JP7100398B1 - 露光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワークの露光面のうち極小化されて限定された領域以外の大部分の領域において、一の光源のみからのビーム状の光で露光させることができ、かつ、単一の光源がカバーする照射可能範囲よりも大きな範囲に対して露光光を照射することができる露光装置を提供する。【解決手段】露光装置1は、照射可能範囲の一部が互いにオーバーラップするような位置関係で配置された複数の光源10a,10bと、隣り合う2つの光源10a,10bによる照射可能範囲が互いにオーバーラップするオーバーラップ領域の内側であって、露光面68からみて光源10a,10bが配置された側に配置された仕切り部材20と備える。仕切り部材20の第1側壁21により一方の光源10aからの照射光RLaが第2側壁22の側へ進行するのを遮断し、第2側壁22により他方の光源10bからの照射光RLbが第1側壁21の側へ進行するのを遮断するようになっている。【選択図】図1

Description

本発明は、露光装置に関する。
UV硬化樹脂等の感光材料(例えばドライフィルムレジスト)が表面側に配されているワークに対しフォトマスクを介してUV光を照射し、ワークの表面にマスクパターンを露光する露光装置が知られている。露光にあたっては、フォトマスクの主面上のどの部位においても垂直に露光光が照射されることが望ましい。そのため、図10に示すように、コリメート手段900を用いて光源10から出射したビーム状の光BLを平行光PLに変換し、かかる平行光PLを露光光としてフォトマスク50及びワーク60に照射することが行われている。
なお、コリメート手段900の例としてはコリメーション・ミラー910などがある。以下、説明を簡便にするためコリメート手段900のことを単に「コリメーション・ミラー」又は「ミラー」ということがある
近年、市場の要請により大判ワークに露光を行いたい場合がある。すなわち一般的なコリメーション・ミラーがカバーできる照射可能範囲よりも遥かに大きいサイズのワークに対し一括的に露光を行いたい場合がある。ただ、これを実現しようとする場合においては以下のような課題を有している。
(1)大判ワークに露光を行うため、一般的なサイズのコリメーション・ミラーよりも大型のコリメーション・ミラーを用いることも検討できる(図示を省略)。しかし、大型のミラーをフォトマスク上方に配置することからミラーを支えるための大掛かりな構造体が必要となる。また、コリメーション・ミラー自体のコストや前述した構造体のコストも通常より上乗せされてしまう。
(2)また、図11に示すように、一般的なサイズのコリメーション・ミラー910を複数個並べて配置することにより、単一のコリメーション・ミラー910がカバーできる照射可能範囲よりも大きな照射範囲を得ようとする構成も検討できる。しかし、このような試みをすると、図11の矢印Uで示した位置でミラー同士が干渉してしまう。
(3)さらに、コリメーション・ミラーを省略した構成で露光を行う方式も提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1の図1に記載された露光装置においては(図示は省略)、3つの光源3a,3b,3cが方向Bに沿って並べられ、隣り合う光源から照射された露光光の照射領域の少なくとも一部が重複(オーバーラップ)するように配置されている。そして、フォトマスクにおける透光部の基板搬送方向の長さは、照射領域の重複した部分を踏まえながら、透光部を介して露光される露光対象部分の方向の全幅に渡って露光量が等しくなるように決定されている《特許文献1の図1(a)~図1(e),[0009]~[0014]段落等参照》。
特許文献1に記載された露光装置によれば、照射領域の重複した部分の露光光の照度ムラを手当てしながらも、単一の光源がカバーする照射可能範囲よりも大きな範囲に対して露光光を照射することができる。
特開2013-73073号公報
しかしながら、特許文献1に記載された露光装置においては、重複領域(オーバーラップ領域X)に2つの光源3a、3bによる露光光が入光することから、オーバーラップ領域Xにおける露光面では重畳的にマスクパターンが露光してしまい、意図したパターンで露光できない場合がある(重畳的な露光・複数のマスクパターンの結像の問題)。
図12は、特許文献1に記載された3つの光源3a,3b,3cが並んだ構成に対し、本明細書における説明のためにフォトマスク50及びワーク60を追記した「更に別の従来の露光装置92」の模式図である。図12(a)は露光する際の様子を示す断面図であり、図12(b)は図12(a)の破線Vで囲まれた領域を拡大した要部拡大断面図である。フォトマスク50及びワーク60の具体的な構成については後述するため、ここでの説明は省略する。
図12を参照しながら説明を再開すると、本来、露光面68には、図面左から開口OPaによる露光、マスクMK1による遮光、開口OPbによる露光、マスクMK2による遮光の順番でパターニングされることが期待される。しかし、この露光装置92においては、2つの光源3a,3bからの光が2方向から入光することから、R1で示す領域では、開口OPaを窓とした光源3aによる露光パターンと、開口OPbを窓とした光源3bによる露光パターンとが重畳的に露光してしまう。また、領域R1の右の領域R2では、マスクMK1による光源3aからの露光光の遮光とマスクMK2による光源3bからの露光光の遮光とが重畳してしまう(2つの光源によるそれぞれの影が重畳してしまう)。したがって、この場合においてはフォトマスクが有しているマスクパターンの通りのパターンには露光できない。
そこで、本発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、ワークの露光面のうち極小化されて限定された領域以外の大部分の領域において、一の光源のみからのビーム状の光で露光させることができ、かつ、単一の光源がカバーする照射可能範囲よりも大きな範囲に対して露光光を照射することができる露光装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、光源とワークとの間に配置されるフォトマスクで当該ワークの露光面にマスクパターンを露光する露光装置が提供される。
この露光装置は、それぞれの照射可能範囲の一部が互いにオーバーラップするような位置関係で配置された複数の光源を備える。第1側壁と該第1側壁と反対側の第2側壁とを有し、隣り合う2つの光源による照射可能範囲が互いにオーバーラップするオーバーラップ領域の内側であって、露光面からみて光源が配置された側に配置された仕切り部材を更に備える。そして、仕切り部材の第1側壁により一方の光源からの照射光が第2側壁の側へ進行するのを遮断し、仕切り部材の第2側壁により他方の光源からの照射光が第1側壁の側へ進行するのを遮断するように構成されている。
本発明の露光装置によれば、ワークの露光面のうち極小化されて限定された領域以外の大部分の領域において、一の光源のみからのビーム状の光で露光させることができ、かつ、単一の光源がカバーする照射可能範囲よりも大きな範囲に対して露光光を照射することができる。
実施形態1に係る露光装置1を説明するために示す図である。 光源10a,10bのそれぞれによる照射可能範囲RAについて説明するための図である。 仕切り部材20の厚さtと、ビーム状の光の入射角θ,仕切り部材20の端面23と露光面68との間隔Dとの関係を示す図である。 実施形態1に係る露光装置1の作用・効果について説明するための図である。 実施形態1に係る露光装置1の作用・効果について説明するための図である。 サブ・パターン56が繰り返し配列しているマスクパターン58を用いて露光を行う場合の一例を示す図である。 実施形態2の仕切り部材20のバリエーションを説明するための図である。 実施形態3に係る露光装置3を説明するために示す図である。 実施形態4に係る露光装置4を説明するために示す図である。 従来の露光装置90を説明するために示す図である。 コリメーション・ミラー910を複数個並べて配置して別の従来の露光装置91を構成しようとした場合を示す図である。 特許文献1に記載された3つの光源3a,3b,3cが並んだ構成に対しフォトマスク50及びワーク60を追記した「更に別の従来の露光装置92」の模式図である。
以下、本発明に係る露光装置について図を参照しながら説明する。なお、各図に共通する符号については当該符号について既に説明した内容を他の図の説明においても援用できることから、他の図における説明を省略する。また、各図面は一例を示した模式図であり必ずしも実際の寸法、比率等を厳密に反映したものではない。また、図においてBL,RL,RFL,PLとの符号を付した矢印は、進行する光の一部を例示的に説明するために表記したものである。矢印の方向は光の進行方向を示し、矢印の太さは光の強さを説明するための便宜的なものである
[実施形態1]
1.実施形態1に係る露光装置1の構成
(1)全体構成
図1は、実施形態1に係る露光装置1を説明するために示す図である。図1(a)は露光装置1の断面を正面側から視たときの図であり、図の右側に示した図は破線Eで囲まれた領域を拡大した要部断面図である。図1(b)は、それぞれの光源10a,10bに対応した照射可能範囲が合成されて、全体としての照射可能範囲が拡げられた様子を示す平面図である。図1(c)は、図1(a)に対応した図で、仕切り部材20付近の照射光RLa,RLbの遮断を説明するための図である。
図1(a)に示すように、実施形態1に係る露光装置1は、複数の光源10a,10b及び仕切り部材20を備え、光源10a,10bとワーク60との間に配置されるフォトマスク50で当該ワーク60の露光面68にマスクパターンを露光する露光装置である。
ワーク60は、露光装置1による照射光RL(露光光)を受ける部材(被露光部材)であり、フォトマスク50のマスクパターンに対応したパターンで露光をする目的のものであれば如何なるものであってもよい。実施形態1ではプリント基板の原材をワーク60の一例として説明をする。一例としてのワーク60は、図1(a)の右側の要部断面図に示すように、基材66(ポリミイドなどの材)及びその上に積層された導電材64(銅などの材)を有する基部63と、基部63の上に積層された感光材62と、からなっている。このとき、感光材62の上側の表面が露光面68になる。感光材62は、例えばUV硬化樹脂等の感光材料でなるドライフィルムレジストで構成してもよい。
フォトマスク50は、一方の面から光を照射したときに、他方の面から、マスクパターンに倣って選択的に一部の光が透過又は通過するように構成されているものであれば如何なるものであってもよい。ここでは、図1(a)に示すように透明な平板(ガラス板52)にマスクパターンが印刷された(パターン印刷部54)もので構成している。本明細書では、パターン印刷部54のことを、光を遮光する部分という意味で「マスクMK」といい、パターン印刷部54と別のパターン印刷部54とに挟まれた部分で光を透過する部分を「開口OP」という。
(2)光源10a,10b
図2は、光源10a,10bのそれぞれによる照射可能範囲RAについて説明するための図である。図2(a)は光源10a,10bからビーム状の光BL(照射光RL)が露光面68に向けて照射されるときの様子を正面から視たときの図である。図2(b)は露光面68に照射された光の照度分布を表すシミュレーション結果の一例を示す図である。なお、照射可能範囲RAについては、光源10aに対応する照射可能範囲を「照射可能範囲RAa」と表記する場合もあり、また、光源10bに対応する照射可能範囲を「照射可能範囲RAb」と表記する場合もある。
本明細書において、所定の位置関係で配置された光源10a,10b(図1等を参照。詳細は後述)のそれぞれの投光面12の中心を結ぶ方向をx方向とし、露光面68と平行な面上にありx方向に垂直な方向をy方向とし、x方向及びy方向に垂直な方向であって露光面68から光源10a,10bに向かう方向をz方向とする。便宜上、露光装置1をy方向に沿って視ることを「正面」視とし、光源10a,10bが配置された方を「上方」又は「上」とし、露光面68が配置された方を「下方」又は「下」とし、z方向に沿って露光面68の方を視たときの面を「平面」とする。
光源10a,10bは、対象物に照射する光(照射光RL)を発する装置である。照射光RLは光源10a,10bの投光面12の側から発せられるようになっている。投光面12はある程度の面積を有していてもよいし、凡そ点であってもよい。投光面12と露光面68との距離が投光面12の面積や幅に対して十分大きい場合には投光面12は凡そ点として考えることもできる。
図1(a)及び図2(a)に示すように、光源10a,10bが発する照射光RLは、投光面12から露光面68の側(ワーク60の側)に向かって幅が拡がりながら進む略ビーム状の光となっている。このような光を本明細書では「ビーム状の光BL」というものとする。光源10a、10bは、原則としてビーム状の光BLの中心(光軸L0)が露光面68に対し垂直になるようにその姿勢が設定される。
ビーム状の光BLが露光面68と同じレベル(同じ距離)にある平面に当たると、例えば図2(b)のような照度分布となる。露光面68の中寄りをx方向に沿ってJ-J線上を辿ってみていくと、周辺から中央寄りにかけてグラデーションとなって徐々に色の濃さが変化しており、これに伴うようにして照度も周辺から中央寄りにかけて段階的に高くなるような分布を呈している。y方向に沿ってみたときにも同様の照度分布を呈している。
(3)照射可能範囲RA
どの範囲までを照射可能範囲RAとするかは定義や装置の使い方にも依るが、「照射可能範囲RA」は光源から十分に広い平面に対して光を照射したときに、当該平面上で露光に利用可能な光(光の束)が照射される平面上の範囲をいうものとする。照射可能範囲RAは、光源がもつ能力としてのビーム角によっても変わる。ここでは、図2(b)のJ-J線でいうところの座標x1又は-x1の位置の照度と同じ照度の箇所を連続的に繋げた線(いわば等照度線)の内側の領域を仮に「照射可能範囲RA」として説明を続ける。
なお、単一の光源(符号10a又は10b)だけでは、図2(b)の符号RAに示す比較的狭い範囲でしか光を照射することができず、露光可能な範囲もこの狭い照射可能範囲RAの範囲内ということになる。
(4)照射可能範囲RA同士の連結
隣り合う2つの光源10a,10bを、図2の矢印A及び矢印Bで示すように互いに接近させると、それぞれの光源に対応した照射可能範囲RAの一部同士が互いにオーバーラップすることとなる。
実施形態1の露光装置1では、それぞれの照射可能範囲RAの一部が互いにオーバーラップするような位置関係で光源10a、10bが複数個配置された構成を採っている《図1(a)参照》。隣り合う2つの光源10a,10bをこのような配置にすると、光源10aに対応した照射可能範囲RAaと光源10bに対応した照射可能範囲RAbとが連結され、全体としての照射可能範囲が拡げられる《図1(b)参照》。その結果、全体としての露光可能な範囲も単一の光源による場合に比べて拡げられる。
参考までに光源10a,10bはx方向に沿って配置される。光源10a及び光源10bは、互いに同じスペックのものであるとき、z方向の位置が同じ高さになるよう設定し、光軸L0が露光面68に対し垂直になるようそれぞれ設定することが好ましい。
なお、ここでの「それぞれの照射可能範囲RAの一部が互いにオーバーラップするような位置関係で・・配置する」とは、後述する仕切り部材20が無かったとした場合に照射可能範囲RAがオーバーラップするような位置関係で光源を配置するという意味である。
(5)仕切り部材20
仕切り部材20は、第1側壁21と該第1側壁21と反対側の第2側壁22とを有し、第1側壁21の側と第2側壁22の側との間の照射光RLa、RLbの行き来を遮断できるものからなっている。仕切り部材20はシャッター、遮光部材などと言い換えることもできる。
仕切り部材20の形状は、実施形態1の所期の作用・効果を奏するものであれば如何なる形状であってもよい。つまり、第1側壁21及び第2側壁22は平面であってもよいし、曲面であってもよいし、段差を有していてもよい。ここでは、第1側壁21及び第2側壁22が略平面となっている板状の仕切り部材20(仕切り板29)を取り上げて説明を続ける。
仕切り部材20は、隣り合う2つの光源10a,10bによる照射可能範囲RAa,RAbが互いにオーバーラップするオーバーラップ領域Xの内側であって《図1(b)参照》、露光面68からみて光源10a,10bが配置された側、つまり上方に配置されている《図1(a)参照》。
露光装置1は、仕切り部材20の第1側壁21により一方の光源10aからの照射光RLaが第2側壁22の側へ進行するのを遮断し、仕切り部材20の第2側壁22により他方の光源10bからの照射光RLbが第1側壁21の側へ進行するのを遮断するように構成されている《図1(c)参照》。
仕切り部材20を、照射可能範囲RAa、RAbにおけるどの位置に相対的に配置するかについて、換言すると双方の照射可能範囲RAa及び照射可能範囲RAbのどの位置で照射可能範囲を連結するかについては、露光装置1に要求される露光スペックに応じて適宜に設定することができる。
1つの実施形態としては、仕切り部材20は、隣り合う2つの光源10a,10bによるそれぞれの照射光の照度の変化が、それぞれの照射可能範囲RAa、RAbにおいてそれぞれ所定の許容範囲内となっている位置、又は、隣り合う2つの光源10a,10bによるそれぞれの照射光の照度の値が、それぞれの照射可能範囲RAa,RAbにおいてそれぞれ凡そ飽和している位置に配置されていることが好ましい。換言すると、仕切り部材20は、周囲との関係で照度が実用上凡そ一定となっている位置に配置されていることが好ましい。
例えば、図2(b)のJ-J線に沿ってみたときに、当該J-J線に沿った照度の値は、-x3,x3よりもそれぞれ中寄りにおいては、照度が実用上凡そ一定となっているため、-x3,x3よりもそれぞれ中寄りの位置に仕切り部材20を配置することが好ましい。
なお、上述した「所定の許容範囲内となっている位置」というのは、周囲と比較して照度が殆ど変化しない位置、又は、照度の変化量が0に近い位置などのように照度の変化が実用上許容できる許容範囲に入っている位置ということができる。
ところで、ここでの「オーバーラップ領域X」とは、仕切り部材20が無かったとした場合に照射可能範囲RAa,RAbが互いにオーバーラップしたときに形成される領域Xのことをいう。同様に、「照度の変化が、それぞれの照射可能範囲RAa、RAbにおいてそれぞれ所定の許容範囲内となっている位置」、又は、「照度の値が、それぞれの照射可能範囲RAa,RAbにおいてそれぞれ凡そ飽和している位置」というのも、照射可能範囲RAa,RAbを連結する前に、光源10a,10bの単独で照射した場合の照射可能範囲RAa,RAbの照射分布における各位置をいうものとする。
(6)仕切り部材20の厚さtの最適化
図3は、図1(a)の破線Fで囲まれた領域を拡大した要部断面図であり、仕切り部材20の厚さtと、ビーム状の光の入射角θ,仕切り部材20の端面23と露光面68との間隔Dとの関係を示す図である。
図3に示すように、仕切り部材20の厚さtは、仕切り部材20の端面23の頂部23aと光源10a又は10bとの間を結んだ仮想線71が露光面68に垂直な方向に対してなす角θと、仕切り部材20の端面23と露光面68との間隔Dにより、最適な値に決定される。
つまり、露光面68に垂直な仮想平面であって隣り合う2つの光源10a,10bの中心をそれぞれ含む仮想平面で仕切り部材20を切断してみたときに、仕切り部材20の厚さtは、仕切り部材20の端面23の頂部23aと光源10a又は10bとの間を結んだ仮想線71が露光面68に垂直な方向に対してなす角θと、仕切り部材20の端面23と露光面68との間隔Dと、に基づいて設定されていることが好ましい。
例えば図3のように、t=Dtanθの関係を満たすように厚さtが設定されていてもよい。このとき、露光面68上の照射光RLa及び照射光RLbがオーバーラップする実質的なオーバーラップ領域Xactの幅wと、仕切り部材20の厚さtとは等しくなる。ここで、実質的なオーバーラップ領域Xactは、露光面68上でのオーバーラップ領域Xactということができ、また、極小化されて限定された領域Xactということもできる。
なお、ここでの「仕切り部材20の厚さt」は、仕切り部材20を露光面68及びフォトマスク50の上方に配置して、露光面68に垂直な平面であって隣り合う2つの光源10a,10bの中心をそれぞれ含む平面で仕切り部材を切断したときの、仕切り部材20の端面23(マスクに面した端面)近傍の厚みのことをいうものとする。換言するとここでの仕切り部材20の厚さtは端面23の幅でもある。
参考までに、θは、仕切り部材20が平板の場合には第1側壁21又は第2側壁22に対するビーム状の光BLa、BLbの入射角と概略等しくなる。
2.実施形態1に係る露光装置1の作用・効果
図4は、図1(a)及び図1(b)に対応した図であり、実施形態1に係る露光装置1の作用・効果について説明するための図である。図5は、図3に対応した図であり、実施形態1に係る露光装置1の作用・効果について説明するための図である。図において光源10a,10bの表示は省略している。図6は、サブ・パターン56が繰り返し配列しているマスクパターン58を用いて露光を行う場合の一例を示す図である。図6(a)はフォトマスク50の平面図、図6(b)はサブ・パターン56が露光面68に転写される様子を示す模式的な断面図、図6(c)はワーク60に露光された露光パターン59の平面図である。
(1)実施形態1に係る露光装置1では、それぞれの照射可能範囲RAa、RAbの一部が互いにオーバーラップするような位置関係で複数の光源10a,10bが配置されていることから、一方の光源10aによる照射可能範囲RAaと他方の光源10bによる照射可能範囲RAbとが連結されて全体としての照射可能範囲RAsumが拡げられる(図4参照)。したがって、単一の光源がカバーする照射可能範囲よりも大きな範囲に対して照射光を照射することができる。
そうすると、例えば、従来、単一の光源では平面視で最大500mm×600mmサイズのワークしか露光できなかったところ、500mm×1200mmサイズの大判ワークに対しても一括的に露光できるようになる。
また、露光装置1は、2つの光源10a,10bによる照射可能範囲RAa,RAbが互いにオーバーラップするオーバーラップ領域Xの内側であって、露光面からみて光源10a,10bが配置された側に配置された仕切り部材20を更に備えている。そして、仕切り部材20の第1側壁21により一方の光源10aからの照射光RLaが第2側壁22の側(隣の領域AR2)へ進行するのを遮断し、第2側壁22により他方の光源10bからの照射光RLbが第1側壁21の側(隣の領域AR1)へ進行するのを遮断するように構成されている(図4参照)。
そうすると、図5に示すように(図4も併せて参照)、露光面68では、極小化され限定された領域Xactにおいては一方の光源10aからの照射光RLaの一部と他方の光源10bからの照射光RLbの一部とがオーバーラップするようにして到達するが、その他の大部分の領域Yにおいては一の光源10a又は10bからの照射光RLa(ビーム状の光BLa)又はRLb(ビーム状の光BLb)のみが到達することとなる。
したがって、大部分の領域Yにおいては、いうなれば単一の光源からの直線状の光(ビーム状の光のみしか届かないため、露光面68に結像される露光パターン(影)は1通りとなり、特許文献1に記載された露光装置や図12で示す従来の露光装置92のような、2方向から露光光が入光することに起因する重畳的な露光を生じることがなく、フォトマスク50が有しているマスクパターンの通りに露光することができる。
なお、フォトマスク50が露光面68に相当程度接近しており、かつ、フォトマスク50からみた光源10a,10bまでの距離が、フォトマスク50及び露光面68の間の距離に比べて十分大きい場合には、光源10a,10bが厳密な平行光を照射しなくても(ビーム角の範囲内で放射状に広がるビーム状の光を照射することでも)、露光パターンの歪みを実用上問題ない水準で押さえ込みながら露光することができる。
一方、実質的なオーバーラップ領域Xactにおいては、上述した2方向から露光光が入光することに起因する重畳的な露光が生じる可能性はある。
しかしながら、このような領域Xactは、仕切り部材20の直下の領域に限定されるため、そのような特性をわきまえた露光計画を行えば十分に実用的な露光を実施することができる。すなわち、仕切り部材20の直下の領域のみにしか重畳的な露光の問題は生じないため、その他の大部分の領域Yについては安心して通常の露光を行うことができる。また、重畳的な露光についても、仕切り部材20の直下の領域にのみ対策を打つ又は注意を払えばよい。
例えば、図6(a)に示すようなサブ・パターン56が繰り返し配列しているマスクパターン58を用いて露光を行う場合には、図6(b)に示すようにサブ・パターン56が配置されていない領域(サブ・パターン56aと隣りのサブ・パターン56bとの間)の直上に仕切り部材20を配置すればよい。このような露光計画を行えば、図6(c)に示すように、重畳的な露光の問題はサブ・パターン56aに対応した露光パターン59aとサブ・パターン56bに対応した露光パターン59bとの間のマージナルな領域のみ生じることとなり、製品化する上で重要なサブ・パターン56に対応した各所の露光パターン59では重畳的な露光は生じない。
以上のとおり、実施形態1に係る露光装置1によれば、ワーク60の露光面68のうち極小化されて限定された領域(Xact)以外の大部分の領域において、一の光源(10a又は10b)のみからのビーム状の光(RLa又はRLb)で露光させることができ、かつ、単一の光源がカバーする照射可能範囲よりも大きな範囲RAsumに対して露光光を照射することができる。
(2)特許文献1に記載された露光装置や図12に示す露光装置92においては、単一光源による照射可能範囲のどの部分で隣りの光源の照射可能範囲とオーバーラップさせるかという問題は、大変繊細で高度な技術が必要とされていた。
すなわち、図2(b)の如く周辺付近では徐々に照度が変化していることを踏まえながら、互いの照射光をオーバーラップ(合成)させたときに合成部付近で照度ムラが起きないように、オーバーラップ領域Xにおける照度が非オーバーラップ領域Yにおける照度と同じになるようシミュレーションでオーバーラップ位置を算出する必要がある。さらにその算出結果に基づいて隣り合う光源を互いに位置合わせ(アライメント)する必要がある。この位置合わせは、マージンのないピンポイントの位置合わせであり殆ど誤差が許されないものであるため、極めて高度なアライメント技術が必要となる。
その一方で実施形態1では、仕切り部材20は、隣り合う2つの光源10a,10bによるそれぞれの照射光の照度の変化が、それぞれの照射可能範囲RAa、RAbにおいてそれぞれ所定の許容範囲内となっている位置、又は、隣り合う2つの光源10a,10bによるそれぞれの照射光の照度の値が、それぞれの照射可能範囲RAa,RAbにおいてそれぞれ凡そ飽和している位置に配置されている。つまり、そのような位置で隣り合う光源による照射可能範囲RAを連結している。
ここで、照射光の照度の変化が、それぞれの照射可能範囲RAa、RAbにおいてそれぞれ所定の許容範囲内となっている位置、又は、照射光の照度の値が、それぞれの照射可能範囲RAa,RAbにおいてそれぞれ凡そ飽和している位置《例えば図2(b)のJ-J線上では-x3,x3のような位置》は、いわば前後左右の照度が安定している位置であるため、特許文献1に記載された露光装置や図12に示した更に別の従来の露光装置92のような高度なシミュレーションや光源の高度な位置合わせを行う必要がなく、簡便ながらも確実に照度ムラを抑えることができる。
(3)実施形態1に係る露光装置1では、仕切り部材20の厚さtは、仕切り部材20の端面23の頂部23aと光源10a,10bとの間を結んだ仮想線71が露光面68に垂直な方向に対してなす角θと、仕切り部材20の端面23と露光面68との間隔Dと、に基づいて設定されている。
図3からも理解できるように、厚さtを小さくすると実質的なオーバーラップ領域Xactが大きくなる。逆に厚さtを大きくし過ぎると実質的なオーバーラップ領域Xact域における照度が不足するという事情は考慮する必要がある。
間隔Dについては、仕切り部材20の端面23がフォトマスク50に接しているときにはフォトマスク50の厚みとほぼ同じになる。間隔Dは、露光にはフォトマスク50が必ず嵌挿されるためフォトマスク50の厚みよりも小さくすることはできない。
入射角θについては、光源10a,10bのビーム角や、光源10a,10bからの距離等によって変動するが、光源のアライメントは比較的繊細かつ高度な作業となるため、一旦装置化すると入射角θは、ある程度固定化されてしまう。
以上の事情を踏まえると、仕切り部材20の厚さtは、諸々のパラメータの中でも比較的変更し易い。こうしたことから、実施形態1に係る露光装置1のように、間隔D及び入射角θに基づいて仕切り部材20の厚さtを適切に設定することで比較的簡易に露光条件の最適化を図ることができる。
また、仕切り部材20の厚さtと間隔D及び入射角θとを、t=Dtanθを満たす関係にすることで、仕切り部材20直下の実質的なオーバーラップ領域Xactの照度が、非オーバーラップ領域Yにおける照度と、概略同じにすることができる。
また、実質的なオーバーラップ領域Xactの幅wは、仕切り部材20の厚さtと概略同じになることから、仕切り部材20の厚さtの直下のマスクパターン分だけを切り捨てパターンとしておく(マージンを取っておく)ようにフォトマスク50と仕切り部材20との関係を設定すればよく、露光計画が簡便化される。
[実施形態2]
図7は、実施形態2の仕切り部材20のバリエーションを説明するための図である。各図は各仕切り部材20を正面側から視たときの断面図である。なお、図7においては、仕切り部材20における第2側壁22側の照射光の状態が図示されているが、第1側壁21側についても同様である。
実施形態2に係る露光装置2(図示を省略)は基本的には実施形態1に係る露光装置1と同様の構成を有するが、仕切り部材20の具体的な構成において実施形態1に係る露光装置1とは異なる。
すなわち、実施形態2の仕切り部材20の第1側壁21及び第2側壁22は、図7(a)で示すように吸光性を有する材で形成されていてもよい。吸光性を有する材は、照射光RLa,RLbのピーク波長を中心に吸収するような材料であることが好ましい。
もし、第1側壁21及び第2側壁22の材が、照射光を反射し易く且つ鏡面状になっていたとしたら、入射角θで入射した照射光RLa,RLbは第1側壁21又は第2側壁22で下方に反射してフォトマスク50及び露光面68に斜めに向かう指向性を持った光として進行する可能性がある。そうすると、非オーバーラップ領域Yにおいても、単一の光源10a又は10bからのビーム状の光BLa又はBLbに加えて上記した反射光も入光することになり、通常は実用上問題にはならないが、場合によっては重畳的な露光の問題が顕在化することも考えられる。
ここで仕切り部材20の第1側壁21及び第2側壁22を、吸光性を有する材で形成することにより、光源10a,10bから発せられた照射光RLa,RLbが第1側壁21及び第2側壁22に当たったとき、照射光が壁の内部で吸収されるため、上記した指向性の高い反射光の発生を抑制することができ、非オーバーラップ領域Yにおける重畳的な露光の発生をより確実に抑えることができる。
また、実施形態2の仕切り部材20の第1側壁21及び第2側壁22は、図7(b)で示すように散乱性を有する材で形成されていてもよい。このように形成することにより、光源10a,10bから発せられた照射光RLa,RLbが第1側壁21及び第2側壁22に当たったとき、露光面68の側の下方に限らず多くの方向にランダムに微小な光として散乱するため、上記した指向性の高い反射光の発生を抑制することができ、非オーバーラップ領域Yにおける重畳的な露光の発生をより確実に抑えることができる。
さらに、実施形態2の仕切り部材20の第1側壁21a,21b及び第2側壁22a,22bは、図7(c)及び図7(d)で示すように入射した照射光RLが反射したときに、反射した光が露光面68から遠ざかる方向(z方向のみに着目すると上方)に反射するように形成されていてもよい。このように形成することにより、光源10a,10bから発せられた照射光RLa,RLbが第1側壁21a,21b及び第2側壁22a,22bに当たったとき、反射光が露光面68から遠ざかる方向(z方向のみに着目すると上方)に進行することとなり、オーバーラップ領域Yにおける重畳的な露光の発生をより確実に抑えることができる。
実施形態2に係る露光装置2(図示なし)は、仕切り部材20の具体的な構成以外の点においては、実施形態1に係る露光装置1と基本的に同様の構成を有する。そのため、実施形態1に係る露光装置1が有する効果のうち該当する効果を同様に有する。
[実施形態3]
図8は、実施形態3に係る露光装置3を説明するために示す図である。図8(a)は露光装置3の断面を正面側から視たときの図である。図8(b)は仕切り部材20がフォトマスク50に接触していないときの図であり、図8(c)は仕切り部材20が仕切り部材押下手段30でフォトマスク50に向けて押下されているときの図である。
実施形態3に係る露光装置3は基本的には実施形態1に係る露光装置1及び実施形態2に係る露光装置2(図示を省略)と同様の構成を有するが、仕切り部材押下手段30を更に備える点で実施形態1に係る露光装置1及び実施形態2に係る露光装置2とは異なる。
すなわち図8(a)の符号30で示すように、実施形態3に係る露光装置3は仕切り部材20をフォトマスク50に向けて押下する仕切り部材押下手段30を更に備えている。仕切り部材押下手段30は、実施形態3に係る露光装置3の作用・効果を奏する限りにおいて如何なる手段を適用してもよいが、例えば仕切り部材20に接続されたエアシリンダ,電磁ソレノイド,ボールねじ及びサーボモータ等の手段を適宜採用することができる。
(1)上記したように、実施形態1に係る露光装置1及び実施形態2に係る露光装置2は、フォトマスク50のパターン印刷部54がワーク60の露光面68から離間した状態であっても、適切な露光計画を行うことで実用的な露光ができることを述べた。
ただし、マスク50と仕切り部材20との位置関係によっては不具合が生じる可能性もある。例えば図8(b)に示すような場合では、露光面68において、マスクMK1の影、OP1の露光、マスクMK2の影、OP2の露光という順で露光パターンが反映されることが期待されるところ、実際には、実質的なオーバーラップ領域Xactにおいて図面左側からの照射光RLa及び図面右側からの照射光RLbが双方から入光するため、露光面68ではマスクMK2の影がかき消されることとなり、意図したパターンでの露光が実現できない。
一方で実施形態3に係る露光装置3によれば、このようなマスク50と仕切り部材20との位置関係であったとしても、仕切り部材押下手段30で仕切り部材20を矢印z’方向に押下してフォトマスク50を露光面68に密着することができるため、露光面68ではMK1の影、OP1の露光、マスクMK2の影、OP2の露光という順による意図したパターンで露光を実現できる《図8(c)参照》。
(2)上記した事情もあり、一般にフォトマスク50はワーク60の露光面68に出来るだけ密着していることが望ましい。そのため、ワーク60とフォトマスク50間の空間の空気を排気して(真空引き)フォトマスク50全体をワーク60に密着させる排気ステップを実施することがある。しかし、大判のワーク・大判のフォトマスクを扱う場合、空気を排気するのに長時間掛かる割に部分的にフォトマスクが浮くなどして、仕切り部材20直下においても不揃い・不安定な状態になる可能性がある。そうした場合には、真空引きをする所期の目的を達成できない。
一方で、実施形態3に係る露光装置3によれば、仕切り部材押下手段30で仕切り部材20をフォトマスク50に向けて押下することにより、仕切り部材20の端面23がフォトマスク50の上面に当接し、更にフォトマスク50がワーク60に向けて押圧されることとなり、仕切り部材20直下の実質的なオーバーラップ領域Xact付近においてフォトマスク50を露光面68に重点的かつ確実に密着させることができる。
さらに、露光装置3によれば、空気を排気する場合(排気ステップ)ほど時間を必要としないためサイクルタイムの短縮にも貢献できる。
(3)実施形態3に係る露光装置3によれば、仕切り部材20の端面23と露光面68との間隔を最小の間隔D2とすることができ、重畳的な露光が生じうる実質的なオーバーラップ領域Xactの幅wも確実に最小にすることができる。
例えば、仕切り部材20がフォトマスク50に接触していない場合においては、図8(b)に示すように、仕切り部材20の端面23と露光面68との間隔は「D1」であり、実質的なオーバーラップ領域Xactの幅wは「w1」である。一方、仕切り部材20がフォトマスク50を押下げて、フォトマスク50を露光面68に密着させた場合においては、図8(c)に示すように、仕切り部材20の端面23と露光面68との間隔は「D2」であり、実質的なオーバーラップ領域Xactの幅wは「w1」よりも小さい「w2」となる。すなわち、フォトマスク50を露光面68に密着させた場合においては、仕切り部材20の端面23と露光面68との間隔を最小の間隔D2とすることができ、実質的なオーバーラップ領域Xactの幅wも確実に最小の間隔w2とすることができる。
また、仕切り部材押下げ手段30を駆動させれば仕切り部材20を介してフォトマスク50が広い範囲で確実にワーク60の露光面68に密着することになり、従来の露光装置のような平行光PLを用いずともビーム状の光BLであったとしても、従来の露光装置と同様の高い解像度による露光を実現できる。
(4)実施形態3に係る露光装置3によれば、仕切り部材押下手段30を駆動させることにより、フォトマスク50と露光面68との間隔を、フォトマスク50の厚みで高精度に規定することができる。
なお、実施形態3に係る露光装置3を用いると、次のような方法で露光することができる。先ずワーク60の上にフォトマスク50を配置するフォトマスク配置ステップを実施する。その後、仕切り部材押下手段30を駆動させて仕切り部材20をフォトマスク50に向けて押下する仕切り部材押下ステップを実施する。その後、光源10a,10bから光を照射して実際の露光を行う露光光照射ステップを実施する。その後、仕切り部材押下手段30を開放してフォトマスク50及びワーク60に掛かった押圧力を開放する押圧力開放ステップを実施する。その後、フォトマスク50の退避等の後工程ステップを実施する。なお、フォトマスク配置ステップと仕切り部材押下ステップの間に、ワーク60とフォトマスク50間の空間の空気を排気してフォトマスク50全体をワーク60に密着させる排気ステップを実施してもよい。
実施形態3に係る露光装置3は仕切り部材押下手段30以外の点においては、実施形態1に係る露光装置1及び実施形態2に係る露光装置2と基本的に同様の構成を有する。そのため、実施形態1に係る露光装置1及び実施形態2に係る露光装置2が有する効果のうち該当する効果を同様に有する。
[実施形態4]
図9は、実施形態4に係る露光装置4を説明するために示す図である。図9において、上述した各実施形態の説明で用いた各図と同一部分には同一符号が付されている。実施形態4に係る露光装置4は、図9に示すように、仕切り部材20における露光面68の側の端部(仕切り部材20の端面23)と露光面68との間隔Dを調整可能とする間隔調整手段40を更に備えている。
すなわち、上述した実施形態3に係る露光装置3においては、仕切り部材押下手段30によって、仕切り部材20をフォトマスク50に向けて押下を可能とする構成としたが、実施形態4に係る露光装置4においては、間隔調整手段40を備え、当該間隔調整手段40によって、仕切り部材20と露光面68との間隔を調整可能とする。なお、以下の説明においては、「仕切り部材20における露光面68の側の端部(仕切り部材20の端面23)と露光面68との間隔D」を「仕切り部材20と露光面68との間隔D」というように簡略化した表記とする場合もある。
なお、間隔調整手段40は、仕切り部材20と露光面68との間隔Dを所定範囲で任意の間隔に設定できる機構であれば特に限定されるものではない。例えば、図示は省略するが、ボールねじ及びサーボモータなどを用いて、仕切り部材20を矢印z-z’方向(図9参照。)に往復動可能とする機構を例示できる。また、手動によって間隔を調整するような間隔調整手段であってもよい。この場合の間隔調整手段としては、例えば、仕切り部材20をガイドレールに沿ってスライドさせて、所定の位置で仕切り部材をネジなどの固定手段で固定させるといった機構を例示できる。
このような間隔調整手段40が備えられていることにより、仕切り部材20と露光面68との間隔Dを所定範囲で任意に調整することができる。それによって、露光面68上でのオーバーラップ領域(実質的なオーバーラップ領域)Xactの幅wを制御できる。例えば、仕切り部材20を矢印z’方向(露光面68に向かう方向)に移動させると、仕切り部材20と露光面68との間の間隔Dが小さくなり、露光面68上でのオーバーラップ領域Xactの幅wが小さくなる。また、仕切り部材20を矢印z方向(露光面68から離間する方向)に移動させることにより、仕切り部材20と露光面68との間の間隔が大きくなり、露光面68上でのオーバーラップ領域Xactの幅wが大きくなる。
このように、仕切り部材20と露光面68との間の間隔Dを調整可能とすることによって、露光面68上でのオーバーラップ領域の幅wを制御できるため、露光条件に応じた最適な露光を行うことができる。この場合、実施形態3に係る露光装置3と同様に、仕切り部材20をフォトマスク50に当接させた状態でさらに押し下げることもでき、それによって、前述した実施形態3に係る露光装置3と同様の露光を行うことができる。なお、前述した実施形態3に係る露光装置3に設けられている仕切り部材押下手段30は、仕切り部材20をフォトマスク50に向けて押下することにより、仕切り部材20の端面23と露光面68との間隔を調整できることから、仕切り部材押下手段30も実施形態4に係る露光装置4の間隔調整手段40といえるものである。
実施形態4に係る露光装置4は間隔調整手段40以外の点においては、実施形態1に係る露光装置1及び実施形態2に係る露光装置2と基本的に同様の構成を有する。そのため、実施形態1に係る露光装置1及び実施形態2に係る露光装置2が有する効果のうち該当する効果を同様に有する。
以上、本発明を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
(1)各実施形態においては、光源が2個並んだ態様を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、光源が直列に3個以上並んでいてもよいし、複数の光源がx方向に列をなし且つy方向に行をなすようにして行列状に並ぶようにして露光装置を構成してもよい。
(2)各実施形態において、仕切り部材20の形状は、矩形の平板状のものを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
仕切り部材20の形状は、単一の光源による照度分布《例えば図2(b)に示すような照度分布》を踏まえて設計された形状としてもよい。例えば、仕切り部材を入れるべき(照射可能範囲RAを連結する境界とすべき)箇所の照度が高い部分では、端面23がフォトマスク50により接近するようにして伸延し、照度が低い部分では端面23がフォトマスク50からより離れた位置となるような形状で仕切り部材20を構成してもよい。
そのような考え方で仕切り部材20を構成することにより、仕切り部材20は、矩形の平板状ではなく、視る面によって凹状であったり凸状であったりするよう構成することができる。
(3)各実施形態においては、フォトマスク50は透明な平板(ガラス板52)にマスクパターンが印刷されたもので構成されており、当該フォトマスク50がワーク60の露光面68とは別体として配置されている場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図示は省略するが、マスクパターンが印刷された薄いフィルム状のフォトマスクであってもよく、このようなフィルム状のフォトマスクがワーク60の露光面68に対して剥離可能に密着状態で添付されているものも本発明でいうフォトマスク50に含まれるものとする。また、ワーク60の露光面68にマスクパターンが剥離可能に添付されているものであってもよく、このようなものも本発明でいうフォトマスク50に含まれるものとする。
(4)各実施形態においては、図1などに示すように、露光面68が上向きとなるようにワーク60を水平に配置して、当該上向きとなっている露光面68に向けてビームが下方向に照射されるように光源(実施形態においては光源10a,10b)を配置する構成としたが、本発明これに限定されるものではない。
例えば、図示は省略するが、露光面68が下向きとなるようにワーク60を水平に配置して、当該下向きとなっている露光面68に向けてビームが上方向に照射されるように光源を配置する構成としてもよい。また、露光面68が横向きとなるようにワーク60を垂直に配置して、当該横向きとなっている露光面68に向けてビームが横方向(水平方向)に照射されるように光源を配置する構成としてもよい。また、ワーク60は傾斜を持たせて斜めに配置されていてもよい。この場合、光源はビームが斜めに配置されているワーク60の露光面68に適切に照射されるように配置すればよい。
1,2,3,90,91,92…露光装置、3a,3b,3c,10,10a,10b…光源、12…投光面、20…仕切り部材、21,21a,21b…第1側壁、22,22a,22b…第2、23…仕切り部材20の端面(仕切り部材20の端部)、23a…頂部、29…仕切り板、30…仕切り部材押下手段、40…間隔調整手段、50…フォトマスク、52…ガラス板、54…パターン印刷部、56,56a,56b…サブ・パターン、58…マスクパターン、59,59a,59b…露光パターン、60…ワーク、62…感光材、63…基部、64…導電材、66…基材、68…露光面、71…仮想線,900…コリメート手段、910…コリメーション・ミラー、BL,BLa,BLb…ビーム状の光、MK,MK1,MK2…マスク、OP,OPa,OPb…開口、PL…平行光、RA,RAa,RAb…単一の光源による照射可能範囲、RAsum…結合された全体としての照射可能範囲、RL,RLa,RLb…照射光、X…オーバーラップ領域、Xact…実質的なオーバーラップ領域(極小化されて限定された領域)、Y…非オーバーラップ領域

Claims (2)

  1. 光源とワークとの間に配置されるフォトマスクで当該ワークの露光面にマスクパターンを露光する露光装置であって、
    それぞれの照射可能範囲の一部が互いにオーバーラップするような位置関係で配置された複数の前記光源を備え、
    第1側壁と該第1側壁と反対側の第2側壁とを有し、隣り合う2つの前記光源による前記照射可能範囲が互いにオーバーラップするオーバーラップ領域の内側であって、前記露光面からみて前記光源が配置された側に配置された仕切り部材を更に備え、
    前記仕切り部材の前記第1側壁により一方の前記光源からの照射光が前記第2側壁の側へ進行するのを遮断し、前記仕切り部材の前記第2側壁により他方の前記光源からの照射光が前記第1側壁の側へ進行するのを遮断するように構成され
    前記仕切り部材における前記露光面の側の端部と前記露光面との間隔を調整可能とする間隔調整手段を更に備えたことを特徴とする露光装置。
  2. 請求項1に記載の露光装置において、
    前記第1側壁及び前記第2側壁は、
    吸光性を有する材で形成されている、
    又は、散乱性を有する材で形成されている、
    又は、前記第1側壁及び前記第2側壁に対し入射した照射光が反射したときに、反射した光が前記露光面から遠ざかる方向に反射するように形成されている、
    ことを特徴とする露光装置。
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