JP7101151B2 - レール遊間測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レールの継目部分の遊間量を測定するレール遊間測定方法に関するものである。
従来、継目部分即ちレール遊間の遊間量を測定する方法として、レールにある間隙を検出する間隙検出手段からの信号に基づいて間隙の画像を撮像する方法、又は、発光素子からレールに向けて照射された光の反射光を検知する方法が用いられている。
特開平2-85704号公報(特許文献1)には、被験物体にある間隙の幅を相対的に移動する物体から測定する間隙測定装置において、間隙を検出する間隙検出手段と、間隙検出手段からの信号に基づいて、間隙の画像を撮像する撮像手段と、撮像手段によって得られた画像から間隙の幅を算出する演算手段とを備えた技術が開示されている。上記特許文献1記載の技術では、間隙検出手段は、被験物体に光を照射する照射光学系と照射光の被験物体からの反射光を受光する受光光学系を備えている。
特開平8-145632号公報(特許文献2)には、レール遊間測定装置において、レール上を走行可能な台車に取り付けられ、発光素子からレールに向けて照射された光の反射光を検出する複数の受光素子をレール幅方向に並べて構成されたレール遊間センサと、各受光素子からの検出信号を、第1のしきい値レベルEH、第2のしきい値レベルEL(EH>EL)と比較してそれぞれ2値化する各レール遊間センサに対応した複数の第1、第2の比較器と、を備えた技術が開示されている。上記特許文献2記載の技術では、レール遊間装置は、各第1の比較器出力、各第2の比較器出力が入力される第1、第2の論理回路と、第1、第2の論理回路出力の論理条件に応じてレール遊間か否かを判別する第3の論理回路とを備えている。
特開平2-85704号公報 特開平8-145632号公報
このような従来の方法により継目部分即ちレール遊間の遊間量を測定するためには、例えば軌道検測車等の鉄道車両又は保守用車等に特殊な測定装置を搭載する必要があり、人の操作により継目部分の遊間量を測定するための特殊な測定装置を導入する必要がある。そのため、特殊な測定装置を導入又は運用するための労力又は費用を削減することができないおそれがあり、特殊な測定装置の運用の都合で測定自体が制約を受けるおそれがある。
本発明は、上述のような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、軌道の長さ方向において互いに隣り合うレールの間の継目部分の遊間量を測定するレール遊間測定方法において、特殊な測定装置を用いずに通常のカメラで撮影した撮影画像から画像処理技術を用いて継目部分の遊間量を精度良く測定することができるレール遊間測定方法を提供することを目的とする。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本発明の一態様としてのレール遊間測定方法は、軌道の長さ方向において互いに隣り合う第1レールと第2レールとの間の継目部分の遊間量を測定するレール遊間測定方法である。当該レール遊間測定方法は、第1レール、第2レール及び継目部分を撮影し、第1レール、第2レール及び継目部分が撮影されたグレイスケールの第1画像を作成する(a)ステップと、第1画像に対して軌道の長さ方向の平滑化処理を行うことにより、継目部分がぼかされたグレイスケールの第2画像を作成する(b)ステップと、を有する。また、当該レール遊間測定方法は、第1画像に対して第1二値化処理を行うことにより、第3画像を作成し、第2画像に対して第2二値化処理を行うことにより、第4画像を作成する(c)ステップと、第4画像に対して第1ラベリング処理を行うことにより、第1レール、第2レール及び継目部分を一体的に示す第1領域が抽出された第5画像を作成し、作成された第5画像をマスクとして用いて第3画像に対してマスキング処理を行うことにより、第1レールを示す第2領域と、第2領域から離れた第3領域であって第2レールを示す第3領域と、が抽出された第6画像を作成する(d)ステップと、を有する。また、当該レール遊間測定方法は、第5画像と第6画像との差分又は排他的論理和を算出し、継目部分を示す第4領域が抽出された第7画像を作成する(e)ステップと、第7画像の第4領域の形状に基づいて、継目部分の遊間量を測定する(f)ステップと、を有する。
また、他の一態様として、当該レール遊間測定方法は、軌道の長さ方向において互いに隣り合い且つ継目板により接続された第1レールと第2レールとの間の継目部分の遊間量を測定するものであってもよい。また、当該レール遊間測定方法は、更に、継目板の軌道の長さ方向における第1長さを示す第1情報を用意する(g)ステップを有してもよい。(a)ステップでは、第1レール、第2レール、継目部分及び継目板を撮影し、第1レール、第2レール、継目部分及び継目板が撮影された第8画像を作成してもよい。(f)ステップでは、第7画像の第4領域の軌道の長さ方向における第1レール側の第1端部と、第7画像の第4領域の軌道の長さ方向における第2レール側の第2端部と、の間の第1画素数を算出し、第8画像の継目板の軌道の長さ方向における第1レール側の第3端部と、第8画像の継目板の軌道の長さ方向における第2レール側の第4端部と、の間の第2画素数を算出し、第1画素数、第2画素数及び第1情報に基づいて、継目部分の遊間量を測定してもよい。
また、他の一態様として、(c)ステップでは、第1画像に対して第1閾値を用いて第1二値化処理を行うことにより、第3画像を作成し、第2画像に対して第2閾値を用いて第2二値化処理を行うことにより、第4画像を作成してもよい。また、第1閾値及び第2閾値は、第5画像の第1領域が第1レール、第2レール及び継目部分を一体的に示し、且つ、第6画像の第3領域が第6画像の第2領域から離れるように、設定されていてもよい。
また、他の一態様として、(a)ステップでは、第1レール及び第2レールが第1画像の縦方向に沿い、且つ、第1画像の横方向と交差するように、第1画像を作成してもよい。また、(d)ステップでは、第4画像の横方向の第1幅に対する第1領域の横方向の第2幅の第1幅比が第3閾値以下であり、且つ、第4画像の縦方向の第2長さに対する第1領域の縦方向の第3長さの第1長さ比が第4閾値以上であるときに、第1領域が抽出された第5画像を作成してもよい。
また、他の一態様として、(a)ステップでは、第1レール及び第2レールが第1画像の縦方向に沿い、且つ、第1画像の横方向と交差するように、第1画像を作成してもよい。また、(b)ステップでは、第1画像に対して、第1画像の縦方向に配列されたn個(nは3以上の奇数)の画素よりなるカーネルを有するn×1ガウシアンフィルタを用いて、軌道の長さ方向の平滑化処理を行うことにより、第2画像を作成してもよい。
また、他の一態様として、(e)ステップは、第5画像と第6画像との差分又は排他的論理和を算出することにより、第9画像を作成する(e1)ステップと、第9画像に対して第2ラベリング処理を行うことにより、継目部分を示す第4領域が抽出された第7画像を作成する(e2)ステップと、を含んでもよい。
本発明の一態様を適用することで、軌道の長さ方向において互いに隣り合うレールの間の継目部分の遊間量を測定するレール遊間測定方法において、特殊な測定装置を用いずに通常のカメラで撮影した撮影画像から画像処理技術を用いて継目部分の遊間量を精度良く測定することができる。
実施の形態のレール遊間測定システムの構成を示す図である。 レールの継目部分を示す平面図である。 実施の形態のレール遊間測定方法の一部のステップを示すフロー図である。 実施の形態のレール遊間測定方法において撮影又は作成された画像の一例を示す図である。 実施の形態のレール遊間測定方法において撮影又は作成された画像の一例を示す図である。 実施の形態のレール遊間測定方法において撮影又は作成された画像の一例を示す図である。 実施の形態のレール遊間測定方法において撮影又は作成された画像の一例を示す図である。 実施の形態のレール遊間測定方法において撮影又は作成された画像の一例を示す図である。 実施の形態のレール遊間測定方法において撮影又は作成された画像の一例を示す図である。 実施の形態のレール遊間測定方法において撮影又は作成された画像の一例を示す図である。 実施の形態のレール遊間測定方法において撮影又は作成された画像の一例を示す図である。 実施の形態のレール遊間測定方法において撮影又は作成された画像の一例を示す図である。
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実施の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
また本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
更に、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見やすくするためにハッチング(網掛け)を省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見やすくするためにハッチングを付す場合もある。
なお、以下の実施の形態においてA~Bとして範囲を示す場合には、特に明示した場合を除き、A以上B以下を示すものとする。
(実施の形態)
<レール遊間測定システム及びレール遊間測定方法>
初めに、本発明の一実施形態である実施の形態のレール遊間測定システム及びレール遊間測定方法について説明する。本実施の形態のレール遊間測定システムは、軌道の長さ方向において互いに隣り合う第1レールと第2レールとの間の継目部分の遊間量を測定するレール遊間測定システムである。また、本実施の形態のレール遊間測定方法は、軌道の長さ方向において互いに隣り合う第1レールと第2レールとの間の継目部分の遊間量を測定するレール遊間測定方法であり、本実施の形態のレール遊間測定システムを用いたレール遊間測定方法である。
図1は、実施の形態のレール遊間測定システムの構成を示す図である。図1は、実施の形態のレール遊間測定システムの構成を、レールの継目部分の側面図と合わせて示す。図2は、レールの継目部分を示す平面図である。
図1及び図2に示すように、例えばバラストよりなる道床1の上面に、枕木2としての枕木2a及び枕木2bが配置されている。枕木2a及び枕木2bは、軌道の長さ方向に配列されている。枕木2a及び枕木2bには、レール3としてのレール3a及びレール3bが、レール締結装置4としてのレール締結装置4a及びレール締結装置4bにより締結されている。枕木2a及びレール締結装置4aは、レール3aとレール3bとの間の継目部分3cを固定するものである。枕木2b及びレール締結装置4bは、レール3の継目部分3c以外の部分を固定するものである。
レール締結装置4aは、タイプレート5と、継目板6と、板ばね7と、を含む。タイプレート5は、枕木2aとレール3との間に介在し、且つ、例えば犬釘(図示は省略)を用いて枕木2aに固定されている。継目板6は、レール3の継目部分3cを挟んでレール3aとレール3bとを接続している。板ばね7は、タイプレート5上に継目部分3cを跨ぐように配置され、レール3a及びレール3bの底部を、タイプレート5に固定する。一方、レール締結装置4bとして、例えば犬釘を用いることができる。
図1に示すように、本実施の形態のレール遊間測定システム10は、第1画像作成部11と、第2画像作成部12と、第3画像作成部13と、第4画像作成部14と、第5画像作成部15と、遊間測定部16と、を有する。また、本実施の形態のレール遊間測定システム10は、第1画像作成部11、第2画像作成部12、第3画像作成部13、第4画像作成部14、第5画像作成部15及び遊間測定部16の動作を制御する制御部17を有してもよい。第1画像作成部11、第2画像作成部12、第3画像作成部13、第4画像作成部14、第5画像作成部15、遊間測定部16及び制御部17として、例えば第1画像作成部11、第2画像作成部12、第3画像作成部13、第4画像作成部14、第5画像作成部15、遊間測定部16及び制御部17に一定の動作をさせるためのプログラムを実行するコンピュータを用いることができる。なお、第1画像作成部11、第2画像作成部12、第3画像作成部13、第4画像作成部14、第5画像作成部15、遊間測定部16及び制御部17は、図1に示すように、例えば軌道検測車等の鉄道車両18に設置されてもよいが、地上側に設置されてもよい。
図1に示すように、第1画像作成部11は、レール3a、レール3b及び継目部分3cを継目部分3cの上方から撮影する撮影部11aを含む。図1に示すように、撮影部11aは、鉄道車両18の前端部又は後端部に、下方を向いた状態で、設置されてもよい。或いは、撮影部11aは、レール3a、レール3b及び継目部分3cを継目部分3cの上方から撮影できればよいので、図示は省略するが、例えばドローン等の飛行物体に設置され、予め登録された継目部分3cの位置情報及び衛星測位システムに基づいて、自動的に継目部分3cを撮影するようにしてもよい。
次に、本実施の形態のレール遊間測定システムを用いたレール遊間測定方法について説明する。前述したように、本実施の形態のレール遊間測定方法は、軌道の長さ方向において互いに隣り合うレール3aとレール3bとの間の継目部分3cの遊間量を測定するレール遊間測定方法である。
本実施の形態のレール遊間測定方法は、継目部分3cを撮影した撮影画像に対して画像処理技術を用いて画像処理することにより、継目部分3cの遊間量を測定する方法である。基本原理としては、継目部分即ちレール遊間がない画像を仮想的に再現し、レール遊間がある現実の画像との差分を算出することにより、レール遊間を抽出し、抽出されたレール遊間の画像中の寸法を測定することにより、継目部分3c即ちレール遊間の遊間量を測定するものである。
また、撮影部11aにより撮影された画像からレール遊間を算出するアルゴリズムは、以下の通りである。基本的な考え方は、前述したように、レール遊間のない画像とレール遊間のある画像との差分を算出することにより、レール遊間の抽出及び遊間量の測定を行うものである。
図3は、実施の形態のレール遊間測定方法の一部のステップを示すフロー図である。図4乃至図12は、実施の形態のレール遊間測定方法において撮影又は作成された画像の一例を示す図である。
本実施の形態のレール遊間測定方法では、第1画像作成部11は、レール3a、レール3b及び継目部分3cを継目部分3cの上方から撮影し、レール3a、レール3b及び継目部分3cが撮影されたグレイスケールの画像21(後述する図5参照)を作成する(図3のステップS1)。即ち、レール及び継目部分を撮影し、継目部分がある画像を作成する。
このステップS1では、第1画像作成部11は、まず、レール3a、レール3b及び継目部分3cを継目部分3cの上方から撮影し、レール3a、レール3b及び継目部分3cが撮影されたカラー画像である画像20(後述する図4参照)を作成する。画像20は、前述したように、カラー画像であるので、1つの画素に対して、赤(R)、緑(G)及び青(B)のカラー情報即ちRGBの値(それぞれR、G、Bを変数とする)を保持しており、1枚の画像20当たり3つのレイヤーで構成されている。
しかしながら、以後の各ステップを行って継目部分3cの遊間量を測定するためには、画像20のカラー情報は必要ではない。そのため、このステップS1では、第1画像作成部11は、次に、継目部分3cの遊間量を容易に測定するために、例えば下記式(数1)により表されるNTSC(National Television System Committee)加重平均法を用いたグレイスケール変換を行うことができる。
Y=0.298912R+0.586611G+0.114478B・・・(数1)
このグレイスケール変換により、画像20がグレイスケール化され、レール3a、レール3b及び継目部分3cが撮影されたグレイスケールの画像21(後述する図5参照)を作成する。なお、NTSC加重平均法を用いたグレイスケール変換に代えて、例えば、緑(G)のレイヤーをグレイとみなして用いる、又は、Y=(1/3)R+(1/3)G+(1/3)Bで表されるように三等分する、等の各種のグレイスケール変換を行うことができる。
このようにしてグレイスケール変換を行う前後の画像を、図4及び図5に示す。図4は、グレイスケール変換前の継目部分3cの画像20を示し、図5は、グレイスケール変換後の継目部分3cの画像21を示す。言い換えれば、ステップS1では、第1画像作成部11は、グレイスケール変換を行って、1つの画素に対するRGBの値を1つにまとめて定義することにより、その後の画像処理のための画像データを作成することになる。
次に、第2画像作成部12は、画像21に対して軌道の長さ方向の平滑化処理を行うことにより、継目部分3cがぼかされたレール3a及びレール3bのグレイスケールの画像22(後述する図6参照)を作成する(図3のステップS2)。即ち、平滑化処理を行うことにより、継目部分がない画像を作成する。
このステップS2では、第2画像作成部12は、継目部分3c即ちレール遊間が存在する画像21(図5参照)に対して、継目部分即ちレール遊間が存在しない仮想の画像を作成するために、レール長手方向のみに平滑化処理を行う。即ち、画像21に対して、レール長手方向のみに平滑化処理を行い、継目部分即ちレール遊間が存在しない状態を仮想的に再現する。
平滑化処理の一例として、ガウス分布によるガウシアンフィルタを設計し、近傍画素値に重みづけを行うことができる。ここで、レール長手方向(軌道の長さ方向)にのみ平滑化処理を施せばよい。そのため、カーネルのサイズを横方向(x方向)の大きさ×縦方向(y方向)の大きさとして表記する場合に、カーネルのサイズを1×41とし、x方向の標準偏差σをσ=0とし、y方向の標準偏差σをσ=41として、設計することができる。言い換えれば、カーネルのサイズを縦方向(y方向)の大きさ×横方向(x方向)の大きさとして表記する場合に、カーネルのサイズを41×1として設計することができる。
このようにして平滑化処理を行った画像を、図6に示す。図6は、ガウシアンフィルタによる平滑化画像である画像22を示す。図5と図6とを比較すると、図6において、レール長手方向にのみ平滑化処理が施されていることがわかる。
次に、第3画像作成部13は、画像21(図5参照)に対して二値化処理を行うことにより、画像23(後述する図7参照)を作成し、画像22(図6参照)に対して二値化処理を行うことにより、画像24(後述する図8参照)を作成する(図3のステップS3)。即ち、継目部分がある画像、及び、継目部分がない画像に、二値化処理を行う。
このステップS3では、画像21(図5参照)及び画像22(図6参照)の各々からレール部分を抽出するための前処理として、二値化処理を行う。つまり、継目部分3c即ちレール遊間が撮影されている画像と、継目部分3c即ちレール遊間が撮影されていない仮想の画像と、に対して、一定の閾値により、黒と白の二値化処理を行う。
1つの画像中で輝度が大きく異なっている場合、普通に固定の閾値を用いて二値化すると、画像の明るい部分がホワイトアウトするか、又は、画像の暗い部分が逆にブラックアウトする場合がある。軌道画像即ち継目部分が撮影された画像のレールにおいても同様であり、このようなホワイトアウト又はブラックアウトする問題を防止するため、注目ピクセルの周囲の輝度値に応じて閾値を決定する適応型閾値(Adaptive Threshold)を利用することができる。閾値の計算方法としては、近傍領域のガウシアン分布による重みづけ平均値を閾値とする方法を用いることができる。また、近傍領域のサイズが例えば51画素となるように設計することができる。
このようにして二値化処理を行った画像を、図7及び図8に示す。図7は、平滑化処理を行っていない画像21(図5参照)に対して二値化処理を行うことにより作成された画像23を示し、図8は、平滑化処理を行った画像22(図5参照)に対して二値化処理を行うことにより作成された画像24を示す。また、二値化処理を行うことにより作成された画像はノイズを多く含んでいるため、ノイズ除去を目的として、モルフォロジー変換のうち収縮(Erosion)を施している。
次に、第4画像作成部14は、画像24(図8参照)に対してラベリング処理を行うことにより、レール3a、レール3b及び継目部分3cを一体的に示す領域RG1(後述する図9(b)参照)が抽出された画像25(後述する図9(a)参照)を作成する。また、第4画像作成部14は、作成された画像25をマスクとして用いて画像23(図7参照)に対してマスキング処理を行うことにより、レール3aを示す領域RG2(後述する図10(b)参照)と、領域RG2から離れた領域RG3であってレール3bを示す領域RG3(後述する図10(b)参照)と、が抽出された画像26(後述する図10(a)参照)を作成する(図3のステップS4)。即ち、継目部分がない画像にラベリング処理を行い、継目部分がある画像にマスキング処理を行う。
このステップS4では、第4画像作成部14は、二値化処理を行うことにより作成された画像24(図8参照)からレール部分のみを抽出するために、ラベリング処理及びフィルタリング処理を行う。言い換えれば、画像24の領域を分割し、レール3a、レール3b及び継目部分3cを一体的に示す領域RG1(後述する図9(b)参照)が抽出された画像25(後述する図9(a)参照)、更に言い換えれば、継目部分即ちレール遊間がない画像を作成する。
ラベリング処理とは、二値化処理を行うことにより作成された画像中で、値が零でない(白の)ピクセルが連続して配置されることにより形成された領域(Connected Component)を検出し、検出された領域にラベル付け(ラベリング)を行うものである。ラベリングされた領域は、ラベリング番号、面積、縦横のサイズ又は重心等を保持する。例えば、画像24(図8参照)に対してラベリング処理を行うことにより、面積が30,000画素以上400,000,000画素以下であり、且つ、画像全体に対して領域の幅が60%以下、高さが90%以上の領域を、レールを示す領域として抽出することができる。
また、ステップS4では、次に、第4画像作成部14は、画像24(図8参照)に対してラベリング処理を行うことによりレール部分のみが抽出された画像25(後述する図9(a)参照)をマスクとして用いて、画像23(図7参照)に対してマスキング処理を行う。このとき、画像24からレール3a、レール3b及び継目部分3cを一体的に示す領域として抽出された領域RG1(後述する図9(b)参照)に相当する領域を画像23から抽出する。これにより、画像23のうち、領域RG1に相当する領域以外の領域をマスクする(マスキング処理する)ことになり、レール3aを示す領域RG2(後述する図10(b)参照)と、領域RG2から離れた領域であってレール3bを示す領域である領域RG3(後述する図10(b)参照)と、が抽出された画像26(後述する図10(a)参照)、言い換えれば、継目部分3c即ちレール遊間がある画像を作成する。
このようにしてラベリング処理及びマスキング処理を行ってレールを示す領域を抽出した結果を、図9及び図10に示す。図9(a)は、レール遊間がない画像、即ち継目部分3cがぼかされたレール二値画像である画像24(図8参照)に対してラベリング処理を行うことにより作成された画像25を示し、図9(b)は、画像25のうち、領域RG1、及び、領域RG1以外の領域RG11、を含む領域RG12を、模式的に拡大して示す。図10(a)は、レール遊間がある、即ち継目部分3cがぼかされていないレール二値画像である画像23(図7参照)に対して画像25をマスクとしてマスキング処理を行うことにより作成された画像26を示し、図10(b)は、画像26のうち、領域RG2及び領域RG3、並びに、領域RG2以外で且つ領域RG3以外の領域RG21、を含む領域RG22を、模式的に拡大して示す。また、レールを示す領域が抽出されたレール二値画像である画像25及び画像26については、二値化処理を行った時に発生した穴などの欠損が存在するため、モルフォロジー変換におけるオープニング処理を施すことにより、穴埋めを行っている。
次に、第5画像作成部15は、画像25(図9(a)参照)と画像26(図10(a)参照)との差分又は排他的論理和を算出し、継目部分3cを示す領域RG4(後述する図11(b)参照)が抽出された画像27(後述する図11(a)参照)を作成する(図3のステップS5)。即ち、継目部分がある画像と継目部分がない画像との差分を算出し、継目部分を抽出する。
このステップS5では、レール遊間のないレール二値画像である画像25(図9(a)参照)とレール遊間のあるレール二値画像である画像26(図10(a)参照)の差分を算出することにより、継目部分3cのみ即ちレール遊間のみの画像27(後述する図11(a)参照)を作成する。ここで、画像25及び画像26の各々は二値化画像であるので、それぞれの画素値に対して排他的論理和を演算することにより、差分を算出する。排他的論理和を演算することにより差分を算出した画像については、細かなノイズが多く発生する。そのため、モルフォロジー変換のクロージング処理を行うことにより、ノイズ除去を行いつつ、レール遊間のサイズの変化を防止することができる。
このようにして差分を算出することにより継目部分3c即ちレール遊間が抽出された画像27を、図11に示す。図11(a)は、画像27を示し、図11(b)は、画像27のうち、領域RG4、及び、領域RG4以外の領域RG41、を含む領域RG42を、模式的に拡大して示す。図11(a)では、画像27のうちほとんどの領域で何も写されておらず黒く表示されているのに対し、領域RG4では継目部分3c即ちレール遊間が白く表示されている。
次に、遊間測定部16は、画像27(図11(a)参照)の領域RG4(図11(b)参照)の形状に基づいて、継目部分3cの遊間量を測定する(図3のステップS6)。即ち、抽出された継目部分の形状に基づいて、遊間量を測定する。
このステップS6では、ステップS4と同様に、継目部分3c即ちレール遊間のみを抽出するために、ラベリング処理を行う。ラベリング処理を行うことにより抽出される領域RG4について、例えば当該領域RG4の面積が15画素以上であり、当該領域RG4の縦方向の長さに対する横方向の幅の比である縦横比が1.4以上であり、且つ、領域RG4の外接矩形の面積に対する領域RG4の面積の比が70%以上であるときに、領域RG4が継目部分3cである、と定義して、継目部分3cを抽出することができる。また、抽出された継目部分3cの外接矩形の高さを、継目部分3cの遊間量として出力する。
このようにして抽出された継目部分3cを、図4に示した画像20と重ねて示す画像28を、図12に示す。図12では、矩形形状を有する枠で囲まれた領域RG5によりレールを示し、直線で表される領域RG6により継目部分3cを示し、「6」の文字で継目部分3cの遊間量を示している。
前述したように、従来、継目部分3c即ちレール遊間の遊間量を測定する方法として、上記特許文献1に記載された技術である、レールにある間隙を検出する間隙検出手段からの信号に基づいて間隙の画像を撮像する方法が用いられている。或いは、上記特許文献2に記載された技術である、発光素子からレールに向けて照射された反射光を検知する方法が用いられている。
このような従来の方法により継目部分即ちレール遊間の遊間量を測定するためには、例えば軌道検測車等の鉄道車両又は保守用車等に特殊な測定装置を搭載する必要があり、人の操作により継目部分の遊間量を測定するための特殊な測定装置を導入する必要がある。そのため、特殊な測定装置を導入又は運用するための労力又は費用を削減することができないおそれがあり、特殊な測定装置の運用の都合で測定自体が制約を受けるおそれがある。
このような特殊な測定装置を用いずに通常のカメラで撮影した撮影画像から画像処理技術を用いて継目部分の遊間量を精度良く測定することができれば、特殊な測定装置を導入又は運用するための労力又は費用を削減することが可能になると考えられる。しかしながら、このような特殊な測定装置を用いずに通常のカメラで撮影した撮影画像から画像処理技術を用いて継目部分の遊間量を精度良く測定する方法は、提案されていない。
また、画像処理技術が、静止画のみならず動画として撮影された撮影画像にも対応できれば、例えば軌道検測車又はドローンにより連続して撮影された動画を用いて、継目部分の遊間量を容易に算出して測定することが可能になると考えられ、連続撮影測定により遊間量測定に要する人員を削減可能になると考えられる。しかしながら、画像処理技術がこのような動画として撮影された撮影画像に対応可能な方法は、提案されていない。
一方、本実施の形態のレール遊間測定方法によれば、継目部分即ちレール遊間を撮影した撮影画像に対して画像処理技術を用いて画像処理することにより、継目部分3c即ちレール遊間の遊間量を測定する。基本原理としては、継目部分即ちレール遊間がない画像を仮想的に再現し、継目部分即ちレール遊間がある現実の画像との差分を算出することにより、レール遊間を抽出し、抽出された画像中のレール遊間の寸法を測定することにより、継目部分即ちレール遊間の遊間量を測定するものである。
このような場合、継目部分即ちレール遊間の遊間量を測定するために、例えば軌道検測車等の鉄道車両又は保守用車等に特殊な測定装置を搭載する必要がなく、人の操作により継目部分の遊間量を測定するための特殊な測定装置を導入する必要がない。即ち、特殊な測定装置を導入せずに、通常のカメラで撮影した撮影画像から、画像処理技術を用いて、継目部分の遊間量を算出して測定することができる。そのため、特殊な測定装置を導入又は運用するための労力又は費用を削減することができ、特殊な測定装置の運用の都合で測定自体が制約を受けることを防止又は抑制することができる。
また、本実施の形態のレール遊間測定方法によれば、画像処理技術として、静止画のみならず動画として撮影された撮影画像にも対応できるので、例えば軌道検測車又はドローンにより連続して撮影された動画を用いて容易に継目部分の遊間量を算出して測定することができ、連続撮影測定により遊間量測定に要する人員を削減することができる。
好適には、ステップS6において、継目部分3cの遊間量を測定する際に、長さが既知である継目板6の長さを基準とすることができる。即ち、好適には、本実施の形態のレール遊間測定方法は、軌道の長さ方向において互いに隣り合い且つ継目板6により接続されたレール3aとレール3bとの間の継目部分3cの遊間量を測定するものである。このような場合、少なくともステップS6の前に、継目板6の軌道の長さ方向における長さLN1(図2参照)を示す情報IN1(図2参照)を用意する(図3のステップS7)。即ち、継目板の長さを示す情報を用意する。
このような場合、ステップS1では、レール3a、レール3b、継目部分3c及び継目板6を撮影し、レール3a、レール3b、継目部分3c及び継目板6が撮影された画像20(図4参照)又は画像20とは異なる画像を作成することになる。また、ステップS6では、画像27(図11(a)参照)の領域RG4(図11(b)参照)の軌道の長さ方向におけるレール3a側の端部EP1(図11(b)参照)を示す画素と、画像27の領域RG4の軌道の長さ方向におけるレール3b側の端部EP2(図11(b)参照)を示す画素と、の間の軌道の長さ方向における画素数NP1(図11(b)参照)を算出する。また、ステップS6では、画像20又は画像20とは異なる画像の継目板6の軌道の長さ方向におけるレール3a側の端部EP3(図2参照)を示す画素と、画像20又は画像20とは異なる画像の継目板6の軌道の長さ方向におけるレール3b側の端部EP4(図2参照)を示す画素と、の間の軌道の長さ方向における画素数NP2(図2参照)を算出する。そして、ステップS6では、画素数NP1、画素数NP2及び情報IN1(図2参照)に基づいて、継目部分3cの遊間量JG1(図11(b)参照)を測定することになる。
このような場合、ステップS6において、継目部分3cの遊間量を測定する際に、長さが既知であり遊間量を算出して測定する際の基準となる構造物として、継目部分3cに設置されている継目板6を用いることができる。そのため、本実施の形態のレール遊間測定方法により継目部分3cの遊間量を簡便に且つ精度良く算出して測定することができる。
好適には、ステップS3では、画像21(図5参照)に対して閾値TH1(図示は省略)を用いて二値化処理を行うことにより、画像23(図7参照)を作成し、画像22(図6参照)に対して閾値TH2(図示は省略)を用いて二値化処理を行うことにより、画像24(図8参照)を作成する。また、閾値TH1及び閾値TH2は、画像25(図9(a)参照)の領域RG1(図9(b)参照)がレール3a、レール3b及び継目部分3cを一体的に示し、且つ、画像26(図10(a)参照)の領域RG3(図10(b)参照)が画像26の領域RG2(図10(b)参照)から離れるように、設定されている。前述したように、閾値TH1及び閾値TH2の各々として、注目ピクセルの周囲の輝度値に応じて閾値を決定する適応型閾値を用いることができる。
閾値TH1及び閾値TH2によっては、画像21(図5参照)に対する二値化処理を適切に行うことができず、画像22(図6参照)に対する二値化処理を適切に行うことができないおそれがある。一方、例えばある日にある基準地点で本実施の形態のレール遊間測定方法を予備的に行って、継目部分即ちレール遊間がない画像25(図9(a)参照)が確実に作成され、継目部分3c即ちレール遊間がある画像26(図10(a)参照)が確実に作成されるように、閾値TH1及び閾値TH2を調整して設定し、設定された閾値TH1及び閾値TH2をその日の他の測定地点での測定に際して用いる場合を考える。このような場合、画像21に対する二値化処理を適切に行うことができ、画像22に対する二値化処理を適切に行うことができ、継目部分3cの遊間量を精度良く算出して測定することができる。
好適には、ステップS1では、レール3a及びレール3bが画像21(図5参照)の縦方向に沿い、且つ、画像21の横方向と交差するように、画像21を作成する。また、ステップS4では、画像24の横方向の幅WD1(図8参照)に対する領域RG1の横方向の幅WD2(図9(b)参照)の幅比が閾値TH3(図示は省略)以下であり、且つ、画像24の縦方向の長さLN2(図8参照)に対する領域RG1の縦方向の長さLN3(図9(b)参照)の長さ比が閾値TH4(図示は省略)以上であるときに、領域RG1が抽出された画像25(図9(a)参照)を作成する。なお、閾値TH3が10%であり、閾値TH4が90%である場合については、ステップS4の説明において、前述している。
このような場合、継目部分3cが撮影された画像20のうち、レール3の頭頂面を示す領域の輝度が、レール3の頭頂面を示す領域以外の領域の輝度よりも高いという特徴を活かして、レール3a、レール3b及び継目部分3cを一体的に示す領域RG1を、ラベリング処理により精度良く抽出することができる。そのため、継目部分3cの遊間量を精度良く算出して測定することができる。
好適には、ステップS1では、レール3a及びレール3bが画像21(図5参照)の縦方向に沿い、且つ、画像21の横方向と交差するように、画像21を作成する。また、ステップS2では、画像21に対して、画像21の縦方向に配列されたn個(nは3以上の奇数)の画素よりなるカーネルを有するn×1ガウシアンフィルタを用いて、軌道の長さ方向の平滑化処理を行うことにより、画像22(図6参照)を作成する。なお、カーネルのサイズが41×1である場合、即ちn=41である場合については、ステップS2の説明において、前述している。
このような場合、ステップS2では、画像21(図5参照)に対して、レール3の長さ方向には平滑化処理が行われるが、レール3の幅方向には平滑化処理が行われない。そのため、レール3a及びレール3bのいずれも、レール3の幅方向にはあまりぼかされないが、レール3の長さ方向にはぼかされる。これにより、継目部分3cがぼかされることになるので、継目部分即ちレール遊間がない画像を容易に仮想的に再現することができる。
好適には、ステップS5は、画像25(図9(a)参照)と画像26(図10(a)参照)との差分又は排他的論理和を算出することにより、画像を作成するステップ(図3のステップS51)と、作成された画像に対してラベリング処理を行うことにより、継目部分3cを示す領域RG4が抽出された画像27(図11(a)参照)を作成するステップ(図3のステップS52)と、を含む。
前述したように、排他的論理和を演算することにより差分を算出した画像については、細かなノイズが多く発生する。そのため、差分又は排他的論理和を算出した後、再度ラベリング処理を行うことにより、細かなノイズを容易に除去することができるので、継目部分3c即ちレール遊間を更に確実に抽出することができる。
<遊間量の算出値の精度>
次に、本実施の形態による遊間量の算出値の精度について説明する。軌道の長さ方向に沿って互いに異なる16の測定地点において、本実施の形態のレール遊間測定方法により画像処理技術を用いて継目部分の遊間量を算出した。また、当該16の測定地点において、ゲージを用いた手検測を行って、継目部分の遊間量を実測した。当該16の測定地点において手検測により実測された遊間量の実測値(手検測値)と、当該16の測定地点において本実施の形態のレール遊間測定方法により算出された遊間量の算出値とを、表1に示す。
Figure 0007101151000001
表1には、軌道の幅方向における左右両側のレールのうち、一方のみについての結果を示す。また、本実施の形態による遊間量の算出に際し、前述したように、継目板の長さを基準とした。表1では、手検測による遊間量の実測を「手検測」と表記し、手検測による遊間量の実測値を「遊間量の実測値」と表記している。また、表1では、本実施の形態による遊間量の算出を「画像処理」と表記し、レール遊間の画素数を「遊間の画素数」と表記し、本実施の形態による遊間量の算出値を「遊間量の算出値」と表記し、「遊間量の実測値」に対する「遊間量の算出値」の誤差を「誤差」と表記し、継目板の長さ方向の画素数を「継目板の画素数」と表記し、継目板から算出された分解能即ち1画素当たりの長さを「1画素当たりの長さ」と表記している。また、軌道の長さ方向における継目板の長さは、560mmであった。
表1に示すように、16の項目(測定地点)において、遊間量の実測値が2.5~16.5mmの範囲内である場合に、本実施の形態のレール遊間測定方法により画像処理を用いて算出された遊間量の算出値が4.5~16.4mmの範囲内であり、当該16の項目(測定地点)の全てにおいて、誤差がプラスマイナス3mmの範囲内にあることが確認された。また、遊間量の実測値に対する遊間量の算出値の誤差については、当該16の項目(測定地点)において、プラスマイナス1mmの範囲内にあるものが56%であり、プラスマイナス2mmの範囲内にあるものが94%であり、プラスマイナス3mmの範囲内にあるものが100%であった。よって、本実施の形態による継目部分の遊間量の算出値が精度良く算出されることが明らかになった。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
例えば、前述の各実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
本発明は、レールの継目部分の遊間量を測定するレール遊間測定方法に適用して有効である。
1 道床
2、2a、2b 枕木
3、3a、3b レール
3c 継目部分
4、4a、4b レール締結装置
5 タイプレート
6 継目板
7 板ばね
10 レール遊間測定システム
11 第1画像作成部
11a 撮影部
12 第2画像作成部
13 第3画像作成部
14 第4画像作成部
15 第5画像作成部
16 遊間測定部
17 制御部
18 鉄道車両
20~28 画像
EP1~EP4 端部
IN1 情報
JG1 遊間量
NP1、NP2 画素数
RG1、RG11、RG12、RG2、RG21、RG22 領域
RG3、RG4、RG41、RG42、RG5、RG6 領域
WD1、WD2 幅

Claims (6)

  1. 軌道の長さ方向において互いに隣り合う第1レールと第2レールとの間の継目部分の遊間量を測定するレール遊間測定方法において、
    (a)前記第1レール、前記第2レール及び前記継目部分を撮影し、前記第1レール、前記第2レール及び前記継目部分が撮影されたグレイスケールの第1画像を作成するステップ、
    (b)前記第1画像に対して前記軌道の長さ方向の平滑化処理を行うことにより、前記継目部分がぼかされたグレイスケールの第2画像を作成するステップ、
    (c)前記第1画像に対して第1二値化処理を行うことにより、第3画像を作成し、前記第2画像に対して第2二値化処理を行うことにより、第4画像を作成するステップ、
    (d)前記第4画像に対して第1ラベリング処理を行うことにより、前記第1レール、前記第2レール及び前記継目部分を一体的に示す第1領域が抽出された第5画像を作成し、作成された前記第5画像をマスクとして用いて前記第3画像に対してマスキング処理を行うことにより、前記第1レールを示す第2領域と、前記第2領域から離れた第3領域であって前記第2レールを示す前記第3領域と、が抽出された第6画像を作成するステップ、
    (e)前記第5画像と前記第6画像との差分又は排他的論理和を算出し、前記継目部分を示す第4領域が抽出された第7画像を作成するステップ、
    (f)前記第7画像の前記第4領域の形状に基づいて、前記継目部分の遊間量を測定するステップ、
    を有する、レール遊間測定方法。
  2. 請求項1に記載のレール遊間測定方法において、
    前記レール遊間測定方法は、前記軌道の長さ方向において互いに隣り合い且つ継目板により接続された前記第1レールと前記第2レールとの間の前記継目部分の遊間量を測定するものであり、
    前記レール遊間測定方法は、更に、
    (g)前記継目板の前記軌道の長さ方向における第1長さを示す第1情報を用意するステップ、
    を有し、
    前記(a)ステップでは、前記第1レール、前記第2レール、前記継目部分及び前記継目板を撮影し、前記第1レール、前記第2レール、前記継目部分及び前記継目板が撮影された第8画像を作成し、
    前記(f)ステップでは、前記第7画像の前記第4領域の前記軌道の長さ方向における前記第1レール側の第1端部と、前記第7画像の前記第4領域の前記軌道の長さ方向における前記第2レール側の第2端部と、の間の第1画素数を算出し、前記第8画像の前記継目板の前記軌道の長さ方向における前記第1レール側の第3端部と、前記第8画像の前記継目板の前記軌道の長さ方向における前記第2レール側の第4端部と、の間の第2画素数を算出し、前記第1画素数、前記第2画素数及び前記第1情報に基づいて、前記継目部分の遊間量を測定する、レール遊間測定方法。
  3. 請求項1又は2に記載のレール遊間測定方法において、
    前記(c)ステップでは、前記第1画像に対して第1閾値を用いて前記第1二値化処理を行うことにより、前記第3画像を作成し、前記第2画像に対して第2閾値を用いて前記第2二値化処理を行うことにより、前記第4画像を作成し、
    前記第1閾値及び前記第2閾値は、前記第5画像の前記第1領域が前記第1レール、前記第2レール及び前記継目部分を一体的に示し、且つ、前記第6画像の前記第3領域が前記第6画像の前記第2領域から離れるように、設定されている、レール遊間測定方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のレール遊間測定方法において、
    前記(a)ステップでは、前記第1レール及び前記第2レールが前記第1画像の縦方向に沿い、且つ、前記第1画像の横方向と交差するように、前記第1画像を作成し、
    前記(d)ステップでは、前記第4画像の横方向の第1幅に対する前記第1領域の横方向の第2幅の第1幅比が第3閾値以下であり、且つ、前記第4画像の縦方向の第2長さに対する前記第1領域の縦方向の第3長さの第1長さ比が第4閾値以上であるときに、前記第1領域が抽出された前記第5画像を作成する、レール遊間測定方法。
  5. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のレール遊間測定方法において、
    前記(a)ステップでは、前記第1レール及び前記第2レールが前記第1画像の縦方向に沿い、且つ、前記第1画像の横方向と交差するように、前記第1画像を作成し、
    前記(b)ステップでは、前記第1画像に対して、前記第1画像の縦方向に配列されたn個(nは3以上の奇数)の画素よりなるカーネルを有するn×1ガウシアンフィルタを用いて、前記軌道の長さ方向の平滑化処理を行うことにより、前記第2画像を作成する、レール遊間測定方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のレール遊間測定方法において、
    前記(e)ステップは、
    (e1)前記第5画像と前記第6画像との差分又は排他的論理和を算出することにより、第9画像を作成するステップ、
    (e2)前記第9画像に対して第2ラベリング処理を行うことにより、前記継目部分を示す前記第4領域が抽出された前記第7画像を作成するステップ、
    を含む、レール遊間測定方法。

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