JP7097599B2 - 相変化材料および相変化材料を用いた相変化型メモリ素子 - Google Patents

相変化材料および相変化材料を用いた相変化型メモリ素子 Download PDF

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Description

本発明は、不揮発性メモリ素子材料に適した相変化材料および相変化材料を用いた相変化型メモリ素子に関する。
近年、携帯電話等のモバイル型電子機器の急速な市場拡大に伴い、Flashメモリに代わる次世代不揮発性メモリの開発が盛んに行われている。次世代不揮発性メモリの候補として、磁気抵抗メモリ(MRAM:agnetoresistive andom ccess emory)、強誘電体メモリ(FeRAM:Ferroelectric andom ccess emory)、相変化型メモリ(PCRAM:hase hange andom ccess emory)、酸化還元抵抗変化型メモリ(ReRAM:Resistive andom ccess emory)などが盛んに研究開発されている。中でも、PCRAMは単純なメモリセル構造を有するため、製造コストの他、集積度の面においても他のメモリに比し優れている。
一般的に、PCRAMの情報記録層には相変化材料が用いられており、相変化材料の比較的電気抵抗が高いアモルファス相とアモルファス相よりも電気抵抗が低い結晶相間の相変化に伴う電気抵抗の変化を利用して、情報を記録する。
相変化材料のアモルファス相と結晶相との間の相変化は、電気パルスを印加することにより発生するジュール熱を利用して実現される。例えば、相変化材料は、融点Tm以上にジュール加熱されて電気抵抗が高いアモルファス相に変化することによりリセット状態[0]を示す情報を記録する。一方、相変化材料は、結晶化温度Tc以上かつ融点Tm未満にジュール加熱されて電気抵抗が低い結晶相に変化することによりセット状態[1]を示す情報を記録する。
現在、PCRAMに使用される相変化材料としては、DVD-RAM等に用いられているGe-Sb-Te系化合物(GST)が広く検討されてきており、GSTは、現在、実用に供されている(例えば非特許文献1、2参照)。
一方、メモリデバイスの更なる高性能化の要求に伴い、GST等の既存の相変相材料の課題が指摘され始めている。第一の課題として、結晶相からアモルファス相に相変化材料を相変化するために印加するジュールエネルギーが高く、データを書き換えるときに消費するデータ書き換え電力が大きい事が挙げられる。結晶相からアモルファス相へ相変化材料を相変化させる場合、相変化材料の融点以上の温度まで相変化材料をジュール加熱するため、データ書き換え電力は大きくなる。第二の課題として、相変化材料のアモルファス相は、熱的に不安定性であり、耐熱性に劣る事が挙げられる。PCRAMは、将来的には自動車分野等の高温使用される分野での応用が望まれており、10年間に亘って150℃で使用できることが期待されている(非特許文献3参照)。相変化材料は、アモルファス相で高温下に長期間放置されると結晶相に変化する場合があり、データの保持特性の向上が望まれている。また、PCRAMメモリセルの更なる微細化に伴い、隣接するセルからジュール熱が伝達し、PCRAMメモリセルのデータが意図せず書き換わってしまう隣接セルの間の熱擾乱の問題が顕在化するおそれがある。このような課題を解決するために、相変化材料は、アモルファス相および結晶相の双方において、熱的安定性のより一層の向上が期待されている。
特許文献1および非特許文献4では、Ge-Te化合物およびSb-Te化合物層を適切に積層させた超格子型の相変化材料が開示されている。特許文献1および非特許文献4に記載される超格子型相変化材料は、Ge原子の位置が僅かに変化する結晶/結晶相変化によって電気抵抗が大きく変化するため、データ書き換え消費電力は極めて低い。即ち、電気抵抗が高い状態および電気抵抗が低い状態の双方が結晶相であるため、データを書き換えるときに結晶相をアモルファス相に相変化する必要がなく、データ書き換え消費電力が大幅に低減される。しかしながら、特許文献1および非特許文献4に記載される超格子型相変化材料は、異なる化合物を積層させた構造を有するため、高温状態では異なる化合物層間で拡散反応が生じ、特性の劣化を招くおそれがあり、高温環境下での長期使用に懸念が残る。
特許文献2では、SnTeとSbTeからなる超格子相とSnSbTe合金相とTe相を含む相変化メモリが開示されている。特許文献2に記載される超格子型相変化材料は、特許文献1および非特許文献4に記載される超格子型相変化材料と同様に、データ書き換え電力を低くできる。しかしながら、特許文献2に記載される超格子型相変化材料は、特許文献1等に記載される超格子型相変化材料と同様に、高温状態では異なる化合物層間で拡散反応が生じ、特性の劣化を招くおそれがある。即ち、高温環境下での長期使用に懸念が残る。
非特許文献5では、InSeにより形成される相変化材料が開示されている。InSeは、電気パルスを印加することにより発生するジュール加熱により結晶/結晶相変化を示す。また、InSeは、相変化に伴い電気抵抗が大きく変化する。InSeは、単一材料であり、結晶中に存在するファンデルワールスギャップが変化することにより電気抵抗が大きく変化するため、超格子型相変化材料のように化合物層間で拡散反応が生じるおそれはない。しかしながら、InSeは、電気抵抗が急激に変化する温度は200℃程度であり、自動車分野等の高温使用される分野での応用は容易ではない。また、InSeは、結晶成長が容易ではない単結晶膜であるため、実用プロセスに適用するための技術的な課題が残る。
以上のように、結晶/結晶相変化により電気抵抗を大きく変化する相変化材料を用いた低消費電力型のPCRAMが提案されているが、高温環境下でのデータ保持能力を有し且つ隣接セルの間の熱擾乱に耐性を有する相変化材料は知られていない。
特開2010-287744号公報 特開2014-175528号公報
次世代光記録技術と材料 監修:奥田昌宏 シーエムシー出版 2004年 次世代半導体メモリの最新技術 監修:小柳光正 シーエムシー出版 2009年 S.Raoux et al. MRS Bull.39 (2014) p703 R.S.Simpson et al. Nat. Nanotech.6 (2011) p501 M.S.Choi et al. Adv. Mater.29 (2017) p1703568
本発明は、上述した従来の相変化材料の問題点を改善する目的でなされたものであり、実用性に優れた相変化型メモリ素子を得るために適した新規な組成を有する相変化材料、および相変化材料を用いた相変化型メモリ素子を提供することを課題とする。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、MnとTeとを有する相変化材料は結晶/結晶間の相変化により電気抵抗が大きく変化すると共に、MnとTeとを有する相変化材料の相変化温度は従来の相変化材料の相変化温度よりも高いとの知見を得た。
この知見に基づき、本発明の一態様では、
加熱に応じて、第1結晶相と第1結晶相よりも電気抵抗が低い第2結晶相との間で相変化する相変化材料であって、本質的に下記組成式で示される組成物からなり、
MnxTe100-x
組成式中、xは45.0(at.%)以上65.0(at.%)以下である、相変化材料を提供する。
また、上記第一態様において、第1結晶相から第2結晶相に相変化する相変化温度が400℃以上である、相変化材料を提供する。
また、上記第一態様において、第1結晶相の電気抵抗は、第2結晶相の電気抵抗の少なくとも1000倍以上である、相変化材料を提供する。
本発明の第二の態様では、基板上に形成された第1電極と、
第1電極と電気的に接続されたメモリ層と、
第1電極と絶縁され且つメモリ層と電気的に接続された第2電極と、を備え、
メモリ層は、相変化材料で形成され、
相変化材料は、加熱に応じて、第1結晶相と第1結晶相よりも電気抵抗が低い第2結晶相との間で相変化する相変化材料であって、本質的に下記組成式で示される組成物からなり、
MnxTe100-x
組成式中、xは45.0(at.%)以上65.0(at.%)以下である、相変化型メモリ素子が提供される。
本発明に係る相変化材料では、第1結晶相の電気抵抗は、第1結晶相よりも電気抵抗が低い第2結晶相の電気抵抗の少なくとも1000倍以上であると共に、第1結晶相と第2結晶相との間で相変化する相変化温度が400℃以上と高い温度である。本発明に係る相変化材料は、結晶相の間で相変化するので、アモルファス化するために相変化材料をジュール熱で溶かす必要がなく、データ書き換え電力を低減できる。また、発明に係る相変化材料では、電気抵抗が高い第1結晶相から電気抵抗が低い第2結晶相に相変化するときの相変化温度が400℃以上と高く、高温環境下においても電気抵抗が高い結晶相は熱的に安定する。本発明に係る相変化材料は、データ書き換え電力が低く且つ温環境下においても電気抵抗が高い結晶相は熱的に安定するので、本発明に係る相変化材料を用いてより実用性の高い相変化型メモリ素子を構成することが可能となる。
図1(a)は実施形態に係る相変化型メモリ素子の概略断面図であり、図1(b)は図1(a)に示す素子の平面図である。 図2は、実施例および比較例に係る相変化材料の組成および物理特性を示す図である。 図3は、実施例および比較例に係る相変化材料薄膜の電気抵抗の温度依存性を示すグラフである。 図4は、実施例2を用いて作製した図1に示すメモリ素子のメモリ動作を示すグラフである。 図5は実施例2を用いて作製したメモリ素子の相変化材料部分から得られた透過電子顕微鏡による明視野像およびその電子回折パターンであり、図5(a)は低電気抵抗状態における相変化材料の明視野像および(b)その電子回折パターンであり、図5(c)は高電気抵抗状態における相変化材料の明視野像および(d)その電子回折パターンである。
本発明の発明者等は、アモルファス化せずに、結晶/結晶間の相変化により電気抵抗が大きく変化し且つ電気抵抗が高い結晶相から電気抵抗が低い結晶相に相変化するときの相変化温度が高い相変化材料を探索すべく、種々の実験を行った。種々の実験の結果、本発明の発明者等は、以下に示す特徴を有する材料において、本発明の目的を達成することができることを見出した。本発明の発明者等が行った実験結果の一部は、図2を参照して後に説明される。なお、以下に示す実施形態では、電気抵抗が高い第1結晶相から電気抵抗が低い第2結晶相への相変化温度Ttが400℃以上で且つ第1結晶相の電気抵抗が第2結晶相の電気抵抗1000倍以上である材料を、実施形態に係る相変化材料であるとした。
実施形態に係る相変化材料は、MnとTeとを含有し、下記化学式で表現される。
化学式1
MnxTe100-x
で示される組成を有し、式中、xは原子濃度(以下、at.%とも称する)であり、xは45.0~65.0の範囲内となる様に選択される。
特に、化学式1で示される相変化材料は、電気抵抗が高い第1結晶と第1結晶よりも電気抵抗が低い第2結晶相の間で結晶/結晶相変化を示し、且つ第1結晶相から第2結晶相に相変化するときの相変化温度が極めて高い。
Mnを45.0(at.%)以上65.0(at.%)以下とする理由は、以下の5つの理由による。第1の理由は、Mnが45.0(at.%)未満では、相変化材料が第1結晶相から第2結晶相に相変化するときの相変化温度が低くことである。また、第2の理由は、Mnが45.0(at.%)未満では、相変化材料の第1結晶相と第2結晶相との間の電気抵抗の変化が小さいことである。また、第3の理由は、Mnが45.0(at.%)未満では、相変化材料が成膜された状態である成膜まま状態は、アモルファス相となるため、相変化材料をメモリ相として使用したときのデータ書き換え電力が大きくなるためである。また、第4の理由は、Mnが45.0(at.%)未満では、電気抵抗が低い第2結晶相に相変化するときに相変化材料が二相に相分離する可能性があり繰り返し特性に悪影響を及ぼすためである。また、第5の理由は、Mnが65.0(at.%)を超えると、第1結晶相の電気抵抗と第2結晶相の電気抵抗との間の電気抵抗の変化量が小さくなるためである。
実施形態に係る相変化材料は、MnとTeを所定の組成範囲内で含有する各種ターゲットを用いたスパッタリング等の物理蒸着法により各種基板上に成膜することで製造される。実施形態に係る相変化材料の製造に用いられるターゲットは、純Mnおよび純Teを用いた多元スパッタリングにより成膜出力を変化させ濃度を調整して成膜してもよく、予め成分調整したMn-Te二元合金ターゲットを用いて成膜してもよい。ここで、実施形態に係る相変化材料が成膜される基板の温度は、必要に応じて室温~800℃までの温度範囲の中で適宜選択される。
図1(a)は本発明の一実施形態に係る相変化型メモリ素子の概略断面図であり、図1(b)は図1(a)に示す素子の平面図である。
相変化型メモリ素子10は、基板1と、第1電極2と、絶縁層3と、メモリ層4と、第2電極5とを有する。基板1は、SiO2/Si基板である。第1電極2は、基板1の表面に配置される矩形の平面形状を有し且つ中央部に円形の貫通孔が形成された金属膜である。第1電極2は、W、TiN、TiW、Al、Cu等の金属により形成される。また、第1電極2は、例えばW及びTiW等の金属電極、並びにTiN等の窒化物電極により形成される下部電極と、TiN等の窒化物電極により形成され、下部電極の基板1と反対の面に積層される発熱電極とによって形成されてもよい。
絶縁層3は、第1電極2の表面に配置され且つ第1電極2と同一の平面形状を有する絶縁膜である。絶縁層3は、SiN等の絶縁体により形成される。
メモリ層4は、第1電極2および絶縁層3の中央部を貫通して基板1に接する円柱部と、絶縁層3の表面に配置され且つ第1電極2および絶縁層3と同一の平面形状を有する平板部とを有し、実施形態に係る相変化材料で形成される。メモリ層4は、円柱部の外壁を介して第1電極層2に電気的に接続される。
第2電極5は、メモリ層4の平板部の表面に配置され且つ第1電極2および絶縁層3と同一の平面形状を有する金属膜である。第2電極5は、第1電極2と同様に、W、TiN、TiW、Al、Cu等の金属により形成される。第2電極5は、裏面がメモリ層4の表面と接触することで、メモリ層4と電気的に接続される。また、第2電極5は、第1電極2の間に絶縁層3およびメモリ層4が配置され、第1電極2と接触する部位を有さないので、第1電極2と絶縁される。
相変化型メモリ素子10は、フォトリソグラフィー法およびスパッタリング等の半導体製造プロセスにおいて良く知られた技術により、第1電極2、絶縁層3、メモリ層4および第2電極5を基板1の表面に順次積層することで製造される。メモリ層4の円柱部は、第1電極2および絶縁層3の中央部にフォーカスイオンビームを照射することで形成される円形孔に、相変化材料を埋入することで形成される。
図2は、実施例に係る相変化材料および比較例に係る相変化材料の組成および物理特性の実測値を示す図である。
以下に、図1を参照しながら実施形態に係る相変化材料および相変化材料を用いた相変化型メモリ素子を更に詳細に説明する。実施例1~7に係る相変化材料および比較例1~3に係る相変化材料のそれぞれは、MnTe100-xの組成を有する。
実施例1~7に係る相変化材料において、変数xは、45.0(at.%)≦x≦65.0(at.%)の範囲内の数値である。一方、比較例1~3に係る相変化材料において、変数xは、44.5(at.%)、42.4(at.%)および65.5(at.%)であり、45.0(at.%)≦x≦65.0(at.%)の範囲外の数値である。
図2では、MnおよびTeの原子濃度を示しているが、この中には、成膜原料中に不可避的に含まれる不純物も含まれている。通常、このような不可避的不純物は数ppmから数十ppmのオーダーであり、従って成膜後の相変化材料の物理的特性に対して大きな影響を与えるものではない。
実施例1~7に係る相変化材料および比較例1~3に係る相変化材料のそれぞれは、純Mnターゲットおよび純TeターゲットをRFスパッタリング装置でスパッタリングして、SiO2/Si基板上に膜厚200nmで成膜して形成された。実施例1~7に係る相変化材料および比較例1~3に係る相変化材料のそれぞれは、純Mnターゲットおよび純Teターゲットのそれぞれの成膜出力を変えることで、MnおよびTeの含有率が所望の含有率になるように形成された。
図2に示される物理特性は、電気抵抗が高い第1結晶相から電気抵抗が低い第2結晶相への相変化温度T(℃)、第1結晶相の電気抵抗R(Ω)、第2結晶相R(Ω)の電気抵抗、第1結晶相と第2結晶相の電気抵抗比ΔR(=R/R)である。相変化温度Tおよび電気抵抗RおよびRは、二端子法を用いた昇温過程における電気抵抗測定により測定された。実施例1~7に係る相変化材料および比較例1~3に係る相変化材料のそれぞれは、ユニバーサルシステムズ社製の「熱処理・分析装置UHV-P4型」によって昇温された。相変化温度Tおよび電気抵抗RおよびRの測定時の昇温速度は9.2℃/分であり、昇温は、500℃及び520℃の何れか一方の温度に達したときに停止された。
図3は、実施例1、2および5に係る相変化材料および比較例2に係る相変化材料の変化温度Tおよび電気抵抗RおよびRの測定時の温度と電気抵抗との関係を示す図である。図3において、横軸は温度(℃)を示し、縦軸は電気抵抗(Ω)を示す。図3において、曲線301は実施例1に係る相変化材料の軌跡を示し、曲線302は実施例2に係る相変化材料の軌跡を示し、曲線303は実施例5に係る相変化材料の軌跡を示し、曲線304は比較例2に係る相変化材料の軌跡を示す。
相変化温度Tは、曲線の微分値が最大となる温度として規定された。
電気抵抗が高い第1結晶相の電気抵抗Rhは、実施例1~7および実施例1~3に係る相変化材料のそれぞれが昇温を開始した後の昇温工程において30℃に達したときの電気抵抗として規定される。また、電気抵抗が低い第2結晶相の電気抵抗Rlは、実施例1~7および実施例1~3に係る相変化材料のそれぞれが相変化した後に昇温を停止した後の降温工程において30℃に低下したときの電気抵抗として規定される。電気抵抗比ΔR、すなわち第1結晶相の電気抵抗の前記第2結晶相の電気抵抗に対する倍率は、第1結晶相の電気抵抗Rhを第2結晶相の電気抵抗Rlで除算したときの商を少数第1桁で四捨五入した数値として規定された。尚、本実例で使用された抵抗測定器(Agilent社製「データ収集/スイッチ・ユニット34970A(プラグインモジュール:34901A)」)の上限は1.2×10(Ω)であったため、電気抵抗Rhが1.2×10(Ω)以上の電気抵抗を有する場合には、電気抵抗Rhは、>1.2×10(Ω)と記載される。
図1に示すように、実施例1~実施例8の相変化材料は、いずれも400℃以上の相変化温度Tを有し、また、実施例1~実施例8は、いずれも高い電気抵抗を有する第1結晶相から低い電気抵抗を有する第2結晶相へと相変化する。実施例1~実施例8は、第1結晶相と第2結晶相との間の電気抵抗の変化は103以上と大きい。すなわち、実施例1~実施例8では、第1結晶相の電気抵抗は、第2結晶相の電気抵抗の1000倍以上である。
一方、比較例1および2では、相変化に伴い電気抵抗は変化するものの、その相変化温度は200℃以下と低く、また、第1結晶相と第2結晶相との間の電気抵抗の変化は10以下と小さい。また、比較例1および2では、成膜のままの状態はアモルファス状態であった。また、比較例3では、相変化による電気抵抗変化が観察されなかった。
より具体的には、図3に示されるように、実施例1、2および5は、成膜まま状態では1.2×10(Ω)の高い電気抵抗を示す。実施例1、2および5の降温工程での電気抵抗は、緩やかに上昇する程度の変化を示す程度であるので、一方、比較例2の成膜まま状態での電気抵抗は、1.0×106(Ω)程度であり、実施例1、2および5の成膜まま状態での電気抵抗の0.01倍以下である。
また、実施例1、2および5のそれぞれの相変化温度Tは、446(℃)、461(℃)および479(℃)といずれも400(℃)以上である。一方、比較例2の相変化温度Tは、130(℃)である。また、実施例1、2および5ならびに降温時の比較例2の降温工程での電気抵抗は、緩やかに上昇する程度の変化を示す程度である。
図4は、実施例2に対応する相変化材料をメモリ層として使用した相変化型メモリ素子のスイッチング特性を示す図である。
相変化型メモリ素子のスイッチング特性の測定は、相変化型メモリ素子10に対応する構成を有する相変化型メモリ素子を使用して実行された。基板10は、SiO2/Si基板を採用した。第1電極2および第2電極5の材料は、W(タングステン)である。絶縁層3はSiN絶縁層であり、絶縁層3の膜厚は100nmである。メモリ層4は、第1電極2および絶縁層3にフォーカスイオンビームを用いてφ500nmの孔を形成した後に、フォトリソグラフィー法およびスパッタリングにより相変化材料をSiN絶縁層の表面に200nm成膜してメモリ層4を形成した。第2電極5はメモリ層4上に積層した。
相変化型メモリ素子は、初期状態では、成膜まま状態であり、電気抵抗が高い第1結晶相であり、第1結晶相の電気抵抗値は、0.92×10Ωであった。相変化型メモリ素子は、パルス幅50nsであるパルス電圧の高さを1(V)から徐々に印加させながら相変化型メモリ素子に印加した。相変化型メモリ素子は、パルスの高さが4.8(V)程度であるとき、第1結晶相から電気抵抗が低い第2結晶相に相変化した。第2結晶相の電気抵抗は0.25×10(Ω)である。更に、パルスの高さが5.0Vであるとき、相変化型メモリ素子は、第2結晶相から第1結晶相に相変化した。相変化した後の第1結晶相の電気抵抗は、0.99×10(Ω)であり、は初期状態の電気抵抗とほぼ同様の値である。このことから、実施例2を含む実施形態に係る相変化材料は、電気パルスを用いたジュール加熱により、情報の書き込みおよび消去が可能である事が確認された。
図5は、実施例2に対応する相変化材料をメモリ層として使用した相変化型メモリ素子がメモリスイッチング動作を行った時のメモリ層を透過電子顕微鏡にて観察した結果を示す図である。図5(a)は電気抵抗高い第1結晶相における明視野像を示し、図5(b)は図5(a)に示すメモリ層から得られた電子回折図形を示す。図5(c)は電気抵抗が低い第2結晶相における明視野像を示し、図5(d)は図5(c)のメモリ層から得られた電子回折図形を示す。
図5(a)及び5(c)に示すように、第1結晶相および第2結晶相は、アモルファス相ではなく結晶相であることが確認された。実施例2に対応する相変化材料では、電気抵抗が高い第1結晶はβ相(ウルツ鉱型構造)であり、電気抵抗が低い第2結晶相はα相(NiAs型構造)であることが確認された。このことから、実施例2を含む実施形態に係る相変化材料は、電気パルスを用いたジュール加熱により、第1結晶相および第2結晶相の可逆的変化が可能である事が確認された。
本発明の相変化材料は、電気抵抗が高い第1結晶相から電気抵抗が低い第2結晶相への相変化を示し、その相変化温度は極めて高い特徴を有する。従って、該相変化材料を用いた不揮発性半導体メモリに利用する事ができる。また、半導体メモリのみならず、GSTと同様、異なる結晶相におけるレーザー光の反射率を利用したDVD-RAM等の光記録媒体などに使用する事ができる。本発明は、前記の実施例によってなんら限定されるものではない。すなわち、本発明の技術思想の範囲における他の例、態様等を当然含むものである。
1 基板
2 第1電極
3 絶縁層
4 メモリ層
5 第2電極
10 相変化型メモリ素子

Claims (4)

  1. 加熱に応じて、第1結晶相と前記第1結晶相よりも電気抵抗が低い第2結晶相との間で相変化する相変化材料であって、本質的に下記組成式で示される組成物からなり、
    MnxTe100-x
    組成式中、xは46.6(at.%)以上63.8(at.%)以下である、相変化材料。
  2. 前記第1結晶相から前記第2結晶相に相変化する相変化温度が400℃以上である、請求項1に記載の相変化材料。
  3. 前記第1結晶相の電気抵抗は、前記第2結晶相の電気抵抗の少なくとも1000倍以上である、請求項1または2に記載の相変化材料。
  4. 基板と、
    前記基板上に形成された第1電極と、
    前記第1電極と電気的に接続されたメモリ層と、
    前記第1電極と絶縁され且つ前記メモリ層と電気的に接続された第2電極と、を備え、
    前記メモリ層は、相変化材料で形成され、
    前記相変化材料は、加熱に応じて、第1結晶相と前記第1結晶相よりも電気抵抗が低い第2結晶相との間で相変化する相変化材料であって、本質的に下記組成式で示される組成物からなり、
    MnxTe100-x
    組成式中、xは46.6(at.%)以上63.8(at.%)である、相変化型メモリ素子。
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