JP7089263B2 - 階層構造を利用した流水圧損低減型吸着システム - Google Patents

階層構造を利用した流水圧損低減型吸着システム Download PDF

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Description

本発明は、水環境、特に流水より汚染物質を除去するための、階層構造を利用した流水圧損低減型の汚染物質の吸着除去システムおよび方法、特に放射性セシウムで汚染された水環境(特に流水)からの放射性セシウムの除染システムおよび方法に関する。
2011年3月11日に発生した東日本大震災による福島第一原子力発電所における未曾有の事故は、今もなお、農業、水産業、畜産業はもとより、周辺住民の生活に深刻な影響を及ぼしている。原発事故そのものの収束はもちろんのこと、事故により環境中に放出されたヨウ素(131I)、セシウム(134Cs、137Cs)、ストロンチウム(90Sr)等の放射性物質の除去は、現在、我が国の喫緊の課題となっている。特に主要な放射性物質であって、約30年という長い半減期を有するセシウム137(137Cs)の環境中、特に、海、川、池、湖沼等の水環境からの除去については、現在、各種機関により様々なアプローチが検討されている。
例えば、セシウム137を漏出した排水中から吸着除去するための放射性物質吸着材として、ゼオライトを不織布にバインダ樹脂を用いて固定した放射性物質回収シートが報告されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ゼオライトを用いたセシウム除去用水浄化フィルタカートリッジが報告されている(例えば、特許文献2参照)。これは、ゼオライト粒子を表面に固定した不織布を巻き回してなる濾過層を設け、セシウムを除去しようとしたものである。
しかしながら、ゼオライトを使用した場合、使用したゼオライトと同量の放射性廃棄物が発生するという問題がある。
さらに、放射性物質吸着材として、プルシアンブルー類縁体を担持した親水性繊維基材からなるセシウム吸着材が知られている(例えば、特許文献3参照)。これは、繊維の内部にプルシアンブルー類縁体が固定化したものである。プルシアンブルーは一般に、水に不溶性の粉末物質であり、従前、親水性繊維の表面のみならず内部への固定化は困難であったが、かかるセシウム吸着材は、プルシアンブルーを繊維の表面のみならず内部へ固定化することに成功したものであり、これによれば、汚染水からセシウムを吸着して除去できる。しかしながら、汚染水から放射性物質を除去する場合、大量の汚染水を迅速に浄化する必要があるが、かかるセシウム吸着材を濾過材として利用したとしても、迅速な浄化処理が実現されないという問題がある。
同様に、放射性物質を濾過するのではなく、吸着することにより、汚染水を浄化するものとして、糸材で編まれて形成された筒状織物にフェロシアン化化合物が担持された放射性物質吸着回収装置(例えば、特許文献4参照)や、山地からダムやため池に流れ込む途中の流路等に用いる放射性セシウム吸着剤入り収納容器の設置構造(例えば、特許文献5参照)が報告されている。しかしながら、これらの装置は、河川や海水中に設置して使用するものであり、大量に流れ出る汚染水を迅速に浄化するものではなく、また放射性物質の除去が十分になされないという問題がある。
特開2015-99140号公報 特開2013-88411号公報 再表2013/27652号公報 特開2014-122809号公報 特開2014-98640号公報
このように、これまでに報告されている水環境の除染方法では、使用済みの濾過材や吸着剤が、そのまま放射性廃棄物となるという点において、また大量の汚染水を迅速に処理し、かつ放射性物質を十分に除去するという点において、改善すべき課題があった。
本発明者らは、これまでに、「プルシアンブルー類縁体を担持した親水性繊維基材からなるセシウム吸着材」に係る発明を完成させた(例えば、特許文献3参照)。かかるセシウム吸着材は、プルシアンブルー類縁体を、親水性繊維基材に固定化したものであり、安全かつ取扱いが容易である。また安価で入手が容易な材料から、簡便な製造方法により得ることが出来るため、経済的な側面からも、広範囲に亘る環境浄化への適用に優れたものである。さらには、除染の対象に応じて、セシウム吸着材を最適な態様へと容易に加工できる点、また環境中の放射性セシウムを吸着させた後、(セシウムが吸着した)プルシアンブルー類縁体の遷移金属塩を環境中に取り残すことなく、吸着材のみを容易に回収できる。また、吸着材が可燃性の親水性繊維基材で形成されているため使用後の吸着材を特別な処理を施すことなく、焼却処分でき、従来の除染方法と比較して、放射性廃棄物の量を抑制することもできる点で有利である。
本発明者らは、上記課題を解決するために、水環境、特に流水より汚染物質を迅速に処理し、且つ汚染物質を十分に除去するためには、流路に設置される吸着剤と流水との接触効率を改善すると同時に、流水の圧力損失を低減させることに着目し、鋭意検討した結果、階層構造を利用した流水圧損低減型の汚染物質の吸着除去システムを確立した。さらにかかる除去システムと、本発明者らが開発した前記セシウム吸着材とを組合せ、低コストで専門家の立ち会い不要な、水環境、特に流水からの放射性セシウムの除染システムを構築し、本発明を完成させた。
本発明は、以下のとおりである:
[1] 汚染水の流路に設置し、汚染水中の汚染物質を吸着除去するためのシステムであって、汚染水と接触することにより汚染物質を吸着する吸着材を含む、複数個のカートリッジと、前記流路にカートリッジを保持する手段とを備え、前記カートリッジのそれぞれが、複数の通水孔を有する容器と、容器に封入される複数個の吸着材と、通水孔より吸着材の流出を防ぐが、吸着材と水との接触を妨げない手段とを備え、そして前記吸着材が、汚染物質を捕捉しうる物質を担持した、親水性繊維からなる多孔質構造体であることを特徴とする、システム。
[2] 通水孔より吸着材の流出を防ぐが、吸着材と水との接触を妨げない手段が、通水が可能でかつ吸着材を貫通させない大きさのメッシュを有するメッシュ袋であり、ここで吸着材がメッシュ袋に充填された状態でカプセルに封入されていることを特徴とする、[1]に記載のシステム。
[3] カートリッジに保持される容器の最大長の平均が、10mm~1×10mmである、[1]または[2]に記載のシステム。
[4] 親水性繊維が、セルロース繊維である、[1]~[3]のいずれかに記載のシステム。
[5] 汚染物質が放射性セシウムであり、汚染物質を捕捉しうる物質がヘキサシアノ金属酸の遷移金属塩であり、ヘキサシアノ金属酸の遷移金属塩が親水性繊維に固定されていることを特徴とする、[1]~[4]のいずれかに記載のシステム。
[6] ヘキサシアノ金属酸の遷移金属塩が、ヘキサシアノ鉄(II)酸鉄(III)水和物である、[5]に記載のシステム。
[7] 放射性セシウムで汚染された水の流路に設置し、汚染水中の放射性セシウムを吸着除去するためのシステムであって、
- 汚染水と接触することにより放射性セシウムを吸着する吸着材を含む、複数個のカートリッジと、前記流路にカートリッジを保持する手段とを備え、
- 前記カートリッジのそれぞれが、複数の通水孔を有する略球状のカプセルと、カプセルに封入される複数個の吸着材と、通水が可能でかつ吸着材を貫通させない大きさのメッシュを有するメッシュ袋とを備え、ここで吸着材はメッシュ袋に充填された状態でカプセルに封入されており、そして
- 前記吸着材が、ヘキサシアノ金属酸の遷移金属塩を担持した、親水性繊維からなる多孔質粒子であって、ヘキサシアノ金属酸の遷移金属塩が繊維に固定されていることを特徴とする、システム。
[8] 汚染水中の汚染物質を吸着除去する方法であって、
(i)前記流路に、汚染水と接触することにより汚染物質を吸着する吸着材を含む、複数個のカートリッジを設置する工程、
(ii)汚染水とカートリッジ中の吸着材とを接触させる工程、および
(iii)流路よりカートリッジを回収する工程、および
(iv)カートリッジより吸着材を回収する工程を含み、
ここで、前記流路にカートリッジを保持する手段を備え、かつ前記カートリッジのそれぞれが、複数の通水孔を有する容器と、容器に封入される複数個の吸着材と、通水孔より吸着材の流出を防ぐが、吸着材と水との接触を妨げない手段を備え、そして前記吸着材が、汚染物質を捕捉しうる物質を担持した、親水性繊維からなる多孔質構造体であることを特徴とする、方法。
[9] 汚染物質が放射性セシウムであり、汚染物質を捕捉しうる物質がヘキサシアノ金属酸の遷移金属塩であり、ヘキサシアノ金属酸の遷移金属塩が親水性繊維に固定されていることを特徴とする、[8]に記載の方法。
本発明の汚染水中の汚染物質を吸着除去するシステムでは、吸着材として、汚染物質を捕捉し得る物質を担持した、親水性繊維からなる多孔質構造体を使用する。吸着材の担体として多孔質構造体を使用することにより、吸着材の表面積が増えることから、汚染物質を捕捉し得る物質の担持量が増え、かつ汚染水と吸着材との接触効率が大幅に改善され、汚染物質を十分に除去できる。また、本発明の汚染水中の汚染物質を吸着除去するシステムでは、複数個の吸着材を、さらに複数の通水孔を有する容器に封入し、それをカートリッジとして複数個使用することにより、流水の圧力損失を低減させることができ、大量の汚染水を迅速に処理できる。このように、多孔質構造体を複数集め一つのカートリッジを形成し、そのカートリッジを複数集め一つのユニット(システム)を形成するといった、階層構造を利用することにより、流水圧損低減型の汚染物質の吸着除去システムを確立した。
また本発明のシステムが、汚染水中の放射性セシウムを吸着除去するシステムである場合、吸着材は、セシウム吸着材であり、かかるセシウム吸着材は、後述するように、プルシアンブルー類縁体が親水性繊維からなる多孔質構造体の繊維に固定されていることを特徴とするものであるから、安全かつ取扱いが容易である。また安価で入手が容易な材料から、簡便な製造方法により得ることが出来るため、経済的な側面からも、広範囲に亘る水環境浄化への適用に優れたものである。また汚染水中の放射性セシウムを吸着させた後、(セシウムが吸着した)プルシアンブルー類縁体の遷移金属塩を水環境中に取り残すことなく、吸着材のみを容易に回収できる。また、吸着材が可燃性の親水性繊維基材で形成されているため焼却処分にでき、従来の除染方法と比較して、放射性廃棄物の量を抑制することもできる点で有利である。
吸着材の例であり、プルシアンブルー類縁体を担持した、セルロース繊維からなる多孔質粒子(直径約4mm)を示す。 左が多孔質構造体の例である、セルロース複合繊維からなるファイバーロッド(直径約15mm、高さ15mm)を示し、右が、そのファイバーロッドにプルシアンブルー類縁体を担持した吸着材を示す。 通水が可能でかつ吸着材を貫通させない大きさのメッシュを有するメッシュ袋に、図1Aに示した吸着材を約3000個詰めた袋体であり、(a)がメッシュ袋の開口部を閉じる前、(b)がメッシュ袋の開口部を閉じた後を示す。 カートリッジの例であり、(a)が通水孔として、直径約1.2cmの円形の穴を約10~30個空けたカプセルに、図2に示した袋体を封入したもの、(b)が袋体を封入したカプセルと封入していないカプセルを示す。 図3のカートリッジを使用するシステムの模式図を示す。
本発明は、汚染水の流路に設置し、汚染水中の汚染物質を吸着除去するためのシステムに関する。本発明において「汚染水」は、化学物質などの有害物質(以下、「汚染物質」と称する)に汚染された水を指す。汚染物質の例としては、水銀、鉛、錫、銅、カドミウム、ニッケル、コバルト、クロム等の重金属、ダイオキシン、シアン化合物、ヒ素化合物等の有機または無機化合物、あるいは放射性セシウム(134Cs、137Cs)等の放射性物質が挙げられる。したがって汚染水としては、汚染された海、川、池、湖沼等の水環境、汚染された水環境から取水した水、工業排水等が挙げられる。中でも、本発明のシステムは、放射性セシウムを吸着除去するのに好適であることから、汚染水としては、放射性セシウムで汚染された水、すなわち放射性セシウムで汚染された海、川、池、湖沼等の水環境、放射性セシウムで汚染された水環境から取水した水、放射性セシウムを含む排水や地下水等が対象とされる。
本発明において、「放射性セシウムで汚染された水」は、放射性セシウム(134Cs、137Cs)を含む水を指す。特には、放射性セシウム濃度が、セシウム134で60Bq/L超、セシウム137で90Bq/L超のものを指す。これらの基準は、廃棄物を安全に処分するために法律で定められた目安であり、例えば、放射性セシウム濃度がこれらの基準以下であれば、河川や海などへの放流できる。
本発明において「流路」は、水が流れる道すじを指し、海、河川、用水路等、既在の流路であってもよく、本発明のシステムの一部として別途設けられたものであってもよい。
本発明のシステムは、汚染水と接触することにより汚染物質を吸着する吸着材を含む、複数個のカートリッジと、前記流路にかかるカートリッジを保持する手段とを備える。本発明において、「吸着材」は、汚染物質を捕捉しうる物質を担持した、親水性繊維からなる多孔質構造体であることを特徴とする。
本発明において「汚染物質を捕捉しうる物質」は、本発明のシステムを用いて吸着・除去することを目的とする汚染物質に応じて、当業者であれば適宜選択できる。汚染物質が水銀、鉛、錫、銅、カドミウム、ニッケル、コバルト、クロム等の重金属、あるいはダイオキシン、シアン化合物、ヒ素化合物等の有機または無機化合物である場合、汚染物質を捕捉しうる物質の典型的な例としては、活性炭や各種キレート樹脂が挙げられる。汚染物質が放射性セシウム(134Cs、137Cs)である場合、汚染物質を捕捉しうる物質の典型的な例としては、プルシアンブルー類縁体が挙げられる。このような汚染物質を捕捉しうる物質は、試薬供給業者より入手できるか、または試薬供給業者より入手できる試薬より、当業者が公知の方法に従い調製できる。
これらの汚染物質を捕捉しうる物質は、「親水性繊維からなる多孔質構造体」に担持される。親水性繊維は、吸水性繊維と言い換えてもよい。親水性繊維は、一般に水分子を取り込みやすい繊維の総称であり、典型的には、セルロース繊維である。セルロース繊維の例としては、羊毛、綿、絹、麻、パルプ等の天然繊維、レーヨン、ポリノジック、キュプラ(ベンベルグ(登録商標))、リヨセル(テンセル(登録商標))等の再生繊維、またはそれらの複合繊維が挙げられる。またアセテート、トリアセテートなどの半合成繊維、あるいはポリアミド系、ポリビニルアルコール系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリ塩化ビニル系、ポリエステル系、ポリアクリロニトリル系、ポリオレフィン系もしくはポリウレタン系繊維等の合成繊維、またはそれらの複合繊維を公知の方法で改質し、親水性を付与したものであってもよい。また所望の親水性を有する範囲であれば、親水性繊維と合成繊維の複合素材、例えば、セルロース繊維と合成繊維(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維)のセルロース複合繊維であってもよい。価格や入手の容易さから、親水性繊維としてはセルロース繊維またはセルロース複合繊維が好ましい。
親水性繊維からなる多孔質構造体は、親水性繊維で構成され、その内部に水が浸透しうる空隙を有するものであれば、その形状等に特に限定なはい。多孔質構造体の空隙率(構造体の全体積に占める空間の体積の割合)は、少なくとも約10%であり、好ましくは約30%以上であり、より好ましくは約50%以上であり、特に好ましくは約75%以上である。構造体多孔質構造体の典型的な例としては、親水性繊維からなる多孔質粒子やファイバーロッドが挙げられる。
多孔質粒子は、専門業者より入手できるか、または専門業者より入手できる親水性繊維の微粉末を、当業者が公知の方法に従い造粒することにより調製できる。多孔質粒子は、略球状の多孔質粒子であればよいが、その平均粒子径(メジアン径)は、約1~約30mmであり、好ましくは約1~約10mmであり、より好ましくは約2~約8mmである。吸着材の表面積を増やし、汚染物質を捕捉しうる物質の担持量や、汚染水と吸着材との接触効率を改善するためには、平均粒子径は約10mm以下であることが好ましく、吸着材の汚染水(流水)中への流出を防ぎ、回収を容易にするためには平均粒子径は約1mm以上であることが好ましい。また多孔質粒子の空隙率は、特に制限はないが、約70~約98%であることが好ましく、約75~約95%であることがより好ましい。多孔質粒子、例えば、多孔質セルロース粒子は、ビスコパール(登録商標)A(平均粒子径2mm、4mm;空隙率93%)またはビスコパール(登録商標)P(平均粒子径1mm、4mm、6mm、8mm;空隙率80%)としてレンゴー株式会社より入手できる。
ファイバーロッドは、専門業者より入手できるか、または専門業者より入手できる親水性の熱融着繊維を、当業者が公知の方法に従い成型することにより調製できる。ファイバーロッドは、一般的には円柱状であり、例えば、その直径が約1~約30mm、長さが約1~約300mm、空隙率が約50~約90%であるものが挙げられるが、その形状に特に限定はない。そのようなファイバーロッドは、例えば、アサヒ繊維工業株式会社より入手できる。
汚染物質を捕捉しうる物質を、親水性繊維からなる多孔質構造体に担持する方法は、特に制限はなく、汚染物質を捕捉しうる物質の性質等に応じて、当業者は適切な方法を採用できる。例えば、汚染物質を捕捉しうる物質が水溶性である場合、汚染物質を捕捉しうる物質の水溶液に、親水性繊維からなる多孔質構造体を含浸させることにより、汚染物質を捕捉しうる物質を担持した多孔質構造体を得ることができる。また、汚染物質を捕捉しうる物質が非水溶性である場合、親水性繊維の微粉末を造粒する際に、汚染物質を捕捉しうる物質を混ぜ込むことにより、複合化粒子として造粒してもよい。汚染物質を捕捉しうる物質がプルシアンブルー類縁体である場合の例を、以下に詳述する。
プルシアンブルー類縁体、特に好ましくはプルシアンブルーを、親水性繊維からなる多孔質構造体に担持したセシウム吸着材は、繊維の表面のみならず内部にプルシアンブルー類縁体が固定していることを特徴とするものである。プルシアンブルーのような「顔料」は、水や有機溶媒などの媒質に不溶で、基質に対して染着性がない。したがって、顔料により繊維基材を染色(捺染)する場合、通常、バインダ樹脂などで後処理し、顔料を繊維の表面に付着した形で固定化することを要した。しかしながら、バインダ樹脂による処理では、同時に汚染物質を捕捉しうる物質(例えば、プルシアンブルー類縁体)の表面にもバインダ樹脂が付着するため、その表面活性を損ない、汚染物質の捕捉能が低下するため望ましくない。本発明に係るセシウム吸着材では、プルシアンブルー類縁体は、親水性繊維からなる多孔質構造体の存在下に、「ヘキサシアノ金属酸の無機塩」と「遷移金属元素を含む無機化合物」との反応によりin situで形成され、繊維の表面および内部に微粒子として存在するため、バインダ樹脂などによらず安定的に親水性繊維からなる多孔質構造体に固定しており、またバインダ樹脂による汚染物質の捕捉能の低下を回避することができる。
ここで、プルシアンブルー類縁体(すなわち、ヘキサシアノ金属酸の遷移金属塩)とは、ヘキサシアノ金属酸イオンを構築素子としたシアノ架橋型金属錯体の一種であり、一般式:M [M(CN)・hHOで示される化合物であり、この金属イオン(M、M)がシアノ基で交互に架橋した面心立方構造をしていると解される。ここで、Mは、第一遷移金属である。したがって、本発明に係るプルシアンブルー類縁体は、ヘキサシアノ金属酸の遷移金属塩であると言い換えてもよい。第一遷移金属としては、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)および亜鉛(Zn)から選択される1種または2種以上の金属が挙げられる。好ましくは、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)および亜鉛(Zn)から選択される1種または2種以上の金属が挙げられ、より好ましくは、銅(Cu)または鉄(Fe)、特に第二鉄(Fe(III))が挙げられる。
前記一般式において、Mは、八面体6配位構造をとりうる金属種であればよく、好ましくは、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、銅(Cu)およびコバルト(Co)から選択される1種または2種以上の金属であり、より好ましくは、鉄(Fe)または銅(Cu)、特に第一鉄(Fe(II))である。なお前記一般式において、m、nおよびhの値は、MおよびMの酸化数に応じて定まる。
プルシアンブルー類縁体は、ヘキサシアノ金属酸の無機塩と、遷移金属元素を含む無機化合物との反応により得られる生成物であって、前記一般式で表されるものを含むものであればよい。なお、本発明に係るプルシアンブルー類縁体は、そのヘキサシアノ金属酸の遷移金属塩の一部の金属イオンが、原料由来のアルカリ金属イオン等で置換されているものを含んでいてもよい。
例えば、本発明に係るプルシアンブルー類縁体の一態様である、ヘキサシアノ鉄(II)酸の遷移金属塩としては、そのスカンジウム(Sc)塩、チタン(Ti)塩、バナジウム(V)塩、クロム(Cr)塩、マンガン(Mn)塩、鉄(Fe)塩、コバルト(Co)塩、ニッケル(Ni)塩、銅(Cu)塩、亜鉛(Zn)塩、およびそれらの1種または2種以上の混合塩が挙げられる。好ましくは、ヘキサシアノ鉄(II)酸の鉄(Fe)塩、コバルト(Co)塩、ニッケル(Ni)塩、銅(Cu)塩、亜鉛(Zn)塩、およびそれらの1種または2種以上の混合塩が挙げられ、より好ましくは、銅(Cu)塩または鉄(Fe)塩、特に第二鉄(Fe(III))塩が挙げられる。なお、本発明に係るヘキサシアノ鉄(II)酸の遷移金属塩は、ヘキサシアノ鉄(II)酸の無機塩と、遷移金属元素を含む無機化合物との反応により得られる生成物であって、前記一般式(但し、Mが、特に第一鉄(Fe(II))である)で表されるものを含むものであればよいが、その一部の金属イオンが、原料由来のアルカリ金属イオン等で置換されているものを含んでいてもよい。
本発明に係るプルシアンブルー類縁体の最も好適な例である、ヘキサシアノ鉄(II)酸の第二鉄(Fe(III))塩は、プルシアンブルーまたは紺青等とも称され、古くから顔料として用いられている。その理想的な化学組成はFe(III)[Fe(II)(CN)・xHO(x=14~16)(すなわち「ヘキサシアノ鉄(II)酸鉄(III)水和物」)であるが、その製法等に応じて一部の鉄イオンが置換されていることもある。本発明に係るプルシアンブルーは、ヘキサシアノ鉄(II)酸の無機塩と、第二鉄(III)を含む無機化合物との反応により得られるものであって、前記化学組成を有するものを含むものであればよいが、一部の鉄イオンが、原料由来のアルカリ金属イオン等で置換されているものを含んでいてもよい。
「ヘキサシアノ金属酸の無機塩」は、水溶性であって、かつ遷移金属元素を含む無機化合物との反応により、本発明に係るプルシアンブルー類縁体(すなわち、ヘキサシアノ金属酸の遷移金属塩)を形成しうるものであれば特に制限はない。例としては、ヘキサシアノ金属酸のアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、またはそれらの混合塩、もしくはその水和物が挙げられる。具体的には、ヘキサシアノクロム(III)酸、ヘキサシアノマンガン(II)酸、ヘキサシアノ鉄(II)酸若しくはヘキサシアノコバルト(III)酸のアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、またはそれらの混合塩、もしくはその水和物が挙げられる。
例えば、ヘキサシアノ金属酸が、ヘキサシアノ鉄(II)酸である場合、ヘキサシアノ鉄(II)酸の無機塩は、水溶性であって、かつ遷移金属元素を含む無機化合物との反応によりヘキサシアノ鉄(II)酸の遷移金属塩を形成しうるものであれば特に制限はない。具体例としては、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム、ヘキサシアノ鉄(II)酸ナトリウム、またはそれらの混合塩、もしくはその水和物が挙げられる。ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムまたはその水和物の使用が好ましい。
「遷移金属元素を含む無機化合物」は、水溶性であって、かつヘキサシアノ金属酸の無機塩との反応により、本発明のプルシアンブルー類縁体(すなわち、ヘキサシアノ金属酸の遷移金属塩)を形成しうるものであれば特に制限はない。そのような遷移金属元素を含む無機化合物としては、前記第一遷移金属のハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、過塩素酸塩、またはそれらの混合塩、もしくはそれらの水和物等が挙げられる。例えば、塩化第二鉄(III)、塩化コバルト(II)、塩化ニッケル(II)等のハロゲン化物;硝酸第二鉄(III)、硝酸コバルト(II)、硝酸ニッケル(II)等の硝酸塩;硫酸第二鉄(III)、硫酸コバルト(II)等の硫酸塩;過塩素酸第二鉄(III)等の過塩素酸塩;またはそれらの混合塩、もしくはそれらの水和物が挙げられる。
例えば、第二鉄(III)を含む無機化合物は、水溶性であって、かつヘキサシアノ鉄(II)酸の無機塩との反応によりプルシアンブルーを形成しうるものであれば特に制限はない。例えば、塩化第二鉄(III)、硝酸第二鉄(III)、硫酸第二鉄(III)、過塩素酸第二鉄(III)またはそれらの混合塩、もしくはそれらの水和物が挙げられる。
本発明に係るセシウム吸着材は、国際公開第2013/027652号パンフレットに記載の方法に従い製造できる。典型的には、(a)親水性繊維からなる多孔質構造体をヘキサシアノ金属酸の無機塩の水溶液で処理する工程;および(b)工程(a)で処理した基材を、遷移金属元素を含む無機化合物の水溶液で処理する工程を含む製造方法により作製される。なお、工程(a)および(b)の順序は逆であってもよい。
本発明に係る吸着材は、数十~数万個、例えば約20~約2万個、好ましくは約50~約5000個集められ、「通水孔を有する容器」に封入され、「カートリッジ」を形成する。「容器」の形状は、その大きさ・材質等に特に制限はないが、充填のしやすさ、および流水の圧力損失の低減の観点から、略球状の容器を用いることが好ましい。球状容器の直径は、約10mm~約1.0×10mmであってよく、好ましくは約30mm~約0.5×10mmであり、より好ましくは約40mm~約0.2×10mmであり、ポリスチレン、ポリプロピレン等の樹脂製のカプセルが好ましい。そのようなカプセルは、安価で容易に入手ができ、また加工も容易であることから、カプセルトイ用のカプセル等であってもよい。
容器に設けられる「通水孔」は、容器の自立性や汚染水の流水圧に対する強度を損なわず、かつ流路において汚染水の容器内部への侵入を妨げず、汚染水と吸着材とを十分に接触させることができる程度の大きさと数であれば特に制限はない。好ましくは直径約0.5~約3cmの略円形の穴を約3~約50個、より好ましくは直径約1~2cmの略円形の穴を約5~30個、容器に通水孔として設ける。
本発明に係るカートリッジは、「通水孔より吸着材の流出を防ぐが、吸着材と水との接触を妨げない手段」を備える。かかる手段は、通水孔より吸着材の流出を防ぐが、吸着材と水との接触を妨げなければ、特に制限はない。例えば、本発明では、通水孔の大きさと吸着材の大きさを考慮して、通水孔の大きさを、通水が可能でかつ吸着材を貫通させない大きさとすることもまた、通水孔より吸着材の流出を防ぐが、吸着材と水との接触を妨げない手段を備えるとみなされる。好ましくは、通水が可能でかつ吸着材を貫通させない大きさのメッシュを有するメッシュ袋が用いられる。吸着材は、数十~数万個集められ、メッシュ袋に充填された状態で球状容器に封入される。そのようなメッシュ袋の材質やメッシュの大きさは、通水孔より吸着材の流出を防ぐが、吸着材と水との接触を妨げない限り特に制限はないが、好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の樹脂製であり、20~200メッシュである。
本発明に係るカートリッジは、数十~数百個集められ、「カートリッジを保持する手段」により流路に設置される。カートリッジを保持する手段は、流路を流れる汚染水に対してカートリッジを流路の所定の範囲内に留め、かつ流水を阻害し、その圧力損失を大幅に上昇させないものであれば特に制限はない。例えば、流路に、その幅や深さに適した金網かごを流路に設置し、数十~数百個のカートリッジをそこに入れて保持してもよく、また数十~数百個のカートリッジを網(ネット)に入れて流路に投入し、流水にながされないように保持してもよい。
本発明は、汚染水中の汚染物質を吸着除去する方法にも関する。本発明の方法は、(i)流路に、汚染水と接触することにより汚染物質を吸着する吸着材を含む、複数個のカートリッジを設置する工程、(ii)汚染水とカートリッジ中の吸着材とを接触させる工程、(iii)流路よりカートリッジを回収する工程、および(iv)カートリッジより吸着材を回収する工程を含む。
好ましくは、本発明の方法は、汚染物質が放射性セシウムである、汚染水中の放射性セシウムを吸着除去する方法にも関する。
またこれらの方法では、カートリッジのそれぞれが、複数の通水孔を有する容器と、容器に封入される複数個の吸着材と、通水孔より吸着材の流出を防ぐが、吸着材と水との接触を妨げない手段を備え、そして前記吸着材が、汚染物質を捕捉しうる物質を担持した、親水性繊維からなる多孔質構造体であることを特徴とする。本発明の方法における「汚染物質」、「汚染物質を捕捉しうる物質」、「親水性繊維からなる多孔質構造体」、「吸着材」、「カートリッジ」等の具体的態様や例示は、上記と同義である。
なお本発明は前記具体的態様や例示に示すものに限られず、目的、用途に応じて、本発明の範囲内で種々変更できる。

Claims (8)

  1. 汚染水の流路に設置し、汚染水中の汚染物質を吸着除去するためのシステムであって、汚染水と接触することにより汚染物質を吸着する吸着材を含む、複数個のカートリッジと、前記流路にカートリッジを保持する手段とを備え、前記カートリッジのそれぞれが、複数の通水孔を有する略球状の容器と、該容器に封入される複数個の吸着材と、通水孔より吸着材の流出を防ぐが、吸着材と水との接触を妨げない手段を備え、そして前記吸着材が、汚染物質を捕捉しうる物質を担持した、親水性繊維からなる多孔質構造体であることを特徴とする、システムであって、前記通水孔より吸着材の流出を防ぐが、吸着材と水との接触を妨げない手段が、通水が可能でかつ吸着材を貫通させない袋体であり、ここで吸着材が袋体に充填された状態で複数の通水孔を有する略球状の容器に封入されている、システム
  2. カートリッジに保持される容器の最大径の平均が、10mm~1×10mmである、請求項1に記載のシステム。
  3. 親水性繊維が、セルロース繊維である、請求項1または2に記載のシステム。
  4. 汚染物質が放射性セシウムであり、汚染物質を捕捉しうる物質がヘキサシアノ金属酸の遷移金属塩であり、ヘキサシアノ金属酸の遷移金属塩が親水性繊維に固定されていることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載のシステム。
  5. ヘキサシアノ金属酸の遷移金属塩が、ヘキサシアノ鉄(II)酸鉄(III)水和物である、請求項に記載のシステム。
  6. 放射性セシウムで汚染された水の流路に設置し、汚染水中の放射性セシウムを吸着除去するためのシステムであって、
    - 汚染水と接触することにより放射性セシウムを吸着する吸着材を含む、複数個のカートリッジと、前記流路にカートリッジを保持する手段とを備え、
    - 前記カートリッジのそれぞれが、複数の通水孔を有する略球状の容器と、該容器に封入される複数個の吸着材と、通水が可能でかつ吸着材を貫通させない袋体とを備え、ここで吸着材は袋体に充填された状態で該容器に封入されており、そして
    - 前記吸着材が、ヘキサシアノ金属酸の遷移金属塩を担持した、親水性繊維からなる多孔質粒子であって、ヘキサシアノ金属酸の遷移金属塩が繊維に固定されていることを特徴とする、システム。
  7. 汚染水中の汚染物質を吸着除去する方法であって、
    (i)流路に、汚染水と接触することにより汚染物質を吸着する吸着材を含む、複数個のカートリッジを設置する工程、
    (ii)汚染水とカートリッジ中の吸着材とを接触させる工程、
    (iii)流路よりカートリッジを回収する工程、および
    (iv)カートリッジより吸着材を回収する工程を含み、
    ここで、前記流路にカートリッジを保持する手段を備え、かつ前記カートリッジのそれぞれが、複数の通水孔を有する略球状の容器と、容器に封入される複数個の吸着材と、通水孔より吸着材の流出を防ぐが、吸着材と水との接触を妨げない手段を備え、そして前記吸着材が、汚染物質を捕捉しうる物質を担持した、親水性繊維からなる多孔質構造体であることを特徴とする、方法であって、前記通水孔より吸着材の流出を防ぐが、吸着材と水との接触を妨げない手段が、通水が可能でかつ吸着材を貫通させない袋体であり、ここで吸着材が袋体に充填された状態で複数の通水孔を有する略球状の容器に封入されている、方法
  8. 汚染物質が放射性セシウムであり、汚染物質を捕捉しうる物質がヘキサシアノ金属酸の遷移金属塩であり、ヘキサシアノ金属酸の遷移金属塩が親水性繊維に固定されていることを特徴とする、請求項に記載の方法。
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