まず、図1に示す表示装置を検査する従来の表示装置の検査方法について説明する。
図2(A)は、従来の表示装置の検査方法を説明する図である。
従来の表示装置の検査方法では、図2(A)に示すように、画素の輝度が画面の横方向に最小値(0)から最大値(255)までグラデーションに変化する画像を、表示装置130の液晶表示部135の画面に表示する。
図1に示す表示装置130におけるソースドライバ133の隣接する入力端子が電気的に短絡している場合、短絡した2つの入力端子は、0又は1の情報を入力することになる。例えば、全ての画素に輝度が最小値(0)のみの画像を表示するか、又は、全ての画素に輝度が最大値(255)のみの画像を表示すると、隣接する入力端子が短絡していることを検出できないおそれがある。そこで、上述したように、輝度が最小値(0)から最大値(255)までグラデーションに細かく変化する画像を用いる。
そして、画像取得装置(図示せず)を用いて、液晶表示部135の画面の画像を撮影した画像200を取得する。そして、狭い幅を有する複数の測定領域200aを、画像200内のグラデーション方向に設定して、各測定領域200a内の色度情報を求めて、異常の有無を判定した。
図2(B)は、ソースドライバ133の緑色入力端子SG4とSG5との間に短絡が生じている場合の液晶表示部135の画面の画像201を示す。
画像201では、緑色入力端子SG4とSG5との間の短絡により、横方向に所定の間隔で並ぶ縞模様が発生している。
画像201内に設定した各測定領域201a内の色度情報を求めて、図2(A)に示す正常な画像の色度情報と比較して色度情報を判定することにより、画像201を表示する表示装置の検査が行われた。
従来の表示装置の検査方法では、輝度が最小値(0)から最大値(255)までグラデーションに細かく変化する画像を用いるので、画像内の一の測定領域の幅を狭くする必要があった。
そのため、液晶表示部135の画面に対する画像取得装置の視線方向の設定に対する許容誤差が小さくなり、液晶表示部135に対する画像取得装置の視線方向の設定に手間がかかる問題があった。また、検査中の作業者が画像取得装置に触れて、その視線方向がずれた場合、画像内の測定領域の位置が変わるので、正しい検査ができなくなる問題も生じた。
また、画像内に設定した多数の測定領域のそれぞれに対して色度情報を求めるので、検査の処理に時間を要するという問題があった。
そこで、本明細書では、画面の画素の輝度を制御するパラレル信号を入力する表示装置を検査することが容易であり、検査時間の短い表示装置の検査方法及び検査装置を、以下に提案する。
以下、本明細書で開示する表示装置の検査装置の好ましい一実施形態を、図を参照して説明する。但し、本発明の技術範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
図3は、本明細書に開示する表示装置の検査装置の一実施形態を示す図である。図4は、制御装置の構成を示す図である。
本実施形態の表示装置の検査装置1は、制御装置10と、画像取得装置20を備える。
制御装置10は、検査対象である表示装置30の画面に表示される検査画像を、画像取得相装置20を用いて取得し、取得された検査画像を正常な画像である参照画像と比較して、表示装置30の欠陥の有無を判断する。
表示装置30は、図1に示す表示装置と同様の構成を有するので、図1に示す表示装置に対する説明は、表示装置30に対して適宜適用される。
まず、検査装置1が、表示装置30の検査に用いる画像信号について、以下に簡単に説明する。
上述したように、表示装置30におけるソースドライバ33の緑色入力端子SG4とSG5との間に短絡が生じた場合、緑色入力端子SG4及びSG5は、同じ値の信号を入力した状態になる。即ち、緑色入力端子SG4及びSG5は、共に1又は0の信号を入力した状態となる。
そこで、表示装置30に入力する検査画像の画像信号として、ソースドライバ33の隣接する緑色入力端子SG4とSG5に対して異なる信号を入力すると、緑色入力端子SG4が入力する信号又は緑色入力端子SG5が入力する信号の内の何れか一方の信号が変化するので、緑色のサブ画素の輝度が変化して画面に表示される画像が本来の画像とは変わる。
例えば、表示装置30に入力する検査画像の画像信号として、緑色入力端子SG4に対して1を入力して、緑色入力端子SG5に対して0を入力する。緑色入力端子SG4とSG5との間の短絡が生じている場合、緑色入力端子SG4及びSG5は、共に1の信号を入力した状態か、又は、共に0の信号を入力した状態となる。
緑色入力端子SG4が入力する信号又は緑色入力端子SG5が入力する信号の内の何れか一方の信号が変化すると、表示装置30の画面に表示される検査画像は、本来の表示されるべき画像とは異なる。この検査画像を参照画像と比較することにより、緑色入力端子SG4とSG5との間の短絡を検出できるので、表示装置30が欠陥の有無を有する判定できる。
また、ソースドライバ33の緑色入力端子SG4又はSG5が開放している場合には、緑色入力端子SG4が開放している場合と、緑色入力端子SG6が開放している場合とがある。そこで、緑色入力端子SG4に対して1を入力し且つ緑色入力端子SG5に対して0を入力することと、緑色入力端子SG4に対して0を入力し且つ緑色入力端子SG5に対して1を入力することを行えば、緑色入力端子SG4が開放している場合と、緑色入力端子SG6が開放している場合とを検出できる。
このように、ソースドライバ33の隣接する入力端子が短絡又は開放していることは、隣接する入力端子に対して異なる信号を入力して、画面に表示される検査画像を調べることにより判定できる。
本実施形態の検査装置1が検査に用いる画像信号は、ソースドライバ33の隣接する入力端子に対して異なる信号が入力されるように、表示装置30に対して検査画像の画像信号を入力するという考えに基づいて生成される。
具体的には、本実施形態の表示装置の検査装置1は、検査対象の表示装置30の画面の画素の輝度を制御するパラレル信号を入力する複数の入力端子に対して、同じ信号を入力する隣接する端子対の数よりも、異なる信号を入力する隣接する端子対の数が多くなる検査用のパラレル信号又はパラレル信号のみを入力して、表示装置30の検査を行う。
又は、本実施形態の表示装置の検査装置1は、検査対象の表示装置30の画面の画素の輝度を制御するパラレル信号を入力する複数の入力端子に対して、同じ信号を入力する隣接する端子対の数よりも、異なる信号を入力する隣接する端子対の数が多くなるように生成された検査用の複数のパラレル信号であって、隣接する端子対のそれぞれに対して異なる信号が入力されるパラレル信号を含む複数のパラレル信号を入力して、表示装置30の検査を行う。
以下、検査装置1について更に詳述する。
図4に示すように、制御装置10は、処理部11と、記憶部12と、表示部13と、操作部14と、インターフェース(IF)部15を有する。
処理部11は、一つまたは複数のプロセッサと、周辺回路とを有する。処理部11は、記憶部12に予め記憶されている所定のコンピュータプログラム12aに従い、制御装置10の各ハードウェア構成要素の制御及び各種処理を行い、処理中に生じるデータを一時的に保存するために記憶部12を利用する。なお、処理部11が有する機能は、回路として、制御装置10に実装されてもよい。
記憶部12は、ランダムアクセスメモリ(RAM)又はリードオンリーメモリ(ROM)等の半導体メモリ又は磁気ディスク又はフラッシュメモリを有していても良い。記憶部12は、所定のコンピュータプログラムを非一時的に記憶する記憶媒体を読み出し可能なドライブを有していても良い。
図4に示すように、記憶部12は、コンピュータプログラム12aと、検査画像データ12bと、参照画像データ12cを記憶する。
表示部13は、処理部11に制御されて、制御装置10の動作に伴う各種の情報を表示可能である。表示部13として、例えば、液晶ディスプレイを用いることができる。
操作部14は、ユーザにより操作されて、操作を入力可能である。操作部14として、例えば、キーボード又はマウスを用いることができる。
IF部15は、画像取得装置20及び表示装置30との間で信号の出入力を行う。例えば、IF部15は、表示装置30に対して、検査画像信号を出力する。また、IF部15は、画像取得装置20から、画像取得装置20が取得した画像を入力する。IF部15は、例えば、IF回路を用いて形成される。IF部15は、例えば、高精細マルメディアインターフェースである。
画像取得装置20は、制御装置10に制御されて、検査対象である表示装置30の画面の画像を取得して、制御装置10へ出力する。画像取得装置20は、例えば、CCD又はCMOS等の撮影素子を用いて形成される。
検査装置1の制御装置10の処理部11は、記憶部12に記憶される検査画像データ12bを読み出して、検査用の画像信号を、IF部15を用いて表示装置30に出力する。検査用の画像信号は、シリアル信号又はパラレル信号であってもよい。
表示装置30は、制御装置10から出力された検査用の画像信号を、IF回路31を用いて入力する。IF回路31は、例えば、高精細マルメディアインターフェースである。IF回路31は、検査用の画像信号を、デコーダ32へ出力する。
デコーダ32は、受信した検査用の画像信号を、制御信号と、画像データ信号とに分離する。例えば、制御装置10のIF部15及び表示装置30のIF回路31が、高精細マルメディアインターフェースである場合、デコーダ32は、画像信号に含まれるTMDSデータ0のチャネルの信号に基づいて、青色シリアル画像データ信号と、青色シリアル画像データ信号の垂直同期信号及び水平同期信号とを分離し、画像信号に含まれるTMDSデータ1のチャネルの信号に基づいて、緑色シリアル画像データ信号と、緑色シリアル画像データ信号の垂直同期信号及び水平同期信号とを分離し、画像信号に含まれるTMDSデータ2のチャネルの信号に基づいて、赤色シリアル画像データ信号と、赤色シリアル画像データ信号の垂直同期信号及び水平同期信号とを分離する。青色シリアル画像データ信号と、緑色シリアル画像データ信号と、赤色シリアル画像データ信号の垂直同期信号及び水平同期信号が、制御信号に対応する。また、青色シリアル画像データ信号と、緑色シリアル画像データ信号と、赤色シリアル画像データ信号が、画像データ信号に対応する。
デコーダ32は、制御信号に基づいて、ソースドライバ33の動作を制御するソース同期信号と、ゲートドライバ34の動作を制御するゲート同期信号を生成する。デコーダ32は、ソース同期信号をソースドライバ33へ出力し、ゲート同期信号をゲートドライバ34へ出力する。
デコーダ32は、画像データ信号に基づいて、赤色のサブ画素の輝度を制御する赤色パラレル信号と、緑色のサブ画素の輝度を制御する緑色パラレル信号と、青色のサブ画素の輝度を制御する青色パラレル信号を生成する。
デコーダ32は、8つの赤色出力端子DR0~DR7から、1と0とで表される2進数の8ビットの情報を有する赤色パラレル信号を出力する。同様に、デコーダ32は、8つの緑色出力端子DG0~DG7から、1と0とで表される2進数の8ビットの情報を有する緑色パラレル信号を出力し、8つの青色出力端子DB0~DB7から、1と0とで表される2進数の8ビットの情報を有する青色パラレル信号を出力する。
ソースドライバ33は、8つの赤色入力端子SR0~SR7を用いて赤色パラレル信号を入力し、8つの緑色入力端子SG0~SG7を用いて緑色パラレル信号を入力し、8つの青色入力端子SB0~SB7を用いて青色パラレル信号を入力する。
表示装置30のソースドライバ33が入力する赤色パラレル信号、緑色パラレル信号及び青色パラレル信号は、検査画像データ12bに基づいて生成される検査用のパラレル信号である。
次に、表示装置30のソースドライバ33が入力する検査用のパラレル信号について、図5(A)~図5(D)を参照して、以下に説明する。
図5(A)~図5(D)は、検査用のパラレル信号を説明する図である。以下、図5(A)~図5(D)を参照して、検査用の緑色パラレル信号について説明するが、上述した説明は、検査用の赤色パラレル信号及び青色パラレル信号についても適宜適用される。
図5(A)に示す検査用の緑色パラレル信号は、最上位のビット(MSB)が1から始まって最下位のビット(LSB)まで0と1とが交互に現れる8ビットの情報を有する。
ソースドライバ33の8つの緑色入力端子SG0~SG7は、隣接する入力端子対として、SG0-SG1対、SG1-SG2対、SG2-SG3対、SG3-SG4対、SG4-SG5対、SG5-SG6対、SG6-SG7対の7つの入力端子対を有する。
図5(A)に示す検査用の緑色パラレル信号を入力する場合、緑色入力端子SG0は信号0を入力し、緑色入力端子SG1は信号1を入力し、緑色入力端子SG2は信号0を入力し、緑色入力端子SG3は信号1を入力し、緑色入力端子SG4は信号0を入力し、緑色入力端子SG5は信号1を入力し、緑色入力端子SG6は信号0を入力し、緑色入力端子SG7は信号1を入力する。
即ち、図5(A)に示す検査用の緑色パラレル信号を入力する場合、ソースドライバ33の7つの入力端子対は、全て異なる信号を入力する。
図5(B)に示す検査用の緑色パラレル信号は、最上位のビット(MSB)が0から始まって最下位のビット(LSB)まで1と0とが交互に現れる8ビットの情報を有する。
図5(B)に示す検査用の緑色パラレル信号を入力する場合、緑色入力端子SG0は信号1を入力し、緑色入力端子SG1は信号0を入力し、緑色入力端子SG2は信号1を入力し、緑色入力端子SG3は信号0を入力し、緑色入力端子SG4は信号1を入力し、緑色入力端子SG5は信号0を入力し、緑色入力端子SG6は信号1を入力し、緑色入力端子SG7は信号0を入力する。
即ち、図5(B)に示す検査用の緑色パラレル信号を入力する場合も、ソースドライバ33の7つの入力端子対は、全て異なる信号を入力する。
上述した図5(A)又は図5(B)に示す検査用の緑色パラレル信号の内の何れか一方を用いることにより、緑色入力端子SG0~SG7の短絡の有無を検査することができる。
一方、緑色入力端子SG0~SG7が開放している端子を有する場合には、開放している端子に入力される信号の値(0又は1)と、開放している端子から読み取られる信号の値とが一致する場合がある。図5(A)又は図5(B)に示す検査用の緑色パラレル信号の内の何れか一方を用いることでは、緑色入力端子SG0~SG7の開放の有無を正しく検査できないおそれがある。
そこで、緑色入力端子SG0~SG7の開放の有無を検査するには、上述した図5(A)及び図5(B)に示す検査用の緑色パラレル信号の両方を用いる。これにより、緑色入力端子SG0~SG7のそれぞれに対して、信号1及び信号0が入力される。開放している端子がある場合には、図5(A)又は図5(B)に示す検査用の緑色パラレル信号の内の何れか一方が入力された場合に、開放している端子に入力される信号の値(0又は1)と、開放している端子から読み取られる信号の値とが一致しない状態が発生する。従って、緑色入力端子SG0~SG7の開放の有無を検査することができる。
検査用の緑色パラレル信号を用いて表示装置30の検査を行う時には、表示装置30の画面に表示される検査画像が、欠陥を有さない表示装置の画面に表示される参照画像と一致するか否かが判定される。
検査画像は、明るさが暗い方が、参照画像と比較して、欠陥の存在により画像が変化したことを識別し易い傾向がある。
そこで、明るさの暗い検査画像を生成する観点から、検査用の緑色パラレル信号の8ビットで表される画素の輝度は、全てのビットが1で表される時の輝度と、全てのビットが0で表される時の輝度との和の半分の値よりも小さい値を有することが好ましい。
8ビットの2進数でサブ画素の輝度を表す場合、11111111の8ビット情報の場合は、輝度が最高の255となり、00000000の8ビット情報の場合には、輝度が最低の0となる。輝度が最高の255と輝度が最低の0との和の半分の値は、127.5である。
図5(A)に示す検査用の緑色パラレル信号は、輝度を表す値は170であり、127.5よりも大きい。
一方、図5(B)に示す検査用の緑色パラレル信号は、輝度を表す値は85であり、127.5よりも小さいので、検査画像の明るさを暗くできる。
また、図5(C)及び図5(D)に示す検査用の緑色パラレル信号は、検明るさの暗い検査画像を得る他の例である。
図5(C)に示す検査用の緑色パラレル信号は、輝度を表す値は42であり、127.5よりも小さいので、検査画像の明るさを暗くできる。
また、図5(C)に示す検査用の緑色パラレル信号は入力する場合、緑色入力端子SG0は信号0を入力し、緑色入力端子SG1は信号1を入力し、緑色入力端子SG2は信号0を入力し、緑色入力端子SG3は信号1を入力し、緑色入力端子SG4は信号0を入力し、緑色入力端子SG5は信号1を入力し、緑色入力端子SG6は信号0を入力し、緑色入力端子SG7は信号0を入力する。
図5(C)に示す検査用の緑色パラレル信号は入力する場合、同じ信号を入力する隣接する端子対の数は1であり、異なる信号を入力する隣接する端子対の数は6であるので、同じ信号を入力する隣接する端子対の数よりも、異なる信号を入力する隣接する端子対の数の方が多い。
図5(C)に示す検査用の緑色パラレル信号は、異なる信号を入力する隣接する端子対の数は、図5(A)及び図5(B)に示す検査用の緑色パラレル信号の場合よりも少ないものの、同じ信号を入力する隣接する端子対の数よりも、異なる信号を入力する隣接する端子対の数の方が多いため、緑色入力端子SG0~SG7の短絡又は開放を検査する上では有効である。
図5(D)に示す検査用の緑色パラレル信号は、輝度を表す値は21であり、127.5よりも小さいので、検査画像の明るさを暗くできる。
また、図5(D)に示す検査用の緑色パラレル信号を入力する場合、緑色入力端子SG0は信号1を入力し、緑色入力端子SG1は信号0を入力し、緑色入力端子SG2は信号1を入力し、緑色入力端子SG3は信号0を入力し、緑色入力端子SG4は信号1を入力し、緑色入力端子SG5は信号0を入力し、緑色入力端子SG6は信号0を入力し、緑色入力端子SG7は信号0を入力する。
図5(D)に示す検査用の緑色パラレル信号を入力する場合、同じ信号を入力する隣接する端子対の数は2であり、異なる信号を入力する隣接する端子対の数は5であるので、同じ信号を入力する隣接する端子対の数よりも、異なる信号を入力する隣接する端子対の数の方が多い。
図5(D)に示す検査用の緑色パラレル信号は、異なる信号を入力する隣接する端子対の数は、図5(A)及び図5(B)に示す検査用の緑色パラレル信号の場合よりも少ないものの、同じ信号を入力する隣接する端子対の数よりも、異なる信号を入力する隣接する端子対の数の方が多いため、緑色入力端子SG0~SG7の短絡又は開放を検査する上では有効である。
検査装置1は、1つの検査用の緑色パラレル信号を用いて、表示装置30の画面に検査画像を表示して検査してもよいが、複数の検査用の緑色パラレル信号を用いて表示装置30の検査を行うことが、表示装置30の欠陥の有無を効率的に判定する観点から好ましい。このことについて、図6(A)及び図6(B)を参照しながら、以下に説明する。
図6(A)及び図6(B)は、検査画像を表示する画面を説明する図である。
図6(A)に示す検査画像の例では、表示装置30の画面に表示される画像600は、第1領域601と、第2領域602と、第3領域603を有する。画像600は、第1領域601と、第2領域602と、第3領域603の3つに略同じ大きさで横方向に分割されている。一の領域内には同じ色が表示されている。各領域内には、異なる色が表示されている。
第1領域601の画像の色は、図5(A)と同様の8ビットの情報を有する検査用の赤色パラレル信号と、検査用の緑色パラレル信号と、検査用の青色パラレル信号とを用いて形成される。
第2領域602の画像の色は、図5(B)と同様の8ビットの情報を有する検査用の赤色パラレル信号と、検査用の緑色パラレル信号と、検査用の青色パラレル信号とを用いて形成される。
第3領域603の画像の色は、図5(C)と同様の8ビットの情報を有する検査用の赤色パラレル信号と、検査用の緑色パラレル信号と、検査用の青色パラレル信号とを用いて形成される。
図3に示すように、赤色入力端子SR0~SR7の内の赤色パラレル信号のMSBの信号を入力する赤色入力端子SR7は、緑色入力端子SG0~SG7の内の緑色パラレル信号の最下位ビットLSBの信号を入力する緑色入力端子SG0と隣接している。そして、図6(A)に示すように、赤色パラレル信号のMSBの信号1と、緑色パラレル信号の最下位ビットLSBの信号0とは異なっている。
これにより、赤色入力端子SR7と緑色入力端子SG0とが短絡している場合には、赤色入力端子SR7が入力する信号又は緑色入力端子SG0が入力する信号が変化するので、表示装置30に欠陥が有ることが検知できる。
また、図3に示すように、緑色入力端子SG0~SG7の内の緑色パラレル信号のMSBの信号を入力する緑色入力端子SG7は、青色入力端子SB0~SB7の内の青色パラレル信号の最下位ビットLSBの信号を入力する青色入力端子SB0と隣接している。そして、図6(A)に示すように、緑色パラレル信号のMSBの信号1と、青色パラレル信号の最下位ビットLSBの信号0とは異なっている。
これにより、緑色入力端子SG7と青色入力端子SB0とが短絡している場合には、緑色入力端子SG7が入力する信号又は青色入力端子SB0が入力する信号が変化するので、表示装置30に欠陥が有ることが検知できる。
図6(A)に示す表示装置30の画像600は、表示装置30が欠陥を有さない場合の画像なので、表示装置30が欠陥を有さない場合の参照用の画像として使用される。
一方、図6(B)は、表示装置30におけるソースドライバ33の緑色入力端子SG4とSG5との間の短絡が生じていて、緑色入力端子SG4及びSG5から入力される信号が共に1となった場合の画像610を示している。
緑色入力端子SG5から入力される第5ビットの信号が0から1へ変化することにより、画像610の第1領域611、第2領域612及び第3領域613に表示される緑色のサブ画素の輝度は変化する。その結果、画像610の第1領域611、第2領域612及び第3領域613の画像は、図6(A)に示す参照画像である画像600とは異なることになる。
図6(B)に示す表示装置30の画像610の第1領域611を、図6(A)に示す画像600の第1領域601と比較し、画像610の第2領域612を、図6(A)に示す画像600の第2領域602と比較し、画像610の第3領域613を、図6(A)に示す画像600の第3領域603と比較する。図6(B)に示す表示装置30の画像610の第1領域611~第3領域613の内の何れかの画像の色が、図6(A)に示す参照画像である画像600の対応する領域の色と一致しない場合には、表示装置30の欠陥を有すると判定される。
上述したように、図5(A)及び図5(B)に示す検査用のパラレル信号の両方を用いることにより、ソースドライバ33の各色の入力端子の短絡及び開放の有無を調べることができる。
更に、図5(C)に示す検査用のパラレル信号も用いることにより、欠陥を有する時の画像610を参照画像に対して大きく変化させることにより、参照画像に対して識別し易くしている。
なお、図5(C)に示す検査用のパラレル信号は用いないで、図5(A)及び図5(B)に示す検査用のパラレル信号又はパラレル信号のみを用いて、第1領域及び第2領域を有する検査画像を用いてもよい。
上述した図5(A)~図5(D)に示す検査用のパラレル信号は一例であり、表示装置の検査には、他のパラレル信号を用いてもよい。
次に、上述した検査装置1が表示装置30の検査を行う動作を、図7及び図8に示すフローチャートを参照しながら、以下に説明する。
まず、ステップS701において、制御装置10の処理部11は、図6(A)に示す画像を表示するための検査画像データ12bを記憶部12から読み出して、IF部15を用いて表示装置30へ出力する。そして、表示装置30は、検査画像データ12bに基づいて、検査画像を画面に表示する。
次に、ステップS703において、制御装置10の処理部11は、画像取得装置20を用いて、表示装置30の画面に表示される検査画像を取得する。
次に、ステップS705において、制御装置10の処理部11は、図9に示すように、取得された検査画像である画像900の第1領域901、第2領域902及び第3領域903の色度情報を求める。
図9に示すように、画像900は、第1領域901、第2領域902及び第3領域903に3つに分割されている。制御装置10の処理部11は、第1領域901内の測定領域901aの色度情報を求める。第1領域901に表示される色は同じなので、測定領域901aは、第1領域901内に含まれていればよい。第1領域901は、検査画像900を3分割した内の一つの領域なので、ある程度の広さの寸法を有している。従って、画像取得装置20と表示装置30との位置関係が多少ずれたとしても、測定領域901aが、第1領域901内から外れるおそれは少ない。
制御装置10の処理部11は、第1領域901の測定領域901aについて、CIE LAB表色系で表される色度情報(Le1、ae1、be1)を求める。Le1は、明度であり、ae1は、a軸の色度であり、be1は、b軸の色度である。処理部11は、公知のカラーマネジメント技術を用いて、画像取得装置20を用いて取得された検査画像の測定領域901aの色度情報を求めることができる。
同様にして、処理部11は、第2領域902の測定領域902aについて、CIE LAB表色系で表される色度情報(Le2、ae2、be2)を求め、第3領域903の測定領域903aについて、CIE LAB表色系で表される色度情報(Le3、ae3、be3)を求める。
なお、制御装置10の処理部11は、測定領域901aについて、RGB表色系、XYZ表色系、CIE LUV表色系等の他の表色系で表される色度情報を求めてもよい。
次に、制御装置10の処理部11は、全てのサブ画素の輝度が最大値(255)となる白色画像データを、IF部15を用いて表示装置30へ出力する。そして、表示装置30は、白色画像データに基づいて、白色画像を画面に表示する。
表示装置30では、白色画像データを入力した場合、ソースドライバ33の各色の入力端子の全ては、信号1を入力する。そのため、端子間に短絡が生じていても、入力される信号は1となって、表示装置30の画面には、全てのサブ画素の輝度が最大値(255)となる白色画像が画面に表示されることが期待される。
次に、ステップS709において、制御装置10の処理部11は、画像取得装置20を用いて、表示装置30の画面に表示される白色画像を取得する。
次に、ステップS711において、制御装置10の処理部11は、図9に示すように、白色画像である画像900の第1領域901の色度情報(Lw1、aw1、bw1)、第2領域902の色度情報(Lw2、aw2、bw2)及び第3領域903の色度情報(Lw3、aw3、bw3)を求める。
次に、ステップS713において、制御装置10の処理部11は、検査画像の第1領域の色度情報を、白色画像の第1領域の色度情報で規格化する。
具体的には、処理部11は、検査画像の第1領域の色度情報(Le1、ae1、be1)の明度Le1を、白色画像の第1領域の色度情報(Lw1、aw1、bw1)の明度Lw1に一致させるように、検査画像の第1領域の色度情報(Le1、ae1、be1)を補正する。規格化された検査画像の第1領域の色度情報は、(Le1s、ae1s、be1s)で表される。ここで、Le1s=Lw1、ae1s=ae1/Le1*Lw1、be1s=be1/Le1*Lw1である。検査画像の第1領域の色度情報を規格化する理由は、後述するように、検査画像を、欠陥を有さない他の表示装置に表示された画面の参照画像と比較する時に、表示装置の違いによる明度の影響を除くことにある。
次に、ステップS715において、制御装置10の処理部11は、規格化された検査画像の第1領域の色度情報(Le1s、ae1s、be1s)と、白色画像の第1領域の色度情報(Lw1、aw1、bw1)との差(ΔL1、Δa1、Δb1)を求める。
具体的には、処理部11は、第1領域の明度差ΔL1=Le1s-Lw1と、第1領域のa軸の色度差Δa1=ae1s-aw1と、第1領域のb軸の色度差Δb1=be1s-bw1を求める。
次に、ステップS801において、制御装置10の処理部11は、表示装置30の検査画像の第1領域の色度情報の差と、参照画像の第1領域の色度情報の差との相違が、閾値以下であるか否かを判定する。
参照画像の第1領域の色度情報の差は、制御装置10の記憶部12に参照画像データ12cとして記憶されている。参照画像の第1領域の色度情報の差について、以下に説明する。
参照画像は、検査装置1が、表示装置30の画面に表示しているのと同じ検査画像データを、欠陥を有さないことが確認されている表示装置の画面に表示させて、画像取得装置20を用いて取得された画像である。また、検査装置1は、白色画像データを、参照画像を表示したのと同じ表示装置の画面に表示させて、画像取得装置20を用いて取得された画像を、参照画像を規格化するための白色画像として取得する。制御装置10の処理部11は、参照画像及び参照画像を規格化するための白色画像のそれぞれの第1領域の色度情報を求めた後、規格化された参照画像の第1領域の色度情報と、白色画像の第1領域の色度情報との差(ΔLr1、Δar1、Δbr1)を求める。処理部11は、求められた参照画像の第1領域の色度情報の差を、制御装置10の記憶部12に参照画像データ12cとして記憶する。
同様にして、検査装置1は、参照画像の第2領域及び第3領域の色度情報の差を求めて、制御装置10の記憶部12に参照画像データ12cとして記憶している。
制御装置10の処理部11は、表示装置30の検査画像の第1領域の色度情報の差(ΔL1、Δa1、Δb1)と、参照画像の第1領域の色度情報の差(ΔLr1、Δar1、Δbr1)との相違(ΔΔL1、ΔΔa1、ΔΔb1)が、閾値以下であるか否かを判定する。ここで、ΔΔL1=|ΔL1-ΔLr1|、ΔΔa1=|Δa1-Δar1|、ΔΔb1=|Δb1-Δbr1|である。処理部11は、ΔΔL1≦Lth、又は、ΔΔa1≦ath、又は、ΔΔb1≦bthである場合、表示装置30の検査画像の第1領域の色度情報の差(ΔL1、Δa1、Δb1)と、参照画像の第1領域の色度情報の差(ΔLr1、Δar1、Δbr1)との相違(ΔΔL1、ΔΔa1、ΔΔb1)が、閾値以下であると判定する。ここで、Lthは明度の閾値であり、athはa軸の色度の閾値であり、bthはb軸の色度の閾値である。これらの閾値は、例えば、表示装置を製造する製造工程の工程能力に起因する表示装置の画面の色度情報の変化量に基づいて決定され得る。
表示装置30の検査画像の第1領域の色度情報の差(ΔL1、Δa1、Δb1)と、参照画像の第1領域の色度情報の差(ΔLr1、Δar1、Δbr1)との相違(ΔΔL1、ΔΔa1、ΔΔb1)が、閾値以下ではない場合(ステップS801―No)、制御装置10の処理部11は、表示装置30は正常ではないと判定して(ステップS817)、その検査を終了する。表示装置30は、ソースドライバ33の入力端子の短絡又は開放の欠陥を有している可能性がある。
一方、表示装置30の検査画像の第1領域の色度情報の差(ΔL1、Δa1、Δb1)と、参照画像の第1領域の色度情報の差(ΔLr1、Δar1、Δbr1)との相違(ΔΔL1、ΔΔa1、ΔΔb1)が、閾値以下である場合(ステップS801―Yes)、表示装置30の検査画像の第1領域は正常であると判断されて、制御装置10の処理部11は、検査画像の第2領域の色度情報を、白色画像の第2領域の色度情報で規格化する(ステップS803)。
具体的には、処理部11は、検査画像の第2領域の色度情報(Le2、ae2、be2)の明度Le2を、白色画像の第2領域の色度情報(Lw2、aw2、bw2)の明度Lw2に一致させるように、検査画像の第2領域の色度情報(Le2、ae2、be2)を補正する。規格化された検査画像の第2領域の色度情報は、(Le2s、ae2s、be2s)で表される。ここで、Le2s=Lw2、ae2s=ae2/Le2*Lw2、be2s=be2/Le2*Lw2である。
次に、ステップS805において、制御装置10の処理部11は、規格化された検査画像の第2領域の色度情報(Le2s、ae2s、be2s)と、白色画像の第2領域の色度情報(Lw2、aw2、bw2)との差(ΔL2、Δa2、Δb2)を求める。
具体的には、処理部11は、第2領域の明度差ΔL2=Le2s-Lw2と、第2領域のa軸の色度差Δa2=ae2s-aw2と、第2領域のb軸の色度差Δb2=be2s-bw2を求める。
次に、ステップS807において、制御装置10の処理部11は、表示装置30の検査画像の第2領域の色度情報の差と、参照画像の第2領域の色度情報の差との相違が、閾値以下であるか否かを判定する。
制御装置10の処理部11は、表示装置30の検査画像の第2領域の色度情報の差(ΔL2、Δa2、Δb2)と、参照画像の第2領域の色度情報の差(ΔLr2、Δar2、Δbr2)との相違(ΔΔL2、ΔΔa2、ΔΔb2)が、閾値以下であるか否かを判定する。ここで、ΔΔL2=|ΔL2-ΔLr2|、ΔΔa2=|Δa2-Δar2|、ΔΔb2=|Δb2-Δbr2|である。処理部11は、ΔΔL2≦Lth、又は、ΔΔa2≦ath、又は、ΔΔb2≦bthである場合、表示装置30の検査画像の第2領域の色度情報の差(ΔL2、Δa2、Δb2)と、参照画像の第2領域の色度情報の差(ΔLr2、Δar2、Δbr2)との相違(ΔΔL2、ΔΔa2、ΔΔb2)が、閾値以下であると判定する。
表示装置30の検査画像の第2領域の色度情報の差(ΔL2、Δa2、Δb2)と、参照画像の第2領域の色度情報の差(ΔLr2、Δar2、Δbr2)との相違(ΔΔL2、ΔΔa2、ΔΔb2)が、閾値以下ではない場合(ステップS807―No)、制御装置10の処理部11は、表示装置30は正常ではないと判定して(ステップS817)、その検査を終了する。表示装置30は、ソースドライバ33の入力端子の短絡又は開放の欠陥を有している可能性がある。
一方、表示装置30の検査画像の第2領域の色度情報の差(ΔL2、Δa2、Δb2)と、参照画像の第2領域の色度情報の差(ΔLr2、Δar2、Δbr2)との相違(ΔΔL2、ΔΔa2、ΔΔb2)が、閾値以下である場合(ステップS807―Yes)、表示装置30の検査画像の第2領域は正常であると判断される。
上述したように、図5(A)及び図5(B)に示す検査用のパラレル信号を用いて検査を行うことにより、表示装置30が欠陥を有する場合には、ステップS807までに表示装置30は正常ではないと判定されると考えられる。従って、検査装置1は、上述したステップまでの動作を実行するだけでもよいが、確実に欠陥を有する表示装置30を検知する観点から、以下の動作を有する。
ステップS809において、制御装置10の処理部11は、検査画像の第3領域の色度情報を、白色画像の第3領域の色度情報で規格化する。
具体的には、処理部11は、検査画像の第3領域の色度情報(Le3、ae3、be3)の明度Le3を、白色画像の第3領域の色度情報(Lw3、aw3、bw3)の明度Lw3に一致させるように、検査画像の第3領域の色度情報(Le3、ae3、be3)を補正する。規格化された検査画像の第3領域の色度情報は、(Le3s、ae3s、be3s)で表される。ここで、Le3s=Lw3、ae3s=ae3/Le3*Lw3、be3s=be3/Le3*Lw3である。
次に、ステップS811において、制御装置10の処理部11は、規格化された検査画像の第3領域の色度情報(Le3s、ae3s、be3s)と、白色画像の第3領域の色度情報(Lw3、aw3、bw3)との差(ΔL3、Δa3、Δb3)を求める。
具体的には、処理部11は、第3領域の明度差ΔL3=Le3s-Lw3と、第3領域のa軸の色度差Δa3=ae3s-aw3と、第3領域のb軸の色度差Δb3=be3s-bw3を求める。
次に、ステップS813において、制御装置10の処理部11は、表示装置30の検査画像の第3領域の色度情報の差と、参照画像の第3領域の色度情報の差との相違が、閾値以下であるか否かを判定する。
制御装置10の処理部11は、表示装置30の検査画像の第3領域の色度情報の差(ΔL3、Δa3、Δb3)と、参照画像の第3領域の色度情報の差(ΔLr3、Δar3、Δbr3)との相違(ΔΔL3、ΔΔa3、ΔΔb3)が、閾値以下であるか否かを判定する。ここで、ΔΔL3=|ΔL3-ΔLr3|、ΔΔa3=|Δa3-Δar3|、ΔΔb3=|Δb3-Δbr3|である。処理部11は、ΔΔL3≦Lth、又は、ΔΔa3≦ath、又は、ΔΔb3≦bthである場合、表示装置30の検査画像の第3領域の色度情報の差(ΔL3、Δa3、Δb3)と、参照画像の第3領域の色度情報の差(ΔLr3、Δar3、Δbr3)との相違(ΔΔL3、ΔΔa3、ΔΔb3)が、閾値以下であると判定する。
表示装置30の検査画像の第3領域の色度情報の差(ΔL3、Δa3、Δb3)と、参照画像の第3領域の色度情報の差(ΔLr3、Δar3、Δbr3)との相違(ΔΔL3、ΔΔa3、ΔΔb3)が、閾値以下ではない場合(ステップS813―No)、制御装置10の処理部11は、表示装置30は正常ではないと判定して(ステップS817)、その検査を終了する。表示装置30は、ソースドライバ33の入力端子の短絡又は開放の欠陥を有している可能性がある。
一方、表示装置30の検査画像の第3領域の色度情報の差(ΔL3、Δa3、Δb3)と、参照画像の第3領域の色度情報の差(ΔLr3、Δar3、Δbr3)との相違(ΔΔL3、ΔΔa3、ΔΔb3)が、閾値以下である場合(ステップS815―Yes)、表示装置30の検査画像の第3領域は正常であり、表示装置30は正常であると判定されて、その検査を終了する。
上述した本実施形態の検査装置によれば、画面の画素の輝度を制御するパラレル信号を入力する表示装置を検査できる。本実施形態の検査装置によれば、表示装置の画面のそれぞれが同じ色を表示する3つの第1領域~第3領域を表示するので、一つの領域の面積を広くできる。そのため、第1領域~第3領域内に設定される色度情報を求めるための測定領域の位置が、第1領域~第3領域内で多少ずれても同じ領域内にとどまることができる。従って、画像取得装置と表示装置の画面との位置関係の設定に対して高い精度が求められないので、検査装置のメンテナスが容易となる。また、表示装置の画面に表示される検査画像の3つの測定領域の色度情報を参照画像の対応する領域と比較するだけなので、短い時間で検査を行える。
本発明では、上述した実施形態の表示装置の検査方法及び検査装置は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、検査対象の表示装置は、赤色、緑色及び青色のサブ画素により1画素が形成されるカラー表示の画面を有していたが、検査対象の表示装置は、表示装置の画面の画素の輝度を制御するパラレル信号を入力する複数の入力端子を有していればよく、モノクロ表示の画面を有していてもよい。
また、検査対象の表示装置は、例えば、車載装置に設置された表示装置であってもよい。
また、上述した実施形態では、検査対象の表示装置の複数の入力端子は、1と0とで表される2進数の複数ビットの情報を有するパラレル信号を入力していたが、複数の入力端子が入力するパラレル信号は、これに限定されない。
また、上述した実施形態では、検査対象の表示装置の1つの画面に複数の領域のそれぞれに異なる色を表示したが、検査対象の表示装置の複数の画面のそれぞれに異なる色を表示して、各画面の画像を取得して対応する参照画像と比較してもよい。