JP7093898B1 - 封止フィルム、電極リード線部材および電池 - Google Patents

封止フィルム、電極リード線部材および電池 Download PDF

Info

Publication number
JP7093898B1
JP7093898B1 JP2022011959A JP2022011959A JP7093898B1 JP 7093898 B1 JP7093898 B1 JP 7093898B1 JP 2022011959 A JP2022011959 A JP 2022011959A JP 2022011959 A JP2022011959 A JP 2022011959A JP 7093898 B1 JP7093898 B1 JP 7093898B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sealing film
adhesive layer
hydrogen
lead wire
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022011959A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2023047258A (ja
Inventor
俊輔 竹山
喬規 櫻木
敦史 目黒
崇 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujimori Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Fujimori Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujimori Kogyo Co Ltd filed Critical Fujimori Kogyo Co Ltd
Priority to JP2022011959A priority Critical patent/JP7093898B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7093898B1 publication Critical patent/JP7093898B1/ja
Publication of JP2023047258A publication Critical patent/JP2023047258A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)
  • Connection Of Batteries Or Terminals (AREA)

Abstract

Figure 0007093898000001
【課題】フッ化水素による接着強度低下を抑制できる封止フィルム、電極リード線部材および電池を提供する。
【解決手段】封止フィルム1は、電極リード線と、収容容器との間を封止する。電極リード線は、電池本体と電気的に接続される。収容容器は、電池本体を収容する。封止フィルム1は、1または複数の熱可塑性樹脂層2,3,4を備える。少なくとも1つの熱可塑性樹脂層は、分子中に水素結合可能な構造を有する水素結合性樹脂を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、封止フィルム、電極リード線部材および電池に関する。
近年、電気エネルギーを貯蔵するための蓄電池として、リチウムイオン電池などの2次電池、キャパシタ等が注目されている。前記電池は、例えば、電池本体と、電池本体を収容する収容容器と、電池本体に接続された電極リード線とを備える。収容容器は、防水性、遮光性に優れた電池外装用積層体を用いて作製される。電池外装用積層体は、例えば、ポリアミド等からなる基材層と、アルミニウム箔とが積層された積層体である。電極リード線は、一端を含む部分が収容容器から外部に引き出された状態で収容容器に封止される。
前記電池は、収容容器に水が入ると、水が電解液中の成分と反応してフッ化水素が生成する可能性がある。フッ化水素は、電極リード線を劣化させ、電池寿命に影響を及ぼす場合がある。そのため、収容容器と電極リード線との間に、封止用のフィルムを介在させることが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
封止用のフィルムは、電極リード線と収容容器とを接着することにより、外部から収容容器内部へ水が浸入するのを抑制する。
特許文献1に記載の封止用のフィルムは、重質炭酸カルシウム等の無機充填材の添加により、フィルムの接着力低下を抑える。
特許第6055300号公報
特許文献1に記載のフィルム(以下、封止フィルムという)は、電解液で発生したフッ化水素がフィルム中の炭酸カルシウム等と反応して水が生成する可能性がある。そのため、生成した水が電解液中の成分と反応してフッ化水素が生じ、フッ化水素によって封止フィルムと電極リード線との接着強度が低下することが懸念される。
本発明の一態様は、フッ化水素による接着強度低下を抑制できる封止フィルム、電極リード線部材および電池を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、以下の態様を包含する。
[1]電池本体と電気的に接続される電極リード線と、前記電池本体を収容する収容容器との間を封止する封止フィルムであって、1または複数の熱可塑性樹脂層を備え、少なくとも1つの前記熱可塑性樹脂層は、分子中に水素結合可能な構造を有する水素結合性樹脂を含む、封止フィルム。
[2]前記熱可塑性樹脂層は、複数設けられ、複数の前記熱可塑性樹脂層は、前記電極リード線に接着する第1接着層である第1の熱可塑性樹脂層と、前記収容容器に接着する第2接着層である第2の熱可塑性樹脂層と、前記第1接着層と前記第2接着層との間に設けられた基材層である第3の熱可塑性樹脂層と、を含み、前記水素結合性樹脂は、前記第1~第3の熱可塑性樹脂層のうち少なくとも1つに含まれる、[1]記載の封止フィルム。
[3]前記第1の熱可塑性樹脂層は、酸変性ポリオレフィンを含む、[2]記載の封止フィルム。
[4]前記水素結合性樹脂は、前記第1の熱可塑性樹脂層に含まれる、[2]または[3]に記載の封止フィルム。
[5]前記水素結合性樹脂は、前記第3の熱可塑性樹脂層に含まれる、[2]~[4]のうちいずれか1つに記載の封止フィルム。
[6]前記第1の熱可塑性樹脂層は、前記酸変性ポリオレフィンを50質量%以上含む、[3]記載の封止フィルム。
[7]前記水素結合性樹脂は、ポリアミド系樹脂である、[1]~[6]のうちいずれか1つに記載の封止フィルム。
[8]前記封止フィルム全体における前記水素結合性樹脂の添加量は、0.2質量%以上30質量%以下である、[1]~[7]のうちいずれか1つに記載の封止フィルム。
[9]前記第3の熱可塑性樹脂層は、酸変性ポリオレフィンを10質量%以上含む、[2]~[6]のうちいずれか1つに記載の封止フィルム。
[10][1]~[9]のうちいずれか1つに記載の封止フィルムと、一方向に延在する前記電極リード線と、を備える電極リード線部材。
[11][10]に記載の電極リード線部材を備える電池。
本発明の一態様によれば、フッ化水素による接着強度低下を抑制できる封止フィルム、電極リード線部材および電池を提供できる。
実施形態の封止フィルムを示す概略断面図である。 実施形態の電極リード線部材を示す概略斜視図である。 実施形態の電池を示す概略斜視図である。 図3の線分I-Iにおける矢視断面図である。 他の実施形態の封止フィルムを示す概略断面図である。 さらに他の実施形態の封止フィルムを示す概略断面図である。
以下、図1~図4を参照しながら、実施形態に係る封止フィルム、電極リード線部材、および電池について説明する。なお、図面においては、構成要素の寸法、比率などは実際とは異なる場合がある。
<封止フィルム>
図1は、実施形態の封止フィルム1を示す概略断面図である。図2は、実施形態の電極リード線部材10を示す概略斜視図である。
図2に示すように、電極リード線部材10は、電極リード線11と、封止フィルム1とを備える。
図1に示すように、封止フィルム1は、第1接着層2と、第2接着層3と、基材層4とを備える。
[第1接着層]
第1接着層2は、加熱・加圧によって電極リード線11(図2参照)に融着(接着)する層である。第1接着層2の表面は、封止フィルム1の一方の表面1aである。第1接着層2は、熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂層である。第1接着層2は「第1の熱可塑性樹脂層」の一例である。
第1接着層2は、例えば、酸変性ポリオレフィンを主として含む。第1接着層2が「酸変性ポリオレフィンを主として含む」とは、第1接着層2を構成する樹脂のなかで、酸変性ポリオレフィンの含有率が最も高いことを意味する。第1接着層2は、第1接着層2の全量に対して酸変性ポリオレフィンを50質量%以上含むことが好ましい。第1接着層2は、第1接着層2の全量に対して酸変性ポリオレフィンを50質量%を越えて含むことが好ましく、80質量%以上含むことがより好ましい。
第1接着層2を構成するポリオレフィンとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ-1-ブテン、ポリイソブチレンなどが挙げられる。なかでも、ポリプロピレンは、柔軟性に優れることから、第1接着層2を構成するポリオレフィンとして好ましい。以下、ポリプロピレンを「PP」と略称することがある。
ポリオレフィンは、プロピレンとエチレンとの共重合体(プロピレン-エチレン共重合体)でもよい。プロピレンとエチレンとの共重合体は、ブロック共重合体でもよくランダム共重合体でもよいが、ランダム共重合体が好ましい。ポリオレフィンは、プロピレンとオレフィン系モノマーとの共重合体であってもよい。オレフィン系モノマーとしては、1-ブテン、イソブチレン、1-ヘキセン等が挙げられる。
酸変性ポリオレフィンとは、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸の誘導体で変性されたポリオレフィン系樹脂である。酸変性ポリオレフィンは、分子構造中に、カルボキシ基や無水カルボン酸基等の酸官能基を有する。酸変性ポリオレフィンは、ポリオレフィンに不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸の誘導体をグラフト重合させる、または酸官能基含有モノマーとオレフィン類とを共重合させることにより得られる。すなわち、酸変性ポリオレフィンにおいて、酸基を有する繰り返し単位は、側鎖に含まれていてもよく、主鎖に含まれていてもよい。
不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。
不飽和カルボン酸の誘導体としては、アクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸エステル、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸の酸無水物が挙げられる。
酸変性ポリオレフィンの使用により、電極リード線11(図2参照)に対する第1接着層2の接着性を高めることができる。
ポリオレフィンおよび酸変性ポリオレフィンは、熱可塑性樹脂である。
酸変性ポリオレフィンとしては、耐熱性に優れることから、酸変性ポリプロピレン(酸変性PP)が好ましい。酸変性PPは、例えば、ポリプロピレンまたはプロピレン-エチレン共重合体に、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸の誘導体をグラフト共重合させた重合体である。
酸変性PPは、ポリプロピレンの酸変性重合体またはプロピレン-エチレン共重合体の酸変性重合体が有するカルボキシ酸基を、金属水酸化物、アルコキシド、低級脂肪酸塩などで中和したアイオノマーを含む。酸変性PPの酸基は、無水マレイン酸基が好ましい。すなわち、酸変性PPとしては、無水マレイン酸変性PPが好ましい。
第1接着層2には水素結合性樹脂(後述)は含まれていなくてもよい。この場合、第1接着層2において、接着強度の点で優れた材料の比率を高めることができる。これにより、第1接着層2と電極リード線11との接着強度は良好となる。
第1接着層2を構成する樹脂(または樹脂組成物)の融点は、110℃以上150℃以下が好ましい。
第1接着層2を構成する樹脂の融点が110℃以上であると、熱圧着時に第1接着層2が過度に薄くなりにくく、接着強度を確保しやすい。第1接着層2を構成する樹脂の融点が150℃以下であると、熱圧着時に樹脂が流動しやすくなるため、電極リード線11の周囲に樹脂が十分に回り込み、電極リード線11の全周を封止しやすい。
「第1接着層2を構成する樹脂」が2種以上の樹脂のポリマーアロイである場合、「第1接着層2を構成する樹脂の融点」は、第1接着層2を構成するポリマーアロイの融点を意味する。
第1接着層2において、ポリオレフィン以外の任意成分としては、公知の安定剤、帯電防止剤、着色料などの添加物を挙げることができる。
第1接着層2の厚さは、例えば、封止フィルム1の全体の厚さを100として、5以上90以下とすることができる。すなわち、第1接着層2の厚さは、封止フィルム1の全体の厚さの5%以上90%以下とすることができる。第1接着層2の厚さは、封止フィルム1の全体の厚さを100として、25以上70以下が好ましい。
封止フィルム1の全体の厚さを100としたときの層の厚さの比率を「厚さ比率」という。
第1接着層2の厚さ比率が5以上(好ましくは25以上)であると、第1接着層2と電極リード線11との接着強度を十分に確保できる。第1接着層2の厚さ比率が90以下(好ましくは70以下)であると、第2接着層3および基材層4に十分な厚さを付与できる。そのため、封止フィルム1の電解液耐性を低下させず、かつ第2接着層3と収容容器との接着強度を高めることができる。なお、「電解液耐性」は、電解液に対する耐性である。
[第2接着層]
第2接着層3は、例えば、加熱・加圧によって収容容器と融着(接着)する層である。収容容器については後述する。第2接着層3の表面は、封止フィルム1の他方の表面1bである。第2接着層3は、熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂層である。第2接着層3は「第2の熱可塑性樹脂層」の一例である。
第2接着層3は、例えば、ポリオレフィンを主として含む。第2接着層3が「ポリオレフィンを主として含む」とは、第2接着層3を構成する樹脂のなかで、ポリオレフィンの含有率が最も高いことを意味する。第2接着層3は、第2接着層3の全量に対してポリオレフィンを50質量%以上含み、50質量%を越えて含むことが好ましく、80質量%以上含むことがより好ましい。
第2接着層3を構成するポリオレフィンとしては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン、ポリ-1-ブテン、ポリイソブチレンなどが挙げられる。なかでも、PPは、柔軟性に優れることから、第2接着層3を構成するポリオレフィンとして好ましい。
ポリオレフィンは、プロピレンとエチレンとの共重合体(プロピレン-エチレン共重合体)でもよい。プロピレンとエチレンとの共重合体は、ブロック共重合体でもよくランダム共重合体でもよいが、ランダム共重合体が好ましい。ポリオレフィンは、プロピレンとオレフィン系モノマーとの共重合体(例えば、ランダム共重合体)であってもよい。オレフィン系モノマーとしては、1-ブテン、イソブチレン、1-ヘキセン等が挙げられる。
第2接着層3を構成するポリオレフィンは、酸変性ポリオレフィンであってもよい。酸変性ポリオレフィンとしては、耐熱性に優れることから、酸変性PPが好ましい。酸変性PPとしては、上述の第1接着層2の材料として例示した酸変性PPが好適に用いられる。酸変性PPとしては、柔軟性に優れることから、プロピレンとエチレンとのランダム共重合体を酸変性した重合体が好ましい。酸変性ポリオレフィンの使用により、収容容器に対する第2接着層3の接着性を高めることができる。
第2接着層3は、酸変性PPと酸変性ポリエチレンとの両方を含んでいてもよい。第2接着層3は、酸変性PPと酸変性ポリエチレンとの両方を含む場合、第2接着層3の融点を低くし、第2接着層3を融着する際の加熱温度を下げることができるため、第1接着層2の劣化を抑制できる。
第2接着層3には水素結合性樹脂(後述)は含まれていなくてもよい。この場合、第2接着層3において、接着強度の点で優れた材料の比率を高めることができる。これにより、第2接着層3と収容容器との接着強度は良好となる。
第2接着層3を構成する樹脂(または樹脂組成物)の融点は、110℃以上150℃以下が好ましい。
第2接着層3を構成する樹脂の融点が110℃以上であると、熱圧着時に第2接着層3が過度に薄くなりにくく、接着強度を確保しやすい。第2接着層3を構成する樹脂の融点が150℃以下であると、熱圧着時に樹脂が流動しやすくなるため、収容容器と電極リード線11との間を封止しやすい。
「第2接着層3を構成する樹脂」が2種以上の樹脂のポリマーアロイである場合、「第2接着層3を構成する樹脂の融点」は、第2接着層3を構成するポリマーアロイの融点を意味する。
第2接着層3において、酸変性ポリオレフィン以外の任意成分としては、公知の安定剤、帯電防止剤、着色料などの添加物を挙げることができる。
第2接着層3の厚さ(厚さ比率)は、例えば、封止フィルム1の全体の厚さを100として、5以上90以下とすることができる。すなわち、第2接着層3の厚さは、封止フィルム1の全体の厚さの5%以上90%以下とすることができる。第2接着層3の厚さ比率は、5以上50以下が好ましい。
第2接着層3の厚さ比率が5以上であると、第2接着層3と収容容器との接着強度を十分に確保できる。第2接着層3の厚さ比率が90以下(好ましくは50以下)であると、第1接着層2および基材層4に十分な厚さを付与できる。そのため、封止フィルム1の電解液耐性を低下させず、かつ第1接着層2と電極リード線11との接着強度を高めることができる。
[基材層]
基材層4は、第1接着層2と第2接着層3との間に介在して設けられている。基材層4は、熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂層である。基材層4は「第3の熱可塑性樹脂層」の一例である。
基材層4は、例えば、ポリオレフィンを主として含む。基材層4が「ポリオレフィンを主として含む」とは、基材層4を構成する樹脂のなかで、ポリオレフィンの含有率が最も高いことを意味する。基材層4は、基材層4の全量に対してポリオレフィンを50質量%以上含み、50質量%を越えて含むことが好ましく、80質量%以上含むことがより好ましい。
基材層4を構成するポリオレフィンとしては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン、ポリ-1-ブテン、ポリイソブチレンなどが挙げられる。なかでも、PPは、柔軟性に優れるため好ましい。
基材層4を構成するポリオレフィンは、1種のオレフィンの単独重合体でもよいし、2種以上のオレフィンの共重合体でもよい。単独重合体としては、プロピレンだけの単独重合体(ホモPP)が挙げられる。共重合体としては、プロピレンとオレフィン系モノマー(エチレン、1-ブテン、イソブチレン、1-ヘキセン等)との共重合体、例えば、プロピレン-エチレン共重合体が挙げられる。
基材層4を構成するポリオレフィンとしては、第1接着層2を構成するポリオレフィンとして例示した各重合体を例示することができる。
基材層4を構成するポリオレフィンとしては、ICP(インパクトコポリマー)が好ましい。ICPは、第1相と第2相とを有する相分離構造、例えば、海島構造を有する。海島構造は、「海」に相当する第1相のなかに、「島」に相当する複数の第2相が分散された構造である。
第1相は、例えば、プロピレン、エチレンなどのオレフィン系モノマーの単独重合体(ホモポリマー)で構成される。第2相は、第1相を構成するホモポリマーとは異なるポリマーで構成される。第2相は、例えば、プロピレン、エチレンなどのオレフィン系モノマーの重合体、例えばエチレンプロピレンラバー(EPR)を含む。第2相は、例えば、主相と、主相の表面を覆う表層とで構成される。主相は、例えば、ポリエチレンで構成される。表層は、例えば、EPRで構成される。
第1相を構成するホモポリマーがホモPPであるICPを、ポリプロピレンICPまたはポリプロピレン分散体と呼ぶ。第1相を構成するホモポリマーがホモPPであるICPは、いわゆるブロックPPである。ICPは、異相共重合体(heterophasic copolymer)、またはブロックコポリマーとも呼ばれる。
基材層4は、水素結合性樹脂を含む。基材層4は、例えば、水素結合性樹脂とポリオレフィンとの混合物を含んで構成されていてもよい。水素結合性樹脂は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。
水素結合性樹脂は、分子中に水素結合可能な構造を含む樹脂である。
水素結合とは、例えば、電気陰性度が大きな原子(陰性原子)に共有結合で結合した水素原子が、近傍にある窒素、酸素、硫黄、フッ素などの孤立電子対とつくる、非共有結合性の引力的相互作用である。陰性原子の電気陰性度は水素原子の電気陰性度よりも大きいため、水素原子には部分的に正電荷が生成され、陰性原子には部分的に負電荷が生成される。陰性原子の電気陰性度(ポーリングの電気陰性度)は、3.0以上が好ましい。陰性原子に結合した水素原子が水素結合する、結合先の原子の電気陰性度(ポーリングの電気陰性度)は、3.0以上が好ましい。
水素結合可能な構造は、アミド結合、ウレタン結合、ジケトンなどの原子群であってもよいし、アミノ基、カルボニル基、水酸基、チオール基、カルボキシ基、スルホン酸基、燐酸基などの官能基であってもよい。なかでも、アミド結合原子群およびウレタン結合原子群が好ましい。
アミド結合原子群(CO-NH)は、「CO」を構成する炭素および酸素と、「NH」を構成する窒素および水素と、を構成要素として含む。
フッ化水素は、陰性原子であるフッ素と、水素とが共有結合して形成されている。フッ素の電気陰性度(ポーリングの電気陰性度)は4.0であり、水素の電気陰性度(ポーリングの電気陰性度)は2.1である。そのため、アミド結合原子群の酸素(ポーリングの電気陰性度3.5)の孤立電子対と、フッ化水素の水素原子との間には、水素結合が形成される可能性がある。すなわち、式(1)に示すように、「C=O・・・H-F」に示すOとHとの間に「・・・」で示す水素結合が形成される可能性がある。
Figure 0007093898000002
アミド結合原子群(CO-NH)では、水素(ポーリングの電気陰性度2.1)は、窒素(ポーリングの電気陰性度3.0)と共有結合で結合している。そのため、アミド結合原子群(CO-NH)の水素原子と、フッ化水素のフッ素の孤立電子対との間に、水素結合が形成される可能性がある。すなわち、式(2)に示すように、「N-H・・・F-H」に示すHとFとの間に「・・・」で示す水素結合が形成される可能性がある。
Figure 0007093898000003
このように、水素結合可能な構造に含まれる水素原子は、電気陰性度が高い原子(例えば、ポーリングの電気陰性度3.0以上の原子)と共有結合していることがある。
アミド結合原子群を有する水素結合性樹脂としては、ポリアミド系樹脂がある。ポリアミド系樹脂は、分子内に繰り返し単位としてアミド結合原子群(CO-NH)を有する。
ポリアミド系樹脂としては、脂肪族ポリアミド樹脂、例えば、ナイロン樹脂が挙げられる。ナイロン樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6/66、ナイロン66/12、および、これらのうち少なくとも2つのブレンド物等がある。
ポリアミド系樹脂としては、芳香族ポリアミド樹脂も使用できる。芳香族ポリアミド樹脂としては、ポリ-p-フェニレンテレフタルアミド、ポリ-p-フェニレンイソフタルアミド、ポリ-m-フェニレンイソフタルアミド、ナイロンMXD6などがある。
ウレタン結合原子群(NH-COO)は、「NH」を構成する窒素および水素と、「COO」を構成する炭素および酸素を構成要素として含む。
ウレタン結合原子群の酸素(ポーリングの電気陰性度3.5)の孤立電子対と、フッ化水素の水素原子との間には、水素結合が形成される可能性がある。すなわち、「C=O・・・H-F」に示すOとHとの間に「・・・」で示す水素結合が形成される可能性がある。
ウレタン結合原子群(NH-COO)では、水素(ポーリングの電気陰性度2.1)は、窒素(ポーリングの電気陰性度3.0)と共有結合で結合している。そのため、ウレタン結合原子群(NH-COO)の水素原子と、フッ化水素のフッ素の孤立電子対との間には、水素結合が形成される可能性がある。すなわち、「N-H・・・F-H」に示すHとFとの間に「・・・」で示す水素結合が形成される可能性がある。
ウレタン結合原子群を有する水素結合性樹脂としては、ポリウレタン系樹脂がある。ポリウレタン系樹脂は、分子内に繰り返し単位としてウレタン結合原子群(NH-COO)を有する。
ポリウレタン系樹脂としては、例えば、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂が挙げられる。
ポリウレタン系樹脂は、ウレタン系エラストマーであってもよい。ウレタン系エラストマーは、例えば、ハードセグメントとポソフトセグメントとを有する。ハードセグメントは、ポリウレタンから構成される。ソフトセグメントは、ポリカーボネート系ポリオール、エーテル系ポリオール、カプロラクトン系ポリエステル、アジペート系ポリエステル等から構成される。
封止フィルム1の全体における水素結合性樹脂の添加量(含有率)は、0.2質量%以上30質量%以下が好ましく、0.5質量%以上20質量%以下がより好ましく、1.0質量%以上10質量%以下がさらに好ましい。
封止フィルム1の全体における水素結合性樹脂の添加量が0.2質量%以上であると、電極リード線11に対するフッ化水素の影響を低減する効果を高めることができる。封止フィルム1の全体における水素結合性樹脂の添加量が30質量%以下であると、水素結合性樹脂を含む層(本実施形態では基材層4)の機能低下を抑えることができる。例えば、基材層4の耐熱性、機械的強度などの低下を抑制できる。
なお、水素結合性樹脂を含む層が第1接着層2と第2接着層3のうち少なくとも一方である場合には、封止フィルム1の全体における水素結合性樹脂の添加量が30質量%以下であると、当該接着層の接着性、機械的強度などの低下を抑制できる。
基材層4における水素結合性樹脂の添加量は、例えば、0.5質量%以上60質量%以下(好ましくは1.0質量%以上40質量%以下、さらに好ましくは2.0質量%以上20質量%以下)であってよい。
水素結合性樹脂を含む層(本実施形態では基材層4)は、水素結合性樹脂とポリオレフィンだけでなく、それ以外の樹脂材料を含んでいてもよい。なお、水素結合性樹脂を含む層(本実施形態では基材層4)は、水素結合性樹脂のみで構成されていてもよい。
基材層4の厚さ(厚さ比率)は、封止フィルム1の全体の厚さを100として、5以上70以下が好ましい。すなわち、基材層4の厚さは、封止フィルム1の全体の厚さの5%以上70%以下であることが好ましい。
基材層4の厚さ比率が5以上であると、樹脂が過度に流れやすくならず、圧着時に必要な流動性を発現しやすくなる。基材層4の厚さ比率が5以上(好ましくは25以上)であると、封止フィルム1の電解液耐性および耐熱性を高めることができる利点もある。
基材層4の厚さ比率が70以下であると、熱圧着時における樹脂の流動性を適度な範囲に抑えることができる。基材層4の厚さ比率が70以下であると、第1接着層2および第2接着層3に十分な厚さを付与できるため、第1接着層2と電極リード線11との接着強度、および、第2接着層3と収容容器との接着強度をいずれも高めることができる。
基材層4を構成する樹脂(または樹脂組成物)の融点は、150℃以上170℃以下が好ましい。
基材層4を構成する樹脂の融点が150℃以上であると、封止フィルム1の電解液耐性を確保しやすい。また、封止フィルム1に耐熱性を付与することができる。
基材層4を構成する樹脂の融点が170℃以下であると、封止フィルム1に柔軟性を与えることができる。そのため、電極リード線11および収容容器と、封止フィルム1との間に隙間が生じにくくなる。
基材層4を構成する樹脂の融点M4は、第1接着層2を構成する樹脂の融点M2、または、第2接着層3を構成する樹脂の融点M3より高い。すなわち、融点M4は、融点M2または融点M3より高い。融点M4は、融点M2と融点M3のいずれよりも高いことが望ましい。換言すれば、融点M4は、融点M2と融点M3の少なくとも一方よりも高いことが望ましい。
融点M4が融点M2より高いと、樹脂の流動性が低くなりすぎず、熱圧着時における樹脂の流動性を適度な範囲とすることができる。また、第1接着層2と電極リード線11との接着強度を低下させることなく、封止フィルム1の電解液耐性を確保しやすくなる。
融点M4が融点M3より高いと、樹脂の流動性が低くなりすぎず、熱圧着時における樹脂の流動性を適度な範囲とすることができる。また、第2接着層3と収容容器との接着強度を低下させることなく、封止フィルム1の電解液耐性を確保しやすくなる。
融点M4が融点M2または融点M3より高いと、封止フィルム1に耐熱性を付与しやすいという利点もある。
基材層4の水素結合性樹脂は、基材層4を構成する他の樹脂との相溶性が低い場合、混ざりムラ(不均一な混合)、溶け残り発生による外観不良が発生することがある。この外観不良を防ぐため、基材層4に酸変性ポリオレフィンを添加することが望ましい。基材層4を構成する材料のうち、水素結合性樹脂以外をすべて酸変性ポリオレフィンにしても良いが、経済性と相溶性効果とを考慮すると、基材層4における酸変性ポリオレフィンの含有率は10質量%以上が好ましい。また、第1接着層2に水素結合性樹脂を添加する場合も、第1接着層2に酸変性ポリオレフィンを添加することが望ましい。第2接着層3に水素結合性樹脂を添加する場合も、第2接着層3に酸変性ポリオレフィンを添加することが望ましい。
<電極リード線部材>
図2に示すように、電極リード線部材10は、電極リード線11と、一対の封止フィルム1とを有する。
一対の封止フィルム1は、第1接着層2が向かい合って配置される。一対の封止フィルム1は、電極リード線11を挟持する。一対の封止フィルム1は、それぞれ電極リード線11の一方の面および他方の面に相当する領域に接する。そのため、一対の封止フィルム1は、全体として電極リード線11の全周に接している。
電極リード線11は、リード線本体111と、表面処理層112とを有する。電極リード線11は、一方向に直線的に延在する。電極リード線11は、金属製である。
電極リード線11は、導電性を有する。電極リード線11は、リチウムイオン電池30(図3参照)と電気的に接続される。電極リード線11は、リチウムイオン電池30と外部機器とを通電させる。
リード線本体111の材料としては、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、金、白金、各種合金など、公知の金属を用いることができる。なかでも、導電性に優れ、コスト的にも有利なことから、アルミニウムおよび銅が好ましい。
リード線本体111は、表面がニッケルめっきされていてもよい。リード線本体111のニッケルめっきは、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、硼酸等を主成分とするワット浴を用いて電気メッキによって形成してもよい。リード線本体111のニッケルめっきは、スルファミン酸ニッケルと硼酸を主成分とするスルファミン酸ニッケルめっき浴を用いて行うと好ましい。この方法で形成されるめっき被膜は、柔軟性に優れ、めっき被膜の割れが生じにくくなる。
リード線本体111は、アルミニウム板またはニッケルめっき銅板が好ましい。
表面処理層112は、リード線本体111の表面に形成されている。表面処理層112は、耐食性を有する。「耐食性」とは、電池内部の電解液による腐食を受けにくい性質を指す。表面処理層112としては、例えばリン酸塩、クロム酸塩、フッ化物またはトリアジンチオール化合物等を形成材料とする耐酸性被膜を挙げることができる。耐酸性被膜は、リード線本体111に化成処理を施すことで形成可能である。
図2では、表面処理層112は、リード線本体111の表面の一部に形成されているが、表面処理層112は、リード線本体111の表面の全領域に形成されていてもよい。なお、電極リード線は、表面処理層が形成されていなくてもよい。
封止フィルム1は水素結合性樹脂を含む。そのため、電解液中にフッ化水素が含まれている場合、このフッ化水素の少なくとも一部は、水素結合性樹脂との水素結合によって封止フィルム1に捕捉される。したがって、電極リード線11に対するフッ化水素の影響を低減し、電極リード線11の劣化を抑えることができる。よって、電極リード線11に対する封止フィルム1の接着強度低下を抑制できる。
封止フィルム1は、第1接着層2と、基材層4と、第2接着層3とを備える。そのため、構成材料の選択によって、各層に異なる特性を与えることができる。よって、基材層4によって電解液耐性および耐熱性を高め、かつ接着層2,3によって電極リード線11および収容容器に対する接着性を高めることができる。
水素結合性樹脂が基材層4にのみ含まれる場合には、接着層2,3において、接着強度の点で優れた材料の比率を高めることができるため、電極リード線11および収容容器に対する接着性を高めることができる。
電極リード線部材10は、封止フィルム1を備えるため、封止フィルム1と電極リード線11との接着強度低下を抑制できる。
<電池>
図3は、実施形態の電池100を示す概略斜視図である。
図3に示すように、電池100は、上述した電極リード線部材10と、収容容器20と、リチウムイオン電池30(電池本体)とを有する。
収容容器20は、容器本体21と蓋22とを有する。
容器本体21は、電池外装用積層体を絞り成形して得られる。容器本体21は、リチウムイオン電池30を収容する凹部を形成する成形部21aを有する。電池外装用積層体については後述する。蓋22は、電池外装用積層体で構成され、容器本体21と同等の平面視面積を有する。
収容容器20は、容器本体21と蓋22とを重ね合わせ、周縁部25をヒートシールして形成される。
図4は、図3の線分I-Iにおける矢視断面図である。
図4に示すように、容器本体21と蓋22との構成材料である電池外装用積層体は、第1フィルム基材201、第2フィルム基材202、金属箔203、シーラント層204がこの順で積層された積層体である。
第1フィルム基材201および第2フィルム基材202を構成する樹脂は、特に制限はないが、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、フェノール樹脂、ポリプロピレン等が好適である。
金属箔203としては、アルミニウム箔、ステンレス箔、銅箔、鉄箔などがある。
シーラント層204は、封止フィルム1の第2接着層3と接して熱融着している。シーラント層204を形成する樹脂は、封止フィルム1と融着可能な樹脂が選ばれる。シーラント層204を形成する樹脂としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂が挙げられる。ポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレンの単独重合体、プロピレンとエチレンの共重合体等を用いることができる。ポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等を用いることができる。
図3および図4に示すように、電池100において、電極リード線部材10は、収容容器20の内部(成形部21aの内部)のリチウムイオン電池30から収容容器20の外部に引き出されている。電極リード線11は、封止フィルム1を介して収容容器20のシーラント層204と融着している。
電池100によれば、電極リード線部材10が上述の封止フィルム1を有するため、フッ化水素による電極リード線11の劣化を抑制し、封止フィルム1と電極リード線11との接着強度低下を抑制できる。よって、信頼性が高い電池100を実現できる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
図1に示す封止フィルム1は、第1接着層2(第1の熱可塑性樹脂層)、第2接着層3(第2の熱可塑性樹脂層)、および基材層4(第3の熱可塑性樹脂層)のうち、基材層4のみが水素結合性樹脂を含むが、封止フィルムは、図1の構成に限定されない。
水素結合性樹脂は、第1~第3熱可塑性樹脂層のうち少なくとも1つに含まれていればよい。水素結合性樹脂は、いずれの熱可塑性樹脂層に含まれていてもよい。例えば、第1接着層2、第2接着層3、基材層4のうち、第1接着層2のみに水素結合性樹脂が含まれていてもよいし、第2接着層3のみに水素結合性樹脂が含まれていてもよい。
水素結合性樹脂は、第1接着層2、第2接着層3、基材層4のうち2つのみに含まれていてもよい。例えば、第1接着層2と第2接着層3に水素結合性樹脂が含まれていてもよいし、第1接着層2と基材層4に水素結合性樹脂が含まれていてもよいし、第2接着層3と基材層4に水素結合性樹脂が含まれていてもよい。
水素結合性樹脂は、第1接着層2、第2接着層3、基材層4のすべてに含まれていてもよい。
水素結合性樹脂の添加量は、図1に示す封止フィルム1において例示した添加量を採用できる。
封止フィルムは、水素結合性樹脂が第1~第3熱可塑性樹脂層のうち少なくとも1つに含まれているため、電解液中にフッ化水素が含まれている場合、電解液中のフッ化水素の少なくとも一部は、水素結合性樹脂との水素結合によって封止フィルムに捕捉される。よって、電極リード線に対する封止フィルムの接着強度低下を抑制できる。
「熱可塑性樹脂層は水素結合性樹脂を含む」は、熱可塑性樹脂層が水素結合性樹脂のみで構成される場合を含む。
水素結合性樹脂は、水素結合可能な構造を含むモノマーの単独重合体に限らず、水素結合可能な構造を含むモノマーと、水素結合可能な構造を含まないモノマーとの共重合体であってもよい。
図1に示す封止フィルム1は、第1接着層2と、第2接着層3と、基材層4とを備えるが、実施形態の封止フィルムは、この構造に限定されない。
図5は、他の実施形態の封止フィルムを示す概略断面図である。
図5に示す封止フィルム401は、第1接着層102(第1の熱可塑性樹脂層)と、第2接着層103(第2の熱可塑性樹脂層)とを備えた2層構造とされている。図1に示す封止フィルム1と共通の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
第1接着層102の構成材料は、図1に示す封止フィルム1において、第1接着層2の構成材料として例示された材料であってよい。第2接着層103の構成材料は、図1に示す封止フィルム1において、第2接着層3の構成材料として例示された材料であってよい。
第1接着層102と第2接着層103のいずれか一方または両方には、水素結合性樹脂が添加される。水素結合性樹脂の添加量は、図1に示す封止フィルム1において例示された添加量を採用できる。
封止フィルム401は、水素結合性樹脂を含むため、電極リード線11に対する接着強度低下を抑制できる。
図6は、さらに他の実施形態の封止フィルムを示す概略断面図である。
図6に示す封止フィルム501は、単層構造とされている。図1に示す封止フィルム1と共通の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
封止フィルム501は、1つの熱可塑性樹脂層で構成される。封止フィルム501の構成材料は、図1に示す封止フィルム1において、第1接着層2または第2接着層3の構成材料として例示された材料であってよい。
封止フィルム501には、水素結合性樹脂が添加される。水素結合性樹脂の添加量は、図1に示す封止フィルム1において例示された添加量を採用できる。
封止フィルム501は、水素結合性樹脂を含むため、電極リード線11に対する接着強度低下を抑制できる。
第1接着層および第2接着層は、ポリオレフィン以外の樹脂を含んでいてもよい。また、封止フィルムは、第1接着層、基材層および第2接着層以外の層を含んでいてもよい。
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
<封止フィルムの作製>
(実施例1)
基材層のみで形成された封止フィルムを、次のようにして作製した。基材層の原料となる樹脂を加熱溶融し、製膜を行うことで封止フィルムを得た。この封止フィルムを帯状(幅15mm、厚さ100μm)に形成した。
封止フィルム(基材層)は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(融点140℃)とナイロン6(融点225℃)との混合物で構成される。無水マレイン酸変性ポリプロピレンは、プロピレンとエチレンとのランダム共重合体に無水マレイン酸をグラフト重合した重合体である。ナイロン6は、アミド結合原子群を含むため、水素結合性樹脂である。封止フィルム全体におけるナイロン6の添加量は0.2質量%である。
(実施例2,4~8)
第1接着層、基材層、および第2接着層がこの順に積層された封止フィルムを、次のようにして作製した。各層の原料となる樹脂をそれぞれ別々に加熱溶融し、同時多層押出成形が可能な押出機を用いて同時多層製膜を行うことで積層体(封止フィルム)を得た。この積層体を帯状(幅15mm、厚さ100μm)に形成した。
第1接着層、基材層、および第2接着層の構成材料は以下のとおりである。
第1接着層:無水マレイン酸変性ポリプロピレン(融点140℃)
基材層:ポリプロピレンICP(融点161℃)とナイロン6(融点225℃)との混合物
第2接着層:プロピレンとエチレンとのランダム共重合体(融点140℃)
無水マレイン酸変性ポリプロピレンは、実施例1で用いた無水マレイン酸変性ポリプロピレンと同様である。
ポリプロピレンICPは、第1相のなかに第2相が分散する構造(海島構造)を有する。第1相は、ホモPPで構成される。第2相は、エチレンプロピレンラバーとポリエチレンとを含む。
第1接着層の厚さは10μmである。基材層の厚さは50μmである。第2接着層の厚さは40μmである。
実施例2では、封止フィルム全体におけるナイロン6の添加量は0.2質量%である。基材層におけるナイロン6の添加量は0.4質量%である。
実施例4では、封止フィルム全体におけるナイロン6の添加量は1質量%である。基材層におけるナイロン6の添加量は2質量%である。
実施例5では、封止フィルム全体におけるナイロン6の添加量は5質量%である。基材層におけるナイロン6の添加量は10質量%である。
実施例6では、封止フィルム全体におけるナイロン6の添加量は10質量%である。基材層におけるナイロン6の添加量は20質量%である。
実施例7では、封止フィルム全体におけるナイロン6の添加量は20質量%である。基材層におけるナイロン6の添加量は40質量%である。
実施例8では、封止フィルム全体におけるナイロン6の添加量は30質量%である。基材層におけるナイロン6の添加量は60質量%である。
(実施例3,9)
第1接着層、基材層、および第2接着層がこの順に積層された封止フィルムを、次のようにして作製した。第1接着層、基材層、および第2接着層の構成材料は以下のとおりである。
第1接着層:無水マレイン酸変性ポリプロピレン(融点140℃)とナイロン6との混合物
基材層:ポリプロピレンICP(融点161℃)とナイロン6との混合物
第2接着層:プロピレンとエチレンとのランダム共重合体(融点140℃)とナイロン6との混合物
実施例3では、封止フィルム全体におけるナイロン6の添加量は1質量%である。第1接着層、基材層、および第2接着層におけるナイロン6の添加量はそれぞれ1質量%である。その他の条件は実施例2と同様である。
実施例9では、封止フィルム全体におけるナイロン6の添加量は30質量%である。第1接着層、基材層、および第2接着層におけるナイロン6の添加量はそれぞれ30質量%である。その他の条件は実施例2と同様である。
(実施例10)
第1接着層と第2接着層とが積層された封止フィルムを、次のようにして作製した。第1接着層および第2接着層の構成材料は以下のとおりである。
第1接着層:無水マレイン酸変性ポリプロピレン(融点140℃)とナイロン6との混合物
第2接着層:プロピレンとエチレンとのランダム共重合体(融点140℃)とナイロン6との混合物
第1接着層の厚さは20μmである。第2接着層の厚さは80μmである。封止フィルム全体におけるナイロン6の添加量は30質量%である。第1接着層および第2接着層におけるナイロン6の添加量はそれぞれ30質量%である。その他の条件は実施例3と同様である。
(比較例1)
基材層にナイロン6を添加しないこと以外は実施例2と同様にして封止フィルムを作製した。封止フィルム全体におけるナイロン6の添加量は0質量%である。
(参考例1)
基材層におけるナイロン6の添加量を0.1質量%としたこと以外は実施例1と同様にして封止フィルムを作製した。封止フィルム全体におけるナイロン6の添加量は0.1質量%である。
(参考例2)
基材層におけるナイロン6の添加量を0.2質量%としたこと以外は実施例2と同様にして封止フィルムを作製した。封止フィルム全体におけるナイロン6の添加量は0.1質量%である。
(参考例3)
基材層におけるナイロン6の添加量を80質量%としたこと以外は実施例2と同様にして封止フィルムを作製した。封止フィルム全体におけるナイロン6の添加量は40質量%である。
<電極リード線の作製>
リード線本体と、リード線本体の表面に形成された表面処理層とを有する電極リード線を作製した。リード線本体としては、幅45mm×長さ52mmの矩形状のニッケルめっき銅箔を用いた。
<試験1:電極リード線に対する接着強度の測定(非浸漬)>
電極リード線に対する封止フィルムの接着強度を次のようにして測定した。この試験は、測定用検体を電解液に浸漬(後述)しないため、「非浸漬」条件の試験である。
封止フィルムと電極リード線とを重ね合わせ、ヒートシールにより接着して測定用検体を得た。ヒートシールの条件は、180℃、0.5MPa、10秒間とした。
この測定用検体について、試験機(株式会社島津製作所製の卓上形精密万能試験機:オートグラフAGS-500NX)を用いて、180度剥離強度(接着強度)を次のようにして測定した。
封止フィルムの端部と、電極リード線の端部とを試験機の把持部で把持し、180度剥離となるように、封止フィルムを電極リード線から剥離させた。剥離速度は50mm/minとした。
測定結果を表1に示す。
<試験2:電極リード線に対する接着強度の測定(浸漬後)>
電極リード線に対する封止フィルムの接着強度を次のようにして測定した。この試験は、測定用検体を電解液に浸漬した後に測定を行うため、「浸漬後」条件の試験である。
電池外装用積層体を用いて包装袋を作製し、その中に、LiPFを1.0mol/リットル含む電解液(DMC:EMC:EC(体積基準)=4:3:3)を入れた。電解液には、純水を0.2質量%(2000ppm)添加した。
この包装袋に、前述の試験1と同様にして作製した測定用検体を入れ、電解液に浸漬させた。測定用検体を入れた包装袋を85℃のオーブンに1日間保管した後、試験1と同様にして180度剥離強度(接着強度)を測定した。
試験1および試験2において、接着強度が1N/mm以上となった場合を「良」と判定した。接着強度が1N/mm未満となった場合を「低」と判定した。結果を表1に示す。
<機械的強度の測定>
封止フィルムの機械的強度を次のようにして測定した。
実施例および比較例のフィルムを用いて、JIS K7127に規定されたタイプ5のダンベル状の試験片を作製した。この試験片について、JIS K7127に従い、島津製作所社製の卓上形精密万能試験機オートグラフAGS-Xを用いて引張試験を行った。チャック間距離は80mmとした。試験速度(引張速度)は500mm/minとした。試験環境は、温度23℃、湿度50%RHとした。
切断時の引張強度(破断強度)が25MPa以上となった場合を「良」と判定した。破断強度が25MPa未満となった場合を「低」と判定した。結果を表1に示す。
表1には、各層におけるナイロン6(水素結合性樹脂)の添加量[質量%]と、当該層の厚さ[μm]との積(水素結合性樹脂の添加量×厚さ)[質量%・μm]、および、封止フィルム全体の水素結合性樹脂添加量 [質量%]を併せて示す。
Figure 0007093898000004
表1に示すように、実施例1~10では、非浸漬、浸漬後のいずれも高い接着強度が得られた。実施例1~10は、機械的強度も高い値を示した。
これに対し、水素結合性樹脂を含まない比較例1では、電解液に浸漬させた後の接着強度が低くなった。水素結合性樹脂の添加量が低い参考例1,2では、電解液に浸漬させた後の接着強度が低くなった。水素結合性樹脂の添加量が多い参考例3では、機械的強度が低くなった。
1,401,501…封止フィルム、2…第1接着層(第1の熱可塑性樹脂層)、3…第2接着層(第2の熱可塑性樹脂層)、4…基材層(第3の熱可塑性樹脂層)、10…電極リード線部材、11…電極リード線、100…電池。

Claims (10)

  1. 電池本体と電気的に接続される電極リード線と、前記電池本体を収容する収容容器との間を封止する封止フィルムであって、
    1または複数の熱可塑性樹脂層を備え、
    少なくとも1つの前記熱可塑性樹脂層は、分子中に水素結合可能な構造を有する水素結合性樹脂を含み、前記水素結合性樹脂は、ポリアミド系樹脂である、封止フィルム。
  2. 前記熱可塑性樹脂層は、複数設けられ、
    複数の前記熱可塑性樹脂層は、
    前記電極リード線に接着する第1接着層である第1の熱可塑性樹脂層と、
    前記収容容器に接着する第2接着層である第2の熱可塑性樹脂層と、
    前記第1接着層と前記第2接着層との間に設けられた基材層である第3の熱可塑性樹脂層と、を含み、
    前記水素結合性樹脂は、前記第1~第3の熱可塑性樹脂層のうち少なくとも1つに含まれる、請求項1記載の封止フィルム。
  3. 前記第1の熱可塑性樹脂層は、酸変性ポリオレフィンを含む、請求項2記載の封止フィルム。
  4. 前記水素結合性樹脂は、前記第1の熱可塑性樹脂層に含まれる、請求項2または3に記載の封止フィルム。
  5. 前記水素結合性樹脂は、前記第3の熱可塑性樹脂層に含まれる、請求項2~4のうちいずれか1項に記載の封止フィルム。
  6. 前記第1の熱可塑性樹脂層は、前記酸変性ポリオレフィンを50質量%以上含む、請求項3記載の封止フィルム。
  7. 前記第3の熱可塑性樹脂層は、酸変性ポリオレフィンを10質量%以上含む、請求項2~6のうちいずれか1項に記載の封止フィルム。
  8. 前記封止フィルム全体における前記水素結合性樹脂の添加量は、0.2質量%以上30質量%以下である、請求項1~7のうちいずれか1項に記載の封止フィルム。
  9. 請求項1~のうちいずれか1項に記載の封止フィルムと、
    一方向に延在する前記電極リード線と、を備える電極リード線部材。
  10. 請求項に記載の電極リード線部材を備える電池。
JP2022011959A 2021-09-24 2022-01-28 封止フィルム、電極リード線部材および電池 Active JP7093898B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022011959A JP7093898B1 (ja) 2021-09-24 2022-01-28 封止フィルム、電極リード線部材および電池

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021155742 2021-09-24
JP2022011959A JP7093898B1 (ja) 2021-09-24 2022-01-28 封止フィルム、電極リード線部材および電池

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021155742 Division 2021-09-24 2021-09-24

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP7093898B1 true JP7093898B1 (ja) 2022-06-30
JP2023047258A JP2023047258A (ja) 2023-04-05

Family

ID=87890886

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022011959A Active JP7093898B1 (ja) 2021-09-24 2022-01-28 封止フィルム、電極リード線部材および電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7093898B1 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002358938A (ja) 2001-05-30 2002-12-13 Mitsubishi Chemicals Corp 電 池
WO2012020721A1 (ja) 2010-08-11 2012-02-16 大倉工業株式会社 端子接着用テープの製造方法、および端子接着用テープ
JP2016184546A (ja) 2015-03-26 2016-10-20 大日本印刷株式会社 金属端子用接着性フィルム
JP2017059523A (ja) 2015-09-17 2017-03-23 藤森工業株式会社 電池外装用積層体、電池外装体及び電池
JP2019212630A (ja) 2019-07-19 2019-12-12 藤森工業株式会社 非水系電池外装用積層体

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002358938A (ja) 2001-05-30 2002-12-13 Mitsubishi Chemicals Corp 電 池
WO2012020721A1 (ja) 2010-08-11 2012-02-16 大倉工業株式会社 端子接着用テープの製造方法、および端子接着用テープ
JP2016184546A (ja) 2015-03-26 2016-10-20 大日本印刷株式会社 金属端子用接着性フィルム
JP2017059523A (ja) 2015-09-17 2017-03-23 藤森工業株式会社 電池外装用積層体、電池外装体及び電池
JP2019212630A (ja) 2019-07-19 2019-12-12 藤森工業株式会社 非水系電池外装用積層体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2023047258A (ja) 2023-04-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10121995B2 (en) Battery packaging material
JP7105114B2 (ja) タブリード用フィルム、及びこれを用いたタブリード
JP2013054840A (ja) 電池用外装材及びリチウム二次電池
CN111279511B (zh) 极耳引线用膜、以及采用该极耳引线用膜的极耳引线
KR20210152969A (ko) 파우치 필름 적층체, 파우치 형 전지 케이스 및 파우치 형 이차 전지
JP2013093182A (ja) 電気化学セル用包装材料
JP7093898B1 (ja) 封止フィルム、電極リード線部材および電池
WO2023048242A1 (ja) 封止フィルム、電極リード線部材および電池
WO2021241560A1 (ja) 封止フィルム、電極リード線部材および電池
WO2021261478A1 (ja) 封止フィルム、電極リード線部材および電池
JP4397445B2 (ja) ポリマー電池用外装体
JP6038600B2 (ja) 電池外包材用シーラントフィルムとその製造方法
JP2021197226A (ja) 封止フィルム、電極リード線部材および電池
WO2021246472A1 (ja) 封止フィルム、電極リード線部材および電池
JP7160048B2 (ja) 樹脂成形体およびタブリード
WO2024218886A1 (ja) 封止フィルム、電極リード線部材および電池
KR20180057926A (ko) 내화학성 및 성형성이 우수한 셀 파우치
JP2023110360A (ja) 封止フィルム、電極リード線部材および電池
JP4381766B2 (ja) 絶縁用シールフィルム、その製造方法、および包装体の製造方法
WO2024161293A1 (ja) 封止フィルム、金属端子、電池、及び装置
WO2024185832A1 (ja) 蓄電デバイス、バリア性フィルム、蓋ユニット、蓋ユニットの製造方法
WO2023153301A1 (ja) 非水電解質電池用リード線、絶縁膜及び非水電解質電池
JP2022182409A (ja) 端子用樹脂フィルム、及びそれを用いた蓄電デバイス
JP2021140941A (ja) 封止フィルム、電極リード線部材及び電池
CN118541859A (zh) 非水电解质电池用引线、绝缘膜以及非水电解质电池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220128

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20220202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220308

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220509

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220524

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220620

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7093898

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150