JP7095387B2 - 型締装置 - Google Patents

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Description

本発明は、射出成形機に適用される型締装置に関し、特に発泡剤を含む樹脂の成形に用いられるコアバック射出発泡成形に有効な型締装置に関する。
コアバック射出発泡成形とは、射出発泡成形のプロセスにおいて金型キャビティの容積を拡大させ、金型キャビティ内に充満した溶融樹脂中の気泡を拡大させることによって高倍率の発泡成形品を得る手法である。
特許文献1は、四隅の型締めシリンダのそれぞれに供給する油量をサーボバルブにより独立して制御しながらコアバック動作することを提案する。この提案によれば、固定型盤と可動型盤との平行状態を維持できるので、型開き量を均一にすることが可能である。
ところが、油圧シリンダで駆動されるタイバーと、タイバーと可動型盤を連結している割ナットの間に互いの鋸歯の抜き差しを容易にするためのバックラッシュが設けられているので互いの鋸歯の間に不可避的にクリアランスが存在する。したがって、タイバーを介して可動盤を型開き方向に移動させる際に、型締め時に鋸歯の固定盤側面で割ナットと当接していたタイバーがクリアランス中を反対側の鋸歯測面に当接するまでに移動する時間の分だけ可動盤の動作がタイバーの動作よりも遅延する。
ところで、金型キャビティ内の溶融樹脂は金型からの冷却によって刻一刻と硬化が進むため、コアバックの開始が遅れるほど樹脂の硬化が進み樹脂中の気泡の成長が難しくなる。このことに関して、特許文献1は、気泡の成長が思ったように進まないことがあると、発泡成形品の発泡倍率が大きくならないことに言及している。また、金型キャビティ内の溶融樹脂の硬化は金型と接している成形品の表面から内部に向かって進むが、成形品の表面付近は気泡が成長できないため、コアバック開始が遅れると気泡が成長できる領域は成形品内部の狭い領域に限定されてしまう。この場合、狭い領域で大きな気泡が成長するため各部の気泡が粗大となり、所謂、「巣」が発生するので成形品の剛性が低下する。
特許文献2は、バックラッシュを消滅させる手法が提案されている。
しかしながら、特許文献2において、型締め用の割ナットに加えてバックラッシュ消滅用のナットを追加して設ける必要があるため、構造が大型化、複雑化してコスト高になる。また、特許文献2においては、バックラッシュ消滅用の割ナットを動作させる時間が必要であるため、成形工程によっては成形サイクルを短縮できないことがある。
特許文献3は、発泡成形時のコアバック動作を、型盤の対角に設置した型開閉用ボールねじにより行うことを提案する。
高発泡倍率な発泡成形や緻密な気泡による発泡成形を行うには、射出充填後に速やかにコアバック動作することによってキャビティを拡大してその内部の樹脂圧力を低下させることが有効である。通常の型開き工程のように割ナットを開いて可動盤とタイバーの連結を解除してから可動盤を移動させると、その時間の分だけキャビティ拡大が遅れることとなる。このため、コアバックを迅速に開始するためには、割ナットを開かずに可動盤とタイバーを連結したまま型開閉用ボールねじで型開を行えばよい。ところがこの場合、型開閉用ボールねじは可動金型を積載した可動盤を移動させるのに加えて、割ナットを介して可動盤と連結しているタイバーをも引き摺る必要がある。しかし、金型、可動盤およびタイバーはいずれも大重量物であるため、慣性力に対抗してこれらの大重量物を移動させる大推力を得るために大型の型開閉用ボールネジまたは複数組の型開閉用のボールねじが必要となりコスト高を招く。また複数組のボールねじを用いる場合は複数組のボールねじを同期制御することが必要となるため、制御が複雑になる。
特開2003-305759号公報 特開2009-132097号公報 特許第6072385号公報
以上より、本発明は、射出充填の完了後に迅速にコアバック動作を開始することができる低コストの型締装置を提供することを目的とする。
本発明の型締装置は、固定金型を保持する固定盤と、可動金型を保持する可動盤と、可動盤を、固定盤に対して型閉方向および型開方向に進退移動させる型開閉機構と、タイバーを介して可動金型を固定金型に所定の型締力で押し付ける型締機構と、型開閉機構および型締機構を制御する制御部と、を備える。
本発明における制御部は、発泡成形のコアバックのときに、型開閉機構を駆動させて可動盤を型開方向に移動させ、かつ、型締機構を駆動させてタイバーを型開方向に移動させる。
本発明における可動盤は、好ましくは、コアバックのときに、可動盤およびタイバーが同じ実速度で型開方向に移動する。
本発明の型締装置において、好ましくは、タイバーと可動盤の相互の連結および連結解除を行う連結機構を有し、コアバックのときに連結機構の連結状態を維持したままでタイバーを型開方向に移動させる。
本発明における制御部は、コアバックのときに、好ましくは、可動盤が目標速度V1Cで型開方向に移動するように型開閉機構を制御するとともに、タイバーが目標速度V2Cで型開方向に移動するように型締機構を制御する。この制御において、目標速度V1Cと目標速度V2Cが、V1C≧V2Cを満足する。
本発明における制御部は、コアバックのときに、好ましくは、タイバーが目標速度V2Cで型開方向に移動するように型締機構を制御するとともに、型開閉機構を駆動するアクチュエータの推力が目標推力Fとなるように制御する。この制御において、目標推力Fが閾値Fに対し、F≧Fを満足する。
本発明における制御部は、コアバックのときに、好ましくは、コアバックの目標位置よりも手前の減速開始位置で型締機構の駆動を停止し、減速開始位置から目標位置まで可動盤が移動するときの移動抵抗を増加させる。
本発明における制御部は、コアバックのときに、好ましくは、可動盤がコアバックの目標位置よりも手前の減速開始位置から型締機構の移動速度の減速を開始し、可動盤が目標位置に到達した以降に、型締機構に供給する作動油量または作動油圧を制御して、可動盤の位置が目標位置を保持するように制御する。
本発明における制御部は、好ましくは、発泡成形で使用される樹脂の発泡力に応じて、コアバックのときに駆動させる型締機構の数および位置を設定可能である。
本発明における樹脂の発泡力は、好ましくは、可動盤の移動速度、可動盤の加速度、金型キャビティ内の樹脂圧力、型開閉機構の駆動源の出力および樹脂の発泡剤の含有量の少なくとも一つに基づいて設定される。
本発明によれば、コアバックのときに、型開閉機構を駆動させて可動盤を型開方向に移動させてコアバックを開始する。型開閉機構を構成する機械要素、例えば、電動機およびボールねじは、割ナットとタイバーの間に比べてバックラッシュが微小であるから、コアバック動作、つまり可動盤の型開方向への移動が迅速に開始される。
また、本発明によれば、コアバックのときに、型締機構を駆動させて、タイバーを型開方向に移動させる。そうすると、タイバーが型開閉機構の駆動の抵抗になるのを避けることができるので、型開閉機構として、大型の型開閉用ボールネジまたは複数組の型開閉用のボールねじを設ける必要がない。
第1実施形態の型締装置の概略構成を示す図である。 図1の型締装置を後方からみたときの概略構成を示す図である。 タイバーと割ナットの係合部分を示す図である。 型閉じ時の型締装置を示す図である。 型締め時の型締装置を示す図である。 コアバック時の型締装置を示す図である。 コアバック時の型締機構(型締シリンダ)と型開閉機構(ボールねじ)の速度を示す図である。 (a)は第2実施形態における目標速度を示し、(b)は第1実施形態における目標速度を示し、(c)は変形例における目標速度を示し、(d)は第2実施形態におけるトルクの制御内容を示す図である。 第3実施形態におけるサーボバルブと電動機の制御を示す図である。 第5実施形態における制御部の動作を示す流れ図である。 図10の選択画面の一例を示す図である。 (a)~(g)は、コアバックのときに駆動させる型締シリンダの組み合わせを例示する図である。 (a)および(b)は、コアバックのときに駆動させる型締シリンダと型開閉機構の位置関係を例示する図である。 第5実施形態のデータテーブルの一例を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
[型締装置10]
型締装置10は、図1に示すように、架台11と、架台11の上に設けられる固定盤12および可動盤14と、固定盤12に保持される固定金型13と、可動盤14に保持される可動金型16とを有している。
型締装置10は、固定金型13と可動金型16の型締めを担う型締機構20と、固定金型13と可動金型16の開閉を担う型開閉機構40と、型締機構20および型開閉機構40の動作を司る制御部50とを有している。
以下の説明では、型締装置10において固定盤12が設けられる側を前(図中の符号F)と定義し、型締装置10において可動盤14が設けられる側を後(図中の符号B)と定義する。
固定盤12は、架台11の上の前側に固定され、可動盤14と対向する後側面に固定金型13を保持している。
可動盤14は、固定盤12に対向して配置され、固定金型13に対応する可動金型16を固定盤12と対向する前側面に保持している。可動盤14は、架台11の上を前後方向に摺動する摺動部材15の上に固定されている。摺動部材15は、例えばガイドレールや摺動板を架台11との間に有しており、架台11の上を前後方向に摺動する。これにより、可動金型16は、可動盤14および摺動部材15と一体となって前後方向に進退移動できる。
[型締機構20]
型締機構20は、図2に示すように、固定盤12と可動盤14の四隅にそれぞれ一つずつ設けられており、射出成形時に可動金型16を固定金型13に必要な型締力で押し付ける。
各々の型締機構20の構成は共通するので、以下では、1つの型締機構20の構成を説明し、他の型締機構20に関する重複説明は省略する。
型締機構20は、図1および図2に示すように、駆動源としての型締シリンダ21と、固定盤12と可動盤14を前後方向に連結するタイバー22と、可動盤14の後側においてタイバー22のねじ23と噛み合ってタイバー22を把持する割ナット24とを有している。
割ナット24は、タイバー22と噛み合う閉止状態(図1)と、タイバー22から退避した開放状態(図4)とを切り替えることができる。
図2、図3に示すように、タイバー22の後側には、鋸刃状の複数のねじ23が設けられている。また、割ナット24の内周部には、ねじ23と係合する鋸刃状の複数のねじ25が形成されている。本実施形態においては、ねじ23の形状を鋸歯状にて示したが、ねじ23の形状は矩形歯状であってもよい。
型締め時において、タイバー22は可動盤14を貫通し、割ナット24は閉止状態とされる。割ナット24が閉止されると、タイバー22のねじ23に割ナット24のねじ25が係合し、可動盤14とタイバー22が相互に連結される。タイバー22と割ナット24は本発明における連結機構に該当する。
また、割ナット24が閉止状態のときには、図3に示すように、ねじ25とねじ23の間にはバックラッシュに基づく隙間Sが生じる。型締め時には、タイバー22が前側(F)に引っ張られるため、タイバー22のねじ23の前側面231と割ナット24のねじ25の後側面252は、互いに接触する。このとき、ねじ23の後側面232とねじ25の前側面251との間に隙間Sが生じる。
一方、タイバー22の前端は、図1に示すように、固定盤12の金型取付面を貫通して型締シリンダ21のラム26に固定されている。以下、型締シリンダ21において、ラム26より後側の油圧室を第一油圧室21Aと称し、ラム26より前側の油圧室を第二油圧室21Bと称することがある。また、型締シリンダ21には、タイバー22の前後方向の位置を検出する位置センサ27が設けられている。
第一油圧室21Aには、型締めするときに油圧をラム26に与える給油ポンプ28が、給油配管29Aを介して接続されている。この給油配管29Aには、油圧センサ30が設けられている。
一方、第二油圧室21Bにはサーボバルブ31が給排油配管29Bを介して接続されている。サーボバルブ31は、後述するコアバックの際にタイバー22の動作を制御する。
型締機構20は、型締めするときには、型締シリンダ21の第一油圧室21Aに給油ポンプ28から作動油が供給される。そうすると、第一油圧室21Aの油圧によりタイバー22には前方に向けて荷重が加えられる。このように、割ナット24で連結された可動盤14を固定盤12に向けてタイバー22で引っ張ることで、型締めがなされる。
型締機構20は、コアバックのときには、型締シリンダ21の第二油圧室21Bサーボバルブ31から作動油が供給される。そうすると、第二油圧室21Bの油圧によりタイバー22には後方に向けて荷重が加えられる。これにより、タイバー22は所定の速度Vで後方に向けて移動する。なお、コアバックのときの可動金型16の移動距離は型締シリンダ21の長手方向のストロークよりも短い距離(例えば数mm~数十mm程度)であるから、タイバー22の移動距離もこれに従う。
[型開閉機構40]
型開閉機構40は、図2に示すように、型締装置10の幅方向の一方の側面の上側と他方の側面の下側に1つずつ配置されている。二つの型開閉機構40は、型締装置10を後方から視たときに、互いに対称の位置、より具体的には対角の位置をなすように配置される。二つの型開閉機構40は、同期して動作することで、可動盤14を固定盤12に近づくように移動させる型閉じ、または、可動盤14を固定盤12から遠くなるように移動させる型開きを行う。さらに本実施形態における型開閉機構40は、コアバックのときには可動盤14の移動も担う。なお、型閉じのときに移動する方向を型閉方向、型開きのときに移動する方向を型開方向という。コアバックのときの移動は、型開方向の移動に該当する。
二つの型開閉機構40の構成は共通するので、以下では、一方の型開閉機構40の構成を説明し、他方の型開閉機構40に関する重複説明は省略する。
なお、図1において、型開閉機構40は、固定盤12および可動盤14の上に表示されているが、これは型開閉機構40および型締機構20の構成を図1に明確に示すためである。よって、型開閉機構40は、図2に示す位置に設けられてもよいし、図1に示す位置に設けられてもよい。
型開閉機構40は、図1および図2に示すように、固定盤12および可動盤14の前後方向に延在するボールねじ41と、ボールねじ41の駆動源である回転電機42と、ボールねじ41の回転量を検出するエンコーダ43とを有する。回転電機42は、サーボモータからなり、エンコーダ43による検出値を用いて駆動が制御される。なお、図2では、理解の便宜のため、回転電機42などの一部の要素の記載を省略している。また、ボールねじ41と回転電機42の間に図示しない減速機を備えてもよい。
ボールねじ41は、ねじ軸41Aと、ねじ軸41Aに噛み合うナット41Bとを有する。ボールねじ41は、ねじ軸41Aとナット41Bの間には複数の転動体が設けられており、ねじ軸41Aが高い効率でナット41Bに対して回転する。
ボールねじ41のナット41Bは、固定盤12の上に固定されている。
回転電機42は、ブラケット41Cを介して固定盤12の上に固定されている。
図示を省略する回転電機42の出力軸とねじ軸41Aは接続されており、回転電機42の回転駆動に追従してねじ軸41Aが回転される。
ボールねじ41のナット41Bと回転電機42が以上のように固定されているので、回転電機42の回転がボールねじ41によって軸方向の推力に変換されて、ナット41Bが固定される可動盤14が前方または後方に直線往復運動する。回転電機42が回転する向きに応じて可動盤14が移動する向きが特定される。例えば、回転電機42を正転させると可動盤14が後方に移動し、回転電機42を逆転させると可動盤14が前方に移動する。このようにして、型開閉機構40は、可動盤14および可動金型16を前後方向に移動させて型開閉およびコアバックを行う。
型開閉機構40は、重量の比較的大きい回転電機42が固定盤12に配置されている。したがって、移動体である可動盤14に回転電機42を配置するのに比べると、回転電機42を可動盤14に備えない本実施形態は、移動体の重量が軽くなるので出力の小さい回転電機42で足りる。また、回転電機42が移動しないので、回転電機42への配線も容易である。
[型締機構20と型開閉機構40の推力の関係]
本実施形態において、型締機構20の型締シリンダ21による可動盤14の推力は型開閉機構40のボールねじ41および回転電機42による推力に比べ十分大きい。また、型締シリンダ21による推力は発泡成形のときに生じる発泡力に比べても十分に大きい。したがって、仮に型締シリンダ21で駆動中のタイバー22に対し、型開閉機構40で可動盤14および割ナット24を介してタイバー22を型開方向に押したとしても、型締シリンダ21により動作しているタイバー22の動作の方が支配的である。
[制御部50]
図1に示す制御部50は、型締装置10の各要素の動作を制御するコンピュータである。本実施形態の制御部50は、型締装置10の型閉じ、型開き、型締め、コアバックの各動作の制御をそれぞれ実行する。
制御部50は、型締装置10の各要素に所定の動作を指示する指示部51と、この動作に関わるプログラム、後述するデータテーブル(図14)などを保持する記憶部52とを有している。
制御部50は、入力部53と表示部54をさらに有している。入力部53は、例えばキーボード、タッチパネルなどの入力デバイスからなり、型締装置10を操作するオペレータからの入力を受ける。表示部54は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイからなり、型締装置10の操作に必要となる各種の情報を表示する。
[型締装置10の動作]
次に、図4~図6を参照しつつ、本実施形態における型締装置10の一連の動作を説明する。以下の説明では、発泡樹脂を金型に射出成形する発泡成形を前提として、型閉じ、型締め、コアバックを含む射出充填、型開きの動作を順に説明する。
(型閉じ)
型閉じ前の型締装置10は、図4に示すように、固定金型13と可動金型16が離れている。この型閉じ前の型締装置10においては、割ナット24が開放状態であり、可動盤14とタイバー22の連結は解除されている。
型閉じするときには、型開閉機構40により可動盤14を前方に移動させて可動金型16を固定金型13に当接させる。
具体的には、制御部50は、型開閉機構40(図2)のそれぞれの回転電機42を回転駆動によって例えばねじ軸41Aを正転させる。そうすると、ねじ軸41Aに噛み合うナット41Bは可動盤14に固定されているので、可動盤14には固定盤12に近づく向きの推力が生じる。この推力を可動金型16が固定金型13に当接するまで続けて型閉じを終える。
(型締め)
型閉じを終えると、図5に示すように、型締機構20は可動金型16を固定金型13に所定の圧力で押し付けることで型締めを行う。
まず、割ナット24を開放状態(図4)から閉止状態に切り替える。これにより、タイバー22のねじ23に割ナット24のねじ25が係合する。本実施形態では割ナット24の開閉方向が鉛直方向の例を示しているが、割ナット24の開閉方向は水平方向であってもよい。
可動盤14とタイバー22が連結された後、サーボバルブ31の電磁コイル31BをONして第二油圧室21Bをタンクと連通させるとともに、制御部50は給油ポンプ28を駆動させて、型締シリンダ21の第一油圧室21Aに作動油を供給する。
型締めの最中に、第一油圧室21Aの油圧は、給油配管29Aに設けられた油圧センサ30により継続して測定される。制御部50は、油圧センサ30で測定された油圧に基づいて、給油ポンプ28から第一油圧室21Aへの作動油の供給を制御する。
第一油圧室21Aに作動油を供給することで、型締シリンダ21のラム26が前方に押されるので、ラム26に接続されたタイバー22は前方向に荷重を受ける。なお、これに伴い、容積の縮小する型締シリンダ21の第二油圧室21Bからは作動油が排出される。
タイバー22は、前方向に受けた荷重により前進する。この前進によりタイバー22のねじ23の前側面231が、割ナット24のねじ25の後側面252に当接してタイバー22が割ナット24を介して可動盤14と連結されるので、可動盤14は固定盤12に向けて引っ張られる。
以上のようにして、可動盤14に保持された可動金型16と、固定盤12に保持された固定金型13との型締めを終える。
型締めを終えると、この型締めされた金型キャビティの内部に発泡剤を含有する溶融樹脂が射出される。所定量の溶融樹脂の充填を終えると、コアバック動作が行われる。なお、コアバックに移行するまでの溶融樹脂の射出、充填の方法は任意であり常法に従えばよい。
(コアバック)
発泡成形においては、樹脂内の気泡の発生や気泡の拡大を促進させるために、溶融樹脂の充填後に可動金型16を固定金型13から微小量だけ型開方向に移動させて金型キャビティの容積を拡大させる。これがコアバック動作である。以下、コアバックにおける可動盤14、可動金型16およびタイバー22の、型開方向への移動を後退ということがある。
本実施形態のコアバックは、可動金型16の後退を型締機構20と型開閉機構40の両方を動作させて行われる。この動作により、図6、図7に示すように、タイバー22と可動盤14は型締め時の連結状態が維持されたままで、可動金型16が後退する。以下、この動作を詳しく説明する。
本実施形態において、可動金型16は型開閉機構40の推力により後退する。そこで、コアバックのときの型開閉機構40の動作をはじめに説明する。
制御部50は、コアバックのときには、型開閉機構40のそれぞれの回転電機42を型閉じのときとは逆向きに回転駆動させる。そうすると、ボールねじ41に噛み合うナット41Bが固定される可動盤14には固定盤12から離れる向き、つまり後退する向きに推力が生じる。これにより、可動盤14に保持される可動金型16が固定金型13から後退するコアバックが行われる。
型開閉機構40の推力により可動盤14、つまり可動金型16が後退するときの速度をVとする。この速度Vは、制御目標としての速度である目標速度V1Cと、実際に移動するときの速度である実速度V1Rとを含む。目標速度V1Cと実速度V1Rは必ずしも一致するわけではなく、目標速度V1Cより実速度V1Rが速いこともあれば遅いこともある。
次に、コアバックのときの型締機構20の型締シリンダ21の動作を説明する。
制御部50は、コアバックのときに、電磁コイル31AをONしてサーボバルブ31を駆動させて、型締シリンダ21の第二油圧室21Bに作動油を供給する。
第二油圧室21Bに作動油を供給することで、第二油圧室21Bの油圧により型締シリンダ21のラム26が後方に押される。これに伴い、ラム26に接続されたタイバー22は後方に移動するが、このタイバー22の移動は可動金型16の後退に同期して行われる。このとき容積が縮小される型締シリンダ21の第一油圧室21Aからは作動油が排出される。
ここで、サーボバルブ31は、図7に示すように、タイバー22が速度Vで後方に向けて移動するように、第二油圧室21Bに供給する作動油の量を制御する。この速度Vも目標速度V2Cと実速度V2Rを含んでいる。
本実施形態におけるコアバックにおいては、可動盤14の実速度V1Rとタイバー22の実速度V2Rが等しい(V1R=V2R)。制御部50は、この速度の条件を満たすように、型締機構20のサーボバルブ31および型開閉機構40の回転電機42を制御する(図7)。
コアバックのときには、可動盤14とタイバー22は同じ実速度(V1R=V2R)で移動するので、型締シリンダ21は型開閉機構40による可動金型16の後退を阻害しない。したがって、コアバックのときには、割ナット24とタイバー22と可動盤14が図3に示す型締めのときと同じ相対位置、具体的にはタイバー22のねじ23の前側面231が割ナット24のねじ25の後側面252に接触したままで、ねじ23の後側面232とねじ25の前側面251の間に隙間Sが生じたままの相対位置を維持できる。
また、本実施形態において、コアバックのときに可動盤14とタイバー22は型締めのときと同じ相対位置で一体に移動するので、コアバックのときの可動盤14の位置は、タイバー22の前後方向の位置を検出する位置センサ27で検出できる。これによりコアバックのときの可動盤14の動作制御を、位置センサ27の検出値に基づいたタイバー22の動作制御によって行うことができる。あるいは、コアバックのときの可動盤14の位置は、型開き動作や型閉じ動作にも使用される型開閉機構40のエンコーダ43で検出してもよい。このように、本実施形態においては、コアバックのために専用の位置センサを別途設ける必要がない。
また、コアバックのときには、可動盤14が型開閉機構40で動作するので、可動盤14の重量W1および可動金型16の重量W2は型開閉機構40が受け持つ。また、コアバックのときには、タイバー22が型締シリンダ21で動作するので、タイバー22の重量W3は型締シリンダ21が受け持つ。
コアバック工程に於いて可動盤14が所定の位置に達すると可動盤14の動作の減速制御を開始し、所定のコアバック完了位置に可動盤14が到達すると可動盤14が停止する。
(型開き動作)
コアバックを終えた後に成形品の冷却固化が完了すると、型開き動作が行われる。
型開き動作においては、割ナット24を閉止状態から開放状態に切り替え、可動盤14とタイバー22の連結を解除する。その後、制御部50は、型開閉機構40の回転電機42を型閉じのときと逆向きに回転駆動させて、固定金型13と可動金型16を型開きする。型開きは、図4に示す型閉じの反対動作であるので、図示は省略する。
以下、第1実施形態の型締装置10の効果を述べる。
(1)コアバックの遅延の防止
仮に型締機構20の型締シリンダ21だけを動作させてコアバックすることを想定する。この場合には、図3に示す隙間Sの分だけタイバー22が後方に移動して、タイバー22のねじ23の後側面232が割ナット24のねじ25の前側面251に当接してタイバー22が割ナット24を押すことで、可動盤14が後退しはじめる。つまりこの場合には、型締シリンダ21を動作させてから実際にコアバックが始まるまでに、タイバー22が隙間Sを移動する時間分だけ遅延が生じる。
本実施形態の型締装置10は、コアバックのときに、可動盤14に推力を与えて後退させるのが型開閉機構40であるが、型開閉機構40のバックラッシは、タイバー22と割ナット24の間のバックラッシに比べて極めて小さい。そのため、本実施形態によれば、バックラッシによるコアバックの遅延は無視できるほど短くなり、射出充填後に速やかにコアバックが開始できる。
ここで、型開閉機構40の回転電機42だけを動作させてコアバックすることを想定する。この場合、型開閉機構40の推力が小さいため、大重量物であるタイバー22を可動盤14と連結したままコアバックを行うことは難しい。よって、回転電機42の推力の妨げにならないように、割ナット24,24を開放状態にしてタイバー22と可動盤14の連結を解除する必要があるので、回転電機42を動作させるまでに遅延が生ずる。
これに対して、本実施形態によるとタイバー22と可動盤14を連結したままコアバックできるので、タイバー22と可動盤14の連結を解除することによる遅延は生じない。さらに、本実施形態は、型締シリンダ21が可動盤14の後退を阻害しないので、迅速なコアバックの実行に寄与する。
(2)型開閉機構40のコストの抑制
本実施形態のコアバックで型開閉機構40が受け持つのは可動盤14および可動金型16の重量(W1、W2)であり、型締シリンダ21で動作するタイバー22の重量(W3)を含まない。
つまり、コアバックにおいて型開閉機構40に必要な動力は、型開き動作や型閉じ動作のときと同じかまたは型閉じ動作よりも多少大きい程度である。したがって、本実施形態においてのコアバックの推力を担う型開閉機構40のボールねじ41および回転電機42は、型開閉動作に必要な容量があれば足りる。
しかも、発泡成形においては、金型キャビティ内の樹脂の発泡圧力により金型キャビティを押し広げようとする力、つまり可動金型16を後退させる発泡力が作用する。これにより、コアバックのときに可動盤14および可動金型16を後退させるのに必要なコアバック力は、型開閉動作に必要な力と同等またはそれ未満である。
また、発泡力が可動盤14の移動抵抗より小さい場合には対角に設けられた型開閉用のボールねじ41の推力により可動盤14を移動させる必要があるが、発泡力が可動盤14の移動抵抗より大きい場合には発泡力自体が可動盤を移動させる推力の全部または一部となる。
以上の理由から、本実施形態において、コアバックのときに型開閉機構40に必要とされる力は、型開閉動作に必要な力より小さく済む。したがって、本実施形態においては、型開閉動作に使用する型開閉機構40を発泡成形用に容量(サイズ、定格)の大きなコアバック装置に交換することなくコアバック用のアクチュエータとしてそのまま使用できるので、型締装置10の低コスト化に寄与する。
(3)成形品の品質向上
コアバックのときに大きな発泡力が作用すると可動盤14を後方に移動させようとする速度が型開閉用のボールねじ41の移動速度よりも大きくなり得る。ところが、可動盤14に連結されているタイバー22を介する型締シリンダ21、特に給油ポンプ28によって油圧が負荷された型締シリンダ21の抵抗力は発泡力に対して十分に大きい。これにより、本実施形態は、気泡の発泡力によって可動盤14を移動させようとする力を無視できる。したがって、本実施形態においては、発泡力が多少大きくなったとしても、コアバックのときの可動盤14の移動精度が確保されるので、成形品の品質、特に肉厚のばらつきを軽減できる。
特に、本実施形態においては、固定盤12の四隅のそれぞれにサーボバルブ31で動作する型締シリンダ21を備える。そして、コアバックのときには制御部50がこのそれぞれのサーボバルブ31の動作を制御することで、タイバー22を後方に移動させる。これにより、可動盤14を固定盤12に対して平行に開きかつ平行に停止するように各型締シリンダ21に供給する油量をそれぞれ独立に高精度に制御することができるので、肉厚のばらつきがより低減された成形品が得られる。
なお、本発明において、固定盤12の四隅のそれぞれにサーボバルブ31を設けることは必須ではなく、例えば、対角の2箇所のみにサーボバルブ31を設けることを許容する。この場合、高価なサーボバルブ31が4個から2個に減るために、コストを下げることができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の型締装置10の制御について説明する。第2実施形態においては、コアバックのときに可動盤14を確実にタイバー22に押し付ける制御、具体的には可動盤14の実速度V1Rとタイバー22の実速度V2Rを等しくする(V1R=V2R)制御形態を説明する。この制御は、サーボバルブ31によるタイバー22を目標速度V2Cで制御するのと並行して行う回転電機42の2種類の制御形態を含む。一方が回転電機42の駆動速度を制御する形態αであり、他方が回転電機42の駆動トルクを制御する形態βである。
なお、第2実施形態の説明では第1実施形態と相違する点を中心に説明し、第1実施形態と共通の要素には同じ符号を図面に付して重複説明を省略する。第3実施形態以降も同様である。
はじめに、図8(a)を参照して形態αについて説明する。
形態αの制御部50は、図8(a)に示すように、コアバックのときに、可動盤14の目標速度V1Cがタイバー22の目標速度V2C以上となるように、回転電機42およびサーボバルブ31の動作を制御する。
つまり、形態αは、目標速度V1C≧目標速度V2Cを満足する。なおこのとき、タイバー22に割ナット24を確実に当接させて可動盤14とタイバー22を一体として動作させるためには、特に目標速度V1C>目標速度V2Cとすることが好ましい。これによると、型開閉装置40は常にタイバー22よりも高速で移動しようとする、つまり型開閉機構40はタイバー22を追い越そうとするため、型開閉機構40と連結した可動盤14と割ナット24もタイバー22を追い越そう動作する。しかし、ねじ25の動作はねじ23の鋸歯に遮られるため割ナット24はタイバー22に押し圧を与え続けることとなる。
ここで、前述したように、型締シリンダ21の推力はボールねじ41の推力よりも十分に大きい。したがって、形態αの制御を行ったとしても、可動盤14はタイバー22により移動が拘束されるので、型開閉装置40は目標速度V1Cよりも小さい実速度V1R(=タイバー22の実速度V2R)でしか移動することができず、タイバー22と同じ実速度V2Rで移動することになる。また、このとき回転電機42は可動盤14の実速度V1Rが目標速度V1Cまで到達できるように加速制御されるが、上記の通り回転電機42の実速度V1Rは目標速度V1Cまで到達することはできないため、回転電機42には加速のため大トルクを発生させようとして大電流が供給され続けることとなる。この場合、回転電機42に過負荷が発生して回転電機42が破損するおそれがあるため、発生トルクに上限を設けたトルク制限を行うことが好ましい。これにより実速度V1Rが目標速度V1Cに到達しなくても、つまり目標速度V1C>実速度V1Rとなる状態が継続しても、回転電機42が過負荷状態となって破損することを防止できる。タイバー22の実速度V2Rは、理想的には目標速度V2Cと一致するが、厳密には目標速度V2Cと誤差がある。
形態αによれば、可動盤14の目標速度V1Cがタイバー22の目標速度V2Cよりも速いので、可動盤14がタイバー22に押し付けられた型締め時の状態を、コアバックのときにも確実に維持できる。
形態αにおいては、可動盤14がタイバー22に押し付けられているので、型締シリンダ21の位置センサ27で検出されるタイバー22の位置をそのまま可動盤14の位置として取り扱うことができる。これにより、タイバー22のねじ23と割ナット24のねじ25の間に寸法上のバックラッシュ(隙間S)があったとしても、バックラッシュ解消用のさらなる機構を設けることなく、可動盤14の位置を精度よく検出できる。
また、本発明は、図8(c)に示すように、目標速度V1C<目標速度V2Cの例をも含む。この例において、タイバー22の実速度V2Rが可動盤14の実速度V1Rより速ければ、可動盤14にタイバー22が押し付けられた状態は解除される。この場合でも、タイバー22がコアバックのときに後退するのが隙間Sよりも短い距離であれば、タイバー22、つまり型締機構20は、可動盤14の後退を阻害しない。
次に、形態βについて説明する。
形態βの制御部50は、図8(d)に示すように、型開閉機構40の目標推力Fが閾値Fを超えた所定の値を維持するように型開閉機構40を制御することで、可動盤14がタイバー22に押し付けられた状態を担保する。
閾値Fとしては、例えば型開閉時に可動盤14を移動させるときの型開閉機構40の推力値を採用することができる。型開閉時には、可動盤14とタイバー22は連結されておらず、可動盤14はその移動がタイバー22に拘束されない。可動盤14がタイバー22に押し付けられていると、可動盤14の移動がタイバー22に拘束される。よって、後者における型開閉機構40の目標推力Fは前者の推力(閾値)Fよりも大きくなる。換言すれば、コアバック動作のときに型開閉機構40の目標推力Fが、閾値Fを超えた所定の値を維持するように型開閉機構40を駆動させれば、可動盤14がタイバー22に押し付けられる状態を安定して維持できる。
したがって、形態βの制御によっても、速度を制御する形態αと同様のタイバー22と可動盤14を一体とした移動を可能とする効果を得ることができる。
ここでは閾値Fの一例として型開閉時の型開閉機構40の推力値を示したが、可動盤14がタイバー22に押し付けられる状態をより確実に維持するために、型開閉時の型開閉機構40の推力よりも大きい値を採用することもできる。
本実施形態においては、型開閉機構40は回転電機42が駆動源であるため、ボールねじ41の推力は回転電機42の駆動トルクが機械的に変換されたものである。このため本実施形態においては、目標推力Fは回転電機42の目標駆動トルクTに相当し、推力(閾値)Fは駆動トルク(閾値)Tに相当する。
また、本実施形態においては、型開閉機構40としてボールねじ41を例示したが、型開閉機構40は図示しない油圧シリンダであってもよい。この場合、目標推力Fは油圧シリンダの駆動を制御する目標油圧値に相当し、推力(閾値)Fは油圧シリンダを駆動する閾値に相当する。
<第3実施形態>
次に、図9を参照しつつ、第3実施形態に係る型締装置10の制御について説明する。
第3実施形態においては、コアバックのときに、コアバックを完了する目標位置の手前で型締シリンダ21へのサーボバルブ31からの作動油の供給を停止する。なお、型開閉機構40による可動盤14の移動制御は、目標位置の手前を過ぎても目標位置に至るまで継続される。
制御部50は、コアバックの開始のタイミング(図9 (t1))で、サーボバルブ31を開いて第二油圧室21Bに作動油の供給開始を指示するとともに、型開閉機構40のボールねじ41が回転するように、回転電機42の駆動開始を指示する。これにより、タイバー22および可動盤14が後方に移動し、コアバックが開始される。なお、図9はサーボバルブ31およびボールねじ41に対する、コアバック開始、減速開始、停止の指令信号の単なるON/OFFを示したものであり、サーボバルブ31およびボールねじ41の制御速度など動作制御量の変化を示したものではない。
制御部50は、可動盤14が目標位置の手前である減速開始位置に到達したタイミング(図9 (t2))で、サーボバルブ31を閉じて第二油圧室21Bへの作動油の供給停止を指示する。このとき、可動盤14が減速開始位置を通過しても、型開閉機構40の回転電機42は減速制御を開始して引き続き駆動される。そして、制御部50は、可動盤14の位置がコアバックを完了する目標位置に到達したタイミング(図9 (t3))で、型開閉機構40の回転電機42(ボールねじ)の停止を指示する。
なお、第2実施形態の形態β(図8(b))の制御に、第3実施形態を適用する場合には、減速開始位置に可動盤14が到達した以降(図9 (t2)から(t3)の区間)は、回転電機42の制御はトルク制御から速度制御としての減速制御に切り替えられる。
目標位置の手前の減速開始位置に到達した時点で型締シリンダ21への作動油の供給を停止するのは、タイバー22が慣性力により目標位置を超えるのを防止するためである。
一般に、コアバックにおける金型の移動量は数mm~数十mm程度であるが、コアバックの動作は微小時間で行われるので、コアバックの制御では可動盤14の急加速と急減速が行われる。
一方、型締シリンダ21で駆動されるタイバー22は大重量物であるので、目標位置に到達した時点でサーボバルブ31からの作動油の供給を停止したとしても、タイバー22は慣性力により後方に移動し続けようとする。このとき、第一油圧室21Aの作動油が圧縮されるが、第一油圧室21Aの給油配管29Aに連なる出口は開放されている。したがって、第一油圧室21Aの作動油は第一油圧室21Aから押し出されてしまい、タイバー22の慣性力による移動を止めることができず、タイバー22が目標位置を越えて後退する、つまりオーバーランするおそれがある。特に作動油の粘性が低いとタイバー22が目標位置を超えるおそれが大きくなる。
そこで、第3実施形態においては、目標位置より手前の減速開始位置でサーボバルブ31からの作動油の供給を停止して、タイバー22の駆動力を絶つとともに型締シリンダ21内の作動油の抵抗によってタイバー22の移動を減速させる。これにより、タイバー22の重量と型締シリンダ21内の作動油による抵抗が、可動盤14の慣性と相殺または可動盤14の慣性を低減させるので、可動盤14の移動抵抗を増大させることができる。これに合わせて、回転電機42を減速、停止する。これにより、目標位置に至るまでの間に可動盤14を容易に急減速、急停止させることができるとともに、可動盤14はボールネジ41と回転電機42により精緻に停止させるので、高精度で可動盤14をコアバック目標位置で停止させることができる。このとき、タイバー22の減速開始位置とボールねじ41および回転電機42の減速開始位置は、同じ位置であってもよいし異なっていてもよい。また、四隅の各型締シリンダ21(各タイバー22)のそれぞれの減速開始位置は、同じ位置であってもよいし異なっていてもよい。したがって、第3実施形態によると、可動盤14が目標位置を越えて後退するおそれを低減し、コアバックの精度を一層向上できる。
また、目標位置に到達した時点でサーボバルブ31からの作動油の供給を停止した場合に、タイバー22が目標位置に対してオーバーランした距離が隙間Sを超えるおそれがある。この場合、仮に可動盤14が目標位置で停止できたとしても、タイバー22と割ナット24が衝突すると可動盤14に型開方向の力が加わり、可動盤14の停止位置が目標位置からずれてしまう。可動盤14の停止位置のばらつきは成形品肉厚のばらつきに直接影響するため、成形品の品質に悪影響を与えるおそれがある。
ここでは、目標位置の手前の減速開始位置において作動油の供給を停止してオーバーランを防止する手法を示したが、オーバーランを防止する手法は他にもある。例えば、減速開始位置において供給する作動油の量をコアバックの開始時および所定の速度でのコアバック中に比べて減らして、タイバー22の駆動力を低下させることができる。また、第一油圧室21Aに作動油を供給して、コアバック中のタイバー22の移動方向と逆方向に推力を加えてタイバー22に生じている慣性力を打ち消すこともできる。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態に係る型締装置10の制御について説明する。
第4実施形態においては、コアバックのときに、コアバックを完了する目標位置の手前で型締シリンダ21へのサーボバルブ31からの作動油の供給量を低減させる。第4実施形態はさらに、可動盤14がコアバック完了位置に到達した後、型締シリンダ21へ供給する作動油量または作動油圧を制御して、可動盤14の位置が目標位置を保持するように制御する。
なお、第4実施形態の説明では第3実施形態と相違する点を中心に説明し、第3実施形態と共通の要素には同じ符号を図面に付して重複説明を省略する。
制御部50は、可動盤14が目標位置の手前である減速開始位置に到達したタイミング(図9 (t2))で、サーボバルブ31の開度を絞って第二油圧室21Bへの作動油の供給量の低減を指示し、所定の減速プロファイルに従って可動盤14の動作速度の減速を行う減速工程を開始する。
このとき可動盤14の減速工程において型開閉機構40の回転電機42の制御は、第2実施形態の形態αまたは形態βのいずれによる制御を行ってもよい。
具体的には、可動盤14の減速工程において型開閉機構40の回転電機42の制御が、形態αによる場合は、可動盤14の減速プロファイルにおける変化する(低下する)目標速度V2C以上の目標速度V1Cにより、型開閉機構40を制御する。この場合、回転電機42に過大なトルクが発生することを防止するためには、型開閉機構40の速度制御は可動盤14の減速プロファイルに沿った、目標速度V2Cよりも若干量大きい、目標速度V1Cにより制御することが好ましい。
また、形態βにて制御する場合は、型開閉機構40による可動盤14の移動制御は、可動盤14の減速制御を開始しても形態βによる制御を継続する。このとき単純化して容易な制御を行うには形態αより形態βにより制御することが好ましい。
またこのとき、コアバック工程中の型開閉機構40の動作制御を形態αで制御を行った場合でも、可動盤14の減速工程を開始するとともに形態βに切り替えてもよい。また逆にコアバック工程中の型開閉機構40の動作制御を形態βで制御を行った場合でも、可動盤14の減速工程を開始するとともに型開閉機構40の動作制御を形態αに切り替えてもよい。
第4実施形態による可動盤14の減速制御において、可動盤14がコアバックを完了する目標位置の手前の減速開始位置で型締シリンダ21へのサーボバルブ31からの作動油の供給量を低減させる。この減速制御においても、第3実施形態と同様にタイバー22の慣性力による移動を止めることができず、タイバー22が目標位置を越えてオーバーランするおそれがある。
そこで、第4実施形態においては、可動盤14がコアバック完了位置に到達するのと同時または直後に、サーボバルブ31の電磁コイル31AをOFFして第二油圧室21Bへの作動油の供給を停止する。このとき同時に電磁コイル31BをONして、第二油圧室21Bをタンクに連通させてラム26が前進側(図中右方向)に移動可能とする。
第一油圧室21Aにはサーボバルブ31の開閉にかかわらず給油ポンプ28から作動油が供給されているので、タイバー22には前進側に推力が負荷され、タイバー22のオーバーランが防止される。このとき、電磁コイル31Bの駆動量を調整してサーボバルブ31の開度を制御すれば、第二油圧室21B内の作動油がタンクに戻る際の抵抗を調整できる。これにより、第二油圧室21B内の油圧をタンク圧(ほぼ大気圧)まで落とすことなく、所要の油圧値に制御することができる。
サーボバルブ31の電磁コイル31A、31Bを交互にON/OFFを繰り返すことによって、可動盤14の位置がコアバック完了位置を保持するように制御する。これによると、キャビティ内の溶融樹脂中に可動盤14を移動させるのに十分なほど大きな発泡力が残っていたとしても、型締シリンダ21の強力な保持力によって発泡力を押さえ込んで可動盤14の位置をコアバック完了位置に保持することができる。
また、制御ノイズや環境条件などの何らかの外乱によって、可動盤14がコアバック完了位置をオーバーランすることもある。ところが、第4実施形態によれば、タイバー22を介して可動盤14を前進、つまり固定盤12の方向に押し戻すので、可動盤14の停止位置をコアバック完了位置まで戻すことができる。可動盤14の停止位置をコアバック完了位置まで戻した後は、サーボバルブ31の電磁コイル31A、31Bを交互にON/OFFを繰り返すことによって、可動盤14の位置をコアバック完了位置に保持する。
第4実施形態において、可動盤14がコアバック完了位置に到達した後の、型締シリンダ21による可動盤14の位置保持制御は、第3実施形態における可動盤14がコアバック完了位置に到達して停止した後の可動盤14の位置を保持する制御として適用しても支障ない。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態における型締装置10の制御部50の動作について説明する。
第5実施形態においては、コアバックのときに駆動させる型締シリンダ21の設定、つまり4本の型締シリンダ21のうちいずれの型締シリンダ21を駆動するのかを、制御部50が樹脂の発泡力に応じて変更する。型締シリンダ21の設定変更は、オペレータの判断を伴う手動設定モードと、制御部50が自動的に型締シリンダ21の設定を行う自動設定モードのいずれかを選択できる。
以下、図10を参照しつつ、第5実施形態における制御部50の動作を説明する。
[ステップS1:発泡力評価]
ステップS1は、射出充填される樹脂の発泡力の大小を評価する処理である。発泡力の大小は、例えば、以下の(i)~(iv)のいずれかの基準によって評価される。
(i)可動盤14の移動速度に基づく評価
射出充填が完了してコアバックに移行するときの可動盤14の移動速度または加速度は、発泡力が大きいほど速くなる。したがって、可動盤14の移動速度または加速度に基づいて発泡力の大小を評価することができる。
この評価は実際の成形品の生産を行う前に行われる。つまり、実験的にコアバックを含む射出充填を行い、充填完了後にコアバックに移行するときの可動盤14の移動速度または加速度を測定する。取得した移動速度または加速度の測定値に応じて、オペレータまたはその他の技術者が発泡力の大小を特定する。発泡力の大小は、コアバックを含む射出充填の条件に対応付けて保持される。ここでいう条件とは、例えば樹脂の材質、金型の仕様などをいう。
実際に生産を行う際には、当該条件に対応付けられた発泡力の大小が選択される。発泡力の大小の選択は、手動設定モードの場合にはオペレータがスイッチ類で選択し、自動設定モードの場合には制御部50が選択する。以下の(ii)~(iv)も同様である。
(ii)キャビティ内の樹脂圧力に基づく評価
射出充填中の樹脂圧力は、発泡力が大きいほど高い。したがって、固定金型13と可動金型16の間に形成されるキャビティ内における樹脂圧力に基づいて発泡力の大小を評価することができる。
この評価は(i)と同様に事前の評価を含む。つまり、キャビティ内に圧力センサを配置して、実際の生産の前にキャビティ内の樹脂圧力を測定する。取得した樹脂圧力の測定値に応じて、オペレータまたはその他の技術者が発泡力の大小を特定する。発泡力の大小は、コアバックを含む射出充填の条件に対応付けて保持される。なお、キャビティ内の樹脂圧力の測定は成形工程サイクル中にオンタイムで測定してもよい。この場合、溶融樹脂中の気泡状態(発泡圧力)の成形充填毎のばらつきに対応したコアバック制御が可能となり、さらに成形品質を安定させることに有効である。
(iii)回転電機42の駆動トルクに基づく評価
射出充填の完了後に可動盤14の位置が保持されるように回転電機42の動作を制御したとする。この際の発泡圧力が可動盤14を型開方向に移動させようとする推力に抗する回転電機42の位置保持トルクは、発泡力が大きいほど大きくなる。したがって、この駆動トルクに基づいて発泡力の大小を評価することができる。なお、ここでいう射出充填の完了後とは、充填完了後に型締シリンダ21の型締め油圧を降圧するのと同時または直後を意味する。
この評価は(i)と同様に事前の評価を含む。つまり、充填完了後に可動盤14の位置を保持するように型開閉機構40の回転電機42の動作を制御しながら回転電機42の駆動トルクを測定する。取得した駆動トルクの測定値に応じて、手動設定モードの場合には、オペレータまたはその他の技術者が発泡力の大小を特定する。発泡力の大小は、コアバックを含む射出充填の条件に対応付けて保持される。
そして、後述する自動設定モードの場合には、制御部50は、樹脂の発泡力に関する情報として取得した回転電機42の実トルクに基づき発泡力の大小を特定する。なお、回転電機42の実トルクの測定は成形工程サイクル中にオンタイムで測定してもよい。この場合、(ii)と同様に、溶融樹脂中の気泡状態(発泡圧力)の成形充填毎のばらつきに対応したコアバック制御が可能となり、更に成形品質を安定させることに有効である。
なお、制御部50は、オペレータが入力した上記(i)~(iii)の測定値を入力部53から取得してもよい。
(iv)発泡剤の含有量(%)に基づく評価
樹脂に含まれる発泡剤の含有量が多くなるほど、発泡力が大きくなる。したがって、発泡剤の含有量に基づいて発泡力の大小を評価することができる。なお、発泡剤を用いる化学発泡方式ではなく直接溶融樹脂に発泡ガスを充填する物理発泡方式を使用する場合は、本実施形態の発泡剤の含有量は発泡ガスの溶解量(充填量)と読み替えることができる。
この評価は(i)と同様に事前の評価を含む。つまり、当該含有量の樹脂を用いて実際の生産の前に射出充填を行う。このとき、可動盤14の移動速度または加速度((i))、キャビティ内の樹脂圧力((ii))および型開閉機構40の実推力(回転電機42の駆動トルク、油圧シリンダの実油圧)((iii))のいずれかを測定する。取得した移動速度などの測定値に応じて、手動設定モードの場合には、オペレータまたはその他の技術者が発泡力の大小を特定する。発泡力の大小は、コアバックを含む射出充填の条件および発泡剤の含有量に対応付けて保持される。また、後述する自動設定モードの場合には、制御部50は、樹脂の発泡力に関する情報として取得した移動速度などの測定値に基づき発泡力の大小を特定する。なお、移動速度などの測定は成形工程サイクル中にオンタイムで測定してもよい。この場合、(ii)、(iii)と同様に、溶融樹脂中の気泡状態(発泡圧力)の成形充填毎のばらつきに対応したコアバック制御が可能となり、さらに成形品質を安定させることに有効である。
また、手動設定モードにおいては、樹脂の発泡力に関する情報として、キャビティ内の樹脂圧力((ii))および回転電機42の駆動トルク((iii))のいずれかを用いずに、直接、樹脂の発泡剤の含有率と発泡力の大小を対応させて記憶部52に記憶させておくこともできる。この場合、制御部50は、オペレータが入力した樹脂の発泡剤の含有率を入力部53から受ける。
[ステップS2:モード判定]
ステップS2は、手動設定モードか否かを判定する処理である。
手動設定モードが選択されている場合(YES側)には、制御部50はステップS3に処理を移行させる。一方、自動設定モードが選択されている場合(NO側)には、制御部50はステップS6に処理を移行させる。
[ステップS3:選択画面表示(手動設定モード)]
ステップS3は、表示部54に選択画面を表示させる処理である。
制御部50は、図11に示すように、オペレータにコアバック手法の選択を促す選択画面を表示部54に表示させる。
選択画面には、ステップS1で取得した樹脂の発泡力に関する表示M1と、コアバック手法の選択を促すメッセージM2と、コアバック手法の選択項目M3とが含まれる。オペレータは、選択画面を参照することで樹脂の発泡力の大きさを評価でき、この樹脂の発泡力に基づいて適切なコアバック手法を選択できる。
図11では、表示M1としてステップS1((i))で測定された可動盤移動速度が表示される例を示す。表示M1の数値は、「-」で簡略化して示している。また、選択項目M3は、コアバックの大きさがそれぞれ異なる3つの手法(手法1~手法3)をオペレータに選択させるボタンである。
[ステップS4:入力有無判定(手動設定モード)]
ステップS4(手動設定モード)は、コアバック手法の入力を受けたかを判定する処理である。
選択項目M3の選択入力を受けた場合(YES側)には、制御部50はステップS5に処理を移行させる。一方、選択入力がない場合(NO側)には、制御部50は選択項目M3の選択入力があるまで待機する。
[ステップS5:コアバック手法設定(手動設定モード)]
ステップS5(手動設定モード)は、オペレータの選択に基づきコアバック手法を設定する処理である。
制御部50は、オペレータが選択したコアバックの手法に応じて、コアバックのときに駆動させる型締シリンダ21を設定する。ステップS5の処理後に、制御部50は図11の制御を終了する。
コアバックのときに駆動させる型締シリンダ21の数が多くなると、同期制御が複雑になってコアバックの動作遅れの要因となり得る。また、駆動する型締シリンダ21の数が多くなると作動油の供給量も増えるので、油圧源である給油ポンプ28の消費エネルギが増加する。コアバックで駆動させる型締シリンダ21の数が減ると、コアバックの動作遅れの可能性が低減するとともに省エネルギを実現できる。
コアバックのときには、型開閉機構40の推力で可動盤14が後退することは先に述べたが、実際には樹脂に生ずる発泡力も可動盤14の移動に関与する。つまり、発泡力が大きければキャビティを拡大させて可動盤14を型開方向に移動させようとする力が大きくなるので可動盤14は後退しやすく、逆に発泡力が小さければ可動盤14は移動しにくい。
また、可動盤14の後退には可動盤14に生ずる移動抵抗も関与するが、この移動抵抗の大小に型締シリンダ21の駆動の有無が影響を与える。つまり、駆動が停止されている型締シリンダ21は可動盤14の移動抵抗になるが、駆動している型締シリンダ21は可動盤14の移動抵抗にはならない。
以上より、発泡力が小さい場合には、可動盤14の移動抵抗を低減させることが有効である。そのため、発泡力が小さい場合には、コアバックのときに駆動させる型締シリンダ21の数を多くすることが好ましい。
一方、発泡力が大きい場合には、可動盤14の後退に発泡力を利用できるので、可動盤14の移動抵抗が大きくなってもコアバックが可能になる。そのため、発泡力が大きい場合には、コアバックのときに駆動させる型締シリンダ21は四隅の全ての型締シリンダ21を使用するのではなく、四隅のうち1つもしくは複数(2つまたは3つ)の型締シリンダ21を駆動させず、使用する型締シリンダ21の数を少なくすることが好ましい。但し、このときの発泡力が可動盤14の摺動部材15と架台11との摺動抵抗よりも十分大きく、発泡力による可動盤14の移動速度が目標コアバック速度以上で可動盤14を移動させるほど大きい場合がある。この場合には、駆動させる型締シリンダ21の数を少なくしたのでは可動盤14の動作を目標コアバック速度と差異無く制御するのが難しい場合がある。この場合は、可動盤14の移動抵抗を大きく保つために、コアバック時に駆動する型締シリンダ21の数を三つまたは四隅の全数に増やすことが好ましい。
また、コアバックのときに駆動させる型締シリンダ21の組み合わせは、金型のキャビティや充填ゲートの位置を考慮することが好ましい。例えば、金型のキャビティや充填ゲートが可動盤14の中央からずれていると、発泡力の重心位置が型盤の中央からずれる。この場合、発泡力により開いた固定盤12と可動盤14の対向する面間の距離も位置によって差が発生して型盤間の平行度が不均一になる。この場合、例えば発泡力の小さく型開量が小さい領域に近隣した型締シリンダ21を優先的に駆動させることによって、型盤間の平行度を均一に制御することが容易となる。
また逆に、発泡成形品の形状によっては、意図的に発泡厚さに差を持たせる、または、固化速度に差があるために、寸開の速度や停止位置を均等にできない場合もある。そこで、計算または実験の結果に基づき、各型開閉機構40および各型締シリンダ21毎に、それぞれ異なったコアバックの制御パラメータ(速度、加速度、減速開始位置、減速プロファイル、目標停止位置など)を設定してそれぞれを独立に制御することもできる。
以上の考え方に基づき、第5実施形態の手法1~手法3については、コアバックのときに駆動させる型締シリンダ21の数がそれぞれ設定されている。
第5実施形態において、コアバックのときに駆動させる型締シリンダ21の組み合わせは、図12に示す通りである。図12においては、コアバックのときに駆動させる型締シリンダ21をハッチングで示し、コアバックのときに駆動させない型締シリンダ21を白丸で示す。
・4つの型締シリンダ21のすべてを駆動させる(図12(a))。
・対角に配置された一対の型締シリンダ21を駆動させる(図12(b))。
・水平に配置された一対の型締シリンダ21を駆動させる(図12(c))。
・垂直に配置された一対の型締シリンダ21を駆動させる(図12(d))。
・4つの型締シリンダ21のうち1つを駆動させる(図12(e))。
・4つの型締シリンダ21のうち3つを駆動させる(図12(f))。
・4つの型締シリンダ21をすべて駆動させない(図12(g))。
図12(b)~(d)において、駆動させる型締シリンダ21と駆動させない型締シリンダ21の関係は逆であってもよい。また、図12(e)において、駆動させる型締シリンダは、図中左上以外であってもよい。また、図12(f)において、駆動させない型締シリンダは、図中右上以外であってもよい。
また、図12(b)~(d)のように2本の型締シリンダ21を駆動させる場合、型盤の剛性によって駆動する型締シリンダ21と型開閉機構40の組合せを変更することが好ましい。具体的には型盤の剛性が高い場合は、型締シリンダ21の配置と逆配置の型開閉機構40を組み合わせて駆動するのが好ましい。また、型盤に発生する応力を撓みによって吸収するために剛性を低くしている場合は、型開閉機構40に近接する型締シリンダ21を組み合わせて駆動させることが好ましい。
例えば、型開閉機構40に近接する型締シリンダ21を組み合わせて駆動させる場合であって、図13(a)に示すように、型開閉機構40が図中右下と左上の2箇所に対角に設けられている場合には、右下と左上の型締シリンダ21を駆動させることが好ましい。また、図13(b)に示すように、型開閉機構40が図中右下と左下の2箇所に水平に設けられている場合には、右下と左下の型締シリンダ21を駆動させることが好ましい。なお、図13においても、コアバックのときに駆動させる型締シリンダ21をハッチングで示し、コアバックのときに駆動させない型締シリンダ21を白丸で示す。また、図3(a)に示された対角に設けられた1組の型開閉機構40は型締装置10の垂直方向に対向した側面に設けられているが、図3(b)に示された型開閉機構40と同様に型締装置10の水平方向に対向した側面の対角に設けてもよい。
本実施形態のコアバックにおいては、型開閉機構40の推力で可動盤14がタイバー22に押し付けられる。そうすると、可動盤14にはタイバー22と型開閉機構40のボールねじ41との間に曲げモーメントが生じ、可動盤14が微小量だけ湾曲変形することが見込まれる。この曲げモーメントは、タイバー22の位置とボールねじ41の位置の距離が長くなるほど大きくなるとともに、微小変形する範囲が広がる。そうすると、コアバックのときの金型の開きのばらつきが大きくなり、成形品の肉厚もばらつくことになる。
そこで、上記のように、2本の型締シリンダ21を駆動させる場合には、型開閉機構40に近接する型締シリンダ21を駆動させる。これにより、型締シリンダ21で駆動しているタイバー22とボールねじ41の距離が短くなるので、変形量が小さくなるとともに変形が影響する範囲が狭くなり、成形品の肉厚のばらつきを抑制できる。
また逆に、型盤の剛性が高い場合には、タイバー22と型開閉機構40のボールねじ41との間に曲げモーメントが生じたとしても、型盤の曲げ変形は無視するほど小さくできる。このため、可動盤14と固定盤12の平行度を均一に維持するためには、型締シリンダ21の配置と逆配置の型開閉機構40を組み合わせて、可動盤14を駆動するアクチュエータ(型締シリンダ21と型開閉機構40)をそれぞれ四隅に配置することが好ましい。
[ステップS6:コアバック手法設定(自動設定モード)]
ステップS6は、コアバック手法を自動設定する処理である。
制御部50は、記憶部52に保持されているデータテーブルを参照し、ステップS1で取得した樹脂の発泡力に対応付けされたコアバックの手法(手法1~手法3)を読み出す。そして、制御部50は、データテーブルから読み出したコアバックの手法に応じて、コアバックのときに駆動させる型締シリンダ21を設定する。
データテーブルは、図14に示すように、樹脂の発泡力のパラメータと、手法1~手法3を選択するときの数値範囲との対応関係を記録している。データテーブルにおける樹脂の発泡力のパラメータは、例えば、可動盤の移動速度、可動盤の加速度、金型内の樹脂圧力、型開閉機構40の実推力(電動機の実トルク、油圧シリンダの実油圧)および発泡剤の含有率の少なくとも一つである。図14において、データテーブルの数値範囲は「-」で簡略化して示している。なお、樹脂の発泡力のパラメータと、手法1~手法3を選択するときの数値範囲との対応関係を記述するデータテーブルはオペレータによって作成、編集できるようにしてもよい。
ステップS6の処理によると、樹脂の発泡力の大きさに応じて、コアバックのときに駆動させる型締シリンダ21が自動的に設定されるので、オペレータの作業負担を軽減できる。なお、ステップS6の処理後に、制御部50は図11の制御を終了する。
次に、第5実施形態の変形例について説明する。
発泡成形のときにキャビティ内の気泡の圧力は、コアバックによる気泡の成長に伴って急激に低下する。そのため、制御部50は、上記実施形態におけるコアバックの動作中に、駆動させる型締シリンダ21を段階的に変更する設定をしてもよい。例えば、1回分の射出成形の工程において、上記のコアバックの手法1~手法3を1回以上切り替えるようにしてもよい。例えば、コアバック開始時は駆動する型締シリンダ21を四隅の型締シリンダ21を全て駆動し、コアバック工程中に駆動する型締シリンダ21の数を2または3というように減らしてもよい。これとは逆に、コアバック開始時は駆動する型締シリンダ21は対角に設けられた1組の型締シリンダ21とするが、コアバック工程中に駆動する型締シリンダ21の数を3または4というように増やしてもよい。もちろんコアバック工程中に一旦減らした型締シリンダ21の数を同じコアバック工程中に再び増やしてもよいし、逆に一旦増やした型締シリンダ21の数を同じコアバック工程中に再び減らしてもよい。
他の変形例として、型締装置10の試験運転において、制御部50は、型締シリンダ21を駆動させずに型開閉機構40のみでコアバックを実行し、この結果に基づいて次回以降の射出成形でコアバックの手法を切り替えてもよい。
例えば、型締装置10の試験運転において、制御部50は、型開閉機構40でコアバックしたときの可動盤14の位置や可動盤14の移動速度または加速度の情報を取得する。そして、制御部50は、可動盤14の位置や可動盤14の移動速度または加速度が、コアバックが適切に実行されたときの判別値に満たないときには、表示部54に警告を出力させる。その後、制御部50は、図10に示す手動設定モードまたは自動設定モードのいずれかで型締シリンダ21の設定を行えばよい。
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択することや、他の構成に適宜変更することが可能である。
例えば、上記実施形態においては、型締装置10に2つの型開閉機構40を対角に設ける例を説明したが、型開閉機構40を四隅に設けるようにしてもよい。
例えば、上記実施形態では、型締装置10の四隅の型締シリンダ21のいずれについても、第二油圧室21Bにサーボバルブ31で作動油を供給する構成を採用している。しかし、四隅の型締シリンダ21のすべてにサーボバルブ31を設けなくてもよい。例えば、四隅の型締シリンダ21のうち対角の一対の型締シリンダ21にのみサーボバルブ31を設けてもよい。この場合には、サーボバルブ31が減少することで各サーボバルブ31に分配される作動油の流量はその分増加するので、コアバックの速度を上げることができる。また、サーボバルブ31の数が減ることで型締装置10のコストを低減できる。
10 型締装置
12 固定盤
13 固定金型
14 可動盤
15 摺動部材
16 可動金型
20 型締機構
21 型締シリンダ
21A 第一油圧室
21B 第二油圧室
22 タイバー
23 ねじ
24 割ナット
25 ねじ
26 ラム
27 位置センサ
28 給油ポンプ
29A 給油配管
29B 給排油配管
30 油圧センサ
31 サーボバルブ
40 型開閉機構
41 ボールねじ
41A ねじ軸
41B ナット
41C ブラケット
42 回転電機
43 エンコーダ
50 制御部
51 指示部
52 記憶部
53 入力部
54 表示部

Claims (8)

  1. 固定金型を保持する固定盤と、
    可動金型を保持する可動盤と、
    前記可動盤を、前記固定盤に対して型閉方向および型開方向に進退移動させる型開閉機構と、
    タイバーを介して前記可動金型を前記固定金型に所定の型締力で押し付ける型締機構と、
    前記型開閉機構および前記型締機構を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    発泡成形のコアバックのときに、前記型開閉機構を駆動させて前記可動盤を前記型開方向に移動させ、かつ、前記型締機構を駆動させて前記タイバーを前記型開方向に移動させ、
    前記可動盤が目標速度V 1C で前記型開方向に移動するように前記型開閉機構を制御するとともに、
    前記タイバーが目標速度V 2C で前記型開方向に移動するように前記型締機構を制御し、
    前記目標速度V 1C と前記目標速度V 2C が、V 1C >V 2C 、またはV 1C <V 2C を満足する、
    ことを特徴とする型締装置。
  2. 固定金型を保持する固定盤と、
    可動金型を保持する可動盤と、
    前記可動盤を、前記固定盤に対して型閉方向および型開方向に進退移動させる型開閉機構と、
    タイバーを介して前記可動金型を前記固定金型に所定の型締力で押し付ける型締機構と、
    前記型開閉機構および前記型締機構を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    発泡成形のコアバックのときに、前記型開閉機構を駆動させて前記可動盤を前記型開方向に移動させ、かつ、前記型締機構を駆動させて前記タイバーを前記型開方向に移動させ、
    前記タイバーが目標速度V 2C で前記型開方向に移動するように前記型締機構を制御するとともに、
    前記型開閉機構を駆動するアクチュエータの推力が目標推力F となるように制御し、
    前記目標推力F が閾値F に対し、F >F を満足する、
    ことを特徴とする型締装置
  3. 前記可動盤は、
    前記コアバックのときに、前記可動盤および前記タイバーが同じ実速度で前記型開方向に移動する、
    請求項1または請求項2に記載の型締装置。
  4. 前記タイバーと前記可動盤の相互の連結および連結解除を行う連結機構を有し、
    前記コアバックのときに前記連結機構の連結状態を維持したままで前記タイバーを前記型開方向に移動させる、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の型締装置。
  5. 前記制御部は、前記コアバックのときに、
    前記コアバックの目標位置よりも手前の減速開始位置で前記型締機構の駆動を停止し、
    前記減速開始位置から前記目標位置まで前記可動盤が移動するときの移動抵抗を増加させる、
    請求項1から請求項のいずれか一項に記載の型締装置。
  6. 前記制御部は、前記コアバックのときに、
    前記可動盤が前記コアバックの目標位置よりも手前の減速開始位置から前記型締機構の移動速度の減速を開始し、前記可動盤が前記目標位置に到達した以降に、前記型締機構に供給する作動油量または作動油圧を制御して、前記可動盤の位置が前記目標位置を保持するように制御する、
    請求項1から請求項のいずれか一項に記載の型締装置。
  7. 前記制御部は、
    前記発泡成形で使用される樹脂の発泡力に応じて、前記コアバックのときに駆動させる前記型締機構の数および位置を設定可能な、
    請求項1から請求項のいずれか一項に記載の型締装置。
  8. 前記樹脂の前記発泡力は、前記可動盤の移動速度、前記可動盤の加速度、金型キャビティ内の樹脂圧力、前記型開閉機構の駆動源の出力および樹脂の発泡剤の含有量の少なくとも一つに基づいて設定される、
    請求項に記載の型締装置。
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