JP7092285B1 - スカム除去装置付き汚泥掻寄装置 - Google Patents
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Abstract
Description
ここで、池底上に沈澱した汚泥は掻寄装置によりピット方向に掻き寄せられるようになっている一方において水面上に分離浮上してくるスカムについてはスカム除去装置(スカムスキマー)によって捕集するようになっている。スカム除去装置は、開口前側に堰き止め手段(堰き止め部)をもつ横長状呑込み口を形成し円筒中心回りの前後に往復回転可能とした円筒形スキマーパイプを有するものが従来からあり、同パイプを手動レバーにより定期的に手動操作することでスカムを呑み込むようにしてあったが、そののち手動式は電動シリンダ式によるものに変わり、さらには掻寄装置の機械的運動を利用したフライト連動式(池上での駆動式と池底での駆動式とがある)に変わってきた。
その一つの例として特許文献1に示すものがある。
池底駆動式スカム除去装置が構成されるチェーンフライト式汚泥掻寄装置の概要は、実施を予定する本件図1に示してある。即ち、図1に示すように、汚泥掻寄装置は、矩形の沈澱池1内に、駆動軸2・中間軸3・テール軸4・従動軸5を配し、各軸回りに左右一対のスプロケット7…を備え付けるとともに、これらスプロケット7…の周りにチェーン8を掛け回して駆動源9により矢印方向(図の左方向)に駆動するようになっている。チェーン8は左右一対設けられていてそのそれぞれにはフライト11…が列設され、池底12上を駆動されることで池底に溜まる汚泥をピット13まで捕集し、フライト11が水面14上にくることによりスカムを図の右方向に送るようになっている。そのスカムの送り先にスカム除去装置が設置される。
特許文献1に示すスカム除去装置は、該公報の図8に示すように、上部を呑込み口としたスキマーパイプを水面に設置して図上の左回りに回転させることにより開口が水面より一定に下がってきてスカムを呑み込み、フロートによる浮力により右回りに回転復帰させることによりスカムの呑込みが停止され、この往復回転が定期的に行われるようになっている。この往復回転のうち左回りの回転は、池底よりやや上方に設定された支点に上下動自在に設けられた倣い部材(カム)付き連動アームと、同アームに下端が連結されて縦向きに長く伸びた連動部材(連動ロッド)と、クラッチ爪を備えて前端が連動部材の上端に連結され後端が回転支点に取り付けられたクラッチ板(作動アーム)と、下端がスキマーパイプのブラケットに連結されて上部がクラッチ板に開けた通孔に挿通されたクラッチ軸(押下部材)とでなっている。
池底に配置されたフライトはその上端に連結されたチェーンが該公報の図8の左方向に駆動されることによりその上端に取り付けられた駆動ローラーが定置で待機する倣い部材(カム)を押し上げ、それにより連動部材が引き下げられることによりクラッチ板は前下がりに連動され、そのとき、クラッチ爪も下がりながらクラッチ軸(押下部材)を噛合して押し下げることによりスキマーパイプを左回りに回転させ、水面のスカムを水とともに呑み込むようにさせる。駆動ローラーが倣い部材を通過すると、倣い部材が下降するとともに連動部材と作動アームが持ち上がり、それと同時にクラッチ爪は上昇しながらクラッチ軸から離脱することでクラッチ軸の上下動を自由にし、その結果、フロートの浮力によりスキマーパイプは右回りに回転して元の状態に復帰することとなる。クラッチ軸がクラッチ爪から自由になった復帰状態においては、水位変動があればそれにスキマーパイプが回転追従し、その結果、呑込み口前の堰き止め手段の水面に対する堰き止め高さが一定に確保されることで呑込み代が一定化してスカムの呑込みが円滑かつ確実化することになる。
こうした池底駆動方式を本出願人が同様に採用する実施予定中のスカム除去装置付き汚泥掻寄装置を本件図2および図3に示す。16は支点軸、17は倣い部材、18は連動アーム、19は連動部材(ロッド)であり、池底12には、既設の金属製案内レール20が左右一対配設されている。チェーン8に設けられたフライト11…のうち、図1に示す離間配置した3個のものには、図2および図3のような駆動ローラー21がローラーブラケット22を介して取り付けられている。駆動ローラー21はチェーン8よりも内周側に設けられている。チェーン8のうち8aは側面L字形のフライト連結片、8bはフライト間連結片であり、フライト11はその底部に左右一対備えた金属製下回り用シュー24が前記案内レール20上に添って摺動してゆくものとし、またフライト11両端に備えた上回り用シュー25は、図1のようにフライト11が上回りに来たときに上案内レール26上を摺動するようになっている。図1に示す28は固定のトラフ、29は上下動可能な堰(堰き止め手段)、30は作動アーム、32は作動アーム30の支点軸、50は軸通孔を有しその前後にクラッチ爪31を備えたクラッチ板、33は押下部材(ロッド)である。ここで、倣い部材17・連動部材19・作動アーム30・押下部材33までは堰29を上下させるための連動機構35を構成し、その機構の中で、クラッチ板50・クラッチ爪31などはクラッチ機構53を構成する。
ところで、フライト11が直立姿勢のまま平行に進行して倣い部材17を一杯に持ち上げれば図2の矢印Rのように連動部材19が63mm程度下がってそれに応じて堰29も63mm下がることにより水面14と沈んだ堰29先端との上下寸法差である呑込み水深は所定のL=25mm前後確保されてスカムの呑込みが円滑かつ確実になされるようになっている。
しかし、図2および図3に示す実施予定の装置においては、下回り用シュー24だけでなくそれを摺動案内する下側の案内レール20もが金属製であることから大きな摺動抵抗が発生し勝ちで、駆動ローラー21が倣い部材17の下側にさしかかる前の段階から図4に示すようにチェーン8によって牽引されながらシュー24の前先端エッジが案内レール20に喰い込む形になってフライト11は前倒れになってしまうことがあり、駆動ローラー21が倣い部材17下に入って転動する一方フライト11は喰い込みにより抵抗を受けるとともにチェーンに緩みがある状況下にあれば一層その前傾度が大きくなったまま倣い部材17の下を通過し同倣い部材17を持ち上げるようにすると、前傾している関係で、倣い部材17は所定のように持ち上がらず、連動部材19を図4のr程しか引き下げられないものとなる。ここで、rは前記Rが63mmであるのに対し50mm程度の小さいもので、その結果として呑込み量も前記Lでは25mm程度得られて
なることで、スカムを円滑かつ確実に呑込むことができなくなっていた。特に、下回り用シュー24は案内レール20上を常時摺動していることからその経時的損耗は大きく、その損耗量が大きくなるとその分倣い部材17の持ち上げ量を加算的に少なくし、その結果、連動部材19の引き下げ量を小さくして呑込み量を少なくし呑込み不良を招くおそれもあった。また、図4の右上欄に示すものは駆動ローラー21がフライト11の前側に配置されたタイプのものであるが、このタイプであると、呑込み量が可成り少なく制限されることになって前記呑込み不良の問題は一層深刻なものになるおそれがあった。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前倒れ阻止ローラーはフライトの左右対称位置に一対配備されている。
これらの図5ないし図8における符号は図1ないし図3に示すものと同じものを使用するものとする。図5ないし図8における1は矩形の沈澱池を示し、この沈澱池1の長辺は左右の側壁1aで短辺は前側端壁と後側端壁とで形成され、前側端壁の上部には図示しない整流孔付きの整流板(壁)が設けられて同孔を通じて導入される汚水を極く緩徐な速度でもって沈澱池1内に導入するようになっている。40はピット壁、41はスカム排出共用トラフで、ピット壁40は、1つの側壁1aに対しその左右両側に突隆状に設けられてその隣り合う間に共通のスカム導出ピット42を備え、そのスカム導出ピット42内には排出管43を通じてのスカムが流れ込むようになっているとともに、そのスカムはスカム排出共用トラフ41を通じて排出されるようになっている。ピット42は、図示範囲以外に並ぶ沈澱池1…の側壁1a…に同じように構成されており、それらを1本のトラフ41によって結ぶことで一方向にスカムを排出できるようになっている。トラフ28・排出管43・ピット壁40・スカム排出共用トラフ41・スカム導出ピット42はスカム導出手段を構成する。
12は池底(底壁)で、その前側端壁側である汚泥掻寄方向側にはピット13が凹設されている。池底12には、左右一対の金属製案内レール20,20がその上端一部を池底12より突き出す形で埋め込まれている。
18は連動アームで角パイプでなり、支点軸16の一方の端部に設けた側板48を介して掻寄方向に水平に突き出すように取り付けられている。倣い部材17と連動アーム18とは一体に上下する関係にある。
このクラッチ機構は、特許第3711525号公報に記載された機構を採用することもある。
倣い部材17が駆動ローラー21の進行により押し上げられて連動部材19が引下げられると、ボス50aも下がってクラッチ板50は押さえストッパ51から離れながら前下がりに傾斜してゆき、これにより、クラッチ爪31は押下部材33を捉えて押し下げることになり、その押し下げにより堰29は所定量下げられることになる。堰29の押し下げが一定の長さ続き駆動ローラー21が倣い部材17を通過することによって、今度は、倣い部材17の重さが作用することにより連動部材19が持ち上げられ、それにより、作動アーム30とボス50aが持ち上がることによりクラッチ板50と押下ロッド33も持ち上がってのち、クラッチ板50が押さえストッパ51により押し下げられて元の水平姿勢に戻されて押下部材33は爪31から解放されたフリーな水位追従可能状態にされる。連動機構35は、倣い部材17・連動アーム18・連動部材19・作動アーム30・押下部材33等で構成され、その一部にクラッチ機構53が構成されている。
前倒れ阻止ローラー55は、左右一対でなくフライト11の幅間中央に単一個設けたり、幅間中央と前記左右一対の合計3個所に配置してもよい。それ以外の4個所、5個所配置にしてもよい。
駆動ローラー21は、フライト11の前側に設けてもよい。
フライト11は、FFU(合成木材)以外にFRPなどを素材とすることができる。また、フライト11は、図9のように、SUSやFRPなどによりC形チャンネルで形成し、その内部にスペーサ57を介して駆動ローラー21付きローラーブラケット22を取り付けるようにしてもよい。さらに、フライト11は、図10のように、SUSやFRPなどで横長状の三角形あるいは矩形断面の部材としてその前側に共通ブラケット58を取り付け、同ブラケット58の上部に駆動ローラー21をまた下部前側に前倒れ阻止ローラー55を取り付けるようにしてもよい。59はホルダーである。
前記実施形態では、駆動ローラー21が倣い部材17の先端側から接触するようになっていたが、図11のように、倣い部材17が前記とは逆向きとされて駆動ローラー21が同倣い部材17の先部17aの基部17b寄りの部分から接触するようにしてもよい。
Claims (2)
- 矩形をした沈澱池内には、板状の部材であってその底部のシューが池底の案内レールに沿って摺動して該部材上部に連結された周回型チェーンによりピット方向に汚泥掻寄のため前進駆動可能とされているフライトが複数枚離間して配備され、それらフライトのうち周方向に離れた特定のものには、周回するチェーンの内周に相当する側に位置するようにして駆動ローラーを備えるとともに、水面側には、スカム除去装置が設けられ、このスカム除去装置は、水面を境に上下動可能とされた堰き止め手段を有するとともに水面からのスカムを呑み込みかつ排出可能なスカム導出手段と、前記駆動ローラーの通過軌道上と堰き止め手段側とを連動可能につないで堰き止め手段を上下に作動させ得る連動機構とを備え、同連動機構は、支点軸を介して支持されて駆動ローラーの通過軌道上に臨むように設けられ進行してくる駆動ローラーにより押し上げられる倣い部材と、同倣い部材と前記堰き止め手段との間に縦長状に連結されて倣い部材に応じて堰き止め手段を下げる方向に連動させる連動部材とを少なくとも有して構成されたスカム除去装置付き汚泥掻寄装置において、前記フライトの掻寄方向側である前側には、案内レール上面を含む池底面を転動可能な前倒れ阻止ローラーが設けられていることを特徴とするスカム除去装置付き汚泥掻寄装置。
- 請求項1に記載のスカム除去装置付き汚泥掻寄装置において、前倒れ阻止ローラーはフライトの左右対称位置に一対配備されているスカム除去装置付き汚泥掻寄装置。
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