歩前進したか否かを判定し、1歩前進した場合に走行中出力情報に含まれる走行速度の計算値を取得してもよい。
次に、処理部120は、所定回数(又は所定時間)分の走行速度の計算値を取得する毎に(S704のY)、走行速度の平均値(平均走行速度)を計算する(S706)。そして、処理部120は、速度−目標値テーブル136を用いて、平均走行速度に応じた目標接地時間Tと目標滞空時間Tを計算する(S708)。具体的には、処理部120は、速度−目標値テーブル136において、平均走行速度と一致する速度での目標接地時間及び目標滞空時間が定義されていればこれらの時間をT及びTとし、定義されていなければ、例えば、平均走行速度の前後の定義されている速度での目標接地時間及び目標滞空時間を用いて線形補完等によりT及びTを計算する。
処理部120は、S706及びS708において、走行速度を変数とする目標接地時間又は目標滞空時間の計算式を用いて、目標接地時間T及び目標滞空時間Tを計算してもよい。
処理部120は、GPSデータが更新されていない場合は(S700のN)、S700〜S708の処理を行わない。
以降は、処理部120は、図30のS510〜S520と同じく、S710〜S720の処理を行う。
図33は、目標接地時間及び目標滞空時間の報知処理(図29のS470の処理)の手順の他の一例を示すフローチャート図である。処理部120は、例えば図33のフローチャートの手順で目標接地時間及び目標滞空時間の報知処理を実行してもよい。
まず、処理部120は、図29のS430で取得した走行中出力情報を用いて、ユーザーが1歩前進したか否かを判定し、1歩前進した場合(S800のY)、走行中出力情報に含まれる走行ピッチ(1分間あたりの歩数)の計算値を取得する(S802)。
次に、処理部120は、所定歩数(又は所定時間)分の走行ピッチの計算値を取得する毎に(S804のY)、走行ピッチの平均値の逆数(1歩の平均時間)を計算する(S806)。そして、処理部120は、あらかじめ図29のS400で設定しておいた目標接地時間(ユーザーが入力した目標接地時間)Tを用いて、目標滞空時間T=1歩の平均時間−Tに設定する(S808)。
処理部120は、ユーザーが1歩前進していない場合は(S800のN)、S800〜S608の処理を行わない。
以降は、処理部120は、図30のS510〜S520と同じく、S810〜S820の処理を行う。
2−5.効果
第2実施形態によれば、報知装置3は、ユーザーの走行中に、目標接地時間のタイミングや目標滞空時間のタイミングを報知するので、ユーザーは、効率の良い走行や疲れにくい走行等を練習することができる。
また、第2実施形態によれば、報知装置3は、目標接地時間のタイミングや目標滞空時間のタイミングを音又は振動によって報知するので、ユーザーは、走行中に、視覚によらずにこれらのタイミングを認識することができる。
また、第2実施形態によれば、報知装置3は、目標接地時間のタイミングと目標滞空時間のタイミングを互いに異なる種類の音や振動により報知するので、ユーザーは、音や振動の種類によって、目標となる接地時間のタイミングと目標となる滞空時間のタイミングのどちらが報知されているかを識別することができる。
また、第2実施形態によれば、ユーザーは、好みに応じて、目標接地時間のタイミングと目標滞空時間のタイミングのどちらか一方のみを報知するモード、両方を報知するモード、いずれも報知しないモードを選択することができる。
また、第2実施形態によれば、運動解析装置2は、ユーザーの部位の細かい動きも検出可能な慣性計測ユニット10の計測データを用いて、ユーザーの運動を精度よく解析することができる。そして、報知装置3は、運動解析装置2が解析したユーザーの接地時間、走行ピッチあるいは走行速度等の情報に応じて、目標接地時間や目標滞空時間の設定を変えることにより、ユーザーの走行状態に合わせて、より適切な目標接地時間のタイミングや目標滞空時間のタイミングを報知することができる。従って、ユーザーは効率よく走行練習を行うことができる。
3.第3実施形態
3−1.システム構成
図34は、第3実施形態における携帯型電子機器4の構成例である。この携帯型電子機器4は、ランニングの際にユーザー5の胴体部や腰部に装着して利用される。携帯型電子機器4には、操作スイッチ81やディスプレイ82、スピーカー83等が設けられているとともに、IMU(Inertial Measurement Unit)70と、CPU(Central Processing Unit)やメモリーを実装した制御装置(不図示)とを内蔵している。
IMU70は、加速度センサー及びジャイロセンサーを有するセンサーユニットであり、ユーザー5の体動を検出するための体動検出用センサーである。加速度センサーは、当該センサーに対応付けられた三次元直交座標系(x,y,z)であるセンサー座標系(ローカル座標系)における加速度を検出する。ジャイロセンサーは、当該センサーに対応付けられた三次元直交座標系(x,y,z)であるセンサー座標系における角速度を検出する。
なお、加速度センサーのセンサー座標系とジャイロセンサーのセンサー座標系とは座標軸が同一として説明するが、異なる場合には、座標変換行列演算を行うことで一方の座標系を他方の座標系に変換することが可能である。座標変換行列演算については、公知の手法を適用することができる。
携帯型電子機器4は、IMU70の計測結果を用いた慣性航法演算を行って、当該機器の位置や速度、姿勢等を算出することができる。また、携帯型電子機器4は、慣性航法演算の算出結果を用いてユーザー5の走行フォームが不安定状態であるかを判定し、不安定状態である場合にはユーザー5に対する所定の報知を行う運動支援装置でもある。ユーザー5に対する報知としては、例えば、ディスプレイ82への報知画面の表示や、スピーカー83からの報知音声の出力がある。
ここで、移動体座標系、及び、絶対座標系、を定義する。移動体座標系は、ユーザー5に対応付けられた三次元直交座標系(P,Q,R)であり、ユーザー5の進行方向(向き)をR軸正方向、鉛直上方向をQ軸正方向、R軸及びQ軸それぞれに直交するユーザー5の左右方向をP軸、としている。絶対座標系は、例えば地球中心地球固定座標系であるECEF(Earth Centered Earth Fixed)座標系として定められる三次元座標系(X,Y,Z)であり、Y軸正方向が鉛直上方向、X,Z軸が水平方向となっている。
3−2.原理
(A)乳酸の蓄積状態
ランニングでは、良い走行フォームで安定して走行することが重要である。しかし、ランニングの継続によって筋肉中に乳酸が蓄積すると、エネルギー代謝が制限されることで筋力が低下し、走行フォームが崩れて不安定状態となることが知られている。
そこで、本実施形態では、携帯型電子機器4は、走行中のユーザー5の鉛直方向に沿った振動振幅値が閾値を超えた場合に走行のフォームが不安定状態であると判定し、フォームが不安定状態であることを報知する。具体的には、携帯型電子機器4は、運動指標の一つである垂直振動から、走行フォームが安定状態であるか不安定状態であるかを判定し、この判定結果から乳酸の蓄積状態を推定的に判定する。垂直振動は、ユーザーの鉛直方向の振動振幅(振れ幅)であり、慣性航法演算によって得られる鉛直方向の位置変化から算出することができる。垂直振幅が小さいほど、走行フォームが安定しており、逆に、垂直振幅が大きいほど、走行フォームが不安定である。
(B)走行フォーム
ランニングの代表的な走行フォームとして、ストライド(歩幅)が大きいストライド走法と、ストライドが比較的小さい代わりに脚の回転が早いピッチ走法とがある。この2つの走行フォームの違いは、運動指標であるケイデンス(ピッチ)及びストライドの違いに現れる。具体的には、ケイデンスは、ピッチ走法のほうが大きいが、逆に、ストライドは、ストライド走法のほうが大きい。
(C)走行フォームの推奨
ところで、同じ走行フォームでの運動を継続している場合に、当該走行フォームに応じた特定部分の筋肉に乳酸が蓄積することが知られている。このため、本実施形態の携帯型電子機器4は、同じ走行フォームで継続して走行しており、且つ、乳酸が蓄積している場合に、蓄積された乳酸を除去或いは緩和するため、現在の走行フォームとは別の走行フォームを、ユーザーに対して推奨するように報知する。
3−3.機能構成
図35は、携帯型電子機器4の機能構成を示すブロック図である。図35によれば、携帯型電子機器4は、IMU70と、操作部510と、表示部520と、音出力部530と、無線通信部540と、時計部550と、処理部600と、記憶部700とを備えて構成される。
IMU70は、加速度センサー71と、ジャイロセンサー72とを有する。加速度センサー71はセンサー座標系の各軸(x軸,y軸,z軸)における加速度を検出する。ジャイロセンサー72は、センサー座標系の各軸(x軸,y軸,z軸)における角速度を検出する。加速度センサー71によって検出された加速度(センサー座標加速度)、及び、ジャイロセンサー72によって検出された角速度(センサー座標角速度)は、計測時刻と対応付けて、センサーデータ740として蓄積記憶される。
操作部510は、例えばタッチパネルやボタンスイッチ等の入力装置で実現され、なされた操作に応じた操作信号を処理部600に出力する。図34の操作スイッチ81がこれに該当する。
表示部520は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置で実現され、処理部600からの表示信号に基づく各種表示を行う。図34のディスプレイ82がこれに該当する。
音出力部530は、例えばスピーカー等の音出力装置で実現され、処理部600からの音信号に基づく各種音出力を行う。図34のスピーカー83がこれに該当する。
無線通信部540は、無線LAN(Local Area Network)やBluetooth(登録商標)等の無線通信装置によって実現され、外部装置との通信を行う。
時計部550は、携帯型電子機器4の内部時計であり、水晶発振器等を有する発振回路によって構成され、計時した現在時刻や、指定タイミングからの経過時間等の時間信号を、処理部600に出力する。
処理部600は、例えばCPU等の演算装置で実現され、記憶部700に記憶されたプログラムやデータ、操作部510からの操作信号等に基づいて、携帯型電子機器4の全体制御を行う。本実施形態では、処理部600は、慣性航法演算部610と、運動指標算出部620と、運動支援部630とを有する。
慣性航法演算部610は、IMU70の検出結果(加速度センサー71によって検出さ
れるセンサー座標加速度、及び、ジャイロセンサー72によって検出されるセンサー座標角速度)を用いて、慣性航法演算処理を行って、絶対座標系における位置(絶対座標位置)、速度(絶対座標速度)、及び、姿勢角(絶対座標姿勢角)を算出する。慣性航法演算処理の過程においては、センサー座標系(x,y,z)から移動体座標系(P,Q,R)及び絶対座標系(X,Y,Z)への座標変換が行われる。
詳細に説明する。ユーザーが停止している時に作用する力は重力加速度のみであること、ユーザーが移動を開始した時に作用する力は重力加速度の他には移動方向の加速度のみであることを参照して、IMU70の検出結果から、絶対座標系におけるIMU70の初期の姿勢角(絶対座標姿勢角)を求める。すなわち、初期状態の移動体座標系(P,Q,R)を定義することができ、センサー座標系から移動体座標系への座標変換行列が求められる。よって、ユーザーの移動開始位置を設定後、IMU70の検出結果から移動体座標系の移動速度ベクトルを随時算出し、これを継ぎ足し積算していくことで慣性航法演算を実現する。移動開始位置を絶対座標系上で指定することで、絶対座標系における走行中の位置及び速度が求められることになる。
また、ジャイロセンサー72の検出値を用いて絶対座標姿勢角を随時修正することで、ユーザーの向きを随時把握できるため、移動体座標系を随時更新して、慣性航法による演算結果として、ユーザーの移動中の絶対座標位置、絶対座標速度、及び、絶対座標姿勢角が得られる。
しかし、走行中の移動体座標系のR軸方向(図34参照)は、走行中のユーザー5の体の向きに応じて変化するものとなる。具体的には、走行する際、ユーザー5は、左右の順で脚を繰り出すため、腰を含む胴体部を左右交互にねじって進行する。つまり、胴体部の向きが左右に振れるため、胴体部の向きをR軸方向とする移動体座標系は、ヨー角が周期的に変化することになる。この結果、単純に移動体座標系で求めた移動速度ベクトルを継ぎ足すように積算していくと、絶対座標位置、絶対座標速度、及び、絶対座標姿勢角に誤差が混入し、正確に求められない。
そこで、胴体部の左右の回転(ねじり)をノイズとみなして、慣性航法による演算結果の誤差を補正する補正処理を行って移動体座標系を補正する。具体的には、状態ベクトルXを、絶対速度ベクトル、絶対座標姿勢角、絶対座標位置及びヨー角の各値の変化分(前回値と今回値との差:誤差)とし、観測値Zを、ジャイロセンサー72の検出値から求まるヨー角の変化とするカルマンフィルター処理を適用して、絶対座標速度、絶対座標姿勢角、及び、絶対座標位置を補正する。この補正処理の結果、ヨー角の変化が抑えられ、ユーザー5の進行方向、すなわち移動体座標系のR軸方向が補正される。本実施形態では、慣性航法演算部610は、従来手法の慣性航法演算に、このカルマンフィルターによる補正処理を組み込んだ演算処理を随時実行することとする。以下では単に「慣性航法演算」或いは「慣性航法演算処理」と称するが、何れも上記補正処理を組み込んだ処理のことである。
慣性航法演算部610による慣性航法演算の演算結果は、慣性航法演算データ750として記憶される。慣性航法演算データ750は、絶対座標系における各時刻の速度、位置及び姿勢角のデータと、移動体座標系における各時刻の加速度、速度及び位置のデータとを含んでいる。
運動指標算出部620は、慣性航法演算部610による慣性航法演算結果をもとに、各種の運動指標を算出する。具体的には、運動指標として、垂直振動振幅、ケイデンス、及び、ストライドの各値を算出する。運動指標算出部620が算出した運動指標値は、運動指標データ760として記憶される。
運動支援部630は、乳酸蓄積状態判定部631と、現在フォーム推定部632と、継続時間算出部633と、推奨フォーム判定部634と、報知制御部635とを有し、ユーザー5の走行フォームが不安定状態であるかを判定し、不安定状態である場合には所定の報知を行うといった運動支援を行う。
乳酸蓄積状態判定部631は、運動指標算出部620によって算出された運動指標に応じて、乳酸の蓄積状態を判定する。具体的には、乳酸蓄積状態設定テーブル770を参照して、運動指標である垂直振動振幅に対応する乳酸の蓄積レベル及び蓄積状態を判定する。
図36は、乳酸蓄積状態設定テーブル770のデータ構成例である。図36によれば、乳酸蓄積状態設定テーブル770は、垂直振動振幅771に、乳酸の蓄積レベル772と、蓄積状態773とを対応付けて格納している。同図では、垂直振動振幅771が大きいほど、乳酸の蓄積レベルが高くなるように定めているとともに、乳酸の蓄積状態773として、閾値である蓄積レベルが「5」以上を高蓄積状態と定めている。蓄積状態773の平常状態が走行フォームの安定状態に相当し、高蓄積状態が走行フォームの不安定状態に相当する。なお、高蓄積状態と判定するための閾値を蓄積レベルが「5」以上としたが、「4」以上としても良い。また、垂直振動振幅の値でもって閾値を規定することとしても良い。
現在フォーム推定部632は、運動指標算出部620によって算出された運動指標に応じて、ユーザー5の現在の走行フォームを推定する。具体的には、走行フォーム設定テーブル780を参照して、運動指標であるケイデンス及びストライドの値に対応する走行フォームを推定する。
図37は、走行フォーム設定テーブル780のデータ構成例である。図37によれば、走行フォーム設定テーブル780は、走行フォーム781それぞれに、運動指標782であるケイデンス及びストライドそれぞれの範囲を対応付けて格納している。
現在フォーム推定部632は、算出されたケイデンス及びストライドの値が、走行フォーム設定テーブル780で定められる範囲を満たす走行フォームを、現在の走行フォームとして推定する。なお、算出されたケイデンス及びストライドの両方の値を満たす走行フォームが無い場合には、直前に推定した現在の走行フォームを、そのまま、現在の走行フォームとして推定する。現在フォーム推定部632が推定した現在の走行フォームは、現在フォームデータ790として記憶される。
継続時間算出部633は、現在フォーム推定部632によって推定された現在の走行フォームの継続時間を算出する。具体的には、タイマー方式によって継続時間をカウントすることとする。推定された最新の走行フォームと直前に推定された走行フォームとの種類を比較し、同じならば継続時間のカウントを継続し、異なるならば継続時間をリセットする。継続時間算出部633が算出した継続時間は、現在フォーム継続時間データ800として記憶される。
推奨フォーム判定部634は、乳酸蓄積状態判定部631によって乳酸の高蓄積状態と判定され、且つ、継続時間算出部633によって算出されている現在の走行フォームの継続時間が所定時間以上である場合に、現在の走行フォームとは異なる走行フォームを、推奨する走行フォームとして判定する。推奨フォーム判定部634が判定した推奨する走行フォームは、推奨フォームデータ810として記憶される。
報知制御部635は、運動支援にかかる各種報知を制御する。具体的には、推奨フォーム判定部634によって判定された推奨する走行フォームや、乳酸蓄積状態判定部631によって判定された乳酸の蓄積レベル及び蓄積状態、現在フォーム推定部632によって推定された現在の走行フォームを、表示部520に表示させたり、音出力部530から音声出力させたりすることで、ユーザー5に対して報知する。
記憶部700は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶装置で実現され、処理部600が携帯型電子機器4を統合的に制御するためのプログラムやデータ等を記憶しているとともに、処理部600の作業領域として用いられ、処理部600が各種プログラムに従って実行した演算結果や、IMU70からのセンサーデータ等が一時的に格納される。本実施形態では、記憶部700には、慣性航法演算プログラム710と、運動指標算出プログラム720と、運動支援プログラム730と、センサーデータ740と、慣性航法演算データ750と、運動指標データ760と、乳酸蓄積状態設定テーブル770と、走行フォーム設定テーブル780と、現在フォームデータ790と、現在フォーム継続時間データ800と、推奨フォームデータ810とが記憶される。
慣性航法演算プログラム710は、処理部600を慣性航法演算部610として機能させるためのプログラムであり、運動指標算出プログラム720は、処理部600を運動指標算出部620として機能させるためのプログラムであり、運動支援プログラム730は、処理部600を運動支援部630として機能させるためのプログラムである。
3−4.処理の流れ
図38は、運動支援処理の流れを説明するフローチャートである。この処理は、運動支援部630が運動支援プログラム730に従って実行する処理であり、慣性航法演算部610による慣性航法演算が行われて携帯型電子機器4の位置や速度、姿勢等が算出されているとともに、運動指標算出部620による運動指標の算出が行われている状態において、携帯型電子機器4を装着したユーザー5によって支援開始指示がなされることで実行が開始される。
先ず、乳酸蓄積状態判定部631が、運動指標である垂直振動振幅から、乳酸の蓄積レベル及び蓄積状態を判定する(ステップS1)。すると、報知制御部635が、判定された乳酸の蓄積レベルや蓄積状態を報知する(ステップS3)。
また、現在フォーム推定部632が、運動指標であるケイデンス及びストライドから、現在の走行フォームを推定する(ステップS5)。次いで、継続時間算出部633が、推定された現在の走行フォームが直前の走行フォームと異なるならば(ステップS7:NO)、継続時間をクリアし(ステップS9)、同じならば(ステップS7:YES)、同一の走行フォームの継続時間のカウントを継続する(ステップS11)。そして、報知制御部635が、推定された現在の走行フォームとその継続時間とを報知する(ステップS13)。
続いて、乳酸の蓄積状態が高蓄積状態であり(ステップS15:YES)、且つ、現在の走行フォームの継続時間が所定時間以上ならば(ステップS17:YES)、推奨フォーム判定部634が、現在の走行フォームとは異なる走行フォームを推奨する走行フォームとして判定する(ステップS19)。そして、報知制御部635が、判定された推奨する走行フォームを報知する(ステップS21)。
その後、運動支援部630は、支援終了指示がなされたかを判断する。支援終了指示がなされていないならば(ステップS23:NO)、ステップS1に戻る。支援終了指示がなされたならば(ステップS23:YES)、本処理を終了する。
3−5.作用効果
このように、第3実施形態の携帯型電子機器4によれば、IMU70の検出値を用いて走行フォームが不安定状態となっているかを判定し、不安定状態と判定した場合に所定の報知を行うことができる。また、ある部位に乳酸が蓄積すると、その部位の筋力が低下することによって走行のフォームが不安定となるため、ユーザーの走行のフォームが不安定状態となったことから、乳酸が蓄積していることを推定的に判定することが可能である。
また、IMU70の検出値を用いてユーザー5の走行フォームを推定し、走行フォームが不安定状態であり、且つ、同一の走行フォームでの継続時間が所定時間以上である場合に、異なるフォームを推奨することができる。これにより、同一の走行フォームでの走行を継続している場合に、異なる走行フォームを推奨することで、特定部分の筋肉中に蓄積した乳酸を除去するといったことが可能となる。
4.変形例
本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。以下、変形例について説明する。なお、上記実施形態と同一の構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
4−1.センサー
上記の各実施形態では、加速度センサー12と角速度センサー14(あるいは加速度センサー71とジャイロセンサー72)が慣性計測ユニット10(あるいはIMU70)として一体化されて運動解析装置2(あるいは携帯型電子機器4)に内蔵されているが、加速度センサー12と角速度センサー14(あるいは加速度センサー71とジャイロセンサー72)は一体化されていなくてもよい。あるいは、加速度センサー12と角速度センサー14(あるいは加速度センサー71とジャイロセンサー72)とが運動解析装置2(あるいは携帯型電子機器4)に内蔵されずに、ユーザーに直接装着されてもよい。第1実施形態や第2実施形態では、いずれの場合でも、例えば、いずれか一方のセンサー座標系を上記の各実施形態のbフレームとして、他方のセンサー座標系を当該bフレームに変換し、上記の各実施形態を適用すればよい。
また、上記の各実施形態では、センサー(運動解析装置2(IMU10)あるいは携帯型電子機器4(IMU70))のユーザーへの装着部位を腰(腰部)あるいは胴体部として説明したが、腰(腰部)あるいは胴体部以外の部位に装着することとしてもよい。好適な装着部位はユーザーの体幹(四肢以外の部位)である。しかしながら、体幹に限らず、腕以外の例えばユーザーの頭や足に装着することとしてもよい。また、センサーは1つに限らず、追加のセンサーを体の別の部位に装着することとしてもよい。例えば、腰と足、腰と腕にセンサーを装着してもよい。
4−2.慣性航法演算
上記の第1実施形態や第2実施形態では、積分処理部220がeフレームの速度、位置、姿勢角及び距離を算出し、座標変換部250がこれをmフレームの速度、位置、姿勢角及び距離に座標変換しているが、積分処理部220がmフレームの速度、位置、姿勢角及び距離を算出してもよい。この場合、運動解析部24は、積分処理部220が算出したmフレームの速度、位置、姿勢角及び距離を用いて運動解析処理を行えばよいので、座標変換部250による速度、位置、姿勢角及び距離の座標変換が不要になる。また、誤差推定部230はmフレームの速度、位置及び姿勢角を用いて拡張カルマンフィルターによる誤差推定を行ってもよい。
また、上記の第1実施形態や第2実施形態では、慣性航法演算部22は、GPS衛星か
らの信号を用いて慣性航法演算の一部を行っているが、GPS以外の全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)の測位用衛星やGNSS以外の測位用衛星からの信号を用いてもよい。例えば、WAAS(Wide Area Augmentation System)、QZSS(Quasi Zenith Satellite System)、GLONASS(GLObal NAvigation Satellite System)、GALILEO、BeiDou(BeiDou Navigation Satellite System)といった衛星測位システムのうち1つ、あるいは2つ以上を利用してもよい。また、屋内測位システム(IMES:Indoor Messaging System)等を利用してもよい。
また、上記の第1実施形態や第2実施形態では、走行検出部242は、ユーザーの上下動の加速度(z軸加速度)が閾値以上で極大値となるタイミングで走行周期を検出しているが、これに限らず、例えば、上下動の加速度(z軸加速度)が正から負に変化するタイミング(又は負から正に変化するタイミング)で走行周期を検出してもよい。あるいは、走行検出部242は、上下動の加速度(z軸加速度)を積分して上下動の速度(z軸速度)を算出し、算出した上下動の速度(z軸速度)を用いて走行周期を検出してもよい。この場合、走行検出部242は、例えば、当該速度が、極大値と極小値の中央値付近の閾値を値の増加によって、あるいは値の減少によってクロスするタイミングで走行周期を検出してもよい。また、例えば、走行検出部242は、x軸、y軸、z軸の合成加速度を算出し、算出した合成加速度を用いて走行周期を検出してもよい。この場合、走行検出部242は、例えば、当該合成加速度が、極大値と極小値の中央値付近の閾値を値の増加によって、あるいは値の減少によってクロスするタイミングで走行周期を検出してもよい。
また、上記の第1実施形態や第2実施形態では、誤差推定部230は、速度、姿勢角、加速度、角速度及び位置を状態変数とし、拡張カルマンフィルターを用いてこれらの誤差を推定しているが、速度、姿勢角、加速度、角速度及び位置の一部を状態変数として、その誤差を推定してもよい。あるいは、誤差推定部230は、速度、姿勢角、加速度、角速度及び位置以外のもの(例えば、移動距離)を状態変数として、その誤差を推定してもよい。同様に、上記の第3実施形態において、状態ベクトルXの要素を、絶対速度ベクトル、絶対座標姿勢角、絶対座標位置及びヨー角の各値の変化分の一部としてもよいし、これら以外のもの(例えば、加速度ベクトル、角速度ベクトル、移動距離ベクトル等)を状態ベクトルXの要素としてもよい。
また、上記の第1実施形態や第2実施形態では、誤差推定部230による誤差の推定に拡張カルマンフィルターを用いているが、パーティクルフィルターやH∞(Hインフィニティー)フィルター等の他の推定手段に代えてもよい。同様に、上記の第3実施形態において、上述したカルマンフィルター処理を、パーティクルフィルターやH∞(Hインフィニティー)フィルター等の他の推定手段を用いた処理に代えてもよい。
4−3.運動解析処理
上記の各実施形態において、運動解析装置2あるいは携帯型電子機器4は、ユーザーの生体情報を用いて運動解析情報(運動指標)を生成してもよい。生体情報としては、例えば、皮膚温度、中心部温度、酸素消費量、拍動間変異、心拍数、脈拍数、呼吸数、皮膚温度、中心部体温、熱流、電気皮膚反応、筋電図(EMG)、脳電図(EEG)、眼電図(EOG)、血圧、酸素消費量、活動、拍動間変異、電気皮膚反応などが考えられる。運動解析装置2あるいは携帯型電子機器4が生体情報を測定する装置を備えていてもよいし、測定装置が測定した生体情報を運動解析装置2あるいは携帯型電子機器4が受信してもよい。例えば、ユーザーが腕時計型の脈拍計を装着し、あるいは、ハートレーセンサーをベルトで胸に巻き付けて走行し、運動解析装置2あるいは携帯型電子機器4が、当該脈拍計あるいは当該ハートレーセンサーの計測値を用いて、ユーザーの走行中の心拍数を算出してもよい。
また、上記の第1実施形態や第2実施形態では、運動解析情報に含まれる各運動指標は、ユーザーの技術力に関する指標であるが、運動解析情報は持久力に関する運動指標を含んでもよい。例えば、運動解析情報は、持久力に関する運動指標として、(心拍数−安静時心拍数)÷(最大心拍数−安静時心拍数)×100で計算される予備心拍数(HRR:Heart Rate Reserved)を含んでもよい。例えば、各選手が走行を行う毎に報知装置3を操作して心拍数、最大心拍数、安静時心拍数を入力し、あるいは、心拍計を装着して走行し、運動解析装置2が報知装置3あるいは心拍計から心拍数、最大心拍数、安静時心拍数の値を取得して予備心拍数(HRR)の値を計算してもよい。
また、上記各実施形態では、人の走行における運動解析を対象としているが、これに限らず、動物や歩行ロボット等の移動体の歩行や走行における運動解析にも同様に適用することができる。また、走行に限らず、登山、トレイルラン、スキー(クロスカントリーやスキージャンプも含む)、スノーボード、水泳、自転車の走行、スケート、ゴルフ、テニス、野球、リハビリテーション等の多種多様な運動に適用することができる。一例としてスキーに適用する場合、例えば、スキー板に対する加圧時の上下方向加速度のばらつきから綺麗にカービングできたかスキー板がずれたかを判定してもよいし、スキー板に対する加圧時及び抜重時の上下方向加速度の変化の軌跡から右足と左足との差や滑りの能力を判定してもよい。あるいは、ヨー方向の角速度の変化の軌跡がどの程度サイン波に近いかを解析し、ユーザーがスキー板に乗れているかどうかを判断してもよいし、ロール方向の角速度の変化の軌跡がどの程度サイン波に近いかを解析し、スムーズな滑りができているかどうかを判断してもよい。
4−4.報知処理
上記の第1実施形態では、報知装置3は、各運動指標について、その値と目標値との差分を、0以下の時を0、設定された最大値以上の時を1として0〜1の値に正規化しているが、正規化の方法はこれに限られない。例えば、報知装置3は、各運動指標について、その値と目標値との差分を、設定された最大値以上の時を0、0以下の時を1として0〜1の値に正規化してもよい。この場合は、報知装置3は、正規化された差分の値が1に近い運動指標ほど良く、正規化された差分の値が0に近い運動指標ほど悪いものとして、その後の処理を行えばよい。また、例えば、報知装置3は、0〜1とは異なる数値範囲に正規化してもよい。
また、上記の第1実施形態では、報知装置3は、目標値よりも良い又は悪い各運動指標を互いに異なる種類の音や振動によりユーザーに報知しているが、報知装置3に発光部を設け、報知装置3が、目標値よりも良い又は悪い各運動指標を、発光部からの互いに異なる種類の光(例えば、色や点滅のパターンが互いに異なる光)により報知してもよい。
また、上記の第1実施形態では、報知装置3が各運動指標の値と目標値との差分の計算、正規化、運動指標の選択及び報知を行っているが、運動解析装置2が差分の計算を行い、報知装置3が差分の計算値を受信して正規化、運動指標の選択及び報知を行ってもよい。あるいは、運動解析装置2が差分の計算と正規化を行い、報知装置3が正規化された差分の計算値を受信して運動指標の選択及び報知を行ってもよい。あるいは、運動解析装置2が差分の計算、正規化及び運動指標の選択を行い、報知装置3が選択された運動指標の情報を受信して報知を行ってもよい。いずれの場合も、運動解析装置2と報知装置3を含む運動解析システム1が、報知装置として機能する。あるいは、運動解析装置2が、差分の計算、正規化、運動指標の選択及び報知も行い、報知装置として機能してもよい。
また、上記の第2実施形態では、報知装置3は、目標接地時間や目標滞空時間を音や振動によりユーザーに報知しているが、報知装置3に発光部を設け、報知装置3が発光部からの光により目標接地時間や目標滞空時間を報知してもよい。報知装置3が目標接地時間
と目標滞空時間の両方を光により報知する場合は、例えば、目標接地時間と目標滞空時間をそれぞれ報知するための2種類の光の色や点滅のパターンが異なるようにしてもよい。
また、上記の第2実施形態では、報知装置3が目標接地時間及び目標滞空時間の設定(計算)、報知モードの選択及び音や振動による報知を行っているが、運動解析装置2が目標接地時間及び目標滞空時間の設定(計算)を行い、報知装置3が目標接地時間及び目標滞空時間の設定値を受信して報知モードの選択及び音や振動による報知を行ってもよい。あるいは、運動解析装置2が目標接地時間及び目標滞空時間の設定(計算)と報知モードの選択を行い、報知装置3が目標接地時間及び目標滞空時間の設定値と選択された報知モードの情報を受信して音や振動による報知を行ってもよい。いずれの場合も、運動解析装置2と報知装置3を含む運動解析システム1が、報知装置として機能する。あるいは、運動解析装置2が、目標接地時間及び目標滞空時間の設定(計算)、報知モードの選択及び音や振動による報知も行い、報知装置として機能してもよい。
また、上記の第2実施形態では、報知装置3は、目標値よりも悪い運動指標に関する情報をユーザーに報知しているが、目標値よりも良い運動指標に関する情報をユーザーに報知してもよい。
また、上記の第1実施形態や第2実施形態では、報知装置3は、腕時計型の機器であるが、これに限らず、ユーザーに装着される腕時計型以外の携帯機器(ヘッドマウントディスプレイ(HMD)やユーザーの腰に装着した機器(運動解析装置2でもよい)等)や装着型でない携帯機器(スマートフォン等)でもよい。報知装置3がヘッドマウントディスプレイ(HMD)である場合、その表示部は腕時計型の報知装置3の表示部よりも十分に大きく視認性がよいため、ユーザーが見ても走行の妨げになりにくいので、例えば、ユーザーの現在までの走行推移の情報を表示してもよいし、タイム(ユーザーが設定したタイム、自己記録、有名人の記録、世界記録等)に基づいて作成した仮想ランナーが走行する映像を表示してもよい。
4−5.走行フォーム
上述の第3実施形態では、走行フォームをストライド走法及びピッチ走法の2種類としたが、他の種類としても良いし、3種類以上としても良い。また、走行フォームを判定する運動指標をケイデンス及びストライドとしたが、これ以外でも良い。更には、走行フォームの種類に応じて、走行フォームの特徴が現れやすい他の運動指標とすれば良い。
4−6.マンマシンインターフェース機能
上述の第3実施形態で説明した携帯型電子機器4のマンマシンインターフェース機能を有する装置を設けることとしてもよい。具体的には、例えば、表示部520に相当する機能を有する端末装置を腕時計型の装置として実現し、携帯型電子機器4と無線通信で通信接続させる(図34参照)。そして、運動支援部630による支援結果を、随時端末装置に表示させることとしてもよい。また、表示部520のみならず、操作部510や音出力部530に相当する機能を当該端末装置に設けてもよい。
4−7.その他
例えば、運動解析装置2又は報知装置3は、入力情報又は解析情報からユーザーの得点を計算して、走行中または走行後に報知しても良い。例えば、各運動指標の数値を複数段階(例えば5段階または10段階)に区分し、各段階に対して得点を定めておけばよい。また、例えば、運動解析装置2又は報知装置3は、成績の良かった運動指標の種類や数に応じて得点を付与し、あるいは、総合得点を計算し、表示してもよい。
また、上記の第1実施形態や第2実施形態では、運動解析装置2はGPSユニット50
を備えているが、GPSユニット50を備えていなくてもよい。例えば、報知装置3の処理部120がGPSユニット110からGPSデータを受け取って通信部140を介して運動解析装置2に送信し、運動解析装置2の処理部20が通信部40を介してGPSデータを受信し、受信したGPSデータをGPSデータテーブル320に付加してもよい。
また、上記の第1実施形態や第2実施形態では、運動解析装置2と報知装置3が別体となっているが、運動解析装置2と報知装置3が一体化された運動解析装置(報知装置)であってもよい。
また、上記の第1実施形態や第2実施形態では、運動解析装置2がユーザーに装着されているが、これに限らず、慣性計測ユニット(慣性センサー)やGPSユニットをユーザーの胴体等に装着し、慣性計測ユニット(慣性センサー)やGPSユニットはそれぞれ検出結果をスマートフォン等の携帯情報機器に送信し、当該携帯情報機器が受信した検出結果を用いてユーザーの運動を解析してもよい。
上述した各実施形態および各変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1 運動解析システム、2 運動解析装置、3 報知装置、4 携帯型電子機器(運動支援装置)、5 ユーザー、10 慣性計測ユニット(IMU)、12 加速度センサー、14 角速度センサー、16 信号処理部、20 処理部、22 慣性航法演算部、24
運動解析部、30 記憶部、40 通信部、50 GPSユニット、60 地磁気センサー、70 IMU、71 加速度センサー、72 ジャイロセンサー、81 操作スイッチ、82 ディスプレイ、83 スピーカー、110 GPSユニット、120 処理部、130 記憶部、132 報知プログラム、134 報知制御テーブル、136 速度−目標値テーブル、140 通信部、150 操作部、160 計時部、170 表示部、180 音出力部、190 振動部、210 バイアス除去部、220 積分処理部、230 誤差推定部、240 走行処理部、242 走行検出部、244 歩幅算出部、246 ピッチ算出部、250 座標変換部、260 特徴点検出部、262 接地時間・衝撃時間算出部、272 基本情報生成部、274 第1解析情報生成部、276 第2解析情報生成部、278 左右差率算出部、280 出力情報生成部、300 運動解析プログラム、302 慣性航法演算プログラム、304 運動解析情報生成プログラム、310 センシングデータテーブル、320 GPSデータテーブル、330 地磁気データテーブル、340 算出データテーブル、350 運動解析情報、351 入力情報、352 基本情報、353 第1解析情報、354 第2解析情報、355 左右差率、400 目標値設定部、410 差分計算制御部、420 差分計算部、421 真下着地差分計算部、422 推進効率差分計算部、423 接地時間差分計算部、424 前傾角差分計算部、430 正規化部、431 真下着地正規化部、432 推進効率正規化部、433 接地時間正規化部、434 前傾角正規化部、440 指標選択部、450 報知制御部、452 音・振動制御部、454 表示制御部、460 報知モード選択部、510 操作部、520 表示部、530 音出力部、540 無線通信部、550 時計部、600 処理部、610 慣性航法演算部、620 運動指標算出部
、630 運動支援部、631 乳酸蓄積状態判定部、632 現在フォーム推定部、633 継続時間算出部、634 推奨フォーム判定部、635 報知制御部、700 記憶部、710 慣性航法演算プログラム、720 運動指標算出プログラム、730 運動支援プログラム、740 センサーデータ、750 慣性航法演算データ、760 運動指標データ、770 乳酸蓄積状態設定テーブル、780 走行フォーム設定テーブル、790 現在フォームデータ、800 現在フォーム継続時間データ、810 推奨フォームデータ

Claims (31)

  1. 慣性センサーによりユーザーの運動を解析して算出された前記ユーザーの運動能力に関係する複数の指標の各々の指標値と、前記複数の指標の各々に設定された目標値との差分を計算する差分計算部と、
    前記複数の指標の各々についての前記差分に基づき、前記複数の指標のうちの一部の指標を選択する指標選択部と、
    選択された前記一部の指標を出力する出力部と、を含む、報知装置。
  2. 前記指標選択部は、
    前記一部の指標として他の指標よりも前記差分の大きい指標を選択する、請求項1に記載の報知装置。
  3. 前記指標選択部は、
    前記一部の指標として他の指標よりも前記差分が小さい指標を選択する、請求項1に記載の報知装置。
  4. 前記複数の指標の各々についての前記差分を正規化する正規化部を含み、
    前記指標選択部は、
    前記複数の指標の各々についての正規化された前記差分に基づき、前記一部の指標を選択する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の報知装置。
  5. 前記指標選択部は、
    前記正規化された前記差分が大きい方から所定数の指標を選択する、請求項4に記載の報知装置。
  6. 前記指標選択部は、
    前記正規化された前記差分のすべてが閾値よりも小さい場合には、いずれの指標も選択しない、請求項5に記載の報知装置。
  7. 前記指標選択部は、
    前記正規化された前記差分が小さい方から所定数の指標を選択する、請求項4に記載の報知装置。
  8. 前記指標選択部は、
    前記正規化された前記差分のすべてが閾値よりも大きい場合には、いずれの指標も選択しない、請求項7に記載の報知装置。
  9. 前記ユーザーの速度と前記複数の指標の各々の目標値との対応情報を用いて、前記複数の指標の各々について、前記ユーザーの速度に対応する目標値を設定する目標値設定部を含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の報知装置。
  10. 前記指標は、真下着地、推進効率、脚の流れ、走行ピッチ、着地衝撃の少なくとも1つである、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の報知装置。
  11. 前記出力部は、
    選択された前記一部の指標を互いに異なる音又は振動として出力する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の報知装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の報知装置と、前記慣性センサーの検出結果を
    用いて前記ユーザーの運動を解析し、前記複数の指標の値を算出する運動解析装置と、を含む、運動解析システム。
  13. ユーザーの運動能力に関係する複数の指標の各々について、慣性センサーの検出結果を用いて前記ユーザーの運動を解析して算出された値と目標値との差分を計算することと、
    前記複数の指標の各々についての前記差分に基づき、前記複数の指標のうちの一部の指標を選択することと、
    選択した前記一部の指標を報知することと、を含む、報知方法。
  14. ユーザーの運動能力に関係する複数の指標の各々について、慣性センサーの検出結果を用いて前記ユーザーの運動を解析して算出された値と目標値との差分を計算することと、
    前記複数の指標の各々についての前記差分に基づき、前記複数の指標のうちの一部の指標を選択することと、
    選択した前記一部の指標を報知するための制御を行うことと、をコンピューターに実行させる、報知プログラム。
  15. ユーザーの運動中に、前記ユーザーの足の接地時間の目標値に対応する第1期間及び前記ユーザーの足の滞空時間の目標値に対応する第2期間の少なくとも一方を周期的に報知する出力部を含む、報知装置。
  16. 前記出力部は、
    音および振動の少なくとも一方によって報知する、請求項15に記載の報知装置。
  17. 前記出力部は、
    前記第1期間を第1の報知手段によって報知し、前記第2期間を前記第1の報知手段とは異なる第2の報知手段によって報知する、請求項15に記載の報知装置。
  18. 前記第2期間を報知せずに前記第1期間を報知する第1モード又は前記第1期間を報知せずに前記第2期間を報知する第2モードを選択可能な報知モード選択部を含む、請求項15乃至17のいずれか一項に記載の報知装置。
  19. 前記報知モード選択部は、
    前記第1期間と前記第2期間の両方を報知する第3モードを選択可能である、請求項18に記載の報知装置。
  20. 前記ユーザーの運動における所定の情報に基づいて、前記接地時間の目標値及び前記滞空時間の目標値を設定する目標値設定部を含む、請求項15乃至19のいずれか一項に記載の報知装置。
  21. 前記所定の情報は、接地時間の情報である、請求項20に記載の報知装置。
  22. 前記所定の情報は、走行ピッチの情報である、請求項20に記載の報知装置。
  23. 前記所定の情報は、走行速度の情報である、請求項20に記載の報知装置。
  24. 前記所定の情報は、慣性センサーの検出結果を用いて算出された情報である、請求項20乃至23のいずれか一項に記載の報知装置。
  25. 請求項24に記載の報知装置と、前記慣性センサーの検出結果を用いて前記所定の情報を算出する運動解析装置と、を含む、運動解析システム。
  26. ユーザーの運動中に、前記ユーザーの足の接地時間の目標値に対応する第1期間及び前記ユーザーの足の滞空時間の目標値に対応する第2期間の少なくとも一方を周期的に報知することを含む、報知方法。
  27. ユーザーの運動中に、前記ユーザーの足の接地時間の目標値に対応する第1期間及び前記ユーザーの足の滞空時間の目標値に対応する第2期間の少なくとも一方を周期的に報知するための制御を行うことをコンピューターに実行させる、報知プログラム。
  28. 走行中のユーザーの鉛直方向に沿った振動振幅値が閾値を超えた場合には走行のフォームが不安定状態であることを報知すること、を含む運動支援方法。
  29. 前記振動振幅値を用いて前記ユーザーのフォームを推定することを更に含み、
    前記報知は、前記不安定状態である場合に、前記推定されたフォームとは異なるフォームを推奨することを含む、請求項28に記載の運動支援方法。
  30. 前記推定されたフォームの継続時間を算出することを更に含み、
    前記推奨することは、前記不安定状態であると判定され、且つ、前記継続時間が所定条件を満たした場合に、前記推奨を行う、請求項29に記載の運動支援方法。
  31. 走行中のユーザーの鉛直方向に沿った振動振幅値が閾値を超えた場合に走行のフォームが不安定状態であると判定する判定部を備え、
    前記不安定状態であると判定された場合に所定の報知を行う、運動支援装置。
JP2015115211A 2014-07-31 2015-06-05 報知装置、運動解析システム、報知方法、報知プログラム、運動支援方法及び運動支援装置 Pending JP2016034480A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015115211A JP2016034480A (ja) 2014-07-31 2015-06-05 報知装置、運動解析システム、報知方法、報知プログラム、運動支援方法及び運動支援装置
US14/814,498 US9875400B2 (en) 2014-07-31 2015-07-30 Notification device, exercise analysis system, notification method, notification program, exercise support method, and exercise support device
CN201510465062.4A CN105311816A (zh) 2014-07-31 2015-07-31 报告装置、运动解析系统、报告方法以及运动辅助装置
US15/842,031 US10740599B2 (en) 2014-07-31 2017-12-14 Notification device, exercise analysis system, notification method, notification program, exercise support method, and exercise support device

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014157207 2014-07-31
JP2014156118 2014-07-31
JP2014157203 2014-07-31
JP2014157203 2014-07-31
JP2014157207 2014-07-31
JP2014156118 2014-07-31
JP2015115211A JP2016034480A (ja) 2014-07-31 2015-06-05 報知装置、運動解析システム、報知方法、報知プログラム、運動支援方法及び運動支援装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016034480A true JP2016034480A (ja) 2016-03-17

Family

ID=55178999

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015115211A Pending JP2016034480A (ja) 2014-07-31 2015-06-05 報知装置、運動解析システム、報知方法、報知プログラム、運動支援方法及び運動支援装置

Country Status (3)

Country Link
US (2) US9875400B2 (ja)
JP (1) JP2016034480A (ja)
CN (1) CN105311816A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018068669A (ja) * 2016-10-28 2018-05-10 株式会社フジキン 運動アドバイザシステム
JP2019524287A (ja) * 2016-08-08 2019-09-05 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. 被験者の運動を支援するシステムおよび方法
WO2023248937A1 (ja) * 2022-06-22 2023-12-28 日本電信電話株式会社 端末、通知システム、通知方法、及びプログラム
US11925851B2 (en) 2019-04-25 2024-03-12 Casio Computer Co., Ltd. Exercise assisting device, exercise assisting method, and storage medium

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6130914B2 (ja) * 2013-06-27 2017-05-17 株式会社日立製作所 運動負荷時の生体情報算出システム、生体情報算出方法、及び、携帯情報端末
US10551194B2 (en) * 2014-07-16 2020-02-04 Seiko Epson Corporation Sensor unit, electronic apparatus, and moving body
US10508920B2 (en) * 2014-11-04 2019-12-17 Xsens Holding B.V. Pedestrian dead reckoning position tracker
WO2016194330A1 (ja) * 2015-06-01 2016-12-08 パナソニックIpマネジメント株式会社 動作表示システム及びプログラム
JP6565369B2 (ja) * 2015-06-22 2019-08-28 カシオ計算機株式会社 運動支援装置及び運動支援方法、運動支援プログラム
US10372975B2 (en) 2015-08-10 2019-08-06 Catapult Group International Ltd. Managing mechanical stress in sports participants
US10490088B2 (en) * 2015-12-30 2019-11-26 United States Of America As Represented By The Administrator Of Nasa Assured geo-containment system for unmanned aircraft
JP5996138B1 (ja) * 2016-03-18 2016-09-21 株式会社コロプラ ゲームプログラム、方法およびゲームシステム
CN105842722A (zh) * 2016-05-10 2016-08-10 大连理工大学 一种移动寻迹方法
WO2018030742A1 (ko) * 2016-08-09 2018-02-15 주식회사 비플렉스 운동 인식 방법 및 장치
WO2018030734A1 (ko) * 2016-08-09 2018-02-15 주식회사 비플렉스 3d 시뮬레이션 방법 및 장치
WO2018033782A1 (en) * 2016-08-19 2018-02-22 Aryeh Haim Katz Physical activity measurement and analysis
JP6834553B2 (ja) * 2017-02-09 2021-02-24 セイコーエプソン株式会社 運動解析システム、運動解析装置、運動解析プログラム及び運動解析方法
US11638855B2 (en) * 2017-07-05 2023-05-02 Sony Corporation Information processing apparatus and information processing method
US20210236021A1 (en) * 2018-05-04 2021-08-05 Baylor College Of Medicine Detecting frailty and foot at risk using lower extremity motor performance screening
CN111381229A (zh) * 2018-12-28 2020-07-07 松下知识产权经营株式会社 推测方法、推测装置以及记录介质
TWI745812B (zh) * 2019-12-25 2021-11-11 財團法人工業技術研究院 智慧即時運動疲勞偵測系統及方法、及智慧即時運動疲勞偵測裝置
CN111081346A (zh) * 2020-01-14 2020-04-28 深圳市圆周率智能信息科技有限公司 运动效率分析方法、装置、可穿戴设备和计算机可读存储介质
CN111370123B (zh) * 2020-02-28 2022-11-08 郑州大学 防止脑卒中复发的肢体协调辅助装置
CN113384863A (zh) * 2020-03-13 2021-09-14 华为技术有限公司 一种损伤风险评估方法、介质、芯片、终端设备及系统
JP7452324B2 (ja) * 2020-08-18 2024-03-19 トヨタ自動車株式会社 動作状態監視システム、訓練支援システム、動作状態監視システムの制御方法、及び、制御プログラム

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002336376A (ja) 2001-05-15 2002-11-26 Mitsubishi Electric Corp 健康増進システム
JP4367852B2 (ja) 2004-10-14 2009-11-18 有限会社ケーニヒ 陸上競技走者用の走法習得装置
WO2006081395A2 (en) * 2005-01-26 2006-08-03 Bentley Kinetics, Inc. Method and system for athletic motion analysis and instruction
US9028430B2 (en) * 2007-04-19 2015-05-12 Nike, Inc. Footwork training system and method
JP2010005033A (ja) * 2008-06-25 2010-01-14 Panasonic Electric Works Co Ltd 歩行動作分析装置
CN102481478B (zh) * 2009-03-27 2015-06-03 英福摩迅运动科技公司 监测体育锻炼事件
CA2937212C (en) 2009-04-26 2019-04-16 Nike Innovate C.V. Athletic watch
CN101695445B (zh) * 2009-10-29 2011-11-23 浙江大学 一种基于加速度传感器的步态身份识别方法
US8849610B2 (en) * 2010-09-30 2014-09-30 Fitbit, Inc. Tracking user physical activity with multiple devices
US9011292B2 (en) * 2010-11-01 2015-04-21 Nike, Inc. Wearable device assembly having athletic functionality
CN103442607B (zh) * 2011-02-07 2016-06-22 新平衡运动公司 用于监视运动表现的系统和方法
US10049595B1 (en) * 2011-03-18 2018-08-14 Thomas C. Chuang Athletic performance and technique monitoring
US8460001B1 (en) * 2011-04-14 2013-06-11 Thomas C. Chuang Athletic performance monitoring with overstride detection
EP2800513A1 (en) 2012-01-04 2014-11-12 NIKE Innovate C.V. Athletic watch
JP6381918B2 (ja) * 2013-01-23 2018-08-29 キヤノンメディカルシステムズ株式会社 動作情報処理装置
US9707462B2 (en) * 2013-04-09 2017-07-18 Walter Arthur Reynolds, III Lower leg sensing device and method of providing data therefrom
SE537845C2 (sv) * 2013-07-18 2015-11-03 Wememove Ab Metod och system för bestämning av utförandeindikatorer förperiodiska rörelser
US20150057111A1 (en) * 2013-08-20 2015-02-26 Quattriuum Inc. System, device and method for quantifying motion
US9724562B2 (en) * 2015-05-28 2017-08-08 Nike, Inc. Wearable USB device assembly
US20170151463A1 (en) * 2015-11-28 2017-06-01 Shft Aps Method and apparatus for optimizing running performance of an individual

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019524287A (ja) * 2016-08-08 2019-09-05 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. 被験者の運動を支援するシステムおよび方法
JP2018068669A (ja) * 2016-10-28 2018-05-10 株式会社フジキン 運動アドバイザシステム
US11925851B2 (en) 2019-04-25 2024-03-12 Casio Computer Co., Ltd. Exercise assisting device, exercise assisting method, and storage medium
WO2023248937A1 (ja) * 2022-06-22 2023-12-28 日本電信電話株式会社 端末、通知システム、通知方法、及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
US20180107867A1 (en) 2018-04-19
CN105311816A (zh) 2016-02-10
US9875400B2 (en) 2018-01-23
US20160030808A1 (en) 2016-02-04
US10740599B2 (en) 2020-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2016034480A (ja) 報知装置、運動解析システム、報知方法、報知プログラム、運動支援方法及び運動支援装置
JP6596945B2 (ja) 運動解析方法、運動解析装置、運動解析システム及び運動解析プログラム
JP6834553B2 (ja) 運動解析システム、運動解析装置、運動解析プログラム及び運動解析方法
US10032069B2 (en) Exercise analysis apparatus, exercise analysis method, exercise analysis program, and exercise analysis system
JP2016032611A (ja) 運動解析装置、運動解析システム、運動解析方法及び運動解析プログラム
US20240091589A1 (en) Integrated portable device and method implementing an accelerometer for analyzing biomechanical parameters of a stride
JP2016032610A (ja) 運動解析システム、運動解析装置、運動解析プログラム及び運動解析方法
JP2016034481A (ja) 情報分析装置、運動解析システム、情報分析方法、分析プログラム、画像生成装置、画像生成方法、画像生成プログラム、情報表示装置、情報表示システム、情報表示プログラム及び情報表示方法
US10959647B2 (en) System and method for sensing and responding to fatigue during a physical activity
US9939456B2 (en) Exercise support device, control method for exercise support device, and computer-readable storage medium
WO2015146046A1 (ja) 相関係数補正方法、運動解析方法、相関係数補正装置及びプログラム
JP6446941B2 (ja) 運動解析装置、方法、およびプログラム
US20160030806A1 (en) Exercise ability evaluation method, exercise ability evaluation apparatus, exercise ability calculation method, and exercise ability calculation apparatus
JP2018068669A (ja) 運動アドバイザシステム
JP2018068396A (ja) 運動解析装置、運動解析システム、及び運動解析方法
JP2018143537A (ja) 運動解析装置、運動解析システム、運動解析方法及び運動解析プログラム
JP2016032579A (ja) 運動能力算出方法、運動能力算出装置、運動能力算出システム、およびプログラム
JP2016032525A (ja) 運動能力評価方法、運動能力評価装置、運動能力評価システム、およびプログラム
JP2018143536A (ja) 運動解析装置、運動解析システム、運動解析方法、運動解析プログラム及び表示方法