JP7089121B2 - 高濃度の抗vegf抗体を含有するタンパク質溶液製剤 - Google Patents

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本出願は、ASCII形式で電子的に提出され、参照によってその全体が本明細書に援用される配列表を含有する。2019年12月11日に作成された前記ASCIIコピーはPAT058325_sequence_listing_2019_ST25.txtという名称であり、9KBのサイズである。
本発明は、抗VEGF抗体の水性医薬製剤、その調製方法、及び製剤の使用に関する。
血管内皮増殖因子(VEGF)は、血管形成及び血管新生の既知の制御因子であり、腫瘍及び眼内障害に関連する血管新生の重要なメディエータであることが示されている(Ferrara et al.Endocr.Rev.18:4-25(1997))。VEGFmRNAは多くのヒト腫瘍において過剰発現され、眼流体中のVEGFの濃度は、糖尿病性及び他の虚血関連の網膜症を有する患者における血管の活性増殖の存在と高い相関性がある(Berkman et al.,J Clin Invest 91:153-159(1993);Brown et al.Human Pathol.26:86-91(1995);Brown et al.Cancer Res.53:4727-4735(1993);Mattern et al.Brit.J.Cancer.73:931-934(1996);及びDvorak et al.Am J.Pathol.146:1029-1039(1995);Aiello et al.N.Engl.J.Med.331:1480-1487(1994))。さらに、近年の研究では、AMDに罹患した患者の脈絡膜新生血管膜における局所的なVEGFの存在が示されている(Lopez et al.Invest.Ophtalmo.Vis.Sci.37:855-868(1996))。抗VEGF中和抗体を使用して、ヌードマウスにおける様々なヒト腫瘍細胞株の増殖を抑制することができ、虚血性網膜障害のモデルにおける眼内血管形成を阻害することもできる(Kim et al.Nature 362:841-844(1993);Warren et al.J.Clin.Invest 95:1789-1797(1995);Borgstrom et al.Cancer Res.56:4032-4039(1996);及びMelnyk et al.Cancer Res.56:921-924(1996))(Adamis et al.Arch.Opthalmol.114:66-71(1996))。
抗VEGF抗体を含むいくつかの抗体は、ヒト及び他の哺乳類における治療的使用のために認可されている。液体医薬製剤中の治療抗体の濃度は、例えば、投与経路に応じて大きく異なる。少量が所望される場合、抗体の高濃度製剤が必要とされることが多い。例えば、高濃度製剤は、硝子体内注射又は皮下投与のために望ましいことがある。
しかしながら、高濃度の抗体を含む製剤は貯蔵寿命が短いことがあり、製剤化された抗体は、貯蔵の間に化学的及び物理的不安定性に起因して生物学的活性を失う可能性がある。凝集、脱アミド及び酸化は、抗体分解の最も一般的な原因であることが知られている。特に、凝集は潜在的に患者における免疫応答の増大をもたらし、安全性の問題が生じ得る。したがって、凝集は最小限にされるか、又は防止されなければならない。
また数十ミクロンからミリメートル未満及びミリメートルまでのサイズ範囲の微粒子は一般にヒトの裸眼で見ることができるので、生物治療製剤における粒子の形成は大きな品質の問題である(Das,2012,AAPS PharmSciTech,13:732-746を参照)。点眼用治療調製物中の微粒子は、顕微鏡又は光遮蔽でしか見ることができないものであっても眼にダメージを与え得る。したがって、点眼用製剤中の肉眼で見えない粒子状物質の含有量が特定の範囲内にあることを保証するために規制基準が存在する。例えば、米国薬局方(U.S.Pharmacopeial Convention)(USP)では、顕微鏡法又は光遮蔽法の粒子計数により決定される直径10μm以上の粒子の最大数が1mL当たり50である、直径25μm以上の粒子の最大数が1mL当たり5である、直径50μm以上の粒子の最大数が1mL当たり2であるなどの、点眼用溶液中の粒子状物質に対する要件が設定されている(USP General Chapter<789>を参照)。
高濃度の抗体製剤を製造するための方法は知られている。しかしながら、種々の医薬賦形剤、緩衝液などの存在下で凝集体を形成する又は分解するその傾向に対して抗体のアミノ酸配列が与える予測不能な影響を克服するための普遍的なアプローチは存在しない。さらに、肉眼で見えない粒子を許容できるレベルで含有する、高濃度のタンパク質(例えば、抗体)を含む点眼用製剤の調製は困難であると共に、予測不能である。高用量を必要とするタンパク質薬物の製剤の開発は溶解性が限られたタンパク質では困難であり、いくつかの製造、安定性、分析、及び送達の課題も生じる。濃度依存性の凝集の分解経路は、これらの高濃度でタンパク質製剤を開発するために最大の課題である。非天然タンパク質の凝集及び微粒子形成の可能性に加えて、可逆的な自己会合が生じる可能性があり、これは、注射による送達を複雑にする粘性などの特性に寄与する。さらに、水性タンパク質製剤は、例えば、冷蔵庫又は冷凍庫内で貯蔵されるので、時間と共に曇り、そして濁ることがある。曇り及び濁りは、一般に、製剤中のタンパク質の凝集又は結晶化に関連する。注射又は他の方法で製剤を患者に送達する前にろ過又は製剤を清澄化する他の手段の必要性を回避するために、タンパク質製剤における任意の曇り又は濁りを回避することが強く好まれている。
本発明の目的は、ヒト、特にヒトの眼に投与するのに適しており、且つ曇り/濁り/結晶化を回避する、高濃度の抗VEGF抗体並びに低レベルの抗体凝集及び肉眼で見えない粒子を含むさらなる及び改善された製剤を提供することである。
したがって、本発明は、眼用注射に適した高濃度の抗VEGF抗体を含む水性医薬組成物に関する。ある態様では、本発明の水性医薬組成物は、低レベル~検出不能なレベルの抗体凝集又は分解を示し、製造、調製、輸送及び長期間の貯蔵中に生物学的活性の喪失がほとんど~全くなく、抗VEGF抗体の濃度は、少なくとも約50mg/ml、60mg/ml、80mg/ml、90mg/ml、100mg/ml、120mg/ml、140mg/ml、160mg/ml、180mg/ml、又は200mg/mlである。
本発明は、抗VEGF抗体、安定剤、緩衝液、及び界面活性剤を含む水性医薬組成物を提供する。ある態様では、水性医薬組成物は、(i)少なくとも50mg/mlの抗VEGF抗体、(ii)安定剤としての糖(例えば、スクロース)、(iii)クエン酸又はヒスチジン緩衝液、及び(iv)界面活性剤としてのポリソルベート80を含む。
ある態様では、水性医薬組成物は、少なくとも50mg/mlの配列番号1及び配列番号2の配列を含む抗VEGF抗体と、約4.5%~11%(w/v)のスクロースと、10~20mMのクエン酸緩衝液と、0.001%~0.05%のポリソルベート80(w/v)とを含み、組成物のpHは約7.0~約7.6である。
本発明の特定の好ましい実施形態は、ある好ましい実施形態についての以下のより詳細な説明及び請求項から明らかになるであろう。
165日後の5%のPEGを含む製剤1~6(F1~F6)中の抗体1008である。
本発明は、高濃度の抗VEGF抗体を含む水性医薬組成物を提供する。ある実施形態では、本発明の水性医薬組成物は2~8℃で少なくとも18ヶ月間安定であり、注射又は注入を含む眼への投与、例えば点眼投与、例えば硝子体内投与に適している。
本発明は、新規の医薬製剤、特に、活性成分がヒトVEGFへの抗体を含む新規の医薬製剤を提供する。一態様では、本発明は、高濃度の抗VEGF抗体を含む水性医薬組成物に関する。本発明の製剤中の好ましい抗VEGF抗体は国際公開第2009/155724号パンフレットに記載されており、その全内容は参照によって本明細書に援用される。
本明細書において使用される用語「抗体」は、抗体全体及びその任意の抗原結合断片(すなわち「抗原結合性部分」、「抗原結合ポリペプチド」、若しくは「イムノバインダー(immunobinder)」)又はその単鎖を含む。「抗体」は、ジスルフィド結合によって相互につながれた少なくとも2つの重(H)鎖及び2つの軽(L)鎖を含む糖タンパク質又はその抗原結合部分を含む。それぞれの重鎖は、重鎖可変領域(Vと本明細書において略される)及び重鎖定常領域から構成される。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2、及びCH3から構成される。それぞれの軽鎖は、軽鎖可変領域(Vと本明細書において略される)及び軽鎖定常領域から構成される。軽鎖定常領域は、1つのドメイン、CLから構成される。V領域及びV領域は、フレームワーク領域(FR)と称される、より保存された領域が点在する相補性決定領域(CDR)と称される超可変性の領域にさらに細分することができる。それぞれのV及びVは、以下の順でアミノ末端からカルボキシ末端に配置される3つのCDR及び4つのFRから成り立っている:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。重鎖及び軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含有する。抗体の定常領域は、免疫系の様々な細胞(たとえばエフェクター細胞)及び古典的補体系の第1の構成成分(C1q)を含む宿主組織又は宿主因子への免疫グロブリンの結合を媒介してもよい。
抗体の「抗原結合性部分」(又は単に「抗体部分」)という用語は、抗原(たとえばVEGF)に特異的に結合する能力を保持する、抗体の1つ又はそれ以上の断片を指す。抗体の抗原結合性の機能は、完全長抗体の断片によって実行することができることが示された。抗体の「抗原結合性部分」という用語の範囲内に包含される結合断片の例は、(i)V、V、CL、及びCH1ドメインからなる一価の断片であるFab断片;(ii)ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む二価の断片であるF(ab’)断片;(iii)V及びCH1ドメインからなるFd断片;(iv)抗体の単一のアームのV及びVドメインからなるFv断片;(v)Vドメインからなる単一ドメイン若しくはdAb断片(Ward et al.,(1989)Nature 341:544-546);並びに(vi)単離された相補性決定領域(CDR)又は(vii)合成リンカーによって任意選択で接合されてよい2つ若しくはそれ以上の単離されたCDRの組み合わせを含む。さらに、Fv断片の2つのドメイン、V及びVは、別々の遺伝子によってコードされるが、それらは、それらが単一タンパク質鎖として作製されるのを可能にする合成リンカーによって、組換え方法を使用して接合させることができ、V領域及びV領域がペアになって一価の分子を形成する(単鎖Fv(scFv)として知られている;たとえばBird et al.(1988)Science 242:423-426;及びHuston et al.(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879-5883を参照されたい)。そのような単鎖抗体もまた、抗体の「抗原結合性部分」という用語の範囲内に包含されるように意図される。これらの抗体断片は、当業者らに知られている従来の技術を使用して得られ、断片は、インタクト抗体と同じように実用性についてスクリーニングされる。抗原結合性部分は、組換えDNA技術によって又はインタクト免疫グロブリンの酵素的若しくは化学的切断によって産生することができる。抗体は、様々なアイソタイプのもの、たとえばIgG(たとえばIgG1、IgG2、IgG3、若しくはIgG4サブタイプ)、IgA1、IgA2、IgD、IgE、又はIgM抗体とすることができる。
好ましい実施形態では、本発明の水性医薬組成物は、配列番号1において記載される配列を有する可変重鎖及び配列番号2において記載される配列を有する可変軽鎖を含む。
VH:配列番号1
Figure 0007089121000001
VL:配列番号2
Figure 0007089121000002
別の好ましい実施形態では、抗VEGF抗体は、配列番号3において記載される配列を含む単鎖Fv(scFv)抗体断片である。
Figure 0007089121000003
本発明の水性医薬組成物中の抗VEGF抗体は、例えば、国際公開第2009/155724号パンフレットに記載されるように産生することができる。scFvは、そこに記載されるように、発現ベクターを用いて産生することができる。発現ベクター中の開始コドンに由来するメチオニンは、翻訳後に切断されなかった場合、最終タンパク質中に存在する。
Figure 0007089121000004
ある実施形態では、本発明の水性医薬組成物中の抗VEGF抗体は、それぞれ配列番号5、6、及び7で記載される重鎖HCDR1、HCDR2及びHCDR3と、それぞれ配列番号8、9、及び10で記載される軽鎖LCDR1、LCDR2及びLCDR3とを含む。
Figure 0007089121000005
一実施形態では、本発明の水性医薬組成物中の抗VEGF抗体の濃度は、少なくとも50mg/mlである。好ましくは、本発明の水性医薬組成物は、約50mg/ml、約60mg/ml、約70mg/ml、約80mg/ml、約90mg/ml、約100mg/ml、約110mg/ml、約120mg/ml、約130mg/ml、約140mg/ml、約150mg/ml、約160mg/ml、約170mg/ml、約180mg/ml、約190mg/ml、約200mg/ml、約210mg/ml、約220mg/ml、約230mg/ml、約240mg/ml、約250mg/ml又は約300mg/mlの抗VEGF抗体を含む。
ある実施形態では、本発明の水性医薬組成物は、約60mg/mlと約120mg/mlの間の抗VEGF抗体、例えば、配列番号1及び配列番号2を含む抗体を含む。
一実施形態では、本発明の水性医薬組成物は、約60mg/mlと約120mg/mlの間の、配列番号3を含む抗VEGF抗体を含む。
一実施形態では、本発明の水性医薬組成物は、約60mg/mlの、配列番号3を含む抗VEGF抗体を含む。
一実施形態では、本発明の水性医薬組成物は、約90mg/mlの、配列番号3を含む抗VEGF抗体を含む。
別の実施形態では、本発明の水性医薬組成物は、約120mg/mlの、配列番号3を含む抗VEGF抗体を含む。
一実施形態では、本発明の水性医薬組成物は、約60mg/mlと約120mg/mlの間の、配列番号4を含む抗VEGF抗体を含む。
一実施形態では、本発明の水性医薬組成物は、約60mg/mlの、配列番号4を含む抗VEGF抗体を含む。
別の実施形態では、本発明の水性医薬組成物は、約120mg/mlの、配列番号4を含む抗VEGF抗体を含む。
本明細書において使用されるように、「約」という用語は値又はパラメーター自体を含み、且つ説明する。例えば、「約x」は「x」自体を含み、且つ説明する。本明細書において使用されるように、「約」という用語は、測定値に関連して使用される場合、又は値、単位、定数、若しくは値の範囲を修飾するために使用される場合、値又はパラメーター自体を含むことに加えて±1~10%の変動を指す。いくつかの実施形態では、「約」という用語は、測定値に関連して使用される場合、又は値、単位、定数、若しくは値の範囲を修飾するために使用される場合、±1、±2、±3、±4、±5、±6、±7、±8、±9、又は±10%の変動を指す。
本明細書において使用されるように、「の間(between)」という用語は、値又はパラメーター自体を含み、且つ説明する。例えば、「xとyの間(between x and y)」は、「x」及び「y」を含み、且つ説明する。
本明細書において使用されるように、「安定した」という用語は、本明細書に記載される抗VEGF抗体が、貯蔵の際にその物理的安定性及び/又は化学的安定性及び/又は生物学的活性を本質的に保持することを意味する。タンパク質の安定性を測定するための種々の分析技術は当該技術分野において利用可能であり、例えば、Peptide and Protein Drug Delivery,247-301,Vincent Lee Ed.,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,Pubs.(1991)及びJones,A.Adv.Drug Delivery Rev.10:29-90(1993)において概説される。安定性は、例えば本明細書に記載されるAEX-HPLC(アニオン交換高速液体クロマトグラフィー)を用いて、選択された温度で選択された期間にわたって測定することができる。好ましくは、水性製剤は室温(約25℃)若しくは40℃で少なくとも1週間安定であり、及び/又は約2~8℃で少なくとも3ヶ月間、少なくとも12ヶ月間、少なくとも18ヶ月間、若しくは少なくとも24ヶ月間安定である。
本明細書に記載される抗VEGF抗体は、それが、色及び/若しくは澄明度の外観試験に際して又はUV光散乱(UV light scattering)、AEX-HPLCによって又はサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)若しくは他の適した当技術分野において知られている方法によって測定されるように、凝集、分解、沈殿、及び/又は変性について定められた出荷規格を満たす場合、医薬製剤中で「その物理的安定性を保持している」。
特に、抗VEGF抗体は、米国薬局方General Chapter<789>に規定される点眼用溶液の要件を満たしていれば、その物理的安定性を保持している。一実施形態では、本発明の水性医薬組成物は、粒子状物質の存在に関するUSP<789>の要件を満たす。したがって、ある実施形態では、本発明の水性医薬組成物中の直径10μm以上の粒子の最大数は1mL当たり50であり、本発明の水性医薬組成物中の直径25μm以上の粒子の最大数は1mL当たり5であり、本発明の水性医薬組成物中の直径50μm以上の粒子の最大数は1mL当たり2であり、前記粒子数は、米国薬局方General Chapter<789>により要求されるように、光遮蔽及び/又は顕微鏡の粒子計数法によって決定される。
本明細書において使用されるように、「タンパク質凝集」という用語は、バイオ医薬薬物の所望の規定種(例えば、モノマー)ではなく、オリゴマー又は多量体などのより高分子量のタンパク質種の形成を意味する。したがって、タンパク質凝集は、共有結合又は非共有相互作用によって形成される、それ以上定義されない全ての種類の多量体種の形成に対する普遍的な用語である。凝集体は、サイズ排除クロマトグラフィー(SE-HPLC又はSEC)によって測定することができる。一実施形態では、水性医薬製剤中の抗VEGF抗体の凝集体は、定量化の限界を下回る。
本明細書に記載される抗VEGF抗体は、室温(約25℃)又は40℃で少なくとも1週間貯蔵した後に抗体の純度が低下しない、或いは実質的に低下しない、及び/又は約2~8℃で少なくとも3ヶ月間~18ヶ月間安定であれば、水性医薬製剤中で「その安定性を保持している」。抗VEGF抗体の安定性は、任意の適切な手段、例えば、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、キャピラリーゲル電気泳動及び/又はアニオン交換クロマトグラフィー(AEX)によって評価され得る。一実施形態では、抗VEGF抗体は、SECによって評価される主ピークの喪失%が、室温(約25℃)若しくは40℃で少なくとも1週間、及び/又は約2~8℃で少なくとも3ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも12ヶ月間、若しくは少なくとも18ヶ月間の貯蔵後に評価して、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、0.5%以下、0.4%以下、0.3%以下、0.2%以下又は0.1%以下である場合に、水性医薬組成物中で安定である。好ましい実施形態では、抗VEGF抗体は、約2~8℃で少なくとも3ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも12ヶ月間、又は少なくとも18ヶ月間の貯蔵後にSECにより評価される、0.5%以下、0.4%以下、0.3%以下、0.2%以下又は0.1%以下の主ピークの喪失を有する。特に好ましい実施形態では、抗VEGF抗体は、約2~8℃で少なくとも3ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも12ヶ月間、又は少なくとも18ヶ月間の貯蔵後にSECにより評価される、0.1%以下の主ピークの喪失を有する。
一実施形態では、抗VEGF抗体は、例えば還元条件下におけるキャピラリーゲル電気泳動、例えばSDSにより評価されるHC及びLCの合計の喪失%が、室温(約25℃)若しくは40℃で少なくとも1週間、及び/又は約2~8℃で少なくとも3ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも12ヶ月間、若しくは少なくとも18ヶ月間の貯蔵後に評価して、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、0.5%以下、0.4%以下、0.3%以下、又は0.2%以下である場合に、水性医薬組成物中で安定である。好ましい実施形態では、抗VEGF抗体は、約2~8℃で少なくとも3ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも12ヶ月間、又は少なくとも18ヶ月間の貯蔵後にキャピラリーゲル電気泳動により評価される、0.5%以下、0.4%以下、0.3%以下、又は0.2%以下のHC及びLCの合計の喪失を有する。特に好ましい実施形態では、抗VEGF抗体は、約2~8℃で少なくとも3ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも12ヶ月間、又は少なくとも18ヶ月間の貯蔵後にキャピラリーゲル電気泳動により評価される、0.2%以下のHC及びLCの合計の喪失を有する。
一実施形態では、抗VEGF抗体は、アニオン交換クロマトグラフィー(AEX)により評価される酸性ピークの合計%が、約2~8℃で少なくとも3ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも12ヶ月間、又は少なくとも18ヶ月間の貯蔵後に評価して、2%以下、1.9%以下、1.8%以下、1.7%以下、又は1.6%以下である場合に、水性医薬組成物中で安定である。好ましい実施形態では、抗VEGF抗体は、約2~8℃で少なくとも3ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも12ヶ月間、又は少なくとも18ヶ月間の貯蔵後にアニオン交換クロマトグラフィーにより評価される、2%以下の酸性ピークの合計を有する。別の実施形態では、抗VEGF抗体は、アニオン交換クロマトグラフィー(AEX)により評価される酸性ピークの合計%が、約25℃で少なくとも3ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも12ヶ月間、又は少なくとも18ヶ月間の貯蔵後に評価して、6%以下、5%以下、又は4%以下である場合に、水性医薬組成物中で安定である。
一実施形態では、抗VEGF抗体は、アニオン交換クロマトグラフィー(AEX)により評価される塩基性ピークの合計%が、約2~8℃で少なくとも3ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも12ヶ月間、又は少なくとも18ヶ月間の貯蔵後に評価して、2%以下、1.9%以下、又は1.8%以下である場合に、水性医薬組成物中で安定である。好ましい実施形態では、抗VEGF抗体は、約2~8℃で少なくとも3ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも12ヶ月間、又は少なくとも18ヶ月間の貯蔵後にアニオン交換クロマトグラフィーにより評価される、2%以下の塩基性ピークの合計を有する。別の実施形態では、抗VEGF抗体は、アニオン交換クロマトグラフィー(AEX)により評価される塩基性ピークの合計%が、約25℃で少なくとも3ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも12ヶ月間、又は少なくとも18ヶ月間の貯蔵後に評価して、6%以下、5%以下、又は4%以下である場合に、水性医薬組成物中で安定である。
本明細書に記載される抗VEGF抗体は、効力アッセイ、例えばHUVEC増殖効力アッセイにおいて決定されるように、所与の時点の抗体の生物学的活性が、医薬製剤が調製された時点で示される生物学的活性の約10%の範囲内であれば、水性医薬製剤中で「その生物学的活性を保持している」。効力分析の一例は競合ELISAである。例えば、競合ELISAでは、本明細書中の実施例で記載される1008がビオチン化VEGFに対してVEGFR2/Fcと競合する能力を測定することができる。1008の量が増大すると、ビオチン化VEGFとその受容体VEGFR2/Fcとの結合が効果的に遮断されるので、観察されるシグナルは1008の濃度に反比例する。各サンプルは、96ウェルマイクロタイタープレートにおいて1008参照標準に対して分析することができ、参照標準に対するサンプルの相対的な効力が観察され得る。
一実施形態では、抗VEGF抗体は、抗VEGF抗体の生物学的活性が参照サンプルと比べて約65%と135%の間である場合に、水性医薬組成物中で安定であり、生物学的活性は、約2~8℃で少なくとも3ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも12ヶ月間、又は少なくとも18ヶ月間の貯蔵後に評価される。
本明細書において使用されるように、「水性」医薬組成物は、水性キャリアが蒸留水である、医薬使用に適した組成物である。医薬使用に適した組成物は、無菌、均質及び/又は等張性であり得る。水性医薬組成物は、水性形態、例えば、すぐに使用可能な予め充填された注射器、若しくは本発明の医薬組成物を含むバイアルから調製される注射器において直接調製されてもよいし(「液体製剤」)、又は使用の直前に再構成される凍結乾燥物として調製されてもよい。本明細書において使用されるように、「水性医薬組成物」という用語は、液体製剤又は再構成される凍結乾燥製剤を指す。ある実施形態では、本発明の水性医薬組成物は、ヒト対象への点眼投与に適している。特定の実施形態では、本発明の水性医薬組成物は、硝子体内投与に適している。
本発明の水性医薬組成物は、抗VEGF抗体に加えて、さらなる成分、例えば以下のうちの1つ又は複数を含む:(i)安定剤;(ii)緩衝剤;(iii)界面活性剤;及び(iv)遊離アミノ酸。このような追加の成分のそれぞれを含めることによって、抗VEGF抗体の凝集が少ない組成物を得ることができる。好ましくは、本発明の水性医薬組成物は、抗VEGF抗体に加えて、(i)安定剤;(ii)緩衝剤;及び(iii)界面活性剤を含む。
本発明と共に使用するのに適した安定剤は、例えば、粘度増強剤、増量剤、可溶化剤などの役割を果たすことができる。安定剤は、イオン性又は非イオン性(例えば、糖)であり得る。糖として、単糖、例えば、フルクトース、マルトース、ガラクトース、グルコース、D-マンノース、ソルボースなど;二糖、例えば、ラクトース、スクロース、トレハロース、セロビオースなど;多糖、例えば、ラフィノース、メレジトース、マルトデキストリン、デキストラン、デンプンなど;及びアルジトール、例えば、マンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトール ソルビトール(グルシトール)などが含まれるが、これらに限定されない。例えば、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、マルトース、ソルビトール又はマンニトールであり得る。糖は、スクロース又はトレハロースなどの糖アルコール又はアミノ糖であり得る。スクロースが好ましい。イオン性安定剤として、NaClなどの塩、又はアルギニン-HClなどのアミノ酸成分を含んでいてもよい。好ましい実施形態では、糖は、3%(w/v)と11%(w/v)の間の濃度で本発明の水性医薬組成物中に存在する。ある実施形態では、糖は、約4.5%~約11%の濃度のスクロースである。他の実施形態では、糖は、約5.5%~約7.0%(w/v)のスクロース濃度のスクロースである。他の実施形態では、糖は、約5.5%~約6.8%(w/v)のスクロース濃度のスクロースである。他の実施形態では、糖は、約5%~約10%の濃度のトレハロースである。好ましい実施形態では、水性医薬組成物は、5.8%(w/v)の濃度のスクロースを含む。別の好ましい実施形態では、水性医薬組成物は、6.4%(w/v)の濃度のスクロースを含む。
本発明と共に使用するのに適した緩衝剤には、有機酸塩、例えば、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸又はフタル酸の塩;Tris、トロメタミン塩酸塩、又はリン酸緩衝液が含まれるが、これらに限定されない。さらに、アミノ酸成分も緩衝剤として使用することができる。10~20mMのヒスチジン緩衝液、例えば、0.13%~0.26%(w/v)のヒスチジン及び0.03%~0.07%(w/v)のヒスチジン塩酸塩一水和物、又は10~20mMのクエン酸緩衝液、例えば、0.006%~0.012%のクエン酸(w/v)及び0.2%~0.6%のクエン酸ナトリウム(w/v)を含むクエン酸又はヒスチジン緩衝液は、特に有用である。本発明の製剤において使用されるクエン酸は、任意の水和形態、例えば、無水物又は一水和物であり得る。好ましい実施形態では、水性医薬組成物は、約1mMと60mMの間、例えば、約10~40mM、約15~30mM、約15~25mM、約10~20mM、約10~15mMの濃度の緩衝剤を含む。ある実施形態では、緩衝剤は、クエン酸又はヒスチジンである。好ましい実施形態では、水性医薬組成物は、約10~15mMのクエン酸ナトリウム、例えば、約0.01mg/mLのクエン酸一水和物及び約0.43mg/mLのクエン酸ナトリウム二水和物を含む。
水性医薬組成物は、改善されたpH制御を提供するために、このような緩衝剤又はpH調整剤を含む。ある実施形態では、本発明の水性医薬組成物は、7.0と7.6の間のpHを有する。一実施形態では、本発明の水性医薬組成物のpHは、約7.0~7.5、又は約7.0~7.4、約7.0~7.3、約7.0~7.2、約7.1~7.6、約7.2~7.6、約7.3~7.6又は約7.4~7.6である。一実施形態では、本発明の水性医薬組成物は、約7.0、約7.1、約7.2、約7.3、約7.4、約7.5又は約7.6のpHを有する。好ましい実施形態では、水性医薬組成物は7.0以上のpHを有する。好ましい実施形態では、水性医薬組成物は約7.2のpHを有する。別の好ましい実施形態では、水性医薬組成物は約7.4のpHを有する。別の好ましい実施形態では、水性医薬組成物は約7.6のpHを有する。
本明細書において使用されるように、本明細書中の「界面活性剤」という用語は、両親媒性構造を有する有機物質を指す。界面活性剤は、界面活性部分の電荷に応じて、種々の医薬組成物及び生物学的材料の調製物のために非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び分散剤に分類することができる。
本発明と共に使用するのに適した界面活性剤には、非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤及び両性イオン界面活性剤が含まれるが、これらに限定されない。本発明と共に使用するための典型的な界面活性剤には、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ソルビタンモノカプリレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート)、ソルビタントリオレエート、グリセリン脂肪酸エステル(例えば、グリセリンモノカプリレート、グリセリンモノミリステート、グリセリンモノステアレート)、ポリグリセリン脂肪酸エステル(例えば、デカグリセリルモノステアレート、デカグリセリルジステアレート、デカグリセリルモノリノレエート)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート)、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレンソルビトールテトラステアレート、ポリオキシエチレンソルビトールテトラオレエート)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレングリセリルモノステアレート)、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、ポリエチレングリコールジステアレート)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンプロピルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)、ポリオキシエチレン水素化ヒマシ油(例えば、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン水素化ヒマシ油)、ポリオキシエチレン蜜ろう誘導体(例えば、ポリオキシエチレンソルビトール蜜ろう)、ポリオキシエチレンラノリン誘導体(例えば、ポリオキシエチレンラノリン)、及びポリオキシエチレン脂肪酸アミド(例えば、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド);C10~C18アルキル硫酸塩(例えば、セチル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム)、平均2~4モルのエチレンオキシド単位が付加されたポリオキシエチレンC10~C18アルキルエーテル硫酸塩(例えば、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム)、及びC~C18アルキルスルホコハク酸エステル塩(例えば、スルホコハク酸ラウリルエステルナトリウム);並びにレシチン、グリセロリン脂質、スフィンゴリン脂質(例えば、スフィンゴミエリン)、及びC12~18脂肪酸のスクロースエステルなどの天然界面活性剤が含まれるが、これらに限定されない。組成物は、これらの界面活性剤のうちの1つ又は複数を含み得る。好ましい界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、例えば、ポリソルベート20、40、60又は80である。ポリソルベート80が特に好ましい。一実施形態では、水性医薬組成物は、0.001%~0.05%のポリソルベート80(w/v)を含む。別の実施形態では、水性医薬組成物は、0.001%~0.01%のポリソルベート80(w/v)を含む。さらに別の実施形態では、水性医薬組成物は、0.001%~0.005%のポリソルベート80(w/v)を含む。好ましい実施形態では、水性医薬組成物は、0.001%、0.002%、0.003%、0.004%又は0.005%のポリソルベート80(w/v)を含む。一実施形態では、水性医薬組成物は0.001%のポリソルベート80(w/v)を含む。一実施形態では、水性医薬組成物は0.002%のポリソルベート80(w/v)を含む。一実施形態では、水性医薬組成物は0.003%のポリソルベート80(w/v)を含む。一実施形態では、水性医薬組成物は0.004%のポリソルベート80(w/v)を含む。一実施形態では、水性医薬組成物は0.005%のポリソルベート80(w/v)を含む。別の好ましい実施形態では、水性医薬組成物は、0.01%~0.05%のポリソルベート80(w/v)を含む。一実施形態では、水性医薬組成物は0.01%のポリソルベート80(w/v)を含む。一実施形態では、水性医薬組成物は0.02%のポリソルベート80(w/v)を含む。一実施形態では、水性医薬組成物は0.03%のポリソルベート80(w/v)を含む。一実施形態では、水性医薬組成物は0.04%のポリソルベート80(w/v)を含む。一実施形態では、水性医薬組成物は0.05%のポリソルベート80(w/v)を含む。
本発明と共に使用するのに適した遊離アミノ酸には、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、イソロイシン、ロイシン、アラニン、グリシン、グルタミン酸又はアスパラギン酸が含まれるが、これらに限定されない。塩基性アミノ酸、すなわち、アルギニン、リジン及び/又はヒスチジンを包含することが好ましい。組成物がヒスチジンを含む場合、これは緩衝剤及び遊離アミノ酸の両方の役割を果たし得るが、ヒスチジン緩衝液が使用される場合には、通常、非ヒスチジン遊離アミノ酸を含み、例えば、ヒスチジン緩衝液及びリジンを含む。アミノ酸はそのD型及び/又はL型で存在し得るが、L型が典型的である。アミノ酸は、任意の適切な塩、例えば、アルギニン-HClなどの塩酸塩として存在し得る。1つの好ましい実施形態では、本発明の水性医薬組成物は、このような遊離アミノ酸を全く含まない。
本発明の水性医薬組成物において利用され得る他の企図される賦形剤には、例えば、抗菌剤、抗酸化剤、帯電防止剤、リン脂質又は脂肪酸などの脂質、コレステロールなどのステロイド、血清アルブミン(ヒト血清アルブミン)、組換えヒトアルブミン、ゼラチン、カゼインなどのタンパク質賦形剤、ナトリウムなどの塩形成対イオンなどが含まれる。本発明の製剤において使用するのに適したこれらの及びさらなる既知の医薬賦形剤及び/又は添加剤は、例えば、“The Handbook of Pharmaceutical Excipients,4th edition,Rowe et al.,Eds.,American Pharmaceuticals Association(2003);及びRemington:the Science and Practice of Pharmacy,21st edition,Gennaro,Ed.,Lippincott Williams & Wilkins(2005)に記載されるように、当該技術分野において知られている。一実施形態では、水性医薬組成物はNaClを含む。一実施形態では、水性医薬組成物は、120mMのNaClを含む。一実施形態では、水性医薬組成物はヒアルロン酸(HA)を含む。ヒアルロン酸は、500~700kDaの分子量を有するHAを含むが、これに限定されない。一実施形態では、水性医薬組成物は、0.1%のHAを含む。別の実施形態では、水性医薬組成物は、0.2%のHAを含む。
ある実施形態では、患者を治療するための本発明の水性医薬組成物を提供するために、抗VEGF抗体の凍結乾燥が企図される。
抗体の凍結乾燥のための技術は当該技術分野において周知であり、例えば、John F.Carpenter and Michael J.Pikal,1997(Pharm.Res.14,969-975);Xialin(Charlie)Tang and Michael J.Pikal,2004(Pharm.Res.21,191-200)を参照されたい。したがって、一実施形態では、本明細書に記載される水性医薬組成物を凍結乾燥することにより調製される凍結乾燥製剤が提供される。別の実施形態では、(i)本明細書に記載される抗VEGF抗体を含む水性医薬組成物を調製するステップと、(ii)水性溶液を凍結乾燥するステップとを含む、凍結乾燥物の調製方法が提供される。
凍結乾燥物は、患者に投与され得る前に、水性再構成剤(reconstituent)を用いて再構成されなければならない。このステップにより、凍結乾燥物中の抗体及び他の成分は再溶解され、患者への注射に適した溶液を得ることができる。
再構成に使用される水性物質の体積は、得られる医薬組成物中の抗体の濃度を決定する。凍結乾燥前の体積よりも小さい体積の再構成剤による再構成は、凍結乾燥前よりも濃縮された組成物を提供する。再構成ファクター(凍結乾燥後の製剤の体積:凍結乾燥前の製剤の体積)は、1:0.5~1:6であり得る。1:3の再構成ファクターが有用である。上述のように、本発明の凍結乾燥物は、少なくとも50mg/ml(すなわち、少なくとも60、70、80、90、100、110、120、又は130mg/ml)の抗VEGF抗体濃度を有する水性組成物を与えるように再構成することができ、再構成剤の体積はそれに応じて選択され得る。必要に応じて、再構成製剤は、患者へ投与する前に、意図される用量を送達するように適切に希釈され得る。
凍結乾燥抗体のための典型的な再構成剤には、任意選択的に防腐剤を含有する滅菌水又は緩衝液が含まれる。凍結乾燥物が緩衝剤を含む場合、再構成剤はさらなる緩衝剤(凍結乾燥物の緩衝剤と同一であっても異なっていてもよい)を含んでいてもよいし、或いはその代わりに、緩衝剤を含まなくてもよい(例えば、WFI(注射用水)、又は生理食塩水)。
本明細書に記載される水性医薬組成物は、液体形態であってもよい。好ましい実施形態では、水性医薬組成物は液体形態である。一実施形態では、水性医薬組成物は、液体としてバイアル中に含まれる。
抗VEGF抗体を含む本発明の水性医薬組成物は、様々な疾患又は障害を治療するために使用することができる。抗VEGF抗体を含む医薬組成物は、対象において新生血管眼疾患を治療するために特に有用である。
本発明の水性医薬組成物を用いて治療することができる「新生血管眼疾患」には、異常な血管形成、脈絡膜血管新生(CNV)、網膜血管透過性、網膜浮腫、糖尿病性網膜症(特に、増殖性糖尿病性網膜症)、糖尿病性黄斑浮腫、nAMD(新生血管AMD)に関連するCNVを含む新生血管(滲出性)加齢性黄斑変性症(AMD)、網膜虚血に関連する後遺症、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、及び後眼部血管新生を含むがこれらに限定されない、眼血管新生に関連する状態、疾患、又は障害が含まれる。
本発明の水性医薬組成物は、抗VEGF抗体に加えて、さらなる活性成分を含んでいてもよい。さらなる薬理剤は、例えば、眼疾患を治療するために有用な他の抗体を含み得る。
本明細書において使用される「治療する」、「治療すること」及び「治療」という用語は、本明細書に記載される治療学的な処置を指す。「治療」の方法は、障害又は再発性障害を予防し、治癒させ、遅延させ、その重症度を低下させ、又はその1つ若しくは複数の症状を寛解させるため、或いはこのような治療が行われない場合の予測を越えて対象の生存を長引かせるために、このような治療を必要としている対象、例えば、VEGF媒介性の眼障害を有する対象又は最終的にこのような障害を獲得する可能性のある対象への本発明の抗体の投与を用いる。
本発明の水性医薬組成物は、患者に投与することができる。本明細書において使用されるように、「対象」又は「患者」という用語は、霊長類、ウサギ、ブタ、ウマ、イヌ、ネコ、ヒツジ、及び雌ウシを含むがこれらに限定されない、ヒト及び非ヒト哺乳類を指す。好ましくは、対象又は患者はヒトである。
投与は、通常、注射器によるものであろう。したがって、本発明は、本発明の医薬組成物を含む送達デバイス(例えば、注射器)(例えば、予め充填された注射器)と、注射器、及び本発明の医薬組成物を含むバイアルを含むキットとを提供する。患者は、有効量(すなわち、所望の効果を達成する、又は少なくとも部分的に達成するために十分な量)の抗VEGF抗体を主要活性成分として受けるであろう。治療有効用量は、疾患に関連する症状又は状態において漸進的な変化さえもたらすことができれば、十分である。治療有効用量は、疾患を完全に治す必要も、症状を完全に排除する必要もない。好ましくは、治療有効用量は、疾患に既に罹患している患者において、疾患及びその合併症を少なくとも部分的に阻止することができる。この使用に有効な量は、治療されている障害の重症度及び患者自身の免疫系の全身状態に依存するであろう。
投薬量は、疾患又は状態の治療において通常の技量を有する医師によって既知の服用量調整技術を使用して容易に決定することができる。本発明の水性医薬組成物において使用される抗VEGF抗体の治療有効量は、たとえば、所望の薬用量及び投与のモードを考慮に入れることによって決定される。典型的に、治療的に有効な組成物は、用量当たり0.001mg/ml~約200mg/mlの範囲にわたる服用量で投与される。好ましくは、本発明の方法において使用される服用量は、約60mg/ml~約120mg/mlである(すなわち、約60、70、80、90、100、110、又は120mg/mlである)。好ましい実施形態では、本発明の方法において使用される抗VEGF抗体の服用量は、60mg/ml又は120mg/mlである。
ある実施形態では、用量は、患者の眼に直接投与される。一実施形態では、眼当たりの用量は、少なくとも約0.5mg~約6mg以下である。眼当たりの好ましい用量は、約0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9mg、1.0mg、1.2mg、1.4mg、1.6mg、1.8mg、2.0mg、2.5mg、3.0mg、3.5mg、4.0mg、4.5mg、5.0mg、5.5mg、及び6.0mgを含む。用量は、たとえば3mg/50μl又は6mg/50μlを含む50μl又は100μlなどのような、点眼用の投与に適した様々な容量で投与することができる。20μl以下、たとえば約20μl、約10μl、又は約8.0μlを含むより少ない容量もまた、使用することができる。ある実施形態では、2.4mg/20μl、1.2mg/10μl、又は1mg/8.0μl(たとえば1mg/8.3μl)の用量が、上記に記載される1つ又はそれ以上の疾患及び障害を治療する又は寛解させるために、患者の眼に送達される。送達は、たとえば、硝子体内注射又は注入によるものとすることができる。
また本発明は、薬剤として使用するため、例えば、抗体を患者に送達するのに使用するため、或いは上記の疾患及び障害の1つ又は複数を治療する又は寛解させるのに使用するための本発明の製剤(すなわち、水性医薬組成物)も提供する。
本発明はさらに、本発明の水性医薬組成物を患者に投与するステップを含む、抗VEGF抗体を患者に送達するための方法を提供する。
ある実施形態では、抗VEGF抗体を患者に送達するための本発明の方法は、(i)本発明の凍結乾燥物を再構成して、水性製剤を得るステップと、(ii)水性製剤を患者に投与するステップとを含む。ステップ(ii)は、理想的には、ステップ(i)の24時間以内(例えば、12時間以内、6時間以内、3時間以内、又は1時間以内)に行われる。
一実施形態では、水性医薬組成物はバイアル内に含まれる。別の実施形態では、水性医薬組成物は送達デバイス内に含まれる。一実施形態では、このような送達デバイスは、予め充填された注射器である。一実施形態では、抗VEGF抗体を患者に送達するための方法は、硝子体内注射によって水性医薬組成物を投与することを含む。
本発明のある特定の実施形態は、以下に番号付けされるように記載される:
1. 少なくとも50mg/ml~約120mg/mlの、配列番号1及び配列番号2の配列を含む抗VEGF抗体と、約4.5%~11%(w/v)のスクロースと、5~20mMのクエン酸ナトリウムと、0.001%~0.05%のポリソルベート80(w/v)とを含む水性医薬組成物であって、組成物のpHが約7.0~約7.6である、水性医薬組成物。
2. 抗VEGF抗体が配列番号3の配列を含む、実施形態1に従う水性医薬組成物。
3. 抗VEGF抗体が配列番号4の配列を含む、実施形態1又は2に従う水性医薬組成物。
4. 組成物のpHが約7.0である、実施形態1~3のいずれかの水性医薬組成物。
5. 組成物のpHが約7.1である、実施形態1~4のいずれかの水性医薬組成物。
6. 組成物のpHが約7.2である、実施形態1~5のいずれかの水性医薬組成物。
7. 組成物のpHが約7.3である、実施形態1~6のいずれかの水性医薬組成物。
8. 組成物のpHが約7.4である、実施形態1~7のいずれかの水性医薬組成物。
9. 0.004%のポリソルベート80(w/v)を含む、実施形態1~8のいずれかの水性医薬組成物。
10. 0.02%のポリソルベート80(w/v)を含む、実施形態1~9のいずれかの水性医薬組成物。
11. 約60mg/mlと約120mg/mlの間の抗VEGF抗体を含む、実施形態1~10のいずれかの水性医薬組成物。
12. 約60mg/mlの抗VEGF抗体を含む、実施形態1~11のいずれかの水性医薬組成物。
13. 約120mg/mlの抗VEGF抗体を含む、実施形態1~12のいずれかの水性医薬組成物。
14. 5.5%~7.0%(w/v)のスクロースを含む、実施形態1~13のいずれかの水性医薬組成物。
15. 10~12mMのクエン酸緩衝液を含む、実施形態1~14のいずれかの水性医薬組成物。
16. 5.9%(w/v)のスクロース、10mMのクエン酸ナトリウム、0.02%(w/v)のポリソルベート80を含み、pHが約7.2である、実施形態1~15のいずれかの水性医薬組成物。
17. 6mgの抗VEGF抗体を含む、実施形態16の水性医薬組成物。
18. 6.4%(w/v)のスクロース、12mMのクエン酸ナトリウム、0.02%(w/v)のポリソルベート80を含み、pHが約7.2である、実施形態1~17のいずれかの水性医薬組成物。
19. 5.8%(w/v)のスクロース、10mMのクエン酸ナトリウム、0.02%(w/v)のポリソルベート80を含み、pHが約7.2である、実施形態1~18のいずれかの水性医薬組成物。
20. 3mgの抗VEGF抗体を含む、実施形態18又は19の水性医薬組成物。
21. NaClをさらに含む、実施形態1~20のいずれかの水性医薬組成物。
22. 0.1~0.5%のヒアルロン酸(HA)をさらに含む、実施形態1~21のいずれかの水性医薬組成物。
23. 前記組成物が、2~8℃で少なくとも18ヶ月間安定である、実施形態1~22のいずれかの水性医薬組成物。
24. 前記組成物が液体である、実施形態1~23のいずれかの水性医薬組成物。
25. 抗VEGF抗体を対象に送達するための方法であって、実施形態1~24のいずれかの水性医薬組成物を前記対象に投与することを含む方法。
26. VEGFによって媒介される眼疾患又は障害を治療する方法であって、実施形態1~24のいずれかの水性医薬組成物を対象に投与することを含む方法。
27. 前記眼疾患又は障害が眼新生血管疾患である、実施形態26の方法。
28. 前記投与が硝子体内投与である、実施形態24~27のいずれかの方法。
29. 水性医薬組成物を対象に投与するステップを含み、抗VEGF抗体を対象に送達するのに使用するための、実施形態1~24のいずれか1つの水性医薬組成物。
30. 水性医薬組成物を対象に投与することを含み、VEGFによって媒介される眼疾患又は障害を治療するのに使用するための、実施形態1~24のいずれか1つの水性医薬組成物。
31. 前記眼疾患又は障害が眼新生血管疾患である、実施形態30に従う使用のための水性医薬組成物。
32. 前記投与が硝子体内投与である、実施形態29~31のいずれかに従う使用のための水性医薬組成物。
33. 実施形態1~24のいずれかの水性医薬組成物を含む剤形。
34. 実施形態1~24のいずれかの水性医薬組成物を含む送達デバイス。
35. 予め充填された注射器である、実施形態34の送達デバイス。
当業者は、本文で教示される特徴、態様及び実施形態が全て互いに組み合わせ可能であることを理解し、本文の種々の部分からの特徴及び/又は実施形態を組み合わせる特定の態様は、当業者に適切に開示されると考えられるであろう。
各実施形態が、そのような組み合わせが実施形態の説明と一致する範囲で、1つ又は複数の他の実施形態と組み合わせ可能であることは理解されるべきである。さらに、上記で提供される実施形態が、実施形態の組み合わせから生じるようなこのような実施形態を含む全ての実施形態を含むと理解されていることも理解されるべきである。
本明細書において使用されるように、他に記載されない限り、全ての割合は重量による割合である。
本明細書において使用されるように、及び他に記載されない限り、「a」及び「an」という用語は、「1つ」、「少なくとも1つ」又は「1つ又は複数」を意味すると考えられる。文脈により他に要求されない限り、本明細書で使用される単数形の用語は複数形を含むものとし、複数形の用語は単数形を含むものとする。
本明細書において使用されるように、「含む(comprising)」という用語は、「含む(including)」、並びに「からなる(consisting)」及び「から本質的になる(essentially consisting of)」を包含し、例えば、Xを含む組成物は排他的にXからなっていてもよいし、或いは付加的な何かを含んでいてもよく、例えば、X+Yであってもよい。
「又は」という用語は、文脈が他に明白に示さない限り、本明細書では「及び/又は」という用語を意味するために使用され、「及び/又は」という用語と互換的に使用される。
本明細書を通して引用されるあらゆる特許、特許出願、及び参考文献の内容は、参照によってその全体が本明細書に援用される。
本発明の他の実施形態は、本明細書の検討及び本明細書に開示される本発明の実施から当業者には明らかであろう。本明細書及び実施例は単なる例として考えられ、本発明の真の範囲及び精神は、以下の請求項及びその等価物によって示されることが意図される。
以下の実施例は、抗体1008を含む安定した高濃度の溶液を提供するのに適した安定化アプローチ及び組成物を特定し、点眼用製品の規制要件を満たす冷蔵貯蔵条件で少なくとも12ヶ月の貯蔵寿命を有する硝子体内(IVT)製剤を可能にするように設計された製剤開発努力を説明する。
1008抗体は、ヒト血管内皮増殖因子A(VEGF-A)に結合してその生物学的活性を阻害する単鎖抗体である。発現された1008のアミノ酸配列は配列番号4である。
pH6.75の0.05%のポリソルベート80を含む15mMのクエン酸三ナトリウム/クエン酸中の等張液として1008を製剤化したときに、120mg/mlの1008の濃度において、肉眼で見えない微粒子が観察された。この最初の製剤に関する大きな問題は、粒子状物質が注射のための点眼用溶液の規制制限を超えることであった(USP<789>)。
以下の実施例は、2~8℃貯蔵で少なくとも18ヶ月間安定である、60及び120mg/mlの1008の硝子体内(IVT)溶液の製剤開発を要約する。製剤開発努力は、肉眼で見えない粒子の形成を阻害すること、並びに含有量、純度及び効力に対するUSP要件を満たすことに焦点を合わせた。
分析方法
表示される実施例全体を通して以下の方法を使用した。
マイクロフローイメージング(MFI)法
賦形剤スクリーニング、60mg/mlの最適化研究のための研究1及び研究2の分析に使用したMFI法は次の通りであった:
使用した全サンプル体積:0.50mL
パージ体積:0.20mL
分析体積:0.26mL
最適化照射ステップは、精製ろ過した粒子を含まない水を用いて実施した。
120mg/mlの1008の研究3及び研究4の分析に使用したMFI法:
使用した全サンプル体積:0.80mL
パージ体積:0.23mL
分析体積:0.48mL
最適化照射ステップは、精製ろ過した粒子を含まない水を用いて実施した。
SEC法
SE-HPLC(サイズ排除クロマトグラフィー)は、タンパク質をそのサイズに従って分離する。サンプル分子が多孔質粒子固定相を通過するときに、その差別的な排除又は包含によって分離が達成された。TOSOH SuperSW3000カラム(Tosoh Bioscience LLC,King of Prussia,PA)と、214nm及び280nmで同時に動作可能な検出器とを備え、0.25ml/分の流速及び4℃のサンプル温度を維持することができる高速液体クロマトグラフィーシステム。この方法は、純度試験のために使用した。
AEX-HPLC法
AEX-HPLC(アニオン交換高速液体クロマトグラフィー)は、タンパク質をその正味の電荷に従って分離する。この手順は、強アニオン交換カラムを含有する温度制御カラムコンパートメント(25℃に設定)と、オートサンプラー(4℃に設定)と、280nmで動作可能な可変波長UV検出器とを有し、0.8ml/分の流速を維持することができる高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて実施した。
CGE法
キャピラリーゲル電気泳動法は、SDSゲルキャピラリー電気泳動により10kDaと225kDaの間の分子量のタンパク質の同一性及び純度を決定するために実施した。Beckman Coulter 0.2%SDSゲル緩衝液、pH8、専売製剤(proprietary formulation)をキャピラリーに動的に充填した。タンパク質の分離は、分子ふるい電気泳動によって実施した。タンパク質分子量の対数は、その相互電気泳動移動度と直線性を有した。その泳動を分子量標準と比較することによって、タンパク質の同一性を決定した。親ピーク及び不純物の面積パーセントの分析によって、純度を決定した。フォトダイオードアレイ検出器(PDA)を使用して、220nmでサンプルを分析した。
実施例1
6つの製剤による製剤スクリーニング研究
製剤スクリーニング研究を実施して、120mg/mLの濃度で1008を貯蔵したときに観察される結晶/曇り/濁りの形成の問題に対処するのに適した製剤を特定した。様々な量の塩(0及び120mMのNaCl)、ポリソルベート80(PS80)(0.05%及び0.004%)、及びpH値(6.8、7.0、7.3及び7.6)を有する5つの製剤(F2~F6)を試験し、対照(F1)と比較した。表1は、製剤F1~F6の組成物に関する詳細を提供する。
Figure 0007089121000006
濁度及びpH
pH6.8で120mMのNaCl濃度を有する製剤2において、40℃で4週間後に濁度の上昇が観察された(エラー!参照元が見当たらず)。エラー!参照元が見当たらずにおいて、結果はpHと相関関係があり、pH効果が示された。製剤4及び5は、pH7.3において低い及び高いポリソルベート80濃度で製剤化した。これらの2つの製剤(F4及びF5)の濁度値は、全ての時点及び条件において、互いに一桁の範囲内であり(表2)、これらの値は大きく異ならないと考えられた。データではpH効果が見られ、より高いpH値はより低い濁度に対応した。また、NaClを含むF2では、NaClを含まない製剤と比べて5℃及び25℃においてわずかに高い濁度が観察された。6つの製剤全てについて、5℃及び25℃で12ヶ月までの間の貯蔵において、標的pHは安定であった。pH値は全て、標的pHの許容できる範囲内であった。
光遮蔽による肉眼で見えない粒子
5℃及び25℃において52週間までの全ての製剤の粒子数は、USP<789>の範囲内であった。測定は、非USPの少量光遮蔽法を用いて実施した。製剤間の違いは観察されなかった。
SECによる純度/主ピーク
サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により評価される純度は、5℃で12ヶ月間にわたって安定であり、どの製剤についても有意な低下は観察されなかった。25℃においてpHの上昇及びポリソルベート80の増大と共に、SECによる主ピーク純度の有意な低下が観察された。全体として、モデルは、SECによる主ピークについて、ポリソルベート80がpHよりも有意な効果を有することを示した。25℃でSECによる主ピーク純度を最大にする製剤は、低ポリソルベート80濃度を有し、pH値が6.8及び7.0であるものであった。主ピークの減少は、主に、SECによる凝集体の形成に起因した。
AEXによる純度/主ピーク
アニオン交換クロマトグラフィー(AEX)により評価される純度は、5℃で12ヶ月間にわたって安定性を低下させた(5℃で12ヶ月間にわたって約1%のAEX純度の低下)。加速させてストレスをかけた安定性条件では、AEX純度の有意な低下が観察された(25℃で6ヶ月間にわたって約12%のAEX純度の低下)。AEX主ピークの変化は、主に、温度及び時間に駆動されて現れた。pH設定点の間で関連のある違いは観察されなかった。F2製剤(pH6.8、0.004%のPS80、120mMのNaCl)について、AEXにより5℃及び25℃においてNaClの効果が観察され、NaClは安定化効果を有し、温度ストレスによるAEX純度の低下を最小限にすることが示唆された。AEXによる純度は、40℃で6週間までに約27%低下した。より高いポリソルベート80濃度(0.05%)は、より低いポリソルベート80濃度(0.004%)を有する製剤と比べて、主ピーク純度の有意な低下をもたらした。40℃(4週間)において6つ全ての製剤について、組み合わせた純度データ(SEC及びAEX)は、pHの上昇及びポリソルベート80濃度の増大と共に純度の低下を示した。
CE-SDSによる純度/主ピーク
還元条件下でキャピラリー電気泳動ドデシル硫酸ナトリウム(CE-SDS)により評価される抗体1008の純度は、5℃で12ヶ月間にわたって約0.7%低下した。25℃で6ヶ月までの間の加速条件下において、還元条件下でCE-SDSにより評価される抗体1008の純度は約5%低下し、pHの上昇と共に断片化のレベルが増大することが確認されたが、ポリソルベート80濃度に関する影響は示されなかった。
全体として、pH、イオン強度、及びポリソルベート80濃度についての安定性結果により、全ての温度においてpH及びポリソルベート80濃度が最も大きな因子であることが確認された。SEC及びAEXによって、より高いpH及びより高いポリソルベート80を有する製剤はより低い純度をもたらした。塩の添加は安定性に最小限の影響を与え、肉眼で見えない微粒子に対して関連のある影響はなかった。12ヶ月(52週間)までの間の製剤安定性研究の全ての分析結果は、表2に要約される。
Figure 0007089121000007
Figure 0007089121000008
Figure 0007089121000009
Figure 0007089121000010
Figure 0007089121000011
Figure 0007089121000012
PEGモデルアッセイ
PEGモデルアッセイは、120mg/mLの抗体1008に適した製剤の迅速選択を可能にするように開発した。まず、pH6.8の最初の製剤中の抗体1008が2~8℃で約7日間の貯蔵後に目に見える結晶を形成し得る、適切なPEG濃度を規定した。1、2、4、5、6及び8%のPEG濃度を調製した。
Figure 0007089121000013
PEGペレットを抗体1008に直接添加し、磁気攪拌により約10分間溶解させた。各PEG濃度についてそれぞれ1mLを含有する5つのバイアルを調製し、2つの温度条件-温度(2~8℃で循環、及び40℃で安定)でバイアルを貯蔵した。各バイアルについて1週間、毎日目視観察を行った。8%のPEG製剤を含む全てのバイアルは、48時間後に固体結晶形成を示し、これは次に、2つの相に分離することが観察された。PEG6%のバイアルの場合、3つのバイアルで3日目に結晶化が始まり、5つのバイアルは全て6日後に固体白色結晶を形成した。5%のPEGサンプルの場合、全てのバイアルは6日目に結晶化し始めた。PEG4%のバイアルの場合、5つのうちの4つのバイアルにおいて8日目に結晶化が開始し、5番目のバイアルは30日後に結晶化した。PEG1%及び2%のバイアルは全て、30日後に透明なままであった。これらの結果に基づいて、さらなるスクリーニング研究のために5%のPEG濃度を選択した。
表1に記載される製剤1~6についてそれぞれ1mLを含有する5つのバイアルを調製し、各バイアルについて毎日目視観察を行った。研究設計及び試験条件は表4に記載され、165日(5.5ヶ月)後の結果は図面に示される。F1(対照、pH6.8)のバイアルは全て7日後に沈殿した。F2(120mMのNaCl、pH6.8)バイアルの場合、沈殿は19日後に始まり、F3バイアル(pH7.0)の場合は22日後に始まった。残りの製剤(F4、F5、及びF6)のバイアルは全て、165日後に透明であった。この研究に基づいて、結晶化は、pH7.0において対照(22日まで)と比べて3倍長く、より高いpH(7.3~7.6)ではさらに長く軽減され、F4、F5、F6のバイアルは全て、165日(5.5ヶ月)後に透明なままであった。より高いpH(>7.0)レベルは結晶化の回避と相関した。NaClの存在も結晶化の回避と相関したが、短期間であった。
Figure 0007089121000014
ロバスト性研究
選択されたpH及びポリソルベート80濃度を確認するために、120mg/mLにおける抗体1008のロバスト性研究を設計した。化学分解、凝集、及び結晶形成リスクを最小限にし、製造中、及び長期間の貯蔵中に、±0.2の最小pH範囲を可能にするように、最低pHを7.0として7.2の標的pHを選択した。凝集を最小限にし、吸着を最小限にして均質性を維持するのに十分な量のポリソルベート80を可能にするように、0.02%の標的ポリソルベート80濃度を選択した。製剤1(F1)を対照として、ポリソルベート80の量(0.01、0.03%及び標的の0.02%)及びpH値(7.0~7.4、標的7.2)を変化させて10個の製剤を選択した。さらに、全てのサンプルを室温において250rpmで3日間振とうさせた後、安定して配置して、製造操作及び現実的な輸送条件をシミュレートした。製剤スクリーニングにおいて使用した成分の濃度は、表5に要約される。加えて、全ての製剤に、5.9%のスクロース及び10mMのクエン酸ナトリウム緩衝液をさらに包含させた。
Figure 0007089121000015
25℃(T=0)における3日間の振とうストレス後の全てのポリソルベート80及びpHレベルについて、SEC及びAEXにより評価される純度は低下しなかった。F1(対照)、並びにより少ないポリソルベート80(0.01%)を有するF5及びより高いpH(7.4)を有するF9について、3日間の振とう後に、10ミクロンよりも大きい粒子状物質数の増大が観察された。これは、F6では見られなかった。3日間の振とうにおけるロバスト性研究の分析結果は、以下の表6A及び6Bに要約される。
Figure 0007089121000016
Figure 0007089121000017
5℃及び25℃において52週間の安定性時点まで、全ての製剤について、10μm超及び25μm超のサイズ範囲の粒子数は、それぞれ50粒子/mL及び5粒子/mLであるUSP<789>範囲よりも十分に低いままであった。2~8℃で貯蔵された120mg/mLの全ての製剤の濁度レベルは平均して5~12NTUの範囲であり、初期時点において1つの異常値18NTU(F4)を有した(25℃(T=0)における3日間の振とうストレス後の全てのポリソルベート80及びpHレベルについて、SEC及びAEXにより評価される純度は低下しなかった。F1(対照)、並びにより少ないポリソルベート80(0.01%)を有するF5及びより高いpH(7.4)を有するF9について、3日間の振とう後に、10ミクロンよりも大きい粒子状物質数の増大が観察された。これは、F6では見られなかった。3日間の振とうにおけるロバスト性研究の分析結果は、以下の表6A及び6Bに要約される。表6)。溶液の濁度レベルは、3ヶ月間の安定性貯蔵の後に、10.8から6.3NTUまでわずかに低下した。この時点を超えると、製剤はどれも52週間まで有意な変化はなかった。関連の色及びpH値の変化は、どの製剤についても観察できなかった。全ての製剤は最小限の変化を示し、AEX及びSECにより評価される主ピーク純度に関する低下は、52週間にわたって約1.1~1.2%であった。観察できる違いはなく、製剤は2~8℃で12ヶ月間の貯蔵にわたってロバストであることが示された。
SECによる純度:凝集体レベルの関連の変化は観察されず、観察された最大の変化は0.1%であった。モノマーピークは99%を超え、2~8℃で12ヶ月間の貯蔵にわたってほとんど変化しないことが示された。
SECによる凝集体:SECにより評価される凝集体レベルが定量化の限界以下であったので、全ての製剤は2~8℃で12ヶ月間にわたって安定であった。
CE-SDSによる純度:5℃で12ヶ月間にわたってわずかな低下が観察され(約1%)、これは、より高いpHを有する製剤の場合により顕著であった。ポリソルベート80の濃度は、断片の形成に無関係である。純度データ(25℃、6ヶ月間)により、断片化のレベルはpHの上昇と共に増大することが確認される。CE-SDSによる純度に対するポリソルベート80濃度の影響は見られない。
ロバスト性研究の分析結果は、以下の表7に要約される。
Figure 0007089121000018
Figure 0007089121000019
Figure 0007089121000020
Figure 0007089121000021
Figure 0007089121000022
Figure 0007089121000023
Figure 0007089121000024
Figure 0007089121000025
本発明及び本発明の実施形態を詳細に説明した。しかしながら、本発明の範囲は、本明細書において記載されるあらゆるプロセス、製造、合成物、化合物、手段、方法、及び/又はステップの特定の実施形態に限定されるようには意図されない。本発明の精神及び/又は本質的な特徴から逸脱することなく、様々な修飾、置換、及び変更を、開示される構成要素に対してなすことができる。したがって、当業者は、本明細書において記載される実施形態と同じ機能を実質的に実行する又は同じ結果を実質的に実現する後からの修飾、置換、及び/又は変更が、本発明のそのような関係のある実施形態に従って活用されてもよいことを本開示から容易に認識するであろう。したがって、以下の請求項は、本明細書において開示されるプロセス、製造、合成物、化合物、手段、方法、及び/又はステップに対する修飾、置換、及び変更をそれらの範囲内に包含することが意図される。請求項は、記載される順序又は要素に限定されるとして、そういった趣旨の指定のない限り解釈されるべきではない。形態及び詳細における様々な変更が、添付される請求項の範囲から逸脱することなくなされてもよいことが理解されるべきである。

以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載の発明を列挙する。
[発明1]
少なくとも50mg/ml~約120mg/mlの配列番号1及び配列番号2の配列を含む抗VEGF抗体と、約4.5%~11%(w/v)のスクロースと、5~20mMのクエン酸ナトリウムと、0.001%~0.05%のポリソルベート80(w/v)とを含む水性医薬組成物であって、前記組成物のpHが約7.0~約7.6である、水性医薬組成物。
[発明2]
前記抗VEGF抗体が配列番号3又は4の配列を含む、発明1に記載の水性医薬組成物。
[発明3]
前記抗VEGF抗体が配列番号3及び4の配列を含む、発明1又は2に記載の水性医薬組成物。
[発明4]
前記組成物のpHが約6.8である、発明1~3のいずれか一つに記載の水性医薬組成物。
[発明5]
前記組成物のpHが約7.2である、発明1~4のいずれか一つに記載の水性医薬組成物。
[発明6]
0.004%のポリソルベート80(w/v)を含む、発明1~5のいずれか一つに記載の水性医薬組成物。
[発明7]
0.02%のポリソルベート80(w/v)を含む、発明1~6のいずれか一つに記載の水性医薬組成物。
[発明8]
約60mg/mlと約120mg/mlの間の抗VEGF抗体を含む、発明1~7のいずれか一つに記載の水性医薬組成物。
[発明9]
約20mg/mlの抗VEGF抗体を含む、発明1~7のいずれか一つに記載の水性医薬組成物。
[発明10]
5.5%~7.0%(w/v)のスクロースを含む、発明1~9のいずれか一つに記載の水性医薬組成物。
[発明11]
6.5%(w/v)のスクロース、12mMのクエン酸ナトリウム、0.02%(w/v)のポリソルベート80を含み、前記pHが約7.2である、発明1に記載の水性医薬組成物。
[発明12]
3mgの抗VEGF抗体を含む、発明11に記載の水性医薬組成物。
[発明13]
5.8%(w/v)のスクロース、10mMのクエン酸ナトリウム、0.02%(w/v)のポリソルベート80を含み、前記pHが約7.2である、発明1に記載の水性医薬組成物。
[発明14]
6mgの抗VEGF抗体を含む、発明13に記載の水性医薬組成物。
[発明15]
前記組成物が2~8℃において少なくとも18ヶ月間安定である、発明1~14のいずれか一つに記載の水性医薬組成物。
[発明16]
前記組成物が液体である、発明1~15のいずれか一つに記載の水性医薬組成物。
[発明17]
抗VEGF抗体を対象に送達するための方法であって、発明1~16のいずれか一つに記載の水性医薬組成物を前記対象に投与することを含む方法。
[発明18]
VEGFによって媒介される眼疾患又は障害を治療する方法であって、発明1~16のいずれか一つに記載の水性医薬組成物を対象に投与することを含む方法。
[発明19]
前記眼疾患又は障害が眼新生血管疾患である、発明18に記載の方法。
[発明20]
前記投与が硝子体内投与である、発明17~19のいずれか一つに記載の方法。
[発明21]
前記水性医薬組成物を対象に投与するステップを含み、抗VEGF抗体を前記対象に送達するのに使用するための、発明1~16のいずれか一つに記載の水性医薬組成物。
[発明22]
前記水性医薬組成物を対象に投与することを含み、VEGFによって媒介される眼疾患又は障害を治療するのに使用するための、発明1~16のいずれか一つに記載の水性医薬組成物。
[発明23]
前記眼疾患又は障害が眼新生血管疾患である、発明22に記載の使用のための水性医薬組成物。
[発明24]
前記投与が硝子体内投与である、発明21~23のいずれか一つに記載の使用のための水性医薬組成物。
[発明25]
発明1~16又は21~24のいずれか一つに記載の水性医薬組成物を含む剤形。
[発明26]
発明1~16又は21~24のいずれか一つに記載の水性医薬組成物を含む送達デバイス。
[発明27]
予め充填された注射器である、発明26に記載の送達デバイス。

Claims (23)

  1. 約60mg/ml~約120mg/mlの配列番号1及び配列番号2の配列を含む抗VEGF抗体と、約4.5%~11%(w/v)のスクロースと、5~20mMのクエン酸ナトリウムと、0.02%のポリソルベート80(w/v)とを含む水性医薬組成物であって、前記組成物のpHが7.2±1%である、水性医薬組成物。
  2. 前記抗VEGF抗体が配列番号3又は4の配列を含む、請求項1に記載の水性医薬組成物。
  3. 前記抗VEGF抗体が配列番号3及び4の配列を含む、請求項1又は2に記載の水性医薬組成物。
  4. 前記組成物のpHが7.2である、請求項1~3のいずれか一項に記載の水性医薬組成物。
  5. 約60mg/mlと約120mg/mlの間の抗VEGF抗体を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の水性医薬組成物。
  6. 約20mg/mlの抗VEGF抗体を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の水性医薬組成物。
  7. 5.5%~7.0%(w/v)のスクロースを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の水性医薬組成物。
  8. 6.5%(w/v)のスクロース、12mMのクエン酸ナトリウム、0.02%(w/v)のポリソルベート80を含み、前記pHが7.2±1%である、請求項1に記載の水性医薬組成物。
  9. 約60mg/mlの抗VEGF抗体を含む、請求項に記載の水性医薬組成物。
  10. 3mgの抗VEGF抗体を含む、請求項に記載の水性医薬組成物。
  11. 5.8%(w/v)のスクロース、10mMのクエン酸ナトリウム、0.02%(w/v)のポリソルベート80を含み、前記pHが7.2±1%である、請求項1に記載の水性医薬組成物。
  12. 約120mg/mlの抗VEGF抗体を含む、請求項11に記載の水性医薬組成物。
  13. 6mgの抗VEGF抗体を含む、請求項11に記載の水性医薬組成物。
  14. 60mg/mlの抗VEGF抗体を含む水性医薬組成物であって、配列番号3又は4の配列、6.5%(w/v)のスクロース、12mMのクエン酸ナトリウム、及び0.02%(w/v)のポリソルベート80を含み、pHが7.2±1%である、前記水性医薬組成物。
  15. 120mg/mlの抗VEGF抗体を含む水性医薬組成物であって、配列番号3又は4の配列、5.8%(w/v)のスクロース、10mMのクエン酸ナトリウム、及び0.02%(w/v)のポリソルベート80を含み、pHが7.2±1%である、前記水性医薬組成物。
  16. 前記組成物が2~8℃において少なくとも18ヶ月間安定である、請求項1~15のいずれか一項に記載の水性医薬組成物。
  17. 前記組成物が液体である、請求項1~16のいずれか一項に記載の水性医薬組成物。
  18. 抗VEGF抗体を前記対象に送達するのに使用するための、請求項1~17のいずれか一項に記載の水性医薬組成物。
  19. VEGFによって媒介される眼疾患又は障害を治療するのに使用するための、請求項1~17のいずれか一項に記載の水性医薬組成物。
  20. 前記眼疾患又は障害が眼新生血管疾患である、請求項19に記載の使用のための水性医薬組成物。
  21. 前記投与が硝子体内投与である、請求項1820のいずれか一項に記載の使用のための水性医薬組成物。
  22. 請求項1~17のいずれか一項に記載の水性医薬組成物を含む送達デバイス。
  23. 予め充填された注射器である、請求項22に記載の送達デバイス。
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