JP2016032525A - 運動能力評価方法、運動能力評価装置、運動能力評価システム、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザーに対して、筋肉能力に関するアドバイスを適切に行うことが可能な運動能力評価方法、運動能力評価装置、運動能力評価システム、および運動能力評価装置を備えた運動能力評価システムにより筋肉能力運動能力評価方法を実行するプログラムを提供する。【解決手段】ユーザーの運動時における全身持久力に関する計測データを取得するステップと、前記全身持久力に関する基準データを取得するステップと、前記計測データと前記基準データとを比較するステップと、前記計測データと前記基準データとの比較結果に基づいて、前記ユーザーの筋肉能力を評価し、運動能力評価情報を生成するステップと、を含むことを特徴とする運動能力評価方法。【選択図】図3
Description
本発明は、運動能力評価方法、運動能力評価装置、運動能力評価システム、および運動能力評価装置を備えた運動能力評価システムにより運動能力評価方法を実行するプログラムに関する。
従来より、ユーザーの運動時の生体情報を計測した結果に基づいて、ユーザーの体力や運動能力を推定して示す方法が紹介されている。例えば、特許文献1に、ユーザーが歩行を開始してから所定の測定時間内に脈拍計が測定した脈拍の最大値、および安静時脈拍数により相対的心拍余力を算出し、相対的心拍余力により測定時間に移動した歩行距離を補正して、補正された歩行距離と性別に対応して設定されている係数により体力年齢を算出する方法が紹介されている。
運動能力(スポーツ能力)を高める要素として、心肺能力、筋肉能力,技術スキルの3つがあり、近年、心肺能力や技術スキルについては運動解析技術により評価する方法が種々紹介されてきているが、特に競技者やスポーツ愛好者の関心が集まる筋肉能力を簡便に得る方法がなかった。特許文献1に記載の運動能力評価方法(運動指標測定方法)についても、心拍に基づく体力年齢の算出に関する内容であり、筋肉能力の評価に関しての記載はない。
したがって、ユーザーに対して、筋肉能力に関するアドバイスを適切に行えない虞があるという課題があった。
したがって、ユーザーに対して、筋肉能力に関するアドバイスを適切に行えない虞があるという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1] 本適用例にかかる運動能力評価方法は、ユーザーの運動時における全身持久力に関する計測データを取得するステップと、前記全身持久力に関する基準データを取得するステップと、前記計測データと前記基準データとを比較するステップと、前記計測データと前記基準データとの比較結果に基づいて、前記ユーザーの筋肉能力を評価し、運動能力評価情報を生成するステップと、を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、全身持久力に関する基準値と、ユーザーの全身持久力との比較結果に基づいて、基準値に対するユーザーの筋肉能力の優劣やその度合を運動能力評価情報として示すことができる。これにより、運動能力評価結果に基づいて、トレーニング方法のヒントをユーザーに提供することができ、トレーニングへのモチベーションを高める効果を得ることができる。
[適用例2] 上記適用例にかかる運動能力評価方法において、前記全身持久力の指標は、前記ユーザーの心肺能力、乳酸値、疲労度、および酸素摂取量のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする。
本適用例によれば、従来の全身持久力の指標やそれらの算出方法を用いて、ユーザーに自身の筋肉能力を示すことができる。
[適用例3] 上記適用例にかかる運動能力評価方法において、前記全身持久力の指標は、前記ユーザーの所定距離当たりの走行時間であることを特徴とする。
本適用例によれば、例えば、所定距離当たりの最大努力による走行時間から、全身持久力の指標のうちの最大酸素摂取量を算出して、比較的容易に筋肉能力を求めることができる。
[適用例4] 上記適用例にかかる運動能力評価方法において、前記指標は前記酸素摂取量であり、前記酸素摂取量は、所定時間内における走行テスト、または所定距離を往復する走行テストにより計測されることを特徴とする。
本適用例によれば、酸素摂取量を指標として全身持久力を求める方法として一般的な12分間走や15分間走、あるいは所定距離を往復する走行テストであるシャトルランにより、計測された酸素摂取量から筋肉能力を求めてユーザーに示すことができる。
[適用例5] 上記適用例にかかる運動能力評価方法において、前記指標は酸素摂取量であり、前記ユーザーの脈拍データと、体動データとに基づいて前記酸素摂取量を算出することを特徴とする。
本適用例によれば、ユーザーの運動時に計測して得た脈拍データと運動出力とにより酸素摂取量を算出するので、より精度の高い運動能力評価情報(運動能力評価データ)を得ることができる。
また、脈拍データから最大心拍数と安静時心拍数を求めることができれば、既知の推定式を用いることにより、ユーザーに無理な作業(運動)をさせることなく、比較的容易に酸素摂取量を求めることができる。
また、脈拍データから最大心拍数と安静時心拍数を求めることができれば、既知の推定式を用いることにより、ユーザーに無理な作業(運動)をさせることなく、比較的容易に酸素摂取量を求めることができる。
[適用例6] 上記適用例にかかる運動能力評価方法において、前記基準データとする前記酸素摂取量は、安静時の心拍数と、最大心拍数とに基づき取得されることを特徴とする。
本適用例によれば、最大心拍数と安静時心拍数を求めることができれば、ユーザーに無理な作業(運動)をさせることなく、比較的容易に酸素摂取量を求めることができる。
[適用例7] 上記適用例にかかる運動能力評価方法において、前記計測データと前記基準データとの差分に基づいて、前記ユーザーの筋肉能力を評価し、前記運動能力評価情報を生成することを特徴とする。
本適用例によれば、比較的容易にユーザーの運動能力評価情報の生成を行うことができる。
[適用例8] 本適用例にかかる運動能力評価装置は、全身持久力に関する基準データが格納された記憶部と、ユーザーの運動時における全身持久力に関する計測データと前記基準データとの比較結果に基づいて、前記ユーザーの筋肉能力を評価して運動能力評価情報を生成する運動能力評価情報生成部と、を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、全身持久力に関する基準値と、ユーザーの全身持久力との比較結果に基づいて、基準値に対するユーザーの筋肉能力の優劣やその度合を運動能力評価情報として示すことができる。
[適用例9] 本適用例にかかる運動能力評価システムは、ユーザーの運動時における全身持久力に関する計測データを取得する計測装置と、前記計測装置が計測した前記計測データを取得する計測データ取得部と、全身持久力に関する基準データを記憶する記憶部と、前記計測データと前記基準データとの比較結果に基づいて前記ユーザーの運動能力評価情報を生成する運動能力評価情報生成部と、を有する運動能力評価装置と、を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、全身持久力に関する基準値と、センサーや脈拍計等の測定装置によって検知されるユーザーの全身持久力の計測データとの比較結果に基づいて、基準値に対するユーザーの筋肉能力の優劣やその度合を運動能力評価情報として示すことが可能な運動能力評価システムを提供することができる。
[適用例10] 本適用例にかかるプログラムは、ユーザーの運動時における全身持久力の計測データを取得することと、前記計測データと、前記全身持久力に関する基準データとを比較して比較結果を得ることと、前記比較結果に基づいて、前記ユーザーの筋肉能力を評価して運動能力評価情報を生成することと、をコンピューターに実行させることを特徴とする。
本適用例によれば、上記適用例に記載の運動能力評価装置、および、それを備えた運動能力評価システムにより、全身持久力に関する基準値と、ユーザーの全身持久力の計測データとの比較結果に基づいて、基準値に対するユーザーの筋肉能力の優劣やその度合を運動能力評価情報を生成してユーザーに示すプログラムを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材について実際とは異なる尺度で示している場合がある。
また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
(実施形態1)
まず、実施形態1に係る運動能力評価システムの概略構成について図面に沿って説明する。
まず、実施形態1に係る運動能力評価システムの概略構成について図面に沿って説明する。
〔1.運動能力評価システム〕
1.システムの概要
図1は、本実施形態の運動能力評価システム1の概要について説明するための図である。図1に示すように、本実施形態の運動能力評価システム1は、運動能力評価装置2及び表示装置3を含んで構成されている。本実施形態の運動能力評価装置2は、ユーザーの胴体部分(例えば、右腰、左腰、又は腰の中央部)に装着される。運動能力評価装置2は、センサーとしての慣性計測ユニット(IMU:Inertial Measurement Unit)10を内蔵し、ユーザーの走行(歩行も含む)における動きを捉えて、速度、位置、姿勢角(ロール角、ピッチ角、ヨー角)等を計算し、さらに、ユーザーの運動を解析し、ユーザーの全身持久力に関する物理量を計測する。本実施形態では、ユーザーが静止している状態で、慣性計測ユニット(IMU)10の1つの検出軸(以下ではz軸とする)が重力加速度方向(鉛直下向き)とほぼ一致するように、運動能力評価装置2がユーザーに装着される。運動能力評価装置2は、計測したユーザーの全身持久力に関する物理量の計測データに基づいて生成される運動能力評価情報の少なくとも一部を表示装置3に送信する。
1.システムの概要
図1は、本実施形態の運動能力評価システム1の概要について説明するための図である。図1に示すように、本実施形態の運動能力評価システム1は、運動能力評価装置2及び表示装置3を含んで構成されている。本実施形態の運動能力評価装置2は、ユーザーの胴体部分(例えば、右腰、左腰、又は腰の中央部)に装着される。運動能力評価装置2は、センサーとしての慣性計測ユニット(IMU:Inertial Measurement Unit)10を内蔵し、ユーザーの走行(歩行も含む)における動きを捉えて、速度、位置、姿勢角(ロール角、ピッチ角、ヨー角)等を計算し、さらに、ユーザーの運動を解析し、ユーザーの全身持久力に関する物理量を計測する。本実施形態では、ユーザーが静止している状態で、慣性計測ユニット(IMU)10の1つの検出軸(以下ではz軸とする)が重力加速度方向(鉛直下向き)とほぼ一致するように、運動能力評価装置2がユーザーに装着される。運動能力評価装置2は、計測したユーザーの全身持久力に関する物理量の計測データに基づいて生成される運動能力評価情報の少なくとも一部を表示装置3に送信する。
表示装置3は、リスト型(腕時計型)の携帯情報機器であり、ユーザーの手首等に装着される。ただし、表示装置3は、ヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mount Display)やスマートフォン等の携帯情報機器であってもよい。ユーザーは、走行開始前又は走行中に表示装置3を操作して運動能力評価装置2による計測(後述する慣性航法演算処理及び運動能力評価処理)のスタートやストップを指示することができる。また、ユーザーは、走行終了後に表示装置3を操作して運動能力評価装置2による運動能力評価情報に基づいたフィードバック情報の表示(後述)や走行分析処理(後述)の開始や終了を指示することができる。表示装置3は、計測スタートや計測ストップを指示するコマンド、運動能力評価情報に基づいたフィードバック情報の表示や走行分析処理の開始や終了を指示するコマンド等を運動能力評価装置2に送信する。
運動能力評価装置2は、計測スタートのコマンドを受信すると、慣性計測ユニット(IMU)10による計測を開始し、計測データと後述する基準データとの比較評価結果に基づきユーザーの運動能力(筋肉能力)を解析して運動能力評価情報を生成する。運動能力評価装置2は生成した運動能力評価情報の少なくとも一部を表示装置3に送信する。そして、表示装置3は運動能力評価情報を受信し、受信した運動能力評価情報を文字、図形、音、振動等の各種の形態でユーザーに提示する。ユーザーは、走行中に表示装置3を介して運動能力評価情報(フィードバック情報、アドバイス)を認識することができる。
また、運動能力評価装置2は、走行分析処理の開始を指示するコマンドを受信すると、過去の走行中に生成した運動解析情報を用いて、当該過去の走行を分析し、分析結果の情報を表示装置3又は不図示のパーソナルコンピューターやスマートフォン等の情報機器に送信する。そして、表示装置3又は当該情報機器は、分析結果の情報を受信し、受信した運動解析情報を文字、図形、音、振動等の各種の形態でユーザーに提示する。ユーザーは、表示装置3又は当該情報機器を介して過去の走行の分析結果を認識することができる。
なお、運動能力評価装置2と表示装置3との間のデータ通信は、無線通信でもよいし、有線通信でもよい。
本実施形態では、以下において、運動能力評価装置2がユーザーの走行運動(ランニング)時における全身持久力評価データに基づいて運動能力評価情報を生成する場合を例に挙げて詳細に説明するが、本実施形態の運動能力評価システム1は、走行以外の運動における全身持久力評価データに基づいて運動能力評価情報を生成する場合にも、同様に適用することができる。
2.座標系
以下の説明において必要となる座標系を定義する。
・eフレーム(Earth Centerd Earth Fixed Frame):地球の中心を原点とし、自転軸に平行にz軸をとった右手系の三次元直交座標
・nフレーム(Navigation Frame):移動体(ユーザー)を原点とし、x軸を北、y軸を東、z軸を重力方向とした三次元直交座標系
・bフレーム(Body Frame):センサー(慣性計測ユニット(IMU)10)を基準とする三次元直交座標系
・mフレーム(Moving Frame):移動体(ユーザー)を原点とし、移動体(ユーザー)の進行方向をx軸とした右手系の三次元直交座標系
以下の説明において必要となる座標系を定義する。
・eフレーム(Earth Centerd Earth Fixed Frame):地球の中心を原点とし、自転軸に平行にz軸をとった右手系の三次元直交座標
・nフレーム(Navigation Frame):移動体(ユーザー)を原点とし、x軸を北、y軸を東、z軸を重力方向とした三次元直交座標系
・bフレーム(Body Frame):センサー(慣性計測ユニット(IMU)10)を基準とする三次元直交座標系
・mフレーム(Moving Frame):移動体(ユーザー)を原点とし、移動体(ユーザー)の進行方向をx軸とした右手系の三次元直交座標系
3.システムの構成
図2は、運動能力評価装置2及び表示装置3の構成例を示す機能ブロック図である。図2に示すように、運動能力評価装置2は、慣性計測ユニット(IMU)10、処理部20、記憶部30、通信部40、GPS(Global Positioning System)ユニット50及び地磁気センサー60を含んで構成されている。処理部20は、計測データ取得部21および運動能力評価データ生成部250を含む。ただし、本実施形態の運動能力評価装置2は、これらの構成要素の一部を削除又は変更し、あるいは、他の構成要素を追加した構成であってもよい。
図2は、運動能力評価装置2及び表示装置3の構成例を示す機能ブロック図である。図2に示すように、運動能力評価装置2は、慣性計測ユニット(IMU)10、処理部20、記憶部30、通信部40、GPS(Global Positioning System)ユニット50及び地磁気センサー60を含んで構成されている。処理部20は、計測データ取得部21および運動能力評価データ生成部250を含む。ただし、本実施形態の運動能力評価装置2は、これらの構成要素の一部を削除又は変更し、あるいは、他の構成要素を追加した構成であってもよい。
慣性計測ユニット10(慣性センサーの一例)は、加速度センサー12、角速度センサー14及び信号処理部16を含んで構成されている。
加速度センサー12は、互いに交差する(理想的には直交する)3軸方向の各々の加速度を検出し、検出した3軸加速度の大きさ及び向きに応じたデジタル信号(加速度データ)を出力する。
角速度センサー14は、互いに交差する(理想的には直交する)3軸方向の各々の角速度を検出し、計測した3軸角速度の大きさ及び向きに応じたデジタル信号(角速度データ)を出力する。
信号処理部16は、加速度センサー12及び角速度センサー14から、それぞれ加速度データと角速度データを受け取って時刻情報を付して不図示の記憶部に記憶し、記憶した加速度データ、角速度データ及び時刻情報を所定のフォーマットに合わせたセンシングデータを生成し、処理部20に出力する。
加速度センサー12及び角速度センサー14は、それぞれ3軸が、慣性計測ユニット10を基準とするセンサー座標系(bフレーム)の3軸と一致するように取り付けられるのが理想的だが、実際には取り付け角の誤差が生じる。そこで、信号処理部16は、取り付け角誤差に応じてあらかじめ算出された補正パラメーターを用いて、加速度データ及び角速度データをセンサー座標系(bフレーム)のデータに変換する処理を行う。なお、信号処理部16の代わりに後述する処理部20が当該変換処理を行ってもよい。
さらに、信号処理部16は、加速度センサー12及び角速度センサー14の温度補正処理を行ってもよい。なお、信号処理部16の代わりに後述する処理部20が当該温度補正処理を行ってもよいし、加速度センサー12及び角速度センサー14に温度補正の機能が組み込まれていてもよい。
加速度センサー12と角速度センサー14は、アナログ信号を出力するものであってもよく、この場合は、信号処理部16が、加速度センサー12の出力信号と角速度センサー14の出力信号をそれぞれA/D変換してセンシングデータを生成すればよい。
GPSユニット50は、測位用衛星の一種であるGPS衛星から送信されるGPS衛星信号を受信し、当該GPS衛星信号を利用して測位計算を行ってnフレームにおけるユーザーの位置及び速度(大きさと向きを含むベクトル)を算出し、これらに時刻情報や測位精度情報を付したGPSデータを処理部20に出力する。なお、GPSを利用して、位置や速度を算出する方法や時刻情報を生成する方法については公知であるため、詳細な説明を省略する。
地磁気センサー60は、互いに交差する(理想的には直交する)3軸方向の各々の地磁気を検出し、検出した3軸地磁気の大きさ及び向きに応じたデジタル信号(地磁気データ)を処理部20に出力する。ただし、地磁気センサー60は、アナログ信号を出力するものであってもよく、この場合は、処理部20が、地磁気センサー60の出力信号をA/D変換して地磁気データを生成してもよい。
記憶部30は、例えば、ROM(Read Only Memory)やフラッシュROM、RAM(Random Access Memory)等の各種ICメモリーやハードディスクやメモリーカードなどの記録媒体等により構成される。
記憶部30には、処理部20によって読み出され、運動能力評価処理(図3参照)を実行するための運動能力評価プログラム370、および、運動解析処理を実行するための運動解析プログラム300が記憶されている。
また、記憶部30には、基準データとしての運動能力基準データ380、センシングデータテーブル310、GPSデータテーブル320、地磁気データテーブル330、算出データテーブル340及び運動解析情報350等が記憶される。
また、記憶部30には、基準データとしての運動能力基準データ380、センシングデータテーブル310、GPSデータテーブル320、地磁気データテーブル330、算出データテーブル340及び運動解析情報350等が記憶される。
運動能力基準データ380は、処理部20が運動能力評価情報を生成する際に、慣性計測ユニット10、GPSユニット50及び地磁気センサー60からそれぞれ受け取ったセンシングデータ、GPSデータ及び地磁気データの少なくとも一部を用いて得られるユーザーの全身持久力に関する計測データと比較される、全身持久力に関する基準データである。本実施形態では、全身持久力の指標として最大酸素摂取量が用いられ、その最大酸素摂取量の年齢毎の基準値が男女別に運動能力基準データ380として記憶部30に記憶されている。
センシングデータテーブル310は、処理部20が慣性計測ユニット10から受け取ったセンシングデータ(慣性計測ユニット10の検出結果)を時系列に記憶するデータテーブルである。
GPSデータテーブル320は、処理部20がGPSユニット50から受け取ったGPSデータ(GPSユニット(GPSセンサー)50の検出結果)を時系列に記憶するデータテーブルである。
地磁気データテーブル330は、処理部20が地磁気センサー60から受け取った地磁気データ(地磁気センサーの検出結果)を時系列に記憶するデータテーブルである。
算出データテーブル340は、処理部20がセンシングデータを用いて算出した速度、位置及び姿勢角を時系列に記憶するデータテーブルである。
運動解析情報350は、ユーザーの運動に関する各種情報であり、処理部20が生成したユーザーの運動の解析情報や走行軌跡情報、あるいはユーザーにより予め入力される体重等の入力情報などの各種情報を含む。
処理部20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等により構成され、記憶部30に記憶されている各種プログラムに従って、各種の演算処理や制御処理を行う。例えば、処理部20は、慣性計測ユニット10、GPSユニット50及び地磁気センサー60からそれぞれセンシングデータ、GPSデータ及び地磁気データを受け取り、これらのデータを用いてユーザーの速度、位置、姿勢角等を算出してユーザーの全身持久力に関する計測データとして取得する計測データ取得部21を有している。また、処理部20は、計測データ取得部21の計測データと、記憶部30の運動能力基準データ380とを比較し、その比較結果に基づいて、ユーザーの筋肉能力を主なものとした運動能力評価情報を生成する運動能力評価データ生成部250を有している。そして、処理部20は、生成した運動能力評価情報の少なくとも一部を、通信部40を介して表示装置3に送信し、表示装置3は受信した運動能力評価情報をテキスト、画像、音、振動等の形態で出力する。
通信部40は、表示装置3の通信部140との間でのデータ通信を行うものであり、処理部20が生成した運動能力評価情報や走行中出力情報、あるいは走行後出力情報を受け取って表示装置3に送信する処理、表示装置3から送信されたコマンド(計測スタート/ストップのコマンドや走行分析処理の開始/終了のコマンド等)を受信して処理部20に送る処理等を行う。
表示装置3は、処理部120、記憶部130、通信部140、操作部150、計時部160、表示部170、音出力部180及び振動部190を含んで構成されている。ただし、本実施形態の表示装置3は、これらの構成要素の一部を削除又は変更し、あるいは、他の構成要素を追加した構成であってもよい。
処理部120は、記憶部130に記憶されているプログラムに従って、各種の演算処理や制御処理を行う。例えば、処理部120は、操作部150から受け取った操作データに応じた各種処理(計測スタート/ストップのコマンドや走行分析処理の開始/終了のコマンドを通信部140に送る処理や操作データに応じた表示処理や音出力処理等)、通信部140から走行中出力情報や走行後出力情報を受け取り、走行中出力情報や走行後出力情報に応じたテキストデータや画像データを表示部170に送る処理、走行中出力情報や走行後出力情報に応じた音データを音出力部180に送る処理、走行中出力情報に応じた振動データを振動部190に送る処理を行う。また、処理部120は、計時部160から受け取った時刻情報に応じた時刻画像データを生成して表示部170に送る処理等を行う。
記憶部130は、例えば、処理部120が各種処理を行うためのプログラムやデータが記憶されるROMや処理部120の作業領域となるRAM等の各種ICメモリーにより構成される。
通信部140は、運動能力評価装置2の通信部40との間でのデータ通信を行うものであり、処理部120から操作データに応じたコマンド(計測スタート/ストップのコマンドや走行分析処理の開始/終了のコマンド等)を受け取って運動能力評価装置2に送信する処理、運動能力評価装置2から送信された運動能力評価情報や走行中出力情報、あるいは走行後出力情報を受信して処理部120に送る処理等を行う。
操作部150は、ユーザーからの操作データ(計測スタート/ストップ、表示内容の選択等の操作データ)を取得し、処理部120に送る処理を行う。操作部150は、例えば、タッチパネル型ディスプレイ、ボタン、キー、マイクなどであってもよい。
計時部160は、年、月、日、時、分、秒等の時刻情報を生成する処理を行う。計時部160は、例えば、リアルタイムクロック(RTC:Real Time Clock)ICなどで実現される。
表示部170は、処理部120から送られてきた画像データやテキストデータを、文字、グラフ、表、アニメーション、その他の画像として表示するものである。表示部170は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ、EPD(Electrophoretic Display)等のディスプレイで実現され、タッチパネル型ディスプレイであってもよい。なお、1つのタッチパネル型ディスプレイで操作部150と表示部170の機能を実現するようにしてもよい。
音出力部180は、処理部120から送られてきた音データを、音声やブザー音等の音として出力するものである。音出力部180は、例えば、スピーカーやブザーなどで実現される。
振動部190は、処理部120から送られてきた振動データに応じて振動する。この振動が表示装置3に伝わり、表示装置3を装着したユーザーが振動を感じることができる。振動部190は、例えば、振動モーターなどで実現される。
〔運動能力評価方法(処理の手順)〕
次に、ユーザーの運動能力評価方法について図面を参照しながら説明する。図3は、処理部20が行う運動能力評価処理の手順の一例(運動能力評価方法の一例)を示すフローチャートである。処理部20は、記憶部30に記憶されている運動能力評価プログラム370を実行することにより、図3のフローチャートの手順で運動能力評価処理を実行する。
本発明の運動能力評価方法は、ユーザーの運動時における全身持久力に関する計測データを取得し、その計測データと、記憶部30の運動能力基準データ380に格納された基準データとを比較し、その比較結果に基づいてユーザーの筋肉能力を評価して運動能力評価情報を生成するものである。本実施形態では、ユーザーの全身持久力を求める指標として最大酸素摂取量VO2maxを用い、その最大酸素摂取量VO2maxを推定する評価データとして、ユーザーの単位時間当たりの最大努力の走行による走行距離を用いる。最大酸素摂取量VO2maxは、その値が高ければ高いほどエネルギー生産量が多くなり、運動強度の高い運動ができるので、筋肉能力をはじめとする全身持久力の指標として好適に用いることができる。なお、本実施形態におけるユーザーは男性とする。
次に、ユーザーの運動能力評価方法について図面を参照しながら説明する。図3は、処理部20が行う運動能力評価処理の手順の一例(運動能力評価方法の一例)を示すフローチャートである。処理部20は、記憶部30に記憶されている運動能力評価プログラム370を実行することにより、図3のフローチャートの手順で運動能力評価処理を実行する。
本発明の運動能力評価方法は、ユーザーの運動時における全身持久力に関する計測データを取得し、その計測データと、記憶部30の運動能力基準データ380に格納された基準データとを比較し、その比較結果に基づいてユーザーの筋肉能力を評価して運動能力評価情報を生成するものである。本実施形態では、ユーザーの全身持久力を求める指標として最大酸素摂取量VO2maxを用い、その最大酸素摂取量VO2maxを推定する評価データとして、ユーザーの単位時間当たりの最大努力の走行による走行距離を用いる。最大酸素摂取量VO2maxは、その値が高ければ高いほどエネルギー生産量が多くなり、運動強度の高い運動ができるので、筋肉能力をはじめとする全身持久力の指標として好適に用いることができる。なお、本実施形態におけるユーザーは男性とする。
図3において、処理部20は、計測スタートのコマンドを受信するまで待機し(ステップS10のN)、計測スタートのコマンドを受信した場合(ステップS10のY)、まず、ユーザーが静止しているものとして、慣性計測ユニット10が計測したセンシングデータ、及び、GPSデータを用いて、初期姿勢、初期位置、初期バイアスを計算するとともに、ユーザーに最大努力の走行開始を求めるためのデータを生成して表示装置3に送る(ステップS20)。走行開始を求めるためのデータは、上述のテキストデータ、画像データ、音データ、および振動データのうち、ユーザーが表示部170を見続けていなくても走行開始が求められたことを認識できる音データや振動データが好ましいが、テキストデータや画像データを表示装置3に表示させることとしてもよい。ユーザーは、走行開始を求めるデータを表示装置3からの音や振動などにより認識したとき、最大努力による走行を開始する。
ステップS20のユーザーの走行開始から所定時間経過後に、処理部20は、慣性計測ユニット10からセンシングデータを取得し、取得したセンシングデータをセンシングデータテーブル310に付加する(ステップS30)。上述のとおり、本実施形態では、単位時間当たりのユーザーの走行距離を計測データとするので、ステップS20で求められたユーザーの初期位置と、ステップS30で取得されたユーザーの位置とから、単位時間当たりのユーザーの最大努力の走行による走行距離を算出し、算出した走行距離は計測データとして計測データ取得部21が取得する。
次に、処理部20は、記憶部30の運動能力基準データ380から計測データとの比較評価に用いる基準データを取得する(ステップS40)。この運動能力基準データ380から取得する基準データの一例は後述する。
次に、処理部20は、ステップS30でデータ取得部21が取得した計測データとステップS40で運動能力基準データ380から取得した基準データとを比較して、ユーザーの筋肉能力を主なものとする運動能力評価データ生成を運動能力評価データ生成部250に実行させる制御を行う(ステップS50)。以下、運動能力評価データ生成処理の一例について図面を参照して詳細に説明する。図4は、運動能力評価データ生成処理の一例を示すものであり、計測データと基準データとの比較処理の概要を示す説明図である。また、図5は、図4の比較処理により運動能力評価データを生成する処理の概要を示す説明図である。
図4において、縦軸は本実施形態において全身持久力の指標としている最大酸素摂取量VO2max、横軸は年齢である。この2軸の指標の関係を示す図表に、最大酸素摂取量VO2maxの男性の年齢ごとの基準値を示す基準データAMan、および、最大酸素摂取量VO2maxの女性の年齢ごとの基準値を示す基準データAWomanがプロットされている。
また、図4には、ユーザーの単位時間当たりの最大努力の走行による走行距離の実測データ(実測値)から推測されたユーザーの最大酸素摂取量VO2maxの実測値BUserがプロットされている。単位時間当たりの最大努力の走行による走行距離から最大酸素摂取量を推定する方法は、走行した単位時間に応じた周知の方法を用いることができる。例えば、走行する単位時間を12分とした「12分間走」で走った距離をX(m)から、次の推定式にて最大酸素摂取量VO2maxを推定することができる。
図4において、縦軸は本実施形態において全身持久力の指標としている最大酸素摂取量VO2max、横軸は年齢である。この2軸の指標の関係を示す図表に、最大酸素摂取量VO2maxの男性の年齢ごとの基準値を示す基準データAMan、および、最大酸素摂取量VO2maxの女性の年齢ごとの基準値を示す基準データAWomanがプロットされている。
また、図4には、ユーザーの単位時間当たりの最大努力の走行による走行距離の実測データ(実測値)から推測されたユーザーの最大酸素摂取量VO2maxの実測値BUserがプロットされている。単位時間当たりの最大努力の走行による走行距離から最大酸素摂取量を推定する方法は、走行した単位時間に応じた周知の方法を用いることができる。例えば、走行する単位時間を12分とした「12分間走」で走った距離をX(m)から、次の推定式にて最大酸素摂取量VO2maxを推定することができる。
また、走行する単位時間を15分とした「15分間走」で走った距離をX(m)から、次の推定式にて最大酸素摂取量VO2maxを推定することができる。
なお、上述の12分間走や15分間走の走行距離X(m)から推定式(数1)や推定式(数2)を用いて、最大酸素摂取量VO2maxの男性の年齢ごとの基準値を示す基準データAMan、および、最大酸素摂取量VO2maxの女性の年齢ごとの基準値を示す基準データAWomanを生成し、記憶部30の運動能力基準データ380に格納しておくこととしてもよい。
図4において、男性であるユーザーの最大酸素摂取量VO2maxは、同年齢の男性の最大酸素摂取量VO2maxの基準値よりもaの分だけ少ない。この差は、筋肉能力(筋肉量)をはじめとした全身持久力が同年齢の基準値よりも不足している度合を示している。この実測値(計測データ)と基準データとの比較処理により運動能力評価データを生成する処理の一例の概要が図5の説明図に示されている。図5において、横軸がユーザーの最大酸素摂取量VO2maxの実測値と同年齢の基準値との差の大きさを示し、縦軸はその差の大きさから推定される筋肉不足度(基準値に対する筋肉不足度合)である。当然のことながら、最大酸素摂取量VO2maxの実測値と同年齢の基準値との差が大きいほどに筋肉不足度が大きくなる。運動能力評価データ生成部250は、その筋肉不足度などを運動能力評価データとして生成する。
なお、図4の横軸には年齢を用いたが、この他の指標を単独あるいは複合して横軸に用いたり、図4の年齢などの指標を補正する要素として用いたりしてもよい。例えば、体重、体組成、運動に伴う乳酸値、最大心拍数、あるいは日頃の運動レベルの相対値などの指標を、単独あるいは複合させて図4の横軸として用いたり、係数として用いる構成としてもよい。これにより、運動能力評価データの精度を向上させることが可能になる。
なお、図4の横軸には年齢を用いたが、この他の指標を単独あるいは複合して横軸に用いたり、図4の年齢などの指標を補正する要素として用いたりしてもよい。例えば、体重、体組成、運動に伴う乳酸値、最大心拍数、あるいは日頃の運動レベルの相対値などの指標を、単独あるいは複合させて図4の横軸として用いたり、係数として用いる構成としてもよい。これにより、運動能力評価データの精度を向上させることが可能になる。
次に、処理部20は、ステップS50で生成した運動能力評価データの内容をユーザーに通知するか否かを判定する(ステップS60)。生成した運動能力評価データの内容をユーザーに通知する必要がないと判断した場合(ステップS60でN)、運動能力評価データ生成処理を終了する。これとは別に、例えば、図5に示す筋肉不足度が閾値を超えて大きくなったときなど、生成した運動能力評価データをユーザーに通知すると判断した場合(ステップS60でY)に、処理部20は運動能力評価データの内容に基づいて、ユーザーに通知する所望のデータ種類にて通知データ(アドバイスデータ)を生成し(ステップS70)、通信部40を介して表示装置3に送る(ステップS80)。通知データは、例えば、筋肉不足度が同年齢の同性に比して大きいといったことや、筋力を含む全身持久力トレーニングの必要性を通知するメッセージなど、様々な通知が考えられる。
なお、生成した運動能力評価データの内容の通知をリアルタイムに常時行う構成としてもよい。
通知データをユーザーに通知した後は、一連の運動能力評価データ生成処理を終了する。
なお、生成した運動能力評価データの内容の通知をリアルタイムに常時行う構成としてもよい。
通知データをユーザーに通知した後は、一連の運動能力評価データ生成処理を終了する。
以上述べたように、本実施形態に係る運動能力評価システム1、および、それを用いた運動能力評価方法によれば、ユーザーに対して、ユーザー自身の筋肉能力をはじめとした全身持久力の相対的な評価結果を示すことができる。これにより、例えば、ユーザーと同性で且つ同年齢の筋肉能力の基準値に対するユーザーの筋肉能力の優劣やその度合を示してユーザーに認識させ、その後のトレーニング方法を決めるうえでのヒントとさせたり、ユーザーのトレーニングに対するモチベーションの向上を図ったりする効果が期待できる。
(その他の実施形態)
なお、本発明は上述した実施形態1に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。上記実施形態の他の実施形態について以下に述べる。
なお、本発明は上述した実施形態1に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。上記実施形態の他の実施形態について以下に述べる。
(実施形態2)
実施形態1の運動能力評価方法では、ユーザーの全身持久力の指標に最大酸素摂取量VO2maxを用いて、その最大酸素摂取量VO2maxを、12分間走や15分間走などの走行距離の実測値として求め、その走行距離を推定式に代入することにより推定する方法を説明した。
これに限らず、「シャトルラン・テスト」によりユーザーの最大酸素摂取量VO2maxの実測値を算出することができる。
シャトルラン・テストのなかでも特に一般的な「20mシャトルラン」の測定方法は、距離20mのシャトルラン(往復持久走)を時速8kmの速さで2分間走り、その後2分毎に時速0.5kmずつペースリズムを徐々に高めていって、ペースリズムについていけなくなった時点を個人の最高走行スピードがX〔km/h〕であったとすると、最大酸素摂取量VO2maxは以下の推定式で求めることができる。
実施形態1の運動能力評価方法では、ユーザーの全身持久力の指標に最大酸素摂取量VO2maxを用いて、その最大酸素摂取量VO2maxを、12分間走や15分間走などの走行距離の実測値として求め、その走行距離を推定式に代入することにより推定する方法を説明した。
これに限らず、「シャトルラン・テスト」によりユーザーの最大酸素摂取量VO2maxの実測値を算出することができる。
シャトルラン・テストのなかでも特に一般的な「20mシャトルラン」の測定方法は、距離20mのシャトルラン(往復持久走)を時速8kmの速さで2分間走り、その後2分毎に時速0.5kmずつペースリズムを徐々に高めていって、ペースリズムについていけなくなった時点を個人の最高走行スピードがX〔km/h〕であったとすると、最大酸素摂取量VO2maxは以下の推定式で求めることができる。
実施形態2の運動能力評価方法によれば、ユーザーの走行は漸増負荷により段階的に最大努力に近づけていく形態であるため、12分間または15分間などのまとまった時間を最大努力で走行する実施形態1に比して、最大努力を発揮する苦しい時間が短時間となるので、ユーザーに対して比較的安全な作業となるという効果を奏する。
(実施形態3)
実施形態1の運動能力評価方法では、ユーザーの全身持久力の指標に最大酸素摂取量VO2maxを用いて、その最大酸素摂取量VO2maxを、12分間走や15分間走など、ユーザーの単位時間当たりの最大努力の走行による走行距離を実測値(計測データ)として推定式に代入してその最大酸素摂取量VO2maxを得た。
これに限らず、例えば、フルマラソンやハーフマラソンなど、所定距離を最大努力で走行したスタートからゴールまでの所要時間を計測データ(実測値)としてもよい。
実施形態3の運動能力評価方法は、マラソンランナーや運動強度の比較的高い運動を継続的に行っているユーザーや、同一競技に携わるユーザー同士において、競技により近い内容の運動能力評価データが得られたり、モチベーションが高められたりする効果が期待できる。
実施形態1の運動能力評価方法では、ユーザーの全身持久力の指標に最大酸素摂取量VO2maxを用いて、その最大酸素摂取量VO2maxを、12分間走や15分間走など、ユーザーの単位時間当たりの最大努力の走行による走行距離を実測値(計測データ)として推定式に代入してその最大酸素摂取量VO2maxを得た。
これに限らず、例えば、フルマラソンやハーフマラソンなど、所定距離を最大努力で走行したスタートからゴールまでの所要時間を計測データ(実測値)としてもよい。
実施形態3の運動能力評価方法は、マラソンランナーや運動強度の比較的高い運動を継続的に行っているユーザーや、同一競技に携わるユーザー同士において、競技により近い内容の運動能力評価データが得られたり、モチベーションが高められたりする効果が期待できる。
(実施形態4)
実施形態1では、ユーザーの全身持久力の指標として最大酸素摂取量VO2maxを用いた運動能力評価方法において、ユーザーに装着された慣性計測ユニット(IMU)10の加速度センサー12や角速度センサー14、およびGPSユニット50などにより、計測データ取得作業(走行)におけるユーザーの位置情報を検知して走行距離を計測し、最大酸素摂取量を推定して運動能力評価データを生成した。ユーザーの単位時間当たりの最大努力の走行による走行距離を実測値(計測データ)とし、基準データとの比較結果に基づいてのユーザーの運動能力評価データを生成した。
これに限らず、複数のセンサーを用いて、運動中のユーザーの位置情報の他、運動出力や生体情報などを計測して得た計測データから最大酸素摂取量VO2maxを求めることができる。以下、その方法の一実施形態について述べる。
実施形態1では、ユーザーの全身持久力の指標として最大酸素摂取量VO2maxを用いた運動能力評価方法において、ユーザーに装着された慣性計測ユニット(IMU)10の加速度センサー12や角速度センサー14、およびGPSユニット50などにより、計測データ取得作業(走行)におけるユーザーの位置情報を検知して走行距離を計測し、最大酸素摂取量を推定して運動能力評価データを生成した。ユーザーの単位時間当たりの最大努力の走行による走行距離を実測値(計測データ)とし、基準データとの比較結果に基づいてのユーザーの運動能力評価データを生成した。
これに限らず、複数のセンサーを用いて、運動中のユーザーの位置情報の他、運動出力や生体情報などを計測して得た計測データから最大酸素摂取量VO2maxを求めることができる。以下、その方法の一実施形態について述べる。
ユーザーに装着された慣性計測ユニット(IMU)10の加速度センサー12や角速度センサー14、およびGPSユニット50などによれば、走行中のユーザーの位置情報の他にも、移動中のユーザーの運動出力を計測することができる。
また、本実施形態では、ユーザーは、走行テストにおける走行中のユーザーの脈拍を計測する脈拍センサー(図示せず)を装着する。そして、脈拍センサーにより得られる走行テスト中のユーザーの脈拍データと、慣性計測ユニット10により計測されるユーザーの運動出力とから、得られた脈拍と運動出力とに基づいて最大酸素摂取量VO2maxを算出することができる。
ここで、ユーザーが装着する脈拍計は、例えば、図1の表示装置3に実装される腕時計型の脈拍計を装着し、あるいは、ハートレーセンサーをベルトで胸に巻き付けて走行し、当該脈拍計あるいは当該ハートレーセンサーの計測値を用いて、運動解析情報の一項目としてユーザーの走行中の心拍数を算出してもよい。
安静時の心拍数(HRrest)と、最大心拍数(HRmax)から、下記の推定式により、最大酸素摂取量(VO2Max)の相対値を推定することができる。
また、本実施形態では、ユーザーは、走行テストにおける走行中のユーザーの脈拍を計測する脈拍センサー(図示せず)を装着する。そして、脈拍センサーにより得られる走行テスト中のユーザーの脈拍データと、慣性計測ユニット10により計測されるユーザーの運動出力とから、得られた脈拍と運動出力とに基づいて最大酸素摂取量VO2maxを算出することができる。
ここで、ユーザーが装着する脈拍計は、例えば、図1の表示装置3に実装される腕時計型の脈拍計を装着し、あるいは、ハートレーセンサーをベルトで胸に巻き付けて走行し、当該脈拍計あるいは当該ハートレーセンサーの計測値を用いて、運動解析情報の一項目としてユーザーの走行中の心拍数を算出してもよい。
安静時の心拍数(HRrest)と、最大心拍数(HRmax)から、下記の推定式により、最大酸素摂取量(VO2Max)の相対値を推定することができる。
本実施形態の最大酸素摂取量の推定方法によれば、最大心拍数と安静時心拍数を求めることができれば、ユーザーに無理な作業(運動)をさせることなく、比較的容易に最大酸素摂取量を求めることができる。
以上、発明者によってなされた本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、ユーザーの全身持久力の指標として最大酸素摂取量VO2maxを用いて、その最大酸素摂取量VO2maxを、12分間走や15分間走など、ユーザーの単位時間当たりの最大努力の走行による走行距離を実測値(計測データ)から推定する構成とした。
これに限らず、例えば、フルマラソンやハーフマラソンなど、所定距離を最大努力で走行したスタートからゴールまでの所要時間を計測データ(実測値)として、ユーザーの筋肉能力をはじめとしたユーザーの全身持久力を相対的に把握し、運動能力評価データを生成することもできる。
これに限らず、例えば、フルマラソンやハーフマラソンなど、所定距離を最大努力で走行したスタートからゴールまでの所要時間を計測データ(実測値)として、ユーザーの筋肉能力をはじめとしたユーザーの全身持久力を相対的に把握し、運動能力評価データを生成することもできる。
また、上記実施形態では、酸素摂取量を全身持久力の評価軸とした場合の基準データを、推定式により推定する例について説明したが、呼気ガス測定器で計測した実測値でもよいことは云うまでもない。
また、上記実施形態では、全身持久力の指標として最大酸素摂取量を用いた例を説明したが、最大酸素摂取量とは異なる全身持久力の指標を用いて運動能力評価データを生成することが可能である。
最大酸素摂取量とは異なる全身持久力の指標としては、例えば、酸素摂取量(VO)、心肺能力、乳酸値、疲労度などを指標として全身持久力に関する計測データを取得し、運動能力評価データを生成することが可能である、
最大酸素摂取量とは異なる全身持久力の指標としては、例えば、酸素摂取量(VO)、心肺能力、乳酸値、疲労度などを指標として全身持久力に関する計測データを取得し、運動能力評価データを生成することが可能である、
また、上記実施形態において、全身持久力の指標の一つである最大酸素摂取量を求める推定式(数1)〜(数4)を示したが、これらの式における係数は代表例であってこれらに限定されるものではない。
1…運動能力評価システム、2…運動能力評価装置、3…表示装置、10…慣性計測ユニット、12…加速度センサー、14…角速度センサー、16…信号処理部、20…処理部、21…計測データ取得部、25…運動能力評価情報生成部、30…記憶部、40…通信部、50…GPSユニット、60…地磁気センサー、120…(表示装置の)処理部、130…(表示装置の)記憶部、140…通信部、150…操作部、160…計時部、170…表示部、180…音出力部、190…振動部、250…運動能力評価データ生成部、300…運動解析プログラム、310…センシングデータテーブル、320…GPSデータテーブル、330…地磁気データテーブル、340…算出データテーブル、350…運動解析情報、370…運動能力評価プログラム、380…運動能力基準データ。
Claims (10)
- ユーザーの全身持久力に関する計測データを取得するステップと、
前記全身持久力に関する基準データを取得するステップと、
前記計測データと前記基準データとを比較するステップと、
前記計測データと前記基準データとの比較結果に基づいて、前記ユーザーの筋肉能力を評価し、運動能力評価情報を生成するステップと、を含むことを特徴とする運動能力評価方法。 - 請求項1に記載の運動能力評価方法において、
前記全身持久力の指標は、前記ユーザーの心肺能力、乳酸値、疲労度、および酸素摂取量のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする運動能力評価方法。 - 請求項1に記載の運動能力評価方法において、
前記全身持久力の指標は、前記ユーザーの所定距離当たりの走行時間であることを特徴とする運動能力評価方法。 - 請求項2に記載の運動能力評価方法において、
前記指標は前記酸素摂取量であり、
前記酸素摂取量は、所定時間内における走行テスト、または所定距離を往復する走行テストにより計測されることを特徴とする運動能力評価方法。 - 請求項2に記載の運動能力評価方法において、
前記指標は酸素摂取量であり、
前記ユーザーの脈拍データと、体動データとに基づいて前記酸素摂取量を算出することを特徴とする運動能力評価方法。 - 請求項4または5に記載の運動能力評価方法において、
前記基準データとする前記酸素摂取量は、安静時の心拍数と最大心拍数(HRmax)とに基づき取得されることを特徴とする運動能力評価方法。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の運動能力評価方法において、
前記計測データと前記基準データとの差分に基づいて、前記ユーザーの筋肉能力を評価し、前記運動能力評価情報を生成することを特徴とする運動能力評価方法。 - 全身持久力に関する基準データが格納された記憶部と、
ユーザーの全身持久力に関する計測データと前記基準データとの比較結果に基づいて、前記ユーザーの筋肉能力を評価して運動能力評価情報を生成する運動能力評価情報生成部と、を含むことを特徴とする運動能力評価装置。 - ユーザーの全身持久力に関する計測データを取得する計測装置と、
前記計測装置が計測した前記計測データを取得する計測データ取得部と、全身持久力に関する基準データを記憶する記憶部と、前記計測データと前記基準データとの比較結果に基づいて前記ユーザーの運動能力評価情報を生成する運動能力評価情報生成部と、を有する運動能力評価装置と、
を含むことを特徴とする運動能力評価システム。 - 取得したユーザーの全身持久力に関する計測データと、前記全身持久力に関する基準データとを比較して比較結果を得ることと、
前記比較結果に基づいて、前記ユーザーの筋肉能力を評価して運動能力評価情報を生成することと、をコンピューターに実行させるプログラム。
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-
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