JP5317803B2 - 表示機器の検査装置および検査方法 - Google Patents
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Description
液晶パネル11は、2枚のガラス基板の間に液晶を封入した画素をマトリクス状に配置し、画素の光の透過率を変化させることにより階調を変化させた映像を表示する。液晶駆動回路12は、液晶パネル11の各行を順に選択するゲートドライバと液晶パネル11の所定列を選択するデータドライバとからなり、両ドライバから印加される電圧に応じて対応する画素の液晶のツイスト状態を変化させ、光の透過・遮断状態を選択する。映像信号出力回路13は、外部の映像データを映像信号入力回路14を通じて入力、あるいは内蔵の映像信号発生回路15で生成した映像データを入力し、液晶駆動回路12の入力信号フォーマットに変換する。
階調表示検査の目的は、このような理由により発生し得る階調表示の不良を検出することである。
また表示パネルの検査装置を自動化するために、表示パネルをテスト信号に応じて点灯させ、点灯画像をカメラで撮像することで画像計測データを得て、画像計測データに画像処理を施すことで、表示パネルの品質判定を行うようにした表示パネル検査装置が知られている。(例えば特許文献2)
以下、この発明の実施形態1における表示機器の検査装置を図2〜図5に基づいて説明する。図2は表示機器の検査装置を示すブロック図、図3は検査パターンおよび検査パターンの各領域の階調値を示す図、図4は検査パターンのサイズおよび撮像画像上での座標を示す図、図5は画面全体が同一階調値のパターンの輝度測定分布を示す図である。なお、この実施形態では表示機器として液晶表示機器について説明する。
図3(a)において、外側の矩形6のエリアは液晶表示機器1の液晶パネルの画面全体を示しており、画面全体に対して画面中央寄りに示される矩形7の領域は液晶パネルに表示される検査パターンを示している。この検査パターンは、横に7等分割、縦に3等分割された領域で構成され、上段の領域R1〜R7にはR(赤)のそれぞれの階調値のパターンが、中段の領域G1〜G7にはG(緑)のそれぞれの階調値のパターンが、下段の領域B1〜B7にはB(青)のそれぞれの階調値のパターンが表示される。なお、各領域R1〜R7、G1〜G7、B1〜B7には10進数で表した階調値(0〜63)の値を併記している。
ここで、下位ビットの第5(n−1)ビット、第6(n)ビットが異なる領域(R3、R4、R5)は画面の中央、上位ビットの第1ビット、第2ビットが異なる領域(R1、R2、R6、R7)は画面の周辺に表示するよう配置している。
上記のように1ビットのみが互いに反転する階調値である2つの領域(R1とR2、R2とR3、・・・・、R6とR7など)を1組の検査領域としてこれらを複数組配して検査パターンとする。
ここで、下位ビットが異なる領域(G3、G4、G5)は画面の中央に表示するよう配置し、6ビット階調の階調値(10進数で0〜63)に対して、領域G3は42、領域G4は40、領域G5は41のように中間階調値に設定している。上位ビットが異なる領域(G1、G2、G6、G7)は画面の周辺に表示するよう配置している。
なお、図3(a)において、矩形6と矩形7との間で囲まれる領域の階調は、液晶表示機器1の液晶パネルの画面位置検出のため、G1〜G7で最も明るい階調値(R成分0、G成分61、B成分0)としている。
図4は撮像手段3によって撮影した図3(a)の検査パターンの撮像画像であり、図4の矩形16、矩形17は図3(a)の矩形6、矩形7に各々対応している。図4中のWS、HSは液晶パネルの横縦の画素数で、たとえばXGAの液晶パネルでは横1024画素、縦768画素である。同様に図4中のWP、HPは検査パターンの横縦の画素数、WA、HAは階調測定領域の横縦の画素数で、共に液晶パネルの横縦の画素数WS、HSに基づき長さを規定している。
P÷WS、縦HP'=(Y2−Y1)×HP÷HSとなり、各階調領域は矩形17を横に
7等分、縦に3等分に分割したものであるから、そのサイズは、横WA'=WP'÷7、縦
HA'=HP'÷3となる。また、液晶パネルの中央の座標は(XC、YC)=((X1+X2)÷2)、(Y1+Y2)÷2))となる。
ここで、領域R1〜R7、G1〜G7、B1〜B7を、左上原点に右方にi列目(i=0〜6)、下方向にj行目(j=0〜2)の領域とインデックスをつけたとき、各領域の中央の座標(Xij,Yij)は、(XC+WA'×(i−3),YC+HA'×(i−1))となる。
以上より、階調測定領域の左上、右下の座標は各々(Xij−WA'÷2,Yij−HA'÷2)、(Xij+WA'÷2,Yij+HA'÷2)となる。
上述のように、液晶パネル枠の位置を検出して、階調値の測定領域を決定しているため、液晶表示機器1と撮像手段3の位置関係は、視野角特性による撮像輝度の差異がでない程度に固定していればよい。
各階調ビットの不良判定は、検査対象の階調ビットのみが互いに反転している2つの階調領域の階調測定値の差異を基準値と比較することにより行う。
階調測定手段4による各階調領域(図3の領域R1〜R7、G1〜G7、B1〜B7)の階調測定値をK(R1)〜K(R7)、K(G1)〜K(G7)、K(B1)〜K(B7)とすると、R階調の最上位ビット(第1ビット)の判定のため、K(R1)−K(R2)の演算(符号付)を行い、その算出結果が特性バラツキの範囲を考慮した基準値の範囲に入っていれば良、入っていなければ不良と判定する。
例えば、第1ビットの信号線またはコネクタが断線していた場合、領域R1の階調測定値K(R1)と領域R2の階調測定値K(R2)は同じ輝度値となり、K(R1)−K(R2)は0となり、基準値の範囲外となって、不良と判定される。
この場合、各ビットの判定に使用する基準値は当然ながらそれぞれ異なる。例えば第1ビットの判定のために使用されるK(R1)とK(R2)値は、正常であればそれぞれ「2」と「34」と差が大きいのに対し、第6ビットの判定のために使用されるK(R4)とK(R5)値は、正常であればそれぞれ「40」と「41」と差は小さい。したがって基準値も判定ビットによってそれぞれ変える必要がある。
図5は、一般的な液晶表示機器1に全面同一階調値の単色パターン(たとえば6ビット階調であればR=0、G=63、B=0)を表示し、撮像手段3で撮像し、被測定液晶画面全領域を横17に等分割、縦6に等分割した領域について、階調測定手段4により各領域の平均輝度(0〜1023)を算出し、各領域の測定値をグラフ化(Xが液晶画面の左右方向の位置、Yが上下方向の位置、Zが測定値)したものである。
図5中記載の「左下」が被測定液晶画面の左下の領域の測定値、「右上」が画面の右上の領域の測定値を示しており、画面中央部分の領域の測定値に対して、画面周辺部の領域になるほど測定値が小さくなることがわかる。
たとえば、図5の特性を持つ液晶表示機器1はバックライトが画面上側にのみ装着されているものであるため、画面下側よりも上側の方が輝度が高くなっている。輝度ムラの分布には個体差があるが、液晶画面の局所的な部分で大きく輝度が変化することはないため、実施形態1では、比較する2つの階調領域を隣接配置し、図4の検査パターンのWP、HPをWS、HPの3分の1程度として画面中央寄りに表示することで、撮像手段と液晶画面との視野角、液晶表示機器のバックライトの輝度ムラのバラツキによる誤差を補正処理しなくても十分に排除可能である。
なお、この発明の図3に示す階調1ビットを反転した領域を組み合わせた検査パターンでは、R、G、B各色について単純なグラデーションを用いた場合に必要となる64領域(2の6乗)、および、特許文献1の16領域より少ない7領域で階調ビットの不良検出が可能である。
さらにこの発明は撮像手段3、階調測定手段4および検査制御判定手段5による目視検査でない機器で検査を行なうため、検査パターンの1組の検査領域である2つの領域は、単色パターンの平均輝度値がほぼ同じ領域に配置するものであれば、必ずしも隣接していなくてもよい。
たとえば、図3(a)に示す階調の領域を各々上下に2等分とし、全体を横7縦3分割から、横7縦6分割、R(赤)、G(緑)、B(青)の領域を各2列とする。R、G、B毎の内1列は図3(a)と同一の階調値(R1〜R7、G1〜G7、B1〜B7)に設定とし、2列目を各々左からR8〜R14、G8〜G14、B8〜B14とする。ここで、R8〜R14、G8〜G14、B8〜B14のR成分、G成分、B成分について、R成分を代表として設定例を示す。
R1〜R7とは異なる階調値の組合せであればよいので、たとえば、R8は111001、R9は101001、R10は101101、R11は101100、R12は101110、R13は100110、R14は000110とすればよい。
また、上記の実施形態1では、撮像手段3を白黒カメラとし、白黒カメラでも判別可能とするようR、G、B別の階調検査パターンを用いたが、R、G、Bの色成分を分離可能な撮像手段を用いた場合にはR、G、Bの同階調値の領域を同じ位置に重ねて配置(結果として、白色になる)した検査パターンとすることもできる。
次にこの発明の実施の形態2における検査装置について説明する。
実施の形態2の発明は、撮像手段3による撮像画像において、液晶表示機器1の液晶パネルと撮像手段3の視野角特性ならびに液晶表示機器1のバックライトの輝度ムラ等に起因する各測定領域における階調測定輝度値の差異を、液晶表示機器1の画面全体を単一階調値とした検査パターンの対応領域における測定輝度値に基づき補正するようにしたものである。
ここで、単色パターンによる図3の領域R1〜R7、G1〜G7、B1〜B7に対する平均輝度の測定値をJ(R1)〜J(R7)、J(G1)〜J(G7)、J(B1)〜J(B7)とする。
この測定値を用いて、実施の形態1に記述した方法で算出した各階調領域の階調測定値K(R1)〜K(R7)、K(G1)〜K(G7)、K(B1)〜K(B7)を
補正式「K'(P)=K(P)×J(GN)÷J(P)」で正規化する。
(但し、PはR1〜R7、G1〜G7、B1〜B7)
ここで、上記補正式のJ(GN)は単色パターンの平均輝度値のうち、最大の輝度値を示す領域の輝度値で、一般的には画面中央の領域G4の平均輝度値J(G4)が相当する。
なお、この実施の形態2では単色パターンの表示とその測定処理が必要となるが、実施の形態1では輝度ムラのバラツキによる影響が無視できない場合に有効な手段となる。
次にこの発明の実施の形態3における検査装置について説明する。
実施の形態3の発明は、液晶表示機器1の画面の明るさに応じて、検査対象の領域をすべての輝度測定値の最大値が、撮像手段3の撮像輝度レンジ内の最大値に近い任意の測定値となるよう、撮像手段3の感度を制御するようにしたものである。
また、実施の形態1では、検査対象の階調ビット数を6ビット(階調数64)としたが、これを8ビット等に拡大した検査パターンを作成するには、たとえば図3の階調値に2ビット付加して画面中央部に2領域追加すればよい。具体的には、R成分の階調値は左からR1(00001010)、R2(10001010)、R3(10101010)、R4(10100010)、R5(10100000)、R6(10100001)、R7(10100101)、R8(10110101)、R9(11110101)とすればよい。
このように実施の形態4によれば、撮像輝度値の差異が小さな部分に撮像輝度レンジをあわせることで撮像手段の性能を最大限に引き出し、最も分解能が必要な下位ビットの測定分解能を向上させることができる。
実施の形態1では、図2に示したように、液晶表示機器1の外部に検査パターン出力手段2を設けた構成としたが、実施の形態5の発明は、図1に示した液晶表示機器1の映像信号出力回路13の前段に、検査パターン出力手段2となる映像信号発生回路を内蔵する構成とすることも可能である。
このように実施の形態5によれば、外部の検査パターン出力手段(機器)を省略でき、映像情報を記憶ならびに表示可能な液晶表示機器であれば設備のコストを抑制することが可能となる。
なお以上の説明では、表示機器として液晶表示機器について述べたが、プラズマディスプレイパネル、有機ELパネルなどの表示機器においてもこの発明は適用可能である。
3:撮像手段、 4:階調測定手段、
5:検査制御判定手段、 6:画面枠を示す矩形、
7:検査パターン枠を示す矩形、 R1〜R7:赤の階調値の検査領域、
G1〜G7:緑の階調値の検査領域、 B1〜B7:青の階調値の検査領域。
Claims (10)
- 1画素の階調値をnビット(n≧6)のデジタル信号で入力するようにした被検査対象の表示機器に、前記nビットのうち1ビットのみが互いに反転する階調値である2つの領域を1組の検査領域として複数組の検査領域を含む検査パターンの信号を出力する検査パターン出力手段、この検査パターン出力手段からの信号により前記表示機器に表示された前記検査パターンを撮影する撮像手段、この撮像手段により撮影された画像から前記検査パターンの各領域の輝度値をそれぞれ測定する階調測定手段、および前記階調測定手段により測定された各領域の輝度値から、前記1ビットのみが互いに反転する2つの領域の輝度値を比較することにより、当該領域の階調表示の良否判定を行う検査制御判定手段を備えた表示機器の検査装置。
- 前記検査パターンの1ビットのみが互いに反転する2つの領域は隣接して配置されている請求項1に記載の表示機器の検査装置。
- 前記検査パターンは前記表示機器の画面周辺部を除く画面中央寄りに表示するようにした請求項1または請求項2に記載の表示機器の検査装置。
- 前記検査パターンのうち、nビットの階調値の下位(第n、第n−1)ビットが互いに反転する階調値の領域は前記表示機器の画面中央に表示するようにした請求項3に記載の表示機器の検査装置。
- 前記撮像手段による撮像画像から測定された前記検査パターンの各領域の輝度値を、前記表示機器の画面全体を単一階調値とした検査パターンの対応領域における測定輝度値に基づき補正するようにした請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の表示機器の検査装置。
- 前記表示機器の画面の明るさに応じて、検査対象の領域をすべての輝度測定値の最大値が、前記撮像手段の撮像輝度レンジ内の最大値に近い任意の測定値となるよう、前記撮像手段の感度を制御するようにした請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の表示機器の検査装置。
- 前記検査パターン出力手段を前記表示機器に内蔵した請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の表示機器の検査装置。
- 1画素の階調値をnビット(n≧6)のデジタル信号で入力するようにした被検査対象の表示機器に、前記nビットのうち1ビットのみが互いに反転する階調値である2つの領域を1組の検査領域として複数組の検査領域を含む検査パターンを表示するステップと、前記表示機器に表示された前記検査パターンを撮影するステップと、前記撮影された画像から前記検査パターンの各領域の輝度値をそれぞれ測定するステップと、前記測定された各領域の輝度値から、前記1ビットのみが互いに反転する2つの領域の輝度値を比較することにより、当該領域の階調表示の良否判定を行うステップを備えた表示機器の検査方法。
- 前記検査パターンの1ビットのみが互いに反転する2つの領域は隣接して配置され、これら領域のすべては前記表示機器の画面周辺部を除く画面中央寄りに表示するようにし、nビットの階調値の下位(第n、第n−1)ビットが互いに反転する階調値の領域は前記表示機器の画面中央に表示するようにした請求項8に記載の表示機器の検査方法。
- 前記各領域の輝度値をそれぞれ測定するステップは、nビットの階調値の下位(第n、第n−1)ビットが互いに反転する階調値の領域の測定ステップと、その他の領域の測定ステップとを分離し、前記下位(第n、第n−1)ビットが互いに反転する階調値の領域の測定ステップでは下位ビット用の測定範囲の輝度測定値の最大値が、前記撮像手段の撮像輝度レンジ内の最大値に近い任意の測定値となるよう前記撮像手段の感度を制御するステップを設けたことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の表示機器の検査方法。
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