JP7094956B2 - 歯科用石膏スラリー - Google Patents

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Description

本発明は歯科用石膏スラリーに関する。
近年、高齢化社会に対応する医療形態として訪問診療が注目されており、訪問診療の数は増加している。そして、今後も訪問診療の需要はさらに増加すると予想される。歯科分野においても、今後歯科医による訪問診療の機会が増えると考えられる。
歯科分野の訪問診療において行われる作業の一つとして、患者の口腔内状態を再現した歯科用石膏模型(作業用模型や顎模型)の作製が挙げられる。この作業では、事前に歯科用印象材を用いて患者の口腔内の印象を採得して陰型を形成する。この陰型内に歯科用石膏粉末と水とが練和された歯科用石膏スラリーを注入して、当該歯科用石膏スラリーを硬化させることで上記石膏模型を得る。
従来、歯科医院や歯科技工所において歯科用石膏スラリーを得る作業では、所定量の歯科用石膏粉末と練和用の水とをゴム製の小型ボール等の容器に採取し、石こうベラ等を用いて該粉末と水とを練和する。練和時には、多数の気泡が発生するため、バイブレータや真空撹拌器等の機器を用いて、歯科用石膏スラリーへの気泡の混入を抑制する必要がある。
下記特許文献1には、歯科用石膏スラリーの脱泡法が記載されている。この脱泡法は、消泡部材に柄部が取り付けられた脱泡器を用いて歯科用石膏スラリーの練和をする方法である。
特開平06-178926号公報
しかし、訪問診療の場合、練和作業は一般家庭で行われるが、一般家庭にはバイブレータや真空撹拌器等の機器が備えられておらず、上記特許文献1に記載の脱泡器も備えられていない。従って、バイブレータや真空撹拌器等の専門機器を用いずとも、気泡が抑制された歯科用石膏模型を作製したいという要請がある。
そこで、本発明は気泡が抑制された歯科用石膏模型を作製し得る石膏スラリーを提供することを目的とする。
上記目的の達成のため、本発明の歯科用石膏スラリーは、半水石膏及びポリカルボン酸塩系の減水剤を含有する歯科用石膏粉末と水とを含み、前記歯科用石膏粉末に対する前記水の混水比が0.24以上0.50以下とされ、練和された前記歯科用石膏粉末と前記水とが、練和の開始から30秒後において、平面上に鉛直に配置された内径35mmの円筒型に高さ50mmまで流し込まれた状態から当該円筒型が上方に10mm/sで引き上げられることにより平面状に広がる場合に、直径が141.4mm以上となることを特徴とするものである。
従来、上記のような混水比とされて、上記のような流動性を有する歯科用石膏スラリーは知られていない。このような歯科用石膏スラリーによれば、歯科用石膏粉末と水との練和の開始から30秒後においても、上記のような流動性を有している。従って、従来の歯科用石膏スラリーのように石こうベラ等を用いずに、密閉したボトル等の容器に歯科用石膏粉末と水とを入れて、振とうすることにより練和を行うことができる。しかも、上記の流動性を有しているため、練和を行う際や、歯科用石膏スラリーを陰型に流し込む際に、バイブレータ等の機器を用いずとも、気泡の混入を抑制することができる。このように流動性が高く気泡の混入を抑制できる本発明の歯科用石膏スラリーによれば、気泡が抑制された歯科用石膏模型を作製し得る。なお、一般に歯科用石膏スラリーの分野において、混水比は歯科用石膏粉末の質量に対する水の質量で定義され、本願においても同様に定義される。
また、前記歯科用石膏粉末に対する前記水の混水比が0.24以上0.34以下とされることが好ましい。
このような混水比とされることで、練和の開始から早期に流動性を小さくすることができ、型崩れを抑制することができる。例えば、陰型内に歯科用石膏スラリーを注入した後において、外的要因等により陰型が傾く等しても、陰型内の歯科用石膏スラリーが陰型から流出すること等を抑制することができる。
また、歯科用石膏スラリーの硬化時間が練和の開始から4分25秒以下であることが好ましい。
上記のような流動性を有し、硬化時間がこのように短い歯科用石膏スラリーは知られていない。このように硬化時間が短いことにより、上記のように訪問診療において歯科用石膏模型を作製する場合に、一般家庭に歯科医等がとどまる時間を短くすることができる。
また、練和の開始から1時間後における圧縮強さが10MPa以上となることが好ましい。
上記のような流動性、混水比を有しつつ、このような圧縮強さとなる歯科用石膏スラリーは知られていない。このような歯科用石膏スラリーによれば、歯科用石膏模型に要求される十分な機械的強度を有することができる。
また、練和された前記歯科用石膏粉末と前記水とが、練和の開始から90秒後において、平面上に鉛直に配置された内径35mmの円筒型に高さ50mmまで流し込まれた状態から当該円筒型が上方に10mm/sで引き上げられる場合に、直径方向の広がりが2%以下であることが好ましい。
このように練和の開始から短時間で低い流動性であることにより、型崩れを抑制することができる。
練和の開始時を基準とした練和の開始から2時間後における線膨脹率が0.10%から0.15%であることが好ましく、練和の開始時を基準とした練和の開始から24時間後における線膨脹率が0.10%から0.20%であることが好ましい。
このように低い線膨脹率であることにより、歯科用石膏模型を用いて歯科補綴物を作製することで、誤差の小さな歯科補綴物を作製することができる。
以上のように、本発明によれば気泡が抑制された歯科用石膏模型を作製し得る歯科用石膏スラリーが提供される。
実施例の歯科用石膏スラリーの流動性の評価結果を示す図である。 実施例の歯科用石膏スラリーの硬化時間の測定結果を示す図である。 実施例の歯科用石膏スラリーが硬化した石膏硬化体の強度の評価結果を示す図である。 実施例の歯科用石膏スラリーが硬化した石膏硬化体の線硬化膨脹の評価結果を示す図である。
以下、本発明に係る歯科用石膏スラリーを実施するための形態が例示される。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、以下の実施形態から変更、改良することができる。
本実施形態の歯科用石膏スラリーは、半水石膏及びポリカルボン酸塩系の減水剤を含有する歯科用石膏粉末と水とを含む。
半水石膏としては、α半水石膏、β半水石膏、α半水石膏とβ半水石膏の混合物が挙げられる。
ポリカルボン酸塩系の減水剤としては、例えば、ポリカルボキシレートエーテル、炭素原子数が5又は6の鎖状オレフィンとエチレン性不飽和カルボン酸無水物との共重合体の水溶性塩、ポリエチレングリコールモノアリルエーテルと不飽和ジカルボン酸との共重合体、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重合体、末端にスルホン基を有する(メタ)アクリル酸アミドとアクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重合体、ビニルスルホネートやアリールスルホネートやメタクリルスルホネートのようにスルホン基を有する単量体と(メタ)アクリル酸とその他の単量体の共重合体、スルホン基で置換された芳香族環を有する単量体とマレイン酸との共重合体、末端にスルホン基を有する単量体とポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルとポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エーテルと(メタ)アクリル酸との4者共重合体等が挙げられる。
ポリカルボン酸塩系の減水剤の含有量は、半水石膏100質量部に対して0.05質量部以上0.8質量部以下であることが好ましい。また、0.15質量部以上0.3質量部以下であることがより好ましく、0.15質量部以上0.25質量部以下であることがさらに好ましい。ポリカルボン酸塩系減水剤の含有量が半水石膏100質量部に対して0.05質量部以上であれば、より流動性に優れ、気泡の混入をより抑制することができる。また、ポリカルボン酸塩系減水剤の含有量が0.8質量部以下であることにより、石膏スラリーが硬化した後の硬化体の耐久性を良好に保つことができる。
また、本実施形態の歯科用石膏粉末は、上記の半水石膏及びポリカルボン酸塩系の減水剤に加えて、二水石膏を含有することが好ましい。二水石膏を含有することにより、石膏スラリーの硬化を促進し得る。二水石膏を含有する場合、二水石膏の含有量は、半水石膏100質量部に対して2質量部以上4質量部以下であることが好ましく、2質量部以上3.5質量部以下であることがより好ましく、2質量部以上3質量部以下であることがさらに好ましい。このように二水石膏を含有する場合、二水石膏の含有量が半水石膏100質量部に対して2質量部以上であることにより、石膏スラリーの硬化をより促進し得る。また、当該含有量が4質量部以下であることにより、石膏スラリーの流動性の低下を抑制し、また硬化による膨脹を抑制し得、得られる歯科用石膏模型の精度を向上させ得る。
二水石膏としては、天然石膏及び化学石膏が挙げられる。化学石膏としては、硫酸と炭酸カルシウムから新たに合成される石膏や、各種の化学プロセスの副産物として得られる副生石膏を挙げることができる。これらの化学石膏の平均粒径は概ね30μm以上60μm以下であるが、本実施形態の歯科用石膏粉末は、60μmよりも大きい平均粒径を有する結晶を含む二水石膏を含有してもよい。
また、本実施形態の歯科用石膏粉末は、硫酸カリウムを含有することが好ましい。歯科用石膏粉末が硫酸カリウムを含有することにより、硬化膨脹を抑制し得る。歯科用石膏粉末が硫酸カリウムを含有する場合、硫酸カリウムの含有量は、半水石膏100質量部に対して0.5質量部以上3質量部以下であることが好ましい。硫酸カリウムの含有量が半水石膏100質量部に対して0.5質量部以上であることにより、硬化膨脹をより抑制することができ、硫酸カリウムの含有量が3質量部以下であることにより、過度に硬化促進されることを抑制することができる。また、硫酸カリウムの含有量は、半水石膏100質量部に対して0.5質量部以上2質量部以下であることがより好ましい。
なお、硫酸カリウムの含有量は、上記のように歯科用石膏粉末が二水石膏を含有する場合には、二水石膏の含有量を基準に定められてもよい。この場合、硫酸カリウムは二水石膏100質量部に対して25質量部以上100質量部以下とされることが、歯科用石膏模型として適切な硬化膨脹が得られる観点から好ましい。
また、本実施形態の歯科用石膏粉末は、硫酸ナトリウム、酒石酸カリウム等の硬化膨脹抑制剤、着色剤、軽量化材や、クエン酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩等の塩類、或いは、デン粉、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン等の水溶性高分子等の公知の硬化遅延剤を含有してもよい。
本実施形態の歯科用石膏スラリーに含まれる水は、歯科用石膏粉末100質量部に対して0.24質量部以上0.50質量部以下とされる。すなわち、歯科用石膏粉末に対する水の混水比が0.24以上0.50以下とされる。また、当該混水比が0.24以上0.34以下とされることが、練和の開始から早期に流動性を小さくすることができ、型崩れを抑制することができる観点から好ましい。練和の開始から早期に流動性が小さくなることにより、例えば、陰型内に歯科用石膏スラリーを注入した後において、外的要因等により陰型が傾く等しても、陰型内の歯科用石膏スラリーが陰型から流出すること等を抑制することができる。
このように本実施形態の歯科用石膏スラリーは、所定の混水比において、高い流動性を示す。具体的には、以下の実施例で示すように、本実施形態の歯科用石膏スラリーは、上記のように歯科用石膏粉末に対する水の混水比が0.24以上0.50以下とされ、歯科用石膏粉末と水との練和の開始から30秒後において、平面上に鉛直に配置された内径35mmの円筒型に高さ50mmまで流し込まれた状態から当該円筒型が上方に10mm/sで引き上げられることにより平面状に広がる場合に、直径が141.4mm以上となる流動性を有する。
また、本実施形態の歯科用石膏スラリーは、上記のように高い流動性を有するため、歯科用石膏粉末と水とをボトル等の容器に入れて密封し、容器を振とうすることで練和することができる。
本実施形態の歯科用石膏スラリーの練和において用いられる容器は、例えば、ボトル状の容器であり、開口を有する有底円筒形状の容器本体と蓋とを有する。蓋は、容器本体の開口を閉塞して、容器内部の空間を密封することができる。
ここで密封とは、歯科用石膏粉末及び水を容器内の空間に入れ、開口を蓋で閉塞した後に、容器を振とうする場合に、歯科用石膏粉末及び水の外部への漏れ出しがない程度の気密性をいう。このような密封ができる蓋であれば、蓋の形状や蓋と容器本体との固定方法等は特に限定されない。
容器の開口の内径は、歯科用石膏粉末及び水を入れることができ、歯科用石膏スラリーを出すことができれば特に限定されず、例えば、1cm以上20cm以下とされる。
容器の容量は、特に限定されないが、例えば訪問診療における歯科用石膏スラリーの1回の必要量を考慮して、0.01L以上1L以下であることが好ましい。
また、容器は、内部が視認できるよう少なくとも一部が透明又は半透明であることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<歯科用石膏粉末の調製>
半水石膏100質量部に対して、ポリカルボン酸塩系減水剤を0.15質量部と、二水石膏を2質量部と、硫酸カリウムを0.8質量部と、硫酸ナトリウムを0.01質量部とを準備して、これらの原料をポットミルに入れ、60分間混合し、歯科用石膏粉末を調製した。
なお、ポリカルボン酸塩系減水剤として、メルフラックス2651Fを用いた。「メルフラックス2651F」は、BASF製の、ポリカルボキシレートエーテルを主成分とするポリカルボン酸塩系の減水剤である。
<歯科用石膏粉末の練和>
作製した歯科用石膏粉末に対して混水比が0.24となるようにして、歯科用石膏粉末と水とを合計124gポリスチレン樹脂製の円筒形状のビン(開口部の内径約4cm、高さ約7cm、容量約90mL、質量約25g、壁厚約1.5mm)に入れて密封し、ビンを手で20秒間振とうし、サンプル1の歯科用石膏スラリーを得た。同様に、作製した歯科用石膏粉末に対して混水比が0.25となるようにして、サンプル2の歯科用石膏スラリーを得、作製した歯科用石膏粉末に対して混水比が0.34となるようにして、サンプル3の歯科用石膏スラリーを得、作製した歯科用石膏粉末に対して混水比が0.50となるようにして、サンプル4の歯科用石膏スラリーを得た。
<流動性の評価>
内径が35mm、高さが50mmのリング型を平面上に鉛直に立てて、練和により得たサンプル1の歯科用石膏スラリーをリング型の空間内に高さ50mmまで注入した。次に、練和の開始から30秒後にリング型を10mm/sで上方に持ち上げた。この動作によりリング型の下方から歯科用石膏スラリーが平面状に広がった。この広がった歯科用石膏スラリーの直径を測定した。また、サンプル2~4の歯科用石膏スラリーについても、同様の測定を行った。更に、サンプル2~4の歯科用石膏スラリーについては、同様の測定を練和の開始から45秒後、60秒後、75秒後、90秒後にリング型を10mm/sで上方に持ち上げて行った。その測定結果を図1に示す。
混水比が0.24であるサンプル1の歯科用石膏スラリーは、上記のように練和の開始から30秒後にリング型を10mm/sで上方に持ち上げた場合に平面状に広がった直径が141.4mmであった。また、図1に示すように、サンプル1よりも高い混水比であるサンプル2~4の歯科用石膏スラリーについても、練和の開始から30秒後にリング型を10mm/sで上方に持ち上げた場合141.4mm以上の直径となった。
また、図1に示すように、練和の開始から75秒後にリング型を10mm/sで上方に持ち上げた場合の直径は、混水比が0.25であるサンプル2の歯科用石膏スラリーにおいて43.3mmであり、混水比が0.34であるサンプル3の歯科用石膏スラリーにおいて35.2mmであった。つまり、サンプル2の歯科用石膏スラリー、サンプル3の歯科用石膏スラリーは、練和の開始から75秒後に極端に流動性が低下することが分かった。この傾向から、混水比が0.24であるサンプル1の歯科用石膏スラリーについても同様のことがいえると予想できる。つまり、本実施例の歯科用石膏スラリーでは混水比が0.24以上0.34以下とされることで、練和の開始から早期に流動性を小さくすることができ、型崩れを抑制することができる。例えば、陰型内にこのような混水比の歯科用石膏スラリーを注入した後において、外的要因等により陰型が傾く等しても、陰型内の歯科用石膏スラリーが陰型から流出すること等を抑制することができる。
また、図1より、練和の開始から90秒後にリング型を10mm/sで上方に持ち上げた場合の直径は、混水比が0.25であるサンプル2の歯科用石膏スラリーにおいて35.7mmであり、混水比が0.34であるサンプル3の歯科用石膏スラリーにおいて35.2mmであり、混水比が0.50であるサンプル4の歯科用石膏スラリーにおいて35.2mmであった。つまり、サンプル2の歯科用石膏スラリーからサンプル4の歯科用石膏スラリーは、いずれも、練和の開始から90秒後にリング型を10mm/sで上方に持ち上げた場合の直径の変化が2%以下である結果となった。この傾向から、サンプル1の歯科用石膏スラリーにおいても同様の結果になると予想できる。つまり、本実施例の歯科用石膏スラリーでは混水比が0.24以上0.34以下とされることで、短時間で低い流動性となり、外的要因等による型崩れを抑制することができる。
<気泡の有無の評価>
上記サンプル1~4の歯科用石膏スラリーを印象材へ流し込み、10分間経過した後に印象材から石膏模型を取り外した。得られた石膏模型について、気泡の有無を目視で評価した。その結果、いずれのサンプルにおいても気泡は確認できなかった。これは、サンプル1~4はいずれも、上記のように高い流動性を有していることに起因すると考えられる。
<硬化時間の測定>
次に、サンプル2~4の歯科用石膏スラリーについて、硬化時間の測定をISO 6873:2013 “Dentistry -- Gypsum products”に定められた方法により測定した。具体的には、ビガー針装置を用いて、サンプル2~4の歯科用石膏スラリーをそれぞれリング型に流し込んで上面を平面状にし、ビガー針を静かに歯科用石膏スラリーに落下させて、ビガー針の入り込む深さが2mm以下になる時間を測定し、この時間を硬化時間とした。ビガー針として先端の直径が1mmのものを使用し、ビガー針の先端には300g重の力が下方にかかるようにした。また、リング型は、内径が20mmで、高さが30mmのものを使用した。その結果を図2に示す。
図2に示すように、もっとも混水比の高いサンプル4の歯科用石膏スラリーにおいて、硬化時間が4分25秒となり、他のサンプルはそれよりも硬化時間が短かった。従って、サンプル1の歯科用石膏スラリーについても硬化時間が4分25秒よりも短いと考えられる。上記のような高い流動性を有し、硬化時間がこのように短い歯科用石膏スラリーは知られていない。このように硬化時間が短いことにより、訪問診療において歯科用石膏模型を作製する場合に、一般家庭に歯科医等がとどまる時間を短くすることができる。
<石膏硬化体の強度の評価>
次に、サンプル2~4の歯科用石膏スラリーを用いて作製した石膏硬化体について、練和の開始から60分後に荷重を与えて、ISO 6873:2013 “Dentistry -- Gypsum products”に定められた方法により圧縮強さを測定した。具体的には、内径が20mmの円柱状の空間が形成された割型の当該空間内に高さ40mmまでサンプル2~4の歯科用石膏スラリーをそれぞれ流し込んで硬化させて、直径20mmで高さが40mmの円柱状の石膏硬化体を作製した。この石膏硬化体の上面及び下面を表面が平面上の金属製の金型で抑えて、歯科用石膏スラリーの練和の開始から60分後において、この石膏硬化体に速さ5kN/minで高さ方向に金型を介して力を加えた。石膏硬化体が破壊されるまでの最大の圧縮強さを次式で求めた。
圧縮強さ(MPa)=最大の力(N)/石膏硬化体の面積
この評価の結果を図3に示す。
図3に示すように、サンプル2~4の歯科用石膏スラリーを用いて作製した石膏硬化体の圧縮強さは、10MPaを超えていた。上記のような流動性、混水比を有しつつ、このような圧縮強度となる歯科用石膏スラリーは知られていない。このような歯科用石膏スラリーによれば、歯科用石膏模型に要求される十分な機械的強度を有することができる。特に、混水比0.25のサンプル2の歯科用石膏スラリーを用いて作製した石膏硬化体の圧縮強さは、40MPaを超えており、ISO 6873:2013 “Dentistry -- Gypsum products”に定められるタイプ4(超硬石こう)の規格を満たす結果となった。このことから、サンプル1の歯科用石膏スラリーを用いて作製した石膏硬化体の圧縮強さも40MPaを超えると考え予想される。
<線硬化膨脹の評価>
次に、サンプル2~4の歯科用石膏スラリーについて、ISO 6873:2013 “Dentistry -- Gypsum products”に定められた方法により線硬化膨脹を測定した。具体的には、幅が20mm、深さが20mm、長さが100mmの正方形断面層に、サンプル2~4の歯科用石膏スラリーを流し込み、練和の開始時に歯科用石膏スラリーの初期値長さを計測した。次に、練和の開始から2時間後及び24時間後に歯科用石膏スラリーが硬化した石膏硬化体の長さを測定して、初期値長さに対する線硬化膨脹率を求めた。その結果を図4に示す。
図4に示すように、サンプル2~4の歯科用石膏スラリーは、練和の開始時を基準とした練和の開始から2時間後における線膨脹率が0.10%から0.12%となった。また、サンプル2~4の歯科用石膏スラリーは、練和の開始時を基準とした練和の開始から24時間後における線膨脹率が0.13%から0.14%となった。このことから、サンプル2~4の歯科用石膏スラリーは、極めて小さな線膨脹率であることが分かった。また、この傾向から、サンプル1の歯科用石膏スラリーも極めて小さな線膨脹率であると予想される。このように低い線膨脹率であることにより、歯科用石膏模型を用いて歯科補綴物を作製することで、誤差の小さな歯科補綴物を作製することができる。このような観点から、図4とは異なるが、練和の開始時を基準とした練和の開始から2時間後における線膨脹率が0.10%から0.15%であれば好ましく、練和の開始時を基準とした練和の開始から24時間後における線膨脹率が0.10%から0.20%であれば好ましい。
以上の実施例より、歯科用石膏スラリーが、半水石膏及びポリカルボン酸塩系の減水剤を含有する歯科用石膏粉末と水とを含み、歯科用石膏粉末に対する水の混水比が0.24以上0.50以下とされ、練和された歯科用石膏粉末と水とが、練和の開始から30秒後において、平面上に鉛直に配置された内径35mmの円筒型に高さ50mmまで流し込まれた状態から当該円筒型が上方に10mm/sで引き上げられることにより平面状に広がる場合に、直径が141.4mm以上となることで、気泡が抑制された歯科用石膏模型を作製し得ることが確認された。
本発明によれば、気泡が抑制された歯科用石膏模型を作製し得る歯科用石膏スラリーが提供され、歯科用模型作製の分野等で利用可能である。

Claims (5)

  1. 半水石膏及びポリカルボン酸塩系の減水剤を含有する歯科用石膏粉末と水とを含み、
    前記歯科用石膏粉末に対する前記水の混水比が0.34以上0.50以下とされ、
    練和された前記歯科用石膏粉末と前記水とが、練和の開始から30秒後において、平面上に鉛直に配置された内径35mmの円筒型に高さ50mmまで流し込まれた状態から当該円筒型が上方に10mm/sで引き上げられることにより平面状に広がる場合に、直径が141.4mm以上となり、
    練和された前記歯科用石膏粉末と前記水とが、練和の開始から90秒後において、平面上に鉛直に配置された内径35mmの円筒型に高さ50mmまで流し込まれた状態から当該円筒型が上方に10mm/sで引き上げられる場合に、直径方向の広がりが2%以下である
    ことを特徴とする歯科用石膏スラリー。
  2. 硬化時間が練和の開始から4分25秒以下である
    ことを特徴とする請求項に記載の歯科用石膏スラリー。
  3. 練和の開始から1時間後における圧縮強さが10MPa以上となる
    ことを特徴とする請求項に記載の歯科用石膏スラリー。
  4. 練和の開始時を基準とした練和の開始から2時間後における線膨脹率が0.10%から0.15%である
    ことを特徴とする請求項に記載の歯科用石膏スラリー。
  5. 練和の開始時を基準とした練和の開始から24時間後における線膨脹率が0.10%から0.20%である
    ことを特徴とする請求項に記載の歯科用石膏スラリー。
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