JP2018114488A - トリチウム除去材料及びその製造方法、ならびに該吸着材を用いたトリチウム含有汚染水の浄化方法 - Google Patents

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Takanobu Sugo
高信 須郷
鈴木 晃一
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晃一 鈴木
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Kunio Fujiwara
邦夫 藤原
斎藤 恭一
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翔子 成毛
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Abstract

【課題】 福島第1原子力発電所においては、建設費、操作性、放射性廃棄物の発生量などの観点からトリチウム除去技術がないため、トリチウム汚染水保管量が増大している。安全性が高く、操作性に優れた吸着方式でのトリチウム除去技術の出現が期待されている。トリチウム吸着材とそれを利用した吸着方式でのトリチウム除去技術を提案することが課題である。
【解決手段】 有機高分子の繊維に氷核促進物質であるヨウ化銀を担持したトリチウム水吸着材料を、軽水は凝固しないが、トリチウム水が凝固する温度下に置くことによって、トリチウム水を結氷吸着する除染技術である。温度制御のみの非常に簡単な設備でトリチウム水を低減でき、繰返し利用が可能である。表面積が大きく操作性の優れた繊維に氷核促進物質を担持しているため、トリチウム水の相変化を繊維上で発現させることに特徴がある。薬剤を使用しないため、放射性廃棄物の発生量を非常に小さく抑えることが可能である。
【選択図】図1

Description

発明の詳細な説明
本発明は福島第1原子力発電所において発生している汚染水、なかでも処理困難なトリチウム汚染水の処理に関するものである。
東日本大震災に起因する津波によって、福島第一原子力発電所に甚大な被害が発生した。核燃料の溶融により、放射性物質が多量に放出された。その後に迅速な対応策がとられ、放射性物質を含む汚染水は多核種除去設備(ALPS)や高性能多核種除去設備によって処理され、ほとんどの放射性核種が目標値以下に達している。しかしながら、トリチウムはこの設備によっても除去できないため、タンク等に貯蔵されている。このトリチウムを効果的に除去しなければ、放流できないとされており、効果的な除去方法の出現が期待されている。
従来、トリチウムの分離技術として、水の平衡蒸気圧が軽水>重水>トリチウム水であることを利用し、蒸留塔の塔底部からボイラー加熱により蒸気を発生させ、塔頂部の凝縮器により蒸気を水に戻す操作を繰り返し、沸点の高いトリチウム水を液相に濃縮する蒸留法を応用した方法が提案されている。
また、電気分解速度が軽水>重水>トリチウム水であることを利用し、電気分解を行うことによって、液相にトリチウム、重水素を濃縮する方法が提案されている。
さらに、トリチウム水の凝固点である4.49℃が軽水の0℃と異なることを利用し、凍結槽の冷却面にトリチウム水の結晶を析出させ、物理的に除去する方法なども提案されている(特許文献1)。
しかしながら、蒸留法では、石油プラントでの実績があるが、分離係数が小さいため、蒸発・濃縮の繰り返し回数が多くなることや塔高が高くなり、福島第1原子力発電所のような災害現場に建設することは非現実的である。
また、電気分解を利用した方法では、1段の分離係数は高いが、電気分解の繰返し回数が多くなり、大掛かりな設備になることやエネルギー消費量が大きいという問題点がある。
凍結を利用した方法では大きな冷却面が必要であるため、莫大な建設費がかかるという問題点がある。
このように、原子力発電プラントの定常運転時でさえ、確立していなかったトリチウムの分離技術を災害現場に適用することは、装置費やエネルギーにコストがかかり過ぎ、実施することは非常に難しい。
特開2015−112589
福島第1原子力発電所のような災害現場においても、大掛かりな装置を必要とすることなく、安全に操作できるトリチウム除去技術がない状況に鑑み、トリチウム水吸着材料とそれを利用した吸着方式でのトリチウム除去技術を提案することが課題である。
本発明の技術内容は、ヨウ化銀に代表される氷核促進物質を担体に担持した材料及びその製造方法を提案すること、さらに本発明の氷核促進物質担持材料をトリチウム水を含有する汚染水に接触させ、凝固点の差を利用して、軽水からトリチウム水を分離することである。
本発明は次の特徴を有するトリチウム除去材料およびトリチウム含有水の除去技術である。
(1)担体に氷核促進物質が担持されたトリチウム水吸着材料
(2)前記氷核促進物質がヨウ化銀、塩化銀、臭化銀より選択されたものを含む(1)記載のトリチウム水吸着材料
(3)前記担体は、活性炭、活性炭素繊維、有機高分子繊維、ゼオライト、イオン交換樹脂、キレート樹脂、イオン交換繊維、キレート繊維、多孔性中空糸、より選択された(1)〜(2)記載のいずれかに記載のトリチウム水吸着材料
(4)前記担体がイオン交換樹脂、イオン交換繊維、キレート樹脂、キレート繊維より選択されたものであって、側鎖にイオン交換基又はキレート基を有し、氷核促進物質がイオン交換反応又はキレート反応を利用してグラフト側鎖間に担持されたものである(1)〜(3)いずれかに記載のトリチウム水吸着材料
(5)有機高分子繊維又は粒子に電離性放射線を照射する第1工程、アニオン交換基を有するモノマーをグラフト重合するか又はアニオン交換基に転換可能なモノマーをグラフト重合した後、アニオン交換基に転換する第2工程、アニオン交換基にヨウ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオンより選択された陰イオンをイオン交換吸着させる第3工程、銀塩水溶液を接触させ難溶性の銀塩をグラフト側鎖間に沈殿析出させる第4工程、を含む(5)記載のトリチウム水吸着材料の製造方法。
(6)有機高分子繊維又は粒子に電離性放射線を照射する第1工程、カチオン交換基を有するモノマーをグラフト重合するか又はカチオン交換基に転換可能なモノマーをグラフト重合した後、カチオン交換基に転換する第2工程、カチオン交換基に銀イオンをイオン交換吸着させる第3工程、ヨウ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオンより選択された陰イオンを接触させ、難溶性の銀塩をグラフト側鎖間に沈殿析出させる第4工程、を含む(5)記載のトリチウム水吸着材料
の製造方法。
(7)(1)〜(4)記載のトリチウム除去材料とトリチウムを含む汚染水とを、トリチウム水は凝固するが、軽水は凝固しない温度範囲で接触させるトリチウム水の除去方法
(8)トリチウム水を吸着したトリチウム水吸着材料をトリチウム水及び軽水ともに凝固しない温度下に置いて、トリチウム水吸着材料からトリチウム水を脱着させ、脱着後のトリチウム水吸着材料を再びトリチウム吸着処理に用いる(7)記載のトリチウム水の除去方法
(9)(8)記載のトリチウム水を脱着する工程において、アルコール、トリチウム水除去済みの処理水、トリチウムを含まない水より選択された洗浄液を利用する(8)記載のトリチウム水の除去方法
氷核促進物質にはヨウ化銀、塩化銀、臭化銀、ヨウ化鉛などが知られている。この中で、最も代表的な氷核促進物質であるヨウ化銀を担持した例を中心に説明するが、ヨウ化銀以外の氷核促進物質の担持についても基本思想は同様であるため、ヨウ化銀以外の担持材料及び使用方法について適用できる。
ヨウ化銀をトリチウム含有水に加え、トリチウム水は凝固するが、軽水は凝固しない温度において、所定時間懸濁させた後、取り出すことによって、ヨウ化銀に付着したトリチウム水をトリチウム含有水から分離できる。
しかしながら、トリチウム水の付着したヨウ化銀粒子を取り出し、軽水と分離するには、膜分離装置、凝集沈殿、遠心分離装置などによる固液分離を制御された温度下で行う必要がある。また、ヨウ化銀粒子からトリチウム水を溶離濃縮したのち、再使用する場合も複雑な固液分離操作が必要である。懸濁したヨウ化銀粒子は粒径が微細であればあるほどトリチウム水の氷晶核として結氷させる機能は向上するが、作業的には取扱いが煩雑となる。固液分離操作の煩雑さを解消し、汚染拡大や作業員の被爆を低減する方法として、氷核促進物質を担体に担持し、その担持材料とトリチウム含有水とを接触させる方法が固液分離操作の点で好ましい。
天然に存在する水素は軽水素、同位体の重水素、放射性同位体の三重水素(トリチウム)からなる。放射性同位体のトリチウムはトリチウム水としてHTO及びTOの形態で存在する。また、重水素はHDO及びDOの形態で存在する。
軽水を冷却すると0℃では凝固せず、−40℃まで冷却を進めた時点で凝固する。ヨウ化銀のような氷晶核となる物質を加えると、−5〜−4℃で凝固する。また、重水(D2O)は約0℃、HDOは−2℃で凝固する。トリチウム水はTOが約4℃、HTOが約0℃で凝固する。したがって、トリチウム含有水をトリチウム水は凝固するが、軽水は凝固しない温度、−4℃〜+4.5℃に保持し、氷核促進物質と接触させれば、氷核にトリチウムが付着する。この、氷核促進物質を担体に担持しておき、担体を液から分離すれば複雑な固液分離操作を経ることなくトリチウムを除去することができる。
トリチウム水は凝固するが、軽水は凝固しない温度としては、−4℃〜+4.5℃の温度範囲に固定されたものではない。この温度範囲は、トリチウム含有水の置かれた環境、例えば、塩類濃度、pH、トリチウム水中の微粒子濃度や冷却方法よって変化するため、その都度目視観察や放射能分析等によって設定する必要があり、実際は3℃程度の幅を持たせてもよい。即ち、実用上は−7℃〜+7.5℃、好ましくはー4℃〜+4.5℃に設定してもよい。
氷核促進物質としては、ヨウ化銀、塩化銀、臭化銀、ヨウ化鉛、硫化銅、カルシウムカーバイト、酸化カルシウムなど無機化合物、さらに氷核活性細菌の分泌物など生物由来の物質など多種類存在し、これらの中から選択できる。しかしながら、ヨウ化銀、塩化銀、臭化銀など氷の結晶に類似した氷核促進物質が好ましい。その中でもヨウ化銀が最も好ましい。氷の結晶核は結晶系が六方晶系、結合距離が0.276nmである。ヨウ化銀は同様の六方晶系であり、結合距離が0.280nmと氷の結合距離とほぼ同様であるため、氷晶核の生成速度が大きく好ましい。臭化銀や塩化銀はそれぞれ結合距離0.288nm、0.277nmと氷に近い値であるが、結晶系が六方晶も存在するが、立方晶系が主体であり氷と異なるため、氷晶核の生成速度がヨウ化銀ほど大きくない。
ヨウ化銀粒子を担持するための担体としてはトリチウム水の氷晶の形成が容易で、作業的に操作性のよい担体が好ましい。そのような担体として、活性炭、活性炭素繊維、有機高分子繊維、ゼオライト、イオン交換樹脂、キレート樹脂、イオン交換繊維、キレート繊維、多孔性中空糸などがあり、イオン交換基やキレート基などの官能基を有する担体とこれら官能基を持たない担体とがある。
活性炭、ゼオライトや多孔性中空糸などの空隙性材料は官能基を持たない。これらに氷核促進物質を担持する方法として、ヨウ化銀粒子を含む溶媒に空隙性材料を浸漬後、乾燥して担持する方法がある。また、ヨウ化物イオンを吸着させた後、銀イオンを接触させヨウ化銀粒子を担体上で生成させる方法がある。また、銀イオンを先に吸着させた後、ヨウ化物イオンを接触させ、ヨウ化銀粒子を担体上で生成させる方法があり、どちらも利用できる。
イオン交換樹脂やキレート樹脂のように官能基を有する担体は、トリチウム水吸着材料に好ましい。イオン交換又はキレート反応により多量にイオンを吸着でき、氷核促進物質の担持量もコントロールしやすいという利点がある。アニオン交換基を有するイオン交換体の場合は、ヨウ化物イオンの吸着、次いで銀イオンとの接触によって担体上に難溶性のヨウ化銀を生成させることができる。
カチオン交換基を有するカチオン交換体は、アニオン交換体の場合と逆に、先ず銀イオンを吸着させた後、ヨウ化物イオンと接触させ、ヨウ化銀を生成させることができる。活性炭や活性炭素繊維もヨウ化物イオンの吸着、次いで銀イオンとの接触によって活性炭細孔内にヨウ化銀粒子を担持できる。
イオン交換基やキレート基を有する担体の製造方法として、有機高分子基材に電離性放射線を照射し、イオン交換基を有するグラフト側鎖を導入したものが好ましい。この方法は既存の様々な形状の有機高分子基材を利用できる。中でも、繊維は表面積が大きく反応速度を大きくできる点や成型加工性に優れ、様々な使用方法が可能である。電離性放射線を照射後、イオン交換基を有するか又はイオン交換基に転換可能なモノマーをグラフト重合したことによって得られるグラフト側鎖は、基材の内外にグラフト鎖が成長し、側鎖間に氷核促進物質を担持できるため、好ましい。このように、放射線を用いて高分子を機能化する手法を放射線グラフト重合方法とよぶ。
放射線グラフト重合法では、通常照射エネルギーが数百kV以上と高いため、高分子の表層ばかりでなく内部にもラジカルを発生させることができ、グラフト重合用のモノマーも高分子内部に浸透し重合が起こる。グラフト重合は「接ぎ木重合」と訳され、片端は基材高分子の主鎖に結合し固定されているが、他端は自由端である高分子鎖が生成するため、架橋構造を有する重合体と比べ運動性がよく、側鎖間に化学物質を担持するのに適している。
イオン交換基やキレート基は代表的な親水基であり、中でも強酸性カチオン交換基や強塩基性アニオン交換基は非常に親水性が大きい。ここでは、説明の煩雑さを避けるため、キレート基もイオン交換基に含まれるものとして説明する。例えば、代表的キレート基であるイミノジ酢酸基はカチオン交換基に含まれる。イオン交換基は正負に帯電しているため、グラフト側鎖同士には斥力が働き反発するが、帯電した微粒子とイオン交換基との間に静電相互作用が働き、凝集することなく微細なまま強固に保持できるため好ましい。本発明のトリチウム吸着材の代表的氷核促進物質であるヨウ化銀は通常の水溶液中で負に帯電するため、正のイオン交換基であるアニオン交換基を有する側鎖が好ましい。キレート基もイオン交換基と同様に利用できる。
アニオン交換基を有する側鎖は正に、カチオン交換基は負に帯電する。同一電荷のグラフト側鎖は荷電反発により、グラフト側鎖間が拡がり、トリチウム水の進入が容易となるため、氷核促進物質との接触に都合が良い。カチオン交換基かアニオン交換基の選択はトリチウム水の液性や使用条件により決定することができる。
また、グラフト側鎖は図2に示すように、高分子基材の内部及び外部に形成され、基材の内部に形成されたものをポリマールーツ、外に形成されたものをポリマーブラシと呼ぶ。ヨウ化銀はイオン交換基を利用した沈殿析出反応によって担持されるため、凝集することなく非常に微細なヨウ化銀粒子のまま繊維基材の内外に形成される。
本発明のヨウ化銀粒子の形成方法は、図1に示すように放射線グラフト重合法を利用して繊維にイオン交換基を有するグラフト側鎖を付与し、イオン交換反応と沈殿析出反応を利用したものであり、微粒子の形成に好ましい。図1はアニオン交換基を導入した繊維上にイオン交換反応を利用してヨウ化銀を担持する例を示している。
有機高分子繊維の側鎖にアニオン交換基を導入し、ヨウ化銀を担持する方法は、次の工程による。有機高分子繊維に電離性放射線を照射する第1工程、アニオン交換基を有するモノマーをグラフト重合するか又はアニオン交換基に転換可能なモノマーをグラフト重合した後、アニオン交換基に転換する第2工程、アニオン交換基にヨウ化物イオンをイオン交換吸着させる第3工程、銀塩水溶液を接触させ、難溶性のヨウ化銀をグラフト側鎖間に沈殿析出させる第4工程、を含む工程よりなる。
第3工程では、ヨウ化カリウムやヨウ化ナトリウムの水溶液用いることができる。この溶液を接触させると、ヨウ化物イオンがアニオン交換基に吸着する。次の第4工程では、硝酸銀のように水溶性の銀化合物を用い、銀イオンを接触させると、吸着していたヨウ化物イオンを引き抜き、難溶性のヨウ化銀を生成すると同時に、ヨウ化物イオンが硝酸イオンと置換する。カチオンである銀イオンはアニオン交換繊維内の深部まで到達しないが、繊維表面のみではなく、数μm程度の深さで浸入することができる。負に帯電したヨウ化銀粒子によって、アニオン交換基の静電反発が弱くなり、銀イオンが浸入しやすくなると考えられる。硝酸イオンによって脱着したヨウ化物イオンは、繊維周縁部の銀イオンとの反応で沈殿する。このようにして、マクロ的には繊維の周縁部、ミクロ的にはグラフト側鎖間に微細なヨウ化銀微粒子を担持できる。
また、有機高分子繊維の側鎖にカチオン交換基を導入し、ヨウ化銀を担持する方法は、次の工程による。有機高分子繊維に電離性放射線を照射する第1工程、カチオン交換基を有するモノマーをグラフト重合するか又はカチオン交換基に転換可能なモノマーをグラフト重合した後、カチオン交換基に転換する第2工程、カチオン交換基に銀イオンをイオン交換吸着させる第3工程、ヨウ化ナトリウムやヨウ化カリウムなどの水溶液と接触させ、難溶性のヨウ化銀をグラフト側鎖間に沈殿析出させる第4工程、を含む工程よりなる。
カチオン交換基の場合はアニオン交換基の場合とは逆に、先ず硝酸銀溶液と接触させることで、銀イオンを吸着させる。次にヨウ化物イオンを接触させることによって、ヨウ化銀の沈殿を交換基の周辺に析出できる。銀イオンの脱着したカチオン交換基にはヨウ化物イオンのカウンターイオン型、例えばヨウ化ナトリウムであればナトリウム型、ヨウ化カリウムであればカリウム型となる。代表的なカチオン交換基としてスルホン酸基がある。
ヨウ化銀粒子はイオン交換反応を利用して生成させるため、微細な粒子を多量に担持できる。アニオン交換基やアニオン性キレート基の場合、ヨウ化銀担持量はヨウ化物イオン吸着量、即ちアニオン交換容量に依存する。アニオン性キレート基にはエチレンジアミン基のようなアミノ基を複数有するキレート基が挙げられる。アニオン交換基に吸着していたヨウ化物イオンが脱離すると繊維の表面に到達する前に銀イオンと接触することによって繊維周縁部にヨウ化銀を生成する。そして、カチオン交換基やカチオン性キレート基の場合、ヨウ化銀担持量は銀イオン吸着量、即ちカチオン交換容量に依存する。カチオン交換基にイオン交換吸着していた銀イオンがヨウ化物イオンによって脱離する場合も同様のメカニズムで繊維周縁部にヨウ化銀が生成する。通常の液性では、ヨウ化銀粒子は負に帯電しているため、グラフト側鎖にアニオン交換基を選択した場合は、グラフト鎖同士は斥力により反発し、トリチウム水が進入するスペースが確保されると同時に、ヨウ化銀粒子との間に静電引力が働き強固に固定される。非常に微細な粒子として繊維に強固に固定担持され、氷核生成用担体として好ましい。
トリチウム水を除去するには、トリチウム水吸着材料とトリチウムを含む汚染水とを、トリチウム水は凝固するが、軽水は凝固しない温度範囲で接触させることで実施できる。
ヨウ化銀を担持した繊維をトリチウム含有水と接触させ、トリチウム水は凝固するが軽水は凝固しない温度に保持し、トリチウム水をヨウ化銀粒子上に結氷させる。トリチウム水の氷晶を含む繊維を系外に取出し、トリチウム水が溶解する温度に設定し、トリチウム水の濃度が高められた付着水を繊維から脱着させることで、トリチウム水を分離濃縮できる。
氷核促進物質が存在すると、軽水はー4℃で凝固し、トリチウム水はTOが+4.5℃、HTOが0℃で凝固する。したがって、−4℃〜+4.5の範囲で水温を制御すればよい。実際はトリチウム水の形態はHTOが主と考えられるため、−4℃〜0℃に制御すればよい。ここで、トリチウム水の凝固温度は、トリチウム含有水の置かれた環境、例えば、塩類濃度、pH、トリチウム水中の微粒子濃度、攪拌方式、及び冷却方法よって変化するため、その都度目視観察や放射能分析等によって設定する必要があり、実際は冷却温度を3℃程度の幅を持たせてもよい。即ち、実用上は−7℃〜+3℃に設定してもよい。また、攪拌槽や固液分離装置の内部で温度分布や温度勾配があってもよく、循環冷却装置使用する場合のように、冷却面がトリチウム水中に浸漬した状態では、冷却面がー7℃以下に設定されており、軽水が冷却面等で一部凝固していてもよい。このような場合は、氷核促進物質に加え、氷核自体が増加するため、むしろ好ましく、微細な軽水の氷晶が生成していてもよく、本発明の範囲に含まれる。
また、トリチウム水を吸着したトリチウム水吸着材料をトリチウム水及び軽水ともに凝固しない温度下に置いて、トリチウム水吸着材料からトリチウム濃縮液を脱着させることができる。この工程において、脱着したトリチウム濃縮水が吸着材料から分離しづらい場合は、洗浄水等を用いてトリチウム水吸着材料を洗浄し、トリチウム濃縮水を分離することができる。繊維は空隙が大きいため、水の保持量が大きく、また繊維内部のグラフト鎖がイオン交換基の周りに多量の水を随伴しており、洗浄水によって十分に洗浄除去できない場合がある。そのような場合は、洗浄液としてアルコールなどの有機溶媒も使用できる。ここで、洗浄水として利用できる水はトリチウム水を含まないことが必要で、水道水やそれに準ずる液体、トリチウム水除去後の処理水などから適宜選択して利用できる。メタノールやエタノールなど低級アルコールは、繊維内部に容易に浸透し、繊維内部の付着水を容易に置換できるため、液量が少なくて済む。また、蒸発しやすいため、トリチウム水の減容濃縮に好ましい。
接触方法としては、ヨウ化銀担持繊維の成型加工性のよさを生かし、汚染水の環境に応じ、さまざまな方法を採用することができる。バッチ式接触方法では、所定の温度に冷却したトリチウム含有水に浸漬する方法などを採用することができる。連続式接触方法では、ヨウ化銀担持繊維を温度制御可能なジャケット付カラムに充填し、所定温度に設定した充填層にトリチウム水を通液する方法を採用できる。また、カラムを利用する方法においては、ヨウ化銀担持繊維をトリチウム水に浸漬して通液を行う通常の通液方式や浸漬させないでトリチウム水を散水する方式も採用できる。散水する方式はトリチウム水が必ず繊維表面を伝わって移動し、熱容量的にも小さい。また、冷却気体を繊維間隙に送風することが可能であり、温度制御が容易である。汚染水の水質、設備の設置環境、作業者の被ばく量、などを勘案し、適した方法を選択することができる。どちらの接触方法も、トリチウム水の吸着を行う前に、予備的に温度制御する手段を設けてもよい。季節にもよるが、冬場の処理においては、加温も必要と思われる。
トリチウム濃度の高められた付着水を回収するには、凝固点以上の雰囲気に放置するか又は凝固点以上の水で洗浄することで可能である。繊維の保持水量が大きいため、洗浄水が繊維体積の数倍程度が必要となる点が懸念されるが、減容効果を高めるため、有機溶媒も利用できる。メタノールなどアルコール類溶媒は、繊維内外の付着水を置換できるため好ましい溶媒である。他の水溶性溶媒も利用できるが、価格や作業環境等を考慮し決定できる。
発明の効果・優位性
トリチウムの除去は、沸点や凝固点など物理的な特性が軽水と異なることを利用して行われてきた。しかしながら、巨大な蒸留塔や冷却装置が必要となり、装置に莫大な費用がかかるという問題点があった。本発明では、トリチウム水の相変化を繊維上で発現させることに特徴がある。表面積が大きく操作性の優れた繊維に氷核促進物質を担持しているため、本発明の繊維及び処理量によって決まる温度制御装置とトリチウム水分離部があれば、装置化が容易である。
放射線グラフト重合法を利用したヨウ化銀担持繊維の作製方法を示す図である。ナイロン繊維にガンマ線を照射後、メタクリル酸グリシジル(GMA)をグラフト重合し、さらに3級アミノ基を2個有するトリエチレンジアミン(TEDA)を反応し、4級アンモニウム基を導入した強塩基性アニオン交換繊維製造する。その後ヨウ化カリウムを接触させ、ヨウ化物イオン型さらに硝酸銀を接触させ、繊維上にヨウ化銀担持を行う。 放射線グラフト重合後の高分子材料をグラフト側鎖が存在する場所によって呼び方を区別し、高分子基材内部にとどまっている部分をポリマールーツ、高分子基材の外側に飛び出した部分をポリマーブラシと呼ぶ 撚糸を加工した組みひもの外観を示す図である。芯の周りにヨウ化銀担持繊維の輪が放射状に突出した構造である。 ワインドフィルター バッチ処理法の1種である浸漬法を示す図である。組みひもに加工したトリチウム水吸着材料を複数本、トリチウム含有水に浸漬し、所定時間、所定温度(トリチウム水は凝固するが軽水は凝固しない温度)浸漬することによって、トリチウム水を吸着させる。組みひもの配置によっては、トリチウム含有水を連続で処理することができる。 バッチ処理法の1種である循環処理法を示す図である。汚染水タンクをハウジングに収納したワインドフィルターに通水し、処理液を汚染水タンクに戻す循環式のトリチウム水処理方法を示す図である。汚染水タンク内のトリチウム水濃度が低下すれば通水を終了する。 連続処理法の1種であるカラム通水法を示す図である。カラム内にトリチウム水吸着材料が充填され、カラム上部から予め予備冷却されたトリチウム含有水が通液される。カラムの外側にジャケットが付設され、カラム全体の温度を制御する。 連続処理法の1種であるトリチウム水散水法を示す図である。トリチウム吸着材料を充填した槽にシャワーでトリチウム水を散水するトリチウム水除去方法を示す。空隙があるため、トリチウム水は繊維の表面を伝わって下方に移動する。槽の外側にジャケットが付設され、温度制御されるが、槽の底部から冷却気体が流入し、上方に流れる構造にもなり、より均一な槽内の温度制御が可能。 連続処理法の1種であるトリチウム水散水法の別法を示す図である。所定温度に設定された恒温室に組みひもを吊り下げ、トリチウム水を上部から散水し、同時にジャケットや冷却気体によって温度制御できる。 連続処理法の1種である流通法を示す図である。恒温槽内にトリチウム吸着材料を充填した長い管路を設置した流通式のトリチウム吸着装置であり、冷媒の温度を変えることで脱着も可能である。 連続処理法の1種であり、吸着と脱着を同時にできる処理方法である。トリチウム水除去槽と脱着槽との間をトリチウム水吸着材料を有するベルトが回転しながら移動し、吸着と脱着を連続的に行うことができる。トリチウム除去槽ではトリチウム水供給のための散水装置と槽下部からの冷却気体により、トリチウム水吸着のための温度制御がなされ、脱着槽ではトリチウム水の脱着のための洗浄装置が付設されている。
発明の形態をさらに詳細に説明するため、代表的な氷核促進物質であるヨウ化銀を、最も好ましい担体である放射線グラフト重合法を利用したイオン交換繊維に担持した例について詳細に説明をする。そして、該吸着材料を使用したトリチウム水除去方法についても説明する。
図1はナイロン繊維にガンマ線を照射し、メタクリル酸グリシジル(GMA)をグラフト重合した後、トリエチレンジアミンを反応させた強塩基性アニオン交換繊維の製造方法を示している。そのアニオン交換基にヨウ化物イオンを吸着させ、さらに硝酸銀と接触させることにより、ヨウ化銀を担持させたトリチウム水吸着材料の製造方法である。放射線照射、グラフト重合及びグラフト物への官能基導入、ヨウ化物イオンの吸着、及び銀イオンとの接触によるヨウ化銀の析出担持の4段階から成り立っている。
本発明の基材として有用な繊維素材として、合成繊維の他、綿などのセルロース系繊維、動物性繊維、鉱物系繊維、若しくは再生繊維、またはそれらの混合繊維が挙げられる。合成繊維にはポリエステル系、ポリアミド系、アクリル系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリウレタン系、ポリビニルアルコール系、フッ素系等が含まれる。セルロース系繊維には、綿、麻等の天然セルロース系繊維、ビスコースレーヨン、銅アンモニア法レーヨン、ポリノジック等の再生セルロース繊維、テンセル等の精製セルロース繊維、アセテート、ジアセテート等の半合成繊維が含まれる。動物性繊維には、羊毛等の獣毛繊維、絹等が含まれる。再生繊維には、キチン・キトサン繊維、コラーゲン繊維などが含まれる。この中でも、ポリエチレン、ポリアミドなど疎水性の合成高分子が特に好ましい。
基材となる有機高分子成形体は、市販品のものを自由に選択できる。例えば、繊維、不織布、織布、撚糸、膜、多孔性膜、粉末など、用途に応じて自由に選択することができる。これらの中でも繊維は表面積が大きいため、吸着材料として利用した場合に、大きな吸着速度を見込むことができる。また、繊維は繊維集合体である撚糸の他、不織布、織布など綿塊状などがあり、それらを加工したものも利用できる。
繊維に照射する電離性放射線は、α線、β線、ガンマ線、電子線、中性子線などが含まれるが、基材である繊維の表面から深い部分まで透過する能力を有するガンマ線および電子線を用いることが好ましい。放射線の照射条件は、特に限定はないが、次の工程において充分なグラフト効率を得るためには、脱酸素状態で、5〜200kGy、特に30〜100kGyとすることが好ましい。この際、酸素濃度は、必要とされる重合率でのグラフト重合が達成される濃度であればよく、好ましくは、酸素濃度1%以下、より好ましくは、酸素濃度100ppm以下である。
繊維に電離性放射線を照射すると、繊維表面ならびに内部にラジカルが発生する。ここに、イオン交換基を有するモノマーか又はイオン交換基に転換可能なモノマーを接触させると、発生したラジカルを基点としてモノマーが重合する。グラフト重合は、放射線の照射のタイミングにより、前照射グラフト重合法と同時照射グラフト重合法とに分けられる。前照射グラフト重合法とは、あらかじめ基材に放射線を照射した後、モノマーと接触させる重合方法であり、単独重合物の生成量が少ないため一般的には分離材料の製造方法にふさわしい方法である。同時照射グラフト重合法とは、基材とモノマーとの共存下に放射線を照射するグラフト重合法である。本発明はどちらの照射方法をも採用できるが、単独重合物(ホモポリマー)生成量の少ない前照射グラフト重合法を用いることが本発明の用途である分離材料の製造方法としてより好ましい。図1はイオン交換基に転換可能なGMAモノマーを前照射グラフト重合法でグラフト重合した例を示した。
グラフト重合の際、接触させるモノマーが液体である場合は液相グラフト重合法と呼び、気体である場合は気相グラフト重合法と呼ぶ。また、液相グラフト重合法においてエマルションモノマー溶液を用いる場合はエマルショングラフト重合法と呼ぶ。また、液相グラフト重合法と気相グラフト重合法の中間に位置づけられる含浸重合法がある。この方法は、予め所定のグラフト率が得られるようモノマー量を計算し、必要量のモノマーを予め有機高分子成形体に浸み込ませておくグラフト重合法である。本発明ではいずれの方法をも適用することが可能である。
エマルショングラフト重合法は特許文献(特開2005−344047)に記載されている方法を採用できる。即ち、GMAやスチレンなどの疎水性モノマー、界面活性剤、及び水からなるエマルション溶液を作製し、液相グラフト重合法により実施でき、グラフト率100%以上が容易に得られる。界面活性剤としてはカチオン系、アニオン系、ノニオン系のいずれも利用することができる。
エマルショングラフト重合法が好ましい理由として、モノマー量や洗浄溶媒を低減できるという環境負荷上の利点が挙げられる。また、照射線量が少なくて良いという製造コスト上の利点も挙げられる。さらに好ましい利点として、ポリマーブラシを非常に長くできるという点がある。
グラフト側鎖に導入する官能基として、イオン交換基が好ましい。例えば、イオン交換基としてはスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、4級アンモニウム基、アミノ基などが利用できる。一部のキレート基、例えばイミノジ酢酸基やエチレンジアミン基などもカルボキシル基やアミノ基を有するため、イオン交換基とみなすことができる。スルホン酸基及び4級アンモニウム基は、それぞれ代表的な強酸性カチオン交換基及び強塩基性アニオン交換基であり、それぞれ負及び正に帯電しているため、グラフト側鎖間に荷電反発により斥力が働き、膨潤させることができる。そのため、グラフト側鎖間にトリチウム水が入りやすく、ヨウ化銀と接触しやすくなり、さらに好ましい。
カチオン交換基を導入する場合、カチオン交換基有するモノマーをグラフト重合により容易に導入できる。カチオン交換基を有するモノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、アリルスルホン酸およびこれらのアルカリ金属塩が挙げられる。
アニオン交換基を導入する場合、アニオン交換基を有するモノマーをグラフト重合により容易に導入できる。アニオン交換基を有するモノマーとしてビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、アリールアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドが挙げられる。
モノマー自体ではイオン交換基を有しないが、二次反応によってイオン交換基に転換可能な官能基を有するモノマーとして、アクリロニトリル、アクロレイン、ビニルピリジン、スチレン、クロロメチルスチレン、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリシジル、グリシジルソルベート、グリシジルメタイタコナート、グリシジルビニルスルホナート、エチルグリシジルマレアート、2−ビニルピロリドン、ジビニルベンゼン、1−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−N−メチルアセタミドやこれらの誘導体が挙げられる。
メタクリル酸グリシジルは、スルホン酸基やアミノ基をはじめキレート基など各種官能基導入が容易であるため、特に好適に利用できる。疎水性のモノマーであるため、水中油滴型のエマルション溶液により、エマルショングラフト重合を適用することが可能であり、かつイオン交換基の導入が容易であり、好適に利用できる。例えば、繊維にメタクリル酸グリシジルをグラフト重合させ、次いで亜硫酸ナトリウムを反応させると、グラフト鎖中に存在するグリシジル基がスルホン酸基(強酸性カチオン交換基)に転換される。トリエチレンジアミンのような3級アミンを2個有するアミンも反応により4級アンモニウム基を導入できる。
スチレンやクロロメチルスチレンのようなスチレン系のモノマーも、イオン交換基およびキレート基の導入が容易であり、好適に利用できる。例えば、有機高分子繊維にクロロメチルスチレンをグラフト重合させ、次いでトリメチルアミンを反応させると、グラフト鎖中に存在するクロロメチル基が4級アンモニウム基(アニオン交換基)に転換することができる。
イオン交換基として負に帯電したカチオン交換基か又は正に帯電したアニオン交換基とのどちらが良いかについては、通常のpHで負に帯電するヨウ化銀との間に静電吸着力が働くアニオン交換基が好ましい。特に、3級アミンよりも4級アンモニウム基の方が電荷が大きく親水性が大であるため好ましい。
氷核促進物質として、ヨウ化銀、塩化銀、臭化銀などがある。氷の結晶核は結晶系が六方晶系、結合距離が0.276nmである。ヨウ化銀は同様の六方晶系であり、結合距離が0.280nmと氷の結合距離とほぼ同様であるため、氷晶核の生成速度が大きく好ましい。臭化銀や塩化銀はそれぞれ結合距離0.288nm、0.277nmと氷に近い値であるが、結晶系が六方晶も存在するが、立方晶系が主体であり氷と異なるため、氷晶核の生成速度がヨウ化銀ほど大きくない。結晶構造が氷と似ているヨウ化銀が最も好ましい。
強塩基性アニオン交換基の場合は、先ずヨウ化カリウム又はヨウ化ナトリウム水溶液と接触させ、ヨウ化物イオンをアニオン交換基に吸着させる。そして、洗浄後に硝酸銀水溶液と接触させ、ヨウ化銀の沈殿を析出させる。ここで、ヨウ化銀沈殿は通常、負に帯電している場合が多く、正電荷を有するアニオン交換基との間に静電吸着力が働くため、ヨウ化銀粒子が強固に保持される。
グラフト鎖が強酸性カチオン交換基の場合、順序が逆となり、先ず硝酸銀の水溶液と接触させて、銀イオンをイオン交換基に吸着させる。そして、洗浄後にヨウ化カリウムか又はヨウ化ナトリウム水溶液と接触させ、難溶性のヨウ化銀沈殿を析出させる。
ヨウ化銀の沈殿が析出した後、カチオン交換基はNa型又はK型となる。隣接するグラフト鎖とは斥力が働くため、膨潤しトリチウム水の浸入に好ましい。特に強酸性カチオン交換基であるスルホン酸基は電荷が強く、親水性も大であるため、弱酸性カチオン交換基よりも好ましい。弱酸性カチオン交換基、例えばカルボキシル基の場合はナトリウム型やカリウム型に変換し、カルボキシル基を解離させておく必要がある。
アニオン交換基の場合は、強塩基性アニオン交換基である4級アンモニウム基の電荷が強く、ヨウ化銀粒子の脱落防止の点や親水性が大であるため、弱塩基性アニオン交換基よりも好ましい。ヨウ化物イオンを吸着させた後、沈殿析出反応に硝酸銀溶液を用いた場合は、アニオン交換基がヨウ化物イオン型から硝酸型にかわる。カチオン交換基を導入した場合と同様に、同一官能基間で斥力が働くため、トリチウム水の浸入に好ましい。
本発明のヨウ化銀担持繊維はイオン交換基を有するポリマーブラシが繊維表層に存在し、同電荷により互いに反発しているため、親水性のブラシ間が拡張し、膨潤するため軽水やトリチウム水が容易に進入できる。特に、スルホン酸基はー40mV〜―50mV、4級アンモニウム基は+40mV〜+50mV程度の電荷を有し、グラフト鎖間を広げ、かつ親水性も大きいため、トリチウム水との接触が容易である。
また、アニオン交換基の場合は、ヨウ化銀粒子の析出によって、アニオン交換基のイオン型は、銀イオンのカウンターイオン型に置換する。生成したヨウ化銀粒子はグラフト鎖と静電的相互作用により固定されているため、凝集がなく非常に微細な粒子として繊維に担持され、氷晶核として好ましい。
また、放射線グラフト重合を利用してヨウ化銀担持繊維を製造した後、使用環境に応じて加工することができる。図3に示す組みひもは、強度材となる芯6からヨウ化銀担持繊維の撚糸5が放射状に輪を形成しながら突出している構造であり、モールとも呼ばれ、滞留水中で懸架させるような使用方法が可能である。図4に示すワインドフィルターは、穴開きコア7にヨウ化銀担持繊維撚糸5が巻かれた構造を有し、本来濾過に使用されるフィルターであるため、ろ過とトリチウム水の同時除去が可能な形状である。規格の寸法があるため、市販のハウジングに収納し、ポンプを使用した流通方式で利用できる。ネット、カット繊維、シート状にも容易に加工できる。
ヨウ化銀を担持した繊維をトリチウム含有水と接触させ、トリチウム水は凝固するが軽水は凝固しない温度に保持し、トリチウム水をヨウ化銀粒子を核として繊維上に結氷させる。接触方法としては、ヨウ化銀担持繊維の成型加工性のよさを生かし、汚染水の水質、設備の設置環境、作業者の被ばく量、放射性廃棄物発生量など汚染水の環境に応じ、さまざまな方法を採用することができるが、バッチ式と連続式に分けることができる。
バッチ式接触方法としては、図5に示すようにヨウ化銀担持繊維からなる撚糸を組みひも10に成型加工し、トリチウム水は凝固するが軽水は凝固しない温度範囲に制御したトリチウム水に浸漬する浸漬法がある。汚染水を予備冷却槽8において予めトリチウム水の凝固点より5℃前後以内の高めに冷却し、トリチウム吸着槽9に送る。トリチウム吸着槽9では冷却用ジャケット12により、トリチウム水は凝固するが軽水は凝固しない温度(−4℃〜0℃)に制御されている。組みひも状に加工されたヨウ化銀担持繊維10が搬送用レール13から懸架されている。トリチウム汚染水を所定時間ヨウ化銀担持繊維10と接触させ、トリチウム濃度の低下した処理水は排出され、処理水槽13に貯留される。トリチウム水を結氷吸着した繊維は、トリチウム水を分離するための装置(図示せず)に搬送用レール13によって移送される。さらに、トリチウム水を吸着可能であれば、新しいトリチウム汚染水を吸着槽に取り込み、処理することができる。また、搬送せずにトリチウム吸着槽9の中で冷却をやめ、トリチウム水の凝固点以上の液体を用いて洗浄することも可能である。前述したように、季節によって、予備冷却の代わりに加温が必要な場合もあり得る。
バッチ式接触法の別法として図6に示す循環接触法がある。ここでは、図4に示すワインド型フィルターを使用することができる。フィルターを収納するハウジング14を恒温室か又は恒温槽15内に設置するかジャケット付に改造するなどして利用でき、例えば図6のように、汚染水タンク16に存在するトリチウム汚染水17を予備冷却槽8で冷却後、トリチウム水は凝固するが軽水は凝固しない温度に設定したワインドフィルター収納ハウジング14に通水し、処理水を汚染水タンク16に戻す循環処理を所定時間行うことにより、トリチウム水を除去することができる。また、ワインドフィルターは容易に交換できるため、作業が簡単である。再生用のバイパス回路を設置し、そのままトリチウム水の脱着を行うことも可能である。
また、連続式としてカラム通水方式(図7)がある。ヨウ化銀担持繊維をジャケット付カラム19に充填し、所定温度に設定したヨウ化銀担持繊維充填層20に予備冷却されたトリチウム汚染水を通液する方法も採用できる。この場合、ヨウ化銀担持繊維をカットし、そのまま直接カラム内に充填する方法や所定の長さに切断した繊維塊を水は通過できるが繊維は通過しない袋又はメッシュのかごに装填して、カラム19内に充填できる。吸着の終了したヨウ化銀担持繊維充填層20は、洗浄液槽21からの洗浄液によって洗浄される。洗浄液として、トリチウム水の凝固点以上に温度制御された処理水、又は別の洗浄液によって洗浄される。洗浄により排出された濃度の高められたトリチウム水は洗浄廃液貯槽22に貯留される。複数のジャケット付カラム19を交互に使用するメリーゴーランド方式での運用も可能である。
ヨウ化銀担持繊維をトリチウム水に浸漬して通液を行う方式に対し、図8に示すように、浸漬させないでトリチウム水を散水装置23からヨウ化銀担持繊維充填層20に散水する方式も採用できる。散水方式においては、トリチウム水が吸着槽(又は恒温室)に設置された繊維の表面に沿って移動し、処理水が吸着槽底部24に貯まる。トリチウム水は必ず繊維と接触するため、接触効率が良い。また、繊維充填層は空隙が大きく、水に浸漬されていないため、吸着槽の熱容量が小さく、温度制御しやすい。吸着塔下部へ冷却気体貯槽25から冷却空気又は冷却窒素等を吹き出し、均一な温度制御が可能である。ランニングコスト上も有利である。トリチウム水の吸着が終了した後、冷却を停止し、洗浄液を散水し、トリチウム濃度の高められたトリチウム水を回収することができる。
散水方式では、図9に示すようにヨウ化銀担持繊維の充填層20を形成する必要はなく、図6に示したヨウ化銀担持繊維の組みひも10を汚染水に浸漬させず、吊下げることも可能である。搬送用レール13に懸架し、恒温室26内で汚染水を散水装置23から散水することでも、ヨウ化銀担持繊維とトリチウム水とを接触させることができる。トリチウム水濃度の低減された処理水は組みひも10の底部から落下し、吸着槽底部(恒温室底部)24から外部に排出させる。吸着塔下部へ冷却気体貯槽25から冷却空気又は冷却窒素等を吹き出し、均一な温度制御が可能である。
図10は恒温槽27内にヨウ化銀担持繊維を充填した長い管路28を付設した例である。ヨウ化銀担持繊維が管路内部に充填される。冷媒入口29から流入し、冷媒出口30より流出する冷媒31によって、トリチウム水が凝固する温度に維持される。トリチウム水濃度が低減された処理水は管路出口より排出させる。吸着量が限界に達した場合、冷媒の温度を上げることにより、トリチウム水濃度の濃縮された液が管路の出口より排出される。
図11は繊維状吸着材の取り扱いのよさを生かした連続吸脱着装置である。シート状の吸着材32が吸着槽33と脱着槽34の間を可動ローラによって回転している。汚染水は吸着槽33の上部からシート状のヨウ化銀担持繊維32に散水され、トリチウム水が繊維に吸着される。トリチウム水濃度の低減した処理水24が底部にたまる。トリチウム水を吸着したシートは吸着槽33の塔底部付近から上方向に移動する間にトリチウム濃度の薄められた処理水が落下し、水切りが行われるため、より高い分離効率が得られる。吸着槽33で水切りされたシートは脱着槽34に送られる。脱着槽34の温度はトリチウム水の凝固点以上、例えば室温程度でよく、洗浄液35を散水することでトリチウム濃度の高められた洗浄廃液36が得られる。洗浄液35はトリチウム水の脱着効率を上げる位置に設置すればよく、脱着槽34の槽上部に複数設置することも可能である。トリチウムを脱着したシート状吸着材32は再び吸着槽33に戻り、トリチウム水の吸着に使用される。ここで、シートはヨウ化銀担持繊維のみから構成されるものでなくともよい。例えば、引張強度に優れたネットや金属製メッシュでもよく、これにヨウ化銀担持繊維を落下しないように治具で固定することもできる。また、槽間の移動の際、繊維の付着水が落下しないように絞りローラを(図示せず)設置することもできる。
ヨウ化銀担持繊維の製造
6‐ナイロン製の繊維(以降,ナイロン繊維,東レ(株)製,繊維径40 μm)にガンマ線を40kGy照射した後、5v%のグリシジルメタクリレート(GMA)/メタノール溶液に40°Cで浸漬し、GMAをグラフト重合した。グラフト重合前後の繊維の重量増加率から算出し、110%が得られた。トリエチレンジアミン(TEDA)20%水溶液をpH9.5となるよう塩酸を加えた。この液に先のGMAグラフト繊維を浸漬し、60℃で5時間反応し、TEDAを導入した。この繊維の中性塩分解容量を測定したところ、1.8meq/gであった。次に、0.5Mのヨウ化カリウム水溶液と30分間接触させ、繊維をヨウ化物イオン型に変換した。そして、0.5Mの硝酸銀水溶液と30分間接触させ、ヨウ化銀を担持した。重量増加率を測定すると、6.2%であった。
重水(HDO及びD2Oの濃縮試験
ヨウ化銀担持繊維0.025gを1.5mlのマイクロチューブに入れ、DO濃度を2%に調製した水を1ml加えた。さらに、このチューブを0℃の恒温槽に7日間静置した。静置後、繊維をチューブから取り出し、繊維側の液のD濃度(C繊維)と残液のD濃度(C)を測定し、式(1)で定義される濃縮率を求めた。
D濃縮率(%)=100×C繊維/C (1)
液側のD濃度が2.09に対し繊維側のD濃度が2.91であり、濃縮率が140%であった。
実施例1で製造したヨウ化銀担持繊維を約1cmにカットし30gを内径20mm、高さ500mmのガラス製カラムに充填した。このカラムとD濃度100mg/Lに調製したD2O溶液を入れた2Lのビーカー、チューブポンプをシリコンチューブで接続した流通試験装置一式を2℃に設定した恒温恒湿室に3日間設置した。その後、チューブポンプで流量60ml/hに設定しD2O溶液を通液した。12時間後、24時間後、及び30時間後に流出液のD2O濃度を測定したところ、D濃度濃度はいずれも5mg/L以下であった。
実施例2のカラム流通試験を30時間で打ち切り、恒温恒湿室から試験装置一式を25℃に設定された室内に取出し、1昼夜放置した。40℃に加温した純水を600ml/hの流量でカラムに通液し、流出液を採取した。流出液600ml中のD濃度は310mg/Lであり、溶離効率は93%であった。
本発明は取扱いが容易な有機高分子の繊維に氷核促進物質であるヨウ化銀を担持したトリチウム水吸着材料を、軽水は凝固しないが、トリチウム水が凝固する温度下に置くことによって、トリチウム水の結氷吸着する除染技術である。温度制御に多少の正確さが要求されるが、非常に簡単な設備でトリチウム水を低減でき、繰返し利用が可能である、薬剤を使用しないため、放射性廃棄物の発生量を非常に小さく抑えることが可能であり、福島第1原子力発電所に保管されているトリチウム含有水の処理に役立つと考えられる。
1 非晶部
2 結晶
3 ポリマールーツ
4 ポリマーブラシ
5 ヨウ化銀担持繊維
6 芯
7 コア
8 予備冷却槽
9 トリチウム吸着槽
10 ヨウ化銀担持繊維(組みひもに加工したもの)
11 トリチウム吸着材搬送・懸架用レール
12 温度制御用ジャケット
13 処理水槽
14 ハウジング
15 恒温室(又は恒温槽)
16 汚染水タンク
17 トリチウム汚染水
18 ポンプ
19 ジャケット付きカラム
20 ヨウ化銀担持繊維充填層
21 洗浄液槽
22 洗浄廃液貯槽
23 散水装置
24 吸着槽底部処理水
25 冷却気体貯槽
26 恒温室
27 恒温槽
28 管路
29 冷媒入口
30 冷媒出口
31 冷媒
32 シート状吸着材
33 吸着槽
34 脱着槽
35 洗浄液
36 洗浄廃液

Claims (9)

  1. 担体に氷核促進物質が担持されたトリチウム水吸着材料
  2. 前記氷核促進物質がヨウ化銀、塩化銀、臭化銀より選択されたものを含む請求項1記載のトリチウム水吸着材料
  3. 前記担体は、活性炭、活性炭素繊維、有機高分子繊維、ゼオライト、イオン交換樹脂、キレート樹脂、イオン交換繊維、キレート繊維、多孔性中空糸、より選択された請求項1又は2記載のトリチウム水吸着材料
  4. 前記担体がイオン交換樹脂、イオン交換繊維、キレート樹脂、キレート繊維より選択されたものであって、側鎖にイオン交換基又はキレート基を有し、氷核促進物質がイオン交換反応又はキレート反応を利用してグラフト側鎖間に担持されたものである請求項1〜3のいずれかに記載のトリチウム水吸着材料
  5. 有機高分子繊維又は粒子に電離性放射線を照射する第1工程、アニオン交換基を有するモノマーをグラフト重合するか又はアニオン交換基に転換可能なモノマーをグラフト重合した後、アニオン交換基に転換する第2工程、アニオン交換基にヨウ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオンより選択された陰イオンをイオン交換吸着させる第3工程、銀塩水溶液を接触させ難溶性の銀塩をグラフト側鎖間に沈殿析出させる第4工程、を含む記載のトリチウム水吸着材料の製造方法。
  6. 有機高分子繊維又は粒子に電離性放射線を照射する第1工程、カチオン交換基を有するか又はカチオン交換基に転換可能なモノマーをグラフト重合する第2工程、カチオン交換基に転換可能なモノマーにあってはカチオン交換基に転換したのち、カチオン交換基に銀イオンをイオン交換吸着させる第3工程、ヨウ化物イオンを接触させ、難溶性のヨウ化銀をグラフト側鎖間に沈殿析出させる第4工程、を含むトリチウム水吸着材料の製造方法。
  7. 請求項1乃至4記載のトリチウム除去材料とトリチウムを含む汚染水とを、トリチウム水は凝固するが、軽水は凝固しない温度範囲で接触させるトリチウム水の除去方法
  8. トリチウム水を吸着したトリチウム吸着材料をトリチウム水及び軽水ともに凝固しない温度下に置いて、トリチウム吸着材料からトリチウム水を脱着させ、脱着後のトリチウム吸着材料を再びトリチウム吸着処理に用いる請求項7記載のトリチウム水の除去方法
  9. トリチウム水を脱着する工程において、アルコール、トリチウム除去済みの処理水、トリチウムを含まない水より選択された洗浄液を利用する請求項8記載のトリチウム水の除去方法
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