JP7093546B2 - 不要電波抑制方法および電波暗室 - Google Patents

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Description

本発明は、電波暗室のシールド空間内で放射したレーダー波が被検知体に当たらないで、被検知体の検知精度を落とすような不要電波となることを抑制する不要電波抑制方法と、この不要電波抑制方法を適用した電波暗室に関する。
近年、IoT社会の実現に向けて、様々な技術の研究開発が進められており、その一つとしてレーダー技術がある。レーダー技術とは、電波を使って物体を検知する技術であり、例えば、自動車の衝突防止や自動運転などを実現する技術として期待されている。すなわち、自動車に取り付けられたレーダー(車載レーダー)を用いて、車体の周辺にある物体の大きさや距離を正確に検知し、物体との衝突を回避するように走行方向を変えたり、停車したりするのである。
車載レーダーの使用周波数帯として、現在は、24GHz帯、76GHz帯、79GHz帯が割り当てられている。このうち、最も高分解能なのはミリ波帯に含まれる79GHz帯(78~81GHz)を用いたレーダーシステムであり、今後は、その帯域4GHzをフル活用したシステムの普及が予想されている。
レーダーの性能指標の一つとして、「どれだけ小さな物体を検知することができるか?」、すなわち、「レーダー反射断面積(RCS)が、どこまで小さくても検知できるか?」という指標がある。RCSが小さな物体であっても、確実に検知できることは、レーダー装置の製品としての一つの大きな特長となり得るのである。なお、この特長は、車載レーダーに限らず、空港の滑走路上の金属片を検知する障害物監視システムや上空を飛ぶ鳥を検知するシステム、鉄道の線路上の障害物(石や小動物)を監視するシステムにおいても有用である。
開発したレーダー装置が持つ検知能力について評価するとき、外部からの電磁波の影響を受けないようにシールドされた電波暗室が用いられる。電波暗室で行うレーダー装置の評価実験では、レーダー波を被検知体に照射し、RCSの小さな被検知体から戻ってくる弱い反射波を検知するのであるが、被検知体のRCSが小さいと、電波暗室内での反射波が問題となってしまう。これは、電波暗室の内壁に設ける電波吸収体には、適応できる周波数範囲と減衰量が決まっているため、評価対象のレーダー装置で用いるレーダー波の吸収性が十分で無いからである。
上述したミリ波帯のレーダー装置の評価を行える電波暗室として、VHF帯からマイクロ波帯用に設計されている測定室の一部に突出壁を設け、この突出壁の背面および扉にミリ波帯の電波を吸収する電波吸収体を設けたものがある(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載の電波暗室では、ミリ波帯の被検知体の評価あるいは測定を行う場合、突出壁の扉を開放してミリ波帯の電波を吸収する電波吸収体を露出させ、送受信アンテナから被検知体に向けて送信したミリ波帯の電波が突出壁内部へ照射されるようにする。斯くすれば、送受信アンテナは被検知体からの反射波のみを受信し、被検知体を通り過ぎたミリ波帯の電波は突出壁内の電波吸収体によって吸収され、送受信アンテナ側へ戻らないため、被検知体を高精度に評価あるいは測定することが可能となる。
特開2008-153475号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された発明では、ミリ波帯の電波を突出壁内の電波吸収体によって吸収させるという原理上、どうしても電波吸収体の適応周波数範囲と減衰性能に依拠することとなる。したがって、特許文献1に記載の電波暗室が、評価対象のレーダー装置で用いるレーダー波に好適な電波吸収性能を発揮できなければ、被検知体の背面側にある電波吸収壁で十分に吸収されず、反射して不要電波となり、送受信アンテナ側へ戻る可能性がある。
特許文献1に記載の電波暗室の内壁で十分に吸収できなかったミリ波のレーダー波が反射して送受信アンテナ側へ戻る反射波は微弱であり、通常なら問題になるほどの不要電波として扱われないレベルかもしれない。しかしながら、RCSの小さな被検知体に当たってレーダー装置へ戻る検知用の反射波そのものが極めて微弱であるから、被検知体の背面側にある電波吸収壁で反射された不要な反射波が微弱であっても、検知波に対するノイズとしては無視できないのである。このように、被検知体のRCSが小さければ小さいほど、不要な反射波が大きな問題となるので、レーダー装置の検出限界を評価する電波暗室として、被検知体の検知に関わらない不要電波を効率良く抑制できる技術が求められる。
なお、電波暗室の内壁に設ける電波吸収体として、極めて吸収性能の高い素材や構造体が開発される可能性はあるが、現時点で十分な性能を満たすものは無い。また、被検知体の背面側となる壁面(電波吸収壁)までの距離を大きくすると、その伝搬距離によって十分な減衰量を得る事は可能であるが、そのためには、巨大な電波暗室が必要であり、到底現実的ではない。また、信号処理技術(タイムドメイン法など)を用いて電波吸収壁からの反射成分を除去すれば、被検知体からの反射波のみを分離できる。しかしながら、信号分離できるだけの分解能を得るためには、広い周波数範囲でのデータ取得が必要であり、レーダー装置の検査手順が煩雑になるし、極めて弱い受信信号を見分けることも困難である。
そこで、本発明は、被検知体に当たらなかったレーダー波が電波暗室内壁で反射して、被検知体の検知精度を落とすような不要電波となることを抑制する不要電波抑制方法と、この不要電波抑制方法を適用した電波暗室の提供を目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、外来電波の遮断機能と内部電波の吸収機能を備えた電波暗室内に配置された電波放射源より、直線偏波を含むレーダー波を放射し、前記レーダー波の放射方向に被検知体を配置する被検知体配置空間を隔てて電波吸収パネルを配置し、前記電波吸収パネルの電波吸収面は、レーダー波の直線偏波がTM波となる向きで、且つTM波をブリュースター角で入射させるように傾けておき、前記電波吸収パネルの電波吸収面側には、TM波を吸収する電波吸収体を設けることで、レーダー波の直線偏波を吸収して、被検知体配置空間への反射を抑制し、前記被検知体配置空間で被検知体に当たらなかったレーダー波が暗室内壁で反射して不要電波とならないようにしたことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載の不要電波抑制方法において、前記電波放射源は、第1直線偏波成分と、該第1直線偏波成分と直交する第2直線偏波成分を含むレーダー波を放射し、前記電波吸収パネルの電波吸収面は、第1直線偏波成分がTM波となる向きで、且つTM波をブリュースター角で入射させるように傾けておくことで、第1直線偏波成分を吸収し、前記電波吸収パネルの電波吸収面で吸収されずに所定方向へ反射された第2直線偏波成分がTM波となる向きで、且つTM波をブリュースター角で入射させるように、電波吸収面を傾けて電波吸収サブパネルを配置し、前記電波吸収サブパネルの電波吸収面側には、TM波を吸収する電波吸収体を設けることで、前記電波吸収パネルで吸収できずに反射した第2直線偏波成分を吸収するようにしたことを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、前記請求項2に記載の不要電波抑制方法において、前記被検知体配置空間は、前記電波吸収パネルの電波吸収面で吸収されずに所定方向へ反射された第2直線偏波成分の伝搬路を遮らないように制限し、被検知体に第2直線偏波成分が当たって生じた反射波が不要電波とならないようにしたことを特徴とする。
前記課題を解決するために、請求項4に係る発明は、外来電波の遮断機能と内部電波の吸収機能を備えた電波暗室であって、前記電波暗室内に配置され、直線偏波を含むレーダー波を放射する電波放射源と、前記電波放射源と兼用もしくはその近傍に別途配置され、前記レーダー波の反射波を受信可能な電波受信部と、前記電波放射源からレーダー波の放射方向へ所要の距離を隔てて、被検知体を配置する被検知体配置空間が形成されるように配置する電波吸収パネルと、を備え、前記電波吸収パネルの電波吸収面は、レーダー波の直線偏波がTM波となる向きで、且つTM波をブリュースター角で入射するように傾けて配置すると共に、前記電波吸収面側には、TM波を吸収する電波吸収体を設けることで、レーダー波の直線偏波を吸収して、被検知体配置空間への反射を抑制し、被検知体に当たらなかったレーダー波が暗室内壁で反射して不要電波とならないようにしたことを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、前記請求項4に記載の電波暗室において、前記電波放射源が放射するレーダー波は、第1直線偏波成分と、該第1直線偏波成分と直交する第2直線偏波成分を含み、前記電波吸収パネルの電波吸収面は、第1直線偏波成分がTM波となる向きで、且つTM波をブリュースター角で入射させるように傾けて配置し、前記電波吸収パネルの電波吸収面で吸収されずに所定方向へ反射された第2直線偏波成分が伝搬する伝搬路を遮るように電波吸収サブパネルを配置し、前記電波吸収サブパネルの電波吸収面は、前記電波吸収パネルで反射された第2直線偏波成分がTM波となる向きで、且つTM波をブリュースター角で入射させるように傾けて配置すると共に、前記電波吸収面側には、TM波を吸収する電波吸収体を設け、前記電波吸収パネルで吸収できずに反射した第2直線偏波成分を電波吸収サブパネルで吸収するようにしたことを特徴とする。
また、請求項6に係る発明は、前記請求項5に記載の電波暗室において、前記被検知体配置空間は、前記電波吸収パネルの電波吸収面で吸収されずに所定方向へ反射された第2直線偏波成分の伝搬路を遮らないように制限し、被検知体に第2直線偏波成分が当たって生じた反射波が不要電波とならないようにしたことを特徴とする。
本発明に係る不要電波抑制方法および電波暗室によれば、レーダー波の直線偏波がTM波となる向きで、且つTM波をブリュースター角で入射させるように電波吸収パネルを配置するので、レーダー波の直線偏波を電波吸収パネルで吸収できる。よって、被検知体配置空間で被検知体に当たらなかったレーダー波が暗室内壁で反射して不要電波となることを効果的に抑制できる。
(a)は、不要電波抑制機能を備えていない電波暗室の概略構造図である。(b)は、レーダー波を直線偏波(TM波)として受けるように電波吸収パネルを設定した本発明の第1実施形態に係る電波暗室の概略構造図である。 電波吸収パネルの電波吸収板として適用可能な材料1の諸情報で、(a)は入射するレーダー波の周波数と波長を示す特性図、(b)は材料1の厚さと電磁気的特性を示す特性図、(c)は材料1の入射角-反射率特性を示す特性図である。 電波吸収パネルの電波吸収板として適用可能な材料2の諸情報で、(a)は入射するレーダー波の周波数と波長を示す特性図、(b)は材料2の厚さと電磁気的特性を示す特性図、(c)は材料2の入射角-反射率特性を示す特性図である。 電波吸収板に必要な電波吸収面の大きさを説明するもので、(a)はフレネルゾーンを遮るように電波吸収板を直交配置したときの電波伝播経路説明図、(b)はフレネルゾーンを遮るように電波吸収板をブリュースター角θBに傾けて配置したときの電波伝搬経路説明図である。 レーダー波を右旋円偏波(RHCP)とした本発明の第1実施形態に係る電波暗室の概略構造図である。 レーダー波を右旋円偏波(RHCP)とした本発明の第2実施形態に係る電波暗室の概略構造図である。
次に、添付図面に基づいて、本発明に係る不要電波抑制方法を適用した電波暗室の実施形態につき説明する。なお、本発明の説明に先立って、不要電波抑制技術を有していない電波暗室1′の概略構造について、図1(a)に基づき説明する。
電波暗室1′は、外来電波の遮断機能を備えた所要形状の壁体11と、壁体11の各壁部内面に設けられる電波吸収体12を備え、電波暗室1′の内部にはシールド空間13が形成される。シールド空間13は、外部からの電磁波の影響を受けず、外部に電磁波を漏らすこともない。さらに、シールド空間13内部では、電波吸収体12の性能に応じて電磁波を吸収し、電磁波が反射することをある程度抑制できる。
シールド空間13内の適所に配置したレーダー装置2は、レーダー波RWを放射する電波放射源21と、レーダー波RWの反射波RW-rを受信可能な電波受信部22とを備え、レーダー装置2からレーダー波RWの放射方向へ所要の距離を隔てて、被検知体3を配置する。なお、被検知体3を配置できる被検知体配置空間4′は、レーダー波RWの放射方向で、電波吸収体12の配設位置より手前の空間である。この被検知体配置空間4′の任意の場所に被検知体3を配置して構わないが、少なくとも電波受信部22が反射波RW-rを検知できる範囲に制限しておかなければ、RCSが小さな被検知体3の検出限界を探る試験は行えない。
また、レーダー装置2の電波放射源21から被検知体配置空間4′の全域をカバーするように放射されるレーダー波RWの全てが被検知体3に当たることは無く、被検知体3に当たらなかったレーダー波RWは被検知体3の背面側にある暗室内壁へ到達する。被検知体3の背面側内壁にも電波吸収体12が設けられているので、電波吸収体12の性能に応じてレーダー波RWをある程度吸収するが、吸収できずに反射・拡散して被検知体配置空間4′側へ戻り、電波受信部22へ至る不要電波UWが生じる可能性がある。
被検知体3に当たらなかったレーダー波RWから生じた不要電波UW自体は微弱なもので、被検知体3に当たって電波受信部22へ戻ってくる反射波RW-rが相応の受信強度であれば、不要電波UWの影響は無視できる程度に止まる。しかしながら、RCSが小さな被検知体3を検知対象とする場合、検知のための反射波RW-r自体が微弱であるため、不要電波UWの影響を無視できないのである。例えば、RCSが小さな被検知体3を検知対象とした場合、レーダー装置2の電波受信部22では検知のための反射波RW-rを検知できなかったが、不要電波UWを電波受信部22が受信したために、被検知体3の検知に成功したような結果となってしまう。
そこで、本発明の第1実施形態に係る電波暗室1Aでは、暗室内壁に設けた電波吸収体12のみに依存せず、レーダー波RWの直線偏波に応じて調整した不要電波抑制機能を設けることで、不要電波UWの影響を無視できるようにした。すなわち、被検知体3に当たって反射した反射波RW-rのみをレーダー装置2の電波受信部22に入射させることで、不要電波UWの影響を無くせば、RCSが小さな被検知体3の検出限界を探る試験等を行えるのである。以下、本発明の第1実施形態に係る電波暗室1Aを図1(b)に基づき説明する。なお、上述した電波暗室1′と同一の構造には同一符号を付して、説明を省略する。
電波暗室1Aでは、レーダー装置2からレーダー波RWの放射方向であって、被検知体3よりも遠い適所に電波吸収パネル5を配置した。この電波吸収パネル5は、例えば、TM波の吸収に好適な電波吸収材料を平板状に加工した電波吸収板51の一面側に基板52を取り付け、電波吸収板51の他面側を電波吸収面51aとしたものである。なお、電波吸収板51のみで電波吸収パネル5を構成することも可能であるが、電波吸収材料の材質が自重で撓み易いような場合には、硬質の基板52を用いることで保形性を高めることができる。また、電波吸収板51は単一材料に限らず、複数種類の電波吸収材料を積層して構成するようにしても構わない。
上記のように構成した電波吸収パネル5は、レーダー装置2から照射されたレーダー波RWがTM波となる向き(電界Eが電波吸収面51aに直交する向き)で、且つブリュースター角θBで電波吸収面51aへ入射するように傾けて配置しておく。斯くすれば、電波吸収パネル5の電波吸収面51aに到達したレーダー波RW(TM波)の反射率は0%になり、ほぼ全て電波吸収板51内へ透過して行く。すなわち、レーダー装置2から照射されるレーダー波RWが到達し得る主要範囲をカバーする所要面積の電波吸収パネル5により、レーダー波RWをブリュースター角θBで受ければ、不要電波UWが生ずることを防止できる。
なお、電波吸収板51を構成する電波吸収材料は、特に限定されるものではなく、TM波に対してブリュースター角θBの角度特性を持つような電磁気的特性の材料を用いれば良い。図2には材料1の電磁気的特性を、図3には材料2の電磁気的特性をそれぞれ示す。例えば、図2の材料1では、TM波とTE波のどちらでも入射角が0°のときに反射率を-55dB程度に抑えることができる一方、図3の材料2では、TM波とTE波のどちらでも入射角が0°のときに反射率を-28dB程度にしか抑えることができない。これは、材料1と材料2の電波吸収材料としての吸収性能の違いである。
材料1と材料2を電波入射方向に対して傾けて行くと(TM波の磁界Eに平行な軸周りに傾けて行くと)、材料1と材料2のどちらもTM波の反射率が指数関数的に低下する角度がある。これが各材料のTM波に対してのブリュースター角θBであり、材料1では概ね55.8°、材料2では概ね41.2°である。すなわち、材料1を成型した電波吸収板51を用いる場合には、レーダー波RWに対して55.8°傾けることで、電波吸収面51aの機能を最も効率良く発揮できる。同様に、材料2を成型した電波吸収板51を用いる場合には、レーダー波RWに対して41.2°傾けることで、電波吸収面51aの機能を最も効率良く発揮できる。
しかしながら、レーダー装置2からのレーダー波RWに対して、電波吸収パネル5の傾きを正確に55.8°或いは41.2°に調整することは非常に困難である。例えば、電波吸収パネル5の電波吸収面51aでレーダー波RWが反射しても影響を与えない閾値を-60dBに仮定すると、材料1では入射角を概ね44.5°~62.9°の範囲にしておけば、必要十分な不要電波抑止効果を得られる。対して、同条件を仮定した材料2では、入射角を概ね41.0°~41.4°(41.2°±0.2°)の範囲にしなければ、必要十分な不要電波抑止効果を得られない。このように、電波吸収板51の材料として用いる電波吸収材料の選定により、ブリュースター角θBの調整可能範囲も変わってくるので、電波吸収パネル5としての利便性を考慮すると、材料2よりも材料1の方が電波吸収板51用の電波吸収材料として望ましい。また、電波吸収材料としては、必ずしも電波を内部へ透過させる物質に限らず、レーダー波に対する損失が大きな物質を用いて入射波を大きく減衰させ、実質的に反射波を発生させないようにしても構わない。
上述したように、第1実施形態に係る電波暗室1Aにおいては、レーダー装置2からのレーダー波RWがTM波となる向きで、且つブリュースター角θBで入射するように電波吸収パネル5を傾けて配置すれば、不要電波UWの発生を実質的に無くすことができる。不要電波UWの影響を無くせば、レーダー装置2と電波吸収パネル5との間に形成される被検知体配置空間4Aのどこに被検知体3を配置しても、レーダー装置2の電波受信部22は、被検知体3からの反射波RW-rのみを受信することとなる。すなわち、不要電波UWの影響をほぼ完全に排除できるので、RCSが小さな被検知体3を検知対象とし、レーダー装置2の検出限界を探るような試験を行うことが可能となる。また、被検知体配置空間4Aに配置する被検知体3として、評価対象の電波吸収体を配置すれば、その電波吸収体の吸収性能を評価する試験を行うことが可能となる。
なお、電波吸収パネル5によってレーダー装置2からのレーダー波RWを受けるとき、電波吸収板51の面積が電波放射源21からの放射範囲に対して小さいと、当然ながら不要電波抑制機能を発揮できない。レーダー装置2で用いるアンテナは、通常、鋭い指向性を持っているので、電波放射源21の放射径と同程度か、一回り大きい程度の電波吸収板51を用いれば十分である。しかしながら、無指向性で電波が最も広がってしまうようなレーダー波RWを放射するレーダー装置2を用いる場合には、そのレーダー装置2の放射特性に適合した大きさの電波吸収板51を用いる必要がある。以下、無指向性のレーダー装置2に対して不要電波抑制機能を発揮できる電波吸収板51の大きさ(円形の有効面積)の設定手法について、図4に基づき説明する。
一般に、送信機から放射された電波が電力損失なく受信機へ到達するには、ある一定の空間が必要とされている。この空間をフレネルゾーンと呼び、送受信機間の最短距離を中心とした回転楕円体で表される。フレネルゾーンのうち、主にエネルギー伝達に寄与するのが第一フレネルゾーンFZ1である。図4(a)に示すように、レーダー装置2から放射されるレーダー電波の第一フレネルゾーンZ1を、レーダー装置2からの最短距離dにおいて、その放射方向に直交するように電波吸収板51の電波吸収面(一方の面)を配置した場合を考える。
レーダー装置2から放射されたレーダー波RWが、電波吸収板51における電波吸収面の中心へ最短距離で到達する伝播経路を第1電波伝搬経路RP1とする。また、レーダー装置2から放射されたレーダー波RWが、電波吸収板51における電波吸収面の中心から半径aだけ離れた位置へ到達する伝搬経路を第2電波伝搬経路RP2とする。そして、第1電波伝搬経路RP1における往復行路と第2電波伝搬経路RP2における往復行路との差がλ/2未満となる電波伝搬経路から電波吸収板51に当たって反射すると、第1電波伝搬経路RP1の反射波を強めるように作用する。すなわち、第1電波伝搬経路RP1との往復行路差がλ/2未満となる電波放射範囲が、レーダー装置2から放射した電波の主成分となり、主成分の放射範囲(第一フレネルゾーンの外縁に至らない範囲)は、半径aが下式を満たすものである。
Figure 0007093546000001
したがって、上式を満たす半径aの円形範囲をカバーする電波吸収板51を用いれば、反射による不要電波の発生を抑制できる。例えば、周波数79GHz(波長3.8mm)の無指向性レーダー波を用いる場合、最短距離d=3.0mにすると半径aは約7.6cmと求まるから、電波吸収板51の直径を15.2cm以上にすれば、第一フレネルゾーンFZ1の範囲の反射を抑制できる。また、同条件のレーダー波で最短距離d=10.0mにすると半径aは約13.8cmと求まるから、電波吸収板51の直径を27.6cm以上にすれば、第一フレネルゾーンFZ1の範囲の反射を抑制できる。
しかしながら、上述した半径aは、電波の放射方向へ直交するように電波吸収板51を配置する場合であるから、電波吸収板51の構成材料に応じた電波吸収性能の範囲でしか電波を吸収できず、反射波による不要電波の抑制機能を十分に発揮することはできない。そこで、レーダー装置2からの最短距離dの点を通るように配置した電波吸収板51を、レーダー波RWに対するブリュースター角θBまで傾けて配置したとき、電波吸収板51に必要となる有効面積を図4(b)に基づき説明する。
まず、レーダー装置2から放射されて半径aの第一フレネルゾーンFZ1を通り、ブリュースター角θBに傾けた電波吸収板51の電波吸収面に至る伝播経路を第2電波伝搬経路RP2′とする。第1電波伝搬経路RP1と第2電波伝搬経路RP2′との成す角をφとする。ブリュースター角θBに傾けた電波吸収板51の電波吸収面に第1電波伝搬経路RP1と第2電波伝搬経路RP2′で入射する2点間の距離を傾斜時半径a(θB)とする。これらから、下式の関係が成立する。
Figure 0007093546000002
上式を整理すると、傾斜時半径a(θB)は下式により求められる。
Figure 0007093546000003
上式を満たす傾斜時半径a(θB)の円形電波吸収面を備える電波吸収板51を傾斜させて、ブリュースター角θBでレーダー波RWを受けるように配置すれば、反射による不要電波の発生を十分に抑制できる。例えば、周波数79GHz(波長3.8mm)の無指向性レーダー波を用い、そのブリュースター角θBが45゜の場合、最短距離d=3.0mにすると、傾斜時半径a(θB)は下式のように求められる。
Figure 0007093546000004
上式のように、傾斜時半径a(θB)が約11.0cmと求まるから、電波吸収板51の直径を22.0cm以上にすれば、ブリュースター角θBでレーダー波RWを受けるように電波吸収板51を傾斜配置しても、第一フレネルゾーンFZ1の範囲をカバーできる。また、同条件のレーダー波で最短距離d=10.0mにすると、傾斜時半径a(θB)は下式のように求められる。
Figure 0007093546000005
上式のように、傾斜時半径a(θB)が約19.8cmと求まるから、電波吸収板51の直径を39.6cm以上にすれば、ブリュースター角θBでレーダー波RWを受けるように電波吸収板51を傾斜配置しても、第一フレネルゾーンFZ1の範囲をカバーできる。
上式により求められる傾斜時半径a(θB)は、あくまでも第2電波伝搬経路RP2′にて到達した電波を電波吸収板51で受けるための最小径である。仮に、傾斜時半径a(θB)による最小径の電波吸収板51を作成して、レーダー波RWに向けて配置した場合、電波吸収板51の外縁部で回折波が生じてしまい、不要電波を発生させる危険性がある。したがって、実用的には、傾斜時半径a(θB)の円形面積よりも一回り大きな電波吸収面となるように電波吸収板51の大きさを設定しておくことが望ましい。
なお、回転楕円体である第一フレネルゾーンFZ1を斜めに切ると、その切断面は、短半径をa、長半径をa(θB)とする楕円形になる。よって、電波吸収板51の電波吸収面を、第一フレネルゾーンFZ1の切断面より一回り大きな楕円形に設定しておけば、不要電波抑制機能を十分に発揮できる。しかしながら、楕円形の電波吸収面を備えた電波吸収板51を用いる場合、電波吸収面の中心とレーダー波RWの中心を一致させ、且つ、電波吸収面の長半径方向をレーダー波RWの偏波方向に一致させるように配置しておく必要がある。このようにシビアな配置調整は非常に煩雑であるから、楕円の長半径を半径とする円形の電波吸収面を備える電波吸収板51を用いることは、実用的である。無論、円形あるいは楕円形の電波吸収面とせず、正方形あるいは長四角形の電波吸収面となる電波吸収板51を用いても構わない。
また、レーダー装置2から放射されたレーダー波RWが、第1電波伝搬経路RP1にて電波吸収板51へ当たるときの入射角(≒θB)と、第2電波伝搬経路RP2′にて電波吸収板51へ当たるときの入射角とは、若干異なる角度となる。しかしながら、前述したように、電波吸収材料の特性を適宜に選択すれば、どちらの入射角もブリュースター角θBとして扱えるので、電波吸収板51の電波吸収面全体で十分に電波を吸収し、反射による不要電波の発生を抑制できる。
上述した第1実施形態の電波暗室1Aは、レーダー装置2のレーダー波RWが単一の直線偏波である場合に最も効果を発揮する。しかしながら、レーダー装置2から放射されるレーダー波RWが2つの直線偏波(直交偏波と平行偏波)を含む場合、電波暗室1Aでは、不要電波UWの発生を十分に抑制できない可能性がある。
例えば、被検知体3が細長い棒状体であった場合、直線偏波である直交偏波または平行偏波をレーダー波RWとするレーダー装置2においては、被検知体3をレーダー波RWの偏波面と平行に配置したとき、被検知体3をうまく検知できない可能性がある。しかし、TM波(例えば、第1直線偏波成分)とTE波(例えば、第2直線偏波成分)の電界の位相差が±π/2で振幅が等しい円偏波をレーダー波RWとして用いれば、直線偏波をレーダー波として用いる場合の不具合を回避できる。すなわち、円偏波をレーダー波RWとして用いれば、レーダー装置2の検知性能を高めることが可能になる。そこで、第1実施形態の電波暗室1Aで、レーダー装置2から放射するレーダー波RWを右旋円偏波(RHCP)とした場合を図5に示す。
電波吸収パネル5は、レーダー波RWの第1直線偏波成分(E1,H1)がTM波となる向きに配置し、且つブリュースター角θBで入射するように傾けて配置することで、第1直線偏波成分(E1,H1)を内部に透過させる。すなわち、レーダー波RWから実質的にTM波を除去できる。しかしながら、電波吸収パネル5は、レーダー波RWの第2直線偏波成分(E2,H2)に対する電波吸収特性が十分ではない。そのため、レーダー波RWの第2直線偏波成分(E2,H2)の未吸収分は電波吸収面51aで反射し、第2直線偏波成分反射波RW-r2が生じることとなる。
第2直線偏波成分反射波RW-r2の反射方向は、電波吸収パネル5の傾きで定まり、殆どの第2直線偏波成分反射波RW-r2は電波暗室1Aの内壁へ至る。電波暗室1Aの内壁には電波吸収体12を設けてあるので、第2直線偏波成分反射波RW-r2は、この電波吸収体12によってある程度吸収されるが、未吸収分は更に反射・拡散して不要電波UWとなり、レーダー装置2の電波受信部22で検出されてしまう危険性がある。すなわち、第1実施形態に係る電波暗室1Aのように電波吸収パネル5を備えるだけでは、レーダー波RWを右旋円偏波(RHCP)とした場合、十分な不要電波抑制効果を発揮できない可能性がある。
そこで、レーダー波RWとして円偏波(右旋円偏波あるいは左旋円偏波)や楕円偏波を用いた場合でも、十分な不要電波抑制効果を発揮できる第2実施形態に係る電波暗室1Bについて、図6に基づき説明する。
第2実施形態に係る電波暗室1Bには、電波吸収パネル5と、電波吸収サブパネル5′を設けてある。電波吸収パネル5は、レーダー波RWの第1直線偏波成分(E1,H1)がTM波となる向きに電波吸収面51aを配置し、且つブリュースター角θB1で入射するように傾けて配置する。これにより、レーダー波RWの第1直線偏波成分(E1,H1)を電波吸収板51内部に透過させ、レーダー波RWから第1直線偏波成分(E1,H1)を除去できる。
一方、電波吸収サブパネル5′は、電波吸収パネル5の電波吸収面51aで第2直線偏波成分(E2,H2)が反射した第2直線偏波成分反射波RW-r2の伝搬路を遮るように配置する。具体的には、第2直線偏波成分反射波RW-r2がTM波となる向きに電波吸収サブパネル5′の電波吸収面51aを配置し、且つブリュースター角θB2で入射するように傾けて配置する。これにより、電波吸収サブパネル5′の電波吸収板51は、第2直線偏波成分(E2,H2)を内部に透過させて、第2直線偏波成分反射波RW-r2を除去するので、第2直線偏波成分反射波RW-r2が更に反射して不要電波となることを防げる。
すなわち、第2実施形態に係る電波暗室1Bでは、電波吸収パネル5および電波吸収サブパネル5′を併用することで、第1直線偏波成分(E1,H1)と第2直線偏波成分(E2,H2)のどちらも吸収できる。したがって、レーダー波RWを右旋円偏波(RHCP)とした場合でも、被検知体3に当たらなかったレーダー波RWが不要電波となることを抑止できる。
なお、上述した電波暗室1Aでは、レーダー装置2の前面から電波吸収パネル5の電波吸収面51aまでを有効な被検知体配置空間4Aとして利用可能としたが、電波暗室1Bの被検知体配置空間4Bには制限がある。電波暗室1Bでは、電波吸収パネル5の電波吸収面51aの表面で反射する第2直線偏波成分反射波RW-r2の伝搬を妨げる位置に被検知体3を配置してしまうと、第2直線偏波成分反射波RW-r2が被検知体3に当たって反射し、不要電波UWが生じる危険性がある。そこで、電波暗室1Bの有効な被検知体配置空間4Bは、被検知体3が第2直線偏波成分反射波RW-r2の伝搬路を遮らない範囲に制限しておくのである。
例えば、ブリュースター角θB1=45゜の場合、第2直線偏波成分反射波RW-r2の向きはレーダー電波RWにほぼ直交するので、この伝搬路を遮らないために、電波吸収パネル5のレーダー装置2に最も近い位置よりも若干手前に被検知体配置空間4Bを制限する。ブリュースター角θB1>45゜の場合、第2直線偏波成分反射波RW-r2はレーダー装置2から遠ざかる向きの伝搬路となるので、ブリュースター角θB1=45゜の場合と同程度に被検知体配置空間4Bを制限すれば十分である。ブリュースター角θB1<45゜の場合、第2直線偏波成分反射波RW-r2はレーダー装置2へ近づく向きの伝搬路となるので、ブリュースター角θB1=45゜の場合よりも更に手前に被検知体配置空間4Bを制限しなければならない。
また、電波暗室1Bは、電波吸収パネル5と電波吸収サブパネル5′の両方をシールド空間13内へ同時に配置しなければならないので、レーダー装置2からレーダー波RWを照射する方向にだけ長い空間では構成できない。レーダー波RWの照射方向に直交する方向にも、ある程度の空間的な広がりが必要となる。
上述したように、第2実施形態に係る電波暗室1Bによれば、その内部に、電波吸収パネル5および電波吸収サブパネル5′を設けたので、第1直線偏波成分(E1,H1)と第2直線偏波成分(E2,H2)のどちらも吸収できる。すなわち、電波吸収パネル5および電波吸収サブパネル5′が相互補完的に円偏波の第1直線偏波成分(E1,H1)と第2直線偏波成分(E2,H2)を吸収することで、不要電波UWの発生を抑制できるのである。
しかも、レーダー波RWとして用いる電波(円偏波、楕円偏波、直線偏波)は、必ず2つの直交する直線偏波の合成で表わすことができるので、電波吸収パネル5及び電波吸収サブパネル5′を備える第3実施形態の電波暗室3Bは、どのような電波源にも対応できる。さらには、電波源の偏波が不明な場合に、電波吸収パネル5及び電波吸収サブパネル5′を配置調整することによって、電波源の偏波を特定するという使い方もできる。
以上、本発明に係る不要電波抑制方法および電波暗室を実施形態に基づき説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りにおいて実現可能な全ての不要電波抑制方法および電波暗室を権利範囲として包摂するものである。
1A 電波暗室(第1実施形態)
11 壁体
12 電波吸収体
13 シールド空間
2 レーダー装置
21 電波放射源
22 電波受信部
3 被検知体
4A 被検知体配置空間
5 電波吸収パネル
51 電波吸収板
51a 電波吸収面
52 基板

Claims (6)

  1. 外来電波の遮断機能と内部電波の吸収機能を備えた電波暗室内に配置された電波放射源より、直線偏波を含むレーダー波を放射し、
    前記レーダー波の放射方向に被検知体を配置する被検知体配置空間を隔てて電波吸収パネルを配置し、
    前記電波吸収パネルの電波吸収面は、レーダー波の直線偏波がTM波となる向きで、且つTM波をブリュースター角で入射させるように傾けておき、
    前記電波吸収パネルの電波吸収面側には、TM波を吸収する電波吸収体を設けることで、レーダー波の直線偏波を吸収して、被検知体配置空間への反射を抑制し、
    前記被検知体配置空間で被検知体に当たらなかったレーダー波が暗室内壁で反射して不要電波とならないようにしたことを特徴とする不要電波抑制方法。
  2. 前記電波放射源は、第1直線偏波成分と、該第1直線偏波成分と直交する第2直線偏波成分を含むレーダー波を放射し、
    前記電波吸収パネルの電波吸収面は、第1直線偏波成分がTM波となる向きで、且つTM波をブリュースター角で入射させるように傾けておくことで、第1直線偏波成分を吸収し、
    前記電波吸収パネルの電波吸収面で吸収されずに所定方向へ反射された第2直線偏波成分がTM波となる向きで、且つTM波をブリュースター角で入射させるように、電波吸収面を傾けて電波吸収サブパネルを配置し、
    前記電波吸収サブパネルの電波吸収面側には、TM波を吸収する電波吸収体を設けることで、前記電波吸収パネルで吸収できずに反射した第2直線偏波成分を吸収するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の不要電波抑制方法。
  3. 前記被検知体配置空間は、前記電波吸収パネルの電波吸収面で吸収されずに所定方向へ反射された第2直線偏波成分の伝搬路を遮らないように制限し、被検知体に第2直線偏波成分が当たって生じた反射波が不要電波とならないようにしたことを特徴とする請求項2に記載の不要電波抑制方法。
  4. 外来電波の遮断機能と内部電波の吸収機能を備えた電波暗室であって、
    前記電波暗室内に配置され、直線偏波を含むレーダー波を放射する電波放射源と、
    前記電波放射源と兼用もしくはその近傍に別途配置され、前記レーダー波の反射波を受信可能な電波受信部と、
    前記電波放射源からレーダー波の放射方向へ所要の距離を隔てて、被検知体を配置する被検知体配置空間が形成されるように配置する電波吸収パネルと、
    を備え、
    前記電波吸収パネルの電波吸収面は、レーダー波の直線偏波がTM波となる向きで、且つTM波をブリュースター角で入射するように傾けて配置すると共に、前記電波吸収面側には、TM波を吸収する電波吸収体を設けることで、レーダー波の直線偏波を吸収して、被検知体配置空間への反射を抑制し、被検知体に当たらなかったレーダー波が暗室内壁で反射して不要電波とならないようにしたことを特徴とする電波暗室。
  5. 前記電波放射源が放射するレーダー波は、第1直線偏波成分と、該第1直線偏波成分と直交する第2直線偏波成分を含み、
    前記電波吸収パネルの電波吸収面は、第1直線偏波成分がTM波となる向きで、且つTM波をブリュースター角で入射させるように傾けて配置し、
    前記電波吸収パネルの電波吸収面で吸収されずに所定方向へ反射された第2直線偏波成分が伝搬する伝搬路を遮るように電波吸収サブパネルを配置し、
    前記電波吸収サブパネルの電波吸収面は、前記電波吸収パネルで反射された第2直線偏波成分がTM波となる向きで、且つTM波をブリュースター角で入射させるように傾けて配置すると共に、前記電波吸収面側には、TM波を吸収する電波吸収体を設け、
    前記電波吸収パネルで吸収できずに反射した第2直線偏波成分を電波吸収サブパネルで吸収するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の電波暗室。
  6. 前記被検知体配置空間は、前記電波吸収パネルの電波吸収面で吸収されずに所定方向へ反射された第2直線偏波成分の伝搬路を遮らないように制限し、被検知体に第2直線偏波成分が当たって生じた反射波が不要電波とならないようにしたことを特徴とする請求項5に記載の電波暗室。
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