JP7097591B2 - 流れ制御方法及び回転翼ユニット - Google Patents

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Description

本願は、流れ制御方法及び回転翼ユニットに関し、特にプラズマアクチュエータの駆動を容易に設定可能な回転翼のブレードまわりの流れを制御する方法及び回転翼ユニットに関する。
ヘリコプターや風力発電設備などには、サイクリックピッチ機構を備えたものがある。サイクリックピッチ機構は、回転翼を構成するブレードのピッチ角を周期的に変動させる機構であり、例えば揚力が得られにくい角度位置では、ブレードのピッチ角を大きくして揚力係数が大きくなるように制御している。ただし、ブレードのピッチ角が大きくなると、ブレードの表面に沿って流れていた気流が剥離して失速するおそれがある。ブレードの失速はある程度許容されているが、失速するエリアや期間が大きくなると、サイクリックピッチ機構による効果を十分に発揮することができなくなる。
近年、ブレードの失速を抑制する装置としてプラズマアクチュエータが注目されている。プラズマアクチュエータは、電極対に時間的に変動する電圧を印加することでプラズマを発生させる装置である。プラズマアクチュエータによってブレードの前縁付近にプラズマを発生させると、ブレードの前縁付近には空気の流れが誘起されたり衝撃波が発生したりする。この流れ若しくは衝撃波による擾乱や流れ場の空間的・時間的変動によって、ブレードにおける気流の剥離が抑えられ、ブレードの失速を抑制することができる。一般的には変動電圧を間欠的かつ周期的に印加することが多い。また、電極対に変動電圧を間欠的に印加する周波数、すなわちプラズマアクチュエータを駆動する周波数(以下、「アクチュエータ駆動周波数」と称す)は、ブレードに対する空気の相対速度等に応じて設定することが望ましく、このように設定することにより失速を効果的に抑制できるとされている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特表2009-511360号公報 特開2015-161269号公報
しかしながら、ブレードに対する空気の相対速度は回転中心からの距離によって異なり、また、ブレードに向かってくる空気の速度や方向によっても変化する。そのため、上述の方法でアクチュエータ駆動周波数を設定するには、電極対の設置位置ごとにアクチュエータ駆動周波数を設定しなければならない。また、ブレードに向かってくる空気の速度や方向に応じてアクチュエータ駆動周波数の設定を変更しなければならない。このように、空気の相対速度に応じてアクチュエータ駆動周波数を設定する設定方法は、その設定が非常に複雑になる。
本願は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、容易にアクチュエータ駆動周波数を設定してブレードの揚力回復を大幅に改善することができる流れ制御方法を提供することを目的とする。また、容易にアクチュエータ駆動周波数を設定してブレードの揚力回復を大幅に改善することができる回転翼ユニットを提供することを目的とする。
本願の一態様に係る流れ制御方法は、プラズマアクチュエータが設けられたブレードを有する回転翼の前記ブレードまわりの流れを制御する流れ制御方法であって、前記プラズマアクチュエータへの印加電圧の周波数であるアクチュエータ駆動周波数と、前記ブレードの回転角度に応じて迎角が変動する際の迎角変動周波数との比率である周波数比率の固有値である固有周波数比率を決定し、前記周波数比率が前記固有周波数比率となるように前記アクチュエータ駆動周波数を設定し、設定された前記アクチュエータ駆動周波数の電圧を前記プラズマアクチュエータに印加して、前記ブレードまわりの流れを制御する。
これにより、ブレードに対する空気の相対速度にかかわらず、アクチュエータ駆動周波数を設定することができる。そのため、プラズマアクチュエータの設置位置ごとにアクチュエータ駆動周波数を設定する必要がなく、また、ブレードに向かってくる空気の速度や方向に応じてアクチュエータ駆動周波数の設定を変更する必要もない。よって、容易にアクチュエータ駆動周波数を設定でき、ブレードの揚力回復を大幅に改善することができる。
本願の一態様に係る回転翼ユニットは、ブレードを有する回転翼と、前記ブレードの回転角度に応じて迎角を所定の迎角変動周波数で周期的に変動させるサイクリックピッチコントローラと、前記ブレードに設けられたプラズマアクチュエータと、を備え、前記プラズマアクチュエータは、前記プラズマアクチュエータへの印加電圧の周波数であるアクチュエータ駆動周波数と前記迎角変動周波数との比率である周波数比率が固有の値である固有周波数比率となるように設定されたアクチュエータ駆動周波数の電圧が前記プラズマアクチュエータに印加される。
この構成では、ブレードに対する空気の相対速度にかかわらず、アクチュエータ駆動周波数を設定することができる。そのため、プラズマアクチュエータの設置位置ごとにアクチュエータ駆動周波数を設定する必要がなく、また、ブレードに向かってくる空気の速度や方向に応じてアクチュエータ駆動周波数の設定を変更する必要もない。よって、容易にアクチュエータ駆動周波数を設定でき、ブレードの揚力回復を大幅に改善することができる回転翼ユニットを提供できる。
上記の構成によれば、容易にアクチュエータ駆動周波数を設定してブレードの揚力回復を大幅に改善することができる。
図1は、回転翼ユニットが搭載されたヘリコプターの平面図である。 図2は、ブレードのピッチ角と揚力係数の変動特性の一例を示した図である。 図3は、プラズマアクチュエータの概略構成図である。 図4は、ブレードのピッチ角とプラズマアクチュエータの印加電圧の変動特性の一例を示した図である。 図5は、プラズマアクチュエータのアクチュエータ駆動周波数の設定方法のフロー図である。 図6は、プラズマアクチュエータを作動させたとき及び作動させていないときにおける揚力係数の変動特性の一例を示した図である。 図7は、周波数比率に対する評価値の関係を示した図である。
以下、実施形態について図を参照しながら説明する。
<回転翼ユニット>
図1は、回転翼ユニット100が搭載されたヘリコプター101の平面図である。実施形態に係る回転翼ユニット100は、ヘリコプター101に搭載されている。回転翼ユニット100は、ヘリコプターに限られず、風力発電設備など他の設備に設けられていてもよい。なお、実施形態では、図1の紙面左方をヘリコプター101の前方及び進行方向とする。回転翼ユニット100は、複数のブレード11を有する回転翼10を備えている。回転翼10は平面視において反時計回りで回転する。
上述したブレード11は全て同じように構成されている。ここでは、複数あるブレード11のうちの1つのブレード11に着目して説明する。図1に示すように、ブレード11が回転翼10の回転中心からヘリコプター101の後方に向かって延びているときのブレード11の回転角度(以下、「アジマス角ψ」と称する)を0°とする。そうすると、ヘリコプター101が前進することによって、アジマス角ψが90°付近でブレード11に対する空気の相対速度が最も大きくなり、アジマス角ψが270°付近でブレード11に対する空気の相対速度が最も小さくなる。そのため、仮にブレード11のピッチ角が変化しないとすると、回転翼10の進行方向を向いて右側では揚力が大きくなり、進行方向を向いて左側では揚力が小さくなって、回転翼10にかかる力のバランスが悪くなる。なお、図1中の太矢印の大きさは、アジマス角ψが90°と270°におけるブレード11に対する空気の相対速度の大きさを模式的に示している。
そこで、実施形態に係る回転翼ユニット100は、サイクリックピッチ機構(サイクリックピッチコントローラ)を備えている。サイクリックピッチ機構は、メカニカルリンク等を用いて各ブレード11のピッチ角をアジマス角ψに応じて変動させる。図2は、アジマス角ψに対するブレード11のピッチ角(迎角)と揚力係数の一例を示した図である。図2中の破線がピッチ角の変動特性であり、実線が揚力係数の変動特性である。なお、図2に示すピッチ角の変動特性と揚力係数の変動特性は、あくまでも一例であって、実際の変動特性とは必ずしも一致しない。図2の破線で示すように、空気の相対速度が最も小さくなるアジマス角ψが270°のときは、ピッチ角が最も大きくなるように制御されている。また、空気の相対速度が最も大きくなるアジマス角ψが90°のときは、ピッチ角が最も小さくなるように制御されている。
このように、ブレード11のピッチ角を制御することで、図2の実線で示すように、アジマス角ψが270°付近のときは揚力係数が大きくなり、アジマス角ψが90°付近のときは揚力係数が小さくなる。その結果、ブレード11に対する空気の相対速度が小さいエリア(アジマス角ψが270°付近)において、揚力を向上させることができる。ただし、図2の実線で示すように、アジマス角ψが270°を過ぎたあたりから、揚力係数が急激に低下している。これは、ブレード11のピッチ角が大きくなることで、ブレード11の表面に沿って流れていた気流が剥離して失速が生じたものである。失速による揚力係数の落ち込みが大きいと、揚力係数が回復するまでに時間がかかってしまう。
そこで、実施形態に係る回転翼ユニット100は、ブレード11の失速を抑制、あるいはブレードの揚力回復を改善するプラズマアクチュエータ30を備えている。図3は、プラズマアクチュエータ30の概略構成図である。なお、図3において紙面に垂直な方向がブレード11のスパン方向(ローター半径方向又は延在方向)である。図3に示すように、プラズマアクチュエータ30は、ブレード11の前縁のほぼ全域にわたって設けられた電極対31と、電極対31に所定の周波数で電圧を印加し、プラズマアクチュエータ30を駆動させる電源装置32とを備えている。なお、電極対31は、ブレード11の前縁の全域ではなく、ブレード11の前縁の一部にのみ設けられていてもよい。また、電極対31は、厳密な意味でのブレード11の前縁に設ける必要はなく、ブレード11の前縁を含む所定範囲、つまり前縁付近に設けられていればよい。
電極対31は、ブレード11側に位置し誘電体33に覆われたグラウンド電極34と、誘電体33の外側に位置する露出電極35とを含んでいる。電源装置32は、電極対31に対して周期的に変動する電圧を印加する。これにより、電極間の気体がプラズマ化(イオン化)する。つまり、プラズマを発生させる。プラズマ化した粒子は電荷を持つため電場の影響で加速し周囲の粒子と衝突し、流れが誘起されたり衝撃波が発生したりする。この流れ若しくは衝撃波による擾乱によって、ブレード11の失速を抑制することができる。なお、グラウンド電極34と露出電極35の位置は逆であってもよい。つまり、露出電極35がグラウンド電極として機能してもよい。
図4は、ブレード11のピッチ角の変動特性及びプラズマアクチュエータ30の電源装置32から電極対31に印加される電圧(以下、「印加電圧」と称す)の変動特性の一例を示した図である。図4の横軸が時間(time/T;Tはブレードピッチング振動の周期)であり、縦軸がピッチ角及び印加電圧である。そして、図4中の破線がブレード11のピッチ角の変動特性を示しており、実線が印加電圧である。なお、図4に示すグラフの横軸の長さは、ブレード11のピッチング振動の1周期の長さに相当する。
図4に示すように、プラズマアクチュエータ30は、印加電圧の波形がパルス波であるナノ秒パルス駆動型(NanoSecond pulse driven Dielectric Barrier Discharge Plasma Actuator;NSDBDPA)である。パルス波をアクチュエータ駆動周波数で間欠的に駆動している。ただし、プラズマアクチュエータ30は、印加電圧の波形がサインカーブである交流型(Alternative Current Dielectric Barrier Discharge Plasma Actuator;ACDBDPA)であってもよい。なお、ACDBDPAでは、正弦波形変動電圧を間欠(バースト)発振モードで印加し、このバースト振動モードの周波数であるバースト周波数がここでのアクチュエータ駆動周波数に対応する。プラズマアクチュエータ30は、電圧を印加する際にナノ秒オーダーの波長の変動電圧を印加する。なお、実施形態では、0.75time/T(アジマス角ψが90°に相当)付近では、失速が起こりにくいため電圧を印加していない。
<プラズマアクチュエータの設定方法>
次に、プラズマアクチュエータ30の設定方法について説明する。具体的には、印加電圧の周波数(アクチュエータ駆動周波数)の設定方法について説明する。図5は、アクチュエータ駆動周波数の設定方法のフロー図である。図5に示すように、はじめに周波数比率ごとにブレード11の揚力係数の変動特性を取得する。実施形態では、プラズマアクチュエータ30を駆動させた場合と駆動させない場合の両方について、周波数比率ごとに揚力係数の変動特性を取得する。なお、揚力係数の変動特性は実験により取得してもよく、シミュレーションにより取得してもよい。また、実験により揚力係数の変動特性を取得する場合は、実験を複数回実施したうえで、各回で得られた値を平均した値に基づいて揚力係数の変動特性を取得するようにしてもよい。
ここで、「周波数比率」とは、ピッチ変動周波数(fpitch)に対するアクチュエータ駆動周波数(fPA)の比率(fPA/fpitch)である。言い換えると、周波数比率は、プラズマアクチュエータ30の電極対31への印加電圧の周波数であるアクチュエータ駆動周波数と、ブレード11の回転角度に応じて迎角が変動する際の迎角変動周波数との比率である。なお、「ピッチ変動周波数(迎角変動周波数)」は単位時間あたりに繰り返されるピッチ角の変動回数と定義でき、「アクチュエータ駆動周波数」は単位時間あたりに繰り返される印加電圧の変動回数と定義できる。上記のとおり実施形態では周波数比率ごとに揚力係数の変動特性を取得するが、アクチュエータ駆動周波数を変えることで周波数比率を変更してもよい。あるいは、ピッチ変動周波数を変えることで周波数比率を変更してもよい。なお、実施形態では、揚力係数の変動特性を取得するにあたり、ピッチ変動周波数は、プラズマアクチュエータ30を駆動させる場合と駆動させない場合とで同一値を用いており、かつ、周波数比率の全範囲においても同一値を用いている。ただし、適宜異なる値を用いることもできる。
図6は、ある周波数比率におけるブレード11の揚力係数の変動特性の一例を示した図である。周波数比率ごとに図6で示すような揚力係数の変動特性を取得する。揚力係数の変動を取得する周波数比率の範囲については後述する。図6の横軸が時間(time/T)であり、縦軸が揚力係数である。図6中の破線がプラズマアクチュエータ30を作動させない場合の変動特性であり、実線がプラズマアクチュエータ30を作動させたときの変動特性である。なお、図6に示すグラフの横軸の長さはブレード11のピッチング振動の1周期の長さに相当する。なお、ここではピッチ角の変動に伴ってブレード11の迎角も変動するため、ブレード11のピッチング振動の1周期は、迎角変動の1周期ということができる。
続いて、図5に示すように、予め取得した揚力係数の変動特性に基づいて周波数比率ごとに判断基準値を算出する。具体的には、第1判断基準値g1、第2判断基準値g2、及び、第3判断基準値g3を算出する。各判断基準値は以下のとおりである。
第1判断基準値g1は、揚力係数の迎角変動の1周期あたりの積分値に関する値である。より具体的には、第1判断基準値g1は、プラズマアクチュエータ30を駆動したとき(以下、下付きでPA-ONと標記する)における揚力係数の迎角変動の1周期あたりの積分値を、プラズマアクチュエータ30を駆動しないとき(以下、下付きでPA-OFFと標記する)における揚力係数の迎角変動の1周期あたりの積分値で割った値である。揚力係数をCl、迎角変動の周期で無次元化した時間をtバー(tにオーバーラインを付した記号)とすると、第1判断基準値g1は以下の式(1)で算出することができる。第1判断基準値g1が大きければ、プラズマアクチュエータ30を駆動したときの揚力係数全体が大きくなることを意味するため好ましい。
Figure 0007097591000001
第2判断基準値g2は、揚力係数の迎角変動の1周期中の最大値に関する値である。より具体的には、第2判断基準値g2は、プラズマアクチュエータ30を駆動したときにおける揚力係数の最大値(図6のClmax)を、プラズマアクチュエータ30を駆動しないときにおける揚力係数の最大値で割った値である。揚力係数の最大値をClmaxとすると、第2判断基準値g2は以下の式(2)で算出することができる。第2判断基準値g2が大きければ、プラズマアクチュエータ30を駆動したときの揚力係数の最大値が大きくなることを意味するため好ましい。
Figure 0007097591000002
第3判断基準値g3は、揚力係数が迎角変動の1周期中に最大となる時点から所定の期間経過後までにおける揚力係数の最小値に関する値である。つまり、失速によって低下した揚力係数に関する値である。具体的には、第3判断基準値g3は、プラズマアクチュエータ30を駆動したときにおける揚力係数が最大である時点から所定の期間(実施形態では1/8周期)経過後までにおける最小値(図6のClstall)を、プラズマアクチュエータ30を駆動しないときにおける揚力係数が最大である時点から所定の期間経過後までにおける最小値で割った値である。
揚力係数が最大である時点から所定の期間経過後までにおける揚力係数の最小値をClstallとすると、第3判断基準値g3は以下の式(3)で算出することができる。第3判断基準値g3が大きければ、プラズマアクチュエータ30を駆動したときにおける失速後の揚力係数の最小値が大きいこと、すなわち失速後における揚力係数の低下量が少ないことを意味するため好ましい。なお、実施形態では、上述した「揚力係数が最大である時点から所定の期間」を1/8周期としているが、当該期間はこれに限定されない。この期間は、失速によって落ち込んだ揚力係数の最小値が含まれるように設定すればよい。
Figure 0007097591000003
続いて、図5に示すように、上述した第1判断基準値g1、第2判断基準値g2、及び、第3判断基準値g3に基づいて、周波数比率ごとに評価値を算出する。実施形態では、第1判断基準値g1、第2判断基準値g2、及び、第3判断基準値g3を掛けて得た値(すなわち積)を評価値gとする。ただし、第1判断基準値g1、第2判断基準値g2、及び、第3判断基準値g3を足して得た値(すなわち和)を評価値gとしてもよく、第1判断基準値g1、第2判断基準値g2、及び、第3判断基準値g3のうちいずれか1つ又は2つを用いて得た値を評価値gとしてもよい。2つ以上の判断基準値を用いる場合は、各判断基準値に適宜係数を乗ずるなどして重みづけしてもよい。
続いて、図5に示すように、算出した周波数比率ごとの評価値gに基づいて固有周波数比率を決定する。具体的には、周波数比率ごとに得られた評価値gに基づいて、図7に示すような周波数比率と評価値gに関するグラフを作成し、評価値gが最も大きくなる周波数比率を固有周波数比率とする。なお、評価値gが最も大きくなる周波数比率は、グラフを用いることなく演算により算出してもよい。
ここで、揚力係数の変動特性を取得する周波数比率の範囲は、固有周波数比率が含まれる範囲であればよい。翼型によって異なるが、例えば0以上1000以下までの周波数比率の範囲内で揚力係数の変動特性を取得すればよい。揚力係数の変動特性を取得するにあたっては、まずは上記の範囲内において周波数比率の刻み幅を50乃至100程度として評価値の傾向を得る。そして、評価値が最大となる固有周波数近傍の範囲において周波数比率の刻み幅を1乃至10、あるいはさらに細かい刻み幅で揚力係数の変動特性を取得する。なお、周波数比率の範囲及び刻み幅の値は一例であり、上記に限られない。
続いて、図5に示すように、周波数比率が評価値に基づいて得られる固有の値である固有周波数比率となるように、プラズマアクチュエータ30のアクチュエータ駆動周波数を設定する。
最後に、図5に示すように、設定されたアクチュエータ駆動周波数にて電極対31に電圧を印加してプラズマアクチュエータ30を駆動させる。これにより、ブレード11まわりの流れが制御され、ブレード11の揚力回復を大幅に改善することができる。
上記のとおり、実施形態では、周波数比率の固有値である固有周波数比率が決定され、周波数比率がかかる固有周波数比率となるようにアクチュエータ駆動周波数を設定する。つまり、ブレード11に対する空気の相対速度にかかわらずアクチュエータ駆動周波数を設定することができる。そのため、電極対31の設置位置ごとにアクチュエータ駆動周波数を設定する必要がなく、また、ブレード11に向かってくる空気の速度や方向に応じてアクチュエータ駆動周波数の設定を変更する必要もない。よって、実施形態に係る流れ制御方法によれば、容易にアクチュエータ駆動周波数を設定でき、ブレード11の揚力回復を大幅に改善することができる。
しかも、実施形態では、ブレード11の揚力係数の変動特性から算出した評価値gに基づいて固有周波数比率を決定している。そのため、ブレード11が適切な揚力係数を得られるようにアクチュエータ駆動周波数を設定することができる。また、固有周波数比率を画一的に決定することができる。そのため、特定の周波数においてプラズマアクチュエータ30を駆動できればよいので駆動装置(電源装置)の小型化を図ることができる。
なお、開示技術は、ブレードの失速を抑制する他の装置にも応用することができる。例えば、所定の空気噴射周波数でブレードの前縁付近から空気を噴射することによりブレードの失速を抑制する空気噴射装置の空気噴射周波数を設定する方法にも応用することができる。この場合、上述した実施形態において「アクチュエータ駆動周波数」を「空気噴射周波数」に読み替えればよい。
また、実施形態では、ブレード11のピッチ角が変動することでブレード11の迎角が変動する場合について説明したが、例えばブレード11のピッチ角が一定でブレード11に対する気流の角度が変動することでブレード11の迎角が変動する場合であっても同様の制御が可能である。この場合、ブレード11に対する気流の角度の変動周波数を「迎角変動周波数」とすれば、迎角変動周波数に対するアクチュエータ駆動周波数の比率が前述した周波数比率となる。
10 回転翼
11 ブレード
30 プラズマアクチュエータ
31 電極対
33 誘導体
34 グラウンド電極
35 露出電極
100 回転翼ユニット

Claims (6)

  1. プラズマアクチュエータが設けられたブレードを有する回転翼の前記ブレードまわりの流れを制御する流れ制御方法であって、
    前記プラズマアクチュエータへの印加電圧の周波数であるアクチュエータ駆動周波数と、前記ブレードの回転角度に応じて迎角が変動する際の迎角変動周波数との比率である周波数比率の固有値である固有周波数比率を決定し、
    前記周波数比率が前記固有周波数比率となるように前記アクチュエータ駆動周波数を設定し、
    設定された前記アクチュエータ駆動周波数の電圧を前記プラズマアクチュエータに印加して、前記ブレードまわりの流れを制御する、流れ制御方法。
  2. 前記周波数比率ごとに前記ブレードの迎角に応じて変動する揚力係数の変動特性を予め取得し、
    取得した前記揚力係数の変動特性に基づいて、前記周波数比率ごとに前記揚力係数に関する評価値を算出し、
    前記固有周波数比率は、算出した前記評価値に基づいて決定される、請求項1に記載の流れ制御方法。
  3. 前記評価値は、揚力係数の積分値に関する値、揚力係数の最大値に関する値、又は、失速後における揚力係数の最小値に関する値のうち、少なくとも1つを用いて得た値である、請求項2に記載の流れ制御方法。
  4. 前記評価値は、
    前記プラズマアクチュエータを駆動させた場合と駆動させない場合における、前記揚力係数の迎角変動の1周期あたりの積分値の比に関する第1判断基準値、
    前記プラズマアクチュエータを駆動させた場合と駆動させない場合における、前記揚力係数の迎角変動の1周期の最大値の比に関する第2判断基準値、又は
    前記プラズマアクチュエータを駆動させた場合と駆動させない場合における、前記揚力係数の迎角変動の1周期の中に最大となる時点から所定期間経過後までにおける前記揚力係数の最小値の比に関する第3判断基準値のうち、少なくとも1つを用いて得た値である、請求項2に記載の流れ制御方法。
  5. 前記第1判断基準値、前記第2判断基準値、及び、前記第3判断基準値の積に基づいて、前記評価値を算出する、請求項4に記載の流れ制御方法。
  6. ブレードを有する回転翼と、
    前記ブレードの回転角度に応じて迎角を所定の迎角変動周波数で周期的に変動させるサイクリックピッチコントローラと、
    前記ブレードに設けられたプラズマアクチュエータと、を備え、
    前記プラズマアクチュエータは、前記プラズマアクチュエータへの印加電圧の周波数であるアクチュエータ駆動周波数と前記迎角変動周波数との比率である周波数比率が固有の値である固有周波数比率となるように設定されたアクチュエータ駆動周波数の電圧が前記プラズマアクチュエータに印加される、回転翼ユニット。
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