JP7091817B2 - 含水量分析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機溶媒試料の含水量分析方法に関する。
有機溶媒は、様々な分野や業種において、塗装、印刷、洗浄などの用途で広く用いられている。例えば、トリクロロエチレンに代表される塩素系有機溶媒は、脱脂洗浄能力にとても優れており、プレス加工品や各種金属部品の脱脂洗浄用として知られている。
これらの有機溶媒は、コスト面を理由として、回収後に再精製を行い再使用する場合も多いが、回収した有機溶媒中には一般的に水が含まれており、使用の目的によっては、かかる水を除去する必要がある。
例えば、非水系電解液を使用する電池を製造する際、材料由来の水分、或いは空気中の水分が非水系電解液へ僅かながら吸収されて、微量の水分でも影響を及ぼすことがある。
従って、有機溶媒に含まれる水の分析を行い、その含水量を微量濃度まで正確に把握することは、極めて重要である。
有機溶媒に含まれる水の分析方法については、古典的かつ常用的な方法として、特許文献1に記載されているカールフィッシャー滴定法が知られている。
特許文献2では、固体試料の付着水分を有機溶媒であるクロロホルム<CHCl>に抽出した後、クロロホルムの水分測定に、カールフィッシャー滴定法又は核磁気共鳴分光法(以降、NMRとも称する。)を用いる分析方法が紹介されている(特許文献2の請求項1等)。
特許文献2に記載の技術では、固体試料の種類によって存在し得るヒドロキシル基(水酸基、OH)や結晶水の影響を避けるため、固体試料を直接分析するのではなく、付着水分のみを有機溶媒に抽出した上で、その有機溶媒の水分率測定を行っている(特許文献2の[0006]~[0008]等)。
特開昭60-55261号公報 特開2017-102045号公報
特許文献1、2に記載のカールフィッシャー滴定法だと、分析操作過程での汚染が懸念されるほか、分析サンプルの組成や共存成分による妨害を受けるおそれがある。
特許文献2の[0046]の表1においては、含水量の最小単位は0.1質量%(千分の一)となっている。
本発明は、上記の点に着目して成されたものであり、含水量の微量分析を可能とする技術を提供することを目的とする。
上記の知見に基づいて成された、本発明の態様は、以下の通りである。
本発明の第1の態様は、
有機溶媒試料の含水量を分析する方法であって、
前記有機溶媒試料の含水量を、核磁気共鳴分光法により、測定下限1ppm未満で分析することを特徴とする、含水量分析方法である。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の発明において、
前記核磁気共鳴分光法により得られるスペクトルから含水量を分析する際の検量線の水の濃度範囲は少なくとも0~2000ppmであることを特徴とする。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様に記載の発明において、
前記核磁気共鳴分光法により得られるスペクトルから含水量を分析する際の検量線は、
水溶解度(20℃)が9.0g/L以上且つ含水量が50ppm以下である脱水有機溶媒と、前記脱水有機溶媒に対して前記検量線の作成のために必要な量が添加された水とからなる、検量線作成用の原液の製造工程と、
所定の量の前記原液を希釈用有機溶媒にて希釈する原液の希釈工程と、
を有する検量線作成用の標準液の製造工程を経て得られた前記標準液により作成されることを特徴とする。
本発明の第4の態様は、第3の態様に記載の発明において、
所定の量の前記有機溶媒試料に対して前記希釈用有機溶媒を添加し、分析検体液を得る前処理工程と、
前記分析検体液に対して前記核磁気共鳴分光法により得られるスペクトルから前記検量線を用いて含水量を分析する分析工程と、
を有することを特徴とする。
本発明の第5の態様は、第4の態様に記載の発明において、
前記前処理工程及び前記標準液の製造工程をドライボックス又はグローブボックス内で行うことを特徴とする。
本発明の第6の態様は、第4又は第5の態様に記載の発明において、
前記核磁気共鳴分光法においては、前記分析検体液の装置導入量を1ml以下とすることを特徴とする。
本発明の第7の態様は、第3~第6のいずれかの態様に記載の発明において、
前記脱水有機溶媒は、誘電率が5.0以上であることを特徴とする。
本発明の第8の態様は、第3~第7のいずれかの態様に記載の発明において、
前記標準液は、ヒドロキシル基の含有量が7.4質量%以下であることを特徴とする。
本発明の第9の態様は、第3~第8のいずれかの態様に記載の発明において、
前記有機溶媒試料は、ヒドロキシル基の含有量が7.4質量%以下であることを特徴とする。
本発明の第10の態様は、第3~第9のいずれかの態様に記載の発明において、
前記希釈用有機溶媒は、誘電率が5.0未満であり、含水量が50ppm以下であり、ヒドロキシル基の含有量が7.4質量%以下であることを特徴とする。
本発明の第11の態様は、第3~第10のいずれかの態様に記載の発明において、
前記有機溶媒試料又は前記希釈用有機溶媒に対して所定の量の前記有機溶媒試料を添加して得られる分析検体液、及び前記標準液においては、ヒドロキシル基の含有量が7.4質量%以下であることを特徴とする。
本発明の第12の態様は、第1又は第2の態様に記載の発明において、
1つの前記有機溶媒試料から所定量を分取した複数の併行試料を準備し、前記併行試料の各々に対して、検量線作成用の原液又は標準液を段階的に添加し、濃度の異なった複数の分析検体液を得る前処理工程と、
前記複数の分析検体液に対して、前記核磁気共鳴分光法により得られるスペクトルから、標準添加法を用いて含水量を分析する分析工程と、
を有し、
前記原液は、水溶解度(20℃)が9.0g/L以上且つ含水量が50ppm以下である脱水有機溶媒と、前記脱水有機溶媒に対して前記検量線の作成のために必要な量が添加された水とからなり、
前記標準液は、所定の量の前記原液が希釈用有機溶媒にて希釈されたものであることを特徴とする。
本発明によれば、含水量の微量分析が可能となる。
本実施形態において、検量線作成用の原液の製造工程を示す図である。 本実施形態において、原液の希釈工程を示す図である。 本実施形態において、前処理工程(分析検体液の調製工程)を示す図である。 本実施形態において、実施例及び比較例で作成した検量線(低濃度用)を示す図である。 本実施形態において、実施例1で作成した検量線(高濃度用)を示す図である。 本実施形態において、NMRスペクトルを示す図である。 本実施形態において、ジメチルカーボネート(新品及び使用後)の含水量を、標準添加法で分析した結果を示す図である。
本実施形態は、有機溶媒試料の含水量を分析する方法であって、有機溶媒試料の含水量を、NMR(核磁気共鳴分光法)により、測定下限1ppm未満で分析することに大きな特徴がある。以下、上記特徴の一具体例としての本実施形態について、以下の順に説明する。
1.検量線作成用の標準液の製造工程
1-1.検量線作成用の原液の製造工程
1-2.原液の希釈工程
2.前処理工程(分析検体液の調製工程)
3.検量線作成工程
4.NMRによる有機溶媒試料の含水量の分析工程
本明細書において、「~」は所定の値以上かつ所定の値以下のことを指す。その他、本明細書の含水量の単位として用いられる「ppm」は、「μg/g」を表し、特に断らない限りは、質量換算によって求められる値であり、例えば、10000ppmは1質量%を意味する。本明細書においては特記の無い限りppmは水の濃度(含水量)について示すものとする。
本実施形態において、図1~3の概略図は、図1が「1-1.検量線作成用の原液の製造工程」を、図2が「1-2.原液の希釈工程」を、図3が「2.前処理工程(分析検体液の調製工程)」を、それぞれ示す。
また、これらの工程では、空気中の水分などを避けるため、高ドライボックス(又はグローブボックス)を使用するのが好ましい。グローブボックスを使用する際は、水分を含まないヘリウム、窒素、アルゴンなどのガス、若しくは露点の低い大気で置換して、その中で操作を行うのが好ましい。特に後述の前処理工程及び前記標準液の製造工程においてはその操作を行うのが好ましい。従って、電子天秤、器具・容器類、試薬類など必要なものを、予めボックス内へ準備しておく。
そして、「3.検量線作成工程」では、図4及び図5に、縦軸を「積分値(強度)」、横軸を「含水量(濃度)」とした検量線(低濃度用及び高濃度用)を示し、「4.NMRによる有機溶媒試料の含水量の分析工程」では、図6に、縦軸を「積分値」、横軸を「化学シフト(ppm:ピーク位置、先述した含水量の単位であるppmとは異なる)」としたスペクトル及びピークを示す。
<1.検量線作成用の標準液の製造工程>
まず、検量線作成用の標準液の製造工程について説明する。
後述する本試験であるところの分析検体液(分析対象である有機溶媒試料+希釈用有機溶媒)に対する含水量の分析に先立ち、NMRのスペクトルにおいて水に該当するピークの面積と水の量との間の関係を示す検量線を得る必要がある。詳しく言うと、機器分析法を行うためには、目的成分の既知濃度を有する標準液を用いて機器を較正し、分析の尺度となる検量線(目的成分濃度と測定信号数値との相関式)を作成する必要がある。
検量線を得るには、検量線作成用の標準液に対して各々所定の量の水を加えたものを複数用意し、各々における、NMRのスペクトルの水のピークの面積と水の量との間の関係を得、それをプロットにする。本工程である検量線作成用の標準液の製造工程においては、その標準液を製造する。そして本工程は、検量線作成用の原液の製造工程、原液の希釈工程の二つの工程を有する。
(1-1.検量線作成用の原液の製造工程)
以下、検量線作成用の原液(以降、単に原液とも称する。)の製造方法について説明する。
本実施形態においては、例えば、検量線の作成のために必要な量の水を所定容器にはかり取り、続いて、水溶解度(20℃)が9.0g/L以上且つ含水量が50ppm以下である脱水有機溶媒を、同じ容器に適量はかり取る。はかり取った溶媒と水とを混合して、完全に混和したことを目視確認することで、原液が完成する。
ここで言う「脱水有機溶媒に対して含水量に係る検量線の作成のために必要な量」とは、本実施形態においてはNMRスペクトルの水ピークの面積と含水量との関係を示す検量線を得るための試験に使用される少量の水のことである。そのため、上記必要な量とは、脱水有機溶媒に、むやみに水が添加された場合や、漠然と水が混入している場合は含まない。例えば、「消毒用エタノール」の様に、エタノールに多量の水を混ぜたものは、検量線作成用の原液として、正確な分析には適用出来ないので含まない。また、「工業用エタノール」の様に、脱水処理がなされておらず、かつ、正しい含水量が判明していないものも、検量線作成用の原液として、正確な分析には適用出来ないので含まない。
ところで、本発明において、原液作製に使用する有機溶媒には、余計な水が含まれないことが必要である。このほか、半導体分野や二次電池分野などにおいても、洗浄用溶媒や電解液用溶媒として、極力、水が含まれない有機溶媒が望まれる。即ち、元々、水を含むことを嫌うために脱水処理がなされた脱水有機溶媒に、あえて再び水を定量的かつ正確に添加し、検量線作成用の原液として適用すること、更には、その様にして作製された検量線作成用の原液だからこそ、大きな意義がある。
脱水有機溶媒としては、水溶解度(20℃)が9.0g/L以上且つ含水量が50ppm以下であるという条件を満たしていれば特に限定は無いし、脱水有機溶媒の種類(組成)についても、特に限定は無い。また、試薬メーカーが販売する品質保証されたものを使用するのが好ましいが、これに限定されない。
本実施形態の脱水有機溶媒における水溶解度とは、20℃における水の溶解度のことを指す。本実施形態の脱水有機溶媒における水溶解度は10g/L以上であれば好ましく、100g/L以上であれば更に好ましく、1000g/L以上であれば特に好ましい。
水溶解度が高い化合物は極性が高いことを鑑み、誘電率が5.0以上である脱水有機溶媒を使用しても良い。そのため脱水有機溶媒のことを脱水極性有機溶媒と呼称することも可能である。つまり、水溶解度が9.0g/L以上という規定と共に、又はその代わりに、誘電率が5.0以上という規定を採用しても構わない。以降においては誘電率についての記載は特記の無い限り省略する。
本実施形態の脱水有機溶媒における含水量は50ppm以下とするのが好ましく、10ppm以下のものが特に好ましい。つまり本実施形態の標準液の原液に使用する脱水有機溶媒は、水溶解度が所定の値よりも高いものである一方、含水量がもともと少ないものを使用する。このような原液を使用することにより、後述する「原液の希釈工程」で原液と希釈用有機溶媒とを混和させて標準液を作製する際に、検量線作成に必要な所定量の水は標準液においても溶解したままであり、含水量の測定誤差も低減でき、後述の実施例の項目にて示されるように測定結果の信頼性が維持される。
しかも本実施形態の脱水有機溶媒は、水溶解度を9.0g/L以上且つ含水量50ppm以下とすることにより、測定結果の信頼性の維持のみならず、高い汎用性を確保できる。汎用性について具体的に言うと、本実施形態の標準液又はその原液を使用する場合、NMRにおいて、有機溶媒試料の基となる有機溶媒と脱水有機溶媒とを含水量含め同一条件とするほか同一の前処理を施す操作(すなわち特許文献2に記載された操作)が、本発明では必要が無くなる。このような予期せぬ知見が本発明者により初めて得られた。本実施形態は、上記の予期せぬ知見に基づきなされたものであり、種々の予期せぬ効果(例えば微量分析の実現、測定結果の信頼性の維持、高い汎用性の達成)を奏するものである。
脱水有機溶媒に対する具体的な脱水の手法としては、含水量により、蒸留法(高濃度)、共沸蒸留法(中濃度)、吸着法(低濃度)を使い分けても良い。その他、ゼオライト分離膜を用いて脱水しても構わない。この方法では、低コストで幅広い濃度範囲へ対応でき、アルコール系、エステル系、アミン系、ケトン系、エーテル系など、多種の有機溶媒を処理することが可能である。
脱水有機溶媒の組成としては、エタノール、メタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリルの1種以上からなることが好ましいが、これに限定されない。例えば誘電率が5.0未満である一方水溶解度が9.0g/L以上のジオキサン(1,4-ジオキサン)を使用しても構わない。
その他、検量線作成に必要な所定量の水の調製濃度は1000ppm以上であることが好ましい。何故なら、水の調製濃度をなるべく高く設定したほうが、脱水有機溶媒における含水量の変動、即ち、NMR測定におけるバックグラウンド値の変動で生じる影響を、より低減出来るためである。ただ、検量線作成に必要な所定量の水の調製濃度は上記の範囲に限定されるものではない。なお、水の調製濃度の上限としては、最終的に、有機溶媒試料の含水量を、NMRにより、測定下限1ppm未満で分析可能な値であれば特に規定する必要は無いが、100000ppmを一つの上限としてもよい。
本明細書における測定下限とは、詳しくは実施例の項目にて詳述するが、希釈倍率1倍のときの最小定量の限界値のことである。測定下限1ppm未満だからといって、含水量が1ppm未満の有機溶媒試料のみに対する分析に本発明が限定されるわけではない。「測定下限」及び「(希釈倍率を加味した)定量下限」の算出方法については実施例の項目にて詳述する。
(1-2.原液の希釈工程)
次に、原液の希釈工程について説明する。所定の量の上記原液を希釈用有機溶媒にて希釈することにより本実施形態における検量線作成用の標準液が得られる。
本実施形態においては、例えば、原液を所定容器に適量はかり取り、続いて、希釈用有機溶媒を、同じ容器に適量はかり取る。
このとき、希釈用有機溶媒は、本試験にて分析対象となる有機溶媒試料と同種の有機溶媒を用いるのが、検量線作成の条件と本試験の条件とを合わせるという意味では好ましい。原液を希釈することにより得られる標準液と、分析対象となる有機溶媒試料から準備した分析検体液とで、組成をなるべく一致させることにより誤差要因を排することが可能となり、良好な分析結果が得られる。ただし、後述の実施例が示すように別の種類の有機溶媒を用いても構わない。
希釈用有機溶媒は低極性有機溶媒すなわち水と混和し難いもの、或いは水と殆ど混和しないのが好ましい。希釈用有機溶媒としては、誘電率が5.0未満であり、含水量が50ppm以下であるものを用いるのが好ましい。別の規定の仕方を挙げると、希釈用有機溶媒は、脱水有機溶媒の水溶解度よりも低いものを選択するのが好ましく、両者の水溶解度の差が500g/L以上であれば好ましい。
はかり取った原液と希釈用有機溶媒とを混合して、完全に混和したことを目視確認することで、標準液が完成する。
その他、原液の希釈後における水の調製濃度については1ppm以上2000ppm以下であることが好ましい。何故なら、標準液により、分析機器の検量線を作成した際に、良好な直線性を持つ相関式(一次式)を得るためである。上記範囲ならば、分析機器においては、測定信号数値が低すぎないため測定ノイズの影響を受けにくくなり、逆に測定信号数値が高すぎないため、検出器の性能内に測定信号数値が収まる。ただ、検量線作成に必要な所定量の水の調製濃度は上記の範囲に限定されるものではない。
このとき、原液の希釈によって標準液におけるヒドロキシル基の含有量を7.4質量%以下とするのが好ましい。なお、原液におけるヒドロキシル基の含有量としては37質量%以下とするのが好ましい。これにより後の「3.検量線作成工程」における、ヒドロキシル基の水ピークへの影響を抑制することが出来る。
なお、ヒドロキシル基の含有量は10質量%以下であっても構わず、また、6.0質量%以下がより好ましく、3.0質量%以下が更に好ましい。
なお、本明細書におけるヒドロキシル基の含有量(質量%)の求め方としては、溶液(例:標準液)におけるヒドロキシル基を有する化合物(例:エタノール)の含有量(質量%)に対して分子量比(17(OH)/46(COH))を乗じた値である。本明細書におけるヒドロキシル基の含有量には水由来のものは除外している。
原液由来のヒドロキシル基の含有量は、脱水有機溶媒により左右される。そうなると脱水有機溶媒の量を減らすことにより、原液由来のヒドロキシル基の含有量を減らすことができる。これを実現するためには、脱水有機溶媒が少量であっても所定量の水を溶解可能とするのが好ましい。つまり原液の段階で、所定量の水に対して脱水有機溶媒が少量の状態、すなわち水を高濃度化させることが有効である。だからこそ原液においては水の調製濃度は1000ppm以上を好適例としている。
また、標準液を作製する際、分析検体液を作製する際、ともに同種の希釈用有機溶媒を使用する場合、原液における水の高濃度化は、標準液と分析検体液の組成を近づけることにつながり、分析精度を向上させることができる。また、原液における水の高濃度化は、脱水有機溶媒の含水量による影響の低減にも繋がる。
なお、希釈用有機溶媒由来の水は、検量線作成時の標準液を水無添加(0ppm)としたときの測定を行い、この結果を加味して検量線を作成することにより、ある程度は補正調整される。ただ、分析の際の誤差要因の一つであることに変わりはないため、希釈用有機溶媒由来の水は極力少ないほうが好ましい。本実施形態における希釈用有機溶媒は、脱水有機溶媒と同様に、含水量が50ppm以下のものが好ましく、10ppm以下のものが特に好ましい。
<2.前処理工程(分析検体液の調製工程)>
次に、分析検体液の調製工程について説明する。
分析検体液の基であって分析対象である有機溶媒試料としては特に制限は無い。この有機溶媒試料は、固体と接触(洗浄、浸漬)させて該固体の表面の水分を吸収した有機溶媒であってもよい。具体例を挙げると、後述の実施例に示すように金属材料Mを有機溶媒により洗浄した後の洗浄後液、すなわち金属材料Mの表面の水分を吸収した有機溶媒であってもよい。その場合、当然ながら、金属材料Mがほとんど溶解しない有機溶媒を選択する。なお、希釈用有機溶媒と同様、有機溶媒試料の誘電率が5.0未満であってもよいが、有機溶媒試料の誘電率はそれに限定されない。例えば後述の実施例4では誘電率が32.2のN-メチル-2-ピロリドンを有機溶媒試料として使用しているが、前処理工程を行うことにより、何ら問題無くNMRにて測定下限1ppm未満で定量できている。言い方を変えると、前処理工程を省略可能な有機溶媒試料は、誘電率が5.0未満であり、ヒドロキシル基の含有量が7.4質量%以下であるのが好ましい。
分析検体液の基であって分析対象である有機溶媒試料の含水量(濃度)がある程度事前に分かっている場合は、検量線の濃度範囲内となるように、含水量(濃度)を低下させるための希釈操作を行う。
また、この希釈操作によって、有機溶媒試料においてもヒドロキシル基の含有量を7.4質量%以下とするのが好ましい。これにより後の「4.NMRによる有機溶媒試料の含水量の分析工程」における、ヒドロキシル基の水ピークへの影響を抑制することが出来る。
なお、ヒドロキシル基の含有量は10質量%以下であっても構わず、また、6.0質量%以下がより好ましく、3.0質量%以下が更に好ましい。その際、上記標準液におけるヒドロキシル基の含有量の規定を満たすのが、ヒドロキシル基の水ピークへの影響を抑制するという点で非常に好ましい。また、検量線作成用の原液作製のための脱水有機溶媒を構成する有機溶媒、及び希釈用有機溶媒としては、ヒドロキシル基を有さないものを使用するのも好ましい。
上記操作の一具体例を挙げると、有機溶媒試料を所定容器に適量はかり取り、続いて、希釈用有機溶媒を同じ容器に適量はかり取る。この希釈操作においては、有機溶媒試料と希釈用有機溶媒のはかり取る順番が入れ替わっても構わない。はかり取った溶媒を混合し、完全に混和したことを目視確認することで、分析検体液が完成する。なお、有機溶媒試料の含水量(濃度)が検量線の濃度範囲内であれば、本工程すなわち希釈操作は特には必要無い。
<3.検量線作成工程>
次に、検量線作成工程について説明する。
本実施形態では、先述の工程で製造した、所定の水の量が添加された標準液(複数体)について、水素(以降、Hとも称する)を核とし、NMR(核磁気共鳴分光法)による測定を行い、得られたスペクトルのピーク面積から、含水量を算出する。
例えば、図5には、脱水有機溶媒にエタノール(含水量10ppm以下)と水とを用いて製造した原液(含水量10000ppm)を基として、希釈用有機溶媒にジメチルカーボネート(含水量30ppm以下)を用いて標準液5つ(含水量0ppm、100ppm、500ppm、1000ppm、2000ppm)を製造し、これらにより作成した検量線(高濃度用)を示している。そのため、本実施形態においては、核磁気共鳴分光法により得られるスペクトルから含水量を分析する際の検量線の濃度範囲を少なくとも0~2000ppmとするのが好ましい。
ここで、各標準液にて存在するヒドロキシル基の含有量は、予め定められた量の水に加え、用いたエタノール量から求めることが出来る。例えば、標準原液から5倍希釈されている、含水量2000ppmの標準液(エタノール含有量:20質量%)のヒドロキシル基は7.4質量%以下となる。こうすることにより、後述の図4、5が示すように、ヒドロキシル基の影響を過度には受けずに、直線性が良好で、かつ高相関の検量線(一次式)が得られるため、好ましい。
詳細は明細書末尾にて述べるが、特許文献2にて含水量の最小単位が0.1%(千分の一)に留まっている理由は、特許文献2では水の抽出溶媒として、水を速やかに溶解できないすなわち水溶解度が比較的低いクロロホルムを使用していることに起因していると考えられる。
特許文献2では、水溶解度を高くする傾向のあるヒドロキシル基を有する有機溶媒を用いることは、NMRの使用も想定しているため好ましくないものと考えている(特許文献2の[0028])。
その一方、本実施形態においては、ヒドロキシル基を有する有機溶媒を使用した場合であっても最終的にNMRを使用した測定下限1ppm未満の分析を行えれば良い。それを可能とする一つの要因が、ヒドロキシル基がNMRスペクトルの水に起因するピークへの影響を適切な程度に抑えるべく、例えば上記の(1-2.原液の希釈工程)によって、ヒドロキシル基を7.4質量%以下に設定することにある。
なお、NMRでは、重溶媒(重水素化溶媒)及び基準物質(内部標準)が、通常用いられる。
Hを核として測定を行った場合、分析対象の有機溶媒量が大過剰であり、普通の有機溶媒のままでは、有機溶媒由来の水素ピークに埋もれて試料ピークが隠れてしまう。つまり、水素として検出されない重水素に置き換えた溶媒を使用することが必要となり、この溶媒が重溶媒である。
また、測定において基準となるピークを定めることが必要なため基準物質が使用される。
本実施形態では、重溶媒にはアセトン-d<CDCOCD>を、基準物質にはテトラメチルシラン<TMS:Si(CH>を用いているが、これに限定されない。
重溶媒として一例を挙げると、アセトン-dの他にも、重クロロホルム<CDCl>、重DMSO<(DC)S=0>、重メタノール<CDOD>、重水<DO>などが用いられる。
基準物質として一例を挙げると、テトラメチルシランの他にも、重溶媒が重水であるなら、3-(トリメチルシリル)-1-プロパンスルホン酸ナトリウム<DSS:C15NaOSSi>が用いられる。
<4.NMRによる有機溶媒試料の含水量の分析工程>
次に、NMRによる有機溶媒試料の含水量の分析工程について説明する。
本工程においては、分析検体液に対してNMRにより得られるスペクトルから検量線を用いて含水量を分析する。具体的には、作成した検量線を用い、分析検体液のNMRスペクトルの水のピーク面積から含水量を求める。
図6には、ヒドロキシル基の含有量が7.4質量%であって、水の濃度が100ppmの場合のNMRスペクトルにおける水に起因するピークを一例として示している。本実施形態においてはこのピークの面積から含水量を求める。
なお、本工程においてはフーリエ変換核磁気共鳴分光分析装置(FT-NMR)を用いても良いし、連続波法核磁気共鳴分光分析装置(CW-NMR)を用いても構わない。
本工程においては、各管が同心となる多重管(三重管や四重管など)や、二重管などを用いる。多重管の場合は、一つの管に基準物質を配置して、別の管に分析検体液を配置しても構わない。二重管の場合は、中心の管に基準物質を配置して、その外側の管に分析検体液を配置しても構わない。その際は、基準物質を、磁場を固定するために必要な重溶媒(例えば、アセトン-d)が入った管に添加する。その他、多重管を用いず、単なる試料管を用いても構わない。その際の分析検体液の装置導入量は1ml以下とするのが好ましい。
以上、本実施形態における、有機溶媒試料の含水量分析方法を用いれば、以下のような顕著な効果が得られる。
例えば特許文献1、2に記載のカールフィッシャー滴定法だと、分析操作過程での汚染が懸念されるほか、分析サンプルの組成や共存成分による妨害を受けるおそれがあるが、本実施形態ではNMRを使用するためそのようなおそれはない。
特許文献2では、NMRのスペクトルの水ピークから検量線を作成する際に、標準液として超脱水されたクロロホルムを採用したうえで所定量の水を添加したものを使用している。その一方で、金属水酸化物に付着した水の量を定量すべく金属水酸化物と接触させる有機溶媒としては、同じく超脱水されたクロロホルムを使用する例しか記載が無い。つまり、含水量の分析対象となる有機溶媒試料と標準液とで、構成される有機溶媒は全く同一としたうえで、しかも、特許文献2に記載されたような、同一の前処理を施す操作を経て、定量を行っている。
そのように、標準液として、NMRに適用できる物質へと選択肢を狭めたうえ、更に、分析対象となる有機溶媒試料を構成する有機溶媒と全く同一、かつ同一の前処理操作としなければならないという大きな制限が課せられているにもかかわらず、特許文献2の図2に記載された検量線は一次式とは程遠く、高相関の検量線(一次式)が得られるとは言えない。
その一方、本実施形態の手法ならば、広範囲の分野や業種の分析試料にも、分析に際しての信頼性を維持して適用可能となる。つまり、本実施形態の手法ならば、あらゆる分野や業種における、有機溶媒試料の含水量について、分析操作が簡便で、かつ分析機器や周辺機器の構成も複雑ではなく、短時間で分析を行うことが出来る。更には、前処理や測定中の汚染を防止しながらの微量分析が可能となる。
また、特許文献2においては、最小単位は0.1質量%(千分の一)程度に留まる。
そこで本実施形態のように、有機溶媒試料の含水量をNMRにより測定下限1ppm(百万分の一)未満で分析することにより、非常に信頼性が高い分析結果が得られる。
更には、本実施形態の手法ならば、多種の有機溶媒に対して、含水量の定量的な制御や管理を可能となる。また、保管や取扱いのほか、廃棄も容易であり、工業上の顕著な効果を奏する。
なお、本発明の技術的範囲は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、発明の構成要件や、その組み合わせによって得られる、特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
例えば、本発明においては、これまで述べた検量線法に限らず、上記の原液又は標準液を用いた標準添加法も適用することが出来る。なお、これまで述べた検量線法は、目的成分と物理的・化学的性質の類似した成分を内標準として用いる「内標準法」に対して、「絶対検量線法」とも呼ばれる。
上述した様に、検量線法は、試料中の目的成分濃度に対して、既知濃度の標準液を段階的に複数準備し、使用する分析装置特有の信号を測定することによって、濃度と信号との関係を求めて検量線を得る方法である。標準液は、可能な限り分析検体液の液性に近付けるのが好ましい。分析検体液に、目的成分以外の成分が多量に含まれている場合は、干渉作用による妨害を相殺するため、標準液にも、これらの成分を添加する。
その一方、実施例5で後述するが、標準添加法は、1つの試料から所定量を分取した複数の併行試料を準備し、それぞれに標準液の異なる量を段階的に加え、目的成分濃度の異なった複数の分析検体液を作製して、使用する分析装置特有の信号を測定する。即ち、分析対象である試料に、標準液を直接添加して、分析検体液を作製する。これによって、添加した標準液の濃度と信号との関係を求め、図7に示す様な検量線を作成し、検量線とX軸との交点から、試料の目的成分濃度を得ることが出来る。この方法は、検量線が良好な直線性を示し、かつ、検量線とX軸が交差する場合に適用可能であり、共存成分の影響が除かれるため、複雑な組成及び液性の試料を分析する上で、非常に好ましい。
但し、標準添加法は、一つの試料において、目的成分濃度の異なった分析検体液を複数作製しなければならず、検量線法に比べて、分析検体数、ひいては分析に掛かる時間が、かなり増えてしまうデメリットもある。検量線法及び標準添加法のどちらを選択するかは、分析試料に含まれる共存成分のほか、必要な分析精度や分析納期などを考慮して決定すればよい。
なお、上記の標準添加法において、有機溶媒試料の含水量(濃度)が検量線の濃度範囲内であれば、希釈操作は特には必要無く、標準液の代わりに原液を使用してもよい。
以下、本実施例について説明する。以降の例においては、グローブボックス内に、電子天秤、ピペットやフラスコ等の器具・容器類、試薬類を搬入し、試験を行っている。なお、本発明の技術的範囲は、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
<有機溶媒試料>
水溶解度が139g/Lで、誘電率が2.8で、かつ含水量が30ppm以下であるジメチルカーボネート<C>(キシダ化学株式会社製、以降同様。)を、金属材料Mの洗浄に用い、使用後のジメチルカーボネートを有機溶媒試料とした。なお、ジメチルカーボネートは金属材料M自体を溶解しない。
<検量線作成>
まず、脱水有機溶媒としては、水溶解度が1000g/L(水と任意の割合で混合する。即ち、999g/L(含水量として99.9%相当)以上でも溶解するので、本発明ではこの様に記載する。)で、誘電率が24.3で、かつ含水量が10ppm以下であるエタノール(超脱水)<COH>(和光純薬工業株式会社製、以降同様。)を用いた。そして超純水と脱水有機溶媒とから、原液(含水量10000ppm)を1000g製造した。
次に、希釈用有機溶媒としてはジメチルカーボネート(上記、新品)を用いた。そして原液(10000ppm)と希釈用有機溶媒とから、標準液9つ(含水量0ppm、1ppm、10ppm、20ppm、50ppm、100ppm、500ppm、1000ppm、2000ppm)を1000g製造した。
出来上がった標準液9つのうち、含水量0ppm、1ppm、10ppm、20ppm、50ppm、100ppmの6つで低濃度用の検量線を、含水量0ppm、100ppm、500ppm、1000ppm、2000ppmの5つで高濃度用の検量線を、それぞれ作成した。
なお、検量線作成時に使用した分析機器としては、フーリエ変換核磁気共鳴分光分析装置(以降、FT-NMRとも称する)を使用した。NMR測定用試料管(ガラス製二重管)の外管に標準液、内管に基準物質を添加した重溶媒を所定量移し入れ、H-NMRスペクトルを測定した。
なお、その際の各条件は以下の通りである。
・フーリエ変換核磁気共鳴分光分析装置:
FT-NMR装置AVANCE400型(ブルカー・バイオスピン株式会社製)
・NMR測定用試料管:
ガラス製二重管:外管→N-10P、内管→N-5P(両方とも、日本精密化学株式会社製)
・重溶媒:アセトン-d(キシダ化学株式会社製)
・基準物質:テトラメチルシラン(和光純薬工業株式会社製)
上述のスペクトルでは、テトラメチルシランのピーク位置を基準(0ppm)として、2.8ppm付近の位置に検出される水のピーク面積と、標準液濃度との関係を示す検量線を作成した。
作成した2つの検量線のうち、低濃度用の検量線を図4に、高濃度用の検量線を図5にそれぞれ示す。また、低濃度用の検量線については、相関の指標となる寄与率(相関係数の2乗)を後述の表1に示す。
<測定下限、定量下限>
実施例1での水の定量(分析)下限を求めるために、ジメチルカーボネート(上記、新品)を用い、これを検量線作成における標準液と同条件で測定して、その積分値を低濃度用の検量線に当てはめることにより測定値を得た。
ここで、定量下限とは、ある分析方法による目的成分の分析(定量)が可能な最小量、又は最小濃度を意味する。また、測定における目的成分の信号検出が可能な最小量(値)を検出限界、測定で得られる目的成分の信号において、信頼性が担保される最小量(値)を測定下限と言う。
本実施例で、この操作は、空試験(ブランク)測定に相当する。通常は、空試験測定(データ数は10個以上が好ましい)の結果から得られた標準偏差σを10倍した値が、まず測定下限(なお、検出限界は3σ)として採用される。更に、分析対象である有機溶媒試料を希釈して分析検体液へと調製する過程で、元の有機溶媒試料からどれだけ濃縮又は希釈されたかを示す希釈倍率(総重量/試料量)を測定下限に乗ずることにより、定量下限が求められる。つまり、これらは、下記の式(1)、(2)を用いて算出出来る。
測定下限=空試験測定値の標準偏差σ×10 ・・・(1)
定量下限=測定下限×総重量/試料量 ・・・(2)
従って、「測定下限とは、希釈倍率1倍のときの最小定量の限界値のこと」と先述した通り、希釈倍率1倍のときは、定量下限と測定下限は等しくなる。また、これらの指標は、分析方法が対応可能な下限値、言い換えれば分析方法の性能・効果を表すものの1つであり、分析結果が下限値未満であることのみを保証するためのものではない。
分析対象である使用後のジメチルカーボネート(すなわち有機溶媒試料)10gを試験管に移し入れ、遠心分離器で固液分離を行った後、上澄み液を1g採取し、これを分析検体液とした。本実施例においては、元の有機溶媒試料から濃縮・希釈は行っておらず、希釈倍率は1倍となる。
後述の表2に、求めた測定下限、定量下限を示す。
<分析結果>
上述の分析検体液を、検量線作成における標準液と同条件で測定して、その積分値を、低濃度用の検量線に当てはめることにより分析結果を得た。
後述の表3にその結果を示す。
[実施例2]
<有機溶媒試料>
水溶解度が11g/L、誘電率が1.9、含水量が10ppm以下のヘキサン(超脱水)<C14>(和光純薬工業株式会社製、以降同様。)を金属材料Mの洗浄に用い、使用後のヘキサンを分析対象である有機溶媒試料とした。
<検量線作成>
希釈用有機溶媒をヘキサン(上記、新品)としたことと、標準液6つ(0ppm、1ppm、10ppm、20ppm、50ppm、100ppm)を1000g製造し、この標準液6つで低濃度用の検量線のみを作成したこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。
作成した低濃度用の検量線を図4に示す。また、検量線について、相関の高さを表す寄与率を後述の表1に示す。
<測定下限、定量下限>
空試験測定にはヘキサン(上記、新品)を、分析対象である有機溶媒試料としては使用後のヘキサンを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。
後述の表2にその結果を示す。
<分析結果>
分析対象である有機溶媒試料としては使用後のヘキサンを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。
後述の表3にその結果を示す。
[実施例3]
<有機溶媒試料>
水溶解度が8.8g/L、誘電率が4.8、含水量が10ppm以下のクロロホルム(超脱水)<CHCl>(和光純薬工業株式会社製、以降同様。)を金属材料Mの洗浄に用い、使用後のクロロホルムを分析対象である有機溶媒試料とした。
<検量線作成>
クロロホルム(上記、新品)を希釈用有機溶媒としたこと以外は、実施例2と同様の操作を行った。
作成した低濃度用の検量線を図4に示す。また、検量線について、相関の高さを表す寄与率を後述の表1に示す。
<測定下限、定量下限>
空試験測定にはクロロホルム(上記、新品)を、分析対象である有機溶媒試料としては使用後のクロロホルムを用いたこと以外は、実施例2と同様の操作を行った。
後述の表2にその結果を示す。
<分析結果>
分析対象である有機溶媒試料としては使用後のクロロホルムを用いたこと以外は、実施例2と同様の操作を行った。
後述の表3にその結果を示す。
[実施例4]
<有機溶媒試料>
水溶解度が1000g/L、誘電率が32.2、含水量が1000ppm以下のN-メチル-2-ピロリドン<CNO>(三菱ケミカル株式会社製、以降同様。)の新品を、分析対象である有機溶媒試料とした。
<検量線作成>
含水量が比較的高濃度である、新品の有機溶媒試料を分析対象としたため、希釈用有機溶媒には、実施例1に記載されたジメチルカーボネート(上記、新品)を用いた。従って、ここでは、図4に示す、実施例1で作成された検量線を用いた。
<測定下限、定量下限>
空試験測定では、後述の表2に示す、実施例1に記載された測定下限を用いた。
前処理工程として、分析対象であるN-メチル-2-ピロリドン(上記、新品)を0.1g採取し、これを実施例1に記載されたジメチルカーボネート(上記、新品)で希釈して1gとしたものを、分析検体液とした。この場合、分析検体液は、元の有機溶媒試料から1/10に薄まった状態になっており、希釈倍率は10倍となる。
後述の表2に、求めた測定下限、定量下限を示す。
<分析結果>
分析対象である有機溶媒試料としてはN-メチル-2-ピロリドン(上記、新品)を用いたことと、得られたNMR値に上記の希釈倍率を乗じて分析値を求めたこと以外は、実施例2と同様の操作を行った。
後述の表3に、その結果を示す。
[実施例5]
<有機溶媒試料>
実施例1に記載された、新品のジメチルカーボネートと、金属材料Mの洗浄に用いた使用後のジメチルカーボネートの2つを有機溶媒試料とした。
<検量線作成>
まず、上記の2つの有機溶媒試料において、1つの試料から、それぞれ10gずつ、3つの併行試料を分取し、1組が3つ、合計6つの併行試料を準備した。次に、実施例1で製造した標準液1000ppmを、各組の3つの併行試料に、0.1g、0.2g、0.5gと段階的に添加して、濃度の異なる分析検体液を作製した。更に、作製した分析検体液を、実施例1に記載された条件と同条件で測定することにより、図7に示す様に、標準添加法における検量線を作成した。
<測定下限、定量下限>
標準添加法における測定下限は、検量線法の場合、つまり、実施例1の測定下限に準ずる。また、上記の分析検体液は、各併行試料10gに、標準液を0.1~0.5g添加した後、実施例1に記載されたエタノール(超脱水)を用い、総重量が10.5gとなる様に重量合わせをしており、元の有機溶媒試料からの希釈倍率は1.05倍となる。従って、定量下限は、この希釈倍率を加味した値となるが、倍率自体が小さいので、定量下限の上昇は殆ど起こらない。
<分析結果>
図7に示す様に、検量線とX軸との交点から、それぞれのNMR値を得て、これに上記の希釈倍率を乗じて空試験値(新品)及び測定値(使用後)を求め、更に、後述するカールフィッシャー滴定法と同様に、測定値(使用後)から空試験値(新品)を差し引くことで分析値を算出した。
後述の表3に、その結果を示す。
[比較例1]
<有機溶媒試料>
実施例3に記載された有機溶媒試料を用いた。
<検量線作成>
実施例3に記載されたクロロホルム(上記、新品)を用い、特許文献2にも記載されている、クロロホルム単一による標準液の製造を行った。即ち、超純水を0mg、1mg、10mg、20mg、50mg、100mgと、所定容器に段階的に採取し、これに総重量が1000gとなる様に、クロロホルムを添加した後、10分間撹拌して標準液6つを製造した。
このクロロホルム単一による標準液6つで、低濃度用の検量線を作成したこと以外は、実施例2と同様の操作を行った。
作成した低濃度用の検量線を図4に示す。図4の比較例1の検量線に交わる直線は、無理に直線の検量線を求めた結果である。また、検量線について、相関の高さを表す寄与率を、後述の表1に示す。なお、後述するが、比較例1では、通常の一次式において、検量線の直線性が良好ではなかったため、参考までに二次式のデータを追記している。
<測定下限、定量下限>
空試験測定にはクロロホルム(上記、新品)を、有機溶媒試料には使用後のクロロホルムを用いたこと以外は、実施例2と同様の操作を行った。
後述の表2に、求めた測定下限、定量下限を示す。
<分析結果>
検量線作成に、上述のクロロホルム単一による標準液を用いた以外ことは、実施例2と同様の操作を行った。
後述の表3に、その結果を示す。
Figure 0007091817000001
Figure 0007091817000002
Figure 0007091817000003
[総合評価]
図4及び表1の結果からも分かるように、作成された低濃度用の検量線のうち、通常の一次式において、各実施例だと寄与率は極めて良好(0.96以上、好ましくは0.999以上)であるが、比較例1では、検量線の直線性が良好ではなく、寄与率が最も悪かった。また、積分値についても、他のものに比べて、非常に低めの傾向を示した。これは、比較例1の検量線作成には、クロロホルム単一による標準液が用いられており、標準液製造における、クロロホルムへの水の溶解速度が遅いことが影響していると考えられる。
元来、クロロホルムは、誘電率が4.8の低極性有機溶媒であり、水溶解度が0.074mol(=8.8g/L)であり、水との混和性が小さい特徴を有している。そのため、ニッケルや銅などの金属元素を、溶媒抽出分離法で分析する際に、抽出溶媒としても用いられている。
クロロホルムへの水の添加量が溶解度の範囲内であっても、完全に混和させるためには、それなりの時間を要するものと思われる。つまり、比較例1で製造されたクロロホルム単一による標準液では、添加した超純水が全量溶解していないおそれが高い。
これに対して、各実施例の検量線は、原液製造における超純水と脱水有機溶媒との混和、そして、標準液製造における原液と各種の希釈用有機溶媒との混和が迅速に行われており、ヒドロキシル基の含有量も十分に抑えられていることなどから、直線性が良好で、かつ高相関であった。
ところで、図5に示した、実施例1における高濃度用の検量線が、最大7.4質量%のヒドロキシル基を含んだ条件下で、水の濃度が2000ppmまで良好な直線性を維持出来ていることは、言うまでもない。
また、表2の結果から、各実施例において、分析検体液の希釈倍率が1倍の場合は、定量下限1ppm未満を達成出来ていることが分かる。
なお、比較例1については、上述の通り、標準液の実際の水の濃度が不明な状態ながら、その検量線の積分値から、他の標準液よりも水の濃度が低値となっていることは明らかであり、その影響などから、希釈倍率を1倍としたときの定量下限1ppm未満を達成出来なかった。
更には、各実施例及び比較例1の分析結果を表3に示すが、カールフィッシャー滴定法による別法値を、比較のため共に記載した。なお、カールフィッシャー滴定装置は、微量水分測定装置CA-200(株式会社三菱ケミカルアナリテック社製)を用いた。
各実施例及び比較例1だと、検量線を作成のうえ、NMRスペクトルの水ピークの面積から含水量を測定している。その一方、カールフィッシャー滴定法だと、金属材料Mの洗浄後の有機溶媒試料すなわち測定後(使用後)の含水量の値から、金属材料Mの洗浄前の有機溶媒試料すなわち空試験値(新品)の含水量の値を差し引くことにより、金属材料Mの洗浄により得られた含水量を直接測定することが可能となる。
ところで、各実施例及び比較例1において、検量線を作成する場合、含水量が0ppmの標準液を用意したが、実際のところ、標準液の原液には大抵の場合10ppm前後の水が含有される。但し、含水量の分析に検量線を使用する際には、検量線において、0ppm前後よりも大きな含水量の部分が使用される。つまり、標準液の原液に10ppm前後の水が含有されていようとも本明細書に記載の手法ならば微量分析を行うことが可能であり標準液の原液の含水量に囚われることがない点でも汎用性に優れている。
ちなみに、先にも述べたようにカールフィッシャー滴定法では、分析操作過程での汚染が懸念されるほか、分析サンプルの組成や共存成分による妨害を受けるおそれがある。本例では、あくまで、NMRスペクトルから検量線により含水量を間接的に測定したときの値が、直接含水量を測定したときの値と大きなずれが無いかを確認するために、カールフィッシャー滴定法を使用したに過ぎない。
表3の結果から、実施例1~4の検量線法によるNMR分析値(使用後)、及び、実施例5の標準添加法によるNMR分析値(差引)は、カールフィッシャー滴定法の分析値(差引)と、良く一致しており、金属材料Mの洗浄によって、各種の有機溶媒へ溶解した水量を、正確に分析することが出来た。
なお、表3では有効数字を一桁ppmとしているが、各実施例における、本明細書に記載の手法で得られた測定下限は、いずれも1ppm未満であるのは表2に示す通りである。
それ以外にも、極性有機溶媒のように、新品でも元々の含水量が多い高濃度の有機溶媒試料においても、上述の希釈用有機溶媒(例えば低極性有機溶媒)を用いることで、良好な分析が可能となった。
その反面、比較例1については、NMR値(使用後)が、カールフィッシャー滴定法の分析値(差引)よりも、かなり高めの値となった。これは、検量線作成に用いた、クロロホルム単一による標準液の水の濃度が、設定濃度よりも低値となっており、その影響から、NMR値(使用後)が相対的に高値になっているものと推測される。
[まとめ]
本実施例ならば、あらゆる分野や業種における、有機溶媒試料の含水量について、分析操作が簡便で、かつ分析機器や周辺機器の構成も複雑ではなく、短時間で分析を行うことができ、更には、前処理及び測定中の汚染などを防止しながらの微量分析が可能となる。

Claims (11)

  1. 有機溶媒試料の含水量を分析する方法であって、
    核磁気共鳴分光法により得られるスペクトルから前記含水量を分析する際の検量線を作成するための標準液の製造工程と、前記標準液により前記検量線を作成する検量線作成工程と、を有し、
    前記標準液の製造工程は、有機溶媒と水とを混合する原液の製造工程と、前記原液を希釈用有機溶媒で希釈する前記原液の希釈工程と、を有し、
    前記検量線作成工程では、検量線の水の濃度範囲を0~2000ppmとし、
    前記有機溶媒試料の含水量を、前記核磁気共鳴分光法により、測定下限1ppm未満で分析することを特徴とする、含水量分析方法。
  2. 前記核磁気共鳴分光法により得られるスペクトルから含水量を分析する際の検量線は、
    前記有機溶媒である水溶解度(20℃)が9.0g/L以上且つ含水量が50ppm以下である脱水有機溶媒と、前記脱水有機溶媒に対して前記検量線の作成のために必要な量が添加された水とからなる、検量線作成用の原液の製造工程と、
    所定の量の前記原液を前記希釈用有機溶媒にて希釈する原液の希釈工程と、
    を有する検量線作成用の標準液の製造工程を経て得られた前記標準液により作成されることを特徴とする、請求項1に記載の含水量分析方法。
  3. 所定の量の前記有機溶媒試料に対して前記希釈用有機溶媒を添加し、分析検体液を得る前処理工程と、
    前記分析検体液に対して前記核磁気共鳴分光法により得られるスペクトルから前記検量線を用いて含水量を分析する分析工程と、
    を有することを特徴とする、請求項に記載の含水量分析方法。
  4. 前記前処理工程及び前記標準液の製造工程をドライボックス又はグローブボックス内で行うことを特徴とする、請求項に記載の含水量分析方法。
  5. 前記核磁気共鳴分光法においては、前記分析検体液の装置導入量を1ml以下とすることを特徴とする、請求項又はに記載の含水量分析方法。
  6. 前記脱水有機溶媒は、誘電率が5.0以上であることを特徴とする、請求項のいずれかに記載の含水量分析方法。
  7. 前記標準液は、ヒドロキシル基の含有量が7.4質量%以下であることを特徴とする、請求項のいずれかに記載の含水量分析方法。
  8. 前記有機溶媒試料は、ヒドロキシル基の含有量が7.4質量%以下であることを特徴とする、請求項のいずれかに記載の含水量分析方法。
  9. 前記希釈用有機溶媒は、誘電率が5.0未満であり、含水量が50ppm以下であり、ヒドロキシル基の含有量が7.4質量%以下であることを特徴とする、請求項のいずれかに記載の含水量分析方法。
  10. 前記有機溶媒試料又は前記希釈用有機溶媒に対して所定の量の前記有機溶媒試料を添加して得られる分析検体液、及び前記標準液においては、ヒドロキシル基の含有量が7.4質量%以下であることを特徴とする、請求項のいずれかに記載の含水量分析方法。
  11. 1つの前記有機溶媒試料から所定量を分取した複数の併行試料を準備し、前記併行試料の各々に対して、検量線作成用の原液又は標準液を段階的に添加し、濃度の異なった複数
    の分析検体液を得る前処理工程と、
    前記複数の分析検体液に対して、前記核磁気共鳴分光法により得られるスペクトルから、標準添加法を用いて含水量を分析する分析工程と、
    を有し、
    前記原液は、水溶解度(20℃)が9.0g/L以上且つ含水量が50ppm以下である脱水有機溶媒と、前記脱水有機溶媒に対して前記検量線の作成のために必要な量が添加された水とからなり、
    前記標準液は、所定の量の前記原液が希釈用有機溶媒にて希釈されたものであることを特徴とする、請求項に記載の含水量分析方法。
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