JP7101242B2 - 低安定化エンドウ澱粉を有する春雨 - Google Patents

低安定化エンドウ澱粉を有する春雨 Download PDF

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Description

本発明は、澱粉及び水から基本的になる東洋系麺(oriental noodle)であって、この麺に従来存在する緑豆澱粉が低安定化エンドウ澱粉によって置き換えられている、東洋系麺を提供する。
本発明は、それらの関連する作製プロセスにも関する。
澱粉麺は、アジアにおける料理及び食事の重要な一部分である。
これらは、一般に、セロハン(cellophane)又は春雨(glass noodle)と呼ばれ、ガラスのような半透明の外観で知られており、スープ、炒め物及び包餡食品に使用されている。
消費者が澱粉麺に求める品質は、口当たりの良さ及び調理時間の短さである。
消費者は、調理時に弾力を維持し、付着しない麺も好む。
高品質の澱粉麺の製造には、従来、緑豆が選択されており、これは、原産が南アジアであるが、オーストラリア及びインド等の地域でも栽培されているマメである。
緑豆澱粉は、独特の性質を提供し、例えば調理前及び調理後の両方で春雨に半透明な状態を維持させる、麺の製造に理想的な材料である。
しかしながら、緑豆の世界生産量は、限られているため、緑豆から作製された澱粉麺がこのような品質の全てを提供する場合、緑豆澱粉は、高価な選択肢である。
したがって、それを他の澱粉に置き換える試みが行われており、作製プロセスを適合させる/最適化する必要性も頻繁に生じている。
製造業者は、澱粉麺に同じ高品質を提供することができる、緑豆澱粉の代替となるより経済的な選択肢を求めている。
この種の試みの1つは、C.-Y.Lii及びS.-M.Changによる“Characterization of Red Bean(Phaseolus radiatus var.Aurea)Starch and Its Noodle Quality”,J.Food Science 46,p.79(1981)という名称の論文で報告されている。
それは、小豆澱粉、より正確には小豆澱粉及び緑豆澱粉の等量混合物を使用することを伴うものであった。
官能評価から、緑豆-小豆澱粉混合物から製造された麺は、緑豆麺に類似した食感を有していたが、小豆澱粉麺は、僅かに軟らかいことが示された。
緑豆澱粉を代替する他の試みは、カンナ、甘藷及びキャッサバ澱粉の使用を含んでいる。これらは、それぞれ約27、26.5及び22.5%のアミロース含有量を有し、緑豆
澱粉は、約33%のアミロース含有量を有することが知られている。
しかし、これらの塊茎澱粉から作製された麺は、技術的に劣っており、これらは、軟らか過ぎ、調理時の固形分損失がはるかにより高かった。
別の試みでは、標準的な馬鈴薯澱粉及びエンドウ澱粉を使用することが説明されているが、食感及び色は、満足できるものではない。
例えば、Northern Pulse growers Associationにより発表されている文献を参照されたく(http://www.northernpulse.com/uploads%5Cresources%5C908%5C2013-food-applications-of-pea-starch-npga-(2).pdf)、この文献では、エンドウ澱粉が緑豆澱粉の優れた代替候補として提示されているにも関わらず、馬鈴薯及びエンドウ澱粉は、緑豆澱粉から作製されたものと比較してより弾力が低い食感、やや短い調理時間及びやや高い調理損失をもたらすことが示されている。
最後に、緑豆澱粉を完全に代替することは不可能であるように思えるが、コストを最小限に削減するために、緑豆澱粉を馬鈴薯澱粉又はエンドウ澱粉等の他の澱粉とブレンドすることが提案された。
しかし、それによって食感(しっかりした(strong)食感等)及び調理後の色(暗い、濁っている等)が損なわれた。
エンドウ澱粉等のより経済的な澱粉を用いて、許容される食感を有する澱粉麺を製造するための代替策は、麺を製造する新規なプロセスの開発に基づくものであった。
従来、緑豆澱粉麺は、シリンダー型押出プロセスを用いて製造されている。
このプロセスは、緑豆澱粉を採取することと、少量、例えば5%の水と混練することと、それが糊化するまで調理することとを伴う。
次いで、この糊化した部分を残りの澱粉に戻し、それをより多くの水と混練する。この糊化した部分を追加することにより、混練物は、シリンダーに投入可能なペースト状の粘稠性を呈するようになり、圧縮されてダイから押し出されることにより麺が製造される。次いで、この麺を沸騰した湯中で調理し、水道水で冷却した後、空気中で乾燥させる。
この新規なプロセスには、エンドウ澱粉(https://www.grainscanada.gc.ca/fact-fait/peas-pois-eng.htmを参照されたい)を使用し、高温で二軸押出を行うことが推奨されている。このプロセスは、麺の製造に従来使用されていないが、シリアル、軽食及び大豆ベースの代替肉を製造するために製造業者によって一般に使用されている。
しかしながら、高温二軸押出が、澱粉麺を製造するためのより簡素且つより経済的となり得る選択肢であることが実証できたとしても、全ての製造業者が新しい方法を採用し且つ新しい設備を利用することを望むわけではない。
製造業者は、プロセスを変更することなく緑豆澱粉を完全に代替することができる新規
な澱粉を期待している。
直面する全ての難題に対処するために、本発明が提案する解決策は、緑豆澱粉を加工エンドウ澱粉、特に低安定化エンドウ澱粉、より詳細には低アセチル化エンドウ澱粉に置き換えることである。
本発明は、澱粉及び水から基本的になる押出成形された東洋系麺において、麺の作製に使用される澱粉は、低安定化エンドウ澱粉であることを特徴とする、押出成形された東洋系麺に関する。
「基本的に」は、99%を超えることを意味する。
低安定化エンドウ澱粉は、アセチル価が2%未満、0.25~1%、より好ましくは0.55~1%である低アセチル化エンドウ澱粉である。
それにより得られる麺は、その成分である低アセチル化エンドウ澱粉が、天然エンドウ澱粉と比較して0.4~5.0℃、より好ましくは4.0~5.0℃低下した(即ち0.4~5℃、より好ましくは4.0~5.0℃低い)糊化温度を示すことを特徴とする。
春雨の食感の比較を示す。 麺の色の違いを示す。 春雨の食感の比較を示す。 様々なエンドウ澱粉を有する春雨の比較を示す。 即席春雨の色の比較を示す。 調理過程における春雨の硬さの変化を示す。 調理過程における含水率の変化を示す。
春雨は、従来、100%緑豆澱粉で製造されている、「澱粉を基本成分とするアジアの麺」である。
食文化の発展に伴い、春雨製造業者は、コストを削減するためにその原料の一部をエンドウ澱粉又は馬鈴薯澱粉に変更し得る。
春雨製造業者は、エンドウ澱粉及び緑豆澱粉を混ぜて製造される「低価格」タイプ又は「標準」タイプの春雨に加えて、緑豆澱粉のみを含有する高級タイプも提示している。
しかしながら、本出願人は、低価格タイプ又は標準タイプのいずれかにより得られる品質が高級タイプのものとかけ離れていることを認識している。
以下の表は、得られる食感及び調理耐性を示す。
Figure 0007101242000001
このように、例えば麺線の径の変化に関して、全ての春雨の径が吸水により増大した場合、その増加率は、麺の原料に依存することが認められる。
より詳細には、高級タイプは、径の著しい増加率を示す。
低価格タイプは、他と比べて熱湯中でより早く軟らかい食感を示し、標準及び高級タイプと比較して十分なオーバークッキング耐性を有していない。
標準タイプは、高級タイプと比較してオーバークッキング耐性でも劣る。
したがって、緑豆澱粉にエンドウ澱粉を混ぜた春雨は、許容できない食感を示す。
有利に且つ経済的に緑豆澱粉を完全に代替することができる新規な澱粉を提案するために、本出願人は、加工澱粉、より詳細には加工エンドウ澱粉に関する多くの実験を実施した。
澱粉の加工は、澱粉の構造を変化させるための古典的な方法であり、通常、望ましい物理的特性を大きく変化させる。
しかしながら、加工度が低い場合でも、ペーストの粘度、ゲル化、離水、透明性、付着性及び乳化性等の澱粉の物理的特性を劇的に変えることが可能である。架橋澱粉は、酸、高温及び剪断に対する安定性を元の天然澱粉に与える。
澱粉の安定化は、例えば、置換基を導入することにより老化を防止することを目的としている。置換基を導入することにより澱粉顆粒内のグルカン鎖の相互作用が弱められ、その結果、より低い温度で調理した場合にも澱粉の水和及び糊化を達成することが可能になる。
安定化の効果は、置換基の数及び性質に依存する。
アセチル化及びヒドロキシプロピル化は、食品に認可されている主要な安定化の一種であり、置換度(DS)が0.2未満のものは、商業的に重要である。
多様な澱粉エステルの中でも、積極的に販売されているのが酢酸澱粉である。食品のためのアセチルの最大量である2.5%は、DS値で0.1に対応する。
アセチル基の立体障害は、水素結合によって生成する網目のエネルギーレベルを低下させることになり、それによって澱粉の可溶化が容易になり、老化を遅らせることになる。
アセチル基を導入することにより、顆粒内の澱粉-澱粉相互作用が弱まり、その結果、低温で調理しても水和及び糊化を達成することが可能となる。
この種の澱粉は、調理が容易であるという利点があり、湿度の低い環境及び共存成分との競合により水分量が制限される用途、例えば押出成形及びコーティングされた軽食、冷凍魚及び調理済み肉製品、穀粉を原料とする麺、ベーカリー製品及び冷凍又は冷蔵保存される様々な調理済みの料理において特に有用である。
アセチル基は、食品産業における酸性pHに耐性を示す結合剤並びに紙のサイジングにおける接着剤及びすね当て耐性(greave resistance)を含む、特定の用途に適した疎水性構造も生成する。
酢酸澱粉は、澱粉を希水酸化ナトリウムの存在下で無水酢酸と反応させることにより容易に調製される。代わりに、触媒としての炭酸ナトリウムの存在下において水性懸濁液中で酢酸ビニルを使用してアセチル化を行うこともできる。
本発明において、本出願人は、緑豆澱粉を効率的に代替することを試みるため、様々なアセチル化度の澱粉について試験を行うことにした。
本出願人は、そのために、考慮すべき2つの重要なパラメータ:
- この特殊な澱粉のアミロース含有量;
- その糊化温度
が存在することを見出した。
第1の点に関して、緑豆澱粉は、30~35%のアミロースを含み、アミロース含有量が35%であるエンドウ澱粉が最良の選択肢となる。
第2の点に関して、緑豆澱粉の糊化温度は、エンドウ澱粉のものよりも低いため、本出願人は、特定の加工エンドウ澱粉、より詳細にはアセチル化加工エンドウ澱粉を選択することを決定した。
実際、全ての課題は、この条件を満たすことができる適切な加工度の選択に基づいている。
本出願人は、加工度によりエンドウ澱粉の糊化温度が低下することも見出し、特に、その値は、有利には、0.4~5.0℃低下し、より好ましくは4.0~5.0℃低下することを見出した。
このパラメータを決定するために、3種のアセチル化エンドウ澱粉について試験を行った:
- アセチル化エンドウ澱粉「A」:アセチル価が0.55%~1%であるように、従来法で(希水酸化ナトリウムを存在させた無水酢酸を有する澱粉スラリーで)作製したエンドウ低アセチル化エンドウ澱粉。その糊化温度は、68.9℃である;
- アセチル化エンドウ澱粉「B」:アセチル価が0.25%~0.5%であるように、従来法で(希水酸化ナトリウムを存在させた無水酢酸を有する澱粉スラリーで)作製したエンドウ低アセチル化エンドウ澱粉。その糊化温度は、72.95℃である;
- アセチル化エンドウ澱粉「C」:アセチル価が1.7%~1.8%であるように、従
来法で(希水酸化ナトリウムを存在させた無水酢酸を有する澱粉スラリーで)作製したエンドウ低アセチル化エンドウ澱粉。その糊化温度は、66.9℃である。
比較として、天然エンドウ澱粉の糊化温度は、約73.4℃であり、緑豆エンドウ澱粉の糊化温度は、約66.95℃(これらのそれぞれの澱粉の標準的なRVAプロファイルの分析により求められる値)である。
本発明は、以下に示す実施例に照らし、より十分に理解されることになるが、実施例は、例示のみを目的とし、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
実施例1:
Figure 0007101242000002
冷凍を行わない春雨の製造方法:
- A相の澱粉を水と混練することにより澱粉スラリーを生成する。
- 熱湯(140ml、B相)を加え、ハンドミキサー(820rpm)で5分間混練する。
- 澱粉スラリーにC相を加え、61rpmで1分間、次いで113rpmで10分間混練する。
- 生地をポンプで送り、径2.5mmのノズルを介して押出し、10秒間茹でる。
- 氷冷水中で5分間冷却する。
- 80℃の空気中で1時間乾燥させる。
調理及び食感分析
- 500mlの熱湯が入ったカップ内で麺を湯戻しする。
- 2分間待つ。
- 麺を4℃の冷蔵庫で保管し、1日後、4日後、8日後、12日後及び16日後の麺の食感を、テクスチャーアナライザSHIMADZU EZ-SXを使用して、製造業者の操作指示に従い、以下に示す条件で検査する:
○時間:1
○プランジャー:歯形押棒
○速度:3mm/分
○試験片のサイズ:1本。
結果:
麺の食感:硬さ及び軟らかさ(図1を参照されたい)
麺の食感を、調理時間を一定(6分間)にして比較した。
その結果、アセチル化エンドウ澱粉「A」を有する春雨の食感は、緑豆澱粉と類似していたが、天然エンドウ澱粉は、緑豆澱粉よりも硬く、しっかりした食感を示す。
麺の色:
図2に麺の色の違いを示す。
その結果、天然エンドウ澱粉は、白色を示し、緑豆澱粉の色と全く異なっていた。これは、天然エンドウ澱粉の欠点の1つである。
対照的に、アセチル化エンドウ澱粉「A」は、透明な色を示す。
これは、低アセチル化度で安定化させることにより、天然エンドウ澱粉を春雨に適用することの欠点の1つが修正されるであろうことを示唆している。
実施例2:
本実施例では、アセチル化エンドウ澱粉「A」の性能を緑豆澱粉と比較する。
Figure 0007101242000003
冷凍工程を行う春雨の製造方法:
- A相の澱粉を水と混練することにより澱粉スラリーを生成する。
- 熱湯(140ml、B相)を加え、ハンドミキサー(820rpm)で5分間混練する。
- C相を澱粉スラリーに加え、61rpmで1分間、次いで113rpmで10分間混練する。
- 生地をポンプで送り、径2.5mmのノズルを介して押出し、30秒間茹でる。
- 氷冷水中で10分間冷却する。
- 水に晒し、-20℃で1日間冷凍する。
- 凍結した春雨を流水で30分間解凍する。
- 型枠に入れる。
- 次いで、80℃の空気中で1時間乾燥させる。
調理及び食感分析
- 春雨をカップに入れ、500mlの熱湯を注ぐ。
- 3分間待つ。
- 食感を、テクスチャーアナライザSHIMADZU EZ-SXを使用して、製造業者の操作指示に従い、以下に示す条件で測定する:
○時間:1
○プランジャー:歯形押棒
○速度:3mm/分
○試験片のサイズ:1本。
結果:
即席春雨の食感の観点における加工の効果(図3を参照されたい)
アセチル化エンドウ澱粉が従来の春雨製造の作製に有利に使用できることを確認するために、上に説明した方法を用いて評価した。
アセチル化エンドウ澱粉「A」は、春雨の食感を弾力のあるものに変化させる。これは、アセチル化エンドウ澱粉が、緑豆澱粉含有麺に匹敵する弾力のある食感を提供することを意味する。
実施例3:冷凍工程を行う即席麺塊の製造における異なるアセチル化度の評価
アセチル化エンドウ澱粉「A」を有する麺は、良好な結果を示すが、緑豆澱粉を有する麺(非冷凍製法による春雨に適用した場合)よりも食感が僅かに軟らかいため、本実施例は、許容できるアセチル化の範囲をより正確に定めるために、他のアセチル化度で試験を行うことを目的とするものである。
Figure 0007101242000004
冷凍工程を行う春雨の製造方法:
- A相の澱粉を水と混練することにより澱粉スラリーを生成する。
- 熱湯(140ml、B相)を加え、ハンドミキサー(820rpm)で5分間混練する。
- C相を澱粉スラリーに加え、61rpmで1分間、次いで113rpmで10分間混練する。
- 生地をポンプで送り、径2.5mmのノズルを介して押出し、30秒間茹でる。
- 氷冷水中で10分間冷却する。
- 水に晒し、-20℃で1日間冷凍する。
- 凍結した春雨を流水で30分間解凍する。
- 型枠に入れる。
- 次いで、80℃の空気中で1時間乾燥させる。
調理及び食感分析
- 麺を500mlの熱湯を入れたカップ内で湯戻しする。
- 数分間待つ(試験に応じて異なる)。
- 食感を、テクスチャーアナライザSHIMADZU EZ-SXを使用して、製造業者の操作指示に従い、以下に示す条件で測定する:
○時間:1
○プランジャー:歯形押棒
○速度:3mm/分
○試験片のサイズ:1本。
調理及び吸水
- 乾燥させた春雨の重量を測定する。
- 麺をカップに入れ、500mlの熱湯を注ぐ。
- 3分間待つ。
- 湯を捨てる。
- 調理後の春雨の重量を測定する。
調理及び含水率
- 乾燥させた春雨の重量を測定する。
- 麺をカップに入れ、500mlの熱湯を注ぐ。
- 数分間待つ。
- 115℃で3時間真空乾燥させた後の損失量から調理後の春雨の含水率を測定する。
結果:
春雨の食感、適性及び色(図4を参照されたい)。
様々なアセチル化度のエンドウ澱粉の違いを識別するために、即席春雨の食感を比較した。
アセチル化エンドウ澱粉「A」は、緑豆澱粉と類似した食感を示す。
天然エンドウ澱粉及びアセチル化エンドウ澱粉「B」は、緑豆澱粉よりも硬い食感を示す。他方では、アセチル化エンドウ澱粉「C」は、春雨を作製するには付着性が高過ぎて麺の形状に成形することができなかった(したがって、図4には値をプロットしていない)。
即席春雨の色も比較した(図5を参照されたい)。
天然エンドウ澱粉から作製した即席春雨は、白色であり、それが主な欠点である。アセチル化エンドウ澱粉「A」は、この欠点を克服できることが確認された。
アセチル化エンドウ澱粉「B」は、それよりも性能が劣るが、許容できる。
吸水性
各澱粉の即席春雨への適性を評価するために、「吸水性」及び「製造適性」を比較した。
アセチル化エンドウ澱粉「A」を有する麺及びアセチル化エンドウ澱粉「B」を有する麺の吸水率は、緑豆澱粉を有する麺と同等、即ち約400~450%であることが確認された。
天然エンドウ澱粉は、硬い食感と、400%未満の低い吸水率とを示す。
結論として、アセチル化エンドウ澱粉「B」は、許容可能であり、アセチル化エンドウ澱粉「A」が緑豆澱粉の代替となる最良の候補であることに変わりはない。
Figure 0007101242000005
調理耐性
緑豆澱粉及びアセチル化エンドウ澱粉を比較するために、本発明者らは、これらの調理耐性を比較した(硬さ及び吸水率)。
- 硬さ(図6を参照されたい)
アセチル化エンドウ澱粉「A」を有する麺及び緑豆澱粉を有する麺は、硬さの観点で同程度の調理耐性を示す。アセチル化エンドウ澱粉「B」を有する麺は、緑豆澱粉を有する麺と比較して僅かに異なるが、食感の変化は、緑豆澱粉を有する麺のものと類似しており、許容可能である。天然エンドウ澱粉を有する麺は、緑豆澱粉のものと比較して全く異なる食感を示し、それは、許容できない。
- 含水率(図7を参照されたい)
各澱粉の調理過程における吸水性を比較した。
この結果は、緑豆澱粉及びアセチル化エンドウ澱粉「A」の吸水性がほぼ等しい一方、アセチル化エンドウ澱粉「B」がより低効率であることを示している。しかしながら、アセチル化エンドウ澱粉「B」の含水傾向は、やはり天然エンドウ澱粉よりも緑豆澱粉に近い。したがって、アセチル化エンドウ澱粉「B」は、天然エンドウ澱粉よりも許容できると結論付けることができる。
結論:
アセチル化エンドウ澱粉「C」がこの用途に許容できなくても、アセチル化エンドウ澱粉「A」及び「B」は、候補に留めることができる。
アセチル化エンドウ澱粉「A」は、緑豆澱粉とほとんど同じ食感を示すため、最良の候補である。

Claims (3)

  1. 澱粉及び水から基本的になる押出成形された東洋系麺において、前記麺の作製に使用される前記澱粉は、アセチル価が0.55~1%である低アセチル化エンドウ澱粉であることを特徴とする、押出成形された東洋系麺。
  2. 前記低アセチル化エンドウ澱粉は、天然エンドウ澱粉の糊化温度と比較して0.4~5.0℃低下した糊化温度を示すことを特徴とする、請求項1に記載の麺。
  3. 前記低アセチル化エンドウ澱粉は、天然エンドウ澱粉の糊化温度と比較して4.0~5.0℃低下した糊化温度を示すことを特徴とする、請求項1又は2に記載の麺。
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