JP7095198B2 - トルクメータ - Google Patents

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Description

本発明は、締付工具を連結する連結体を備えたトルクを測定するトルクメータに関する。
従来のガスの配管工事において、ガス管を締め付けるためにパイプレンチが用いられ、所定のトルクで締め付けられるように作業従事者の経験に基づいて締め付けが行われていた。しかしながら、作業従事者の経験に基づいて行っているため、所定のトルクで締め付けられていないことも多く、締め付け作業に加えて締め付けトルクの確認作業等を必要とするため、作業効率が低下するという欠点があった。
そこで、上記欠点を解決するために、例えば特許文献1には、トルクメーター2と、トルクメーター2のソケット3を脱着自在に嵌合するソケットSを備えたパイプレンチ4と、からなるトルクメータが提案されている。
実開平3-40075号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された発明は、角ドライブ3を嵌合するソケットSがパイプレンチ4の締付部分の近傍に位置しており、この部分にパイプを締め付ける締め付けトルクが掛かるため、パイプレンチ4側に掛ける荷重と同程度以上の荷重がトルクメータ-2側にも掛かることになる。そのため、締め付けトルクが高く設定されている場合、トルクメーター2側の角ドライブ3等に負荷が掛かり、ソケットS又は角ドライブ3などが損傷する恐れがあるとともに、トルクメータ-2側が長くなるため操作しにくい欠点があり、これらを改善することが望まれていた。
上記課題に鑑み、本発明は、トルクメータ本体と、該トルクメータ本体に締付工具を連結する連結体と、を備えたトルクメータであって、前記トルクメータ本体は、トルク値を測定する測定部と、該測定部におけるトルク値を前記締付工具の締付部におけるトルク値に演算する演算部と、前記締付部におけるトルク値を表示する表示部と、を有し、
前記連結体は、前記締付工具の柄部の後端付近を挿入する装着部材と、該装着部材と締付工具の柄部後端の開孔部に挿入する差込部を備えた抜止部材と、を有し、
前記装着部材は、前記トルクメータ本体の前記測定部を着脱自在に嵌合する嵌合部を有することを特徴とする。
また、上述した構成に加え、連結体は、抜止部材の差込部の外周面側へ出没自在に設けられた係止片と、装着部材の被差込部の内周面側へ凹んで形成された係止溝と、を有することが好ましい。
また、上述した構成に加え、連結体は、抜止部材の差込部に形成された雄ねじ部と、該差込部の雄ねじ部をねじ込むために装着部材の被差込部の内周面に形成された雌ねじ部と、を有することが好ましい。
また、上述した構成に加え、装着部材は、該装着部材と柄部との間に隙間を有する際に、柄部を押圧固定して装着位置を調整する押圧固定部を有することが好ましい。
また、上述した構成に加え、連結体は、測定部を差し替えるための差し替え穴に嵌合し得るように凸状に形成された嵌合部を有することが好ましい。
また、上述した構成に加え、トルクメータ本体は、締付対象の諸条件に基づいた比例定数が格納された記憶部と、該記憶部から締付対象の諸条件に該当する比例定数を呼び出し、該比例定数を測定部におけるトルク値に掛け合わせる演算部と、締付部におけるトルク値を表示する表示部と、を有することが好ましい。
請求項1又は2記載の発明よれば、従来のパイプレンチの腕の長さを利用することでトルクメータ本体に掛かる負荷を小さくすることができるとともに、パイプレンチなどの締付工具にしっかりと連結する連結体を備えたトルクメータを提供することが可能である。
請求項3記載の発明によれば、柄部の開孔部に挿入した状態でないときにも抜止部材を装着部材に固定することが可能である。
請求項4記載の発明によれば、想定された締付工具の柄部の幅よりも小さい幅の有する締付工具であっても、しっかりと押圧固定した装着することができ、一つのサイズの装着部材のみによって異なる柄部の幅を有する締付工具に装着して使用することが可能である。
請求項5記載の発明によれば、ソケットを差し替えるための差し替え穴に凸状に形成された嵌合部を嵌合させることで、六角ボルト等のソケットを介することなく差し替え可能なデジタルトルクメータ本体に締付工具の柄部と連結させることが可能である。
請求項6記載の発明によれば、締付部のトルク値を表示させることですばやく締付部におけるトルク値を確認しながら締付け作業を行うことが可能である。
本発明の実施形態における連結体によって締付工具をトルクメータ本体に連結する連結体を備えたトルクメータを示す正面図である。 図1における連結体周辺を示す部分拡大分解斜視図である。 図1における連結体の構造を示すA-A線断面図である。 第2の実施形態における連結体を示す部分拡大分解斜視図である。 第3の実施形態における連結体の押圧固定部を示す部分拡大図である。 第4の実施形態における連結体によって締付工具をトルクメータ本体に連結する連結体を備えたトルクメータを示す正面図である。 図6における連結体周辺を示す拡大分解斜視図である。
本発明の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態)
本発明に係るトルクメータは、図1、図2に示すように、トルクメータ本体10と、該トルクメータ本体10に締付工具30を連結する連結体20とからなる。
締付工具30は、パイプなどの締付対象Pを締め付ける締付部31を有し、この締付部31を操作する柄部32を少なくとも有する。また、トルクメータ本体10は、トルク値T1を測定する測定部11と、この測定部11におけるトルク値T1を締付部におけるトルク値T2に演算する演算部と、締付部31におけるトルク値T2を表示する表示部12とを、少なくとも有する。連結体20は、少なくとも装着部材21と抜止部材22とからなる。
締付工具30は、従来から使用されているパイプレンチやスパナなどの手動工具であって、柄部32の後端付近には、紐等を通して保管するための開孔部33を有する。本実施形態における開孔部33は、柄部32の後端から周縁部分を経た位置にあり、円形状の孔である。
トルクメータ本体10は、トルクを測定するソケット11aなどからなる測定部11と、締付工具30のサイズや締付対象Pのパイプ径などに対応した比例定数aが格納された記憶部と、該記憶部から締付工具30のサイズ及び締付対象Pの径に対応する比例定数aを呼び出し、該比例定数aを測定部11におけるトルク値T1に掛け合わせることで締付工具30の締付部31におけるトルク値T2とする演算部と、締付部31におけるトルク値T2を表示する表示部12と、を有するものである。なお、トルクメータ本体10には、表示部12周辺に設けられたプッシュ式ボタンからなる入力部13が備えられ、該入力部13を介して作業従事者が締付工具30及び締付対象Pの諸条件を入力して後述する比例定数aを記憶部から呼び出すことができるようにすることが好ましい。
測定部11は、ひずみゲージ等を利用したトルクを検知するトルクセンサ、演算部及び記憶部は電子回路(CPU、メモリなど)、表示部12は液晶画面、などの従来のデジタルトルクメータに用いられているものを使用することができる(演算部及び記憶部は図示しない)。また、記憶部は、締付作業中の締付部におけるトルク値T1及び測定部におけるトルク値T2を格納させるようにし、締付作業後に確認するために表示部12に再度表示させるようにしてもよい。
連結体20は、締付工具30の柄部32の後端周辺を挿入して被嵌し得る被嵌部21fを有する装着部材21と、該装着部材21に形成された差込穴21eから柄部32の開孔部33へ挿入する略棒状の差込部22aを有する抜止部材22と、を備えるものである。
装着部材21は、一面に開口部21i有する箱状の被嵌部21fからなる。この開口部21iを通じて柄部32の後端から締付工具30を被嵌部21fへ挿入し、少なくとも柄部32の開孔部33の周辺を被嵌する。この被嵌部21fの側面には、トルクメータ本体10の測定部11のソケット11aを着脱自在に嵌合する嵌合部21dと、締付工具30の挿入状態で柄部32の開孔部33と連通する差込穴21eが形成された被差込部21aと、を有する。
被差込部21aは、被嵌部21fの側面から円筒状に突出して形成されるものであり、その筒体の中心軸方向に沿って外方端である開口端部21bから被嵌部21fまで貫通した断面が円形の差込穴21eを備える。差込穴21eの長手方向のうち中央やや開口端部21b側で、その内周面上を全周にわたって凹ませて形成する係止溝21cが形成され、後述のとおり、抜止部材22の係止片22bと係合して、抜止部材22を差し込んだ状態を係止する。
嵌合部21dは、被差込部21aが形成された被嵌部21fの反対側の側面から突出するように形成され、トルクメータ本体10の測定部11(ソケット11a)と嵌合し得るようにボルト頭形状(例えば、六角形状)に形成されているものである。また、この嵌合部21dは、後述する測定方法(S1-S4)においてトルクメータ本体10と連結体20とが締付作業中に外れることを防止するために、差込穴21eの同軸上の位置に形成されていることが好ましい。
抜止部材22は、被差込部21aの差込穴21eに差し込み得る略棒状に形成された差込部22aと、該差込部22aの外周面に差込穴21eの係止溝21cに係合するように出没自在に設けられた略球状の係止片22bと、抜止部材22の抜き出し動作を補助する指掛けリング22cと、を有する。図3に示すように、締付金具30の柄部32を装着部材21の開口部21iから被嵌部21fの内部に挿入した状態で、抜止部材22を被差込部21aの開口端部21bから挿入し、柄部32の開孔部33を通して、嵌合部21dまで至る。これにより、締付工具30を連結体20にしっかりと固定することができるとともに、被差込部21aの係止片22bが突出して被差込部21aの係止溝21cに係合することにより、抜止部材22が不用意に抜け落ちることを防止する。
トルクメータ本体10による演算に用いられる比例定数aは、予めサイズの異なる各メーカーの締付工具30の締付部31に備えられているトルク測定装置(図示しない)に取付けるとともに、連結体20によって連結されたトルクメータ本体10の柄部14に荷重Fを加えた状態において、トルク測定装置におけるトルク値T3及び測定部11におけるトルク値T1を測定し、それらの比であるT3/T1によって決定されるものである。
次に、上述したトルクメータ本体10の測定部11におけるトルク値T1と締付工具30の締付部31におけるトルク値T2の測定方法(S1-S3)について説明する。
(S1)作業従事者が、サイズの異なる各メーカーの締付工具30及び締付対象Pのパイプの径などの条件を、トルクメータ本体10の入力部13に入力して記憶部に格納された諸条件に対応する比例定数aを演算部に呼び出す。
(S2)締付工具30の柄部32の後端付近に連結された連結体20の嵌合部21dにトルクメータ本体10の測定部11のソケット11aを嵌合させた状態で、トルクメータ本体10の柄部14を操作することで締付対象Pの締付作業を行う。
(S3)上記締付作業と同時に、演算部においては、測定された測定部11におけるトルク値T1に比例定数a倍することで、締付部31におけるトルク値T2とする演算を行う。
したがって、上述した構成からなるトルクメータ本体10によれば、従来のパイプレンチの腕の長さを利用することでトルクメータ本体10に掛かる負荷を小さくすることができるとともに、パイプレンチなどの締付工具30にしっかりと連結し得る連結体20を備えたトルクメータを提供することが可能である。
また、締付作業中にすばやく締付部31におけるトルク値T2を確認しながら締付作業を行うことが可能である。
次に、第2、第3、第4の実施形態について詳細に説明する(図4-図6参照)。なお、上述した実施形態の構成と共通する部分は詳細な説明については省略する。
第2の実施形態として、図4に示すように、抜止部材22の差込部22aの外周面に形成された雄ねじ部22dと、装着部材21の被差込部21aの内周面に形成された雌ねじ部21gと、を備える。これにより、雄ネジ部22dを雌ネジ部21gへ螺入することにより、より強固に挿入状態を固定することができるだけでなく、締付工具30を挿入した状態でないときにも抜止部材22を装着部材21に仮固定することを可能にしたものである。
第3の実施形態として、図5に示すように、1又は複数の押圧固定部21hを備えるものである。この実施形態にかかる装着部材21は、第1、第2の実施形態によるものに比べ、側面が台形状となり、開口部21iが広く開けられたものとなる。これにより、様々なサイズの締付工具30に用いることができる。
この様々なサイズの締付工具30を挿入して用いた場合、被嵌部21fの内面と柄部32との間に隙間等が生じる。この隙間によるガタツキを防止するために、被嵌部21fの外方から内方に向けて螺入する押圧固定部21hを用いる。この押圧固定部21hは、被嵌部21fの開口部21i周辺の外周面上に配設され、本実施形態では上方、下方と一つの側方からねじ込まれる3つの固定ねじからなる。この押圧固定部21hの個数は本実施形態に限らず、押圧形式もねじ型以外でもピン式等の形態であってもよい。
上記押圧固定部21hにより、柄部32の形状に合わせた位置でしっかりと押圧固定することができる。それに伴って、装着部材21の使用が想定され得る締付工具30の柄部32の最大幅にすることで、該最大幅よりも小さい幅の柄部32の締付工具30にも装着した後に押圧固定部21hである固定ねじを締め付けることでしっかりと柄部32の後端付近を押圧固定した状態で装着することができ、一つのサイズの装着部材21のみによって異なる柄部32の幅を有する締付工具30に装着して使用することが可能である。
第4の実施形態として、図6、図7に示すように、連結体21の嵌合部21dは、開口部21iに対向する面から外周方向に凸状に形成されたものである。この嵌合部21dを従来のデジタルトルクメータのソケット11aの差し替えるための凹状に形成された差し替え穴11bに嵌合させることで、六角ボルト等に嵌合するソケット11aを介することなくトルクメータ本体10に締付工具30の柄部32を連結させることが可能である。
上記の実施形態では本発明の好ましい実施形態を複数例示したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内で改善や変更が可能である。例えば、本発明のトルクメータ本体は、メモリ盤等を備える直読式のアナログトルクメータに変更することも可能である。
10…トルクメータ本体、11…測定部、11a…ソケット、11b…差し替え穴、12…表示部、13…入力部、14…柄部、20…連結体、
21…装着部材、21a…被差込部、21b…開口端部、21c…係止溝、21d…嵌合部、21e…差込穴、21f…被嵌部、21g…雌ねじ部、21h…押圧固定部(固定ねじ)、21i…開口部、
22…抜止部材、22a…差込部、22b…係止片、22c…指掛けリング、22d…雄ねじ部、
30…締付工具、31…締付部、32…柄部、33…開孔部、
P…締付対象(パイプ)、F…荷重、a…比例定数、T1…測定部におけるトルク値、T2…締付部におけるトルク値、T3…トルク測定装置におけるトルク値

Claims (6)

  1. トルクメータ本体と、該トルクメータ本体に締付工具を連結する連結体と、を備えたトルクメータであって、前記トルクメータ本体は、トルク値を測定する測定部と、該測定部におけるトルク値を前記締付工具の締付部におけるトルク値に演算する演算部と、前記締付部におけるトルク値を表示する表示部と、を有し、
    前記連結体は、前記締付工具の柄部の後端付近を挿入する装着部材と、該装着部材と締付工具の柄部後端の開孔部に挿入する差込部を備えた抜止部材と、を有し、
    前記装着部材は、前記トルクメータ本体の前記測定部を着脱自在に嵌合する嵌合部を有することを特徴とするトルクメータ。
  2. 連結体は、抜止部材の差込部の外周面側へ出没自在に設けられた係止片と、装着部材の被差込部の内周面側へ凹んで形成された係止溝と、を有することを特徴とする請求項1記載のトルクメータ。
  3. 連結体は、抜止部材の差込部の外周面に形成された雄ねじ部と、装着部材の被差込部の内周面に形成された雌ねじ部と、を有すること特徴とする請求項1記載のトルクメータ。
  4. 装着部材は、柄部を押圧固定して装着位置を調整する押圧固定部を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のトルクメータ。
  5. 連結体は、測定部を差し替えるための差し替え穴に嵌合し得るように凸状に形成された嵌合部を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のトルクメータ。
  6. トルクメータ本体は、締付対象の諸条件に基づいた比例定数が格納された記憶部と、該記憶部から締付対象の諸条件に該当する比例定数を呼び出し、該比例定数を測定部におけるトルク値に掛け合わせる演算部と、締付部におけるトルク値を表示する表示部と、を有することを特徴とする請求項1記載のトルクメータ。
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