JP7088675B2 - 螺条付き締結具を締める装置 - Google Patents

Description

関連出願に関する相互参照
本出願は、同一の譲受人により所有され且つ同時係属中である米国特許出願の一部継続出願であって、「螺条付き締結具を締める装置」と称されて２０１５年５月２９日の出願日を有し、出願番号が第６２／１６８,００８号であり、参照することによりその全体的な内容が援用されるものである。

本出願において開示される新規性は、参照することによりその全体的な内容が援用される「狭いスペースのための油圧トルク・レンチ」と称されて２０１１年２月８日の出願日を有する第１３／０２３,３７５号の米国特許出願第において開示された技術を進展させるものである。

多くの場合、工業的なボルト締め用途は、限られたスペース(clearance)及び／又はアクセス性の問題を伴う螺条付き締結具を伴う。上記の締結具を締め且つ緩めるために、操作者は、アクチュエータ及びラチェット・リンク機構を含む先行技術の油圧トルク・レンチを使用し得る。これらの２つの構成要素は、それらが、それらの所望の用途に依存して結合及び結合解除され得る様に、モジュール式とされ得る。上記のアクチュエータは、一つ以上の油圧シリンダ及びピストンを含み得る。上記アクチュエータを上記リンク機構上に設置すると、該アクチュエータのピストンの自由端部は、上記リンク機構の内部の駆動レバーに対して枢動的に接続される。上記ピストンが往復的に運動するにつれ、それは、この駆動レバーを前後に駆動する。すると、上記駆動レバーと、ソケットとの間に形成されたラチェット機構により、該ソケットは回動されると共に、該ソケット内に配設された螺条付き締結具に対してトルクを付与する。

上記のトルク・レンチの動作は効果的であるが、業界における既存のトルク・レンチは、ラチェット・リンク機構に対して同様の設計態様を有している。上記のリンク機構は、該リンク機構の内部構成要素を挟持する複数枚の側部プレートを有すると共に、各プレート間には複数のスペーサが使用され得る。上記ソケットは、これらのプレートの中間に設置されると共に、各プレートの夫々の開口を通して露出されたままとされる。このソケットは、回動されるべき螺条付き締結具と、当該機構が回動され得る様に各側部プレート間に保持された内部駆動レバー／ラチェット機構との間に形成される。上記のスペースが限られた工具上、又は、該工具内には、他の内部及び外部の構成要素が見出され得る。

当業界においては一般的であるが、スペースが限られた先行技術の油圧トルク・レンチに対するこの形態の構成には、制限がある。上記のトルク・レンチの構成は、レンチの全幅及び／又はソケットの奥行を増大させ、一定の状況においてはレンチの有用性を制限することがある。幾つかの状況において、フランジの如き、閉じられるべき対象物の直近には、障害物又は特定構造が位置することがある。このことは、対象物と、ナットと、ボルトの露出端部もしくはボルト頭部との間において減少された高さ及び／又は奥行のスペースに帰着し得ることから、スペースが限られた従来の油圧トルク・レンチの利用可能性が制限され得る。

従って、狭いスペースにて使用され得る油圧トルク・レンチにおいて必要とされるのは、ナットに対するレンチのアクセス性を向上させ、且つ、現場におけるレンチの有用性を高めることである。

本発明の第１の態様に依れば、本発明者等は、油圧式トルク工具のリンク駆動手段のための小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリを提供する。該面歯ラチェット・アセンブリは、第１端部におけるピストン係合手段と、第２端部における径方向鋸歯を備えた加工済みフェースギヤとを有する駆動プレートと、第１端部における対応する径方向鋸歯を備えた加工済みフェースギヤと、第２端部における螺条付き締結具係合手段とを有するラチェット駆動器と、を含む。

好適には、上記小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリは、上記工具の体積及び質量を最小限度に抑える。第１端部から第２端部までテーパ付けされた一枚のみの駆動プレートが必要とされる。更に、上記リンク駆動手段の各側部プレートは、第１端部から第２端部までテーパ付けされる。上記の幾何学形状は、上記リンク駆動手段の各部分の幅を最小限度に抑えることで、上記螺条付き締結具係合手段の近傍における上記第２端部を、ピストン係合手段の近傍における上記第１端部よりも相当に薄寸化する。２つのみの部材を介して更に小寸の囲繞体内で、更に大きなトルク値が伝達される。特に、駆動及び／又は反作用の爪部は必要でない、と言うのも、上記駆動プレート及び上記ラチェット駆動器の歯部は全面噛合を達成するからである。上記接続継手の設計態様は、バックラッシュが無く、工具の安全性を最大化し、摩耗、屈曲、擦過及び亀裂に起因する故障／疲労の虞れを最小限度に抑え、且つ、変動する力に適している。

本発明の更なる特徴は、本明細書に添付された請求項２～１０に示される。

本発明は、添付図面を参照して例示的にのみ記述され得る。

本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリを有する油圧トルク・レンチの斜視図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリを有する油圧トルク・レンチの前面図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリを有する油圧トルク・レンチの側面図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリを有する油圧トルク・レンチの後面図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリを有する油圧トルク・レンチのリンク駆動手段の内部構成要素の斜視図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリを有する油圧トルク・レンチのリンク駆動手段の内部構成要素の側面図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリを有する油圧トルク・レンチのリンク駆動手段の内部構成要素の前面図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリの斜視図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリの斜視図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリの駆動プレート及びラチェット駆動器の斜視図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリの駆動プレート及びラチェット駆動器の斜視図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリの駆動プレート及びラチェット駆動器の斜視図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリの駆動プレート及びラチェット駆動器の斜視図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリの駆動プレートの斜視図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリの駆動プレートの前面図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリの駆動プレートの詳細図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリの駆動プレートの詳細図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリの駆動プレートの側面図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリの駆動プレートの後面図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリのラチェット駆動器の斜視図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリのラチェット駆動器の前面図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリのラチェット駆動器の側面図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリのラチェット駆動器の断面図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリを有する油圧トルク・レンチの波形スプリングの斜視図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリを有する油圧トルク・レンチの波形スプリングの前面図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリを有する油圧トルク・レンチの波形スプリングの側面図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリを有する油圧トルク・レンチの波形スプリングの側面図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリを有する油圧トルク・レンチの側部プレートの斜視図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリを有する油圧トルク・レンチの側部プレートの後面図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリを有する油圧トルク・レンチの側部プレートの断面図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリを有する油圧トルク・レンチの側部プレートの側面図である。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリを有する油圧トルク・レンチのスペーサの例の種々の概観の中の１つである。 本発明に係る小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリを有する油圧トルク・レンチのスペーサの例の種々の概観の中の１つである。

図１Ａ～図１Ｄは、シリンダ／ピストン手段１０とリンク駆動手段５０とを有する油圧式トルク工具１のための小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリ１００の斜視図、前面図、側面図、及び、後面図を示している。

図２Ａ～図２Ｃは、小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリ１００を有する油圧式トルク工具１のリンク駆動手段５０の内部構成要素の斜視図、側面図、及び、前面図を示している。面歯ラチェット・アセンブリ１００は、第１端部１１１におけるピストン係合手段１１２と、第２端部１１５における径方向鋸歯１１７を備えた加工済みフェースギヤ１１６とを有する駆動プレート１１０を含む。面歯ラチェット・アセンブリ１００はまた、第１端部１２１における対応する径方向鋸歯１２３を備えた加工済みフェースギヤ１２２と、第２端部１２５における螺条付き締結具係合手段１２６とを有するラチェット駆動器１２０も含んでいる。面歯ラチェット・アセンブリ１００は、リンク駆動手段５０の第１及び第２の側部プレート５１及び５２であって、第１、第２、第３及び第４のスペーサ５３、５４、５５、５６により堅固に離間されて保持されたというプレート５１及び５２の間に形成されると共に、各プレート内で運動する。

図２Ａ～図２Ｃは、駆動プレート１１０が、前進及び後退ストロークにおいて(詳細には示されない)第１及び第２のシリンダ１３及び１４内の第１及び第２の油圧ピストン１１及び１２により往復的に駆動されることを示している。駆動プレート１１０は、回動力軸心Ａに関し、軸心方向に揺動する。前進ストロークの間において、駆動プレート１１０及びラチェット駆動器１２０の対応する歯部１１７及び１２３は、波形スプリング１３０からの荷重下にて噛合し、螺条付き締結具を締め、又は、緩める。波形スプリング１３０は、通常的なコイル／圧縮スプリングと同様の力及び撓みを呈するが、工具１の狭い径方向及び軸心方向の空間内に収まる。波形スプリング１３０は、駆動プレート１１０と側部プレート５２との間に形成される。後退ストロークの間、駆動プレート１１０及びラチェット駆動器１２０の対応する歯部１１７及び１２３は、噛合解除されると共に、相互を通過して滑動する。

前進ストロークの間、駆動プレート１１０及びラチェット駆動器１２０の対応する歯部１１７及び１２３は、相互に対して回動不能に噛合する。伝達されるトルクは円周方向力に比例し、これは先行技術のラチェット・アセンブリと比較して最大化される。上記歯部の角張った表面は、確動的繋止により、上記円周方向力の大部分を伝達する。たとえば、ディスク(波形)スプリングの如き張設媒体は、必要とされる軸心方向力を各歯部に付与し、それらをトルク伝達噛合状態に固定する。各歯部は、リングの回りにて噛合すると共に、各歯部のトルク容量は、螺条付き締結具を収容すべく配置された各歯部の直径と共に増大する。概略的にテーパ付けされた非対称的な歯部が、可変的な側面視角度を以て使用される。継手は、溝の個数と、円筒状特定構造の外径と、(円筒状特定構造の軸心に対する)各溝の底部角度と、それらの深さとにより定義される。

図３～図１０は、小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリ１００及び／又はトルク工具１の各構成要素の種々の概観及び更なる詳細を示している。

好適には、小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリ１００は、トルク工具１の体積及び質量を最小限度に抑える。先行技術の典型的な２枚ではなく、第１端部から第２端部までテーパ付けされた一枚のみの駆動プレート１１０が必要とされる。更に、リンク駆動手段５０の側部プレート５１及び５２は、第１端部から第２端部までテーパ付けされる。上記の幾何学形状は、リンク駆動手段５０の各部分の幅を最小限度に抑えることで、螺条付き締結具係合手段１２６の近傍における第２端部１１５を、ピストン係合手段１１２の近傍における第１端部１１１よりも相当に薄寸化する。２つのみの部材を介して更に小寸の囲繞体内で、更に大きなトルク値が伝達される。特に、駆動及び／又は反作用の爪部は必要でない、と言うのも、駆動プレート１１０及びラチェット駆動器１２０の歯部(鋸歯)１１７及び１２３は全面噛合を達成するからである。上記接続継手の設計態様は、バックラッシュが無く、工具の安全性を最大化し、摩耗、屈曲、擦過及び亀裂に起因する故障／疲労の虞れを最小限度に抑え、且つ、変動する力に適している。

各図は、低スペースの油圧式工具において使用される面歯ラチェット・リンク・アセンブリ１００を示しているが、これは、電気的、油圧的、手動的又は空気圧的に動力供給される如き工具と共に両方が使用される四角ドライブ工具及びリンク機構において使用されるべく適合化され得る。

上述された要素の各々、又は、協働する２つ以上は、上述された形式とは異なる他の形式の構成においても有効な用途を見い出し得ることは理解される。上述の説明、又は、以下の各請求項、又は、添付図面において開示された特徴であって、それらの当該特徴の特定形態において表現され、或いは、開示された結果を達成するために、必要に応じて開示された機能、又は、方法もしくはプロセスを実施する手段に関して表現されたという特徴は、別体的に、又は、上記の特徴の任意の組合せにて、発明をそれの多様な形態にて実現するために利用され得る。

本発明は、流体作動式の工具において具現されるとして示され且つ記述されてきたが、本発明は、示された詳細に限定されることは意図されない、と言うのも、本発明の精神から何ら逸脱せずに種々の改変及び構造的変更が為され得るからである。

更なる検討なしで、上述の内容は、他者が、現在の知見を適用することにより、それを、先行技術の観点から、本発明の包括的また特定的な見地の本質的な特性を明確に構成する特徴を除外せずに種々の用途に対して容易に適合化し得る様に、本発明の要旨を十分に明らかとしている。

本出願及び各請求項において使用されたとき、“備えて成る(comprising)”、“含む(including)”、“有する(having)”、及び、それらの変化形は、特定の特徴、段階又は整数が包含されることを意味している。各語句は、他の特徴、段階又は構成要素の存在を除外すると解釈されるべきでない。

Ａ 回動力軸心
１ 油圧式トルク工具
１０ シリンダ／ピストン手段
１１ 第１油圧ピストン
１２ 第２油圧ピストン
１３ 第１シリンダ
１４ 第２シリンダ
５０ リンク駆動手段
５１ 第１側部プレート
５２ 第２側部プレート
５３ 第１のスペーサ
５４ 第２のスペーサ
５５ 第３のスペーサ
５６ 第４のスペーサ
１００ 小スペース用の面歯ラチェット・アセンブリ
１１０ 駆動プレート
１１１ 駆動プレートの第１端部
１１２ ピストン係合手段
１１５ 駆動プレートの第２端部
１１６ 加工済みフェースギヤ
１１７ 径方向鋸歯
１２０ ラチェット駆動器
１２１ ラチェット駆動器の第１端部
１２２ 加工済みフェースギヤ
１２３ 径方向鋸歯
１２５ ラチェット駆動器の第２端部
１２６ 螺条付き締結具係合手段
１３０ 波形スプリング

Claims (4)

1. 締結具を締め又は緩めるトルク工具においてトルクを伝達する油圧トルク工具であって、前記油圧トルク工具は、リンク駆動手段（５０）内に、且つ、前記リンク駆動手段（５０）の第１の側部プレート（５１）と第２の側部プレート（５２）の間に形成された、締結具を締め又は緩めるトルク工具（１）内でトルクを伝達するための装置を有し、
   前記装置は、
   駆動プレート（１１０）の第１端部（１１１）におけるピストン係合手段（１１２）と、駆動プレート（１１０）の第２端部（１１５）における径方向鋸歯（１１７）を備えた加工済みフェースギヤ（１１６）とを有する、駆動プレート（１１０）と、
   ラチェット駆動器（１２０）の第１端部（１２１）における対応する径方向鋸歯（１２３）を備えた加工済みフェースギヤ（１２２）と、ラチェット駆動器（１２０）の第２端部（１２５）における螺条付き締結具係合手段（１２６）とを有する、ラチェット駆動器（１２０）とを含む、締結具を締め又は緩めるトルク工具においてトルクを伝達する油圧トルク工具において、
   前記装置は、前記トルク工具（１）の前記駆動プレート（１１０）と側部プレート（５１、５２）との間に形成された波形スプリング（１３０）を含み、
   前記リンク駆動手段（５０）の前記第１の側部プレート（５１）及び前記第２の側部プレート（５２）は、前記ピストン係合手段（１１２）の近傍の第１端部と、前記螺条付き締結具係合手段（１２６）の近傍の第２端部とを備え、前記第２端部における前記リンク駆動手段（５０）の幅が、前第１端部における前記リンク駆動手段（５０）の幅よりも薄寸である、油圧トルク工具。
2. 前記トルク工具（１）の前進ストロークの間において、前記駆動プレート（１１０）及び前記ラチェット駆動器（１２０）の対応する夫々の径方向鋸歯（１１７、１２３）は、前記波形スプリング（１３０）からの荷重下で噛合し、螺条付き締結具を締め又は緩める、請求項１に記載の油圧トルク工具。
3. 前記トルク工具（１）の後退ストロークの間において、前記駆動プレート（１１０）及び前記ラチェット駆動器（１２０）の対応する夫々の径方向鋸歯（１１７、１２３）は、噛合解除されると共に、相互を通過して滑動する、請求項１に記載の油圧トルク工具。
4. 前記駆動プレート（１１０）は、前記第２端部（１１５）が前記駆動プレートの前記第１端部（１１１）よりも薄く設計されている、請求項１に記載の油圧トルク工具。

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