以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1乃至図17に、本発明に係るスライド機構を備える肘掛けの実施形態の一例を示す。本実施形態では、各図中において、「前」が付されている矢印の向きが図中の肘掛け,当該肘掛けが取り付けられている椅子,及び当該椅子の座に座った着座者にとっての前向きであり、「後」が付されている矢印の向きが前記肘掛け,前記椅子,及び前記着座者にとっての後ろ向きである。また、矢印によって表される前後方向と水平面内において直交する方向が前記肘掛け,前記椅子,及び前記着座者にとっての左右方向である。さらに、「上」が付されている矢印の向きが前記肘掛け,前記椅子,及び前記着座者にとっての上向きであり、「下」が付されている矢印の向きが前記肘掛け,前記椅子,及び前記着座者にとっての下向きである。
本実施形態の説明としては、着座者の左腕側に取り付けられる肘掛け1が例として図に示される。
本実施形態の肘掛け1は、支持筒部3と、当該支持筒部3の内部空間3cに位置固定されて配設されるガイド部材4と、当該ガイド部材4によって案内されつつ摺動して支持筒部3に対して昇降移動可能であるように支持筒部3の内部空間3cへと挿し入れられる支柱部5と、左右方向の水平支軸回りに回動可能であるように支柱部5の内部空間5eに配設される操作レバー6と、当該操作レバー6に対して付勢力を与える付勢部材7とを有し、ガイド部材4が、支柱部5が昇降移動する方向に並んで複数形成される係合孔4hを備え、操作レバー6が、当該操作レバー6が水平支軸回りに回動することによって前後方向垂直面に沿って揺動するアーム部6Aと当該アーム部6Aに形成されてガイド部材4の係合孔4hへと係合可能な係合部6dとを備え、付勢部材7が操作レバー6を付勢することによって操作レバー6のアーム部6Aが後ろ向きに回動して当該アーム部6Aに形成されている係合部6dがガイド部材4の係合孔4hへと係合するようにしている。
本実施形態では、肘掛け1のうちの、椅子の座を支持する座受部材(図示していない)へと当該肘掛け1を取り付けるための取付部2と、支持筒部3とが、樹脂によって一体に形成される。
取付部2は、座受部材の下面に沿って当該座受部材の左右方向中央部寄りの位置から側方周縁へと至り更に外向きに突出するように左右方向に延伸するものとして形成される。
取付部2のうちの、座受部材への取付け状態における、座受部材の左右方向中央部側の部分(言わば、基端部)が、ねじ2aによって座受部材の下面へと固定されて取り付けられる。これにより、肘掛け1が、座受部材へと取り付けられ、延いては椅子へと取り付けられる。
取付部2のうちの、座受部材への取付け状態における、座受部材の側方周縁から左右方向において外向きに突出する部分の上面と連接して、斜め前方上向きに延伸するものとして支持筒部3が形成される。
すなわち、取付部2と支持筒部3とは、左右方向において概ね水平方向に延伸する部分(即ち、取付部2)と概ね上下方向に起立する部分(即ち、支持筒部3)とを有する全体として前面視(正面視)/後面視(背面視)において概ねL字形をなすものとして一体に形成される。
支持筒部3は、筒状に形成され、上端3aは開口していると共に下端3bは取付部2と連接している。支持筒部3の上端3aの開口から下端3b(即ち、取付部2との連接部)へと至る筒の内部空間3c(別言すると、筒の中空部3c)の長手軸心方向のことを「支持筒部3の軸方向」と呼ぶ。
支持筒部3の内部空間3cに、支柱部5(特に、昇降筒部5A)を上下昇降可能に保持し支持するための仕組みを構成するものとしてガイド部材4が配設される。
ガイド部材4は、支持筒部3と支柱部5(特に、昇降筒部5A)との間に位置し介在して、操作レバー6とも協働して肘置き部10の高さ位置(別言すると、上下方向における位置)を所望の位置で固定することを可能にする。
ガイド部材4は、支持筒部3の軸方向と平行な方向を長手方向として延伸する被係合部4Aと、当該被係合部4Aの上端4cと連接して形成される環状部4Bとを有し、これら被係合部4Aと環状部4Bとが一体部品として形成される。すなわち、ガイド部材4は、一つの部品によって構成されている。
ガイド部材4が支持筒部3の内部空間3cに配設された状態で、被係合部4Aは、支持筒部3の内周面(言い換えると、支持筒部3の内部空間3cを区画する壁面)のうちの後ろ側端部(別言すると、後面部)へと当接しつつ、支持筒部3の軸方向と平行に配設される。そして、被係合部4Aの上端4cから前方へとせり出すように環状部4Bが形成される。
ガイド部材4の環状部4Bの内周面のうちの前側端部(別言すると、前面部)に、被係合部4Aの長手方向と平行に、後方に突出する凸部4eが形成される。
ガイド部材4の環状部4Bの内周面のうちの後ろ側端部(別言すると、後面部;尚、凸部4eと対向する位置である)から連続して被係合部4Aの前側面の下端4dまで、被係合部4Aの長手方向と平行に、前方に突出する線条凸部4fが形成される。
ガイド部材4の被係合部4Aに、左右一対の係合孔4h,4hが長手方向に所定ピッチで複数並んで形成される。図に示す例では、被係合部4Aに、線条凸部4fを間に挟んで左右一対の矩形の係合孔4h,4hが被係合部4Aの長手方向(別言すると、上下方向,支柱部5が昇降移動する方向)に沿って並んで二十段形成される。
ガイド部材4の被係合部4Aの下端部に、係止部4gが設けられる。そして、ガイド部材4が支持筒部3の内部空間3cに配設された状態で、支持筒部3を構成する壁を貫通して係止部4gへと至るねじ4iにより、ガイド部材4が支持筒部3に対して固定されて当該支持筒部3から抜け出ないように取り付けられる。
ガイド部材4が支持筒部3の内部空間3cに配設された状態で、被係合部4Aの上端4cと連接する環状部4Bが支持筒部3の内部空間3cの上端部に位置し、且つ、環状部4Bの外周面が支持筒部3の内周面と接触・当接して環状部4Bが支持筒部3に対してがたつかないように固定される。
支柱部5は、筒状に形成される昇降筒部5Aと、当該昇降筒部5Aの上端5cと連接して形成される肘置き支持部5Bとを有するものとして構成される。
本実施形態では、支持筒部3と支柱部5の昇降筒部5Aとはどちらも、側面視において上側の部位が下側の部位よりも前側に位置するように斜め前方に傾斜した態様(言い換えると、長手方向が前傾した態様)で上下方向に延伸するものとして形成され配設される。
支柱部5の昇降筒部5Aは、支持筒部3の内部空間3cに配設されたガイド部材4の環状部4Bを上下方向に貫通して支持筒部3の内部空間3cへと挿し入れられ、支持筒部3に対して上下移動可能であるように支持筒部3に保持されて支持される。
支柱部5の昇降筒部5Aの上端5c及び下端5dは開口し、上端5cは開口した態様で肘置き支持部5Bと連接する(言い換えると、昇降筒部5Aを構成する壁と連続するものとして肘置き支持部5Bを構成する壁が形成される)。支柱部5の昇降筒部5Aの上端5cの開口から下端5dの開口へと至る筒の内部空間5e(別言すると、筒の中空部5e)の長手軸心方向のことを「昇降筒部5Aの軸方向」と呼ぶ。
支柱部5の肘置き支持部5Bの上端5n側に、着座者の肘を乗せ置くための肘置き部10が配設される。
支柱部5の肘置き支持部5Bの内部空間5fには、肘置き部10を安定して支持するための複数のリブが形成されると共に、肘置き部10と肘置き支持部5Bとを連結するために上下方向に穿孔されて二つのねじ穴(具体的には、内側のねじ穴5p,外側のねじ穴5q)が形成される。なお、平面視において、内側(即ち、座に近い側)のねじ穴5pの方が、外側(即ち、座から遠い側)のねじ穴5qよりも前方位置に形成される。
肘置き支持部5Bの前面側に(言い換えると、肘置き支持部5Bの前端寄りの位置に)、前面開口部5iが形成される。
支柱部5の肘置き支持部5Bの内部空間5fから昇降筒部5Aの内部空間5eにわたって操作レバー6が配設され、さらに、昇降筒部5Aの内部空間5eに付勢部材7が配設される。
支柱部5の昇降筒部5Aの外周面のうちの前側端部(別言すると、前面部)の上端5cから昇降筒部5Aの軸方向と平行に連続して下端5dまで、ガイド部材4の凸部4eが摺動可能に嵌合可能な前側線条凹部5gが形成される。
支柱部5の昇降筒部5Aの外周面のうちの後ろ側端部(別言すると、後面部)の上端5cから昇降筒部5Aの軸方向と平行に連続して下端5dまで、ガイド部材4の線条凸部4fが摺動可能に嵌合可能な後ろ側線条凹部5hが形成される。
ここで、支持筒部3と支柱部5との形状に纏わる問題と、その問題の本発明における解決方法とを図11も用いて説明する。なお、図11は、前記問題とその解決方法とを説明するためのあくまでも模式図であり、形状・構造や相互の寸法関係などを厳密に表すものではない(特に、傾斜・勾配が強調されて表されている;また、例えば係止部4g,凸部4e,線条凸部4fの図示を省略している)。また、図11の(A)乃至(C)はいずれも、各部材の側方から見た断面図である。
まず、支柱部5の昇降筒部5Aは、上端5cから下端5dまで、昇降筒部5Aの軸方向Da2と直交する断面の形状が同一であり、つまり、太さが一定である。
一方、支持筒部3を金型を用いて成形する場合、金型による成形上、内部空間3cの成形には支持筒部3の軸方向Da1における抜き勾配が必要とされる。このため、支持筒部3の内部空間3cは、下端3bから上端3aへと向けて、支持筒部3の軸方向Da1と直交する断面の形状が抜き勾配の分だけ次第に大きくなるように変化する。
したがって、支持筒部3の軸方向Da1における成形時の抜き勾配が適用されている支持筒部3の内部空間3cへと支柱部5の昇降筒部5Aを単に挿し入れるだけでは、支持筒部3に対して支柱部5ががたついてしまうという問題が生じる。このようながたつきを防止するためには、支持筒部3の内周面(言い換えると、支持筒部3の内部空間3cを区画する壁面)における抜き勾配に相当する勾配が相殺されるように構成されたり、或いは、支持筒部3の内周面(言い換えると、支持筒部3の内部空間3cを区画する壁面)のうちの少なくとも一部において向かい合う相互に平行な面が構成されたりする必要がある。
本発明では、この問題を、ガイド部材4の形状を工夫することによって解決するようにしている。
具体的には、図11(A)に示すように、水平方向Hに対する支持筒部3の軸方向Da1の角度がγ°であるとし、また、下端3bから上端3aへと向けて次第に拡がるように前側にα°,後ろ側にβ°の、支持筒部3の軸方向Da1における成形時の抜き勾配がそれぞれ適用されているとする(尚、α=βでも良いし、α≠βでも良い)。
本発明では、上述の支持筒部3の軸方向Da1における成形時の抜き勾配のα°及びβ°をガイド部材4の被係合部4Aの形状を工夫することによって吸収するようにする。具体的には、被係合部4Aの前側についてα°、後ろ側についてβ°の勾配で、下端(前側面の符号4d)から上端4cへと向けて前後方向において次第に太く(言い換えると、幅広に,逆テーパ状に)なるように形成される(言い換えると、側面視において下端から上端に行くに従って幅寸法が次第に大きくなるように形成される)(図11(B))。
上述のように形成されたガイド部材4が支持筒部3の内部空間3cへと差し入れられることにより、水平方向H基準の角度γ°に対する前側の勾配と後ろ側の勾配とがどちらもα°である空間が形成される。なお、ガイド部材4の後ろ側の端部は、支持筒部3の内周面(言い換えると、支持筒部3の内部空間3cを区画する壁面)のうちの後ろ側端部(別言すると、後面部)に当接して安定する。
図10に示す例では、支持筒部3の内周面(言い換えると、支持筒部3の内部空間3cを区画する壁面)のうちの前側端部(別言すると前面部)及びガイド部材4の環状部4Bの内周面のうちの前側端部(別言すると、前面部)に形成された凸部4eと、ガイド部材4の環状部4Bの内周面のうちの後ろ側端部(別言すると、後面部)から連続して被係合部4Aの前側面の下端4dまで形成された線条凸部4fとが、向かい合う相互に平行な構造(別言すると、相互に平行な面)であるように構成される。
これにより、支持筒部3の内部空間3cへと支柱部5の昇降筒部5Aが挿し入れられた際にがたつくことなく安定して支持される。なお、ガイド部材4の被係合部4Aが差し入れられた状態における残りの空間としての内部空間3cの長手軸心方向は、支柱部5の昇降筒部5Aの軸方向Da2と一致し、水平方向Hに対してδ°(=γ+α)をなす(図11(C))。
なお、図10では分かり易さを考慮してγ°が90°であるようにしているがγ°は90°に限られるものではなく、種々の値を取り得る。また、α,β,δも種々の値をとり得る。具体的には例えば、他の図に示す実施形態としての例では、γ=99.5°,α=β=0.5°であり、δ=100°である。
操作レバー6は、昇降筒部5Aの軸方向に概ね沿う方向を長手方向として延伸するアーム部6Aと、当該アーム部6Aの上端部6cと連接し且つ当該アーム部6Aの長手方向に対して屈曲して前方へと延伸するレバー部6Bとを有する。すなわち、操作レバー6は、側面視において概ねL字形をなすものとして形成される。
操作レバー6のアーム部6Aが支柱部5の肘置き支持部5Bの内部空間5fを通過して肘置き支持部5Bと連接する昇降筒部5Aの上端5cの開口から挿し入れられて昇降筒部5Aの内部空間5eに配設された状態で、アーム部6Aは、昇降筒部5Aの内周面(言い換えると、昇降筒部5Aの内部空間5eを区画する壁面)のうちの後ろ側端部(別言すると、後面部)寄りの位置に於いて、昇降筒部5Aの軸方向に概ね沿うように配設される。
上記の状態で、アーム部6Aの上端部6cは昇降筒部5Aの上端5cの開口から肘置き支持部5Bの内部空間5fへと突出する。そして、アーム部6Aの上端部6cから前方へとせり出して肘置き支持部5Bの内部空間5f内を延伸するようにレバー部6Bが形成される。
操作レバー6のアーム部6Aの下端に、後方へと向かって突出し、ガイド部材4の被係合部4Aの係合孔4hに係合可能な係合部6dが形成される。本実施形態では、係合部6dは、左右二列(別言すると、左右一対)且つ上下三段の合計六個の凸部を有するものとして形成される。
支持筒部3の内部空間3cにおいて操作レバー6が前側でガイド部材4の係合孔4hが後ろ側になるように配設されることにより、特にその上で操作レバー6のアーム部6Aから後方へと向かって突出する係合部6dが後ろ向きに移動してガイド部材4の係合孔4hへと係合するように構成されることにより、支柱部5の上端5nに設けられる肘置き部10に肘を乗せた際には肘掛け1に対して前傾する向きに力がかかるため、肘置き部10に肘を乗せた状態で係合が解除され難くなる。
また、ガイド部材4の係合孔4hが左右一対で複数段形成されると共に操作レバー6のアーム部6Aの係合部6dの凸部が左右一対で複数段形成されることにより、複数箇所での係合となるために強固な係合となり、また、複数箇所での係合によって全体として必要な強度が確保されれば良いので個々の孔や凸部は小さくすることが可能であるために肘置き部10の高さを細かく調整し得るように係合孔4h及び係合部6dが構成され得る。
操作レバー6のアーム部6Aの上端部6cに、後方へと向かって突出する突部6eが形成される。さらに、当該突部6eの左右側面のそれぞれに、これら左右側面の各々から側方へと向かって円柱形状(言い換えると、太鼓形状)に突出する一対の支点突起6f,6fが形成される。
操作レバー6のレバー部6Bの前端部にボタン部6hが形成される。そして、肘置き支持部5Bの前面開口部5iから、操作レバー6のレバー部6B前端のボタン部6hが肘置き支持部5Bの外方へと突出(言い換えると、肘置き支持部5Bの外部に露出)する。
また、支柱部5の肘置き支持部5Bの内部空間5fの、昇降筒部5Aの後端部に相当する壁の概ね上方位置に、左右方向において対向する一対の受け凹部5j,5j(尚、上部及び側部が開放し且つ下部及び前後部が閉塞している態様である)が形成される。
そして、操作レバー6は、左右一対の支点突起6f,6fの各々が左右一対の受け凹部5j,5jのそれぞれへと差し入れられて回動可能に係止することにより、一対の支点突起6f,6fを支点として(言い換えると、左右方向の水平支軸を回動中心として)支柱部5に対して回動可能に支持される。
操作レバー6が、回動可能に支持されることにより、一対の支点突起6f,6fを回動中心として前後方向垂直面に沿って揺動する。具体的には、アーム部6Aについては下端の係合部6dが前後動するように、また、レバー部6Bについては前端部6gが上下動するように、操作レバー6が前後方向垂直面に沿って揺動する。
付勢部材7は、操作レバー6のアーム部6Aの前面部と支柱部5の昇降筒部5Aの内周面(言い換えると、昇降筒部5Aの内部空間5eを区画する壁面)のうちの前側端部(別言すると、前面部)との間に介在するように配設され、アーム部6A(具体的には、アーム部6A下端の係合部6d)を後方へと向けて付勢する。
付勢部材7は、トング形状に形成されてV字形に開いたりU字形に閉じたりする弾性変形をしてV字形に開く向きの付勢力を発揮する板ばね部7Aと、当該付勢部材7を支柱部5の昇降筒部5Aに対して位置固定して取り付けるための取付部7Bと、板ばね部7Aの一端が固定されると共に取付部7Bが連接するブロック部7Cとを有する。
付勢部材7は、本実施形態では樹脂製の一体成型品として形成されるようにしているが、樹脂製の一体成型品である態様に限定されるものではなく、例えば板ばね部7Aのみが金属によって形成されるようにしても良い。
ここで、操作レバー6のアーム部6Aに、当該アーム部6Aの上下方向における大凡中央位置から下端の係合部6dまで前後方向において貫通するスリット6iが形成される。そして、当該スリット6iに、トング形状に形成される板ばね部7Aの上側部分が進入可能であるように構成される。これにより、十分な弾性力/付勢力を発揮し得るように板ばね部7Aの大きさを確保し尚且つ操作レバー6のアーム部6Aの可動域を確保することが可能になる。
付勢部材7のブロック部7Cは、支柱部5の昇降筒部5Aの下端部分に嵌合する。
また、付勢部材7の取付部7Bは、ブロック部7Cの下端部と連接しつつ、支柱部5の昇降筒部5Aの下端から回り込んで昇降筒部5Aを構成する壁の外面に沿って上向きに延出する。
そして、組み付けの際には、支柱部5の昇降筒部5Aの下端5dの開口から付勢部材7のブロック部7Cが昇降筒部5A内へと差し入れられる(このとき、取付部7Bは昇降筒部5Aの外側にはみ出させられる)と共に、取付部7Bの上端部に形成された係合凸部7dが、支柱部5の昇降筒部5Aを構成する壁のうちの前側端部(別言すると、前面部)の下端寄りの位置に形成された係合孔部5kへと、昇降筒部5Aの外側から嵌まり込む。
上述の係合凸部7dを含む取付部7B及びブロック部7Cにより、付勢部材7が支柱部5の昇降筒部5Aへと取り付けられる。
なお、付勢部材7のうちの、昇降筒部5Aの外側に位置する取付部7B及びブロック部7Cの前端が支持筒部3の内周面(言い換えると、支持筒部3の内部空間3cを区画する壁面)のうちの前側端部(別言すると、前面部)と摺動可能に当接するように寸法や形状が調整され、これにより、支柱部5が昇降する際の当該支柱部5の姿勢が拘束されてがたつきが防止される。
また、肘置き部10の高さ位置(別言すると、上下方向における位置)を調整するために肘置き部10と共に支柱部5が引き上げられる際に、付勢部材7の取付部7Bの上端面(尚、係合凸部7dの上端面でもある)がガイド部材4の環状部4Bの下端面と当接することにより、支持筒部3からの支柱部5の抜き外れが防止される。すなわち、付勢部材7の取付部7Bは、支柱部5の支持筒部3/ガイド部材4からの抜け止めでもある。
支持筒部3と支柱部5とは、支持筒部3の内部空間3cにガイド部材4が取り付けられると共に支柱部5の昇降筒部5Aの内部空間5eに操作レバー6及び付勢部材7が配設された状態で、支持筒部3を外筒とすると共に支柱部5の昇降筒部5Aを内筒としてテレスコープ式/テレスコピック式に(即ち、望遠鏡の筒のように入れ子式に)伸縮自在に、支持筒部3の上端3aの開口から内部空間3cへと支柱部5の昇降筒部5Aが差し入れられて組み付けられる。
次に、上述した肘掛け1の操作方法及び作動を以下に説明する。
前面開口部5iから突出するボタン部6hに対して着座者が何らの操作もしておらず、操作レバー6に対して外力が付与されていない状態では、付勢部材7によって操作レバー6のアーム部6A(具体的には、アーム部6A下端の係合部6d)が後方へと付勢されることにより、当該アーム部6A下端の係合部6dが支柱部5の昇降筒部5Aを構成する壁のうちの後ろ側端部(別言すると、後面部)の下端寄りの位置に形成された後面開口部5mを通過してガイド部材4の被係合部4Aの係合孔4hへと入り込んで係合し、また、レバー部6B前端のボタン部6hが肘置き支持部5Bの前面開口部5iから突出する。
そして、アーム部6A下端の係合部6dがガイド部材4の被係合部4Aの係合孔4hへと入り込んで係合している状態では、支持筒部3に対する支柱部5の昇降移動は制限され、肘置き部10の高さ位置は固定される。
一方、前面開口部5iから突出するボタン部6hが着座者によって押し込まれることによって操作レバー6に対して所定の外力(具体的には、付勢部材7による付勢力に対抗し得る程度の外力)が付与された状態では、ボタン部6hが押し上げられることにより、左右一対の支点突起6f,6fを支点として(言い換えると、左右方向の水平支軸を回動中心として)、レバー部6Bが前後方向垂直面に沿って上向きに回動し、同時に、アーム部6Aが前後方向垂直面に沿って前向きに回動する。
そして、アーム部6Aが前後方向垂直面に沿って前向きに回動することにより、当該アーム部6A下端の係合部6dがガイド部材4の被係合部4Aの係合孔4hから引き抜かれ、係合部6dと係合孔4hとの係合状態が解除される。これにより、支柱部5が支持筒部3に対して昇降移動可能な状態になり、着座者の体格や好みなどに合わせて、肘置き部10の高さ位置が調節され得る(言い換えると、肘掛け1全体の支持筒部3の軸方向/昇降筒部5Aの軸方向の長さ寸法が調節され得る)。
支柱部5が支持筒部3に対して昇降移動する際、支柱部5に形成されている前側線条凹部5gがガイド部材4に設けられている凸部4eへと摺動嵌合して案内されると共に支柱部5に形成されている後ろ側線条凹部5hがガイド部材4に設けられている線条凸部4fへと摺動嵌合して案内される。これにより、支持筒部3に対する支柱部5の昇降移動が的確に安定して案内され、支柱部5ががたつくことなく滑らかに支持筒部3に対して昇降移動する。
肘置き部10の高さ位置が調節された後、着座者によるボタン部6hの押し込み(言い換えると、ボタン部6hが押し上げられることによるレバー部6Bが前後方向垂直面に沿って上向きに回動する操作力)が解除されて操作レバー6に対して外力が付与されていない状態に戻ると、付勢部材7による付勢力によって左右一対の支点突起6f,6fを支点として(言い換えると、左右方向の水平支軸を回動中心として)、レバー部6Bが前後方向垂直面に沿って下向きに回動し、同時に、アーム部6Aが前後方向垂直面に沿って後ろ向きに回動する。
そして、アーム部6Aが前後方向垂直面に沿って後ろ向きに回動することにより、当該アーム部6A下端の係合部6dが支柱部5の昇降筒部5Aを構成する壁のうちの後ろ側端部(別言すると、後面部)の下端寄りの位置に形成された後面開口部5mを通過してガイド部材4の被係合部4Aの係合孔4hへと入り込んで係合し、支持筒部3に対する支柱部5の昇降移動が制限されて肘置き部10の高さ位置が固定される。
以上のように構成された肘掛け1や当該肘掛け1を備える椅子によれば、ガイド部材4が、支柱部5が支持筒部3に対して昇降移動する際に支柱部5の昇降筒部5Aを案内するための構成である凸部4e及び線条凸部4f,操作レバー6の係合部6dを嵌合させて係合させるための構成である係合孔4h,並びに支持筒部3の内部空間3cに纏わる抜き勾配を相殺するための構成である被係合部4Aの前後方向の寸法変化構造(別言すると、テーパ構造)の全てを備えるようにしているので、肘置き部10の高さ位置を調節する仕組みを少ない部品点数で構成することができる。
また、操作レバー6のアーム部6Aを収容する支柱部5の昇降筒部5Aや支持筒部3について、前後方向が長軸であり左右方向が短軸である横断面形状が採用される場合が多い。このような横断面形状である場合に特に、操作レバー6のアーム部6Aを前後方向垂直面に沿って回動/揺動させるようにすることにより、左右方向垂直面に沿って回動/揺動させる場合と比べ、アーム部6A下端の係合部6dの前後動の移動寸法を大きくすることが可能になり、したがって係合部6dとガイド部材4の係合孔4hとのそれぞれの係合部分の寸法を十分に確保することが可能になり、延いては係合部6dと係合孔4hとの係合の確実性やこれらの係合解除の確実性を確保することが可能になる。
続いて、肘置き部10は、肘当てパッド11,肘置きインナー12,及びスライド基部13を有すると共にスライド機構20を備える。本実施形態の説明としては、着座者の左腕側に取り付けられる肘掛け1を構成する肘置き部10が例として図に示される。
肘当てパッド11,肘置きインナー12,及びスライド基部13はいずれも、樹脂によって形成されると共に平面視において概ね草鞋形(即ち、前後方向に長い矩形の四つの角部分をそれぞれ丸くした形状)に形成される。しかしながら、肘当てパッド11,肘置きインナー12,及びスライド基部13の材質は樹脂に限定されるものではなく、他の材質によって形成されるようにしても良い。また、肘当てパッド11,肘置きインナー12,及びスライド基部13の平面視における形状は草鞋形に限定されるものではなく、他の形状に形成されるようにしても良い。
肘置き部10は、スライド基部13に対してスライド機構20が備え付けられると共に肘置きインナー12及び肘当てパッド11が装着されて構成される。
肘置き部10は、支柱部5の肘置き支持部5Bとの間に当該肘置き支持部5Bの上端5nに設置される昇降筒部カバー9を介在させた状態で、支柱部5に対して前後方向にスライド移動し得るように連結されて取り付けられる。
昇降筒部カバー9には、支柱部5の肘置き支持部5Bの上端5nに設置された状態で(延いては、取付部2や支持筒部3を介して椅子に取り付けられた状態で)、左右方向における内側(即ち、座に近い側)に位置するねじ貫通孔9aと外側(即ち、座から遠い側)に位置するねじ貫通孔9bとが形成される。
支柱部5の肘置き支持部5Bの上端5n側に設けられる二つのねじ穴5p,5qは、昇降筒部カバー9が設置された状態で当該昇降筒部カバー9の二つのねじ貫通孔9a,9bと対応する位置(即ち、平面視において重なる位置)にそれぞれ形成される。
肘置き部10の肘当てパッド11は、スライド基部13及び肘置きインナー12の上側をカバーするように装着されるものであり、肘当て面部11Aと、肘置きインナー12へと取り付くために肘当て面部11Aの周縁端部から下向きに延出して形成された周壁部11Bとを有する。
肘当てパッド11は、図に示す態様に限定されるものではなく、他の態様に形成されるようにしても良い。具体的には例えば、肘当てパッド11は、あくまで一例として挙げると、肘当てパッド11のような芯材若しくは肘置きインナー12の上面にクッション材が取り付けられると共に当該クッション材を覆う張地が張設されて構成されるようにしても良い。
肘置き部10の肘置きインナー12は、平面視において肘当てパッド11よりも一回り小さい(言い換えると、肘当てパッド11及びスライド基部13の内部に収容され得る大きさの)草鞋形の薄板状に形成される。
肘当てパッド11と肘置きインナー12との結合の仕方は特定の態様に限定されるものではないものの、あくまでも具体例の一つとして本実施形態では肘当てパッド11の下面側の周壁部11Bが肘置きインナー12の周辺部へと強固に嵌め付けられて肘置きインナー12に対して肘当てパッド11が固定して取り付けられる。
肘置き部10のスライド基部13は、昇降筒部カバー9の上面と摺動可能に当接する底板部13Aと、当該底板部13Aの上面から立設して肘置きインナー12(延いては、肘当てパッド11)を下方から支持するリブが形成された内部空間13Bと、底板部13Aの周縁端部から上向きに突出して形成された周縁凸部13Cとを有する。
肘置きインナー12とスライド基部13との結合の仕方は、特定の態様に限定されるものではなく、肘置き部10の全体のデザインとの兼ね合いが考慮されるなどした上で適当な態様が適宜選択される。
あくまでも具体例の一つとして本実施形態では、肘置きインナー12の下面に、前端寄りの位置から下方へと突出して下端部において前方へと屈曲する係合鉤部12a及び左右両側方の縁部のそれぞれに複数の嵌合凸部12bが形成されると共に、後端寄りの位置にねじ穴部12c(別言すると、ナット部)が形成される。
また、スライド基部13に、内部空間13Bの前端寄りの位置に係合開口13dが形成されると共に、内部空間13Bに形成されたリブと周縁凸部13Cとの間に間隙13eが構成され、さらに、後端寄りの位置にねじ貫通孔13fが形成される。
そして、係合鉤部12aが係合開口13dへと差し込まれて係止すると共に嵌合凸部12bが間隙13eへと嵌まり込んで挟まれて係止した状態で、スライド基部13の底板部13Aの下面側からねじ貫通孔13fへとねじ13gが差し込まれ、当該ねじ13gが底板部13Aを貫通すると共に肘置きインナー12の下面のねじ穴部12cへとねじ込まれることにより、スライド基部13に対して肘置きインナー12が(肘当てパッド11と共に)固定して取り付けられる。
スライド機構20は、肘置き部10が一定の経路/軌道で支柱部5に対して前後方向にスライド動作するように案内すると共に当該スライド動作に際しての肘置き部10の移動に対して一定の抵抗を付与する仕組みである。
本実施形態のスライド機構20は、着座者の肘を乗せ置くための肘置き部10を当該肘置き部10を支持する部材である支柱部5(特に、肘置き支持部5B)に対して水平方向にスライド移動させるための仕組みであり、肘置き部10(特に、スライド基部13)と、肘置き部10と支柱部5とを連結する部材である抵抗付与連結部21の基部23と、の間に介在して上下方向において弾性変形しながら転動する抵抗付与部24(特に、弾性部材24b)を有し、肘置き部10がスライド移動する際に弾性部材24bが弾性変形しながら転動することによってスライド移動に対して抵抗が付与されるようにしている。
スライド機構20は、一対の抵抗付与連結部21,21、並びに、これら抵抗付与連結部21,21のそれぞれに対応して設けられてこれら抵抗付与連結部21,21の各々が嵌まって案内される第一のガイドレール29A及び第二のガイドレール29Bを有する。
ガイドレール29A,29Bは、抵抗付与連結部21と係合してスライド基部13の移動(延いては、肘置き部10の位置及び姿勢)を規定し拘束するためのものである。
本実施形態では、一対の抵抗付与連結部21,21のそれぞれに対応するように、肘置き部10が支柱部5に取り付けられた状態で(延いては、取付部2や支持筒部3を介して椅子に取り付けられた状態で)、左右方向において内側(即ち、座に近い側)に位置するガイドレールを第一のガイドレール29Aとし、左右方向において外側(即ち、座から遠い側)に位置するガイドレールを第二のガイドレール29Bとする。
第一のガイドレール29Aと第二のガイドレール29Bとはどちらも底板部13Aを細長直線状に貫通して形成されるスリット状の貫通孔であるガイドスリット29cを有し、さらに、第一のガイドレール29Aは後端側に後端立壁29dを有し、また、第二のガイドレール29Bは前端側に前端立壁29eを有する。
本実施形態では、第一のガイドレール29Aのガイドスリット29cは、平面視においてスライド基部13の長手方向(即ち、前後方向)を基準として、前端が後端よりも内側に位置し、全体として(言い換えると、長手方向が)、後端から斜め内側前方へと向かって傾斜する方向に沿って形成される。
また、第二のガイドレール29Bのガイドスリット29cは、平面視においてスライド基部13の長手方向(即ち、前後方向)を基準として、第一のガイドレール29Aのガイドスリット29cよりも緩やかな傾斜で、全体として(言い換えると、長手方向が)、後端から斜め内側前方へと向かって傾斜する方向に沿って形成される。
すなわち、第一のガイドレール29Aのガイドスリット29cと第二のガイドレール29Bのガイドスリット29cとは、相互に平行でないように形成される。
抵抗付与連結部21,21は、スライド基部13(加えて、当該スライド基部13に装着されている肘当てパッド11及び肘置きインナー12)を支柱部5に対して水平スライド可能であるように連結し、且つ、支柱部5に対してスライド基部13が水平スライド移動する際にスライド基部13の移動に対して適度な抵抗を付与するためのものである。
本実施形態では、前後方向に関して相互に逆向きに配設される一対の抵抗付与連結部21,21が一つのスライド機構20を構成する一部として一つのスライド基部13に対して組み付けられる。
抵抗付与連結部21は、締結部材22,基部23,及び抵抗付与部24を有する。
本実施形態では締結部材22として段付きボルトが用いられる。締結部材としての段付きボルト22は、一端側の頭部22a及び他端側のねじ部22c並びにこれら頭部22aとねじ部22cとの間の軸部22bを有し、頭部22aを上,ねじ部22cを下にして長手軸心方向が上下方向に沿うように配設される。
基部23は、締結部23a,第一の嵌合部23b,支持部23c,及び第二の嵌合部23dを有する。
基部23の締結部23aは、締結部材22(具体的には、段付きボルト)を上下方向に貫通させる貫通孔23fを有する。
基部23の第一の嵌合部23bは、締結部23aの下端から下向きに突出して形成され、第一・第二のガイドレール29A,29Bのガイドスリット29cへと差し込まれて摺動可能に嵌合する(言い換えると、ガイドスリット29cを摺動可能に貫通する)。
基部23の支持部23cは、締結部23aの側部と連接して、締結部材22を挟んで第一の嵌合部23bと水平方向において対向する位置に形成される。
支持部23cは、締結部23aの側部から連接して延出する方向(尚、抵抗付与連結部21がスライド基部13へと組み付けられた状態におけるガイドスリット29cの長手方向である)に対して直交する方向において水平に突出する円柱形状(言い換えると、太鼓形状)の支持突部23eを有する。
基部23の第二の嵌合部23dは、支持部23cの下端から下向きに突出して形成され、したがって締結部材22を挟んで第一の嵌合部23bと水平方向において対向する位置に形成され、第一・第二のガイドレール29A,29Bのガイドスリット29cへと差し込まれて摺動可能に嵌合する(言い換えると、ガイドスリット29cを摺動可能に貫通する)。
支持部23cに設けられている支持突部23eに、抵抗付与部24が取り付けられる。
抵抗付与部24は、弾性を備える部材によって形成され、スライド基部13に対して接触/当接したり押し付けられたりすることにより、上下方向において弾性変形(具体的には、圧縮変形)するために必要とされる外力を、スライド基部13が支柱部5に対して前後方向にスライド移動する際に抵抗力として発揮するものである。
本実施形態では、抵抗付与部24を構成するものとして、弾性を備える樹脂によって環状(別言すると、輪形,ドーナツ状)に形成された部材(具体的には例えば、Oリング)が用いられる。
本実施形態では、具体的には、基部23の支持突部23eへとローラホイール24aが嵌め付けられた上で当該ローラホイール24aへと例えば樹脂製等のOリングなどの環状の弾性部材24bが取り付けられ、これにより、支持突部23eを中心として基部23に対して転動可能であるように弾性部材24bが取り付けられる。
ここで、基部23の支持突部23eに弾性部材24bが取り付けられた上で当該基部23と共にスライド基部13の第一・第二のガイドレール29A,29Bへと設置されて第一の嵌合部23b及び第二の嵌合部23dがガイドスリット29cへと嵌め込まれた状態で、第一の嵌合部23bと第二の嵌合部23dとを結ぶ方向であってガイドスリット29cの長手方向において、基部23よりも弾性部材24bの方が、締結部材22の反対側へと突出するように各部材・各部の寸法が調整されて構成される。
弾性部材24bは、基部23の支持突部23eに取り付けられた上で当該基部23と共にスライド基部13の第一・第二のガイドレール29A,29Bへと設置されて段付きボルト22が締め付けられると、支持突部23eによって第一・第二のガイドレール29A,29B内の底板部13A(具体的には、底板部13Aのうちのガイドスリット29cの側縁を区画する部分であり、当該ガイドスリット29cの側方に隣接して当該ガイドスリット29cの長手方向に延出するレール部13h)へと押し付けられて支持突部23eと底板部13Aとの間の部分が上下方向において圧縮変形した状態になる。
そして、支柱部5の肘置き支持部5Bに対して(具体的には、昇降筒部カバー9の上面を摺動して)スライド基部13が水平スライド移動する際に、肘置き支持部5Bに固定されている抵抗付与連結部21に対してスライド基部13の底板部13Aが動くことに伴い、レール部13hへと押し付けられている弾性部材24bが転動しながら支持突部23eと底板部13A(特に、レール部13h)との間の部分が上下方向において圧縮変形することにより、スライド基部13の水平スライド移動に対して適度な抵抗が付与される。
なお、各部材・各部の寸法が調整されると共に締結部材としての段付きボルト22による基部23の締め付けの程度が調節されることによって抵抗付与部24(特に、弾性部材24b)の上下方向における弾性変形(具体的には、圧縮変形)の度合いが調整されることにより、スライド基部13の水平スライド移動に対して付与される抵抗の大きさが調節され得る。
なお、本実施形態では支持突部23eが支持部23cの所定方向(具体的には、ガイドスリット29cの長手方向と直交する方向)における両側に向けて突出する一対のものとして形成された上でこれら一対の支持突部23e,23eのうちの一方のみに抵抗付与部24が取り付けられるようにしているところ、支持突部23eが所定方向における片側のみに形成された上で当該片側の支持突部23eに抵抗付与部24が取り付けられるようにしても良く、また、支持突部23eが所定方向における両側に(即ち、一対のものとして)形成された上でこれら両側の(即ち、一対の)支持突部23e,23eの両方に抵抗付与部24が取り付けられるようにしても良い。
また、本実施形態では二本のガイドレール29A,29Bのそれぞれに嵌め込まれる一対の抵抗付与連結部21,21の両方に抵抗付与部24(特に、弾性部材24b)が取り付けられるようにしているが、一対の抵抗付与連結部21,21のうちの一方のみに抵抗付与部24(特に、弾性部材24b)が取り付けられるようにしても良い。この場合には、抵抗付与部24が取り付けられていない抵抗付与連結部21の基部23が、レール部13hと摺動可能に当接する摺動当接部を有するものとして形成されるようにしても良い。
スライド機構20を含む肘置き部10の支柱部5への組み付けは、一例としては、以下のような手順によって行われる。
支柱部5の肘置き支持部5Bの上端5nに昇降筒部カバー9が設置され、当該昇降筒部カバー9の上面にスライド基部13が載置される。
スライド基部13の第一のガイドレール29Aのガイドスリット29c(のうちのいずれかの部分)が昇降筒部カバー9のねじ貫通孔9aの位置に合わせられると共に第二のガイドレール29Bのガイドスリット29c(のうちのいずれかの部分)が昇降筒部カバー9のねじ貫通孔9bの位置に合わせられる。
一対の抵抗付与連結部21,21を構成する二つの基部23,23それぞれの支持突部23eに抵抗付与部24が取り付けられ、一方の基部23が第一のガイドレール29Aへと嵌め込まれると共に他方の基部23が第二のガイドレール29Bへと嵌め込まれる。
このとき、第一のガイドレール29Aへと嵌め込まれる抵抗付与連結部21は、抵抗付与部24が後ろ側になるように配設され、また、第二のガイドレール29Bへと嵌め込まれる抵抗付与連結部21は、抵抗付与部24が前側になるように配設される。
また、第一・第二のガイドレール29A,29Bに嵌め込まれている基部23は、第一の嵌合部23b及び第二の嵌合部23dがガイドスリット29cに嵌まる。
第一のガイドレール29Aに嵌め込まれている基部23の締結部23aの貫通孔23fに段付きボルト22がねじ部22c側から挿し込まれて当該ねじ部22cが第一のガイドレール29Aのガイドスリット29c及び昇降筒部カバー9のねじ貫通孔9aを通過して支柱部5の肘置き支持部5Bの上端5n側の内側のねじ穴5p(別言すると、段付きボルト22に対応するナット部)へとねじ込まれる。この状態で、段付きボルト22の軸部22bが第一のガイドレール29Aのガイドスリット29cを貫通する。
第二のガイドレール29Bに嵌め込まれている基部23の締結部23aの貫通孔23fに段付きボルト22がねじ部22c側から挿し込まれて当該ねじ部22cが第二のガイドレール29Bのガイドスリット29c及び昇降筒部カバー9のねじ貫通孔9bを通過して支柱部5の肘置き支持部5Bの上端5n側の外側のねじ穴5q(別言すると、段付きボルト22に対応するナット部)へとねじ込まれる。この状態で、段付きボルト22の軸部22bが第二のガイドレール29Bのガイドスリット29cを貫通する。
このとき、締結部材としての段付きボルト22は、頭部22aが締結部23aに係止すると共に、軸部22bがガイドスリット29cに嵌まる。このため、締結部材としての段付きボルト22の軸部22bをガイドスリット29cに対して摺動可能に嵌合させるようにすることにより、基部23の第一の嵌合部23bと第二の嵌合部23dとのうちの少なくとも一方が設けられないようにしても良い。
以上により、抵抗付与部24(特に、弾性部材24b)が、肘置き部10(特に、スライド基部13)と抵抗付与連結部21との間に介在し、この状態でレール部13h上を転動することになる。
ここで、長手軸心方向が上下方向に沿うように配設された締結部材としての段付きボルト22により、弾性力を備える抵抗付与部24の弾性部材24bを基部23を介して押し付けた状態でスライド基部13を支柱部5に対して連結することにより、締結力が上下方向に沿うようになると共に上下方向に沿う弾性力が発揮されるので、支柱部5への連結に係るスライド基部13の(延いては、肘置き部10の)がたつきの発生が防止される。
そして、肘当てパッド11が取り付けられた肘置きインナー12がスライド基部13へと据え付けられ、長手軸心方向が上下方向に沿うように配設されてスライド基部13の底板部13Aを貫通して肘置きインナー12の下面に設けられているねじ穴部12cへとねじ込まれるねじ13gによって締結される。
図に示す例における一対の抵抗付与連結部21,21は、それぞれ、支柱部5に対するスライド基部13の前後方向におけるスライド移動を制限するためのストッパとしても働く。
具体的には、肘置き部10が前方へとスライド移動すると遂には第一のガイドレール29A内の抵抗付与連結部21の抵抗付与部24が第一のガイドレール29Aの後端の立壁29dへと突き当たり(別言すると、当接し,触突し)、抵抗付与連結部21がスライド基部13の移動を制限するストッパとして働いて肘置き部10の水平スライド動作が制動される。このとき、第二のガイドレール29B内の抵抗付与連結部21は第二のガイドレール29Bの後端の立壁には接触・当接しないように各部材・各部の寸法が調整される。なお、第一のガイドレール29A内の抵抗付与連結部21がストッパとして働く状態が、スライド基部13が(延いては、肘置き部10が)最も前進した位置である。
一方、肘置き部10が後方へとスライド移動すると遂には第二のガイドレール29B内の抵抗付与連結部21の抵抗付与部24が第二のガイドレール29Bの前端の立壁29eへと突き当たり(別言すると、当接し,触突し)、抵抗付与連結部21がスライド基部13の移動を制限するストッパとして働いて肘置き部10の水平スライド動作が制動される。このとき、第一のガイドレール29A内の抵抗付与連結部21は第一のガイドレール29Aの前端の立壁には接触・当接しないように各部材・各部の寸法が調整される。なお、第二のガイドレール29B内の抵抗付与連結部21がストッパとして働く状態が、スライド基部13が(延いては、肘置き部10が)最も後退した位置である。
つまり、一対の抵抗付与連結部21,21が、第一のガイドレール29A及び第二のガイドレール29Bのガイドスリット29cの長手方向において、抵抗付与部24(特に、弾性部材24b)が取り付けられる側が相互に逆向きになるように配設されることにより、肘置き部10(特に、スライド基部13)の前向きと後ろ向きとのどちらの向きのスライド移動に対しても移動を制限するストッパとして働く。
抵抗付与連結部21の抵抗付与部24(特に、弾性部材24b)をストッパ部材として用いる(言い換えると、機能させる)ことにより、抵抗付与部24は弾性を備える部材によって構成されるため、スライド基部13の第一のガイドレール29Aの後端立壁29dや第二のガイドレール29Bの前端立壁29eへと突き当たる際に弾性力が発揮され、肘置き部10を最も前進した位置や最も後退した位置まで移動させた際の突き当たり感を和らげることができる。
図に示す例では後端立壁29dや前端立壁29eはそれぞれ第一のガイドレール29Aや第二のガイドレール29Bを取り囲むように形成されているリブと連接するものとして形成されているが、後端立壁29dや前端立壁29eの態様は、図に示す態様に限定されるものではなく、抵抗付与連結部21の抵抗付与部24(特に、弾性部材24b)が突き当たってストッパとして機能し得るものであれば例えば独立した突部として形成されるようにしても良い。
なお、本実施形態では、スライド機構20の第一のガイドレール29Aと第二のガイドレール29Bとが、相互に平行ではなく、平面視において後端から前端へと向けて相互の間隔が次第に大きくなるように形成される。
また、第一のガイドレール29Aと第二のガイドレール29Bとのそれぞれに嵌め込まれる一対の抵抗付与連結部21,21は、支柱部5に形成されている内側(即ち、座に近い側)のねじ穴5pと外側(即ち、座から遠い側)のねじ穴5qとに締結部材22がねじ込まれることによって位置が固定される。そして、平面視において内側のねじ穴5pの方が外側のねじ穴5qよりも前方位置に形成される。
そして、肘置き部10が後退した位置から前向きにスライド移動する際、第一のガイドレール29Aに嵌め込まれた抵抗付与連結部21の第一の嵌合部23b及び第二の嵌合部23dが、第一のガイドレール29Aのガイドスリット29cを貫通して係合し、また、第二のガイドレール29Bに嵌め込まれた抵抗付与連結部21の第一の嵌合部23b及び第二の嵌合部23dが、第二のガイドレール29Bのガイドスリット29cを貫通して係合する。
このとき、一対の抵抗付与連結部21,21はそれぞれ所定の位置で固定されているために相互の離間距離は一定で変化しないため、肘置き部10は、後退した位置から前進した位置へと移動する過程において、相互に平行でない位置関係で配設された一対のガイドレール29A,29B及び一対の抵抗付与連結部21,21によって発揮される案内作用により、肘置き部10の前端部が内側(即ち、座に近い側)へと向かって強制的に変位するように肘置き部10が水平回動する。
ただし、図に示す例のように第一のガイドレール29Aと第二のガイドレール29Bとが相互に平行でないように配設されることによって肘置き部10の向きが変わるように構成することは本発明において必須の構成ではなく、二つのガイドレール29A,29Bが相互に平行であるように配設されるようにしても良い。
以上のように構成されたスライド機構20,当該スライド機構20を備える肘掛け1,及び前記スライド機構20や前記肘掛け1を備える椅子によれば、抵抗付与連結部21を介して肘置き部10と支柱部5との間に弾性部材24bを介在させるようにしているので、肘置き部10が支柱部5に対してスライド移動する際のがたつきの発生を防止することができる。
以上のように構成されたスライド機構20,当該スライド機構20を備える肘掛け1,及び前記スライド機構20や前記肘掛け1を備える椅子によれば、なお且つ、弾性部材24bが弾性変形するために必要とされる外力を、肘置き部10が支柱部5に対してスライド移動する際の抵抗力として発揮させることができるので、使用時の快適性の向上を図ることが可能になり、また、高級感の創出を図ることが可能になる。
なお、上述の実施形態は本発明を実施する際の好適な形態の一例ではあるものの本発明の実施の形態が上述のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において本発明は種々変形実施可能である。
例えば、上述の実施形態では付勢部材7がアーム部6Aと昇降筒部5Aとの間に配設されてアーム部6Aを後方へと向けて付勢するようにしているが、操作レバー6への付勢力の付与の仕方は上述の実施形態における態様に限定されるものではなく、レバー部6Bと肘置き支持部5Bの内部空間5fの上面を区画する昇降筒部カバー9との間に付勢部材が配設されてレバー部6Bを下方へと向けて付勢するようにしても良い。この場合には、付勢部材によって操作レバー6のレバー部6Bが下方へと付勢されることにより、操作レバー6に対して外力が付与されていない状態では、レバー部6B前端のボタン部6hが肘置き支持部5Bの前面開口部5iから突出し、また、アーム部6A下端の係合部6dがガイド部材4の被係合部4Aの係合孔4hへと入り込んで係合する。
また、上述の実施形態ではガイド部材4に凸部4e,線条凸部4fが形成されると共に支柱部5に線条凹部5g,5hが形成されるようにしているが、ガイド部材4に凹部が形成されると共に支柱部5に凸部が形成されるようにしたり、ガイド部材4と支柱部5とのそれぞれに凸部と凹部とが一つずつ形成されるようにしたりしても良い。また、上述の実施形態ではガイド部材4に形成される凸部4e,線条凸部4fや支柱部5に形成される線条凹部5g,5hはいずれも一列であるようにしているが、ガイド部材4や支柱部5に形成される凸部や凹部がそれぞれ被係合部4Aの長手方向や昇降筒部5Aの軸方向と平行に複数列形成されるようにしても良い。
また、上述の実施形態では操作レバー6と当該操作レバー6を付勢するための付勢部材7とが各々別個の部材として形成・構成されるようにしているが、これら操作レバーと付勢部材とが一体部品として形成・構成されるようにしても良い。具体的には例えば、図18に示すように、操作レバー6のアーム部6Aの下端寄りの部分に、トング形状に形成されて当該トング形状の一端がアーム部6A下端の係合部6dの後ろ面と連接すると共にV字形に開いたりU字形に閉じたりする弾性変形をしてV字形に開く向きの付勢力を発揮する板ばね部7A'と、前記トング形状の他端と連接すると共に付勢部材7を支柱部5の昇降筒部5Aに対して位置固定して取り付けるための取付部7B'とを有するものとして形成・構成されるようにしても良い。この場合には、組付けの際に、図19に示すように、操作レバー6のアーム部6Aと共に付勢部材7の取付部7B'が支柱部5の肘置き支持部5Bの内部空間5fを通過して肘置き支持部5Bと連接する昇降筒部5Aの上端5cの開口から挿し入れられ、取付部7B'の下端部に形成された係合凸部7d'が、支柱部5の昇降筒部5Aを構成する壁のうちの前側端部(別言すると、前面部)の下端寄りの位置に形成された係合孔部5kから昇降筒部5Aの外側へと出てから前記壁の下端(即ち、昇降筒部5Aの下端5d)へと引っ掛かることによって係合する。
また、上述の実施形態では肘置き部10が前後方向にスライド動作/移動するように案内するものとしてスライド機構20が構成される(例えば、ガイドスリット29cの方向が調整される)ようにしているが、スライド機構20による肘置き部10の案内方向は、前後方向に限定されるものではなく、左右方向でも良く、或いは、前後方向や左右方向に対して傾斜する方向でも良い。すなわち、本発明に係るスライド機構20としては、肘置き部10を、水平方向にスライド動作/移動するように案内するものが含まれ、水平方向において前後,左右,斜めのいずれかの方向にスライド動作/移動するように案内するものが含まれる。
また、上述の実施形態では抵抗付与部24を構成するものとして環状の弾性部材24bが用いられるようにしているが、抵抗付与部24の態様は、上下方向において弾性変形(具体的には、圧縮変形)するために必要とされる外力をスライド基部13の移動の抵抗力として発揮し得るものであれば上述の実施形態における構成には限定されない。具体的には例えば、弾性部材が球形であるようにしても良い。この場合には、上述の実施形態における円柱状の支持突部23eの代わりに、例えば平面視においてU字形やコ字形に形成された、球状部材の保持部が設けられ、当該保持部に保持(別言すると、挟持)された球状の弾性部材が上下方向において圧縮変形しながら転がるようにしても良い。
また、上述の実施形態ではスライド基部13に対して第一及び第二の二本のガイドレール29A,29Bが設けられるにようにしているが、ガイドレールは一本のみ設けられるようにしても良い。この場合には、また、一本のガイドレール内に設置される抵抗付与連結部21に四つの抵抗付与部24が備えられるようにしても良い。具体的には例えば、上述の実施形態では基部23の締結部23aの側部から支持部23cが一つのみ設けられるようにしているが、締結部23aの側部の対向する位置に(即ち、締結部23aを挟むようにして)一対の支持部23c,23cが設けられるようにしても良い(尚、必要に応じ、支持部23cの、締結部23aから延出する寸法を、図に示す例と比べて大きくするようにしても良い)。そして、各支持部23cの所定方向(具体的には、ガイドスリット29cの長手方向と直交する方向)における両側に一対の支持突部23e,23eが形成された上で(即ち、図に示す例と同様の態様)、これら両側の(即ち、一対の)支持突部23e,23eの両方に抵抗付与部24が取り付けられるようにしても良い。
また、上述の実施形態では締結部材としての段付きボルト22による基部23の締め付けの程度が調節されることによってスライド基部13の水平スライド移動に対して付与される抵抗の大きさが調節され得ることを前提として説明したが、スライド基部13の水平スライド移動に対して付与される抵抗の大きさの調節は、ねじ13gによる肘置きインナー12の締め付けの程度の調節によって行われるようにしても良い。この場合には、抵抗付与連結部21の抵抗付与部24(特に、弾性部材24b)がスライド基部13の底板部13A(特に、レール部13h)と肘置きインナー12(特に、肘置きインナー12に形成されている溝状レール部12d)との間に挟まれて上下で押さえ付けられ、弾性部材24bが転動しながら支持突部23eとスライド基部13(特に、レール部13h)との間の部分及び支持突部23eと肘置きインナー12(特に、溝状レール部12d)との間の部分が圧縮変形することにより、スライド基部13の水平スライド移動に対して抵抗が付与される。
また、上述の実施形態では抵抗付与連結部21(特に、抵抗付与部24)が締結部材22によって支柱部5の肘置き支持部5Bに対して固定されて取り付けられると共にガイドレール29A,29B(特に、ガイドスリット29c)が肘置き部10(具体的には、スライド基部13)に設けられるようにしているが、抵抗付与連結部とガイドレールとの態様は上述の実施形態における態様に限定されるものではなく、抵抗付与連結部(特に、抵抗付与部)が締結部材によって肘置き部10(具体的には、スライド基部13)に対して固定されて取り付けられると共にガイドレール(特に、ガイドスリット)が昇降筒部カバー9(尚、この場合は、昇降筒部カバー9は支柱部5の一部を構成するものとして肘置き支持部5Bに対して固定されて取り付けられる)に設けられるようにしても良い。この場合には、抵抗付与部24(特に、弾性部材24b)が、支柱部5(具体的には、昇降筒部カバー9)と抵抗付与連結部21との間に介在して転動することになる。なお、この場合は、上述の実施形態におけるスライド機構20の構成が上下逆になって設けられるようになり、具体的には例えば、上述の実施形態におけるレール部13hに相当する部位は昇降筒部カバー9の下面側に設けられることになる。
また、上述の実施形態では支柱部5が支持部材3に対して昇降移動可能であるように肘掛け1が構成されるようにしているが、本発明に係るスライド機構を備える肘掛けとしては支柱部5が昇降移動可能であることは必須の構成ではない。すなわち、支柱部5が例えば取付部2や支持筒部3に対して固定されて取り付けられて上下昇降移動しないように構成されていても、本発明に係るスライド機構を備える肘掛けとしては成立し得る。