JP7095057B2 - 表面にトップコート層を塗布する硬化物を形成するための湿気硬化性組成物 - Google Patents
表面にトップコート層を塗布する硬化物を形成するための湿気硬化性組成物 Download PDFInfo
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Description
シリコーン(オルガノポリシロキサン)を主成分とするシリコーン系シーリング材は、一般にその表面への塗装適合性が低く、シリコーン系シーリング材の表面へのトップコート層の形成が難しい。
一方で、シリル基を末端に持つポリエーテルを主成分とする変成シリコーン系シーリング材は、シリコーン系シーリング材と比較して塗装適合性が高く、シーリング材表面へトップコート層形成が容易である場合が多く、工業的に有用である。特に、反応性ケイ素基(加水分解、縮合反応することによりシロキサン結合を形成し架橋しうる反応性ケイ素含有官能基)を有し、主鎖がオキシアルキレン系である重合体は、室温で液状であり、かつ硬化物が低モジュラスで高伸び特性があることから、シーリング材や接着剤、各種コーティング材等へ利用されている。
ポリオキシアルキレン重合体を含むシーリング材とトップコートとの接着性をさらに向上させるため、アミノシラン系または該アミノシランとエポキシシラン系等を併用した接着向上剤が使用されることが一般的である。
末端に反応性ケイ素基を有する湿気硬化型の変成シリコーンとしては、反応性ケイ素基にメチレン基(-CH2-)が1つ直結するものや、メチレン基が3つ結合するものが広く知られている。特にメチレン基が1つ結合するものは、有害なスズを含有する触媒を使用せずに硬化させることができるため有用である。
具体的には、-CH2-SiR1 a(OR2)3-a で示される、アルコキシシラン末端基にメチレン基(-CH2-)が1つ直結するポリオキシアルキレン重合体を含有している湿気硬化性組成物をシーリング材として用いる場合に、溶剤系アクリルウレタンなどのトップコート層の接着性が低い場合があった。そこで、前記-CH2-SiR1 a(OR2)3-a で示されるアルコキシシランを末端基とするポリオキシアルキレン重合体を含有している湿気硬化性組成物の硬化物とトップコート層との密着性に優れた積層物を製造する方法が求められていた。
表面にトップコート層を塗布する硬化物を形成するための湿気硬化性組成物であって、
(A) 下記 一般式(1)
Y-[CH2-SiR1 a(OR2)3-a ]x (1)
(式中、
Yは、窒素、酸素、または硫黄を介して結合されたx価のポリマー基であり、
R1は、同じであっても異なってもよく、一価の、場合によって置換されているSiC結合した炭化水素基であり、
R2は、同じであっても異なってもよく、水素原子、または一価の、場合によって置換されている炭化水素基であり、
xは、1から10までの整数であり、
aは、0、1、もしくは2である。)
のシラン変性ポリマーAと、
(B)2個以上のアミノ基と、1個以上の炭素数2以上のアルコキシ基を有するアミノシランBと、
を含む湿気硬化性組成物である。
しかし、2個以上のアミノ基と、1個以上の炭素数2以上のアルコキシ基を有するアミノシランを接着向上剤として添加した場合にのみ塗装性が向上し、硬化物の表面にトップコート層を塗布した場合にトップコート層との接着性が良好となる効果が得られる。
また、本発明の湿気硬化性組成物を硬化させてなる硬化物と、トップコート層とを含む積層体は、硬化物とトップコート層との接着性が高く、トップコート層がはがれにくいという特性を有する。
Y-[CH2-SiR1 a(OR2)3-a ]x (1)
(式中、
Yは、窒素、酸素、または硫黄を介して結合されたx価のポリマー基であり、
R1は、同じであっても異なってもよく、一価の、場合によって置換されているSiC結合した炭化水素基であり、
R2は、同じであっても異なってもよく、水素原子、または一価の、場合によって置換されている炭化水素基であり、
xは、1から10までの整数であり、
aは、0、1、もしくは2である。)
ここで接着向上剤を、2個以上のアミノ基と、1個以上の炭素数2以上のアルコキシ基を有するアミノシランを接着向上剤とすることにより、硬化物表面へのトップコート層の接着性を向上させることが可能となる。
前記湿気硬化性組成物は、
(A) 下記 一般式(1)
Y-[CH2-SiR1 a(OR2)3-a ]x (1)
(式中、
Yは、窒素、酸素、または硫黄を介して結合されたx価のポリマー基であり、
R1は、同じであっても異なってもよく、一価の、場合によって置換されているSiC結合した炭化水素基であり、
R2は、同じであっても異なってもよく、水素原子、または一価の、場合によって置換されている炭化水素基であり、
xは、1から10までの整数であり、
aは、0、1、もしくは2である。)
のシラン変性ポリマーAと、
(B)2個以上のアミノ基と、1個以上の炭素数2以上のアルコキシ基を有するアミノシランBとを含む、前記積層体の製造方法である。
本発明におけるシラン変性ポリマーAは、少なくとも1つの下記一般式(1)のアルコキシシリル基を含む。これは、ポリマー骨格の一端に連結したアルコキシシリル基であってもよい。好ましくは、少なくとも1つのポリオキシアルキレン構造単位を含むシラン変性ポリマーである。
Y-[CH2-SiR1 a(OR2)3-a ]x (1)
(式中、
Yは、窒素、酸素、または硫黄を介して結合されたx価のポリマー基であり、
R1は、同じであっても異なってもよく、一価の、場合によって置換されているSiC結合した炭化水素基であり、
R2は、同じであっても異なってもよく、水素原子、または一価の、場合によって置換されている炭化水素基であり、
xは、1から10までの整数であり、
aは、0、1、もしくは2である。)
-O-C(=O)-NH-(CH2)-SiR1 a(OR2)3-a (2)
-NH-C(=O)-NR’-(CH2)-SiR1 a(OR2)3-a (3)
(式(2)、式(3)中、基および添字はそれらに対して上で特定された定義の一つを有し、
R’は、一価の、場合によって置換されているSiC-結合した炭化水素基である。)
シラン変性ポリマーAは、商業的な製品として購入することができ、また、化学的な一般的な方法によって調製することもできる。シラン変性ポリマーAは単体であってもよく、2種類以上の混合物であってもよい。
シラン変性ポリマーAは、メチレンスペーサーを介して隣接するウレタン単位に結合している反応性アルコキシシリル基を有するいわゆるα‐シラン末端のポリマーであってもよい。このような構造を有するシラン変性ポリマーAは空気と接触した際に高い硬化速度を達成することから、有毒なスズ触媒の配合の必要がない点で安全性が高く、環境負荷も少ない。市販のα―シラン末端ポリマーは、Wacker―Chemie AGからのGENIOSIL(登録商標)STP-E10またはSTP-E30である。
基R2は、好ましくは、水素原子、または場合によってハロゲン原子によって置換されており、1から10個までの炭素原子を有するアルキル基、より好ましくは1から4個までの炭素原子を有するアルキル基、より特定的にはメチルおよびエチル基である。
基R’は、好ましくは場合によってハロゲン原子によって置換されており1から6個の炭素原子を有している一価の炭化水素基を、より好ましくは1個または2個の炭素原子を有するアルキル基、より特定的にはメチル基を含む。
このポリオキシアルキレン基Yは、200から30,000、好ましくは1,000から20,000のMn(数平均分子量)を有する。そのようなシラン変性ポリマー(A)を調製するための適切な製造方法およびシラン変性ポリマー(A)の例それ自体も、既知であり、本明細書の開示内容に含まれるEP1535940B1またはEP1896523B1を含めた出版物に記載されている。対応するシラン末端ポリマーは、例えば、Wacker Chemie AGからGENIOSIL(登録商標)STP-Eの名称の下で市販されてもいる。
アミノシランBは、2個以上のアミノ基と、1個以上の炭素数2以上のアルコキシ基を有する接着向上剤であり、同時に硬化触媒としても機能する場合もある。
アミノシランBは、下記一般式(4)で表す構造であってもよい。
D h S i ( O R7 ) g R6 f O ( 4 - f - g - h ) / 2 (4)
(式中、
R6は、同一であってもよく、又は異なっていてもよい、一価の任意選択的に置換されたS i C 結合した窒素を含まない炭化水素基であり、
R7は、同一であってもよく、又は異なっていてもよい、炭素数2~18の任意選択的に置換された炭化水素基であり、
D は、同一であってもよく、又は異なっていてもよく、少なくとも1個の窒素原子を有する、一価のS i C 結合した基を表し、1個または複数あるDに含まれる窒素原子の数は2以上であり、 f は、0 、1 、2 又は3 、好ましくは0または1であり、
g は、1 、2 又は3 、好ましくは2 又は3であり、
h は、1 、2 、又は3 、好ましくは1 であり、
但し、f + g + h の合計は4 以下である。)
本発明に従って使用されるアミノシランBは、市販製品であり、化学で一般的に使用される方法によって製造可能である。
トップコート層は、例えば塗膜層の耐候性、耐光性、耐水性、耐汚染性付与等を目的として硬化物の上(表面)に塗料として塗布される。
トップコート層の種類は特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルブチラール樹脂、塩化ビニル樹脂等の合成樹脂塗料であってもよく、ボイル油や乾性油、油ワニスなどを主成分とした油性塗料や、ニトロセルロース(硝化綿)を主成分としたセルロース塗料等を用いることができる。これらのトップコートは、例えば、強溶剤形、弱溶剤形、及び水系形等であってもよい。
アクリルウレタンのイソシアネート基とアミノシランのアミノ基との反応によりウレア結合が形成されることにより、シラン変性ポリマー硬化物とアクリルウレタン系トップコート層との接着性が向上すると考えられる。またアミノシランとアクリルウレタンの分子間力も接着性向上の一つの要因と考えられる。
遮光材としては、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、タルク、クレー、などを使用することができる。
造膜助剤としては、テキサノール、ブチルセルソルブ、ブチルセルソルブアセテート、カルビトール、トリエチレングリコールなどを使用することができる。
耐汚染を目的とした親水性付与材料としては、オルガノシリケート、フッ素系界面活性剤、光触媒酸化チタンなどを使用することができる。
溶剤としては、ミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素化合物を使用することができる。
上記のシラン変性ポリマーAとアミノシランBを含有する湿気硬化性組成物を、各種用途において各種基材のシーリング材として用いる場合の形態、組成物内容は限定されない。
典型的な用途である、建築建材や工業構造物などの基材適合するシーリング材であって、かつ、硬化物表面にトップコート層を塗布するための組成物としては、下記の組成であることが好ましい。
シラン変性ポリマーA: 5~90質量部
アミノシランB: 0.1~10量部
チキソ調整剤C:0~20質量部
可塑剤D:0~50質量部
脱水剤E: 0~10質量部
安定化剤F: 0.01~5質量部
充填剤G: 0~80質量部
硬化触媒H: 0~5質量部
ただし、各成分の質量部は、湿気硬化型組成物全体を100質量部とした場合の質量部である。
その親水性基と疎水性基の比率を調整することにより、系における無機粒子の凝集性や溶解性を制御できる。
フュームドシリカ粒子は、多次の凝集構造を取っている。そのため、凝集レベルに応じて表面の親水基と疎水基のバランスを制御したり、凝集単位を組み換えたりすることができる。
また、フュームドシリカ粒子は、多孔質構造を有しているので、表面積が大きくなり、より会合や吸着の機能が大きくなるため、系をより安定、均一に生成できるからである。
1次凝集体の大きさは、通常、100~400ナノメートル程度である。1次粒子同士は化学結合により融合しているので、1次凝集体を分離するのは通常困難である。さらに、1次凝集体同士が凝集構造を形成しており、これを2次凝集体、すなわち3次粒子と称する。2次凝集体の大きさは概ね10μm程度である。2次凝集体における1次凝集体間の凝集形態は、通常、化学結合ではなく、水素結合やファンデルワールス力によるものである。
脱水剤Eは、商業的な製品として購入することができ、または、化学的な一般的な方法によって調製することもできる。
脱水剤Eは単体であっても、2種類以上の混合物のいずれでも構わない。
安定化剤Fは、商業的な製品として購入することができ、または、化学的な一般的な方法によって調製することもできる。
安定化剤Fは単体であっても、2種類以上の混合物のいずれでも構わない。
充填剤Gは、商業的な製品として購入することができ、または、化学的な一般的な方法によって調製することもできる。
充填剤Gは単体であっても、2種類以上の混合物のいずれでも構わない。
上記の充填剤は、例えば、オルガノシランおよび/もしくはオルガノシロキサンによる、または、ステアリン酸による処理によって、またはヒドロキシル基のアルコキシ基へのエーテル化によって疎水化されていてもよい。
硬化触媒Hは、商業的な製品として購入することができ、または、化学的な一般的な方法によって調製することもできる。
硬化触媒Hは単体であっても、2種類以上の混合物であってもよい。
上記の湿気硬化性組成物は、自動車等の車輛、船舶、コンテナ等の修理工程においても使用される。
工程1は、上記のシラン変性ポリマーAとアミノシランBを含む湿気硬化性組成物を基材に塗布する工程である。
塗布方法としては、特に制限はなく、公知の方法で行うことができる。
工程2は、工程1で塗布された硬化性組成物を常温で養生して硬化させる工程である。
工程3は、工程2で硬化させた硬化性組成物の硬化物の上にトップコート層を塗装する工程である。トップコート層を塗布したのち、必要に応じて加熱硬化の工程を実施することもできる。加熱硬化の温度は硬化性組成物およびトップコート層の特性に応じて適宜選択することができ、例えば100℃以上であればよく、100℃~200℃であってもよい。
また、塗料を短時間で硬化させる観点からは、硬化温度は、例えば160℃~230℃が好ましく、180℃~220℃がより好ましい。
硬化時間としては10分間~5時間が好ましく、10分間~3時間がより好ましく、10分間~1時間がさらに好ましい。
実施例、比較例で得られた湿気硬化型組成物について、アルミニウム基材に膜厚約2mmになるように塗布し、標準条件下(23±2℃、50±5%RH)で1日間養生する。硬化したこれら湿気硬化型組成物に上塗り材(すなわちトップコート層である)としてアクリルウレタン塗料(関西ペイント社製、レタンPGエコディープブラック)を刷毛で塗布(塗布量約100g/m2)15分後、60℃で30分間乾燥させ、さらに標準条件下で1日間養生する。
JIS K5600-5-6 クロスカット法に準拠し評価し、評価分類が0、1の場合、接着性を合格とした。
試験片の表面の塗膜を1mm間隔100マスの碁盤目状にカットし、その上に粘着テープを貼付し、続けてその粘着テープを剥離したときの剥離の程度から、以下の基準で密着性を評価した。
分類0:カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にも剥離がない。
分類1:クロスカット部分に0%超5%以下の剥離がある。
分類2:クロスカット部分に5%超15%以下の剥離がある。
分類3:クロスカット部分に15%超35%以下の剥離がある。
分類4:クロスカット部分に35%超65%以下の剥離がある。
分類5:剥離の程度が分類4を超える。
湿気硬化型組成物として次の各成分を用いた。
シラン変性ポリマーAとして、Wacker Chemie AG社製のGENIOSIL(登録商標) STP-E30(粘度が25℃において30、000 mPa・s、上述の一般式(1)においてYはポリマー鎖としてオキシアルキレン基を含むウレタン基を介して結合されている2価の有機ポリマー基であり、R1、R2はいずれもメチル基であり、a=1であり、x=2である)を25.0質量部に対して、可塑剤Dとして、富士フイルム和光純薬社製のポリプロピレングリコール(ジオール型、分子量2000)を23.5質量部、、ビニルシラン系脱水剤EとしてWacker Chemie AG社製のGENIOSIL(登録商標)XL10(ビニルトリメトキシシラン)を2.0質量部、安定化剤Fとして、BASFジャパン社製のTinuvin B75を1.0質量部、充填剤Gとして、備北粉化工業社製のソフトン2200を22.0質量部、また白石カルシウム社製の白艶華CCRを22.0質量部、チキソ調整剤Cとして、Wacker Chemie AG社製のHDK(登録商標)H18を2.0質量部、アミノシランBとして、同社製のGENIOSIL(登録商標)GF94(3-(2-アミノメチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン)を2.5質量部を添加し均一に撹拌し、湿気硬化型組成物1を調整した。
Y-[CH2-SiR1 a(OR2)3-a ]x (1)
可塑剤DとしてBASFジャパン社製のHexamoll(登録商標) DINCH(登録商標)(1、2-シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステル)を23.5質量部用いた他は、すべて実施例1と同じ成分、同じ質量部数と調製方法を用い、湿気硬化型組成物2を得て、同様の評価を行った。
アミノシランBとして、同社製のGENIOSIL(登録商標)GF93(3-アミノプロピルトリエトキシシラン)を2.5質量部用いた他は、すべて実施例1と同じ質量部数と調製方法を用い、湿気硬化型組成物3を得て、同様の評価を行った。
アミノシランBとして、同社製のGENIOSIL(登録商標)GF93(3-アミノプロピルトリエトキシシラン)を2.5質量部用いた他は、すべて実施例2と同じ質量部数と調製方法を用い、湿気硬化型組成物4を得て、同様の評価を行った。
アミノシランBとして、同社製のGENIOSIL(登録商標)GF91(N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン)を2.5質量部用いた他は、すべて実施例1と同じ質量部数と調製方法を用い、湿気硬化型組成物5を得て、同様の評価を行った。
アミノシランBとして、同社製のGENIOSIL(登録商標)GF95(N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン)を2.5質量部用いた他は、すべて実施例1と同じ質量部数と調製方法を用い、湿気硬化型組成物6を得て、同様の評価を行った。
アミノシランBとして、同社製のGENIOSIL(登録商標)GF96(3-アミノプロピルトリメトキシシラン)を2.5質量部用いた他は、すべて実施例1と同じ質量部数と調製方法を用い、湿気硬化型組成物7を得て、同様の評価を行った。
可塑剤DとしてBASFジャパン社製のHexamoll(登録商標) DINCH(1、2-シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステル)を23.5質量部用いた他は、すべて比較例5と同じ成分、同じ質量部数と調製方法を用い、湿気硬化型組成物8を得て、同様の評価を行った。
シラン変性ポリマーとして、反応性ケイ素基にメチレン基が3個直結するWacker Chemie AG社製のGENIOSIL(登録商標) STP-E35(粘度が25℃において30、000 mPa・s、以下一般式(5)においてYはポリマー鎖としてオキシアルキレン基を含むウレタン基を介して結合されている2価の有機ポリマー基であり、R1、R2はいずれもメチル基であり、a=0であり、x=2である)を25.0質量部、硬化触媒(J)として、日東化成社製のネオスタンU810(ジオクチルスズジラウレート)を0.2重量部用いた他は、すべて比較例5と同じ成分、同じ質量部数と調製方法を用い、湿気硬化型組成物9を得て、同様の評価を行った。
Y-[(CH2)3-SiR1 a(OR2)3-a ]x (5)
以上の結果から、アルコキシシラン末端基にメチレン基が1つ直結するポリオキシアルキレン重合体を含有している湿気硬化性組成物をシーリング材として用いる場合に、2個以上のアミノ基と、1個以上のエトキシ基を有するアミノシランを配合するとトップコート層との接着性が、JIS K5600-5-6クロスカット法における分類0または分類1が得られる程度にまで接着性評価結果が向上することが確認できた。
Claims (4)
- 表面にトップコート層を塗布する硬化物を形成するための湿気硬化性組成物であって、
(A) 下記 一般式(1)
Y-[CH2-SiR1 a(OR2)3-a ]x (1)
(式中、
Yは、ポリオキシアルキレンであるポリマー鎖を有し、-O-C(=O)-NH-または-NH-C(=O)-NR’-によって基-[CH 2 -SiR 1 a (OR 2 ) 3-a ]に結合される基
であり、
R1は、同じであっても異なってもよく、一価の、場合によって置換されているSiC結合した炭化水素基であり、
R2は、同じであっても異なってもよく、水素原子、または一価の、場合によって置換されている炭化水素基であり、
R’は、一価の、場合によって置換されているSiC-結合した炭化水素基であり、
xは、1から10までの整数であり、
aは、0、1、もしくは2である。)
のシラン変性ポリマーAと、
(B)2個以上のアミノ基と、1個以上の炭素数2以上のアルコキシ基を有するアミノシランBと、
を含む湿気硬化性組成物。
- 基材と、請求項1に記載の湿気硬化性組成物を硬化させてなる硬化物と、前記硬化物の上に積層されるトップコート層とを含む、積層体。
- 下記一般式(1)のシラン変性ポリマーAを含む湿気硬化性組成物を硬化させてなる硬化物と、トップコート層とを接着させる方法であって、前記湿気硬化性組成物に2個以上のアミノ基と、1個以上の炭素数2以上のアルコキシ基を有するアミノシランBを配合することを特徴とする接着方法。
Y-[CH2-SiR1 a(OR2)3-a ]x (1)
(式中、
Yは、ポリオキシアルキレンであるポリマー鎖を有し、-O-C(=O)-NH-または-NH-C(=O)-NR’-によって基-[CH 2 -SiR 1 a (OR 2 ) 3-a ]に結合される基
であり、
R1は、同じであっても異なってもよく、一価の、場合によって置換されているSiC結合した炭化水素基であり、
R2は、同じであっても異なってもよく、水素原子、または一価の、場合によって置換されている炭化水素基であり、
R’は、一価の、場合によって置換されているSiC-結合した炭化水素基であり、
xは、1から10までの整数であり、
aは、0、1、もしくは2である。)
- 基材上に形成される、湿気硬化性組成物を硬化させてなる硬化物と、トップコート層とを接着させて積層体を製造する方法であって、
前記湿気硬化性組成物は、
(A) 下記 一般式(1)
Y-[CH2-SiR1 a(OR2)3-a ]x (1)
(式中、
Yは、ポリオキシアルキレンであるポリマー鎖を有し、-O-C(=O)-NH-または-NH-C(=O)-NR’-によって基-[CH 2 -SiR 1 a (OR 2 ) 3-a ]に結合される基
であり、
R1は、同じであっても異なってもよく、一価の、場合によって置換されているSiC結合した炭化水素基であり、
R2は、同じであっても異なってもよく、水素原子、または一価の、場合によって置換されている炭化水素基であり、
R’は、一価の、場合によって置換されているSiC-結合した炭化水素基であり、
xは、1から10までの整数であり、
aは、0、1、もしくは2である。)
のシラン変性ポリマーAと、
(B)2個以上のアミノ基と、1個以上の炭素数2以上のアルコキシ基を有するアミノシランBとを含む、前記積層体の製造方法。
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