JP7093710B2 - 放射性物質収容容器、放射性物質収容容器用フィルター - Google Patents
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このように、収容容器に収容した遮蔽容器や廃棄物等を、後で取り出す可能性がある場合、収納容器は、開閉可能な構成とする必要がある。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、放射性物質の封止性を高めることができる放射性物質収容容器、放射性物質収容容器用フィルターを提供することを目的とする。
この発明の第一態様によれば、放射性物質収容容器は、放射性物質を収容するとともに開口部を有する容器本体と、前記容器本体の前記開口部を覆う蓋部と、前記蓋部を前記容器本体に固定する締結部と、前記開口部の縁部に沿って延びるとともに、前記蓋部と前記容器本体との境界部に設けられたエアフィルターと、を備える。
このように構成することで、蓋部と容器本体と間に隙間が生じた場合、予め定められた粒径以上の放射性物質をエアフィルターで捕捉することができる。
このように構成することで、フィルター本体の外周部に設けられた枠体を、蓋部及び容器本体に当接させて、エアフィルターを蓋部と容器本体との境界部に設けることができる。
このように構成することで、付勢部材によって、エアフィルターが容器本体の開口部の縁部や蓋部に押し付けられる。これにより、容器本体及び蓋部との密着度を高めることができる。
このように構成することで、付勢部材とエアフィルターとの接触面積を少なくし、付勢部材によってエアフィルターへの気体の通過が妨げられることを抑えることができる。
このように構成することで、第一蓋体と容器本体との隙間を通過した放射性物質をエアフィルターで捕捉することができる。したがって、第一蓋体と第二蓋体とを備えて二重構造とされた放射性物質収容容器の封止性を、さらに高めることができる。
このように構成することで、外周部が第二蓋体と容器本体との間に挟み込まれたエアフィルターによって、第一蓋体と容器本体との隙間を通過した放射性物質をより効果的に捕捉することができる。
このように構成することで、放射性物質収容容器を落下させたり倒したりしたとき等に、シール材の部分で容器本体と蓋部との間に隙間が生じても、エアフィルターによって放射性物質の漏出を抑えることができる。
(第一実施形態)
図1は、ここの発明の一実施形態における放射性物質収容容器の全体構成を示す断面図である。図2は、上記放射性物質収容容器の要部の構成を示す拡大断面図である。
図1に示すように、この実施形態の放射性物質収容容器1Aは、容器本体10と、蓋部20Aと、エアフィルター40Aと、を主に備える。
容器本体10は、その上端面10tに、周方向に間隔をあけて複数の雌ネジ孔10hを有している。
このようにして、第一蓋体21は、容器本体10の開口部13を気密に閉じている。
このようにして、第二蓋体22は、容器本体10の開口部13を気密に閉じている。
枠体42は、フィルター本体41の外周部に設けられている。枠体42は、樹脂系材料、金属系材料等からなる。枠体42は、例えば、籠状等に形成されて、フィルター本体41を所定の形状に保持する。
次に、この発明に係る放射性物質収容容器、放射性物質収容容器用フィルターの第二実施形態について説明する。以下に説明する第二実施形態においては、第一実施形態とエアフィルターの構成のみが異なるので、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
図3に示すように、この実施形態の放射性物質収容容器1Bは、容器本体10と、蓋部20Bと、エアフィルター40Bと、を主に備える。
第二蓋体22Bの第二蓋体下部22bには、フィルター収容溝25が形成されている。フィルター収容溝25は、第二蓋体下部22bの外周面から径方向内側に窪むように形成されている。フィルター収容溝25は、容器本体10の周方向に連続して形成されている。
第二蓋体22Bは、締結部材30としての複数本の第二蓋体締結ボルト32により容器本体10に固定されている。
さらに、エアフィルター40Bは、付勢部材45A、45Bによって、容器本体10や蓋部20Bに押し付けられている。これにより、容器本体10及び蓋部20Bとの密着度が高められている。
上記第二実施形態において、エアフィルター40Bに波状の付勢部材45A、45Bを備えるようにしたが、これに限らない。
図7は、この発明の第二実施形態の変形例における放射性物質収容容器の要部の構成を示す拡大断面図である。図8は、上記放射性物質収容容器に設けられたエアフィルターの一部を示す平面図である。
図7、図8に示すように、放射性物質収容容器1Bは、エアフィルター40Bに、付勢部材45C、45Dを備える。付勢部材45Cは、エアフィルター40Bの内側フランジ部40eの径方向内側に設けられている。付勢部材45Dは、エアフィルター40Bの筒状部40dの軸線O方向下側に設けられている。付勢部材45C、45Dは、板状のバネ材46C、46Dからなり、例えば断面視略J字状に湾曲形成されている。付勢部材45Cは、エアフィルター40Bの内側フランジ部40eに基端部が接合されている。付勢部材45Cは、エアフィルター40Bから離間する径方向内側(境界部K2から離間する側)に斜めに延び、その先端部が径方向外側に向かってJ字状に折り返されている。このような付勢部材45Cは、図8中に矢印Yで示すように、エアフィルター40Bの内側フランジ部40eを径方向外側、すなわち容器本体10と第二蓋体22Bとの境界部K2側に押圧する。付勢部材45Dは、エアフィルター40Bの筒状部40dに基端部が接合されている。付勢部材45Dは、エアフィルター40Bから離間する軸線O方向下側(境界部K2から離間する側)に斜めに延び、その先端部がJ字状に折り返されている。このような付勢部材45Dは、エアフィルター40Bの筒状部40dを、容器本体10の軸線O方向で第二蓋体22B側、すなわち容器本体10と第二蓋体22Bとの境界部K2側に押圧する。
次に、この発明に係る放射性物質収容容器、放射性物質収容容器用フィルターの第三実施形態について説明する。以下に説明する第三実施形態においては、第一、第二実施形態とエアフィルターの構成のみが異なるので、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
図9に示すように、この実施形態の放射性物質収容容器1Cは、容器本体10Cと、蓋部20Cと、エアフィルター40Cと、を主に備える。
第二蓋体22Cは、下面側に、周方向に連続する段部27を有する。段部27は、第二蓋体22Cの外周面から径方向内側に窪むように形成されている。これにより、段部27よりも下方の第二蓋体下部22fの外径に対し、段部27よりも上方の第二蓋体上部22gの外径が大きい。言い換えると、第二蓋体下部22fに対し、第二蓋体上部22gの外周部が径方向外側に張り出している。また、段部27は、容器本体10Cの上端面10tに突き当たる突き当たり面27aを有する。
このようにして、エアフィルター40Cは、容器本体10Cと第二蓋体22Cとの境界部K3に設けられている。
この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な形状や構成等は一例にすぎず、適宜変更が可能である。
この図10に示すように、放射性物質収容容器1Dのエアフィルター40Dは、容器本体10Dの上端面(縁部)10tに形成された容器側溝10mと、蓋部20Dの第二蓋体22Dの下面に形成された蓋側溝22mとに嵌め込まれている。このようなエアフィルター40Dは、蓋部20Dの第二蓋体22Dと容器本体10Dとの境界部K4に設けられている。境界部K4は、放射性物質収容容器1Dの内側において、容器本体10Dと第二蓋体22Dとが互いに突き当たる部分を指す。
この図11に示すように、放射性物質収容容器1Eのエアフィルター40Eは、蓋部20Eの第二蓋体22Eの外周面と、容器本体10Eの上部周壁部15との間に設けられているようにしてもよい。このようなエアフィルター40Dは、第二蓋体22Eと容器本体10Eとの境界部K5に設けられている。
10、10C、10D、10E 容器本体
10h 雌ネジ孔
10m 容器側溝
10t 上端面(縁部)
11 底板部
12 周壁部
12f 内周面
13 開口部
13e 内周縁(縁部)
14 拡径段部
14a 段差面
14h 雌ネジ孔
15 上部周壁部
16、16C フィルター保持段部
16a、16d フィルター保持面
20A~20E 蓋部
21 第一蓋体
21b 第一蓋体下部
21c 第一蓋体上部
21h ボルト挿通孔
22、22B、22C、22D、22E 第二蓋体
22b、22f 第二蓋体下部
22c、22g 第二蓋体上部
22h ボルト挿通孔
22m 蓋側溝
23 係合段部
23a 突き当たり面
24 係合段部
24a 突き当たり面
25 フィルター収容溝
27 段部
27a 突き当たり面
28 フィルター収容溝
30 締結部材
31 第一蓋体締結ボルト(締結部)
32 第二蓋体締結ボルト(締結部)
40A~40E エアフィルター
40b、40d 筒状部
40c、40e 内側フランジ部
41 フィルター本体
42 枠体
45A~45D 付勢部材
46A~46D バネ材
61 第一シール材
62 第二シール材(シール材)
100 収容物
K1~K5 境界部
S 隙間
Claims (9)
- 放射性物質を収容するとともに開口部を有する容器本体と、
前記容器本体の前記開口部を覆う蓋部と、
前記蓋部を前記容器本体に固定する締結部と、
前記開口部の縁部に沿って延びるとともに、前記蓋部と前記容器本体との境界部に設けられたエアフィルターと、
を備える放射性物質収容容器。 - 前記エアフィルターは、予め定められた粒径以上の物質の通過を阻止し、気体のみを通過させる
請求項1に記載の放射性物質収容容器。 - 前記エアフィルターは、フィルター本体と、前記フィルター本体の外周部に設けられた枠体と、を備える
請求項1又は2に記載の放射性物質収容容器。 - 前記容器本体及び前記蓋部との間で、前記エアフィルターを、前記開口部の縁部、及び前記蓋部の少なくとも一方に向かって付勢する付勢部材を備える
請求項1から3の何れか一項に記載の放射性物質収容容器。 - 前記付勢部材は、線状又は板状のバネ材からなる
請求項4に記載の放射性物質収容容器。 - 前記蓋部は、
前記容器本体の開口部に設けられ、前記開口部を覆う第一蓋体と、
前記第一蓋体に対して間隔をあけて設けられ、前記開口部を覆う第二蓋体と、を備え、
前記エアフィルターは、前記第一蓋体と前記第二蓋体との間に配置されている
請求項1から5の何れか一項に記載の放射性物質収容容器。 - 前記エアフィルターは、前記第一蓋体の外径よりも大きな外径寸法を有し、
前記エアフィルターの外周部は、前記第二蓋体と前記容器本体との間に挟み込まれている
請求項6に記載の放射性物質収容容器。 - 前記エアフィルターとは異なる位置で前記容器本体と前記蓋部との間に挟み込まれたシール材を備える
請求項1から7の何れか一項に記載の放射性物質収容容器。 - 放射性物質を収容する容器本体の開口部と前記開口部を塞ぐ蓋部との境界部に設けられ、
前記開口部の縁部に沿って延びる環状で、予め定められた粒径以上の物質の通過を阻止し、気体のみを通過させるフィルター本体と、
前記フィルター本体の外周部に設けられた枠体と、
を備える放射性物質収容容器用フィルター。
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