JP7095470B2 - チタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造方法および製造装置 - Google Patents

チタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造方法および製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、チタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造方法および製造装置に関する。
チタンは、その溶融温度では激しく空気酸化される活性な金属であるため、鉄鋼材料のように耐火物製るつぼを用いて大気雰囲気下で溶解することは難しい。このため、工業用純チタン鋳塊(本明細書では単に「チタン鋳塊」ともいう)またはチタン合金鋳塊の製造時、水冷銅るつぼである溶解ハースおよび精錬ハースを用いる。そして、チタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造において実用化されている技術として、高真空下で高電圧加速した電子線を被溶解材の表面に照射することにより得られる衝撃熱を利用する電子ビーム溶解(EBM:Electron Beam Melting)技術や、非消耗電極としてプラズマトーチを用いた溶解法であるプラズマ溶解(PAM:Plasma Arc Melting)技術を挙げることができる。
チタンまたはチタン合金を溶解して鋳造する際には、溶湯中の成分に起因して、高密度介在物(以下、HDI(High Density Inclusion)という)や低密度介在物(以下、LDI(Low Density Inclusion)という)が不可避的に生成する。電子ビーム溶解法は、精錬効果が高いことからHDIやLDIの除去も期待され、HDIやLDIの除去に特に厳格な航空機用素材の製造方法として用いられている。近年、航空機用素材の性能のさらなる高度化に伴い、HDIおよびLDIのより一層の低減が望まれている。
WCなどのHDIの密度はチタンまたはチタン合金の密度よりも大きい。このため、HDIは、溶解ハースおよび精錬ハースの長さをある程度確保すればこれらのハースの内部で沈降する。このため、HDIは、ハースの底部に形成されるスカル(溶湯が急冷されて直ちに凝固した薄い凝固層であり、本明細書ではハーススカルともいう)により捕捉して除去することが比較的容易である。
これに対し、TiNなどのLDIの密度はチタンまたはチタン合金の密度よりも小さい。このため、LDIは、ハース内の溶湯の表面に浮上し、溶湯とともに、溶解ハースから精錬ハースへ、さらに精錬ハースから鋳型内へと流れ込む。その結果、LDIは、チタン鋳塊またはチタン合金鋳塊に取り込まれ、製品の欠陥を招く。LDIは、1回の溶解では除去し難いのが現状である。
特許文献1には、ハース内の溶湯の表面において溶湯の流れの方向とは逆方向へ電子ビームを走査するとともに、ハース内の溶湯排出口に隣接する領域の溶湯の平均温度を不純物の融点以上とすることにより、金属チタンを電子ビーム溶解する発明が開示されている。
特許文献2には、ハース内の溶湯の底部に、表面に少なくとも1個の凹部を有するハーススカルを形成し、電子ビームをハースプールの下流側から上流側へ向けて走査してハースプールを加熱する発明が開示されている。この構成により、ハースプールの表面を浮遊するLDIを効果的に溶解して消滅する。これにより、鋳塊へのLDIの混入を防止しながら高融点金属を電子ビーム溶解することが意図されている。
特許文献3には、原料供給手段と、電子ビーム照射部と、供給された金属原料を溶解保持するハースと、溶湯を冷却してインゴットを得る鋳型とを備える電子ビーム溶解装置を用いる発明が開示されている。この発明では、ハース内の上流から下流へ向けて形成される水平方向の溶湯の流れを直角方向へ変化させて、溶解ハースから精錬ハースに流入する溶湯を、流れの前方にある精錬ハースの側壁に衝突させる。これにより、溶湯に含まれる固形不純物を、側壁に形成される凝固界面により捕捉することが意図されている。
さらに、特許文献4には、純チタンまたはチタン合金を溶解してチタン鋳塊を製造する際に、所定の条件を満足するように、コールドクルーシブル誘導溶解法によりチタン合金を溶解し、溶解した純チタンまたはチタン合金をコールドハース内に供給する発明が開示されている。この発明では、溶解した純チタンまたはチタン合金の浴面にプラズマジェットを吹き付けながらコールドハース内で5g/cm超の比重の大きなHDIを沈降分離する。これにより、チタン鋳塊を製造する。特許文献4により開示された発明によれば、コールドクルーシブル誘導溶解法によりLDIを溶解し、鋳造を行うことにより、LDIの少ないチタン鋳塊を製造できるとされている。
特開2004-232066号公報 特開2004-276039号公報 特開2009-161855号公報 特開2013-43999号公報
特許文献1により開示された発明は、電子ビームを走査することにより、LDIをハースの上流方向へ押し戻しながらLDIをハース内で溶解する。しかし、ハースの上流方向へ押し戻されたLDIは時間とともに増大する。このため、押し戻されずに鋳型の中にLDIが流入する確率が増加する。さらに、仮にハース内でLDIを溶解できても、鋳型の中で溶湯の温度が低下するとLDIが晶出する。このため、特許文献1に記載の発明により、航空機用素材に要求されるレベルまでLDIを除去することは困難である。
特許文献2により開示された発明では、ハース内の溶湯の底部に、表面に少なくとも1個の凹部を有するハーススカルを一旦形成しても、溶解時間の経過に伴って凹部とその周囲の温度が均一化するために凹部が消滅する。このため、ハースプール面を浮遊するLDIを消滅する効果を得られなくなる。また、電子ビームを走査してLDIを溶解しても、電子ビームが照射されない場所では溶湯の温度が低下するため、LDIが晶出する。仮に、ハースの途中でLDIを溶解できたとしても、溶湯が鋳型の中に注がれて凝固する際にはLDIが再び晶出することがあり、結果的にLDIを除去できない。
特許文献3により開示された発明では、側壁に形成される凝固界面に溶湯を衝突させると、衝突の極初期の段階では溶湯に含まれる固形不純物が凝固界面に捕捉されると考えられる。しかし、凝固界面の温度よりも高温の溶湯が凝固界面に衝突し続けると、凝固界面が再溶融し、捕捉された固形不純物が流れに沿って鋳型内に流入する。
さらに、特許文献4により開示された発明では、時間の経過とともにハース内でLDIの数が増加するため、プラズマジェットを吹き付けても全てのLDIを沈降させることは困難である。さらに、溶湯中に一旦溶解したLDIは、鋳型内で溶湯温度が低下すると晶出し、結果的に鋳塊にLDIが混入してしまう。
このように、従来の技術では、LDIが例えば航空機用素材に要求されるレベルまで低減されたチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊を確実に製造することに困難が伴う。
上述のように、ハースの底部に形成されたスカルによりLDIを捕捉する技術や、溶解ハースでの溶湯の流れ方向と精錬ハースでの溶湯の流れ方向とを直交させ、溶湯を精錬ハース内に形成した凝固界面に衝突させることによりLDIを捕捉する技術、さらには、溶湯の表面のLDIを電子ビームにより溶解する技術がこれまでにも開示されている。
しかし、これらの従来の技術は、いずれも、鋳造時間の長さを考慮していない。特に、ハースの底部にスカルを形成しながら溶解するスカル溶解の鋳造時間は、数時間から十数時間にも及ぶ。このため、従来の技術では、LDIの除去効果が鋳造時間の経過とともに消失する。
LDIが、例えば航空機用素材に要求されるレベルまで低減されたチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊を製造するためには、鋳造の全時間においてLDIが鋳型に流入しないことが不可欠である。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、
(A)ハース内に形成された、液相部分である溶湯と固相部分であるスカルとの界面(凝固界面)にLDIを捕捉させる頻度を高めるためには、ハースの内部での溶湯の流れと衝突する凝固界面を増やすことが有効であるという新規な知見Aを得た。また、本願発明者らは、
(B)ハースを流れる溶湯と衝突する凝固界面を増やすためには、ハースの内部へ向けて突出する凸部を設ければよい、という新規な知見Bを得た。
そして、本願発明者らは、これら新規な知見A,Bに基づいて、さらに検討を重ねて本発明を完成した。本発明は以下に列記の通りである。
(1)チタン含有原料を供給する原料供給工程と、
供給された前記原料に電子ビームまたはプラズマを照射することにより前記原料を溶解する溶解工程と、
底部、この底部の上方に延びこの底部と協働して前記原料の溶融物を含む溶湯が収容される溶湯プールを形成する周壁、前記底部から前記溶湯プールの内側に延びる凸部、および、溶湯出口を含み、前記溶湯が前記溶湯プールにおいて平面視で前記凸部の側方を通過しながら前記溶湯出口へ向かう所定の主流れ方向に沿って流れるように構成されたハースにおいて、前記溶湯を精錬する精錬工程と、
前記溶湯出口から供給される前記溶湯を鋳型で冷却凝固する鋳造工程と、を含み、
前記精錬工程では、前記鋳型への前記溶湯の供給開始から供給完了までの間、前記凸部の側方において前記溶湯の流動を継続する、チタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造方法。
(2)前記凸部は、前記底部および前記周壁から前記溶湯プールの内側に向けて延び、且つ、平面視において前記主流れ方向と交差する方向に延びている、(1)に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造方法。
(3)前記凸部の水平断面形状は、三角形、長方形または長半円形である、(1)または(2)に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造方法。
(4)前記周壁は、前記主流れ方向に沿って延び互いに対向する一対の側壁を含み、
一対の前記側壁に、一対の前記凸部が設けられている、(1)~(3)の何れか1項に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造方法。
(5)一対の前記凸部は、前記主流れ方向に関して、一致する位置に設けられる、(4)に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造方法。
(6)平面視における前記主流れ方向と直交する方向への前記凸部の最大長さは、一対の前記側壁間の間隔の10~40%である、(5)に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造方法。
(7)一対の前記凸部は、前記主流れ方向に関して、不一致の位置に設けられる、(4)に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造方法。
(8)前記主流れ方向と直交する方向への前記凸部の最大長さは、一対の前記側壁間の間隔の長さの10~70%である、(7)に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造方法。
(9)前記ハースは、
前記チタン含有原料が投入される第1ハースと、
前記溶湯出口を含み、前記第1ハースから流入した前記溶湯の一部を冷却凝固させることで前記溶湯プールにスカルを形成し、前記溶湯の残部を前記溶湯出口へ流す第2ハースと、
を含み、
前記凸部は、前記第2ハースに設けられている、(1)~(8)の何れか1項に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造方法。
(10)前記主流れ方向における前記凸部の最大長さは、前記凸部が設けられている領域での前記主流れ方向における前記第2ハースでの前記溶湯プールの全長の10~50%である、(9)に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造方法。
(11)前記凸部は、前記凸部が設けられている領域での前記主流れ方向における前記第2ハースでの前記溶湯プールの全長の20~100%に相当する領域に設けられる、(9)または(10)に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造方法。
(12)チタン含有原料を供給する原料供給部と、
供給された前記原料に電子ビームまたはプラズマを照射することにより前記原料を溶解する電子ビームまたはプラズマ照射部と、
底部、この底部の上方に延びこの底部と協働して前記原料の溶融物を含む溶湯が収容される溶湯プールを形成する周壁、前記底部から前記溶湯プールの内側に延びる凸部、および、溶湯出口を含み、前記溶湯が前記溶湯プールにおいて平面視で前記凸部の側方を通過しながら前記溶湯出口へ向かう所定の主流れ方向に沿って流れるように構成され、前記溶湯を精錬するハースと、
前記溶湯出口から供給される前記溶湯を冷却凝固する鋳型と、を備え、
前記溶湯の供給開始から供給完了までの間、前記凸部の側方において前記溶湯の流動を継続可能なように、前記凸部と前記周壁との間に間隔が形成されている、チタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造装置。
(13)前記凸部は、前記底部および前記周壁から前記溶湯プールの内側に向けて延び、且つ、平面視において前記主流れ方向と交差する方向に延びている、(12)に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造装置。
(14)前記凸部の水平断面形状は、三角形、長方形または長半円形である、(12)または(13)に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造装置。
(15)前記周壁は、前記主流れ方向に沿って延び互いに対向する一対の側壁を含み、
一対の前記側壁に、一対の前記凸部が設けられている、(12)~(14)の何れか1項に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造装置。
(16)一対の凸部は、前記主流れ方向に関して一致する位置に設けられる、(15)に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造装置。
(17)一対の凸部は、前記主流れ方向に関して、不一致の位置に設けられる、(15)に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造装置。
本発明により、介在物、特にLDIが例えば航空機用素材に要求されるレベルまで低減されたチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊を製造することができる。
図1は、本発明に係るチタン合金鋳塊の製造装置を模式的に示す斜視図である。 図2は、第2ハースの一部を拡大して示す水平断面図である。 図3は、図2のIII―III線に沿う模式的な断面図であり、第3主流れ方向と直交する断面を示している。 図4は、変形例を示す主要部の水平断面図である。 図5(A)~図5(D)は、本発明の別の変形例を示す主要部の水平断面図である。 図6は、本発明の別の変形例を示す主要部の水平断面図である。 図7(A)~図7(D)は、本発明の別の変形例を示す主要部の水平断面図である。
添付図面を参照しながら、本発明を説明する。以降の説明では、化学組成に関する「%」は特に断りがない限り「質量%」を意味する。なお、以降の説明では、チタン合金鋳塊を製造する場合を例にとるが、本発明は、この場合には限定されず、チタン鋳塊を製造する場合にも等しく適用される。
1.本発明に係る製造装置
図1は、本発明に係るチタン合金鋳塊52の製造装置1を模式的に示す斜視図である。図2は、第2ハース6の一部を拡大して示す水平断面図である。図3は、図2のIII―III線に沿う模式的な断面図であり、第3主流れ方向D3と直交する断面を示している。
図1~図3を参照して、製造装置1は、原料供給部2と、電子ビームまたはプラズマ照射部(以下、単に「照射部」という)3,9,10と、第1ハース4、湯道5および第2ハース6を有するハース7と、鋳型8と、を有している。
照射部3,9,10が電子ビームを照射する構成の場合、製造装置1の各部2~10は、真空雰囲気下に置かれ、これらの照射部3,9,10は、電子ビームガン等の公知の電子ビーム発生装置を有している。また、照射部3,9,10がプラズマを照射する構成の場合、製造装置1の各部2~10は、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下に置かれ、これらの照射部3,9,10は、公知のプラズマ発生装置を有している。
原料供給部2は、チタン製または主成分がチタンの原料50(チタン含有原料)を供給する。原料50はチタンブリケット(チタン合金ブリケットを含む。以下同じ。)であることが好ましい。原料50は、チタンブリケットに限らず、必要に応じて板、棒、管等のスクラップをチタン含有原料に混在させてもよい。以降の説明では、原料50がチタンブリケットである場合を例にとる。
原料供給部2は、原料50を第1ハース4の上方から連続的に供給する。原料供給部2は、原料50が載せ置かれる台座2aと、この台座2aから原料50を第1ハース4へ投入する投入装置(図示せず)と、を有している。原料供給部2は、原料50を、照射部3による原料50の溶解速度に応じた供給速度で供給することが好ましい。また、原料供給部2は、原料50を連続して供給することが好ましく、照射部3は原料50を連続して溶解することが好ましい。
原料50を第1ハース4の上方から供給する際は、原料50を固形物のまま落下させてもよいが、照射部3によって溶解した原料50を第1ハース4に流下することが好ましい。なぜならば、第1ハース4に供給する溶湯51の温度を安定的に維持することができ、第2ハース6に供給される溶湯51の温度も安定し、第2ハース6で形成されるシェル53を安定して成長させることができるからである。
照射部3は、原料供給部2から供給された原料50に電子ビームまたはプラズマを照射することにより原料50を溶解する。これにより、原料50の溶融物を含む溶湯51が、第1ハース4に収容される。照射部3に加えて、照射部9が設けられていることが好ましい。照射部9は、第1ハース4、および、第2ハース6を流れる溶湯51の上面51aに、溶湯51の温度調整用の電子ビームまたはプラズマを走査しながら照射するために設けられる。本実施形態では、第1ハース4に向けて電子ビームまたはプラズマを照射する照射部9が1基配置されている。また、第2ハース6に向けて電子ビームまたはプラズマを照射する照射部9が、2基配置されている。
溶湯51が一定量以上第1ハース4に満たされると、溶湯51は湯道5を介して第2ハース6に注がれる。第2ハース6は、第1ハース4から流入する溶湯51の一部を冷却し、この第2ハース6の後述する第2溶湯プール37にスカル53を形成しながら、残部の溶湯51を鋳型8へ流す。
このように、溶湯51は、第1ハース4、湯道5、第2ハース6の順に流れ、第2ハース6の溶湯出口7aから鋳型8へ流入する。
第1ハース4は、平面視で細長い矩形状に形成されており、当該第1ハース4における溶湯51の主流れ方向Dの一種である第1主流れ方向D1を長手方向として細長く延びている。第1ハース4は、原料50が投入され原料50を溶解する溶解ハースとして設けられている。
第1ハース4は、上流壁21と、下流壁22と、一対の第1側壁23,24と、底部25と、を有している。
上流壁21は、ハース7における溶湯51の主流れ方向Dの上流側端部に配置された、鉛直方向に延びる壁である。下流壁22は、上流壁21と間隔をあけて平行に延び且つ鉛直方向に延びる壁であり、第1ハース4における第1主流れ方向D1の下流型端部に配置されている。
一対の第1側壁23,24は、第1主流れ方向D1に沿って互いに平行に延びており、且つ、鉛直方向に延びる壁である。各第1側壁23,24は、上流壁21および下流壁22に接続されている。他方の第1側壁24のうち、下流壁22に隣接する箇所は、上端側の一部が切り欠かれた形状を有しており、この切り欠かれた部分が、湯道5を形成している。
底部25は、水平に延びる壁であり、上流壁21、下流壁22、および、一対の第1側壁23,24の下端部に接続されており、これら上流壁21、下流壁22、および、一対の第1側壁23,24と協働して、溶湯51が溜められる第1溶湯プール27を形成している。
湯道5は、溶湯51を第1ハース4から第2ハース6へ送るために設けられている。本実施形態では、湯道5の入口および出口における溶湯51の主流れ方向Dは、湯道5の形状に依存して決まる。この主流れ方向Dは、本願実施形態では、下流壁22が延びる方向と平行な方向であり、主流れ方向Dの一種としての第2主流れ方向D2である。
第2ハース6は、第1ハース4から流入した溶湯51の一部を冷却凝固させることで、第2溶湯プール37において溶湯51の下方および側方(水平方向の横側)にスカル53(溶湯51が急冷されて直ちに凝固した薄い凝固層)を形成し、溶湯51の残部を溶湯出口7aへ流す、精錬ハースとして設けられている。
第2ハース6は、平面視で細長い矩形状に形成されており、当該第2ハース6における溶湯51の主流れ方向Dの一種である第3主流れ方向D3を長手方向として細長く延びている。本実施形態では、第1ハース4の長手方向(第1主流れ方向D1)と第2ハース6の長手方向(第3主流れ方向D3)とは、平行である。
第2ハース6は、上流壁31と、下流壁32と、一対の第2側壁33,34と、底部35と、溶湯出口7aと、を有している。上流壁31、下流壁32、および一対の第2側壁33,34は、平面視で矩形状の周壁36を形成している。周壁36は、底部35の上方に延びている。
上流壁31は、第2ハース6における溶湯51の主流れ方向Dの上流側端部に配置され、第2主流れ方向D2と平行な方向および鉛直方向に延びる壁である。下流壁32は、上流壁31と間隔をあけて平行に延び且つ鉛直方向に延びる壁であり、第2ハース6における主流れ方向D(第3主流れ方向D3)の下流型端部に配置されている。
一対の第2側壁33,34は、第3主流れ方向D3に沿って互いに平行に延びており、且つ、鉛直方向に延びる壁である。一対の第2側壁33,34は、第3流れ方向D3と直交する方向に互いに対向している。一方の第2側壁33は、上流壁31および下流壁32に接続されている。この一方の第2側壁33のうち、主流れ方向Dの上流側端部は、下流壁22の一部であるとともに他方の第1側壁24の一部でもあり、湯道5に接続されている。また、一方の第2側壁33のうち、第3主流れ方向Dの下流側端部に溶湯出口7aが設けられている。他方の第2側壁34は、上流壁31および下流壁32に接続されている。
溶湯出口7aは、本実施形態では、一方の第2側壁33と下流壁32との接続部付近に形成されている。この溶湯出口7aは、例えば、一方の第2側壁33の上端部の一部を切り欠くようにして形成されている。溶湯51は、本実施形態では、溶湯出口7aから、第2方向D2とは平行で且つ第2方向D2とは反対の第4方向D4に向けて流れることで、鋳型8へ導入される。
底部35は、概ね水平に延びる壁であり、上流壁31、下流壁32、および、一対の第2側壁33,34のそれぞれの下端部に接続されている。底部35は、これら上流壁31、下流壁32、および、一対の第2側壁33,34を含む周壁36と協働して、溶湯51が溜められる第2溶湯プール37を形成している。第2溶湯プール37と第1溶湯プール27は、協働して、ハース7における溶湯プール11を形成している。
上記の構成により、溶湯51は、湯道5から第2主流れ方向D2に沿って流動することで、第2ハース6に流入する。この溶湯51は、第2ハース6の他方の第2側壁34の内側面34aへ向かって流れ、この内側面34aに受けられる。これにより、溶湯51の主流れ方向Dは、第2ハース6の長手方向、すなわち、第2方向D2と直交(交差)する第3方向D3に変わる。第3方向D3へ向きを変えた溶湯51は、第3方向D3に沿って下流壁33に向けて進む。そして、平面視で後述する凸部41の側方を通過して下流壁33付近に到達した溶湯51は、第4方向D4へ向きを変えて流れ、溶湯出口7a、すなわち鋳型8への供給口に向かって流れる。
このように、ハース7において、溶湯51は、溶湯出口7aへ向かう所定の主流れ方向Dに沿って、溶湯出口7aまで流れる。主流れ方向Dとは、溶湯51が溶湯出口7aへ向かうための流れ方向をいい、例えば、溶湯51が局所的に渦を巻いているときのこの渦の流れ方向は含まないことを意味している。
本実施形態では、主流れ方向Dは、前述した第1主流れ方向D1と、第2主流れ方向D2と、第3主流れ方向D3と、第4主流れ方向D4と、を含んでいる。
第1主流れ方向D1は、第1ハース4において、溶湯51が上流壁21から下流壁22へ流れるときの流れ方向をいう。第1主流れ方向D1は、一対の第1側壁23,24と平行な方向である。
第2主流れ方向D2は、湯道5における溶湯51の流れ方向である。第2主流れ方向D2は、本実施形態では、第1ハース4の下流壁22の内側面と平行であるとともに、第2ハース6の上流壁31の内側面31aと平行である。溶湯51は、第1ハース4の下流壁22付近、および、第2ハース6の上流壁31付近のそれぞれにおいて、第2主流れ方向D2に沿って流れる。
第3主流れ方向D3は、第2ハース6において、溶湯51が上流壁31から下流壁32へ向かって流れるときの流れ方向をいう。第3主流れ方向D3は、一対の第2側壁33,34の内側面33a,34aと平行な方向である。
第4主流れ方向D4は、溶湯出口7aにおける溶湯51の流れ方向である。第4主流れ方向D4は、本実施形態では、第2ハース6の下流壁32の内側面32aと平行である。溶湯51は、第2ハース6の下流壁32付近、および、溶湯出口7aのそれぞれにおいて、第4主流れ方向D4に沿って流れる。
本実施形態では、溶湯51は、主に、ハース7における代表的な経路C(中心経路)に沿って移動する。具体的には、経路Cは、第1領域C1と、第2領域C2と、第3領域C3と、第4領域C4と、を有している。
第1領域C1は、第1ハース4において、第1主流れ方向D1に沿って溶湯51が流れる領域であり、且つ、第1側壁23,24の内側面間の中央位置の領域である。第2領域C2は、第2主流れ方向D2に沿って溶湯51が流れる領域であり、平面視における湯道5の中央位置の領域、および、当該領域から第2主流れ方向D2に延びた領域である。第2領域C2の一端は、第1領域C1のうち第1主流れ方向D1の下流端に接続されている。また、第2領域C2の他端は、第3領域C3のうち第3主流れ方向D3の上流端に接続されている。
第3領域C3は、第2ハース6において、第3主流れ方向D3に沿って溶湯51が流れる領域であり、且つ、第2側壁33,34の内側面33a,34a間の中央位置の領域である。第4領域C4は、第4主流れ方向D4に沿って溶湯51が流れる領域であり、平面視における溶湯出口7aの中央位置の領域、および、当該領域から第4主流れ方向D4に延びた領域である。第4領域C4の一端は、第3領域C3のうち第3主流れ方向D3の下流端に接続されている。また、第4領域C4の他端は、第4主流れ方向D4における溶湯出口7aの先端に位置している。
なお、ハース7における溶湯51の移動速度は、毎時数百mm程度の極めて小さな値である。よって、各領域C1,C2,C3,C4の互いの接続部は、図1に示すように直角であると仮定しても現実と大きな乖離はないといえる。
前述したように、LDI(Low Density Inclusion)は、TiN等を含んでいる。そして、LDIの密度はチタンまたはチタン合金の密度よりも小さい。このため、LDIは、ハース7内の溶湯51の上面51aに浮上し、溶湯51とともに、第1ハース4から第2ハース6へ流れ込む。
よって、LDIは、第2ハース6を流れる溶湯51中に懸濁しており、溶湯51とともに第2ハース6の第2溶湯プール37を移動し、鋳型8に向かう。鋳型8へのLDIの流入を阻止するために、第2ハース6の内部で形成される凝固界面54によりLDIを捕捉させる。
本実施形態では、LDIを、スカル53と溶湯51の凝固界面54に捕捉させるために、第2ハース6を流れる溶湯51とスカル53とをより多く衝突させるように構成されている。具体的には、スカル53を第2ハース6の一対の第2側壁33,34および底壁35から凸状に成長させるように構成されている。これにより、一対の第2側壁33,34から成長したスカル53の周囲を溶湯51が流れる。このため、溶湯51中のLDIとスカル53との衝突頻度が高まり、LDIは、凝固界面54に捕捉されて鋳型8に流れる量を減らされる。
スカル53を第2ハース6の一対の第2側壁33,34および底壁35から凸状に成長させるため、第2ハース6には、凸部41が設けられている。凸部41は、平面視(凸部41が設けられている位置での水平断面)において凸部41の側方(周囲)を溶湯51が通過するように構成されている。凸部41は、第2ハース6の底部35の内側面35aから第2溶湯プール37の内側に延びている。
凸部41は、主流れ方向Dが第2主流れ方向D2から第3主流れ方向D3へ移行を完了した位置に設置されていることが好ましい。すなわち、第2ハース6のうち、溶湯51の主流れ方向Dが第2主流れ方向D2から第3主流れ方向D3へ変化する流れ方向変化領域を避けた位置に凸部41を設定することが、好ましい。これにより、一対の第2側壁33,34のそれぞれに凸部41が設けられている場合において、これらの凸部41の側方において、溶湯51をより均等に流すことができる。
凸部41は、本実施形態では、複数設けられており、第2側壁33,34のそれぞれの内側面33a,34aに設けられている。本実施形態では、凸部41は、底部35の内側面35aおよび対応する内側面33a,34aから第2溶湯プール37の内側に延びている。また、各凸部41は、平面視において第3主流れ方向D3と交差する方向(本実施形態では、直交する方向)に延びている。
凸部41は、例えば、一方の第2側壁33に複数(本実施形態では2つ)設けられているとともに、他方の第2側壁34に複数(本実施形態では2つ)設けられている。これにより、一方の第2側壁33に形成された凸部41と、他方の第2側壁34に形成された凸部41とは、対をなしている。各凸部41の水平断面形状(平面視における形状)は、第2溶湯プール37の中心側に向かうに従い先細りとなる形状に形成されており、本実施形態では、多角形形状の一種としての三角形形状に形成されている。
これらの凸部41により、第2ハース6の第2側壁33,34から成長するスカル53を、平面視で第3主流れ方向D3と直交する方向に先細りとなる凸形状にすることができる。これにより、第2ハース6の第2溶湯プール37を流れる溶湯51と衝突するスカル53の凝固界面54の面積を増やすことができる。このため、凝固界面54でLDIを捕捉させる頻度を高めることができる。
第2ハース6に設ける凸部41の数は、一つ以上であればよいけれども、前述したように複数設けるほうが、LDIを捕捉する効果は高まる。
凸部41の高さZ1(鉛直方向の長さ)は、第3主流れ方向D3と反対方向に向けてスカル53を成長させることができる高さであればよい。凸部41の高さZ1は、例えば、底部35の内側面35aから、溶湯51の上面51aまであってもよいし、内側面33a,34aの上端位置まであってもよい。
一方の第2側壁33に設けられる凸部41と、他方の第2側壁34に設けられる凸部41とは、第3方向D3に関して、不一致の位置に設けられる場合がある。より具体的には、一方の第2側壁33に設けられた凸部41のうち内側面33aからの突出量が最も大きい頂部41aの位置と、他方の第2側壁34に設けられた凸部41のうち内側面34aからの突出量が最も大きい頂部41aの位置とは、第3主流れ方向D3における位置が所定量Δ異ならされている。この場合、凸部41は、平面視において、当該凸部41が設置されている内側面33a,34aから第3主流れ方向D3と直交する方向に、所定の長さX1(対応する内側面33a,34aから凸部41までの最大長さ)を有している。各凸部41の長さX1は、一対の第2側壁33,34の内側面33a,34a間の間隔、すなわち、第2溶湯プール37の幅wの10~70%であることが好ましい。
図1に示す凸部41の場合、長さX1が第2側壁33,34間の間隔(第2溶湯プール37の幅w)の10%未満であると、凸部41の長さが短すぎ、LDIと凸部41に形成されたスカル53との衝突頻度が低くなる結果、LDIの除去効果が十分ではないおそれがある。一方、図1に示す凸部41の場合、長さX1が第2溶湯プール37の幅wの70%を超えると、第2溶湯プール37のうち溶湯51が第3流れ方向D3に真っ直ぐ進むことのできる領域が狭くなり過ぎる。そのため、第3主流れ方向D3と直交する方向に対向する一対の凸部41,41間において、凸部41から成長したスカル53が溶湯51の通路を塞いでしまい、溶湯51を鋳型8へ流せなくなってしまう。
図1に示す形態とは別の形態として、図4に示すように、一対の第2側壁33,34それぞれに設けられる凸部41の頂部41a,41aを、第3主流れ方向D3において、一致する位置に設けてもよい。この場合、平面視において第3主流れ方向D3と直交する方向への凸部41の長さX1は、一対の第2側壁33,34の内側面33a,34a間の間隔(第2溶湯プール37の全幅w)の10~40%であることが好ましい。
図4に示す変形例の場合、長さX1が第2溶湯プール37の全幅wの40%を超えると、第2溶湯プール37のうち溶湯51が第3主流れ方向D3に真っ直ぐ進むことのできる領域が狭くなり過ぎる。そのため、第3主流れ方向D3と直交する方向に対向する2つの凸部41,41間において、凸部41から成長したスカル53が溶湯51の通路を塞いでしまい、溶湯51を鋳型8へ流せなくなってしまう。一方、図4に示す変形例の場合、長さX1が第2溶湯プール37の全幅wの10%未満であると、凸部41の長さが短すぎ、LDIと凸部41に形成されたスカル53との衝突頻度が低く、その結果、LDIの除去効果が十分ではないおそれがある。
このように、一方の第2側壁33に設けられた凸部41と他方の第2側壁34に設けられた凸部41とは、第3主流れ方向D3に関して、一致するように配置されていてもよいし、ジグザグ状に交互に配置されてもよい。凸部41の長さX1を、上述の上限以下に設定することで、溶湯51の供給開始から供給完了までの間、凸部41の側方において溶湯51の流動を継続可能なように、凸部41と周壁36との間に間隔を形成できる。
平面視において、第3主流れ方向D3における凸部41の幅Y1(凸部41の幅の最大値)は、凸部41が設けられている領域での主流れ方向D(第3主流れ方向D3)における第2溶湯プール37の全長nの10~50%であることが好ましい。凸部41の幅Y1が、第2溶湯プール37の全長nの10%未満であると、凸部41を配置する効果が少なくなる。一方、凸部41の幅Y1が、第2溶湯プール37の全長nの50%を超えると、凸部41の設置数を1個またはゼロにしかできず、その結果、凸部41を配置する効果が小さいか、または、凸部41を配置できなくなる。
さらに、凸部41は、凸部41が設けられている領域での主流れ方向D(第3主流れ方向D3)において、第2溶湯プール37の全長nの20~100%に相当する領域に設けられることが好ましい。凸部41が設けられる領域を全長nの20%未満とすると、凸部41が設けられる領域の長さが短過ぎ、その結果、凸部41を配置する効果が少なくなる。一方、凸部41は第3主流れ方向D3において、第2溶湯プール37の全域に亘って配置されてもよい。上記の構成を有するハース7の溶湯出口7aから、溶湯51が鋳型8へ供給される。
鋳型8は、第2ハース6から供給される溶湯を冷却凝固してチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊52(インゴット)とする。
以上が製造装置1の概略構成である。
2.本実施形態に係るチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造方法
本実施形態では、チタン鋳塊またはチタン合金鋳塊(本実施形態では、チタン合金鋳塊)の製造方法は、第1~4の工程を有する。
第1の工程は、原料供給工程である。この第1の工程では、原料供給部2により原料50が供給される。
第2の工程は、溶解工程である。この第2の工程では、原料供給部2により第1ハース4へ供給された原料50に照射部3が電子ビームまたはプラズマを照射することにより原料50を溶解する。
第3の工程は、ハース7において溶湯51を精錬する精錬工程である。この第3の工程では、第2ハース6は、第1ハース4から第2ハース6へ流入する一部の溶湯51を冷却凝固し、溶湯51の下方および凸部41の側方にスカル53を形成しながら、残部の溶湯51を溶湯出口7aへ流す。第2ハース6においては、溶湯51は、凸部41の側方を通過しながら溶湯出口7aへ向かう主流れ方向Dに沿って流れる。この精錬工程では、鋳型8への溶湯51の供給開始から供給完了までの間、凸部41の側方において溶湯51の流動が継続され、第2ハース6から鋳型8への溶湯51の供給が継続される。
精錬工程において、第2ハース6に凸部41が設けられていることにより、凸部41に保持され且つ成長するスカル53の厚みを経時的に増すことができる。これにより、スカル53の凝固界面54において、継続的にLDIを捕獲できる。このため、スカル53の凝固界面54にLDIを捕捉させる頻度を高めることができる。
なお、第2ハース6を流れる溶湯51に照射部9から電子ビームを照射する場合は、第3主流れ方向D3に向かい合う一対の凸部41の間を通過する溶湯51に電子ビームを照射することが、LDIの除去効果を高めるために好ましい。
第4の工程は、鋳造工程である。この第4の工程では、第2ハース6の溶湯出口7aから供給される溶湯51を鋳型8で冷却凝固してチタン合金鋳塊52(インゴット)とする。
このようにして、介在物、特にLDIが例えば航空機用素材に要求されるレベルまで低減されたチタン合金鋳塊52を製造することができる。
より具体的には、本実施形態によると、第2溶湯プール37に凸部41が設けられている。これにより、凸部41に形成されたスカル53の凝固界面54は、凸部41の側方を通過する溶湯51と接触することで、溶湯51中のLDIを取り込む。さらに、凸部41に形成されたスカル53は、主流れ方向Dに沿って流れる溶湯51と継続して接触することで、厚みを増すように成長する。これにより、凝固界面54が経時的に変位するので、チタン合金鋳塊52の鋳造中、スカル53がLDIを継続して捕獲できる。これにより、介在物、特にLDIが例えば航空機用素材に要求されるレベルまで低減されたチタン合金鋳塊52を製造することができる。
また、本実施形態によると、凸部41は、平面視において、第3主流れ方向D3と交差する方向に延びている。この構成によると、凸部41に形成されたスカル53を、第3主流れ方向D3に流れる溶湯51に確実に接触させることができる。これにより、凸部41に形成されたスカル53がLDIを捕獲する頻度をより高くできる。
また、本実施形態によると、凸部41の水平断面形状は、三角形である。この構成によると、凸部41に形成されたスカル53と溶湯51との接触面積を、簡易な構成で大きくできる。
また、本実施形態によると、一対の第2側壁33,34のそれぞれに凸部41が形成されている。この構成によると、平面視で第3主流れ方向D3と直交する方向に関して、第2溶湯プール37を流れる溶湯51中のLDIをより均等に複数の凸部41で捕獲できる。
また、本実施形態によると、第3主流れ方向D3に関して、一方の第2側壁33に設けられた凸部41の位置と他方の第2側壁34に設けられた凸部41の位置とが一致している場合がある。この場合、一対の凸部41,41が協働することで、溶湯51中のLDIをより確実に捕獲できる。
また、本実施形態によると、第3主流れ方向D3に関して、一方の第2側壁33に設けられた凸部41の位置と他方の第2側壁34に設けられた凸部41の位置とが不一致でる場合がある。この場合、凸部41によるLDIの捕獲効果を十分に発揮しつつ、溶湯51が、第3主流れ方向D3と直交する方向に向かい合う一対の凸部41,41間で詰まることをより確実に抑制できる。
また、本実施形態によると、凸部41は、ハース7のうちの第2ハース6に設けられている。この構成によると、溶湯51が第3主流れ方向D3に沿って流れることで、第2ハース6内においてHDIの沈降を促進されつつ、凸部41によってLDIも捕獲できる。
以上、本発明の実施形態について説明したけれども、本発明は、上述の実施形態に限定されない。本発明は、特許請求の範囲に記載の範囲内において、種々の変更が可能である。
上述の実施形態では、一対の第2側壁33,34のそれぞれに凸部41が設けられる形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。一対の第2側壁33,34の何れか一方にのみ凸部41が設けられてもよいし、上流壁31および下流壁33の少なくとも一方に凸部41が設けられてもよい。
上述の実施形態では、凸部41の水平断面形状が三角形である形態を例に説明した。しかしながら凸部41の水平断面は、三角形には限定されない。例えば、第2溶湯プール37の中央側に向けて延びる凸部41の水平断面形状として、三角形以外に、図5(A)に示すように、長方形であってもよいし、図5(B)に示すように角丸半長方形(半長円形)であってもよいし、図5(C)に示すように、半円等の円弧状であってもよいし、図5(D)に示すように台形であってもよい。
また、上述の実施形態では、凸部41が、第2ハース6の底部35の内側面35aに加えて、内側面33a,34aに設けられている形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば、図6に示すような凸部41Aが設けられていてもよい。凸部41Aは、第2ハース6の底部35の内側面35aから上方に延びているけれども、第2側壁33,34からは離隔している。この凸部41Aの高さは、凸部41の高さZ1と同様に設定される。凸部41Aは、第2溶湯プール37のうち溶湯51が第3主流れ方向D3を流れる領域において、第3主流れ方向D3と反対方向に向けて頂部41aAが向くように配置されている。凸部41Aは、凸部41に代えて設けられてもよいし、凸部41とともに設けられていてもよい。
また、第3主流れ方向D3と反対方向に向けて凸となる凸部41Aの水平断面形状は、特に限定されないけれども、図7(A)に示すように、長方形等の多角形であってもよいし、図7(B)に示すように角丸半長方形(半長円形)であってもよいし、図7(C)に示すように、半円等の円弧状であってもよいし、図7(D)に示すように台形であってもよい。
本発明の効果を確認するため、図1に示す製造装置1を用いて、以下に示す試験を実施して、その結果を評価した。
(1)溶解および鋳造条件
(1-1)溶湯成分:Ti-6.4%Al-4.2%V
(1-2)溶湯温度:1850℃(第2ハース6内の溶湯51の温度)
(1-3)鋳型8の内径:750mm
(1-4)溶解量:8000kg
(1-5)溶解速度:8000kg/時間
(1-6)照射方法:電子ビーム
(1-7)ハース:2種類使用
(1-7-1)第1ハース4
原料50としてのチタンブリケットを照射部3の電子ビームで溶解し、この溶湯51を溜め、第2ハース6に供給するためのハースである。第1ハース4の寸法は、幅500mm、長さ2000mm、深さ150mmである。
(1-7-2)第2ハース6
第1ハース4からの溶湯51をいったん溜めて、鋳型8に供給するためのハースである。第2ハース6の内部の寸法は、幅w:500mm、長さn:1500mm、深さ:150mmである。
(1-8)凸部41の水平断面形状
三角形とした。
(1-9)一対の第2側壁33,34における凸部41の位置
第3主流れ方向D3に一致あるいは不一致(ジグザグ配置)とした。
(1-10)第3主流れ方向D3と直交する方向への凸部41の長さX1
第3主流れ方向D3と直交する方向に向かい合う一対の凸部41の位置が一致する場合は、各凸部41の長さX1を第2側壁33,34間の幅wの5~45%とし、上述した凸部41の位置が不一致の場合(ジグザグ配置)は、第2側壁33,34間の幅wの5~80%とした。
(1-11)原料50
スポンジチタンと合金成分を混合した直径100mm、長200mmのチタンブリケットを用いた。
(1-12)照射部3,9,10
原料溶解用照射部3:1基、第1ハース4用照射部9:1基、第2ハース6用照射部9:2基、鋳型用照射部10:1基の合計5基を用いた。
(1-13)介在物
模擬LDIとしてTiN(直径10mmの角状片)を各原料50に100個添加した。
(1-14)第2ハース6での電子ビームの照射パターン:第2ハース6の両第2側壁33,34の凸部41,41の間を通過するように溶湯51に照射した。
(2)評価方法
鋳型8での鋳造終了後に、第2ハース6に残ったスカル53を採取し、全長1500mmのスカルを長手方向の4等分した位置のそれぞれから、横断面のサンプル3枚を採取した。このサンプルの厚みが小さい側から幅100mmの観察用サンプルを切り出し、断面を鏡面研磨した後、EPMA(Electron Probe Micro Analyzer)で分析を行った。具体的には、LDIの個数を求め、LDIの捕捉された単位面積当たりの個数を算出し、表1の比較例1の場合の個数を基準とした時の個数比を求め、捕捉効果の比較を行った。
また、約5500mm長のチタン合金鋳塊52の最底部から1000mm間隔で横断面部分を計5枚切り出し、この横断面の中心を含む幅100mm、長さ100mm、厚さ10mmの観察用サンプルを採取し、EPMAで分析を行った。分析結果の整理方法は、第2ハース6の場合と同様である。結果を表1にまとめて示す。
Figure 0007095470000001
表1における「凸部41の対向位置」は、第2ハース6の両第2側壁33,34にそれぞれ設けられた凸部41,41の位置が第3主流れ方向D3に一致しているか、あるいは不一致で凸部41がジグザグ状になっているかを示す。
表1における「凸部41の長さ(%)」は、第2溶湯プール37の幅wに対する凸部41の長さX1の割合を示す。
表1における「凸部41の幅(%)」は、第2溶湯プール37の全長nに対する、凸部41の幅Y1の割合を示す。
表1における「凸部41が設けられる領域(%)」は、第2溶湯プール37の全長nに対して凸部41が存在する領域の割合を示す。
表1における「第2ハース6内のLDIの個数比(-)」とは、比較例1の場合の、第2ハース6におけるLDIの単位面積当たりの個数を基準とした、個数比である。さらに、表1における「チタン合金鋳塊52内のLDIの個数比(-)」とは、比較例1の場合の、チタン合金鋳塊52におけるLDIの単位面積当たりの個数を基準とした、個数比である。
表1に示すように、第2ハース6の第2側壁33,34に凸部41を設けることにより、第2ハース6内のLDIの個数比を増大させて、チタン合金鋳塊52内のLDIの個数比を顕著に低減することができる。
なお、比較例2は、第2側壁33,34からの凸部41の長さが*記号で示されているように、第2溶湯プール36の幅wの70%を超えている。このため、側壁33,34から成長したスカル53によってこれらのスカル53間の間隔が狭くなり、溶湯51が通過し難くなって最終的に閉塞したため、操業ができなくなった。
また、比較例3は、第2側壁33,34からの凸部41の長さが*記号で示されているように、第2溶湯プール36の幅wの40%を超えている。このため、側壁33,34から成長したスカル53によってこれらのスカル53間の間隔が狭くなり、溶湯51が通過し難くなって最終的に閉塞したため、操業ができなくなった。
1 製造装置
2 原料供給部
3 照射部
4 第1ハース
6 第2ハース
7 ハース
7a 溶湯出口
8 鋳型
33,34 第2側壁(一対の側壁)
35 底部
36 周壁
37 第2溶湯プール(溶湯プール)
41,41A 凸部
50 原料
51 溶湯
52 チタン合金鋳塊
53 スカル
D 主流れ方向
n 第2溶湯プールの全長
X1 凸部の最大長さ
Y1 幅(主流れ方向と直交する方向への凸部の最大長さ)
w 一対の側壁間の間隔

Claims (18)

  1. チタン含有原料を供給する原料供給工程と、
    供給された前記原料に電子ビームまたはプラズマを照射することにより前記原料を溶解する溶解工程と、
    底部、この底部の上方に延びこの底部と協働して前記原料の溶融物を含む溶湯が収容される溶湯プールを形成する周壁、前記底部から前記溶湯プールの内側に延びる凸部、および、溶湯出口を含み、前記溶湯が前記溶湯プールにおいて平面視で前記凸部の側方を通過しながら前記溶湯出口へ向かう所定の主流れ方向に沿って流れるように構成されたハースにおいて、前記溶湯を精錬する精錬工程と、
    前記溶湯出口から供給される前記溶湯を鋳型で冷却凝固する鋳造工程と、を含み、
    前記精錬工程では、前記鋳型への前記溶湯の供給開始から供給完了までの間、前記凸部の側方において前記溶湯の流動を継続し、
    前記ハースは、前記チタン含有原料が供給され溶解される第1ハースと、前記第1ハースにおける前記溶湯の出口である湯道と、前記湯道から前記溶湯が供給され前記溶湯出口が形成され前記溶湯を精錬するための第2ハースと、を、含み、
    前記湯道を通過した前記溶湯が平面視で向きを変えて前記溶湯出口側に向かって前記第2ハース内を流動するように前記湯道および前記第2ハースが配置されており、
    前記第2ハースに前記凸部が配置されている、チタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造方法。
  2. 前記凸部は、前記底部および前記周壁から前記溶湯プールの内側に向けて延び、且つ、平面視において前記主流れ方向と交差する方向に延びている、請求項1に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造方法。
  3. 前記凸部の水平断面形状は、三角形、長方形または長半円形である、請求項1または請求項2に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造方法。
  4. 前記周壁は、前記主流れ方向に沿って延び互いに対向する一対の側壁を含み、
    一対の前記側壁に、一対の前記凸部が設けられている、請求項1~請求項3の何れか1項に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造方法。
  5. 一対の前記凸部は、前記主流れ方向に関して、一致する位置に設けられる、請求項4に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造方法。
  6. 平面視における前記主流れ方向と直交する方向への前記凸部の最大長さは、一対の前記側壁間の間隔の10~40%である、請求項5に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造方法。
  7. 一対の前記凸部は、前記主流れ方向に関して、不一致の位置に設けられる、請求項4に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造方法。
  8. 前記主流れ方向と直交する方向への前記凸部の最大長さは、一対の前記側壁間の間隔の長さの10~70%である、請求項7に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造方法。
  9. 前記第2ハースにおける前記周壁は、前記湯道における前記溶湯の前記主流れ方向に沿って前記湯道と対向する所定の対向箇所を含み、
    前記凸部は、前記所定の対向箇所よりも前記溶湯出口側に進んだ箇所に配置されている、請求項1~請求項8の何れか1項に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造方法。
  10. 前記主流れ方向における前記凸部の最大長さは、前記凸部が設けられている領域での前記主流れ方向における前記第2ハースでの前記溶湯プールの全長の10~50%である、請求項1~請求項9の何れか1項に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造方法。
  11. 前記凸部は、前記凸部が設けられている領域での前記主流れ方向における前記第2ハースでの前記溶湯プールの全長の20~100%に相当する領域に設けられる、請求項1~請求項10の何れか1項に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造方法。
  12. チタン含有原料を供給する原料供給部と、
    供給された前記原料に電子ビームまたはプラズマを照射することにより前記原料を溶解する電子ビームまたはプラズマ照射部と、
    底部、この底部の上方に延びこの底部と協働して前記原料の溶融物を含む溶湯が収容される溶湯プールを形成する周壁、前記底部から前記溶湯プールの内側に延びる凸部、および、溶湯出口を含み、前記溶湯が前記溶湯プールにおいて平面視で前記凸部の側方を通過しながら前記溶湯出口へ向かう所定の主流れ方向に沿って流れるように構成され、前記溶湯を精錬するハースと、
    前記溶湯出口から供給される前記溶湯を冷却凝固する鋳型と、を備え、
    前記ハースは、前記チタン含有原料が供給され溶解される第1ハースと、前記第1ハースにおける前記溶湯の出口である湯道と、前記湯道から前記溶湯が供給され前記溶湯出口が形成され前記溶湯を精錬するための第2ハースと、を、含み、
    前記湯道を通過した前記溶湯が平面視で向きを変えて前記溶湯出口側に向かって前記第2ハース内を流動するように前記湯道および前記第2ハースが配置されており、
    前記第2ハースに前記凸部が配置されており、
    前記溶湯の供給開始から供給完了までの間、前記凸部の側方において前記溶湯の流動を継続可能なように、前記凸部と前記周壁との間に間隔が形成されている、チタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造装置。
  13. 前記凸部は、前記底部および前記周壁から前記溶湯プールの内側に向けて延び、且つ、平面視において前記主流れ方向と交差する方向に延びている、請求項12に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造装置。
  14. 前記凸部の水平断面形状は、三角形、長方形または長半円形である、請求項12または請求項13に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造装置。
  15. 前記周壁は、前記主流れ方向に沿って延び互いに対向する一対の側壁を含み、
    一対の前記側壁に、一対の前記凸部が設けられている、請求項12~請求項14の何れか1項に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造装置。
  16. 一対の凸部は、前記主流れ方向に関して一致する位置に設けられる、請求項15に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造装置。
  17. 一対の凸部は、前記主流れ方向に関して、不一致の位置に設けられる、請求項15に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造装置。
  18. 前記第2ハースにおける前記周壁は、前記湯道における前記溶湯の前記主流れ方向に沿って前記湯道と対向する所定の対向箇所を含み、
    前記凸部は、前記所定の対向箇所よりも前記溶湯出口側に進んだ箇所に配置されている、請求項12~請求項17の何れか1項に記載のチタン鋳塊またはチタン合金鋳塊の製造装置。
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